JP4970865B2 - 偏向装置、光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

偏向装置、光走査装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、偏向装置、光走査装置及び画像形成装置に関し、特に振動ミラーを利用した偏向装置及びこれを用いた光走査装置、画像形成装置に関するものである。
従来から、光走査装置においては、光ビームを走査する偏向器としてポリゴンミラーやガルバノミラーが用いられているが、より高解像度な画像と高速プリントを達成するために、この回転をさらに高速にしなければならず、軸受の耐久性や風損による発熱、騒音が課題となり、ポリゴンミラーやガルバノミラーでの高速走査には限界がある。
これに対し、近年では、シリコンマイクロマシニングを利用した偏向装置の研究が進められており、Si基板で振動ミラーとそれを軸支するねじり梁を一体形成した方式が提案されている。この方式によれば、ミラー面サイズが小さく小型化できるうえ、共振を利用して往復振動させるので高速動作が可能であるにもかかわらず、低騒音で消費電力が低いという利点がある。
しかしながら、ポリゴンミラーと同等な画角を確保するには、より広い振れ角範囲で回転トルクを効かせる必要があり、その対応策として、特許文献1において、回転軸の近傍で回転トルクを発生させるようにした偏向ミラーが開示されている。同文献の発明は、光ビームを偏向する可動ミラーと、可動ミラーと連結され回転軸心を規定するねじり梁と、ミラーを揺動する回転力を発生するミラー揺動手段を可動ミラーと回転軸方向に隣接して備え、可動ミラーの回転軸心からの距離をr’、可動ミラー幅をAとし、r’≦A/4なる部位に回動力を発生させるものである。
また、複数の画像形成ステーションを有し、各色画像を重ね合わせてカラー画像を形成する"タンデム方式"に対応した光走査装置に適用するには、特許文献2に開示されるように、複数の振動ミラーを備え、それらを共通の走査周波数で駆動する必要があるが、製作工程における寸法のばらつきにより共振周波数が揃わない。その対応策として、特許文献3では、質量負荷部をミラー両端に備える発明が提案されており、特許文献4では、ねじり梁とミラー部を同時加工して共振周波数を合わせる発明が開示されている。
特開2005−24721号公報 特開2003−98459号公報 特開2002−40355号公報 特開2002−228965号公報
上述したように、振動ミラーをポリゴンミラーの代わりとして用いることで、低騒音化や低消費電力化が可能となり、オフィス環境に適合した画像形成装置が提供できる。特に"タンデム方式"に対応した光走査装置においては、ポリゴンミラーの温度上昇によって光走査装置を収めるハウジングに温度分布が発生し、熱歪みによって結像光学系を構成する走査レンズや折返しミラーなどの姿勢が変化して、色ずれや色変わりの要因となっていたが、振動ミラーによって温度上昇が抑えられれば、高品位な画像形成が行える。
ところが、ポリゴンミラーと比較した場合、第一にミラー面が小さいというデメリットがある。第二に振れ角が小さくなるという問題もある。すなわち、高速化に伴い走査周波数が上がると振れ角に限界があるうえ、さらに、正弦波振動に伴って、単位時間あたりの回転角の変化量が振れ角のピークに近づくにつれて極端に小さくなるため、被走査面で均一なドット間隔を得ようとすると全振れ角の約1/2しか有効に利用できないことになる。
他方、結像スポット径が小さいと潜像をより矩形に近い状態で形成でき、解像力が向上してドットの均一性を保てるため、結像スポット径は小さい方が望ましい。しかし、一般に、ガウスビームの結像特性は、結像レンズに入射する光束径をω0、結像スポット径をωとすると、ω0/ωが結像レンズの焦点距離fに比例する特性を有し、上記したように、振れ角がとれず画角が小さくなると、結像レンズの焦点距離fが必然的に長くなるため、微小スポットに絞り込むには、光束径ω0を大きく、つまり、ミラー面サイズを大きくする必要が生じる。
例えば、図14に示すような単純な板状の可動ミラーを想定してみる。可動ミラーの寸法について、回転軸に直交する方向の幅を2r、回転軸に平行する方向の幅をd、厚さをt、ねじり梁の寸法について、長さをh、幅をaとした場合、Siの密度ρ、材料定数Gを用いて、慣性モーメントI及びバネ定数Kは、
慣性モーメントI=(4ρrdt/3)・r^2
バネ定数K=(G/2h)・{at(a^2+t^2)/12}
と表され、共振振動数f0は、
f0=(1/2π)・√(K/I)=(1/2π)・√{Gat(a^2+t^2)/24LI}
と表すことができる。
ここで、ねじり梁の長さLと振れ角θは略比例関係にあるため、振れ角θは、
θ=κ/I・f0^2(κは定数)・・・(1)
で表される。振れ角θは慣性モーメントIに反比例し、共振振動数f0を高めるには慣性モーメントIを低減しないと振れ角θが小さくなってしまい、ミラー面サイズ2rを単純に大きくしたのでは、その3乗に反比例して振れ角θが小さくなってしまう。
一方、回転トルクTと振れ角θの関係は、
θ=κ'・T/K(κ'は定数)・・・(2)
であるから、ミラー面サイズ2rが大きくなっても振れ角θを確保できるようにするには、その3乗に比例した回転トルクTを発生させる必要がある。
つまり、ミラー面サイズに応じた回転トルクが発生でき、さらに、上記したように、複数の振動ミラーを混在させると共振周波数が各々異なるため、これらを共通の走査周波数fdで揺動しても、振れ角θを確保できるような方式が望まれる。
本発明では、上記に鑑み、カラー画像形成に対応した微小スポット径に絞り込むためのミラー面サイズを確保しつつ、所定の振れ角が得られるようにすることで、偏向装置としての振動ミラーを"タンデム方式"に対応した光走査装置に適用し、低騒音、かつ低消費電力でありながら、色ずれや色変わりのない高品位なカラー画像形成が行えるようにすることを目的とする。
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、回転軸として設けられたねじり梁によって支持された振動板部と、当該振動板部に形成したミラー部とを備え、発光源からのビームを往復走査する振動ミラーと、前記振動ミラーに対して回転トルクを周期的に付与して揺動せしめる回動手段とを有する偏向装置であって、前記回動手段は、前記振動板部の前記回転軸に直交する方向に前記回転軸からRだけ離隔した前記回転軸に平行な一辺に沿って回転トルクを発生させ、前記ミラー部について前記回転軸に直交する方向の幅を2r、前記回転軸に平行する方向の幅をdとし、前記の回転トルクが発生する隔離した一辺の幅をDとした場合に、
R<r、D>dであり、かつ、D≧d・(r/R)^2
となる関係を有することを特徴とする。
本請求項の発明は、ねじり梁を回転軸として支持され、発光源からのビームを往復走査する振動ミラーと、前記振動ミラーに周期的に回転トルクを付与して揺動せしめる回動手段とを有する偏向装置であって、前記回動手段は、回転トルクを回転軸の直交方向にRだけ離隔した一辺に沿って発生するとともに、前記振動ミラーのミラー部の有効径が回転軸に直交する方向の幅を2r、回転軸に平行する方向の幅をdとしたとき、前記回転トルクを発生する一辺の幅Dが、
R<r、D>dであり、かつ、D≧d・(r/R)^2
なる関係であることにより、前記ミラー部で偏向する光束径の拡大に伴って、ミラー幅が大きくなっても、それを補うだけの十分な回転トルクが確保でき、画角の縮小を招くことがないため、被走査面で微小なビームスポットに絞り込むことができ、高品位な画像記録が行える。
本発明によれば、カラー画像形成に対応した微小スポット径に絞り込むためのミラー面サイズを確保し、さらに、所定の振れ角が得られるようにするができる。そして、"タンデム方式"に対応した光走査装置に振動ミラーの偏向装置を用いることで、低騒音、かつ低消費電力でありながら、色ずれや色変わりのない高品位なカラー画像形成が実現される。
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態の偏向装置について、図を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態の偏向装置で、他の実施形態における光走査装置に用いる振動ミラーモジュールの斜視図である。ここでは、可動ミラーの回転トルクを印可する手段として電磁駆動方式の例を説明する。
当該振動ミラーモジュールは、振動ミラー基板440、可動ミラー441、ねじり梁442、フレーム447、実装基板448、回路基板449、位置決め部451、エッジコネクタ部452、押え爪453、コネクタ454、配線端子455から構成される。
可動ミラー441は、2段に形成され、ねじり梁442で軸支されており、単一のSi基板からエッチングにより外形を貫通して作製し、実装基板448に装着され、振動ミラー基板440を構成する。支持部材447は、樹脂で成形され、回路基板449の所定位置に位置決めされており、振動ミラー基板440を可動ミラー面が主走査平面に直交し各可動ミラー面同士が所定の角度、本実施形態では60°となるように位置決めする位置決め部451と、振動ミラー基板における実装基板448の一辺の縁に形成された配線端子455が、装着時に接触するように金属製端子群を整列したエッジコネクタ部を452とを一体で構成している。
こうして、振動ミラー基板440は、一辺を上記したエッジコネクタ部452に挿入し、押え爪453の内側に嵌め付け、裏側の両側面を位置決め部451に沿わせて支えられるとともに、電気的な配線がなされる。そして、各々の振動ミラー基板440が個別に交換できるようにしている。なお、回路基板449には、振動ミラーを駆動する制御ICや水晶発振子等が実装され、コネクタ454を介して外部から電源が供給される。
図2は、図1における振動ミラー基板440の正面図及び背面図並びに振動ミラーの正面図及び裏面図で、(a)は1段ミラー、(b)は2段ミラーを示している。図3は、1段ミラーの分解斜視図である。
振動ミラー基板440は、可動ミラー441、ねじり梁442、振動板443、補強梁444及びフレーム447等からなる振動ミラー460、そして、実装基板448、ヨーク449、永久磁石450、配線端子455から構成される。振動ミラー460は、第1基板462及び第2基板461からなり、第1基板462は、可動ミラー441及びフレーム447から構成されており、第2基板461は、ねじり梁442、振動板443、補強梁444、フレーム446、コイルパターン463、端子464及びトリミング用パッチ465から構成されている。振動ミラー460は、SI基板をエッチングにより切り抜いて可動ミラーを形成する。本実施形態ではSOI基板と呼ばれる60μmと140μmとの2枚の基板が酸化膜を挟んであらかじめ接合されたウエハを用いる。
まず、140μm基板である第2基板461の表面側からプラズマエッチングによるドライプロセスによって、ねじり梁442、平面コイルが形成される振動板443、可動ミラー441の骨格をなす補強梁444と、フレーム446とを残したそれ以外の部分を酸化膜まで貫通する。次に、60μm基板である第1基板462の表面側からKOH等の異方性エッチングによって、可動ミラー441と、フレーム447とを残したそれ以外の部分を酸化膜まで貫通する。そして、最後に、可動ミラー441の周囲の酸化膜を除去して分離し振動ミラー460の構造体を形成する。
ここで、ねじり梁442、補強梁444の幅を40〜60μmとし、さらに、60μmである第1基板462の表面側にアルミニウム薄膜を蒸着して反射面となし、140μmである第2基板461の表面側には銅薄膜でコイルパターン463とねじり梁442を介して配線された端子464、及びトリミング用パッチ465を形成する。
実装基板448上には、振動ミラー460を装着する枠状の台座466と、振動ミラー460を囲うように形成されたヨーク449が配備され、ヨーク449には可動ミラー端に対向して各々S極とN極とを向かい合わせ、回転軸と直交する方向に磁界を発生する一対の永久磁石450が接合されている。
振動ミラー460は、可動ミラー面を表にして台座466に装着され、各端子464間に電流を流すことによりコイルパターン463の回転軸に平行な各辺にローレンツ力が生じ、ねじり梁442をねじって可動ミラー441を回転する回転トルクTを発生し、電流を切るとねじり梁の戻り力により水平に戻る。したがって、コイルパターン463に流れる電流の方向を交互に切り換えることによって、可動ミラー441を往復振動させることができる。そして、この電流の切り換える周期を、可動ミラー441を構成する構造体の、ねじり梁442を回転軸とした1次振動モードの固有振動数、いわゆる共振振動数f0に近づけると振幅が励起され大きな振れ角を得ることができる。よって、一般に、走査周波数fdをこの共振振動数f0に合わせて設定している。
しかし、共振振動数f0は、前述したように、可動ミラー441を構成する構造体の慣性モーメントIによって決定されるため、仕上がりの寸法精度にばらつきがあると個体間で差が生じてしまい、各々の走査周波数fdを揃えることができない。この共振振動数f0のばらつきは、プロセスの能力にもよるが、±200Hz程度あり、例えば、走査周波数fd=2kHzとすると1/10ラインに相当する走査ラインピッチのずれが生じることになり、10ライン記録すると1ライン分の位置ずれになってしまう。そこで、本実施形態では、後処理として、可動ミラーの裏側に形成したパッチ465に炭酸ガスレーザなどにより切り込みを入れ、振動部の質量を徐々に減らしていくことで、個体間の寸法差があっても共振振動数f0が概略一致させ、ばらつきが±50Hzになるように調整するとともに、その周波数帯域内に、走査周波数fdを共振振動数f0から外して設定している。
図4は、振動部の質量の可変(トリミング)による共振周波数f0の変化を表したものである。また、図5は、質量の可変(トリミング)による共振周波数の調整の様子を示したものである。
振動ミラー460は実装基板448に装着する前に、加振装置503により走査周波数に相当する振動が付与され、可動ミラー441の裏側よりパッチ465にCO2レーザ504が照射され、共振によって急峻に振れ角が増大するまで切込みを入れていく。それ以外にも、加振装置503により走査周波数を順次可変して共振周波数を求め、ずれ量に応じた質量を付加または削除してもよい。なお、パッチ465は、回転軸の近傍に配置することで、慣性モーメントの負荷にならず、加振した状態でトリミング加工ができるように配慮している。また、共振状態の検出は可動ミラーの表側へ光源装置502よりビームをあて、その反射ビームの振れを検出することによって行う。
ところで、可動ミラーの形状は図2のように、ミラー有効径の回転軸に直交する方向の幅を2r、平行な方向の幅をdとし、振動板の回転軸に直交する方向の幅を2R、平行な方向の幅をDとすると、
D/≧d・(r/R)^2
なる関係を有する。具体的には、可動ミラーの有効径は、(a)1段ミラー、(b)2段ミラーいずれの場合も、2r=4.5、d=1であるから、振動板の幅2R=3のとき、(a)1段ミラーではD≧2.25、(b)2段ミラーではd≧4.5としている。
先に述べたとおり、可動ミラーの振れ角θと振動板の各寸法との関係は、
θ=κ/I・f0^2(κは定数)・・・(1)
であり、また、回転トルクTとの関係は、
θ=κ'・T/K(κ'は定数)・・・(2)
である。
(1)式において、前項は質量Mに関与する項であるから、本実施形態のように回転軸に直交する方向の幅2rを大きくしても、平行な方向の幅dを最小限とし、さらに、肉抜き構造として回転軸からRよりも外側の部位について軽量化を図り質量Mの増加を微小に抑えているから、振れ角θはrの2乗に反比例することになり、この分を補うように回転トルクTを与えてやるようにしている。したがって、これに対応した回転トルクTを確保できるように、振動板443の幅Dを設定し、回転軸に平行な方向に沿った平面コイルの長さを設定している。
なお、本実施形態では、可動ミラーを形成する基板を第1基板462、ねじり梁を形成する基板を第2基板461と2つに分け、各々最適な厚さを選択できるよう2枚のSi基板により作製しているが、1枚の基板により作製してもよい。また、本実施形態では、振動板443に平面コイル(コイルパターン463)を配備し、ヨーク449に一対の永久磁石450を接合した構成としているが、振動板443に永久磁石を備え(この場合永久磁石450は不要となる)、平面コイルはフレーム447若しくは446又はヨーク449に配備する構成としてもよい。さらに、本実施形態では、平面コイルを配備する構成としたが、コイルは平面に限られない。以下に説明する実施形態においても同様である。
図6は、振動ミラーを振幅させる駆動回路のブロック図である。駆動パルス生成部601、ゲイン調整部602、可動ミラー駆動部603、同期検知センサ604、終端検知センサ605、光源駆動部606、書込制御部607、画素クロック生成部608、振幅演算部609、可動ミラー610及びPLL回路611から構成される。
駆動パルス生成部601は、基準クロックを例えばプログラムブル分周器で分周し、可動ミラー610の振幅に合わせたタイミングで電圧パルスが印加されるパルス列を生成する。そして、PLL回路611によって各偏向ミラーモジュールで所定の位相遅れを持たせ、ゲイン調整部602を介して各可動ミラーの駆動部603に与えられ、電極の各々に電圧が印加される。可動ミラーに近接する振動板の裏側に設定された平面コイルには、交互に電流の流れる方向が切り換わるように、交流電圧、またはパルス波状電圧が印加され、振れ角θが一定となるように平面コイルに流す電流のゲインを調節して往復振動させる。
同期検知センサ604及び終端検知センサ605は、基板上に配備されるが、検出面は被走査面に到達する光路長と等しい位置に配置されている。書込制御部607は、画素クロック生成部608から画像データや可変データを受け光源駆動部606へ送出する。
可動ミラー610には基本的に画像記録及びその準備期間以外は駆動電圧が印加されない。光源駆動部606によるビームを同期検知センサ604及び終端検知センサ605とで検出し、この同期検知信号と終端検知信号との時間差を振幅演算部609で計測することにより、可動ミラー601の振れ角を検出する。
図7は、電流の流れる方向を切り換える周波数fと振れ角θとの関係を示すグラフである。
一般に、共振周波数f0をピークとした周波数特性となり、走査周波数fdを共振周波数f0に一致させれば、最も振れ角が大きくとれるが、共振周波数付近においては急峻に振れ角が変化する。したがって、初期的には可動ミラーの駆動制御部において固定電極に印加する駆動周波数を共振振動数に合うよう設定することができるが、温度変化に伴うバネ定数の変化などで共振周波数が変動した際には振れ角が激減してしまい、経時的な安定性に乏しいという欠点がある。
従来から、共振周波数f0の変化に追従するように走査周波数fdを制御する例が提案されているが、上述のとおり、この走査周波数fdが変化してしまうと走査ラインのピッチずれとなるため、本実施形態では、走査周波数fdを共振周波数f0から外した単一周波数に固定し、ゲイン調整に応じて振れ角θが増減できるようにしている。具体的には、共振周波数f0=2kHzに対し、走査周波数fdは2.5kHzとし、ゲイン調整により振れ角θが±25°になるように合わせている。経時的には、走査領域の始端と終端とに配備したセンサ、すなわち、同期検知センサ604及び終端検知センサ605の間の走査時間によって可動ミラーにより走査されたビームを検出し、振れ角θが一定となるように制御している。
ところで、振動ミラーは共振振動されるため、sin波状に走査角θが変化する。一方、被走査面である感光体ドラム面では均一間隔で主走査ドットを印字する必要がある。仮に、画素クロックを単一の周波数で変調すると、被走査面では振幅のピークに近づくにつれてドット間隔が間延びしてしまう。このリニアリティのずれは、上記したようにf・arcsinレンズを用いて補正されるが、十分な補正効果が得られる有効半画角ω、言い換えれば、画像領域を走査する有効振れ角θdは全振れ角θの50%以下である。そのため、本実施形態では、さらに、電気的な補正により補助することによって全振れ角θに対する有効振れ角θdの比(有効走査率)が50%を超えるようにしている。つまり、各画素の位相を主走査位置に応じて、書込始端側では進めた状態から書込終端側では遅らせた状態に変化させる。
図8は、発光源である半導体レーザを変調する駆動回路のブロック図である。メモリ801、画素クロック生成部802、高周波クロック生成部803、カウンタ804、比較回路805、画素クロック制御回路806、画像処理部807、フレームメモリ808、ラインバッファ809、書込制御部810及び光源駆動部811から構成される。
まず、メモリ801は、画素クロック生成部802中の比較回路805へ位相データ信号を送出する。画素クロック生成部802は、高周波クロック生成部803、カウンタ804、比較回路805及び画素クロック制御回路806からなる。高周波クロック生成回路803は、高周波クロックVCLKを生成する。カウンタ804は、高周波クロック生成部803で生成された高周波クロックVCLKをカウントする。
比較回路805では、このカウント値及びデューティ比に基づいてあらかじめ設定される設定値L、そして画素クロックの遷移タイミングとして外部から与えられ、位相シフト量を指示する位相データHとを比較する。そして、カウント値が設定値Lと一致したときに画素クロックPCLKの立下りを指示する制御信号lを出力し、カウント値が位相データHと一致したときに画素クロックPCLKの立上りを指示する制御信号hを出力する。この際、カウンタ804は制御信号hと同時にリセットされ再び0からカウントを行うことで、連続的なパルス列が形成できる。こうして、1クロック毎に位相データHを与え、順次パルス周期が可変された画素クロックPCLKを生成する。実施例では、画素クロックPCLKは、高周波クロックVCLKの8分周とし、1/8クロックの分解能で位相が可変できるようにしている。
画素クロック制御回路806は、比較回路805から受け取った制御信号h及び制御信号1から、画素クロックPCLKを生成し、書込制御部810へ送出する。
各色にラスター展開された画像データは、フレームメモリ808に各々一時保存され、画像処理部に順に読み出されて、前後の関係を参照しながら中間調に対応したマトリクスパターンに応じて各ラインの画素データが形成され、各発光源に対応したラインバッファ809に転送される。書込制御回路810は、同期検知信号をトリガとしてラインバッファ809から各々読み出して独立に変調し、光源駆動部811へ送り出す。
図9は、任意の画素の位相をシフトしたもので、1/8クロックだけ位相を遅らせた場合を示している。
デューティを50%とすると設定値L=3が与えられ、カウンタ804で4カウントされて画素クロックPCLKを立ち下げる。1/8クロック位相を遅らせるとすると位相データH=6が与えられ、7カウントで立上げる。同時にカウンタがリセットされるので、4カウントで再び立ち下げる。つまり、隣接するパルス周期が1/8クロック分縮められたことになる。こうして生成された画素クロックPCLKは、光源駆動部811に与えられ、この画素クロックPCLKに対してラインバッファ809から読み出された画素データを重畳させた変調データにより、半導体レーザを駆動する。
図10は、単一の周波数で変調した場合の、主走査位置に応じた各画素の位置ずれを示す。
本実施形態では、主走査領域を複数に分け、さらに、中心から離れて周辺にいくほど領域幅を狭くした8つの領域に分割している。そして、各分割位置で位置ずれがなくなるように、位相をシフトする画素の間隔nを領域毎に設定している。例えば、各領域の画素数をN、画素毎の位相シフト量を画素ピッチpの1/16単位とし、各領域の両端での位置ずれがΔLとしたとき、
n=N・p/16ΔL
の関係となり、n画素毎に位相をシフトしてやればよいということになる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態の光走査装置について説明する。
図11は、4ステーションを走査する光走査装置の例で、2ステーションずつ2分し、相反する方向に向けて配置した一対の振動ミラーに各々ビームを入射して、偏向、走査する方式であり、いわゆる対向走査斜入射光学系を示している。
4つの感光体ドラム101、102、103、104は、転写体の移動方向105に沿って等間隔で配列され、順次異なる色のトナー像を転写し重ね合わせることでカラー画像を形成する。各感光体ドラムを走査する光走査装置は一体的に構成され、各々に対応した光源ユニットからのビームを個別に配備された可動ミラーにより走査する。
振動ミラーモジュールは、光走査装置の中央部に配置され、副走査方向に所定間隔、本実施形態ではミラー中心間距離4mmをもって連結した2段の可動ミラー106を有する振動ミラーを一対備え、ミラー面同士が60°の角度となるよう配備され、各光源ユニットからのビームは走査領域よりも外側から振動ミラーの回転軸上に向けて入射されるようにしている。
光源ユニットは、射出位置が107、110が108、109よりも可動ミラーの上下間隔分だけずれるように、また、光源ユニット107、108からの光ビーム201、202と、光源ユニット109、110からの光ビーム203、204とが相反する方向に偏向されるよう振動ミラーモジュールに対して対称に配備され、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各々に対応した感光体ドラム上に、各可動ミラーの振幅の位相を合わせて走査方向が揃うように同時に画像を書き込んでいく。
各光源ユニットからのビーム201、202、203、204は、各可動ミラーの法線に対し主走査方向での入射角が各々30°となるように、光源ユニット108、109からの光ビーム202、203は入射ミラー111、112によって折り返され、直接可動ミラー106へと向かう光源ユニット107と110からの光ビーム201、204の光路と主走査方向を揃えて各可動ミラーに各々水平に入射される。尚、本実施形態では副走査方向に所定の角度をつけて斜入射させているが、ミラー面に対し正面から入射させることも可能である。
シリンダレンズ113、114、115、116は、一方を平面、もう一方を副走査方向に共通の曲率を有し、可動ミラー106の偏向点までの光路長が等しくなるように配備してあり、各光ビームは偏向面で主走査方向に線状となるように収束され、後述するトロイダルレンズとの組み合わせで、偏向点と感光体面上とが副走査方向に共役関係とすることで面倒れ補正光学系をなす。
fθレンズ120、121は、可動ミラー106の上下間隔分だけずれるように2層に一体的に形成または接合され、各々、主走査方向には振動ミラーの正弦波振動に対応してf・arcsin特性、つまり、単位走査角あたりの走査距離dH/dθがsin−1θ/θ0に比例する特性、を持つようにパワーを持たせた非円弧面形状となし、振動ミラーの回転に伴って感光体面上でビームが略等速に移動するようにするとともに、各ビームに配備されるトロイダルレンズ122、123、124、125とにより各ビームを感光体面上にスポット状に結像し、潜像を記録する。本実施形態では、各色ステーションの振動ミラーを、回転軸が主走査方向における画像中央と一致するように配置し、振動ミラーから感光体面に至る各々の光路長が一致し、等間隔で配列された各感光体ドラムに対する入射位置、入射角が等しくなるように、1ステーションあたり3枚ずつ、の折り返しミラーが配置される。
各色ステーションで光路を追って説明する。まず、光源ユニット107からのビーム201については、シリンダレンズ113を介し、可動ミラー106の上段で偏向された後、fθレンズ120の上層を通過し、折り返しミラー126で反射されてトロイダルレンズ122を通過し、折り返しミラー127、128で反射されて感光体ドラム102に導かれ、第2のステーションとしてマゼンタ画像を形成する。次に、光源ユニット108からのビーム202については、シリンダレンズ114を介して、入射ミラー111で反射され可動ミラー106の下段で偏向された後、fθレンズ120の下層を通過し、折り返しミラー129で反射されてトロイダルレンズ123を通過し、折り返しミラー130、131で反射されて感光体ドラム101に導かれ、第1のステーションとしてイエロー画像を形成する。
可動ミラー106に対して対称に配備されたステーションについても同様で、光源ユニット109からのビーム203は、入射ミラー112を介して可動ミラー106の下段で偏向され、折り返しミラー132、133、134で反射されて感光体ドラム104に導かれ、第4のステーションとしてブラック画像を、また、光源ユニット110からのビーム204は、可動ミラー106の上段で偏向され、折り返しミラー135、136、137で反射されて感光体ドラム103に導かれ、第3のステーションとしてシアン画像を形成する。
これらの構成部品は不図示の単一のハウジングに一体的に保持される。図中、138、139、140、141は各々同期検知センサ、終端検知センサを実装する基板である。これらは、対向する2ステーションに対して1組ずつ設けられ、走査領域の前側および後側でビームを検出し、往復走査のうち、往走査時は同期検知センサ139、140の検出信号により同期検知信号を発生し、復走査時は終端検知センサ138、141の検出信号により同期検知信号を発生して、書出しのタイミングをとる。
転写ベルト105の出口ローラ部には、各ステーションで形成され重ね合わされた各色画像の重ね合わせ精度を検出するための検出手段が配備される。検出手段は、転写ベルト105上に形成したトナー像の検出パターンを読み取ることで、主走査レジスト、副走査レジストを基準となるステーションからのずれとして検出し、定期的に補正制御が行なわれる。本実施形態では、照明用のLED素子154、反射光を受光するフォトセンサ155及び一対の集光レンズ156とからなり、画像の左右両端と中央の3ヵ所に配備され、転写ベルトの移動に応じて基準色であるブラックとの検出時間差を読み取っていく。
(実施形態3)
図12は、別の実施形態の光走査装置で、4ステーションを単一の振動ミラーにより走査する方式で、いわゆる片側走査斜入射光学系である。
図のように、各感光体ドラムを走査する光走査装置は一体的に構成され、転写体の移動方向105に沿って等間隔で配列された4つの感光体ドラム101、102、103、104に対し、各々に対応した光源ユニットからのビームを、振動ミラーでの偏向後に再度分離して、導くことで同時に画像を形成する。可動ミラー106は1段であり、該ミラーに対して副走査方向に異なる入射角で斜入射させることで、各光源ユニットからのビームを一括して偏向、走査するようにしている。可動ミラー106の基本的な構成は、上記した2段の可動ミラーの場合と同様である。
各光源ユニット107、108、109、110は、副走査方向に高さが異なり、光源ユニット110が最も高く、109、108、107の順に低く放射状に配備されている。光源ユニット110からのビーム204は直接可動ミラー106へ入射し、他の光源ユニットからのビーム203、202、201は、階段状に高さが異なる3枚の入射ミラー111によって、ビーム203、202、201の順で上下一列に揃うように折り返され、副走査方向に高さを異なえてシリンダレンズ113に入射され、可動ミラー106へと向かう。各ビームは、シリンダレンズ113によって可動ミラー面の近傍で副走査方向に一旦収束され、偏向後は、ビーム同士が分離するように間隔を拡げつつfθレンズ120に入射される。fθレンズ120は全てのステーションで共用され、副走査方向には収束力を持たない。
fθレンズ120を通った各光源ユニットからのビームのうち、光源ユニット107からのビームは、折返しミラー126で反射され、トロイダルレンズ122を介して感光体ドラム101上にスポット状に結像し、第1の画像形成ステーションとしてイエロー色の画像情報に基づいた潜像を形成する。光源ユニット108からのビームは、折返しミラー127で反射され、トロイダルレンズ123、折返しミラー128を介して感光体ドラム102上にスポット状に結像し、第2の画像形成ステーションとしてマゼンタ色の画像情報に基づいた潜像を形成する。光源ユニット109からのビームは、折返しミラー129で反射され、トロイダルレンズ124、折返しミラー130を介して感光体ドラム103上にスポット状に結像し、第3の画像形成ステーションとしてシアン色の画像情報に基づいた潜像を形成する。光源ユニット110からのビームは、折返しミラー131で反射され、トロイダルレンズ125、折返しミラー132を介して感光体ドラム104上にスポット状に結像し、第4の画像形成ステーションとしてブラック色の画像情報に基づいた潜像を形成する。
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態の画像形成装置について説明する。
図13は図11に示す光走査装置を搭載した画像形成装置の例を示している。図12の光走査装置を用いても同様である。
感光体ドラム901の周囲には感光体を高圧に帯電する帯電チャージャ902、光走査装置900により記録された静電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像ローラ903、現像ローラにトナーを補給するトナーカートリッジ904、ドラムに残ったトナーを掻き取って備蓄するクリーニングケース905が配置される。感光体ドラムへは振動ミラーの往復走査により1周期で2ライン毎の画像記録が行われる。
上記した画像形成ステーションは転写ベルト906の移動方向に並列され、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー画像が転写ベルト上にタイミングを合わせて順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。各画像形成ステーションはトナー色が異なるだけで、基本的には同一構成である。
一方、記録紙は給紙トレイ907から給紙コロ908により供給され、レジストローラ対909により副走査方向の記録開始のタイミングに合わせて送りだされ、転写ベルトからトナー画像が転写されて、定着ローラ910で定着して排紙ローラ912により排紙トレイ911に排出される。
上記の実施形態によれば、可動ミラーは、ミラー部を複数備えており、各ミラー部は、ねじり梁が共通で、かつ、回転軸と平行な方向に所定距離だけ離隔させて配備しているため、複数の光源ユニットからのビームを一括して偏向、走査でき、複数のステーションで各々形成した画像を重ね合わせるタンデム方式に適合した光走査が行うことが可能となる。
また、上記の実施形態によれば、可動ミラーは、ミラー部を形成する第1の基板と、ねじり梁で支持される振動板部を形成する第2の基板とから構成されることから、ミラー部の形成と振動板部の形成とを別々のプロセスにより各表面から行われるので、基板表面への成膜によって発生する引張り(又は圧縮)応力や、エッチングによって基板内部に残留した表面応力の開放などにより生じる基板の反りを基板間でキャンセルすることができ、ミラー面の平面性を保つことができる。そして、これによって、被走査面で微小なビームスポットに絞り込むことができ、高品位な画像記録が可能となる。また、共振振動数に対応したねじり梁設計によって選択される基板厚さと、可動ミラー揺動時の変形に対応した剛性を確保するための基板厚さとが異なっても容易に対応できる。
また、上記の実施形態によれば、ミラー部を補強する補強梁を振動板部に備えることにより、ミラー部を形成する基板の厚さが薄くても、揺動に伴うミラー面の変形を抑えることができ、そのうえ、ミラー部を軽量化できるので、画角の縮小を招くことなく被走査面で微小なビームスポットに絞り込むことができ、高品位な画像記録を行うことができる。
また、上記の実施形態によれば、質量を可変する質量調整部を振動板部に備えることにより、ウエハ内、あるいは、バッチ間で可動ミラーの作製プロセスによって発生した寸法誤差があっても、共振周波数のばらつきを抑えることができ、可動ミラー間で走査ラインピッチを揃えることができるので、複数のステーションで各々形成した画像を重ね合わせるタンデム方式において、色ずれや色変わりのない高品位な画像記録が可能となる。
また、上記の実施形態によれば、回動手段は、可動ミラーに形成された平面コイルと、回転軸に直交する方向に磁界を形成する永久磁石とを有し、平面コイルに流れる電流を制御して可動ミラーを揺動することにより、回転軸に平行な一辺に沿ったコイル長に応じた回転トルクを発生させることができ、ミラー幅によらず、画角の縮小を招くことがないので、共振振動型の可動ミラーによってポリゴンミラーと同様の光走査を行うことができる。
また、上記の実施形態によれば、可動ミラーによって走査されたビームを検出するビーム検出部を備え、その検出結果に基づいて、平面コイルに流れる電流を制御することにより、ビーム検出部によって可動ミラーの振れ角を計測し、フィードバック制御により振れ角を一定に保つことができる。このため、環境変化などがあっても、可動ミラー間で主走査倍率(主走査方向の走査幅)を揃えることができるので、複数のステーションで各々形成した画像を重ね合わせるタンデム方式において、色ずれや色変わりのない高品位な画像記録が可能となる。
また、上記の実施形態によれば、回動手段は、可動ミラーの共振振動数から外した周期で回転トルクを付与することにより、共振振動数から外した周波数帯域に走査周波数を設定し、振れ角の加減を制御できるので、可動ミラー間の共振周波数のばらつきや環境変化に伴う共振周波数のずれがあっても、可動ミラー間で主走査倍率(主走査方向の走査幅)を揃えることができる。このため、複数のステーションで各々形成した画像を重ね合わせるタンデム方式において、色ずれや色変わりのない高品位な画像記録を行うことができる。
また、上記の実施形態によれば、上記のいずれかの偏向装置を備え、光源装置からの光ビームを偏向し、結像光学系によってスポット状に結像させて、被走査面を走査する光走査装置であって、可動ミラーの回転軸上で光ビームが偏向するように光源装置を配備しているため、共振振動型の可動ミラーを用いても、被走査面上でポリゴンミラーを用いたのと同等の微小スポットに絞り込むことができ、また、複数のステーションで各々形成した画像を重ね合わせるタンデム方式の光走査装置としても十分適合できる。
また、上記の実施形態によれば、画像信号により変調された光源装置からの光ビームにより像担持体に静電像を記録し、上記静電像をトナーで顕像化して、記録媒体に画像を転写する画像形成装置であって、上記のいずれかの偏向装置を備え、光源装置からの光ビームを偏向し、結像光学系によってスポット状に結像させて、像担持体を走査することにより、共振振動型の可動ミラーの特長である低騒音、かつ低消費電力を生かしながら、ポリゴンミラーを用いたのと同等な高品位な画像記録が可能となる。
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
本発明の実施形態に係る偏向装置の概略図である。 本発明の実施形態に係る偏向装置の正面図及び背面図である。 本発明の実施形態に係る偏向装置の分解斜視図である。 振動部の質量の可変による共振周波数f0の変化を表したグラフである。 振動部の質量の可変による共振周波数の調整の様子を示した説明図である。 本発明の実施形態における振動ミラーを振幅する駆動回路のブロック図である。 電流の流れる方向を切り換える周波数fと振れ角θとの関係を表したグラフである。 本発明の実施形態における半導体レーザを変調する駆動回路のブロック図である。 任意の画素の位相をシフトしたもので、1/8クロックだけ位相を遅らせた場合の説明図である。 単一の周波数で変調した場合の、主走査位置に応じた各画素の位置ずれを示した説明図である。 本発明の実施形態に係る光走査装置の概略図である。 本発明の実施形態に係る光走査装置の概略図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略図である。 板状の可動ミラー及び説明のためのグラフである。
符号の説明
440 振動ミラー基板
441 可動ミラー
442 ねじり梁
443 振動板
444 補強梁
446 フレーム(裏面)
447 フレーム(表面)
448 実装基板
449 ヨーク
450 永久磁石
451 位置決め部
452 エッジコネクタ部
453 押え爪
454 コネクタ
455 配線端子
460 振動ミラー
461 第2基板
462 第1基板
463 コイルパターン
464 端子
465 トリミング用パッチ

Claims (10)

  1. 回転軸として設けられたねじり梁によって支持された振動板部と、当該振動板部に形成したミラー部とを備え、発光源からのビームを往復走査する振動ミラーと、
    前記振動ミラーに対して回転トルクを周期的に付与して揺動せしめる回動手段と、を有する偏向装置であって、
    前記回動手段は、前記振動板部の前記回転軸に直交する方向に前記回転軸からRだけ離隔した前記回転軸に平行な一辺に沿って回転トルクを発生させ、
    前記ミラー部について前記回転軸に直交する方向の幅を2r、前記回転軸に平行する方向の幅をdとし、前記の回転トルクが発生する隔離した一辺の幅をDとした場合に、
    R<r、D>dであり、かつ、D≧d・(r/R)^2
    となる関係を有することを特徴とする偏向装置。
  2. 前記振動ミラーは、前記ミラー部を形成する第1の基板と、前記ねじり梁で支持される振動板部を形成する第2の基板とからなることを特徴とする請求項1に記載の偏向装置。
  3. 前記振動ミラーは、前記回転軸と平行する方向に所定の距離だけ隔離させて複数の前記ミラー部が配置されており、かつ、前記振動板部において共通の前記ねじり梁が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の偏向装置。
  4. 前記振動板部は、前記ミラー部を補強する補強梁を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の偏向装置。
  5. 前記振動板部は、質量を可変する質量調整部を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の偏向装置。
  6. 前記回動手段は、前記振動板部に設けられた平面コイルと、前記振動板部端に対向して配備され、前記回転軸に直交する方向に磁界を形成する永久磁石とを有し、前記平面コイルに流れる電流を制御して前記振動ミラーを揺動することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の偏向装置。
  7. 前記回動手段は、前記振動ミラーにより走査されたビームを検出するビーム検出部を備え、前記検出結果に基づいて、前記平面コイルに流れる電流を制御して前記振動ミラーを揺動することを特徴とする請求項6に記載の偏向装置。
  8. 前記回動手段は、前記振動ミラーの共振振動数から外した周期で回転トルクを付与することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の偏向装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の偏向装置を備え、
    光源装置からの光ビームを偏向し、結像光学系によりスポット状に結像させて、被走査面を走査する光走査装置において、
    前記振動ミラーの前記回転軸上で光ビームが偏向するように前記光源装置を設けることを特徴とする光走査装置。
  10. 画像信号により変調された光源装置からの光ビームにより像担持体に静電像を記録し、前記静電像をトナーで顕像化して、記録媒体に画像を転写する画像形成装置において、
    請求項9に記載の光走査装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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