JP2006243034A - 光走査装置、および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の半導体レーザ1から出た光束は、カップリングレンズ2、シリンドリカルレンズ3、入射ミラー4を経てマイクロミラー5のほぼ中央部に到る。各光束は反射面上において副走査方向に関して少なくとも一部を重複させてある。マイクロミラー5で偏向走査されたそれぞれの光束は、主走査方向の位置に応じてクロック周波数を変化させるなどの方法で部分的な倍率の変化を低減させている。
【選択図】 図1
Description
上記光偏向器としては、回転多面鏡(ポリゴンスキャナ)が広く用いられているが、回転多面鏡は装置が大掛かりとなり、また、機械的な高速回転を伴うため、振動によるバンディング、温度上昇、騒音、消費電力アップ等の問題がある。
一方、マイクロマシン技術を用いた、共振構造の正弦波振動を行うマイクロミラーが提案されている(例えば、特許文献1 参照。)。このマイクロミラーを光走査装置の偏向手段として用いれば、装置が小型化され、騒音、消費電力などを大幅に低減することができる。
2次元的に偏向可能な振動ミラーを用い、1つの光源を用い、選択的に複数の被走査面を走査する光走査装置が提案されている(例えば、特許文献3 参照。)。振動ミラーが1個で済むため、色間で副走査方向にずれが生じる問題は解消できるが、1つの光源を用い、時間をずらして、被走査面を走査する必要があるため、高速化は実現できない。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の光走査装置において、前記被走査面は少なくとも3個存在し、すべての被走査面に到る光束を1つの振動ミラーで偏向することを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記複数の光源から出射した少なくとも2つの光束は、主走査平面内で互いに略平行となるよう設定したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記複数の光源から出射した少なくとも2つの光束は、主走査平面内で所定の角度を有するよう設定したことを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、請求項5または6に記載の光走査装置において、前記2つの光束に対応する各光源のクロック周波数を主走査位置に応じて相対的に異ならせることを特徴とする。
請求項8に記載の発明では、請求項5ないし7のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記2つの光束に対応する各光源のクロック位相シフト量を主走査位置に応じて相対的に異ならせることを特徴とする。
請求項10に記載の発明では、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記複数の光源から出射した少なくとも2つの光束は副走査方向断面においてに互いに角度を有し、少なくとも反射面において各光束が重複する領域を有することを特徴とする。
請求項11に記載の発明では、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記振動ミラーの振動周波数に応じて、画像データの副走査方向の倍率を補正する補正手段を有することを特徴とする。
請求項13に記載の発明では、請求項12に記載の多色画像形成装置において、前記被走査面は副走査方向に移動可能な感光体であり、該感光体の副走査方向の移動速度を変更する手段を有することを特徴とする。
等速特性の確保が容易になり、主走査方向のビームスポット位置ずれ、色ずれが低減できる。
複数のビームを主走査平面内で開き角を有することにより、カップリングレンズ、シリンドリカルレンズを主走査方向に分離でき、良好な光学特性(ビームスポット径)が得られるとともに、コンパクト化が実現できる。
振動ミラーの共振周波数を微調整する方法、感光体の副走査方向の移動速度を変更する方法、あるいは画像データの副走査方向の倍率を補正する方法によって、副走査方向の絶対的な倍率まで補正できる。
図2は光路側面図である。
両図において符号1は光源としての半導体レーザ、2はカップリングレンズ、3はシリンドリカルレンズ、4は入射ミラー、5は振動ミラーとしてのマイクロミラー、6は第1走査レンズ、7は第2走査レンズ、8は折り返しミラー、9は被走査面としての感光体をそれぞれ示す。
同図において感光体上の走査線方向を主走査方向と呼び、走査線位置における感光体の移動方向を副走査方向と呼ぶ。光路は光源から感光体に到る間に何回か折り返されているが、それぞれの位置において上記に対応する方向をそれぞれ主走査方向、副走査方向と呼ぶ。したがって、図2は副走査方向の断面図である。副走査断面に垂直で第1走査レンズ6の光軸に平行な面を便宜上主走査平面と呼ぶことがある。
複数の半導体レーザ1を出射したビームは半導体レーザ1からの発散光束を平行光束または弱い収束、発散光束に変換するカップリングレンズ2を介し、副走査方向にのみパワーを有するシリンドリカルレンズ3により、副走査方向に集光し、1つのマイクロミラー5により4つの光束を偏向走査する。それぞれの光束は、第1走査レンズ6、第2走査レンズ7、折り返しミラー8を経て感光体9の長手方向に走査線を描く。第1走査レンズ6と第2走査レンズ7の光軸は一致させてあり、被走査面である感光体の有効走査幅の中央を通るように設定されている。
同図において符号Δ1、Δ2は走査線間隔をそれぞれ示す。
特許文献1に示した画像形成装置の構成によると、複数の感光体毎に異なるマイクロミラーを配備しているが、マイクロミラー相互間で共振周波数が僅かに異なることがある。
感光体の方は通常同じ速度で副走査方向に移動するので、走査線間隔Δ1とΔ2が互いに異なるという問題が発生する。
本発明ではこの問題を解決するために、複数の光源からのビームを1つの振動ミラーにより複数の異なる感光体に導いている。また、図1、2に示されるように複数の全ての感光体面上を1つの振動ミラーによりビームが走査する。したがって、全ての感光体面上において走査周波数が一致し、図3(a)、図3(b)に示す走査線間隔Δ1とΔ2は等しくなる。
同図において符号441は可動ミラー、442はねじり梁、443は上下のアンカー部、444は永久磁石、445は固定コア、446はコイル、447は支持部材、448は立ち曲げ部、449はギャップ、450はコア保持部、451は固定点、452は開口、453は固定基板、454はコネクタ、455は基準穴、456は従基準穴、457は位置決めピン、458取付部、459は貫通穴をそれぞれ示す。
本構成例では可動ミラー441の回転トルクを印加する手段として電磁駆動方式の例を説明する。
可動ミラー441は、上下のアンカー部(固定部)443、ねじり梁442とを単一のSi基板を用いエッチングによって外形を切抜いて一体的に構成している。
可動ミラー441は、主走査方向に対して反射面が30°の角度をもって配置するように、回路基板453の立ち曲げ部448に形成した開口452から反射面を覗かせて、アンカー部を固定点451に接合して支持されている。
回路基板453の中央部にはコイル446が巻きつけられ磁束を発生する固定コア445を反射面に対応して保持するための樹脂製のコア保持部450が設けられ、コア保持部450の凹部にはめ込んで取り付けられる。
回路基板453は鉄基板で形成され、駆動用の制御ICや水晶発振子等が実装され、コネクタ454を介して外部から電源が供給される。
回路基板453は下面を基準面となし、主走査方向に沿うよう配置された基準穴455、従基準穴456を図示しないハウジング底面から突出した位置決めピン457を基準として位置決めされ、四隅の貫通穴459を介して取付部458にねじ止め固定される。
なお、実施例では、相反する方向に光ビームを走査する各可動ミラーの上段、下段に対向する固定コアを各々一体的に形成しており、固定コアの中央部に巻きつけられたコイル446に通電することで上記ギャップ間に磁束を発生させ、可動ミラーに固定した永久磁石の姿勢が変化し、ねじり梁を回転軸とした回転トルクが働いて、ねじり梁をねじって可動ミラーが傾く。
したがって、コイルに交流電流を流せば磁束の方向が時間的に変化し、可動ミラー441は往復振動する。そして、可動ミラー固有の機械的な共振周波数に合わせた周波数での電圧をコイルに印加すれば、可動ミラー441は励振され大きな振れ角を得ることができる。
同図において符号500は可動ミラー本体、501はねじり梁、502は突起部をそれぞれ示す。
前述したように、各感光体面上の相対的な走査線間隔は一致させることができるが、副走査方向の絶対的な倍率を補正することはできない。
そこで、マイクロミラーが形の上で完成した時点で、可動ミラー500の共振周波数を調べ、突起部502をレーザ等による切断で長さを後加工し、目標の共振周波数になるように調整する。このような処理により、副走査方向の絶対的な倍率誤差を精度良く合わせることができる。
逆に可動ミラー500に対して微少量の材料(例えば樹脂材料)を付加することで、突起部502の切断とは逆方向の共振周波数変更ができる。
同図において符号Axは第1走査レンズの光軸、L1、L2は相異なる光源からの入射光束、L1’、L2’は中立点位置におけるマイクロミラーからの反射光束をそれぞれ示す。中立点位置とはマイクロミラーの振幅の中点、すなわち、ミラーの回動角が0のときを意味する。
同図において光束L1とL2の入射角がθ=3°異ならせてあるとする。反射後の光束L1’が丁度第1走査レンズ6の光軸に一致させた場合、反射光束L2’は光軸と3°異なる方向へ出射する。
同図において横軸は時間、縦軸は振幅をそれぞれ示す。
この図から以下のような問題点が分かる。
光源の変調駆動を光束L1と光束L2で同じとすると光束L1と光束L2で倍率特性が異なってしまい、異なる感光体間でのビームスポット位置ずれ、および色ずれが発生する。
マイクロミラー5の回動角を±10°と仮定すると、光束L1の振れ幅はそのまま−10°〜+10°となるが、光束L2の方の振れ幅は−13°〜+7°と著しい偏りが生ずる。有効回転角はマイクロミラー5の振幅に対し、できるだけ小さくしたほうが等速特性が確保し易いが、光束L2の振れ角が片側で大きくなってしまう。
これらの問題を解決するためには、複数の光源から出射した少なくとも2つのビームを主走査平面内で略平行とすると良いが、光束の入射点をミラーの回動中心からずらすと、ミラーの回動に伴い、反射位置が移動することになり、新たな収差の発生が懸念される。光束の入射点をミラーの回動中心にほぼ一致させようとすると、光束が近づきすぎて、カップリングレンズやシリンドリカルレンズの配置が難しくなってしまう。
図9は図8の構成における光束の時間に対する振幅変化を示す図である。
この構成の場合はカップリングレンズやシリンドリカルレンズの配置に特に困難さはない。
例えば、光束L1と光束L2のなす角度を3°としたとき、ミラーの中立点位置における反射角度が光軸Axに対し、一方の光束L1は+1.5°、他方の光束L2は−1.5°となるように配置する。両光束の関係を被走査面上で言えば、有効走査幅の中央に関して対称な位置に入射することになる。
このとき、光束L1の振れ幅は−8.5°〜+11.5°、光束L2の振れ幅は−11.5°〜+8.5°となる。それぞれの光束はプラス側とマイナス側で振れ幅が非対称になっているが、その大きさの違いは図6の場合に比べ小さくなっており、振れ角の絶対値が小さくなることによる等速促成の確保が容易になる。また光束L1と光束L2の振れ幅は光軸に関して対称になっているので、走査レンズによる倍率補正効果が同じだとすると、有効走査幅全幅での倍率誤差は光束L1と光束L2で一致し、ビームスポット位置ずれ、色ずれが低減できる。
同図において符号12は集光レンズ、13はビーム検出素子をそれぞれ示す。
前記構成の場合、光束が有効主走査領域に入ってくるタイミングが異なるので、ビーム検出素子13を設けることにより、複数の光束を確実に分離して検出することができる。
それぞれの光束は有効走査開始位置とマイクロミラーの回動位置の関係が互いに異なるので、それぞれの光束に応じて画像情報を載せるタイミングを異ならせることになる。
両図において、横軸は時間を示し、縦軸は1ドットごとに光源を変調駆動させたときの注入電流の信号をモデル的に示したものである。
前述の構成により、複数の感光体における有効走査幅自体は等しくすることができるが、主走査方向の位置によっては、倍率が相対的に異なる。これを補正する手段として図11に示すように主走査方向の位置に応じて各光源のクロック周波数を相対的に異ならせる方法がある。すなわち、同一の光源に対しても主走査歩行の位置に応じて少しずつクロック周波数を増減して画像情報のドット間隔が一定になるようにする。増減のタイミングは必ずしも連続的でなくともよい。誤差が目立たない範囲でいくつかのドットを同じクロック周波数で描画しても構わない。光源が異なれば、同じ主走査位置であっても光束の移動速度は異なるので、それに応じた独自のクロック周波数変化を与えなければならない。
同様の効果が期待できる他の方法として、図12に示すような、位相シフトの方法がある。この方法はクロック周波数は一定のまま、クロック立ち上がりの位相を必要に応じて増減する方法である。
なお、主走査方向全幅の調整はクロック周波数を相対的に異ならせることで補正可能である。
同図において符号Aはマイクロミラーの回動軸、B1〜B4は光束の入射断面をそれぞれ示す。
複数の光源は、光学系の配置の都合で副走査方向にずらしてある。しかし、光束がマイクロミラーに達する位置においてはなるべく多く重なり合うようにする。構成が許せば、すべての光束入射断面B1〜B4が一致するのが望ましい。主走査方向に関しては、光束の中心がマイクロミラーの回動軸Aにほぼ一致するように設定されている。
このようにすることで、マイクロミラーの副走査方向の幅を小さくでき、なおかつ、マイクロミラーのねじれ等の影響を低減できる。すべての光束入射断面B1〜B4が一致していれば、走査レンズ径の面倒れ補正効果により、マイクロミラーの面倒れ(副走査断面における倒れ)の影響が効率よく補正できる。
同図において符号9Y、9M、9C、9Kは感光体、14Y、14M、14C、14Kは帯電手段、15Y、15M、15C、15Kは現像手段、16Y、16M、16C、16Kはクリーニング手段、17Y、17M、17C、17Kは転写手段、18は転写搬送ベルト、19は定着装置、100は光走査装置をそれぞれ示す。
感光体9Y、9M、9C、9Kは、帯電手段14Y、14M、14C、14Kにより均一に帯電された後、図1または図10に示したような光走査装置により、それぞれの感光体上に静電潜像が形成される。静電潜像は現像手段15Y、15M、15C、15Kにより顕像化され、色別のトナー像となる。
図示しない給紙装置からタイミングを見計らって送られた転写紙が、転写搬送ベルト18に静電吸着されて搬送され、各感光体の下側に配置された転写手段17Y、17M、17C、17Kによりそれぞれの色のトナー像を重ね転写されてフルカラー画像となり、定着装置19を通って外部に排出される。
副走査方向の絶対的な倍率誤差を補正するもう一つの方式として、振動ミラーの振動周波数に応じて、画像データの副走査方向の倍率を補正手段を設ける方法がある。すなわち、倍率を下げるのであれば、走査線数を必要に応じて間引き、倍率を上げるのであれば、内挿などのデータ処理によって走査線数を増加させるなどの処理をする。このような手段を持たせることによっても副走査方向の絶対的な倍率誤差を補正可能である。
5 マイクロミラー
6 第1走査レンズ
9 感光体
441 可動ミラー
Claims (13)
- 複数の光源と、該複数の光源を変調駆動する駆動手段と、前記複数の光源からの光束を偏向する少なくとも1つの振動ミラーとを有し、1つの振動ミラーにより偏向された複数の光束は相異なる被走査面に導かれることを特徴とする光走査装置。
- 請求項1に記載の光走査装置において、前記被走査面は少なくとも3個存在し、すべての被走査面に到る光束を1つの振動ミラーで偏向することを特徴とする光走査装置。
- 請求項1または2に記載の光走査装置において、前記振動ミラーの共振周波数を調整する調整手段を有することを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記複数の光源から出射した少なくとも2つの光束は、主走査平面内で互いに略平行となるよう設定したことを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記複数の光源から出射した少なくとも2つの光束は、主走査平面内で所定の角度を有するよう設定したことを特徴とする光走査装置。
- 請求項5に記載の光走査装置において、前記2つの光束は、前記振動ミラーの中立点位置における反射光束が、前記被走査面の有効走査幅の中央に関して対称な位置に入射することを特徴とする光走査装置。
- 請求項5または6に記載の光走査装置において、前記2つの光束に対応する各光源のクロック周波数を主走査位置に応じて相対的に異ならせることを特徴とする光走査装置。
- 請求項5ないし7のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記2つの光束に対応する各光源のクロック位相シフト量を主走査位置に応じて相対的に異ならせることを特徴とする光走査装置。
- 請求項5または6に記載の光走査装置において、前記2つの光束に対応する各光源のクロック周波数を相対的に異ならせるにより、有効走査幅を略一致させることを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし9のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記複数の光源から出射した少なくとも2つの光束は副走査方向断面においてに互いに角度を有し、少なくとも反射面において各光束が重複する領域を有することを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし10のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記振動ミラーの振動周波数に応じて、画像データの副走査方向の倍率を補正する補正手段を有することを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし11のいずれか1つに記載の光走査装置を用いたことを特徴とする多色対応の多色画像形成装置。
- 請求項12に記載の多色画像形成装置において、前記被走査面は副走査方向に移動可能な感光体であり、該感光体の副走査方向の移動速度を変更する手段を有することを特徴とする多色画像形成装置。
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