JP2005070708A - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 副走査方向における光ビームの走査位置を簡単に、しかも高精度に調整して誤差のない光走査を行うことができる光走査装置および該装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 偏向素子65では、内側可動板656が、互いに直交する第1軸AX1および第2軸AX2回りに、しかも独立して揺動駆動する。ミラー駆動部は、内側可動板656を第1軸AX1回りに揺動させることで光ビームを偏向して主走査方向Xに走査させている。一方、内側可動板656を第2軸AX2回りに揺動させることで、被走査面上での走査光ビームの副走査方向Yにおける位置を調整可能となっている。したがって、被走査面での光ビームの走査位置が副走査方向にずれたときでも、該ずれを補正することにより常に高い精度で光ビームを走査させることができる。
【選択図】 図6
【解決手段】 偏向素子65では、内側可動板656が、互いに直交する第1軸AX1および第2軸AX2回りに、しかも独立して揺動駆動する。ミラー駆動部は、内側可動板656を第1軸AX1回りに揺動させることで光ビームを偏向して主走査方向Xに走査させている。一方、内側可動板656を第2軸AX2回りに揺動させることで、被走査面上での走査光ビームの副走査方向Yにおける位置を調整可能となっている。したがって、被走査面での光ビームの走査位置が副走査方向にずれたときでも、該ずれを補正することにより常に高い精度で光ビームを走査させることができる。
【選択図】 図6
Description
この発明は、レーザービームプリンタ等の画像形成装置に用いられる光走査装置、特に偏向手段に光ビームを複数回入射させて偏向角を増大させる光走査装置および該装置を装備する画像形成装置に関するものである。
従来、レーザビームプリンタ、複写機やファクシミリ装置などの画像形成装置に用いられる光走査装置では、偏向角を増大させるために偏向素子で光ビームを複数回偏向させる構成が採用されることがあった(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に記載の光走査装置では、偏向面を少なくとも2面以上持つ偏向素子を用いて、第1偏向面で偏向された光ビームをアフォーカル伝達光学系を介して第1偏向面とは異なる第2偏向面に導き、二度目の偏向を行うことによって、光ビームの偏向角を増大させている。例えば、偏向素子(偏向手段)として両主面の各々に偏向面を設けたガルバノミラーが設けられて、伝達光学系は複数の伝達レンズと複数の反射ミラーとを組み合わせてアフォーカル光学系を構成されている。より具体的には、次の条件、つまり、(1)第1伝達レンズの前側焦点がガルバノミラーの一方主面(第1偏向面)とほぼ一致するという条件、(2)第2伝達レンズの後側焦点がガルバノミラーの他方主面(第2偏向面)とほぼ一致するという条件、(3)第1伝達レンズの後側焦点が第2伝達レンズの前側焦点とほぼ一致するという条件、が満足されるように第1および第2伝達レンズが配置されている。また、第1偏向面で偏向された光ビームが第1および第2伝達レンズを介して第2偏向面に入射されるように、光ビームの光路上に4枚の反射ミラーが配置されている。そして、偏向素子から射出される光ビームを走査レンズ(結像手段)を介して被走査面上に導いている。このとき、走査レンズには、光ビームが被走査面を等速度で走査するようにf−Θレンズが用いられている。この場合、ガルバノミラーのかわりにポリゴンミラーを用いることも可能である。このように偏向素子への光ビームの複数回入射によって、光ビームの偏向角度の増大と走査速度の向上を図っている。
ところで、ポリゴンミラーやガルバノミラーなどの偏向素子の形状誤差を完全に除去することはできない。例えば、ポリゴンミラーは複数の変更ミラー面を有しており、各偏向ミラー面で光ビームを反射しているが、この偏向ミラー面がポリゴンミラーの回転中心に対して傾斜していると、いわゆる面倒れが発生する。その結果、被走査面での光ビームの走査位置が副走査方向において基準走査位置からずれてしまい、画像品質の劣化が生じてしまう。特許文献1に記載の発明では偏向素子の形状誤差について十分な配慮がなされておらず、画像品質の改善が望まれる。なお、この基準走査位置は光ビームを走査させる位置であり、予め設計上設定されている。
ここで面倒れを補正するためには、従来より周知のように偏向素子の前後に副走査方向にのみパワーを有する一対のシリンドリカルレンズを配置することが有効な対策となる。すなわち、このように構成することで、副走査方向において偏向ミラー面と被走査面とが光学的に共役な関係となり、偏向ミラー面の傾きがあったとしても被走査面での結像位置は変化しなくなる。
しかしながら、シリンドリカルレンズの追加により部品点数が多くなり、装置コストが増大する。また、光学部品の増大により光走査光学系の大型化は避けられず、このことが画像形成装置のコンパクト化にとって大きな障害の一つとなっている。また、光学調整が複雑となるという問題もある。
また、上記した面倒れ補正を施したとしても、部品誤差や組み立て誤差などは不可避であり、製品組立後の最終調整段階で光走査光学系を再度組立調整することなく、簡便な対応により副走査方向における光ビームの走査位置を基準走査位置に合致させることが切望されている。
さらに、画像形成装置の動作中においては、温度や湿度などの動作環境が変化したり、振動による光学部品の位置ずれが発生したり、経時変化などによって副走査方向における光ビームの走査位置が基準走査位置からずれてしまうこともある。また、光ビームの波長や伝達レンズの光学特性が変化してしまうこともあり、伝達レンズを複数枚設けた装置は伝達レンズの色収差の影響を受けてしまう。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、副走査方向における光ビームの走査位置を簡単に、しかも高精度に調整して誤差のない光走査を行うことができるとともに、光学部品の数を減らすことによってコンパクトな光走査装置および該装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
この発明にかかる光走査装置は、上記目的を達成するため、光ビームを反射して該光ビームを偏向する偏向手段と、光ビームを被走査面に結像する結像手段とを有し、前記被走査面上で光ビームを主走査方向に走査する走査光学系と、前記偏向手段により偏向された光ビームを前記偏向手段に導く伝達光学系とを備え、前記偏向手段は、前記主走査方向に対してほぼ直交する副走査方向と平行な主走査偏向軸回りに揺動して光ビームを偏向する第1および第2偏向ミラー面を備え、前記第1偏向ミラー面により前記伝達光学系に向けて偏向した光ビームが、前記伝達光学系により前記第2偏向ミラー面に導かれることによって、前記第2偏向ミラー面で再度偏向して前記被走査面に向けて射出する光ビームの偏向角を前記伝達光学系に入射する光ビームの偏向角よりも大きくするとともに、前記第1および第2偏向ミラー面の少なくとも一方が前記副走査方向と異なる方向と平行な微調整軸回りに揺動して前記被走査面での光ビームの走査位置を前記副走査方向に微調整することを特徴としている。
このように構成された発明では、偏向手段の第1偏向ミラー面により、例えば第1偏向角で偏向された光ビームは伝達光学系によって第2偏向ミラー面に導かれる。この光ビームは第2偏向ミラー面により再度偏向されて第1偏向角よりも大きな第2偏向角で被走査面に向けて射出される。このように第2偏向ミラー面により再度偏向されて被走査面に向けて射出される光ビームの偏向角が伝達光学系に入射する光ビームの偏向角より大きくなるように構成されている。そして、この発明では、被走査面における光ビームの走査位置を補正するために偏向手段は副走査方向と異なる方向と平行な微調整軸を備えている。したがって、被走査面での光ビームの走査位置を副走査方向において、簡単に、しかも高精度に調整することができる。その結果、温度や湿度などの動作環境の変化から光走査装置の光学特性が変化して、被走査面での光ビームの走査位置が副走査方向にずれたときでも、ずれを補正することにより常に高い精度で光ビームを走査させることができる。
また、前記偏向手段としては、例えば次のようなものを採用してもよい。まず第1の態様として、光ビームを反射する偏向ミラー面を一方面に有する内側可動部材と、前記内側可動部材を第1軸回りに揺動自在に支持する外側可動部材と、前記外側可動部材を前記第1軸とは異なる前記第2軸回りに揺動自在に支持する支持部材と、前記内側可動部材を前記第1軸回りに揺動駆動し、また前記外側可動部材を前記第2軸回りに揺動駆動するミラー駆動部とを備え、前記ミラー駆動部は、前記第1軸および第2軸のうちの一方を前記主走査偏向軸として前記偏向ミラー面を揺動させて光ビームを前記主走査方向に走査させる一方、他方を前記微調整軸として前記偏向ミラー面を揺動駆動して前記偏向ミラー面からの光ビームの向きを補正する偏向素子を2個準備し、各偏向ミラー面が互いに反対側を向くように上記2個の偏向素子を配置することで偏向手段を構成してもよい。なお、この偏向手段では、前記2個の偏向ミラー面の一方が前記第1偏向ミラー面であり、他方が前記第2偏向ミラー面として機能する。
また、第2の態様として、光ビームを偏向する偏向ミラー面を両主面に有する内側可動部材と前記内側可動部材を第1軸回りに揺動自在に支持する外側可動部材と、前記外側可動部材を前記第1軸とは異なる前記第2軸回りに揺動自在に支持する支持部材と、前記内側可動部材を前記第1軸回りに揺動駆動し、また前記外側可動部材を前記第2軸回りに揺動駆動するミラー駆動部とを備え、前記ミラー駆動部は、前記第1軸および第2軸のうちの一方を前記主走査偏向軸として前記偏向ミラー面を揺動させて光ビームを前記主走査方向に走査させる一方、他方を前記微調整軸として前記偏向ミラー面を揺動駆動して前記偏向ミラー面からの光ビームの向きを補正し、前記内側可動部材の一方の主面の偏向ミラー面を前記第1偏向ミラー面とする一方、他方の主面の偏向ミラー面を前記第2偏向ミラー面とする偏向手段を採用してもよい。特に、第2の態様にかかる偏向手段では、2つの偏向素子を組み合わせてなる偏向手段に比べて、光学部品の数を減らすことができる。よって、より簡素で小型化された光走査装置を提供することができる。
また、前記可動部材および前記支持部材をシリコン単結晶で構成することができる。例えば、シリコン単結晶の基板を支持部材として用いるとともに、この基板に対してマイクロマシニング技術を適用することで可動部材を形成することができる。このようにシリコン単結晶を用いて偏向手段の可動部材および支持部材を構成すると、可動部材を高精度に製造することができる。また、ステンレス鋼と同程度のバネ特性で可動部材を揺動自在に支持することができ、偏向ミラー面を安定して、しかも高速で揺動することができる。
また、前記ミラー駆動部は、前記偏向ミラー面を共振モードで前記主走査偏向軸回りに揺動駆動するものであってもよい。このように構成することで少ないエネルギーで偏向ミラー面を主走査偏向軸回りに揺動駆動することができる。また、光ビームの主走査周期を安定化することができる。一方、偏向ミラー面を微調整軸回りに揺動位置決めするためには、偏向ミラー面を非共振モードで揺動駆動するのが望ましい。というのも、偏向ミラー面の微調整軸回りの揺動駆動は必要に応じて実行された後、偏向ミラー面の微調整軸回りの揺動を停止させる必要があるからである。したがって、揺動駆動と揺動停止とを精度良く行うためには、非共振モードで揺動駆動させるのが望ましい。
また、偏向ミラー面を揺動駆動させるための駆動力としては、静電吸着力や電磁気力などを用いることができるが、それぞれ以下のような特性を有している。静電吸着力を用いた場合、コイルパターンを形成する必要がなく、偏向素子の小型化が可能となり、偏向走査をより高速化することができる。一方、電磁気力を用いた場合、静電吸着力を発生させる場合に比べて低い駆動電圧で偏向ミラー面を揺動駆動することができ、電圧制御が容易となり、偏向素子の位置制度を高めることができる。このように互いに異なる特徴を有しているため、使用目的に応じた駆動力を採用すればよい。
また、前記伝達光学系は、その反射面を前記偏向手段に向けて配置された第1および第2凹面ミラーを備え、前記第1凹面ミラーの反射面が前記第1偏向ミラー面に対向配置されて前記第1偏向ミラー面で偏向された光ビームを前記第2凹面ミラーに向けて反射する一方、前記第2凹面ミラーの反射面が前記第2偏向ミラー面に対向配置されて前記第1凹面ミラー面からの光ビームを前記第2偏向ミラー面に向けて反射する構成であってもよい。このように構成することによって、伝達光学系を構成するにあたり複数の伝達レンズと反射ミラーを必須としていた従来装置に比べ、伝達光学系を簡素で、しかも少ない光学部品点数で構成することができる。また、伝達光学系を小型化することができ、伝達光学系を装備する光走査装置の小型化が可能となる。さらに、伝達レンズを使用しないことで色収差の影響を除去することができ、優れた安定性で光ビームを走査させることができる。 また、前記第1および第2凹面ミラーの反射面は放物面であり、前記第1および第2凹面ミラーの両焦点がほぼ一致するように、前記第1および第2凹面ミラーが配置されていればより望ましい。こうすることによって、伝達光学系はアフォーカルな構成となり、伝達光学系に平行な光ビームを入射すれば、光ビームは平行を保ったまま伝達光学系から射出される。さらに、次のような作用効果も得られる。すなわち、凹面ミラーの反射面を例えば球面とすることも可能であるが、この場合、球面収差が発生してしまう。これに対し、凹面ミラーの反射面を放物面とすることで凹面ミラーの球面収差を除去することができるので、第2凹面ミラーで第2偏向ミラー面へ向けて反射された光ビームの第2偏向ミラー面での反射位置は常に一定となる。よって、より精度の高い光走査装置を提供することができる。
また、前記伝達光学系は、前記走査光学系により走査される光ビームの走査領域の外に配置されていることが望ましい。このような構成をすることで、光ビームと伝達光学系との干渉を防止することができる。また、伝達光学系への光ビームの入射・射出が簡単となり、装置の薄型化が可能となる。
<第1実施形態>
図1は本発明にかかる光走査装置の第1実施形態たる露光ユニットを装備した画像形成装置を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置は、いわゆる4サイクル方式のカラープリンタである。この画像形成装置では、ユーザからの画像形成要求に応じてホストコンピュータなどの外部装置から印字指令がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11のCPU111からの印字指令に応じてエンジンコントローラ10がエンジン部EGの各部を制御して複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに印字指令に対応する画像を形成する。
図1は本発明にかかる光走査装置の第1実施形態たる露光ユニットを装備した画像形成装置を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置は、いわゆる4サイクル方式のカラープリンタである。この画像形成装置では、ユーザからの画像形成要求に応じてホストコンピュータなどの外部装置から印字指令がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11のCPU111からの印字指令に応じてエンジンコントローラ10がエンジン部EGの各部を制御して複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに印字指令に対応する画像を形成する。
このエンジン部EGでは、感光体2(本発明の「潜像担持体」に相当)が図1の矢印方向(副走査方向)に回転自在に設けられている。また、この感光体2の周りにその回転方向に沿って、帯電ユニット3、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部(図示省略)がそれぞれ配置されている。帯電ユニット3には帯電制御部103が電気的に接続されており、所定の帯電バイアスを印加している。このバイアス印加によって感光体2の外周面が所定の表面電位に均一に帯電される。また、これらの感光体2、帯電ユニット3およびクリーニング部は一体的に感光体カートリッジを構成しており、感光体カートリッジが一体として装置本体5に対し着脱自在となっている。
そして、この帯電ユニット3によって帯電された感光体2の外周面に向けて本発明の光走査装置に相当する露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、外部装置から与えられた画像信号に応じて光ビームLを感光体2の表面(本発明の「被走査面」に相当)上に露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。なお、この露光ユニット6の構成および動作については後で詳述する。
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4(本発明の「現像手段」に相当)によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では、現像ユニット4は、軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、支持フレーム40に対して着脱自在のカートリッジとして構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、マゼンタ用の現像器4M、シアン用の現像器4C、およびブラック用の現像器4Kを備えている。そして、エンジンコントローラ10の現像器制御部104からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともにこれらの現像器4Y、4M、4C、4Kが選択的に感光体2と当接してまたは所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に位置決めされると、当該現像器に設けられて選択された色のトナーを担持する現像ローラから感光体2の表面にトナーを付与する。これによって、感光体2上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72、73等に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。
また、ローラ72の近傍には、転写ベルトクリーナ(図示省略)、濃度センサ76(図2)および垂直同期センサ77(図2)が配置されている。これらのうち、濃度センサ76は、中間転写ベルト71の表面に対向して設けられており、中間転写ベルト71の外周面に形成されるパッチ画像の光学濃度を測定する。また、垂直同期センサ77は、中間転写ベルト71の基準位置を検出するためのセンサであり、中間転写ベルト71の副走査方向への回転駆動に関連して出力される同期信号、つまり垂直同期信号Vsyncを得るための垂直同期センサとして機能する。そして、この装置では、各部の動作タイミングを揃えるとともに各色のトナー像を正確に重ね合わせるために、装置各部の動作はこの垂直同期信号Vsyncに基づいて制御される。
そして、カラー画像をシートに転写する場合には、感光体2上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、カセット8から1枚ずつ取り出され搬送経路Fに沿って二次転写領域TR2まで搬送されてくるシート上にカラー画像を二次転写する。
このとき、中間転写ベルト71上の画像をシート上の所定位置に正しく転写するため、二次転写領域TR2にシートを送り込むタイミングが管理されている。具体的には、搬送経路F上において二次転写領域TR2の手前側にゲートローラ81が設けられており、中間転写ベルト71の周回移動のタイミングに合わせてゲートローラ81が回転することにより、シートが所定のタイミングで二次転写領域TR2に送り込まれる。
また、こうしてカラー画像が形成されたシートは定着ユニット9および排出ローラ82を経由して装置本体5の上面部に設けられた排出トレイ部51に搬送される。また、シートの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートを排出ローラ82によりスイッチバック移動させる。これによってシートは反転搬送経路FRに沿って搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送経路Fに乗せられるが、このとき、二次転写領域TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートの両面に画像を形成することができる。
なお、図2において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像データを記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリであり、符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。
図3および図4は図1の画像形成装置に装備された露光ユニット(光走査装置)の構成を示す主走査断面図、図5は図1の画像形成装置に装備された露光ユニット(光走査装置)の構成を示す副走査断面図、図6ないし図9は露光ユニットの一構成要素たる偏向手段を示す図、図10は本実施形態における露光ユニットおよび露光制御部の構成を示すブロック図、図11は露光ユニットの一構成要素たる伝達光学系を示す図である。以下、これらの図面を参照しつつ、露光ユニットの構成および動作について詳述する。
この露光ユニット6は露光筐体61を有している。そして、露光筐体61に単一のレーザー光源62が固着されており、レーザー光源62から光ビームを射出可能となっている。このレーザー光源62は、露光制御部102の光源駆動部102aと電気的に接続されている。このため、画像データに応じて光源駆動部102aがレーザー光源62をON/OFF制御してレーザー光源62から画像データに対応して変調された光ビームが射出される。
また、この露光筐体61の内部には、レーザー光源62からの光ビームを感光体2の表面(図示省略)に走査露光するために、コリメータレンズ631、シリンドリカルレンズ632、本発明の「偏向手段」に相当する偏向素子65、本発明の「結像手段」に相当する走査レンズ66、伝達光学系67および折り返しミラー68が設けられている。すなわち、レーザー光源62からの光ビームは、コリメータレンズ631により適当な大きさのコリメート光にビーム整形された後、図5に示すように副走査方向にのみパワーを有するシリンドリカルレンズ632に入射される。そして、このコリメート光は副走査方向Yにのみ集束されて偏向素子65の第1偏向ミラー面651a付近で線状結像される。このように、この実施形態では、コリメータレンズ631およびシリンドリカルレンズ632がレーザー光源62からの光ビームを整形するビーム整形系63として機能している。また、伝達光学系67は走査光学系(偏向素子65および走査レンズ66)により走査される光ビームの走査角度領域と副走査断面において相違するように配置されている。
偏向素子65は半導体製造技術を応用して微小機械を半導体基板上に一体形成するマイクロマシニング技術を用いて形成されるものであり、第1偏向ミラー面651aで反射した光ビームを副走査方向Yと、副走査方向Yに直交する主走査方向Xの2方向に偏向可能となっている。より具体的には、偏向素子65は次のように構成されている。
この偏向素子65では、図6に示すように、シリコンの単結晶基板(以下「シリコン基板」という)652が本発明の「支持部材」として機能し、さらに該シリコン基板652の一部を加工することで外側可動板653(本発明における「外側可動部材」)が設けられている。この外側可動板653は枠状に形成され、ねじりバネ654によってシリコン基板652に弾性支持されており、主走査方向Xとほぼ平行に伸びる第2軸AX2回りに揺動自在となっている。
この外側可動板653の内側には、平板状の内側可動板656(本発明における「内側可動部材」)が軸支されている。すなわち、内側可動板656はねじりバネ654と軸方向が直交するねじりバネ657で外側可動板653の内側に弾性支持されており、副走査方向Yとほぼ平行に伸びる第1軸AX1回りに揺動自在となっている。そして、図7に示すように、この内側可動板656の上面中央部および下面中央部には、アルミニューム膜などが第1偏向ミラー面651aおよび第2偏向ミラー面651bとしてそれぞれ成膜されている。また、内側可動板656の上面には、シリコン基板652上面に形成した一対の外側電極端子(図示省略)にねじりバネ654,657を介して電気的に接続する平面コイル655が「第1軸駆動用コイル」として絶縁層で被膜されて設けられている。
また、シリコン基板652の略中央部には、図7ないし図9に示すように、内側可動板656の両主面で光ビームの反射が可能となるように、孔652aが設けられている。また、孔652aの外周を形作るフランジ部652bの、内側可動部材656の(+X)側端部および(−X)側端部にそれぞれ対応しながら永久磁石659a、659bが互いに異なる方位関係で固着されている(図7参照)。また、平面コイル655は、露光制御部102の第1軸駆動部102bと電気的に接続されており、平面コイル655への通電によって平面コイル655を流れる電流の方向と永久磁石659a、659bによる磁束の方向によりローレンツ力が作用し、内側可動板656を回転するモーメントが発生する。これにより、内側可動板656(第1偏向ミラー面651a、第2偏向ミラー面652b)がねじりバネ657を第1軸AX1として揺動する。ここで、平面コイル655に流す電流を交流とし連続的に反復動作すれば、ねじりバネ657を第1軸AX1として可動板656(第1偏向ミラー面651a、第2偏向ミラー面652b)を往復振動させることができる。そして、この往復振動の駆動周波数を内側可動板656(第1偏向ミラー面651a、第2偏向ミラー面652b)の共振周波数に設定する(本発明における「共振モード」)と、内側可動板656の振れ幅は大きくなり、しかも振動維持をより安定させることができる。
また、図8に示すように、フランジ部652bには、外側可動板653の(+Y)側端部および(−Y)側端部にそれぞれ対応しながら、電極658a,658bがそれぞれ固着されている。これら2つの電極658a,658bは外側可動板653を第2軸AX2回りに揺動駆動するための「第2軸用電極」として機能する。すなわち、これらの第2軸用電極658a,658bは露光制御部102の第2軸駆動部102cと電気的に接続されており、電極への電圧印加によって該電極と外側可動板653との間に静電吸着力が作用して外側可動板653の一方端部を該電極側に引き寄せる。したがって、第2軸駆動部102cから所定の電圧を第2軸用電極658a,658bに交互に印加すると、ねじりバネ654を第2軸AX2として外側可動板653を往復振動させることができる。この際に内側可動板656(第1偏向ミラー面651a、第2偏向ミラー面652b)も外側可動板653と一体にねじりバネ654を第2軸AX2として揺動する。
このように偏向素子65では、露光制御部102の第1および第2軸駆動部102b,102cが本発明の「ミラー駆動部」として機能し、該駆動部を制御することによって内側可動板656(第1偏向ミラー面651a、第2偏向ミラー面652b)を、互いに直交する第1軸AX1および第2軸AX2回りに、しかも独立して揺動駆動することが可能となっている。この実施形態では、ミラー駆動部を制御することによって内側可動板656を第1軸AX1回りに揺動させることで光ビームを偏向して主走査方向Xに走査させている。一方、外側可動板653を第2軸AX2まわりに揺動させることで、被走査面上での走査光ビームの副走査方向Yにおける位置を調整可能となっている。このように本実施形態では、第1軸AX1を主走査偏向軸とし、第2軸AX2を微調整軸として機能させている。もちろん、第1軸を微調整軸として機能させるとともに、第2軸AX2を主走査偏向軸として機能させるように構成してもよいことはいうまでもない。
上記のように構成された偏向素子65の第1偏向ミラー面651aで反射された光ビームは一度伝達光学系67に入射された後、この伝達光学系67によって再度偏向素子65の第2偏向ミラー面651bに戻される。そのため、偏向素子65により例えば第1偏向角に偏向された光ビームは第1偏向角よりも大きな第2偏向角で走査レンズ66に向けて射出される。この実施形態では、伝達光学系67は次にように構成されている。
図11は伝達光学系の構成を示す図である。この伝達光学系67は、その反射面671aを第1偏向ミラー面651aに向けて配置された第1凹面ミラー671と、その反射面672aを第2偏向ミラー面651bに向けて配置された第2凹面ミラー672とを備えている。そして、図4および図5に示すように、偏向素子65の第1偏向ミラー面651aにより第1偏向角に偏向された光ビームを第1凹面ミラー671で反射して第2凹面ミラー672に導くとともに、第2凹面ミラー672で反射された光ビームを第2偏向ミラー面651bに導く。これによって、光ビームが偏向素子65で再度偏向され、第1偏向角よりも大きな第2偏向角で光ビームが走査レンズ66に向けて射出される。
このような特性を有する伝達光学系67の具体的な構成としては、表1で示す光学諸元を有するものを採用することができる。
Si:面番号(ただし、S0は第1偏向ミラー面651a、S3は第2偏向ミラー面651b)
ri:面番号iの曲率半径
di:面番号iから(i+1)の面までの軸上距離
Ki:面番号iが軸対称非球面の場合に次式で示される軸対称非球面の非球面係数
ri:面番号iの曲率半径
di:面番号iから(i+1)の面までの軸上距離
Ki:面番号iが軸対称非球面の場合に次式で示される軸対称非球面の非球面係数
図3および図4に戻って露光ユニット6の説明を続ける。偏向素子65に2回入射した光ビームは感光体2に向けて偏向素子65から射出されるが、その光ビームは本発明の「結像手段」に相当する走査レンズ66および折り返しミラー68を介して感光体2の表面(被走査面・図示省略)に照射される。これにより、光ビームが主走査方向Xと平行に走査して主走査方向Xに伸びるライン状の潜像が感光体2の表面上に形成される。
なお、この実施形態では、図3に示すように、偏向素子65からの走査光ビームの開始または終端を折り返しミラー69a〜69cにより同期センサ60に導いている。すなわち、この実施形態では、同期センサ60を、主走査方向Xにおける同期信号、つまり水平同期信号Hsyncを得るための水平同期用読取センサとして機能させている。
以上のように、この実施形態によれば、偏向素子65は、主走査方向Xに対してほぼ直交する副走査方向Yと平行な第1軸AX1(主走査偏向軸)回りに揺動して光ビームを偏向する第1および第2偏向ミラー面651a,651bを備えている。そして、第1偏向ミラー面651aにより伝達光学系67に向けて偏向された光ビームは、伝達光学系67により第2偏向ミラー面651bに導かれ、第2偏向ミラー面651bで再度偏向されて感光体2の表面(被走査面)に向けて射出される。このようにして、感光体表面に向けて射出される光ビームの偏向角を伝達光学系67に入射する光ビームの偏向角よりも大きくしている。さらに第1および第2偏向ミラー面651a,651bが主走査方向Xとほぼ平行な第2軸AX2(微調整軸)回りに揺動して感光体表面での光ビームの走査位置を副走査方向Yに微調整するように構成されている。したがって、感光体表面での光ビームの走査位置を副走査方向Yにおいて、簡単に、しかも高精度に調整することができる。その結果、温度や湿度などの動作環境の変化から露光ユニット(光走査装置)6の光学特性が変化して、感光体2の表面(被走査面)での光ビームの走査位置が副走査方向Yにずれたときでも、ずれを補正することにより常に高い精度で光ビームを走査させることができる。
また、この実施形態では、「偏向手段」として可動板656の両主面に第1偏向ミラー面651aおよび第2偏向ミラー面652bを有する単一の偏向素子65を用いているので、簡素で小型化された光走査装置を提供することができる。
また、この実施形態では、偏向素子65は、シリコン単結晶の基板からなるシリコン基板652と、この基板に対してマイクロマシニング技術を適用することで形成された外側可動板653および内側可動板656とで構成されている。したがって、偏向素子65を高精度に製造することができるとともに、ステンレス鋼と同程度のバネ特性で外側可動板653および内側可動板656を揺動自在に支持することができるので、両偏向ミラー面651a,651bを安定して、しかも高速で揺動することができる。
また、この実施形態では、駆動部102bおよび102cからなるミラー駆動部は、第1及び第2偏向ミラー面651a,651bを共振モードで第1軸AX1(主走査偏向軸)回りに揺動駆動しているので、少ないエネルギーで第1及び第2偏向ミラー面651a,651bを第1軸AX1(主走査偏向軸)回りに揺動駆動することができる。また、光ビームの主走査周期を安定化することができる。
一方、第1及び第2偏向ミラー面651a,651bを第2軸AX2(微調整軸)回りに揺動位置決めするために、第1及び第2偏向ミラー面651a,651bを非共振モードで揺動駆動しているので、次のような作用効果がある。すなわち、第1及び第2偏向ミラー面651a,651bの第2軸AX2回りの揺動駆動は走査光ビームの被走査面上での走査位置を副走査方向Yに変更調整するため、偏向調整後に第1及び第2偏向ミラー面651a,651bの第2軸AX2回りの揺動を停止させる必要がある。したがって、揺動駆動と揺動停止とを精度良く行うためには、非共振モードで揺動駆動させるのが望ましい。
また、この実施形態では、伝達光学系67は、その反射面を偏向素子65に向けて配置された第1凹面ミラー671および第2凹面ミラー672を備えている。そして、第1凹面ミラー671の反射面が第1偏向ミラー面651aに対向配置されて第1偏向ミラー面651aで偏向された光ビームを第2凹面ミラー672に向けて反射する一方、第2凹面ミラー672の反射面が第2偏向ミラー面651bに対向配置されて第1凹面ミラー671からの光ビームを第2偏向ミラー面651bに向けて反射する構成となっている。したがって、伝達光学系67を構成するにあたり複数の伝達レンズと複数の反射ミラーを必須としていた従来装置に比べ、伝達光学系67を簡素で、しかも少ない光学部品点数で構成することができる。また、伝達光学系67を小型化することができ、露光ユニット6を小型化することができる。さらに、伝達レンズを使用しないことで色収差の影響を除去することができ、優れた安定性で光ビームを走査させることができる。
また、上記実施形態および設計例では、第1凹面ミラー671の焦点、第2凹面ミラー672の焦点、第1偏向ミラー面651aおよび第2偏向ミラー面651bとが略一致するように第1および第2凹面ミラー671,672および偏向素子65が配置されているため、次のような作用効果が得られる。すなわち、このような構成を採用することで、伝達光学系67はアフォーカルな構成となるので、平行な光ビームを伝達光学系67に入射すれば、光ビームは平行を保ったまま伝達光学系67から射出される。さらに、凹面ミラーの反射面を放物面とすることで凹面ミラーの球面収差を除去することができるので、第2凹面ミラー672で第2偏向ミラー面651bへ向けて反射された光ビームの第2偏向ミラー面651bでの反射位置は常に一定となる。よって、より精度の高い光走査装置を提供することができる。
また、この実施形態では、図5に示すように、伝達光学系67が走査光学系(偏向素子65および走査レンズ66)により走査される光ビームの走査領域の外に配置されている。このため、光ビームと伝達光学系67との干渉を防止することができる。また、伝達光学系67への光ビームの入射・射出が簡単となり、装置の薄型化が可能となる。
さらに、図5に示すように、第1偏向ミラー面651aでの光ビームの反射位置P1、第2偏向ミラー面651bでの光ビームの反射位置P2および被走査面(感光体2の表面・図示略)とが、走査光学系により走査される光ビームの走査方向Xとほぼ直交する副走査平面においてほぼ共役となるように構成されている。このため、偏向素子65の副走査方向Yへの揺動の影響を防止して面倒れを効果的に防止することができる。また、副走査方向における偏向素子65のサイズを小さくして偏向素子65の小型化、軽量化することができる。その結果、偏向素子65の駆動速度をさらに向上させて光ビームの走査速度をさらに高めることができる。
<第2実施形態>
図12ないし図14は本発明にかかる光走査装置の第2実施形態(露光ユニット)を示す図である。また、図15は本実施形態における露光ユニットおよび露光制御部の構成を示すブロック図である。この第2実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、1つの偏向ミラー面を備える偏向素子2個を組み合わせて偏向器(偏向手段)を構成している点であり、その他の構成は第1実施形態と同様である。以下、第1実施形態との相違点を中心に第2実施形態について詳細に述べる。
図12ないし図14は本発明にかかる光走査装置の第2実施形態(露光ユニット)を示す図である。また、図15は本実施形態における露光ユニットおよび露光制御部の構成を示すブロック図である。この第2実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、1つの偏向ミラー面を備える偏向素子2個を組み合わせて偏向器(偏向手段)を構成している点であり、その他の構成は第1実施形態と同様である。以下、第1実施形態との相違点を中心に第2実施形態について詳細に述べる。
この偏向器85を構成する偏向素子85a,85bは同一構造であるため、ここでは一方の偏向素子85aの構成について説明し、他方の偏向素子85bの構成については相当の符号を付して説明を省略する。偏向素子85aは半導体製造技術を応用して微小機械を半導体基板上に一体形成するマイクロマシニング技術を用いて形成されるものであり、第1偏向ミラー面851aで反射した光ビームを副走査方向Yと、副走査方向Yに直交する主走査方向Xの2方向に偏向可能となっている。より具体的には、偏向素子85aは次のように構成されている。
この偏向素子85aでは、図12ないし図14に示すように、シリコン基板852aが本発明の「支持部材」として機能し、さらに該シリコン基板852aの一部を加工することで外側可動板853a(本発明における「外側可動部材」)が設けられている。この外側可動板853aは枠状に形成され、ねじりバネ854aによってシリコン基板852aに弾性支持されており、主走査方向Xとほぼ平行に伸びる第2軸AX2a回りに揺動自在となっている。
この外側可動板853aの内側には、平板状の内側可動板856a(本発明における「内側可動部材」)が軸支されている。すなわち、内側可動板856aはねじりバネ854aと軸方向が直交するねじりバネ857aで外側可動板853aの内側に弾性支持されており、副走査方向Yとほぼ平行に伸びる第1軸AX1a回りに揺動自在となっている。そして、図13に示すように、この内側可動板856aの上面中央部には、アルミニューム膜などが第1偏向ミラー面851aとして成膜されている。また、外側可動板可動板853aの上面には、シリコン基板852a上面に形成した一対の外側電極端子(図示省略)にねじりバネ854aを介して電気的に接続する平面コイル855aが「第2軸駆動用コイル」として絶縁層で被膜されて設けられている。
また、シリコン基板852aの略中央部には、図13および図14に示すように、外側可動板853aおよび内側可動板856aがそれぞれ第2軸AX2aおよび第1軸AX1a回りに揺動可能となるように、凹部8521aが設けられている。そして、凹部8521aの内底面のうち内側可動板856aの両端部に対向する位置に電極8581a,8582aがそれぞれ固着されている(図13参照)。これら2つの電極8581a,8582aは内側可動板856aを第1軸AX1a回りに揺動駆動するための「第1軸用電極」として機能する。すなわち、これらの第1軸用電極8581a、8582aは露光制御部102の第1軸駆動部102bと電気的に接続されており、電極への電圧印加によって該電極と偏向ミラー面851aとの間に静電吸着力が作用して偏向ミラー面851aの一方端部を該電極側に引き寄せる。したがって、第1軸駆動部102bから所定の電圧を第1軸用電極8581a、8582aに交互に印加すると、ねじりバネ857aを第1軸AX1aとして偏向ミラー面851aを往復振動させることができる。そして、この往復振動の駆動周波数を偏向ミラー面851aの共振周波数に設定すると、偏向ミラー面851aの振れ幅は大きくなり、電極8581a、8582aに近接する位置まで偏向ミラー面851aの端部を変位させることができる。また、偏向ミラー面851aの端部が共振で電極8581a、8582aと近接位置に達することで、電極8581a、8582aも偏向ミラー面851aの駆動に寄与し、端部と平面部の両電極により振動維持をより安定させることができる。
この凹部8521aの内底面には、図14に示すように、外側可動板853aの両端部の外方位置に永久磁石8591a,8592aが互いに異なる方位関係で固着されている。また、第2軸駆動用コイル855aは、露光制御部102の第2軸駆動部102cと電気的に接続されており、コイル855aへの通電によって第2軸駆動用コイル855aを流れる電流の方向と永久磁石8591a,8592aによる磁束の方向によりローレンツ力が作用し、外側可動板853aを回転するモーメントが発生する。ここで、第2軸駆動用コイル855aに流す電流を交流とし連続的に反復動作すれば、ねじりバネ854aを第2軸AX2aとして偏向ミラー面851aを往復振動させることができる。この際に内側可動板856a(偏向ミラー面851a)も外側可動板853aと一体にねじりバネ854aを第2軸AX2aとして揺動する。
このように偏向素子85aでは、偏向ミラー面851aを互いに直交する第1軸AX1aおよび第2軸AX2a回りに、しかも独立して揺動駆動することが可能となっている。そこで、この実施形態では、第1軸駆動部102bと第2軸駆動部102cとからなるミラー駆動部を制御することによって偏向ミラー面851aを第1軸AX1a回りに揺動させることで光ビームを偏向して主走査方向Xに走査させている。一方、偏向ミラー面851aを第2軸AX2a回りに揺動させることで被走査面上での走査光ビームの副走査方向Yにおける位置を調整可能となっている。このように本実施形態では、第1軸AX1aを主走査偏向軸とし、第2軸AX2aを微調整軸として機能させている。もちろん、第1軸AX1aを微調整軸として機能させるとともに、第2軸AX2aを主走査偏向軸として機能させるように構成してもよいことはいうまでもない。
偏向器85は、偏向素子85a,85bを、図12ないし図14に示すように、それぞれの第1軸ならびに第2軸が平行となるように、密着固定させることによって構成される。この実施形態では、次に説明するように、偏向ミラー面851aを第1偏向ミラー面として機能させる一方、偏向ミラー面851bを第2偏向ミラー面として機能させる。
上記のように構成された偏向器85の第1偏向ミラー面851aで反射された光ビームは一度伝達光学系67に入射された後、この伝達光学系67によって再度偏向器85の第2偏向ミラー面851bに戻される。そのため、偏向器85により例えば第1偏向角に偏向された光ビームは第1偏向角よりも大きな第2偏向角で走査レンズ66に向けて射出される。この実施形態での伝達光学系67、走査光学系(偏向器85および走査レンズ66)の構成は第1実施形態と同一構成であり同等の効果が得られる。
また、第1および第2偏向ミラー面851a,851bが主走査方向とほぼ平行な第2軸(微調整軸)回りに揺動して被走査面での光ビームの走査位置を副走査方向に微調整するように構成されている。したがって、被走査面での光ビームの走査位置を副走査方向Yにおいて、簡単に、しかも高精度に調整することができる。その結果、温度や湿度などの動作環境の変化から光走査装置の光学特性が変化して、被走査面での光ビームの走査位置が副走査方向Yにずれたときでも、ずれを補正することにより常に高い精度で光ビームを走査させることができる。
なお、外側可動板853aを揺動するために電磁気力を用い、内側可動板856aを揺動するために静電吸着力を用いているが、外側可動板853aを揺動するために静電吸着力を用い、内側可動板856aを揺動するために電磁気力を用いてもよいことは言うまでもない。ただし、駆動方式ごとに以下のような特徴を有しているため、それらを考慮した上で適宜採用するのが望ましい。すなわち、外側可動板853aを揺動させる駆動力として電磁気力を用いた場合、静電吸着力を発生させる場合に比べて低い駆動電圧で外側可動板853aを揺動駆動することができ、電圧制御が容易となり、走査光ビームの位置精度を高めることができる。これに対し、内側可動板856aを揺動させる駆動力として静電吸着力を用いた場合、コイルパターンを形成する必要がなく、偏向素子85aのさらなる小型化が可能となり、偏向走査をより高速化することができる。
<第3実施形態>
図16は本発明にかかる光走査装置の第3実施形態(露光ユニット)を示す図である。この第3実施形態が第1実施形態と異なる点は、同図に示すように、レーザー光源62からの光ビームがコリメータレンズ631によりコリメート光にビーム整形された後、このコリメート光がそのまま偏向素子65の第1偏向ミラー面651aに入射している点である。すなわち、第1実施形態では、第1偏向ミラー面651aでの光ビームの反射位置P1、第2偏向ミラー面651bでの光ビームの反射位置P2および被走査面(感光体2の表面・図示略)とが、走査光学系により走査される光ビームの主走査方向Xとほぼ直交する副走査平面においてほぼ共役となるように構成されているのに対し(図5参照)、第3実施形態ではいわゆる非共役型の光学構成となっている。その他の構成は第1実施形態と同様あり、ここでは同一構成について同一符号を付して説明を省略する。
図16は本発明にかかる光走査装置の第3実施形態(露光ユニット)を示す図である。この第3実施形態が第1実施形態と異なる点は、同図に示すように、レーザー光源62からの光ビームがコリメータレンズ631によりコリメート光にビーム整形された後、このコリメート光がそのまま偏向素子65の第1偏向ミラー面651aに入射している点である。すなわち、第1実施形態では、第1偏向ミラー面651aでの光ビームの反射位置P1、第2偏向ミラー面651bでの光ビームの反射位置P2および被走査面(感光体2の表面・図示略)とが、走査光学系により走査される光ビームの主走査方向Xとほぼ直交する副走査平面においてほぼ共役となるように構成されているのに対し(図5参照)、第3実施形態ではいわゆる非共役型の光学構成となっている。その他の構成は第1実施形態と同様あり、ここでは同一構成について同一符号を付して説明を省略する。
上記したように、第3実施形態では、非共役型の構成となっているため面倒れ誤差が発生する可能性がある。すなわち、感光体2の表面(被走査面)での光ビームの走査位置が副走査方向Yにおいてずれてしまう可能性がある。しかしながら、上記相違点を除き、その他の構成はすべて第1実施形態と同様であり、偏向素子65は、感光体表面での光ビームの走査位置を副走査方向Yに微調整するように構成されている。よって、感光体表面での光ビームの走査位置が副走査方向Yにおいてずれていたとしても該ずれを補正して常に高い精度で光ビームを走査することができる。
また、第1および第2凹面ミラー671,672は、球心から見て全方向に対してパワーを有し、第1凹面ミラー671で第2凹面ミラー672に向けて反射された平行光ビームは、副走査平面において、一度結像した後に第2凹面ミラー672に到達する。よって、第1実施形態の図5のように第1および第2凹面ミラー671,672間を平行光ビームが伝達する場合に比べ、結像点P10と偏向素子65との間に空間を確保することができる(図16参照)。したがって、露光ユニット(光走査装置)6を設計する際の自由度が増え、露光ユニット6のさらなる小型化が可能となる。
さらに、この第3実施形態では、シリンドリカルレンズの配設が不要となっており、部品点数を削減することができる。そのため、装置コストを低減することができるとともに、光走査装置のコンパクト化を図ることができ、光学調整も簡単なものとなる。
なお、第3実施形態において、第2実施形態の偏向手段を用いてもよいことは言うまでもない。
<第4実施形態>
図17は本発明にかかる光走査装置の第4実施形態(露光ユニット)を示す図である。この第4実施形態では、伝達光学系67Bは、主走査方向Xにのみパワーを有するシリンドリカル面を反射面673a,674aとして備えた第1凹面ミラー673および第2凹面ミラー674で構成されている。その他の構成は第3実施形態と同様あり、ここでは同一構成について同一符号を付して説明を省略する。
図17は本発明にかかる光走査装置の第4実施形態(露光ユニット)を示す図である。この第4実施形態では、伝達光学系67Bは、主走査方向Xにのみパワーを有するシリンドリカル面を反射面673a,674aとして備えた第1凹面ミラー673および第2凹面ミラー674で構成されている。その他の構成は第3実施形態と同様あり、ここでは同一構成について同一符号を付して説明を省略する。
第4実施形態では、上記第3実施形態と同様に非共役型の構成となっているため面倒れ誤差が発生する可能性がある。すなわち、被走査面での光ビームの走査位置が副走査方向Yにおいてずれてしまう可能性がある。しかしながら、上記相違点を除き、その他の構成はすべて第3実施形態と同様であり、偏向素子65は、被走査面での光ビームの走査位置を副走査方向Yに微調整するように構成されている。よって、被走査面での光ビームの走査位置が副走査方向Yにおいてずれていたとしても該ずれを補正して常に高い精度で光ビームを走査することができる。
また、第1および第2凹面ミラーは、主走査方向Xにのみパワーを有する反射面673a,674aを備えているため、球心から見て全方向にパワーを有する凹面ミラーに比べ設計が容易である。
さらに、上記第3実施形態と同様に、シリンドリカルレンズの配設が不要となっており、部品点数を削減することができる。そのため、装置コストを低減することができるとともに、露光ユニット(光走査装置)6のコンパクト化を図ることができ、光学調整も簡単なものとなる。
また、第1、第2および第3実施形態からわかるように、偏向素子65が微調整機構を有することにより、共役型または非共役型にかかわらず、感光体2の表面(被走査面)での光ビームの走査位置を副走査方向Yに容易に、しかも高精度に微調整を行うことができる。したがって、レーザー光源62からの光ビームを偏向走査する露光ユニットを種々の態様で構成することができ、装置の設計自由度を高めることができる。
なお、第4実施形態において、第2実施形態の偏向手段を用いてもよいことは言うまでもない。
<第5実施形態>
図18および図19は本発明にかかる光走査装置(露光ユニット)の第5実施形態を示す図である。この実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、伝達光学系67Aは走査光学系(偏向素子65および走査レンズ66)により走査される光ビームの走査角度領域と主走査断面において相違するように配置されている点であり、その他の構成は第1実施形態と同様である。
図18および図19は本発明にかかる光走査装置(露光ユニット)の第5実施形態を示す図である。この実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、伝達光学系67Aは走査光学系(偏向素子65および走査レンズ66)により走査される光ビームの走査角度領域と主走査断面において相違するように配置されている点であり、その他の構成は第1実施形態と同様である。
この実施形態では、図19に示すように、副走査平面から伝達光学系67Aを見たとき、2つの凹面ミラー671,672が走査光学系(偏向素子65および走査レンズ66)により走査される光ビームと交差しているが、図18に示すように主走査断面において両凹面ミラー671,672とも光ビームの走査領域から外れるように配置されている。このため、光ビームと伝達光学系67Aとの干渉を防止することができる。また、伝達光学系67Aへの光ビームの入射・射出が簡単となり、装置の薄型化が可能となる。また、露光ユニット6を副走査方向に薄く構成することができる。
なお、図1の画像形成装置は第1実施形態の露光ユニット6に換えて第4実施形態の露光ユニット6を装備してももちろん構わない。また、第5実施形態において、第2実施形態の偏向手段を用いてもよいことは言うまでもない。
<第6実施形態>
図20は本発明にかかる光走査装置の第6実施形態(露光ユニット)を示す図である。この第6実施形態が第5実施形態と異なる点は、同図に示すように、レーザー光源62からの光ビームがコリメータレンズ631によりコリメート光にビーム整形された後、このコリメート光がそのまま偏向素子65の第1偏向ミラー面651aに入射している点である。すなわち、第5実施形態では、第1偏向ミラー面651aでの光ビームの反射位置P1、第2偏向ミラー面651bでの光ビームの反射位置P2および被走査面(感光体2の表面・図示略)とが、走査光学系により走査される光ビームの走査方向Xとほぼ直交する副走査平面においてほぼ共役となるように構成されているのに対し(図19参照)、第6実施形態ではいわゆる非共役型の光学構成となっている。その他の構成は第5実施形態と同様あり、ここでは同一構成について同一符号を付して説明を省略する。
図20は本発明にかかる光走査装置の第6実施形態(露光ユニット)を示す図である。この第6実施形態が第5実施形態と異なる点は、同図に示すように、レーザー光源62からの光ビームがコリメータレンズ631によりコリメート光にビーム整形された後、このコリメート光がそのまま偏向素子65の第1偏向ミラー面651aに入射している点である。すなわち、第5実施形態では、第1偏向ミラー面651aでの光ビームの反射位置P1、第2偏向ミラー面651bでの光ビームの反射位置P2および被走査面(感光体2の表面・図示略)とが、走査光学系により走査される光ビームの走査方向Xとほぼ直交する副走査平面においてほぼ共役となるように構成されているのに対し(図19参照)、第6実施形態ではいわゆる非共役型の光学構成となっている。その他の構成は第5実施形態と同様あり、ここでは同一構成について同一符号を付して説明を省略する。
上記したように、第6実施形態では、非共役型の構成となっているため面倒れ誤差が発生する可能性がある。すなわち、感光体2の表面(被走査面)での光ビームの走査位置が副走査方向Yにおいてずれてしまう可能性がある。しかしながら、上記相違点を除き、その他の構成はすべて第5実施形態と同様であり、偏向素子65は、感光体表面での光ビームの走査位置を副走査方向Yに微調整するように構成されている。よって、感光体表面での光ビームの走査位置が副走査方向Yにおいてずれていたとしても該ずれを補正して常に高い精度で光ビームを走査することができる。
また、第1および第2凹面ミラー671,672は、球心から見て全方向に対してパワーを有し、第1凹面ミラー671で第2凹面ミラー672に向けて反射された平行光ビームは、副走査平面において、一度結像した後に第2凹面ミラー672に到達する。よって、第5実施形態の図19のように第1および第2凹面ミラー671,672間を平行光ビームが伝達する場合に比べ、結像点P10Aと偏向素子65との間に空間を確保することができる(図20参照)。したがって、露光ユニット(光走査装置)6を設計する際の自由度が増え、露光ユニット6のさらなる小型化が可能となる。
さらに、この第6実施形態では、シリンドリカルレンズの配設が不要となっており、部品点数を削減することができる。そのため、装置コストを低減することができるとともに、露光ユニット(光走査装置)6のコンパクト化を図ることができ、光学調整も簡単なものとなる。
なお、第6実施形態において、第2実施形態の偏向手段を用いてもよいことは言うまでもない。
<第7実施形態>
図21は本発明にかかる光走査装置の第7実施形態(露光ユニット)を示す図である。この第7実施形態では、伝達光学系67Cは、主走査方向Xにのみパワーを有するシリンドリカル面を反射面673a,674aとして備えた第1凹面ミラー673および第2凹面ミラー674で構成されている。その他の構成は第6実施形態と同様あり、ここでは同一構成について同一符号を付して説明を省略する。
図21は本発明にかかる光走査装置の第7実施形態(露光ユニット)を示す図である。この第7実施形態では、伝達光学系67Cは、主走査方向Xにのみパワーを有するシリンドリカル面を反射面673a,674aとして備えた第1凹面ミラー673および第2凹面ミラー674で構成されている。その他の構成は第6実施形態と同様あり、ここでは同一構成について同一符号を付して説明を省略する。
第7実施形態では、上記第6実施形態と同様に非共役型の構成となっているため面倒れ誤差が発生する可能性がある。すなわち、感光体2の表面(被走査面)での光ビームの走査位置が副走査方向Yにおいてずれてしまう可能性がある。しかしながら、上記相違点を除き、その他の構成はすべて第6実施形態と同様であり、偏向素子65は、感光体表面での光ビームの走査位置を副走査方向Yに微調整するように構成されている。よって、感光体表面での光ビームの走査位置が副走査方向Yにおいてずれていたとしても該ずれを補正して常に高い精度で光ビームを走査することができる。
また、第1および第2凹面ミラーは、主走査方向Xにのみパワーを有する反射面673a,674aを備えているため、球心から見て全方向にパワーを有する凹面ミラーに比べ設計が容易である。
さらに、上記第6実施形態と同様に、シリンドリカルレンズ632の配設が不要となっており、部品点数を削減することができる。そのため、装置コストを低減することができるとともに、露光ユニット(光走査装置)6のコンパクト化を図ることができ、光学調整も簡単なものとなる。
また、第5、第6および第7実施形態からわかるように、偏向素子65が微調整機構を有することにより、共役型または非共役型にかかわらず、感光体2の表面(被走査面)での光ビームの走査位置を副走査方向Yに容易に、しかも高精度に微調整を行うことができる。したがって、レーザー光源62からの光ビームを偏向走査する露光ユニット6を種々の態様で構成することができ、装置の設計自由度を高めることができる。
なお、第7実施形態において、第2実施形態の偏向手段を用いてもよいことは言うまでもない。
上記実施形態では、この発明にかかる光走査装置をカラー画像形成装置の露光ユニットとして用いているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではない。すなわち、感光体などの潜像担持体上に光ビームを走査して静電潜像を形成するとともに、該静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する画像形成装置の露光手段として用いることができる。もちろん、光走査装置の適用対象は画像形成装置に装備される露光手段に限定されるものではなく、光ビームを被走査面上に走査させる光走査装置全般に適用することができる。
2…感光体(潜像担持体)、4…現像ユニット(現像手段)、6…露光ユニット(光走査装置)、65…偏向素子(偏向手段)、85…偏向器(偏向手段)66…走査レンズ(結像手段)、67、67A、67B、67C…伝達光学系、651a、651b、851a、851b…偏向ミラー面、652、852a、852b…シリコン基板(支持部材)、656、856a、856b…内側可動板(内側可動部材)、653、853a、853b…外側可動板(外側可動部材)、671、672、673、674…凹面ミラー、L…光ビーム、671a、672a、673a、674a…反射面、AX1、AX1a…主走査偏向軸、AX2、AX2a…微調整軸、X…主走査方向、Y…副走査方向
Claims (14)
- 光ビームを反射して該光ビームを偏向する偏向手段と、光ビームを被走査面に結像する結像手段とを有し、前記被走査面上で光ビームを主走査方向に走査する走査光学系と、
前記偏向手段により偏向された光ビームを前記偏向手段に導く伝達光学系とを備え、
前記偏向手段は、前記主走査方向に対してほぼ直交する副走査方向と平行な主走査偏向軸回りに揺動して光ビームを偏向する第1および第2偏向ミラー面を備え、前記第1偏向ミラー面により前記伝達光学系に向けて偏向した光ビームが、前記伝達光学系により前記第2偏向ミラー面に導かれることによって、前記第2偏向ミラー面で再度偏向して前記被走査面に向けて射出する光ビームの偏向角を前記伝達光学系に入射する光ビームの偏向角よりも大きくするとともに、
前記第1および第2偏向ミラー面の少なくとも一方が前記副走査方向と異なる方向と平行な微調整軸回りに揺動して前記被走査面での光ビームの走査位置を前記副走査方向に微調整することを特徴とする光走査装置。 - 前記偏向手段は、下記の偏向素子を2個、各偏向ミラー面が互いに反対側を向くように配置してなり、前記2個の偏向ミラー面の一方が前記第1偏向ミラー面であり、他方が前記第2偏向ミラー面である請求項1記載の光走査装置。
前記2個の偏向素子の各々は、
光ビームを反射する偏向ミラー面を一方面に有する内側可動部材と、
前記内側可動部材を第1軸回りに揺動自在に支持する外側可動部材と、
前記外側可動部材を前記第1軸とは異なる前記第2軸回りに揺動自在に支持する支持部材と、
前記内側可動部材を前記第1軸回りに揺動駆動し、また前記外側可動部材を前記第2軸回りに揺動駆動する前記ミラー駆動部とを備え、
前記ミラー駆動部は、前記第1軸および第2軸のうちの一方を前記主走査偏向軸として前記偏向ミラー面を揺動させて光ビームを前記主走査方向に走査させる一方、他方を前記微調整軸として前記偏向ミラー面を揺動駆動して前記偏向ミラー面からの光ビームの向きを補正する。 - 前記偏向手段は、
光ビームを偏向する偏向ミラー面を両主面に有する内側可動部材と
前記内側可動部材を第1軸回りに揺動自在に支持する外側可動部材と、
前記外側可動部材を前記第1軸とは異なる前記第2軸回りに揺動自在に支持する支持部材と、
前記内側可動部材を前記第1軸回りに揺動駆動し、また前記外側可動部材を前記第2軸回りに揺動駆動する前記ミラー駆動部とを備え、
前記ミラー駆動部は、前記第1軸および第2軸のうちの一方を前記主走査偏向軸として前記偏向ミラー面を揺動させて光ビームを前記主走査方向に走査させる一方、他方を前記微調整軸として前記偏向ミラー面を揺動駆動して前記偏向ミラー面からの光ビームの向きを補正し、
前記内側可動部材の一方の主面の偏向ミラー面が前記第1偏向ミラー面であり、他方の主面の偏向ミラー面が前記第2偏向ミラー面である請求項1記載の光走査装置。 - 前記可動部材および前記支持部材はシリコン単結晶で構成されている請求項2または3記載の光走査装置。
- 前記ミラー駆動部は、前記偏向ミラー面を共振モードで前記主走査偏向軸回りに揺動駆動する請求項2ないし4に記載の光走査装置。
- 前記ミラー駆動部は、電磁気力により前記偏向ミラー面を前記主走査偏向軸回りに揺動駆動する請求項2ないし5のいずれかに記載の光走査装置。
- 前記ミラー駆動部は、静電吸着力により前記偏向ミラー面を前記主走査偏向軸回りに揺動駆動する請求項2ないし5のいずれかに記載の光走査装置。
- 前記ミラー駆動部は、前記偏向ミラー面を非共振モードで前記微調整軸回りに揺動位置決めする請求項2ないし7のいずれかに記載の光走査装置。
- 前記ミラー駆動部は、電磁気力により前記偏向ミラー面を前記微調整軸回りに揺動位置決めする請求項2ないし8のいずれかに記載の光走査装置。
- 前記ミラー駆動部は、静電吸着力により前記偏向ミラー面を前記微調整軸回りに揺動位置決めする請求項2ないし8のいずれかに記載の光走査装置。
- 前記伝達光学系は、その反射面を前記偏向手段に向けて配置された第1および第2凹面ミラーを備え、
前記第1凹面ミラーの反射面が前記第1偏向ミラー面に対向配置されて前記第1偏向ミラー面で偏向された光ビームを前記第2凹面ミラーに向けて反射する一方、前記第2凹面ミラーの反射面が前記第2偏向ミラー面に対向配置されて前記第1凹面ミラー面からの光ビームを前記第2偏向ミラー面に向けて反射する請求項1ないし10のいずれかに記載の光走査装置。 - 前記第1および第2凹面ミラーの反射面は放物面であり、
前記第1および第2凹面ミラーの両焦点がほぼ一致するように、前記第1および第2凹面ミラーが配置されている請求項11記載の光走査装置。 - 前記伝達光学系は、前記走査光学系により走査される光ビームの走査領域の外に配置されている請求項1ないし12のいずれかに記載の光走査装置。
- 潜像担持体と、
請求項1ないし13のいずれかに記載の光走査装置と同一構成を有し、前記潜像担持体の表面を前記被走査面として光ビームを走査して前記潜像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、
前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003304172A JP2005070708A (ja) | 2003-08-28 | 2003-08-28 | 光走査装置および画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003304172A JP2005070708A (ja) | 2003-08-28 | 2003-08-28 | 光走査装置および画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005070708A true JP2005070708A (ja) | 2005-03-17 |
Family
ID=34407933
Family Applications (1)
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JP2003304172A Withdrawn JP2005070708A (ja) | 2003-08-28 | 2003-08-28 | 光走査装置および画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005070708A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009069382A1 (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-04 | Nec Corporation | 光走査装置および画像出力装置 |
US8254004B2 (en) | 2007-02-07 | 2012-08-28 | Canon Kabushiki Kaisha | Oscillator and optical deflector having oscillator |
JP2016200640A (ja) * | 2015-04-07 | 2016-12-01 | 富士電機株式会社 | 光走査装置及び内視鏡装置 |
-
2003
- 2003-08-28 JP JP2003304172A patent/JP2005070708A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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