以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、各図面において、同じ機能を有する構成には同じ符号を付け、その説明を省略する場合がある。
(第一の実施形態)
図2は、本発明の第一の実施形態の表示システムの構成を示した構成図である。
図2において、表示システム100は、画像投射装置1と、スクリーン101とを含む。
画像投射装置1は、スクリーン101に画像を投射する。なお、画像投射装置は、画像出力装置の一例である。
画像投射装置1は、画像信号出力装置2と、光走査装置3とを含む。
画像信号出力装置2は、入力された画像信号に応じて、レーザ光線を光走査装置3に入射する。具体的には、画像信号出力装置2は、レーザ光源4ないし6と、コリメータ7ないし9と、変調器10ないし12と、反射ミラー13と、ダイクロイックミラー14および15とを含む。
レーザ光源4ないし6のそれぞれは、入力された画像信号に応じて、例えば、赤(R:620nm)、緑(G:530nm)および青(B:470nm)などの、互いに異なる波長のレーザ光線を出射する。
コリメータ7ないし9のそれぞれは、レーザ光源4ないし6のそれぞれが出射したレーザ光線を所望の径の平行光線にコリメートする。
変調器10ないし12のそれぞれは、入力された変調信号に応じて、コリメータ7ないし9のそれぞれでコリメートされたレーザ光線の強度を変調する。
反射ミラー13は、変調器10で変調されたレーザ光線を全反射する。また、ダイクロイックミラー14は、反射ミラー13で反射されたレーザ光線を透過し、かつ、変調器11で変調されたレーザ光線を全反射する。さらに、ダイクロイックミラー15は、反射ミラー13およびダイクロイックミラー14で反射されたレーザ光線を透過し、かつ、変調器12で変調されたレーザ光線を全反射する。
ここで、レーザ光源4ないし6と、コリメータ7ないし9と、変調器10ないし12と、反射ミラー13と、ダイクロイックミラー14および15とは、反射ミラー13とダイクロイックミラー14および15とのそれぞれで反射されたレーザ光線が、同軸上に合波されて、光走査装置3に入射するように配置される。
光走査装置3は、画像信号出力装置2から入射されたレーザ光線を走査し、その走査したレーザ光線をスクリーン101に投射する。具体的には、光走査装置3は、走査ミラー16と、伝達光学系17と、走査ミラー18とを含む。
走査ミラー16は、予め定められた第一の回転軸を中心に往復回転動作することで、入射された光線を反射して、その光線を第一の走査方向(主走査方向)に走査する。なお、図2では、第一の走査方向をY方向としている。
例えば、走査ミラー16は、画像信号出力装置2から入射されたレーザ光線を走査して伝達光学系17に出射する。また、走査ミラー16は、伝達光学系17から入射された光線を走査して走査ミラー18に出射する。
伝達光学系17には、走査ミラー16で走査された光線が入射される。また、伝達光学系17は、その入射された光線を再び走査ミラー17に入射させる。
走査ミラー18は、走査ミラー16の回転軸と異なる向きの第二の回転軸を中心に往復回転動作することで、走査ミラー16から入射されたレーザ光線を、第一の走査方向と異なる方向の第二の走査方向(副走査方向)に走査してスクリーン101へ出射する。第二の走査方向は、Z方向である。また、走査ミラー18上の、走査ミラー16から入射されたレーザ光線の入射面は、投射面の一例である。
これにより、強度が変調された、互いに波長の異なる3つのレーザ光線が、スクリーン101に2次元状に投影され、画像を形成する。
次に伝達光学系17を説明する。
図3は、伝達光学系17の構成を示した模式図である。
図3において、伝達光学系17は、少なくとも2つの凹面ミラーを有する複数のミラーを含む。
また、伝達光学系17は、走査ミラー16で走査された光線を、その複数のミラーを経由して再び走査ミラー16に入射させる。そして、走査ミラー16は、その複数のミラーを経由して入射された光線を走査して走査ミラー18に出射する。
具体的には、伝達光学系17の複数のミラーは、凹面ミラー19および20と、反射ミラー21とを有する。なお、凹面ミラー19は、第一凹面ミラーの一例であり、凹面ミラー20は、第二凹面ミラーの一例である。
凹面ミラー19は、走査ミラー16で走査された光線を反射して凹面ミラー20に入射させ、凹面ミラー20は、凹面ミラー19から入射された光線を反射して反射ミラー21に入射させる。続いて、反射ミラー21は、凹面ミラー20から入射された光線を反射して凹面ミラー20に入射させる。凹面ミラー20は、反射ミラー21から入射された光線を反射して凹面ミラー19に入射させる。そして、凹面ミラー19は、凹面ミラー20から入射された光線を反射して走査ミラー16に入射させ、走査ミラー16は、凹面ミラー19から入射された光線を走査して走査ミラー18に出射する。
これにより、レンズを用いなくても、走査ミラー16の走査角を拡大することが可能になる。
次に伝達光学系17の構成をより詳細に説明する。
走査ミラー16のレーザ光線の入射位置と、反射ミラー21のレーザ光線の入射位置とは、凹面ミラー19および20を有する光学系について、共役である。
物体上の一点(物点)から出射された光線が、光学系を経由して物点に対応する像平面上の一点(像点)に結像する場合、この物点と像点との関係を共役と呼ぶ。なお、ここで、共役は、厳密に共役である必要はなく、必要とされる精度で共役であれば良い。
走査ミラー16のレーザ光線の入射位置と、反射ミラー21のレーザ光線の入射位置とが共役であるためには、伝達光学系17は、例えば、以下のように構成すればよい。なお、以下では、凹面ミラー19の焦点距離をf0とし、凹面ミラー20の焦点距離をf1とする。
先ず、走査ミラー16および凹面ミラー19間の光路長は、凹面ミラー19の焦点距離f0に等しく、凹面ミラー19および20間の光路長は、凹面ミラー19の焦点距離f0と凹面ミラー20の焦点距離f1の和(f0+f1)に等しく、凹面ミラー20および反射ミラー21の間の光路長は、凹面ミラー20の焦点距離f1に等しくする。
また、走査ミラー16上の入射光線D1の入射位置および凹面ミラー19の中心を結ぶ線に沿って、走査ミラー16から凹面ミラー19に入射された光線が、凹面ミラー19の中心で反射すると、その光線は、凹面ミラー20の中心で反射する。その後、その光線は、反射ミラー21で反射し、凹面ミラー20の中心で反射し、凹面ミラー19の中心で反射し、走査ミラー16上の入射位置に帰ってくるように構成する。
これにより、走査ミラー16のレーザ光線の入射位置と、反射ミラー21のレーザ光線の入射位置とが共役となる。
具体的には、伝達光学系17は、図4および図5で示した構成を有すればよい。ここで、図4は、伝達光学系17のX方向から見た構成図である。また、図5は、伝達光学系17のZ方向から見た構成図である。
先ず、図4を用いて、X方向から見たときの伝達光学系17の構成を説明する。なお、走査ミラー16の法線E1と、走査ミラー16に入射する入射光線D1とのなす角をθiとする。さらに、走査ミラー16の法線E1と、走査ミラー16が走査ミラー18に出射する出射光線D8とのなす角をθoとする。
走査ミラー16の法線E1と、走査ミラー16の中心および凹面ミラー19の中心とを結ぶ線E2とのなす角は、(θo−θi)/2である。また、走査ミラー16の中心と、凹面ミラー19の中心との距離は、f0である。さらに、走査ミラー16の中心および凹面ミラー19の中心を結ぶ線E2と、凹面ミラー19の法線E3と、のなす角は(θo−θi)/2である。
また、凹面ミラー19の法線E3と、凹面ミラー19の中心および凹面ミラー20の中心を結ぶ線E4とのなす角は、(θo−θi)/2である。また、凹面ミラー19の中心と凹面ミラー20の中心との距離は、(f0+f1)である。さらに、凹面ミラー19の中心および凹面ミラー20の中心を結ぶ線E4と、凹面ミラー20の法線E5とのなす角は、(θo−θi)/2である。
また、凹面ミラー20の法線E5と、凹面ミラー20の中心および反射ミラー21の中心を結ぶ線E6とのなす角は(θo−θi)/2である。また、凹面ミラー20の中心と反射ミラー21の中心との距離はf1である。
さらに、凹面ミラー20の中心および反射ミラー21の中心を結ぶ線E6と、反射ミラー21の法線E7とのなす角は0度である。
次に、図5を用いて、Z方向から見たときの伝達光学系17の構成を説明する。
走査ミラー16が入射光線D1を最大走査角±φiで走査したとき、その走査された光線のそれぞれを、光線D2およびD2’とする。
光線D2およびD2’の中心線と、走査ミラー16の中心および凹面ミラー19の中心を結ぶ線E2とのなす角は0度である。また、光線D2およびD2’の中心線と、凹面ミラー19の法線E3とのなす角は0度である。
また、凹面ミラー19の法線E3と、凹面ミラー19の中心および凹面ミラー20の中心を結ぶ線E4とのなす角は0度である。
また、凹面ミラー19の中心および凹面ミラー20の中心を結ぶ線E4と、凹面ミラー20の法線E5とのなす角は0度である。
また、凹面ミラー20の法線E5と、凹面ミラー20の中心および反射ミラー21の中心を結ぶ線E6とのなす角は0度である。
そして、凹面ミラー20の中心および反射ミラー21の中心を結ぶ線E6と、反射ミラー21の法線E7とのなす角は0度である。
(動作の説明)
先ず、図4を用いて、X方向から見た伝達光学系17の動作を説明する。
入射光線D1は、走査ミラー16の法線E1に対して角度θiで走査ミラー16に入射する。
続いて、入射光線D1が走査ミラー16で反射された光線D2は、凹面ミラー19の法線E3に対して角度θiで凹面ミラー19に入射する。
そして、光線D2が凹面ミラー19で反射された光線D3は、焦点面22で最小径に集光し、その後、凹面ミラー20の法線E5に対して角度(θo−θi)/2で、凹面ミラー20に入射する。なお、焦点面22は、凹面ミラー19から、凹面ミラー19および20間の光路に沿って距離f0に位置する。
その後、光線D3が凹面ミラー20で反射された光線D4は、反射ミラー21に入射する。ここで、光線D4は、凹面ミラー20にて平行光にコリメートされる。
また、光線D4が反射ミラー21で反射された光線D5は、凹面ミラー20に入射する。
さらに、光線D5が凹面ミラー20で反射された光線D6は、焦点面22で最小径に集光し、その後、凹面ミラー19の法線E3に対して角度(θo−θi)/2で、凹面ミラー19に入射する。なお、焦点面22は、凹面ミラー20から、凹面ミラー20および19間の光路に沿って、距離f1に位置する。
続いて、光線D6が凹面ミラー19で反射された光線D7は、走査ミラー16の法線E1に対して角度θoで走査ミラー16に入射する。ここで、光線D7は、凹面ミラー19によって、光線D1と同じ径の平行光にコリメートされる。
そして、光線D7が走査ミラー16で反射された光線D8は、走査ミラー16の法線E1に対して角度θoで走査ミラー18に出射する。
次に、図5を用いて、Z方向から見た伝達光学系17の動作を説明する。
以下、走査ミラー16が最大に振れるときの、走査ミラー16の法線のそれぞれを法線E1およびE1’とする。また、入射光線D1と走査ミラー16の法線E1とのなす角をφsとし、入射光線D1と走査ミラー16の法線E1’とのなす角をφs’とする。
先ず、走査ミラー16の法線が法線E1の場合を説明する。
この場合、入射光線D1は、走査ミラー16の法線E1に対して角度φsで走査ミラー16に入射する。
続いて、入射光線D1が走査ミラー16で反射された光線D2は、凹面ミラー19の法線E3に対して角度φiで凹面ミラー19に入射する。
そして、光線D2が凹面ミラー19で反射された光線D3は、焦点面22で最小径に集光し、その後、凹面ミラー20の法線E5に対して角度0度で凹面ミラー20に入射する。
その後、光線D3が凹面ミラー20で反射された光線D4は、反射ミラー21に入射する。ここで、光線D4は、凹面ミラー20にて平行光にコリメートされる。
また、光線D4が反射ミラー21で反射された光線D5は、凹面ミラー20に入射する。
さらに、光線D5が凹面ミラー20で反射された光線D6は、焦点面22で最小径に集光し、その後、凹面ミラー19の法線E3に対して角度0度で凹面ミラー19に入射する。
続いて、光線D6が凹面ミラー19で反射された光線D7は、走査ミラー16の法線E1に対して角度(φs−2φi)で走査ミラー16に入射する。ここで、光線D7は、凹面ミラー19によって、光線D1と同じ径の平行光にコリメートされる。
そして、光線D7が走査ミラー16で反射された光線D8は、走査ミラー16の法線E1に対して角度(φs−2φi)で走査ミラー18に出射する。したがって、光線D8は、入射光線D1に対して角度2φiで出射する。
次に、走査ミラー16の法線が法線E1’の場合を説明する。
この場合、入射光線D1は、走査ミラー16の法線E1’に対して角度φs’で走査ミラー16に入射する。
続いて、入射光線D1が走査ミラー16で反射された光線D2’は、凹面ミラー19の法線E3に対して角度φiで凹面ミラー19に入射する。
そして、光線D2’が凹面ミラー19で反射された光線D3’は、焦点面22で最小径に集光し、その後、凹面ミラー20の法線E5に対して角度0度で凹面ミラー20に入射する。
その後、光線D3’が凹面ミラー20で反射された光線D4’は、反射ミラー21に入射する。ここで、光線D4’は、凹面ミラー20にて平行光にコリメートされる。
また、光線D4’が反射ミラー21で反射された光線D5’は、凹面ミラー20に入射する。
さらに、光線D5’が凹面ミラー20で反射された光線D6’は、焦点面22で最小径に集光し、その後、凹面ミラー19の法線E3に対して角度0度で凹面ミラー19に入射する。
続いて、光線D6’が凹面ミラー19で反射された光線D7’は、走査ミラー16の法線E1に対して角度(φs’+2φi)で走査ミラー16に入射する。ここで、光線D7’は、凹面ミラー19によって、光線D1と同じ径の平行光にコリメートされる。
そして、光線D7’が走査ミラー16で反射された光線D8’は、走査ミラー16の法線E1に対して角度(φs’+2φi)で出射する。
したがって、光線D8’は、入射光線D1に対して角度−2φiで出射する。また、上述のように、光線D8は、入射光線D1に対して角度2φiで出射する。よって、光線D8およびD8’のなす角は、4φiとなる。したがって、走査ミラー16の走査角度は、伝達光学系17によって2倍に拡大することが可能になる。
次に、本実施形態の表示システムの他の構成例を説明する。
凹面ミラー19および20は、X方向およびZ方向にパワーを有していたが、以下では、X方向のみにパワーを有している場合の構成例での形態について述べる。なお、X方向は、走査ミラー16による凹面ミラー19および20上の走査線に沿った方向である。
図6は、X方向のみにパワーを有する凹面ミラーを説明するための説明図である。
ここでは、凹面ミラー19を例に説明する。図6では、走査ミラー16による凹面ミラー19上の走査線501および502が示されている。走査線501は、走査ミラー16から入射されたレーザ光線の走査線であり、走査線502は、凹面ミラー20から入射されたレーザ光線の走査線である。
凹面ミラー19は、X方向およびZ方向にパワーを有する場合、球面ミラーにすることができる。この場合、凹面ミラー19は、Y方向から見ると、図6(a)で示したように、走査ミラー16による凹面ミラー19上の走査線を弦とする円となる。
一方、凹面ミラー19は、X方向のみにパワーを有する場合、円筒ミラーにすることができる。この場合、凹面ミラー19は、Y方向から見ると、図6(b)で示したように、凹面ミラー19上での走査ミラー16の走査線を辺とする長方形となる。
この長方形は、走査線を弦とする円より小さい。このため、X方向のみにパワーを有する凹面ミラー19は、X方向およびZ方向にパワーを有する凹面ミラー19より小型化することが可能になる。
さらに、図6(c)で示したように、走査線501および502間の距離を短縮することで、凹面ミラー19をZ方向に短縮することが可能になる。したがって、凹面をさらに小型化することが可能になる。
図7は、X方向のみにパワーを有する凹面ミラー19および20を含む伝達光学系17の構成を示した構成図である。具体的には、図7は、その伝達光学系17のX方向から見た構成図である。
図7において、凹面ミラー19は、走査ミラー16から入射された光線D2を凹面ミラー20に入射させるため、および、凹面ミラー20から入射された光線D6を走査ミラー16に入射させるために、YZ平面において、仰角を有する。
また、凹面ミラー20は、凹面ミラー19から入射された光線D3を反射ミラー21に入射させるため、および、反射ミラー21から入射された光線D5を凹面ミラー19に入射させるために、YZ平面において、仰角を有する。
また、本実施形態では、画像出力装置として画像投射装置1を例に説明したが、画像出力装置は、画像投射装置に限らず適宜変更可能である。例えば、画像出力装置は、プリンタ、複写機およびファクシミリ装置などの画像形成装置でもよい。
図8は、画像形成装置の構成を示した構成図である。
図8において、画像形成装置102は、画像信号出力装置2Aと、光走査装置3Aと、fθレンズ23と、感光体24とを含む。画像信号出力装置2Aは、レーザ光源4と、コリメータ7と、変調器10と、反射ミラー13とを含む。さらに、光走査装置3Aは、走査ミラー16と、伝達光学系17とを含む。
走査ミラー16は、画像信号出力装置2Aから入射されたレーザ光線を走査して伝達光学系17に出射する。また、走査ミラー16は、伝達光学系17から入射された光線を走査して、fθレンズ23を介して感光体24に出射する。なお、感光体24上の、走査ミラー16から入射されたレーザ光線の入射面は、投射面の一例である。
(効果の説明)
本実施形態によれば、伝達光学系17は、少なくとも凹面ミラー19および20を有する。また、伝達光学系17は、走査ミラー16で走査された光線を、少なくとも凹面ミラー19および20を経由して再び走査ミラーに入射させる。そして、走査ミラー16は、凹面ミラー19および20を経由して入射されたレーザ光線を走査して投射面に出射する。
この場合、走査ミラー16で走査されたレーザ光線が少なくとも凹面ミラー19および20を経由して走査ミラー16に入射される。また、その少なくとも凹面ミラー19および20を経由して走査ミラー16に入射されたレーザ光線は、走査ミラー16で走査されて出射される。
したがって、レンズを用いなくても、走査ミラー16で走査された光線を再び走査ミラー16に入射することが可能になる。したがって、レンズを用いなくても、第一の走査角で走査されたレーザ光線を第一の走査角より大きい第二の走査角で出射することが可能になる。よって、装置を小型化することが可能になる。
また、レンズを用いる必要がないため、例えば、MEMS(メムス:Micro Electro Mechanical SYstems)で、光走査装置3を容易に作製することが可能になる。
さらに、レンズを用いる必要がないため、色収差を抑制することが可能になる。したがって、例えば、光走査装置3が画像出力装置に用いられれば、画像の色ずれを抑制することが可能になる。
また、本実施形態では、凹面ミラー19は、走査ミラー16で走査されたレーザ光線を反射して凹面ミラー20に入射させる。また、凹面ミラー19は、凹面ミラー20から入射されたレーザ光線を反射して走査ミラー16に入射させる。さらに、凹面ミラー20は、凹面ミラー19から入射されたレーザ光線を反射して反射ミラー21に入射させる。また、凹面ミラー20は、反射ミラー21から入射されたレーザ光線を凹面ミラー19に入射させる。そして、反射ミラー21は、凹面ミラー20から入射されたレーザ光線を反射して凹面ミラー20に入射させる。
この場合、走査ミラー16で走査されたレーザ光線は、凹面ミラー19で反射され、その後、凹面ミラー20で反射され、さらに、反射ミラー21で反射される。そして、その反射ミラー21で反射されたレーザ光線は、凹面ミラー20で反射され、その後、凹面ミラー19で反射されて走査ミラー16に入射する。
したがって、光走査装置の大きさ(Y方向の長さ)を、凹面ミラー19および凹面ミラー20間の光路長より小型化することが可能になる。
例えば、先行技術では、光走査装置の大きさ(走査ミラー651から折返し面までの距離)は、レンズ672の焦点距離の4倍程度であった。本実施形態では、光走査装置の大きさは、凹面ミラー19および20のそれぞれの焦点距離の和(f0+f1)以内にすることが可能になる。
また、本実施形態では、凹面ミラー19および20は、走査ミラー16による自ミラー上の走査線に沿った方向(X方向)のみパワーを有する。
この場合、凹面ミラー19および20を円筒ミラーにすることが可能になり、凹面ミラー19および20を小型化することが可能になる。
また、本実施形態では、走査ミラー16のレーザ光線の入射位置と、反射ミラー21のレーザ光線の入射位置とは、共役である。
この場合、走査ミラー16の特定の位置で走査されたレーザ光線は、反射ミラー21の特定の位置に入射する。また、反射ミラー21の特定の位置で反射されたレーザ光線は、走査ミラー16の特定の位置に入射する。
したがって、走査ミラー16および反射ミラー21の反射領域を小さくすることが可能になり、装置をさらに小型化することが可能になる。
(第二の実施形態)
図9は、本発明の第二の実施形態の表示システムの構成を示した構成図である。
図9において、光走査装置3は、走査ミラー16と、伝達光学系17とを含む。
図10は、本実施形態の伝達光学系17の構成を示した模式図である。図10において、伝達光学系17の複数のミラーは、凹面ミラー19および20と、走査ミラー31とを含む。
凹面ミラー19および20は、X方向およびZ方向にパワーを有する。
走査ミラー31は、凹面ミラー20から入射されたレーザ光線を反射して第二の走査方向に走査し、凹面ミラー20に入射させる。なお、走査ミラー31は、第一反射ミラーの一例である。
また、走査ミラー16のレーザ光線の入射位置と、走査ミラー31のレーザ光線の入射位置とは、共役である。
次に伝達光学系17の構成をより詳細に説明する。
図11は、伝達光学系17のX方向から見た構成図である。また、図12は、伝達光学系17のZ方向から見た構成図である。
走査ミラー31は、図4および図5で示した反射ミラー21の位置に備えられる。このため、走査ミラー16のレーザ光線の入射位置と、走査ミラー31のレーザ光線の入射位置とは、凹面ミラー19および20を有する光学系について、共役である。
また、走査ミラー31は、第二の回転軸を中心に往復回転動作することで、凹面ミラー20から入射したレーザ光線を、第二の走査方向(Z方向)に走査して凹面ミラー20に入射させる。
(動作の説明)
次に、伝達光学系の動作を説明する。
光線D3が凹面ミラー20で反射された光線D4は、走査ミラー31に入射する。光線D4は、走査ミラー31によって走査されて凹面ミラー20に入射する。
以下、走査ミラー31が光線D4の反射光線を最大走査角±φvで走査したとき、その走査されたレーザ光線のそれぞれを、光線D5およびD5”とする。
光線D5およびD5”のそれぞれが凹面ミラー20で反射された光線D6およびD6”は、焦点面22で最小径に集光し、その後、凹面ミラー19に入射する。
光線D6およびD6”のそれぞれが凹面ミラー19で反射された光線D7およびD7”は、走査ミラー16に入射する。ここで、光線D7およびD7”は、凹面ミラー19によって、光線D1と同じ径の平行光にコリメートされる。
そして、光線D7およびD7”のそれぞれが走査ミラー16で反射された光線D8およびD8”がスクリーン101に出射される。
このとき、光線D8およびD8”間の角度2φvが、第二走査方向の走査角になる。
(効果の説明)
互いに異なる2方向に走査する場合、先行技術では、走査ミラー16で走査されたレーザ光線を第二の走査方向に走査する第二の走査ミラーのY方向の長さは、少なくとも走査ミラー16による走査線の長さより長い必要があった。このため、通常、第二の走査ミラーは、走査ミラー16より大型化していた。
本実施形態では、走査ミラー31は、凹面ミラー20から入射されたレーザ光線を反射して第二の走査方向に走査し、凹面ミラー19に入射させる。また、走査ミラー16のレーザ光線の入射位置と、走査ミラー31のレーザ光線の入射位置とは、共役である。
この場合、走査ミラー31は、入射されたレーザ光線を特定の位置で反射して第二走査方向に走査することが可能になる。したがって、走査ミラー31を小型化することが可能になる。例えば、走査ミラー31は、走査ミラー16と同程度の大きさにすることが可能になる。
(第三の実施形態)
図13は、本発明の第三の実施形態の表示システムの構成を示した構成図である。
図13において、光走査装置3は、走査ミラー16と、伝達光学系17と、走査ミラー18とを含む。
図14は、本実施形態の伝達光学系17の構成を示した模式図である。図14において、伝達光学系17の複数のミラーは、凹面ミラー19および20と、反射ミラー21および41とを含む。
反射ミラー41は、凹面ミラー19および20の光路上に配置される。なお、反射ミラー41は、第二反射ミラーの一例である。
ここで、凹面ミラー19および20の焦点距離は、互いに等しい。このとき、反射ミラー41は、凹面ミラー19から、凹面ミラー19および20間の光路に沿って、凹面ミラー19の焦点距離に配置される。
凹面ミラー19は、走査ミラー16で走査されたレーザ光線を、反射ミラー41を経由して凹面ミラー20に入射させる。また、凹面ミラー20は、反射ミラー21から入射されたレーザ光線を、反射ミラー41を経由して凹面ミラー19に入射させる。
次に伝達光学系17の構成を詳細に説明する。
図15は、伝達光学系17のX方向から見た構成図である。また、図16は、伝達光学系17のZ方向から見た構成図である。
先ず、図15を用いて、X方向から見たときの伝達光学系17の構成を説明する。
凹面ミラー19の法線E3と、凹面ミラー19の中心および反射ミラー41の中心を結ぶ線E4aとのなす角は、(θo−θi)/2である。また、凹面ミラー19の中心および反射ミラー41の中心との距離は、f0である。さらに、凹面ミラー19の中心および反射ミラー41の中心を結ぶ線E4aと、反射ミラー41の法線E8とのなす角は、(θo−θi)/2である。
また、凹面ミラー20の法線E5と、凹面ミラー20の中心および反射ミラー41の中心を結ぶ線E4bとのなす角は(θo−θi)/2である。また、凹面ミラー20の中心と反射ミラー41の中心との距離はf0である。
次に、図16を用いて、Z方向から見たときの伝達光学系17の構成を説明する。なお、図16では、凹面ミラー20、反射ミラー21および41を便宜上記載しているが、実際には、反射ミラー21および41は、走査ミラー16と重なり、凹面ミラー20は、凹面ミラー19と重なっている。
凹面ミラー19の法線E3と、凹面ミラー19の中心および反射ミラー41の中心を結ぶ線E4aとのなす角は、0度である。また、凹面ミラー19の中心および反射ミラー41の中心を結ぶ線E4aと、反射ミラー41の法線E8とのなす角は、0度である。さらに、凹面ミラー20の法線E5と、凹面ミラー20の中心および反射ミラー41の中心を結ぶ線E4bとのなす角は、0度である。
本実施形態では、凹面ミラー19および20は、互いの焦点距離が等しいために、Z方向に並ぶ。このため、凹面ミラー19および20を一体化することが可能になる。
また、反射ミラー21および41は、図16では、分離しているが、実際には、一体化することが可能である。図17は、反射ミラー21および41が一体化した伝達光学系17を示した構成図である。
図17において、反射ミラー21は、反射ミラー41と一体化している。また、反射ミラー21は、凹面ミラー20から入射されたレーザ光線を反射して凹面ミラー20に入射させるために、YZ平面において、仰角を有する。
(動作の説明)
次に伝達光学系17の動作を説明する。
先ず、図15を用いて、X方向から見た伝達光学系17の動作を説明する。
光線D2が凹面ミラー19で反射された光線D3は、反射ミラー41の法線E8に対して角度(θo−θi)/2で、反射ミラー41に入射する。なお、光線D3は、反射ミラー41の入射位置で最小径に集光する。
光線D3が反射ミラー41で反射された光線D3aは、凹面ミラー20の法線E5に対して角度(θo−θi)/2で、凹面ミラー20に入射する。
また、光線D5が凹面ミラー20で反射された光線D6は、反射ミラー41の法線E8に対して角度(θo−θi)/2で、反射ミラー41に入射する。なお、光線D5は、反射ミラー41の入射位置で最小径に集光する。
光線D6が反射ミラー41で反射された光線D6aは、凹面ミラー19の法線E3に対して角度(θo−θi)/2で凹面ミラー19に入射する。
次に、図16を用いて、Z方向から見た伝達光学系17の動作を説明する。
光線D2が凹面ミラー19で反射された光線D3は、反射ミラー41の法線E8に対して角度0度で凹面ミラー20に入射する。なお、光線D3は、反射ミラーの入射位置で最小径に集光する。
光線D3が反射ミラー41で反射された光線D3aは、凹面ミラー20の法線E5に対して角度0度で凹面ミラー20に入射する。
また、光線D5が凹面ミラー20で反射された光線D6は、反射ミラー41の法線に対して角度0度で反射ミラー41に入射する。なお、光線D6は、反射ミラーの入射位置で最小径に集光する。
光線D6が反射ミラー41で反射された光線D6aは、凹面ミラー19の法線E3に対して角度0度で凹面ミラー19に入射する。
(効果の説明)
本実施形態では、反射ミラー41は、凹面ミラー19および20間の光路上に配置される。
この場合、凹面ミラー19および20間のレーザ光線を反射ミラー41で折り返すことが可能になるので、光走査装置3の大きさをさらに小型化することが可能になる。
例えば、反射ミラー41が凹面ミラー19から光路に沿って焦点距離f0に位置に備えられれば、Y方向の光走査装置の長さを、凹面ミラー19の焦点距離f0と、凹面ミラー20の焦点距離f1の長いほうの距離以内にすることが可能になる。
また、本実施形態では、凹面ミラー19および20は、互いの焦点距離が等しい。
この場合、凹面ミラー19および20は、Z方向に並ぶ。また、反射ミラー21および41は、Z方向に並ぶ。よって、凹面ミラー19および20を一体化することが可能になる。また、反射ミラー21および41を一体化することが可能になる。
したがって、装置構成を簡単にすることが可能になり、光走査装置3の調整などを簡潔に行うことが可能になる。
(第四の実施形態)
図18は、本発明の第四の実施形態の表示システムの構成を示した構成図である。
図18において、光走査装置3は、走査ミラー16と、伝達光学系17と、走査ミラー18とを含む。
図19は、本実施形態の伝達光学系17の構成を示した模式図である。
図19において、伝達光学系17の複数のミラーは、凹面ミラー19および20と、反射ミラー21とを含む。また、凹面ミラー19は、凹面ミラー51および52を含み、凹面ミラー20は、凹面ミラー53および54を含む。
なお、凹面ミラー51は、第三凹面ミラーの一例であり、凹面ミラー52は、第四凹面ミラーの一例である。また、凹面ミラー53は、第五凹面ミラーの一例であり、凹面ミラー54は、第六凹面ミラーの一例である。
凹面ミラー51は、走査ミラー16で走査されたレーザ光線を反射して凹面ミラー53に入射させる。凹面ミラー52は、凹面ミラー54から入射されたレーザ光線を反射して走査ミラー16に入射させる。
凹面ミラー53は、凹面ミラー51から入射されたレーザ光線を反射して反射ミラー21に入射させる。凹面ミラー54は、反射ミラー21から入射されたレーザ光線を反射して凹面ミラー52に入射させる。
反射ミラー21は、凹面ミラー53から入射されたレーザ光線を凹面ミラー54に入射させる。
次に伝達光学系17の構成を詳細に説明する。
図20は、伝達光学系17のX方向から見た構成図である。また、図21は、伝達光学系17のZ方向から見た構成図である。
先ず、図20を用いて、X方向から見たときの伝達光学系17の構成を説明する。
ここで、凹面ミラー51の焦点距離をf0とし、凹面ミラー52の焦点距離をf3とし、凹面ミラー53の焦点距離をf1とし、凹面ミラー54の焦点距離をf2とする。
第一の実施形態と同様に、走査ミラー16の法線E1と、走査ミラー16の入射光線D1とのなす角をθiとする。また、走査ミラー16の法線E1と、走査ミラー16の出射光線D8とのなす角をθoとする。
また、走査ミラー16の法線E1と、走査ミラー16の中心と凹面ミラー51の中心を結ぶ線E2とのなす角をθ2とする。さらに、走査ミラー16の法線E1と、走査ミラー16の中心および凹面ミラー52の中心を結ぶ線E12とのなす角をθ12とする。
走査ミラー16の中心および凹面ミラー51の中心を結ぶ線E2と、凹面ミラー51の法線E3とのなす角はθ2である。凹面ミラー54の法線E9と、凹面ミラー54の中心および凹面ミラー52の中心を結ぶ線E10とのなす角は、θ12である。
走査ミラー16の中心と、凹面ミラー51の中心との距離は、f0である。
また、凹面ミラー51の法線E3と、凹面ミラー51の中心および凹面ミラー53の中心を結ぶ線E4とのなす角は、θ2である。また、凹面ミラー51の中心および凹面ミラー53の中心との距離は、(f0+f1)である。また、凹面ミラー51の中心および凹面ミラー53の中心を結ぶ線E4と、凹面ミラー53の法線E5とのなす角は、θ2である。
凹面ミラー53の法線E5と、凹面ミラー53の中心および反射ミラー21の中心を結ぶ線E6とのなす角は、θ2である。また、凹面ミラー53の中心と、反射ミラー21の中心との距離は、f1である。
反射ミラー21の法線E7は、凹面ミラー53の中心と反射ミラー21の中心を結ぶ線E6と、反射ミラー21の中心と凹面ミラー54の中心を結ぶ線E8とのなす角の2等分線である。また、反射ミラー21の中心と凹面ミラー54の中心との距離は、f2である。
凹面ミラー52の中心と、凹面ミラー54の中心との距離は、(f2+f3)である。
凹面ミラー52の法線E11と、凹面ミラー52の中心および走査ミラー16の中心を結ぶ線E12とのなす角は、θ12である。また、凹面ミラー52の中心および走査ミラー16の中心との距離は、f3である。
次に、図21を用いて、Z方向から見たときの伝達光学系17の構成を説明する。
光線D2およびD2’の中心線と、走査ミラー16の中心および凹面ミラー51の中心を結ぶ線E2とのなす角は、0度である。
凹面ミラー51の法線E3は、走査ミラー16の中心および凹面ミラー51の中心を結ぶ線E2と、凹面ミラー51の中心および凹面ミラー53の中心を結ぶ線E4とのなす角の2等分線である。
凹面ミラー53の法線E5は、凹面ミラー51の中心および凹面ミラー53の中心を結ぶ線E4と、凹面ミラー53の中心および反射ミラー21の中心を結ぶ線E6とのなす角の2等分線である。
反射ミラー21の法線E7は、凹面ミラー53の中心および反射ミラー21の中心を結ぶ線E6と、反射ミラー21の中心および凹面ミラー54の中心を結ぶ線E8とのなす角の2等分線である。
凹面ミラー54の法線E9は、反射ミラー21の中心および凹面ミラー54の中心を結ぶ線E8と、凹面ミラー54の中心および凹面ミラー52の中心を結ぶ線E10とのなす角の2等分線である。
凹面ミラー52の法線E11は、凹面ミラー54の中心および凹面ミラー52の中心を結ぶ線E10と、凹面ミラー52の中心および走査ミラー16の中心を結ぶ線E12とのなす角の2等分線である。
(動作の説明)
次に伝達光学系17の動作を説明する。
始めに、X方向から見た伝達光学系17の動作を説明する。
入射光線D1は、走査ミラー16の法線E1に対して角度θiで走査ミラー16に入射する。
続いて、入射光線D1が走査ミラー16で反射された光線D2は、凹面ミラー51の法線E3に対して角度θiで凹面ミラー51に入射する。
そして、光線D2が凹面ミラー51で反射された光線D3は、焦点面55で最小径に集光し、その後、凹面ミラー53の法線E5に対して角度θ2で凹面ミラー53に入射する。なお、焦点面55は、凹面ミラー51から、凹面ミラー51および53間の光路に沿って距離f0に位置する。
その後、光線D3が凹面ミラー20で反射された光線D4は、反射ミラー21に入射する。ここで、光線D4は、凹面ミラー53にて平行光にコリメートされる。
また、光線D4が反射ミラー21で反射された光線D5は、凹面ミラー54に入射する。
さらに、光線D5が凹面ミラー54で反射された光線D6は、焦点面55で最小径に集光し、その後、凹面ミラー52の法線E3に対して角度θ12で凹面ミラー52に入射する。なお、焦点面55は、凹面ミラー54から、凹面ミラー54および52間の光路に沿って距離f2に位置する。
続いて、光線D6が凹面ミラー52で反射された光線D7は、走査ミラー16の法線E1に対して角度θoで走査ミラー16に入射する。ここで、光線D7は、凹面ミラー52によって、光線D1のf3/f0の径の平行光にコリメートされる。
そして、光線D7が走査ミラー16で反射された光線D8は、走査ミラー16の法線E1に対して角度θoで走査ミラー18に出射する。
次に、Z方向から見たときの動作について説明する。
ここで、第一の実施形態と同様に、走査ミラー16が最大に振れるときの、走査ミラー16の法線のそれぞれを法線E1およびE1’とする。また、入射光線D1と走査ミラー16の法線E1とのなす角をφsとし、入射光線D1と走査ミラー16の法線E1’とのなす角をφs’とする。
また、走査ミラー16の中心と凹面ミラー51の中心を結ぶ線E2と、凹面ミラー52の中心および走査ミラー16の中心を結ぶ線E12とのなす角をφ12とする。また、凹面ミラー52の中心および走査ミラー16の中心を結ぶ線E12と、凹面ミラー52で反射された光線D7とのなす角をφi’とする。さらに凹面ミラー52の中心および走査ミラー16の中心を結ぶ線E12と、凹面ミラー52で反射された光線D7’とのなす角をφi’とする。
先ず、走査ミラー16の法線が法線E1の場合を説明する。
この場合、入射光線D1は、走査ミラー16の法線E1に対して角度φsで走査ミラー16に入射する。
続いて、入射光線D1が走査ミラー16で反射された光線D2は、走査ミラー16の中心と凹面ミラー51の中心を結ぶ線E2に対して角度φiで凹面ミラー51に入射する。
そして、光線D2が凹面ミラー51で反射された光線D3は、焦点面55で最小径に集光し、その後、凹面ミラー53に入射する。なお、焦点面55は、凹面ミラー51から光路に沿って距離f0に位置する。
その後、光線D3が凹面ミラー53で反射された光線D4は、反射ミラー21に入射する。ここで、光線D4は、凹面ミラー53にて平行光にコリメートされる。
また、光線D4が反射ミラー21で反射された光線D5は、凹面ミラー54に入射する。
さらに、光線D5が凹面ミラー54で反射された光線D6は、焦点面55で最小径に集光し、その後、凹面ミラー52に入射する。なお、焦点面55は、凹面ミラー52から光路に沿って距離f3に位置する。
続いて、光線D6が凹面ミラー52で反射された光線D7は、走査ミラー16の法線E1に対して角度(φs−φi-φ12−φi’)で走査ミラー16に入射する。ここで、光線D7は、凹面ミラー52によって、光線D1のf3/f0の径の平行光にコリメートされる。
そして、光線D7が走査ミラー16で反射された光線D8は、走査ミラー16の法線E1に対して角度(φs−φi-φ12−φi’)で走査ミラー18に出射する。したがって、光線D8は、入射光線D1に対して、角度(φi+φ12+φi’)で出射する。
次に、走査ミラー16の法線が法線E1’の場合を説明する。
この場合、入射光線D1は、走査ミラー16の法線E1’に対して角度φs’で入射する。
続いて、入射光線D1が走査ミラー16で反射された光線D2’は、走査ミラー16の中心と凹面ミラー51の中心を結ぶ線E2に対して角度φiで凹面ミラー51に入射する。
そして、光線D2’が凹面ミラー51で反射された光線D3’は、焦点面55で最小径に集光し、その後、凹面ミラー53に入射する。
その後、光線D3’が凹面ミラー53で反射された光線D4’は、反射ミラー21に入射する。ここで、光線D4’は、凹面ミラー53にて平行光にコリメートされる。
また、光線D4’が反射ミラー21で反射された光線D5’は、凹面ミラー54に入射する。
さらに、光線D5’が凹面ミラー53で反射された光線D6’は、焦点面55で最小径に集光し、その後、凹面ミラー52の法線E3に対して角度0度で凹面ミラー52に入射する。
続いて、光線D6’が凹面ミラー52で反射された光線D7’は、走査ミラー16の法線E1’に対して角度(φs’+φi-φ12+φi’)で走査ミラー16に入射する。ここで、光線D7’は、凹面ミラー52にて光線D1のf3/f0の径の平行光にコリメートされる。
そして、光線D7’が走査ミラー16で反射された光線D8は、走査ミラー16の法線E1に対して角度(φs’+φi-φ12+φi’)で走査ミラー18に出射する。
したがって、光線D8’は、入射光線D1に対して、角度(−φi+φ12−φi’)で出射する。また、上述のように、光線D8は、入射光線D1に対して角度(φi+φ12+φi’)で出射する。よって、光線D8およびD8’のなす角は、2(φi+φi’)となる。
この場合、φi’がφiより大きければ、走査ミラー16の走査角度は、伝達光学系17により2倍以上に拡大できる。したがって、さらに走査ミラー16の走査角度を拡大させることが可能になる。
例えば、角度φiおよびφi’が小さいとき、φi’は、ほぼ、φi×f0/f3と等しくなる。したがって、f0>f3であれば、走査ミラー16の走査角度を拡大させることが可能になる。
なお、本実施形態において、凹面ミラー19および20間の光路上に反射ミラー41を備えてもよい。この場合、反射ミラー41は、凹面ミラー51および53間の光路上と、凹面ミラー54および52間の光路上と、の少なくともどちらか一方に配置されればよい。
また、反射ミラー21を走査ミラー31に代えてもよい。この場合、レーザ光線を走査ミラー31によって第二の走査方向に走査することが可能になる。また、走査ミラー16のレーザ光線の入射位置と走査ミラー31のレーザ光線の入射位置とが共役であれば、走査ミラー31は、入射されたレーザ光線を特定の位置で反射して走査することが可能になる。したがって、走査ミラー31を小型化することが可能になる。
(効果の説明)
本実施形態によれば、凹面ミラー51は、走査ミラー16で走査されたレーザ光線を反射して凹面ミラー53に入射させる。凹面ミラー52は、凹面ミラー54から入射されたレーザ光線を反射して走査ミラー16に入射させる。凹面ミラー53は、凹面ミラー51から入射されたレーザ光線を反射して反射ミラー21に入射させる。凹面ミラー54は、反射ミラー21から入射されたレーザ光線を反射して凹面ミラー52に入射させる。反射ミラー21は、凹面ミラー53から入射されたレーザ光線を凹面ミラー54に入射させる。
この場合、凹面ミラー52から走査ミラーに入射される光線D7’の、凹面ミラー52の中心および走査ミラー16の中心を結ぶ線E12に対する角度φi’が、走査ミラー16から凹面ミラー51に入射される光線D2の、凹面ミラー51の法線に対する角度φiより大きくなるように、凹面ミラー51ないし54と、反射ミラー21とを構成すれば、さらに走査ミラー16の走査角度を拡大させることが可能になる。
(第五の実施形態)
図22は、本発明の第五の実施形態の表示システムの構成を示した構成図である。
図22において、光走査装置3は、走査ミラー16と、伝達光学系17とを含む。
図23は、本実施形態の伝達光学系17の構成を示した模式図である。
図23において、伝達光学系17の複数のミラーは、凹面ミラー19および20を含む。
凹面ミラー19および20は、走査ミラー16で走査されたレーザ光線を経由して走査ミラー16に入射させる。また、走査ミラー16は、凹面ミラー19および20を経由して入射されたレーザ光線を走査して走査ミラー18に出射する。
具体的には、凹面ミラー19は、走査ミラー16で走査されたレーザ光線を反射して凹面ミラー20に入射させる。また、凹面ミラー19は、凹面ミラー20から入射されたレーザ光線を反射して走査ミラー16に入射させる。
凹面ミラー20は、凹面ミラー19から入射されたレーザ光線を反射して凹面ミラー19に入射させる。
また、走査ミラー16のレーザ光線の入射位置と、凹面ミラー20のレーザ光線の入射位置とが、凹面ミラー19において、共役である。
次に伝達光学系17の構成を詳細に説明する。
図24は、伝達光学系17のX方向から見た構成図である。また、図25は、伝達光学系17のZ方向から見た構成図である。
先ず、図24を用いて、X方向から見たときの伝達光学系17の構成を説明する。
第一の実施形態と同様に、走査ミラー16の法線E1と、走査ミラー16の入射光線D1とのなす角をθiとする。また、走査ミラー16の法線E1と、走査ミラー16の出射光線D8とのなす角をθoとする。
また、走査ミラー16の中心と、凹面ミラー19の中心との距離をs0とする。なお、s0は、凹面ミラー19の焦点距離f0の2倍である。
走査ミラー16の法線E1と、走査ミラー16の中心および凹面ミラー19の中心を結ぶ線E2とのなす角は(θo−θi)/2である。さらに、走査ミラー16の中心および凹面ミラー19の中心を結ぶ線E2と、凹面ミラー19の法線E3とのなす角は(θo−θi)/2である。
凹面ミラー19の中心および凹面ミラー20の中心を結ぶ線E4と、凹面ミラー20の法線E5のなす角は0度である。また、凹面ミラー19の中心と、凹面ミラー20の中心との距離は(f0+s1)である。なお、距離s1は、凹面ミラー20と焦点面61との間の距離であり、凹面ミラー20の焦点距離f1の2倍である。
次に、図25を用いて、Z方向から見たときの伝達光学系17の構成を説明する。
第一の実施形態と同様に、走査ミラー16が入射光線D1の反射光線を最大走査角±φiで走査したときの、その反射光線のそれぞれを、光線D2およびD2’とする。
光線D2およびD2’の中心線と、走査ミラー16の中心および凹面ミラー19の中心を結ぶ線E2とのなす角は0度である。また、光線D2およびD2’の中心線と、凹面ミラー19および法線E3とのなす角は0度である。
また、凹面ミラー19の法線E3と、凹面ミラー19の中心および凹面ミラー20の中心を結ぶ線E4とのなす角は0度である。
さらに、凹面ミラー19の中心および凹面ミラー20の中心を結ぶ線E4と、凹面ミラー20の法線E5とのなす角は0度である。
(動作の説明)
次に、伝達光学系17の動作を説明する。
始めに、図24を用いて、X方向から見た伝達光学系17の動作を説明する。
先ず、入射光線D1は、走査ミラー16の法線E1に対して角度θiで走査ミラー16に入射する。
続いて、入射光線D1が走査ミラー16で反射された光線D2は、凹面ミラー19の法線E3に対して角度θiで凹面ミラー19に入射する。
さらに、光線D2が凹面ミラー19で反射された光線D3は、焦点面61で最小径に集光し、その後、凹面ミラー20の中心に入射する。なお、焦点面61は、凹面ミラー19から、凹面ミラー19および20間の光路に沿って距離f0に位置する。
距離f0に位置する。
続いて、光線D3が凹面ミラー20で反射された光線D6は、焦点面61で最小径に集光し、その後、凹面ミラー19に入射する。なお、焦点面61は、凹面ミラー20から光路に沿って距離s1に位置する。
その後、光線D6が凹面ミラー19で反射された光線D7は、走査ミラー16の法線E1に対して角度θoで走査ミラー16に入射する。ここで、光線D7は、凹面ミラー19にて、光線D1と同じ径の平行光にコリメートされる。
そして、光線D7が走査ミラー16で反射された光線D8は、走査ミラー16の法線E1に対して角度θoで出射する。
次に、図25を用いて、Z方向から見た伝達光学系17の動作を説明する。
なお、第一の実施形態と同様に、走査ミラー16が最大に振れるときの走査ミラー16の法線をE1、E1’とする。走査ミラー16が最大に振れるときの、走査ミラー16の法線のそれぞれを法線E1およびE1’とする。また、入射光線D1と走査ミラー16の法線E1とのなす角をφsとし、入射光線D1と走査ミラー16の法線E1’とのなす角をφs’とする。
先ず、走査ミラー16の法線が法線E1の場合を説明する。
先ず、入射光線D1は走査ミラー16の法線E1に対して角度φsで走査ミラー16に入射する。
続いて、入射光線D1が走査ミラー16で反射された光線D2は、凹面ミラー19の法線E3に対して角度φiで凹面ミラー19に入射する。
さらに、光線D2が凹面ミラー19で反射された光線D3は、焦点面61で最小径に集光し、その後、凹面ミラー20の中心に入射する。
その後、光線D3が凹面ミラー20で反射された光線D6は、焦点面61で最小径に集光したのち、凹面ミラー19に入射する。
続いて、光線D6が凹面ミラー19で反射された光線D7は、走査ミラー16の法線E1に対して角度(φs−2φi)で走査ミラー16に入射する。ここで、光線D7は、凹面ミラー19にて光線D1と同じ径の平行光にコリメートされる。
さらに、光線D7が走査ミラー16で反射された光線D8は、走査ミラー16の法線E1に対して角度(φs−2φi)で出射する。したがって、光線D8は、入射光線D1に対して角度2φiで出射する。
次に、走査ミラー16の法線が法線E1’の場合を説明する。
先ず、入射光線D1’は、走査ミラー16の法線E1’に対して角度φs’で走査ミラー16に入射する。
続いて、入射光線D1が走査ミラー16で反射された光線D2’は、凹面ミラー19の法線E3に対して角度φiで凹面ミラー19に入射する。
さらに、光線D2’が凹面ミラー19で反射された光線D3’は、焦点面61で最小径に集光し、その後、凹面ミラー20の中心に入射する。
その後、光線D3’が凹面ミラー20で反射された光線D6’は、焦点面61で最小径に集光したのち、凹面ミラー19に入射する。
続いて、光線D6’が凹面ミラー19で反射された光線D7’は、走査ミラー16の法線E1に対して角度(φs’+2φi)で走査ミラー16に入射する。ここで、光線D7は、凹面ミラー19にて光線D1と同じ径の平行光にコリメートされる。
そして、光線D7’が走査ミラー16で反射された光線D8’は、走査ミラー16の法線E1に対して角度(φs’+2φi)で出射する。したがって、光線D8’は、入射光線D1に対して角度2φiで出射する。また、上述のように、入射光線D1に対して角度2φiで出射する。よって、光線D8およびD8’のなす角は、4φiとなる。したがって、走査ミラー16の走査角度は、伝達光学系17によって2倍に拡大することが可能になる。
(効果の説明)
本実施形態によれば、凹面ミラー19は、走査ミラー16で走査されたレーザ光線を反射して凹面ミラー20に入射させる。また、凹面ミラー19は、凹面ミラー20から入射されたレーザ光線を反射して走査ミラー16に入射させる。凹面ミラー20は、凹面ミラー19から入射されたレーザ光線を反射して凹面ミラー19に入射させる。
この場合、走査ミラー16で走査されたレーザ光線は、凹面ミラー19で反射され、さらに、凹面ミラー20で反射される。そして、その凹面ミラー20で反射されたレーザ光線は、凹面ミラー19で反射された走査ミラー16に入射する。
したがって、光走査装置の大きさ(Y方向の長さ)を、凹面ミラー19および凹面ミラー20間の光路長より小型化することが可能になる。例えば、本実施形態では、光走査装置の大きさは、(f0+2f1)以内にすることが可能になる。
また、反射ミラー21がなくてもよくなるため、装置構成を簡単にすることが可能になり、光走査装置3の調整などを簡潔に行うことが可能になる。
(第六の実施形態)
図26は、本発明の第六の実施形態の表示システムの構成を示した構成図である。
図26において、光走査装置3は、走査ミラー16と、伝達光学系17と、走査ミラー18とを含む。
図27は、本実施形態の伝達光学系17の構成を示した模式図である。
図27において、伝達光学系17の複数のミラーは、凹面ミラー19および20と、反射ミラー42および43とを含む。
反射ミラー42は、凹面ミラー19および20の光路上に配置される。また、反射ミラー43は、走査ミラー16および凹面ミラー19の光路上に配置される。なお、反射ミラー42は、第三反射ミラーの一例であり、反射ミラー43は、第四反射ミラーの一例である。
具体的には、反射ミラー42は、凹面ミラー19から光路に沿って凹面ミラー19の焦点距離f0に配置される。また、反射ミラー43は、走査ミラー16から光路に沿って凹面ミラー19の焦点距離f0(s0/2)に配置される。
反射ミラー43は、走査ミラー16で走査されたレーザ光線を反射して凹面ミラー19に入射させる。また、凹面ミラー19から入射されたレーザ光線を反射して走査ミラー16に入射させる。
凹面ミラー19は、反射ミラー43から入射されたレーザ光線を、反射ミラー42を経由して凹面ミラー20に入射させる。また、凹面ミラー20は、反射ミラー42から入射されたレーザ光線を、反射ミラー42を経由して凹面ミラー19に入射させる。
なお、走査ミラー16のレーザ光線の入射位置と、凹面ミラー20のレーザ光線の入射位置とが、凹面ミラー19において、共役である。
次に伝達光学系17の構成を詳細に説明する。
図28は、伝達光学系17のX方向から見た構成図である。また、図29は、伝達光学系17のZ方向から見た構成図である。
先ず、図28を用いて、X方向から見たときの伝達光学系17の構成を説明する。
第一の実施形態と同様に、走査ミラー16の法線E1と、走査ミラー16の入射光線D1とのなす角をθiとする。また、走査ミラー16の法線E1と、走査ミラー16の出射光線D8とのなす角をθoとする。
また、走査ミラー16の中心と、反射ミラー43の中心との距離をf0(s0/2)、反射ミラー43の中心と、凹面ミラー19の中心との距離をf0とする。
走査ミラー16の法線E1と、走査ミラー16の中心および反射ミラー43の中心を結ぶ線E2とのなす角は(θo−θi)/2である。さらに、走査ミラー16の中心および反射ミラー43の中心を結ぶ線E2と、反射ミラー43の法線E8とのなす角は(θo−θi)/2である。
反射ミラー43の中心および凹面ミラー19の中心を結ぶ線E4aと、凹面ミラー19の法線E3のなす角は(θo−θi)/2である。
凹面ミラー19の中心および反射ミラー42の中心を結ぶ線E4bと、反射ミラー42の法線E7のなす角は(θo−θi)/2である。また、凹面ミラー19の中心と、反射ミラー42の中心との距離はf0である。
反射ミラー42の中心および凹面ミラー20の中心を結ぶ線E4cと、凹面ミラー20の法線E5のなす角は0度である。また、反射ミラー42の中心と、凹面ミラー20の中心との距離はs1(2f1)である。
次に、図28を用いて、Z方向から見たときの伝達光学系17の構成を説明する。
第一の実施形態と同様に、走査ミラー16が入射光線D1の反射光線を最大走査角±φiで走査したときの、その反射光線のそれぞれを、光線D2およびD2’とする。
光線D2およびD2’の中心線と、走査ミラー16の中心および反射ミラー43の中心を結ぶ線E2とのなす角は0度である。また、光線D2およびD2’の中心線と、反射ミラー43の法線E8とのなす角は0度である。
また、反射ミラー43の法線E8と、反射ミラー43の中心および凹面ミラー19の中心を結ぶ線E4aとのなす角は0度である。
また、凹面ミラー19の法線E3と、凹面ミラー19の中心および反射ミラー42の中心を結ぶ線E4bとのなす角は0度である。
また、反射ミラー42の法線E7と、反射ミラー42の中心および凹面ミラー20の中心を結ぶ線E4cとのなす角は0度である。
さらに、反射ミラー42の中心および凹面ミラー20の中心を結ぶ線E4cと、凹面ミラー20の法線E5とのなす角は0度である。
(動作の説明)
次に、図28を用いて、伝達光学系17の動作を説明する。
始めに、X方向から見た伝達光学系17の動作を説明する。
先ず、入射光線D1は、走査ミラー16の法線E1に対して角度θiで走査ミラー16に入射する。
続いて、入射光線D1が走査ミラー16で反射された光線D2は、反射ミラー43の法線E8に対して角度θiで反射ミラー43に入射する。
さらに、光線D2が反射ミラー43で反射された光線D3は、凹面ミラー19の法線E3に対して角度θiで凹面ミラー19に入射する。
そして、光線D3が凹面ミラー19で反射された光線D4は、反射ミラー42に入射する。なお、光線D4は、反射ミラー42の入射位置で最小径に集光する。
さらに、光線D4が反射ミラー42で反射された光線D5は、凹面ミラー20の中心に入射する。
続いて、光線D5が凹面ミラー20で反射された光線D6は、反射ミラー42に入射する。なお、光線D6は、反射ミラー42の入射位置で最小径に集光する。
さらに、光線D6が反射ミラー42で反射された光線D7は、凹面ミラー19の法線E3に対して角度θoで凹面ミラー19に入射する。
そして、光線D7が凹面ミラー19で反射された光線D8は、反射ミラー43の法線E8に対して角度θoで反射ミラー43に入射する。ここで、光線D8は、凹面ミラー19にて、光線D1と同じ径の平行光にコリメートされる。
その後、光線D8が反射ミラー43で反射された光線D9は、走査ミラー16の法線E1に対して角度θoで走査ミラー16に入射する。
そして、光線D9が走査ミラー16で反射された光線D10は、走査ミラー16の法線E1に対して角度θoで出射する。
次に、図29を用いて、Z方向から見た伝達光学系17の動作を説明する。
なお、第一の実施形態と同様に、走査ミラー16が最大に振れるときの走査ミラー16の法線をE1、E1’とする。走査ミラー16が最大に振れるときの、走査ミラー16の法線のそれぞれを法線E1およびE1’とする。また、入射光線D1と走査ミラー16の法線E1とのなす角をφsとし、入射光線D1と走査ミラー16の法線E1’とのなす角をφs’とする。
先ず、走査ミラー16の法線が法線E1の場合を説明する。
先ず、入射光線D1は走査ミラー16の法線E1に対して角度φsで走査ミラー16に入射する。
続いて、入射光線D1が走査ミラー16で反射された光線D2は、反射ミラー43の法線E8に対して角度φiで反射ミラー43に入射する。
さらに、光線D2が反射ミラー43で反射された光線D3は、凹面ミラー19の法線E3に対して角度φiで凹面ミラー19に入射する。
そして、光線D3が凹面ミラー19で反射された光線D4は、反射ミラー42に入射する。なお、光線D4は、反射ミラー42の入射位置で最小径に集光する。
さらに、光線D4が反射ミラー42で反射された光線D5は、凹面ミラー20の中心に入射する。
その後、光線D5が凹面ミラー20で反射された光線D6は、反射ミラー42に入射する。なお、光線D6は、反射ミラー42の入射位置で最小径に集光する。
続いて、光線D6が反射ミラー42で反射された光線D7は、凹面ミラー19の法線E3に対して角度φiで凹面ミラー19に入射する。
さらに、光線D7が凹面ミラー19で反射された光線D8は、反射ミラー43の法線E8に対して角度φiで反射ミラー43に入射する。ここで、光線D8は、凹面ミラー19にて、光線D1と同じ径の平行光にコリメートされる。
さらに、光線D8が反射ミラー43で反射された光線D9は、走査ミラー16の法線E1に対して角度φiで走査ミラー16に入射する。
その後、光線D9が走査ミラー16で反射された光線D10は、走査ミラー16の法線E1に対して角度(φs−2φi)で出射する。したがって、光線D10は、入射光線D1に対して角度2φiで出射する。
次に、走査ミラー16の法線が法線E1’の場合を説明する。
先ず、入射光線D1’は走査ミラー16の法線E1’に対して角度φs’で走査ミラー16に入射する。
続いて、入射光線D1が走査ミラー16で反射された光線D2’は、反射ミラー43の法線E8に対して角度φiで反射ミラー43に入射する。
さらに、光線D2’が反射ミラー43で反射された光線D3’は、凹面ミラー19の法線E3に対して角度φiで凹面ミラー19に入射する。
さらに、光線D3’が凹面ミラー19で反射された光線D4’は、反射ミラー42に入射する。なお、光線D4は、反射ミラー42の入射位置で最小径に集光する。
さらに、光線D4’が反射ミラー42で反射された光線D5’は、凹面ミラー20の中心に入射する。
その後、光線D5’が凹面ミラー20で反射された光線D6’は、反射ミラー42に入射する。なお、光線D4は、反射ミラー42の入射位置で最小径に集光する。
続いて、光線D6’が反射ミラー42で反射された光線D7’は、凹面ミラー19の法線E3に対して角度φiで凹面ミラー19に入射する。
さらに、光線D7’が凹面ミラー19で反射された光線D8’は、反射ミラー43の法線E8に対して角度φiで反射ミラー43に入射する。ここで、光線D8’は、凹面ミラー19にて、光線D1’と同じ径の平行光にコリメートされる。
さらに、光線D8’が反射ミラー43で反射された光線D9’は、走査ミラー16の法線E1に対して角度φiで走査ミラー16に入射する。
その後、光線D9’が走査ミラー16で反射された光線D10’は、走査ミラー16の法線E1に対して角度(φs’−2φi)で出射する。したがって、光線D10’は、入射光線D1’に対して角度2φiで出射する。
また、上述のように、光線D10は、入射光線D1に対して角度2φiで出射する。よって、光線D10およびD10’のなす角は、4φiとなる。したがって、走査ミラー16の走査角度は、伝達光学系17によって2倍に拡大することが可能になる。
(効果の説明)
本実施形態では、反射ミラー42は、凹面ミラー19および20間の光路上に配置される。また、反射ミラー43は、走査ミラー16および凹面ミラー19間の光路上に配置される。
この場合、凹面ミラー19および20間のレーザ光線を反射ミラー42で折り返すことが可能になる。また、走査ミラー19および凹面ミラー20間のレーザ光線を反射ミラー43で折り返すことが可能になる。よって、光走査装置3の大きさをさらに小型化することが可能になる。
例えば、反射ミラー42が凹面ミラー19から光路に沿って焦点距離f0の位置に備えられ、反射ミラー43が凹面ミラー19から光路に沿って焦点距離f0(S0/2)の位置に備えられるとする。この場合、Y方向の光走査装置の長さを、凹面ミラー19の焦点距離f0と、凹面ミラー20の焦点距離f1の2倍(s1)の長いほうの距離以内にすることが可能になる。
また、本実施形態では、反射ミラー42および43は、共に凹面ミラー19の焦点距離f0の位置にある。この場合、反射ミラー42および43は、Z方向に並ぶ。よって、反射ミラー42および43を一体化することが可能になる。したがって、装置構成を簡単にすることが可能になり、光走査装置3の調整などを簡潔に行うことが可能になる。
また、本実施形態では、凹面ミラー19の焦点距離f0と、凹面ミラー20の焦点距離f1の2倍が等しい場合には、凹面ミラー19および凹面ミラー20は、Z方向に並ぶ。この場合、凹面ミラー19および20を一体化することが可能になる。したがって、装置構成を簡単にすることが可能になり、光走査装置3の調整などを簡潔に行うことが可能になる。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態に限定されたものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更を行うことができる。
この出願は、2007年11月28日に出願された日本出願特願2007−307511号公報を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。