JP2011257696A - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】入射ミラーにおいて光ビームねじれを個別に補正し、感光体上に結像するまでに透過する走査レンズを共通化しつつ、波面収差の少ない安定したビームスポット径を実現し、かつ、品質が高く小型化可能な光走査装置および同装置を用いた画像形成装置を得る。
【解決手段】複数の発光源を備える光源手段、光源手段から射出された光ビームを集光するシリンドリカルレンズ、集光された光ビームを偏向走査する偏向手段、偏向走査された光ビームを被走査面上に結像する走査結像光学系、を備え、偏向手段と上記光源手段の光路中に光ビームに対応する複数の入射ミラーが配置され、各入射ミラーの法線と入射される各光ビームは副走査方向において各々異なる角度を有し、各シリンドリカルレンズは、各光ビームの進行方向を回転軸として異なる角度に母線が傾けられていることを特徴とする光走査装置による。
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタル複写機およびレーザプリンタ等の画像形成装置に用いられる光走査装置および同装置を用いた画像形成装置に関するものである。
従来の光走査装置における光ビームを走査する偏向器は、高速度で回転するポリゴンミラーやガルバノミラーが用いられていた。より高い解像度の画像を高速にプリントするには、偏向器の回転をさらに高速にする必要がある。しかし、軸受の耐久性や、風損による発熱、および高速回転による騒音が課題となり、ポリゴンミラーなどの光偏向器を用いた走査には、速度の限界があった。
このような事情に対処するために、近年研究がすすめられているシリコンマイクロマシニングを利用した偏向装置を用いる例が知られている。具体的には、シリコン(以下「Si」という)基板で振動ミラーとそれを軸支するねじり梁を一体に形成し、この振動ミラーを偏向装置に用いる方式が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
この方式によれば、ミラー面のサイズが小さいため偏向装置を小型化できるという利点があり、また、共振を利用して往復振動させるので高速動作が可能であるにもかかわらず、低騒音で消費電力を低く抑えることができるという利点もある。
さらに、低振動であるから発熱もほとんどなく、光走査装置を収容するハウジングを薄肉化することができる。これによって、ハウジングの素材としてガラス繊維の配合率が少ない低コストの樹脂成形材を用いても画像品質への悪影響が生じにくいといった利点もある。
上記のような光走査装置において、複数の光源から射出された光ビームを主走査方向と副走査方向に対して反射させる反射ミラーを各光源に面して配置し、反射ミラーによって反射した各光ビームを主走査方向において近接させることで、光源や反射ミラーの副走査方向の間隔を狭くするものが知られている(例えば、特許文献5を参照)。
特許文献5の光走査装置は、主走査方向と副走査方向ともに偏向する入射ミラーによって、副走査方向に角度を持つ(斜入射されている)ことにより、各光学素子に入射する光ビームにおいて光束のねじれによる波面収差の劣化を招き、ビームスポット径が増大する。
また、同じシリンドリカルレンズを複数の光線で共通に用いているため、光偏向器に入射する副走査方向の位置と傾き角(斜入射角)に相関が発生し、入射ミラーに姿勢誤差があるときには、この位置と斜入射角を同時に所望する値に調整することが困難である。
また、光源から光偏向器まで3枚の入射ミラーを使用しているため、光源に近い反射ミラーを調整した場合、その後の2枚の反射ミラーへの副走査方向の位置と傾き角(以後斜入射角)が変動してしまうため、調整作業はより困難となる。
また、特許文献5の光走査装置のように、色別の潜像形成ステーションを備える光走査装置は、各ステーションで入射ミラーへの斜入射角(β)が異なる角度となるように、各入射ミラーの反射面が各光ビームに対してそれぞれ異なる角度となるように傾けている。これは「βティルトさせている」という。
特許文献5記載の光走査装置によれば、各光ビームのスキュー(光ビームのねじれ)量が、各ステーションで異なるため、共通の走査レンズで全てのステーションの波面収差を同時にかつ良好に補正することは困難である。
そこで、本発明は、複数の入射ミラーの副走査方向における異なる傾斜角度によって発生する光束のねじれを個別に補正することで、感光体上に結像する各光ビームが透過する走査レンズを共通化しながらも、波面収差の少ない安定したビームスポット径を実現することができ、かつ、画像品質が高く小型化を図ることができる光走査装置および同装置を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、光走査装置に関するものであって、複数の発光源を備える光源手段と、光源手段から射出された光ビームを各々集光するシリンドリカルレンズと、シリンドリカルレンズで集光された光ビームを偏向走査する偏向手段と、偏向手段で偏向走査された光ビームを被走査面上に結像する走査結像光学系と、を有し、偏向手段と光源手段の光路中に光ビームに対応する複数の入射ミラーが配置され、各入射ミラーの法線と入射される各光ビームは副走査方向において各々異なる角度を有しており、各シリンドリカルレンズは、各光ビームの進行方向を回転軸として異なる角度に母線が傾けられていることを主な特徴とする。
また本発明は、上記の光走査装置において、光源手段から射出された複数の光ビームの進行方向がそれぞれ略平行であることを特徴とする。
また本発明は、上記の光走査装置において、各入射ミラーにおいて反射された各光ビームは、主走査断面上でほぼ同じ光路となり偏向手段の偏向面に入射されることを特徴とする。
また本発明は、上記の光走査装置において、各入射ミラーにおいて反射された各光ビームは、偏向手段の偏向面に対して副走査方向において互いに異なる角度で入射されることを特徴とする。
また本発明は、上記の光走査装置において、複数の光源手段の射出軸に垂直な平面が、偏向手段の偏向軸と平行な位置関係となるように、複数の光源手段を同一平面に取り付けることを特徴とする。
また本発明は、上記の光走査装置において、複数の光源手段から射出される光ビームは、各光源手段からシリンドリカルレンズまでの光路長が異なることを特徴とする。
また本発明は、上記の光走査装置において、入射ミラーを固定する入射ミラー取り付けユニットをさらに有し、この入射ミラー取り付けユニットは、入射ミラーを個別に固定する位置決め部を備えており、位置決め部は、入射ミラーの副走査方向における所定の角度と高さを規定するように形成されていることを特徴とする。
また本発明は、上記の光走査装置において、光源手段は、対応する入射ミラーが偏向手段に近いものほど、入射ミラーユニットの副走査方向取り付け面に対して低い位置に配置されていることを特徴とする。
また本発明は、上記の光走査装置において、ハウジングに入射ミラーを副走査方向に反射面を向けてそれぞれ固定する位置決め部が形成されており、位置決め部は、入射ミラーが、複数のシリンドリカルレンズが各々の光ビームの進行方向を回転軸としてそれぞれ異なる角度で固定されるように形成されていることを特徴とする。
また本発明は、上記の光走査装置において、偏向手段は、ねじり梁によって支持されており、光源手段から射出された光ビームを偏向して主走査領域を走査する振動ミラーであることを特徴とする。
また本発明は、被走査面を副走査方向に移動させながら電子写真プロセスを実行することにより被走査面に画像を形成する画像形成装置に関するものであって、電子写真プロセス中の露光プロセスを実行する装置として上記いずれかの光走査装置を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、複数のシリンドリカルレンズを、各々の光ビームの進行方向を中心軸として、各入射ミラーでの傾斜角度により発生する光束ねじれ状態に応じて、各々異なる角度で配置することで光ビームのねじれを補正することができる。これによって、各感光体上に結像する光ビームは各々、走査レンズを共通化しながらも、波面収差の少ない安定したビームスポット径を実現できるので、画像品質が高く小型の光走査装置を得ることができる。
また、同一平面上に光源を配置することができ、複数の光源手段を1つのLD駆動ボードに実装することができる。
また、例えば4つの画像形成ステーションを備えたカラー対応の画像形成装置に本発明に係る光走査装置を適用すると、4ステーションともに光軸角度が同じであるため、共通の治具と作業工程で取り付け作業が可能となるため、部品共通化によるコスト削減と取り付け工数の削減ができる。
上記したように、シリコンマイクロマシニングを利用した振動ミラーを偏向手段として用いることにより、低騒音、消費電力、低発熱といったメリットに加え、振動ミラーとそれを軸支するねじり梁を一体形成した扁平構造であるため、回転軸からミラー面まで所定の寸法(内接円半径)を有しイナーシャを確保するためのロータを備えるポリゴンスキャナに比べ、振動ミラーの法線方向の厚さを薄くできるといったメリットがある。
本発明にかかる光走査装置の実施例を示す(a)は主走査方向における断面図、(b)は光源ユニット部分のみを表した副走査方向の断面図、(c)は光ビームの進行方向を横軸とした副走査方向の光路を示す断面図である。 本発明にかかる光走査装置の別の実施例を示す(a)は主走査方向における断面図、(b)は光源ユニット部分のみを表した副走査方向の断面図、(c)は光ビームの進行方向を横軸とした副走査方向の光路を示す断面図である。 本発明に適用可能な入射ミラーの水平時における光ビームの反射状態の例を示す模式図である。 本発明に適用可能な入射ミラーにおける斜入射角を示すもので、(a)は副走査方向への傾きより生じる斜入射角β、(b)は斜入射角βが生じるときの光軸における断面の例を示す模式図である 本発明に適用可能なシリンドリカルレンズによるスキュー補正方法の例を示すもので、(a)は入射ミラーを副走査方向にプラス側に傾けた場合に生じるスキューの補正方法を示す模式図、(b)は入射ミラーを副走査方向にプラス側に傾けた場合に光軸断面において生じるスキューの例を示す模式図である。 本発明に適用可能なシリンドリカルレンズによるスキュー補正方法の例を示すもので、(a)は入射ミラーを副走査方向にマイナス側に傾けた場合に生じるスキューの補正方法を示す模式図、(b)は入射ミラーを副走査方向にマイナス側に傾けた場合に光軸断面において生じるスキューの例を示す模式図である。 本発明に適用可能な入射ミラー取り付けユニットの例を示す(a)は副走査方向の断面図、(b)は主走査方向の平面図、(c)は副走査方向の断面図に光ビームの光路を加えた図である。 本発明に適用可能な振動ミラーの例を示す(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は底面図である。 本発明に適用可能な振動ミラーの取り付け機構の例を示す分解斜視図である。 本発明に係る光走査装置における走査軌跡の曲がり補正の効果を示す図である。 本発明にかかる画像形成装置の実施例を模式的に示す正面図である。 本発明に係る光走査装置によって改善された像面上での波面収差の例を示すもので(a)はst1(ブラック)の波面収差の例、(b)はst3(シアン)の波面収差の例である。 本発明に適用可能なシリンドリカルレンズの固定方法の例を示す図である。 本発明に適用可能なシリンドリカルレンズの固定方法の別の例を示す図である。
以下、本発明にかかる光走査装置および画像形成装置の実施例について、図面を参照しながら説明する。
図1は4ステーション(色別の潜像形成ステーション)を単一の振動ミラーにより走査する光走査装置の例である。図1(a)は主走査方向における断面図の例である。図1(b)は光源ユニット部分のみを表した副走査方向の断面図の例である。図1(c)は、光ビームの進行方向を横軸とした副走査方向の光路を示す断面図の例である。
図1(a)と図1(c)において、感光体ドラムへ導光する折り返しミラー108による光ビームの折り返しは図示を省略している。
ここで、本実施例に係る光走査装置の座標軸と回転軸について説明をする。偏向面の回転軸方向を副走査方向(Z軸)とする。副走査方向(Z軸)と垂直であって、偏向手段(振動ミラー105)による光ビームの走査方向を主走査方向(Y軸)とする。
主走査方向と副走査方向に対して垂直な方向をX軸とする。図1に示した各軸の矢印方向をプラス側とする。
本実施例において、Z軸を中心とする回転を「αティルト」とし、その回転角を「α」とする。また、Y軸を中心とする回転を「βティルト」とし、その回転角を「β」とする。X軸を中心とする回転を「γティルト」とし、その回転角を「γ」とする。
各回転角は、図1に示した矢印の方向に右ネジが進むような時計まわりをプラス側の回転角とする。
図1(c)に示すように、画像情報の各色情報に基づく光ビームが光源ユニット101から射出され、転写体としての中間転写ベルト110の移動方向に沿って等間隔に配列された複数の感光体ドラム(像担持体)109に対して向かっている。
光源ユニット101は、画像情報をイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色にわけて、それぞれの画像情報に対応した光ビームを射出する101Y、101C、101M、101Kが設置されている。
各色に対応する光ビームが、各色(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)の画像を形成する4つの感光体ドラム(像担持体)109Y、109C、109M、109Kにスポットを結像するように構成されている。
各光源ユニット101から射出された光ビームは、互いに略平行に進行し、それぞれの光ビームに対応するカップリングレンズ102によって各々が略平行光束となり、この平行光束が、各光ビームに対応するシリンドリカルレンズ103によって振動ミラー105(偏向手段)の偏向面に向け副走査方向に集束する。
シリンドリカルレンズ103と振動ミラー105の間には、各光ビームを振動ミラー105の偏向面に向けて反射するために、入射ミラー104Y、104C、104M、104Kが各光ビームに対応して配置されている。
入射ミラー104によって反射された光ビームは図1(a)に示すように、主走査断面上でほぼ同じ光路で、振動ミラー105の偏向面に向けて入射角αをもって入射される。
各光ビームが振動ミラー105上の略同一位置に入射するように、入射ミラー104は、副走査方向おいて、それぞれが異なる傾斜角度をもっている。
振動ミラー105に入射された光ビームは、偏向走査された後、光ビームごとに第1走査レンズ106、第2走査レンズ107、折り返しミラー108を経由して、感光体ドラム109上にそれぞれがスポット状に結像し、かつ、感光体ドラム109上を走査して、各ステーションにおける各色の画像情報に基づいた潜像を形成する。
入射ミラー104の傾斜角度は、各光ビームに設定された斜入射角となるよう設定され、これによって、それぞれの入射ミラー104Y、104C、104M、104Kが副走査方向に設定された異なる角度をもって固定されて、各光ビームを一括して偏向、走査することができるように構成されている。
なお、図1(a)および図1(b)に示すように、光源ユニット101Y、101C、101M、101Kは、偏向手段である振動ミラー105に近いものほど副走査方向において低い位置(入射ミラー取り付けユニットのハウジング取り付け面に近い位置)に配置されている。
次に、本実施例における各ステーションを構成する光学素子の位置座標の例を表1、表2に示す。表中における「St1」はK(ブラック)、「St2」はM(マゼンタ)、「St3」はC(シアン)、「St4」はY(イエロー)の各ステーションに対応している。
Figure 2011257696
Figure 2011257696
表1に示すように、各ステーションに対応する入射ミラーは、副走査方向の回転角βがそれぞれ異なる値になっている。
光源ユニット101は射出軸に対し垂直に配置され、射出軸が主走査断面上において平行になるように配置されているので、光源ユニット101から射出された各光ビームが偏向面に入射するときに干渉しないように、表1に示すように入射ミラー104の副走査方向における高さと傾斜角度(β)をそれぞれ異なる値に設定する。
ここで、本実施例に係る光走査装置が備える入射ミラー104の固定方法について図7を用いて説明する。図7に示すように複数(図示の例では4個)の入射ミラー104は、副走査方向の断面形状が階段状をなす入射ミラー取り付けユニット200によって、所定の傾きをもって固定されている。
図7(a)は、入射ミラー取り付け部200の副走査方向における断面図である。図7(b)は、入射ミラー取り付け部200の主走査方向における断面図である。図7(c)は、入射ミラー取り付け部200の副走査方向における断面図であって、入射ミラー104で反射された各光ビームの光路を示す図である。
図7(a)に示すように、入射ミラー取り付け部200は複数の入射ミラー104をそれぞれ異なる角度で固定する位置決め部201を有している。
入射ミラー取り付け部200は、図7(b)に示すように、反射ミラー104によって反射された各光ビームの光路が、主走査方向からみて矢印点線で示すように同一の光路となるように調整されている。
上記のように位置決めされた入射ミラー104によって、図7(c)に示すように、点線で示した入射ミラー104への光ビーム(略平行に入射した複数の光ビーム)は、それぞれの斜入射角度をもって振動ミラー105に向けて反射される。振動ミラー105に入射する光ビーム(実線で示している)は、偏向面で交差する。
このように、入射ミラー104に至る光路において、複数の光源ユニットから射出された光ビームがそれぞれにおいて干渉しないように、入射ミラー104を所定の角度をもって固定するために、入射ミラー取り付け部200の位置決め部201は、副走査方向の断面において階段形状を成しており、かつ、Z方向の平面部がそれぞれ異なる所定の角度の傾きをもって形成されている。
入射ミラー104は位置決め部201のZ方向の平面部に突き当てて固定すればよいので、取り付け作業が容易である。
以上説明をした入射ミラー取り付け部200と、入射ミラー104の固定方法によれば、
入射ミラー104の副走査方向の傾きを、それぞれの位置決め部201によって固定すればよく、また、複数の光ビームに対する各入射ミラー104の位置決め部201が一体に形成されているので、各光ビームの斜入射角度を一定の関係をもって維持することができ、入射ミラー取り付け部200のハウジングへの取り付け面と、ハウジング上の取り付け部との位置関係を保って固定することによって、各光ビームの入射ミラー104を適切な位置に固定することができるようになる。
図1に戻る。振動ミラー105の偏向面からほぼ同距離となる位置に複数の光源ユニットにそれぞれ対応したシリンドリカルレンズ103が配置されている。
各光ビームの振動ミラー105への入射角αが各々45度となるように、また、偏向面上で副走査方向に設定された斜入射角度となるように、各入射ミラー104は副走査方向に傾けられているので、この入射ミラー104の傾き角度によって、光ビームの入射ミラー104に対する入射位置が移動してしまい、入射ミラー104においてγ成分のズレが発生する。
これにより光ビームにねじれが生じるため、波面収差が劣化し、ひいてはビームスポット径の劣化を招くことになるので、この光ビームのねじれを解消する必要がある。
そこで、本実施例に係る光走査装置は、シリンドリカルレンズ103の母線位置をあらかじめγ回転させておく。
例えば、光ビームの中心軸を回転中心として、各シリンドリカルレンズ103の母線位置を、ブラックに対応するシリンドリカルレンズ103Kにおいてはγ=1.5deg、マゼンタに対応するシリンドリカルレンズ103Mにおいてはγ=0.5deg、シアンに対応するシリンドリカルレンズ103Cにおいてはγ=−0.5deg、イエローに対応するシリンドリカルレンズ103Yにおいてはγ=-1.5degとなるように固定する。
ここで、主走査方向と副走査方向ともに偏向する入射ミラーによって生じる光ビームのねじれ(スキュー)とその補正方法について、さらに詳細に説明する。光ビームが入射ミラーの反射面に対して斜入射することでスキューが生じる。
図3(a)に示すように、入射ミラー104が主走査方向と副走査方向のいずれにも傾きをもたずに光ビームが水平に入射されたときは、図3(b)に示すように、入射された光ビームと反射された光ビームの右端と左端での光路長は、入射ミラー104に光ビームが到達するまでの光路長については差異があるが、矢印で示す部分に到達すれば、点線で示すように、光ビームの右端と左端で光路長の差はない。
しかしながら本実施例に係る光走査装置においては、すでに説明をしたように、入射ミラー104が、副走査方向に所定の角度をもって傾けられて固定されている。つまり、必ず斜入射角βをもつことになる。
図4を用いて斜入射角βについて説明をする。図4(a)は、副走査方向に入射ミラー104が傾くことによって生じる斜入射角βが生じる例である。図4(b)は、入射ミラー104の光軸における断面の例である。図4(b)に示すように、光軸断面に対して、水平時(図3(b)参照)と比較すると明らかなように、光ビームの右端は主走査断面よりも下で反射面に当たっており、光ビームの左端は主走査断面よりも上で反射面に当たり光ビームの左右の行路長が異なっている。
また、斜入射角βが生じているので、光ビームの右端の入射高さが左端の入射高さよりも小さくなる(右端の入射高さ<左端の入射高さとなる)。このため、光ビームにねじれ(スキュー)が生じることになる。
スキューが生じた光ビームを振動ミラー105で偏向走査し、走査光学系を介して感光体ドラムに結像させた場合、波面収差が劣化して、感光体ドラム上のビームスポット径が増大する。
このように、入射ミラー104の傾きによって生じるスキューをシリンドリカルレンズ103によって補正をすることができる。図5および図6は、本実施例に係る光走査装置において、シリンドリカルレンズ103によってスキューを補正する例を示す。
図5(a)は、入射ミラー104を副走査方向にプラス側に傾けた場合に生じるスキューの補正方法を示す図である。
図5(b)は、入射ミラー104を副走査方向にプラス側に傾けた場合に光軸断面において生じるスキューの例を示している。
図5において、入射ミラー104を副走査方向に+βだけ傾けて、反射面を水平時よりも上向きすることによって、入射ミラー104で反射された光ビームは、偏向面に対して斜入射角−2βの角度で斜入射させることができる。
入射ミラー104は、主走査方向と副走査方向にともに傾斜するので、図5(b)に示すように右端の入射高さより左端の入射高さのほうが上の位置に入射するためスキューが生じることになる。そこで、入射ミラー104の傾斜角度に応じて、各光ビームの進行方向を回転軸としてシリンドリカルレンズ103を回転させることで、スキューが生じないように入射ミラー104に光ビームを入射させることができる。
すなわち、図5(b)に示すように光ビームの右端が低く左端が高くなるスキューを補正するには、図5(a)に示すようシリンドリカルレンズ103の母線を、光ビームの進行方向を回転軸として−γだけ傾ければ、スキューは解消される。
図6(a)は、入射ミラー104を副走査方向にマイナス側に傾けた場合に生じるスキューの補正方法を示す図である。
図6(b)は、入射ミラー104を副走査方向にマイナス側に傾けた場合に光軸断面において生じるスキューの例を示している。
図6は、図5を用いて説明した例とは逆の場合であって、光ビームのねじれと逆向きにシリンドリカルレンズ103を回転させることで、入射ミラー104で生じるスキューを解消することができる。
すなわち、図6(b)に示すように光ビームの右端が高く左端が低くなるスキューを補正するには、図6(a)に示すようシリンドリカルレンズ103の母線を、光ビームの進行方向を回転軸として+γだけ傾ければよい(図6(b)参照)。
以上、入射ミラー104の副走査方向における傾き(βティルト)によって生じる光ビームのねじれと、その補正方法について説明をしたが、設計レイアウトによっては、入射ミラーのαティルト、γティルトの影響についても、シリンドリカルレンズ103の母線を位置調整することによってねじれの改善を図ることができる。
上記のように、シリンドリカルレンズ103の母線を傾けて固定し、取り付ける方法の例について説明する。所定の角度をもって各シリンドリカルレンズ103を固定するために、その取り付け位置に、図13に示すシリンドリカルレンズ固定部203を、書込みユニットハウジングに形成する。
シリンドリカルレンズ固定部103は、入射ミラー取り付け部200の位置決め部201と同様に、シリンドリカルレンズ103を突き当てる部分を書込みユニットの樹脂ハウジングの各ステーションに対応して形成されたものである。各シリンドリカルレンズ103は、取り付け治具によって、シリンドリカルレンズ固定部103に調整しながら、接着材ないし板バネなどの固定手段を用いて固定すればよい。
シリンドリカルレンズ固定部203は、図13に示したような棒状部材の他に、各ステーションのハウジング側に形成した溝204であってもよい。図14において、シリンドリカルレンズ103は、V字形状に形成された溝204に突き当てられたあとに、溝の壁面にそって回転させて、所定の回転角γを調整し、調整が終了したのちにUV接着または板バネ等を用いて固定すればよい。
実施例1によって改善された像面上での波面収差の例を図12に示す。図12(a)はst1(ブラック)の波面収差の例であって、図12(b)はst3(シアン)の波面収差の例である。このように、入射ミラー104をシリンドリカルレンズ103の母線位置に基づいて回転させることによって、図12で明らかなようにSt1、St3のいずれにおいても波面収差が精度よく補正されている。
図1(a)に戻る。光源ユニット101から射出された各光ビームはシリンドリカルレンズ103によって振動ミラー105の反射面の近傍で副走査方向に収束される。偏向された後の光ビームは互いに分離するように間隔を拡げつつ第1走査レンズ106を通過して、各ステーションに配置される第2走査レンズ107に入射される。第1走査レンズ106は全てのステーションで共用され、副走査方向には収束力を持たない。
第1走査レンズ106を通った各光ビームのうち、振動ミラー105に最も近い入射ミラー104(104Y)で反射された光ビームは、第2走査レンズ107を介して折り返しミラー108で反射されて感光体ドラム109上にスポット状に結像し、かつ、光走査して第1の画像形成ステーションとしてイエロー色の画像情報に基づいた潜像を形成する。
振動ミラー105から二番目に近い入射ミラー104(104C)で反射された光ビームは、第2走査レンズ107を介して、折返しミラー108で反射されて感光体ドラム109上にスポット状に結像し、第2の画像形成ステーションとしてシアン色の画像情報に基づいた潜像を形成する。
振動ミラー105から三番目に近い入射ミラー104(104M)で反射された光ビームは、第2走査レンズ107を介して、折返しミラー108で反射されて感光体ドラム109上にスポット状に結像し、第3の画像形成ステーションとしてマゼンダ色の画像情報に基づいた潜像を形成する。
振動ミラー105から最も遠い入射ミラー104(104K)で反射された光ビームは、第2走査レンズ107を介して、折返しミラー108で反射されて感光体ドラム109上にスポット状に結像し、第4の画像形成ステーションとしてブラック色の画像情報に基づいた潜像を形成する。
これらの構成部品は後述する単一のハウジングに一体的に保持される。
同期検知センサ111は、第1走査レンズを通過した光ビームを検出して、振動ミラー105の振幅、位相、周期、オフセット等を算出する信号を出力するセンサである。偏向制御手段によって振動ミラー105の制御を行う。振動ミラー105の動作状況に応じて、光源駆動手段である光源駆動基板から、画像形成領域の書込みデータに応じて光源部を駆動制御して、パルス点灯駆動していく。
実施例1では振幅中心を走査レンズの光軸と一致する配置としており、走査レンズの面形状が表2に示すような非球面形状となるようにしている。第1走査レンズ106は全てのステーションに共通に用いられる。第2走査レンズ107は、ステーションごとに個別のレンズであって、全てのステーションの光ビームが、二次元多項式の原点を通過する位置に配置されている。
尚、同期検知センサ111を、θs>α/2となるように配置してもよい。ここで、θsは同期検知の振れ角である。
また、装置のレイアウトによっては振幅中心が走査レンズの光軸と一致しない例、つまり、振幅中心を光源側にずらして振幅させる例もあり、その場合には光ビーム検出手段の配置を光軸とのずれ量を反映させたものとする必要がある。
上記したように振動ミラー105の偏向面は往復振動に伴って波状に変形する。この変形量δは振幅θ0の時に最大となり、振れ角0からθ0への変化により比例的に変化量が大きくなるといった傾向がある。
つまり、走査領域を走査する振れ角θdは、走査レンズの画角により定まってしまうため、走査領域を走査する振れ角θdの振幅θ0に対する比、有効走査率(θd/θ0)が小さい方がミラー変形の影響を受け難いということになる。
しかし、振幅θ0を大きくするには可動部の質量を小さくする必要があり、可動部の厚さを薄くすれば変形量が大きくなってしまうので、相反する関係がある。
そこで、本発明に係る光走査装置においては、振動ミラー105の角速度が比較的一定な振れ角の範囲内として有効走査率(θd/θ0)を設定し、被走査領域を走査する振れ角θdを振幅θ0の60%以下とすることで変形を抑制している。
一方、入射角αを大きくすると動的面変形の影響を受けやすい。入射ミラー104から振動ミラー105の偏向面への入射角αと振動ミラー105の振れ角(振幅)θ0との関係は、α>2θ0であり、最大偏向角を2θmax=α+2θ0としていたが、有効走査率(θd/θ0)を所定値以下、例えば0.6以下に抑えるためにθ0≧α/2≧θdとなるように、光源からの光ビームの光源手段から振動ミラー面への入射角αを設定している。具体的には、θ0=25°、θd=15°、α=45°、θs=18°である。ここで、θdは感光体上を走査する有効振れ角である。
図8は、本実施例に係る光走査装置に適用可能な振動ミラーの構造の例を示す図であり、図9は、本実施例に係る光走査装置に適用可能な振動ミラーを備えた振動ミラーモジュールの構成例を示す分解斜視図である。この振動ミラーと振動ミラーモジュールの例では、振動ミラーの回転トルクの発生方法として電磁駆動方式を採用している。図8及び図9において、符号441は振動ミラーを示しており、この振動ミラー441は、ねじり梁442で軸支されている。後で詳細に説明するが、振動ミラー441、ねじり梁442およびこれらと一体のフレームは、単一のSi基板からエッチングにより外形を貫通して作製され、実装基板448に装着されることによって振動ミラー基板440を構成している。
この振動ミラーモジュールは支持部材447によって支持されている。支持部材447は、樹脂で成形され、回路基板449を兼ねていて、回路基板449の所定位置に位置決めされている。回路基板449の上面には、一対の振動ミラー基板440を保持するための保持体が起立した態様で固定されていて、この保持体には、振動ミラー基板440が所定の位置で固定されるように位置決めする位置決め部451が形成されている。位置決め部451で振動ミラー基板440が位置決めされた状態で、各振動ミラー面が主走査方向に対し所定の角度、実施例では22.5°傾いている。各振動ミラー基板440は実装基板448に実装され、実装基板448の下辺には配線端子455が形成されている。上記保持体は、一対の振動ミラー基板440を位置決めして装着した態様で、実装基板448の配線端子455が接触するように、金属製端子群を配列してなるエッジコネクタ部452を有している。
振動ミラー基板440は、一辺をエッジコネクタ部452に挿入し、押え爪453の内側に嵌め込み、基板裏側の両側縁部を位置決め部451に沿わせることによって支持部材447上に装着することができる。振動ミラー基板440を装着することによって電気的な配線が同時になされ、また、各々の振動ミラー基板440を個別に交換できるように構成されている。なお、回路基板449には、振動ミラーの駆動回路を構成する制御ICや水晶発振子等が実装され、回路基板449に固定されたコネクタ454を介して電源および制御信号が入出力されるようになっている。
回路基板449には、振動ミラーの駆動回路を構成する制御ICや水晶発振子等が実装され、コネクタ454を介して電源および制御信号が入出力される。振動ミラー460は、表面にミラー面を形成し振動子をなす可動部と、それを支え回転軸をなすねじり梁と、支持部をなすフレームとからなり、Si基板をエッチングにより切り抜いて形成する。
本実施例では、SOI基板と呼ばれる60μMと140μMとの2枚の基板が酸化膜を挟んで予め接合されたウエハを用いて作製している。まず、140μM基板(第2の基板)461の表面側からプラズマエッチングによるドライプロセスによって、ねじり梁442、平面コイルが形成される振動板443、可動部の骨格をなす補強梁444と、フレーム446とを残したそれ以外の部分を酸化膜まで貫通し、次に、60μM基板(第1の基板)462の表面側からKOHなどの異方性エッチングによって、可動ミラー441と、フレーム447とを残したそれ以外の部分を酸化膜まで貫通し、最後に、可動部周囲の酸化膜を除去して分離し振動ミラーの構造体を形成する。
ここで、ねじり梁442、補強梁444の幅は40〜60μMとした。上記したように振動子の慣性モーメントIは振れ角を大きくとるには小さい方が望ましく、反面、慣性力によってミラー面が変形してしまうため、本実施形態では可動部を肉抜きした構造としている。
さらに、60μM基板462の表面側にアルミニウム薄膜を蒸着して反射面となし、
140μM基板461の表面側には銅薄膜でコイルパターン463とねじり梁を介して配線された端子464、および、トリミング用のパッチ465を形成する。
当然、振動板443側に薄膜状の永久磁石を備え、フレーム447側に平面コイルを形成する構成とすることもできる。
実装基板448上には、振動ミラー460を装着する図示しない枠状の台座と、振動ミラーを囲うように形成されたヨーク470が配備され、上記ヨークには可動ミラー端に対向して各々S極とN極とを向かい合わせ、回転軸と直交する方向に磁界を発生する一対の永久磁石450が接合されている。
振動ミラー460は、ミラー面を表に向けて上記台座に装着され、各端子464間に電流を流すことによりコイルパターン463の回転軸に平行な各辺にローレンツ力が生じ、ねじり梁442をねじって振動ミラー441を回転する回転トルクTを発生し、電流を切るとねじり梁の戻り力により水平に戻る。
従って、コイルパターン463に流れる電流の方向を交互に切り換えることによって、可動ミラー441を往復振動させることができる。
この電流の切り換える周期を、振動ミラーを構成する構造体の、ねじり梁を回転軸とした1次振動モードの固有振動数、いわゆる共振振動数f0に近づけると振幅が励起され大きな振れ角を得ることができる。
従って、通常は、走査周波数fdをこの共振振動数f0に合わせて設定、あるいは追従するように制御しているが、共振振動数f0は上記したように、振動ミラーを構成する振動子の慣性モーメントIによって決定されるため、仕上がりの寸法精度にばらつきがあると個体間で差が生じてしまい、振動ミラー個々の走査周波数fdを揃えることが困難となる。
この共振振動数f0のばらつきは、プロセスの能力にもよるが、±200Hz程度あり、例えば、走査周波数fd=2KHzとすると、1/10ラインに相当する走査ラインピッチのずれが生じることになり、A4サイズを出力すると、紙端では数十MMもの倍率ずれになってしまう。
そのため、共振振動数f0の近いものを選別によってランク分けし、各ランクに応じて走査周波数fdを選択、設定しているが、共振振動数f0のばらつきが大きいとランク分けの数が増え、その分、振動ミラーの駆動回路も走査周波数fdの選択肢も増やさなければならないので、生産効率が悪いうえ、交換を行う際には同じランクの振動ミラーと入れ換える必要があるためコストもかかる。
そこで、本実施例においては、実装基板に装着する前に、可動部の裏側に形成したパッチ465に炭酸ガスレーザなどにより切り込みを入れて可動部の質量を徐々に減らしていくことで慣性モーメントIを調整し、個体間の寸法差があっても共振振動数f0が概略一致するように、ここでは±50Hzに入るように調整している。
そして、ランク分けした周波数帯域内で、共振振動数f0によらず、固定の走査周波数fdを設定している。
上記したように、振動ミラー裏側に形成した平面コイルには、交互に電流の流れる方向が切り換わるように、交流電圧、またはパルス波状電圧が印加され、振れ角θが一定となるように平面コイルに流す電流のゲインを調節して往復振動させる。
一方、可動ミラーへの斜入射に伴って発生する、あらかじめ判っている走査軌跡の曲がり残差についても、図10に示すように、曲がり残差と反転する位置関係に画素データをシフトしておくことで、同様に画像上目立たなくすることができる。
書込制御回路においては、これらを合わせて原画データを変換してフレームメモリに収納され、1ライン単位のラスターデータとして読み出され、同期検知信号をトリガーとして光源駆動回路に転送する。光源駆動回路ではラスターデータに基づいて半導体レーザを変調する。
次に、本発明にかかる光走査装置の別の実施例について説明をする。図2は、色別の4つのステーションにおける各光源ユニットを同一平面に並べて配置し、単一の振動ミラーにより走査する光走査装置の例であって、図2(a)は主走査方向における断面図の例である。図2(b)は光源ユニット部分のみを表した副走査方向の断面図の例である。図2(c)は、光ビームの進行方向を横軸とした副走査方向の断面図の例である。
図2(a)と図2(c)において、感光体ドラムへ導光する折り返しミラー108による光ビームの折り返しは図示を省略している。
本実施例における各ステーションを構成する光学素子の位置座標の例を表3、表4に示す。表中における「St1」はK(ブラック)、「St2」はM(マゼンタ)、「St3」はC(シアン)、「St4」はY(イエロー)の各ステーションに対応している。
Figure 2011257696
Figure 2011257696
第1走査レンズ106は全ステーションで共通で用いていて、かつ、第2走査レンズ107はステーションごと個別レンズで、全てのステーションの光線が、二次元多項式の原点を通過する位置に配置している。
図2(a)に示すように、光源ユニット101Yと他の光源ユニット101C、101M、101Kは、光源駆動基板112に実装することで、同一平面に取り付けることができる。
このように光源ユニット101の取り付け面を同一平面とすると、各光源ユニット101から振動ミラー105までの光路長が、光ビームによって異なることになるので、各光ビームに対応するカップリングレンズ102からシリンドリカルレンズ103までの光路長をイエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの順番で長く設定すればよい。
また、本実施例に係る光走査装置によれば、カップリングレンズ102を光ビームと垂直な方向に配置することができるので、調整機の移動自由度が少なく、作業を簡略化できる。入射角度や入射ミラーの傾き調整など、光学系レイアウトの配置を変えることにより、主走査断面と垂直な平面であれば、必ずしも図2(b)に示した壁面に光源ユニット101を配置する必要はない。すなわち、光源ユニット101を図2に示した例とは反対側となるハウジングの壁面や、ハウジング内の任意位置に配置することもできる。このように、任意の位置に光源ユニット101を配置した場合であっても、シリンドリカルレンズ103の偏向面からの光路長を互いにほぼ等しくすることによって、偏向面上での副走査方向の集束をほぼ揃えることができる。
次に実施例1に示した光走査装置を備えた画像形成装置の例を説明する。図11において、ブラックの感光体ドラム901の周囲には、感光体ドラムを高圧に帯電する帯電チャージャ902、光走査装置900により記録された静電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像装置904、感光体ドラムに残ったトナーを掻き取って備蓄するクリーニング装置905が配置される。他の感光体ドラムの周囲構成も同様である。感光体ドラムへは振動ミラーの往復走査により1周期で2ライン毎の画像記録が行われる。
上記した画像形成ステーションは中間転写ベルト906移動方向に並列され、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー画像が中間転写ベルト906上にタイミングを合わせて順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
各画像形成ステーションはトナー色が異なるだけで、基本的には同一構成である。
一方、記録媒体としての記録紙は給紙トレイ907から給紙コロ908により供給され、レジストローラ対909により副走査方向の記録開始のタイミングに合わせて送り出され、中間転写ベルト906からトナー画像が転写される。その後、定着装置910で定着がなされ、排紙ローラ対912により排紙トレイ911に排出される。
101 光源ユニット
102 カップリングレンズ
103 シリンドリカルレンズ
104 入射ミラー
105 振動ミラー
106 第1走査レンズ
107 第2走査レンズ
108 折り返しミラー
109 感光体ユニット
特許第2924200号公報 特許第3011144号公報 特許第3445691号公報 特許第3543473号公報 特開2006−178190号公報

Claims (11)

  1. 複数の発光源を備える光源手段と、上記光源手段から射出された光ビームを各々集光するシリンドリカルレンズと、上記シリンドリカルレンズで集光された光ビームを偏向走査する偏向手段と、上記偏向手段で偏向走査された光ビームを被走査面上に結像する走査結像光学系と、を有する光走査装置において、
    上記偏向手段と上記光源手段の光路中に上記光ビームに対応する複数の入射ミラーが配置され、
    上記各入射ミラーの法線と入射される上記各光ビームは副走査方向において各々異なる角度を有しており、
    上記各シリンドリカルレンズは、上記各光ビームの進行方向を回転軸として異なる角度に母線が傾けられていることを特徴とする光走査装置。
  2. 上記光源手段から射出された複数の光ビームの進行方向がそれぞれ略平行であることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  3. 上記各入射ミラーにおいて反射された各光ビームは、主走査断面上でほぼ同じ光路となり上記偏向手段の偏向面に入射されることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  4. 上記各入射ミラーにおいて反射された各光ビームは、上記偏向手段の偏向面に対して副走査方向において互いに異なる角度で入射されることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  5. 上記複数の光源手段の射出軸に垂直な平面が、上記偏向手段の偏向軸と平行な位置関係となるように、上記複数の光源手段を同一平面に取り付けることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  6. 上記複数の光源手段から射出される光ビームは、各光源手段からシリンドリカルレンズまでの光路長が異なることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  7. 上記入射ミラーを固定する入射ミラー取り付けユニットをさらに有し、
    上記入射ミラー取り付けユニットは、上記入射ミラーを個別に固定する位置決め部を備えており、
    上記位置決め部は、上記入射ミラーの副走査方向における所定の角度と高さを規定するように形成されていることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  8. 上記光源手段は、対応する上記入射ミラーが上記偏向手段に近いものほど、上記入射ミラーユニットの副走査方向取り付け面に対して低い位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  9. ハウジングに上記入射ミラーを副走査方向に反射面を向けてそれぞれ固定する位置決め部が形成されており、
    上記位置決め部は、上記入射ミラーが、上記複数のシリンドリカルレンズが各々の光ビームの進行方向を回転軸としてそれぞれ異なる角度で固定されるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  10. 上記偏向手段は、ねじり梁によって支持されており、上記光源手段から射出された光ビームを偏向して主走査領域を走査する振動ミラーであることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  11. 被走査面を副走査方向に移動させながら電子写真プロセスを実行することにより被走査面に画像を形成する画像形成装置であって、電子写真プロセス中の露光プロセスを実行する装置として請求項1乃至10のいずれかに記載の光走査装置を備えている画像形成装置。
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JP2019008033A (ja) * 2017-06-21 2019-01-17 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 光走査装置及び該光走査装置を備えたカラー画像形成装置
JP2019008034A (ja) * 2017-06-21 2019-01-17 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 光走査装置及び該光走査装置を備えた画像形成装置

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