JP4496747B2 - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

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この発明は、複数の偏向ミラー面を用いて光ビームを走査する光走査装置、例えば、一の偏向ミラー面により偏向した偏向光ビームをさらに別に偏向ミラー面により偏向して光ビームの偏向角を増大させる光走査装置および該装置を装備する画像形成装置に関するものである。
従来、レーザビームプリンタ、複写機やファクシミリ装置などの画像形成装置に用いられる光走査装置では、光ビームの偏向角を増大させるために2つの偏向素子を設けるとともに、各偏向素子の偏向ミラー面で光ビームを偏向させる構成が採用されることがあった(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に記載の光走査装置では、第1偏向ミラー面で偏向した光ビームを伝達光学系によって第2偏向ミラー面に導き、この第2偏向ミラー面で第1偏向ミラー面からの光ビームをさらに偏向することで光ビームの偏向角を増大させている。そして、第2偏向ミラー面から射出される光ビームを走査レンズを介して被走査面上に導いている。このように第1および第2偏向ミラー面と伝達光学系とを組み合わせることによって、光ビームの偏向角の増大を図っている。
特開昭53−97447公報(第2頁、第1図)
上記の光走査装置では、第1偏向ミラー面で偏向した光ビームを伝達光学系によって第2偏向ミラー面に導き、この第2偏向ミラー面で第1偏向ミラー面からの光ビームをさらに偏向することで光ビームの偏向角を増大させている。そのため、上記の光走査装置の偏向素子としてガルバノミラーのような振動ミラーを用いる場合、第2偏向ミラー面から被走査面に向けて射出される光ビームの偏向角を、第1偏向ミラー面により偏向された光ビームの偏向角よりもさらに増大させるように、各偏向素子の振動周波数及び位相を十分に調整する必要がある。
しかし、上記の光走査装置では、このことに関して十分な対策が講じられていない為、次のような問題が発生することがあった。すなわち、各偏向素子の振動周波数や位相の設定状況によっては、第1偏向ミラー面で偏向した光ビームの偏向角を減少させるように該光ビームが第2偏向ミラー面により偏向してしまうことがある。つまり、第2偏向ミラー面により被走査面に向けて射出される光ビームの偏向角を、第1偏向ミラー面による光ビームの最大偏向角よりも大きく出来ないことがあった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、基準となる偏向ミラー面による光ビームの最大偏向角よりも、確実に大きな光ビームの偏向角を得ることができる光走査装置および該装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
この発明にかかる光走査装置は、上記目的を達成するため、光ビームを射出する光源と、それぞれ独立した主走査偏向軸回りに揺動自在に設けられた第1ないし第N偏向ミラー面(ただしN≧2の自然数)と、前記第1ないし第N偏向ミラー面を前記主走査偏向軸回りに揺動駆動するミラー駆動部とを備え、前記光源からの光ビームが前記第1偏向ミラー面に向けて入射されるとともに、前記第1ないし第N偏向ミラー面の間で各偏向ミラー面により少なくとも1回以上偏向された後、前記第1ないし第Nミラー面のいずれかから被走査面に向けて射出され、前記ミラー駆動部は、前記第1ないし第N偏向ミラー面のうち前記第A偏向ミラー面(ただし1≦A≦Nの自然数)を基準偏向ミラー面とし、前記基準偏向ミラー面による所定方向における該光ビームの偏向角の大きさが最大偏向角となる時に、前記基準偏向ミラー面を除く前記偏向ミラー面の各々が該光ビームを前記所定方向に偏向するように前記第1ないし第N偏向ミラー面を各々下記の式の回転角Θi(t)で示す正弦波状に揺動駆動することを特徴としている。
このように構成された発明では、基準偏向ミラー面による所定方向における光ビームの偏向角が最大偏向角となる時、他の偏向ミラー面も、各々該光ビームを同じ所定方向に偏向するように構成されている。また、第A偏向ミラー面(ただし1≦A≦Nの自然数)を基準偏向ミラー面として、第1ないし第N偏向ミラー面を各々次式を満たす正弦波状に揺動駆動するように構成されている。よって、基準偏向ミラー面による所定方向における光ビームの偏向角が最大偏向角となる時に、他の偏向ミラー面により基準偏向ミラー面による光ビームの偏向方向と同じ方向にさらに光ビームを偏向することによって、被走査面へ向けて射出される光ビームの偏向角を確実に基準偏向ミラー面による光ビームの最大偏向角よりも大きくすることができる。
Figure 0004496747
このような構成にすることによって、交流電源を用いて偏向ミラー面の揺動周波数を容易に調整できる。さらに、基準偏向ミラー面による光ビームの偏向角が最大偏向角となる時に、他の偏向ミラー面により基準偏向ミラー面による光ビームの偏向方向と同じ方向にさらに光ビームを偏向することによって、被走査面へ向けて射出される光ビームの偏向角を確実に基準偏向ミラー面による光ビームの最大偏向角よりも大きくすることができる。
また、前記第1および第2偏向ミラー面と前記ミラー駆動部とを有し、前記光源からの光ビームを前記主走査偏向軸とほぼ直交する主走査方向に偏向する偏向手段と、前記第1偏向ミラー面により偏向された光ビームを前記第2偏向ミラー面に導く伝達光学系とを備え、前記伝達光学系は、その反射面が前記第1および第2偏向ミラー面に対向するように配置された凹面ミラーを備え、前記凹面ミラー面が前記第1偏向ミラー面により偏向された光ビームを前記第2偏向ミラー面に反射することによって、該光ビームが前記第2偏向ミラー面から前記被走査面に向けて射出するように構成してもよい。この場合、前記第1偏向ミラー面と前記第2偏向ミラー面は互いに逆位相および同一周波数で揺動駆動するのが望ましい。このように構成された伝達光学系では、第1偏向ミラー面により偏向された光ビームは凹面ミラー面で反射されて第2偏向ミラー面に導光される。このように伝達光学系として凹面ミラーを用いることで1枚の凹面ミラーで伝達光学系を構成することができ、伝達光学系を構成するにあたり複数の光学部品(2枚の伝達レンズ)を必須としていた従来装置に比べ、伝達光学系を簡素で、しかも少ない光学部品点数で構成することができる。また、伝達レンズが不要となることで色収差の影響を排除することができ、優れた安定性で光ビームを偏向させることができる。
また、凹面ミラー面の形状については任意のものを採用することができるが、特に、前記第1偏向ミラー面のほぼ中心位置と、前記第2偏向ミラー面のほぼ中心位置とを焦点とする楕円を、前記2つの中心位置を通過する仮想直線を回転軸として回転させることで形成される楕円面を上記凹面ミラー面として用いた場合には、次のような作用効果が得られる。すなわち、楕円面の2つの焦点に第1および第2偏向ミラー面がそれぞれ位置するため、第1偏向ミラー面により偏向された光ビームの主光線は凹面ミラー面(楕円反射面)により反射された後、第2偏向ミラー面に入射する。したがって、第1偏向ミラー面で偏向された光ビームを第2偏向ミラー面に確実に導き、光ビームを安定して偏向することができる。
また、第1および第2偏向ミラー面の配置関係については任意であるが、次のような配置関係を満足させることで特有の作用効果が得られる。例えば前記第1および第2偏向ミラー面を前記主走査方向と平行な方向に並べて配置すると、主走査平面に対して角度をつけて光ビームを第1および第2偏向ミラー面に入射・射出させる必要がなくなる。つまり、同一の主走査平面内に光走査装置の光学部品を配置することができる。その結果、主走査方向とほぼ直交する副走査方向における装置サイズの小型化、つまり装置の薄型化を図ることができる。また、前記第1および第2偏向ミラー面を前記主走査方向とほぼ直交する副走査方向に並べて配置すると、主走査平面において偏向手段が占める面積が最小化され、主走査平面での装置サイズを低減することができ、装置の小型化が可能となる。
また、前記第1および第2偏向ミラー面の少なくとも一方が前記主走査方向とほぼ直交する副走査平面において前記被走査面とほぼ共役となるように構成してもよい。このような構成を採用することで、被走査面と共役関係を有する偏向ミラー面の副走査方向への揺動の影響を防止することができる。また、副走査方向における上記偏向ミラー面のサイズを小さくして偏向手段の小型化、軽量化することができる。その結果、上記偏向ミラー面の駆動速度をさらに向上させて光ビームの偏向速度をさらに高めることができる。
また、光走査装置を、前記第1および第2偏向ミラー面と前記ミラー駆動部とを有し、前記光源からの光ビームを前記主走査偏向軸とほぼ直交する主走査方向に偏向する偏向手段と、前記第1および第2偏向ミラー面の間で光ビームを伝達する伝達光学系とを備え、前記伝達光学系は、その前側焦点が前記第1偏向ミラー面のほぼ中心位置と略一致するように配置された第1伝達レンズと、その前側焦点が前記第1伝達レンズの後側焦点と略一致するとともに、その後側焦点が前記第2偏向ミラー面のほぼ中心位置に略一致するように配置された第2伝達レンズとを備え、前記第1偏向ミラー面により前記第1伝達レンズへ向けて偏向した光ビームを、前記第1および第2伝達レンズを介して前記第2偏向ミラー面に導くとともに、前記第2偏向ミラー面により該光ビームを前記第2伝達レンズへ向けて偏向して前記第2および第1伝達レンズを介して前記第1偏向ミラー面へ導くことで、前記第1偏向ミラー面により該光ビームを再度偏向して、前記被走査面に向けて射出するように構成してもよい。この場合、前記第1偏向ミラー面と前記第2偏向ミラー面は互いに同位相および同一周波数で揺動駆動されることが望ましい。このような構成にすることによって、使用環境の温度変化による第1および第2偏向ミラー面の共振周波数の変動によらず、常に安定した偏向角で光ビームを偏向することができる。さらに、第1偏向ミラー面での光ビームの反射位置と第2偏向ミラー面での光ビームの反射位置とが共役な関係となっているため、光ビームを確実に、第1偏向ミラー面から第2偏向ミラー面へ、第2偏向ミラー面から第2偏向ミラー面へと導き、光ビームを安定して偏向することができる。
また、前記第1偏向ミラー面が前記主走査方向とほぼ直交する副走査平面において前記被走査面とほぼ共役となるように構成してももちろんよい。このような構成を採用することで、被走査面と共役関係を有する偏向ミラー面の副走査方向への揺動の影響を防止することができる。また、副走査方向における上記偏向ミラー面のサイズを小さくして偏向手段の小型化、軽量化することができる。その結果、上記偏向ミラー面の駆動速度をさらに向上させて光ビームの偏向速度をさらに高めることができる。
また、伝達光学系を凹面ミラーで構成した場合の偏向手段としては、単一の偏向ミラー面を有する偏向素子(例えばガルバノミラーなど)を2つ並列配置したものを用いることができるが、以下のように構成された偏向手段を用いてもよい。すなわち、前記偏向手段は、前記第1偏向ミラー面を有する第1可動部材と、前記第2偏向ミラー面を有する第2可動部材と、前記第1および第2可動部材を前記主走査方向とほぼ直交する方向に伸びる前記主走査偏向軸回りに揺動自在に支持する支持部材と、前記ミラー駆動部とを備え、前記ミラー駆動部は、前記主走査偏向軸回りに前記第1および第2偏向ミラー面を揺動させて光ビームを偏向させている。ここで、第1可動部材、第2可動部材および支持部材については、一の基板を加工することで前記第1可動部材、前記第2可動部材および前記支持部材が一体的に形成するようにしてもよい。このように一体形成することで、本発明に最適な共振特性を持つ第1および第2偏向ミラー面を容易に作成でき、光ビームを安定して偏向することができる。また、偏向手段は、光ビームを偏向する偏向ミラー面を一方面に有する可動部材と、前記可動部材を前記主走査方向とほぼ直交する方向に伸びる前記主走査偏向軸回りに揺動自在に支持する支持部材と、前記ミラー駆動部とを備えている偏向素子2個ならなり、前記2個の一方の偏向素子の偏向ミラー面が前記第1偏向ミラー面であり、他方の偏向素子の偏向ミラー面が前記第2偏向ミラー面であるものを用いることができる。なお、基板加工方法についてはマイクロマシニング技術を適用することができ、該加工技術を用いることで高精度に偏向手段を作成することができ、光ビームの偏向角を安定させる上で有利となる。
また、前記基板、前記可動部材および前記支持部材としてシリコン単結晶を用いることができる。例えばシリコン単結晶の基板を支持部材として用いるとともに、この基板に対してマイクロマシニング技術を適用することで可動部材を形成することができる。このようにシリコン単結晶を用いて偏向素子の可動部材および支持部材を構成すると、第1および第2偏向ミラー面を高精度に製造することができる。また、ステンレス鋼と同程度のバネ特性で可動部材を揺動自在に支持することができ、第1および第2偏向ミラー面を安定して、しかも高速で揺動することができる。
また、第1および第2偏向ミラー面を揺動駆動させるための駆動力としては、静電吸着力や電磁気力などを用いることができるが、それぞれ以下のような特性を有している。静電吸着力を用いた場合、コイルパターンを形成する必要がなく、偏向素子の小型化が可能となり、光ビームの偏向動作をより高速化することができる。一方、電磁気力を用いた場合、静電吸着力を発生させる場合に比べて低い駆動電圧で、第1および第2偏向ミラー面を揺動駆動することができ、電圧制御が容易となり、偏向素子の位置制度を高めることができる。このように互いに異なる特徴を有しているため、使用目的に応じた駆動力を採用すればよい。
<発明の基本概念>
まず、この発明について図1ないし図3を用いて詳述する。図1は複数の偏向ミラー面によって光ビームを偏向する光走査装置の模式図、図2は図1の光走査装置が光ビームの偏向角を増大させるために必要な条件を示す模式図、図3は図2の条件を満たす位相時間差の根拠を示す模式図である。
図1はN個(ただし、N≧2の自然数)の偏向ミラー面を用いて光ビームを走査する光走査装置を示す模式図である。この装置では、光ビームが第1ないし第N偏向ミラー面951a,951b,951c,…,951m,951nによって偏向された後、第N偏向ミラー面951nから偏向角Θsで射出される。各偏向ミラー面の間には各々同一のパワーを有する伝達レンズ971a,972a,971b,972b,…,971m,972mが2個ずつ配設されて伝達光学系97a,97b,…,97mが構成されており、偏向ミラー面から偏向ミラー面へと光ビームを伝達する。第i偏向ミラー面の回転角が例えばΘiのとき、光ビームは第i偏向ミラー面により偏向角2・Θiの大きさで偏向される。図中の破線は、第3偏向ミラー面と第m偏向ミラー面との間に配設されている偏向ミラー面および伝達光学系の図示が省略されていることを示す。
伝達光学系97aないし97mは同一構成であるため、伝達光学系97aについてのみ説明を行い、他の伝達光学系については相当符号を付して説明を省略する。伝達光学系97aは、その前側焦点が第1偏向ミラー面951aのほぼ中心位置と略一致するように配置された伝達レンズ971aと、前側焦点が伝達レンズ971aの後側焦点と略一致するとともに、その後側焦点が第2偏向ミラー面951bのほぼ中心位置に略一致するように配置された伝達レンズ972aとを備えている。そして、第1偏向ミラー面951aにより伝達レンズ971aへ向けて第1偏向角2・Θ1で偏向した光ビームを、伝達レンズ971a,972aを介して第2偏向ミラー面951bに導くことで、第2偏向ミラー面951bにより該光ビームを伝達レンズ971bへ向けてさらに第2偏向角2・Θ2増大させた偏向角2・Θ1+2・Θ2で偏向する。
伝達レンズ971bに向けて偏向された光ビームは、伝達レンズ971b,972bを介して第3偏向ミラー面951cへ導光される。第3偏向ミラー面951cに導光された該光ビームを、第3偏向ミラー面951cにより次の伝達レンズ(図示省略)へ向けてさらに第3偏向角2・Θ3増大させた偏向角2・Θ1+2・Θ2+2・Θ3で偏向する。以下、同様の動作を光ビームが第N偏向ミラー面951nに導光されるまで行う。
そして、第N偏向ミラー面に導光された光ビームは、第N偏向ミラー面951nによって、さらに第N偏向角2・ΘN増大させた偏向角Θsで射出される。よって、偏向角Θsの大きさは、各偏向ミラー面による光ビームの偏向角の大きさの加算値となる。
ここでは、各偏向ミラー面は所定の揺動周波数で揺動しながら光ビームを偏向している。ところが、このような場合、各偏向ミラー面の揺動周波数や位相の設定状況によっては、各偏向ミラー面が光ビームの偏向角を互いに打ち消し合ってしまい、十分な偏向角が得られないことがある。そこで、本発明では図2に示す構成とすることによって、確実に必要な偏向角が得られるようにしている。以下、その構成について詳細に述べる。
図2は図1における第3偏向ミラー面951cを基準偏向ミラー面としたとき、第N偏向ミラー面951nから射出される光ビームの偏向角Θsが、第3偏向ミラー面951cによる光ビームの所定の方向における光ビームの最大偏向角2・Θ3maxよりも確実に大きくなるようにする構成を示す。図2(a)は基準偏向ミラー面(第3偏向ミラー面951c)の時刻tにおける回転角の大きさ、図2(b)は第1偏向ミラー面951aの時刻tにおける回転角の大きさ、図2(c)は第i偏向ミラー面(1≦i≦Nの自然数、ただし、i=1,3は除く)の時刻tにおける回転角の大きさを示す。
図2(a)に示すように基準偏向ミラー面(第3偏向ミラー面951c)は時刻t3maxの時に正方向に最大回転角Θ3maxとなり、最大偏向角2・Θ3maxで光ビームを偏向する。この時、第N偏向ミラー面951nから射出される光ビームの偏向角Θsを、2・Θ3maxより大きくするためには、他の偏向ミラー面による光ビームの偏向方向がすべて、基準偏向ミラー面(第3偏向ミラー面951c)による光ビームの偏向方向と同じ方向になるようにしてやればよい。つまり、図2(b)、(c)に示す第1および第i偏向ミラー面の、時刻t3maxにおける回転角の大きさΘ1a,Θiaが、Θ3maxと同一方向、すなわち正方向となっているように、基準偏向ミラー面を除く各偏向ミラー面の揺動周波数および位相を設定すればよい。このような構成とすることによって、確実に第N偏向ミラー面951nから射出される光ビームの偏向角Θsを、基準偏向ミラー面(第3偏向ミラー面951c)による光ビームの所定の方向における最大偏向角2・Θ3maxよりも大きくすることができる。
次に各偏向ミラー面が数2で示すような正弦波状に所定の揺動周波数で揺動しながら光ビームを偏向する構成とし、第A偏向ミラー面(1≦A≦Nの自然数)が基準偏向ミラー面とする。この場合、下記に詳述するように偏向ミラー面を揺動してやれば、確実に第N偏向ミラー面951nから射出される光ビームの偏向角Θsを、第A偏向ミラー面による光ビームの所定の方向における最大偏向角2・ΘAmaxよりも大きくすることができる。図3(a)は時刻tにおける第A偏向ミラー面の回転角の大きさを示し、第A偏向ミラー面は基準揺動周波数fで揺動している。また、図3(b)は位相がαimin遅れた状態、図3(c)は位相がαimax遅れた状態の第i偏向ミラー面(1≦i≦N、ただしAを除く)の時刻tにおける回転角の大きさを示し、第i偏向ミラー面は揺動周波数ki・f(ki:自然数)で揺動している。
図3(b)に示すように、第i偏向ミラー面の第A偏向ミラー面に対する位相遅れ時間をαiminより大きくすれば、第A偏向ミラー面(基準偏向ミラー面)による光ビームの偏向角が最大となる時刻tAmaxの時、光ビームは確実に、第i偏向ミラー面によって第A偏向ミラー面による光ビームの偏向方向と同じ方向に偏向される(PHBで示す範囲)。ここで、図3(c)に示すように、第i偏向ミラー面の第A偏向ミラー面に対する位相遅れ時間をαimaxより大きくすれば、第i偏向ミラー面による光ビームの偏向方向は、第A偏向ミラー面による光ビームの偏向方向と逆となるので、位相遅れ時間はαimaxより大きくしてはならない。
第i偏向ミラー面はkiを任意の自然数とするki・fを揺動周波数として揺動するように構成されている。ここで、第i偏向ミラー面の位相遅れ時間をtAmax(=1/(4f))とすることによって、時刻tAmaxの時の第i偏向ミラー面による光ビームの偏向角は0となる。ここから、さらに第i偏向ミラー面の位相を、第i偏向ミラー面の揺動周波数の半周期分(=1/(2ki・f))より大きく遅らせることによって、第i偏向ミラー面による光ビームの偏向方向が、第A偏向ミラー面による光ビームの偏向方向と同一(PHBで示す範囲)となる。よって、第N偏向ミラー面951nから射出される光ビームの偏向角Θsを、第A偏向ミラー面による光ビームの所定の方向における最大偏向角2・ΘAmaxよりも大きくすることができる。
また、1周期分以上(=1/(ki・f))遅らせると、第i偏向ミラー面による光ビームの偏向方向が、第A偏向ミラー面による光ビームの偏向方向と逆の方向となる(PHBで示す範囲の外)。よって、第N偏向ミラー面951nから射出される光ビームの偏向角Θsは、第A偏向ミラー面による光ビームの所定の方向における最大偏向角2・ΘAmaxより小さくなってしまう。
以上より、第i偏向ミラー面の位相差時間αiは数2で示される範囲となる。数2におけるh/kiは、第i偏向ミラー面は正弦波状に揺動しているため、各周期における位相条件を一般化して示したものである。
なお、各偏向ミラー面による光ビームの偏向回数は1回以上であれば何回でもよく、その場合の偏向角Θsは次式で示される。
Figure 0004496747
また、光ビームが射出する偏向ミラー面は、第1ないし第N偏向ミラー面のいずれかからでもよいことは言うまでもない。この場合でも、数2で示す揺動周波数・位相条件で、各偏向ミラー面を揺動駆動すれば、光ビームの偏向角Θsを、確実に第A偏向ミラー面(基準偏向ミラー面)による光ビームの所定の方向における最大偏向角2・ΘAmaxよりも大きくすることができる。
また、図1では伝達光学系は伝達レンズにより構成されているが、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、伝達光学系として種々の反射素子を用いたり、伝達レンズと反射素子を組み合わせたものを用いても構わない。以下に述べる実施形態のすべては、上述した構成となっている。
<第1実施形態>
図4は本発明にかかる光走査装置の第1実施形態たる露光ユニットを装備した画像形成装置を示す図である。また、図5は図4の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置は、いわゆる4サイクル方式のカラープリンタである。この画像形成装置では、ユーザからの画像形成要求に応じてホストコンピュータなどの外部装置から印字指令がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11のCPU111からの印字指令に応じてエンジンコントローラ10がエンジン部EGの各部を制御して複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに印字指令に対応する画像を形成する。
このエンジン部EGでは、感光体2(本発明の「潜像担持体」に相当)が図4の矢印方向(副走査方向)に回転自在に設けられている。また、この感光体2の周りにその回転方向に沿って、帯電ユニット3、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部(図示省略)がそれぞれ配置されている。帯電ユニット3には帯電制御部103が電気的に接続されており、所定の帯電バイアスを印加している。このバイアス印加によって感光体2の外周面が所定の表面電位に均一に帯電される。また、これらの感光体2、帯電ユニット3およびクリーニング部は一体的に感光体カートリッジを構成しており、感光体カートリッジが一体として装置本体5に対し着脱自在となっている。
そして、この帯電ユニット3によって帯電された感光体2の外周面に向けて本発明の光走査装置に相当する露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、外部装置から与えられた画像信号に応じて光ビームLを感光体2の表面(本発明の「被走査面」に相当)上に露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。なお、この露光ユニット6の構成および動作については後で詳述する。
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4(本発明の「現像手段」に相当)によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では、現像ユニット4は、軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、支持フレーム40に対して着脱自在のカートリッジとして構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、マゼンタ用の現像器4M、シアン用の現像器4C、およびブラック用の現像器4Kを備えている。そして、エンジンコントローラ10の現像器制御部104からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともにこれらの現像器4Y、4M、4C、4Kが選択的に感光体2と当接してまたは所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に位置決めされると、当該現像器に設けられて選択された色のトナーを担持する現像ローラから感光体2の表面にトナーを付与する。これによって、感光体2上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72、73等に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。
また、ローラ72の近傍には、転写ベルトクリーナ(図示省略)、濃度センサ76(図5)および垂直同期センサ77(図5)が配置されている。これらのうち、濃度センサ76は、中間転写ベルト71の表面に対向して設けられており、中間転写ベルト71の外周面に形成されるパッチ画像の光学濃度を測定する。また、垂直同期センサ77は、中間転写ベルト71の基準位置を検出するためのセンサであり、中間転写ベルト71の副走査方向への回転駆動に関連して出力される同期信号、つまり垂直同期信号Vsyncを得るための垂直同期センサとして機能する。そして、この装置では、各部の動作タイミングを揃えるとともに各色のトナー像を正確に重ね合わせるために、装置各部の動作はこの垂直同期信号Vsyncに基づいて制御される。
そして、カラー画像をシートに転写する場合には、感光体2上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、カセット8から1枚ずつ取り出され搬送経路Fに沿って二次転写領域TR2まで搬送されてくるシート上にカラー画像を二次転写する。
このとき、中間転写ベルト71上の画像をシート上の所定位置に正しく転写するため、二次転写領域TR2にシートを送り込むタイミングが管理されている。具体的には、搬送経路F上において二次転写領域TR2の手前側にゲートローラ81が設けられており、中間転写ベルト71の周回移動のタイミングに合わせてゲートローラ81が回転することにより、シートが所定のタイミングで二次転写領域TR2に送り込まれる。
また、こうしてカラー画像が形成されたシートは定着ユニット9および排出ローラ82を経由して装置本体5の上面部に設けられた排出トレイ部51に搬送される。また、シートの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートを排出ローラ82によりスイッチバック移動させる。これによってシートは反転搬送経路FRに沿って搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送経路Fに乗せられるが、このとき、二次転写領域TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートの両面に画像を形成することができる。
なお、図5において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像データを記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリであり、符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。
図6は図4の画像形成装置に装備された露光ユニット(光走査装置)の構成を示す主走査断面図、図7は露光ユニットの一構成要素たる伝達光学系を示す図、図8は本実施形態における光ビームの偏向角を示す模式図、図9および図10は露光ユニットの一構成要素たる偏向素子を示す図である。以下、これらの図面を参照しつつ、露光ユニットの構成および動作について詳述する。
この露光ユニット6は露光筐体61を有している。そして、露光筐体61に単一のレーザー光源62が固着されており、レーザー光源62から光ビームを射出可能となっている。このレーザー光源62は、露光制御部102の光源駆動部(図示省略)と電気的に接続されている。このため、画像データに応じて光源駆動部がレーザー光源62をON/OFF制御してレーザー光源62から画像データに対応して変調された光ビームが射出される。
また、この露光筐体61の内部には、レーザー光源62からの光ビームを感光体2の表面(図示省略)に走査露光するために、コリメータレンズ631、シリンドリカルレンズ632、本発明の「偏向手段」に相当する偏向素子85a,85b、走査レンズ66、伝達光学系87および折り返しミラー68が設けられている。すなわち、レーザー光源62からの光ビームは、コリメータレンズ631により適当な大きさのコリメート光にビーム整形された後、副走査方向Yにのみパワーを有するシリンドリカルレンズ632に入射される。また、シリンドリカルレンズ632を通過した光ビームは折り返しミラー641により折り返される。そして、シリンドリカルレンズ632を調整することでコリメート光は副走査方向Yにおいて偏向素子85aの偏向ミラー面851a付近で結像される。このように、この実施形態では、コリメータレンズ631およびシリンドリカルレンズ632がレーザー光源62からの光ビームを整形するビーム整形系63として機能している。
偏向手段85は、偏向素子85a,85bの2つで構成されている。偏向素子85a,85bは同一構造であるため、ここでは一方の偏向素子85aの構成について説明し、他方の偏向素子85bの構成については相当の符号を付して説明を省略する。偏向素子85aは半導体製造技術を応用して微小機械を半導体基板上に一体形成するマイクロマシニング技術を用いて形成されるものであり、偏向ミラー面851aで反射した光ビームを主走査方向Xに偏向可能となっている。より具体的には、偏向素子85aは次のように構成されている。
この偏向素子85aでは、図9に示すように、シリコン基板852aが本発明の「支持部材」として機能し、さらに該シリコン基板852aの一部を加工することで可動板856a(本発明における「可動部材」)が設けられている。この可動板856aは平板状に形成され、ねじりバネ857aによってシリコン基板852aに弾性支持されており、副走査方向Yとほぼ平行に伸びる第1軸BX1a回りに揺動自在となっている。また、この可動板856aの上面中央部には、アルミニューム膜などが偏向ミラー面851aとして成膜されている。
また、シリコン基板852aの略中央部には、図10に示すように、可動板856aが第1軸BX1a回りに揺動可能となるように、凹部8521aが設けられている。この凹部8521aの内底面のうち可動板856aの両端部に対向する位置に電極8581a、8582aがそれぞれ固着されている。これら2つの電極8581a、8582aは可動板856aを第1軸BX1a回りに揺動駆動するための電極として機能するものである。すなわち、これらの電極8581a、8582aは露光制御部102の駆動部(図示省略)と電気的に接続されており、電極への電圧印加によって該電極と第1偏向ミラー面851aとの間に静電吸着力が作用して第1偏向ミラー面851aの一方端部を該電極側に引き寄せる。したがって、駆動部から所定の電圧を電極8581a、8582aに交互に印加すると、ねじりバネ857aを第1軸BX1aとして第1偏向ミラー面851aを往復振動させることができる。なお、この実施形態では、第1偏向ミラー面851aを基準偏向ミラー面とし、第1偏向ミラー面851aと第2偏向ミラー面851bは数2に示す正弦波状に、互いに同位相および同一周波数で揺動するように構成している。
このように偏向手段85では、露光制御部102の駆動部が本発明の「ミラー駆動部」として機能し、該駆動部を制御することによって偏向ミラー面851a,851bを第1軸回りに上記正弦波上に揺動させることで光ビームを偏向して主走査方向Xに走査させている。すなわち、第1軸を主走査偏向軸として機能させる。
上記のように構成された偏向素子85aの第1偏向ミラー面851aで偏向された光ビームは伝達光学系87に入射された後、この伝達光学系87によって偏向素子85bの第2偏向ミラー面851bによって再偏向されて伝達光学系87に入射される。そして、再び偏向素子85aの第1偏向ミラー面851aに戻される。そのため、偏向素子85aにより例えば第1偏向角に偏向された光ビームは、偏向素子85bの第2偏向ミラー面851bによって伝達光学系87に向けてさらに偏向され、偏向素子85aに戻される。そして、第1偏向角よりも大きな偏向角で走査レンズ66に向けて偏向される。この実施形態では、伝達光学系87は次のように構成されている。
図7は伝達光学系の構成を示す図である。この伝達光学系87は、その前側焦点が第1偏向ミラー面851aのほぼ中心位置と略一致するように配置された第1伝達レンズ871と、前側焦点が第1伝達レンズ871の後側焦点と略一致するとともに、その後側焦点が第2偏向ミラー面851bのほぼ中心位置に略一致するように配置された第2伝達レンズ872とを備えている。そして、第1偏向ミラー面851aにより第1伝達レンズ871へ向けて第1偏向角2・Θ1で偏向した光ビームを、第1および第2伝達レンズ871,872を介して第2偏向ミラー面851bに導くとともに、第2偏向ミラー面851bにより該光ビームを第2伝達レンズ872へ向けて偏向角2・Θ1+2・Θ2で偏向することによって第1偏向ミラー面851aへ導光する。これによって、光ビームが第1偏向ミラー面851aによって再度偏向されて、第1偏向角2・Θ1よりも大きな偏向角Θsで光ビームが走査レンズ66に向けて射出される(図8参照)。
このような特性を有する伝達光学系87の具体的な構成としては、表1で示す光学諸元を有するものを採用することができる。
Figure 0004496747
なお、本設計例においては伝達光学系87を構成する第1伝達レンズ871の2面S1,S2および第2伝達レンズ872の2面S3,S4は軸対称非球面である。また、表中における各記号は以下の通りである。
Si:面番号(ただし、S0は第1偏向ミラー面851a、S5は第2偏向ミラー面851b)
ri:面番号iの曲率半径
di:面番号iから(i+1)の面までの軸上距離
ni:面番号iの屈折率
Ki:面番号iが軸対称非球面の場合に次式で示される軸対称非球面の非球面係数
Figure 0004496747
ただし、zは光軸からの高さyにおける非球面の点の非球面頂点の接平面からの距離である。
この実施形態では、第1偏向ミラー面851aでの光ビームの反射位置と第2偏向ミラー面851bでの光ビームの反射位置とが共役な関係となっているため、光ビームを確実に、第1偏向ミラー面851aから第2偏向ミラー面851bへ、第2偏向ミラー面851bから第2偏向ミラー面851aへと導き、光ビームを安定して偏向することができる。
このように偏向素子85aに2回入射して偏向された光ビームは走査レンズ66および折り返しミラー68を介して感光体2の表面(被走査面)に照射される。これにより、光ビームが主走査方向Xと平行に走査して主走査方向Xに伸びるライン状の潜像が感光体2の表面上に形成される。
このようにこの実施形態では、図8に示すように、第1偏向ミラー面851aから走査レンズ66へ向けて射出される光ビームの偏向角Θsは、第1偏向ミラー面851aによる光ビームの偏向角を第1偏向角2・Θ1、第2偏向ミラー面851bによる光ビームの偏向角を第2偏向角2・Θ2とすると、4・Θ1+2・Θ2となる。ここで、第1および第2偏向ミラー面851a,851bは数2で示す正弦波状に揺動しているめ、Θsは数3においてN=2とした場合に相当する。
なお、この実施形態では、図6に示すように、偏向素子65からの走査光ビームの開始または終端を折り返しミラー69a〜69cにより同期センサ60に導いている。すなわち、この実施形態では、同期センサ60を、主走査方向Xにおける同期信号、つまり水平同期信号Hsyncを得るための水平同期用読取センサとして機能させている。
以上のように、この実施形態によれば、偏向手段85は、主走査方向Xに対してほぼ直交する副走査方向Yと平行な第1軸(主走査偏向軸)回りに揺動して光ビームを偏向する第1および第2偏向ミラー面851a,851bを備えている。そして、第1偏向ミラー面851aにより伝達光学系87に向けて偏向された光ビームは、伝達光学系87により第2偏向ミラー面851bに導かれることによって、第2偏向ミラー面851bにより伝達光学系87に偏向されて、伝達光学系87により第1偏向ミラー面851aに導かれる。そして、第1偏向ミラー面851aにより再度偏向されて感光体2の表面(被走査面)に向けて射出される。このようにして、感光体表面に向けて射出される光ビームの偏向角を伝達光学系67に入射する光ビームの偏向角よりも大きくしている。また、ミラー駆動部は、第1偏向ミラー面851aを基準偏向ミラー面とし、第1偏向ミラー面851aによる所定方向における光ビームの偏向角の大きさが最大偏向角となる時に、第2偏向ミラー面は該光ビームを第1偏向ミラー面851aによる光ビームの偏向方向と同一方向に偏向するように第1および第2偏向ミラー面851a,851bを揺動駆動している。
したがって、基準偏向ミラー面(第1偏向ミラー面851a)による所定方向における光ビームの偏向角が最大偏向角となる時、第2偏向ミラー面も、該光ビームを同じ所定方向に偏向するように構成されている。よって、基準偏向ミラー面による所定方向における光ビームの偏向角が最大偏向角となる時に、第2偏向ミラー面により基準偏向ミラー面による光ビームの偏向方向と同じ方向に光ビームをさらに偏向することによって、被走査面へ向けて射出される光ビームの偏向角を確実に基準偏向ミラー面による光ビームの最大偏向角よりも大きくすることができる。
また、この実施形態では、第1偏向ミラー面851aは数2においてi=1、k1=1、α1=0、h=0で表される正弦波状に揺動して光ビームを偏向している。また、第2偏向ミラー面851aは数2においてi=2、k2=1、α2=0、h=0で表される正弦波状に揺動して光ビームを偏向している。したがって、基準偏向ミラー面(第1偏向ミラー面851a)による光ビームの偏向角が最大偏向角となる時に、第2偏向ミラー面により基準偏向ミラー面による光ビームの偏向方向と同じ方向に光ビームをさらに偏向することによって、被走査面へ向けて射出される光ビームの偏向角を確実に基準偏向ミラー面による光ビームの最大偏向角よりも大きくすることができる。
また、この実施形態では、第1偏向ミラー面851aが主走査方向Xとほぼ直交する副走査平面において感光体2の表面(被走査面)とほぼ共役となるように構成しているので(図示省略)、被走査面と共役関係を有する第1偏向ミラー面851aの副走査方向Yへの揺動の影響を防止することができる。また、副走査方向Yにおける第1偏向ミラー面851aのサイズを小さくして偏向素子85aの小型化、軽量化することができる。
<第2実施形態>
図11は本発明にかかる光走査装置の第2実施形態を示す図である。図11および図12は図4の画像形成装置に装備された露光ユニット(光走査装置)の構成を示す主走査断面図、図13は図4の画像形成装置に装備された露光ユニット(光走査装置)の構成を示す副走査断面図、図14および図15は露光ユニットの一構成要素たる偏向素子(偏向手段)を示す図である。この実施形態が上記第1実施形態を大きく相違する点は、図11に示すように、第1偏向ミラー面651aと第2偏向ミラー面651bとの間で光ビームを伝達する伝達光学系67の構成と偏向素子65の構成が異なる点である。以下、これらの図面を参照しつつ、上記第1実施形態と相違する点を中心に露光ユニットの構成および動作について詳述する。
この実施形態では、折り返しミラー641、集束レンズ64、本発明の「偏向手段」に相当する偏向素子65、伝達光学系67がさらに設けられている。すなわち、レーザー光源62からの光ビームは、コリメータレンズ631により適当な大きさのコリメート光にビーム整形された後、図13に示すように副走査方向Yにのみパワーを有するシリンドリカルレンズ632に入射される。また、シリンドリカルレンズ632を通過した光ビームは折り返しミラー641により折り返された後、図12に示すように主走査方向Xにのみパワーを有する集束レンズ64に入射される。そして、シリンドリカルレンズ632を調整することでコリメート光は副走査方向Yにおいて偏向素子65の偏向ミラー面651a付近で結像される。このように、この実施形態では、コリメータレンズ631およびシリンドリカルレンズ632がレーザー光源62からの光ビームを整形するビーム整形系63として機能している。一方、集束レンズ64の焦点距離は該レンズ64と第1偏向ミラー面651aとの面間距離よりも長くなっている。このため、偏向素子65の偏向ミラー面651a付近では主走査方向Xに伸びる線像が形成される。
この偏向素子65は半導体製造技術を応用して微小機械を半導体基板上に一体形成するマイクロマシニング技術を用いて形成されるものであり、偏向ミラー面651a,651bで反射した光ビームを主走査方向Xに光ビームを偏向可能となっている。より具体的には、偏向素子65は次のように構成されている。
この偏向素子65では、図14に示すように、シリコンの単結晶基板(以下「シリコン基板」という)652が本発明の「支持部材」として機能し、さらに該シリコン基板652の一部を加工することで2つの可動板(本発明の「第1および第2可動部材」に相当)656a,656bが主走査方向Xに所定間隔だけ離隔して設けられている。この可動板656aは平板状に形成され、ねじりバネ657によってシリコン基板652に弾性支持されており、副走査方向Yとほぼ平行に伸びる第1軸AX1a回りに揺動自在となっている。また、この可動板656aの上面中央部には、アルミニューム膜などが第1偏向ミラー面651aとして成膜されている。また、可動板656bも可動板656aと同様に構成されている。すなわち、平板状に形成された可動板656bは第1軸AX1b回りにシリコン基板652に対して揺動自在に設けられるとともに、この可動板656aの上面中央部にアルミニューム膜などが第2偏向ミラー面651bとして成膜されている。
また、シリコン基板652の凹部652aの内底面のうち可動板656a,656bの各々について、可動板の両端部に対向する位置に電極658a,658bがそれぞれ固着されている。これら2つの電極658a,658bは可動板656a,656bを第1軸AX1a、AX1b回りに揺動駆動するための電極として機能するものである。すなわち、これらの電極658a,658bは露光制御部102の駆動部(図示省略)と電気的に接続されており、電極への電圧印加によって該電極と偏向ミラー面651a,651bとの間に静電吸着力が作用して偏向ミラー面651a,651bの一方端部を該電極側に引き寄せる。したがって、駆動部から所定の電圧を電極658a,658bに交互に印加すると、ねじりバネ657を第1軸AX1a,AX1bとして偏向ミラー面651a,651bをそれぞれ往復振動させることができる。なお、この実施形態では、第1偏向ミラー面651aを基準偏向ミラー面とし、第1偏向ミラー面651aと第2偏向ミラー面651bは数2に示す正弦波状に、互いに逆位相および同一周波数で揺動するように構成している。すなわち、第2偏向ミラー面651bは逆位相であるため、数2より、
Θ2(t)=−Θ2max・sin{2π・k2・f(t−α2)−π}
(ただし、k2=1,α2=0)
で揺動している。他の条件はすべて上記第1実施形態と同一である。
このように偏向素子(偏向手段)65では、露光制御部102の駆動部が本発明の「ミラー駆動部」として機能し、該駆動部を制御することによって偏向ミラー面651a,651bを第1軸AX1a、AX1b回りに逆位相で揺動させることで光ビームを偏向して主走査方向Xに走査させている。すなわち、第1軸AX1a、AX1bを主走査偏向軸として機能させる。
上記のように構成された偏向素子65の第1偏向ミラー面651aで反射された光ビームは伝達光学系67に入射された後、この伝達光学系67によって偏向素子65の第2偏向ミラー面651bに戻される。そのため、偏向素子65により例えば第1偏向角に偏向された光ビームは第1偏向角よりも大きな偏向角で走査レンズ66に向けて射出される。この実施形態では、伝達光学系67は次のように構成されている。
この伝達光学系67は、図12に示すように、1枚の凹面ミラー671で構成されており、凹面ミラー671の反射面671aと、第1および第2偏向ミラー面651a,651bとが互いに対向するように配置されている。そして、第1偏向ミラー面651aにより偏向された光ビームを凹面ミラー671の反射面671aにより反射して第2偏向ミラー面651bに導光している。この実施形態では、凹面ミラー671として反射面671aを楕円面に形成した楕円面鏡を用いている。より詳しくは、第1偏向ミラー面651aのほぼ中心位置P1aと、第2偏向ミラー面651bのほぼ中心位置P1bとを焦点とする楕円を、2つの中心位置P1a,P1bを通過する仮想直線VLを回転軸として回転させることで形成される楕円面の一部を反射面671aとして用いている。そのため、次のような作用効果が得られる。すなわち、2つの焦点に第1および第2偏向ミラー面651a,651bがそれぞれ位置するため、第1偏向ミラー面651aにより偏向された光ビームの主光線は凹面ミラー面(楕円反射面)671aにより反射された後、第2偏向ミラー面651bに入射する。したがって、第1偏向ミラー面651aにより偏向された光ビームを第2偏向ミラー面651bに確実に導くことができる。そして、この光ビームは第2偏向ミラー面651bにより偏向されて走査レンズ66に向けて射出される。その結果、光ビームを安定して走査することができる。
こうして偏向素子65により偏向された光ビームは走査レンズ66および折り返しミラー68を介して感光体2の表面(被走査面)に照射される。これにより、光ビームが主走査方向Xと平行に走査して主走査方向Xに伸びるライン状の潜像が感光体2の表面上に形成される。
この実施形態においても、第1および第2偏向ミラー面651a,651bは上記第1実施形態と同様に揺動駆動されているため、上記第1実施形態と同様の作用効果を有する。
また、この実施形態では、伝達光学系として、その反射面671aが第1および第2偏向ミラー面651a,651bに対向するように配置された凹面ミラー671を備え、凹面ミラー面671aが第1偏向ミラー面651aにより偏向された光ビームを第2偏向ミラー面651bに反射することによって、該光ビームが第2偏向ミラー面651bから感光体2の表面(被走査面)に向けて射出されるように構成されている。さらに、第1偏向ミラー面651aと第2偏向ミラー面651bは互いに同一周波数および逆位相で揺動駆動されて光ビームを偏向している。このように伝達光学系67として凹面ミラー671を用いることで1枚の凹面ミラー671で伝達光学系67を構成することができ、伝達光学系を構成するにあたり複数の光学部品(2枚の伝達レンズ)を必須としていた従来装置に比べ、伝達光学系を簡素で、しかも少ない光学部品点数で構成することができる。また、伝達レンズが不要となることで色収差の影響を排除することができ、優れた安定性で光ビームを偏向させることができる。
また、この実施形態では、第1および第2偏向ミラー面651a,651bを主走査方向Xと平行な方向に並べて配置している。したがって、主走査平面に対して角度をつけて光ビームを第1および第2偏向ミラー面651a,651bに入射・射出させる必要がなくなる。つまり、同一の主走査平面内に光走査装置の光学部品を配置することができる。その結果、副走査方向Yにおける装置サイズの小型化、つまり装置の薄型化を図ることができる。
また、この実施形態では、第1および第2偏向ミラー面651a,651bの両方が主走査方向Xとほぼ直交する副走査平面において感光体2の表面(被走査面)とほぼ共役となるように構成している。このような構成を採用することで、両偏向ミラー面651a,651bの副走査方向Yへの揺動の影響を防止することができる。また、副走査方向Yにおける上記偏向ミラー面651a,651bのサイズを小さくして偏向素子(偏向手段)の小型化、軽量化することができる。その結果、上記偏向ミラー面651a,651bの駆動速度をさらに向上させて光ビームの走査速度をさらに高めることができる。
さらに、この実施形態では、一のシリコン基板652をマイクロマシニング加工技術を用いて第1偏向ミラー面651a,651bおよび支持部材を一体的に形成しているので、高精度に偏向素子(偏向手段)65を作成することができ、光ビームの走査性を向上させる上で有利となる。また、ステンレス鋼と同程度のバネ特性で可動板656a,656bを揺動自在に支持することができ、第1および第2偏向ミラー面651a,651bを安定して、しかも高速で揺動することができる。
<第3実施形態>
図16および図17は本発明にかかる光走査装置の第3実施形態を示す主走査断面図である。また、図18は図16の光走査装置の副走査断面図である。この第3実施形態にかかる光走査装置たる露光ユニット6が上記第2実施形態と大きく相違する点は、偏向素子65の構成である。すなわち、第2実施形態では、図18に示すように、第1および第2偏向ミラー面651a,651bが副走査方向Yに並べて配置されている点である。このように構成された露光ユニット6では、レーザー光源62からの光ビームは、コリメータレンズ631により適当な大きさのコリメート光にビーム整形された後、同図に示すように副走査方向Yにのみパワーを有するシリンドリカルレンズ632に入射される。また、シリンドリカルレンズ632を通過した光ビームは図17に示すように主走査方向Xにのみパワーを有する集束レンズ64に入射された後、折り返しミラー641により第1偏向ミラー面651aに向けて折り返される。そして、シリンドリカルレンズ632を調整することでコリメート光は副走査方向Yにおいて下方位置の偏向ミラー面651a付近で結像される。また、この偏向ミラー面651aで偏向された光ビームは伝達光学系67の凹面ミラー面671aにより反射されて上方位置の偏向ミラー面651bに導光され、該偏向ミラー面651bにより走査レンズ66に向けて偏向される。
この第3実施形態においても、上記第2実施形態と同様に第1および第2偏向ミラー面651a,651bが揺動駆動されているので、第2実施形態と同様の作用効果を奏する。また、光ビームを伝達光学系67の凹面ミラー671で折り返すように構成しているため、第2実施形態と同様の作用効果を有する。また、第1および第2偏向ミラー面651a,651bを副走査方向Yに並べて配置しているので、図16や図17に示すように主走査平面において偏向素子(偏向手段)65が占める面積が最小化され、主走査平面での装置サイズを低減することができ、装置の小型化が可能となる。
なお、第2および第3実施形態では、第1および第2偏向ミラー面651a,651bの両方が副走査平面において感光体2の表面(被走査面)とほぼ共役となっているが、第1および第2偏向ミラー面651a,651bのいずれか一方のみを感光体2の表面(被走査面)とほぼ共役としてもよく、このような構成を採用することで、被走査面と共役関係を有する偏向ミラー面の副走査方向への揺動の影響を防止することができる。
また、上記第1および第2実施形態では偏向手段として第1および第2偏向ミラー面651a,651bが一体化された偏向素子65を用いているが、1つの偏向ミラー面を有するガルバノミラーのような振動ミラーを2つ並列配置して用いてもよいことは言うまでもない。
なお、上記第1ないし第3実施形態では、静電気力を用いて偏向ミラー面651a,651b,851aおよび851bを揺動させているが、他の駆動力を用いて揺動させるようにしてもよい。ここで、他の駆動力として例えば電磁気力を利用することができる。
<第4実施形態>
図19および図20は本発明にかかる光走査装置の第4実施形態を示す図である。この第4実施形態が上記第1実施形態と大きく相違する点は、偏向ミラー面851a,851bを電磁気力を利用して揺動駆動している点であり、その他の構成は第1実施形態と同様である。第2および第3実施形態の偏向素子65においても、本実施形態と同様の構成をとることによって偏向ミラー面651a,651bを電磁気力を利用して揺動駆動することができる。ここでは、図19および図20に示す偏向素子85aを例にあげて説明を行う。
偏向素子85aでは、図19に示すように、シリコン基板852aの一部を加工することで可動板856aが設けられている。この可動板856aは平板状に形成され、ねじりバネ857aによってシリコン基板852aに弾性支持されており、副走査方向Yとほぼ平行に伸びる第1軸BX1a回りに揺動自在となっている。また、可動板856aの上面には、シリコン基板852a上面に形成した一対の外側電極端子(図示省略)にねじりバネ857aを介して電気的に接続する平面コイル855aが絶縁層で被膜されて設けられている。また、この可動板856aの上面中央部には、アルミニューム膜などが偏向ミラー面851aとして成膜されている。
また、シリコン基板852aの略中央部には、図20に示すように、可動板856aが第1軸BX1a回りに揺動可能となるように、凹部8521aが設けられている。そして、凹部8521aの内底面には、可動板856aの両端部の外方位置に永久磁石8591a、8592aが互いに異なる方位関係で固着されている。また、平面コイル855aは、露光制御部102の駆動部(図示省略)と電気的に接続されており、コイル855aへの通電によって平面コイル855aを流れる電流の方向と永久磁石8591a、8592aによる磁束の方向によりローレンツ力が作用し、可動板856aを回転するモーメントが発生する。これにより、可動板856a(偏向ミラー面851a)がねじりバネ857aを第1軸BX1aとして揺動する。ここで、平面コイル855aに流す電流を交流とし連続的に反復動作すれば、ねじりバネ857aを第1軸BX1aとして偏向ミラー面851aを往復振動させることができる。
このように第1偏向ミラー面851aを揺動させるために、電磁気力や静電気力などを用いているが、いずれを用いてもよいことは言うまでもない。ただし、駆動方式ごとに以下のような特徴を有しているため、それらを考慮した上で適宜採用するのが望ましい。すなわち、第1偏向ミラー面851aを揺動駆動させるための駆動力として電磁気力を用いた場合、静電吸着力を発生させる場合に比べて低い駆動電圧で第1偏向ミラー面851aを揺動駆動することができ、電圧制御が容易となり、走査光ビームの位置精度を高めることができる。これに対し、上記駆動力として静電吸着力を用いた場合、コイルパターンを形成する必要がなく、偏向素子85aのさらなる小型化が可能となり、偏向走査をより高速化することができる。
なお、上記第2および第3実施形態では第1および第2偏向ミラー面651a,651bが一体となった偏向素子65を利用しているが、第1および第4実施形態における偏向素子85a,85bを並列させて利用してもよいことはいうまでもない。
上記実施形態では、この発明にかかる光走査装置をカラー画像形成装置の露光ユニットとして用いているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではない。すなわち、感光体などの潜像担持体上に光ビームを走査して静電潜像を形成するとともに、該静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する画像形成装置の露光手段として用いることができる。もちろん、光走査装置の適用対象は画像形成装置に装備される露光手段に限定されるものではなく、光ビームを被走査面上に走査させる光走査装置全般に適用することができる。
複数の偏向ミラー面によって光ビームを偏向する光走査装置の模式図である。 図1の光走査装置が光ビームの偏向角を増大させるために必要な条件を示す模式図である。 図2の条件を満たす位相時間差の根拠を示す模式図である。 本発明にかかる光走査装置の第1実施形態たる露光ユニットを装備した画像形成装置を示す図である。 図4の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。 図4の画像形成装置に装備された露光ユニット(光走査装置)の構成を示す主走査断面図である。 図4の画像形成装置に装備された露光ユニット(光走査装置)の一構成要素たる伝達光学系を示す図である。 図4の画像形成装置に装備された露光ユニット(光走査装置)における光ビームの偏向角を示す模式図である。 露光ユニットの一構成要素たる偏向素子を示す図である。 露光ユニットの一構成要素たる偏向素子を示す図である。 本発明にかかる光走査装置の第2実施形態を示す主走査断面図である。 本発明にかかる光走査装置の第2実施形態を示す主走査断面図である。 図11および図12の光走査装置の副走査断面図である。 本発明にかかる光走査装置の第2実施形態たる露光ユニットの偏向素子を示す図である。 本発明にかかる光走査装置の第2実施形態たる露光ユニットの偏向素子を示す図である。 本発明にかかる光走査装置の第3実施形態を示す主走査断面図である。 本発明にかかる光走査装置の第3実施形態を示す主走査断面図である。 図11および図12の光走査装置の副走査断面図である。 本発明にかかる光走査装置の第4実施形態たる露光ユニットの偏向素子を示す図である。 本発明にかかる光走査装置の第4実施形態たる露光ユニットの偏向素子を示す図である。
符号の説明
2…感光体(潜像担持体)、 4…現像ユニット(現像手段)、 6…露光ユニット(光走査装置)、 65…偏向素子(偏向手段)、 85a,85b…偏向素子(偏向手段)、 67,87…伝達光学系、 651a,651b,851a,851b,951a,951b,951c,951m,951n…偏向ミラー面、 652,852a…シリコン基板(支持部材)、 656a,656b,856a…可動板(可動部材)、 671…凹面ミラー(伝達光学系)、 671a…凹面ミラー面、 871,872…伝達レンズ、 L…光ビーム、 P1a,P1b...反射位置、 AX1a,AX1b,BX1a…主走査偏向軸、 X…主走査方向、 Y…副走査方向

Claims (17)

  1. 光ビームを射出する光源と、
    それぞれ独立した主走査偏向軸回りに揺動自在に設けられた第1ないし第N偏向ミラー面(ただしN≧2の自然数)と、
    前記第1ないし第N偏向ミラー面を前記主走査偏向軸回りに揺動駆動するミラー駆動部とを備え、
    前記光源からの光ビームが前記第1偏向ミラー面に向けて入射されるとともに、前記第1ないし第N偏向ミラー面の間で各偏向ミラー面により少なくとも1回以上偏向された後、前記第1ないし第Nミラー面のいずれかから被走査面に向けて射出され、
    前記ミラー駆動部は、前記第1ないし第N偏向ミラー面のうち前記第A偏向ミラー面(ただし1≦A≦Nの自然数)を基準偏向ミラー面とし、前記基準偏向ミラー面による所定方向における該光ビームの偏向角の大きさが最大偏向角となる時に、前記基準偏向ミラー面を除く前記偏向ミラー面の各々が該光ビームを前記所定方向に偏向するように前記第1ないし第N偏向ミラー面を各々下記の式の回転角Θi(t)で示す正弦波状に揺動駆動することを特徴とする光走査装置。
    Figure 0004496747
  2. 前記第1および第2偏向ミラー面と前記ミラー駆動部とを有し、前記光源からの光ビームを前記主走査偏向軸とほぼ直交する主走査方向に偏向する偏向手段と、
    前記第1偏向ミラー面により偏向された光ビームを前記第2偏向ミラー面に導く伝達光学系とを備え、
    前記伝達光学系は、その反射面が前記第1および第2偏向ミラー面に対向するように配置された凹面ミラーを備え、前記凹面ミラー面が前記第1偏向ミラー面により偏向された光ビームを前記第2偏向ミラー面に反射することによって、該光ビームが前記第2偏向ミラー面から前記被走査面に向けて射出される請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記ミラー駆動部は前記第1偏向ミラー面と前記第2偏向ミラー面を互いに逆位相および同一周波数で揺動駆動する請求項記載の光走査装置。
  4. 前記凹面ミラー面は、前記第1偏向ミラー面のほぼ中心位置と、前記第2偏向ミラー面のほぼ中心位置とを焦点とする楕円を、前記2つの中心位置を通過する仮想直線を回転軸として回転させることで形成される楕円面となっている請求項または記載の光走査装置。
  5. 前記第1および第2偏向ミラー面は前記主走査方向と平行な方向に並べて配置される請求項ないしのいずれかに記載の光走査装置。
  6. 前記第1および第2偏向ミラー面は前記主走査方向とほぼ直交する副走査方向に並べて配置されている請求項ないしのいずれかに記載の光走査装置。
  7. 前記第1および第2偏向ミラー面の少なくとも一方が前記主走査方向とほぼ直交する副走査平面において前記被走査面とほぼ共役となっている請求項ないしのいずれかに記載の光走査装置。
  8. 前記第1および第2偏向ミラー面と前記ミラー駆動部とを有し、前記光源からの光ビームを前記主走査偏向軸とほぼ直交する主走査方向に偏向する偏向手段と、
    前記第1および第2偏向ミラー面の間で光ビームを伝達する伝達光学系とを備え、
    前記伝達光学系は、その前側焦点が前記第1偏向ミラー面のほぼ中心位置と略一致するように配置された第1伝達レンズと、その前側焦点が前記第1伝達レンズの後側焦点と略一致するとともに、その後側焦点が前記第2偏向ミラー面のほぼ中心位置に略一致するように配置された第2伝達レンズとを備え、
    前記第1偏向ミラー面により前記第1伝達レンズへ向けて偏向した光ビームを、前記第1および第2伝達レンズを介して前記第2偏向ミラー面に導くとともに、前記第2偏向ミラー面により該光ビームを前記第2伝達レンズへ向けて偏向して前記第2および第1伝達レンズを介して前記第1偏向ミラー面へ導くことで、前記第1偏向ミラー面により該光ビームを再度偏向して、前記被走査面に向けて射出する請求項1に記載の光走査装置。
  9. 前記ミラー駆動部は前記第1偏向ミラー面と前記第2偏向ミラー面を互いに同位相および同一周波数で揺動駆動する請求項記載の光走査装置。
  10. 前記第1偏向ミラー面が前記主走査方向とほぼ直交する副走査平面において前記被走査面とほぼ共役となっている請求項またはに記載の光走査装置。
  11. 前記偏向手段は、
    前記第1偏向ミラー面を有する第1可動部材と、
    前記第2偏向ミラー面を有する第2可動部材と、
    前記第1および第2可動部材を前記主走査方向とほぼ直交する方向に伸びる前記主走査偏向軸回りに揺動自在に支持する支持部材と、
    前記ミラー駆動部とを備え、
    前記ミラー駆動部は、前記主走査偏向軸回りに前記第1および第2偏向ミラー面を揺動させて光ビーム偏向させる請求項ないしのいずれかに記載の光走査装置。
  12. 前記偏向手段は、光ビームを偏向する偏向ミラー面を一方面に有する可動部材と、前記可動部材を前記主走査方向とほぼ直交する方向に伸びる前記主走査偏向軸回りに揺動自在に支持する支持部材と、前記ミラー駆動部とを備えている偏向素子2個からなり、
    前記2個の一方の偏向素子の偏向ミラー面が前記第1偏向ミラー面であり、他方の偏向素子の偏向ミラー面が前記第2偏向ミラー面である請求項ないし10のいずれかに記載の光走査装置。
  13. 一の基板を加工することで前記可動部材および前記支持部材が一体的に形成された請求項11または12記載の光走査装置。
  14. 前記基板、前記可動部材および前記支持部材はシリコン単結晶で構成されている請求項13記載の光走査装置。
  15. 前記ミラー駆動部は、静電吸着力により前記第1および第2偏向ミラー面を前記主走査偏向軸回りに揺動駆動する請求項11ないし14のいずれかに記載の光走査装置。
  16. 前記ミラー駆動部は、電磁気力により前記第1および第2偏向ミラー面を前記主走査偏向軸回りに揺動駆動する請求項11ないし14のいずれかに記載の光走査装置。
  17. 潜像担持体と、
    請求項1ないし16のいずれかに記載の光走査装置と同一構成を有し、前記潜像担持体の表面を光ビームで走査して前記潜像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、
    前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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