JP2007041376A - ハロゲン化銀感光材料およびそれを包含する包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 塗布面状、および帯電防止性に優れたハロゲン化銀感光材料およびそれを包含する包装体を提供する。
【解決手段】 透明支持体の面上に、ハロゲン化銀感光乳剤層を有し、下記一般式(1)で表されるアニオン性フッ素化合物および特定のアニオン性炭化水素系化合物を3種含有する:
Figure 2007041376

【選択図】 なし

Description

本発明は、塗布面状、および帯電防止性に優れたハロゲン化銀感光材料およびそれを包含する包装体に関するものである。
従来、フッ化アルキル鎖を有する化合物が界面活性剤として知られている。このような界面活性剤は、フッ化アルキル鎖の独特の性質(撥水・撥油性、潤滑性、帯電防止性等)により種々の表面改質を行うことができ、繊維、布、カーペット、樹脂等、幅広い基材の表面加工に用いられている。また、フッ化アルキル鎖を持つ界面活性剤(以降含フッ素系界面活性剤と称する)を種々基質の水性媒体溶液に添加すると、塗膜形成時にハジキのない、均一な被膜を形成することができるばかりでなく、界面活性剤の吸着層を基質表面に形成することができ、上記のフッ化アルキル鎖が持つ独特の性質を被膜表面にもたらすことができる。
写真感光材料においても、種々の界面活性剤が用いられ、重要な役割を果たしている。写真感光材料は、通常、親水性コロイドバインダー(例えばゼラチン)の水溶液を含む複数の塗布液を、支持体上に個々に塗布して複数の層を形成し作製される。しばしば、複数の親水性コロイド層を同時多層塗布することも行われる。これらの層には、帯電防止層、下塗り層、ハレーション防止層、ハロゲン化銀乳剤層、中間層、フィルター層、保護層等が含まれ、各層には各機能を発現するための種々の素材が添加される。また、膜物理性改良のためにポリマーラテックスを親水性コロイド層に含有させることもある。さらに、カラーカプラー、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、スベリ剤等の水に難溶性の機能性化合物を親水性コロイド層に含有させるために、これらの素材をそのまま、あるいはリン酸エステル系化合物、フタル酸エステル化合物などの高沸点有機溶媒に溶解させた状態で、親水性コロイド溶液中に乳化分散させて、塗布液の調製に用いる場合がある。このように、一般的に、写真感光材料は種々の親水性コロイド層から構成されており、その製造に際して、種々の素材を含む塗布液を、ハジキや塗布ムラなどの欠陥なく均一に高速塗布することが要求される。このような要求に応えるため、界面活性剤を塗布助剤として塗布液中に添加することがしばしば行われている。
一方で、写真感光材料はその製造、撮影、現像処理の間に種々の物質と接触する。例えば、製造の工程において、感光材料が巻き取られた状態にあると、支持体の裏面に形成されたバック層と表面層が接触する場合がある。また、直接用写真感光材料はスクリーンや人の手と接触する場合がある。さらに、処理の工程において搬送される際に、ステンレス、様々な組成からなるゴムローラー等と接触する場合がある。これらの材料と接触すると、感光材料表面に配向した界面活性剤のある種の化合物はそれら部材に転写する場合がある。更に加えて、色々な部材と接触する場合、感光材料の表面(ゼラチン層)は正に帯電しやすく、場合によっては不要な放電を起こすため、感光材料に望ましくない露光跡(スタチックマークと称される)を残すことになる。このゼラチンの帯電性を軽減するには、帯電の防止(帯電量を少なくする)、蓄積された電荷を漏洩させやすくする等が挙げられる。帯電の防止にはフッ素原子を有する化合物が有効であり、フッ素系界面活性剤を添加することがしばしば行われている。また、蓄積された電荷を漏洩させやすくする手段としてはポリエチレンオキシドを含有する界面活性剤を添加し、感材の表面抵抗値を下げることがしばしば行われている(例えば、特許文献1)。これら帯電の防止と電荷の漏洩の観点から、ハロゲン化銀感光材料、特にX線照射に対して感光性のあるハロゲン化銀感光材料(Xレイ感材)では炭化水素系ノニオン界面活性剤とフッ素系ノニオン界面活性剤活性剤とフッ素系アニオン界面活性剤を微妙なバランスで組み合わせてスタチックに対する耐性を持たせることがしばしば行われている(例えば、特許文献2、3参照。)。
また、非イオン性フッ素化合物とアニオン性フッ素化合物を併用することによってスタチック耐性及び帯電防止能に優れたハロゲン化銀感光材料が開示されているが(例えば、特許文献4参照。)、面状の性能において高速塗布時の要請にはこたえることが出来なかった。
さらに、そのようなハロゲン化銀感光材料は、シート状に裁断され、複数枚のシートと当てボールと通称される非感光性板材料をを重ねた積層体を防湿性包装材料で包装し密閉した包装体で、市場に流通し、使用に際してもこの包装体のまま画像形成装置に装填され、装置内で包装を開封し、ハロゲン化銀感光材料が1枚づつ取り出されて画像露光および現像処理処理に供されることが一般的である。このため、最下部に装填されたハロゲン化銀感光材料は、当てボールと圧着状態で長時間接触状態にあるとき、ハロゲン化銀乳剤面は包装材料の影響を直接受けることになる。例えば、当てボールに発塵があれば、運搬や画像記録装置への装着の際に受ける振動によって、ハロゲン化銀感光材料が当てボールと擦り合って表面にスリキズが生じやすい。さらに、比較的強い衝撃を受けたときに、当てボールが破れたり、紙剥けを生じたりして、障害を生ずることもある。
従って、ハロゲン化銀感光材料の総合的性能をこのましく維持し、発揮するためには、ハロゲン化銀感光材料だけでなく当てボールなどを含めた包装体の構成要素の改良も重要な課題であった。
特開昭61−47948号公報 特開昭62−109044号公報 特開平7−159929号公報 特開2005−03888号公報
本発明の目的は、塗布面状、および帯電防止性に優れたハロゲン化銀感光材料およびそれを包含する包装体を提供することにある。
本発明の目的は、以下の熱現像感光材料によって達成された。
<1> 透明支持体の少なくとも一方の面上に、少なくとも1層のハロゲン化銀感光乳剤層を有し、下記一般式(1)で表されるアニオン性フッ素化合物および下記一般式(2)で表されるアニオン性炭化水素系化合物を含有し、さらに下記一般式(3)でアニオン性炭化水素系化合物および下記一般式(4)で表されるアニオン性炭化水素系化合物の少なくとも一方を含有するハロゲン化銀感光材料:
Figure 2007041376
(式中、RB3、RB4およびRB5はそれぞれ独立して水素原子または置換基を表す。A3およびA4はそれぞれ独立にフッ素原子または水素原子を表す。nB3およびnB4はそれぞれ独立に4〜8の整数を表す。LB1およびLB2はそれぞれ独立して、アルキレン基または置アルキレンオキシ基、あるいはこれらを組み合わせてできる2価の連結基を表す。mBは0または1を表す。Mはカチオンを表す。);
Figure 2007041376
(式中、R31は炭素数6〜25のアルキル基またはアルケニル基を表し、R32はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜14のアルキル基またはアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基もしくは炭素数6〜18のアリール基を表し、L1は0〜10のいずれかの整数を表し、m1は0〜30のいずれかの整数を表し、n1は0〜4のいずれかの整数を表す。但し、L1とm1は同時に0であることはない。eは0または1を表す。Z31はOSO3MまたはSO3Mを表し、Mはカチオンを表す。);
Figure 2007041376
(式中、R3は、炭素数6〜24のアルキル基、アルキレン基、またはアラルキル基を表し、L3は水酸基を有する炭素数3〜5のアルキレン基、ビニレン基、ビニレンアルキレン基、またはこれらを組み合わせてできる2価の連結基を表す。bは0または1の整数を表す。Z3はOSO3M基またはSO3M基を表し、Mはカチオンを表す。);
Figure 2007041376
(式中、R41、R42およびR43はそれぞれ独立して水素原子または置換基を表す。n2およびn3はそれぞれ独立に1〜5のいずれかの整数を表す。L41およびL42はそれぞれ独立して、F原子を有しないアルキレン基、アルキレンオキシ基、またはこれらを組み合わせてできる2価の連結基を表す。m2は0または1を表す。Mはカチオンを表す。)。
<2> 前記一般式(3)において、L3が水酸基を有する炭素数3〜5のアルキレン基であることを特徴とする<1>に記載のハロゲン化銀感光材料。
<3> 前記一般式(3)において、L3がビニレンアルキレン基であることを特徴とする<1>に記載のハロゲン化銀感光材料。
<4> 前記一般式(3)において、L3がアルキレン基とビニレン基を組み合わせてできる2価の連結基であることを特徴とする<1>に記載のハロゲン化銀感光材料。
<5> 下記一般式(5)で表される非イオン性フッ素化合物を含有する<1>〜<4>のいずれか1項に記載のハロゲン化銀感光材料。
Figure 2007041376
(式中、m3は15〜60の整数を表す。n4は8〜24の整数を表す。)。
<6> <1>〜<5>のいずれか1項に記載のハロゲン化銀感光材料のシートと表面に有機物によりコーティングされた層を有する非感光性板材料とを重ねた積層体を遮光性袋材料で包装し密閉した包装体。
本発明において、特に言及しない限り、各種基は無置換と置換基を有する場合のいずれの態様も含んでいる。
従来、界面活性剤、特にフッ素系界面活性剤は塗布膜の均質性を付与するための塗布助剤、あるいは写真感光材料の帯電防止性付与の両機能を担う素材として用いられてきた。
しかしながら、これらの素材は近年の写真感光材料の高感度化および高速塗布化の要請に対して、必ずしも満足する性能を有するものではなく、さらなる界面活性剤の技術改良が望まれた。
本発明者らが上記目的を達成する界面活性剤の技術改良に鋭意努力した過程で、前述のような高感度化及び高速塗布化を満たす化合物であっても、包装形態での保存性が悪い為に、実用化に至らないことも頻繁にあり、これらの性能と保存安定性の両立することが大きな課題であることが判明した。
さらなる努力の結果、フッ化アルキル基を含有する界面活性剤に、ある種のアニオン系界面活性剤を含有することにより、高速塗布適正を満足することができ、<1>の発明に到達した。よりこのましい条件を見出し、<2>〜<5>の発明に到達した。更には表面をコーティングした当てボール材料を用いて包装体を構成することにより、これらの性能と保存安定性を両立させ得ることを見出し、<6>の発明に到達した。
本発明により、塗布面状、および帯電防止性に優れたハロゲン化銀感光材料およびそれを包含する包装体が提供される。
以下に本発明の詳細を説明する。
I.ハロゲン化銀感光材料
1.一般式(1)〜(5)の化合物
始めに一般式(1)で表される化合物に関して詳細に説明する。
Figure 2007041376
一般式(1)中、RB3、RB4およびRB5はそれぞれ独立して水素原子または置換基を表す。A3およびA4はそれぞれ独立にフッ素原子または水素原子を表す。nB3およびnB4はそれぞれ独立に4〜8の整数を表す。LB1およびLB2はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアルキレン基または置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基、あるいはこれらを組み合わせてできる2価の連結基を表す。mBは0または1を表す。Mはカチオンを表す。
一般式(1)中、RB3、RB4およびRB5はそれぞれ独立して水素原子または置換基を表す。該置換基として後述の置換基Tが適用できる。
B3、RB4およびRB5としては、好ましくはアルキル基または水素原子であり、より好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、水素原子であり、更に好ましくはメチル基、水素原子であり、特に好ましくは水素原子である。
一般式(1)中、A3およびA4はそれぞれ独立にフッ素原子または水素原子を表し、A3およびA4が同じであっても、異なっていてもよい。A3およびA4として好ましくはA3およびA4共にフッ素原子又は水素原子であり、より好ましくはA3およびA4共にフッ素原子である。
B3およびnB4はそれぞれ独立に4〜8のいずれかの整数を表す。nB3およびnB4は4〜8の整数であれば、お互いが異なっていても、同じであってもよい。nB3およびnB4として好ましくは4〜6の整数でかつnB3=nB4であり、より好ましくは、4または6の整数でかつnB3=nB4であり、更に好ましくはnB3=nB4=4である。
Bは0または1を表し、どちらも同様に好ましい。
B1およびLB2は置換もしくは無置換のアルキレン基または置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基、あるいはこれらを組み合わせてできる2価基を表す。置換基は後述の置換基Tが適用できる。LB1およびLB2は、炭素数が6以下であるのが好ましく、また、無置換アルキレンであるのが好ましい。
Mはカチオンを表し、Mで表されるカチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、またはアンモニウムイオン等が好ましく適用される。
Mとして好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、またはアンモニウムイオンであり、より好ましくは、リチウムイオン、ナトリウムイオン、またはカリウムイオンである。更に好ましくはナトリウムイオンである。
一般式(1)として好ましくは下記一般式(1−A)である。
Figure 2007041376
式中、A3、A4、RB3、RB4、RB5、nB3、nB4、mBおよびMは一般式(1)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。nB1、nB2はそれぞれ独立に1ないし6の整数を表す。nB1、nB2は1〜6の整数であればお互いが、異なっていても、同じであってもよい。nB1、nB2として好ましくは1〜6の整数でかつnB1=nB2であり、より好ましくは、1〜3の整数でかつnB1=nB2であり、更に好ましくは2または3の整数でかつnB1=nB2であり、特に好ましくはnB1=nB2=2である。
一般式(1)として好ましくは下記一般式(1−B)である。
Figure 2007041376
式中、nB1、nB2、nB3、nB4、mBおよびMは、前記一般式(1−B)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
前記一般式(1)としてより好ましくは、下記一般式(1−C)である。
Figure 2007041376
式中、nB5は2または3の整数を表す。nB6は4〜6の整数を表す。mBは0または1をし、どちらも同様に好ましい。Mは前記一般式(1)におけるそれらと同義であり、また、好ましい範囲も同様である。
以下に、前記一般式(1−B)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007041376
Figure 2007041376
Figure 2007041376
Figure 2007041376
Figure 2007041376
Figure 2007041376
一般式(1)で表される化合物の塗布量は、好ましくは0.01mg/m2〜100mg/m2であり、より好ましくは0.1mg/m2〜50mg/m2であり、更に好ましくは0.3mg/m2〜10mg/m2である。
次に本発明に用いられる下記一般式(2)で表される化合物について詳細に説明する。
Figure 2007041376
式中、R31は炭素数6〜25のアルキル基またはアルケニル基を表し、R32はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜14のアルキル基またはアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基もしくは炭素数6〜18のアリール基を表し、L1は0〜10のいずれかの整数を表し、m1は0〜30のいずれかの整数を表す。但し、L1とm1は同時に0であることはない。n1は0〜4のいずれかの整数を表し、eは0または1を表す。Z31はOSO3MまたはSO3Mを表し、Mはカチオンを表す。
前記一般式(2)中、R31は炭素数6〜25のアルキル基またはアルケニル基を表す。R31の炭素数は6〜22が好ましく、6〜20がさらに好ましく、8〜18が特に好ましい。アルキル基およびアルケニル基は環状構造を有してもよいが、鎖状アルキル基および鎖状アルケニル基の方が好ましい。アルキル基およびアルケニル基は置換基を有してもよいが、好ましくは無置換のアルキル基およびアルケニル基である。鎖状アルキル基および鎖状アルケニル基は、分岐を有していてもよい。アルケニル基の二重結合の位置は特に制限はない。アルキル基の方がアルケニル基よりも好ましい。
前記一般式(2)中、R32は水素原子、炭素数1〜14のアルキル基またはアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基もしくは炭素数6〜18のアリール基を表す。好ましいアルキル基またはアルケニル基は炭素数1〜8であり、1〜6がさらに好ましく、1〜4が特に好ましい。好ましいアラルキル基としては、炭素数7〜13がさらに好ましく、7〜10が特に好ましい。アリール基としては炭素数6〜12が好ましく、6〜10が特に好ましい。
前記一般式(2)で表されるR32はお互いが結合して環状構造を有していてもよい。また、R32はさらに置換基を有していてもよく、好ましい置換基を以下に示す。
好ましい置換基としては、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルキル基(例えばメチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、t−ブチル)、アルケニル基(例えばアリル、2−ブテニル)、アルキニル基(例えばプロパルギル)、アラルキル基(例えばベンジル)、アリール基(フェニル、ナフチル)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、エトキシエトキシ)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ、2−ナフチルオキシ)などが挙げられる。
32として好ましくは、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、より好ましくは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基である。
前記一般式(2)中、L1は0〜10の整数を表し、0〜8が好ましく、0〜6がより好ましく、0〜4が更に好ましく、0が特に好ましい
前記一般式(2)中、m1は0〜30の整数を表し、0〜25が好ましく、0〜20がさらに好ましく、0〜15が特に好ましい。
前記一般式(2)中、n1は0〜4の整数を表し、2〜4が特に好ましい。
前記一般式(2)中、Z31はOSO3MまたはSO3Mを表し、Mはカチオンを表す。Mで表されるカチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましく適用される。これらのうち、特に好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンである。
前記一般式(2)中、eは0または1を表すが、より好ましくは0である。
以下に、上記一般式(2)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。
Figure 2007041376
Figure 2007041376
Figure 2007041376
Figure 2007041376
Figure 2007041376
上記一般式(2)で表される化合物は、特開2001−3263号公報、J.Amer.Chem.Soc.,65,2196(1943)、J.Phys.Chem.90,2413(1986)、J.Dispersion Sci.and Tech.,4,361(1983)、US5602087などに記載の公知の方法により合成することができる。
以下に、上記置換基Tに関して詳細に説明する。
置換基Tとしては、例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、およびシクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、およびナフチル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、およびジベンジルアミノ基などが挙げられる)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、およびブトキシ基などが挙げられる)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、例えば、フェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12アシル基であり、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、およびピバロイル基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10のアリールオキシカルボニル基であり、例えば、フェニルオキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、およびフェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、およびフェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、およびフェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、またはヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、およびベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されていてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
また、一般式(2)で表される化合物の塗布量として、好ましくは0.1mg/m2〜300mg/m2であり、より好ましくは1mg/m2〜150mg/m2であり、更に好ましくは5mg/m2〜80mg/m2である。
次に一般式(3)で表される化合物に関して説明する。
Figure 2007041376
式中、R3は分岐を有していてもいなくても良く、炭素数6〜24のアルキル基またはアルキレン基、またはアラルキル基、好ましい炭素数は8〜20であり、さらに好ましくは10〜18である。
3は水酸基を有する炭素数3〜5のアルキレン基、ビニレン基、ビニレンアルキレン基、またはこれらを組み合わせてできる2価の連結基を表す。水酸基の数に制限は無いが、好ましくは0または1である。bは0または1を表す。このましくは、水酸基を有する炭素数3〜5のアルキレン基、ビニレンアルキレン基、または、前記アルキレン基とビニレン基を組み合わせてできる2価の連結基である。
前記一般式(3)中、Z3はOSO3MまたはSO3Mを表し、Mはカチオンを表す。Mで表されるカチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、またはカリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましく適用される。これらのうち、特に好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、またはアンモニウムイオンである。
以下に、上記一般式(3)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。
Figure 2007041376
Figure 2007041376
また、一般式(3)で表される化合物の塗布量として、好ましくは0.01mg/m2〜300mg/m2であり、より好ましくは1mg/m2〜100mg/m2であり、更に好ましくは3mg/m2〜50mg/m2である。
次に一般式(4)で表される化合物に関して説明する。
Figure 2007041376
式中、R41、R42およびR43はそれぞれ独立して水素原子または置換基を表す。n2およびn3はそれぞれ独立に1〜5のいずれかの整数を表す。L41およびL42はそれぞれ独立して、フッ素以外の置換基で置換、もしくは無置換のアルキル基、アルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基またはこれらを組み合わせてできる、2価の連結基を表す。m2は0または1を表す。M4はカチオンを表す。
以下に、上記一般式(4)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。
Figure 2007041376
Figure 2007041376
Figure 2007041376
Figure 2007041376
Figure 2007041376
また、一般式(4)で表される化合物の塗布量として、好ましくは0.1mg/m2〜300mg/m2であり、より好ましくは1mg/m2〜150mg/m2であり、更に好ましくは5mg/m2〜80mg/m2である。
次に本発明に用いることのできる一般式(5)で表される非イオン性フッ素化合物(以下、「本発明の化合物(5)」または「本発明の非イオン性フッ素化合物」という場合がある)に関して詳細に説明する。
Figure 2007041376
m3は15〜60を表し、単一であっても分布があってもよい。分布がある場合はその平均値を表す。m3として好ましくは20〜40である。n4は8〜24を表し、単一であっても分布があってもよい。分布がある場合はその平均値を表す。n4として好ましくは10〜20であり、より好ましくは12〜20であり、更に好ましくは12〜18である。特に好ましくは12〜16である。
一般式(5)として好ましくは下記一般式(5−A)である。
Figure 2007041376
式中、maは20〜40を表し、maとしてより好ましくは25〜40であり、単一であっても分布があってもよい。分布がある場合はその平均値を表す。naは12〜18を表し、好ましくは12〜16であり、単一であっても分布があってもよい。分布がある場合はその平均値を表す。
上記一般式(5)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は、以下の具体例によってなんら制限されるものではない。
Figure 2007041376
上記一般式(5)で表される化合物はJournal of Fluorine Chemistry 84(1997)、53頁−61頁記載の方法などによって合成できる。つまり、フッ化アルキル基を置換基に有するエポキシド化合物と水酸基を含有する化合物をルイス酸存在化加熱することでさまざまな誘導体が合成可能である。
2.本発明における一般式(1)〜(5)の化合物を含有する水性塗布組成物
本発明における一般式(1)〜(5)の化合物は、界面活性剤として、ハロゲン化銀感光材料を構成する層を形成するための水性塗布組成物に好ましく用いられる。中でも、ハロゲン化銀感光材料の最上層の親水性コロイド層の形成に用いると、効果的な帯電防止能と高速塗布性を得ることができるので特に好ましい。
以下、本発明における一般式(1)〜(5)の化合物を界面活性剤として含む塗布組成物について説明する。
本発明の水性塗布組成物は、本発明における一般式(1)〜(5)の化合物と、該化合物を溶解および/または分散する媒体とを含有する。その他、目的に応じて、他の成分を適宜含んでいてもよい。
本発明の水性塗布組成物における媒体としては、水系媒体が好ましい。水系媒体には、水、および水以外の有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、nーブタノール、メチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、またはアセトン等)と水との混合溶媒が含まれる。本発明において、前記塗布組成物の媒体は水を50質量%以上含んでいるのが好ましい。
本発明の水性塗布組成物には、一般式(1)〜(5)の化合物をそれぞれの1種類を単独で用いてもよいし、また2種類以上を混合して用いてもよい。また、これらの化合物とともに他の界面活性剤を用いてもよい。併用可能な界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系の各種界面活性剤を挙げることができる。また併用する界面活性剤は、高分子界面活性剤であってもよく、本発明の界面活性剤以外のフッ素系界面活性剤であってもよい。併用する界面活性剤としては、アニオン系もしくはノニオン系活性剤がより好ましい。併用可能な界面活性剤としては、例えば特開昭62−215272号公報(649頁〜706頁)、リサーチ・ディスクロージャ(RD)Item17643,26頁〜27頁(1978年12月)、同18716,650頁(1979年11月),同307105,875頁〜876頁(1989年11月)等に記載の界面活性が挙げられる。
本発明における水性塗布組成物中に含まれていてもよい、他の成分としては、ポリマー化合物が代表的な例として挙げられる。前記ポリマー化合物は水性媒体に可溶なポリマー(以下、「可溶性ポリマー」という)であってもよいし、ポリマーの水分散物(いわゆるポリマーラテックス)であってもよい。可溶性ポリマーとしては特に制限はないが、例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、カゼイン、寒天、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロース等を挙げることができ、ポリマーラテックスとしては、種々のビニルモノマー[例えば、アクリレート誘導体、メタクリレート誘導体、アクリルアミド誘導体、メタクリルアミド誘導体、スチレン誘導体、共役ジエン誘導体、N−ビニル化合物、O−ビニル化合物、ビニルニトリル、その他のビニル化合物(例えばエチレン、塩化ビニリデン)]の単独もしくは共重合体、縮合系ポリマーの分散物(例えばポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、およびポリアミド)を挙げることができる。この種のポリマー化合物の具体例については、例えば、特開昭62−215272号公報(707頁〜763頁)、リサーチ・ディスクロージャ(RD)Item17643,651頁(1978年12月)、同18716,650頁(1979年11月),同307105,873頁〜874頁(1989年11月)等に記載されたポリマー化合物が挙げられる。
本発明における水性塗布組成物は、その他、種々の化合物を含んでいてもよく、またそれらは媒体に溶解していてもよく、分散されていてもよい。例えば、種々のカプラー、紫外線吸収剤、混色防止剤、スタチック防止剤、スカベンジャー、かぶり防止剤、硬膜剤、染料、防黴剤等を挙げることができる。また、前述したように、本発明における水性塗布組成物は、ハロゲン化銀感光材料の最上層の親水性コロイド層の形成に用いるのが好ましが、この場合は、塗布組成物中には、親水性コロイド(例えばゼラチン)や本発明におけるフッ素化合物以外に、他の界面活性剤やマット剤、スベリ剤、コロイダルシリカ、ゼラチン可塑剤等を含有させることができる。
(感光性ハロゲン化銀乳剤)
本発明におけるハロゲン化感光乳剤層に用いられる感光性ハロゲン化銀乳剤について説明する。
1)ハロゲン組成
感光性ハロゲン化銀粒子は、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀を用いることができるが、上述のように迅速処理の観点から感光性ハロゲン化銀粒子中に含まれるヨード量が平均で0モル%以上0.45モル%以下である。このヨード量として、好ましくは平均で0.05モル%以上0.40モル%以下、より好ましくは、0.10モル%以上0.30モル%以下である。ここで、感光性ハロゲン化銀粒子に含まれるヨード量の「平均」とは、個々の感光性ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成から求められるヨード含有率の平均値を意味する。感光性ハロゲン化銀の粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ上に変化したものでもよく、あるいは連続的に変化したものでもよい。また、感光性ハロゲン化銀粒子としては、コア/シェル構造を有する感光性ハロゲン化銀粒子を用いることもできる。
2)粒子形状
感光性ハロゲン化銀粒子としては、英国特許第635,841号明細書、米国特許第3,622,318号明細書に記載されているような、いわゆるハロゲン変換型(コンバージョン型)の粒子も好適に挙げられる。ハロゲン変換の方法としては、通常ハロゲン変換前の粒子表面のハロゲン組成よりも銀との溶解度積の小さいハロゲン水溶液を添加することにより行う。例えば、塩化銀や塩臭化銀平板状粒子に対しては臭化カリウム及び/又は沃化カリウム水溶液を添加し、臭化銀や沃臭化銀平板に対しては沃化カリウム水溶液を添加してコンバージョンをおこす。これらの添加する水溶液の濃度は、低濃度のほうが好ましく、30%以下が好ましく、より好ましくは10%以下である。さらにハロゲン変換前のハロゲン化銀1モルあたり毎分1モル%以下の速度で、変換ハロゲン溶液を添加するのが好ましい。さらに、ハロゲン変換時に、増感色素及び/又はハロゲン化銀吸着性物質の一部もしくは全部を存在させてもよく、変換ハロゲン水溶液のかわりに、臭化銀や、沃臭化銀、沃化銀のハロゲン化銀微粒子を添加してもよい。これらの微粒子の大きさは、通常0.2μm以下、好ましくは0.lμm以下、特に好ましくは0.05μm以下であることが望ましい。本発明で使用できるハロゲン変換方法は、上記した方法に限定されるものではなく、目的に応じ適宜組み合わせて使用することができる。
3)粒子サイズ
感光性ハロゲン化銀粒子の形成方法は当業界では良く知られており、例えば特開平2−68539号公報、米国特許第3700458号明細書、及びリサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号に記載されている方法等を用いることによって調製することができる。
4)化学増感方法
化学増感方法としては、特開平2−68539号公報第10頁右上欄13行目から同左下欄16行目、特開平5−313282号公報、及び特開平6−110144号公報に記載の方法を用いることができる。
ハロゲン化銀乳剤の化学増感の方法としては、具体的には、ハロゲン化銀吸着性物質の存在下で硫黄増感法、セレン増感法、還元増感法、金増感法などの知られている方法を用いることができ、単独又は組合せて用いられる。
貴金属増感法のうち金増感法はその代表的なもので金化合物、主として金錯塩を用いる。金以外の貴金属、たとえば白金、パラジウム、イリジウム等の錯塩を含有しても差支えない。その具体例は米国特許2448060号明細書、英国特許618061号明細書などに記載されている。
硫黄増感剤としては、ゼラチン中に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、たとえばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニン類等を用いることができる。具体例は米国特許1574944号明細書、同2278947号明細書、同2410689号明細書、同2728668号明細書、同5501313号明細書、同8656955号明細書に記載されたものである。また、セレン増感剤としては特開平6−110144号公報に記載されている。
チオ硫酸塩による硫黄増感と、セレン増感及び金増感の併用は有用である。還元増感剤としては、第一錫塩、アミン類、ホルムアミンジスルフィド酸、またはシラン化合物などを用いることができる。
5)かぶり防止剤・安定剤
本発明で用いることができるかぶり防止剤および安定剤としては、特開平2−68539号公報第10頁左下欄17行目から同第11頁左上欄7行目及び同第3頁左下欄2行目から同第4頁左下欄に記載のものを使用できる。
具体的には、アゾール類(例えばベンゾチアゾリウム塩、エトロイミダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダゾール類、クロモベンズイミダゾール類、ニトロインダゾール類、ベンゾトリアゾール類、アミノトリアゾール類など);メルカプト化合物類(例えばメルカプトテアゾール類、メルカプトベンジチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、メルカプトテトラゾール類、メルカプトピリミジシ類、メルカプトトリアジン類など);例えばオキサドリンチオンのようなチオケト化合物;アザインデン類(例えばトリアザインデン類、テトラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン類)、ペンタアザインデン類など);ベンゼンチオスルホン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸アミド等のようなかぶり防止剤又は安定剤として知られる化合物を加えることができる。
特に特開昭60−76743号公報、同60−87322号公報に記載のニトロン及びその誘導体、特開昭60−80839号公報に記載のメルカプト化合物、特開昭57−164735号公報に記載のヘテロ環化合物、及びヘテロ環化合物と酸の錯塩(例えば1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール類)などを好ましく用いることができる。
さらに、プリン類又は核酸類、あるいは特公昭61−36213号公報、特開昭59−90844号公報等に記載の高分子化合物などを使用することもできる。なかでも特にアザインデン類とプリン類、核酸類は好ましく用いることができる。これらの化合物の添加量はハロゲン化銀1モルあたり0.5mmol〜5.0mmol、好ましくは0.5mmol〜3.0mmolである。
6)色調改良剤
本発明で使用できる色調改良剤としては、特開昭62−276539号公報第2頁左下欄7行目から同第10頁左下欄20行目、並びに特開平3−94249号公報第6頁左下欄15行目から第11頁右上欄19行目に記載のものが挙げられる。
具体的には、ハロゲン化銀写真乳剤層の被覆力が60以上とし、ハロゲン化銀乳剤層及び/又は他の層中に、520〜560nmの間に極大吸収波長を有する染料と570〜700nmの間に極大吸収波長を有する染料とを、現像処理後の末露光部透過濃度の含有染料による光学濃度の増加が0.03以下となるように含めることができる。
ハロゲン化銀乳剤層の被覆力を60以上とする乳剤としては代表的には平板状乳剤、微粒子乳剤などを挙げることができる。特には、ハロゲン化銀写真乳剤が0.4μm以下の粒子厚みをもつ平板状ハロゲン化銀粒子からなる場合、あるいは高ヨード表面感光性字乳剤と微粒子で内部がかぶった粒子からなる乳剤との混合乳剤を用いると色調改良の効果が大きい。
本発明で色調改良用に使用できる染料としては、520nm〜560nm、好ましくは530nm〜555nmの間に極大吸収波長を有する染料と570nm〜700nm、好ましくは580nm〜650nmの間に極大吸収波長を有する染料との併用である。極大吸収波長とは、染料を感光材料中に存在させた状態における極大吸収波長を意味する。
本発明で用いられる染料としては、例えば、アントラキノン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、インドアニリン染料、オキソノール染料、カルボシアニン染料、スチリル染料、およびトリフェニルメタン染料などの中から所定の極大波長を有するものが選択される。現像処理に対する安定性や光堅牢性や、減感、かぶり、ステイン等の写真性能に対する影響を考慮すると、アントラキノン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、及びインドアニリン染料の中から好ましいものが用いられる。好ましい化合物は、特開昭62−276539号公報第3頁左上欄5行目から同第9頁左上欄9行目に記載されている。
このような染料は、乳剤層その他の親水性コロイド層(中間層、保護層、アンチハレーション層、およびフィルター層など)中に種々の知られた方法で分散することができ、具体的には、特開昭62−276539号公報第9頁左上欄14行目から同第10頁左下欄20行目に記載されている。
7)分光増感色素
本発明で用いることができる分光増感色素としては、特開平2−68539号公報第4頁右下欄4行目から同第8頁右下欄に記載されているものが挙げられる。
具体的には、シアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロポーランアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、またはヘミオキソノール色素等を用いることができる。
本発明に使用される有用な増感色素は例えば米国特許3522052号明細書、同3617197号明細書、同3713828号明細書、同3615643号明細書、同3615632号明細書、同3617293号明細書、同3628964号明細書、同3703377号明細書、同3666480号明細書、同3667960号明細書、同3679428号明細書、同3672897号明細書、同3769026号明細書、同3556800号明細書、同3615613号現細書、同3613638号明細書、同3615635号明細書、同3705809号明細書、同3632349号明細書、同3677765号明細書、同3770449号明細書、同3770440号明細書、同3769025号明細書、同3745014号明細書、同3713826号明細書、同8567458号明細書、同3625698号明細書、同2526632号明細書、同2503776号明細書、特開昭48−76525号公報、およびベルギー特許第691807号明細書などに記載されている。増感色素の添加量はハロゲン化銀1モルあたり0.5mmol以上4mmol未満、好ましくは0.5mmol以上1.5mmol未満がよい。
増感色素の具体例としては、特開平2−68539号公報第5頁から同第8頁に記載されているII−1〜II−47が挙げられる。
8)帯電防止剤
本発明では、塗布用助剤、帯電防止剤あるいは帯電調整剤として、特開平2−68539号公報第11頁左上欄14行目から同第12頁左上欄9行目に記載の界面活性剤を用いることができる。
このような目的に用いられる界面活性剤の具体例としては、例えばサポニン(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導体(例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール縮合物、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類又はポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル類、およびシリコーンのポリエチレンオキサイド化合物類)、糖のアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤;アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキル硫酸エステル類、N−アシル−N−アルキルタウリン類、スルホコハク酸エステル類、およびスルホアルキルポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類などのアニオン界面活性剤;アルキルベタイン類、およびアルキルスルホベタイン類などの両性界面活性剤;脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウム塩類、ビリジニウム塩類、およびイミダゾリウム塩類などのカチオン界面活性剤を用いることができる。
この内、サポニン、ドデシルベンゼンスルホン酸Na塩、ジ−2−エチルへキシルα−スルホコハク酸Na塩、p−オクチルフェノキシエトキシエタンスルホン酸Na塩、ドデシル硫酸Na塩、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸Na塩、N−メチル−オレオイルタウリンNa塩などのアニオン、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、N−オレオイル−N’,N’,N’−トリメチルアンモニオジアミノプロパンブロマイド、ドデシルピリジウムクロライドなどのカチオン、N−ドデシル−N,N−ジメナルカルボキシベタイン、N−オレイル−N,N−ジメチルスルホブチルベタインなどのベタイン、ポリ(平均重合度n−10)オキシエチレンセチルエーテル、ポリ(n=25)オキシエチレンp−ノニルフェノールエーテル、ビス(1−ポリ(n=15)オキシエチレン−オキシ−2,4−ジ−t−ベンチルフェニル)エタンなどのノニオンを特に好ましく用いることができる。
また、帯電防止剤としては、特開昭60−80848号公報、同61−112144号公報、特開昭62−172343号公報、特開昭62−173459号公報などに記載のノニオン系界面活性剤、アルカリ金属の硝酸塩、導電性酸化スズ、酸化亜鉛、五酸イ化バナジウム又はこれらにアンチモン等をドープした複合酸化物を好ましく用いることができる。
9)マット剤・滑り剤・可塑剤
本発明で用いることができるマット剤・滑り剤・可塑剤としては、特開平2−68539号公報第12頁左上欄10行目から同右上本欄10行目、及び同第14頁左下欄10行目から同右下欄1行目に記載のものが挙げられる。
具体的には、マット剤としては米国特許第2992101号明細書、同2701245号明細書、同4142894号明細書、同4396706号明細書に記載の如きポリメチルメタクリレートのホモポリマー又はメチルメタクリレートとメタクリル酸とのコポリマー、デンプンなどの有機化合物、シリカ、二酸化チタン、硫酸、ストロンチウムバリウム等の無機化合物の微粒子を用いることができる。粒子サイズとしては1.0μm〜10μm、特に2μm〜5μmであることが好ましい。
本発明の写真感光材料の表面層には、滑り剤として米国特許第3489576号明細書、同4047958号明細書等に記載のシリコーン化合物、特公昭56−23139号公報に記載のコロイダルシリカの他に、パラフィンワックス、高級脂肪酸エステル、デン粉誘導体等を用いることができる。
本発明のハロゲン化銀感光材料の親水性コロイド層には、トリメチロールプロパン、ぺンタンジオール、ブタンジオール、エチレングリコール、グリセリン等のポリオール類を可塑剤として用いることができる。また、本発明のハロゲン化銀感光材料の乳剤層には圧力特性を改良するためポリマーや乳化物などの可塑剤を含有させることができる。
例えば、英国特許第738618号明細書には異節環状化合物を、同738637号明細書にはアルキルフタレートを、同738639号明細書にはアルキルエステルを、米国特許第2960404号明細書には多価アルコールを、同3121060号明細書にはカルボキシルアルキルセルロースを、特開昭49−5017号公報にはパラフィンとカルボン酸塩を、特公昭53−28086号公報にはアルキルアクリレートと有機酸を用いる方法等が開示されており、本発明でもこれらの方法を使用することができる。
10)親水性コロイド
本発明のハロゲン化銀感光材料の乳剤層や中間層及び表面保護層に用いることのできる結合剤又は保護コロイドとしては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、それ以外の親水性コロイドも用いることができる。
本発明で用いることができる親水性コロイドとしては、特開平2−68539号公報第12頁右上欄11行目から同左下欄16行目に記載のものが挙げられる。
例えばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類等の如きセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、デキストラン、澱粉誘導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセタール(ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、またはポリビニルピラゾール等の単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用いることができる。
ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンや酵素処理ゼラチンを用いてもよく、また、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いることができる。
これらの中でもゼラチンとともに平均分子量10万以下のデキストランやポリアクリルアミドを併用することが好ましい。特開昭63−68887号公報、特開昭63−149641号公報に記載の方法は本発明でも有効である。
11)硬膜剤
本発明で用いる写真乳剤及び非感光性の親水性コロイドには無機又は有機の硬膜剤を含有してよい。本発明で用いることができる硬膜剤は、特開平2−68539号公報第12頁左下欄17行目から同第13頁右上欄6行目に記載のものが挙げられる。
具体的には、例えばクロム塩(クロム明ばん、酢酸クロムなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グリオキサール、ダリタールアルデヒドなど)、N一メチロール化合物(ジメチロール尿素、メチロールジメチルとダントインなど)、ジオキサン誘導体(2,3−ジヒドロキシジオキサンなど)、活性ビニル化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエーテル、N,N’−メチレンビス−(β−(ビニルスルホニル)プロピオンアミド)など)、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸など)イソオキサゾール類、ジアルデヒドでん粉、2−クロル−6−ヒドロキシトリアジニル化ゼラチンなどを、単独又は組合せて用いることができる。中でも、特開昭53−41221号公報、同53−57257号公報、同59−162546号公報、同60−80846号公報に記載の活性ビニル化合物及び米国特許第3,325,287号明細書に記載の活性ハロゲン化物が好ましい。
本発明では、硬膜剤として高分子硬膜剤も有効に利用することができる。本発明に用いられる高分子硬膜剤としては例えばジアルデヒド澱粉、ポリアクロレイン、米国特許3396029号明細書に記載のアクロレイン共重合体のようなアルデヒド基を有するポリマー、米国特許第3623878号明細書に記載のエポキシ基を有するポリマー、米国特許第3362827号明細書、リサーチ・ディスクロージャー誌17333(1978)などに記載されているジクロロトリアジン基を有するポリマー、特開昭56−66841号公報に記載されている活性エステル基を有するポリマー、特開昭56−142524号公報、米国特許第4161407号明細書、特開昭54−65033号公報、リサーチ・ディスクロージャー誌16725(1978)などに記載されている活性ビニル基、あるいはその前駆体となる基を有するポリマーなどが挙げられ、活性ビニル基、あるいはその前駆体となる基を有するポリマーが好ましく、中でも特開昭56−142524号公報に記載されているような、長いスペーサーによって活性ビニル基、あるいはその前駆体となる基がポリマー主鎖に結合されているようなポリマーが特に好ましい。
本発明のハロゲン化銀感光材料中の親水性コロイド層はこれらの硬膜剤により水中での膨潤率が300%以下、特に230%以下になるように硬膜されていることが好ましい。
12)支持体
本発明で用いる支持体としては特開平2−68539号公報第13頁右上欄7行目から20行目に記載のものが挙げられる。具体的には、支持体としてはポリエチレンテレフタレートフィルム又は三酢酸セルロースフィルムが好ましい。
支持体は親水性コロイド層との密着力を向上せしめるために、その表面をコロナ放電処理、あるいはグロー放電処理あるいは紫外線照射処理する方法が好ましく、あるいは、スチレンブタジエン系ラテックス、塩化ビニリデン系ラテックス等からなる下塗層を設けてもよくまた、その上層にゼラチン層を更に設けてもよい。
またポリエチレン膨潤剤とゼラチンを含む有機溶剤を用いた下塗層を設けてもよい。これらの下塗層は表面処理を加えることで更に親水性コロイド層との密着力を向上することもできる。
13)クロスオーバーカット法
クロスオーバー光が鮮鋭度を大幅に低下させることは当業界では周知の事実である。写真感光材料のクロスオーバー光が12%以下であるようにする手段としては、米国特許4130429号明細書、特開昭61−116354号公報などにX線蛍光スクリーンの発光波長と一致する波長の光を増感色素や染料を用いて吸収する方法が開示されている。
さらに、米国特許4,800,150号明細書には支持体と乳剤層の間に染料を微結晶分散物の形として存在させクロスオーバー光が10%以下であるようにする技術が開示されている。また、特開昭63−305345号公報には、カチオン性ポリマーラテックスを用いてアニオンは染料を特定層に固定する技術が、さらに特開平1−166031号公報には染料の固定層を支持体の下塗り層にする技術が開示されている。本発明の感光材料ではこれらのいずれの方法をも用いることができるが、染料による着色層は下塗り層であることが好ましく、染料は特開平1−166031号公報に記載の方法で固定されていること、特に染料が米国特許第4803150号明細書に記載の微結晶分散物のかたちで下塗り層に固定されていることが望ましい。本発明ではこれらの方法を適宜組み合わせることが可能である。
本発明で好ましく用いることができる染料としては、特開平2−264944号公報第4頁左下欄から第9頁右上欄に記載のものが挙げられる。
また、媒染層としては、特開平2−264944号公報第9頁右下欄から第14買右上欄に記載のものを使用することができる。
14)ポリヒドロキシベンゼン類
本発明で使用できるポリヒドロキシベンゼン類としては、特開平3−39948号公報第11頁左上欄から同第12頁左下欄、EP特許第452772A号公報に記載のものが挙げられる。
具体的には、特開平8−39948号公報第11頁左上欄に記載の一般式(III)の化合物、その具体的化合物である同公報第11頁左下欄から第12頁左下欄に記載の(III)−1〜25の化合物が挙げられる。
これらポリヒドロキシベンゼン化合物の添加量としては、ハロゲン化銀1モルあたり5×10-1モル未満であればよく、好ましくはハロゲン化銀1モルあたりl×10-1から5×10-3モルの添加量である。
本発明のハロゲン化銀感光材料は、支持体上に、感光性ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤層(感光層)と、例えば、中間層、表面保護層、バック層、バック面保護層、アンチハレーション層、フィルター層等の少なくとも1層の非感光性の親水性コロイド層とから構成されるが、その他用いられる乳剤増感法や各種添加剤に関しては特に制限はなく、例えば特開平2−68539号公報等に記載のものを好適に用いることができる。
15)表面保護層・バック保護層
本発明のハロゲン化銀感光材料は、表面保護層及びバック保護層を有しているのが好ましく、前記表面保護層及びバック保護層は、ゼラチンなどの親水性コロイドをバインダーとして、様々な薬品を含有している。その層の主成分がゼラチンである場合は防腐剤などが必要である。また、必要に応じてマット剤、滑り剤、可塑剤、帯電防止剤、界面活性剤、硬膜剤、増粘剤、染料、導電性物質などを含有することが好ましい。
本発明のハロゲン化銀感光材料の好ましい態様は、最外層に非感光性の親水性コロイド層を有し、該最外層が前記一般式(1)で表される化合物を含有するハロゲン化銀感光材料である。前記最外層は、前記一般式(1)で表される化合物と、アニオン性フッ素系化合物および/またはアニオン性炭化水素系化合物とを含有するのがより好ましい。前記アニオン性フッ素系化合物は、前記一般式(1)で表される化合物が好ましく、また前記アニオン性炭化水素系化合物は、前記一般式(2)で表される化合物が好ましい。
16)現像処理方法
本発明のハロゲン化銀感光材料の現像処理方法としては、特開平2−103037号公報第16頁右上欄7行目から同第19頁左下欄15行目、特開平2−115837号公報第3頁右下欄5行目から同第6頁を上欄10行目、及び特開2000−112078号公報第34頁左欄42行目から同35頁左欄2行目に記載の方法を採用することができる。
なお、本発明のハロゲン化銀感光材料は40m/秒〜250m/秒で高速塗布される場合に特に好ましく用いられる。(案文確認時に追加)
II.包装材料
本発明における包装体は、前記ハロゲン化銀感光材料のシートと当てボールと称される非感光性板材料を重ねた積層体を遮光性袋材料で包んだ構成を有する。
本発明における当てボールは、表面に有機物によりコーティングされた層を有する非感光性板材料が用いられる。
1)非感光性板材料
次に、本発明で用いることのできる非感光性板材料について説明する。
本発明で用いられる非感光性板材料は、複数枚のシート状のハロゲン化銀感光材料と重ねて積層体を構成する板状材料であって、「当てボール」と一般的に称される材料である。以下の説明では、当てボールと記載する場合がある。
本発明で用いる当てボールは、いずれの製造法により製造したパルプを原料とするものであってもよい。具体的にはメカニカルパルプ、ケミカルパルプ、セミケミカルパルプなどを用いることができ、古紙パルプのようなセルロースパルプを適宜混入させて用いてもよい。通常は、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、これらの混合パルプなどの天然木材パルプが用いられる。例えば、マツ100%のパルプなどに代表される針葉樹クラフトパルプ(NBKP)や広葉樹クラフトパルプ(LBKP)などが好ましく用いられる。
本発明で用いる当てボール原料は、漂白されたものであってもよいし、漂白されていないものであってもよい。好ましいのは漂白された当てボールである。漂白方法としては、ECF方式を用いることが好ましい。
本発明で用いる当てボール原料は、叩解機などで叩解して繊維を切断することにより繊維長分布を適宜調整したものであってもよい。繊維長分布は、叩解機の処理量や圧力を調節することによって所望の範囲に調整することができる。
また、通常の原紙製造工程で用いられる化合物を適宜用いることができる。例えば、アルキルケテンダイマーなどのサイズ剤、カチオン澱粉やポリマーなどの定着剤などを用いてもよい。
抄紙方法については、特に制限されない。従来から用いられている抄紙方法を適宜選択して用いることができる。抄紙機としては、円網抄紙機や長網抄紙機を用いることができるが、長網抄紙機を用いることが好ましい。
本発明でもちいる当てボールは、表面処理を施されていることが包装形態での保存安定性を保つためには好ましい。表面処理法としては種々の方法があるが、有機物をコーティングする方法を挙げることができる。コーティングされる有機物に制限は無いが、特に、ハロゲン化銀感光材料を収納するときには、カチオン澱粉または、ポリビニルアルコールをコーティングした包装材料を好ましく使用することができる。ポリビニルアルコールのコーティングは片面あたり0.04g/m2〜0.90g/m2であることが好ましく、0.08g/m2〜0.60g/m2であることがより好ましく、0.12g/m2〜0.48g/m2であることがさらに好ましい。ポリビニルアルコールのコーティングは包装材料の両面に行うことが好ましい。また、別の表面処理法として、紫外線硬化性樹脂をコーティングする方法も好ましい。具体的には、特公平4−13697号公報に記載される紫外線硬化性樹脂を用いることができる。紫外線硬化性樹脂からなるコーティング層の厚みは、0.05μm〜15μmが好ましく、0.1μm〜5μmがより好ましい。なお、本発明の包装材料の密度は、0.70g/m3〜0.90g/m3であることが好ましく、0.75g/m3〜0.85g/m3であることがより好ましく、0.77g/m3〜0.81g/m3であることがさらに好ましい。
2)遮光性袋材料
本発明における遮光性袋材料は、前記ハロゲン化銀感光材料を不要な光に曝されるのを防ぐ十分な遮光能を有する。さらに、好ましくは、酸素透過性が低くかつ水分透過性も低い包装材料により構成される。
好ましくは、酸素透過率が50mL/atm.m2(25℃)/day以下であり、且つ水分透過率が10g/atm.m2(25℃)/day以下である。酸素透過率は、好ましくは50mL/atm.m2(25℃)/day以下であるが、より好ましくは10mL/atm・m2(25℃)/day以下であり、さらに好ましくは1.0mL/atm・m2(25℃)/day以下である。水分透過率は、好ましくは、10g/atm.m2(25℃)/day以下であるが、より好ましくは5g/atm.m2(25℃)/day以下、さらに好ましくは1g/atm.m2(25℃)/day以下である。ここで、酸素透過率は、JIS Z0208の条件Bにより求められる値である。水分透過率は、JIS K7129−1992の測定法による水蒸気透過度であり、測定条件は、試験温度40℃、相対湿度90%RHとする。
このような酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料の具体例としては、例えば、特開平8−254793号、特開2000−206653等に記載されている包装材料が挙げられるが、以下、詳細を説明する。
包装材料の素材としては、ポリエチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体系樹脂、セロハン系樹脂、ビニロン系樹脂、及び塩化ビニリデン系樹脂等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂、ナイロン系樹脂等の樹脂は、延伸されていてもよく、更に塩化ビニリデン系樹脂をコートされていてもよい。また、ポリエチレン系樹脂は、低密度あるいは高密度のものも用いることができる。エポキシ−リン酸系樹脂(特開昭63−63037号に記載のポリマー、特開昭57−32952号に記載のポリマー)の様な合成樹脂素材や、パルプが挙げられる。
包装材料は、単一素材のものが好ましいが、フィルムとして用いる際には、そのフィルムを積層接着するが、塗布層としてもよく、また単一層のものでもよい。更には、例えば上記の合成樹脂フィルムの間にアルミ箔又はアルミ蒸着合成樹脂を使用するなど、各種ガスバリアー膜を用いるとより好ましい。これらの積層膜又は単一層の膜厚の合計は、1〜3000μm、より好ましくは10μm〜2000μm、更に好ましくは50μm〜1000μmである。
包装材料の素材としては、上記挙げた高分子材料の中でも、ポリエチレン(PE)、ナイロン(Ny)、塩化ビニリデン樹脂(PVDC)をコートしたナイロン(KNy)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、PVDCをコートしたポリプロピレン(KOP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PVDCをコートしたセロハン(KPT)、又はポリエチレン−ビニルアルコール共重合体(エバール)を用いることが好ましい。これらの樹脂を用いることにより、本発明においての機械的強度、酸素透過率及び水分透過率を有する包装材料を容易に得ることができる。
包装材料の素材としては、無機化合物が蒸着された高分子材料も用いることができ、そのような高分子材料としては、上記及び従来公知の材料を用いることができる。蒸着する無機化合物としては、アルミニウム、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ケイ素(SiOx)等が挙げられる。蒸着膜の膜厚としては、50〜1000Åの範囲が挙げられる。蒸着する方法としては、化学気相成長法、物理気相成長法、蒸着法、スパッタ法等の公知の方法を用いることができる。本発明の包装材料が多層構成の場合、それぞれの層の膜厚は所望の光遮光度、酸素透過率、水分透過率、機械的強度等により適宜設定されるが、包装材料全体としての厚みを500μm以下にする。多層包装材料の製法は、特に限定はないが、例えば樹脂層と樹脂層を接着剤等で貼り合わせる方法や、樹脂層と樹脂層を溶融樹脂で貼り合わせる方法、押出法、あるいは積層法等が挙げられる。
包装材料の素材としては、具体的には、下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。(最外部)/(中間部)/(熱現像材料と接触部)の層構成を表す。
(1)PET/Ny/CPP
(2)KOP/Ny/PE
(3)OPP/Al23/PET/CPP
(4)Ny/Al23/PE
(5)PET/PE/Al/Ny/PE
(6)KOP/Ny/PE
(7)SiOx/PET/Al23/PET
(8)KPT/PE/Ny/PE
(9)PET/KNy/PE
(10)OPP/エバール/PE
包装材料を、上記特定の範囲の酸素透過率及び水分透過率に適合するようにするには、例えば、材料種や、構成層の各膜厚を適宜選択することにより行われる。
以下、本発明を実施例をもって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
1.試料の作製
<ハロゲン化銀乳剤の調製>
水1リットル中に塩化ナトリウム4g、ヨウ化カリウム4g、ゼラチン20gを添加し、70℃に保った反応容器中に、攪拌しながら硝酸銀水溶液400ml(硝酸銀83g)と臭化カリウム57gを含む水溶液190mlをダブルジェット法で16分間かけて添加した。つぎにアンモニア0.1〜0.85モルを含む水溶液を添加した後、硝酸銀水溶液250ml(硝酸銀123g)と臭化カリウム82.5gを含む水溶液275mlをダブルジェット法で20分間かけて添加した。この後そのままの温度で18分間物理熟成した後、酢酸水溶液で中和し、温度を35℃に下げ沈降法により可溶性塩類を除去した。この後温度を40℃に上げ、50質量%のトリメチロ−ルプロパン23.7ml、プロキセル42mg、ゼラチン32.5g及び増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万)を添加し苛性ソ−ダでpH6.6に調整した。このようにして調整した乳剤を49℃に昇温し、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン41mg、増感色素A−1を150mg、塩化金酸0.93mg、チオシアン酸カリウム165mgを添加し、その15分後に4,7−ジチア−1,10−デカンジオ−ル25mgを添加、さらに10分後にチオ硫酸ナトリウム2.6mgとセレン増感剤A−2を0.9mg添加し、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン1.76g添加してから急冷固化した。このようにして乳剤を作製した。晶癖は角のとれた14面体で、粒子サイズはマスタ−サイザ−測定で球相当径0.45μm〜1.14μmであった。
Figure 2007041376
<乳剤塗布液の調製と塗布>
上記の各乳剤1kg(銀1.52モル)当たり下記の薬品を添加して乳剤塗布液とした。
・ゼラチン 38.2g
・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(質量平均分子量60万) 1.4g
・ポリアクリルアミド(質量平均分子量4万5千) 27.2g
・化合物A−3 24.3mg
・化合物A−4 92.0mg
・化合物A−5 73.5mg
・化合物A−6 105.0mg
・化合物A−7(BFV) 73.5mg
・化合物A−8(KMF) 105.0mg
・塩化パラジウム 19.9μmol
・1,3−ジヒドロキシベンゼン 1.2g
・1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 1.2g
・大日本インキ社製DV−759L(20質量%水溶液) 45.0ml
(アクリル酸エステル系ポリマーとSiO2の複合ラテックス液)
水を加えて総量を2400mlとした。
この塗布液を銀量が片面で2.2g/m2となるように厚さ0.18mmのポリエステルベ−スの両面に塗布した。
Figure 2007041376
<表面保護層塗布液の調製と塗布>
下記のように、本発明および比較の界面活性剤を用いた表面保護層塗布液を調製し、これを両面の乳剤層の各外側に塗布速度160m/秒で塗布し、塗布試料を調製した。
各成分が下記の塗布量となるように調製し、塗布した。
・ゼラチン 0.78g/m2
・ポリメチルメタクリレート(マット剤、平均粒径3.7μm) 46.7mg/m2
・プロキセル 0.37mg/m2
・ポリアクリル酸ナトリウム(質量平均40万) 0.98mg/m2
・本発明の界面活性剤もしくは比較の界面活性剤 (表2に示す)
・化合物A−9 40.5mg/m2
・化合物A−10 2.16mg/m2
・日産化学社製スノーテックスC(粒径10nm程度のコロイダルシリカ)
0.18g/m2
Figure 2007041376
2.性能評価
<塗布面状の評価>
塗布面状検査として、各試料のハジキと称される塗布故障を数えた。本発明におけるハジキとは、最表面保護層が局所的に薄塗りになってしまうかあるいは全く塗布されない点状欠陥である。比較試料で発生した個数を100として、その他の試料については比較試料との相対値で表した。
<スタチックテスト>
各塗布試料をシート状に裁断し、25℃60%RHの雰囲気下で1時間調湿し、本発明の当てボールと比較の当てボールにコンタクトさせ、密封し、90g/cm2の荷重をかけ3日間25℃で放置した。それらサンプルを用いて、更に以下の工程を試験した。カセッテFuji EC CASSETTEN(富士写真フイルム(株)製)の内側に、Hi−SCREEN B−2(富士写真フイルム(株)製)を貼り付け、25℃25%RHの状況下で上記スクリーンを繊維で擦り、シシド静電気(株)製の商品名「静電電位測定機M2」で測定して、上記スクリーン表面の静電気の電圧が3kv〜4kvとなるように、富士写真フイルム(株)製Xレイ増感紙用クリーナー(商品名「富士ASクリーナー」)の塗布と、アセトン及びクロロホルムによる脱膜により調節し、そのカセッテの中に比較例及び各試料をセットした。そして、25℃25%RHの暗室に30分放置した後、カセッテから取り出し、自動現像機(富士写真フイルム(株)、商品名CEPROS−M2にて現像液CED−1(富士写真フイルム(株)製)を用い34℃にて25秒全処理90秒現像した。定着液はCEF−1(富士写真フイルム(株)製)を用い、水洗には水道水を用いた。
以上の過程を経て得られた現像処理済みサンプルのスタチックの発生状況を観察し、下記の基準でランク付けした。
ランク: 基準
1:スタチックマークの発生が全く無い。
2:僅かにスタチックマークの発生がある。
3:中程度のスタチックマークの発生がある。
4:スタチックマークの発生が大きい。
5:著しくスタチックマークの発生が大きい。
評価結果を他の実施例の結果を含めてまとめて表2に示した。
以上の結果から、本発明の化合物を用いることによりハジキ故障を減少させることができた。また、本発明による当てボールを使用することにより、帯電特性も安定させることが出来た。
実施例2
1.下塗り支持体の作製
1)下塗層用染料D−1の調製
下記染料を特開昭68−197943号公報に記載の方法でボールミル処理した。
Figure 2007041376
水434mL及びTritonX−200界面活性剤(TX−200)の6.7質量%水溶液791mLとを2リットルのボールミルに入れた。染料20gをこの溶液に添加した。酸化ジルコニウム(ZrO)のビーズ400mL(2mm径)を添加し内容物を4日間粉砕した。この後、12.5質量%ゼラチン160gを添加した。脱泡したのち、濾過によりZrOビーズを除去した。得られた染料分散物を観察したところ、粉砕された染料の粒径は直径0.05μm〜1.15μmにかけての広い分布を有していて、平均粒径は0.37μmであった。さらに、遠心分離操作をおこなうことで0.9μm以上の大きさの染料粒子を除去した。こうして染料分散物D−1を得た。
2)支持体の作製
二軸延伸された厚き183μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にコロナ放電処理を行い、下記の組成より成る第1下塗液を塗布量が5.1mL/m2となるようにワイヤーバーローターにより塗布し、175℃にて1分間乾燥した。次に反対面にも同様にして第1下塗層を設けた。使用したポリエチレンテレフタレートには下記構造の染料D−2が0.04質量%含有されているものを用いた。
Figure 2007041376
−第1下塗液の組成−
支持体の片側1m2当たりの塗布液量を4.9mLとし、各添加素材の支持体の片側1m2当たりの塗布量は以下の通りである。
・ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス(固形分として) 0.31g
*ラテックス溶液中には、乳剤分散物として下記構造の化合物A−11がラテックス固形分に対して0.4質量%含有されている。
・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム 8mg
Figure 2007041376
さらに、上記支持体における両面の第1下塗層上に下記組成からなる第2の下塗液を塗布量が下記に記載の量となるように片側ずつ、両面にワイヤー・バーコーター方式により150℃で塗布・乾燥して、第2下塗り層を形成した。
−第2下塗り層の組成−
片側1m2あたりの塗布量を下記に示す。
・ゼラチン 81mg
・C1225O(CH2CH2O)10H 3.8mg
・A−12 0.28mg
・ポリメチルメタクリレートの平均粒径2.5μmのマット剤 2.3mg
・エチルアクリレート/アクリル酸(=95/5)のポリマーラテックス 8.2mg
・染料分散物D−1 8.2mg
・酢酸 0.6m
Figure 2007041376
2.塗布液の調製
1)ハロゲン化銀乳剤T−1の調製
水1リットル中に臭化カリウム6g、ゼラチン7gを添加し55℃に保った容器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37mL(硝酸銀4.00g)と臭化カリウム5.9gを含む水溶液38mLをダブルジェット法により37秒間で添加した。つぎにゼラチン18.6gを添加した後70℃に昇温して硝酸銀水溶液89mL(硝酸銀9.8g)を22分間かけて添加した。ここで25%のアンモニア水溶液7mLを添加し、そのままの温度で10分間物理熟成したのち100%酢酸溶液を6.5mL添加した。引き続いて硝酸銀153gの水溶液と臭化カリウムの水溶液をpAg8.5に保ちながらコントロールダブルジェット法で35分かけて添加した。次に硝酸銀水溶液を用いてpBr2.8に調整した後、2mol/Lのチオシアン酸カリウム溶液15mLを添加した。5分間そのままの温度で物理熟成したのち35℃に温度を下げた。平均投影面積直径1.10μm、厚み0.165μm、直径の変動係数18.5%の単分散純臭化銀平板状粒子を得た。この後、沈降法により可溶性塩類を除去した。再び40℃に昇温してゼラチン30gごとフェノキシエタノール2.35g及び増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.8gを添加し、水酸化ナトリウムと硝酸銀溶液でpH5.90、pAg8.25に調整した。この乳剤を攪拌しながら56℃に保った状態で化学増感を施した。但し、AgI微粒子を化学増感前と中にそれぞれ単分散純臭化銀平板状粒子1モルについて0.05モル%分添加した。先ず、二酸化チオ尿素0.043mgを添加し、22分間そのまま保持して還元増感を施した。次に、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン20mgと増感色素A−13を400mg、A−14を2mg添加した。さらに塩化カルシウム0.83gを添加した。引き続き、増感剤としてチオ硫酸ナトリウム1.5mg、A−2を2.2mg、塩化金酸2.6mg及びチオシアン酸カリウム90mgを添加し40分後に35℃に冷却した。こうして平板状のハロゲン化銀乳剤T−1を調製した。得られたハロゲン化銀乳剤T−1のハロゲン化銀粒子に含まれるヨード量の平均は、0.1モル%であった。
Figure 2007041376
2)ハロゲン化銀乳剤T−2の調製
AgI微粒子の添加量を、化学増感前と中にそれぞれ0.5モル%分添加に変更した以外は、上記のハロゲン化銀乳剤T一1と同様な方法でハロゲン化銀乳剤T−2を調製した。ハロゲン化銀乳剤T−2のハロゲン化銀粒子に含まれるヨード量の平均は、1.0モル%であった。
3)塗布試料の調製
−乳剤層用塗布液T−1の調製−
T−1乳剤塗布液を以下の塗布量になるように添加調製した。
・乳剤T−1(銀量として) 1.09g/m2
・デキストラン(平均分子量3.9万) 0.21g/m2
・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 19mg/m2
・硬膜剤(1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン)26mg/m2
・A−3 0.2mg/m2
・A−4 1.1mg/m2
・A−15 4.1mg/m2
・A−16 0.1g/m2
・A−17 0.02g/m2
−乳剤層用塗布液T−2の調製−
T−2乳剤塗布液を以下の塗布量になるように添加調製した。
・乳剤T−2(銀量として) 0.66g/m2
・デキストラン(平均分子量3.9万) 0.13g/m2
・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 11mg/m2
・硬膜剤(1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン)27mg/m2
・A−3 0.1mg/m2
・A−4 0.6mg/m2
・A−5 0.45mg/m2
・A−7 0.34g/m2
・A−15 1.2mg/m2
・A−16 0.06g/m2
Figure 2007041376
−表面保護層用塗布液の調製−
下記のように、本発明および比較の界面活性剤を用いた表面保護層用塗布液を作製し塗布した。
表面保護層用塗布液の内容 塗布量
・ゼラチン 0.966g/m2
・ポリアクリル酸ナトリウム 0.023g/m2
・4−ヒドロキシ−メチル−1,3,3a,,7−テトラザインデン0.015g/m2
・ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.7μm) 0.087g/m2
・プロキセル(NaOHでpH7.4に調整) 0.5mg/m2
・本発明の界面活性剤もしくは比較の界面活性剤 (表2に示す)
・A−17 0.045g/m2
・A−18 6.5mg/m2
・A−19 1.7mg/m2
Figure 2007041376
3.塗布
上記準備した下塗り支持体上に、上記乳剤層用塗布液T−1、T−2及び表面保護層用塗布液を同時押し出し法により塗布速度160m/秒で両面に塗布し、乳剤層と表面保護層とを形成し、片面当りの塗布銀量は1.75g/m2とした。
4.性能評価
実施例1と同様に評価した。評価結果を他の実施例の結果を含めてまとめて表2に示した。その結果、本発明の化合物を用いることによりハジキ故障を減少させることができた。
また、本発明による当てボールを使用することにより、帯電特性も安定させることが出来た。
実施例3
1.試料の作製
<ハロゲン化銀乳剤の調製>
水1リットル中にゼラチン21g、NH4NO3を10.7g、KBrを0.3g、AgNO3を0.07g添加し、42℃に保った反応容器中に攪拌しながら、AgNO3を85.7gとNH4NO3を0.71g含む水溶液とKBrを含む水溶液をコントロ−ルダブルジェット法で19分10秒かけて添加した。ダブルジェット添加開始後25質量%のアンモニア水2.4mlを添加し、そのt分後に0.71gの氷酢酸で中和した。その後AgNO3を85.7gとNH4NO3を0.71g含む水溶液とKBrを39.6g、KIを1.17g、K3IrCl6を0.52mg含む水溶液をダブルジェット法で8分40秒かけて添加した。この段階で球相当の粒子直径が0.21μmになるようtを調製した。この後温度を35℃に下げ、沈降法により可溶性塩類を除去した。その後温度を60℃に上げ、ゼラチン156g、2−フェノキシエタノ−ル5gを添加し、NaOHと硫酸でpHを6.70に調製した。その後1−フェニル−5−メルカプトテトラゾ−ル56mg、チオ硫酸ナトリウム4.79mg、4,7−ジチア−1,10−デカンジオ−ル124mg、HAuClを49.57mgとチオシアン酸カリウム43.4mgを添加しT分後に4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン0.91gを添加してから急冷し、固化し、原乳剤とした。
<乳剤層塗布液の調製>
原乳剤1kgに対し、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドオキシム0.2g、KBr0.66g、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム3.26g、3−(5−メルカプト−1−テトラゾイル)ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.10g、リポ酸28mg、1,3−ジヒドロキシベンゼン0.8g、3,4−ジメチルチアゾリン−2−チオン82mg、化合物A−7を21mg、化合物Iを6.4mg、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩0.60gを添加、水を加えて全量を1043mlとした。この液を2軸延伸後にスチレン−ブタジエンの第一下塗り(0.3g/m2)とゼラチン(0.1g/m2)の第二下塗りを施した青色着色のポリエチレンテレフタレ−ト(厚さ175μm)支持体上に109ml/m2塗布し乾燥した。粒子の晶癖は立方体で球相当の粒子サイズは0.21μm、塗布Ag量は7.35g/m2、塗布ゼラチン量は12.0g/m2であった。
Figure 2007041376
<保護層塗布液の調製>
牛骨を原料とした石灰処理ゼラチン(pH6.0、ゼリ−強度260g、Ca含量2700ppm)1kgに対し、水9865ml、メタノ−ル921ml、粒径5.5μmのPMMAマット剤28.8g、上記化合物A−9を4.5g、FSA−28を0.40gと、本発明の界面活性剤もしくは比較の界面活性剤(表2に示す)をそれぞれ添加し、リン酸でpHを5.1に調整した。その後、大日本インキ(株)製ボンコ−トDV−759を固形分換算で209g、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩を3.56g添加し、この塗布液をゼラチン量が2.21g/m2となるように乳剤層の上に塗布し、乾燥した。
<塗布>
上記乳剤及び保護層を、支持体の両面に塗布速度40m/秒で塗布し、片面の塗布Ag量は7.35g/m2、塗布ゼラチン量は14.2g/m2となるようにした。また、片面にのみ乳剤及び乳剤保護層を塗布する場合、以下に示す層を乳剤を塗布した面で無い面に塗布した。
<バック層塗布液の調製>
保護層と同じ種類のゼラチン1kgに対し、プロキセル(ICI社製)1g、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩3.5g、日産化学社製スノ−テックスC(20質量%液、粒径10nm)0〜1514ml、ポリマ−ラテックス〔ポリ(エチルアクリレ−ト/メタクリル酸)=97/3〕0〜1500mlを添加し、水を加えて全量を9730mlとした。これらの塗布液を前記の乳剤層および表面保護層を塗布した片面感材のバック側に単位面積当たりのゼラチン塗布量が11g/m2となるよう単層あるいは重層塗布し、乾燥した。
<バック面保護層塗布液の調製>
<バック面保護層塗布液は乳剤層側の保護層液と同じもの、マット剤粒径8μmのものを使用し他の添加薬品は乳剤層側の保護層液と同じもの、スノ−テックスCを固形分換算で0〜0.6g/m2となるよう添加し、他の添加薬品は乳剤層側の保護層液と同じものを各成分の単位面積当たりのゼラチン塗布量が1.7g/m2となるよう単層あるいは重層塗布し、乾燥した。
2.性能評価
実施例1と同様に評価した。評価結果を他の実施例の結果を含めてまとめて表2に示した。その結果、本発明の化合物を用いることによりハジキ故障を減少させることができた。また、本発明による当てボールを使用することにより、帯電特性も安定させることが出来た。
実施例4
1.試料の作製
<乳剤の調製>
1)沃臭化銀乳剤(O)の調製
水1リットルにゼラチン39gを溶解し、65℃に加温された容器にチオ硫酸ナトリウム6.4mg、酢酸1.3g、水酸化アンモニウム1.4g、硝酸銀15mg、臭化カリウム61mg、および下記化合物Aを3.8g入れた後、硝酸銀192g、硝酸アンモニウム0.77gを含む水溶液560mlと、イリジウムと完成ハロゲン化銀モル比が2.3×10-7となるようヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム、さらに臭化カリウム130gを含む水溶液470mlとをダブルジェット法により添加した。その後沃化カリウム0.11gを添加し、平均サイズ0.51μmの立方体単分散沃臭化銀粒子を調製した。この乳剤に下記化合物Bを添加し、脱塩処理後、ゼラチン48g、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.45g、フェノキシエタノール2.8gを加えpH6.2に合わせてチオ硫酸ナトリウム1.4mgと塩化金酸3.9mgを加えて、62℃で化学増感を施した後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン0.38gを加え、急冷し固化した。
Figure 2007041376
2)沃臭化銀乳剤(P)の調製
水1リットルにゼラチン38gを溶解し、55℃に加温された容器にチオ硫酸ナトリウム6.4mg、酢酸1.3g、水酸化アンモニウム0.80g、硝酸銀6.1mg、臭化カリウム61mg、および上記化合物Aを3.8g入れた後、硝酸銀190g、硝酸アンモニウム0.77gを含む水溶液590mlと、イリジウムと完成ハロゲン化銀モル比が9.0×10-7となるようヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム、さらに、臭化カリウム130gを含む水溶液450mlとをダブルジェット法により添加した。その後沃化カリウム0.14gを添加し、平均サイズ0.36μmの立方体単分散沃臭化銀粒子を調製した。この乳剤にポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量5万)を添加し脱塩処理後、ゼラチン48g、核酸塩基混合物0.14g、臭化カリウム0.16g、フェノキシエタノール2.2gを加えpH6.0に合わせてチオ硫酸ナトリウム4.1mgと塩化金酸7.4mgを加えて、60℃で化学増感を施した後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン0.37gを加え、急冷し固化した。
3)乳剤塗布液の調製
乳剤OとPをハロゲン化銀モル比1/2.1で混合し、乳剤中のハロゲン化銀1モル当たり下記添加剤を加えて塗布液とした。
・分光増感色素(D−1) 3.6×10-5mol
・強色増感剤(化合物D) 1.5×10-4mol
・3−アリル−2,6−ジメチルベンゾチアゾリウム臭化物 5.7×10-4mol
・化合物E 2.5×10-4mol
・ポリアクリルアミド(分子量40000〜50000) 9.3g
・ポリ(エチルアクリレート/メタクリル酸)ラテックス 1.8g
・1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 1.8g
・1,3−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)プロパン 0.59g
Figure 2007041376
4)乳剤表面保護層塗布液の調製
容器を65℃に加温し、下記に示す処方で添加剤を加えて乳剤表面保護層塗布液とした。
<乳剤表面保護層塗布液処方>
イ)ゼラチン 100g
ロ)ポリアクリルアミド(分子量4万〜5万) 12g
ハ)ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 0.15g
ニ)1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 1.4g
ホ)1,3−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)プロパン 0.46g
へ)ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ2.8μm) 2.6g
ト)ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ0.7μm) 3.0g
チ)本発明の界面活性剤もしくは比較の界面活性剤 (表2に示す)
リ)C1633O−(CH2CH2O)10−H 3.3g
ヌ)ポリアクリル酸ナトリウム(分子量約10万) 3.7g
ワ)NaOH(1N) 3ml
カ)メタノール 78ml
ヨ)化合物G 52mg
Figure 2007041376
5)バック層塗布液の調製
バック層塗布液の調製容器を65℃に加温し、下記に示す処方で添加剤を加えてバック層塗布液とした。
<バック層塗布液処方>
イ)ゼラチン 100g
ロ)アンチハレーション染料(化合物H) 2.3g
ハ)ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 1.7g
ニ)ポリ(エチルアクリレート/メタクリル酸)のラテックス 3.3g
ホ)1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 2.5g
へ)1,3−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)プロパン 0.84g
ト)化合物G 45mg
チ)A−7 0.28g
リ)化合物J 84mg
ヌ)リン酸 0.40g
Figure 2007041376
6)バック面保護層塗布液の調製
バック表面保護層塗布液の調製容器を65℃に加温し、下記に示す処方で添加剤を加えてバック表面保護層塗布液とした。
<バック表面保護層塗布液処方>
イ)ゼラチン 100g
ロ)ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 0.3g
ハ)1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 1.3g
ニ)1,3−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)プロパン 0.43g
ホ)ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ5.8μm) 3.3g
ヘ)本発明の界面活性剤もしくは比較の界面活性剤 (表2に示す)
ト)C1633O−(CH2CH2O)10−H 2.9g
チ)ポリアクリル酸ナトリウム(分子量約10万) 1.3g
ヌ)NaOH(1N) 7ml
ヲ)メタノール 110ml
ワ)化合物G 45mg
7)塗布
写真材料の作製バック層塗布液をバック層の表面保護層とともにポリエチレンテレフタレート支持体の一方の側に、塗布速度160m/秒で、バックのゼラチン塗布量2.4g/m2、バック保護層のゼラチン塗布量1.4g/m2、ゼラチン総塗布量が3.8g/m2となるよう塗布した。これに続いて支持体の反対側に乳剤塗布液と表面保護層塗布液とを乳剤の銀量が2.8g/m2、表面保護層のゼラチン塗布量が1.2g/m2になるように塗布した。
2.性能評価
実施例1と同様に評価した。評価結果を他の実施例の結果を含めてまとめて表2に示した。その結果、本発明の化合物を用いることによりハジキ故障を減少させることができた。また、本発明による当てボールを使用することにより、帯電特性も安定させることが出来た。
実施例5
1.試料の作製
(ハロゲン化銀乳剤A−1の調製)
KBr0.8g、平均分子量20000の酸化処理ゼラチン3.2gを含む水溶液1178mLを35℃に保ち撹拌した。AgNO3(1.6g)水溶液とKBr(1.16g)水溶液と平均分子量20000の酸化処理ゼラチン(1.1g)水溶液をトリプルジェット法で45秒間に渡り添加した。AgNO3溶液の濃度は0.3mol/リットルの溶液を用いた。その後20分かけて75℃に昇温し、平均分子量100000のゼラチン26gを添加した。AgNO3(209g)水溶液とKBr99.9モル%とKI0.1モル%の水溶液をpAg8.5に保ちながらコントロールダブルジェット法で流量加速しながら75分間に渡って添加した。平均分子量100000のゼラチンを加えた後、常法に従って脱塩した。その後、平均分子量100000のゼラチンを加えて分散し、40℃でpH5.8、pAg8.0に調整し、乳剤を調製した。この乳剤は乳剤1kg当たり、Agを1モル、ゼラチンを60g含有し、ハロゲン化銀乳剤粒子は、平均円相当直径1.5μm、円相当直径の変動係数22%、平均厚み0.10μm、平均アスペクト比15の平板粒子であった。
(ハロゲン化銀乳剤B−1の調製)
KBr0.8g、平均分子量20000のゼラチン1gを含む水溶液1178mLを35℃に保ち撹拌した。AgNO3(0.74g)水溶液とKBr(0.54g)水溶液をダブルジェット法で45秒間に渡り添加した。AgNO3溶液の濃度は0.2mol/Lの溶液を用いた。その後30分かけて68℃に昇温し、平均分子量100000のコハク化ゼラチン13gを添加した。AgNO3(237g)水溶液とKBrの水溶液をpAg8.5に保ちながらコントロールダブルジェット法で流量加速しながら45分間に渡って添加した。平均分子量100000のゼラチンを加えた後、常法に従って脱塩した。その後、平均分子量100000のゼラチンを加えて分散し、40℃でpH5.8、pAg8.0に調整し、乳剤を調製した。この乳剤は乳剤1kg当たり、Agを1モル、ゼラチンを60g含有し、ハロゲン化銀乳剤粒子は、平均円相当直径2.0μm、円相当直径の変動係数30%、平均厚み0.09μm、平均アスペクト比22の平板粒子であった。
(化学増感)
以上のように調製したそれぞれの乳剤を攪拌しながら52℃に保った状態で化学増感を施した。まず、下記のチオスルホン酸化合物−1をハロゲン化銀1モル当たり7×10-5モル添加し、次に直径0.03μmのAgI微粒子を全銀量に対して0.15モル%添加した。その後、チオシアン酸カリウムをハロゲン化銀1モル当たり6×10-4モル相当添加し、A−13をハロゲン化銀1モル当たり1×10-3モル相当及びA−14の溶液をハロゲン化銀1モル当たり3×10-6モル相当添加し、さらに塩化カルシウムを添加した。その後、下記A−15の溶液をハロゲン化銀1モル当たり2×10-4モル相当添加した。引き続き、塩化金酸をハロゲン化銀1モル当たり2×10-5モル相当およびチオシアン酸カリウムをハロゲン化銀1モル当たり6×10-4モル相当添加した後、チオ硫酸ナトリウムをハロゲン化銀1モル当たり1×10-5モル相当とセレンA−2をハロゲン化銀1モル当たり4×10-6モル相当加えた。60分後に35℃に冷却して乳剤の化学増感を終了した。
Figure 2007041376
(乳剤層塗布液の調製方法)
以下の塗布量となるように乳剤に各化合物を添加した。
<片面1m2当たりの素材塗布量>
・塗布銀量 1.30g
・ゼラチン 1.20g
・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 39mg
・A−3 0.22mg
・A−4 1.6mg
・A−15 3.7mg
・A−16 143mg
・D−2固形分として 19.7mg
・1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 60mg
このときこの乳剤層の塗布液量は片側1m2当たり50.5mlであった。
(表面保護層塗布液の調製方法)
以下の塗布量となるように各化合物を添加した。
<片面1m2当たりの素材塗布量>
・ゼラチン 0.767g
・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 26mg
・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 0.9mg
・ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3.7μm)固形分として70mg
・A−17 34.6mg
・A−18 6.8mg
・A−19 2.1mg
・A−5 0.5mg
・本発明の界面活性剤もしくは比較の界面活性剤 (表2に示す)
・防腐剤G 0.9mg
・p−ベンゾキノン 0.7mg
このとき水酸化ナトリウムを少量用いてこの表面保護層の塗布液のpHを6.6に調整した。塗布量は片側1m2当たり9.4mlであった。
(塗布)
前述のように準備した下塗り塗布された支持体上に支持体側から染料層、乳剤層、表面保護層の構成になるように塗布速度160m/秒で同時押し出し法により両面に同時塗布し、185℃にて乾燥した。
2.性能評価
実施例1と同様に評価した。評価結果を他の実施例の結果を含めてまとめて表2に示した。その結果、本発明の化合物を用いることによりハジキ故障を減少させることができた。また、本発明による当てボールを使用することにより、帯電特性も安定させることが出来た。
実施例6
1.ハロゲン化銀感光材料の作製
表面保護層に添加した界面活性剤を下記表1に示す化合物および添加量にそれぞれ変更した以外は実施例2と同様にしてハロゲン化銀感光材料No.6−1〜7を作製した。
2.当てボールの作製
針葉樹からなるNBKPパルプと、広葉樹からなるLBKPパルプのバージン品を50質量%/50質量%の比率で叩解し、アクリルアミド系紙力増強剤を上記リサイクル品が混合されていないパルプに混合し、アルキルケテンダイマーとカチオン化デンプンを混合し、3層構造に抄き合わせる。その3層構造に抄き合わせたものを、プレスロールで脱水し、表面温度が120℃〜150℃、含水率が2〜3質量%となるように乾燥した。
1)当てボールA
その後、抄紙表面をポリビニルアルコールで塗布量0.24g/m2となるようにコーティングし、含水率7〜8質量%とした当てボールが本発明による当てボールである。
2)当てボールC(比較例)
また、表面をコーティングせずに含水率7〜8質量%とした当てボールが比較の当てボールである。
3.性能評価
作製した各々の試料を25℃60%RHの雰囲気下で1時間調湿し、本発明の当てボールと比較の当てボールにコンタクトさせ、密封し、90g/cm2の荷重をかけ3日間25℃で放置した。その試料を、25℃25%RHの条件下で1時間調湿した後、ADVANTEST社製のR12704を用いて50秒間電圧をかけ、そのときの表面抵抗値(LogSR)を求めた。結果を表1に示す。LogSRの値が小さいほど電気漏洩時間が早いことを示し、放電し難いことを示す。
Figure 2007041376
塗布試料単体と当てボールCのLogSRの差が0.3〜0.7であるのに対して、塗布試料単体と当てボールAのLogSRの差は0.1〜0.2と小さかった。すなわち、本発明の表面を有機化合物でコーティングした包材を使用することにより、当てボールとコンタクトしているフィルムの表面抵抗値の変動を抑えることが出来た。
比較に用いた界面活性剤を下記に示す。
Figure 2007041376
Figure 2007041376
表2における各化合物の塗布量は下記の通りである。
(比較例1)WO−1:1.72mg/m2;WO−3:1.48mg/m2;WE−1:4.85mg/m2
(本発明1−1)FS−1:1.38mg/m2;WS−20:3.88mg/m2;WT−13:2.1mg/m2;FS−104:2.22mg/m2
(本発明1−2)FS−1:1.38mg/m2;WS−20:3.88mg/m2;WH−5:1.3mg/m2;WH−13:0.8mg/m2;FS−104:2.22mg/m2
(比較例2)WO−1:1.42mg/m2;WO−3:3.11mg/m2;WE−1:17.5mg/m2
(本発明2−1)FS−1:1.14mg/m2;WS−20:14.2mg/m2;WT−13:7.4mg/m2;FS−104:4.67mg/m2
(本発明2−2)FS−1:1.14mg/m2;WS−20:14.2mg/m2;WH−5:4.4mg/m2;WH−13:3.0mg/m2;FS−104:4.67mg/m2
(本発明2−3)FS−1:1.14mg/m2;WS−20:14.2mg/m2;WT−7:8.9mg/m2;FS−104:4.67mg/m2
(本発明2−4)FS−7:0.97mg/m2;WS−20:14.2mg/m2;WT−7:8.9mg/m2;FS−104:4.67mg/m2
(比較例3)WO−1:3.42mg/m2;WE−1:73.4mg/m2
(本発明3−1,2)FS−1:2.74mg/m2;WS−20:58.7mg/m2;WH−5:18.7mg/m2;WH−13:12.5mg/m2
(本発明3−2(BC面))FS−1:2.06mg/m2;WS−20:44.2mg/m2;WH−5:14.1mg/m2;WH−13:9.4mg/m2
(本発明3−3)FS−1:2.74mg/m2;WS−20:58.7mg/m2;FS−104:8.22mg/m2
(本発明3−4)FS−1:2.74mg/m2;WS−20:58.7mg/m2;WT−7:31mg/m2
(比較例4(乳剤面))WO−1:0.95mg/m2;WO−2:0.7mg/m2;WE−1:17.2mg/m2
(BC面)WO−1:0.81mg/m2;WO−2:0.5mg/m2;WE−1:20.2mg/m2
(本発明4−1(乳剤面))FS−1:0.52mg/m2;WS−20:17.2mg/m2;WT−13:10.4mg/m2
(BC面)FS−1:0.64mg/m2;WS−20:20.2mg/m2;WT−13:9.1mg/m2
(比較例5)WO−1:1.22mg/m2;WO−3:3.18mg/m2;WE−1:17.8mg/m2
(本発明5−1)FS−1:1.64mg/m2;WS−20:14.2mg/m2;WT−13:9.1mg/m2;FS−104:5.56mg/m2
(本発明5−2)FS−7:1.39mg/m2;WS−20:14.2mg/m2;WT−13:9.1mg/m2;FS−104:5.56mg/m2
(本発明5−3)FS−7:1.39mg/m2;WS−20:14.2mg/m2;WT−7:10.9mg/m2;FS−104:5.56mg/m2
(本発明5−4)FS−7:1.39mg/m2;WS−45:13.5mg/m2;WT−7:10.9mg/m2;FS−104:5.56mg/m2
(本発明5−5)WS−45:13.5mg/m2;WH−5:14.1mg/m2;WH−13:9.4mg/m2;1−50:2.5mg/m2
(本発明5−6)WS−45:13.5mg/m2;WT−13:12.8mg/m2;1−73:2.5mg/m2
(本発明5−7)WS−45:13.5mg/m2;WT−7:14.1mg/m2;2−20:2.3mg/m2
(本発明5−8)FS−7:1.39mg/m2;WS−45:13.5mg/m2;WH−8:14.1mg/m2;WH−17:9.4mg/m2;FS−104:5.56mg/m2

Claims (6)

  1. 透明支持体の少なくとも一方の面上に、少なくとも1層のハロゲン化銀感光乳剤層を有し、下記一般式(1)で表されるアニオン性フッ素化合物および下記一般式(2)で表されるアニオン性炭化水素系化合物を含有し、さらに下記一般式(3)でアニオン性炭化水素系化合物および下記一般式(4)で表されるアニオン性炭化水素系化合物の少なくとも一方を含有するハロゲン化銀感光材料:
    Figure 2007041376
    (式中、RB3、RB4およびRB5はそれぞれ独立して水素原子または置換基を表す。A3およびA4はそれぞれ独立にフッ素原子または水素原子を表す。nB3およびnB4はそれぞれ独立に4〜8の整数を表す。LB1およびLB2はそれぞれ独立して、アルキレン基または置アルキレンオキシ基、あるいはこれらを組み合わせてできる2価の連結基を表す。mBは0または1を表す。Mはカチオンを表す。);
    Figure 2007041376
    (式中、R31は炭素数6〜25のアルキル基またはアルケニル基を表し、R32はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜14のアルキル基またはアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基もしくは炭素数6〜18のアリール基を表し、L1は0〜10のいずれかの整数を表し、m1は0〜30のいずれかの整数を表し、n1は0〜4のいずれかの整数を表す。但し、L1とm1は同時に0であることはない。eは0または1を表す。Z31はOSO3MまたはSO3Mを表し、Mはカチオンを表す。);
    Figure 2007041376
    (式中、R3は炭素数6〜24のアルキル基、アルキレン基、またはアラルキル基を表し、L3は水酸基を有する炭素数3〜5のアルキレン基、ビニレン基、ビニレンアルキレン基、またはこれらを組み合わせてできる2価の連結基を表す。bは0または1の整数を表す。Z3はOSO3M基またはSO3M基を表し、Mはカチオンを表す。);
    Figure 2007041376
    (式中、R41、R42およびR43はそれぞれ独立して水素原子または置換基を表す。n2およびn3はそれぞれ独立に1〜5のいずれかの整数を表す。L41およびL42はそれぞれ独立して、F原子を有しないアルキレン基、アルキレンオキシ基、またはこれらを組み合わせてできる2価の連結基を表す。m2は0または1を表す。Mはカチオンを表す。)。
  2. 前記一般式(3)において、L3が水酸基を有する炭素数3〜5のアルキレン基であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀感光材料。
  3. 前記一般式(3)において、L3がビニレンアルキレン基であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀感光材料。
  4. 前期一般式(3)において、L3がアルキレン基とビニレン基を組み合わせてできる2価の連結基であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀感光材料。
  5. 下記一般式(5)で表される非イオン性フッ素化合物を含有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のハロゲン化銀感光材料。
    Figure 2007041376
    (式中、m3は15〜60の整数を表す。n4は8〜24の整数を表す。)。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のハロゲン化銀感光材料のシートと表面に有機物によりコーティングされた層を有する非感光性板材料とを重ねた積層体を遮光性袋材料で包装し密閉した包装体。
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