JP2004240187A - 非イオン性フッ素化合物、界面活性剤およびそれを含む水性塗布組成物ならびにハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

非イオン性フッ素化合物、界面活性剤およびそれを含む水性塗布組成物ならびにハロゲン化銀写真感光材料 Download PDF

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Terukazu Yanagi
輝一 柳
Katsuhiko Kanazawa
克彦 金澤
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Abstract

【課題】安定的な作製が可能であるとともに、帯電防止性の付与されたハロゲン化銀写真感光材料、および表面配向性に優れ、均質な塗膜形成を可能とする新規なフッ素化合物を提供する。
【解決手段】支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を含む1以上の層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、いずれかの層が下記一般式(1)(、AおよびAはそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子を;Lは単結合または2価の連結基を;RおよびRはそれぞれ独立にメチル基、ヒドロキシメチル基または水素原子を;Rはアルキル基または水素原子を;nは1〜50の整数を;aおよびbはそれぞれ独立に2〜20の整数を;cおよびdはそれぞれ独立に1〜6の整数を表す)で表される非イオン性フッ素化合物を含有するハロゲン化銀写真感光材料、および下記一般式(1)で表される化合物である。
一般式(1)
【化1】
Figure 2004240187

【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撥水撥油性、防汚性、帯電防止性等の表面機能付与が可能な新規なフッ素化合物および界面活性剤、ならびにそれを用いた水性塗布組成物およびハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フッ化アルキル鎖を有する化合物が界面活性剤として知られている。このような界面活性剤は、フッ化アルキル鎖の独特の性質(撥水・撥油性、潤滑性、帯電防止性 等)により種々の表面改質を行うことができ、繊維、布、カーペット、樹脂等、幅広い基材の表面加工に用いられている。また、フッ化アルキル鎖を持つ界面活性剤(以降含フッ素系界面活性剤と称する)を種々基質の水性媒体溶液に添加すると、塗膜形成時にハジキのない、均一な被膜を形成することができるばかりでなく、界面活性剤の吸着層を基質表面に形成することができ、上記のフッ化アルキル鎖が持つ独特の性質を被膜表面にもたらすことができる。
【0003】
写真感光材料においても、種々の界面活性剤が用いられ、重要な役割を果たしている。写真感光材料は、通常、親水性コロイドバインダー(例えばゼラチン)の水溶液を含む複数の塗布液を、支持体上に個々に塗布して複数の層を形成し作製される。しばしば、複数の親水性コロイド層を同時多層塗布することも行われる。これらの層には、帯電防止層、下塗り層、ハレーション防止層、ハロゲン化銀乳剤層、中間層、フィルター層、保護層等が含まれ、各層には各機能を発現するための種々の素材が添加される。また、膜物理性改良のためにポリマーラテックスを親水性コロイド層に含有させることもある。さらに、カラーカプラー、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、スベリ剤等の水に難溶性の機能性化合物を親水性コロイド層に含有させるために、これらの素材をそのまま、あるいはリン酸エステル系化合物、フタル酸エステル化合物などの高沸点有機溶媒に溶解させた状態で、親水性コロイド溶液中に乳化分散させて、塗布液の調製に用いる場合がある。このように、一般的に、写真感光材料は種々の親水性コロイド層から構成されており、その製造に際して、種々の素材を含む塗布液を、ハジキや塗布ムラなどの欠陥なく均一に高速塗布することが要求される。このような要求に応えるため、界面活性剤を塗布助剤として塗布液中に添加することがしばしば行われている。
【0004】
一方で、写真感光材料はその製造、撮影、現像処理の間に種々の物質と接触する。例えば、処理の工程において、感光材料が巻き取られた状態にあると、支持体の裏面に形成されたバック層と表面層が接触する場合がある。また、処理の工程において搬送される際に、ステンレス、ゴムローラー等と接触する場合がある。これらの材料と接触すると、感光材料の表面(ゼラチン層)は正に帯電しやすく、場合によっては不要な放電を起こすため、感光材料に望ましくない露光跡(スタチックマークと称される)を残すことになる。このゼラチンの帯電性を軽減するには、フッ素原子を有する化合物が有効であり、フッ素系界面活性剤を添加することがしばしば行われている。特にフッ素系のノニオン性の界面活性剤と他の界面活性剤を併用することにより帯電特性を良化することも知られている(例えば特許文献1、2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−159929号公報
【特許文献2】
特開昭62−187840号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、界面活性剤、特にフッ素系界面活性剤は塗布膜の均質性を付与するための塗布助剤、あるいは写真感光材料の帯電防止性付与の両機能を担う素材として用いられており、例えば特開昭49−46733号公報、同51−32322号公報、同57−64228号公報、同64−536号公報、特開平2−141739号公報、同3−95550号公報、同4−248543号公報等にその具体例が開示されている。しかしながら、これらの素材は近年の写真感光材料の高感度化および高速塗布化の要請に対して、必ずしも満足する性能を有するものではなく、さらなるフッ素系界面活性剤の改良が望まれている。また、従来汎用的に使用されてきたパーフルオロオクタンスルホン酸から誘導された界面活性剤は生態への蓄積性が高く、安全性に懸念があることが示唆されている。パーフルオロオクタンスルホン酸を含まない界面活性剤の開発が望まれている。
【0007】
本発明は、パーフルオロオクタンスルホン酸を含有せずに、表面配向性に優れ、塗膜の形成に用いた際に均質な塗膜形成を可能とする新規なフッ素化合物およびそれを含む界面活性剤を提供することを課題とする。また、本発明は、均質でかつ帯電防止性を有する塗膜の形成が可能な水性塗布組成物を提供することを課題とする。さらに本発明は、安定的な作製が可能であるとともに、帯電防止性の付与されたハロゲン化銀写真感光材料を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
<1>前記課題を解決するため、本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を含む1以上の層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、いずれかの層が下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする。
【0009】
一般式(1)
【化4】
Figure 2004240187
【0010】
(式中、AおよびAはそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子を表し、Lは単結合または2価の連結基を表す。RおよびRはそれぞれ独立にメチル基、ヒドロキシメチル基または水素原子を表す。Rはアルキル基または水素原子を表す。nは1〜50の整数を表す。aおよびbはそれぞれ独立に2〜20の整数を表し、cおよびdはそれぞれ独立に1〜6の整数を表す。)
<2> 最外層に非感光性の親水性コロイド層を有し、該最外層が前記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする<1>に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
<3> 最外層に非感光性の親水性コロイド層を有し、該最外層が前記一般式(1)で表される化合物とアニオン性フッ素系化合物またはアニオン性炭化水素系化合物とを含有することを特徴とする<2>に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
<4> 最外層に非感光性の親水性コロイド層を有し、該最外層が前記一般式(1)で表される化合物とアニオン性フッ素系化合物とアニオン性炭化水素系化合物とを含有することを特徴とする<3>に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
<5> 前記アニオン性フッ素系化合物が下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする<3>または<4>記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0011】
一般式(2)
【化5】
Figure 2004240187
【0012】
(式中、RB3、RB4およびRB5はそれぞれ独立して水素原子または置換基を表す。AおよびAはそれぞれ独立にフッ素原子または水素原子を表す。nB3およびnB4はそれぞれ独立に4〜8の整数を表す。LB1およびLB2はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアルキレン基または置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基、あるいはこれらを組み合わせてできる2価の連結基を表す。mは0または1を表す。Mはカチオンを表す。)
【0013】
<6> 前記アニオン性炭化水素系化合物が下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする<3>〜<5>のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0014】
一般式(3)
【化6】
Figure 2004240187
(式中、R31は炭素数6〜25のアルキル基またはアルケニル基を表し、R32は水素原子、炭素数1〜14のアルキル基もしくはアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数6〜18のアリール基を表し、複数のR32はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。Lは0〜10のいずれかの整数を表し、mは0〜30のいずれかの整数を表し、nは0〜4のいずれかの整数を表し、eは0または1を表す。Z31はOSOMまたはSOMを表し、Mはカチオンを表す。)
【0015】
また、本発明は、前記課題を解決するため、前記一般式(1)で表される非イオン性フッ素化合物、前記一般式(1)で表される化合物を含む界面活性剤、および前記一般式(1)で表される化合物を含む水性塗布組成物を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
【0017】
[フッ素化合物および界面活性剤]
まず、本発明のフッ素化合物および界面活性剤について説明する。本発明のフッ素化合物は下記一般式(1)で表される。本発明のフッ素化合物は、界面活性剤として用いることができる。
【0018】
一般式(1)
【化7】
Figure 2004240187
【0019】
式中、AおよびAはそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子を表し、Lは単結合または2価の連結基を表す。RおよびRはそれぞれ独立にメチル基、ヒドロキシメチル基または水素原子を表す。Rはアルキル基または水素原子を表す。nは1〜50の整数を表す。aおよびbはそれぞれ独立に2〜20の整数を表し、cおよびdはそれぞれ独立に1〜6の整数を表す。
【0020】
前記一般式(1)中、AおよびAはそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子を表し、好ましくはフッ素原子である。
【0021】
前記一般式(1)中、Lは単結合または2価の連結基を表し、単結合または2価の連結基であれば特に制約はないが、好ましくはアルキレン基、アリーレン基、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−または−NR11−(R11は水素原子または後述の置換基Tを表し、R11として好ましくはアルキル基または水素原子であり、更に好ましくは水素原子である)を単独またはそれらを組合せて得られる基または単結合であり、より好ましくは炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−または−NR11−を単独またはそれらを組合せて得られる総炭素数0〜20の基または単結合である。
Lとして更に好ましくは、炭素数1〜8のアルキレン基、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−または−NR11−を単独またはそれらを組合せて得られる総炭素数0〜12の基、または単結合であり、例えば、以下の基が挙げられる。
【0022】
【化8】
Figure 2004240187
【0023】
はメチル基、ヒドロキシメチル基または水素原子を表し、Rとして好ましくは、水素原子、ヒドロキシメチル基であり、より好ましくは水素原子である。Rはnの数による複数存在するが、複数存在する場合にはRは同じであってもよいし、異なってもよい
【0024】
はメチル基、ヒドロキシメチル基または水素原子を表し、Rとして好ましくは、水素原子、ヒドロキシメチル基でありより好ましくは水素原子である。Rはnの数による複数存在するが、複数存在する場合にはRは同じであってもよいし、異なってもよい。
【0025】
はアルキル基または水素原子を表す。Rで表されるアルキル基は炭素数1〜40のアルキル基であり、直鎖でも、分岐でもよい。また、後述の置換基Tを置換してもよい。
で表されるアルキル基として好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数1〜12のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
として好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、水素原子であり、より好ましくはメチル基、水素原子であり、更に好ましくはメチル基である。
【0026】
nは1〜50の整数を表す。nとして好ましくは1〜40の整数であり、より好ましくは3〜30の整数であり、更に好ましくは10〜30である。
【0027】
前記一般式(1)中、aおよびbはそれぞれ独立に2〜20の整数を表し、好ましくは2〜12の整数である。本発明の化合物を油性の界面活性剤として使用する場合は4〜12が好ましく、よりに好ましくは6〜12であり、更に好ましくは6〜10である。本発明の化合物を水性の界面活性剤として使用する場合には好ましくは2〜10であり、より好ましくは2〜6であり、更に好ましくは3〜4であり、特に好ましくは4である。
【0028】
前記一般式(1)中、cおよびdはそれぞれ独立に1〜6の整数を表し、好ましくは1〜3の整数であり、より好ましくは1〜2の整数である。
【0029】
上記一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は、以下の具体例によってなんら制限されるものではない。なお、下記例示化合物の構造表記の中で特に断りのない限り、アルキル基、パーフルアロアルキル基は直鎖の構造を意味する。また、nは上記と同様1〜50のいずれかの整数を表す。
【0030】
【化9】
Figure 2004240187
【0031】
【化10】
Figure 2004240187
【0032】
本発明の一般式(1)の化合物は、フッ素置換されたヨードアルキルとMgとでGrignard試薬を調整した後に蟻酸エステルを反応させることにより、原料である分岐フッ素アルコールを生成させ、これらをエステル化等を行うことにより、種々の誘導体へと導くことができる。
【0033】
次に一般式(2)で表される化合物に関して詳細に説明する。
【0034】
一般式(2)
【化11】
Figure 2004240187
【0035】
式中、RB3、RB4およびRB5はそれぞれ独立して水素原子または置換基を表す。AおよびAはそれぞれ独立にフッ素原子または水素原子を表す。nB3およびnB4はそれぞれ独立に4〜8の整数を表す。LB1およびLB2はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアルキレン基または置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基、あるいはこれらを組み合わせてできる2価の連結基を表す。mは0または1を表す。Mはカチオンを表す。
【0036】
一般式(2)中、RB3、RB4およびRB5はそれぞれ独立して水素原子または置換基を表す。該置換基として後述の置換基Tが適用できる。
B3、RB4およびRB5としては、好ましくはアルキル基または水素原子であり、より好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、水素原子であり、更に好ましくはメチル基、水素原子であり、特に好ましくは水素原子である。
【0037】
一般式(2)中、AおよびAはそれぞれ独立にフッ素原子または水素原子を表し、AおよびAが同じであっても、異なっていてもよい。AおよびAとして好ましくはAおよびA共にフッ素原子又は水素原子であり、より好ましくはAおよびA共にフッ素原子である。
【0038】
B3およびnB4はそれぞれ独立に4〜8のいずれかの整数を表す。nB3およびnB4は4〜8の整数であれば、お互いが異なっていても、同じであってもよい。nB3およびnB4として好ましくは4〜6の整数でかつnB3=nB4であり、より好ましくは、4または6の整数でかつnB3=nB4であり、更に好ましくはnB3=nB4=4である。
【0039】
は0または1を表し、どちらも同様に好ましい。
【0040】
B1およびLB2は置換もしくは無置換のアルキレン基または置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基、あるいはこれらを組み合わせてできる2価基を表す。置換基は後述の置換基Tが適用できる。LB1およびLB2は、炭素数が4以下であるのが好ましく、また、無置換アルキレンであるのが好ましい。
【0041】
Mはカチオンを表し、Mで表されるカチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましく適用される。Mとして好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンであり、より好ましくは、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンである。更に好ましくはナトリウムイオンである。
【0042】
一般式(2)として好ましくは下記一般式(2−A)である。
【0043】
一般式(2−A)
【化12】
Figure 2004240187
【0044】
(式中、A、A、RB3、RB4、RB5、nB3、nB4、mおよびMは一般式(2)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。nB1、nB2はそれぞれ独立に1ないし6の整数を表す。)
B1、nB2はそれぞれ独立に1ないし6の整数を表す。nB1、nB2は1〜6の整数であればお互いが、異なっていても、同じであってもよい。nB1、nB2として好ましくは1〜6の整数でかつnB1=nB2であり、より好ましくは、1〜3の整数でかつnB1=nB2であり、更に好ましくは2または3の整数でかつnB1=nB2であり、特に好ましくはnB1=nB2=2である。
【0045】
一般式(2)として好ましくは下記一般式(2−B)である。
一般式(2−B)
【化13】
Figure 2004240187
【0046】
式中、nB1、nB2、nB3、nB4、mおよびMは、前記一般式(2−B)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
【0047】
前記一般式(2)としてより好ましくは、下記一般式(2−C)である。
【0048】
一般式(2−C)
【化14】
Figure 2004240187
【0049】
式中、nB5は2または3の整数を表す。nB6は4〜6の整数を表す。mは0または1をし、どちらも同様に好ましい。Mは前記一般式(2)におけるそれらと同義であり、また、好ましい範囲も同様である。
【0050】
以下に、前記一般式(2B)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0051】
【化15】
Figure 2004240187
【0052】
【化16】
Figure 2004240187
【0053】
【化17】
Figure 2004240187
【0054】
【化18】
Figure 2004240187
【0055】
【化19】
Figure 2004240187
【0056】
【化20】
Figure 2004240187
【0057】
次に本発明に用いられる下記一般式(3)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(3)
【化21】
Figure 2004240187
【0058】
式中、R31は炭素数6〜25のアルキル基またはアルケニル基を表し、R32はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜14のアルキル基またはアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基もしくは炭素数6〜18のアリール基を表し、Lは0〜10のいずれかの整数を表し、mは0〜30のいずれかの整数を表し、nは0〜4のいずれかの整数を表し、eは0または1を表す。Z31はOSOMまたはSOMを表し、Mはカチオンを表す。
【0059】
前記一般式(3)中、R31は炭素数6〜25のアルキル基またはアルケニル基を表す。R31の炭素数は6〜22が好ましく、6〜20がさらに好ましく、8〜18が特に好ましい。アルキル基およびアルケニル基は環状構造を有してもよいが、鎖状アルキル基および鎖状アルケニル基の方が好ましい。アルキル基およびアルケニル基は置換基を有してもよいが、好ましくは無置換のアルキル基およびアルケニル基である。鎖状アルキル基および鎖状アルケニル基は、分岐を有していてもよい。アルケニル基の二重結合の位置は特に制限はない。アルキル基の方がアルケニル基よりも好ましい。
【0060】
前記一般式(3)中、R32は水素原子、炭素数1〜14のアルキル基またはアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基もしくは炭素数6〜18のアリール基を表す。好ましいアルキル基またはアルケニル基は炭素数1〜8であり、1〜6がさらに好ましく、1〜4が特に好ましい。好ましいアラルキル基としては、炭素数7〜13がさらに好ましく、7〜10が特に好ましい。アリール基としては炭素数6〜12が好ましく、6〜10が特に好ましい。
【0061】
前記一般式(3)で表されるR32はお互いが結合して環状構造を有していてもよい。また、R32はさらに置換基を有していてもよく、好ましい置換基を以下に示す。
好ましい置換基としては、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルキル基(例えばメチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、t−ブチル)、アルケニル基(例えばアリル、2−ブテニル)、アルキニル基(例えばプロパルギル)、アラルキル基(例えばベンジル)、アリール基(フェニル、ナフチル)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、エトキシエトキシ)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ、2−ナフチルオキシ)などが挙げられる。
【0062】
32として好ましくは、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、より好ましくは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基である。
【0063】
前記一般式(3)中、Lは0〜10の整数を表し、0〜8が好ましく、0〜6がより好ましく、
0〜4が更に好ましく、0が特に好ましい
【0064】
前記一般式(3)中、mは0〜30の整数を表し、0〜25が好ましく、0〜20がさらに好ましく、0〜15が特に好ましい。
【0065】
前記一般式(3)中、nは0〜4の整数を表し、2〜4が特に好ましい。
【0066】
前記一般式(3)中、Z31はOSOMまたはSOMを表し、Mはカチオンを表す。Mで表されるカチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましく適用される。これらのうち、特に好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンである。
【0067】
前記一般式(3)中、eは0または1を表す。
【0068】
以下に、上記一般式(3)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。
WS−1 : C13−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜12
WS−2 : C13−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜12
WS−3 : C13−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜12
WS−4 : C17−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜12
WS−5 : C17−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜12
WS−6 : C17−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜12
WS−7 : C1021−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜12
WS−8 : C1021−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜12
WS−9 : C1021−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜12
WS−10: C1021−O−(CHCHO)−(CH−SOK n=0〜12
【0069】
WS−11: C1021−O−(CHCHO)−(CH−SONH n=0〜12
WS−12: C1123−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜12
WS−13: C1123−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜12
WS−14: C1123−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜12
WS−15: C1225−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜20
WS−16: C1225−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜20
WS−17: C1225−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜20
WS−18: C1429−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜25
WS−19: C1429−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜25
WS−20: C1429−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜25
【0070】
WS−21: C1633−O−(CHCHO)−(CH−SONH n=0〜30
WS−22: C1633−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜30
WS−23: C1837−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜30
WS−24: C1837−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜30
WS−25: C2041−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜30
WS−26: C17CH=C15−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜30
WS−27: C2245−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜30
WS−28: C2449−O−(CHCHO)−(CH−SONa n=0〜30
WS−29: C2449−O−(CHCHO)−(CH−SOLi n=0〜30
WS−30: C13−O−(CHCHO)−OSONa n=0〜12
【0071】
WS−31: C17−O−(CHCHO)−SONa n=0〜12
WS−32: C19−O−(CHCHO)−SONa n=0〜12
WS−33: C1021−O−(CHCHO)−SONa n=0〜12
WS−34: C1123−O−(CHCHO)−SONa n=0〜12
WS−35: C1225−O−(CHCHO)−SONa n=0〜12
WS−36: C1429−O−(CHCHO)−SONa n=0〜20
WS−37: C1633−O−(CHCHO)−SONa n=0〜25
WS−38: C1837−O−(CHCHO)−SONa n=0〜30
WS−39: C1837−O−(CHCHO)−SOK n=0〜30
WS−40: C1837−O−(CHCHO)−SOLi n=0〜30
【0072】
WS−41: C15C(=O)O−(CHCHO)−(CH−SONa
WS−42: C19C(=O)O−(CHCHO)−(CH−SONa
WS−43: C19C(=O)O−(CHCHO)−(CH−SONa
WS−44: C19C(=O)O−(CHCHO)−(CH−SONa
WS−45: C1123C(=O)O−(CHCHO)15−(CH−SONa
WS−46: C17CH=C13C(=O)O−(CHCHO)15−(CH−SONa
WS−47: C2143C(=O)O−(CHCHO)20−(CH−SONa
【0073】
上記一般式(3)で表される化合物は、特開2001−3263号公報、J.Amer.Chem.Soc.,65,2196(1943)、J.Phys.Chem.90,2413(1986)、J.Dispersion Sci.and Tech.,4,361(1983)、US5602087などに記載の公知の方法により合成することができる。
【0074】
以下に、上記置換基Tに関して詳細に説明する。置換基Tとしては、例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基などが挙げられる)、
【0075】
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、例えば、フェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12アシル基であり、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10のアリールオキシカルボニル基であり、例えば、フェニルオキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、
【0076】
アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
【0077】
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されていてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
【0078】
[水性塗布組成物]
本発明のフッ素化合物は界面活性剤として、種々の記録材料(特にハロゲン化銀写真感光材料)を構成している層を形成するための塗布組成物に好ましく用いられる。中でも、写真感光材料の最上層の親水性コロイド層の形成に用いると、効果的な帯電防止能と塗布の均一性を得ることができるので特に好ましい。以下、本発明のフッ素化合物を界面活性剤として含む塗布組成物について説明する。
【0079】
本発明の水性塗布組成物は、本発明の界面活性剤と、前記界面活性剤を溶解および/または分散する媒体とを含有する。その他、目的に応じて、他の成分を適宜含んでいてもよい。
本発明の水性塗布組成物において、媒体としては、水系媒体が好ましい。水系媒体には、水、および水以外の有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、nーブタノール、メチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、アセトン等)と水との混合溶媒が含まれる。本発明において、前記塗布組成物の媒体は水を50質量%以上含んでいるのが好ましい。
【0080】
本発明の水性塗布組成物には、本発明のフッ素化合物の1種類を単独で用いてもよいし、また2種類以上を混合して用いてもよい。また、本発明のフッ素化合物とともに他の界面活性剤を用いてもよい。併用可能な界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系の各種界面活性剤を挙げることができる。また併用する界面活性剤は、高分子界面活性剤であってもよく、本発明の界面活性剤以外のフッ素系界面活性剤であってもよい。併用する界面活性剤としては、アニオン系もしくはノニオン系活性剤がより好ましい。併用可能な界面活性剤としては、例えば特開昭62−215272号公報(649〜706頁)、リサーチ・ディスクロージャ(RD)Item17643,26〜27頁(1978年12月)、同18716,650頁(1979年11月),同307105,875〜876頁(1989年11月)等に記載の界面活性が挙げられる。
【0081】
本発明の水性塗布組成物中に含まれていてもよい、他の成分としては、ポリマー化合物が代表的な例として挙げられる。前記ポリマー化合物は水性媒体に可溶なポリマー(以下、「可溶性ポリマー」という)であってもよいし、ポリマーの水分散物(いわゆるポリマーラテックス)であってもよい。可溶性ポリマーとしては特に制限はないが、例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、カゼイン、寒天、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができ、ポリマーラテックスとしては、種々のビニルモノマー[例えば、アクリレート誘導体、メタクリレート誘導体、アクリルアミド誘導体、メタクリルアミド誘導体、スチレン誘導体、共役ジエン誘導体、N−ビニル化合物、O−ビニル化合物、ビニルニトリル、その他のビニル化合物(例えばエチレン、塩化ビニリデン)]の単独もしくは共重合体、縮合系ポリマーの分散物(例えばポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド)を挙げることができる。この種のポリマー化合物の具体例については、例えば、特開昭62−215272号公報(707〜763頁)、リサーチ・ディスクロージャ(RD)Item17643,651頁(1978年12月)、同18716,650頁(1979年11月),同307105,873〜874頁(1989年11月)等に記載されたポリマー化合物が挙げられる。
【0082】
本発明の水性塗布組成物は、その他、種々の化合物を含んでいてもよく、またそれらは媒体に溶解していてもよく、分散されていてもよい。例えば、写真感光材料の構成層形成に用いる場合には、種々のカプラー、紫外線吸収剤、混色防止剤、スタチック防止剤、スカベンジャー、カブリ防止剤、硬膜剤、染料、防黴剤等を挙げることができる。また、前述したように、本発明の水性塗布組成物は写真感光材料の最上層の親水性コロイド層の形成に用いるのが好ましが、この場合は、塗布組成物中には、親水性コロイド(例えばゼラチン)や本発明のフッ素化合物以外に、他の界面活性剤やマット剤、スベリ剤、コロイダルシリカ、ゼラチン可塑剤等を含有させることができる。
【0083】
本発明のフッ素化合物の使用量については特に制約はなく、用いる化合物の構造やその用途、水性組成物中に含まれる素材の種類や量、および媒体の構成等に応じて、その使用量を任意に決定することができる。例えば本発明の水性塗布組成物を、ハロゲン化銀写真感光材料の最上層の親水性コロイド(ゼラチン)層用塗布液として用いる場合、本発明のフッ素化合物の塗布組成物中の濃度としては、0.003〜0.5質量%であることが好ましく、またゼラチン固形分に対しては0.03〜5質量%であることが好ましい。
【0084】
[ハロゲン化銀乳剤]
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤について説明する。
1)ハロゲン組成
感光性ハロゲン化銀粒子は、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀を用いることができるが、上述のように迅速処理の観点から感光性ハロゲン化銀粒子中に含まれるヨード量が平均で0モル%以上0.45モル%以下である。このヨード量として、好ましくは平均で0.05モル%以上0.40モル%以下、より好ましくは、0.10モル%以上0.30モル%以下である。ここで、感光性ハロゲン化銀粒子に含まれるヨード量の「平均」とは、個々の感光性ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成から求められるヨード含有率の平均値を意味する。感光性ハロゲン化銀の粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ上に変化したものでもよく、あるいは連続的に変化したものでもよい。また、感光性ハロゲン化銀粒子としては、コア/シェル構造を有する感光性ハロゲン化銀粒子を用いることもできる。
【0085】
2)粒子形状
感光性ハロゲン化銀粒子としては、英国特許第635,841号明細書、米国特許第3,622,318号明細書に記載されているような、いわゆるハロゲン変換型(コンバージョン型)の粒子も好適に挙げられる。ハロゲン変換の方法としては、通常ハロゲン変換前の粒子表面のハロゲン組成よりも銀との溶解度積の小さいハロゲン水溶液を添加することにより行う。例えば、塩化銀や塩臭化銀平板状粒子に対しては臭化カリウム及び/又は沃化カリウム水溶液を添加し、臭化銀や沃臭化銀平板に対しては沃化カリウム水溶液を添加してコンバージョンをおこす。これらの添加する水溶液の濃度は、低濃度のほうが好ましく、30%以下が好ましく、より好ましくは10%以下である。さらにハロゲン変換前のハロゲン化銀1モルあたり毎分1モル%以下の速度で、変換ハロゲン溶液を添加するのが好ましい。さらに、ハロゲン変換時に、増感色素及び/又はハロゲン化銀吸着性物質の一部もしくは全部を存在させてもよく、変換ハロゲン水溶液のかわりに、臭化銀や、沃臭化銀、沃化銀のハロゲン化銀微粒子を添加してもよい。これらの微粒子の大きさは、通常0.2μm以下、好ましくは0.lμm以下、特に好ましくは0.05μm以下であることが望ましい。本発明で使用できるハロゲン変換方法は、上記した方法に限定されるものではなく、目的に応じ適宜組み合わせて使用することができる。
【0086】
3)粒子サイズ
感光性ハロゲン化銀粒子の形成方法は当業界では良く知られており、例えば特開平2−68539号公報、米国特許第3700458号明細書、及びリサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号に記載されている方法等を用いることによって調製することができる。
【0087】
4)化学増感方法
化学増感方法としては、特開平2−68539号公報第10頁右上欄13行目から同左下欄16行目、特開平5−313282号公報、及び特開平6−110144号公報に記載の方法を用いることができる。
ハロゲン化銀乳剤の化学増感の方法としては、具体的には、ハロゲン化銀吸着性物質の存在下で硫黄増感法、セレン増感法、還元増感法、金増感法などの知られている方法を用いることができ、単独又は組合せて用いられる。
【0088】
貴金属増感法のうち金増感法はその代表的なもので金化合物、主として金錯塩を用いる。金以外の貴金属、たとえば白金、パラジウム、イリジウム等の錯塩を含有しても差支えない。その具体例は米国特許2448060号明細書、英国特許618061号明細書などに記載されている。
硫黄増感剤としては、ゼラチン中に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、たとえばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニン類等を用いることができる。具体例は米国特許1574944号明細書、同2278947号明細書、同2410689号明細書、同2728668号明細書、同5501313号明細書、同8656955号明細書に記載されたものである。また、セレン増感剤としては特開平6−110144号公報に記載されている。
チオ硫酸塩による硫黄増感と、セレン増感及び金増感の併用は有用である。還元増感剤としては第一すず塩、アミン類、ホルムアミンジスルフィド酸、シラン化合物などを用いることができる。
【0089】
5)カブリ防止剤・安定剤
本発明で用いることができるカブリ防止剤・安定剤としては、特開平2−68539号公報第10頁左下欄17行目から同第11頁左上欄7行目及び同第3頁左下欄2行目から同第4頁左下欄に記載のものを使用できる。
【0090】
具体的には、アゾール類(例えばベンゾチアゾリウム塩、エトロイミダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダゾール類、クロモベンズイミダゾール類、ニトロインダゾール類、ベンゾトリアゾール類、アミノトリアゾール類など);メルカプト化合物類(例えばメルカプトテアゾール類、メルカプトベンジチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、メルカプトテトラゾール類、メルカプトピリミジシ類、メルカプトトリアジン類など);例えばオキサドリンチオンのようなチオケト化合物;アザインデン類(例えばトリアザインデン類、テトラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン類)、ペンタアザインデン類など);ベンゼンチオスルホン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸アミド等のようなカブリ防止剤又は安定剤として知られる化合物を加えることができる。
【0091】
特に特開昭60−76743号公報、同60−87322号公報に記載のニトロン及びその誘導体、特開昭60−80839号公報に記載のメルカプト化合物、特開昭57−164735号公報に記載のヘテロ環化合物、及びヘテロ環化合物と酸の錯塩(例えば1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール類)などを好ましく用いることができる。
【0092】
さらに、プリン類又は核酸類、あるいは特公昭61−36213号公報、特開昭59−90844号公報等に記載の高分子化合物などを使用することもできる。なかでも特にアザインデン類とプリン類、核酸類は好ましく用いることができる。これらの化合物の添加量はハロゲン化銀1モルあたり0.5〜5.0ミリモル、好ましくは0.5〜3.0ミリモルである。
【0093】
6)色調改良剤
本発明で使用できる色調改良剤としては、特開昭62−276539号公報第2頁左下欄7行目から同第10頁左下欄20行目、並びに特開平3−94249号公報第6頁左下欄15行目から第11頁右上欄19行目に記載のものが挙げられる。
具体的には、ハロゲン化銀写真乳剤層の被覆力が60以上とし、ハロゲン化銀写真乳剤層及び/又は他の層中に、520〜560nmの間に極大吸収波長を有する染料と570〜700nmの間に極大吸収波長を有する染料とを、現像処理後の末露光部透過濃度の含有染料による光学濃度の増加が0.03以下となるように含めることができる。
【0094】
ハロゲン化銀写真乳剤層の被覆力を60以上とする乳剤としては代表的には平板状乳剤、微粒子乳剤などを挙げることができる。特には、ハロゲン化銀写真乳剤が0.4μm以下の粒子厚みをもつ平板状ハロゲン化銀粒子からなる場合、あるいは高ヨード表面感光性字乳剤と微粒子で内部がかぶった粒子からなる乳剤との混合乳剤を用いると色調改良の効果が大きい。
本発明で色調改良用に使用できる染料としては、520〜560nm、好ましくは530〜555nmの間に極大吸収波長を有する染料と570〜700nm、好ましくは580〜650nmの間に極大吸収波長を有する染料との併用である。極大吸収波長とは、染料を感光材料中に存在させた状態における極大吸収波長を意味する。
【0095】
本発明で用いられる染料としては、例えば、アントラキノン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、インドアニリン染料、オキソノール染料、カルボシアニン染料、スチリル染料、トリフェニルメタン染料などの中から所定の極大波長を有するものが選択される。現像処理に対する安定性や光堅牢性や、減感、カブリ、ステイン等の写真性能に対する影響を考慮すると、アントラキノン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、及びインドアニリン染料の中から好ましいものが用いられる。好ましい化合物は、特開昭62−276539号公報第3頁左上欄5行目から同第9頁左上欄9行目に記載されている。
このような染料は、乳剤層その他の親水性コロイド層(中間層、保護層、アンチハレーション層、フィルター層など)中に種々の知られた方法で分散することができ、具体的には、特開昭62−276539号公報第9頁左上欄14行目から同第10頁左下欄20行目に記載されている。
【0096】
7)分光増感色素
本発明で用いることができる分光増感色素としては、特開平2−68539号公報第4頁右下欄4行目から同第8頁右下欄に記載されているものが挙げられる。
具体的には、シアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロポーランアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等を用いることができる。
本発明に使用される有用な増感色素は例えば米国特許3522052号明細書、同3617197号明細書、同3713828号明細書、同3615643号明細書、同3615632号明細書、同3617293号明細書、同3628964号明細書、同3703377号明細書、同3666480号明細書、同3667960号明細書、同3679428号明細書、同3672897号明細書、同3769026号明細書、同3556800号明細書、同3615613号現細書、同3613638号明細書、同3615635号明細書、同3705809号明細書、同3632349号明細書、同3677765号明細書、同3770449号明細書、同3770440号明細書、同3769025号明細書、同3745014号明細書、同3713826号明細書、同8567458号明細書、同3625698号明細書、同2526632号明細書、同2503776号明細書、特開昭48−76525号公報、ベルギー特許第691807号明細書などに記載されている。増感色素の添加量はハロゲン化銀1モルあたり0.5mmol以上4mmol未満、好ましくは0.5mmol以上1.5mmol未満がよい。
増感色素の具体例としては、特開平2−68539号公報第5頁から同第8頁に記載されているII−1〜II−47が挙げられる。
【0097】
8)帯電防止剤
本発明では、塗布用助剤、帯電防止剤あるいは帯電調整剤として、特開平2−68539号公報第11頁左上欄14行目から同第12頁左上欄9行目に記載の界面活性剤を用いることができる。
このような目的に用いられる界面活性剤の具体例としては、例えばサポニン(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導体(例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール縮合物、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類又はポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル類、シリコーンのポリエチレンオキサイド化合物類)、糖のアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤;アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキル硫酸エステル類、N−アシル−N−アルキルタウリン類、スルホコハク酸エステル類、スルホアルキルポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、などのアニオン界面活性剤;アルキルベタイン類、アルキルスルホベタイン類などの両性界面活性剤;脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウム塩類、ビリジニウム塩類、イミダゾリウム塩類などのカチオン界面活性剤を用いることができる。
【0098】
この内、サポニン、ドデシルベンゼンスルホン酸Na塩、ジ−2−エチルへキシルα−スルホコハク酸Na塩、p−オクチルフェノキシエトキシエタンスルホン酸Na塩、ドデシル硫酸Na塩、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸Na塩、N−メチル−オレオイルタウリンNa塩などのアニオン、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、N−オレオイル−N’,N’,N’−トリメチルアンモニオジアミノプロパンブロマイド、ドデシルピリジウムクロライドなどのカチオン、N−ドデシル−N,N−ジメナルカルボキシベタイン、N−オレイル−N,N−ジメチルスルホブチルベタインなどのベタイン、ポリ(平均重合度n−10)オキシエチレンセチルエーテル、ポリ(n=25)オキシエチレンp−ノニルフェノールエーテル、ビス(1−ポリ(n=15)オキシエチレン−オキシ−2,4−ジ−t−ベンチルフェニル)エタンなどのノニオンを特に好ましく用いることができる。
また、帯電防止剤としては、特開昭60−80848号公報、同61−112144号公報、特開昭62−172343号公報、特開昭62−173459号公報などに記載のノニオン系界面活性剤、アルカリ金属の硝酸塩、導電性酸化スズ、酸化亜鉛、五酸イ化バナジウム又はこれらにアンチモン等をドープした複合酸化物を好ましく用いることができる。
【0099】
9)マット剤・滑り剤・可塑剤
本発明で用いることができるマット剤・滑り剤・可塑剤としては、特開平2−68539号公報第12頁左上欄10行目から同右上本欄10行目、及び同第14頁左下欄10行目から同右下欄1行目に記載のものが挙げられる。
具体的には、マット剤としては米国特許第2992101号明細書、同2701245号明細書、同4142894号明細書、同4396706号明細書に記載の如きポリメチルメタクリレートのホモポリマー又はメチルメタクリレートとメタクリル酸とのコポリマー、デンプンなどの有機化合物、シリカ、二酸化チタン、硫酸、ストロンチウムバリウム等の無機化合物の微粒子を用いることができる。粒子サイズとしては1.0〜10μm、特に2〜5μmであることが好ましい。
本発明の写真感光材料の表面層には、滑り剤として米国特許第3489576号明細書、同4047958号明細書等に記載のシリコーン化合物、特公昭56−23139号公報に記載のコロイダルシリカの他に、パラフィンワックス、高級脂肪酸エステル、デン粉誘導体等を用いることができる。
【0100】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の親水性コロイド層には、トリメチロールプロパン、ぺンタンジオール、ブタンジオール、エチレングリコール、グリセリン等のポリオール類を可塑剤として用いることができる。また、本発明のハロゲン化銀写真感光材料の乳剤層には圧力特性を改良するためポリマーや乳化物などの可塑剤を含有させることができる。
例えば、英国特許第738618号明細書には異節環状化合物を、同738637号明細書にはアルキルフタレートを、同738639号明細書にはアルキルエステルを、米国特許第2960404号明細書には多価アルコールを、同3121060号明細書にはカルボキシルアルキルセルロースを、特開昭49−5017号公報にはパラフィンとカルボン酸塩を、特公昭53−28086号公報にはアルキルアクリレートと有機酸を用いる方法等が開示されてお
り、本発明でもこれらの方法を使用することができる。
【0101】
10)親水性コロイド
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の乳剤層や中間層及び表面保護層に用いることのできる結合剤又は保護コロイドとしては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、それ以外の親水性コロイドも用いることができる。
本発明で用いることができる親水性コロイドとしては、特開平2−68539号公報第12頁右上欄11行目から同左下欄16行目に記載のものが挙げられる。
【0102】
例えばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類等の如きセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、デキストラン、澱粉誘導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセタール(ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用いることができる。
ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンや酵素処理ゼラチンを用いてもよく、また、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いることができる。
これらの中でもゼラチンとともに平均分子量10万以下のデキストランやポリアクリルアミドを併用することが好ましい。特開昭63−68887号公報、特開昭63−149641号公報に記載の方法は本発明でも有効である。
【0103】
11)硬膜剤
本発明で用いる写真乳剤及び非感光性の親水性コロイドには無機又は有機の硬膜剤を含有してよい。本発明で用いることができる硬膜剤は、特開平2−68539号公報第12頁左下欄17行目から同第13頁右上欄6行目に記載のものが挙げられる。
具体的には、例えばクロム塩(クロム明ばん、酢酸クロムなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グリオキサール、ダリタールアルデヒドなど)、N一メチロール化合物(ジメチロール尿素、メチロールジメチルとダントインなど)、ジオキサン誘導体(2,3−ジヒドロキシジオキサンなど)、活性ビニル化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエーテル、N,N’−メチレンビス−(β−(ビニルスルホニル)プロピオンアミド)など)、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸など)イソオキサゾール類、ジアルデヒドでん粉、2−クロル−6−ヒドロキシトリアジニル化ゼラチンなどを、単独又は組合せて用いることができる。中でも、特開昭53−41221号公報、同53−57257号公報、同59−162546号公報、同60−80846号公報に記載の活性ビニル化合物及び米国特許第3,325,287号明細書に記載の活性ハロゲン化物が好ましい。
【0104】
本発明では、硬膜剤として高分子硬膜剤も有効に利用することができる。本発明に用いられる高分子硬膜剤としては例えばジアルデヒド澱粉、ポリアクロレイン、米国特許3396029号明細書に記載のアクロレイン共重合体のようなアルデヒド基を有するポリマー、米国特許第3623878号明細書に記載のエポキシ基を有するポリマー、米国特許第3362827号明細書、リサーチ・ディスクロージャー誌17333(1978)などに記載されているジクロロトリアジン基を有するポリマー、特開昭56−66841号公報に記載されている活性エステル基を有するポリマー、特開昭56−142524号公報、米国特許第4161407号明細書、特開昭54−65033号公報、リサーチ・ディスクロージャー誌16725(1978)などに記載されている活性ビニル基、あるいはその前駆体となる基を有するポリマーなどが挙げられ、活性ビニル基、あるいはその前駆体となる基を有するポリマーが好ましく、中でも特開昭56−142524号公報に記載されているような、長いスペーサーによって活性ビニル基、あるいはその前駆体となる基がポリマー主鎖に結合されているようなポリマーが特に好ましい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料中の親水性コロイド層はこれらの硬膜剤により水中での膨潤率が300%以下、特に230%以下になるように硬膜されていることが好ましい。
【0105】
12)支持体
本発明で用いる支持体としては特開平2−68539号公報第13頁右上欄7行目から20行目に記載のものが挙げられる。具体的には、支持体としてはポリエチレンテレフタレートフィルム又は三酢酸セルロースフィルムが好ましい。
支持体は親水性コロイド層との密着力を向上せしめるために、その表面をコロナ放電処理、あるいはグロー放電処理あるいは紫外線照射処理する方法が好ましく、あるいは、スチレンブタジエン系ラテックス、塩化ビニリデン系ラテックス等からなる下塗層を設けてもよくまた、その上層にゼラチン層を更に設けてもよい。
またポリエチレン膨潤剤とゼラチンを含む有機溶剤を用いた下塗層を設けてもよい。これらの下塗層は表面処理を加えることで更に親水性コロイド層との密着力を向上することもできる。
【0106】
13)クロスオーバーカット法
クロスオーバー光が鮮鋭度を大幅に低下させることは当業界では周知の事実である。写真感光材料のクロスオーバー光が12%以下であるようにする手段としては、米国特許4130429号明細書、特開昭61−116354号公報などにX線蛍光スクリーンの発光波長と一致する波長の光を増感色素や染料を用いて吸収する方法が開示されている。
【0107】
さらに、米国特許4,800,150号明細書には支持体と乳剤層の間に染料を微結晶分散物の形として存在させクロスオーバー光が10%以下であるようにする技術が開示されている。また、特開昭63−305345号公報には、カチオン性ポリマーラテックスを用いてアニオンは染料を特定層に固定する技術が、さらに特開平1−166031号公報には染料の固定層を支持体の下塗り層にする技術が開示されている。本発明の感光材料ではこれらのいずれの方法をも用いることができるが、染料による着色層は下塗り層であることが好ましく、染料は特開平1−166031号公報に記載の方法で固定されていること、特に染料が米国特許第4803150号明細書に記載の微結晶分散物のかたちで下塗り層に固定されていることが望ましい。本発明ではこれらの方法を適宜組み合わせることが可能である。
本発明で好ましく用いることができる染料としては、特開平2−264944号公報第4頁左下欄から第9頁右上欄に記載のものが挙げられる。
また、媒染層としては、特開平2−264944号公報第9頁右下欄から第14買右上欄に記載のものを使用することができる。
【0108】
14)ポリヒドロキシベンゼン類
本発明で使用できるポリヒドロキシベンゼン類としては、特開平3−39948号公報第11頁左上欄から同第12頁左下欄、EP特許第452772A号公報に記載のものが挙げられる。
具体的には、特開平8−39948号公報第11頁左上欄に記載の一般式(III)の化合物、その具体的化合物である同公報第11頁左下欄から第12頁左下欄に記載の(III)−1〜25の化合物が挙げられる。
これらポリヒドロキシベンゼン化合物の添加量としては、ハロゲン化銀1モルあたり5×10−1モル未満であればよく、好ましくはハロゲン化銀1モルあたりl×10−1から5×10−3モルの添加量である。
【0109】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、支持体上に、感光性ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤層(感光層)と、例えば、中間層、表面保護層、バック層、バック面保護層、アンチハレーション層、フィルター層等の少なくとも1層の非感光性の親水性コロイド層とから構成されるが、その他用いられる乳剤増感法や各種添加剤に関しては特に制限はなく、例えば特開平2−68539号公報等に記載のものを好適に用いることができる。
【0110】
15)表面保護層・バック保護層
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、表面保護層及びバック保護層を有しているのが好ましく、前記表面保護層及びバック保護層は、ゼラチンなどの親水性コロイドをバインダーとして、様々な薬品を含有している。その層の主成分がゼラチンである場合は防腐剤などが必要である。また、必要に応じてマット剤、滑り剤、可塑剤、帯電防止剤、界面活性剤、硬膜剤、増粘剤、染料、導電性物質などを含有することが好ましい。
【0111】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の好ましい態様は、最外層に非感光性の親水性コロイド層を有し、該最外層が前記一般式(1)で表される化合物を含有するハロゲン化銀写真感光材料である。前記最外層は、前記一般式(1)で表される化合物と、アニオン性フッ素系化合物および/またはアニオン性炭化水素系化合物とを含有するのがより好ましい。前記アニオン性フッ素系化合物は、前記一般式(2)で表される化合物が好ましく、また前記アニオン性炭化水素系化合物は、前記一般式(3)で表される化合物が好ましい。
【0112】
16)現像処理方法
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法としては、特開平2−103037号公報第16頁右上欄7行目から同第19頁左下欄15行目、特開平2−115837号公報第3頁右下欄5行目から同第6頁を上欄10行目、及び特開2000−112078号公報第34頁左欄42行目から同35頁左欄2行目に記載の方法を採用することができる。
【0113】
【実施例】
以下、本発明を実施例をもって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0114】
【実施例1】
<含フッ素化合物>
[合成例1:例示化合物FN−2(n=7〜8)の合成]
1−1 1,1,1,2,2,3,3,4,4,10,10,11,11,12,12,13,13,13−オクタデカフルオロトリデカン−7−オールの合成
窒素雰囲気下室温で、マグネシウム25.8g(1.06モル)にあらかじめ脱水ジエチルエーテル450mLに3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル)ヨード99.4g(0.265モル)を溶解させたものを40mL程度添加した。発熱が始まったらゆっくりと残りの溶液を滴下し、滴下終了後、2時間加熱還流を行い、室温まで冷却し、マグネシウムを除去するために溶媒のみをシリンジで回収し、あらかじめ容易した1000mLの三口フラスコに上記のようにして調整したGrignard試薬を入れ、窒素雰囲気下、ゆっくりと蟻酸エチル7.85g(0.106モル)を滴下した。滴下終了後、反応液を2時間加熱還流し、室温に冷却した。その後、氷冷塩化アンモニウム水溶液に反応液をゆっくりと混ぜ、酢酸エチルを添加し、更に有機相を1mol/Lの塩酸水溶液で洗浄した後、有機相を回収し、硫酸ナトリウムで有機相中の水分を除去した後、有機溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル:9/1〜8/2(容積比))で精製操作を行い、白色の固体として目的化合物を49.1g(収率88%)得た。
【0115】
1−2 モノ[ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,6,ノナフルオロヘキシル)メチル]フタル酸の合成
1,1,1,2,2,3,3,4,4,10,10,11,11,12,12,13,13,13−オクタデカフルオロトリデカン−7−オール7.4g(14mmol)、無水フタル酸2.1g(21mmol)、p−トルエンスルホン酸260mg(1.4mmol)をトルエン50mL中、5時間加熱還流を行った後、室温まで冷却し、分液ロートに溶液を移し、水150mLを3回に分けて有機相を洗浄した。回収した有機相を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル:9/1(容積比))で精製操作を行い、白色の固体として目的化合物を6.5g(収率75%)得た。
【0116】
1−3 FN−2(n=7〜8)の合成
モノ[ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,6,ノナフルオロヘキシル)メチル]フタル酸2.0g(3.2mmol)、Aldrich社製ポリエチレングリコールメチルエーテル(数平均分子量350)1.2g、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)660mg(3.2mmol)、ジメチルアミノピリジンを極少量、クロロホルム10mL中に溶解させ、室温で6時間攪拌した後、得られた結晶をろ別し、得られた反応溶液を酢酸エチル/飽和食塩水で分液操作を行い、硫酸ナトリウムで有機相中の水分を除去した後、有機溶媒を減圧留去し、白色のタール状化合物として目的化合物を1.5g(収率50%)得た。
得られた化合物のH−NMRのデータは以下の通りである。
H−NMR(DMSO−d):δ1.87−1.94(m,4H)、2.00−2.39(m,4H)、2.62−2.67(m,4H)、3.37(s,3H)、3.54−3.70(br,30H)、4.22(m,2H)、5.04(br,1H)
【0117】
[合成例2 例示化合物FN−2(n=11〜12)合成]
合成例1において、Aldrich社製ポリエチレングリコールメチルエーテル(数平均分子量350)1.2gをAldrich社製ポリエチレングリコールメチルエーテル(数平均分子量550)1.8gに代えた以外は同様の方法で白色のタール状化合物として目的化合物を2g(収率54%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ1.87−1.94(m,4H)、2.00−2.30(m,4H)、2.62−2.67(m,4H)、3.38(s,3H)、3.54−3.70(br,47H)、4.22(m,2H)、5.04(br,1H)
【0118】
なお、合成例1において、無水フタル酸に代えて無水マレイン酸を用いることによりFN−5を、無水シトラコン酸を用いることによりFN−6を合成することができる。
【0119】
[実施例2]
<界面活性剤>
以下に本発明化合物を含む界面活性剤の純水中での臨界ミセル濃度及び、臨界ミセル濃度での表面張力を示す。表面張力は協和界面科学製CBVP−Zを用いて測定した。
【0120】
【表1】
Figure 2004240187
【0121】
化合物C−2: C17SON(C)(CHCHO)16OH
【0122】
表1に示す結果より、従来のパーフルオロオクタンスルホニル構造を有するT−2と比較して、同程度の添加量で高い界面活性剤能があることがわかる。
【0123】
[実施例3]
<水性塗布組成物及びハロゲン化銀写真感光材料>
1.下塗り支持体の作製
1)下塗層用染料D−1の調製
下記染料を特開昭68−197943号公報に記載の方法でボールミル処理した。
【0124】
【化22】
Figure 2004240187
【0125】
水434mL及びTritonX−200界面活性剤(TX−200)の6.7質量%水溶液791mLとを2リットルのボールミルに入れた。染料20gをこの溶液に添加した。酸化ジルコニウム(ZrO)のビーズ400mL(2mm径)を添加し内容物を4日間粉砕した。この後、12.5質量%ゼラチン160gを添加した。脱泡したのち、濾過によりZrOビーズを除去した。得られた染料分散物を観察したところ、粉砕された染料の粒径は直径0.05〜1.15μmにかけての広い分布を有していて、平均粒径は0.37μmであった。さらに、遠心分離操作をおこなうことで0.9μm以上の大きさの染料粒子を除去した。こうして染料分散物D−1を得た。
【0126】
2)支持体の作製
二軸延伸された厚き183μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にコロナ放電処理を行い、下記の組成より成る第1下塗液を塗布量が5.1mL/mとなるようにワイヤーバーローターにより塗布し、175℃にて1分間乾燥した。次に反対面にも同様にして第1下塗層を設けた。使用したポリエチレンテレフタレートには下記構造の染料が0.04質量%含有されているものを用いた。
【0127】
【化23】
Figure 2004240187
【0128】
−第1下塗液の組成−
支持体の片側1m当たりの塗布液量を4.9mLとし、各添加素材の支持体の片側1m当たりの塗布量は以下の通りである。
・ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス(固形分として) 0.31g
*ラテックス溶液中には、乳剤分散物として下記構造の界面活性剤がラテックス固形分に対して0.4質量%含有されている。
・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム 8mg
【0129】
【化24】
Figure 2004240187
【0130】
さらに、上記支持体における両面の第1下塗層上に下記組成からなる第2の下塗液を塗布量が下記に記載の量となるように片側ずつ、両面にワイヤー・バーコーター方式により150℃で塗布・乾燥して、第2下塗り層を形成した。
【0131】
Figure 2004240187
【0132】
【化25】
Figure 2004240187
【0133】
2.塗布液の調製
1)ハロゲン化銀乳剤T−1の調製
水1リットル中に臭化カリウム6g、ゼラチン7gを添加し55℃に保った容器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37mL(硝酸銀4.00g)と臭化カリウム5.9gを含む水溶液38mLをダブルジェット法により37秒間で添加した。つぎにゼラチン18.6gを添加した後70℃に昇温して硝酸銀水溶液89mL(硝酸銀9.8g)を22分間かけて添加した。ここで25%のアンモニア水溶液7mLを添加し、そのままの温度で10分間物理熟成したのち100%酢酸溶液を6.5mL添加した。引き続いて硝酸銀153gの水溶液と臭化カリウムの水溶液をpAg8.5に保ちながらコントロールダブルジェット法で35分かけて添加した。次に硝酸銀水溶液を用いてpBr2.8に調整した後、2mol/Lのチオシアン酸カリウム溶液15mLを添加した。5分間そのままの温度で物理熟成したのち35℃に温度を下げた。平均投影面積直径1.10μm、厚み0.165μm、直径の変動係数18.5%の単分散純臭化銀平板状粒子を得た。この後、沈降法により可溶性塩類を除去した。再び40℃に昇温してゼラチン30gごとフェノキシエタノール2.35g及び増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.8gを添加し、水酸化ナトリウムと硝酸銀溶液でpH5.90、pAg8.25に調整した。この乳剤を攪拌しながら56℃に保った状態で化学増感を施した。但し、AgI微粒子を化学増感前と中にそれぞれ単分散純臭化銀平板状粒子1モルについて0.05モル%分添加した。先ず、二酸化チオ尿素0.043mgを添加し、22分間そのまま保持して還元増感を施した。次に、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン20mgと増感色素Aを400mgを添加した。さらに塩化カルシウム0.83gを添加した。引き続き、増感剤としてチオ硫酸ナトリウム1.5mg、セレン増感剤を2.2mg、塩化金酸2.6mg及びチオシアン酸カリウム90mgを添加し40分後に35℃に冷却した。こうして平板状のハロゲン化銀乳剤T−1を調製した。得られたハロゲン化銀乳剤T−1のハロゲン化銀粒子に含まれるヨード量の平均は、0.1モル%であった。
【0134】
【化26】
Figure 2004240187
【0135】
2)ハロゲン化銀乳剤T−2の調製
AgI微粒子の添加量を、化学増感前と中にそれぞれ0.5モル%分添加に変更した以外は、上記のハロゲン化銀乳剤T一1と同様な方法でハロゲン化銀乳剤T−2を調製した。
ハロゲン化銀乳剤T−2のハロゲン化銀粒子に含まれるヨード量の平均は、1.0モル%であった。
【0136】
3)塗布試料の調製
−乳剤層用塗布液T−1の調製−
T−1乳剤塗布液を以下の塗布量になるように添加調製した。
乳剤T−1(銀量として) 1.09 g/m
デキストラン(平均分子量3.9万) 0.21 g/m
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 19mg/m
硬膜剤(1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン) 26mg/m
A−1 4.1mg/m
A−2 0.2mg/m
A−3 1.1mg/m
A−5 0.1 g/m
1633(CHCHO)10H 0.02 g/m
【0137】
−乳剤層用塗布液T−2の調製−
T−2乳剤塗布液を以下の塗布量になるように添加調製した。
乳剤T−2(銀量として) 0.66 g/m
デキストラン(平均分子量3.9万) 0.13 g/m
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 11mg/m
硬膜剤(1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン) 27mg/m
A−1 1.2mg/m
A−2 0.1mg/m
A−3 0.6mg/m
A−5 0.06 g/m
A−6 0.34 g/m
【化27】
Figure 2004240187
【0138】
−表面保護層用塗布液の調製−
下記のように、本発明および比較の界面活性剤を用いた表面保護層用塗布液を作製し塗布した。
Figure 2004240187
【0139】
及び下記に記載の化合物を使用した。
【化28】
Figure 2004240187
【0140】
3.塗布
上記準備した下塗り支持体上に、上記乳剤層用塗布液T−1、T−2及び表面保護層用塗布液を同時押し出し法により両面に塗布し、乳剤層と表面保護層とを形成し、片面当りの塗布銀量は1.75g/mとした。
表2に、各試料について、表面保護層用塗布液中の3種の界面活性剤の含有量(mg/ゼラチン100g)を示す。
【0141】
4.試料の評価
各試料に用いた最外保護層用塗布液の表面張力、および各試料の最外保護層の表面抵抗を測定した(25℃、25%RH調湿下)。結果を表2に示す。
【0142】
【表2】
Figure 2004240187
【0143】
化合物C−1(比較用):
17SON(C)(CHCHO)(CHSONa
化合物C−2(比較用):
17SON(C)(CHCHO)16OH
化合物CA−1(補助界面活性剤):
17−C−(OCHCHSONa
【0144】
5.スタチックテスト
カセッテFuji EC CASSETTEN(富士写真フイルム(株)社製)の内側に、Hi−SCREEN B−2(富士写真フイルム(株)社製)を貼り付け、25℃25%の状況下で上記スクリーンを繊維で擦り、シシド静電気(株)社製 商品名 静電電位測定機M2で測定して、上記スクリーン表面の静電気の電圧が3〜4kvとなるように、富士写真フイルム(株)社製 Xレイ増感紙用 商品名 富士ASクリーナーの塗布と、アセトン及びクロロホルムによる脱膜により調節し、そのカセッテの中に比較例及び各試料をセットした。そして、25℃25%の暗室で30分放置し、カセッテから取り出し、自動現像機(富士写真フイルム(株)、商品名CEPROS−M2にて現像液CED−1(富士写真フイルム(株)社製)を用い34℃にて25秒全処理90秒現像した。定着液はCEF−1(富士写真フイルム(株)社製)を用い、水洗には水道水を用いた。
以上の過程を経て得られたサンプルのスタチックの発生状況から判断する。
評価:
1 : スタチックマークの発生が全く無い
2 : 僅かにスタチックマークの発生がある
3 : 中程度のスタチックマークの発生がある
4 : スタチックマークの発生が大きい
5 : 著しくスタチックマークの発生が大きい
【0145】
【表3】
Figure 2004240187
【0146】
表3に示す結果より、本発明のフッ素化合物、アニオン性フッ素化合物とアニオン性炭化水素炭化水素化合物の組み合わせを含有するハロゲン化銀写真感光材料は、表面抵抗値が低く、且つ非常に優れたスタチック耐性を示す。
【0147】
【発明の効果】
本発明の含フッ素ノニオン化合物は表面張力低下能に優れ、写真感光材料の帯電列、表面抵抗を下げる効果が大きく、本発明のフッ素化合物を含有する写真感光材料はスタチック耐性に優れることが分かる。即ち、本発明によれば、パーフルオロオクタンスルホン酸を含有せずに、表面配向性に優れ、塗膜の形成に用いた際に均質な塗膜形成を可能とする新規なフッ素化合物およびそれを含む界面活性剤を提供することができる。また、本発明によれば、均質でかつ帯電防止性を有する塗膜の形成が可能な水性塗布組成物を提供することができる。さらに本発明によれば、安定的な作製が可能であるとともに、帯電防止性の付与されたハロゲン化銀写真感光材料を提供することができる。

Claims (7)

  1. 支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を含む1以上の層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、いずれかの層が下記一般式(1)で表される非イオン性フッ素化合物を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
    一般式(1)
    Figure 2004240187
    (式中、AおよびAはそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子を表し、Lは単結合または2価の連結基を表す。RおよびRはそれぞれ独立にメチル基、ヒドロキシメチル基または水素原子を表す。Rはアルキル基または水素原子を表す。nは1〜50の整数を表す。aおよびbはそれぞれ独立に2〜20の整数を表し、cおよびdはそれぞれ独立に1〜6の整数を表す。)
  2. 最外層に非感光性の親水性コロイド層を有し、該最外層が前記一般式(1)で表される非イオン性フッ素化合物とアニオン性フッ素系化合物とアニオン性炭化水素系化合物とを含有することを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 前記アニオン性フッ素系化合物が下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項2記載のハロゲン化銀写真感光材料。
    一般式(2)
    Figure 2004240187
    (式中、RB3、RB4およびRB5はそれぞれ独立して水素原子または置換基を表す。AおよびAはそれぞれ独立にフッ素原子または水素原子を表す。nB3およびnB4はそれぞれ独立に4〜8の整数を表す。LB1およびLB2はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアルキレン基または置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基、あるいはこれらを組み合わせてできる2価の連結基を表す。mは0または1を表す。Mはカチオンを表す。)
  4. 前記アニオン性炭化水素系化合物が下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項3記載のハロゲン化銀写真感光材料。
    一般式(3)
    Figure 2004240187
    (式中、R31は炭素数6〜25のアルキル基またはアルケニル基を表し、R32は水素原子、炭素数1〜14のアルキル基もしくはアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数6〜18のアリール基を表し、複数のR32はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。Lは0〜10のいずれかの整数を表し、mは0〜30のいずれかの整数を表し、nは0〜4のいずれかの整数を表し、eは0または1を表す。Z31はOSOMまたはSOMを表し、Mはカチオンを表す。)
  5. 請求項1中の一般式(1)で表される非イオン性フッ素化合物。
  6. 請求項1中の一般式(1)で表される非イオン性フッ素化合物を含む界面活性剤。
  7. 請求項1中の一般式(1)で表される非イオン性フッ素化合物を含む水性塗布組成物。
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