JP2003307821A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JP2003307821A JP2002111867A JP2002111867A JP2003307821A JP 2003307821 A JP2003307821 A JP 2003307821A JP 2002111867 A JP2002111867 A JP 2002111867A JP 2002111867 A JP2002111867 A JP 2002111867A JP 2003307821 A JP2003307821 A JP 2003307821A
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Yasuaki Deguchi
泰章 出口
Hiroyuki Yoneyama
博之 米山
Kiyoshi Takeuchi
潔 竹内
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 発色性に優れ、色再現や画像保存性にも優れ
たハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供する。 【解決手段】 支持体上にそれぞれ少なくとも一層のイ
エロー色素形成カプラーを含有する青感性ハロゲン化銀
乳剤層、マゼンタ色素形成カプラーを含有する緑感性ハ
ロゲン化銀乳剤層、およびシアン色素形成カプラーを含
有する赤感性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀
カラー写真感光材料であって、該イエロー色素形成カプ
ラーの少なくとも一種が下記一般式(I)で表され、か
つ該ハロゲン化銀カラー写真感光材料がアニオン性界面
活性剤およびノニオン性界面活性剤から選ばれる少なく
とも1種を含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料。 式中、Qは−N=C−N(R1)−とともに5〜7員環
を形成する非金属原子群を表す。R1は置換基を表す。
R2は置換基を表す。mは0以上5以下の整数を表す。
Xは水素原子または現像主薬酸化体とのカップリング反
応により離脱可能な基を表す。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料に関し、詳しくは色再現性や画像保存性
に優れ、かつ発色性に優れ超迅速処理でも十分な発色濃
度が得られるハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供す
ることにある。 【0002】 【従来の技術】減色法によるハロゲン化銀写真感光材料
(以下、単に「感光材料」という場合がある。)におい
ては、イエロー、マゼンタおよびシアンの3原色の色素
によって色画像が形成される。現行のp−フェニレンジ
アミン系カラー現像主薬を使用するカラー写真法におい
てイエロー色素画像を形成するためには、従来、アシル
酢酸アニリド系化合物がイエローカプラーとして使用さ
れている。カラーペーパーなど直接観賞用材料に使用す
るイエローカプラーでは生成する色素の色相および堅牢
性が重視され主にピバロイルアセトアニリド型カプラー
が用いられている。しかしこれらのカプラーから得られ
る色相は、吸収が好ましくない長波長域に及ぶため色純
度の高いイエロー発色を得にくく、また該イエロー色素
の分子吸光度がマゼンタやシアンの色素よりも小さいた
め所望の発色濃度を得るためにはマゼンタカプラーやシ
アンカプラーの場合よりも多量のイエローカプラーやハ
ロゲン化銀を必要としている。さらに、従来のイエロー
色素は高温高湿条件下、あるいは光照射条件下での画像
保存性も十分といえるものではなかった。 【0003】これらの問題を解決するためにアシル基お
よびアニリド基の改良が行われ、最近になって、従来の
アシル酢酸アニリド系を改良したカプラーとして、特開
平4−218042号公報に記載の1−アルキルシクロ
プロパンカルボニル酢酸アニリド系化合物や特開平5−
11416号公報に記載の環状マロンジアミド型カプラ
ー、欧州公開特許第953870A1号、同第9538
71A1号、同第953872A1号、同第95387
3A1号、同第953874A1号、同第953875
A1号等に記載のピロール−2または3−イルもしくは
インドール−2または3−イルカルボニル酢酸アニリド
系カプラー等が提案されている。これらのカプラーから
生成する色素は、従来のものより色相、分子吸光係数に
おいて改良されたが、画像保存性の点で未だ十分ではな
く、また、構造が複雑になった分、合成ルートが長く、
カプラーコストが高くなり、実用的には問題があった。
また他に米国特許第3,841,880号、特開昭52
−82423号、特開平2−28645号等に1,2,
4−ベンゾチアジアジン−1,1−ジオキシドが結合し
た酢酸エステル系および酢酸アニリド系カプラーが提案
されているが、発色性が低く、色素吸収においても長波
域に及ぶ吸収をもつため改良が望まれていた。 【0004】色素形成カプラーを写真用に用いる場合
は、色素形成カプラー、高沸点有機溶媒、必要に応じ溶
解性付与する目的から補助溶媒(低沸点有機溶媒)を混
合した溶液を調製し、この組成物と親水性コロイド溶液
を界面活性剤の共存下で乳化する。乳化は通常、機械力
(攪拌力、圧力)を以って行われ写真用乳化分散物を得
る。このような写真用乳化分散物も用いて製造された写
真材料において色素形成カプラーの発色性を高める目的
から、前記カプラー自体の発色性改良の他、発色に適し
た高沸点有機溶媒や素材の選択や、分散物の粒子サイズ
を小さくするなどの工夫が従来なされており、このよう
なことから優れた発色性を与えるカプラーとその分散物
を得ることはハロゲン化銀写真感光材料に要するカプラ
ーやハロゲン化銀をより効率的な利用が可能となるため
極めて有用であり、技術の向上が望まれていた。しかし
ながら従来の技術では発色性が向上しても画像保存性を
損なうなどの問題があり必ずしも満足されるものではな
かった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたものであり、本発明の目的は発色性に優
れたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することに
ある。詳しくは現像処理の迅速化においても発色性に優
れ、色再現や画像保存性にも優れたハロゲン化銀カラー
写真感光材料を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、以下の手段で本発明の課題を解決できることを見
出した。すなわち、本発明は、下記の手段を提供するも
のである。 (1)支持体上にそれぞれ少なくとも一層のイエロー色
素形成カプラーを含有する青感性ハロゲン化銀乳剤層、
マゼンタ色素形成カプラーを含有する緑感性ハロゲン化
銀乳剤層、およびシアン色素形成カプラーを含有する赤
感性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写
真感光材料において、該イエロー色素形成カプラーの少
なくとも一種が下記一般式(I)で表され、かつ該ハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料がアニオン性界面活性剤お
よびノニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種
を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感
光材料。 【0007】 【化2】 【0008】式中、Qは−N=C−N(R1)−ととも
に5〜7員環を形成する非金属原子群を表す。R1は置
換基を表す。R2は置換基を表す。mは0以上5以下の
整数を表す。mが2以上のとき複数のR2はそれぞれ同
じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成し
てもよい。Xは水素原子または現像主薬酸化体とのカッ
プリング反応により離脱可能な基を表す。 (2)支持体上にそれぞれ少なくとも一層のイエロー色
素形成カプラーを含有する青感性ハロゲン化銀乳剤層、
マゼンタ色素形成カプラーを含有する緑感性ハロゲン化
銀乳剤層、およびシアン色素形成カプラーを含有する赤
感性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写
真感光材料において、該イエロー色素形成カプラーの少
なくとも一種が前記一般式(I)で表され、かつ該ハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料がアニオン性界面活性剤か
ら選ばれる少なくとも1種とノニオン性界面活性剤から
選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする
ハロゲン化銀カラー写真感光材料。 (3)支持体上にそれぞれ少なくとも一層のイエロー色
素形成カプラーを含有する青感性ハロゲン化銀乳剤層、
マゼンタ色素形成カプラーを含有する緑感性ハロゲン化
銀乳剤層、およびシアン色素形成カプラーを含有する赤
感性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写
真感光材料において、該イエロー色素形成カプラーの少
なくとも一種が前記一般式(I)で表され、かつ該青感
性ハロゲン化銀乳剤層がアニオン性界面活性剤から選ば
れる少なくとも1種とノニオン性界面活性剤から選ばれ
る少なくとも1種とを含有することを特徴とするハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料。 (4)前記一般式(I)において、Qが−C(−R1
1)=C(−R12)−SO2−もしくは−C(−R1
1)=C(−R12)− CO−で表される基(R1
1、R12は互いに結合して−C=C−とともに5〜7
員環を形成する基、もしくはそれぞれ独立に水素原子ま
たは置換基)であることを特徴とする前記(1)〜
(3)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真
感光材料。 (5)前記一般式(I)において、Qが−C(−R1
1)=C(−R12)−SO2−で表される基(R1
1、R12は互いに結合して−C=C−とともに5〜7
員環を形成する基、もしくはそれぞれ独立に水素原子ま
たは置換基)であることを特徴とする前記(1)〜
(3)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真
感光材料。 (6)前記一般式(I)で表されるイエロー色素形成カ
プラーが下記一般式(II)で表されるイエロー色素形成
カプラーであることを特徴とする前記(1)〜(3)の
いずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材
料。 【0009】 【化3】 【0010】式中、R1は置換基を表す。R2は置換基
を表す。 mは0以上5以下の整数を表す。mが2以上
のとき複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよ
く、互いに結合して環を形成してもよい。R3は置換基
を表す。nは0以上4以下の整数を表す。nが2以上の
とき複数のR3はそれぞれ同じでも異なっていてもよ
く、互いに結合して環を形成してもよい。Xは水素原子
または現像主薬酸化体とのカップリング反応により離脱
可能な基を表す。 (7)前記一般式(II)において、 R1が炭素数2以
上の置換基を表し、mが1以上5以下の整数であり、R
2の少なくとも1つは−CONH−基に対してオルト位
に位置し、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アルキル基、アルキルチオ基、アリールチオ基か
ら選ばれる基であり、かつXが現像主薬酸化体とのカッ
プリング反応により離脱可能な基であることを特徴とす
る前記(6)項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材
料。 (8)前記ハロゲン化銀乳剤層のうち少なくとも一層が
ベタイン系界面活性剤の少なくとも1種を含有すること
を特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載
のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 (9)前記ハロゲン化銀乳剤層のうち少なくとも一層が
含フッ素界面活性剤の少なくとも1種を含有することを
特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の
ハロゲン化銀カラー写真感光材料。 (10)前記ハロゲン化銀乳剤層のうち少なくとも一層
が下記一般式(WS)で表されるアニオン界面活性剤を
含有することを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれ
か1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 【0011】一般式(WS)R1−Z1 【0012】式中、R1は炭素数6〜24のアルキル基
またはアルケニル基を表し、Z1は−OSO3Mまたは−
SO3Mを表し、Mはカチオンを表す。 (11)前記イエロー色素形成カプラーを含有する微粒
子乳化分散物の平均粒子サイズが0.02〜0.20μ
mであることを特徴とする前記(1)〜(10)のいず
れか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 (12)ハロゲン乳剤層のうち少なくとも一層が塩化銀
含有率95モル%以上の高塩化銀乳剤を含有する前記
(1)〜(11)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀
カラー写真感光材料。ここで、前記(2)〜(12)は
本発明の好ましい実施態様である。 【0013】 【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。まず最初に、本発明の一般式(I)で表される
化合物(本願では色素形成カプラーとも称す)を詳細に
説明する。 【0014】 【化4】 【0015】式中、R1は水素原子以外の置換基を表
す。この置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アル
キル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含
む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロア
ルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテ
ロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボ
キシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオ
キシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモ
イルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリー
ルオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アルキルアミノ
基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカル
ボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリ
ールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ
基、スルホンアミド基(アルキルまたはアリールスルホ
ニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スル
ホ基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキ
ルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオ
キシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモ
イル基、アリールまたはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホ
スフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、
ホスフィニルアミノ基、シリル基が挙げられる。 【0016】なお、上述の置換基はさらに置換基で置換
されていてもよく、該置換基としては上述の基が挙げら
れる。 【0017】好ましくはR1は、置換もしくは無置換の
アルキル基である。R1の総炭素数は1以上60以下が
好ましく、6以上50以下がより好ましく、11以上4
0以下がさらに好ましく16以上30以下が最も好まし
い。R1が置換アルキル基である場合の置換基としては
前述のR1の置換基として挙げた例が挙げられる。ま
た、R1のアルキル基自身の炭素数は1〜40が好まし
く、3〜36がより好ましく、さらに好ましくは8〜3
0である。この好ましい順は特に、Qには依存しない
が、特に以下に述べるQが−C(−R11)=C(−R
12)− CO−で表される基の場合に好ましい。 【0018】好ましくはR1は、炭素数11以上の無置
換アルキル基、もしくは2位、3位あるいは4位にアル
コキシ基またはアリールオキシ基が置換したアルキル基
であり、さらに好ましくは、炭素数16以上の無置換ア
ルキル基、または3位にアルコキシ基もしくはアリール
オキシ基が置換したアルキル基であり、最も好ましくは
1633基、C1837基、3−ラウリルオキシプロピル
基、もしくは3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキ
シ)プロピル基である。 【0019】一般式(I)においてQは−N=C−N
(R1)−とともに5〜7員環を形成する非金属原子群
を表す。好ましくは形成される5〜7員環は置換もしく
は無置換、単環もしくは縮合環のヘテロ環であり、より
好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫
黄原子から選択される。さらに好ましくはQは−C(−
R11)=C(−R12)−SO2−、もしくは−C
(−R11)=C(−R12)−CO−で表される基を
表す(本発明においてこれらの基の表記はこれらの基で
表される基の結合の向きを制限するものではない)。こ
のうち好ましくは、Qは−C(−R11)=C(−R1
2)−SO2−で表される基を表す。R11、R12は
互いに結合して−C=C−とともに5〜7員環を形成す
る基、もしくはそれぞれ独立に水素原子または置換基を
表す。形成される5員〜7員の環は飽和または不飽和環
であり、該環は脂環、芳香環、ヘテロ環であってもよ
く、例えば、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、シ
クロペンタン環、シクロヘキサン環が挙げられる。また
置換基としては前述のR1の置換基として挙げた例が挙
げられる。 【0020】これらの各置換基や複数の置換基が互いに
結合して形成した環は、更に置換基(前述のR1の置換
基として例示した基が挙げられる)で置換されてもよ
い。 【0021】一般式(I)において、R2は水素原子以
外の置換基を表す。この置換基の例としては前述のR1
の置換基の例として挙げたものが挙げられる。好ましく
はR2はハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、
臭素原子)、アルキル基(例えばメチル、イソプロピ
ル)、アリール基(たとえばフェニル、ナフチル)、ア
ルコキシ基(例えばメトキシ、イソプロピルオキシ)、
アリールオキシ基(例えばフェノキシ)、アシルオキシ
基(例えばアセチルオキシ)、アミノ基(例えばジメチ
ルアミノ、モルホリノ)、アシルアミノ基(例えばアセ
トアミド)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホン
アミド、ベンゼンスルホンアミド)、アルコキシカルボ
ニル基(例えばメトキシカルボニル)、アリールオキシ
カルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、カルバ
モイル基(例えば、N−メチルカルバモイル、N,N−
ジエチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えばN
−メチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモ
イル)、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニ
ル)、アリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニ
ル)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、ドデシルチ
オ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ、ナフチル
チオ)、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基である。
なおR2が−CONH−基に対してオルト位にある場
合、好ましくはハロゲン原子、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アルキル基、アルキルチオ基、アリールチオ
基である。本発明においては少なくとも1つのR2が−
CONH−基に対してオルト位にある場合が好ましい。 【0022】一般式(I)において、mは0以上5以下
の整数を表す。mが2以上のとき複数のR2はそれぞれ
同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成
してもよい。mは好ましくは0〜3であり、0〜2がよ
り好ましく、1〜2がさらに好ましく、2である場合が
最も好ましい。 【0023】一般式(I)においてXは水素原子または
現像主薬酸化体とのカップリング反応により離脱可能な
基を表す。Xが現像主薬酸化体とのカップリング反応に
より離脱可能な基である場合の例としては窒素原子で離
脱する基、酸素原子で離脱する基、イオウ原子で離脱す
る基、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子)など
が挙げられる。窒素原子で離脱する基としては、ヘテロ
環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和
もしくは不飽和、芳香族(本願では4n+2個の環状共
役電子を有するものを意味する)もしくは非芳香族、単
環もしくは縮合環のヘテロ環基であり、より好ましく
は、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子か
ら選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子の
いずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有する5もしく
は6員のヘテロ環基であり、例えばスクシンイミド、マ
レインイミド、フタルイミド、ジグリコールイミド、ピ
ロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,4−トリ
アゾール、テトラゾール、インドール、ベンゾピラゾー
ル、ベンツイミダゾール、ベンゾトリアゾール、イミダ
ゾリン−2,4−ジオン、オキサゾリジン−2,4−ジ
オン、チアゾリジン−2−オン、ベンツイミダゾリン−
2−オン、ベンゾオキサゾリン−2−オン、ベンゾチア
ゾリン−2−オン、2−ピロリン−5−オン、2−イミ
ダゾリン−5−オン、インドリン−2,3−ジオン、
2,6−ジオキシプリンパラバン酸、1,2,4−トリ
アゾリジン−3,5−ジオン、2−ピリドン、4−ピリ
ドン、2−ピリミドン、6−ピリダゾン、2−ピラゾ
ン、2−アミノ−1,3,4−チアゾリジン−4−オ
ン)、カルボナミド基(例えばアセタミド、トリフルオ
ロアセタミド)、スルホンアミド基(例えばメタンスル
ホンアミド、ベンゼンスルホンアミド)、アリールアゾ
基(例えばフェニルアゾ、ナフチルアゾ)、カルバモイ
ルアミノ基(例えばN−メチルカルバモイルアミノ)な
どが挙げられる。 【0024】窒素原子で離脱する基のうち、好ましいも
のはヘテロ環基であり、さらに好ましいものは、環構成
原子として窒素原子を1、2、3または4個有する芳香
族ヘテロ環基、または下記一般式(L)で表されるヘテ
ロ環基である。 【0025】 【化5】 【0026】式中、Lは−NC(=O)−と共に5〜6
員環の含窒素ヘテロ環を形成する残基を表す。これらの
例示は上記ヘテロ環基の説明の中で挙げており、これら
が更に好ましい。なかでも、Lは5員環の含窒素ヘテロ
環を形成する残基が好ましい。 【0027】酸素原子で離脱する基としては、アリール
オキシ基(例えばフェノキシ、1−ナフトキシ)、ヘテ
ロ環オキシ基(例えばピリジルオキシ、ピラゾリルオキ
シ)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ、ベンゾイル
オキシ)、アルコキシ基(例えばメトキシ、ドデシルオ
キシ)、カルバモイルオキシ基(例えばN,N−ジエチ
ルカルバモイルオキシ、モルホリノカルバモイルオキ
シ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えばフェ
ノキシカルボニルオキシ)、アルコキシカルボニルオキ
シ基(例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカル
ボニルオキシ)、アルキルスルホニルオキシ基(例えば
メタンスルホニルオキシ)、アリールスルホニルオキシ
基(例えばベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホ
ニルオキシ)などが挙げられる。酸素原子で離脱する基
のうち、好ましいものはアリールオキシ基、アシルオキ
シ基、ヘテロ環オキシ基である。 【0028】イオウ原子で離脱する基としては、アリー
ルチオ基(例えばフェニルチオ、ナフチルチオ)、ヘテ
ロ環チオ基(例えばテトラゾリルチオ、1,3,4−チ
アジアゾリルチオ、1,3,4−オキサゾリルチオ、ベ
ンツイミダゾリルチオ)、アルキルチオ基(例えばメチ
ルチオ、オクチルチオ、ヘキサデシルチオ)、アルキル
スルフィニル基(例えばメタンスルフィニル)、アリー
ルスルフィニル基(例えばベンゼンスルフィニル)、ア
リールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル)、ア
ルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル)などが
挙げられる。イオウ原子で離脱する基のうち、好ましい
ものはアリールチオ基、ヘテロ環チオ基であり、ヘテロ
環チオ基がより好ましい。 【0029】Xは置換基により置換されていてもよく、
Xを置換する置換基の例としては前述のR1の置換基の
例として挙げたものが挙げられる。Xは、現像主薬の酸
化体とのカップリング反応により離脱する基が好まし
く、このような離脱基の中でも、好ましくは窒素原子で
離脱する基、酸素原子で離脱する基、イオウ原子で離脱
する基であり、より好ましくは窒素原子で離脱する基で
あり、更に好ましくは、窒素原子で離脱する基で述べた
好ましい基の順に好ましい。Xの好ましい基をさらに説
明すると、窒素原子で離脱する基が好ましいが、窒素原
子を少なくとも2個(好ましくは2個)有する芳香族ヘ
テロ環基(好ましくは5員環の芳香族ヘテロ環基で、置
換基を有してもよいピラゾール基など)または前記一般
式(L)で表される基が特に好ましい。 【0030】またXは写真性有用基であってもよい。こ
の写真性有用基としては、現像抑制剤、脱銀促進剤、レ
ドックス化合物、色素、カプラ−等、あるいはこれらの
前駆体が挙げられる。なお、本発明においては、好まし
くは上記のような写真性有用基でない方が好ましい。 【0031】カプラーを感光材料中で不動化するため
に、Q、R1、X、あるいはR2の少なくとも1つは置
換基を含めた総炭素数が8以上50以下であることが好
ましく、より好ましくは総炭素数が10以上40以下で
ある。 【0032】本発明の一般式(I)で表される化合物の
うち、好ましい化合物を下記一般式(II)で表すことが
できる。以下に本発明の一般式(II)で表される化合物
(本願では色素形成カプラーとも称す)を詳細に説明す
る。 【0033】 【化6】 【0034】一般式(II)において、R1、R2、m、
Xは一般式(I)において述べたものと同じものを表
し、好ましい範囲も同様である。 【0035】一般式(II)において、R3は置換基を表
す。この置換基の例としては前述のR1の置換基の例と
して挙げたものが挙げられる。好ましくはR3はハロゲ
ン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ア
ルキル基(例えばメチル、イソプロピル)、アリール基
(たとえばフェニル、ナフチル)、アルコキシ基(例え
ばメトキシ、イソプロピルオキシ)、アリールオキシ基
(例えばフェノキシ)、アシルオキシ基(例えばアセチ
ルオキシ)、アミノ基(例えばジメチルアミノ、モルホ
リノ)、アシルアミノ基(例えばアセトアミド)、スル
ホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド、ベンゼン
スルホンアミド)、アルコキシカルボニル基(例えばメ
トキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例
えばフェノキシカルボニル)、カルバモイル基(例え
ば、N−メチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバ
モイル)、スルファモイル基(例えばN−メチルスルフ
ァモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、アルキ
ルスルホニル基(例えばメタンスルホニル)、アリール
スルホニル基(例えばベンゼンスルホニル)、シアノ
基、カルボキシル基、スルホ基である。nは0以上4以
下の整数を表す。nが2以上のとき複数のR3はそれぞ
れ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形
成してもよい。 【0036】本発明において一般式(I)もしくは一般
式(II)で表されるカプラーのうち、好ましい具体例を
以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なおカップリング位の水素原子(Xが置換する炭素
原子上の水素原子)が、カップリング位に結合したC=
N部の窒素原子(環構成している、R1が結合していな
い窒素原子)上に移動した互変異性体も本発明に含まれ
ることとする。 【0037】 【化7】【0038】 【化8】 【0039】 【化9】【0040】 【化10】 【0041】 【化11】【0042】 【化12】 【0043】 【化13】【0044】 【化14】 【0045】 【化15】【0046】 【化16】 【0047】なお、以降の説明において、以上に示され
た例示化合物(色素形成カプラーとも称す)を引用する
場合、それぞれの例示化合物に付された括弧書きの番号
(x)を用いて、「カプラー(x)」と表示することと
する。 【0048】以下に上記一般式(I)もしくは一般式
(II)で表される化合物の具体的な合成例を示す。 【0049】合成例1:カプラ−(1)の合成 カプラ−(1)は、下記に示すルートにより合成した。 【0050】 【化17】【0051】40%メチルアミン水溶液38.8gとア
セトニトリル200mlの溶液に、氷冷下オルトニトロ
ベンゼンスルホニルクロライド44.3gを少量ずつ撹
拌しながら添加した。系の温度を室温まで昇温させ、さ
らに1時間撹拌した。酢酸エチル、水を加えて分液し、
有機層を希塩酸水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、酢酸
エチル、ヘキサン混合溶媒から晶析して28.6gの化
合物(A−1)を得た。 【0052】還元鉄44.8g、塩化アンモニウム4.
5gをイソプロパノール270ml、水45mlに分散
し、1時間加熱還流した。これに化合物(A−1)2
5.9gを少量ずつ撹拌しながら添加した。さらに1時
間加熱還流した後、セライトを通して吸引ろ過した。濾
液に酢酸エチル、水を加えて分液し、有機層を飽和食塩
水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、溶媒を減圧留去し、化合物(A−2)の油状物2
1.5gを得た。 【0053】化合物(A−2)18.9g、イミノエー
テル(A−0)の塩酸塩39.1g、エチルアルコール
200mlの溶液を加熱還流下1日撹拌した。更にイミ
ノエーテルの塩酸塩19.2gを加え加熱還流下さらに
1日撹拌した。酢酸エチル、水を加えて分液し、有機層
を希塩酸水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、酢酸エチ
ル、ヘキサン混合溶媒から晶析して21.0gの化合物
(A−3)を得た。 【0054】化合物(A−3)5.6g、2−メトキシ
−5−テトラデシルオキシカルボニルアニリン7.2
g、m−ジクロルベンゼン20mlの溶液を加熱還流下
6時間撹拌した。冷却後ヘキサンを加えて晶析して8.
8gの化合物(A−4)を得た。 【0055】化合物(A−4)5.4gの塩化メチレン
110mlの溶液に、氷冷下、臭素0.45mlの塩化
メチレン溶液10mlを滴下した。室温にて30分撹拌し
た後、塩化メチレン、水を加えて分液し、有機層を飽和
食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶
媒を減圧留去し、化合物(A−5)の粗製物を得た。 【0056】5,5−ジメチルオキサゾリジン−2,4
−ジオン3.5g、トリエチルアミン3.8mlをN,
N−ジメチルアセトアミド110mlに溶解し、これに
室温下、先に合成した化合物(A−5)の粗製物すべて
をアセトニトリル25mlに溶解したものを10分間で
滴下し、室温にて2時間撹拌した。酢酸エチル、水を加
えて分液し、有機層を0.1規定水酸化カリウム水溶
液、希塩酸水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにより、アセトン、ヘキサ
ン混合溶媒を溶離液として用いて精製し、酢酸エチル、
ヘキサン混合溶媒から晶析してカプラ−(1)4.7g
を得た。 【0057】合成例2:カプラ−(3)の合成 カプラ−(3)は、下記に示すルートにより合成した。 【0058】 【化18】 【0059】3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキ
シ)プロピルアミン438g、トリエチルアミン210
ml、アセトニトリル1lの溶液に、氷冷下オルトニト
ロベンゼンスルホニルクロライド333gを少量ずつ撹
拌しながら添加した。系の温度を室温まで昇温させ、さ
らに1時間撹拌した。酢酸エチル、水を加えて分液し、
有機層を希塩酸水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、酢酸
エチル、ヘキサン混合溶媒から晶析して588gの化合
物(B−1)を得た。 【0060】還元鉄84.0g、塩化アンモニウム8.
4gをイソプロパノール540ml、水90mlに分散
し、1時間加熱還流した。これに化合物(B−1)11
9gを少量ずつ撹拌しながら添加した。さらに2時間加
熱還流した後、セライトを通して吸引ろ過した。濾液に
酢酸エチル、水を加えて分液し、有機層を飽和食塩水で
洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶
媒を減圧留去し、化合物(B−2)の油状物111gを
得た。 【0061】化合物(B−2)111g、イミノエーテ
ル(A−0)の塩酸塩68.4g、エチルアルコール1
50mlの溶液を加熱還流下1時間撹拌した。更にイミ
ノエーテルの塩酸塩4.9gを加え加熱還流下さらに3
0分撹拌した。冷却後吸引濾過し、濾液にp−キシレン
100mlを加え、エタノールを留去しながら4時間加
熱還流した。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにより、酢酸エチル、ヘキサン混合溶媒を溶離液と
して用いて精製し、メタノールから晶析して93.1g
の化合物(B−3)を得た。 【0062】化合物(B−3)40.7g、2−メトキ
シアニリン18.5g、p−キシレン10mlの溶液を
加熱還流下6時間撹拌した。酢酸エチル、水を加えて分
液し、有機層を希塩酸水、飽和食塩水で洗浄した。無水
硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、酢酸エ
チル、ヘキサン混合溶媒を溶離液として用いて精製し、
油状の化合物(B−4)37.7gを得た。 【0063】化合物(B−4)24.8gの塩化メチレ
ン400mlの溶液に、氷冷下、臭素2.1mlの塩化
メチレン溶液35mlを滴下した。氷冷下30分撹拌し
た後、塩化メチレン、水を加えて分液し、有機層を飽和
食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶
媒を減圧留去し、化合物(B−5)の粗製物を得た。 【0064】5,5−ジメチルオキサゾリジン−2,4
−ジオン15.5g、トリエチルアミン16.8mlを
N,N−ジメチルアセトアミド200mlに溶解し、こ
れに室温下、先に合成した化合物(B−5)の粗製物す
べてをアセトニトリル40mlに溶解したものを10分
間で滴下し、40℃まで昇温して30分撹拌した。酢酸
エチル、水を加えて分液し、有機層を0.1規定水酸化
カリウム水溶液、希塩酸水、飽和食塩水で洗浄した。有
機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
り、アセトン、ヘキサン混合溶媒を溶離液として用いて
精製し、酢酸エチル、ヘキサン混合溶媒から晶析してカ
プラ−(3)23.4gを得た。 【0065】本発明の一般式(I)または(II)で表さ
れるイエロー色素形成カプラーは、発色色素の高い発色
濃度特性を有するため、カプラー塗設量およびハロゲン
化銀乳剤塗設量を従来よりも削減し、その結果現像処理
の負荷を従来よりも軽減した感光材料とすることができ
る。 【0066】以下に、本発明のハロゲン化銀カラー写真
感光材料(以下、単に「感光材料」という場合がある)
について詳細に説明する。 【0067】本発明においてハロゲン化銀カラー写真感
光材料は、支持体上に、イエロー色素形成カプラーを含
有するハロゲン化銀乳剤層と、マゼンタ色素形成カプラ
ーを含有するハロゲン化銀乳剤層と、シアン色素形成カ
プラーを含有するハロゲン化銀乳剤層とをそれぞれ少な
くとも一層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料が好
ましく用いられる。本発明において、前記イエロー色素
形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層はイエロー
発色層として、前記マゼンタ色素形成カプラーを含有す
るハロゲン化銀乳剤層はマゼンタ発色層として及び前記
シアン色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層
はシアン発色層として機能する。該イエロー発色層、マ
ゼンタ発色層及びシアン発色層に各々含有されるハロゲ
ン化銀乳剤は、相互に異なる波長領域の光(例えば、青
色領域、緑色領域及び赤色領域の光)に対して、感光性
を有しているのが好ましい。 【0068】本発明の感光材料は、前記イエロー発色
層、マゼンタ発色層及びシアン発色層以外にも、所望に
より後述する親水性コロイド層、アンチハレーション
層、中間層及び着色層を有していてもよい。 【0069】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、カ
ラーネガフィルム、カラーポジフィルム、カラー反転フ
ィルム、カラー反転印画紙、カラー印画紙、映画用カラ
ーネガ、映画用カラーポジ、ディスプレイ感光材料、カ
ラープルーフ(特にデジタルカラープルーフ)感光材料
等に用いることができる。 【0070】本発明においては、直接鑑賞用に用いられ
る感光材料、カラー印画紙(カラーペーパー)、ディス
プレイ感光材料、カラープルーフ、カラー反転フイルム
(カラーリバーサル)、カラー反転印画紙、映画用カラ
ーポジで好ましく適用される。なかでも、カラー印画紙
やカラー反転フイルムが好ましい。本発明が、カラーペ
ーパーに適用される場合は、特開平11−7109号に
記載の感光材料等が好ましく、特に該特開平11−71
09号の段落番号0071〜0087の記載は本願の明
細書の一部としてそのまま取り込まれる。本発明が、カ
ラーネガフイルムに適用される場合は、特開平11−3
05396号の明細書の段落番号0115〜0217の
記載が好ましく適用され、本願の明細書の一部として取
り込まれる。本発明が、カラー反転フイルムに適用され
る場合は、特開2001−142181号に記載の感光
材料に好ましく、該明細書の段落番号0164〜018
8の記載および特開平11−84601号の明細書の段
落番号0018〜0021の記載が好ましく適用され、
本願の明細書の一部として取り込まれる。 【0071】以下に本発明に好ましく用いられるハロゲ
ン化銀感光材料に関して詳細に述べる。本発明のハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料は、前記一般式(I)または
(II)で表されるイエロー色素形成カプラーを使用する
ものであるが、該本発明のイエロー色素形成カプラーを
単独で用いる以外に他のイエロー色素形成カプラーと併
用して用いることもできる。この場合、本発明の一般式
(I)または(II)で表されるイエロー色素形成カプラ
ーとその他のイエロー色素形成カプラーは任意の比率で
用いることができるが、好ましくは一般式(I)または
(II)で表されるイエロー色素形成カプラーを以下の塗
布量の範囲で用いることが好ましい。すなわち、一般式
(I)または(II)で表されるイエロー色素形成カプラ
ーの塗設量はカラー印画紙などの反射型材料においては
0.1〜1.0mmol/m2、好ましくは0.2〜
0.8mmol/m2、最も好ましくは0.3〜0.6
mmol/m2であり、ディスプレー用に用いられる透
過型ないしは半透過型材料においては、0.1〜2.0
mmol/m2、好ましくは0.4〜1.6mmol/
2、最も好ましくは0.6〜1.2mmol/m2であ
る。前記好ましい範囲については、本発明の範囲を下回
ると実質的に十分な発色濃度が得られにくく、一方本発
明の範囲を上回ると超迅速処理適性が向上しにくくなる
こと、また感光材料製造上のコスト負荷も増加するた
め、前記イエロー色素形成カプラーの使用量とすること
が好ましい。 【0072】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
における銀総塗設量は反射型材料においては銀換算量で
0.20〜0.70g/m2、好ましくは0.30〜
0.60g/m2であり、透過型ないしは半透過型材料
においては、0.40〜2.0g/m2、好ましくは
0.60〜1.2g/m2である。ハロゲン化銀乳剤層
の中でも青感性乳剤層の銀塗設量は本発明のイエロー色
素形成カプラーの塗設量に応じて任意であるが、本発明
の構成による効果を得るためには本発明に属さないイエ
ロー色素形成カプラーを使用した場合と比較して少ない
塗設銀量であることが好ましい。具体的には青感性ハロ
ゲン化銀乳剤層の銀塗設量は反射材料においては銀換算
量で0.09〜0.27g/m2、好ましくは0.10
〜0.24g/m2、さらに好ましくは0.11〜0.
22g/m2であり、透過型ないしは半透過型材料にお
いては銀換算量で0.15〜0.51g/m2、好まし
くは0.17〜0.43g/m2、さらに好ましくは
0.19〜0.41g/m2である。これらの好ましい
銀塗設量は当業界で一般的に実施される現像処理方法に
適した量であり、他の現像方式(例えば補力増幅現像)
で発色させる場合などはこの範囲に限定されない。 【0073】本発明において、前記カプラーを感光層に
添加するためには、公知の種々の技術を適用することが
できる。通常、オイルプロテクト法として公知の水中油
滴分散法により添加することができ、溶媒に溶解した
後、界面活性剤を含むゼラチン水溶液に乳化分散させ
る。あるいは界面活性剤を含むカプラー溶液中に水ある
いはゼラチン水溶液を加え、転相を伴って水中油滴分散
物としてもよい。乳化分散は攪拌、圧力等の機械力によ
り行われる従来公知のいかなる方法でもよい。またアル
カリ可溶性のカプラーは、所謂フィッシャー分散法によ
っても分離できる。カプラー分散物から、蒸留、ヌード
ル水洗あるいは限外濾過等の方法により、低沸点有機溶
媒を除去した後、写真乳剤と混合してもよい。このよう
なカプラーの分散媒としては誘電率(25℃)2〜2
0、屈折率(25℃)1.5〜1.7の高沸点有機溶媒
および/または水不溶性高分子化合物を好ましく用いる
ことができる。本発明においてカプラーに対する分散媒
の比率(質量)は好ましくは0.1〜10さらに好まし
くは0.3〜3である。 【0074】本発明の一般式(I)または(II)で表さ
れるイエロー色素形成カプラーを含むハロゲン化銀乳剤
層は、pH8以下の条件で芳香族第一級アミンカラー現
像主薬と化学結合し実質的に無色の生成物を生ずる新油
性化合物を含有していることが現像処理後の画像保存時
のステインの発生が抑えられることから特に望ましい。
pH8以下の条件で芳香族第一級アミンカラー現像主薬
と化学結合し実質的に無色の生成物を生ずる新油性化合
物は特開昭63−158545号記載の方法で測定した
p−アニシジンとの二次反応速度定数K2(80℃)が
1.0リットル/mol・sec〜1×10-5リットル
/mol・secの範囲である化合物が好ましく、具体
例としては特開平5−216188号に記載の一般式
(A)、(B)または(C)で表される化合物、並びに
該特許公報に記載の例示化合物が好ましい。 【0075】本発明の一般式(I)または(II)で表さ
れるイエロー色素形成カプラーを含むハロゲン化銀乳剤
層は、pH8以下の条件で芳香族第一級アミンカラー現
像主薬の酸化体と化学結合し実質的に無色の生成物を生
ずる新油性化合物を含有していることが特に好ましい。
pH8以下の条件で芳香族第一級アミンカラー現像主薬
の酸化体と化学結合し実質的に無色の生成物を生ずる新
油性化合物の具体例としては特開平5−216188号
に記載の一般式(D)で表される化合物、並びに該特許
公報に記載の例示化合物が好ましい。 【0076】本発明において写真構成層中の親水性バイ
ンダー量に対する油溶分量の比率は任意に設定できる。
保護層以外の写真構成層における好ましい比率は質量比
で0.05〜1.50、さらに好ましくは0.10〜
1.40、最も好ましくは0.20〜1.30である。
各層の比率を最適化することで膜強度や耐傷性、カール
特性を調節することができる。 【0077】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、総塗布ゼラチン量が規定されていることが、迅速処
理性向上の目的から好ましく、総ゼラチン塗設量はカラ
ー印画紙などの反射材料においては3.0〜7.4g/
2、好ましくは3.5〜6.5g/m2であり、透過型
ないしは半透過型材料においては、5.0〜25g/m
2、好ましくは8.0〜18g/m2である。さらに本発
明の青感光性ハロゲン化銀乳剤層のゼラチン塗設量は
0.2〜2.0g/m2が好ましく、0.4〜1.2g
/m2がさらに好ましい。 【0078】本発明においては、ハロゲン化銀カラー写
真感光材料がアニオン性界面活性剤およびノニオン性界
面活性剤から選択される少なくとも1種を含有するもの
である。以下に本発明で使用する界面活性剤を詳細に説
明する。まず、アニオン性界面活性剤に関して説明す
る。アニオン性界面活性剤としては、下記一般式(A―
I)、(A−II)、(A−III)、(A−IV)、(A−
V)、または(A−VI)で表されるものが好ましい。 【0079】 【化19】【0080】式中、R1aおよびR2aは各々独立に炭素原
子数1〜18のアルキル基を表し、Maは水素原子また
はカチオンを表す。m1aは0〜50の整数、n1aは0〜
4の整数を表す。l1aは0または1を表す。 【0081】 【化20】 【0082】式中、R3aは炭素原子数6〜20のアルキ
ル基またはアルケニル基を表し、M aは水素原子または
カチオンを表す。m2aは0〜50の整数、n2aは0〜4
の整数、aは0または1の整数を表す。 【0083】 【化21】 【0084】式中、R4aおよびR5aは各々独立に炭素原
子数6〜18のアルキル基を表し、Maは水素原子また
はカチオンを表す。 【0085】 【化22】 【0086】式中、R6aは炭素原子数6〜20のアルキ
ル基を表し、R7a炭素原子数1〜4のアルキル基を表
し、Xaは−COOMa1または−SO3a1を表す。ここ
で、M a1は水素原子またはカチオンを表す。n3aは1〜
4の整数を表す。 【0087】 【化23】 【0088】式中、R8aおよびR9aは各々独立に炭素原
子数6〜20のアルキル基を表し、Maは水素原子また
はカチオンを表す。 【0089】 【化24】 【0090】式中、R10a、R11aおよびR12aは各々独
立に炭素原子数1〜16のアルキル基を表し、Maは水
素原子またはカチオンを表す。 【0091】R1aおよびR2aで表される炭素原子数1〜
18のアルキル基としては例えばメチル、エチル、ブチ
ル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル等が挙
げられる。R3a、R6a、R8a、およびR9aで表される炭
素原子数6〜20のアルキル基としては、例えばヘキシ
ル、ヘプチル、オクチル、ドデシル、オクタデシル、エ
イコシル等が挙げられる。R4aおよびR5aで表される炭
素原子数6〜18のアルキル基としては、例えばヘキシ
ル、ヘプチル、ドデシル、ペンタデシル、オクタデシル
等が挙げられる。R7aで表される炭素原子数1〜4のア
ルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル
等が挙げられる。R10a、R11aおよびR12aで表される
炭素原子数1〜16のアルキル基としては、例えばメチ
ル、エチル、ブチル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル
等が挙げられる。R1aないしR12aで表されるそれぞれ
のアルキル基は置換基を有するものも含み、この場合、
炭素原子数にはその置換基を含めない。一般式(A−
I)ないし(A−VI)で表されるもののうち、特に好ま
しいのは一般式(A−I)、(A−II)、および(A−
V)で表されるものである。以下に具体例を挙げるが、
本発明がこれらにより限定されるものではない。 【0092】 【化25】【0093】 【化26】 【0094】 【化27】 【0095】 【化28】【0096】本発明においては、下記一般式(WS)で
表されるアニオン界面活性剤も好ましく用いられる。 一般式(WS) R1−Z1 式中、R1は炭素数6〜24のアルキル基またはアルケ
ニル基を表し、Z1は−OSO3Mまたは−SO3Mを表
し、Mはカチオンを表す。 【0097】前記一般式(WS)中、R1は炭素数6〜
25のアルキル基またはアルケニル基を表し、R1の炭
素数は6〜22が好ましく、6〜20がさらに好まし
く、8〜18が特に好ましい。アルキル基またはアルケ
ニル基は環状構造を有してもよいが、鎖状アルキル基ま
たは鎖状アルケニル基の方が好ましい。アルキル基は置
換基を有してもよいが、好ましくは無置換のアルキル基
またはヒドロキシル基置換のアルキル基である。アルケ
ニル基は置換基を有してもよいが、好ましくは無置換の
アルケニル基である。鎖状アルキル基または鎖状アルケ
ニル基は、分岐を有してもよい。アルケニル基の二重結
合の位置については、特に制限しない。 【0098】前記一般式(WS)中、Z1は−OSO3
または−SO3Mを表し、−SO3Mが好ましい。Mはカ
チオンを表す。Mで表されるカチオンとしては、例えば
アルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バ
リウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイ
オン等が好ましく適用される。これらのうち、特に好ま
しくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイ
オン、アンモニウムイオンである。 【0099】以下に、上記一般式(WS)で表される化
合物の具体例を示す。 WS−1 CH3(CH211CH=CH−SO3Na WS−2 CH3(CH210CH=CHCH2−SO3
Na WS−3 CH3(CH29CH=CHCH2CH2
SO3Na WS−4 CH3(CH28CH=CH(CH23
SO3Na WS−5 CH3(CH27CH=CH(CH24
SO3Na WS−6 CH3(CH25CH=CH(CH26
SO3Na WS−7 CH3(CH212CH=CHCH2−SO3
Na WS−8 CH3(CH214CH=CHCH2−SO3
Na WS−9 CH3(CH22CH=CHCH2−SO3
K WS−10 CH3(CH24CH=CHCH2−SO3
Li WS−11 CH3(CH26CH=CHCH2−SO3
NH4 WS−12 CH3(CH216CH=CHCH2−SO3
Na WS−13 CH3(CH218CH=CHCH2−SO3
Na WS−14 CH3(CH221CH=CHCH2−SO3
Na WS−15 C1225−OSO3Na WS−16 C1429−OSO3K WS−17 C1633−OSO3NH4 WS−18 C1021−OSO3Na WS−19 CH3(CH210CH(OH)CH2CH2
−SO3Na WS−20 CH3(CH211CH(OH)CH2−S
3Na WS−21 CH3(CH29CH(OH)CH2CH2
CH2−SO3Na WS−22 CH3(CH27CH2CH(OH)CH
(CH3)−SO3Na 【0100】上記一般式(WS)で表される化合物は、
工業化学雑誌72、2248(1969)、同74、7
06(1971)に記載の方法や長鎖アルコールにクロ
ロスルホン酸を反応させることにより合成できる。ま
た、ライオン(株)より購入できるアルファオレフィン
スルホン酸塩(商品名: リポラン)なども好ましく、
リポランPJ−400が特に好ましい。 【0101】本発明において用いられるノニオン性界面
活性剤としては下記一般式(W−II)、(W−III)、
(W−IV)、(W−V)、(W−VI)または(W−VI
I)で表される化合物を用いることができる。 【0102】 【化29】 【0103】 【化30】 【0104】一般式(W−II)〜(W−VII)中、R、
1 およびR2 は各々独立に水素原子、炭素数8以上の
アルキル基またはアルケニル基を表す。ただし、R、R
1 、R2 およびR3が全て水素原子であることはない。
4 は炭素数8以上のアルキル基またはアルケニル基お
よびnは5〜100の正の整数を表す。R21は水素原子
または炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基また
はアリール基を表し、これらの基はそれぞれ置換基を有
するものも含まれる。R21は好ましくは炭素数4〜24
のアルキル基、アルケニル基、アリール基であり、特に
好ましくはヘキシル基、ドデシル基、イソステアリル
基、オレイル基、t−ブチルフェニル基、2,4−ジ−
t−ブチルフェニル基、2,4−ジ−t−ペンチルフェ
ニル基、p−ドデシルフェニル基、n−ペンタデカフェ
ニル基、t−オクチルフェニル基、2,4−ジノニルフ
ェニル基、オクチルナフチル基等である。Aは−O−、
−S−、−COO−、−OCO−、−N(R30)−、−
CON(R30)−または−SO2N(R30)−(ここで
30は水素原子または置換基を有するものも含むアルキ
ル基を示す。)を表す。R22、R23、R27およびR29
各々独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、
アミド基、スルホンアミド基、カルバモイル基またはス
ルファモイル基を表し、これらの基はそれぞれ置換基を
有するものも含まれる。R26およびR28はアルキル基、
アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲ
ン原子、アシル基、アミド基、スルホンアミド基、カル
バモイル基またはスルファモイル基を表し、これらの基
はそれぞれ置換基を有するものも含まれる。 【0105】R26およびR28は好ましくは炭素数1〜2
0のアルキル基、フェニル基、p−クロロフェニル基等
のアリール基、−OR35(ここでR35は炭素数1〜20
のアルキル基またはアリール基を示し、これらの基は置
換基を有するものも含まれる。以下同様である。)で表
されるアルコキシ基およびアリールオキシ基、塩素原
子、臭素原子等のハロゲン原子、−COR35で表される
アシル基、−NR36COR35(ここでR36は水素原子ま
たは炭素数1〜20のアルキル基を示す。以下同様であ
る。)で表されるアミド基、−NR36SO235で表さ
れるスルホンアミド基、−CON(R362 で表される
カルバモイル基または−SO2 N(R36 2 で表される
スルファモイル基である。これらのうち、R26およびR
28はさらに好ましくはアルキル基またはハロゲン原子で
あり、最も好ましくはt−ブチル基、t−アミル基、t
−オクチル基等の3級アルキル基である。 【0106】R22、R23、R27およびR29は好ましくは
水素原子または上記のR26およびR 28の好ましいものと
して挙げた基である。これらのうち、R27およびR29
特に水素原子が好ましい。R24およびR25は各々独立に
水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、これら
の基は置換基を有するものも含まれる。R24およびR 25
として特に好ましくは水素原子、炭素数1〜8のアルキ
ル基、フェニル基、フリル基等である。R24とR25、R
26とR27およびR28とR29は互いに連結して環、例えば
シクロヘキシル環を形成してもよい。また、一般式(W
−VI)でフェニル環の置換基は左右非対称でもよい。R
31は水素原子またはアルキル基を表し、このアルキル基
は置換基を有するものも含まれる。R32は水素原子また
は炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アリー
ル基またはアラルキル基を表す。R32で表される各基は
置換基を有するものも含まれ、置換基としては例えばア
ルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、
アリールオキシ基、チオエーテル基、ポリオキシアルキ
ルエーテル基等が挙げられる。 【0107】R33は炭素数1〜10のアルキレン基、ポ
リオキシアルキレン基または2価の芳香族基(例えばフ
ェニレン基等)を表し、これらは置換基を有するものも
含まれる。R34は炭素数1〜20のアルキル基またはア
リール基を表す。R34で表される各基は置換基を有する
ものも含まれ、置換基としては例えば、アルキル基、ア
リール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、チオエーテル基、ポリオキシアルキレンエーテル
基等が挙げられる。n11、n12、n13およびn 14は各々
独立にエチレンオキサイドの平均付加モル数であって2
〜50の数であり、特に好ましくは5〜30の数であ
る。n13とn14は同じでも異なってもよい。またn15
同じくエチレンオキサイドの平均付加モル数であって1
〜100の数である。mは2〜50の整数、m11および
12は各々独立に0〜20の整数、pは0〜30の整数
である。これらの化合物は例えば米国特許第2,98
2,651号、同第3,428,456号、同第3,4
57,076号、同第3,454,625号、同第3,
552,972号、同第3,655,387号、特公昭
51−9610号、特開昭53−29715号、特開昭
54−89626号、特願昭57−85764号、特願
昭57−90909号、堀口博著「新界面活性剤」(三
共出版1975年)等に記載されている。 【0108】一般式(W−II)〜(W−VII)で表され
るノニオン系界面活性剤のうち好ましく用いられるもの
は(W−II)および(W−III )で表されるソルビタン
エステル系化合物である。活性剤の主成分をソルビタン
エステルとする商品としてはスパン(Atlas Powder C
o)、ソルボン(東邦化学工業)、ソルゲン(第一工業
製薬)、シルバン(松本油脂製薬)(いずれも商品名)
などが挙げられ本発明でも用いられる。またソルビタン
エステル系活性剤をエチレンオキシドと反応して得られ
るポリオキシエチレン型を主成分とする商品としてはト
ゥイーン(Atlas Powder Co)、アトロックス(Atlas
Powder Co)、エマゾール(花王)、ソルボン(東邦
化学工業)、ノニオン(日本油脂)(いずれも商品名)
も好ましく用いられる。本発明で用いられるアニオン性
界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、および両イオン性
界面活性剤は例えば、界面活性剤ハンドブック(工学図
書株式会社版 1987)、界面活性剤等一覧表(日本
界面活性剤工業会 1989)等の文献に記載されてい
る。 【0109】次に本発明に好ましく用いられるノニオン
系界面活性剤の具体例を示すが、本発明はこれらにより
限定されるものではない。 【0110】 【化31】【0111】 【化32】 【0112】 【化33】 【0113】 【化34】【0114】 【化35】 【0115】 【化36】【0116】 【化37】 【0117】 【化38】 【0118】 【化39】 【0119】 【化40】【0120】 【化41】 【0121】 【化42】【0122】本発明の感光材料にはベタイン系界面活性
剤も好ましく用いられる。好ましいベタイン系界面活性
剤は下記一般式(W−I)で表される。 【0123】 【化43】 【0124】一般式(W−I)中、Rは炭素数7〜22
の飽和または不飽和脂肪族炭化水素基または置換アリー
ル基、R1 は水素原子またはメチル基、R2 とR3 はそ
れぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R4とR5 はそれぞ
れ水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Lは−C
ONH−、−SO2 NH−、−O−、−S−、−CON
H(CH2)z −O−、−SO2 NH(CH2 )z −O
−、−P(=O)(−OH)NH−または−O−CH2
CH(OH)−を各々表す。また、mは0または1を表
し、nは0、1、2または3を表し、xは0、1、2ま
たは3を表し、Aは−COO- または−SO3 2- 、z
は2以上の整数を表す。一般式(W−I)におけるRの
置換アリール基の具体例としては以下の下記のものを挙
げることができる。 【0125】 【化44】 【0126】以下に一般式(W−I)で表される化合物
の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。 【0127】 【化45】【0128】 【化46】 【0129】上記の界面活性剤は後述のハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料の構成要素に必要な疎水性素材の分散
剤として使用されるが、分散時に添加使用してもよい
し、分散後の塗布時等に分割添加使用してもよい。さら
に本発明の界面活性剤のほかに、必要に応じ両イオン性
界面活性剤、フッ素化炭化水素基を有する界面活性剤お
よび/またはカチオン性界面活性剤等を併用することも
できる。本発明において使用されるアニオン系および/
またはノニオン系界面活性剤は、感光材料を構成する層
のいずれにおいても使用でき、使用する層を限定するこ
とはない。本発明においてアニオン性界面活性剤の使用
量は感光材料1m2当り一般に0.02〜1.0gであ
り、好ましくは0.05〜0.7gであり、また、ノニ
オン系界面活性剤の使用量は1m2当り一般に0.00
5〜0.5g、好ましくは0.01〜0.2gの範囲で
ある。ベタイン系界面活性剤を併用する場合の使用量は
感光材料1m2当り一般に0.002〜0.1gであ
り、好ましくは0.005〜0.05gである。また、
本発明のアニオン系およびノニオン系界面活性剤は、同
種の界面活性剤を2種以上混合して使用する場合は如何
なる混合割合であってもよいが、イオン性界面活性剤、
特にアニオン性界面活性剤とノニオン系界面活性剤とを
使用する場合は分散物の調製、調製後の安定性等からH
LB(HydrophileLipophile Balance) 値が8〜18の
範囲を大きく逸脱するような混合使用を避けることがで
きる範囲で任意に使用することができる。 【0130】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は下記一般式(F)で表される含フッ素界面活性剤も好
ましく用いられる。 【0131】 【化47】 【0132】式中、A、Bは各々独立にフッ素原子また
は水素原子を表す。a、bは各々独立に1ないし6の整
数を表す。c、dは各々独立に4ないし8の整数を表
す。xは0または1を表す。Mはカチオンを表す。 【0133】一般式(F)中、A、Bは各々独立にフッ
素原子または水素原子を表す。A、Bとして好ましくは
A、B共にフッ素原子、あるいは水素原子であり、より
好ましくはA、B共にフッ素原子である。 【0134】a、bは各々独立に1ないし6の整数を表
す。a、bは1〜6の整数であればお互いが、異なって
いても、同じであってもよい。a、bとして好ましくは
1〜6の整数でかつa=bであり、より好ましくは、2
または3の整数でかつa=bであり、更に好ましくはa=
b=2である。c、dは各々独立に4ないし8の整数を
表す。c、dは4〜8の整数であればお互いが、異なっ
ていても、同じであってもよい。c、dとして好ましく
は4〜6の整数でかつc=dであり、より好ましくは、
4または6の整数でかつc=dであり、更に好ましくは
c=d=4である。xは0または1を表し、どちらも同
様に好ましい。Mはカチオンを表し、Mで表されるカチ
オンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイ
オン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカ
リ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン
等)、アンモニウムイオン等が好ましく適用される。こ
れらのうち、特に好ましくはリチウムイオン、ナトリウ
ムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンであ
る。 【0135】一般式(F)としてより好ましくは下記一
般式(F−I)である。 【0136】 【化48】 【0137】式中、a、b、c、d、M、xは一般式
(F)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲
も同様である。 【0138】一般式(F)としてさらに好ましい化合物
は下記一般式(F−II)で表される化合物である。 【0139】 【化49】 【0140】式中、a1は2ないし3の整数を表す。c1
は4ないし6の整数を表す。Mはカチオンを表す。 【0141】a1として好ましくは2である。c1として
好ましくは4である。xは0または1を表すが、どちら
である場合も同様に好ましい。 【0142】本発明に用いられる好ましい界面活性剤の
具体例を以下に例示するが、本発明はこれら具体例に限
定されるものではない。 【0143】 【化50】【0144】 【化51】【0145】 【化52】【0146】 【化53】【0147】上記の一般式(F)、(F−I)または
(F−II)で表される界面活性剤は一般的なエステル化
反応及びスルホン化反応を組み合わせて容易に合成でき
る。また、対カチオン変換はイオン変換樹脂により容易
に行うことができる。本発明において、前記一般式
(F)で表される界面活性剤を写真感光材料の層に用い
る場合、界面活性剤を含む水性塗布組成物は、本発明の
界面活性剤と水のみからなっていても良いし、目的に応
じてその他の成分を適宜含んでいても良い。上記の水性
塗布組成物において、前記一般式(F)で表される界面
活性剤は1種類のみを用いても良いし、また2種以上を
混合して用いても良い。また、一般式(F)で表される
界面活性剤は前記のアニオン系、ノニオン系、ベタイン
系、の各種界面活性剤ならびにカチオン系界面活性剤や
高分子界面活性剤と併用することができる。 【0148】上記水性塗布組成物中に含まれていても良
いものとして代表的なものはポリマー化合物である。ポ
リマー化合物は水性媒体可溶なポリマーであっても良い
し、ポリマーの水分散物(いわゆるポリマーラテック
ス)であっても良い。可溶性ポリマーとしては特に制限
は無いが、例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、カ
ゼイン、寒天、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロ
ース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
等を挙げることができ、ポリマーラテックスとしては、
種々のビニルモノマー(例えば、アクリレート誘導体、
メタクリレート誘導体、アクリルアミド誘導体、メタク
リルアミド誘導体、スチレン誘導体、共役ジエン誘導
体、N−ビニル化合物、O−ビニル化合物、ビニルニト
リル、その他のビニル化合物(例えばエチレン、塩化ビ
ニリデン))の単独もしくは共重合体、縮合系ポリマー
の分散物(例えばポリエステル、ポリウレタン、ポリカ
ーボネート、ポリアミド)を挙げることができる。この
種のポリマー化合物の詳細例については、例えば特開昭
62−215272(707〜763頁)やリサーチ・
ディスクロージャ(RD)Item17643,651頁(1
978年12月)、同18716,650頁(1979
年11月),同307105,873〜874頁(19
89年11月)等を挙げることができる。 【0149】上記水性塗布組成物における媒体として
は、水単独であっても良いし、水以外の有機溶媒(例え
ば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、nーブタノール、メチルセロソルブ、ジメチルホル
ムアミド、アセトン等)と水との混合溶媒であっても良
い。水性塗布媒体における水の割合は、50%以上であ
る事が好ましい。 【0150】上記水性塗布組成物中には、用いる写真感
光材料の層に応じて種々の化合物を含んでいても良く、
またそれらは媒体に溶解していても良く、分散されてい
ても良い。それらの例としては、種々のカプラー、紫外
線吸収剤、混色防止剤、スタチック防止剤、スカベンジ
ャー、かぶり防止剤、硬膜剤、染料、防黴剤 等を挙げ
ることができる。また写真感光材料に用いて、効果的な
帯電防止能と塗布の均一性を得るためには、最上層の親
水性コロイド層に用いるのが好ましい。 【0151】この場合、該層の塗布組成物中には、親水
性コロイド(例えばゼラチン)や本発明のフッ素系界面活
性剤以外に、他の界面活性剤やマット剤、スベリ剤、コ
ロイダルシリカ、ゼラチン可塑剤等を含有する事ができ
る。 【0152】一般式(F)、(F−I)および(F−I
I)で表される界面活性剤の使用量に特に制約は無く、
また界面活性剤の構造やその用途、水性組成物中に含ま
れる化合物の種類や量、媒体の構成等によって、その使
用量を任意に変える事ができる。例えば本発明の界面活
性剤を、本発明の好ましい態様である写真感光材料の最
上層の親水性コロイド(ゼラチン)層用塗布液として用
いる場合、塗布溶液中の濃度(質量%)として0.00
3から0.5%である事が好ましく、またゼラチン固形
分に対しては0.03〜5%である事が好ましい。 【0153】本発明において、支持体は特に限定される
ものではないが、好ましくは反射支持体である。以下に
好ましく用いられる反射支持体について詳細に説明す
る。本発明の反射支持体は該反射支持体の感光層塗設側
の耐水性樹脂被覆層中に白色顔料が含有されていること
が好ましい。耐水性樹脂に混合分散する白色顔料として
は、二酸化チタン、硫酸バリウム、リトポン、酸化アル
ミニウム、炭酸カルシウム、酸化珪素、三酸化アンチモ
ン、燐酸チタニウム、酸化亜鉛、鉛白、酸化ジルコニウ
ム等の無機顔料やポリスチレン、スチレン−ジビニルベ
ンゼン共重合体等の有機微粉末等を挙げることができ
る。これらの顔料の中でも、二酸化チタンの使用が特に
効果的である。二酸化チタンは、ルチル型およびアナタ
ーゼ型のいずれでも良いが、白色度を優先する場合アナ
ターゼ型を、また鮮鋭度を優先する場合はルチル型が好
ましい。白色度と鮮鋭度両方を考慮してアナターゼ型と
ルチル型をブレンドして用いても良い。更に耐水性樹脂
層が多層から成る場合、ある層にはアナターゼ型を、
又、他の層にはルチル型を使用する方法も好ましい。ま
たこれらの二酸化チタンは、サルフェート法、クロライ
ド法のいずれの方法で製造されたものであっても良い。 【0154】本発明で使用する反射支持体の耐水性樹脂
とは、吸水率(質量%)が0.5以下、好ましくは0.
1以下の樹脂で、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン系重合体等のポリオレフィン、ビニー
ルポリマーやそのコポリマー(ポリスチレン、ポリアク
リレートやそのコポリマー)やポリエステル(ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート等)
やそのコポリマーである。特に好ましくはポリエチレン
とポリエステルである。ポリエチレンは高密度ポリエチ
レン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン及
びこれらポリエチレンのブレンドを用いることができ
る。 【0155】ポリエステルとしては、ジカルボン酸とジ
オールから縮合重合によって合成されたポリエステルが
好ましく、また好ましいジカルボン酸としてはテレフタ
ル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げ
られる。好ましいジオールとしては、エチレングリコー
ル、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ト
リエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキシレング
リコール、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物
(2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエチルオキシ)
フェニル)プロパン)、1,4−ジヒドロキシメチルシ
クロヘキサン等が挙げられる。これらジカルボン酸の単
独あるいは混合物と、ジオールの単独あるいは混合物と
を縮合重合して得られる種々のポリエステルを使用する
ことができる。中でもジカルボン酸の少なくとも一種は
テレフタル酸であることが好ましい。 【0156】上記耐水性樹脂と白色顔料の混合比率は質
量比で98/2〜30/70(耐水性樹脂/白色顔
料)、好ましくは95/5〜50/50、特に好ましく
は90/10〜60/40である。これらの耐水性樹脂
層は2〜200μmの厚みで基体上に被覆するのが好ま
しく、更に好ましくは5〜80μmである。基体の感光
層塗布面側でない面に被覆する樹脂または樹脂組成物の
厚みは、5〜100μmが好ましく、より好ましくは1
0〜50μmである。 【0157】本発明使用の反射支持体においては、感光
層塗設側の耐水性樹脂被覆層が白色顔料の含有率の異な
る2層以上の耐水性樹脂被覆層からなる反射支持体であ
ることがコスト、支持体の製造適性等の観点からより好
ましい場合もある。この場合白色顔料の含有率が異なる
耐水性樹脂被覆層のうち、基体に最も近い耐水性樹脂被
覆層の白色顔料の含有率が、この層よりも上層にある少
なくとも1つの耐水性樹脂被覆層の白色顔料の含有率よ
りも低いことが好ましい。 【0158】多層耐水性樹脂層における各層の白色顔料
の含有率は0〜70質量%、好ましくは0〜50質量
%、より好ましくは0〜40質量%である。またこの多
層耐水性樹脂層のうち最も白色顔料の含有率が高い層の
含有率は9〜70質量%、好ましくは15〜50質量
%、更に好ましくは20〜40質量%である。 【0159】又、耐水性樹脂層には、ブルーイング剤を
含有させて本発明の白地の範囲内に調節することができ
る。ブルーイング剤としては、一般に知られる群青、コ
バルトブルー、酸化リン酸コバルト、キナクリドン系顔
料等とその混合物が用いられる。ブルーイング剤の粒子
径に特に限定はないが、市販のブルーイング剤の粒径は
通常0.3μm〜10μm程度であり、この範囲の粒径
であれば特に使用上支障がない。本発明で使用する反射
支持体の耐水性樹脂層が多層構成である場合、耐水性樹
脂層におけるブルーイング剤の含有量は、最上層の耐水
性樹脂層中の含有率を、下層の含有率以上にするのが好
ましい。好ましいブルーイング剤の含有量は、最上層に
0.2〜0.5質量%、またその下側の層には0〜0.
45質量%である。 【0160】本発明の反射支持体に使用される基体は、
天然パルプを主原料とする天然パルプ紙、天然パルプと
合成繊維とから成る混抄紙、合成繊維を主成分とする合
成繊維紙、ポリスチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂
フィルムを擬紙化した、所謂合成紙、ポリエチレンテレ
フタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエ
ステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム、ポリスチ
レンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレ
フィンフィルム、等のプラスチックフィルムの何れでも
良いが、写真用耐水性樹脂被覆の基体としては天然パル
プ紙(以下単に原紙と称する)が特に好ましく有利に用
いられる。必要に応じ、染料や蛍光染料を添加して白地
を本発明の範囲に調節することもできる。 【0161】本発明に使用される支持体の原紙の厚さは
特に限定されるものではないが、坪量としては、50g
/m2〜250g/m2が、厚みとしては、50μm〜2
50μmが望ましい。 【0162】本発明においてさらに好ましい反射支持体
としては、ハロゲン化銀乳剤層を設ける側の紙基体上に
微小空孔を有するポリオレフィン層を有しているものが
挙げられる。ポリオレフィン層は多層から成っていても
よく、その場合、好ましくはハロゲン化銀乳剤層側のゼ
ラチン層に隣接するポリオレフィン層は微小空孔を有さ
ず(例えばポリプロピレン、ポリエチレン)、紙基体上
に近い側に微小空孔を有するポリオレフィン(例えばポ
リプロピレン、ポリエチレン)から成るものがより好ま
しい。紙基体及び写真構成層の間に位置するこれら多層
もしくは一層のポリオレフィン層の密度は0.40〜
1.0g/mlであることが好ましく、0.50〜0.
70g/mlがより好ましい。また、紙基体及び写真構
成層の間に位置するこれら多層もしくは一層のポリオレ
フィン層の厚さは10〜100μmが好ましく、15〜
70μmがさらに好ましい。また、ポリオレフィン層と
紙基体の厚さの比は0.05〜0.2が好ましく、0.
1〜0.15がさらに好ましい。 【0163】また、上記紙基体の写真構成層とは逆側
(裏面)にポリオレフィン層を設けることも、反射支持
体の剛性を高める点から好ましく、この場合、裏面のポ
リオレフィン層は表面が艶消しされたポリエチレン又は
ポリプロピレンが好ましく、ポリプロピレンがより好ま
しい。裏面のポリオレフィン層は5〜50μmが好まし
く、10〜30μmがより好ましく、さらに密度が0.
7〜1.1g/mlであることが好ましい。本発明の反
射支持体において、紙基体上に設けるポリオレフィン層
に関する好ましい態様については、特開平10−333
277号、同10−333278号、同11−5251
3号、同11−65024号、EP0880065号、
及びEP0880066号に記載されている例が挙げら
れる。 【0164】更に前記の耐水性樹脂層中には蛍光増白剤
を含有するのが好ましい。また、前記蛍光増白剤を分散
含有する親水性コロイド層を、別途形成してもよい。前
記蛍光増白剤として、好ましくは、ベンゾオキサゾール
系、クマリン系、ピラゾリン系が用いることができ、更
に好ましくは、ベンゾオキサゾリルナフタレン系及びベ
ンゾオキサゾリルスチルベン系の蛍光増白剤である。使
用量は、特に限定されていが、好ましくは1〜100m
g/m2である。耐水性樹脂に混合する場合の混合比
は、好ましくは樹脂に対して0.0005〜3質量%で
あり、更に好ましくは0.001〜0.5質量%であ
る。 【0165】反射型支持体としては、透過型支持体、又
は上記のような反射型支持体上に、白色顔料を含有する
親水性コロイド層を塗設したものでもよい。また、反射
型支持体は、鏡面反射性又は第2種拡散反射性の金属表
面をもつ支持体であってもよい。 【0166】支持体上に塗布された写真構成層を形成す
る親水性コロイド層で本発明の範囲に白地を調節する方
法について詳細に説明する。写真構成層に由来し白地を
悪化させる要因としては、ハロゲン化銀乳剤のかぶり、
増感色素の残色、処理液の汚れ吸着等が挙げられる。そ
れらの悪化要因を低減することで支持体自身が本来有す
る白色度に近づけることができる。また、処理で脱色さ
れない染料または顔料のを添加し着色させたり、処理後
の感光材料中に蛍光増白剤を含有せしめることで、白地
を本発明の好ましい範囲に調節することができる。 【0167】本発明において写真構成層の親水性コロイ
ド層の着色に好ましく用いられる顔料について説明す
る。本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、反射支持体
上に塗設された、感光性ハロゲン化銀乳剤層、非感光性
層の少なくとも一層中に少なくとも一種の顔料が分散さ
れているものが好ましい。本発明において、顔料を含む
層は、ハロゲン化銀乳剤を含有する感光性層でもよく、
また、ハロゲン化銀乳剤層の間に位置する中間層やハロ
ゲン化銀乳剤層の上層に位置する紫外線吸収層、または
ゼラチンの下塗り層等の非感光性層のいずれでもよい。
ハロゲン化銀乳剤層は通常、特性曲線の調節のために塗
布流量を変化させるため、色味付けを一定にするために
は、顔料を非感光性層に導入する方が好ましい場合が多
い。 【0168】通常、イエローステインを克服するために
はブルーの色味付けを施す。この色味付けとしては通常
イエローステインと拮抗させ、ニュートラルな色とし、
人間の目に白と感じさせるのに十分な量の顔料を添加す
る。さらに、顔料を2種類以上用いてそれらの顔料の使
用量比率を変えることによって、広い範囲でのイエロー
ステイン補正が可能である。一般にはシアン方向に色相
を変化させる青顔料とマゼンタ方向に色相を変化させる
赤または紫顔料の併用である。これにより広い範囲の色
味の調節が可能である。本発明に用いられる顔料は水不
溶性であればどういう顔料でも良いが、特に有機溶媒に
対し、親和性が強く、有機溶媒中で容易に分散されるも
のが好ましい。一般に顔料の粒子径は0.01μm〜5
μmが効率よく色味付けするのに良い。好ましくは、
0.01μm〜3μmである。 【0169】本発明においては、顔料は以下のようにし
て導入するのが最も好ましい。即ち、通常の色素形成カ
プラー(本明細書中、カプラーともいう)等の写真性有
用物質を乳化分散し、分散物として感光材料に組み込む
のと同様に、本発明に用いられる顔料を高沸点有機溶媒
に加え、微粒子顔料からなる均一な自発分散液を生成さ
せる。この液を親水性コロイド中、好ましくはゼラチン
水溶液中に、界面活性剤の分散剤と共に超音波、コロイ
ドミル、ホモジナイザー、マントンゴーリン、高速ディ
ゾルバー等の公知の装置により微粒子状に乳化分散し、
分散物を得る。本発明に用いられる高沸点有機溶媒は、
特に制限するものではなく、通常のものが用いられ、例
えば米国特許第2,322,027号、特開平7−15
2129号に記載のものが挙げられる。また、高沸点有
機溶媒と共に補助溶媒を用いることができる。補助溶媒
の例としては、酢酸エチル、酢酸ブチル等の低級アルコ
ールのアセテート、プロピオン酸エチル、2級ブチルア
セテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、β−エトキシエチルアセテート、メチルセロソルブ
アセテート、メチルカルビトールアセテートやシクロヘ
キサノン等が挙げられる。また、本発明に用いられる顔
料は、本発明の感光材料に使用するカプラー等の写真用
有用化合物を溶解する有機溶媒中に共存させ、共乳化し
て乳化物として調製して用いるのが最も好ましい。 【0170】本発明を下記に挙げるいくつかの例により
さらに詳細に説明するが、特に断らない限りそれらの例
に限定されるものではない。本発明においては、求めら
れる色調調整が可能で現像処理時に変化することなく感
光材料中に留まるものであればいかなる種類の顔料も制
限なく使用することができる。以下に好ましい顔料につ
いて具体例を挙げながら説明するが、本発明に用いられ
る青顔料とは、「カラーインデックス」(The Society
of Dyers andcolourists)において、C.I.Pigment Blue
として分類されている顔料をさす。同様に、本発明に用
いられる赤顔料とは、C.I.Pigment Red, 本発明に用い
られる紫顔料とは、C.I.Pigment Violetとして分類され
ている顔料をさす。 【0171】本発明で用いることができる青顔料として
は、例えばアゾ顔料(例えば、 C.I.Pigment Blue 2
5)、フタロシアニン顔料(例えば、C.I.Pigment Blue
15:1、同15:3、同15:6、同16、同75)、インダントロン
顔料(例えば、 C.I.Pigment Blue 60、同64、同21)、
トリアリールカルボニウム系の塩基性染料レーキ顔料
(例えば、 C.I.Pigment Blue 1、同2、同9、同10、同1
4、同62)、同じくトリアリールカルボニウム系の酸性
染料レーキ顔料(例えば 、C.I.Pigment Blue 18、同1
9、同24:1、同24:x、同56、同61)、インジゴ顔料(例
えば、C.I.Pigment Blue 63、同66)などの有機顔料を
挙げることができる。これらの中でもインダントロン顔
料、トリアリールカルボニウム系の塩基性染料レーキ顔
料及び酸性染料レーキ顔料、インジゴ顔料が色相的に好
ましく、さらに堅牢性の点でインダントロン顔料が最も
好ましい。本発明における青顔料としては、無機顔料の
群青、コバルトブルーも好ましく用いることができる。
本発明に用いられるインダントロン顔料としては、有機
溶媒と親和性の高いものが特に好ましく、これは市販品
から選ぶことができ、例えば、Ciba Speciality Chemic
als(チバ スペシャリティ ケミカルズ)社製の、Blu
eA3R-KP(商品名)、BlueA3R-K(商品名)等を用いるこ
とができる。 【0172】本発明においては、色相を調整するため
に、さらに赤乃至紫の顔料を併用することが好ましい。
好ましい赤顔料としては、アゾ顔料(例えばC.I.Pigmen
t Red2、同3、同5、同12、同23、同48:2、同48:3、同5
2:1、同53:1、同57:1、同63:2、同112、同144、同146、
同150、同151、同166、同175、同176、同184、同187、
同220、同221、同245 )、キナクリドン顔料(例えばC.
I.Pigment Red 122、同192、同202、同206、同207、同2
09)、ジケトピロロピロール顔料(例えばC.I.Pigment
Red 254、同255、同264、同272)ペリレン顔料(例えば
C.I.Pigment Red123、同149、同178、同179、同190、同
224)、ぺリノン顔料(例えば C.I.Pigment Red 19
4)、アントラキノン顔料(例えば C.I.Pigment Red 8
3:1、同89、同168、同177)、ベンズイミダゾロン顔料
(例えば C.I.Pigment Red 171、同175、同176、同18
5、同208)、トリアリールカルボニウム系の塩基性染料
レーキ顔料(例えば C.I.Pigment Red 81:1 、同16
9)、チオインジゴ顔料(例えば C.I.Pigment Red 88、
同181)、ピラントロン顔料(例えば C.I.Pigment Red
216、同226)、ピラゾロキナゾロン顔料(例えば C.I.P
igment Red 251、同252)、イソインドリン顔料(例え
ば C.I.Pigment Red 260)等を挙げることができる。中
でもアゾ顔料、キナクリドン顔料、ジケトピロロピロー
ル顔料、ペリレン顔料がより好ましく、アゾ顔料、ジケ
トピロロピロール顔料が特に好ましい。 【0173】好ましい紫顔料としては、アゾ顔料(例え
ばC.I.Pigment Violet 13、同25、同44、同50)、ジオ
キサジン顔料(例えばC.I.Pigment Violet 23、同3
7)、キナクリドン顔料(例えばC.I.Pigment Violet 1
9、同42)、トリアリールカルボニウム系の塩基性染料
レーキ顔料(例えば C.I.Pigment Violet 1、同2、同
3、同27、同39)、アントラキノン顔料(例えば C.I.Pi
gment Violet 5:1、同33)、ペリレン顔料(例えば C.
I.Pigment Violet 29)、イソビオラントロン顔料(例
えば C.I.Pigment Violet 31)、ベンズイミダゾロン顔
料(例えば C.I.Pigment Violet 32)等を挙げることが
できる。中でもアゾ顔料、ジオキサジン顔料、キナクリ
ドン顔料が好ましく、ジオキサジン顔料が特に好まし
い。本発明に用いられるジオキサジン顔料としては、有
機溶媒と親和性の高いものが特に好ましく、これは市販
品から選ぶことができ、例えば、Ciba Spesialty Chemi
cals 社製の、Violet B-K(商品名)、Violet B-KP(商
品名)等を用いることができる。 【0174】本発明では、上記に挙げた顔料の他に、色
調調整のためさらに他の顔料( C.I.Pigment Yellow、
C.I.Pigment Orange、 C.I.Pigment Brown、 C.I.Pigme
nt Greenで分類された各顔料)を併用することができ
る。具体的な化合物については、「カラーインデック
ス」(The Society of Dyersand colourists)、W.Herb
st, K.Hunger共著“Industrial Organic pigments”、
(VCH Verlagsgesellschsft mbH1993年刊)に記載
されている。 【0175】本発明に使用できる顔料は、上述の裸の顔
料であっても良いし、表面処理を施された顔料でも良
い。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コート
する方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質
(例えば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポ
リイソシアネートなど)を顔料表面に結合させる方法、
顔料誘導体(シナジスト)を使用する方法などが考えら
れ、次の文献等に記載されている。 金属石鹸の性質と応用(幸書房) 印刷インキ技術(CMC出版、1984) 最新顔料応用技術(CMC出版、1986) 中でも樹脂やワックスで顔料表面を予め表面コートされ
た形で市販されている易分散性の顔料、所謂インスタン
ト顔料(例えばCiba Spesialty Chemicals 社製のマイ
クロリス顔料)は、感光材料に導入する際に分散する必
要なく高沸点有機溶剤中に良好に分散できるため特に好
ましい。この場合、顔料が分散された高沸点有機溶剤を
さらにゼラチンなどの親水性コロイド中に分散すること
ができる。 【0176】本発明に於いては、上記のように顔料を高
沸点有機溶剤に分散し、次いでそれをゼラチンなどの親
水性コロイド中に分散してもよいが、顔料を親水性コロ
イド中に直接分散してもよい。この際使用される分散剤
は、用いるバインダーと顔料に合わせて種々のもの、例
えば界面活性剤型の低分子分散剤や高分子型分散剤、を
用いることが出来るが、分散安定性の観点から高分子型
分散剤を用いることがより好ましい。分散剤の例として
は特開平3−69949号、欧州特許549486号等
に記載のものを挙げることができる。本発明に使用でき
る顔料の粒径は、分散後で、0.01〜10μmの範囲
であることが好ましく、0.02〜1μmであることが
更に好ましい。顔料をバインダー中へ分散する方法とし
ては、インク製造やトナー製造時に用いられる公知の分
散技術が使用できる。分散機としては、サンドミル、ア
トライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、
インペラー、デスパーサー、KDミル、コロイドミル、
ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げ
られる。詳細は「最新顔料応用技術」(CMC出版、1
986年出版)に記載がある。 【0177】本発明に用いられる顔料の全使用量の好ま
しい範囲は、0.1mg/m2〜10mg/m2であり、
より好ましくは、0.3mg/m2〜5mg/m2であ
る。また、ブルーの顔料と、異なる色相の顔料を併用す
るのが好ましい。顔料を写真構成層を形成する親水性コ
ロイド層に添加する方法は、顔料を支持体のポリオレフ
ィン被服樹脂中に添加する方法に対して同一の色味に調
節するのに必要な顔料の量を大きく減ずることができる
ので、コスト上メリットがあり好ましい。本発明におい
て、前記青顔料と、前記赤顔料及び/又は紫顔料とを併
用する場合は、同一または異なる親水性コロイド層に分
散させて用いることができ、特に制限するものではな
い。 【0178】本発明においては感光材料の写真構成層に
油溶性染料を用い白地の調節をすることも好ましい。油
溶性染料の代表的具体例は、特開平2−842号の
(8)〜(9)頁に記載の化合物1〜27が挙げられ
る。 【0179】また、本発明においては感光材料の親水性
コロイド層中に蛍光増白剤を含有させて、処理後に感光
材料中に蛍光増白剤を残存させることにより白地を調節
することもできる。また、感光材料中にポリビニルピロ
リドン等の蛍光増白剤を捕獲するポリマーを添加するこ
ともできる。 【0180】本発明に好ましく用いられるハロゲン化銀
乳剤に関して以下に詳細に述べる。本発明に用いられる
ハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化銀粒子は、好ましくは
実質的に{100}面を持つ立方体または14面体の結
晶粒子(これらは粒子頂点が丸みを帯び、さらに高次の
面を有していてもよい)または8面体の結晶粒子、また
は全投影面積の50%以上が{100}面または{11
1}面からなるアスペクト比2以上の平板状粒子が好ま
しい。アスペクト比とは、投影面積に相当する円の直径
を粒子の厚さで割った値である。本発明では、立方体ま
たは{100}面を主平面とする平板状粒子または{1
11}面を主平面とする平板状粒子が好ましく適用され
る。 【0181】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤として
は、塩化銀、臭化銀、沃臭化銀、塩(沃)臭化銀乳剤等
が用いられるが、迅速処理性の観点からは、塩化銀含有
率が90モル%以上の塩化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、ま
たは塩臭沃化銀乳剤が好ましく、更に塩化銀含有率が9
8モル%以上の塩化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、または塩
臭沃化銀乳剤が好ましい。このようなハロゲン化銀乳剤
の中でも、ハロゲン化銀粒子のシェル部分に、全銀モル
あたり0.01〜0.50モル%、より好ましくは0.
05〜0.40モル%の沃塩化銀相を有するものも高感
度が得られ、高照度露光適性に優れるため好ましい。ま
た、ハロゲン化銀粒子の表面に全銀モルあたり0.2〜
5モル%、より好ましくは0.5〜3モル%の臭化銀局
在相を有するものが、高感度が得られ、しかも写真性能
の安定化が図れることから特に好ましい。 【0182】本発明の乳剤は、沃化銀を含有することが
好ましい。沃化物イオンの導入は、沃化物塩の溶液を単
独で添加させるか、或いは銀塩溶液と高塩化物塩溶液の
添加と併せて沃化物塩溶液を添加しても良い。後者の場
合は、沃化物塩溶液と高塩化物塩溶液を別々に、または
ヨウ化物塩と高塩化物塩の混合溶液として添加しても良
い。沃化物塩は、アルカリもしくはアルカリ土類沃化物
塩のような溶解性塩の形で添加する。或いは米国特許第
5,389,508号明細書に記載される有機分子から
沃化物イオンを開裂させることで沃化物を導入すること
もできる。また別の沃化物イオン源として、微小沃化銀
粒子を用いることもできる。 【0183】沃化物塩溶液の添加は、粒子形成の一時期
に集中して行っても良く、またある一定期間かけて行っ
ても良い。高塩化物乳剤への沃化物イオンの導入位置
は、高感度で低被りな乳剤を得る上で制限される。沃化
物イオンの導入は、乳剤粒子のより内部に行うほど感度
の増加が小さい。故に沃化物塩溶液の添加は、粒子体積
の50%より外側が好ましく、より好ましくは70%よ
り外側から、最も好ましくは80%より外側から行うの
が良い。また沃化物塩溶液の添加は、好ましくは粒子体
積の98%より内側で、最も好ましくは96%より内側
で終了するのが良い。沃化物塩溶液の添加は、粒子表面
から少し内側で終了することで、より高感度で低被りな
乳剤を得ることができる。 【0184】粒子内の深さ方向への沃化物イオン濃度の
分布は、エッチング/TOF−SIMS(Time of Flight
( Secondary Ion Mass Spectrometry)法により、例え
ばPhi Evans社製TRIFTII型TOF−SIMSを用いて測
定できる。TOF−SIMS法については、具体的には
日本表面科学会編「表面分析技術選書 二次イオン質量分
析法」丸善株式会社(1999年発行)に記載されている。エ
ッチング/TOF−SIMS法で乳剤粒子を解析する
と、沃化物塩溶液の添加を粒子の内側で終了しても、粒
子表面に向けて沃化物イオンがしみ出していることが分
析できる。本発明の乳剤が沃化銀を含有する場合、エッ
チング/TOF−SIMS法による分析で、沃化物イオ
ンは粒子表面で濃度極大を有し、内側に向けて沃化物イ
オン濃度が減衰していることが好ましい。 【0185】本発明の感光材料中の乳剤は、臭化銀局在
層を有することが好ましい。本発明の乳剤が臭化銀局在
相を含有する場合、臭化銀含有率が少なくとも10モル
%以上の臭化銀局在相を粒子表面にエピタキシャル成長
させてつくることが好ましい。また、表層近傍に臭化銀
含有率1モル%以上の最外層シェル部を有することが好
ましい。臭化銀局在相の臭化銀含有率は、1〜80モル
%の範囲が好ましく、5〜70モル%の範囲が最も好ま
しい。臭化銀局在相は、本発明におけるハロゲン化銀粒
子を構成する全銀量の0.1〜30モル%の銀から構成
されていることが好ましく、0.3〜20モル%の銀か
ら構成されていることが更に好ましい。臭化銀局在相中
には、イリジウムイオン等のVIII族金属錯イオンを含有
させることが好ましい。これらの化合物の添加量は目的
に応じて広範囲にわたるが、ハロゲン化銀1モルに対し
て10-9〜10-2モルが好ましい。 【0186】本発明においては、ハロゲン化銀粒子を形
成及び/または成長させる過程で遷移金属イオンを添加
し、ハロゲン化銀粒子の内部及び/または表面に金属イ
オンを組み込むことが好ましい。用いる金属イオンとし
ては遷移金属イオンが好ましく、なかでも、鉄、ルテニ
ウム、イリジウム、オスミウム、鉛、カドミウム、また
は、亜鉛であることが好ましい。さらにこれらの金属イ
オンは配位子を伴い6配位八面体型錯体として用いるこ
とがより好ましい。無機化合物を配位子として用いる場
合には、シアン化物イオン、ハロゲン化物イオン、チオ
シアン、水酸化物イオン、過酸化物イオン、アジ化物イ
オン、亜硝酸イオン、水、アンモニア、ニトロシルイオ
ン、または、チオニトロシルイオンを用いることが好ま
しく、上記の鉄、ルテニウム、イリジウム、オスミウ
ム、鉛、カドミウム、または、亜鉛のいずれの金属イオ
ンに配位させて用いることも好ましく、複数種の配位子
を1つの錯体分子中に用いることも好ましい。 【0187】この中で本発明のハロゲン化銀乳剤には、
高照度相反則不軌改良の目的で、少なくとも一つの有機
配位子を持つイリジウムイオンを持つことが特に好まし
い。配位子として有機化合物を用いる場合、他の遷移金
属の場合にも共通であるが、好ましい有機化合物として
は主鎖の炭素数が5以下の鎖状化合物および/または5
員環あるいは6員環の複素環化合物を挙げることが出来
る。さらに好ましい有機化合物は分子内に窒素原子、り
ん原子、酸素原子、または、硫黄原子を金属への配位原
子として有する化合物であり、最も好ましくはフラン、
チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾ
ール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ト
リアゾール、フラザン、ピラン、ピリジン、ピリダジ
ン、ピリミジン、ピラジンであり、さらにこれらの化合
物を基本骨格としそれらに置換基を導入した化合物もま
た好ましい。特にこれらの中で、イリジウムイオンに好
ましい配位子は、チアゾール配意子の中でも5メチルチ
アゾールが特に好ましく用いられる。 【0188】金属イオンと配位子の組み合わせとして好
ましくは、鉄イオン及びルテニウムイオンとシアン化物
イオンの組み合わせが上げられる。これらの化合物にお
いてシアン化物イオンは中心金属である鉄またはルテニ
ウムへの配位数のうち過半数を占めることが好ましく、
残りの配位部位はチオシアン、アンモニア、水、ニトロ
シルイオン、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ピラジ
ン、または、4,4(-ビピリジンで占められることが好ま
しい。最も好ましくは中心金属の6つの配位部位が全て
シアン化物イオンで占められ、ヘキサシアノ鉄錯体また
はヘキサシアノルテニウム錯体を形成することである。
これらシアン化物イオンを配位子とする錯体は粒子形成
中に銀1モル当たり1×10-8モルから1×10-2モル添加す
ることが好ましく、1×10-6モルから5×10-4モル添加す
ることが最も好ましい。またイリジウムイオンは、有機
配位子だけでなく、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭
化物イオン、ヨウ化物イオン、中でも塩化物イオンまた
は臭化物イオンを用いることが好ましい。イリジウム錯
体としては、前述の有機配位子をもつもの以外に、以下
の具体的化合物を用いることが出来る。 [IrCl6]3-
[IrCl6]2-、[IrCl5(H2O)]2-、[IrCl5(H2O)]-、[IrCl4(H
2O)2]-、[IrCl4(H2O)2]0、[IrCl3(H2O)3]0、[IrCl3(H
2O)3]+、[IrBr6]3-、[IrBr6]2-、[IrBr5(H2O)]2-、[IrB
r5(H2O)]-、[IrBr4(H2O)2]-、[IrBr4(H2O)2]0、[IrBr
3(H2O)3]0、および[IrBr3(H2O)3]+である。これらのイ
リジウム錯体は粒子形成中に銀1モル当たり1×10-10
ルから1×10-3モル添加することが好ましく、1×10-8
ルから1×10-5モル添加することが最も好ましい。ルテ
ニウムおよびオスミウムを中心金属とした場合にはニト
ロシルイオン、チオニトロシルイオン、または水分子と
塩化物イオンを配位子として共に用いることも好まし
い。より好ましくはペンタクロロニトロシル錯体、ペン
タクロロチオニトロシル錯体、または、ペンタクロロア
クア錯体を形成することであり、ヘキサクロロ錯体を形
成することも好ましい。これらの錯体は粒子形成中に銀
1モル当たり1×10-10モルから1×10-6モル添加するこ
とが好ましく、より好ましくは1×10-9モルから1×10-6
モル添加することである。 【0189】本発明において上記の錯体は、ハロゲン化
銀粒子形成時に反応溶液中に直接添加するか、ハロゲン
化銀粒子を形成するためのハロゲン化物水溶液中、ある
いはそれ以外の溶液中に添加し、粒子形成反応溶液に添
加することにより、ハロゲン化銀粒子内に組み込むが好
ましい。さらにこれらの方法を組み合わせてハロゲン化
銀粒子内へ含有させることも好ましい。 【0190】これらの錯体をハロゲン化銀粒子に組み込
む場合、粒子内部に均一に存在させることも好ましい
が、特開平4−208936号、特開平2−12524
5号、特開平3−188437号各公報に開示されてい
る様に、粒子表面層のみに存在させることも好ましく、
粒子内部のみに錯体を存在させ粒子表面には錯体を含有
しない層を付加することも好ましい。また、米国特許第
5,252,451号および5,256,530号明細
書に開示されているように、錯体を粒子内に組み込んだ
微粒子で物理熟成して粒子表面相を改質することも好ま
しい。さらに、これらの方法を組み合わせて用いること
も出来、複数種の錯体を1つのハロゲン化銀粒子内に組
み込んでもよい。上記の錯体を含有させる位置のハロゲ
ン組成には特に制限はなく、塩化銀層、塩臭化銀層、臭
化銀層、沃塩化銀層、沃臭化銀層に何れに錯体を含有さ
せることも好ましい。 【0191】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤に含まれ
るハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ(粒子の投影面積
と等価な円の直径を以て粒子サイズとし、その数平均を
とったもの)は、0.01μm〜2μmが好ましい。ま
た、それらの粒子サイズ分布は変動係数(粒子サイズ分
布の標準偏差を平均粒子サイズで除したもの)20%以
下、望ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下
の所謂単分散なものが好ましい。このとき、広いラチチ
ュードを得る目的で上記の単分散乳剤を同一層にブレン
ドして使用することや、重層塗布することも好ましく行
われる。 【0192】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤には、感
光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶり
を防止する、あるいは写真性能を安定化させる目的で種
々の化合物あるいはそれ等の前駆体を添加することがで
きる。これらの化合物の具体例は前出の特開昭62−2
15272号公報明細書の第39頁〜第72頁に記載の
ものが好ましく用いられる。更にEP0447647号
に記載された5−アリールアミノ−1,2,3,4−チ
アトリアゾール化合物(該アリール残基には少なくとも
一つの電子吸引性基を持つ)も好ましく用いられる。 【0193】また、本発明において、ハロゲン化銀乳剤
の保存性を高めるため、特開平11−109576号に
記載のヒドロキサム酸誘導体、特開平11−32709
4号に記載のカルボニル基に隣接して、両端がアミノ基
もしくはヒドロキシル基が置換した二重結合を有す環状
ケトン類(特に一般式(S1)で表されるもので、段落
番号0036〜0071は本願の明細書に取り込むこと
ができる。)、特開平11−143011号に記載のス
ルホ置換のカテコールやハイドロキノン類(例えば、
4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン
酸、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジスルホ
ン酸、3,4−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,
3−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,5−ジヒド
ロキシベンゼンスルホン酸、3,4,5−トリヒドロキ
シベンゼンスルホン酸およびこれらの塩など)、特開平
11−102045号の一般式(I)〜(III)で表さ
れる水溶性還元剤は本発明においても好ましく使用され
る。 【0194】分光増感は、本発明の感光材料における各
層の乳剤に対して所望の光波長域に分光感度を付与する
目的で行われる。本発明の感光材料において、青、緑、
赤領域の分光増感に用いられる分光増感色素としては例
えば、F.M.Harmer著 Heterocyclic compounds-Cyanine
dyes andrelated compounds (John Wiley & Sons [New
York,London] 社刊1964年)に記載されているものを
挙げることができる。具体的な化合物の例ならびに分光
増感法は、前出の特開昭62−215272号公報の第
22頁右上欄〜第38頁に記載のものが好ましく用いら
れる。また、特に塩化銀含有率の高いハロゲン化銀乳剤
粒子の赤感光性分光増感色素としては特開平3−123
340号に記載された分光増感色素が安定性、吸着の強
さ、露光の温度依存性等の観点から非常に好ましい。 【0195】これらの分光増感色素の添加量は場合に応
じて広範囲にわたり、ハロゲン化銀1モルあたり0.5
×10-6モル〜1.0×10-2モルの範囲が好ましい。
更に好ましくは、1.0×10-6モル〜5.0×10-3
モルの範囲である。 【0196】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、通常
化学増感を施される。化学増感法については、不安定硫
黄化合物の添加に代表される硫黄増感、金増感に代表さ
れる貴金属増感、あるいは還元増感等を単独もしくは併
用して用いることができる。化学増感に用いられる化合
物については、特開昭62−215272号の第18頁
右下欄から第22頁右上欄に記載のものが好ましく用い
られる。このうち、特に、金増感を施したものであるこ
とが好ましい。金増感を施すことにより、レーザー光等
によって走査露光したときの写真性能の変動を更に小さ
くすることができるからである。 【0197】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に金
増感を施すには、種々の無機金化合物や無機配位子を有
する金(I)錯体及び有機配位子を有する金(I)化合
物を利用することができる。無機金化合物としては、例
えば塩化金酸もしくはその塩、無機配位子を有する金
(I)錯体としては、例えばジチオシアン酸金(I)カ
リウム等のジチオシアン酸金化合物やジチオ硫酸金
(I)3ナトリウム等のジチオ硫酸金化合物等の化合物
を用いることが好ましい。 【0198】有機配位子を有する金(I)化合物として
は、特開平4-267249号に記載のビス金(I)メ
ソイオン複素環類、例えば四フッ化硼酸金(I)ビス
(1,4,5-トリメチル-1,2,4-トリアゾリウム-3-チオラー
ト)、特開平11-218870号に記載の有機メルカ
プト金(I)錯体、例えばカリウム ビス(1-[3-(2-ス
ルホナートベンズアミド)フェニル]-5-メルカプトテト
ラゾールカリウム塩)オーレート(I)5水和物、特開
平4-268550号に記載の窒素化合物アニオンが配
位した金(I)化合物、例えば、ビス(1-メチルヒダン
トイナート)金(I)ナトリウム塩四水和物、を用いる
ことができる。また、米国特許第3、503、749号
に記載されている金(I)チオレート化合物、特開平8
-69074号、特開平8-69075号、特開平9-2
69554号に記載の金化合物、米国特許第5,62
0,841号、同第5,912,112号、同第5,6
20,841号、同第5,939,245号、同第5,
912,111号に記載の化合物も用いることができ
る。これらの化合物の添加量は場合に応じて広範囲に変
わり得るがハロゲン化銀1モルあたり5×10-7〜5×
10-3モル、好ましくは5×10-6〜5×10-4モルで
ある。 【0199】また、コロイド状硫化金を用いることも可
能であり、その製造方法はリサーチ・ディスクロージャ
ー(Reserch Disclosure,37154)、ソリッド ステート
イオニクス(Solid State Ionics )第79巻、6
0〜66頁、1995年刊、Compt.Rend.Hebt.Seances
Acad.Sci.Sect.B第263巻、1328頁、1966
年刊等に記載されている。コロイド状硫化金としてさま
ざまなサイズのものを利用でき、粒径50nm以下のも
のも用いることができる。添加量は場合に応じて広範囲
に変わり得るがハロゲン化銀1モルあたり金原子として
5×10-7〜5×10-3モル、好ましくは5×10-6
5×10-4モルである。本発明においては、金増感を更
に他の増感法、例えば硫黄増感、セレン増感、テルル増
感、還元増感あるいは金化合物以外を用いた貴金属増感
等と組み合わせてもよい。 【0200】本発明の感光材料には、イラジエーション
やハレーションを防止したり、セーフライト安全性等を
向上させる目的で親水性コロイド層に、欧州特許EP0
337490A2号明細書の第27〜76頁に記載の、
処理により脱色可能な染料(中でもオキソノール染料、
シアニン染料)を添加することが好ましい。さらに、欧
州特許EP0819977号明細書に記載の染料も本発
明に好ましく添加される。これらの水溶性染料の中には
使用量を増やすと色分離やセーフライト安全性を悪化す
るものもある。色分離を悪化させないで使用できる染料
としては、特開平5−127324号、同5−1273
25号、同5−216185号に記載された水溶性染料
が好ましい。 【0201】本発明においては、水溶性染料の代わり、
あるいは水溶性染料と併用しての処理で脱色可能な着色
層が用いられる。用いられる処理で脱色可能な着色層
は、乳剤層に直かに接してもよく、ゼラチンやハイドロ
キノンなどの処理混色防止剤を含む中間層を介して接す
るように配置されていてもよい。この着色層は、着色さ
れた色と同種の原色に発色する乳剤層の下層(支持体
側)に設置されることが好ましい。各原色毎に対応する
着色層を全て個々に設置することも、このうちに一部の
みを任意に選んで設置することも可能である。また複数
の原色域に対応する着色を行った着色層を設置すること
も可能である。着色層の光学反射濃度は、露光に使用す
る波長域(通常のプリンター露光においては400nm
〜700nmの可視光領域、走査露光の場合には使用す
る走査露光光源の波長)において最も光学濃度の高い波
長における光学濃度値が0.2以上3.0以下であるこ
とが好ましい。さらに好ましくは0.5以上2.5以
下、特に0.8以上2.0以下が好ましい。 【0202】着色層を形成するためには、従来公知の方
法が適用できる。例えば、特開平2−282244号3
頁右上欄から8頁に記載された染料や、特開平3−79
31号3頁右上欄から11頁左下欄に記載された染料の
ように固体微粒子分散体の状態で親水性コロイド層に含
有させる方法、アニオン性色素をカチオンポリマーに媒
染する方法、色素をハロゲン化銀等の微粒子に吸着させ
て層中に固定する方法、特開平1−239544号に記
載されているようなコロイド銀を使用する方法などであ
る。色素の微粉末を固体状で分散する方法としては、た
とえば、少なくともpH6以下では実質的に水不溶性で
あるが、少なくともpH8以上では実質的に水溶性であ
る微粉末染料を含有させる方法が特開平2−30824
4号の第4〜13頁に記載されている。また、例えば、
アニオン性色素をカチオンポリマーに媒染する方法とし
ては、特開平2−84637号の第18〜26頁に記載
されている。光吸収剤としてのコロイド銀の調製法につ
いては米国特許第2,688,601号、同第3,45
9,563号に示されている。これらの方法のなかで微
粉末染料を含有させる方法、コロイド銀を使用する方法
などが好ましい。 【0203】本発明のハロゲン化銀感光材料、例えばカ
ラー印画紙の場合は、イエロー発色性ハロゲン化銀乳剤
層、マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層及びシアン発色
性ハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ少なくとも1層ずつ有
してなることが好ましく、一般には、これらのハロゲン
化銀乳剤層は支持体から近い順にイエロー発色性ハロゲ
ン化銀乳剤層、マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層、シ
アン発色性ハロゲン化銀乳剤層である。 【0204】しかしながら、これとは異なった層構成を
取っても構わない。イエロ−カプラーを含有するハロゲ
ン化銀乳剤層は支持体上のいずれの位置に配置されても
かまわないが、該イエローカプラー含有層にハロゲン化
銀平板粒子を含有する場合は、マゼンタカプラー含有ハ
ロゲン化銀乳剤層又はシアンカプラー含有ハロゲン化銀
乳剤層の少なくとも一層よりも支持体から離れた位置に
塗設されていることが好ましい。また、発色現像促進、
脱銀促進、増感色素による残色の低減の観点からは、イ
エロ−カプラー含有ハロゲン化銀乳剤層は他のハロゲン
化銀乳剤層より、支持体から最も離れた位置に塗設され
ていることが好ましい。更に、Blix退色の低減の観
点からはシアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層は他の
ハロゲン化銀乳剤層の中央の層が好ましく、光退色の低
減の観点からはシアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層
は最下層が好ましい。また、イエロー、マゼンタ及びシ
アンのそれぞれの発色性層は2層又は3層からなっても
よい。例えば、特開平4−75055号、同9−114
035号、同10−246940号、米国特許第5,5
76,159号等に記載のように、ハロゲン化銀乳剤を
含有しないカプラー層をハロゲン化銀乳剤層に隣接して
設け、発色層とすることも好ましい。 【0205】本発明において適用されるハロゲン化銀乳
剤やその他の素材(添加剤など)及び写真構成層(層配
置など)、並びにこの感光材料を処理するために適用さ
れる処理法や処理用添加剤としては、特開昭62−21
5272号、特開平2−33144号、欧州特許EP
0,355,660A2号に記載されているもの、特に
欧州特許EP0,355,660A2号に記載されてい
るものが好ましく用いられる。更には、特開平5−34
889号、同4−359249号、同4−313753
号、同4−270344号、同5−66527号、同4
−34548号、同4−145433号、同2−854
号、同1−158431号、同2−90145号、同3
−194539号、同2−93641号、欧州特許公開
第0520457A2号等に記載のハロゲン化銀カラー
写真感光材料やその処理方法も好ましい。 【0206】特に、本発明においては、前記の反射型支
持体やハロゲン化銀乳剤、更にはハロゲン化銀粒子中に
ドープされる異種金属イオン種、ハロゲン化銀乳剤の保
存安定剤又はカブリ防止剤、化学増感法(増感剤)、分
光増感法(分光増感剤)、シアン、マゼンタ、イエロー
カプラー及びその乳化分散法、色像保存性改良剤(ステ
イン防止剤や褪色防止剤)、染料(着色層)、ゼラチン
種、感光材料の層構成や感光材料の被膜pHなどについ
ては、下記表に示す特許の各箇所に記載のものが特に好
ましく適用できる。 【0207】 【表1】【0208】本発明において用いられるシアン、マゼン
タ及び併用しても良いイエロー色素形成カプラーとして
は、その他、特開昭62−215272号の第91頁右
上欄4行目〜121頁左上欄6行目、特開平2−331
44号の第3頁右上欄14行目〜18頁左上欄末行目と
第30頁右上欄6行目〜35頁右下欄11行目やEP0
355,660A2号の第4頁15行目〜27行目、5
頁30行目〜28頁末行目、45頁29行目〜31行
目、47頁23行目〜63頁50行目に記載のカプラー
も有用である。また、本発明はWO98/33760号
の一般式(II)及び(III)、特開平10−22182
5号の一般式(D)で表される化合物を添加してもよ
く、好ましい。 【0209】本発明に使用可能なシアン色素形成カプラ
ー(単に、「シアンカプラー」という場合がある)とし
ては、ピロロトリアゾール系カプラーが好ましく用いら
れ、特開平5−313324号の一般式(I)又は(I
I)で表されるカプラー及び特開平6−347960号
の一般式(I)で表されるカプラー並びにこれらの特許
公報に記載されている例示カプラーが特に好ましい。ま
た、フェノール系、ナフトール系のシアンカプラーも好
ましく、例えば、特開平10−333297号に記載の
一般式(ADF)で表されるシアンカプラーが好まし
い。上記以外のシアンカプラーとしては、欧州特許EP
0488248号明細書及びEP0491197A1号
明細書に記載のピロロアゾール型シアンカプラー、米国
特許第5,888,716号に記載の2,5−ジアシル
アミノフェノールカプラー、米国特許第4,873,1
83号、同第4,916,051号に記載の6位に電子
吸引性基、水素結合基を有するピラゾロアゾール型シア
ンカプラー、特に、特開平8−171185号、同8−
311360号、同8−339060号に記載の6位に
カルバモイル基を有するピラゾロアゾール型シアンカプ
ラーも好ましい。 【0210】また、特開平2−33144号公報に記載
のジフェニルイミダゾール系シアンカプラーの他に、欧
州特許EP0333185A2号明細書に記載の3−ヒ
ドロキシピリジン系シアンカプラー(なかでも具体例と
して列挙されたカプラー(42)の4当量カプラーに塩
素離脱基をもたせて2当量化したものや、カプラー
(6)や(9)が特に好ましい)や特開昭64−322
60号公報に記載された環状活性メチレン系シアンカプ
ラー(なかでも具体例として列挙されたカプラー例3、
8、34が特に好ましい)、欧州特許EP045622
6A1号明細書に記載のピロロピラゾール型シアンカプ
ラー、欧州特許EP0484909号に記載のピロロイ
ミダゾール型シアンカプラーを使用することもできる。 【0211】尚、これらのシアンカプラーのうち、特開
平11−282138号公報に記載の一般式(I)で表
されるピロロアゾール系シアンカプラーが特に好まし
く、該特許の段落番号0012〜0059の記載は例示
シアンカプラー(1)〜(47)を含め、本願にそのま
ま適用され、本願の明細書の一部として好ましく取り込
まれる。 【0212】本発明に用いられるマゼンタ色素形成カプ
ラー(単に、「マゼンタカプラー」という場合がある)
としては、前記の表の公知文献に記載されたような5−
ピラゾロン系マゼンタカプラーやピラゾロアゾール系マ
ゼンタカプラーが用いられるが、中でも色相や画像安定
性発色性等の点で特開昭61−65245号に記載され
たような2級又は3級アルキル基がピラゾロトリアゾー
ル環の2、3又は6位に直結したピラゾロトリアゾール
カプラー、特開昭61−65246号に記載されたよう
な分子内にスルホンアミド基を含んだピラゾロアゾール
カプラー、特開昭61−147254号に記載されたよ
うなアルコキシフェニルスルホンアミドバラスト基を持
つピラゾロアゾールカプラーや欧州特許第226,84
9A号や同第294,785A号に記載されたような6
位にアルコキシ基やアリールオキシ基をもつピラゾロア
ゾールカプラーの使用が好ましい。特に、マゼンタカプ
ラーとしては特開平8−122984号に記載の一般式
(M−I)で表されるピラゾロアゾールカプラーが好ま
しく、該特許の段落番号0009〜0026はそのまま
本願に適用され、本願の明細書の一部として取り込まれ
る。これに加えて、欧州特許第854384号、同第8
84640号に記載の3位と6位の両方に立体障害基を
有するピラゾロアゾールカプラーも好ましく用いられ
る。 【0213】また、本発明のイエロー色素形成カプラー
(本明細書において、単に「イエローカプラー」という
場合がある)と併用してもよいイエロー色素形成カプラ
ーとしては、前述したイエロー色素形成カプラーに加
え、必要に応じて以下の化合物を用いることができる。
すなわち欧州特許EP0447969A1号明細書に記
載のアシル基に3〜5員の環状構造を有するアシルアセ
トアミド型イエローカプラー、欧州特許EP04825
52A1号明細書に記載の環状構造を有するマロンジア
ニリド型イエローカプラー、欧州公開特許第95387
0A1号、同第953871A1号、同第953872
A1号、同第953873A1号、同第953874A
1号、同第953875A1号等に記載のピロール−2
又は3−イルもしくはインドール−2又は3−イルカル
ボニル酢酸アニリド系カプラー、米国特許第5,11
8,599号明細書に記載されたジオキサン構造を有す
るアシルアセトアミド型イエローカプラーが好ましく用
いられる。その中では、アシル基が1−アルキルシクロ
プロパン−1−カルボニル基であるアシルアセトアミド
型イエローカプラー、アニリドの一方がインドリン環を
構成するマロンジアニリド型イエローカプラーの使用が
好ましい。これらのカプラーは、単独あるいは併用する
ことができる。 【0214】本発明に使用するカプラーは、前出表中記
載の高沸点有機溶媒の存在下で(又は不存在下で)ロー
ダブルラテックスポリマー(例えば米国特許第4,20
3,716号)に含浸させて、又は水不溶性かつ有機溶
媒可溶性のポリマーとともに溶かして親水性コロイド水
溶液に乳化分散させることが好ましい。好ましく用いる
ことのできる水不溶性かつ有機溶媒可溶性のポリマー
は、米国特許第4,857,449号明細書の第7欄〜
15欄及び国際公開WO88/00723号明細書の第
12頁〜30頁に記載の単独重合体又は共重合体が挙げ
られる。より好ましくはメタクリレート系あるいはアク
リルアミド系ポリマー、特にアクリルアミド系ポリマー
の使用が色像安定性等の上で好ましい。 【0215】本発明においては公知の混色防止剤を用い
ることができるが、その中でも以下に挙げる特許公報に
記載のものが好ましい。例えば、特開平5−33350
1号に記載の高分子量のレドックス化合物、WO98/
33760号、米国特許第4,923,787号等に記
載のフェニドンやヒドラジン系化合物、特開平5−24
9637号、特開平10−282615号及び独国特許
第19629142A1号等に記載のホワイトカプラー
を用いることができる。また、特に現像液のpHを上
げ、現像の迅速化を行う場合には独国特許第19618
786A1号、欧州特許第839623A1号、欧州特
許第842975A1号、独国特許19806846A
1号及び仏国特許第2760460A1号等に記載のレ
ドックス化合物を用いることも好ましい。 【0216】本発明においては紫外線吸収剤としてモル
吸光係数の高いトリアジン骨核を有する化合物を用いる
ことが好ましく、例えば、以下の特許公報に記載の化合
物を用いることができる。これらは、感光性層又は/及
び非感光性に好ましく添加される。例えば、特開昭46
−3335号、同55−152776号、特開平5−1
97074号、同5−232630号、同5−3072
32号、同6−211813号、同8−53427号、
同8−234364号、同8−239368号、同9−
31067号、同10−115898号、同10−14
7577号、同10−182621号、独国特許第19
739797A号、欧州特許第711804A号及び特
表平8−501291号等に記載されている化合物を使
用できる。 【0217】本発明に係わる感光材料に用いることので
きる結合剤又は保護コロイドとしては、ゼラチンを用い
ることが有利であるが、それ以外の親水性コロイドを単
独であるいはゼラチンとともに用いることができる。好
ましいゼラチンとしては、鉄、銅、亜鉛、マンガン等の
不純物として含有される重金属は、好ましくは5ppm
以下、更に好ましくは3ppm以下である。また、感光
材料中に含まれるカルシウム量は、好ましくは20mg
/m2以下、更に好ましくは10mg/m2以下、最も好
ましくは5mg/m2以下である。 【0218】本発明においては、親水性コロイド層中に
繁殖して画像を劣化させる各種の黴や細菌を防ぐため
に、特開昭63−271247号公報に記載のような防
菌・防黴剤を添加するのが好ましい。さらに、感光材料
の被膜pHは4.0〜7.0が好ましく、より好ましく
は4.0〜6.5である。 【0219】本発明においては、感光材料の塗布安定性
向上、静電気発生防止、帯電量調節等の点から、前記界
面活性剤に加えて、他の界面活性剤を感光材料に添加す
ることができる。これらの目的から用いる界面活性剤と
してはカチオン系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤が
あり、特に、フッ素原子含有界面活性剤を好ましく用い
ることができる。本発明において前記アニオン性界面活
性剤及び/又はノニオン性界面活性剤と併用される他の
界面活性剤としては、フッ素原子含有界面活性剤は単独
で用いても、従来公知の他の界面活性剤と併用してもか
まわないが、好ましくは従来公知の他の界面活性剤との
併用である。これらの前記他の界面活性剤の感光材料へ
の添加量は特に限定されるものではないが、一般的に
は、1×10-5〜1g/m2、好ましくは1×10-4
1×10-1g/m2、更に好ましくは1×10-3〜1×
10-2g/m2である。 【0220】本発明の感光材料は、画像情報に応じて光
を照射される露光工程と、前記光照射された感光材料を
現像する現像工程とにより、画像を形成することができ
る。本発明の感光材料は、通常のネガプリンターを用い
たプリントシステムに使用される以外に、陰極線(CR
T)を用いた走査露光方式にも適している。陰極線管露
光装置は、レーザーを用いた装置に比べて、簡便でかつ
コンパクトであり、低コストになる。また、光軸や色の
調整も容易である。画像露光に用いる陰極線管には、必
要に応じてスペクトル領域に発光を示す各種発光体が用
いられる。例えば赤色発光体、緑色発光体、青色発光体
のいずれか1種、あるいは2種以上が混合されて用いら
れる。スペクトル領域は、上記の赤、緑、青に限定され
ず、黄色、橙色、紫色或いは赤外領域に発光する蛍光体
も用いられる。特に、これらの発光体を混合して白色に
発光する陰極線管がしばしば用いられる。 【0221】感光材料が異なる分光感度分布を有する複
数の感光性層を持ち、陰極性管も複数のスペクトル領域
の発光を示す蛍光体を有する場合には、複数の色を一度
に露光、即ち陰極線管に複数の色の画像信号を入力して
管面から発光させてもよい。各色ごとの画像信号を順次
入力して各色の発光を順次行わせ、その色以外の色をカ
ットするフィルムを通して露光する方法(面順次露光)
を採ってもよく、一般には、面順次露光の方が、高解像
度の陰極線管を用いることができるため、高画質化のた
めには好ましい。 【0222】本発明の感光材料は、ガスレーザー、発光
ダイオード、半導体レーザー、半導体レーザーあるいは
半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーと非線
形光学結晶を組合わせた第二高調波発光光源(SHG)
等の単色高密度光を用いたデジタル走査露光方式が好ま
しく使用される。システムをコンパクトで、安価なもの
にするために半導体レーザー、半導体レーザーあるいは
固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波
発生光源(SHG)を使用することが好ましい。特にコ
ンパクトで、安価、更に寿命が長く安定性が高い装置を
設計するためには半導体レーザーの使用が好ましく、露
光光源の少なくとも一つは半導体レーザーを使用するこ
とが好ましい。 【0223】このような走査露光光源を使用する場合、
本発明の感光材料の分光感度極大波長は、使用する走査
露光用光源の波長により任意に設定することができる。
半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーあるい
は半導体レーザーと非線形光学結晶を組合わせて得られ
るSHG光源では、レーザーの発振波長を半分にできる
ので、青色光、緑色光が得られる。従って、感光材料の
分光感度極大は通常の青、緑、赤の3つの波長領域に持
たせることが可能である。このような走査露光における
露光時間は、画素密度を400dpiとした場合の画素
サイズを露光する時間として定義すると、好ましい露光
時間としては10-4秒以下、更に好ましくは10-6秒以
下である。 【0224】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、以下の公知資料に記載の露光、現像システムと組み
合わせることで好ましく用いることができる。前記現像
システムとしては、特開平10−333253号に記載
の自動プリント並びに現像システム、特開2000−1
0206号に記載の感光材料搬送装置、特開平11−2
15312号に記載の画像読取装置を含む記録システ
ム、特開平11−88619号並びに特開平10−20
2950号に記載のカラー画像記録方式からなる露光シ
ステム、特開平10−210206号に記載の遠隔診断
方式を含むデジタルフォトプリントシステム、及び特願
平10−159187号に記載の画像記録装置を含むフ
ォトプリントシステムが挙げられる。 【0225】本発明に適用できる好ましい走査露光方式
については、前記の表に掲示した特許公報に詳しく記載
されている。 【0226】本発明の感光材料をプリンター露光する
際、米国特許第4,880,726号に記載のバンドス
トップフィルターを用いることが好ましい。これによっ
て光混色が取り除かれ、色再現性が著しく向上する。本
発明においては、欧州特許EP0789270A1号や
同EP0789480A1号に記載のように、画像情報
を付与する前に、予め、黄色のマイクロドットパターン
を前露光し、複写規制を施しても構わない。 【0227】本発明の感光材料の処理には、特開平2−
207250号の第26頁右下欄1行目〜34頁右上欄
9行目、及び特開平4−97355号の第5頁左上欄1
7行目〜18頁右下欄20行目に記載の処理素材や処理
方法が好ましく適用できる。また、この現像液に使用す
る保恒剤としては、前記の表に掲示した特許公報に記載
の化合物が好ましく用いられる。 【0228】処理剤のケミカルとしては、富士写真フイ
ルム社製CP45X、CP47L、cp48S、イース
トマンコダック社製RA−100、RA−4等(いずれ
も商品名)が適用できる。 【0229】発色現像液には公知もしくは市販のジアミ
ノスチルベン系蛍光増白剤を用いることができる。公知
のビストリアジニルジアミノスチルベンジスルホン酸化
合物としては例えば特開平6−329936、特開平7
−140625号または特開平10−104809に記
載の化合物が好ましい。市販の化合物は例えば「染色ノ
ート」第19版(色染社)P.165〜P.168に記
載されており、ここに記載されている製品のなかでも
Blankophor UWliq、Blankoph
or REUまたはHakkol BRK (いずれも
商品名)が好ましい。また次に示す化合物も好ましく用
いることができる。 【0230】本発明においては、特に漂白定着液にBr
やIなどハロゲン化物イオンを含有することが、現像液
から漂白定着液に入る際に生じる画像ムラを防止し、定
着能に優れ未発色部の白地の硫化銀等による汚染を防止
する点から好ましい。本発明の漂白定着液においては残
存銀による着色汚染を防止し本発明の目的を達成する目
的から、臭化物イオン濃度が0〜1.0モル/L、より
好ましくは0.01〜0.3モル/Lであることが好ま
しい。また同様の目的から沃化物イオン濃度を含有して
もよく、このまし沃化物イオン濃度は0〜0.1モル/
Lであり、より好ましくは0.001〜0.01モル/
Lである。 【0231】本発明は迅速処理適性を有する感光材料に
も好ましく適用される。迅速処理を行う場合には、発色
現像時間は好ましくは60秒以下、更に好ましくは50
秒以下6秒以上、より好ましくは30秒以下6秒以上で
ある。同様に、漂白定着時間は好ましくは60秒以下、
更に好ましくは50秒以下6秒以上、より好ましくは3
0秒以下6秒以上である。また、水洗又は安定化時間
は、好ましくは150秒以下、更に好ましくは130秒
以下6秒以上である。尚、発色現像時間とは、感光材料
が発色現像液中に入ってから次の処理工程の漂白定着液
に入るまでの時間をいう。例えば、自動現像機などで処
理される場合には、感光材料が発色現像液中に浸漬され
ている時間(いわゆる液中時間)と、感光材料が発色現
像液を離れ、次の処理工程の漂白定着浴に向けて空気中
を搬送されている時間(いわゆる空中時間)との両者の
合計を発色現像時間という。同様に、漂白定着時間と
は、感光材料が漂白定着液中に入ってから次の水洗又は
安定浴に入るまでの時間をいう。また、水洗又は安定化
時間とは、感光材料が水洗又は安定化液中に入ってから
乾燥工程に向けて液中にある時間(いわゆる液中時間)
をいう。 【0232】本発明の感光材料を露光後、現像する方法
としては、従来のアルカリ剤と現像主薬を含む現像液で
現像する方法、現像主薬を感光材料に内蔵し、現像主薬
を含まないアルカリ液などのアクチベーター液で現像す
る方法などの湿式方式のほか、処理液を用いない熱現像
方式などを用いることができる。特に、アクチベーター
方法は、現像主薬を処理液に含まないため、処理液の管
理や取扱いが容易であり、また廃液処理時の負荷が少な
く環境保全上の点からも好ましい方法である。アクチベ
ーター方法において、感光材料中に内蔵される現像主薬
又はその前駆体としては、例えば、特開平8−2343
88号、同9−152686号、同9−152693
号、同9−211814号、同9−160193号に記
載されたヒドラジン型化合物が好ましい。 【0233】また、感光材料の塗布銀量を低減し、過酸
化水素を用いた画像増幅処理(補力処理)する現像方法
も好ましく用いられる。特に、この方法をアクチベータ
ー方法に用いることは好ましい。具体的には、特開平8
−297354号、同9−152695号に記載された
過酸化水素を含むアクチベーター液を用いた画像形成方
法が好ましく用いられる。前記アクチベーター方法にお
いて、アクチベーター液で処理後、通常脱銀処理される
が、低銀量の感光材料を用いた画像増幅処理方法では、
脱銀処理を省略し、水洗又は安定化処理といった簡易な
方法を行うことができる。また、感光材料から画像情報
をスキャナー等で読み取る方式では、撮影用感光材料な
どの様に高銀量の感光材料を用いた場合でも、脱銀処理
を不要とする処理形態を採用することができる。 【0234】本発明で用いられるアクチベーター液、脱
銀液(漂白/定着液)、水洗及び安定化液の処理素材や
処理方法は公知のものを用いることができる。好ましく
は、リサーチ・ディスクロージャーItem 36544
(1994年9月)第536頁〜第541頁、特開平8
−234388号に記載されたものを用いることができ
る。 【0235】 【実施例】以下に、本発明を実施例によって具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0236】(実施例1) (青感層乳剤Aの調製)5.7質量%の脱イオンゼラチ
ンを含む脱イオン蒸留水1.06リットルにNaClの
10%溶液を46.3ml加え、さらにH2SO4(1
N)を46.4ml%添加し、さらに化合物(X)で示
される化合物を0.012g添加した後に60℃に液温
度を調整したところで、高速攪拌を行いながら、直ちに
硝酸銀0.1モルとNaCl0.1モルを10分間かけ
て反応容器中に添加した。引き続き、1.5モルの硝酸
銀とNaCl溶液を60分間かけて初期添加速度に対し
最終添加速度が、4倍になるように流量加速法で添加し
た。次に、0.2モル%の硝酸銀とNaCl溶液を一定
添加速度で、6分間かけて添加した。このとき、NaC
l溶液には、K3IrCl5(H2O)を全銀量に対して
5×10-7モルになる量添加して、アコ化イリジウムを
粒子中にドープした。さらに0.2モルの硝酸銀と0.
18モルのNaCl並びに0.02モルのKBr溶液を
6分間かけて添加した。このときハロゲン水溶液中に、
全銀量に対して0.5×10-5モルに相当するK4Ru
(CN)6とK4Fe(CN)6を各々溶解してハロゲン
化銀粒子に添加した。また、この最終段の粒子成長中
に、全銀量に対し、0.001モルに相当するKI水溶
液を反応容器中に1分間かけて添加した。添加開始の位
置は、全粒子形成の93%が終了した時点から開始し
た。その後40℃にて化合物(Y)の沈降剤を加え、p
Hを3.5付近に調整して脱塩、水洗を行った。 【0237】 【化54】 【0238】脱塩水洗後の乳剤に、脱イオンゼラチンと
NaCl水溶液、並びにNaOH水溶液を加え、50℃
に昇温してpAg7.6、pH5.6に調整した。この
ようにして、塩化銀98.9モル% 臭化銀1モル%
沃化銀0.1モル%のハロゲン組成からなる、平均辺長
0.70μm、辺長の変動係数8%のハロゲン化銀立方
体粒子を含むゼラチン得た。 【0239】上記乳剤粒子を60℃に維持して、分光増
感色素−1および2をそれぞれ2.5×10-4モル/A
gモルと2.0×10-4モル/Agモル添加した。さら
に、チオスルフォン酸化合物−1を1×10-5モル/A
gモル添加し、平均粒子経0.05μmの臭化銀90モ
ル%塩化銀10モル%で六塩化イリジウムをドープした
微粒子乳剤を添加して、10分間熟成した。さらに平均
粒子径0.05μmの臭化銀40モル%塩化銀60モル
%の微粒子を添加し10分間熟成した。微粒子は溶解
し、これによりホストの立方体粒子の臭化銀含有率は、
1.3モルに増加した。また六塩化イリジウムは、1×
10-7モル/Agモルドープされた。 【0240】引き続き、チオ硫酸ナトリウム 1×10
-5モル/Agモルと金増感剤ー1を2×10-5モルを添
加した。そして直ちに、60℃に昇温し、引き続き40
分間熟成し、その後50℃に降温した。降温後直ちに、
メルカプト化合物−1、2をそれぞれ6×10-4モル/
Agモルになるように添加した。この後10分間の熟成
後、KBr水溶液を銀に対して、0.008モルになる
ように添加し、10分間の熟成後、降温して収納した。
この様にして、高感側乳剤A−1を作成した。上記乳剤
調整方法と粒子形成中の温度以外は、全く同様にして、
平均辺長0.55μm、辺長の変動係数9%の立方体粒
子を形成した。粒子形成中の温度は、55℃であった。
分光増感ならびに化学増感は、比表面積を合わせる補正
(辺長比0.7/0.55=1.27倍)を行なった量
で実施し、低感度側乳剤A―2を作成した。 【0241】 【化55】【0242】(緑感層用乳剤Cの調整)本発明の乳剤A
−1と粒子形成時の温度を下げ並びに増感色素の種類を
下記のごとく変える以外は、乳剤A−1、2の調整条件
と同様にして緑感層用高感側乳剤C―1、低感側乳剤C
―2を作成した。 【0243】 【化56】 【0244】粒子サイズは高感側が、平均辺長0.40
μmであり、低感側が、平均辺長0.30μmである。
その変動係数は、いずれも8%であった。増感色素Dを
ハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対しては3.
0×10 -4モル、小サイズ乳剤に対しては3.6×10
-4モル、また、増感色素Eをハロゲン化銀1モル当り、
大サイズ乳剤に対しては4.0×10-5モル、小サイズ
乳剤に対しては7.0×10-5モル添加した。 【0245】(赤感層用乳剤Eの調整)本発明の乳剤A
−1と粒子形成時の温度を下げ並びに増感色素の種類を
下記のごとく変える以外は、乳剤A−1、2の調整条件
と同様にして赤感性乳剤用高感側乳剤E―1、低感側乳
剤E―2を作成した。 【0246】 【化57】 【0247】粒子サイズは、高感側が、平均辺長0.3
8μmであり、低感側が、平均辺長0.32μmであ
り、辺長の変動係数は、各々9%と10%であった。増
感色素GおよびHをそれぞれ、ハロゲン化銀1モル当
り、大サイズ乳剤に対しては8.0×10-5モル、小サ
イズ乳剤に対しては10.7×10-5モル添加した。さ
らに、以下の化合物Iを赤感性乳剤層にハロゲン化銀1
モル当たり3.0×10-3モル添加した。) 【0248】 【化58】 【0249】第一層塗布液調製 イエローカプラー(ExY−1)57g、色像安定剤
(Cpd−1)7g、色像安定剤(Cpd−2)4g、
色像安定剤(Cpd−3)7g、色像安定剤(Cpd−
8)2gを溶媒(Solv−1)21g及び酢酸エチル
80mlに溶解し、この液を4.1gのドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム(例示化合物A−1)を含む2
3.5質量%ゼラチン水溶液220g中に高速攪拌乳化
機(ディゾルバー)で乳化分散し、水を加えて900g
の乳化分散物Aを調製した。一方、前記乳化分散物Aと
前記乳剤A−1、A−2を混合溶解し、後記組成となる
ように第一層塗布液を調製した。乳剤塗布量は、銀量換
算塗布量を示す。 【0250】第二層〜第七層用の塗布液も第一層塗布液
と同様の方法で調製した。各層のゼラチン硬化剤として
は、1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナ
トリウム塩(H−1)、(H−2)、(H−3)を用い
た。また、各層にAb−1、Ab−2、Ab−3、及び
Ab−4をそれぞれ全量が15.0mg/m2、60.
0mg/m2、5.0mg/m2及び10.0mg/m2
となるように添加した。 【0251】 【化59】【0252】 【化60】 【0253】また、1−(3−メチルウレイドフェニ
ル)−5−メルカプトテトラゾールを、第二層、第四
層、第六層および第七層に、それぞれ0.2mg/
2、0.2mg/m2、0.6mg/m2、0.1mg
/m2となるように添加した。また、青感性乳剤層およ
び緑感性乳剤層に対し、4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデンを、それぞれハロ
ゲン化銀1モル当たり、1×10-4モル、2×10-4
ル添加した。また、赤感性乳剤層にメタクリル酸とアク
リル酸ブチルの共重合体ラテックス(質量比1:1、平
均分子量200000〜400000)を0.05g/
2を添加した。また第二層、第四層および第六層にカ
テコール−3,5−ジスルホン酸二ナトリウムをそれぞ
れ6mg/m2、6mg/m2、18mg/m2となるよ
うに添加した。また、イラジエーション防止のために、
以下の染料(カッコ内は塗布量を表す)を添加した。 【0254】 【化61】 【0255】(層構成)以下に、各層の構成を示す。数
字は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は、
銀換算塗布量を表す。 支持体 ポリエチレン樹脂ラミネート紙 [第一層側のポリエチレン樹脂に白色顔料(TiO2
含有率16質量%、ZnO;含有率4質量%)と蛍光増
白剤(4,4′−ビス(5−メチルベンゾオキサゾリ
ル)スチルベン。含有率0.03質量%)、青味染料
(群青、含有率0.33質量%)を含む。ポリエチレン
樹脂の量は29.2g/m2] 第一層(青感性乳剤層) 塩臭沃化銀乳剤A(金硫黄増感された立方体、大サイズ乳剤A−1と小サイズ 乳剤A−2との3:7混合物(銀モル比)。) 0.24 ゼラチン 1.25 イエローカプラー(ExY−1) 0.56 色像安定剤(Cpd−1) 0.07 色像安定剤(Cpd−2) 0.04 色像安定剤(Cpd−3) 0.07 色像安定剤(Cpd−8) 0.02 溶媒(Solv−1) 0.21 【0256】 第二層(混色防止層) ゼラチン 1.15 混色防止剤(Cpd−4) 0.10 色像安定剤(Cpd−5) 0.018 色像安定剤(Cpd−6) 0.13 色像安定剤(Cpd−7) 0.07 溶媒(Solv−1) 0.04 溶媒(Solv−2) 0.12 溶媒(Solv−5) 0.11 【0257】 第三層(緑感性乳剤層) 塩臭沃化銀乳剤C(金硫黄増感された立方体、大サイズ乳剤C−1と小サイズ 乳剤C−2との1:3混合物(銀モル比)。) 0.14 ゼラチン 0.46 マゼンタカプラー(ExM) 0.15 紫外線吸収剤(UV−A) 0.14 色像安定剤(Cpd−2) 0.003 色像安定剤(Cpd−4) 0.002 色像安定剤(Cpd−6) 0.09 色像安定剤(Cpd−8) 0.02 色像安定剤(Cpd−9) 0.01 色像安定剤(Cpd−10) 0.01 色像安定剤(Cpd−11) 0.0001 溶媒(Solv−3) 0.09 溶媒(Solv−4) 0.18 溶媒(Solv−5) 0 【0258】 第四層(混色防止層) ゼラチン 0.68 混色防止剤(Cpd−4) 0.06 色像安定剤(Cpd−5) 0.011 色像安定剤(Cpd−6) 0.08 色像安定剤(Cpd−7) 0.04 溶媒(Solv−1) 0.02 溶媒(Solv−2) 0.07 溶媒(Solv−5) 0.065 【0259】 第五層(赤感性乳剤層) 塩臭沃化銀乳剤E(金硫黄増感された立方体、大サイズ乳剤E−1と小サイズ 乳剤E−2との5:5混合物(銀モル比)。) 0.10 ゼラチン 1.11 シアンカプラー(ExC−1) 0.02 シアンカプラー(ExC―3) 0.01 シアンカプラー(ExC−4) 0.11 シアンカプラー(ExC−5) 0.01 色像安定剤(Cpd−1) 0.01 色像安定剤(Cpd−6) 0.06 色像安定剤(Cpd−7) 0.02 色像安定剤(Cpd−9) 0.04 色像安定剤(Cpd−10) 0.01 色像安定剤(Cpd−14) 0.01 色像安定剤(Cpd−15) 0.12 色像安定剤(Cpd−16) 0.01 色像安定剤(Cpd−17) 0.01 色像安定剤(Cpd−18) 0.07 色像安定剤(Cpd−20) 0.01 紫外線吸収剤(UV−7) 0.01 溶媒(Solv−5) 0.15 【0260】 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.46 紫外線吸収剤(UV−B) 0.35 化合物(S1−4) 0.0015 溶媒(Solv−7) 0.18 第七層(保護層) ゼラチン 1.00 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体 (変性度17%) 0.4 流動パラフィン 0.02 界面活性剤(Cpd−13) 0.02 【0261】 【化62】 【0262】 【化63】【0263】 【化64】【0264】 【化65】 【0265】 【化66】【0266】 【化67】【0267】 【化68】 【0268】 【化69】 【0269】 【化70】【0270】 【化71】【0271】以下に本実施例で用いた処理方法を示す。 現像処理A 上記の感光材料試料を127mm幅のロール状に加工
し、富士写真フイルム(株)製ミニラボプリンタープロ
セッサー PP350(商品名)を用いて感光材料試料
に平均濃度のネガティブフイルムから像様露光を行い、
下記処理工程にて、使用した発色現像補充液の容量が発
色現像タンク容量の2倍となるまで連続処理(ランニン
グテスト)を行った。このランニング処理液を用いた処
理を処理Aとした。 【0272】 処理工程 温度 時間 補充量* 発色現像 38.5℃ 45秒 45mL 漂白定着 38.0℃ 45秒 35mL リンス1 38.0℃ 20秒 − リンス2 38.0℃ 20秒 − リンス3** 38.0℃ 20秒 − リンス4** 38.0℃ 20秒 121mL 乾燥 80℃ 30秒 (注) * 感光材料1m2あたりの補充量 ** 富士写真フイルム(株)製リンスクリーニングシ
ステムRC50D(商品名)をリンス3に装着し、リン
ス3からリンス液を取り出してポンプにより逆浸透モジ
ュール(RC50D)へ送る。同槽で送られた透過水は
リンス4に供給し、濃縮液はリンス3に戻す。逆浸透モ
ジュールへの透過水量は50〜300mL/分を維持す
るようにポンプ圧を調整し、1日10時間温調循環させ
た。リンスは1から4への4タンク向流方式とした。 【0273】各処理液の組成は以下の通りである。 [発色現像液] [タンク液] [補充液] 水 800mL 800mL 蛍光増白剤(FL−1) 2.2g 5.1g 蛍光増白剤(FL−2) 0.35g 1.75g トリイソプロパノールアミン 8.8g 8.8g ポリエチレングリコール (平均分子量300) 10.0g 10.0g エチレンジアミン4酢酸 4.0g 4.0g 亜硫酸ナトリウム 0.10g 0.20g 塩化カリウム 10.0g − 4,5−ジヒドロキシベンゼン− 1,3−ジスルホン酸ナトリウム 0.50g 0.50g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナート エチル)ヒドロキシルアミン 8.5g 14.0g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N− (β−メタンスルホンアミドエチル)アニリン ・3/2硫酸塩・モノハイドレード 4.8g 14.0g 炭酸カリウム 26.3g 26.3g 水を加えて全量 1000mL 1000mL pH(25℃、硫酸とKOHで調整) 10.15 12.50 【0274】 [漂白定着液] [タンク液] [補充液] 水 800mL 800mL チオ硫酸アンモニウム(750g/L) 107mL 214mL m−カルボキシベンゼンスルフィン酸 8.3g 16.5g エチレンジアミン4酢酸鉄(III) アンモニウム 47.0g 94.0g エチレンジアミン4酢酸 1.4g 2.8g 硝酸(67%) 16.5g 33.0g イミダゾール 14.6g 29.2g 亜硫酸アンモニウム 16.0g 32.0g メタ重亜硫酸カリウム 23.1g 46.2g 水を加えて全量 1000mL 1000mL pH(25℃、硝酸とアンモニア水で調整) 6.5 6.5 【0275】 [リンス液] [タンク液] [補充液] 塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02g 0.02g 脱イオン水(電導度5μS/cm以下) 1000mL 1000mL pH(25℃) 6.5 6.5 【0276】 【化72】【0277】現像処理B 次に上記の感光材料試料を127mm幅のロール状に加
工し、処理時間、処理温度を変えられるように富士写真
フイルム(株)製ミニラボプリンタープロセッサー P
P350を改造した実験処理装置用いて感光材料試料に
平均濃度のネガティブフイルムから像様露光を行い、下
記処理工程にて、使用した発色現像補充液の容量が発色
現像タンク容量の2倍となるまで連続処理(ランニング
テスト)を行った。このランニング処理液を用いた処理
を処理Bとした。 【0278】 処理工程 温度 時間 補充量* 発色現像 45.0℃ 20秒 45mL 漂白定着 40.0℃ 20秒 35mL リンス1 40.0℃ 8秒 − リンス2 40.0℃ 8秒 − リンス3** 40.0℃ 8秒 − リンス4** 38.0℃ 8秒 121mL 乾燥 80℃ 15秒 (注) * 感光材料1m2あたりの補充量 ** 富士写真フイルム(株)製リンスクリーニングシ
ステムRC50Dをリンス3に装着し、リンス3からリ
ンス液を取り出してポンプにより逆浸透モジュール(R
C50D)へ送る。同槽で送られた透過水はリンス4に
供給し、濃縮液はリンス3に戻す。逆浸透モジュールへ
の透過水量は50〜300mL/分を維持するようにポ
ンプ圧を調整し、1日10時間温調循環させた。リンス
は1から4への4タンク向流方式とした。 【0279】各処理液の組成は以下の通りである。 [発色現像液] [タンク液] [補充液] 水 800mL 800mL 蛍光増白剤(FL−3) 4.0g 8.0g 残色低減剤(SR−1) 3.0g 5.5g トリイソプロパノールアミン 8.8g 8.8g p−トルエンスルホン酸ナトリウム 10.0g 10.0g エチレンジアミン4酢酸 4.0g 4.0g 亜硫酸ナトリウム 0.10g 0.10g 塩化カリウム 10.0g ― 4,5−ジヒドロキシベンゼン− 1,3−ジスルホン酸ナトリウム 0.50g 0.50g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナート エチル)ヒドロキシルアミン 8.5g 14.0g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N− (β−メタンスルホンアミドエチル)アニリン ・3/2硫酸塩・モノハイドレード 7.0g 19.0g 炭酸カリウム 26.3g 26.3g 水を加えて全量 1000mL 1000mL pH(25℃、硫酸とKOHで調整) 10.25 12.6 【0280】 [漂白定着液] [タンク液] [補充液] 水 800mL 800mL チオ硫酸アンモニウム(750g/L) 107mL 214mL コハク酸 29.5g 59.0g エチレンジアミン4酢酸鉄(III)アンモニウム 47.0g 94.0g エチレンジアミン4酢酸 1.4g 2.8g 硝酸(67%) 17.5g 35.0g イミダゾール 14.6g 29.2g 亜硫酸アンモニウム 16.0g 32.0g メタ重亜硫酸カリウム 23.1g 46.2g 水を加えて全量 1000mL 1000mL pH(25℃、硝酸とアンモニア水で調整) 6.00 6.00 【0281】 [リンス液] [タンク液] [補充液] 塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02g 0.02g 脱イオン水(電導度5μS/cm以下) 1000mL 1000mL pH(25℃) 6.5 6.5 【0282】次に上記で作製した試料100について第
一層(青感光性乳剤層)の組成を以下のように変更した
試料を作成し、試料101とした。 【0283】試料(101)数字は塗布量(g/m2
を表す。ハロゲン化銀乳剤は、銀換算塗布量を表す。 【0284】 第一層(青感光性乳剤層) 塩臭沃化銀乳剤A(金硫黄増感された立方体、大サイズ乳剤A−1と小サイ ズ乳剤A―2との3:7混合物(銀モル比)。) 0.24 ゼラチン 1.25 イエローカプラー(ExY−1) 0.56 (0.70mmol/m2) 色像安定剤(Cpd−2) 0.06 色像安定剤(Cpd−7) 0.01 色像安定剤(Cpd−8) 0.07 色像安定剤(Cpd−20) 0.11 溶媒(Solv−9) 0.36 【0285】試料101の第一層の組成に対して、イエ
ローカプラーおよびその塗布量、ハロゲン化銀乳剤塗布
量、並びに界面活性剤およびその塗布量を表2に示すよ
うに変更する以外は同様な試料102〜114を作製し
た。 【0286】 【表2】 【0287】 【化73】 【0288】作製した試料は塗布後25℃55%RH下
10日間保存した後に露光並びに現像処理を施した。各
試料の現像処理は前記の現像処理Aならびに現像処理B
の方法の2種類についてランニング処理を実施した。各
試料から得られたカラープリントについて以下の評価を
行った。 (発色濃度の評価)現像処理Aにより得たイエロー最大
発色濃度(Dmax1)と現像処理Bにより得たイエロー
最大発色濃度(Dmax2)を測定し、さらに比(Dmax
2)/(Dmax1)を求めた。(Dmax2)/(Dmax1)値は
1に近いほど、現像処理Aに対して処理時間が短縮され
た現像処理Bでの発色性が損なわれにくいことを表し、
0.97以上が実用上好ましく、逆に0.95未満(実
質的に5%以上の濃度差を表す)は実用上好ましくない
品質とみなした。 【0289】(色再現性の評価)目視による官能評価か
ら、本発明のイエローカプラ−を用いた試料はイエロー
色中のマゼンタないしはシアンの濁りの少ない彩度の高
い色相を有していることが評価された。 【0290】(光堅牢性の評価)上記のシアン色素画像
を有する試料に、370nmでの光透過率50%の紫外
線カットフィルターおよび熱線カットフィルターを介し
てキセノン光(10万luxキセノン光照射器)を照射
した。光照射前のイエロー濃度2.0における光照射後
(14日間)の濃度を測定し濃度残存率(%)により光
堅牢性を表した。 【0291】(湿熱堅牢性の評価)上記のイエロー色素
画像を有する試料に、80℃70%RH条件下で保存し
た。保存前イエロー濃度2.0における保存後(28日
間)の濃度を測定し濃度残存率(%)により湿熱堅牢性
(暗堅牢性)を表した。 【0292】 【表3】 【0293】表3から明らかなように、本発明の試料は
十分なDmaxが得られ、かつ超迅速処理で画像を得た場
合のDmaxの低下(ΔDmax)が比較試料に対して大幅に
改善された。したがって本発明の構成により、発色性に
優れ処理の迅速化にもよく適したカラープリントを提供
することができる。また、従来のイエローカプラーを使
用した比較試料は本発明と同様な界面活性剤を使用しも
しくは併用した場合においてもΔDmaxが本発明より小
さく迅速処理での発色性に劣る。また、本発明の試料は
光や熱に対する画像堅牢性においても良好であり、特に
湿熱画像堅牢性において比較試料より大幅に優れる特徴
を有する。一方、比較用試料(102)で示されるよう
に、従来のイエローカプラーは本発明の界面活性剤の組
合せでは湿熱退色が悪化する場合があり好ましくない。 【0294】(実施例2) (乳剤B−Hの調製)攪拌したゼラチン水溶液中に、硝
酸銀と塩化ナトリウムを同時添加して混合する定法で、
球相当径0.55μm、変動係数10%の立方体高塩化
銀乳剤を調製した。但し、硝酸銀の添加が80%の時点
から90%の時点にかけて、臭化カリウム(出来上がり
のハロゲン化銀1モルあたり3モル%)およびK4[R
u(CN)6]を添加した。硝酸銀の添加が90%終了し
た時点で沃化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀1モ
ルあたり0.3モル%)を添加した。更に硝酸銀の添加
が92%の時点から98%の時点にかけて、K2[Ir
(5−メチルチアゾール)Cl5]およびK2[Ir(H
2O)Cl5]を添加した。得られた乳剤に脱塩処理を施
した後、ゼラチンを加え再分散した。この乳剤にチオス
ルフォン酸ナトリウムと増感色素Aおよび増感色素Bを
添加し、硫黄増感剤としてチオ硫酸ナトリウム5水和物
と金増感剤としてビス(1,4,5−トリメチル−1,
2,4−トリアゾリウム−3−チオラート)オーレート
(I)テトラフルオロボレートを用い最適になるように
熟成した。更に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾ
ールおよび1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−
メルカプトテトラゾールを添加した。このようにして得
られた乳剤を、乳剤B−Hとした。 【0295】(乳剤B−Lの調製)乳剤B−Hとは、硝
酸銀と塩化ナトリウムの添加速度のみを変えて、球相当
径0.45μm、変動係数10%の立方体高塩化銀乳剤
を調製した。得られた乳剤を、乳剤B−Lとした。 【0296】 【化74】【0297】(乳剤G−Hの調製)攪拌したゼラチン水
溶液中に、硝酸銀と塩化ナトリウムを同時添加して混合
する定法で、球相当径0.35μm、変動係数10%の
立方体高塩化銀乳剤を調製した。但し、硝酸銀の添加が
80%の時点から90%の時点にかけて、K4[Ru(C
N)6]を添加した。硝酸銀の添加が80%の時点から1
00%の時点にかけて、臭化カリウム(出来上がりのハ
ロゲン化銀1モルあたり4モル%)を添加した。硝酸銀
の添加が90%終了した時点で沃化カリウム(出来上が
りのハロゲン化銀1モルあたり0.2モル%)を添加し
た。硝酸銀の添加が92%の時点から95%の時点にか
けて、K2[Ir(5−メチルチアゾール)Cl5]を添加
した。更に硝酸銀の添加が92%の時点から98%の時
点にかけて、K2[Ir(H2O)Cl5]を添加した。得
られた乳剤に脱塩処理を施した後、ゼラチンを加え再分
散した。この乳剤にチオスルフォン酸ナトリウムを添加
し、硫黄増感剤としてチオ硫酸ナトリウム5水和物と金
増感剤としてビス(1,4,5−トリメチル−1,2,
4−トリアゾリウム−3−チオラート)オーレート
(I)テトラフルオロボレートを用い最適になるように
熟成した。更に増感色素D、1−フェニル−5−メルカ
プトテトラゾール、1−(5−メチルウレイドフェニ
ル)−5−メルカプトテトラゾールおよび臭化カリウム
を添加した。このようにして得られた乳剤を、乳剤G−
Hとした。 【0298】(乳剤G−Lの調製)乳剤G−Hとは、硝
酸銀と塩化ナトリウムの添加速度のみを変えて、球相当
径0.28μm、変動係数10%の立方体高塩化銀乳剤
を調製した。得られた乳剤を、乳剤G−Lとした。 【0299】 【化75】 【0300】(乳剤R−Hの調製)攪拌したゼラチン水
溶液中に、硝酸銀と塩化ナトリウムを同時添加して混合
する定法で、球相当径0.35μm、変動係数10%の
立方体高塩化銀乳剤を調製した。但し、硝酸銀の添加が
80%の時点から90%の時点にかけて、K4[Ru(C
N)6]を添加した。硝酸銀の添加が80%の時点から1
00%の時点にかけて、臭化カリウム(出来上がりのハ
ロゲン化銀1モルあたり4.3モル%)を添加した。硝
酸銀の添加が90%終了した時点で沃化カリウム(出来
上がりのハロゲン化銀1モルあたり0.15モル%)を
添加した。硝酸銀の添加が92%の時点から95%の時
点にかけて、K2[Ir(5−メチルチアゾール)Cl5
を添加した。更に硝酸銀の添加が92%の時点から98
%の時点にかけて、K2[Ir(H2O)Cl5]を添加し
た。得られた乳剤に脱塩処理を施した後、ゼラチンを加
え再分散した。この乳剤にチオスルフォン酸ナトリウム
を添加し、硫黄増感剤としてチオ硫酸ナトリウム5水和
物と金増感剤としてビス(1,4,5−トリメチル−
1,2,4−トリアゾリウム−3−チオラート)オーレ
ート(I)テトラフルオロボレートを用い最適になるよ
うに熟成した。更に増感色素H、1−フェニル−5−メ
ルカプトテトラゾール、1−(5−メチルウレイドフェ
ニル)−5−メルカプトテトラゾール、化合物Iおよび
臭化カリウムを添加した。このようにして得られた乳剤
を、乳剤R−Hとした。 【0301】(乳剤R−Lの調製)乳剤R−Hとは、硝
酸銀と塩化ナトリウムの添加速度のみを変えて、球相当
径0.28μm、変動係数10%の立方体高塩化銀乳剤
を調製した。得られた乳剤を、乳剤R−Lとした。 【0302】 【化76】【0303】第一層〜第七層用の塗布液調製を実施例1
と同様の方法で行った。以下に示す構成に従いその他は
実施例1と同様の構成の試料201を作製した。 【0304】(層構成)以下に、各層の構成を示す。数
字は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は、
銀換算塗布量を表す。 支持体 ポリエチレン樹脂ラミネート紙 [第一層側のポリエチレン樹脂に白色顔料(TiO2
含有率16質量%、ZnO;含有率4質量%)と蛍光増
白剤(4,4′−ビス(5−メチルベンゾオキサゾリ
ル)スチルベン。含有率0.03質量%)、青味染料
(群青、含有率0.33質量%)を含む。ポリエチレン
樹脂の量は29.2g/m2] 第一層(青感性乳剤層) 塩臭沃化銀乳剤(金硫黄増感された立方体大サイズ乳剤B−Hと小サイズ乳 剤B−Lとの3:7混合物(銀モル比)。) 0.24 ゼラチン 1.10 イエローカプラー(ExY−1) 0.56 (0.70mmol/m2) 色像安定剤(Cpd−2) 0.03 色像安定剤(Cpd−8) 0.04 色像安定剤(Cpd−9) 0.01 色像安定剤(Cpd−10) 0.01 色像安定剤(Cpd−20) 0.08 溶媒(Solv−9) 0.30 【0305】第二層(混色防止層) 実施例1記載の第二層と同様の構成である。 【0306】 第三層(緑感性乳剤層) 塩臭沃化銀乳剤(金硫黄増感された立方体、大サイズ乳剤G−Hと小サイズ乳 剤G−Lとの1:3混合物(銀モル比)。) 0.14 ゼラチン 0.46 マゼンタカプラー(ExM) 0.15 紫外線吸収剤(UV−A) 0.14 色像安定剤(Cpd−2) 0.003 色像安定剤(Cpd−4) 0.002 色像安定剤(Cpd−6) 0.09 色像安定剤(Cpd−8) 0.02 色像安定剤(Cpd−9) 0.01 色像安定剤(Cpd−10) 0.01 色像安定剤(Cpd−11) 0.0001 溶媒(Solv−3) 0.09 溶媒(Solv−4) 0.18 溶媒(Solv−5) 0.17 【0307】第四層(混色防止層) 実施例1記載の第四層と同じ構成である。 【0308】 第五層(赤感性乳剤層) 塩臭沃化銀乳剤(金硫黄増感された立方体、大サイズ乳剤R−Hと小サイズ乳 剤R−Lとの5:5混合物(銀モル比)。) 0.10 ゼラチン 1.11 シアンカプラー(ExC−1) 0.02 シアンカプラー(ExC―3) 0.01 シアンカプラー(ExC−4) 0.11 シアンカプラー(ExC−5) 0.01 色像安定剤(Cpd−1) 0.01 色像安定剤(Cpd−6) 0.06 色像安定剤(Cpd−7) 0.02 色像安定剤(Cpd−9) 0.04 色像安定剤(Cpd−10) 0.01 色像安定剤(Cpd−14) 0.01 色像安定剤(Cpd−15) 0.12 色像安定剤(Cpd−16) 0.01 色像安定剤(Cpd−17) 0.01 色像安定剤(Cpd−18) 0.07 色像安定剤(Cpd−20) 0.01 紫外線吸収剤(UV−7) 0.01 溶媒(Solv−5) 0.15 【0309】第六層(紫外線吸収層) 実施例1記載の第六層と同じ構成である。 第七層(保護層) 実施例1記載の第七層と同じ構成である。 【0310】試料201の第一層の組成に対して、高塩
化銀乳剤の塗布量、イエローカプラーおよびその塗布
量、並びに界面活性剤およびその塗布量を表4に示すよ
うに変更する以外は同様な試料202〜209を作製し
た。なお本実施例に用いたイエローカプラー含有乳化分
散物の平均粒子サイズを堀場製作所製LA920(商品
名)で測定した結果を表4に示した。本実施例の試料に
ついて実施例1と同様な評価を実施した結果、本発明の
試料202〜209において実施例1と同様に本発明の
効果が得られた。本発明のイエローカプラー含有乳化分
散物の平均粒子サイズは特に限定されるものではない
が、本実施例で調製した乳化分散物の平均粒子サイズ
0.02〜0.20μmの範囲では、いずれも本発明の
効果が得られた。 【0311】 【表4】【0312】(実施例3)前記実施例2の試料202〜
209において、第七層の界面活性剤(Cpd−13)
を除き、さらに例示化合物のFS−1(4mg/
2)、WS−2(1mg/m2)、WS−5(1mg/
2)、WS−19(1mg/m2)、WS−20(1m
g/m2)およびWS−21(2mg/m2)を使用した
以外は同様な構成の試料を作成した。その結果、本実施
例の構成においても本発明の効果が得られた。 【0313】(実施例4)4.1gのドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム(例示化合物A−1)および1
6.0gのソルビタンモノラウレート(例示化合物W−
II−4)を含む23.5質量%ゼラチン水溶液220g
を40℃で調製した水性媒体E−Iを作成した。次にイ
エローカプラー(ExY−1)57g、色像安定剤(C
pd−2)3.0g、色像安定剤(Cpd−8)4.1
g、色像安定剤(Cpd−9)1.0g、色像安定剤
(Cpd−10)1.0g、色像安定剤(Cpd−2
0)8.1gを溶媒(Solv−9)30g及び酢酸エ
チル80mlと混合し60℃で溶解した組成物をE−II
とした。上記のE−IとE−IIを混合しディゾルバーで
攪拌し、粗分散液1を得た。次に、上記のイエローカプ
ラー(ExY−1)57gを例示化合物(33)50g
に変更した以外は粗分散液1と同様にして粗分散液2を
得た。これらを用いて以下の方法により乳化分散物を調
製した。 【0314】(分散物A)粗分散液1および粗分散液2
を60℃に加温のうえ各々ディゾルバーで微粒子化し、
得られた分散物に水を加えて900gの乳化分散物A−
1およびA−2を得た。 (分散物B)粗分散液1および粗分散液2を60℃に加
温のうえ各々マイクロフルイダイザーEH110(みず
ほ工業製、商品名)を用いて圧力170MPa(170
0bar)で3回通した。得られた分散物に水を加えて
900gの乳化分散物B−1およびB−2を得た。 (分散物C)特開平2001−27795号に記載の図
1に示された分散セルを用い、60℃に加温した粗分散
液1および粗分散液2を各々圧力210MPa(210
0bar)で3回通した。得られた分散物に水を加えて
900gの乳化分散物C−1およびC−2を得た。 (分散物の安定性の評価)分散物を40℃1日加温前後
の平均粒子サイズを堀場製作所製LA920で測定し
た。結果を表5に示した。表5から明らかなように本発
明の分散物A−2、B−2、C−2は、これらいずれの
条件でも経時での安定性に優れた。 【0315】 【表5】 【0316】続いて表5の作成直後の乳化分散物A−
1、B−1、C−1を各々用いた以外は実施例2の試料
(201)と同様な構成の比較試料(401)〜(40
3)、および作成直後の乳化分散物A―2、B−2、C
−2を各々用いた以外は実施例2の試料(209)と同
様の本発明の試料(404)〜(406)を作成した。
これらの試料について実施例1と同様の評価を行った結
果を表6に示す。表6の結果から実施例1の結果と同様
に本発明の試料においては超迅速処理でも高いDmaxが
得られ、さらに画像保存性にも優れる結果を得た。一
方、比較試料(402)、(403)の結果が示すよう
に従来のイエローカプラーを用いてより小さい粒子サイ
ズまで乳化分散することで発色性の改善は見られるもの
の光堅牢性と湿熱堅牢性が悪化する結果となり、比較試
料では満足な結果は得られなかった。 【0317】 【表6】 【0318】(実施例5)第一層塗布液を実施例4で作
製した乳化分散物A−1を用いた以外は実施例2の試料
(201)と同様にして、第一層塗布液を調製し、試料
(201)の第一層と同じ塗設量で塗布し、各層のゼラ
チンの硬化剤としては、1−オキシ−3,5−ジクロロ
−s−トリアジンナトリウム塩(H−1)を表7に記載
の塗布量で用いた以外は、各層の構成は実施例2の試料
(201)と同一にして、試料(501)〜(503)
をそれぞれ作成した。同様に、第一層塗布液を実施例4
で作製した乳化分散物A−2を用いた以外は実施例2の
試料(209)と同様にして、第一層塗布液を調製し、
試料(209)の第一層と同じ塗設量で塗布し、各層の
ゼラチンの硬化剤としては、1−オキシ−3,5−ジク
ロロ−s−トリアジンナトリウム塩(H−1)を表7に
記載の塗布量で用いた以外は、各層の構成は実施例2の
試料(209)と同一にして、試料(504)〜(50
6)をそれぞれ作成した。本実施例で作成した比較試料
(501)〜(503)はいずれも満足しうる発色性と
画像保存性は得られなかったが、本発明の試料(50
4)〜(506)においてはいずれも実施例2と同様な
本発明の効果が得られた。 【0319】 【表7】 【0320】(実施例6)本実施例は特開平2001−
142181号の実施例−1の多層ハロゲン化銀カラー
写真感光材、試料(116)の作成、現像処理ならびに
評価方法に準じて行った。すなわち、試料(116)の
第16層および第17層に用いるカプラーC−6を本願
記載の例示化合物(8)の90モル%に変更した以外は
試料(116)と同様の試料(601)を作成した。次
に試料(116)ならびに試料(601)とは界面活性
剤を表8のごとく変更した以外は同様の試料(60
2)、(603)を作成した。本実施例の試料について
最大発色濃度および画像保存性を評価した結果、試料
(601)〜(603)では従来の試料(116)に優
る最大発色濃度と画像保存性(光堅牢性および湿熱堅牢
性)が得られ、さらに試料(602)および(603)
は試料(601)よりも光堅牢性においてより好ましい
結果を得た。また本実施例で用いた試料(601)〜
(603)の乳化分散物の経時安定性を実施例4の評価
と同様に行った結果、本発明の構成では良好な乳化物経
時安定性を得た。 【0321】 【表8】 【0322】(実施例7)実施例1の試料(113)に
対して第一層のゼラチン塗布量を0.95g/m 2、お
よび0.80g/m2に変更した以外は試料(113)
と同様の試料を作成した。本実施例の試料について実施
例1と同様の評価を行った結果、実施例1と同様の本発
明の効果が得られた。 【0323】(実施例8)特開2002−90924号
の実施例2に記載の試料201に対して下記の表9に示
したような変更のほかに、更に各層に適宜、保存性、処
理性、圧力耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性
をよくするために、下記のW−7〜W−11、 F−1
8を追加で添加した試料を作成した。特開2002−9
0924号の実施例2に記載の露光、処理を行った後
に、実施例1に記載の方法もしくはこれに準じた方法で
評価を行い、本発明の効果を確認した。 【0324】 【表9】 【0325】以下に本実施例8で追加もしくは置き換え
て使用した乳剤の特性値の一覧を下記表10に示す。 【0326】 【表10】【0327】また、本実施例8で新たに追加もしくは置
き換えて使用した化合物を示す。 【0328】 【化77】 【0329】 【化78】【0330】 【発明の効果】本発明によれば色再現性や画像保存性に
優れ、かつ発色性に優れ超迅速処理でも十分な発色濃度
が得られるハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供する
ことができる。詳しくは本発明のイエローカプラーおよ
び界面活性剤を用いることで超迅速処理でも優れた発色
濃度を与え、さらには現像処理生産性の向上が可能とな
るハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 潔 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H016 BD00 BE02 BF00 2H023 CD05

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 支持体上にそれぞれ少なくとも一層のイ
    エロー色素形成カプラーを含有する青感性ハロゲン化銀
    乳剤層、マゼンタ色素形成カプラーを含有する緑感性ハ
    ロゲン化銀乳剤層、およびシアン色素形成カプラーを含
    有する赤感性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀
    カラー写真感光材料において、該イエロー色素形成カプ
    ラーの少なくとも一種が下記一般式(I)で表され、か
    つ該ハロゲン化銀カラー写真感光材料がアニオン性界面
    活性剤およびノニオン性界面活性剤から選ばれる少なく
    とも1種を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料。 【化1】 式中、Qは−N=C−N(R1)−とともに5〜7員環
    を形成する非金属原子群を表す。R1は置換基を表す。
    R2は置換基を表す。mは0以上5以下の整数を表す。
    mが2以上のとき複数のR2はそれぞれ同じでも異なっ
    ていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。X
    は水素原子または現像主薬酸化体とのカップリング反応
    により離脱可能な基を表す。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1750173A1 (en) * 2005-08-04 2007-02-07 Fuji Photo Film Co., Ltd. Silver halide photosensitive material and packaged body containing the same

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