JPH08254793A - 感光材料用包装材料及びそれを用いた感光材料包装体 - Google Patents

感光材料用包装材料及びそれを用いた感光材料包装体

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JPH08254793A
JPH08254793A JP5897895A JP5897895A JPH08254793A JP H08254793 A JPH08254793 A JP H08254793A JP 5897895 A JP5897895 A JP 5897895A JP 5897895 A JP5897895 A JP 5897895A JP H08254793 A JPH08254793 A JP H08254793A
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light
resin
film
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acid
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JP5897895A
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Mutsuo Akao
睦男 赤尾
Makoto Kawamura
誠 河村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 写真フィルム等の感光材料を包装する包装材
料において、防湿性、酸素バリヤ性等が良好になるよう
にする。 【構成】 滑剤及びブロッキング防止剤の1種以上、酸
化防止剤、ラジカル捕獲剤、酸化防止相乗効果剤、紫外
線吸収剤、老化防止剤、キレート剤、アルカリ土類金属
化合物、含水複塩化合物及び脂肪酸金属塩の1種以上を
含む熱可塑性樹脂フィルムを有し、透湿度が20g/m2
・24時間以下、酸素透過率が2000cc/m2・2
4時間・1気圧以下である感光材料用包装材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真フィルム、印画
紙、感光性感熱紙、熱現像感光紙等の感光材料を包装す
るための感光材料用包装材料及びそれを用いた感材料包
装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、感光材料用包装材料としては種々
の構成のものが提案されている。例えば、特開昭56−
161948号公報には、外側からPET層/接着剤層
/アルミニウム箔/遮光性物質及び非イオン帯電防止剤
を含むPO系樹脂層から成り光学濃度が7.5以上であ
る積層フィルムが開示されている。帯電防止性は優れて
いるが、しかし、この積層フィルムは、添加物のブリー
ドアウトのためにヒートシール強度の経時低下が著し
く、1ヶ月経過した時点でもヒートシール強度が大幅に
低下するものであった。また、物理強度も小さく、アル
ミニウム箔に起因し、1年以上密封包装した状態ではカ
ブリの発生や感度異常や発色異常が発生することがあっ
た。さらに、ゲルボテスト強度等の屈曲繰返し強度が小
さく完全遮光性と完全密封性を常に確保することは困難
であった。
【0003】特公平2−2700号公報には、L−LD
PE樹脂を50重量%以上、遮光性物質を1重量%以上
含むL−LDPE樹脂フィルム層を具備した包装用フィ
ルムが開示されている。しかし、この包装用フィルム
は、物理強度及びヒートシール適性が良好であるが、厚
手フィルムはメルトフラクチャーが発生するため成形困
難であり、防湿性及び酸素バリヤ性を確保するために
は、アルミニウム箔等を積層する必要があった。このた
めアルミニウム箔に起因し、1年以上密封包装した状態
では、カブリの発生や感度異常や発色異常が発生するこ
とがあった。また物理強度もL−LDPE樹脂フィルム
単層よりも大きく低下するものであった。
【0004】特公平2−2701号公報には、L−LD
PE樹脂を50重量%以上含み遮光性物質を実質的に含
まない透明L−LDPE樹脂フィルム層を、完全遮光性
を有するフレキシブルシート層に積層した積層フィルム
が開示されている。しかし、この積層フィルムは、防湿
性及び酸素バリヤ性を確保するためには、アルミニウム
箔等を積層する必要があった。このため特公平2−27
00号公報と同様の問題が発生することがあった。
【0005】実公平6−6351号公報には、二枚のア
ルミニウム真空蒸着層を有するフレキシブルシートを、
互いのアルミニウム真空蒸着層を接着剤層を介して積層
した最内層にカーボンブラックを含有するヒートシール
性フレキシブルシートを積層した感光材料用包装材料が
開示されている。この感光材料用包装材料は物理強度、
防湿性及び酸素バリヤ性が優れており、色素を含む感光
材料を長期間品質を劣化させることなく保存できるもの
であるが、しかし、透明にすることができず、また、高
価であり、アルミニウム真空蒸着層と熱可塑性樹脂層で
ある接着剤層との剥離強度が100g/15mm巾未満
であり改良の必要があった。
【0006】さらにまた、本発明者は感光材料用包装材
料に付いて日夜鋭意研究を重ね、防湿性、酸素バリヤ
性、密封性等を確保でき、かつ、完全遮光性である感材
料用包装材料を各種提案している。
【0007】例えば、耐熱性フレキシブルシート/接着
剤層/金属箔/接着剤層/遮光性ポリオレフィン樹脂フ
ィルムの構成から成る感光材料用包装材料、耐熱性フレ
キシブルシート/接着剤層/金属薄膜加工フレキシブル
シート/接着剤層/遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム
の構成から成る感材料用包装材料等も提案している。
【0008】しかし、上述した金属箔を使用した感光材
料用包装材料においては、5〜200μmの厚さに圧延
した金属箔を使用するのであるが、このような圧延した
金属箔は表面に圧延油が付着している。したがって、こ
の圧延油を除去するために焼鈍しているが、圧延油を完
全に除去することが出来ないものであった。その結果、
金属箔と接着剤層との接着強度が低下し耐熱性フレキシ
ブルシートや遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム等の金
属箔の両面に積層される層が製袋時に剥離し、防湿性、
酸素バリヤ性、密封性、完全遮性を確保できなくなる場
合があった。
【0009】また、最近、この圧延油が感光材料にカブ
リ、感度異常、発色異常等の写真性問題を発生させるこ
とが判明した。特に、多層感光層構造のカラー感光材
料、ISO感度が100以上の高感度のカラー及び白黒
感光材料、色素を含む感光材料等においては、写真性に
与える悪影響が大きいものであった。
【0010】そこで、本発明者は金属箔を使用しないア
ルミニウム真空蒸着二軸延伸プラスチックフィルム等の
金属薄膜加工フレキシブルシートを使用した感光材料用
包装材料を提案している(特公平5−40889号公報
等)。
【0011】しかし、金属薄膜加工フレキシブルシート
のフレキシブルシートの熱収縮率が大きかったり、タテ
方向のヤング率が50kg/mm2以下であったりする
と、他の層を積層する工程、例えば、耐熱性フレキシブ
ルシート層や遮光性ポリオレフィン樹脂フィルムを接着
剤層を介して積層する工程、接着剤層を介さずに直接積
層するエクストルージョンラミネート工程等において、
金属薄膜にヒビ割れが発生したり、大きいカールが発生
したりする。さらに、積層工程や製袋工程でシワや筋や
ピンホールやヒートシール剥がれが発生し易くなるもの
であった。
【0012】ところで、防湿性、酸素バリヤ性等は密封
透明袋で確保し、感光材料の遮光性、カメラ適性等は密
封透明袋内の射出成形品(遮光性を有する各種構造物例
えばカートリッジ,パトローネ,マガジン,ディスク,
スプール等)で確保した撮影用写真フィルム包装体が種
々ある。例えば、35mm写真フィルム(ネガフィル
ム,リバーサルフィルム,マイクロフィルム等)のよう
に金属パトローネや遮光性プラスチック製パトローネや
遮光部材(遮光テレンプ布や遮光シャッター等)やフラ
ンジ付遮光性スプール等の構造物を組合せて使用したパ
トローネ入撮影用写真フィルム、及び120フィルム、
220フィルム等のように遮光紙やフランジ付遮光性ス
プールや封止テープ等の構造物を組合せて使用した撮影
用写真フィルム、レンズ付写真フィルムユニットやK3
5フィルムやK16フィルム等のように遮光性プラスチ
ック製カートリッジや遮光紙や遮光性スプール等の構造
物を組合せて使用した撮影用写真フィルム、8mm写真
フィルム等の遮光性マガジンや遮光性スプールやローラ
ー等の構造物を組合せて使用した撮影用写真フィルム、
ディスク写真フィルムのように遮光性回転ディスクや遮
光性シェル等の構造物を組合せて使用した撮影用写真フ
ィルム、カット写真フィルムやシート状写真フィルムや
インスタント写真フィルムユニット等の遮光性パックや
バネ等の構造物を組合せて使用した撮影用写真フィルム
等のように一般大衆が主用途のISO感度が100以上
の撮影用フィルム(ネガ,ポジ,リバーサル(反転),
拡散転写等の各種撮影用写真フィルムはすべて含む)の
包装体がある。
【0013】この店頭展示には、密封包装袋入の撮影用
写真フィルム包装体を各種の公知の吊下げ穴(例えば四
角穴,丸穴,三角穴,Vノッチ付長円状穴等)をもうけ
てハンガーに吊下げる場合が多く、これに耐える強度を
必要とする反面、撮影時に撮影用写真フィルム包装体を
密封包装袋から容易に取り出せるようにする必要があ
り、相返する特性を同時に満足させることが要求される
ものである。
【0014】接着強度が小さい場合は引裂き強度が大き
くなりすぎノッチ付密封袋として使用しても手で引裂き
開封することが困難であった。
【0015】さらに実公平2−19226号公報のよう
に遮光性物質と50重量%以上の高圧法低密度ポリエチ
レン樹脂を含む遮光性シートシールフィルム層とアルミ
ニウム箔等の金属箔とを接着強度を大きくして積層した
積層フィルムはノッチ付密封袋を手で引裂き開封できる
が厚味が厚くなったにもかかわらず単層の遮光性ポリオ
レフィン樹脂フィルムのみより引裂き強度や衝撃穴あけ
強度やゲルボテスト強度等の物理強度が大幅に低下し、
エッジがシャープで重量が500g以上の感光材料包装
体の輸送中にピンホールや破れ等が発生しやすくなり長
期間の感光材料の品質維持が困難であることが最近判明
した。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の感
光材料用包装材料の問題点を解決し、以下に記載する目
的を達成するものである。
【0017】 金属層(金属箔や金属蒸着層)を積層
することなく防湿性、酸素バリヤ性を有し、リサイクル
使用可能な熱可塑性樹脂(必要な添加物は含む)のみから
成る透明又は遮光性感光材料用包装材料及びそれを用い
た感材料包装体を提供する。
【0018】 金属層を積層することなく、密封包装
袋内の感光材料包装体(遮光性を確保したもの)を袋の
外側から密封包装袋を開封することなく見えるようにし
た透明な(半透明も含む)防湿性と酸素バリヤ性を有す
る感光材料用包装材料とそれを用いた感材料包装体を提
供する。
【0019】 金属層を積層した場合であっても、感
光材料の写真性に悪影響を与えない感光材料用包装材料
とそれを用いた感材料包装体を提供する。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の感光材料用包装
材料の第1の態様は、滑剤及びブロッキング防止剤の1
種以上、酸化防止剤、ラジカル捕獲剤、酸化防止相乗効
果剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、キレート剤、アルカ
リ土類金属化合物、含水複塩化合物及び脂肪酸金属塩の
1種以上を含む熱可塑性樹脂フィルムを有し、透湿度が
20g/m2・24時間以下、酸素透過率が2000c
c/m2・24時間・1気圧以下であることを特徴とし
て構成されている。
【0021】本発明の感光材料用包装材料においては、
透湿度が20g/m2・24時間以下である。透湿度が2
0g/m2・24時間を超えると、写真性が悪化(カブリ
増加,感度異常,発色異常等)したり、感光材料同士の
接着や感光材料と包装材料とのブロッキングが発生しや
すくなる。特に各種の色素を含んだり、ISO感度が1
00以上の撮影用写真フィルムでは写真性が悪化して実
用化困難になる。また、酸素透過率が2000cc/m
2・24時間・1気圧以下である。酸素透過率が2000
cc/m2・24時間・1気圧を超えると、写真性が悪
化(カブリ増加,感度異常,発色異常等)して実用化困
難である。
【0022】熱可塑性樹脂フィルムに使用される熱可塑
性樹脂としては、高密度ホモポリエチレン樹脂、中密度
ホモポリエチレン樹脂、低密度ホモポリエチレン樹脂、
各種密度のエチレン・αオレフィン共重合体樹脂、塩化
ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン樹脂、EVA樹脂、EEA樹脂、EA
A樹脂、EMA樹脂、アクリル樹脂、アクリルニトリル
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリアセタール樹脂、エチレン・ビニルア
ルコール(以後、EVOHと表示)共重合体樹脂、ホモ
ポリスチレン樹脂、合成ゴム変性ポリスチレン樹脂、ア
クリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)共重
合体樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ホモポリ
プロピレン樹脂、プロピレン・αオレフィン共重合体樹
脂、架橋熱可塑性樹脂、酸変性熱可塑性樹脂(酸変性ポ
リオレフィン樹脂等)、熱可塑性エラストマー(ポリス
チレン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリア
ミド系、ポリウレタン系、塩素化ポリエチレン系、1,
2−ポリブタジエン系等)等がある。
【0023】熱可塑性樹脂フィルムに使用する熱可塑性
樹脂としては、安価で耐熱性、写真性、ヒートシール
性、ヤング率、耐油性等が優れているので結晶性樹脂が
好ましい。この結晶性樹脂としては、各種密度のホモポ
リエチレン樹脂、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン
・αオレフィン共重合体樹脂、エチレン共重合体樹脂、
ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂やポリエチレンナフタレート樹脂等の
ポリエステル樹脂、ポリ四フッ化エチレン樹脂、ポリビ
ニルアルコール樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重
合体樹脂、アイソタクチックポリスチレン樹脂の1種又
は2種以上を50重量%以上含む樹脂がある。好ましく
はポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂、特に好
ましくは低密度ホモポリエチレン樹脂(以後、LDPE
樹脂と表示)、中密度ホモポリエチレン樹脂(以後、M
DPE樹脂と表示)、高密度ホモポリエチレン樹脂(以
後、HDPE樹脂と表示)、各種密度のL−LDPE樹
脂、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・エチレン共
重合体樹脂である。これらの樹脂の中でも立体規則性触
媒を使用したものが感光材料の写真性に悪影響を及ぼす
触媒残査や残留モノマーが少ないので好ましい。熱可塑
性樹脂フィルムの場合、カーボンブラックやアルミニウ
ム粉末等の遮光性物質やガラス繊維やチタン酸カリウム
等の補強剤等の均一分散性向上、ヒートシール適性向上
(特に経時ヒートシール強度確保)、物理強度向上等の
目的でエチレン共重合体樹脂を1〜99.8重量%含ま
せることが好ましい。エチレン共重合体樹脂は好ましく
は2〜97重量%、特に好ましくは5〜95重量%、最
も好ましくは7〜93重量%含ませる。
【0024】エチレン共重合体樹脂の代表例を以下に示
す。 (1) エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(以後、EV
A樹脂と表示) (2) エチレン−プロピレン共重合体樹脂 (3) エチレン−1−ブテン共重合体樹脂 (4) エチレン−ブタジエン共重合体樹脂 (5) エチレン−塩化ビニル共重合体樹脂 (6) エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂(以
後、EMM樹脂と表示) (7) エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂(以
後、EMA樹脂と表示) (8) エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂(以
後、EEA樹脂と表示) (9) エチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂 (10) エチレン−アクリル酸共重合体樹脂(以後、EA
A樹脂と表示) (11) アイオノマー樹脂(エチレンと不飽和酸との共重
合物を亜鉛などの金属で架橋した樹脂) (12) エチレン−αオレフィン共重合体樹脂(以後、L
−LDPE樹脂と表示) (13) エチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体
樹脂 (14) エチレン−プロピレン共重合体樹脂エラストマー
(以後、EPRと表示) (15) エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体樹脂
エラストマー(以後、EPDMと表示)
【0025】本発明で特に好ましい上記L−LDPE
inear ow ensity oly
hylene)樹脂は、第3のポリエチレン樹脂と称さ
れ、中・低密度、高密度、両ホモポリエチレン樹脂の利
点を併せもつ省エネルギー、省資源という時代の要請に
合致する低コスト、高強度の樹脂である。この樹脂は低
圧法又は高圧改良法でエチレンと炭素数が3〜20個、
好ましくは4〜15個、特に好ましくは5〜10個、最
も好ましくは6〜8個のα−オレフィンを共重合させた
コポリマーで線状の直鎖に短分岐をもった構造のポリエ
チレン系樹脂である。このα−オレフィンは直鎖状又は
分岐状の脂肪族系のもの、脂環式のもの、スチレン等の
芳香族系のもの等各種のものが使用可能である。物理強
度やコストの点で好ましい脂肪族系のα−オレフィンと
してはプロペン−1、ブテン−1、オクテン−1、ヘキ
セン−1,4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、デ
セン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1などが使用さ
れる。尚、これらのエチレンと共重合されるα−オレフ
ィンは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよ
い。密度(ASTM D−1505)は一般に低中密度ポ
リエチレン樹脂程度とされているが、本発明では0.8
6〜0.98g/cm3、特に0.88〜0.96g/c
3の範囲内にあるものが好ましい。メルトフローレー
ト(ASTM D−1238のE条件)は0.1〜80
g/10分、特に0.3〜60g/10分の範囲内にあ
るものが好ましい。L−LDPE樹脂の重合プロセスと
しては中・低圧装置を用いる気相法、溶液法、液相スラ
リー法と高圧改良法装置を用いるイオン重合法等があ
る。
【0026】市販のL−LDPE樹脂の具体例を以下に
示す。 エチレン・ブテン−1共重合体樹脂 GレジンとNUC−FLX(UCC社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) マーレックス (フィリップス社) スタミレックス (DSM社) エクセレンVL (住友化学) ネオゼックス (三井石油化学) 三菱ポリエチ−LL (三菱油化) 日石リニレックス (日本石油化学) NUCポリエチレン−LL(日本ユニカー) 出ポリエチレンL (出石油化学) エチレン・ヘキセン−1共重合体樹脂 TUFLIN (UCC社) TUFTHENE (日本ユニカー) エチレン・4メチルペンテン−1共重合体樹脂 ウルトゼックス (三井石油化学) エチレン・オクテン−1共重合体樹脂 スタミレックス (DSM社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) MORETEC (出石油化学)
【0027】これらのL−LDPE樹脂の中で特に物理
強度とヒートシール強度とフィルム成形性の点から好ま
しいのは、メルトフローレート(ASTM D−1238
のE条件又はJIS K−7210の条件4の試験温度
190℃、試験荷重2.16kgfで測定。以後、MF
Rと表示。なお、ポリプロピレン系樹脂は、ASTMD
−1238のE条件又はJIS K−7210の条件4
の試験温度230℃、試験荷重2.16kgfで測定)
が0.1〜10g/10分、好ましくは0.2〜7g/
10分、特に好ましくは0.3〜5g/10分、密度(J
IS K−6760又はASTM D−1505で測定)
が0.860〜0.950g/cm3、好ましくは0.87
0〜0.940g/cm3、特に好ましくは0.880〜
0.930g/cm3、そしてα−オレフィンの炭素数
が3〜12個、好ましくは4〜10個、特に好ましくは
6〜8個の液相スラリー法プロセスと気相法プロセスで
得られたものである。
【0028】上述した透湿度及び酸素透過率は、熱可塑
性樹脂フィルムのみで確保しても、熱可塑性樹脂フィル
ムに他のプラスチックフィルムや金属箔、蒸着薄膜等を
積層して確保してもよい。例えば、光透過率が10%以
上の光透過性防湿・酸素バリヤフィルム等を積層する。
【0029】光透過性防湿・酸素バリヤフィルムは、5
0重量%以上、好ましくは70重量%以上、特に好まし
くは90重量%以上の熱可塑性樹脂(必要なら各種添加
剤を50重量%未満、好ましくは30重量%未満、特に
好ましくは10重量%未満含んでもよい)を含む熱可塑
性樹脂組成物を用いて各種のフィルム成形方法(インフ
レーションフィルム成形方法、Tダイフィルム成形方
法、押出しコーティングラミネーションフィルム成形方
法、キャストフィルム成形方法等)により成形した厚さ
5〜300μm、好ましくは7〜250μm、特に好ま
しくは10〜200μmの単層フィルム又は2層以上の
多層共押出しフィルム、各種光透過性フィルムを積層し
た光透過性積層フィルム若しくは光透過性フィルムに防
湿・酸素バリヤ薄膜を加工したフィルムで、下記のA〜
Cの3つの特性を同時に満足する光透過性防湿・酸素バ
リヤフィルムである。
【0030】A.透湿度(JIS Z 0208の条件B
で測定した値)が20g/m2・24時間以下、好まし
くは15g/m2・24時間以下、より好ましくは10
g/m2・24時間以下、最も好ましくは5g/m2・2
4時間以下である。
【0031】B.酸素透過率(ASTM D 3985)
が2000cc/m2・24時間・1気圧以下、好まし
くは1000cc/m2・24時間・1気圧以下、より好
ましくは500cc/m2・24時間・1気圧以下、最
も好ましくは100cc/m2・24時間・1気圧以下
である。
【0032】C.光透過率の逆数であるヘイズ(AST
M D−1003)が感光材料用包装材料としてのヘイ
ズ値で98%以下(光透過率が2%以上)、好ましくは
90%以下(光透過率が10%以上)、特に好ましくは
80%以下(光透過率が20%以上)、最も好ましくは
70%以下(光透過率が30%以上)であり、半透明で光
反射性を有する感光材料用包装材料とするには他の層が
透明でヘイズが1%以下と仮定すると、防湿性、酸素バ
リヤ性を有する光透過性フィルムのヘイズは98%〜2
0%(光透過率が2〜80%)、好ましくは95〜30
%(光透過率が5〜70%)、特に好ましくは90〜4
0%(光透過率が10〜60%)、最も好ましくは80
〜50%(光透過率が20〜50%)、透明防湿・酸素
バリヤ感光材料用包装材料とするには、他の層が透明で
ヘイズが1%以上と仮定すると、ヘイズは80〜0%
(光透過率が20〜100%)、好ましくは70〜0%
(光透過率が30〜100%)、特に好ましくは60〜
0%(光透過率が40〜100%)、最も好ましくは5
0〜0%(透過率が50〜100%)である。
【0033】上記のA,B,Cの3つの特性を同時に満
足する光透過性防湿・酸素バリヤプラスックフィルムの
単層フィルムの代表例を以下に例示するが、本発明はこ
れらに限定されるものではなく上記A,B,Cの3つの
特性を同時に達成するプラスチックフィルムはすべて含
まれる。また、無延伸フィルムでも、一軸延伸フィルム
又は二軸延伸フィルムでもよい。延伸倍率は1.5〜2
0倍、好ましくは2〜15倍、特に好ましくは2.5〜
12倍、最も好ましくは2.5〜10倍である。上記フ
ィルムの厚さは、使用樹脂や必要特性によって異なるが
5〜300μm、好ましくは7〜250μm、特に好ま
しくは10〜200μmである。
【0034】 密度0.940g/cm3以上の高密度
ホモポリエチレン樹脂フィルム。 密度0.940g/cm3以上のエチレン・αオレフ
ィン共重合体樹脂フィルム。 ホモポリプロピレン樹脂フィルム。 プロピレン・αオレフィンランダム共重合体樹脂フ
ィルム。 プロピレン・αオレフィンブロック共重合体樹脂フ
ィルム。 塩化ビニリデン樹脂フィルム。 アクリルニトリル樹脂フィルム。 超高分子量ポリエチレン樹脂フィルム。
【0035】前記熱可塑性樹脂フィルム、光透過性防湿
・酸素バリヤフィルム等に利用できる、酸素バリヤ性が
優れている熱可塑性樹脂フィルムに付いて説明する。
【0036】高度な酸素バリヤ樹脂{ナイロン−6,ナ
イロン−66,ナイロン−610,ナイロン−612,
ナイロン−11,ナイロン−12等のポリアミド樹脂
(以後PA樹脂と表示)またはこれらの2種ないしそれ
以上の共重合体樹脂あるいはこれらの2種以上のブレン
ド樹脂から成るポリアミド系樹脂配合組成物、前記ポリ
アミド系樹脂配合組成物層中にさらにアイオノマー樹
脂、不飽和カルボン酸類を各種ポリオレフィン樹脂にグ
ラフト変性した酸変性ポリオレフィン樹脂(接着性樹脂
とも言う)、変性ポリオレフィン樹脂とスチレン系ポリ
マーとを混合してなる接着性ポリオレフィン樹脂。エチ
レン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(エチレン含有量1
5〜80モル%、ケン化度80%以上、好ましくはエチ
レン含有量20〜70モル%、ケン化度90%以上、特
に好ましくはエチレン含有量25〜60モル%、ケン化
度95%以上(以後EVOH樹脂と表示)、または他の
樹脂とのブレンド樹脂例えば前述のPA樹脂やアイオノ
マー樹脂や接着性樹脂の1種以上とのブレンド樹脂)}
を用いて成形した光透過性・防湿・酸素バリヤプラスチ
ックフィルム及び塩化ビニリデン系樹脂及びアクリロニ
トリル系樹脂等を含む透明酸素バリヤ樹脂層の少なくと
も片側に透明な防湿性ポリオレフィン樹脂層を有する積
層フィルムまたは多層共押出しフィルムから成る透明な
防湿性、酸素バリヤ性を有するプラスチックフィルムを
具備した透明な感光材料用包装材料は、安価で、すべて
熱可塑性樹脂から構成させることが可能なのでリサイク
ル適性、廃棄性を有し物理強度が優れた、特に耐屈曲ピ
ンホール性に優れ、酸素バリヤ性に優れているので本発
明の感材料用包装材料に最適である。
【0037】酸素バリヤ性の優れた上記塩化ビニリデン
系樹脂とアクリロニトリル系樹脂について説明する。
【0038】本発明に於いて塩化ビニリデン系樹脂と
は、塩化ビニリデンを主体として、これと塩化ビニル、
アクリロニトリル、アクリル酸エステル、アクリル酸な
どのコモノマーとを共重合させたものである。また、ア
クリロニトリル系樹脂とは、アクリロニトリルと、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレ
ート等のアクリル酸エステルとの共重合体である。酸素
遮蔽性を有するフィルムは、上記の酸素遮蔽性のフィル
ム材料を含むものであるなら、単層でも、他の樹脂フィ
ルムとの複合材でもよい。
【0039】延伸すると防湿性、酸素バリヤ性が比較的
優れたポリエステル系樹脂フィルムに用いるポリエステ
ル樹脂としては、ホモポリエステル樹脂のポリエチレン
テレフタレート樹脂、以下の共重合ポリエステル樹脂、
例えばテレフタル酸とエチレングリコールを基本とする
ポリエチレンテレフタレート構造のポリエステル樹脂
に、2塩基酸としてイソフタル酸、フタル酸、グルタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、
シクロヘキサンジカルボン酸、等をグリコールとしてジ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチ
レングリコール、ビスフェノール誘導体のエチレンオキ
サイド付加体等を共重合したもの例えばポリブチレンテ
レフタレート樹脂やポリエチレンナフタレート樹脂等が
ある。
【0040】以上のホモポリエステル樹脂、共重合ポリ
エステル樹脂の1種類又は2種類以上のものをブレンド
したもの(いずれの場合でも樹脂組成物中の50重量%
以上、好ましくは70重量%、特に好ましくは90重量
%以上、最も好ましくは95重量%以上がポリエステル
樹脂である)。
【0041】前記光透過性防湿・酸素バリヤフィルム用
の樹脂としては、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン
−αオレフィンダンダム共重合体樹脂、プロピレン−α
オレフィンブロック共重合体、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレート樹脂等のポリエステル樹
脂、中密度及び高密度ホモポリエチレン樹脂、エチレン
・αオレフィン共重合体樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロ
ン6,6樹脂、ナイロン12樹脂、ポリブテン樹脂、ポ
リスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリ四弗化エチレン樹脂、等の一軸分子配向(延伸
を含む)フィルム、二軸分子配向(延伸を含む)フィル
ム、無延伸フィルムが用いられる。その他本発明ではセ
ロハン、トリアセテートフィルム、ジアセテートフィル
ム等の透明フィルムを用いることができる。
【0042】光透過性防湿・酸素バリヤフィルムは、単
一のフィルム層で形成されても、多層共押出しにより多
層に形成されても、光透過性フィルムに他の光透過性フ
レキシブルシートを積層したり、該フィルムに防湿・酸
素バリヤ薄膜を加工した積層フィルムで形成されていて
もよい。
【0043】防湿・酸素バリヤ薄膜としては、金属及び
/又は無機金属化合物、例えばアルミニウム、チタン、
ケイ素、マグネシウム、バリウム、セレン、カルシウ
ム、インジウム、トリウム、ジルコニウム、タリウム、
タンタル、亜鉛、ニッケル、錫、ニッケル、ゲルマニウ
ム、クロム、またはこれらの酸化物、ハロゲン化物、窒
化物などの単体または混合物を主体とするもので代表例
をあげるとBiO3、SiO2、ND23、ZnO、Si
O、SiO2、Si23、TiO2、ZrO、ZrO2、C
aO、ThO2、Ta25、MgO、PbO、B23
Na2O、InO3、K2O、AlO、Al22、Al2
3等の酸化アルミニウム(特にAl23が好ましく、非結
晶性のものがさらに好ましい)の群から選ばれた少なく
とも一種以上を用いる。
【0044】無機金属化合物としては一般式SixOy
(xは1または2の整数、yは1,2又は3の整数を表
す)で示されるケイ素酸化物の単体または混合物が好ま
しい。特にケイ素、ナトリウム、マグネシウム、アルミ
ニウム、カリウム、カルシウム、マンガン、チタン、ニ
ッケル、インジウム、スズ、バリウム、銀、鉄から成る
群から選ばれる金属元素又はこの化合物の1種、並びに
ケイ素及び酸素を主成分とする化合物の混合物から成る
無機金属化合物薄膜層が好ましい。具体例としてはケイ
素と二酸化ケイ素と酸化マグネシウムの混合物、ケイ素
と二酸化ケイ素とケイ酸ナトリウムの混合物、二酸化ケ
イ素とCaOの混合物、二酸化ケイ素60〜96重量%
とCaO5〜40重量%と5重量%以下のPbO、Na2
O、Al23、K2O、MgO、B23の混合物等があ
る。
【0045】防湿・酸素バリヤ薄膜の厚さは特に限定さ
れないが、透湿度(JIS Z 0208の条件Bで測定
した値)が30g/m2・24h以下、酸素透過率(AS
TMD 3985)が2000cc/m2・24h・1気
圧以下、光透過率が10%以上、好ましくは30%以
上、特に好ましくは50%以上、最も好ましくは70%
以上となるように、20〜6000Å、好ましくは50
〜5000Å、特に好ましくは100〜4000Å、最
も好ましくは200〜3000Åである。
【0046】厚さが20Å未満では本発明に必須の防湿
性、酸素バリヤ性を確保することが困難であり又厚さが
6000Åを越えると酸化物薄膜層を設けた光透過性フ
ィルムの熱収縮率が大きくなり、酸化物薄膜層に反応集
中が起こり、シワやクラックが発生し防湿性及び酸素バ
リヤ性を確保することが困難になる。さらに外観が悪化
したり、コストアップになり実用化不可である。
【0047】防湿・酸素バリヤ薄膜を透明プラスチック
フィルムに加工する際、加工に先だってコロナ放電、紫
外線照射処理、火災処理、プラズマ処理、サンドブラス
ト等の粗面化処理、グルー処理、オゾン照射処理等の物
理的な表面処理やアルキルチタネート系アンカーコート
剤、ポリイソシアネート系アンカーコート剤、ポリアル
キレンイミン系アンカーコート剤、イソシアネート系ア
ンカーコート剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート
剤等のアンカーコート層を0.01〜5μm、好ましく
は0.05〜3.5μm、特に好ましくは0.1〜2μ
mの厚さで形成する。また上記物理的な表面処理とアン
カーコート処理を併用することも可能で接着強度の要求
程度に合わせて組み合わせて用いることが好ましい。
【0048】防湿・酸素バリヤ薄膜の加工方法は、何ら
制限されるものでなく接着強度や厚さ等の要求程度に合
わせて選択すればよく、代表的な方法を例示すると、真
空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング
法、反応性蒸着法、反応性スパッタリング法、反応性イ
オンプレーティング法、フラッシュ蒸着法等があるが、
無機金属化合物を抵抗加熱、誘導加熱、電子ビーム加熱
等により溶融蒸発させ、酸素ガスを導入しながら光透過
性フィルムに透明な無機金属化合物の薄膜層を形成する
反応性真空蒸着法が最も好ましい。
【0049】防湿・酸素バリヤ薄膜を加工した透明プラ
スチックフィルムからなる光透過性防湿・酸素バリヤフ
ィルムの透湿度(JIS Z 0208の条件Bで測定し
た値)は、積層する他の層の透湿度減少効果があまり期
待できない場合は30g/m2・24h以下、好ましく
は20g/m2・24h以下、特に好ましくは10g/
2・24h以下、最も好ましくは5g/m2・24h以
下である。また、光透過性フィルムの200℃に於ける
熱収縮率が10%以下、好ましくは7%以下、特に好ま
しくは5%以下、最も好ましくは3.5%以下である。
熱収縮率が10%を越えると無機金属化合物薄膜層に応
力集中が起こり、シワやクラックが発生し本発明に必須
の防湿性及び酸素バリヤ性を確保することが困難にな
る。さらに外観が悪化したり、ピンホールやヒートシー
ル剥がれが発生し易くなり実用化不可である。
【0050】熱可塑性樹脂フィルムには各種フィルムや
セロハン等の光透過性フレキシブルシートを各種の接着
剤層で積層することができ、この接着剤層としては、各
種の公知の接着剤層を必要特性に合わせて用いることが
できる。この接着剤層に用いられる接着剤としては、各
種ポリエチレン(LDPE、L−LDPE、MDPE、
HDPE)樹脂、各種ポリプロピレン樹脂、等のポリオ
レフィン系熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン共重合
体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン
−エチルアクリレート共重合体樹脂等のエチレン共重合
体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、アイオノ
マー樹脂、エチレン共重合体樹脂等の熱可塑性樹脂熱溶
融型接着剤(エクストルージョンラミネート型接着
剤)。その他熱溶融型ゴム系接着剤があり、溶液状接着
剤としてはウェットラミネート用接着剤があり、エマル
ジョン、ラテックス状の接着剤である。エマルジョン型
接着剤の代表例としてはポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−
エチレン共重合物、酢酸ビニルとアクリル酸エステル共
重合物、酢酸ビニルとマレイン酸エステル共重合物、ア
クリル共重合物、エチレン−アクリル酸共重合物等のエ
マルジョンがある。ラテックス型接着剤の代表例として
は天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリ
ロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴ
ム(CR)等のゴムラテックスがある。又ドライラミネ
ート用接着剤としてはイソシアネート系接着剤ウレタン
系接着剤等がある。その他パラフィンワックス、マイク
ロクリスタリンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂等
をブレンドしたホットメルトラミネート型接着剤、感圧
型接着剤、感熱型接着剤等公知の接着剤を用いることが
できる。本発明に特に好ましいエクストルージョンラミ
ネート用ポリオレフィン型接着剤はより具体的にいえば
各種ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチ
レン樹脂、及びエチレン共重合体(EVE、EEA等)
樹脂の他、L−LDPE樹脂の如く、エチレンに一部他
のモノマー(α−オレフィン)を共重合させたもの、D
upont社の“サーリン”、三井ポリケミカル社の
“ハイラミン”等のアイオノマー樹脂(イオン性共重合
体)や三井石油化学(株)の“アドマー”等の酸変性樹脂
等がある。その他紫外線硬化型接着剤等も最近使われは
じめた。
【0051】特にLDPE樹脂とL−LDPE樹脂又は
LDPE樹脂とL−LDPE樹脂のブレンド樹脂が安価
でラミネート適性に優れているので好ましい。接着強度
を向上させる場合は酸変性樹脂が好ましい。又前記記載
樹脂を2種以上ブレンドして各樹脂の欠点をカバーした
混合樹脂はラミネート適性が優れているので特に好まし
い。特にLDPE樹脂又はL−LDPE樹脂と酸変性ポ
リオレフィン樹脂を適当量の比率でブレンドすると任意
の接着強度とすることができるので本発明では特に好ま
しい。
【0052】熱可塑性樹脂を用いたエクストルージョン
ラミネート法による接着剤層の厚さは、通例6μm〜1
00μm、好ましくは7μm〜50μm、特に好ましく
は9〜40μmとなるが、コスト、接着強度、ラミネー
ト速度、積層体の全厚さ等に基づいて定められるので、
この数値には特に限定されない。
【0053】接着剤層の接着強度はタテ、ヨコ両方の引
裂強度、衝撃穴あけ強度、ゲルボテスト強度等の物理強
度を向上させる時は2つの被積層物間の剥離強度(18
0度のピーリング試験,ASTM D 903の試験機使
用)が300g/15mm巾以下、好ましくは100g
/15mm巾以下、特に好ましくは50g/15mm巾
以下の弱接着剤層とする。しかし製袋工程又はラミネー
ト工程では剥離しない程度の強度が必要で0.1g/1
5mm巾以上、好ましくは1g/15mm巾以上、特に
好ましくは5g/15mm巾以上である。ブロッキング
接着強度も略同様である(30mm巾では約2倍の強度
となる)。
【0054】このように弱い接着強度の接着剤層にする
には、接着剤層の厚みを小さくする、被接着物の表
面にコロナ放電処理,フレーム処理,プラズマ処理,紫
外線照射処理,電子線照射処理,プレヒート処理,アン
カーコート処理等の表面処理を施さない、接着剤層の
温度を下げる、弱接着強度樹脂組成物からなる接着剤
層とする、2種以上の相溶性の良くない樹脂組成物か
らなる接着剤層とする、層間剥離しやすい多層共押出
しエクストルージョンラミネート接着剤層とする、等の
方法の1つまたは2つ以上を組み合わせて用いる。
【0055】また、易開封性の写真感光材料用包装材料
とする場合や剥離を防止しようとする場合は、接着強度
(180度のピーリング試験,ASTM D 903の試
験機使用)が350g/15mm巾以上、好ましくは5
00g/15mm巾以上、特に好ましくは700g/1
5mm巾以上の強接着剤層を介して積層する(30mm
巾の場合の強度は約2倍となる)。このように強い接着
強度の接着剤層(本発明では強接着層と表示)にするに
は、上述した弱接着剤層にするのと全く逆にすればよ
い。強接着剤層にするのに好ましい接着性樹脂として酸
変性ポリオレフィン樹脂がある。
【0056】酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフ
ィン樹脂と不飽和カルボン酸類とをグラフト変性した変
性ポリオレフィン樹脂をいい、例えばグラフト変性ポリ
エチレン樹脂、グラフト変性ポリプロピレン樹脂、グラ
フト変性エチレン共重合体樹脂(EVA樹脂、EEA樹
脂、L−LDPE樹脂、EMA樹脂等)等がある。
【0057】不飽和カルボン酸類は、その誘導体も含め
て総称するもので、代表例をあげるとアクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、テト
ラヒドロフタル酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、シトラ
コン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸、
(エンドシス−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エン
−2,3−ジカルボン酸)、無水マレイン酸、無水シト
ラコン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、メタク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル
酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モ
ノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマ
ル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、
イタコン酸ジエチルエステル、アクリル酸アミド、メタ
クリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジア
ミド、マレイン酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸
−N,N−ジエチルアミド、マレイン酸−N−モノブチ
ルアミド、マレイン酸−N,N−ジブチルアミド、フマ
ル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸−N−モ
ノエチルアミド、フマル酸−N,N−ジエチルアミド、
フマル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−
ジエチルアミド、フマル酸−N−モノブチルアミド、フ
マル酸−N,N−ジブチルアミド、マレイミド、マレイ
ン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マタクリル酸カ
リウム、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸亜鉛、アク
リル酸マグネシウム、アクリル酸カルシウム、メタクリ
ル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カ
リウム、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、塩化マレニル、グリシジルマレエート、マレイン酸
ジプロピル、アコニチン酸無水物、ソルビン酸等をあげ
ることができ、相互の混合使用も可能である。
【0058】なかでもアクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、ナジック酸が好ましく、特に無水マレイン酸
が好ましい。
【0059】変性ポリオレフィン樹脂における不飽和カ
ルボン酸類をグラフト変性させる方法は特に限定されな
い。例えば、溶融状態で反応させる特公昭43−274
21号公報等に開示の方法や、溶液状態で反応させる特
公昭44−15422号公報等に開示の方法や、スラリ
ー状態で反応させる特公昭43−18144号公報等に
開示の方法や、気相状態で反応させる特公昭50−77
493号公報等に開示の方法等がある。
【0060】これらの方法の中で押出機を用いる溶融混
練法が操作上簡便で、かつ安価な方法なので好ましい。
【0061】不飽和カルボン酸類の使用量は、接着強度
確保のためポリオレフィン樹脂ベースポリマー(各種ポ
リエチレン樹脂、各種ポリプロピレン樹脂、各種ポリオ
レフィン共重合体樹脂、ポリブテン−1樹脂、ポリ−4
−メチルペンテン−1等のα−オレフィン共重合体樹脂
及びその共重合体樹脂)100重量部に対して0.01〜
20重量部、好ましくは0.2〜5重量部である。
【0062】ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸類
との反応を促進するために有機過酸化物等が用いられ
る。
【0063】有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビ
スイソブチロニトリル、ジクミルパーオキサイド、α,
α'ビス(t−ブチルパーオキシジイプロピル)ベンゼ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキシン、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチル−ハイド
ロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾ
エート、1,3ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、キュメンハイドロパーオキサイド、ジ−
t−ブチル−ジパーオキシフタレート、t−ブチルパー
オキシマレイン酸、イソプロピルパーカーボネート等の
有機過酸化物、アソビスイソブチロニトリル等のアゾ化
合物、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物等がある。
【0064】これらは1種または2種以上の組合せで使
用してもよい。特に好ましいのは、分解温度が170℃
〜200℃の間にあるジ−t−ブチルパーオキサイド、
ジ−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−
ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンで
ある。
【0065】これらの過酸化物の添加量は特に制限され
ないが、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.
005〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部であ
る。
【0066】市販の酸変性ポリオレフィン樹脂の代表例
を以下に示す。 (1) 日本石油化学KK “Nポリマー” (2) 三井石油化学工業KK “ADMER” (3) 昭和電工KK “ER RESIN” (4) 三菱化成工業KK “NOVATEC−AP” (5) 三菱油化KK “MODIC” (6) 日本ユニカーKK “NUC−ACE” (7) 宇部興産KK “UBE BOND” (8) 東ソーKK “メルセンM” (9) 住友化学工業KK “ボンダイン” (10) 三井・デュポンケミカルKK“CMPS”等 (11) エクソン社 “デクソン” (12) 東亜燃料工業KK “HAシリーズ” (13) 三井東圧化学KK “MITSUI LONPLY”等
【0067】接着剤層に含まれる酸変性ポリオレフィン
樹脂の量は3〜90重量%、好ましくは5〜70重量
%、特に好ましくは7〜60重量%、最も好ましくは1
0〜50重量%である。3重量%以下では接着強度向上
効果がほとんどない。90重量%をこえても増量効果が
なく、コストアップになるだけである。
【0068】この接着剤層には各種の公知の添加剤を含
ませることができる。特に各種の遮光性物質、消臭剤、
脱臭剤、芳香剤、脱酸素剤等を目的に合わせて含ませる
ことが好ましい。
【0069】本発明の感光材料用包装材料の熱可塑性樹
脂フィルムは、滑剤及びブロッキング防止剤の1種以上
を含んでいる。滑剤及びブロッキング防止剤の1種以上
を含むことにより、フィルム成形工程、ラミネート工
程、製袋工程等で熱可塑性樹脂フィルム同士がブロッキ
ングするのを防止すると共に熱可塑性樹脂フィルムのハ
ンドリング適性や滑性を良好にしシワや筋の発生を防止
できる。さらに熱可塑性樹脂フィルムと感光材料とが積
み重ねられたりしてもブロッキングを発生することがな
くまた包装袋等として感光材料と摩擦してもスリ傷やス
タチックマークが発生しないようにできる。上記滑剤に
ついて説明する。
【0070】滑剤の添加により、樹脂の流動性を向上
し、成形性を改善するとともに成形品の滑性を向上させ
ることもできる。
【0071】滑剤の添加量は種類によって異なり、脂肪
酸金属塩(後記の金属石けんと同一)等のように感光材料
の写真性能維持を主目的とした滑性効果が小さい滑剤の
場合は0.01〜5重量%が好ましく、0.03〜3重量
%がより好ましく、0.05〜1.5重量%が特に好ま
しく、0.07〜1重量%が最も好ましい。添加量が
0.01重量%未満であると、添加効果がなく、混練費
用増となるだけである。添加量が5重量%を越えると、
発泡や白煙やダイリップ筋が発生しやすくなったり、溶
融樹脂と押出し機のスクリューとのスリップが発生しや
すくなり、樹脂の吐出量が不安定になる。また、成形後
の経時によりベトツキやブリードアウトが発生しやすく
なり写真感光材料に悪影響を及ぼすようになる。さらに
また、経時ヒートシール強度が低下し、密封性や防湿性
と酸素バリヤ性が悪化し感材料用包装材料としては実用
化困難である。
【0072】また、脂肪酸アミド系滑剤、ビス脂肪酸ア
ミド系滑剤等のように滑性効果は大きいが、ブリードア
ウトしやすく、感光材料に悪影響を与える滑剤の場合
は、0.01〜1重量%が好ましく、0.03〜0.5重
量%がより好ましく、0.05〜0.3重量%が最も好
ましい。添加量が0.01重量%未満であると、添加効
果がなく、混練費用増となるだけである。添加量が1重
量%を越えると、溶融樹脂と押出し機のスクリューとの
スリップが発生しやすくなり、樹脂の吐出量が不安定に
なる。また、フィルム成形後の経時によりベトツキやブ
リードアウトが発生しやすくなる。さらにまたブリード
アウトした滑剤が写真感光層に転写して現像阻害を発生
させ現像ムラや発色ムラ等の品質故障が発生する。
【0073】市販の代表的滑剤名と製造メーカー名を以
下に記載する。 (1) 脂肪酸アミド系滑剤; 〔飽和脂肪酸アミド系滑剤〕 ベヘニン酸アミド系滑剤;ダイヤミッドKN(日本
化成)等 ステアリン酸アミド系滑剤;アーマイドHT(ライ
オン油脂)、アルフローS−10(日本油脂)、脂肪酸
アマイドS(花王)、ダイヤミッド200(日本化
成)、ダイヤミッドAP−1(日本化成)、アマイドS
・アマイドT(日東化学)、ニュートロン−2(日本精
化)等
【0074】〔ヒドロキシステアリン酸アミド系滑剤〕 パルミチン酸アミド系滑剤;ニュートロンS−18
(日本精化)、アマイドP(日東化学)等 ラウリン酸アミド系滑剤;アーマイドC(ライオン
・アクゾ)、ダイヤミッド(日本化成)等
【0075】〔不飽和脂肪酸アミド系滑剤〕 エルカ酸アミド系滑剤;アルフローP−10(日本
油脂)、ニュートロン−S(日本精化)、LUBROL
(I・C・I)、ダイヤミッドL−200(日本化成)
等 オレイン酸アミド系滑剤;アーモスリップCP(ラ
イオン・アクゾ)、ニュートロン(日本精化)、ニュート
ロンE−18(日本精化)、アマイドO(日東化学)、ダ
イヤミッドO−200・ダイヤミッドG−200(日本
化成)、アルフローE−10(日本油脂)、脂肪酸アマ
イドO(花王)等
【0076】〔ビス脂肪酸アミド系滑剤〕 メチレンビスベヘニン酸アミド系滑剤;ダイヤミッ
ドNKビス(日本化成)等 メチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;ダイヤミ
ッド200ビス(日本化成)、アーモワックス(ライオン
・アクゾ)、ビスアマイド(日東化学)等 メチレンビスオレイン酸アミド系滑剤;ルブロンO
(日本化成)等 エチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;アーモス
リップEBS(ライオン・アクゾ)等 ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;ア
マイド65(川研ファインケミカル)等 ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド系滑剤;アマ
イド60(川研ファインケミカル)等
【0077】(2) 非イオン界面活性剤系滑剤;エレク
トロストリッパ−TS−2、エレクトロストリッパ−T
S−3(花王石鹸)等
【0078】(3) 炭化水素系滑剤;流動パラフィン、
天然パラフィン、マイクロワックス、イソパラフィン系
合成石油炭化水素、合成パラフィン(C1649、好まし
くはC2030)、ポリエチレンワックス(数平均分子量
が10,000以下、好ましくは8,000以下、特に
6,000以下が好ましい。)、ポリプロピレンワックス
(数平均分子量が10,000以下、好ましくは8,0
00以下、特に6,000以下が好ましい。)、塩素化
炭化水素、フルオロカーボン等
【0079】(4) 脂肪酸系滑剤;高級脂肪酸(C12
35が好ましい、具体的にはカプロン酸、ステアリン酸、
オレイン酸、エルカ酸、パルミチン酸等)、オキシ脂肪
酸等
【0080】(5) エステル系滑剤;脂肪酸の低級アル
コールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂
肪酸のポリグリコールエステル、脂肪酸の脂肪アルコー
ルエステル等
【0081】(6) アルコール系滑剤;多価アルコー
ル、ポリグリコール、ポリグリセロール等
【0082】(7) 脂肪酸金属塩系滑剤(金属石け
ん);ラウリン酸、ステアリン酸、コハク酸、ステアリ
ル乳酸、乳酸、フタル酸、安息香酸、ヒドロキシステア
リン酸、リシノール酸、ナフテン酸、オレイン酸、パル
ミチン酸、エルカ酸等の高級脂肪酸とLi、Na、M
g、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Al、Sn、P
b、Cd、等の金属との化合物が挙げられ、好ましいも
のはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、オレ
イン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネ
シウム等である。
【0083】(8) モンタン酸エステル部分鹸化物;
【0084】(9) シリコーン系滑剤;各種グレードの
ジメチルポリシロキサン及びその変性物(信越シリコー
ン、東レシリコーン)、特に各種シリコーンオイルが樹
脂流動性向上、滑性向上等の効果を発揮させるだけでな
く、遮光性物質と併用すると遮光性物質の分散性向上、
樹脂を白濁させヘイズ(ASTM D−1003)を大き
くさせる結果、着色力向上、遮光性向上等予想外の効果
を発揮するので好ましい。
【0085】上記シリコーンオイルは、常温における粘
度が50〜100,000センチストークスの範囲のも
のが好ましく、更に好ましくは5,000〜30,00
0センチストークスの高粘度のものがよい。シリコーン
及びシリコーン変性物の具体例としては、ポリメチルフ
ェニルシロキサン、オレフィン変性シリコーン、アミド
変性シリコーン、ポリジメチルシロキサン、アミノ変性
シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、αメチルス
チレン変性シリコーン、ポリエチレングリコールやポリ
プロピレングリコールで変性したポリエーテル変性シリ
コーン、オレフィン/ポリエーテル変性シリコーン、エ
ポキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルコ
ール変性シリコーン等変性されたシロキサン結合を含有
したシリコーンオイルである。該シリコーンオイル中、
感光材料に悪影響を与えることが少なく、滑性効果の大
きい、特に感光材料用包装材料に適用した場合に好まし
いものはオレフィン変性シリコーン、アミド変性シリコ
ーン、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シリ
コーン、オレフィン/ポリエーテル変性シリコーンであ
る。該シリコーンオイルは、加熱状態での成形材料、例
えば樹脂フィルムの摩擦係数を改良し、自動包装機によ
る熱板シール中に生じる摺動抵抗を低下させ、皺の発生
を防止することにより、美しい外観と高度な密封性と被
包装体にたるみがない密着性とを有する性能を保持した
樹脂フィルムを得る基礎をつくることが出来る。又摺動
による光沢の低下を防止して、美しいシール部を得るこ
とが出来る。シリコーンオイルを併用した場合の本発明
では、摺動ヒートシールをする場合、高温摩擦係数を1.
4以下にすることが出来る。
【0086】シリコーンオイル添加の効果は、以下の通
りである。 (1) 繊維状充填材、非繊維状遮光性物質、顔料と併用
するだけでこれらの表面を被覆して分散性を向上させ
る。 (2) 樹脂の分散性を向上し、スクリューのモーター負
荷を小さくし、メルトフラクチャー発生を防止する。 (3) ブリードアウトして白粉状になる脂肪酸アミドを
添加しなくとも滑性を十分確保できる。 (4) 加熱状態での成形材料の摩擦係数を小さくし、自
動袋適性を向上し、ヒートシール時のシワ発生や摺動に
よる光沢の低下を防止し、美しいシール部を得ることが
できる。 (5) 遮光性物質と併用すると、熱可塑性樹脂を白濁さ
せ、ヘイズを大きくする結果、着色力を向上させ遮光能
力を向上でき、物性を低下させる遮光性物質の添加量を
減量しても遮性を確保できる。
【0087】前記ブロッキング防止剤について説明す
る。ブロッキング防止剤を添加することにより、ブロッ
キングを防止、スタチックマーク発生を防止、擦り傷発
生を防止、感光材料と本発明の写真感光材料用包装材料
との接着を防止することができる。
【0088】ブロッキング防止剤としては、シリカ(天
然及び合成シリカを含む)、炭酸カルシウム、タルク
(ケイ酸マグネシウム)、ケイ酸アルミニウム、カルシ
ウムシリケート、脂肪酸アミド系滑剤、高級脂肪酸ポリ
ビニルエステル、n−オクタデシルウレア、N,N'−ジ
オレイルオキサアミド、N−エタノールステアリン酸ア
ミド、ジカルボン酸エステルアミド等があり、この中で
シリカが好ましい。
【0089】上記シリカは、平均粒子径が0.3〜20
μmのものが好ましく、0.5〜15μmのものがより
好ましい。平均粒子径が0.3μm未満では、凝集性が
強くブツが多発し、ブロッキング防止効果も小さい。ま
た、平均粒子径が20μmを越えると、フィルム表面に
シリカがでてフィルム表面がざらつくだけでなく感材料
に擦り傷などが発生し易くなる。
【0090】ブロッキング防止剤の添加量は、0.01
〜5.0重量%が好ましく、0.05〜3.5重量%が
より好ましい。添加量が0.01重量%未満では、ブロ
ッキング防止効果が小さく、混練経費増となるだけであ
る。また、添加量が5.0重量%を越えると、塊状の不
均一故障(ブツ)の発生が多くなるだけでなくフィルム
の物理強度やヒートシール性が低下する。
【0091】本発明の感光材料用包装材料には、酸化防
止剤、ラジカル捕獲剤、酸化防止相乗効果剤、紫外線吸
収剤、老化防止剤、キレート剤、アルカリ土類金属化合
物、含水複塩化合物及び脂肪酸金属塩の1種以上を含ま
せる。これらの物質の1種以上を含ませることにより、
感光材料や本発明の感光材料用包装材料や感光材料包装
体に使用されている各種の包装材料(巻芯、カートリッ
ジ、プラスチック容器、挟紙、当てボール紙、遮光紙、
接合テープ)等の劣化防止ができ、感光材料の写真性に
悪影響を与える物質が発生することを防止し、写真性を
長期間良好に維持できる。またブツやフィッシュアイ等
の発生も防止できる。上記酸化防止剤及びラジカル捕獲
剤に付いて説明する。
【0092】樹脂の酸化分解はCH3の分岐の多いポリ
オレフィン樹脂ほど多い。それは酸素吸収量が多いから
であり、従って酸化分解の程度は、ポリプロピレン樹脂
>ホモポリエチレン樹脂>エチレン・αオレフィン共重
合体樹脂となる。結晶性樹脂の代表的な熱可塑性樹脂で
ある各種ポリエチレン樹脂(エチレン・αオレフィン共
重合体樹脂も含む)や各種ポリプロピレン樹脂(プロピ
レン・エチレン(ランダム及びブロック)共重合体樹脂
も含む)等は炭化水素であり、炭化水素の自動酸化は酸
素の存在下で脱水して一旦遊離基が生成すると連鎖的に
次にように進行すると考えられている。
【0093】 RH→R・ R・+O2→ROO・ ROO・+RH→ROOH+R・ ROOH→RO・+・OH RO・+RH→ROH+R・ ・OH+RH→HOH+R・
【0094】このようにして、炭化水素の酸化が加速的
にはやめられて感光材料の写真性に悪影響を与えるアル
コール、アルデヒド、酸などを生じ、さらにこれらが相
互に反応して重合物を作る。
【0095】炭化水素の酸化を防止するには、上記連鎖
反応をたちきることが必要で、そのために酸化防止剤又
はラジカル捕獲剤が用いられる。すなわち酸化防止剤に
は、連鎖伝播体である遊離基(主としてROO・)と反
応して、これを不活性化する遊離基連鎖停止剤と遊離基
の主要な発生源であるヒドロペルオキシドROOHを分
解して、これを安定化する過酸化物分解剤とがある。前
者としては、アルキルフェノール系酸化防止剤と芳香族
アミン系酸化防止剤がある。後者としては、硫黄系酸化
防止剤と燐系酸化防止剤がある。熱可塑性樹脂の熱劣化
による黄変又は褐変及びブツ(異物状の黒色の固り)の
発生を防止するために遊離基連鎖停止酸化防止剤と過酸
化物分解酸化防止剤を併用することが好ましい。各種酸
化防止剤は、感光材料に悪影響を与える還元剤でもある
ので、種類、添加量は慎重に検討し選択しないと感光材
料の写真性悪化や品質劣化が大きくなり問題になる。
【0096】本発明に使用される酸化防止剤の代表例を
以下に示すが本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0097】(イ) フェノール系酸化防止剤(tはte
rtの略号である) ビタミンE(トコフェロール)、6−t−ブチル−3−
メチルフェニール誘導体、2・6−ジ−t−ブチル−P
−クレゾール、2・6−ジ−t−ブチル−フェノール、
2・6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−ク
レゾール、2・6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノ
ール、2・2'−メチレンビス−(4−エチル−6−t−
ブチルフェノール)、4・4'−ブチリデンビス(6−t
−ブチル−m−クレゾール)、4・4'−チオビス(6−
t−ブチル−m−クレゾール)、4・4−ジヒドロキシ
ジフェニルシクロヘキサン、ブチル化ヒドロキシアニソ
ール、アルキル化ビスフェノール、スチレン化フェノー
ル、2・6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
2・6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−
オクタデシル−3−(3'・5'−ジ−t−ブチル−4’
−ヒドロキシフェニル)プロピネート、2・2'−メチ
レンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
4・4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニ
ール)、4・4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、4・4'−チオビス(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、ステアリル−β(3
・5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート、1・1・3−トリス(2−メチル−4ヒド
ロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1・3・5
トリメチル−2・4・6−トリス(3・5−ジ−t−ブ
チル−4ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス
〔メチレン−3(3・5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕タン等
【0098】(ロ) ケトンアミン縮合系酸化防止剤 6−エトキシ−2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリン、2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリンの重合物、トリメチルジヒドロキノリン誘
導体等
【0099】(ハ) アリルアミン系酸化防止剤 フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナ
フチルアミン、N−フェニル−N'−イソピロピル−P
−フェニレンジアミン、N・N'−ジフェニル−P−フ
ェニレンジアミン、N・N’−ジ−β−ナフチル−P−
フェニレンジアミン、N−(3'−ヒドロキシブチリデ
ン)−1−ナフチルミン等
【0100】(ニ) イミダゾール系酸化防止剤 2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベ
ンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベン
ゾイミダゾール等
【0101】(ホ) ホスファイト系酸化防止剤 アルキル化アリルホスファイト、トリス(モノ及び/又
はジノニルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオ
ペンタンテトライルビス(2・6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソデシ
ルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファ
イト亜リン酸ソーダ、トリス(ノニルフェニル)フォス
ファイト、2・2−メチレンビス(4・6−ジ−t−ブ
チルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(2・4
−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニ
ルフォスファイト等
【0102】(ヘ) チオ尿素系酸化防止剤 チオ尿素誘導体、1・3−ビス(ジメチルアミノプロピ
ル)−2−チオ尿素等
【0103】(ト) その他空気酸化に有用な酸化防止剤 チオジプロピオン酸ジラウリル等 本発明に最も好ましいヒンダードフェノール系酸化防止
剤の代表例を以下に示す。
【0104】1,3,5−トリメチル2,4,6−トリス
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3−(3'・5'−ジ
−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕メタン、オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメート、2,2',2'
−トリス〔(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオニルオキシ〕エチルイソシアヌレー
ト、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロ
キシ−2,6−ジ−メチルベンジル〕イソシアヌレー
ト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)
4,4'−ビフェニレンジ亜リン酸エステル、4,4'−チ
オビス−(6−tert−ブチル−O−クレゾール)、2,
2’−チオビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェ
ノール)、トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−tert−ブチルフェニル)ブタン、2,2'−メチレン−
ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
4,4'−メチレン−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフ
ェノール)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−
6−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチ
ル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシ・メチル−
2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert
−4−n−ブチルフェノール、2,6−ビス(2'−ハイ
ドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルペンジル)
−4−メチルフェノール、4,4'−メチレン−ビス−
(6−tert−ブチル−O−クレゾール)、4,4'−ブチ
リデン−ビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、
3・9−ビス{1・1−ジメチル−2−〔β−(3−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
ピオニルオキシ〕エチル}2,4・8,10−テトラオキサ
スピロ〔5,5〕ウンデカンなどがあげられる。これら
の中でも融点が100℃以上、好ましくは110℃以
上、特に好ましくは120℃以上、最も好ましくは13
0℃以上の酸化防止剤である。また、フェノール系酸化
防止剤と燐系酸化防止剤と併用することが効果的であ
る。
【0105】上記ビタミンE(トコフェロール)は、人
体に対しても安全であり、酸化防止作用の他に、カーボ
ンブラック等の遮光性物質と併用すると遮光能力をカー
ボンブラック等の遮光性物質単独添加の場合より10%
以上向上させ、かつ、分散性も向上させるので遮光性物
質の添加量を10%以上減少させても同等の遮光性を有
する成形品を得ることができるので、物理強度向上、外
観向上、材料費削減等各種の効果が発揮されるので好ま
しい。
【0106】代表的な市販の酸化防止剤の代表例を以下
に示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0107】(1) フェノール系酸化防止剤;SUMI
LIZER BHT(住友)、YOSHINOX BHT
(吉富)、IRGANOX 1076(チバガイギ
ー)、MARK AO−50(アデカ・アーガス)、S
UMILIZER BP−76(住友)、TOMINOX
SS(吉富)、IRGANOX 565(チバガイギ
ー)、NONOX WSP(ICI)、SANTONO
X(Monsanto)、SUMILIZER WX R
(住友)、ANTAGECRYSTAL(川口)、IRG
ANOX 1035(チバガイギー)、ANTAGE W
−400(川口)、NOCLIZER NS−6(大内
新興)、IRGANOX 1425 WL(チバガイギ
ー)、MARK AO−80(アデカ・アーガス)、SU
MILIZER GA−80(住友)、TOPANOL
CA(ICI)、MARK AO−30(アデカ・アー
ガス)、MARK AO−20(アデカ・アーガス)、
IRGANOX 3114(チバガイギー)、MARK
AO−330(アデカ・アーガス)、IRGANOX 1
330(チバガイギー)、CYANOX 1790(AC
C)、IRGANOX 1010(チバガイギー)、MA
RK AO−60(アデカ・アーガス)、SUMILI
ZER BP−101(住友)、TOMINOX TT
(吉富)等
【0108】(2) 燐系酸化防止剤;IRGAFOS
168(チバガイギー)、MARK 2112(アデカ・
アーガス)、WESTON 618(ボルグワーナー)、
MARK PEP−8(アデカ・アーガス)、ULTR
ANOX 626(ボルグ・ワーナー)、MARK PE
P−24G(アデカ・アーガス)、MARK PEP−
36(アデカ・アーガス)、HCA(三)等
【0109】(3) チオエーテル系酸化防止剤;DLT
DP "YOSHITOMI"(吉富)、SUMILIZ
ER TPL(住友)、ANTIOX L(日油)、DM
TD "YOSHITOMI"(吉富)、SUMILIZE
R TPM(住友)、ANTIOX M(日油)、DST
P "YOSHITOMI"(吉富)、SUMILIZER
TPS(住友)、ANTIOX S(日油)、SEEN
OX 412S(シプロ)、MARK AO−412S
(アデカ・アーガス)、SUMILIZER TP−D
(住友)、MARK AO−23(アデカ・アーガス)、
SANDSTAB P−EPQ(サンド)、IRGAFO
SP−EPQ FF(チバガイギー)、IRGANOX
1222(チバガイギー)、MARK 329K(アデカ
・アーガス)、WESTON 399(ボルグ・ワーナ
ー)、MARK 260(アデカ・アーガス)、MAR
K 522A(アデカ・アース)等
【0110】(4) 金属不活性化剤 NAUGARD XL−1(ユニロイヤル)、MARK
CDA−1(アデカ・アーガス)、MARK CDA−
6(アデカ・アーガス)、LRGANOX MD−10
24(チバガイギー)、CUNOX(三井東圧)等
【0111】感光材料の写真性に悪影響を与えることが
少なく、経時により着色して遮光能力が向上し、比較的
安価なので特に好ましい酸化防止剤はフェノール系の酸
化防止剤であり、市販品としてはチバガイギー社のイル
ガノックス各種(代表例:イルガノックス1010とイ
ルガノックス1076)と住友化学(株)のSumili
zer BHT,Sumilizer BH−76, Su
milizer WX−R,Sumilizer BP−
101等である。また、2,6−ジ−ヒブチル−p−ク
レゾール(BHT)、低揮発性の高分子量フェノール型酸
化防止剤(商品名:Ireganox 1010,Ir
eganox 1076, TopanolCA,Ion
ox 330等)、ジラウリルチオジプロピオネート、
ジステアリルチオプロピオネート、ジアルキルフォスフ
ェート等の1種以上、特に2種以上を併用するのが効果
的である。特にイルガノックス1010とイルガノック
ス1076を併用することが劣化防止効果が大きいにも
かかわらず写真性に悪影響を与えることが小さい点で好
ましい。
【0112】特に遊離基連鎖停止剤の代表例である融点
が100℃以上、好ましくは110℃以上、特に好まし
くは120℃以上、最も好ましくは130℃以上の前記
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の少なくとも1種
と、過酸化物分解剤である燐系酸化防止剤の少なくとも
1種とを併用して用いることが感光材料の写真性をあま
り悪化させずに樹脂や添加剤の熱劣化防止効果を高める
ことができるので好ましい。
【0113】本発明の酸化防止剤の中で好ましい燐系酸
化防止剤の一つである有機環状燐化合物の代表的一般式
を以下に記載する。
【0114】
【化1】
【0115】{式中、R1は第三ブチル基または第三ア
ミル基を示し、R2は炭素原子数1〜9のアルキル基を
示し、R3は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキ
ル基を示し、R4は炭素原子数1〜30のアルキル基ま
たは炭素原子数6〜15のアリール基を示す。}
【0116】
【化2】
【0117】{式中、R1は第三ブチル基または第三ア
ミル基を示し、R2は炭素原子数1〜9のアルキル基を
示し、R3は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキ
ル基を示し、R4は炭素原子数1〜30のアルキル基ま
たは炭素原子数6〜15のアリール基を示す。}
【0118】
【化3】
【0119】{式中、R2は炭素原子数1〜9のアルキ
ル基を示し、R3は水素原子または炭素原子数1〜4の
アルキル基を示し、Mはアルカリ金属を示す。}
【0120】
【化4】
【0121】{式中、R3は水素原子または炭素原子数1
〜4のアルキル基を示し、R5及びR6はそれぞれ水素原
子、炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基またはアラルキル基を示し、Xは−OH
基または−O-NH4 +を示す。}
【0122】その他、プラスチック データ ハンドブッ
ク(KK工業調査会発行)の794〜799ページに開示
された各種酸化防止剤やプラスチック添加剤データー集
(KK化学工業社)の327〜329ページに開示され
た各種酸化防止剤やPLASTICSAGE ENCYCLOPEDIA進歩編、
1986(KKプラスチック・エージ)の211〜21
2ページに開示された各種酸化防止剤等があり写真性へ
の影響、酸化防止効果等から選択して用いることが可能
である。これらの酸化防止剤は、単独で又は2種以上を
組み合わせて用いることが写真性に悪影響を与えないよ
うにするために本発明では必須であるが、酸化防止や劣
化防止に必要な必要最少量にすることが写真性を良好に
維持するために好ましい。
【0123】酸化防止剤の含有量は、0.0005〜
5.0重量%が好ましく、0.001〜3.0重量%が
より好ましく、0.002〜1.0重量%が最も好まし
い。配合量が0.005重量%未満では、添加効果がな
く混練費用を要するだけであり、また、配合量が5.0
重量%を越えると、酸化、還元作用を利用する感光材料
の写真性に悪影響を及ぼすとともに成形品表面にブリー
ドアウトして外観を悪化させることがある。
【0124】ラジカル捕獲剤としては、1・1−ジフェ
ニル−2−ピクリルヒドラジル、1・3・5−トリフェ
ニルフェルダジル、2・2,6・6−テトラメチル−4
−ピペリドン−1−オキシル、N−(3−N−オキシア
ニリノ−1・3−ジメチルブチリデン)−アニリンオキ
シド、塩化第二鉄などのような高原子価金属塩、ジフェ
ニルピクリルヒドラジン、ジフェニルピクリルヒドラジ
ン、ジフェニルアミン、ハイドロキノン、t−ブチルカ
テコール、ジチオベンゾイルジスルフィド、p・p'−
ジトリルトリスルフィド、ベンゾキノン誘導体、ニトロ
化合物、およびニトロソ化合物などを挙げることができ
る。これらのうちでも、ハイドロキノンを用いることは
特に好ましい。また、上記のラジカル捕獲剤は単独で用
いてもよく、あるいは数種類を併用してもよく、または
他の劣化防止剤の1種以上と併用することもできる。
【0125】ラジカル捕獲剤の配合量は、100〜1
0,000ppmが好ましく、500〜5,000pp
mがより好ましい。配合量が100ppm未満である
と、添加効果がなく混練費用を要するだけである。ま
た、配合量が10,000ppmを越えると、感光材料
の写真性に悪影響を及ぼすことがあったり、成形品の表
面にブリードアウトして外観を悪化させることがある。
前記酸化防止相乗効果剤に付いて説明する。
【0126】酸化防止相乗効果剤の配合量は、0.00
1〜10.0重量%、好ましくは0.005〜7.0重
量%、特に好ましくは0.01〜5.0重量%、最も好
ましくは0.05〜3.0重量%である。配合量が0.
001重量%未満では、添加効果がなく混練費用を要す
るだけであり、また、配合量が10.0重量%を越える
と、酸化・還元作用を利用する感光材料の写真性に悪影
響を及ぼすことがあったり、成形品の表面にブリードア
ウトして外観を悪化させる。前記紫外線吸収剤に付いて
説明する。
【0127】紫外線吸収剤を添加することにより、劣化
を防止することができる。紫外線吸収剤の添加量は、
0.001〜10重量%が好ましく、0.005〜5重
量%がより好ましく、0.1〜3重量%が最も好まし
い。添加量が0.001重量%未満であると、十分な紫
外線吸収効果を発揮することができず、添加量が10重
量%を超えると、ブリードアウトが発生し、感材料の写
真性に悪影響を与えるものである。
【0128】紫外線吸収剤としては、例えば、以下に記
載するものがある。 サリチル酸系紫外線吸収剤 Phenylsalicylate、p-t-Butylphenylsalicylate 、p-Oc
tylphenylsalicylate 、
【0129】 ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、 2,4-Dihydroxybenzophenone 、2-Hydroxy-4-methoxyben
zophenone 、2-Hydroxy-4-octoxybenzophenone、2-Hydr
oxy-4-dodecyloxybenzophenone、2,2'-Dhydroxy-4-meth
oxybenzophenone 、2,2'-Dihydoxy-4,4'-dimethoxybenz
ophenone、2-Hydroxy-4-methoxy-5-sulfobenzophenone
【0130】 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 2-(2'-Hydroxy-5'-methylphenyl)benzotriazole 、2-
(2'-Hydroxy-5'-t-butylphenyl)benzotriazole、2-(2'-
Hydroxy-3',5'-di-t-butylphenyl)benzotriazole、2-
(2'-Hydroxy-3'-t-butyl-5'-methylphenyl)-5-chlorobe
nzotriazole 、2-(2'-Hydroxy-3',5'-di-t-butylpheny
l)-5-chlorobenzotriazole 、2-(2'-Hydroxy-3',5'-di-
t-amylphenyl)benzotriazole 、2-(2'-Hydroxy-4'-octo
xyphenyl)benzotriazole 、2-[2'-Hydroxy-3'-(3'',
4'',5'',6''-tetrahydro-phthal imidemethyl)-5'-meth
ylphenyl]-benzotriazole、2,2-Methylene-bis[4-(1,1,
3,3-tetramethylbutyl)-6-(2H-benzotriazole-2-il)phe
nol]、
【0131】 シアノアクリレート系紫外線吸収剤 2-Ethylhexyl-2-cyano-3,3'-di-phenylacrylate;2-Ethy
l-2-cyano-3,3'-diphenylacryate 前記老化防止剤に付いて説明する。
【0132】老化防止剤としては、フェニル−β−ナフ
チルアミンなどのナフチルアミン系、N−N'−ジフェ
ニルエチレンジアミンなどのジフェニルアミン系、N,
N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミンなどのp−
フェニレンジアミン系、6−エトキシ−2,2,4−トリ
メチル−1,2−ジヒドロキナリンなどのヒドロキノン
誘導体、2,6−ジ−第三−ブチル−4−メチルフェノ
ールなどモノフェノール系、2,2'−メチレン−ビス−
(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)などのポリ
フェノール系、4,4'−チオビス−(6−t−ブチル−
3−メチルフェノール)などのチオビスフェノール系、
2−メルカプトベンズイミダゾールなどが例示される
が、これらはそれぞれの特性に応じて任意に配合され
る。しかし、この老化防止剤の配合量は各種ポリオレフ
ィン樹脂やゴム含有芳香族ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂
100重量部に対して0.01重量部以下では充分な老
化防止効果を与えず、10重量部以上とするとこの組成
物に加硫障害や著しいプルームが発生するので、0.0
1〜10重量部の範囲とする必要があるが、好ましい範
囲は0.05〜5重量部であり、特に好ましい範囲は
0.1〜3重量部である。
【0133】なお、これらの老化防止剤はその2種以上
を組合せて使用してもよく、これによればその老化防止
効果を向上させることもできる。前記キレート剤に付い
て説明する。
【0134】キレート剤を添加することにより、写真感
光材料に悪影響を与える有害物質を吸着無害化すること
ができる。
【0135】キレート剤の添加量は、非結晶性樹脂組成
物中に0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜8
重量%、特に好ましくは0.1〜6重量%である。遮光
性物質と併用すると遮光性物質の分散性を改良し、脱臭
効果、写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす物質やガ
スの吸着無害化等の優れた効果を発揮する。
【0136】添加量が0.01重量%未満であると、添
加効果がほとんど発揮されずに混練経費増となるだけで
ある。また、添加量が10重量%を超えると、増量効果
がほとんど発揮されず、材料費増となるだけでなく、感
光材料用包装材料の物理強度を低下させたり、外観を悪
化させる。
【0137】キレート剤としては、カルボン酸型フタロ
シアニン系金属錯体(金属フタロシアニンテトラカルボ
ン酸、金属フタロシアニンオクタカルボン酸等)、イミ
ノジ酢酸型キレート樹脂、アミノカルボン酸型キレート
樹脂(EDTA=エチレンジアミン四酢酸等)、ポリア
ミン型キレート樹脂、グルカミン型キレート樹脂、担持
型キレート樹脂、4−ジメチルアミノ−2・6−ピリジ
ンジカルボン酸キレート樹脂、天然ゼオライト(ana
lcime,cha−bazite,heulandi
te,erionite,ferrierite,la
umo−ntite,mordenite等を成分とす
るゼオライト)、合成ゼオライト(A,N−A,X,
Y,hyadroxy sodalite,ZK−5,
B,R,D,T,L,hydroxy,cancrin
ite,W,Zeolaon等の各種の型のゼオライ
ト)、アルミニウムキレート化合物(ジイソプロポキシ
アルミニウムモノオレイルアセトアセテート、モノイソ
プロポキシアルミニウムビスオレイルアセトアセテー
ト、モノイソプロポキシアルミニウムモノエチルアセト
アセテートモノベンジルアセトアセテート、ジイソプロ
ポキシアルミニウムモノステアリルアセトアセテート、
モノイソプロポキシアルミニウムモノメタアクリレート
モノエチルアセトアセテート、モノイソプロポキシアル
ミニウムモノオレイルアルコキシモノエチルアセトアセ
テート等)、イソフタル酸ビス(2−フェノキシプロピ
オニルヒドラジド)、3−サリシロイルアミノ−1,
2,4−トリアゾール、ビス〔3−(3,5−ジ第三ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジ
ン、蓚酸ビス(ベンジリデンヒドラジド)、ビス(サリ
シロイルヒドラジン)、N−サリシリデン、N'−サリ
シロイルヒドラジン、N,N'−ジサリシリデン−1,
2−プロピレンジアミン、エチレンジアミンテトラ酢酸
及びそのアルカリ金属塩、N,N’−ビス〔3,(3,5
−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシエチル〕蓚酸ジアミド、ドデカン二酸ビス(N'
−サリシロイルヒドラジン)、3,9−ビス〔2−
(2,4−ジアミノトリアジン−6−イル)エチル〕−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウン
デカン等が代表的なものである。
【0138】感光材料の写真性に悪影響を及ぼすことが
少なく二種以上の樹脂を混合した場合相溶性を改善して
物性向上、外観向上を達成することができ、遮光性物質
の分散性も向上できるので特に好ましいキレート剤はエ
チレンジアミンテトラ酢酸金属(I族,II族あるいは
III族)塩である。好ましい金属塩は、二ナトリウム
塩,三ナトリウム塩,四ナトリウム塩,二カリウム塩,
三カリウム塩,四カリウム塩,二ナトリウム−マグネシ
ウム塩,二ナトリウム−カルシウム塩、二ナトリウム−
鉄塩、二ナトリウム−亜鉛塩、二カリウム−マグネシウ
ム塩等である。本発明では上記のキレート剤の他に以下
のキレート作用を有する物質もキレート剤として含む。
これらの物質の代表例としては、けい藻土、活性白土、
合成ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸カルシウム、合成
ケイ酸マグネシウムがある。熱可塑性樹脂中への良好な
分散性確保の点から平均粒子径は0.1〜10μm、好
ましくは0.1〜7μm、特に好ましくは0.1〜5μ
mのものである。分散性向上の点で前記遮光性物質の表
面被覆物質(1)〜(19)を併用することにより表面被覆
状態で使用することが好ましい。前記アルカリ土類金属
化合物に付いて説明する。
【0139】アルカリ土類金属塩の中で写真性に悪影響
が少なく樹脂劣化防止作用の大きい代表例としては、塩
化カルシウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム、塩化バ
リウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、硫酸マグネシウム、炭酸バリウム等がある。
【0140】特に物理強度、写真性、射出成形機の防蝕
性等が優れている点から粒子径が0.01〜3μmの炭
酸カルシウムが好ましく、最も好ましいのは粒子径が
0.02〜1μmの炭酸カルシウムである。熱可塑性樹
脂中への分散性向上と写真性良化のために遮光性物質の
表面被覆物質(1)〜(19)で炭酸カルシウムの表面を被
覆して用いることが好ましい。(ミクログリッド等の発
生防止)
【0141】アルカリ土類金属塩の含有量は0.1〜4
9.9重量%、好ましくは0.2〜20重量%である。
含有量が0.1重量%未満では効果がなく混練経費増と
なるだけであり、49.9重量%を越えると、分散性が
悪化し、ミクログリッドの発生が多くなり外観が悪化す
る。さらに物理強度も低下し感光材料用包装材料として
は実用化困難である。前記含水複塩化合物に付いて説明
する。
【0142】含水複塩化合物として特に好ましい代表例
を示すと一般式が Mxy(OH)2x+3y-2z(A)z・aH2O {MはMg、Ca又はZn、RはAl又はCr又はFe、
AはCO3又はHPO4、x、y、z、aは正数}で示さ
れる複塩であるハイドロタルサイト化合物であり、具体
例の代表例を示すと、Mg6Al2(OH)16CO3・4H
2O、Mg8Al2(OH) 20CO3・5H2O、Mg5Al2(O
H)14CO3・4H2O、Mg10Al2(OH)22(CO3)2
4H2O、Mg6Al2(OH)16HPO4・4H2O、Ca6
2(OH)16CO3・4H2O、Zn6Al2(OH)16CO3
・4H2O、Zn6Al6(OH)16CO3・4H2O、Mg
4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O等がある。
【0143】また一般式が M(1-x)・Alx・(OH)2・Xx/n・mH2O {ただし式中、Mはアルカリ土類金属およびZnを示
す。Xはn価のアニオンを示す。
【0144】そして、xおよびmは下記式の条件を満足
する。 0<x<0.5 0≦m≦ 2 } で表わされる屈折率1.40〜1.60、好ましくは
1.45〜1.55の範囲であるハイドロタルサイト類
化合物である。
【0145】上記式においてXで表わされるn価のアニ
オンの例としては、Cl-、Br-、I-、NO3 -、ClO
4 -、SO4 2-、CO3 2-、SiO3 2-、HPO4 2-、HBO3
2-、PO4 3-、Fe(CN)6 3-、Fe(CN)4 4-、CH3CO
-、C64(OH)COO-
【0146】
【化5】
【0147】
【化6】
【0148】
【化7】
【0149】
【化8】 などの如きアニオンを例示する事ができる。
【0150】さらにまた一般式が例えば、一般式Mg1-x
Alx(OH)2x/2・mH2Oで示されるマグネシウムと
アルミニウムから成るハイドロタルサイト類である。
{式中、Xは0<x≦0.7の範囲の実数であり、Aは
CO3を示し、mは実数を示す。}
【0151】好ましい具体例を以下に示す。 Mg0.7Al0.3(OH)2(CO3)0.15・0.54H2O Mg0.67Al0.33(OH)2(CO3)0.165・0.5H2O Mg0.67Al0.33(OH)2(CO3)0.165・0.2H2O Mg0.6Al0.4(OH)2(CO3)0.2・0.42H2O Mg0.75Al0.25(OH)2(CO3)0.125・0.63H2O Mg0.83Al0.17(OH)2(CO3)0.085・0.4H2O 等
【0152】その他上記ハイドロタルサイト類化合物を
焼成処理して、結晶構造中の水分を処理前の全重量に対
し5〜35重量%の範囲内に減量せしめたハイドロタル
サイト類化合物の焼成処理品やハイドロタルサイト類化
合物1モル当り過塩素酸1.5〜3モルの割合で反応さ
せて得られる過塩素酸イオン型ハイドロタルサイト類化
合物等の特殊処理したハイドロタルサイト類化合物も好
ましい。
【0153】これらの含水複塩化合物は、天然物であっ
ても、合成品であってもよい。ハイドロタルサイト類化
合物の具体的な合成方法としては、特公昭46−228
0号公報及び特公昭50−30039号公報等に開示さ
れている公知の方法も使用できる。
【0154】本発明では特にハイドロタルサイト数化合
物が好ましく、その結晶構造、結晶粒子径に制限される
ことなく使用可能である。
【0155】ハイドロタルサイト類化合物の天然品とし
ては、ハイドロタルク石、スチヒタイト、パイロオーラ
イト等がある。これらの含水複塩化合物は単独で使用し
ても、2種以上混合してもよい。特に、各種酸化防止剤
や各種脂肪酸金属塩と併用することが好ましい。
【0156】本発明で使用が好ましい含水複塩化物とし
て使用する上記ハイドロタルサイト類化合物は、特に限
定されるものではないが、射出成形等の加工性、物性等
を特に向上させるためには平均2次粒子径が20μm以
下、好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以
下、BET比表面積が50m2/g以下、好ましくは4
0m2/g以下、特に30m2/g以下が好ましい。
【0157】含水複塩化合物の含有量は0.001〜5
重量%であり、好ましくは0.005〜3.5重量%、
特に好ましくは0.01〜2重量%、最も好ましくは
0.05〜1重量%である。0.001重量%未満では
製造時や加工時の防蝕防止効果がなく、熱安定性改善の
効果がなく、成形品が着色したり、樹脂劣化を生じる。
5重量%を越えると成形品に発泡が生じるようになった
り、ブツが発生したり、光沢が落ち外観が悪いものとな
る。
【0158】本発明においてハイドロタルサイト類化合
物は表面処理剤で処理して利用するのが好ましい。表面
処理する事により、樹脂に対する分散性ないし親和性が
一層向上し、射出成形等の加工適性、物性等も向上す
る。
【0159】このような表面処理剤の例としては、例え
ば、ラウリル酸ソーダ、ラウリル酸カリウム、オレイン
酸ソーダ、オレイン酸カリウム、オレイン酸カルシウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ソーダ、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カリウム、パルミチン
酸ソーダ、パルミチン酸カリウム、カプリン酸ソーダ、
カプリン酸カリウム、ミリスチン酸ソーダ、ミリスチン
酸カリウム、リノール酸ソーダ、リノール酸カリウムな
どのような高級脂肪酸の金属塩類;ラウリル酸、パルミ
チン酸、オレイン酸、ステアリン酸、カプリン酸、ミリ
スチン酸、リノール酸などの如き高級脂肪酸類;ドデシ
ルベンゼンスルホン酸カルシウム、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム等の有機スルホン酸金属塩類;イソ
プロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネー
ト、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイ
ト)チタネート、ビニルトリエトキシシラン、ガンマメ
タクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマグ
リシドオキシプロピルトリメトキシシランなどのような
カップリング剤類、高級脂肪酸アミド類、高級脂肪酸エ
ステル類、シリコーン類、ワックス類の各種滑剤などを
例示することができる。その他、前記遮光性物質の表面
被覆物質の代表例(1)〜(19)から選択して使用するこ
とができる。
【0160】これら表面処理剤による表面処理は、たと
えば、温水にハイドロタルサイト類化合物を懸濁した状
態のところに、攪拌下に、高級脂肪酸のアルカリ金属塩
の水溶液を加える事により、或いは、ハイドロタルサイ
ト類化合物の粉末をヘンシェルミキサー等の混合機によ
り攪拌下、高級脂肪酸の融液とか、カップリング剤の希
釈液を滴下することにより行うことができる。これら表
面処理剤の量は適宜に選択変更できるが、ハイドロタル
サイト類化合物に対して、約0.01〜50重量%、好
ましくは0.05〜35重量%、特に好ましくは0.1
〜20重量%、最も好ましくは0.5〜10重量%程度
が適当である。
【0161】さらにハイドロタルサイト類化合物の分散
をより良好にするために例えばソルビタンモノステアレ
ートのようなソルビタン脂肪酸エステルやグリセリンモ
ノステアレートのようなグリセリン脂肪酸エステルなど
を分散剤として組成に0.01〜10重量%、好ましく
は0.05〜8重量%、特に好ましくは0.08〜5重
量%、最も好ましくは0.1〜3重量%添加してもよ
い。含水複塩化合物と併用することにより、加工安定
性、射出成形機の金属表面の防蝕効果が向上し、成形品
の着色や、樹脂劣化を防止し、透明度を向上し、物理強
度低下を防止し、樹脂焼けによるブツの発生を防止する
作用等を相乗的に向上するフェノール系酸化防止剤や燐
(ホスファイト)系酸化防止剤及び脂肪酸金属塩から成
る群より選択された1種以上の安定剤と併用することが
特に好ましい。特にハイドロタルサイト類化合物と脂肪
酸金属塩を併用することが上記効果を効率的に相乗的に
発揮させる点で好ましい。
【0162】この場合、感光材料に悪影響を及ぼさない
ようにするためには、 フェノール系酸化防止剤を0.0005〜5重量
%、好ましくは0.001〜3重量%、特に好ましくは
0.002〜1重量%添加する。
【0163】 燐系酸化防止剤0.0005〜5重量
%、好ましくは0.001〜3重量%、特に好ましくは
0.002〜1重量%添加する。
【0164】 含水複塩化合物及び/又は脂肪酸金属
塩(金属石けん)を0.0005〜10重量%、好まし
くは0.001〜5重量%、特に好ましくは0.002
〜3重量%添加する。
【0165】且つ++の合計含有量が0.001
〜20重量%、好ましくは0.002〜10重量%、特
に好ましくは0.003〜7重量%、最も好ましくは0.
005〜5重量%感光材料用包装材料中に含まれるよう
にする。いずれにしても樹脂劣化を防止できる最少量添
加することが写真性能を悪化させず、コストアップを抑
制する点からも好ましい。
【0166】本発明の感光材料用包装材料には、脂肪酸
金属塩を添加することができる。脂肪酸金属塩を添加す
ることにより、ブリードアウトの減少、有機造核剤の飛
散防止、有機造核剤の分散性の向上などを図ることがで
きる。また、この脂肪酸金属塩は、遮光性物質の分散性
及び成形性を向上させ、さらに、樹脂中に含まれる感光
材料の写真性に悪作用するハロゲン化物を中和して無害
化するので写真性も良化するものである。特に、チーグ
ラー・ナッタ触媒〔(TiCl3・Al(CH3)3等のアル
キルアルミニウムを主成分とする〕等を使用して重合す
る樹脂が含まれている場合、触媒が分解する際に発生す
る塩酸等を捕捉して写真性を良化させる働きをする。
【0167】この脂肪酸金属塩としては、カプロン酸、
カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、
ステアリン酸、乳酸、コハク酸、ベヘニン酸、ベヘン
酸、リノール酸、ステアリル乳酸、ヒドロキシステアリ
ン酸、リシノール酸、ナフテン酸、オレイン酸、モンタ
ン酸、エルシン酸、パルミチン酸、エルカ酸等の炭素数
が6〜50個、好ましくは10〜40個、特に好ましく
は10〜30個の脂肪酸とLi、Na、Mg、Ca、S
r、Ba、Zn、Cd、Al、Sn、Pb等の金属との
化合物がある。
【0168】脂肪酸金属塩の含有量は、0.005〜1
0.0重量%、0.01〜5.0重量%が好ましく、
0.03〜3.0重量%がより好ましく、0.05〜
1.5重量%が最も好ましい。添加量が0.01重量%
未満では添加効果がほとんどなく、混練費アップになる
だけである。また、添加量が5.0重量%を越えるとブ
リードアウトが発生したり、樹脂とスクリューとのスリ
ップが発生し、吐出量が不安定になり、成形故障が多発
するだけでなく、均一混練性に欠ける。
【0169】本発明の感光材料用包装材料には、界面活
性剤を添加することができる。界面活性剤を添加するこ
とにより、帯電防止と滑性向上を確保することができ
る。さらにアルミニウム粉末や遮光性物質や含水複塩化
合物(代表例はハイドロタルサイト類化合物)等の成形
品中への分散性を向上させる。
【0170】界面活性剤の添加量は、0.01〜5.0重
量%であり、0.05〜3.0重量%が好ましく、0.1
〜1.5重量%がより好ましい。添加量が0.01重量
%未満であると、界面活性剤の添加効果が無く、混練経
費が増えるだけである。また、添加量が5.0重量%を
越えると、溶融樹脂と押出し機のスクリューとのスリッ
プが発生しやすくなり、樹脂の吐出量が不安定になる。
また、成形後の経時によりベトツキやブリードアウトが
発生しやすくなる。さらにまたブリードアウトした界面
活性剤が写真感光層に転写して現像阻害を発生させ品質
を低下させる。
【0171】界面活性剤の代表例を以下に示す。 I.ノニオン系(=非イオン系) (1) アルキルアミン誘導体:T−B103(松本油
脂)、T−B104(松本油脂) アルキルアミド型 ポリオキシエチレンアルキルアミン:アーモスタット3
10(ライオン油脂) 3級アミン(ラウリルアミン):アーモスタット400
(ライオン油脂) N,N−ビス(2−ヒドロキシエチルココアミン):ア
ーモスタット410(ライオン油脂) 3級アミン:ANTISTATIC273C、273、
273E(Fine Org.Chem) N-hydroxyhexadecyl-di-ethanol-amine:Belg.
P.654,049 N-hydroxyoctadecyl-di-ethanol-amine:(Natio
nal Dist.)
【0172】(2) 脂肪酸アマイド誘導体:TB−11
5(松本油脂)、エレガンP100(日本油脂)、エリー
クSM−2(吉村油化学) ヒドロキシステアリン酸アマイド シュウ酸−N,N'−ジステアリルアミドブチルエステ
ル:ヘキストポリオキシエチレンアルキルアミド
【0173】(3) エーテル型 ポリオキシエチレンアルキルエーテル RO(CH2CH2O)nH ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 特殊非イオン型:レジスタット104,PE100,1
16〜118(第一工業製薬)、レジスタットPE13
2,139(第一工業製薬)、エレガンE115,ケミ
スタット1005(日本油脂)、エリークBM−1(吉
村油化学)、エレクトロストリッパ−TS,TS2,
3,5,EA,EA2,3(花王石鹸)
【0174】(4) 多価アルコールエステル型 グリセリン脂肪酸エステル:ステアリン酸若しくはヒド
ロキシステアリン酸等のモノ、ジ、またはトリグリセラ
イド、モノグリ(日本樟脳)、TB−123(松本油
脂)、レジスタット113(第一工業製薬) ソルビタン脂肪酸エステル 特殊エステル:エリークBS−1(吉村油化学) 1−ヒドロキシエチル−2−ドデシルグリオキサゾリ
ン:ブリティシュ・セロファン
【0175】II.アニオン系 (1) スルホン酸類 アルキルスルホネート RSO3Na アルキルベンゼンスルホネート アルキルサルフェート ROSO3Na
【0176】(2) リン酸エステル型 アルキルホスフェート
【0177】III.カチオン系 (1) アミド型カチオン:レジスタットPE300,4
01,402,406,411(第一工業製薬)
【0178】(2) 四級アンモニウム塩 第4級アンモニウムクロライド 第4級アンモニウムサルフェート 第4級アンモニウムナイトレート カチミンCSM−9(吉村油化学)、CATANAC6
09(アメリカン・シアナミド)、デノン314C(丸
菱油化)、アーモスタット300(ライオン油脂)、1
00V(アーマー)、エレクトロストリッパ−ES(花
王石鹸)、ケミスタット2009A(日本油脂) Stearamido propyl-dimethyl-β-hydroxyethyl ammoniu
m nitrate:CATANAC・SN(アメリカン・ジア
ナミド)
【0179】IV.両性イオン系 (1) アルキルペタイン型:
【0180】(2) イミダゾリン型:レオスタット5
3,532(ライオン油脂)、AMS 53(ライオン油
脂)、AMS 303,313(ライオン油脂) アルキルイミダゾリン型
【0181】(3) 金属塩型:AMS 576(ライオ
ン油脂) レオスタット826,923(ライオン油脂) (RNR'CH2CH2CH2NCH2COO)2Mg {R≧C,R'=Hまたは(CH2)mCOO−}(ライオ
ン油脂) R=C38炭化水素、A=酸素またはイミノ基、M=有
機アミンまたは金属
【0182】(4) アルキルアラニン型:
【0183】V.その他;レジスタット204,205
(第一工業製薬)、エレガン2E,100E(日本油
脂)、ケミスタット1002,1003,2010(日
本油脂)、エリーク51(吉村油化学)、ALROMI
NE RV−100(ガイギー)、また、プラスチック
データハンドブック(KK工業調査会1984年4月5
日発行)の776〜778ページに開示された各種帯電
防止剤等から種類や添加量を選択して用いることが可能
である。
【0184】以上の界面活性剤の中で写真性及び人身に
与える悪影響が小さく、スタチックマーク防止効果が大
きいので、非イオン(ノニオン)系界面活性剤が特に好
ましい。
【0185】本発明の感光材料用包装材料において遮光
性を確保しようとする際は、遮光性物質及びフィラーの
1種以上を含ませることができる。遮光性物質又はフィ
ラーを含ませることにより、遮光性を確保できる他、カ
メラ本体やシート写真フィルム撮影用ホルダーのように
数年間くり返し使用され、かつ、氷点以下の低温下や真
夏の太陽光下や熱帯地域のように高温下のような過酷な
条件下でも、耐摩擦性、耐熱性、耐寒性、耐衝撃性、耐
傷性を確保することができる。
【0186】遮光性物質及びフィラーの1種以上は、熱
可塑性樹脂中に0.01〜49.9重量%含まれ、好ま
しくは0.05〜20重量%、より好ましくは0.1〜
10重量%である。含有量が0.01重量%未満であれ
ば、遮光性を確保できず、混練経費増となるだけであ
る。また、含有量が49.9重量%を超えると、分散性
が悪化し、ミクログリッド(凝集不純物)の発生が多く
なり、銀条の発生が多くなり、物理強度が著しく小さく
なり実用化困難である。
【0187】遮性物質の代表例を以下に示す。 (1) 無機化合物 A.酸化物…シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチ
モン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライ
ト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アルミナ繊
維等 B.水酸化物…水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム等 C.炭酸塩…炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロ
マイト、ドーソナイト等 D.(亜)硫酸塩…硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫
酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等 E.ケイ酸塩…タルク、クレー、マイカ、アスベスト、
ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カ
ルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト等 F.炭素…カーボンブラック、グラファイト、炭素繊
維、炭素中空球等 G.その他…鉄粉、銅粉、鉛粉、錫粉、ステンレス粉、
パール顔料、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ゼオラ
イト、ポロン繊維、炭化ケイ素繊維、黄銅繊維、チタン
酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜鉛、メタ
ホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウ
ム、アルミニウムペースト等
【0188】これらの無機化合物の中から選択された遮
光性物質の一つ以上を含む感光材料用包装材料が耐熱
性、良好な写真性を有する遮光性を確保できる点で好ま
しい。これらの点で上記の中で比重が1.5〜8.0、
硬度(モース硬度)が1.0〜9.5、pHが4.5〜
9.5、耐熱性が100℃以上、平均粒子径が10μm
以下、屈折率が1.50以上、DBP吸油量が10ml
/100g以上の無機化合物系遮光性物質が好ましく、
特に比重が1.7〜6.0、硬度が1.2〜7.0、pHが
5.5〜8.5、耐熱性が110℃以上、平均粒子径が
8μm以下、屈折率が1.55以上、DBP吸油量が1
5ml/100g以上の無機化合物系遮光性物質が好ま
しい。各特性の測定方法は公知の方法による。
【0189】(2) 有機化合物 木粉(松、樫、ノコギリクズなど)、殻繊維(アーモン
ド、ピーナッツ、モミ殻など)、着色した各種の繊維例
えば木綿、ジュート、紙細片、セロハン片、ナイロン繊
維、ポリプロピレン繊維、デンプン(変性デンプン、表
面処理デンプンも含む)、芳香族ポリアミド繊維等
【0190】これらの遮光性物質のなかで、写真感光材
料の写真性に悪影響を及ぼす硫黄やアルデヒド等を吸着
して影響を減少させたり、滑剤や界面活性剤等を表面に
吸着してブリードアウト量を減少させることができるの
で、各種のカーボンブラックが好ましい。
【0191】好ましいカーボンブラックの市販品の代表
例としては、例えば三菱化成製のカーボンブラック#2
0(B),#30(B),#33(B),#40(B),#41
(B),#44(B),#45(B),#50,#55,#1
00,#600,#950,#1000,#2200
(B),#2400(B),MA8,MA11,MA100
等が挙げられる。海外の製品としては、例えばキャボッ
ト社のBlack Pearls 2,46,70,7
1,74,80,81,607等、Regal300,
330,400,660,991,SRF−S等、Vu
lcan 3,6等、Sterling 10, SO,
V,S,FT−FF,MT−FF等が挙げられる。さら
に、アシュランドケミカル社のUnited R,B
B,15,102,3001,3004,3006,3
007,3008,3009,3011,3012,X
C−3016,XC−3017,3020等が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。
【0192】カーボンブラックを含むことにより、帯電
防止性やブロッキング防止性や遮光性を、物理強度の低
下が少なく、ブツの発生が少なく、感光材料の写真性に
悪影響を及ぼすことなく確保することができる。
【0193】カーボンブラックの含有量は、0.01〜
49.9重量%が好ましく、0.05〜20重量%がよ
り好ましく、0.1〜10重量%が最も好ましい。含有
量が0.01重量%未満であれば、帯電防止性やブロッ
キング防止性や遮光性を確保することができず、混練経
費増となるだけである。含有量が49.9重量%を越え
ると、吸湿量が多くなり成形時に発泡したり、ピンホー
ルや銀条が発生しやすくなるだけでなく、物理強度が著
しく低下し実用化困難である。
【0194】カーボンブラックの原料による分類例をあ
げるとガスブラック、ファーネスブラック、チャンネル
ブラック、アントラセンブラック、アセチレンブラッ
ク、ケッチェンカーボンブラック、サーマルブラック、
ランプブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジ
タブルブラック等がある。本発明では遮光性確保、低コ
スト、物理強度向上、写真特性に悪影響を及ぼさない等
の目的ではファーネスカーボンブラックが好ましく、高
価であるが帯電防止効果を有する遮光性物質としてはア
セチレンカーボンブラック、導電性カーボンブラック、
グラファイト、変性副生カーボンブラックであるケッチ
ェンカーボンブラックが好ましい。必要により前者と後
者を必要特性に従ってミックスすることも好ましい。
【0195】本発明の感光材料用包装材料においては、
使用する上で感光材料に対しカブリの発生がなく、感光
度の増減の発生が少なく、遮光能力が大きくポリオレフ
ィン樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、L−L
DPE樹脂フィルム等に添加した場合でもカーボンブラ
ックの固り(ブツ)の発生やフィッシュアイの発生等が
ほとんどなく、遮光性フィルム中にピンホールが発生し
にくい点で、カーボンブラックの中でもpH(JIS
K 6221で測定)が6.0〜9.0、好ましくは
6.5〜8.5、平均粒子径(電子顕微鏡法で測定)が
10〜120mμ、特に12〜70mμのものが好まし
く、これらの中でも特に揮発成分(JIS K6221で
測定)が3.5%以下、最も好ましくは1.5%以下、
DBP吸油量(JIS K 6221の吸油量A法で測
定)が50ml/100g以上、最も好ましくは70m
l/100g以上のファーネスカーボンブラックであ
る。
【0196】チャンネルカーボンブラックは高価な上
に、pHが3前後と酸性であり、且つ揮発成分が5.0
%をこえるものがほとんどで感光材料にカブリや感度異
常を発生させるものが多く好ましくない。ランプブラッ
クもpHが5.0以下のものがほとんどで写真性に悪影
響を及ぼすので、どうしても使用する必要がある場合で
も写真性に悪影響を及ぼさないように、写真性に悪影響
を及ぼす物質と反応したり、吸着する物質と併用した
り、写真性に及ぼす影響を調査して使用可能なものだけ
を選択すべきである。また、ASTM D 1619−6
0の測定方法による硫黄成分は0.9%以下、好ましく
は0.7%以下にしないとカブリや感度異常の発生等写
真性に悪影響を及ぼす場合がある。特に、感光材料の写
真性に悪影響を及ぼす遊離硫黄成分は0.1%以下、最
も好ましくは0.05%以下のものを選択することが好
ましい。写真性を悪化させるシアン化合物含有量(測定
方法は後述する)は、20ppm以下、好ましくは10
ppm以下、より好ましくは5ppm以下のファーネス
カーボンブラックを選択する。写真性を悪化させるホル
ムアルデヒド含有量は60ppm以下、好ましくは50
ppm以下、より最も好ましくは40ppm以下、最も
好ましくは30ppm以下のカーボンブラックを選択す
ることが好ましい。
【0197】耐摩耗性及び補強性が好ましいカーボンブ
ラックは、ヨウ素吸着量(JIS K6221で測定)が
20mg/g以上、好ましくは30mg/g以上、特に
好ましくは35mg/g以上で、かつジブチルフタレー
ト(DBP)吸油量(JISK 6221で測定)が5
0ml/100g以上、好ましくは60ml/100g
以上、特に好ましくは70ml/100g以上のもので
ある。
【0198】特に写真性、熱可塑性樹脂への分散性、コ
スト、遮光能力、樹脂劣化防止性、樹脂物理強度低下防
止性、安定入手性等も考えるとpHが6.0〜9.0、
平均粒子径が12〜70mμで且つ上記ヨウ素吸着量と
DBP吸油量を有するファーネスカーボンブラックが最
適である。
【0199】導電性カーボンブラックとして特に好まし
いものは、写真性に悪影響を与えず、本発明の数平均分
子量が1万未満の有機化合物を配合した熱可塑性樹脂組
成物中に略均一に分散可能で、表面比抵抗(タケダ理研
製,デジタルマルチメーターにより両電極間の距離を1
cmとし、12cm四方に切り出したシート表面にて、
10箇所の表面比抵抗を測定し、対数平均をとった値)
が1012Ω以下にすることが可能な平均粒子径が12〜
50mμ、DBP吸油量が100ml/100g以上、
pHが7±0.5のファーネスカーボンブラックであ
る。市販品の代表例としては三菱化成製の#3050、
#3150、#3250、#3750、#3950等が
ある。又、写真性、導電性が優れた純粋なアセチレンガ
スの熱分解によって製造されるpHが5.5〜8.5、
揮発分が0.8%以下、DBP吸油量が70ml/10
0g以上のアセチレンブラックは特に好ましい。
【0200】カーボンブラックの次に好ましい遮光性物
質は、Larsenの油浸法で測定した屈折率が1.5
0以上の無機顔料と各種の金属粉末、金属フレーク、金
属ペースト、金属繊維及び炭素繊維である。好ましい屈
折率が1.50以上の無機顔料と金属粉末の代表例を以
下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。( )内の数字は屈折率を示す。屈折率が1.50以
上の無機顔料としては、ルチル型酸化チタン(2.7
5)、炭化ケイ素(2.67)、アナターゼ型酸化チタ
ン(2.52)、酸化亜鉛(2.37)、酸化アンチモ
ン(2.35)、鉛白(2.09)、亜鉛華(2.02)、
リトポン(1.84)、ジルコン(1.80)、コランダム
(1.77)、スピネール(1.73)、アパタイト
(1.64)、バライト粉(1.64)、硫酸バリウム
(1.64)、マグネサイト(1.62)、ドロマイト
(1.59)、炭酸カルシウム(1.58)、タルク
(1.58)、硫酸カルシウム(1.56)、無水ケイ
酸(1.55)、石英粉(1.54)、水酸化マグネシ
ウム(1.54)、塩酸性炭酸マグネシウム(1.5
2)、アルミナ(1.50)等がある。特に好ましいも
のは、屈折率が1.56以上、最も好ましいものは1.
60以上の遮性物質である。
【0201】屈折率が1.50未満のケイ酸カルシウム
(1.46)、ケイ藻土(1.45)、含水ケイ酸(1.4
4)等は遮光能力が小さいので多量の添加が必要で遮光
性物質としての使用は好ましくない。また、最近の海外
旅行ブームにより空港での手荷物検査でX線を用いた検
査機にISO感度が400以上の高感度写真フィルムを
通過させるとX線によりカブリが発生しやすくなる。こ
れを防止するために比重が3.1以上、好ましくは3.
4以上、特に好ましくは4.0以上の遮光性物質を用い
ることが好ましい。これらの比重が3.1以上、好まし
くは3.4以上、特に好ましくは4.0以上の遮光性以
外にX線遮断性を有する遮光性物質の使用形態は以下に
代表例を例示したものに限定されず、いかなる形態、例
えば顔料、粉末、フレーク、ウィスカー、ファイバー等
であってもよい。比重が3.1以上の遮光性物質の代表
例としては炭化ケイ素、硫酸バリウム、二硫化モリブデ
ン、酸化鉛(鉛白)、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシ
ウム、チタン酸バリウム、銅粉末、鉄粉末、黄銅粉末、
ニッケル粉末、銀粉末、鉛粉末、鋼粉末、亜鉛粉末、タ
ングステンウィスカー、窒化けい素ウィスカー、銅ウィ
スカー、鉄ウィスカー、ニッケルウィスカー、クロムウ
ィスカー、ステンレス粉およびウィスカー、マグネサイ
ト、アパタイト、スピネール、コランダム、ジルコン、
三酸化アンチモン、炭酸バリウム、亜鉛華、酸化クロミ
ニウム、錫粉およびこれらの混合物等がある。
【0202】特にX線遮断性を付与するのに好ましい遮
光性物質はジルコン、コランダム、硫酸バリウム、塩化
バリウム、チタン酸バリウム、鉛粉末、酸化鉛(鉄黒
等)、亜鉛粉末、亜鉛華、錫粉末、ステンレス粉末、ス
テンレスウィスカー、酸化鉄、タングステンウィスカ
ー、ニッケルウィスカーである。ISO感度が400以
上の高感度写真フィルム用成形品として特に好ましい遮
光性物質は屈折率が1.50以上、比重が3.1以上で
あり、最も好ましいのは屈折率が1.56以上、比重が
3.4以上の遮性物質である。遮性物質の屈折率及び比
重を表1に示す。
【0203】
【表1】
【0204】また、X線遮断性遮光性物質は、感光材料
に悪影響を与えず、フィルム成形性を悪化させないため
に、100℃、5時間での乾燥減量が好ましくは2.0
重量%以下、より好ましくは1.0重量%以下、最も好
ましくは0.5重量%以下の状態にして使用する。これ
らの状態にするには、洗浄法、精錬法、加熱除去法、真
空除去法、表面処理法等の一つ以上の方法を用いて10
0℃以下の揮発成分を除去したり、水分等の吸着を防止
することにより達成できる。
【0205】ブリードアウトしやすい滑剤や酸化防止剤
や有機造核剤を吸着させたり、脱臭剤、芳香剤、脱酸素
剤等を吸着させる効果を有する吸油性無機顔料の代表例
としては亜鉛華(52)、アスベスチン(50)、クレー
(51)、酸化チタン(56)、カオリン(60)、タルク
(60以上)、カーボンブラック(60以上)、活性炭
等がある。( )内の数字は吸油量(JIS K 622
1の吸油量A法で測定。単位ml/100g)を示す。
【0206】金属粉末(金属ペーストも含む)の代表例と
しては、アルミニウム粉末、アルミニウムペースト、銅
粉末、ステンレス粉末、鉄粉末、ニッケル粉末、黄銅粉
末、銀粉末、錫粉末、亜鉛粉末、スチール粉末等があ
る。
【0207】アルミニウム粉末は、本発明ではアルミニ
ウム粉末及びアルミニウムペーストを含めた意味であ
り、アルミニウム粉末の表面を表面被覆物質で被覆した
ものと、アルミニウムペーストより低揮発物質を除去し
たものを熱可塑性樹脂に混練したものが好ましい。
【0208】ここにアルミニウムペーストとは、ボール
ミル法、スタンプミル法、又はアトマイズ法等の公知の
方法でアルミニウム粉末を作るときに、ミネラルスピリ
ットと少量のステアリン酸又はオレイン酸等の高級脂肪
酸の存在のもとにペースト状に作ったものである。本発
明ではこのアルミニウムペーストと各種芳香族モノビニ
ル樹脂(ポリスチレン樹脂、ゴム含有ポリスチレン樹脂
等)、ポリオレフィン熱可塑性樹脂(各種ポリプロピレ
ン樹脂、各種ポリエチレン樹脂、酸変性樹脂、EVE樹
脂、EEA樹脂、EAA樹脂等)、低分子量のポリオレ
フィン樹脂、パラフィンワックス、粘着付与剤、金属石
けん(脂肪酸金属塩)等の分散剤等を加熱混練し、低揮
発物質(主として悪臭が強いミネラルスピリット、ホワ
イトスピリット)を真空ポンプや加熱等で除去した揮発
物質の含有量が3%以下、好ましくは1%以下、特に好
ましくは0.5%以下のものをアルミニウムペーストコ
ンパウンド樹脂、アルミニウムペーストマスターバッチ
樹脂として使用することが好ましい。
【0209】特にアルミニウムペーストマスターバッチ
樹脂として使用するのが感光材料への悪影響や悪臭をな
くすために好ましい。例えばアルミニウムペースト含有
率40重量%のマスターバツチ樹脂中のミネラルスピリ
ット含有率が1.0重量%であっても、これを感光材料
用包装材料中でのアルミニウムペースト濃度を2重量%
にしようとすると、アルミニウムペーストマスターバッ
チ1重量部に対してナチュラル樹脂19重量部を混練す
ることになり、成形品中には成形中にミネラルスピリッ
トが加熱によりガスとして除去される分もあるのでミネ
ラルスピリット含有量は0.05重量%以下になる。そ
の結果、感光材料への悪影響もなくなる上、悪臭も低減
される。
【0210】遮光性物質中の全硫黄量(ASTM D−1
619)は1.0%以下、好ましくは0.8%以下、特
に好ましくは0.5%以下であり、遊離硫黄分は150
ppm以下、好ましくは50ppm以下、特に好ましく
は30ppm以下であり、ASTM D−1506によ
る灰分量は0.5%以下、好ましくは0.4%以下、特
に好ましくは0.3%以下であり、アルデヒド化合物含
有量は0.2%以下、好ましくは0.1%以下、特に好
ましくは0.05%以下に抑えないと写真性に悪影響を
及ぼすので注意が必要である。
【0211】又はアルデヒド化合物の写真性悪化作用を
減少させる物質の、アミジン化合物のシアノグアニジ
ン、メラミン、アミノ置換アミド、ヒドラジド化合物
{X−R 1、X−R2−X、(X)n−R3の1般式で表さ
れるヒドラジド化合物で式中R1は1価の有機ラジカル
を表し、R2は2価の有機ラジカルを表し、R3は多価の
有機ラジカルを表し、Xは−CONHNH2(ヒドラジ
ド基)を表し、nはR3の原子価数を表す。}2種以上
の含窒素化合物(ポリエステルアミド又はポリアミドと
ヒダントイン誘導体、シチジン、ウリジンの組合せ)、
ウラシール化合物、ポリアミドチオエーテル、第2級又
は第3級芳香族アミン等の1種以上を0.001〜10
重量%、好ましくは0.005〜7.0重量%、特に好
ましくは0.01〜5.0重量%、最も好ましくは0.
02〜3.0重量%配合する。
【0212】さらに、シアン化合物も感光材料の写真性
能に悪影響を及ぼすので、例えば、カーボンブラック等
の遮光性物質を硫酸存在下で還流し、発生したシアン化
水素を0.1規定水酸化ナトリウムでトラップした後、
4−ピリジンカルボン酸・ピラゾロン吸光分析法にて定
量したシアン化水素量を遮光性物質の重量に対するpp
m単位に換算した値が20ppm以下、好ましくは10
ppm以下、特に好ましくは5ppm以下の遮性物質で
ある。
【0213】また、印刷適性(外観や見栄えを良好にす
る)を向上するためには、光反射性遮光性物質を含むこ
とが好ましい。光反射性遮光性物質として好ましい染顔
料の代表例を以下に記載するが本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0214】白色顔料としては二酸化チタン(Ti
2)、硫化亜鉛(ZnS)、亜鉛華(ZnO)、硫酸バリ
ウム(BaSO4)、鉛白(PbO)、リトポン(ZnS+B
aSO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、タルク、ケ
イ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、硫酸カルシウ
ム(CaSO4)、クレー、マイカ、酸化ジルコニウム
(最も好ましい)。
【0215】これらの白色顔料の中で屈折率が2.0以
上である亜鉛華、硫化亜鉛、リトポン、二酸化チタンが
好ましく、特に屈折率が2.5以上である二酸化チタン
が好ましい。これは屈折率が大きいほど白色顔料で散乱
されるの量が大きいからである。
【0216】二酸化チタンの平均粒子径は0.01〜1.
0μm、好ましくは0.05〜0.8μm、より好ましく
は0.10〜0.6μm、最も好ましくは0.15〜0.
40μmである。平均粒子径が0.01未満では高価で
あり、且つ凝集しやすいのでミクログリットも発生しや
すくなり実用化困難である。平均粒子径が1.0μmを
超えると可視光を散乱させる効果が小さく、且つ表面の
凹凸が大きく好ましくない。
【0217】黄色顔料としては、チタンイエロー、クロ
ムイエロー、カドミウムイエロー、オイルイエロー、ク
ロモフタールイエローGR、キノフタロン、ベンジジン
イエロー等がある。
【0218】銀色顔料としては、アルミニウム粉末、ア
ルミニウムペースト、合成真珠粉末、写真感光材料の写
真性に悪影響を及ぼすことがほとんどなく、安価で遮光
能力が大きい点でアルミニウム粉末とアルミニウムペー
ストが好ましく、特に脂肪酸、脂肪酸化合物及び界面活
性剤の1つ以上が0.01〜50重量%、酸化防止剤が
0.01〜2wt%、シリカ、二酸化チタン及び炭酸カ
ルシウムの1つ以上が0.01〜40wt%とアルミニ
ウム粉末及びアルミニウムペーストの1つ以上が0.1
〜30重量%とを含む光反射性の遮性樹脂組成物を用い
た成形品が好ましい。
【0219】遮光性物質を樹脂組成物中に配合する形態
は種々ある。配合形態とその特徴と表2に示す。
【0220】
【表2】 ◎:非常に優れている ○:優れている ●:実用限度 ▲:問題有り、改良必要 ×:実用不可
【0221】これらの配合形態の中で、マスターバッチ
法がコスト、作業場の汚染防止等の点で好ましい。公知
文献の特公昭40−26196号公報では有機溶媒に溶
解した重合体の溶液中にカーボンブラックを分散せしめ
て、重合体−カーボンブラックのマスターバッチをつく
る方法を、特公昭43−10362号公報にはカーボン
ブラックをポリエチレンに分散させてマスターバッチを
つくる方法を述べている。
【0222】本発明において熱可塑性樹脂とマスターバ
ッチを混合して遮光性物質を熱可塑性樹脂組成物中に良
好に拡散させる際は、下記の表3に示す条件に注意する
ことが必要である。
【0223】
【表3】
【0224】遮光性物質(カーボンブラック、アルミニ
ウム粉末、屈折率が1.50以上の無機顔料、比重が
3.4以上の無機顔料、吸油量が50ml/100g以
上の無機顔料が特に好ましい)の樹脂中への分散性向
上、樹脂流動性向上、感光材料に摩擦カブリや圧力カブ
リ、擦り傷等を発生させるミクログリットの発生防止、
写真性に有害な揮発性物質の発生を防止、吸湿度低下、
ダイリップ汚れ防止等のために、その表面を表面被覆物
質で被覆することが好ましい。
【0225】表面被覆物質の代表例を以下に示す。 (1) カップリング剤 アジドシラン類を含むカップリング剤被覆(特開昭
62−32125号公報等に開示) シラン系カップリング剤被覆(アミノシラン等) チタネート系カップリング剤被覆 (2) シリカを沈着させ、つづいてアルミナを沈着被覆 (3) ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、
ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩被覆 (4) ステアリン酸ソーダ、ステアリン酸カリウム、オ
キシ・エチレンドデシル・アミン等の界面活性剤被覆 (5) バリウムイオンの過剰量の存在下に硫化バリウム
水溶液と硫酸水溶液とを反応させ、平均粒子径0.1〜
2.5μmの硫酸バリウムを生成させ、この水スラリー
にケイ酸アルカリ水溶液を加えて硫酸バリウムの表面に
ケイ酸バリウムを生成させ、次いでスラリーに鉱酸を加
え、上記ケイ酸バリウムを含水シリカに分解して硫酸バ
リウム表面に沈着させ被覆 (6) 金属水和酸化物(チタン、アルミニウム、セリウ
ム、亜鉛、鉄、コバルト又はケイ素の水和酸化物の1種
又は2種以上)及び/又は金属酸化物(チタン、アルミ
ニウム、セリウム、亜鉛、鉄、コバルト又はケイ素の酸
化物の1種及び2種以上)のみからなる組成物で表面被
覆 (7) 分子内にアジリジン基、オキサゾリン基及びN−
ヒドロキシアルキルアミド基よりなる群から選択される
1種又は2種以上の反応基を有する重合体を被覆 (8) ポリオキシアルキレンアミン化合物を表面被覆 (9) セリウムカチオン、選択された酸アニオン及びア
ルミナで表面被覆 (10) 置換基にα−ヒドロキシカルボン酸残基を有する
アルコキシチタン誘導体で表面被覆 (11) ポリテトラフルオロエチレンで表面被覆 (12) ポリジメチルシロキサン又はシリコン変性体で表
面被覆 (13) リン酸エステル化合物で表面被覆 (14) 2〜4価アルコールで表面被覆 (15) オレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポ
リプロピレンワックス)で表面被覆 (16) 含水酸化アルミニウムを表面被覆 (17) シリカ又は亜鉛化合物(塩化亜鉛、水酸化亜鉛、
酸化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、クエン酸亜
鉛等の1種又は2種以上組み合わせたもの)で表面被覆 (18) ポリヒドロキシ飽和炭化水素で表面被覆、等。
【0226】上記遮光性物質の表面被覆物質の中でも感
光材料の写真特性に悪影響(カブリ発生、感度異常、発
色異常等)が少なく、遮光性物質の分散性向上、ブツの
発生減少、樹脂の流動性向上等の効果が優れた(1)、
(3)、(12)、(14)、(15)、(16)等が特に好ましい。
【0227】特に、炭素数が20〜40の脂肪族モノカ
ルボン酸と炭素数が20〜40の脂肪族1価アルコール
とのエステル0.001〜2重量%、好ましくは0.0
05〜1重量%、特に好ましくは0.01〜0.5重量
%を添加することにより、上記問題点の防止効果を発揮
できることを見出したものである。これらの遮光性物質
の表面被覆物質は感光材料の写真性に悪影響を減少させ
るだけでなくモーター負荷を小さくし、遮光性物質の分
散性を向上させ、成形性を向上し成形品の外観を優れた
ものにする。
【0228】このようなエステルとしては、炭素数が2
0〜40、好ましくは25〜35の脂肪族モノカルボン
酸と炭素数が20〜40、好ましくは25〜35の脂肪
族1価アルコールのエステルである。
【0229】上記モノカルボン酸の例としては、モンタ
ン酸、メリシン酸、セロチン酸、ブリシン酸、ラクセル
酸等が挙げられる。
【0230】1価アルコールの例としては、モンチルア
ルコール、メリシルアルコール、ラクシルアルコール、
セリルアルコール、ブリシルアルコール等が挙げられ
る。
【0231】これらは、熱可塑性樹脂の流動性を向上さ
せると共に、均一混練を達成せしめるので前記遮光性物
質の表面被覆物質としても非常に優れている。さらに、
無機及び/又は有機造核剤の分散剤として表面被覆に用
いると飛散防止、ブリードアウト防止、均一分散性向
上、樹脂流動性向上等種々の優れた効果を発揮する。
【0232】以上のような表面被覆物質の遮光性物質へ
の表面被覆量は、カーボンブラック又はアルミニウム粉
末等の遮光性物質に対して、0.001〜10重量%、
好ましくは0.005〜5重量%、より好ましくは0.
01〜3重量%、最も好ましくは0.05〜1.5重量
%である。被覆量が0.001重量%以下では被覆効果
がほとんど発揮されない。被覆量が10重量%を越える
と経時でブリードアウトの発生が多くなるとともに樹脂
とスクリューとのスリップが発生して熱可塑性樹脂の吐
出量が変動する結果、厚さのバラツキが大きくなり実用
化困難である。
【0233】カップリング剤をアルミニウム粉末に被覆
したり付着させると、アルミニウム粉末と合成樹脂との
親和性を改善し、アルミニウム粉末の分散性、樹脂組成
物の流動性、防湿性、成形性、物理強度、外観を良好に
し、アルミニウム粉末と合成樹脂間の有害な化学反応を
防止し、さらにアルミニウム粉末の酸化、凝集の防止に
効果がある。
【0234】カップリング剤について説明する。 (1) チタネートカップリング剤化合物 アルミニウム粉末表面に被覆又は付着するチタネートカ
ップリング剤化合物は全重量当り0.01〜5.0重量
%、特に0.1〜3重量%に均一に被覆及び/又は付着
することが好ましい。チタネートカップリング剤化合物
が0.01重量%以下では均一に被覆又は付着すること
が困難となり合成樹脂との親和性ならびに成形時に安定
な合成樹脂充填用アルミニウム粉末が得にくい。一方、
5.0重量%以上になっても添加量の増加による効果の
増大は認められない。しかしアルミニウム粉末と合成樹
脂との混合材料のメルトフローレートなどの流動性は
5.0重量%以上でも良好となる場合はあるが感光材料
の写真性に悪影響を及ぼすようになり、材料費増にもな
るので実用化困難である。
【0235】本発明に用いるチタネートカップリング剤
化合物としては、イソプロピルトリイソステアロイルチ
タネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニル
チタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルパイロホス
フェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオ
クチルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジア
リルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−ドリデシ
ル)ホスフェートチタネートおよびビス(ジオクチルパ
イロホスフェート)オキシアセテートチタネートからの
一種又は二種以上から選択される。
【0236】本発明のアルミニウム粉末のチタネートカ
ップリング剤化合物を被覆又は付着する方法は一般に粉
体を混合もしくは粉体と液体とを混合分散する機械が使
用でき機種に限定されることはない。処理温度も常温で
充分に効果が認められる。また処理雰囲気も大気中で行
なえる。チタネートカップリング剤化合物は液体である
ので単独でアルミニウム粉末に均一に被覆することが可
能である。しかし微量な添加量やチタネートカップリン
グ剤化合物の粘度が高い場合は適当な相溶性のある液体
で希釈してアルミニウム粉末をスラリー状で処理するこ
ともでき、アルミニウム粉末に均一に確実にチタネート
カップリング剤化合物を被覆するにはこの方法が有利で
ある。
【0237】(2) シランカップリング剤化合物 本発明で使用されるシランカップリング剤化合物は、一
般式 R12aSi(OR3)s-n {ここでaは0または1であり、R1はアミノ基、メル
カプト基、ビニル基、エポキシ基またはメタクロキシ基
であり、R2、R3はそれぞれ独立に炭素数1〜8の飽和
炭化水素基またはエーテル基である。}で表されるもの
が代表的である。このシランカップリング剤化合物の具
体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)
シランなどのビニルシラン化合物、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、β−(アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン化合
物、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β
−(3,4−エポキシ−シクロヘキシル)エチルトリメト
キシシランなどのエポキシシラン化合物がある。これら
の中で特に好ましい化合物は、アミノシラン化合物であ
る。
【0238】アルミニウム粉末にシランカップリング剤
化合物を被覆又は付着する方法は、前記チタネートカッ
プリング剤化合物の場合と同じである。
【0239】またアルミニウム粉末に被覆又は付着する
シランカップリング剤化合物の量は前記チタネートカッ
プリング剤化合物と同じである。
【0240】本発明における有機リン酸エステル化合物
は、アルミニウム粉末の表面に吸着することにより、ア
ルミニウム粉末の反応を抑制する表面保護効果を与える
ものである。従ってアルミニウムの酸化防止効果を有す
る好ましい表面被覆物質の1つである。好ましい有機リ
ン酸エステル化合物は、一般式
【0241】
【化9】
【0242】で示される有機リン酸エステル化合物であ
る。ここでRは、炭素数6〜30、好ましくは12〜2
2のアルキル基、炭素数6〜30、好ましくは12〜2
2のアルケニル基または炭素数6〜30、好ましくは1
2〜22のアルキル置換基もしくは炭素数6〜30、好
ましくは12〜22のアルケニル置換基を一つ以上含む
アリール基を表わし、Aは炭素数2〜4、好ましくは2
〜3のアルキレン基を表わし、mは0〜20、好ましく
は1〜15、より好ましくは2〜10であり、R 1およ
びR2は同じであっても、異なっていてもよく、水素、
アルキル基、アルケニル基、アリール基、またはR−
(OA)m {ここにR、Aおよびmは上記で示されるも
の}を表わす。
【0243】R、R1、R2におけるアルキル基またはア
ルケニル基としては、例えば、オクチル、デシル、ラウ
リル、セチル、ステアリル、オレイル、ヘキサデシル、
オクタデシルなどが好ましい。
【0244】R、R4、R2におけるアリール基として
は、例えば、オクチルフェニル、ノニルフェニル、ドデ
シルフェニル、ジノニルフェニルなどが好ましい。Aと
してはエチレン、プロピレンが好ましい。
【0245】具体的な化合物としては、リン酸の首記ア
ルキル、アルケニル、アリールエステル、アルキル、ア
ルケニル、アリール基にエチレンオキシドを付加したも
ののエステルが好ましい。リン酸エステルはモノ、ジ、
トリエステルのいずれであってもよく、これらの混合物
であってもよい。また、種類の異なるリン酸エステルの
混合物であってもよい。
【0246】さらに、これらの有機リン酸エステル化合
物は、水溶液中で酸性を示すため、これにアンモニウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ジブチルアミ
ン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、およびモルフォ
リンなどの無機および有機の塩基性物質で中和して用い
ることができる。
【0247】有機リン酸エステル化合物は、アルミニウ
ム粉末に対して0.1〜30重量%、好ましくは0.5
〜20重量%、特に好ましくは1〜10重量%の範囲で
使用される。ここで、有機リン酸エステル化合物の使用
量が、0.1重量%未満では表面保護効果が少なく30
重量%よりも多くなると組成物を混合した水性塗料から
得られる塗膜の耐水性を低下させる傾向がある。
【0248】有機リン酸エステル化合物を、アルミニウ
ム粉末に添加させる方法に関しては、特に限定されな
い。一般に、鱗片状のアルミニウム粉末の製法は、ボー
ルミルなどの粉砕機のなかに、アルミニウム砕料と粉砕
効率を高める潤滑剤が投入され、例えば有機溶剤中での
湿式粉砕法、あるいは窒素雰囲気中での乾式粉砕法など
がとられる。この時の潤滑剤として、一般に飽和または
不飽和脂肪酸、脂肪族アミン、脂肪酸の金属塩などが用
いられるが、これらはアルミニウム粉末の表面に吸着し
て表面保護効果を与える表面処理剤でもある。有機リン
酸エステル化合物は、これらの脂肪酸または脂肪酸誘導
体と併用あるいは単独で使用することもできる。
【0249】一方、すでに脂肪酸または脂肪酸誘導体を
用いて、予め表面処理が施されたアルミニウム粉末に対
して、有機リン酸エステル化合物を水および水分散性を
付与するための界面活性剤と共に、後添加することもで
きる。
【0250】本発明の感光材料用包装材料には、造核剤
を添加することができる。造核剤の添加により、フィル
ム成形品では物理特性、剛性が非常に優れ、フィルム表
面の光沢の高い、シワや筋等の外観故障がほとんど観察
されない熱可塑性樹脂フィルムとすることができる。射
出成形品の場合も同様であり、物理特性、剛性が非常に
優れ、表面光沢の高い、硬度、寸法安定性、射出成形性
の優れた射出成形品を得ることができる。
【0251】有機造核剤としては、カルボン酸、ジカル
ボン酸、これらの塩及び無水物、芳香族スルホン酸の塩
及びエステル、芳香族ホスフィン酸、芳香族ホスホン
酸、芳香族カルボン酸、その他のアルミニウム塩、芳香
族リン酸金属塩、炭素数8〜30のアルキルアルコー
ル、多価アルコールとアルデヒドの縮合物、並びにアル
キルアミンなどであり、例えばp−t−ブチル安息香酸
アルミニウム、1,2,3,4−ジベンジリデンソルビ
トール、次式で表されるジ置換ベンジリデンソルビトー
ル化合物
【0252】
【化10】
【0253】{式中、R1及びR2は炭素数1〜8のアル
キル、アルコキシ又はハロゲンであり、m及びnはいず
れも0〜3であって且つm+n≧1である。}、ステア
リル乳酸のカルシウム、マグネシウム等の金属塩、N−
(2−ヒドロキシエチル)−ステアリルアミン等の次式
で表される化合物。
【0254】
【化11】
【0255】{式中、R3は炭素数が8〜30のアルキ
ル基であり、k及びlはいずれも0〜10であってk+
l≧1である。}、1,2−ヒドロキシステアリン酸の
リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム
塩、マグネシウム塩等の金属塩、ステアリルアルコー
ル、ラウリルアルコール等のアルキルアルコール、安息
香酸ソーダ、安息香酸、セバチン酸などを含む。
【0256】有機造核剤の中でも特に結晶化促進効果が
大きく、成形故障を減少させ、成形サイクルを短縮でき
剛性を向上し、着色外観を向上させるソルビトール化合
物の代表例を以下に示す。
【0257】di-(o-methylbenzylidene)sorbitol o-methylbenzylidene-p-methylbenzylidene sorbitol di-(m-methylbenzylidene)sorbitol m-methylbenzylidene-o-methylbenzylidene sorbitol di-(p-methylbenzylidene)sorbitol m-methylbenzylidene-p-methylbenzylidene sorbitol 1・3-heptanylidenesorbitol 1・3,2・4-diheptanylidenesorbitol 1・3,2・4-di(3-nonyl-3-pentenylidene)sorbitol 1・3-cyclohexanecarbylidenesorbitol 1・3,2・4-dicyclohexanecarbylidenesorbitol 1・3,2・4-di(p-methylcyclohexanecarbylidene)sorbitol Aromatic hybrocarbon groups or derivatives thereof 1・3-benzylidenesorbitol 1・3,2・4-dibenzylidene-D-sorbitol 1・3,2・4-di(m-methylbenzylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(p-methylbenzylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(p-hexylbenzylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(l-naphthalenecarbylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(phenylacetylidene)sorbitol 1・3・2・4-di(methylbenzylidene)sorbitol 1・3・2・4-di(ethylbenzylidene)sorbitol 1・3・2・4-di(propylbenzyledene)sorbitol 1・3・2・4-di(methoxybenzylidene)sorbitol 1・3・2・4-di(ethoxybenzylidene)sorbitol 1・3・2・4-di(P-methylbenzylidene)sorbitol 1・3・2・4-di(P-chlorbenzylidene)sorbitol 1・3・2・4-di(P-methoxybenzylidene)sorbitol 1・3・2・4-di(alkilbenzylidene)sorbitol 1・3・2・4-bis(methylbenzylidene)sorbitol aluminumbenzoate、等。
【0258】上記の有機造核剤の内でもソルビトール化
合物は添加効果が大きく、感光材料の写真性に悪作用を
与えることが少ない。
【0259】ソルビトール系有機造核剤の添加量は、
0.005〜5.0重量%が好ましく、0.01〜3.0
重量%がより好ましく、0.03〜2.0重量%が最も
好ましい。添加量が0.005重量%未満では、添加効
果がなく、混練費用増となるだけである。また、添加量
が5.0重量%を越えると、増量効果がほとんどなくコ
ストアップとなり、さらにブリードアウトが発生し商品
価値を低下する。
【0260】無機造核剤としては、水酸化リチウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸
化物、酸化ナトリウム等のアルカリ金属酸化物、炭酸リ
チウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、水
酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム
等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸カルシウム、酸化
カルシウム等のアルカリ土類金属酸化物などがある。
【0261】無機造核剤の添加量は、0.01〜5.0重
量%が好ましく、0.05〜3.0重量%がより好まし
い。添加量が0.01重量%未満では、添加効果がな
く、混練費用増となるだけである。また、添加量が5.
0重量%を越えると、増量効果がほとんどなく、コスト
アップとなるだけである。
【0262】造核剤は上述したものに限定されるもので
はなく、その他の公知の造核剤を用いることもできる。
また、造核剤は単独の場合に限らず、2種以上を併用す
ることもできることはいうまでもない。
【0263】有機造核剤の中では、ジベンジリデンソル
ビトール化合物が特に好ましく、特に、ポリオレフィン
樹脂(好ましくはホモポリプロピレン樹脂、プロピレン
・αオレフィンブロック共重合体樹脂、プロピレン・α
オレフィンランダム共重合体樹脂、密度が0.910g
/cm3以上のホモポリエチレン樹脂及び密度が0.87
0g/cm3以上のエチレン・αオレフィン共重合体樹
脂)のヤング率向上、物理強度向上、剛性向上、成形速
度向上、成形故障の減少等の効果を発揮すること及び従
来の有機造核剤の欠点であった異臭とブリードアウトを
改善できるので、以下のジ−置換ベンジリデンソルビト
ール組成物が好ましい。このジ−置換ベンジリデンソル
ビトール組成物として、一般式(I)
【0264】
【化12】
【0265】{式中、R及びR'は、それぞれ独立し
て、塩素原子、メチル基及びエチル基よりなる群より選
ばれる原子または基を表す}のジベンジリデンソルビト
ール誘導体の固体粉末と、式(II) CH3(CH2)nCOOH (II)
【0266】{式中、nは14〜30、好ましくは18
〜27、最も好ましくは20〜25の数を表す}の高級
脂肪酸を含有してなり、該高級脂肪酸が該ジベンジリデ
ンソルビトール誘導体の固体粉末の表面を被覆して含有
されているジベンジリデンソルビトール誘導体組成物が
ある。
【0267】上記一般式(I)のジベンジリデンソルビ
トール誘導体としては、1,3−2,4・ジpメチルベン
ジリデンソルビトール、1,3−2,4−ジpエチルベン
ジリデンソルビトール、1,3−pメチルベンジリデン
−2,4−pクロルベンジリデンソルビトール、1,3−
pメチルベンジリデン・2,4−pエチルベンジリデン
ソルビトール及び1,3−pクロルベンジリデン−2,4
pメチルベンジリデンソルビトール等を例示することが
できる。
【0268】特に好適なジベンジリデンソルビトール誘
導体は、1,3−2,4−ジpメチルベンジリデンソルビ
トール、1,3−pメチルベンジリデン−2,4−pクロ
ルベンジリデンソルビトール及び1,3−pクロルベン
ジリデン・2,4−pメチルベンジリデンソルビトール
である。
【0269】上記式(II)の高級脂肪酸としては、ベヘ
ン酸、ステアリン酸およびパルミチン酸があり、なかで
もベヘン酸が最も好ましく、ステアリン酸がこれに次
ぐ。
【0270】本発明の有機造核剤組成物において使用さ
れるジベンジリデン誘導体の固体粉末の粒径は、格別な
制限は必要でなく、粒度分布30〜100メッシュのも
のが好適に用いられる。
【0271】本発明の好ましい有機造核剤組成物は、ジ
ベンジリデン誘導体の95〜50重量部、好ましくは9
0〜50重量部に対し高級脂肪酸を5〜50重量部、好
ましくは10〜50重量部の範囲において、両成分の合
計が100重量部になる割合で含有する。
【0272】本発明の好ましい有機造核剤組成物は、上
記割合の高級脂肪酸を含有する水性エマルジョンに上記
割合のジベンジリデンソルビトール誘導体の固体粉末を
添加攪拌して、ジベンジリデンソルビトール誘導体の固
体粉末の表面上に高級脂肪酸の被覆層を形成させ、高級
脂肪酸被覆を有するジベンジリデンソルビトール誘導体
粉末を濾別後、洗浄及び乾燥を行うことによって作るこ
とができる。
【0273】上記方法において使用する高級脂肪酸の水
性エマルジョンは、例えば、高級脂肪酸の濃度5〜50
重量%、好ましくは10〜50重量%の有機溶媒溶液
に、界面活性剤を少量、例えば高級脂肪酸100重量部
に対して1〜10重量部、好ましくは2〜5重量部、を
用いて水中に分散させることによって容易に得ることが
できる。
【0274】また、ジベンジリデンソルビトール誘導体
の固体粉末の表面上に形成された高級脂肪酸の被覆の存
在は、該被覆を染料で染色して観察することによって確
認することができる。
【0275】本発明の好ましい有機造核剤の組成物が、
寸法精度、剛性硬度、成形性、物理強度、非ブリードア
ウト性及び無臭性の改善のために添加剤として効果的に
使用されるポリオレフィン樹脂の例は、炭素数が2〜6
の脂肪族モノオレフィンの数平均分子量が10,000
〜1,000,000、好ましくは15,000〜80
0,000、特に好ましくは20,000〜600,0
00、最も好ましくは30,000〜400,000の
高分子量の単独重合体または共重合体、例えばホモポリ
プロピレン樹脂、低密度ホモポリエチレン樹脂、高密度
ホモポリエチレン樹脂、直鎖状ポリエチレン(エチレン
・αオレフィン共重合体)樹脂およびエチレン・プロピ
レン共重合体樹脂等である。特に、結晶化度が高い結晶
性ポリオレフィン樹脂が好ましく、有機造核剤の添加効
果が効果的に発揮されるので結晶化度は50%以上、好
ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上、最も
好ましくは90%以上のポリオレフィン樹脂である。こ
れらのポリオレフィン樹脂の分子量分布(重量平均分子
量/数平均分子量)は2〜20、好ましくは3〜15、
特に好ましくは3.5〜12であり、最も好ましくは4
〜10である。ここで分子量分布はGPC法により測定
する。
【0276】本発明の好ましい有機造核剤組成物におい
ては、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、ジベ
ンジリデンソルビトール誘導体成分として0.005〜
5.0重量部、好ましくは、0.01〜3.0重量部に
相当する高級脂肪酸で被覆されたジベンジリデンソルビ
トール誘導体が好適に使用される。
【0277】本発明の好ましい有機造核剤組成物は、ポ
リオレフィン樹脂に任意の公知の混合手段で混合するこ
とによって配合することができる。また、本発明の好ま
しい有機造核剤組成物は、必要に応じて、該有機造核剤
を高濃度で含有するポリオレフィン樹脂中のマスターバ
ッチとしても用いることができる。
【0278】本発明の好ましい有機造核剤組成物におい
ては、ジベンジリデンソルビトール誘導体の固体粒子の
表面が高級脂肪酸等の前記遮光性物質の表面被覆物質で
被覆されていることが重要で、ポリオレフィン樹脂にジ
ベンジリデンソルビトール誘導体及び高級脂肪酸等の前
記遮光性物質の表面被覆物質を単に添加混合しても上記
記載の効果は達成されない。また、180℃以上、好ま
しくは190℃以上、特に好ましくは200℃以上の熱
履歴を経ないと上記記載の効果は達成されない。
【0279】この熱履歴は1回経ればよく、例えば本発
明のポリオレフィン系樹脂組成物中に本発明の好ましい
有機造核剤の組成物として詳述した上記ジ−置換ベンジ
リデンソルビトール組成物を0.01〜2.0重量%添
加後、180℃以上、好ましくは190℃以上、特に好
ましくは200℃以上に加熱してペレット化したものを
用いて成形品を成形すればよく、この時の樹脂温度は1
80℃以下であっても上記記載の効果は達成されるが、
この成形品の成形時も180℃以上の樹脂温度にする
(180℃以上の熱履歴を2回経たと本発明では表現す
る。)ことにより、物理特性、剛性が非常に優れ、表面
の光沢の高い、外観故障がほとんど観察されない感材料
用包装材料を成形することができる。
【0280】本発明の好ましい有機造核剤組成物は、従
来技術に較べ、ポリオレフィン系樹脂組成物に配合した
場合、物理強度、耐ブリードアウト性、剛性等の諸特性
を何ら損なわないばかりか、場合によってはこれ等諸特
性を更に向上させ、同時に優れた無臭性を有し、併せて
外観故障が出にくくなり、かつ成形性が向上し成形速度
が向上でき、成形故障が減少するといった優れた効果を
奏するものである。即ち、本発明のポリオレフィン系樹
脂組成物に、上述のジ−置換ベンジリデンソルビトール
組成物を含ませることにより、物理強度、剛性、耐ブリ
ードアウト性、無臭性、成形性、耐摩耗性の優れた感材
料用包装材料を提供することが出来る。
【0281】本発明の好ましい有機造核剤組成物が上記
の優れた効果を奏する理由は必ずしも明らかでないが、
従来のジベンジリデンソルビトールの製造原料であるベ
ンズアルデヒド及び本発明のジベンジリデンソルビトー
ル誘導体の製造原料であるp置換ベンズアルデヒド等の
ベンズアルデヒド誘導体には臭気があって、共に精製後
も不可避的にジベンジリデンソルビトール(誘導体)に
微量残留して遮光性熱可塑性樹脂フィルムの異臭の原因
となりがちなこと及びジベンジリデンソルビトール(誘
導体)が熱可塑性樹脂組成物を用いた遮光性熱可塑性樹
脂フィルム成形時にも若干分解を起こして異臭の原因と
なることが考え得る。本発明の好ましい有機造核剤組成
物においては、一般式(I)の特定のジベンジリデンソ
ルビトール誘導体の固体粒子を用い、該粒子を一般式
(II)の特定の高級脂肪酸で被覆する、といった及び
の要件を同時に満足することによって、原料ベンズアル
デヒド類あるいは分解生成したベンズアルデヒド類に基
づくと推定される異臭が、熱可塑性樹脂組成物を用いた
遮光性射出成形品、遮光性フィルム成形品等において顕
著に減少され、かつ剛性、物理強度等の上記諸物性も同
時に優れているといった効果が奏される。
【0282】各種の有機造核剤は、単独で用いても各種
の無機造核剤との併用、有機造核剤の2種以上を併用す
ることもできる。また、有機及び/又は無機造核剤の表
面を各種の脂肪酸、脂肪酸化合物やシリコン等の滑剤、
カップリング剤、可塑剤、界面活性剤等の分散剤や湿潤
剤等で被覆することができる。
【0283】造核剤をブレンドする方法としては、コン
パウンド方式やドライブレンド方式やマスターバッチ方
式等があるが、作業性が良好で、環境汚染がないのでマ
スターバッチ方式が好ましい。特に遮光性物質を含む着
色マスターバッチ製造と同時に作成するのが経済的であ
り、作業性が良好なので好ましい。カサが高く、飛散し
やすいのでそのまま配合することは困難であり、少量の
分散剤か湿潤剤を入れて配合すると良い。分散剤として
効果があるものとしては各種滑剤、数平均分子量が50
0〜10,000の各種低分子量ポリオレフィン樹脂、
各種ワックス、各種無水カルボン酸、各種高級脂肪酸等
があり、各種脂肪酸金属塩、各種シリコーン、各種オレ
イン酸アミド等の滑剤は特に好ましい。湿潤剤としては
DOP、DHP等の各種の可塑剤が使用できる。
【0284】また、各種の高級脂肪酸、脂肪酸アミド、
脂肪酸金属塩等の脂肪酸や脂肪酸化合物の純品を有機造
核剤の表面にコーティングしたり、ブレンドして分散効
果を高め、ブリードアウトを防ぐことも好ましい。さら
にまたポリオレフィン樹脂と180℃以上、好ましくは
190℃以上、特に200℃以上の熱履歴で混練したペ
レットととして使用することが造核剤の効果発揮の点で
好ましい。すなわち、これらの添加剤を添加することに
より、物理強度を向上させ、剛性が大きくなり摩耗によ
る白粉の発生を減少させるとともに、有機造核剤の結晶
化またはブリードアウトによる白粉の発生を減少させ
る。さらに、有機造核剤の悪臭を防止でき、かつ静電気
の発生防止及びブロッキング防止性を向上させることが
できる。この場合、上記各種有機造核剤、各種分散剤や
各種熱可塑性樹脂の劣化や酸化分解や着色を防止するた
めに、前記各種酸化防止剤やラジカル捕獲剤及びクエン
酸、燐酸等の酸化防止相乗剤の1種以上を添加すること
が好ましい。
【0285】また、造核剤の添加によって各種の効果が
得ることができる。例えば、結晶性熱可塑性樹脂であ
る、プロピレン・エチレン共重合体樹脂100重量部に
造核剤としてp−t−ブチル安息香酸を0.1重量部加
えることによってヘーズ(HAZE)を40%から21
%に低下させることができ、0.2重量部加えればさら
に12%にまで低下させることができる。引張降伏点応
力は、0.1重量部加えると例えば380kg/cm2
から420kg/cm2まで向上させることができる
が、それ以上添加してもその後は殆ど向上しない。ま
た、曲げ弾性率は、0.1重量部添加すると、例えば5
00kg/cm2ないし600kg/cm2向上させるこ
とができるが、それ以上添加してもその後は殆ど向上し
ない。
【0286】造核剤の効果を十分発揮させるために結晶
性樹脂(特に好ましいのはポリオレフィン樹脂)と混練
する時の樹脂温度を170℃以上、好ましくは185℃
以上、特に好ましくは195℃以上にする(熱履歴を経
る)。この170℃以上の熱履歴は1回以上、好ましく
は2回(ペレット化と成形の少なくとも2回)以上経る
ことが好ましい。この熱履歴を経る時には酸化防止剤及
び/又はラジカル捕獲剤の1種以上と併用することが好
ましい。
【0287】有機造格剤を含有した感光材料用包装材料
として好ましい代表例を以下に記載する。
【0288】(1) 一般式が下記で表される化合物の混
合物であって、0.3≦Z≦0.8(重量基準)の組成か
ら成るジアセタール組成物からなる有機造核剤を0.0
1〜5重量%、好ましくは0.03〜3重量%含む感材
料用包装材料。
【0289】
【化13】 Z=A/(A+B+C) {式中、pは0または1を表す}
【0290】ここで、A〜Cは上記一般式において各々
次の化合物を表す。即ち、AはR1がメチル基、R2が水
素原子であって、mが2もしくは3である化合物及び/
又はR1が水素原子、R2がメチル基であって、nが2又
は3である化合物を表す。
【0291】Bは、R1,R2がともに水素原子である化
合物を表す。
【0292】Cは、R1,R2がともにメチル基であっ
て、m,nが同一で2又は3である化合物を表す。
【0293】(2) 一般式が下記で表されるソルビトー
ル誘導体から成る有機造核剤を0.01〜5重量%含む
感材料用包装材料。
【0294】
【化14】 {式中、m,nは同一または異なっていて1〜10の整
数を表す}
【0295】(3) 一般式〔A〕または〔B〕で表され
るモノアセタールまたはそれらの混合物から成る有機造
核剤を0.01〜5重量%含む感材料用包装材料。
【0296】
【化15】 {式中、Rは−COOR1又は−CONR23を表す。
1はアルコール残基を表し、R2,R3 は同一または異
なっており、水素原子またはアミン残基を表す。nは1
〜3を表し、pは0または1である}
【0297】
【化16】 {式中、R,n,pは一般式〔A〕と同じである}
【0298】(4) 一般式が下記で表されるソルビトー
ル誘導体から成る有機造核剤を0.01〜5重量%含む
感材料用包装材料。
【0299】
【化17】 {式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す}
【0300】(5) 1,3−ベンジリデン2,4−パラ−
メチルベンジリデンソルビトールと1,3−パラ−メチ
ルベンジリデン2,4−ベンジリデンソルビトールとか
らなる群から選ばれた少なくとも一種の有機造核剤を
0.01〜5重量%含む感材料用包装材料。
【0301】(6) 一般式〔I〕で表されるベンジリデ
ンソルビトール誘導体100重量部に対し、一般式〔I
I〕で表されるフェノール系酸化防止剤0.01〜10
重量部を加えてなるベンジリデンソルビトール誘導体組
成物を0.01〜5重量%含む感材料用包装材料
【0302】
【化18】
【0303】
【化19】 {式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1
〜8のアルキル基またはアルコキシ基及び水酸基より選
ばれる基であり、同一化合物に於いて異なっていても良
く、Aは1〜4価のアルコール残基を示し、nは1〜4
の整数を示す}
【0304】(7) アルカリ性化合物及び/またはラジ
カル禁止剤を0.001〜10重量%含むジベンジリデ
ンソルビトール化合物から成る有機造核剤組成物を0.
01〜5重量%含む感材料用包装材料。
【0305】(8) 結晶性樹脂100重量部に、2価以
上の脂肪族アミンの有機カルボン酸アミド化合物0.0
2〜5重量部、下記の一般式で表される有機リン酸エス
テル化合物あるいはそのアンモニウム塩0.01〜5重
量部、および炭素原子数7以上の有機カルボン酸金属塩
0.01〜5重量部を含む感材料用包装材料。
【0306】
【化20】 {式中、R1は水素原子または炭素原子数1〜4のアル
キル基を示し、R2およびR3はそれぞれ水素原子、炭素
原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基またはアラルキル基を示し、Xは−OH基または
−O-NH4 +を示す}
【0307】(9) 結晶性樹脂100重量部に対して、
炭素原子数3以上のカルボン酸と、α−位にアミノ基ま
たは水酸基を有する含窒素複素環化合物との共結晶化合
物0.01〜5重量部を含む感材料用包装材料。
【0308】(10) 結晶性樹脂100重量部に対して、
2価以上の脂肪族アミンの脂環式カルボン酸アミド化合
物0.01〜5重量%を含む感材料用包装材料等があ
る。
【0309】本発明の感光材料用包装材料には、可塑剤
を添加することができる。可塑剤を添加することによ
り、遮光性物質の分散均一性を向上させることができ
る。
【0310】可塑剤の添加量は0.01〜10.0重量
%が好ましく、0.05〜7.0重量%がより好まし
く、0.1〜5.0重量%が最も好ましい。添加量が
0.01重量%未満であると、遮光性物質の均一分散性
向上効果やブロッキング接着向上効果がほとんど発揮さ
れず、混練経費増となるだけである。添加量が10.0
重量%を超えると、押出し機のスクリューとのスリップ
が発生して安定した樹脂量を押出すことが不可能にな
る。
【0311】可塑剤の代表例を以下に示す。 (1) フタル酸系可塑剤 フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオ
クチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルラウリ
ル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ブチルベンジル、
ブチルフタリルブチルグリコレート等
【0312】(2) リン酸系可塑剤 リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル等
【0313】(3) 脂肪酸系可塑剤 クエン酸トリn−ブチル、アジピン酸ジオクチル、アゼ
ライン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル、アセチル
リシノール酸チル等
【0314】(4) エポキシ系可塑剤 アルキルエポキシステアレート、4,5−エポキシテト
ラヒドロフタル酸ジイソデシル等
【0315】(5) その他の可塑剤 塩素化パラフィン、ポリエステル、シュークロースオク
タアセテート等本発明の感光材料用包装材料には、帯電
防止剤を添加することができる。帯電防止剤を添加する
ことにより、スタチック故障、成形故障、アルミニウム
粉末(アルミニウム粉末及びアルミニウムペーストを含
む)は鱗片状をしているのでミクログリットの発生が少
ないので、遮光能力や物理強度は優れているが、ミクロ
グリットの発生しやすい球状又は粉末状のカーボンブラ
ック、ホワイトカーボン、チタン黄、酸化チタン、リト
ポン、超微細型炭酸カルシウムと併用するとすべての顔
料の分散性が良好になり、遮光能力、物理強度も優れる
ので特に好ましい。この場合、鱗片状顔料の添加量を球
状又は粉末状の顔料より多くすることが好ましい。遮光
性物質の分散不良等を防止することができる。
【0316】帯電防止剤の添加量は、0.01〜5.0重
量%が好ましく、0.05〜3.5重量%がより好まし
く、0.1〜2.0重量%が最も好ましい。添加量が0.
01重量%未満であれば、添加効果が十分でなく、混練
経費が増加するだけである。また、添加量が5.0重量
%を越えると、溶融樹脂と押し出し機のスクリューとの
スリップが発生しやすくなり、樹脂の吐出量が不安定に
なる。また、成形後の経時によりベトツキやブリードア
トが発生しやすくなる。
【0317】帯電防止剤の代表例を以下に示す。 I.ノニオン系(=非イオン系) (1) アルキルアミン誘導体:T−B103(松本油
脂)、T−B104(松本油脂) アルキルミド型 ポリオキシエチレンアルキルアミン:アーモスタット3
10(ライオン油脂) 3級アミン(ラウリルアミン):アーモスタット400
(ライオン油脂) N,N−ビス(2−ヒドロキシエチルココアミン):ア
ーモスタット410(ライオン油脂) 3級アミン:ANTISTATIC273C、273、
273E(Fine Org.Chem) N-hydroxyhexadecyl-di-ethanol-amine:Belg.
P.654,049 N-hydroxyoctadecyl-di-ethanol-amine:(Natio
nal Dist.)
【0318】(2) 脂肪酸アマイド誘導体:TB−11
5(松本油脂)、エレガンP100(日本油脂)、エリー
クSM−2(吉村油化学) ヒドロキシステアリン酸マイド シュウ酸−N,N'−ジステアリルアミドブチルエステ
ル:ヘキストポリオキシエチレンアルキルミド
【0319】(3) エーテル型 ポリオキシエチレンアルキルエーテル RO(CH2CH2O)nH ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 特殊非イオン型:レジスタット104,PE100,1
16〜118(第一工業製薬)、レジスタットPE13
2,139(第一工業製薬)、エレガンE115,ケミ
スタット1005(日本油脂)、エリークBM−1(吉
村油化学)、エレクトロストリッパ−TS,TS2,
3,5,EA,EA2,3(花王石鹸)
【0320】(4) 多価アルコールエステル型 グリセリン脂肪酸エステル:ステアリン酸若しくはヒド
ロキシステアリン酸等のモノ、ジ、またはトリグリセラ
イド、モノグリ(日本樟脳)、TB−123(松本油
脂)、レジスタット113(第一工業製薬) ソルビタン脂肪酸エステル 特殊エステル:エリークBS−1(吉村油化学) 1−ヒドロキシエチル−2−ドデシルグリオキサゾリ
ン:(ブリティシュ・セロファン)
【0321】II.アニオン系 (1) スルホン酸類 アルキルスルホネート RSO3Na アルキルベンゼンスルホネート アルキルサルフェート ROSO3Na
【0322】(2) リン酸エステル型 アルキルホスフェート
【0323】III.カチオン系 (1) アミド型カチオン:レジスタットPE300,4
01,402,406,411(第一工業製薬)
【0324】(2) 四級アンモニウム塩 第4級アンモニウムクロライド 第4級アンモニウムサルフェート 第4級アンモニウムナイトレート カチミンCSM−9(吉村油化学)、CATANAC6
09(アメリカン・シアナミド)、デノン314C(丸
菱油化)、アーモスタット300(ライオン油脂)、1
00V(アーマー)、エレクトロストリッパ−ES(花
王石鹸)、ケミスタット2009A(日本油脂) Stearamido propyl-dimethyl-β-hydroxyethyl ammoniu
m nitrate:CATANAC・SN(アリカン・ジアナ
ミド)
【0325】IV.両性イオン系 (1) アルキルペタイン型:
【0326】(2) イミダゾリン型:レオスタット5
3,532(ライオン油脂)、AMS 53(ライオン油
脂)、AMS 303,313(ライオン油脂) アルキルイミダゾリン型
【0327】(3) 金属塩型:AMS 576(ライオ
ン油脂) レオスタット826,923(ライオン油脂) (RNR'CH2CH2CH2NCH2COO)2Mg{R≧
C,R'=Hまたは(CH2)mCOO−}(ライオン油
脂) R=C38炭化水素、A=酸素またはイミノ基、M=有
機アミンまたは金属
【0328】(4) アルキルアラニン型:
【0329】V.導電性樹脂 ポリビニルベンジル型カチオン ポリアクリル酸型カチオン
【0330】VI.その他;レジスタット204,205
(第一工業製薬)、エレガン2E,100E(日本油
脂)、ケミスタット1002,1003,2010(日
本油脂)、エリーク51(吉村油化学)、ALROMI
NE RV−100(ガイギー)
【0331】以上の帯電防止剤の中で写真性及び人身に
与える悪影響が小さく、スタチックマーク防止効果が大
きいので、非イオン(ノニオン)系帯電防止剤が特に好
ましい。
【0332】その他、「便覧 ゴム・プラスチック配合
薬品 改定第2版」(KKラバーダイジェスト社発行)
の381〜388頁に記載されている帯電防止剤や「増
補帯電防止剤−高分子の表面改質−」(KK幸書房昭和
47年3月25日発行)の64〜104頁及び236〜
266頁に記載されている帯電防止剤や「別冊化学工業
プラスチック添加剤データ集」(KK化学工業社昭和
43年10月1日発行)の117〜153頁記載の帯電
防止剤から感光材料に悪影響を及ぼさない種類と添加量
を選択して用いることが帯電によりスタチックマークを
感光材料に発生させやすい熱可塑性樹脂のみから構成さ
れる感材料用包装材料にとっては好ましい。
【0333】本発明の感光材料用包装材料には、防滴剤
を添加することができる。防滴剤を添加することによ
り、露付きを防止でき、また滑剤や酸化防止剤等のブリ
ードアウトし易い添加剤が白色粉末状に析出するのを抑
制できる。
【0334】防滴剤の添加量は、0.01〜5.0重量
%が好ましく、0.1〜3.0重量%がより好ましい。
添加量が0.01重量%未満であれば、防曇効果がほと
んど発揮されず、混練経費増となるだけである。また、
滑剤や酸化防止剤等のブリードアウトしやすい添加剤が
白色粉末状に析出するのをおさえる効果が発揮されな
い。また、添加量が5.0重量%を越えると、防曇効果
は充分発揮されるが増量した効果はほとんどなくなり、
コストアップになるだけである。問題なのは容器表面が
ベトツキ、ほこりや塵が付着しやすくなり、感光材料の
感光層表面に付着した場合は現像速度ムラを発生させ
る。
【0335】防滴剤としては、ジグリセリンモノステア
リン酸エステル、ポリグリセリンモノパルミチン酸エス
テル、ソルビタンモノラウリン酸エステル、ソルビタン
モノステアリン酸エステル、ソルビタンモノオレイン酸
エステル、ソルビタンモノエルカ酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸モ
ノグリセライド、パルミチン酸モノグリセライド、オレ
イン酸モノグリセライド、ラウリン酸モノグリセライ
ド、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ソ
ルビタンセスキパ ミテート、ジグリセリンセスキオレ
エート、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビトール脂
肪酸・二塩基酸エステル、ジグリセリン脂肪酸・二塩基
酸エステル、グリセリン脂肪酸・二塩基酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸・二塩基酸エステル、ソルビタンパルミ
テート、ソルビタンステアレート、ソルビタンパルミテ
ート・プロピオレンオキサイド3モル付加物、ソルビタ
ンパルミテート・プロピオレンオキサイド2モル付加
物、ソルビトールステアレート、ソルビトールステアレ
ート・エチレンオキサイド3モル付加物、ジグリセリン
パルミテート、グリセリンパルミテート、グリセリンパ
ルミテート・エチレンオキサイド3モル付加物等があ
る。
【0336】また、防滴剤は、水の接触角度が45度以
下が好ましく、35度以下がより好ましい。また、吸水
性物質、吸湿性物質、防滴剤のいずれか2種以上をミッ
クスして用いることもできる。
【0337】防滴剤を含む感光材料用包装材料にコロナ
放電処理、オゾン接触処理、プラズマ処理等の表面活性
化処理を施すと、防曇作用及び防滴作用がさらに効果的
に発揮されるので好ましい。特に、本発明の感光材料用
包装材料に適度の滑り性、遮光性物質の分散性向上、成
形性向上、防曇性、帯電防止性等を付与するために、炭
素数1〜12、好ましくは1〜6の脂肪族アルコール
と、炭素数10〜22、好ましくは12〜18の脂肪酸
との化合物である脂肪族アルコール系脂肪酸エステル、
具体的には、モノグリセリンオレエート、ポリグリセリ
オレエート、グリセリントリリシノレート、グリセリン
アセチルリシノレート、メチルアセチルリシノレート、
エチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレ
ート、プロピレングリコールオレエート、プロポレング
リコールラウレート、ペンタエリスリトールオレエー
ト、ポリエチレングリコールオレエート、ポリプロジレ
ングリコールオレエート、ポリオキシエチレングリセリ
ン、ポリオキシプロピレングリセリン、ソルビタンオレ
エート、ソルビタンラウレート、ポリエチレングリコー
ルソルビタンオレエート、ポリエチレングリコールソル
ビタンラウレート等、並びにポリアルキレンエーテルポ
リオール、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等の少なくとも1種を0.5〜5
重量%、好ましくは1〜3重量%配合することが好まし
い。
【0338】本発明の感光材料用包装材料には、脱臭剤
を添加することができる。脱臭剤を添加することによ
り、熱可塑性樹脂や相溶化剤や他の低分子量の添加剤の
熱劣化や熱分解により発生するアルデヒドや酸等の異臭
や感光材料中に添加されている防腐剤や硬膜剤等の異臭
が密封包装体に充満し、ユーザーに不快感を与えるのを
防止することができる。
【0339】脱臭剤の添加量は、0.1〜50重量%が
好ましく、0.5〜40重量%がより好ましく、1.0
〜30重量%が最も好ましい。添加量が0.1重量%未
満であると、添加効果が十分でなく、混練経費が増加す
るだけである。添加量が50重量%を越えると、増量効
果がほとんどなく、材料費が増加するだけでなく、感光
材料用包装材料の製造が困難になる。また。物理強度が
低下し、写真性が悪化し実用化困難になる。
【0340】脱臭剤としては、有機カルボン酸、有機カ
ルボン酸と亜鉛化合物との混合物、有機カルボン酸と亜
鉛化合物とアルミニウム化合物との混合物等がある。
【0341】有機カルボン酸としては、脂肪族ポリカル
ボン酸、芳香族ポリカルボン酸及びこれら脂肪族、芳香
族ポリカルボン酸と多価アルコール化合物との反応生成
物で末端がカルボキシル基の酸性ポリエステル化合物等
がある。
【0342】脂肪族ポリカルボン酸としては、ジュウ
酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、メチ
ルフマル酸、マレイン酸、メチルマレイン酸、イタコン
酸、アセチレン酸、リンゴ酸、メチルリンゴ酸、クエン
酸、イソクエン酸、メサコン酸、シトラコン酸等のジ又
はトリカルボン酸又はそれらの塩等があり、特に好まし
いものはクエン酸、フマル酸またはその塩である。
【0343】芳香族ポリカルボン酸としては、フタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸、ベンゼンヘキサトリカルボン酸、ナフタ
レンジカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタ
レンテトラカルボン酸、アゾベンゼンテトラカルボン酸
等の芳香族カルボン酸又はそれらの無水物等があり、特
に好ましいのはベンゼントリカルボン酸とトリリット酸
である。
【0344】末端がカルボキシル基の酸性ポリエステル
化合物としては、フタル酸等のポリカルボン酸とエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール等の多価アルコー
ルとの反応した末端カルボキシル基のポリエステル、ポ
リカルボン酸で変性した酸性セルロース誘導体等があ
る。
【0345】有機カルボン酸と混合して併用される亜鉛
化合物としては、酸化亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、リン
酸亜鉛、炭酸亜鉛類の無機亜鉛塩及びクエン酸亜鉛、フ
マル酸亜鉛類の有機亜鉛塩等であって、有機カルボン
酸:亜鉛化合物=1:0.1〜3.0重量部の範囲が好
ましい。
【0346】また、有機カルボン酸、亜鉛化合物と混合
して併用されるアルミニウム化合物としては、硫酸アル
ミニウム、カリウム等であって、有機カルボン酸:亜鉛
化合物:アルミニウム化合物=1:0.1:0.1〜
1:3:3重量部の範囲が好ましい。
【0347】本発明の感光材料用包装材料には、脱酸素
剤を添加することができる。脱酸素剤を添加することに
より、感光材料の写真性に悪影響を及ぼす酸素(感光材
料中の増感やカプラー等を経時により劣化させ感度異常
やカブリを発生させ、カラー印画紙やカラーネガ写真フ
ィルムでは発色が異常になりプリントの色バランスが異
常になったりする)を除去することができる。
【0348】脱酸素剤の添加量は、0.1〜50重量%
が好ましく、0.5〜40重量%がより好ましく、1.
0〜30重量%が最も好ましい。添加量が0.1重量%
未満であると、添加効果が十分でなく、混練経費が増加
するだけである。また、添加量が50重量%を越える
と、増量効果がほとんどなく、材料費が増加するだけで
なく、感光材料用包装材料の製造が困難になる。さらに
物理強度が低下し、写真性が悪化し実用化困難になる。
【0349】脱酸素剤としては、亜硫酸塩、亜硫酸水素
塩、亜ニチオン酸塩、ハイドロキノン、カチコール、レ
ゾルシン、ピロガロール、浸食子塩、アスコルビン酸、
及び/又はその塩、イソアスコルビン酸及び/又はその
塩、グルコース、リグニン、ジブチルヒドロキシトルエ
ン、ブチルヒドロキシアニソール、第1鉄塩、鉄粉等の
金属粉含有脱酸素剤、炭酸ガス発生型脱酸素剤、炭酸ガ
ス吸収型脱酸素剤、クリスパール、ゼオライト、ハイト
ロサルファイト、グルコースオキシターゼ、サルコミ
ン、アルカリ金属硫化物、炭酸アルカリ、チオ硫酸ナト
リウム、ナトリウム明礬、リン酸水素2ナトリウム12水
塩、ケイ酸ナトリウム含水塩、ホウ酸ナトリウム含水
塩、ケイ酸硫酸第1鉄7水塩、活性白土、モルデナイト
等がある。
【0350】好ましくは、ハイドロサルファイトを主成
分とするもの、L−アルコルビン酸等の有機物質を主成
分とするもの、鉄粉を主成分とするもの、鉄とケイ酸・
硫酸第1鉄7水塩、ナトリウム明礬、リン酸水素2ナト
リウム12塩、ケイ酸ナトリウム含水塩、ホウ酸ナトリ
ウム含水塩よりなる群より選ばれた少なくとも1種との
混合組成物、ハイドロサルファイトと水酸化カルシウム
又は重炭酸ナトリウム及び活性炭、鉄粉と促進塩類と含
水物質、被酸化性の金属粉とチオ硫酸ナトリウムと固体
状反応助材、鉄粉とチオ硫酸ナトリウムと活性炭、活性
酸化鉄、金属酸化物、パラジウム、糖類、酵素系であ
る。
【0351】本発明の感光材料用包装材料には、吸湿剤
を添加又は塗布又は含有することができる。この場合吸
湿剤は透湿度が20g/m2・24時間以下の防湿フレキ
シブルシート層の内側(感光材料側)の層に配合又は塗
布又は含有させることが本発明では必須である。吸湿剤
を添加することにより、写真感光乳剤層中の色素やカプ
ラー等を破壊する包装体中の水分含有量を減少させるこ
とができる。
【0352】吸湿剤の添加量は、0.1〜50重量%が
より好ましく、0.5〜40重量%がより好ましく、
1.0〜30重量%が最も好ましい。添加量が0.1重
量%未満であると、添加効果が十分でなく、混練経費が
増加するだけである。また、添加量が50重量%を越え
ると、増量効果がほとんどなく、材料費が増加するだけ
でなく、感光材料用包装材料の製造が困難になる。さら
に物理強度が低下し、写真性が悪化し実用化困難にな
る。
【0353】吸湿剤としては、カルボキシレート基含有
の吸水性樹脂、架橋性ポリアクリル酸アルカリ金属塩、
カルボキシレート含有のエチレン共重合体樹脂、アクリ
ル酸アクリル金属グラフト澱粉架橋剤、架橋ポリビニル
アルコール−アクリル酸アルカリ金属塩コポリマー、ポ
リビニルアルコール・無水マレイン酸コポリマー架橋
物、セルロース変性体、水溶性高分子の架橋剤、自己架
橋型アクリル酸アルカリ金属塩ポリマー、ポリアクリル
酸またはそのアルカリ塩、ポリアクリルアミドまたはそ
の部分加水分解物、ポリビニルピロリドン、スルホン化
ポリスチレン、ポリアクリルアミド2−メチルプロパン
スルホン酸ナトリウム、澱粉−アクリルニトリルのグラ
フト重合物またはその加水分解物、ポリアクリロニトリ
ルの加水分解物、アクリルアミドとアクリル酸の共重合
体、カルボキシメチルセルロース、ビニルスチレンスル
ホン酸、ポリアクリルアミドのマンニッヒ反応物、ポリ
アクリルアミン、ジメチルアミノエチルメタクリレート
のホモポリマーまたはアクリルアミドとの共重合物、ジ
メチルアミノエチルメタクリレートを塩化メチルで4級
化アンモニウム塩としたもののホモポリマーまたはその
アクリルアミドとの共重合物、ポリジメチルアリルアミ
ン4級アンモニウム塩、4級化ビニルベンジルアミンの
重合物、キトサンのアセチル化剤、エピクロルヒドリン
の多価アミンまたはモノアミンとの縮合反応物、高吸水
性樹脂粒子表面にポリアミドポリアミンエピクロルヒド
リン系熱硬化性樹脂を吸着させた後、熱硬化させた樹
脂、親水性ビニルモノマー(アクリルアミドの誘導体
等)と疏水性ビニルモノマー(メタクリレートの誘導
体)との共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重
合体のナトリウム塩、澱粉とアクリル酸およびアクリル
酸誘導体のグラフト共重体のナトリウム塩、カルボキシ
メチルセルロース多塩基酸部分架橋物、ポリエチレンオ
キシド部分架橋物、ポリアクリル酸部分架橋物、高吸水
性ポリマーの表面コーティング物、高吸水性ポリマーと
無機物(アタパルジャイト、カオリン、タルク、珪藻土
等)との混和物、アニオン性解離基を有する高吸水性樹
脂とカチオン性解離基を有する高吸水性樹脂との混合
物、澱粉アクリル酸、アクリル酸ナトリウム共重合物、
澱粉アクリル酸ナトリウム共重合物、等がある。
【0354】これらの中で好ましいのは、原料が澱粉ま
たはセルロースあるいは合成ポリマーの吸水能力の大き
いものである。
【0355】本発明の感光材料用包装材料には、芳香剤
を添加又は塗布又は含有することができる。この場合芳
香剤は酸素透過率が2000cc/m2・24時間・1
気圧(測定条件20℃・65%RH)以下の酸素バリヤ
フレキシブルシート層の内側(感光材料側)の層に配合又
は塗布又は含有させることが本発明では必須である。芳
香剤を添加することにより、密封された感光材料包装体
中の異臭や悪臭をユーザーが使用時にわかりにくくし、
ユーザーに快い香りとすることができる。
【0356】芳香剤の添加量は、0.005〜10重量
%が好ましく、0.01〜8重量%がより好ましく、
0.05〜5重量%が最も好ましい。添加量が0.00
5重量%未満であると、添加効果がほとんど発揮されず
に、混練経費増となるだけである。また、添加量が10
重量%を越えると、増量効果がほとんど発揮されずに材
料費増となるだけである。芳香剤の種類によっては感光
材料の写真性に悪影響を及ぼすようになったりユーザー
に不快感を与えるようになり実用化困難になる。
【0357】芳香剤としては、ライラック花精油、ジャ
スミン、アビエス油、シナモン油、ラベンダー油、レモ
ン油等の天然香気成分、ゲラニオール、オイゲノール、
n−オクチルアルコール、カルビトール、シス−シャス
モン、レモンテンペン、メントン、サリチル酸メチル、
メチルフェニルカルビノール、トリエチルサイトレー
ト、安息香酸ベンジル、シトラール、d−リモネン、ゲ
ラニオール、エチルシナメイト、オクタノール、ベンジ
ルベンゾエート、アルキレングリコール、サリチル酸ベ
ンジル、リナロール、バニリン、クマリン、メチルナフ
チルケトン、ローズフェノン等の合成香気成分がある。
【0358】そして、これらの香気成分をマイクロカプ
セルの微粒子化やサイクロテキストリン、マルトシルサ
イクロテキストリン、シクロテキストリン、ゼオライ
ト、デンプン、タルク等に含ませて用いる。
【0359】本発明の感光材料用包装材料には、微生物
が作ったセルローズ繊維を添加することができる。この
微生物が作ったセルローズ繊維は、酢酸菌の一種である
アセトバクターセテが合成し、体外へ吐出した繊維を十
分に洗浄後乾燥した極細、高結晶化度でヤング率が大き
い繊維であり、直径が0.002〜0.1μmものが好
ましく、0.005〜0.08μmのものがより好まし
く、0.01〜0.06μmのものが最も好ましい。
【0360】このようなセルローズ繊維をホモポリエチ
レン樹脂、エチレン共重合体樹脂、ホモポリプロピレン
樹脂、プロピレン共重合体樹脂、ホモポリスチレン樹
脂、スチレン共重合体樹脂、ABS樹脂、ポリメタクリ
ル酸エステル樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテ
レフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポ
リブチレンテレフタレート樹脂等)、ピリアミド樹脂、
ホモポリアセタール樹脂、アセタール共重合体樹脂、ポ
リエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポ
リオレフィンエラストマーポリスチレンエラストマー、
ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂に、溶融ブレン
ド方法、溶液ブレンド方法等の公知の方法により含有さ
せることにより、平滑性や透明性を確保したままで物理
強度や剛性を大きくすることができる。例えば、微生物
が作ったセルローズ繊維を熱可塑性樹脂に1重量%含有
させると、引張強度は15%以上、剛性は20%以上、
ビカット軟化点温度は5℃以上向上する。
【0361】上記セルローズ繊維の熱可塑性樹脂へ含有
させる量は、0.01〜35重量%が適当で、0.05
〜30重量%が好ましく、0.1〜25重量%がより好
ましい、0.15〜20重量%が最も好ましい。含有量
が0.01重量%未満では、物理強度、剛性等が添加し
ない場合とほとんど差がなく、混練経費増となるだけで
あり、35重量%を超えると、成形品の物理用度の低下
が大きく脆弱になり、外観が悪化し、堅くなり過ぎて実
用化できなくなる。さらに、高価になるので、経済的に
も実用化出来なくなる。
【0362】本発明の感光材料用包装材料の内表面(包
装した際、内側となる面)を形成するフィルム層には、
シリカ(二酸化ケイ素)微粒子を添加することができる。
シリカ粒子を添加することにより、ブロッキング防止効
果及びつや消し効果を確保し、かつ、感光材料に圧力か
ぶり、すり傷が発生するのを防止することができる。
【0363】感光材料に悪影響を与えないシリカ微粒子
としては、好ましいものは、炭素数が1〜8、好ましく
は1〜6アルキルアルコール、より好ましいのはメタノ
ール、エタノール、プロパノールの1種以上と炭素数が
5〜12の脂肪族、脂環族、芳香族の1種以上の炭化水
素、好ましくはn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘ
キサン、ベンゼン、トルエン、キシレンの1種以上の炭
化水素を含む溶媒中で、オルトケイ酸(H4SiO4)の
アルキルエステルで一般式Si(OR)4(R:アルキル
基)で表され、通常アルキル基Rの炭素数は1〜7、好
ましくは1〜5、より好ましくは2〜4のアルキルシリ
ケート、例えば、エチルシリケート、プロピルシリケー
ト、ブチルシリケートの1種以上を、アンモニア及び水
を混合接触させて製造した略均一粒径の略球状のシリカ
微粒子である。必要によってはシリカ微粒子の二次的な
凝集を防止するためにシリカ微粒子の表面を前記表面処
理剤で処理し、シリカ微粒子表面を被覆することが好ま
しい。このような表面処理シリカ微粒子は熱可塑性樹脂
中への均一分散性向上効果も有するので本発明では好ま
しい。
【0364】アルコールに対する炭化水素の混合割合
は、重量比でアルコール100に対し炭化水素は0.1
〜10、好ましくは0.5〜7、より好ましくは1〜5
である。アルキルシリケートに対する上記アルコールと
炭化水素を含む混合溶媒の使用量は、1〜60倍、好ま
しくは1〜50倍、より好ましくは2〜30倍である。
60倍を超えると、粒子の凝集を抑制し粒径を均一にす
る効果があるが、生産効率が低下する。1倍未満では粒
径が不均一になるだけでなく粒子の凝集が多発する。ア
ルキルシリケートを加水分解するために添加する水の量
はアルキルシリケートに対しモル比で4倍以上、好まし
くは5〜120倍、より好ましくは6〜100倍であ
り、アンモニアの量は、アルキルシリケートに対し漏る
比で1〜30倍、好ましくは1〜25倍、より好ましく
は1〜20倍である。反応は、上記組成物を10〜10
0℃、好ましくは15〜80℃で1分〜5時間、好まし
くは5分〜3時間攪拌混合して調整する。
【0365】シリカ微粒子は、その直径が0.001〜
10μmが好ましく、0.01〜4μmがより好まし
く、0.03〜3μmが最も好ましい。シリカ微粒子の
径が0.001μm以下では、微粒子が凝集して分散が
困難になる。また製造も困難である。10μmを超える
と、包装材料の外観が悪化する。また包装材料の物理強
度が低下するだけでなく感光材料に押し傷や擦り傷を発
生させ、圧力カブリや摩擦カブリも発生させる。また、
シリカ微粒子の径は均一であることが好ましく、シリカ
微粒子の形状は、球状が好ましい。
【0366】本発明の感材料用包装材料においては、最
外層に請求項9又は21に記載されているように防湿・
酸素バリヤ層の反感光材料側に最内層(感光材料側の
層)より耐熱性を有する耐熱性フレキシブルシート層を
接着剤層を介して積層した積層フィルムとすることがヒ
ートシール性向上、ユーザー使用適性向上等の点から好
ましい。特にこの耐熱性フレキシブルシート層と防湿・
酸素バリヤ層を兼ねることが低コスト、加工適性の点か
ら好ましい。耐熱性フレキシブルシート層としては熱可
塑性樹脂フィルムの場合は透明、半透明、着色、完全遮
光のいずれであっても本発明では使用可能である。また
単層フィルムであっても2層以上の多層共押出しフィル
ムであってもよく、さらに塩化ビニリデン樹脂層等の防
湿・酸素バリヤ層を塗布したり、前記の金属や無機化合
物等の防湿・酸素バリヤ薄膜を各種の方法で設けた表面
薄膜加工熱可塑性樹脂フィルムであっても本発明では使
用可能である。
【0367】大量生産品の場合はラベル貼り工程とラベ
ル費を節約し、暗室加工包装適性を向上させるために印
刷適性を有することが好ましい。最外層に用いる耐熱性
フレキシブルシート層は単層であっても2層以上の多層
積層フレキシブルシート層であってもよい。
【0368】また本発明の光透過性防湿・酸素バリヤフ
ィルム及び/又は遮光性防湿・酸素バリヤフィルムが耐
熱性フレキシブルシート層を兼ねた働きを有するもので
あってもよい。特に2層以上の多層共押出しフィルムの
みから成る感光材料用包装材料の場合は最外層に耐熱性
熱可塑性樹脂フィルム層を配置し最内層(感光材料側
に)最外層より5℃以上ビカット軟化点が低いヒートシ
ール性を有する感光材料の写真性に長期間の密封包装体
の態様であっても悪影響を与えないような熱可塑性樹脂
フィルム層を配置した透湿度が20g/m2・24時間
(測定条件JISZ 0208の条件B)以下、酸素透
過率が2000cc/m2・24時間・1気圧(測定条
件ASTM D−3985)以下になるような層構成に
する。
【0369】〔I〕光透過性防湿・酸素バリヤフィルム
の具体例を以下に示すが本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0370】〈例〉 A.多層共押出しフィルムのみから成る光透過性防湿・
酸素バリヤフィルムの代表例。 1.ポリプロピレン系樹脂フィルム層/エチレン・αオ
レフィン共重合体樹脂フィルム層(無延伸、又は1軸、
又は2軸延伸) 2.ポリプロピレン系樹脂フィルム層/酸変性ポリオレ
フィン樹脂含有中間フィルム層/L−LDPE樹脂フィ
ルム層(無延伸、又は1軸、又は2軸延伸) 3.PP樹脂とHDPE樹脂混合フィルム層/L−LD
PE樹脂フィルム層(無延伸、又は1軸、又は2軸延
伸) 4.高密度ポリエチレン樹脂フィルム層/L−LDPE
樹脂フィルム層(無延伸、又は1軸、又は2軸延伸) 5.高密度ポリエチレン樹脂フィルム層/高圧法低密度
ポリエチレン樹脂フィルム層(無延伸、又は1軸、又は
2軸延伸) 6.ポリアミド樹脂フィルム層/酸変性ポリオレフィン
樹脂含有中間フィルム層/L−LDPE樹脂フィルム層
(無延伸、又は1軸、又は2軸延伸) 7.ポリエステル樹脂フィルム層/酸変性ポリオレフィ
ン樹脂含有中間フィルム層/L−LDPE樹脂フィルム
(無延伸、又は1軸、又は2軸延伸) 8.最外層が2種以上の樹脂ブレンドフィルム層/最内
層がL−LDPE樹脂5〜50重量%未満、他のポリオ
レフィン樹脂50〜95重量%との混合樹脂フィルム層
(無延伸、又は1軸、又は2軸延伸) 9.低MFR(5g/10分以下)L−LDPE樹脂フ
ィルム層/高MFR(5.5〜60g/10分以下のL
−LDPE樹脂フィルム層(無延伸、又は1軸、又は2
軸延伸) 10. 9.の高MFR L−LDPE樹脂フィルム層/9.
の低MFR L−LDPE樹脂フィルム層/9.の高MF
R L−LDPE樹脂フィルム層(無延伸、又は1軸、
又は2軸延伸) 11.超低密度L−LDPE樹脂とPP系樹脂とL−LD
PE樹脂の3種のブレンド樹脂フィルム層/PP系樹脂
層/VL−LDPE樹脂とPP系樹脂とL−LDPE樹
脂の3種のブレンド樹脂フィルム層(無延伸、又は1
軸、又は2軸延伸) 12.高MFR PP系樹脂フィルム層/低MFR PP系
樹脂フィルム層/エチレン共重合体樹脂5重量%以上含
有フィルム層(無延伸、又は1軸、又は2軸延伸) 13.PP系樹脂フィルム層/VL−LDPE樹脂とPP
系樹脂とL−LDPE樹脂の3種のブレンド樹脂フィル
ム層(無延伸、又は1軸、又は2軸延伸) 14.高融点ポリオレフィン樹脂フィルム層/平均粒子径
が0.1〜5μmのシリコーンゴム粒子を0.01〜2
重量%と熱可塑性樹脂エラストマー及び/又はエチレン
共重合体樹脂を5重量%以上含むフィルム層(無延伸、
又は1軸、又は2軸延伸) 15.PP系樹脂フィルム層/プロピレン−αオレフィン
共重合体樹脂とエチレン共重合体樹脂5重量%以上を含
むフィルム層(無延伸、又は1軸、又は2軸延伸)
【0371】1.〜15.の多層共押出しフィルムは一軸
又は二軸延伸することが剛性向上と透湿度を小さくし、
酸素透過率を小さくし、透明度を向上し、延伸方向のヤ
ング率を大きくできる点で好ましい。
【0372】ヤング率はASTM D−882に準拠し
た測定値(延伸方向の値)が20kg/mm2以上、好ま
しくは40kg/mm2以上、特に好ましくは50kg
/mm 2以上の熱可塑性樹脂フィルムである。延伸の安
定性と物理向上の点で延伸倍率は1.2〜12倍、好ま
しくは1.5〜10倍、特に好ましくは1.8〜8倍で
ある。二軸延伸の場合はタテ方向の延伸倍率×ヨコ方向
の延伸倍率の積の値が2〜70倍、好ましくは4〜60
倍、特に好ましくは6〜50倍である。フィルムの厚さ
は透湿度と酸素透過率を満足させるように選択する。防
湿・酸素バリヤ薄膜を設ける場合は自由度が拡大する。
【0373】B.単層フィルムから成る光透過性防湿・
酸素バリヤフィルムの代表例。 1.PP系樹脂のみから成るフィルム(無延伸、又は一
軸延伸、又は二軸延伸) 2.PP系樹脂にL−LDPE樹脂又はVL−LDPE
樹脂又は熱可塑性樹脂エラストマーの1種以上を50重
量%未満含むフィルム(無延伸、又は一軸延伸、又は二
軸延伸) 3.PP系樹脂を2種以上ブレンドしたフィルム(無延
伸、又は一軸延伸、又は二軸延伸) 4.PP系樹脂と密度0.940g/cm3以上のポリ
エチレン系樹脂をブレンドしたフィルム(無延伸、又は
一軸延伸、又は二軸延伸) 5.エチレン−2,6−ナフタレート単位を主たる繰返
し単位とするポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂
中に0.05〜8重量%のスルホン酸塩を含有するガラ
ス転移温度が70℃以上のフィルム(無延伸、又は一軸
延伸、又は二軸延伸) 6.ポリエステル樹脂中に平均粒径が0.1〜3.0μm
の不活性無機粒子(シリカ、合成炭酸カルシウム、二酸
化チタン、硫酸バリウム、α−アルミナ等)を0.00
5〜2.0重量%添加したフィルム(無延伸、又は一軸
延伸、又は二軸延伸) 7.高密度ポリエチレン樹脂(密度0.940g/cm
3以上のL−LDPE樹脂も含む)から成るフィルム
(無延伸、又は一軸延伸、又は二軸延伸) C.上記A、Bの熱可塑性樹脂フィルムの表面に厚さ3
0μm以下の防湿・酸素バリヤ薄膜又は耐スクラッチ性
(表面の耐削れ性とフィルムの傷つきにくさ)向上塗布
層を設けたフィルム(無延伸、又は一軸延伸、又は二軸
延伸)
【0374】〔II〕遮光性防湿・酸素バリヤ熱可塑性樹
脂フィルムの具体例。 上記〔I〕のA〜Cの光透過性防湿・酸素バリヤフィル
ムの少なくとも1つの層中に遮光性物質を0.1〜20
重量%、好ましくは0.5〜15重量%、特に好ましく
は1.0〜10重量%含有させた遮光性防湿・酸素バリ
ヤ熱可塑性樹脂フィルムで特に1軸又は2軸延伸フィル
ムが好ましく、延伸倍率、ヤング率、タテ方向の延伸倍
率×ヨコ方向の延伸倍率の積の値は上記〔I〕のA記載
に準じた値の延伸フィルムが好ましい。
【0375】その他の最外層の耐熱性フレキシブルシー
ト層としては公知の各種の紙を接着剤層を介して積層す
ることができる。本発明では印刷適性と耐熱性を有する
とともに森林保護にも一役買うことができ、本発明の感
光材料用包装材料の最外層や中間層として用いた場合は
未晒パルプ紙や酸性紙として用いても写真性に悪影響を
及ぼすことがない点でトウモロコシやサトウキビやバナ
ナや麻やアオイ科のケナフ等の非木材パルプを50重量
%以上、特に70重量%以上含む紙が好ましい。これら
の非木材パルプを用いて最外層用非木材紙を抄造する場
合には従来の木材パルプに用いられる公知の各種の添加
剤(無機顔料、サイズ剤、紙力増強剤、硫酸アルミニウ
ム(硫酸バンド)、アルキルケテンダイマー、ポリアクリ
ルアマイド、ステアリン酸ナトリウム、水酸化カルシウ
ム、染料、カーボンブラック等)を目的に応じて選択し
て使用可能である。上記非木材紙を、本発明の感光材料
用包装材料の最外層及び感光材料包装体の当紙、挟み
紙、遮光紙、リーダー紙、紙巻芯、包装袋等として用い
る場合に、品質、物理強度、写真性、供給安定性等が優
れる点から、「トウモロコシ」やサトウキビの搾りかす
(「ハガス」と一般に呼称されている)から得たパルプ
を用いた紙と、アオイ科ハイビスカス属の植物である
「ケナフ」から得たパルプを用いた紙が好ましい。これ
らの非木材紙や従来の木材紙の故紙や損紙を再生した再
生紙として用いてもよい。また故紙や損紙とバージンパ
ルプや合成紙とを混合した紙、または以上の1種以上を
有する紙層を有する多層抄き合せ紙として用いてもよ
い。さらに以下に記載する特殊紙や樹脂被覆紙として用
いることは特に好ましい。
【0376】本発明で特に好ましい最外層としては耐熱
性フレキシブルシート層として耐熱性、印刷適性、寸法
安定性等を有する特殊紙を接着剤層を介して積層するこ
とができる。
【0377】このような特殊紙は、天然パルプ(木材や
非木材(サトウキビやバナナや麻やアオイ科のケナフ
等)パルプを用いて抄造して紙としたもので、バージン
パルプだけでなく故紙や再生紙や損紙を再離解したパル
プを10重量%以上、好ましくは30重量%以上、特に
好ましくは50重量%以上、最も好ましくは70重量%
以上含む紙)に、水媒体中において水溶性金属化合物の
溶液反応により生成した白色無機顔料(例えば硅酸カル
シウム,硅酸アルミニウム,炭酸カルシウム等)を変性
パルプ中に乾燥重量で5〜90%、好ましくは10〜8
0%、特に好ましくは20〜50%を、その含有金属
(例えば、カルシウム,アルミニウム等)を含有する水
溶性化合物(例えば水酸化カルシウム,可溶性アルミニ
ウム塩等)の水溶液に、上記白色無機顔料が有する酸基
に対応する塩基又は化学構造を有する水溶性化合物(例
えば、二酸化炭素、硅酸ナトリウム等)の水溶液を添加
することによって、水不溶性化合物沈澱として得られる
溶液反応を天然パルプ繊維の存在下で行うことにより、
生成する水溶性白色無機顔料として、その生成と同時に
天然パルプ繊維上に沈着・吸着した変性パルプ1〜80
重量%、好ましくは5〜70重量%、特に好ましくは8
〜50重量%を天然パルプと混合した物を抄紙して得ら
れる紙又はこの紙の表面(片面又は両面)に公知の各種
の表面サイズ剤やポリマー組成物や染料及び/又は顔料
入組成物を各種の方法で設けた加工紙である。
【0378】この特殊紙は水中伸びが20%以上減少
し、湿度変化に対する寸法変化も20%以上減少し、表
面平滑性に優れ、感光材料用に用いる包装紙や積層体と
して最適のものであった。
【0379】また、耐摩耗性、無塵性の紙が、最近印刷
用写真フィルム、1C基版用写真フィルム、Xレイ用写
真フィルム、撮影用カット写真フィルム、カラー印画
紙、写真植字用写真フィルム、印画紙等の当紙、挟み
紙、遮光紙、リーダー紙、紙巻芯、包装袋用積層フィル
ム等として求められており、本発明の感光材料用包装材
料の最外層としても好適である。
【0380】このような紙としては、無塵紙、加工紙、
従来は水や溶剤で液状にしたゼラチン、カゼイン、ポリ
ビニルアルコール、スターチ等の1種以上の親水性高分
子物質や熱可塑性樹脂の1種以上から成る塗液を塗布・
乾燥して紙の表面に塗膜層を形成した塗工紙や上記塗液
にクレーや炭酸カルシウムや二酸化チタン等の白色顔料
を混合分散させた顔料入塗膜層を形成した塗工紙やポリ
オレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂及び必要に応じて添加
した上記白色顔料や酸化防止剤等の添加剤入樹脂組成物
を加熱して溶融状態でTダイから押出して紙基材表面に
被覆層を形成するいわゆるエクストルージョンラミネー
ト法による被覆層(ラミネート樹脂層)を形成した樹脂
被覆紙が用いられている。
【0381】この樹脂被覆紙は主としてポリオレフィン
樹脂が用いられているが接着力を確保するために紙基材
表面に230℃以上、1般には300℃前後の高温溶融
状態で被覆層を形成しなければならない為に、紙基材の
表面が変形し、表面性が悪くなるだけでなく、問題なの
は写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼすポリオレフィ
ン樹脂や添加剤の熱分解が起こる。また悪臭を発生する
ようになる。さらに、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性
樹脂を紙基材に薄い被覆層として形成する時には、より
高温で溶融被覆する必要があり、ポリオレフィン樹脂や
添加剤の熱分解が多発しやすくなり、黄変や黒褐色の斑
点状の固まり(ミクログリッドと呼ばれる樹脂焼け故
障)やピンホールが発生しやすくなる。
【0382】最も問題なのはポリオレフィン樹脂等の熱
可塑性樹脂や滑剤、酸化防止剤等の添加剤が熱分解した
り熱変質して写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす物
質を発生したり、悪臭を発生する物質を発生したりして
高品質を維持できなくなる。さらにまた上記被覆層中に
白色顔料を含むことが外観、印刷適性向上等の点で好ま
しいが、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂中に白色
顔料を溶融分散する際には白色顔料の分散性が悪くミク
ログリッド等の異物状の固まりが多発するものであっ
た。このミクログリッドは写真感光材料に被り故障や部
分的な増減感故障等の写真性悪化を発生させるだけでな
く、圧力カブリや摩擦カブリ及び擦り傷等の物理故障も
発生させる写真感光材料用包装材料としては最も重大な
故障の一つであった。
【0383】このような欠点を解消するために電子線照
射によって硬化可能な被覆層を紙基材上に塗布して、こ
れに電子線を照射して硬化させることが好ましい。
【0384】このような方法によれば、常温で塗布およ
び硬化を行うので紙基材表面があれたり、ピンホールが
生じたりすることがなく、また常温で白色顔料を分散せ
るので分散性がよくミクログリッド等の異物状の固まり
(ブツ)の発生がほとんどなくなる。さらに被覆層の平
滑性や被覆層に所望の型付け(エンボス加工)を行うた
めに被覆層を弱い圧力の下で高光沢ロールに押圧し、ロ
ールの成形面との接触中に紙支持体の背面から電子線を
照射して硬化させ、この後成形面からハクリしてもよ
い。
【0385】電子線照射によって硬化可能な材料は、通
常、嫌酸素性であり、電子線照射は不活性ガス中等で行
うことが好ましい。
【0386】不活性ガスとしては、窒素ガス、炭酸ガ
ス、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することがで
きる。
【0387】電子線照射は1回でもよいが2回以上にわ
けて行うことが完全に電子線硬化を行う点で好ましい。
例えば1回目は0.01Mrad〜10Mradで上記
不活性ガス雰囲気中または真空中で行うのが好ましい。
電子線の2回目の照射量は被覆層を不活性ガス雰囲気中
または真空中で硬化させるまで照射する。この2回目の
照射量は0.2Mrad〜20Mrad程度であり、こ
の照射によって、1回目の照射後、被覆層に残存してい
る未反応のラジカル反応を完結させる。なお必要により
3回目、4回目と随時、電子線を照射したり、熱風また
は遠赤外線で加熱したり紫外線照射してもよい。
【0388】電子線照射は基材の被覆層形成両面側から
行っても、背面側から行ってもよい。
【0389】本発明に用いられる電子線照射によって硬
化可能な被覆層は、不飽和二重結合を有する化合物また
はこれを含む組成物であればよく、このような化合物
は、好ましくは、不飽和二重結合を2個以上有するプレ
ポリマーおよび/またはオリゴマーであり、さらに、こ
れらに不飽和二重結合を有する単量体(ビニルモノマ
ー)を粘度調整等の目的で含有させることができる。
【0390】また、組成物の好ましい実施態様として
は、無機白色顔料を含有する態様を挙げることができ
る。
【0391】不飽和二重結合を2個以上有するプレポリ
マーまたはオリゴマーとしては、特開昭57−3083
0号公報に記載されているもの、あるいは関連技術分野
において開示されている公知のプレポリマーやオリゴマ
ーのいずれでもよい。その他、末端に化21に示すエポ
キシ基
【0392】
【化21】
【0393】あるいはビニルエーテル基(−CH2=CH
−O−)を有する樹脂も好適に使用できる。
【0394】このようなプレポリマー、オリゴマーにつ
いての具体例としては下記のようなものがある。
【0395】1)不飽和ポリエステル 特公昭48−23654号公報、特公昭49−2329
3号公報、特公昭49−47103号公報、特公昭49
−44572号公報、特開昭54−7473号公報に開
示されている化合物。
【0396】2)変性不飽和ポリエステル ウレタン変性不飽和ポリエステル 特に、特公昭48−14667号公報に開示されている
化合物。 アクリルウレタン変性不飽和ポリエステル 特に、特公昭48−14790号公報に開示されている
化合物 末端にアクリル基を有する液状の不飽和ポリエステル 特に米国特許3455802号明細書、米国特許348
5732号明細書に開示されている化合物
【0397】3)アクリル系ポリマー ポリエステルアクリレート A.C.J. Van Oosterhout and A. van Neerbos, Double L
iaison-Chim peint,27(295),135(198
0)に記載されているポリエステルアクリレートオリゴ
マー エポキシアクリレート
【0398】特公昭47−13023号公報、特開昭5
7−162713号公報に開示されている化合物。すな
わち、多官能エポキシ化合物にアクリル酸、その他α,
β不飽和カルボン酸を付加させて得られるエポキシアク
リレート シリコーンアクリレート
【0399】特公昭48−22172号公報、特開昭4
8−39594号公報に開示されているヒドロキシル基
またはメトキシ基含有シリコーンと、ヒドロキシエチル
メタクリレートの縮合物。 ウレタンアクリレート
【0400】米国特許3864133号明細書、同38
91523号明細書、同3912516号明細書、特公
昭48−22172号公報、特開昭48−39594号
公報、特開昭49−26337号公報、特公昭49−3
5346号公報、特開昭49−96043号公報、特公
昭52−31239号公報、特開昭54−80394号
公報、特開昭54−129034号公報、特開昭54−
127994号各公報に開示されているウレタンアクリ
レート。
【0401】具体的には、多官能インシアネート化合物
にヒドロキシエチルメタアクリレートを付加反応させて
得られたウレタンアクリレート ポリオキシアルキレンビスフェノールA誘導体と、ポリ
イソシアナートおよびヒドロキシル基含有アクリレート
との反応によって得られたウレタンアクリレート ヒドロキシル官能基を有するアミド含有化合物とポリイ
ソシアナートとヒドロキシ含有アクリレート化合物を反
応させたアミドウレタンアクリレート 等が挙げられる。
【0402】4)ブタジエン系ポリマー 特開昭50−123187号公報に開示されているウレ
タン化1,2−ポリブタジエンや、特開昭54−148
094号公報に開示されているエポキシ化ポリブタジエ
ンにモノエステル化合物を付加させ、さらに脂肪族低級
カルボン酸を付加させた変性ポリブタジエン等が挙げら
れる。以上の化合物は、単独または2種以上混合して用
いてもかまわない。
【0403】また、その数平均分子量として500〜2
0000程度、好ましくは1000〜10000程度で
ある。
【0404】好ましい態様として、これらプレポリマ
ー、オリゴマーとブレンドされる無機白色顔料の濃度と
しては、これらポリマーと顔料の混合重量比で10/1
〜1/1、好ましくは、5/1〜0.7/1程度が好ま
しい。
【0405】また、不飽和結合を有する単量体は、これ
らポリマーに対し、重量比で1/10〜10/1程度が
好ましい。
【0406】不飽和結合を有する単量体(ビニルモノマ
ー)は、組成物の粘度を低下させ、塗布作業性を向上さ
せる目的で配合され、このモノマーが硬化速度を向上さ
せるものである。
【0407】これらモノマーは、単独で用いてもよく、
またこれらのモノマーを必要に応じ、2種以上混合して
用いてもよい。
【0408】これらモノマーの代表的なものとしては、
以下のようなものがある。 a)単官能モノマー メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、グリシジルメタクリレート、n−ヘキ
シルアクリレート、ラウリルアクリレートなど。
【0409】b)2官能モノマー 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコー
ル、1,4−ブタンジオールジアクリレート、エチレン
グリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ
アクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、
ジビニルベンゼンなど。
【0410】c)3官能以上のモノマー トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート、エチレンジアミンのアクリル酸エステル等
である。
【0411】また必要により添加する光反射性遮光性物
質としては、前記のものが使用できるが外観、印刷の見
栄えの点で下記の白色顔料、すなわち、TiO2(アナ
ターゼ、ルチル型)、ZnO2、SiO2、BaSO4
CaSO4、CaCO3、タルク、アルミ粉末、等が好ま
しい。その他硬化しないバインダーも必要に応じ配合で
きる。
【0412】例えば、特開昭57−30830号公報に
記載されているもの、すなわち、セルロースエステル、
ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニルならびに酢酸ビ
ニル共重合体、スチロール−アクリル酸共重合体、飽和
ないし不飽和のスチロール不含ポリエステル樹脂などで
ある。
【0413】本発明で使用する基材は、紙とプラスチッ
クフィルムであり、印刷性、高ヤング率及び耐熱性より
木材又は非木材から得られる各種の天然パルプ、合成パ
ルプ、あるいはこれらの混合物よりなる紙が使用でき
る。また故紙、損紙を10重量%以上混合した再生紙も
使用できる。
【0414】例えば、公知の方法によって作製された写
真用紙、純白紙、クラフト紙、デュオストレス紙、ヒネ
リ原紙、グラシン紙、上質紙等、平面性のよい紙であれ
ばいずれでもかまわない。また非木材紙(サトウキビの
搾りかすである「バガス」やアオイ科の「ケナフ」から
得たパルプ使用)であってもよい。
【0415】そして、その厚さは30〜250μm程
度、好ましくは40〜220μm、特に好ましくは50
〜200μmである。秤量は30〜220g/m2程度、
好ましくは40〜200g/m2、特に50〜180g
/m2が好ましい。
【0416】これらの紙には、必要により紙力増強剤、
サイズ剤(内部サイズ及び表面サイズ及びタブサイズ
用)、着色剤、蛍増白剤等を添加して使用できる。
【0417】その他、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリス
チレン等のプラスチックフィルムが上記紙にかわり使用
でき、このときには、顔料を含んでも含まなくてもよ
い。
【0418】本発明の被覆層を硬化させる電子線加速器
としては、バンデグラフ型のスキャニング方式、ダブル
スキャニング方式、カーテンビーム方式が使用できる。
この場合特に好ましいのは、比較的安価で大出力が得ら
れるカーテンビーム方式である。
【0419】電子線特性としては、加速電圧が100〜
1000KV、好ましくは150〜300KVのものが
好適である。
【0420】これは、100KVより小では透過量が不
足であり、1000KVより大では経済的でないからで
ある。
【0421】本発明の被覆層を基体に被覆する方法とし
ては、ブレードコート、エアナイフコート、スライドコ
ート、グラビアコート、リバースロールコート、スプレ
ーコート、カーテンコート、トランスファーロールコー
ト等、いずれも使用可能である。
【0422】そして、その被覆量としては0.3〜10
0μm、3〜80μmが好ましく、特に5〜50μmが
好ましい。
【0423】これは、0.3μmより小では基材に浸透
してしまい、平滑性が悪くなり、かつ連続膜形成がむず
かしく、また、100μmより大では、塗布ムラが多
く、硬化に多大なエネルギーが必要となり、経済的に不
利であり、かつ、硬化が不十分となるからである。
【0424】なお、被覆層を組成物とするときの分散方
法としては、種々の混練機を使用すればよい。例えば、
二本ロールロールミル、三本ロールミル、ボールミル、
ペプルミル、ニーダー、サンドクラインダー、高速イン
ペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ホ
モジナイザー等である。
【0425】本発明の感光材料用包装材料には防滴剤を
添加することができる。防滴剤を添加することにより、
密封袋を作製した際、太陽光下中に放置し急激な温度変
化(高温←→低温)を与えた場合においても、密封袋内
が曇って収納した製品が見えにくくなるということがな
い。
【0426】防滴剤としては、前述のものが使用でき
る。
【0427】本発明の感光材料用包装材料には、無機化
合物を添加することができる。無機化合物を添加するこ
とにより、シワの発生、スリ傷等が発生するのを防止す
ることができる。
【0428】すなわち、重量のある感光材料を本発明の
感光材料用包装材料を用いて製袋と同時にオンマシンで
密封袋の包装体形態で自動包装する場合に反感光材料側
の最外層に上記各種のポリエステル樹脂のみから製膜し
たフィルムでは製膜速度が遅く、スリ傷が発生しやす
く、最も問題なのは滑性がなくシワが発生したり、ガセ
ット袋の場合ではセンターシールが蛇行したり、包装体
のベルト搬送が困難になり実用化困難になることが最近
判明した。
【0429】これは滑性不良が原因と考え、易滑性にす
るにはポリエステル系樹脂表面に凹凸を形成するように
すればよいと考え種々の無機化合物を含むポリエステル
系樹脂フィルムを検討した結果、平均粒径が0.1〜7
μm、好ましくは0.5〜6μm、特に好ましくは1〜
5μm(0.1μmでは表面凹凸がほとんど形成されず
滑性不十分、7μm以上ではフィルムにピンホールやス
リキズが発生する)の不活性無機化合物とMg,Ca,
Mn,CO又はこれらの金属化合物の少なくとも1種及
びリン化合物の少なくとも1種を含有したポリエステル
系樹脂組成物を用いてキャスト法により製膜すると、光
透過率が大きく、製膜速度が大きく、易滑性で且つ電気
伝導性の優れた本発明の包装材料の最外層として最適の
ポリエステル系樹脂フィルムが得られることが判明し
た。
【0430】本発明で不活性無機化合物とは、ポリエス
テル系樹脂に不活性のものであればいかなるものでも良
く、例えば酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カ
ルシウム、二酸化ケイ素、酸化チタン、硫酸バリウム、
フタル酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニ
ウム、硫酸カルシウム等があり、一種又は二種以上組合
せて用いる。
【0431】含有量は0.01〜3重量%、好ましくは
0.02〜2重量%、特に好ましくは0.03〜1.5
重量%である。
【0432】本発明でMg,Ca,Mn,CO又はこれ
らの金属化合物としては塩化カルシウム、酢酸コバル
ト、水酸化アルミニウム、塩化コバルト等であり、リン
化合物とは、リン化合物の少なくとも1種例えばリン
酸,亜りん酸,リン酸トリフェニル,エチルホスホン
酸,エチルアシッドホスフェート,リン酸トリメチル,
リン酸トリエチル等がある。これらの金属又は金属化合
物の含有量は0.01〜1.0重量%、好ましくは0.0
2〜0.8重量%、特に好ましくは0.05〜0.5重
量%である。
【0433】リン化合物の含有量は0.005〜0.8重
量%、好ましくは0.01〜0.6重量%、特に好まし
くは0.02〜0.4重量%である。
【0434】上述したポリエステル系樹脂組成物を用い
てキャスト方法で縦・横の延伸倍率をそれぞれ3.5倍
と4倍で延伸した厚さ15μmの二軸延伸ポリエステル
系樹脂フィルムのヘイズ(ASTM D−1003)は
30%以下であり、動摩擦係数(ASTM D−189
4)は0.6以下であり、表面粗さ(触針式表面粗さ計
により測定したカットオフ0.25mm、測定長1mm
での値)Raも0.1〜1.0μmであり、且つ本発明
の包装材料の最外層として用いた結果帯電防止性、耐傷
性、耐摩耗性、印刷適性、自動製袋適性の優れたもので
あった。
【0435】また、プロピレン系樹脂(ホモポリプロピ
レン樹脂,プロピレン−αオレフィンランダム共重合体
樹脂,プロピレン−αオレフィンブロック共重合体樹
脂,プロピレン系エラストマー等)やエチレン系樹脂
(各種密度のホモポリエチレン樹脂、各種密度のL−L
DPE樹脂,各種エチレン共重合体樹脂,各種エチレン
系エラストマー,エチレン−ビニルアルコール共重合体
樹脂等)や酸変性ポリオレフィン樹脂等の各種ポリオレ
フィン樹脂の少なくとも1種を本発明の感光材料用包装
材料の最外層又は最内層(特に感光材料の写真性に影響
を及ぼす最内層)に使用する場合は、低分子量の樹脂や
添加剤の中に熱により劣化したり分解したりして各種の
感光材料に悪影響を及ぼす物質を発生させる添加剤や、
ポリオレフィン樹脂の重合時に使用される重合触媒、例
えばチーグラー・ナッタ触媒(TiCl3,Al(CH3)3
等のアルキルアルミニウムを主成分とする)を使用した
場合には、ポリオレフィン樹脂中には、TiCl3又はそ
の反応物が触媒残査として微量ながら含有されており、
押出等に際して150℃以上、特に190℃以上の溶融
温度になるとポリオレフィン樹脂の分子切断や架橋反応
等の熱劣化が促進進行する。特にスクラップ樹脂のよう
に1回以上150℃以上の溶融温度の熱履歴を経たもの
はこの熱劣化が促進進行することが最近判明した。さら
に特にスクラップ樹脂やマスターバッチ樹脂等のように
熱履歴を2回以上経た樹脂の少なくとも1種を含む二種
以上の熱可塑性樹脂を混合使用する場合に熱劣化が促進
進行されることが最近判明した。
【0436】上記樹脂の熱劣化とは、上記溶融押出し時
にスクリューや金型に褐色または黒色付着物(焦げ)、
ゲル状物質の付着物(メヤニ)等を生じる。
【0437】この熱劣化が生じると樹脂層に筋や焦げの
固りやミクログリッドやピンホール等の故障が発生する
だけでなく、上記感光材料に悪影響を及ぼす物質の発生
や樹脂分解物の悪臭等の重大な故障も発生することが最
近判明した。また光透過性の樹脂層の場合は着色や褐色
又は黒色付着物の発生により外観を悪化させる。さらに
物理強度の低下や成形不良が発生する。
【0438】単独樹脂や添加剤の熱劣化を防止するため
に各種の熱劣化防止剤が単独で又は2種併用する各種の
多くの例がすでに開示されている。しかし感光材料の写
真性に悪影響を及ぼす熱分解物質や熱劣化物質の量は他
の一般の商品の1/10以下である。感光材料用包装材
料の最内層の感光材料に位置する樹脂層は感光材料の有
効期間(一年間以上の長期間)中は密封包装中に感光材
料の写真性に悪影響を及ぼしてはいけないと言う他商品
では考えられない厳しい高品質を必須とされている。こ
の高品質は感光材料の高感度化、多層乳剤層を有するカ
ラー感光材料の色再現性向上化によりさらに高まった。
この厳しい高品質を維持できるようにするには従来の樹
脂の熱劣化対応だけでは問題があることが最近判明し
た。特に写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす重合触
媒を用いているポリオレフィン樹脂では樹脂中に写真性
を悪影響を及ぼす触媒残査が含まれていることが最近判
明した。
【0439】したがって、感光材料の写真性に悪影響を
及ぼす可能性のある最内層が少なくとも1種の酸化防止
剤及び/又はハイドロタルサイト類化合物と、少なくと
も1種の脂肪酸金属塩と、少なくとも1種のアルカリ土
類金属化合物を併用して配合した樹脂組成物を用いるよ
うにすることが好ましい。さらに遮光性物質を少なくと
も1種含む場合は物理強度向上、ヒートシール適性向上
(特に1年以上の有効期間中にヒートシール強度低下が
発生しなくなる)遮光性物質の分散性向上、成形性向上
のために少なくとも1種のエチレン共重合体樹脂、熱可
塑性エラストマー及び相溶化剤を1重量%以上配合する
ことが好ましい。
【0440】上記特殊樹脂組成物を最内層に用いること
により下記の効果が発揮されるようになった。
【0441】 1年以上の有効期間中も含め感材料の
写真性を良好に維持。 有効期間中もヒートシール強度をほとんど低下させ
ることなく完全密封性を確保。 スクリューや金型等への褐色及び/又は黒色付着物
(焦げ)を防止し長時間連続成形が可能。 透明樹脂層の着色や褐色及び/又は黒色付着物の発
生防止。 ミクログリッドやフィッシュアイやピンホール等の
発生防止。 樹脂や添加物の熱分解による悪臭や有害物質の発生
防止。 樹脂の分子切断や架橋反応等による物理強度や外観
や成形性の悪化防止 スクラップ樹脂やマスターバッチ樹脂等150℃以
上の熱履歴を2回以上経た樹脂を混合使用しても樹脂の
熱劣化による上記〜記載のトラブル発生防止 チーグラー・ナッタ触媒等の重合触媒で重合した樹
脂中の触媒が分解する際に発生する塩酸等の成形機を腐
食させたり、写真性に悪影響を及ぼす物質を中和及び/
又は補促等により無害化、等
【0442】熱可塑性エラストマー(以下、TPEと表
示)は、大別するとスチレン系(以後SBCと表示)、
エステル系(以後TPEEと表示)、オレフィン系(以
後TPOと表示)、塩化ビニル系(以後TPVCと表
示)、アミド系(以後TPAEと表示)、結晶性1,2
ポリブタジエン系(以後RBと表示)、アイオノマー系、
ふっ素系(以後F−TPEと表示)、ウレタン系(以後
TPUと表示)、イソプレン系など各種の化学構造のも
のがある。
【0443】前記相溶化剤とは、一般には、同種でも特
性の異なる熱可塑性樹脂、2種以上の熱可塑性樹脂、リ
サイクル熱可塑性樹脂とバージン熱可塑性樹脂(過去に
成形品に使用されたことがない樹脂、即ち、始めて成形
品に使用される樹脂のことを言う。以下同様)、遮光性
物質を高濃度に配合したマスターバッチ熱可塑性樹脂と
希釈用熱可塑性樹脂(ブレンドするもう一方の樹脂より
遮光性物質の濃度が低いか又は全く含んでいない樹脂の
ことを言う。以下同様)又はこれらを組み合せた樹脂の
ように単一の熱可塑性樹脂にはない新しい性質、性能を
発現しようとする際、複数の樹脂の相溶化を達成できる
物質のことである。
【0444】相溶化剤には、非反応型相溶化剤と反応型
相溶化剤とがある。相溶化剤の具体的な代表例を以下に
示す。
【0445】非反応型相溶化剤の代表例 スチレン・エチレン・ブタジエンブロック共重合体樹脂 ポリエチレン・ポリスチレングラフト共重合体樹脂 ポリエチレン・ポリメチルメタクリレートグラフト共重
合体樹脂 ポリエチレン・ポリメチルメタクリレートブロック共重
合体樹脂 エチレン・プロピレン・ジエン共重合体樹脂 エチレン・プロピレン共重合体樹脂 ポリスチレン・低密度ホモポリエチレングラフト共重合
体樹脂 ポリスチレン・高密度ホモポリエチレングラフト共重合
体樹脂 水添スチレン・ブタジエン共重合体樹脂 スチレン・エチレン、ブタジエン・スチレン共重合体樹
脂 スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂 塩素化ポリエチレン樹脂 ポリプロピレン・ポリアミドグラフト共重合体樹脂 ポリプロピレン・エチレン・プロピレン・ジエン共重合
体樹脂 ポリスチレン・ポリアクリル酸エチルグラフト共重合体
樹脂 ポリスチレン・ポリブタジエングラフト共重合体樹脂 ポリスチレン・ポリメチルメタアクリレートブロック共
重合体樹脂 等 反応型相溶化剤の代表例 無水マレイン酸化エチレン・プロピレン共重合体樹脂 無水マレイン酸化スチレングラフト共重合体樹脂 無水マレイン酸化スチレン・ブタジエン・スチレン共重
合体樹脂 無水マレイン酸化スチレン・エチレン・ブタジエン・ス
チレン共重合体樹脂 エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体樹脂 エチレン・グリシジルメタクリレート・スチレングラフ
ト共重合体樹脂 エチレン・グリシジルメタクリレート・メチルメタクリ
レートグラフト共重合体樹脂 無水マレイン酸グラフトポリプロピレン共重合体樹脂
等 名以外の市販相溶化剤の代表例を表4に示す。
【0446】
【表4】
【0447】カラー感熱記録材料やジアゾ系感熱記録材
料等のように定着可能な感光材料、例えば支持体上に、
ジアゾ化合物、カップリング成分及び発色助剤等を含有
する記録層を設けた感光性の感熱記録材料や米国特許第
3,152,904号明細書、第3,301,678号明細
書、第3,392,020号明細書、第3,457,075
号明細書、第3,531,286号明細書、特開昭57−
179840号公報、同57−186744号公報、同
58−40551号公報、同58−58543号公報、
同58−79247号公報、同58−116537号公
報、同58−123533号公報、同58−14904
6号公報、同58−149047号公報、同59−12
431号公報、同59−22049号公報、同60−1
94449号公報、同61−20944号公報等に開示
されているハロゲン化銀と色素給与化合物を少なくとも
含有する熱現像カラー感光材料は特に湿度の影響を大き
く受けることが知られている。
【0448】しかしこれらの熱現像カラー感光材料は、
現像液が不要である。取り扱いが容易である。発
色濃度が高い。記録装置が簡単であり安価である。
記録時の騒音がない。産業廃棄物がない。等の利点が
あるため急速に普及している。
【0449】然し、上述のように湿度の影響を非常に大
きく受けるため特別の包装体とすることが良好な品質を
長期間維持するためには必須とされ本願発明者も実公平
3−38142号公報で別体である遮光紙と光反射紙で
構成した、包装内の湿気を外部へ放出するとともに、外
部の温度を有効に遮断して包装内部が高温になるのを防
止することによりかぶりの発生を大巾に減少(1/6以
下)し、ジアゾ系感熱記録材料の熱現像記録前の保存性
が極めて良好で安定した品質の状態で長期間確保できる
包装体を提案している。
【0450】この包装体に使用する包装材料は透湿度が
50g/m2・24時間以上であることが必要とされ
る。
【0451】本発明者はその後種々の包装材料と感光材
料の状態とカブリの関係を調査した結果、実公平3−3
8142号公報の従来品1の70μm厚さのLDPE遮
光フィルムを用いた包装体(透湿度11g/m2 ・24
時間)では55℃の恒温室に42時間入れた後の処理品
は0.987のかぶり(マクベス濃度)が発生していた
ものを、感光材料(ジアゾ系感熱記録材料)を温度15
〜35℃、湿度30〜65%RHの条件下に2時間以上
放置するか、又は感光材料の平衡含水率を25〜65%
RH、好ましくは25〜60%RH、好ましくは25〜
60%RH、特に好ましくは25〜55%RH、最も好
ましくは25〜50%RHにした状態で透湿度が8g/
2・24時間のカーボンブラック3重量%とLDPE
樹脂5重量%とエルカ酸アミド0.05重量%含むL−
LDPE熱可塑性樹脂組成物から成る厚さ80μmのL
−LDPE遮光フィルムの包装材料を用いて密封包装す
るとカブリを0.136に減少できることが判明した。
さらに温度が50℃、湿度が70%RHの状態下に包装
体を48時間放置した場合はカブリが0.148と多少
増加しただけであったが実公平3−38142号公報の
本考案品1の透湿度が100g/m2・24時間以上の
包装材料を用いた包装体のカブリは0.152→2.0
8と増加し本発明の防湿・酸素バリヤ包装材料を用い感
光材料の平衡含水率を30〜60%RHに調整した状態
で密封包装した感光材料包装体の方がカブリの発生が少
なく好ましいと予想外の良好な結果を得た。
【0452】さらに透湿度が1.8g/m2・24時間の
後述する本発明の実施例II−2の包装材料を用い感光材
料の平衡含水率を30〜60%RHに調整した状態で密
封包装した感光材料包装体のカブリは実公平3−381
2号公報の試験条件(55℃,42時間)では0.13
1であり、湿度が70%RHの状態下に包装体を48時
間した場合はカブリが0.133とほとんど増加せずさ
らに良好である結果を得た。
【0453】この結果から感光材料の平衡含水率を25
〜65%RH、好ましくは25〜60%RH、特に好ま
しくは25〜55%RH、最も好ましくは25〜50%
RHにした時は実公平3−38142号公報の透湿度が
50g/m2・24時間以上の包装材料を用いた(透湿
度の大きい)包装体よりも本願発明の透湿度が20g/
2・24時間以下の包装材料を用いた(透湿度の小さ
い)包装体の方がカブリが少ないと言う予想外の結果を
得た。
【0454】これは写真感光材料についても同様の結果
となり、本発明の包装材料を用いた場合は写真感光材料
の平衡含水率を25〜65%RH、好ましくは25〜6
0%RH、特に好ましくは25〜55%RH、最も好ま
しくは25〜50%RHにした状態で本発明の透湿度が
20g/m2・24時間以下、酸素透過率が2000c
c/m2・24時間・1気圧以下の包装材料で密封包装
した状態の包装体にすると有効期間(1年以上の長期
間)中でも写真性を良好に確保できることを発明した。
特に各種色素を感光乳剤層中含む写真感光材料やカラー
感熱紙では予想外の良好な結果が得られた。本発明で感
光材料の平衡含水率とは感光材料を温度20℃条件で目
的の湿度条件中に48時間放置した時の含水率を言う。
例えば50%RHの湿度条件中に48時間放置すると感
光材料は50%RHとしての1定の含水率を有するよう
になるがこの時の含水率を50%RHの平衡含水率と言
う。
【0455】実公平3−3812号公報で従来品とした
透湿度が11g/m2・24時間の包装材料を用いた包装
体のカブリが0.987と大きくなったのは吸湿性の親
水性ポリマーやジアゾを含有する含水率の高い感光層中
の水分が50℃に加熱された時に蒸気となり包装体内中
に充満して自己中毒が発生してカブリが増加したのに対
し、本発明の包装体は感光層中の含水率を平衡含水率が
25〜65%RH、好ましくは25〜60%RH、特に
好ましくは25〜55%RH、最も好ましくは25〜5
0%RHと低めにしてから透湿度の小さい包装材料で密
封包装して自己中毒を防止すると共に外気の湿度が高い
状態でも包装体内の湿度が増加しないようにしている。
このように感光材料の平衡含水率を低くした場合、包装
材料と感光材料との出し入れ時の摩擦帯電やスリキズの
発生を防止するために感光材料の少なくとも片面と包装
材料の最内層にブロッキング防止剤、滑剤、帯電防止
剤、導電物質の少なくとも1種を含ませることが好まし
い。または金属層や導電物質を含む層を1層以上積層し
た構成とすることが好ましい。本発明では包装材料の最
内層にブロッキング防止剤、滑剤の1種以上を含ませる
ことが好ましい。最近感光材料の高感度化、カラー化、
高品質化が進んでいるので本発明では感光材料の表・裏
の最上層の少なくとも一方の面に帯電防止剤か滑剤の1
種以上を含ませることが上記問題点を発生しないように
するために好ましい。特に本発明の感光材料用包装材料
と被包装物の感光材料の両方に帯電防止処理を施すこと
が好ましい。帯電防止処理を施す方法としては例えば前
記各種の滑剤や帯電防止剤を含ませることが好ましく、
特にシリコーン化合物(ポリジメチルシロキサン化合物
等)やふっ素系界面活性剤が好ましい。この場合の帯電
防止処理の目安としては前記した表面比抵抗が1013Ω
以下、好ましくは1012Ω以下、特に好ましくは10 11
Ω以下、最も好ましくは1010Ω以下になるようにす
る。
【0456】本発明で使用される含フッ素化合物は低分
子でも高分子でもよい。それらの化合物例としては低分
子のものでは、米国特許第3,775,126号、3,5
89,906号、同3,798,265号、同3,77
9,768号、同4,407,937号、西独特許第
1,293,189号、英国特許第1,259,398
号の各明細書及び特開昭48−87,826号、同49
−10,722号、同49−46,733、同50−1
6,525号、同50−113,221号、同50−1
6,1,236号、同50−99,525号、同51−
7,917号、同51−32,322号、同51−15
1,125号、同51−151,126号、同51−1
51,127号、同51−129,229号、同52−
127,974号、同53−84,712号、同53−
146,622号、同54−14,224号、同54−
48,520号、同55−7,762号等の各公報に記
載の化合物が挙げられる。
【0457】また、高分子のものとしては、米国特許第
4,175,969号、同4,087,394号、同4,0
16,125号、同3,676,123号、同3,67
9,411号、同4,304,852号、の各明細書及び
特開昭52−129,520号、同54−158,22
2号、同55−57,842号、同57−11,342
号、同57−19,735号、同57−179,837
号、の各公報並びに「化学総説No.27,新しいフッ
素化学」(日本化学会編,1980年)、「機能性含フ
ッ素高分子」(日刊工業新聞社編,1982年)等に記
載の化合物を挙げることができる。
【0458】これらの含フッ素化合物は、上記関係文献
に記載の方法により製造することができる他、さらに一
般的には、相当する炭化水素類のフッ素化により、合成
することができる。炭化水素類のフッ素化については
「新実験化学講座」Vol.14〔I〕(丸善,197
7)、308〜331ページに詳しい記載がある。
【0459】本発明においてフッ素系界面活性剤は0.
01g/m2〜3g/m2、好ましくは0.05g/m2
〜1g/m2を感光材料および/または色素固定材料の
前記の層に存在させる。
【0460】本発明の感光材料用包装材料の第2の態様
は、遮光性防湿酸素バリヤプラスチックフィルムと、こ
の遮光性防湿酸素バリヤプラスチックフィルムに積層さ
れたヒートシール層とを有し、透湿度(JIS Z 02
08の条件Bで測定)が20g/m2・24時間以下、
酸素透過率(ASTM D−3985)が2000cc
/m2・24時間・1気圧(測定条件20℃・65%R
H)であることを特徴として構成されている。
【0461】第2の態様の感光材料用包装材料は、遮光
性となるように形成されている他は、第1の態様の感材
料用包装材料と同様である。
【0462】本発明の感光材料用包装材料の第3の態様
は、遮光性、防湿性及び酸素バリヤ性を有する厚さ5〜
100μmの表裏両面の光沢度が異なる金属箔と、この
金属箔の両面に積層された熱可塑性樹脂層と、この熱可
塑性樹脂層の一方に積層されたヒートシール層とを有
し、金属箔と熱可塑性樹脂層との剥離強度が100g/
15mm巾以上であることを特徴として構成されてい
る。
【0463】表裏両面の沢度が異なる金属箔は、2枚の
金属シートの間に圧延油を介在させて2つの金属製の圧
延ロールの間を通過させることにより圧延金属箔とする
ことにより製造することが出来る。このようにして製造
した金属箔は圧延ロールと接した面は高光沢面となり圧
延油と接した面は低光沢面又はマット面となる。
【0464】金属箔の厚さは5〜100μmであり、5
μm未満であると、ピンホールが多発し、ハンドリング
中に切断して製造困難である。100μmを超えると、
剛性が大きく、切断面がシャープでユーザーがケガをし
やすく、且つ材料費が大になり実用化困難である。
【0465】金属箔と熱可塑性樹脂層との剥離強度が1
00g/15mm巾未満であると、ヒートシール性と密
封性とを十分に確保できなくなり、有効期間を通して高
感度写真フィルムの写真特性を維持できない。
【0466】第1の態様において説明した、樹脂組成、
表面処理、添加剤等は第3の態様の感材料用包装材料に
おいても同様である。
【0467】本発明の感光材料包装体は、撮影用写真フ
ィルム包装体と、この写真フィルム包装体を密封包装し
た感材料用包装材料とを有して構成されている。
【0468】撮影用写真フィルム包装体としては、例え
ば、レンズ付写真フィルムユニット,パトローネ入写真
フィルム,パトローネ入写真フィルムを密封したプラス
チック容器がある。
【0469】 感材料包装体の例 ISO感度100以上の感光材料用包装材料とそれを用
いた感材料包装体 〔例〕 イ.インスタント写真フィルムユニット包装体 ロ.レンズ付写真フィルムユニット包装体 ハ.パトローネ入写真フィルム包装体(写真フィルム用
容器入,写真フィルム用容器+化粧小箱入)、複数の集
合包装体、単一包装体も可 ニ.ブローニータイプの写真フィルム包装体(120タ
イプ,220タイプ) ホ.カートリッジ入写真フィルム包装体(K16タイ
プ,K35タイプ) ヘ.マガジン入8mm写真フィルム包装体 ト.デイス入写真フィルム包装体
【0470】 透明(包装体内が透けて見える)包装
材料が不透明(外から見えない)包装材料包装体の例 イ.透明(外から密封包装内の写真フィルムが確認可能
であれば半透明であっても本発明で透明と表示) ロ.1部が透明 透し窓付き包装材料 パートコート、パート蒸着、不透明フレキシブルシート
パート打抜き積層フィルム等。但しこれらの包装材料で
あっても透湿度、酸素透過率、ハクリ強度は特許請求の
範囲の最低値は確保することが必須 ハ.不透明 但し水蒸気透過度、酸素透過率、ハクリ強度は特許請求
の範囲の最低値は確保することが必須
【0471】 最外層と最内層が無塵性フレキシブル
シート層が特に好ましい。 無塵性フレキシブルシート層の代表例 透明な例;セロハン、プラスチックフィルム、蒸着フィ
ルム、グラシン紙 不透明な例;無塵紙、不織布、印刷付又は遮光性物質入
透明又は不透明な無塵性フレキシブルシート、樹脂被覆
紙、合成紙、顔料入多孔フィルム、遮光性物質入樹脂フ
ィルム(特に縦ヤング率が100kg/mm2以上の遮光
性物質0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜1
5重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%、最も好
ましくは0.5〜8重量入の一軸又は二軸延伸プラスチ
ックフィルムである。
【0472】本発明の感光材料用包装材料の好ましい実
施態様を以下に記載する。 (1) 透明な防湿性、酸素バリヤ性を有するプラスチッ
クフィルム上に、又は透明なプラスチックフィルム上に
透明な防湿性、酸素バリヤ性を有する厚さ30μm以下
の薄層(純金属層を除く)を設けた、光透過性の防湿・
酸素バリヤプラスチックフィルムの感光材料側に接着剤
層を介し又は接着剤層を介さずに直接、ヒートシール層
をハクリ強度が350g/15mm幅以上になるように
設けたことを特徴とする透過性の感材料用包装材料。
【0473】(2) 厚さ5〜100μmの透明二軸延伸
熱可塑性樹脂フィルム上に、厚さ20Å〜6000Åの
薄層を(純金属層を除く)設けた、光透過率が10%以
上、透湿度(JIS Z 0208の条件Bで測定)が5
0g/m2・24時間以下、酸素透過率(ASTM D−
3985)が2000cc/m2・24時間・1気圧以
下である透明・防湿・酸素バリヤ性プラスチックフィル
ムの感光材料側に厚さ5〜50μmの接着剤層を介して
厚さ10〜200μmのヒートシール層をハクリ強度が
350g/15mm幅以上になるように設けるか又は接
着剤層を介さずに直接7〜100μmのヒートシール層
をハクリ強度が350g/15mm幅以上になるように
設けたことを特徴とする光透過率が10%以上の透過性
の感材料用包装材料。
【0474】(3) 光透過性の防湿性、酸素バリヤ性を
有する薄層が厚さ20Å〜6000Åの蒸着薄膜層であ
ることを特徴とする(1)、(2)記載の感材料用包装材
料。
【0475】(4) 少なくともヒートシール層中に滑
剤、帯電防止剤、防滴剤、導電性物質、ブロッキング防
止剤、界面活性剤の中から選ばれた1種以上の合計量が
0.01〜10重量%を含むことを特徴とする透過性感
材料用包装材料。
【0476】(5) 撮影用写真フィルム包装体を上端側
に展示用ハンガーの挿通穴を設けた前記(1)〜(4)記載
の感光材料用包装材料を用いて製袋した光透過性の防湿
・酸素バリヤ包装袋内に密封包装したことを特徴とする
完全密封感材料包装体。
【0477】(6) 密封包装される撮影用フィルム包装
体の最外表面の体積抵抗値より光透過性の防湿・酸素バ
リヤ包装袋のヒートシール層(撮影用フィルム包装体の
最外表面と接触する層)の体積抵抗値を小さくしたこと
を特徴とする(5)記載の完全密封感材料包装体。
【0478】〈理由〉 これは感光材料包装体を運搬中
の撮影時に使用するために包装袋から取り出そうとする
時、さらに撮影後再密封包装しようとした時に、静電気
が発生し高感度(ISO感度100以上,特にISO4
00以上のパトローネ入写真フィルムであるアマチュア
用ネガフィルム)撮影用フィルムにスタチックマークが
発生しやすくなるので、これを防止するために撮影用フ
ィルム側に発生した静電気を包装袋側に漏洩させるため
である。このスタチックマークの発生は40%RH以下
の低温度下で取扱う時に特に激しくなる。
【0479】(7) 透明プラスチックフィルム上に、光
透過性の防湿性、酸素バリヤ性を有する厚さ30μm以
下の薄層(純金属層を除く)を設けた光透過性の防湿・
酸素バリヤ性プラスチックフィルムの感光材料側に接着
剤層を介し、又は接着剤層を介さずに直接、遮光性物質
を0.01〜80重量%含む遮光性層を少なくとも1層
積層した完全遮光性を有する積層フィルムを具備したこ
とを特徴とする完全遮性を有する感材料用包装材料。
【0480】(8) 厚さ5〜100μmの二軸延伸熱可
塑性樹脂フィルム上に、厚さ20Å〜6000Åの薄層
(純金属層を除く)を設けた、光透過率が10%以上、
透湿度(JIS Z 0208の条件Bで測定)が50g
/m2・24時間以下、酸素透過率(ASTM D−39
85)が2000cc/m2・24時間・1気圧以下であ
る防湿・酸素バリヤ性二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムの
感光材料側に厚さ50μm以下の接着剤層を介して、厚
さ10〜200μmの遮光性物質を0.01〜80重量
%含む遮光性層を少なくとも1層積層した、厚さ30〜
250μmの完全遮光性を有する積層フィルムを具備し
たことを特徴とする完全遮性を有する感材料用包装材
料。
【0481】(9) 光透過性の防湿性、酸素バリヤ性を
有する薄層(純金属層を除く)が厚さ20Å〜6000
Åの蒸着薄膜層であることを特徴とする(7)又は(8)記
載の完全遮性を有する感材料用包装材料。
【0482】(10) 光透過性の防湿・酸素バリヤ性を有
する薄層(純金属層を除く)を有する防湿・酸素バリヤ
性プラスチックフィルムの反ヒートシール層面に接着剤
層を介して厚さ1〜300μmの印刷適性を有する特殊
紙又は無塵性の無塵紙又は不織布又は合成紙から選ばれ
た1つ以上を積層した積層フィルムであり少なくとも1
層が遮光性を有することを特徴とする(7)、(8)又は
(9)記載の完全遮性を有する感材料用包装材料。
【0483】(11) 前記(7)、(8)、(9)又は(10)記載
の完全遮光性を有する感光材料用包装材料を用いて製袋
した完全遮光・防湿・酸素バリヤ包装袋内に感光材料又
は感光材料包装体を密封包装したことを特徴とする完全
密封感材料包装体。
【0484】(12) 密封包装される感光材料又は感光材
料包装体の最外表面の体積抵抗値より、完全遮光・防湿
・酸素バリヤ包装袋の遮光性ヒートシール層の体積抵抗
値を小さくしたことを特徴とする(11)記載の完全密封感
材料包装体。
【0485】(13) 遮光性を有するプラスチックフィル
ム上に、防湿性、酸素バリヤ性を有する厚さ30μm以
下の薄層(純金属層を除く)を設けた遮光性・防湿・酸
素バリヤプラスチックフィルムの感光材料側に酸変性ポ
リオレフィン樹脂を1〜80重量%含むポリオレフィン
樹脂接着剤層を介して遮光性物質を0.05〜80重量
%含む遮光性ヒートシール層を積層した完全遮光性を有
する積層フィルムを具備したことを特徴とする完全遮性
を有する感材料用包装材料。
【0486】(14) 厚さ5〜100μmの二軸延伸熱可
塑性樹脂フィルム上に、厚さ50Å〜6000Åの薄層
(純金属層を除く)を設けた。光透過率が10%未満、
透湿度(JIS Z 0208の条件Bで測定)が50g
/m2・24時間以下、酸素透過率(ASTM D−39
85)が2000cc/m2・24時間・1気圧以下で
ある遮光・防湿・酸素バリヤプラスチックフィルムの感
光材料側に厚さ50μm以下の酸変性ポリオレフィン樹
脂を1〜80重量%含むポリオレフィン樹脂接着剤層を
介して、厚さ10〜200μmの遮光性物質を0.01
〜80重量%含む遮光性ヒートシール層を積層した、厚
さ30〜250μmの完全遮光性を有する積層フィルム
を具備したことを特徴とする完全遮性を有する感材料用
包装材料。
【0487】(15) 厚さ5〜100μmの二軸延伸熱可
塑性樹脂フィルム上に、厚さ50Å〜6000Åの薄層
(純金属層を除く)を設けた、光透過率が10%未満、
透湿度(JIS Z 0208の条件Bで測定)が50g
/m2・24時間、酸素透過率(ASTM D−398
5)が2000cc/m2・24時間・1気圧以下であ
る遮光・防湿・酸素バリヤプラスチックフィルムの感光
材料側に、接着剤層を介さずに直接、厚さ7〜100μ
mの酸変性ポリオレフィン樹脂1〜98重量%とポリオ
レフィン樹脂98〜1重量%と遮光性物質を0.01〜
50重量%含む遮光性ヒートシール層を積層した、厚さ
30〜250μmの完全遮光性を有する積層フィルムを
具備したことを特徴とする完全遮性を有する感材料用包
装材料。
【0488】(16) 防湿性・酸素バリヤ性を有する薄層
(純金属層を除く)が厚さ50Å〜6000Åの蒸着薄
膜層であることを特徴とする(13)、(14)又は(15)記載の
完全遮性を有する感材料用包装材料。
【0489】(17) 遮光・防湿・酸素バリヤプラスチッ
クフィルムの反ヒートシール層面に接着剤層を介して厚
さ10〜300μmの印刷適性を有する特殊紙又は無塵
性の無塵紙又は不織布又は合成紙から選ばれた1つを積
層したことを特徴とする(13)、(14)、(15)又は(16)記載
の完全遮性を有する感材料用包装材料。
【0490】(18) 前記(13)、(14)、(15)、(16)又は(1
7)記載の完全遮光性を有する感光材料用包装材料を用い
て製袋した完全遮光・防湿・酸素バリヤ包装袋内に感光
材料又は感光材料包装体を密封包装したことを特徴とす
る完全密封感材料包装体。
【0491】(19) 密封包装される感光材料又は感光材
料包装体の最外表面の体積抵抗値より、完全遮光・防湿
・酸素バリヤ包装袋の遮光性ヒートシール層の体積抵抗
値を小さくしたことを特徴とする(18)記載の完全密封感
材料包装体。
【0492】(20) 遮光性・防湿性・酸素バリヤ性を有
する厚さ5〜100μmの光沢度が異なる表裏面を有す
る金属箔の感光材料側に厚さ50μm以下の接着剤層を
介して、厚さ10〜200μmのヒートシール層をハク
リ強度が100g/15mm巾以上になるように積層し
た反感光材料側に厚さ50μm以下の接着剤層を介し
て、厚さ5〜300μmで前記ヒートシール層より耐熱
性であるフレキシブルシートを積層した積層フィルムを
具備したことを特徴とする感材料用包装材料。
【0493】(21) 厚さ5〜100μmの光透過率が5
%以上のフレキシブルシートを厚さ5〜100μmの金
属箔のマット面側に厚さ50μm以下の接着剤層を介し
積層し、該金属箔の光沢面側に、厚さ50μm以下の接
着剤層を介し、又は接着剤層を介さずに直接、厚さ10
〜200μmのヒートシール層を積層した積層フィルム
から成ることを特徴とする感材料用包装材料から構成さ
れている。
【0494】(22) 金属箔であるアルミニウム箔がFe
を0.5〜3.0%を含有し、不純物としてのSiの含有
量を0.2%以下にした厚さ5〜20μmである(20)又
は(21)記載の感材料用包装材料で構成されている。
【0495】(23) 金属箔が厚さ5〜100μmの鉄又
は鋼から成る金属箔基体上に設けられた0.1〜20g
/m2の被覆量の金属メッキ層又は更に1〜100mg
/m2の被覆量のクロメート層から成る表面処理層、及
び表面処理層を介して設けられた厚さ7〜100μmの
有機樹脂被膜から成る積層体で構成されたことを特徴と
する(20)、(21)又は(22)記載の感材料用包装材料。
【0496】(24) ヒートシール層がエチレン共重合体
樹脂1〜99重量%と遮光性物質0.01〜80重量%
を少なくとも含む厚さ10〜200μmの遮光性ヒート
シール層であることを特徴とする(20)、(21)、(22)又は
(23)記載の完全遮性を有する感材料用包装材料。
【0497】(25) 厚さ5〜100μmの金属箔の反ヒ
ートシール層面に接着剤層を介して厚さ10〜300μ
mの印刷適性を有する無塵性のフレキシブルシートであ
る無塵紙又は不織布又は合成紙から選ばれた1つを積層
したことを特徴とする(20)、(21)、(22)、(23)又は(24)
記載の感材料用包装材料。
【0498】(26) 前記(20)、(21)、(22)、(23)、(24)
又は(25)記載の感光材料用包装材料を用いて製袋した防
湿・酸素バリヤ包装袋内に感光材料又は感光材料包装体
を密封包装したことを特徴とする完全密封感材料包装
体。
【0499】(27) 密封包装される感光材料又は感光材
料包装体の最外表面の体積抵抗値より、防湿・酸素バリ
ヤ包装袋のヒートシール層の体積抵抗値を小さくしたこ
とを特徴とする(26)記載の完全密封感材料包装体。
【0500】本発明の第9の課題を解決するための手段
は、 (28) 光透過性の防湿・酸素バリヤプラスチックフィル
ムと、遮光性を有する防湿・酸素バリヤプラスチックフ
ィルムと、表・裏両面の光沢度が異なる金属箔の中から
選択した少なくとも2つ以上を接着剤層を介して積層し
た二重構成の防湿・酸素バリヤ積層体の感光材料側に接
着剤層を介し又は接着剤層を介さずに直接、ヒートシー
ル層を設けたことを特徴とする感材料用包装材料。
【0501】(29) 遮光・防湿・酸素バリヤプラスチッ
クフィルム又は金属箔の感光材料側面には接着剤層を介
して積層又は接着剤層を介さずに直接積層したヒートシ
ール層を、反ヒートシール面には透明な防湿性、酸素バ
リヤ性を有する厚さ30μm以下の薄層を感光材料側に
配置した透明・防湿・酸素バリヤプラスチックフィルム
を接着剤層を介して積層した積層フィルムを具備したこ
とを特徴とする感材料用包装材料で構成されている。
【0502】(30) 前記(28)又は(29)記載の感光材料用
包装材料を用いて製袋した防湿・酸素バリヤ包装袋内に
感光材料又は感光材料包装体を密封包装したことを特徴
とする完全密封感材料包装体。
【0503】(31) 密封包装される感光材料又は感光材
料包装体の最外表面の体積抵抗値より、防湿・酸素バリ
ヤ包装袋のヒートシール層の体積抵抗値を小さくしたこ
とを特徴とする(30)記載の完全密封感材料包装体。
【0504】(32) 一軸又は二軸延伸した共重合ポリエ
ステル樹脂フィルムをロール状に巻取り、該ロールを繰
り出しながら一部分又は全面にテトラハイドロフラン、
ジオキサン、メチルエチルケトン、アセトン、塩化メチ
レン、トリクロロエチレン、トリクロロエタン、ベンゾ
ール、トルオール、酢酸エチルよりなる群から選ばれた
少なくとも1種の有機溶剤又はこの有機溶剤を溶剤とす
る接着剤を塗布し、ポリオレフィン樹脂製の写真フィル
ム用容器の胴部に巻付け得るようにしたことを特徴とす
る感材料用包装材料。
【0505】(33) 接着剤が接着成分として塩化ビニル
共重合体樹脂、アクリル酸エステル共重合体樹脂、酢酸
ビニル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂りなる群から選ば
れた少なくとも1種を該有機溶剤に溶解した接着剤であ
る(32)に記載の感材料用包装材料。
【0506】(34) 直径0.005〜0.1μmの微生
物が作ったセルローズ繊維を0.05〜35重量%、滑
剤を0.01〜5重量%、酸化防止在を0.01〜1.
0重量%、遮光性物質を0.1〜20重量%含む熱可塑
性樹脂フィルムを有する感材料用包装材料
【0507】(35) 密度が0.870〜0.935g/
cm3のホモポリエチレン樹脂又はエチレン−αオレフ
ィン樹脂の1種以上を含むポリオレフィン系樹脂の合計
含有量が50重量%以上、前記ポリオレフィン系樹脂よ
り溶融温度が高い直径又は厚さが10μm以下の充填剤
0.01〜50重量%、充填剤の表面被覆可能な物質
0.01〜20重量%を少なくとも含むポリオレフィン
系樹脂組フィルムを有する感材料用包装材料
【0508】また、本発明は、以下に記載するような作
用を達成し、かつ構成することができる。
【0509】(1) 防湿・酸素バリヤ性を確保し(2)を
達成。 (2) 長期間写真性を良好に維持。(1)の他に写真性を
悪化させない材料を限定使用。 (3) 感光材料とブロッキングせず、挿入しやすいよう
に袋の口開き性をヒートシール性を悪化せず確保。 (4) 密封包装袋内の感光材料包装体が完全遮光性確保
できる場合は、(1)〜(3)を確保しながら包装袋内が
透視可能程度の透過性確保。 (5) (4)の場合に包装袋内の印刷層の退色防止多少の
遮性確保のために紫外線吸収剤添加。 (6) (4)、(5)の商品価値を確保するため包装材料の
変色防止のために安定剤添加。 (7) (1)の密封袋から感光材料を取り出す時に袋内に
こもった悪臭を防止するため脱臭剤、放香剤添加(包装
体)。 (8) (1)の密封袋内の温度が湿度変化により変化し感
光材料に悪影響を及ぼさないようにするために吸湿剤添
加、防滴剤添加。 (9) (1)の密封袋を使用しても感光材料の水分により
長期保管中に自己中毒又は静電気等により写真性を悪化
させないために被包装物である感光材料等の平衡含水率
を20℃,25〜65%RHの状態で密封包装する(包
装体)。 (10) (9)の状態で密封包装した1ヶ月以降の密封包装
袋の平衡含水率が20℃,30〜60%RHにした包装
体。 (11) 60%RH以下でもスタチックマークを発生しな
いように最内層に帯電防止剤、滑剤、導電物質を添加。 (12) 感光材料の表面層にも帯電防止剤、滑剤、導電物
質を含む。 (13) 感光材料中に湿度、酸素により品質劣化を受ける
物質。例えば色素、金属等を含む(包装体)。 (14) 最外層と最内層の滑性が異なるようにした包装
体。 (15) 最外層の少なくとも片面に写真感光材料に悪影響
を及ぼさない印刷層又は塗布層を設けた包装体。 (16) 包装袋を紙製包装箱(段ボール箱、ボール箱、パ
ルクモールド箱等)で保護包装した包装体。
【0510】
【作用】本発明の第1の態様の感光材料用包装材料で
は、熱可塑性フィルムが、物理強度、写真性、ヒートシ
ール性、密封性を良好に確保している。また、透湿度を
20g/m2・24時間以下とすることにより、写真性を
良好に確保すると共に感光材料が吸湿しないようにする
ことにより感光材料同士の接着を防止している。酸素透
過率を2000cc/m2・24時間・1気圧以下とする
ことにより、写真性を良好に確保すると共に感光材料の
感光乳剤層中の色素等のように酸素により劣化する物質
を保護して1年以上の長期間感材料の品質を良好に維持
する。
【0511】本発明の第2の態様の感光材料用包装材料
では、遮光性防湿酸素バリヤプラスチックフィルムが、
物理強度、遮光性、写真性、ヒートシール性、密封性を
良好に確保している。また、透湿度を20g/m2・24
時間以下とすることにより、写真性を良好に確保すると
共に感光材料が吸湿しないようにすることにより感光材
料同士の接着を防止している。酸素透過率を2000c
c/m2・24時間・1気圧以下とすることにより、写
真性を良好に確保すると共に感光材料の感光乳剤層中の
色素等のように酸素により劣化する物質を保護して1年
以上の長期間感材料の品質を良好に維持する。
【0512】本発明の第3の態様の感光材料用包装材料
では、金属箔が、写真性、遮光性、吸湿・酸素バリヤ
性、帯電防止性、外観、防熱性を良好に確保している。
熱可塑性樹脂層が、金属箔の保護、ヒートシール性、物
理強度、密封性を良好に確保している。ヒートシール層
が、密封性、ヒートシール性、遮光性、写真性を良好に
確保している。また、金属箔と熱可塑性樹脂等との剥離
強度が100g/15mm幅以上とすることにより、層
間剥離が発生するのを防止すると共に、Vノッチ等の引
き裂き口を設けると密封袋でも手で易開封が可能とな
る。
【0513】
【実施例】本発明の感光材料用包装材料の実施例を図面
に基づいて説明する。
【0514】図1は感光材料用包装材料の部分断面図、
図2はこの感光材料用包装材料を用いた感光材料包装体
の斜視図、図3もこの感光材料用包装材料を用いた感材
料包装体の部分断面図である。
【0515】図1に示す感光材料用包装材料は、カーボ
ンブラックやアルミニウム粉末等の遮光性物質入り遮光
性防湿酸素バリヤフィルム1aのみからなる単層フィル
ムで形成されている。そして、図2及び図3に示すよう
に、カーボンブラックやアルミニウム粉末等の遮光性物
質入り遮光性防湿酸素バリヤフィルム1aで遮光袋11
が形成され、この遮光袋11の一端部には網目状の凹凸
をしたヒートシール部12が形成され、内部にシート状
の感材料13が収納されている。
【0516】図4から図15までは、本発明の感光材料
用包装材料の他の実施例の部分断面図である。
【0517】図4(a)に示す感光材料用包装材料は、
カーボンブラックやアルミニウム粉末等の遮光性物質入
り遮光性フィルム1aと熱可塑性樹脂層2との2層共押
出しフィルムIIaで形成されている。
【0518】図4(b)に示す感光材料用包装材料は、
カーボンブラックやアルミニウム粉末等の遮光性物質入
り遮光性フィルム1aと遮光性を有する熱可塑性樹脂層
2aとの2層共押出しフィルムIIaで形成されている。
【0519】図5に示す感光材料用包装材料は、カーボ
ンブラック、アルミニウム粉末等の遮光性物質入り遮光
性フィルム1aと中間層3と熱可塑性樹脂層2との3層
共押出しフィルムIIIaで形成されている。
【0520】図6(a)に示す感光材料用包装材料は、
2枚の上記図4(a)に記載の2層共押出しフィルムII
aを熱可塑性樹脂層2、2同士をブロッキングBにより
接着した積層フィルムIVaで形成されている。
【0521】図6(b)に示す感光材料用包装材料は、
2枚の上記図4(b)に記載の2層共押出しフィルムII
aを熱可塑性樹脂層2a、2a同士をブロッキングBに
より接着した積層フィルムIVaで形成されている。
【0522】図7に示す感光材料用包装材料は、上記カ
ーボンブラックやアルミニウム粉末等の遮光性物質入り
遮光性防湿酸素バリヤフィルム1aに接着層4を介して
金属真空蒸着層8が加工された金属蒸着フィルム層9を
積層した積層フィルムで形成されている。
【0523】図8に示す感光材料用包装材料は、上記ア
ルミニウム粉末入り遮光性防湿酸素バリヤフィルム1
a、2軸延伸フィルム層6にアンカーコート層7を介し
て金属真空蒸着層8を加工した金属蒸着フィルム層9及
びフレキシブルシート層5が、接着層4を介して積層さ
れた積層フィルムで形成されている。
【0524】図9に示す感光材料用包装材料は、光透過
性フィルム21のみからなる単層フィルムで形成されて
いる。
【0525】図10に示す感光材料用包装材料は、光透
過性フィルムルム21と熱可塑性樹脂層22との2層共
押出しフィルムVで形成されている。
【0526】図11に示す感光材料用包装材料は、光透
過性フィルム21と中間層23と熱可塑性樹脂層22と
の3層共押出しフィルムVIで形成されている。
【0527】図12に示す感光材料用包装材料は、2枚
の上記図10に記載の2層共押出しフィルムVを熱可塑
性樹脂層22、22同士をブロッキングBにより接着し
た積層フィルムVIIで形成されている。
【0528】図13に示す感光材料用包装材料は、熱可
塑性樹脂フィルム24に接着層4を介して防湿酸素バリ
ヤ薄膜25が加工された光透過性フィルム21を積層し
た積層フィルムで形成されている。
【0529】図14に示す感光材料用包装材料は、光透
過性フィルム21、アンカーコート層27を介して防湿
酸素バリヤ薄膜25を加工した2軸延伸フィルム層26
層及びフレキシブルシート層5が、接着層4を介して積
層された積層フィルムで形成されている。
【0530】図15は、本発明の感光材料用包装体の一
実施例であるレンズ付フィルムユニット包装体の斜視図
で、このレンズ付フィルムユニット包装体30は、本発
明の感光材料用包装材料で形成された包装袋31とレン
ズ付フィルムユニット(図示せず)とからなっている。
なお、符号46はバーコードである。
【0531】図16は、本発明の感光材料用包装体の一
実施例である写真フィルムパトローネ集合包装体の斜視
図、図17は、写真フィルムパトローネ集合包装体に用
いるパトローネ集合包装体の斜視図、図18は写真フィ
ルムパトローネ集合包装体を製作する過程を示す斜視図
である。
【0532】図16に示す写真フィルムパトローネ集合
包装体は、包装袋40にパトローネ集合包装体50(図
示せず)を密封収納したものである。この包装袋40
は、トップシール部41、ボトムシール部42及びセン
ターシール部43で密封した袋に形成されており、トッ
プシール部41には吊下げ穴44が形成され、さらに、
この吊下げ穴44にはVノッチ45が形成されている。
なお、符号46はバーコードである。
【0533】パトローネ包装体50は、図17に示すよ
うに、パトローネ51を3個上下逆に交互に配置し、こ
の3個のパトローネ51をシュリンクフィルム52で包
んだものである。符号53は開封を容易にするためのミ
シン目、符号54はシュリンクフィルムを形成する際の
ヒートシール合わせ目である。
【0534】以上のような写真フィルムパトローネ集合
包装体を製作するには、図18に示すように、トップシ
ール部41は形成し、ボトムシール部42を開口した状
態において、パトローネ集合包装体50を挿入し、その
後開口をシールしてボトムシール部42を形成するもの
である。
【0535】〔実施例I及び比較例I〕ヘイズが22%
であり、80℃の熱収縮率が1.3%である厚さ15μ
mの透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム(タテ延
伸倍率5倍,ヨコ延伸倍率6倍)上に、表5及び表6記
載の厚さ30μm以下の透明な防湿性・酸素バリヤ性を
有する各種の防湿酸素バリヤ薄層を設けた光透過性防湿
酸素バリヤプラスチックフィルムの感光材料側に、厚さ
15μmの無水マレイン酸0.3重量%をエチレン・ブ
テン−1(ブテン−1を3重量%含む)共重合体樹脂にグ
ラフト変性させた変性ポリオレフィン樹脂10重量%と
MFRが6.5g/10分、密度が0.918g/cm3
高圧法低密度ホモポリエチレン樹脂90重量%をブレン
ドしたMFRが5.6g/10分の変性ポリオレフィン
樹脂入LDPE接着剤層を介し(樹脂温度305℃)、
厚さ50μmの、ブロッキング防止剤のゼオライト0.
1重量%とカルボン酸誘導体のペタイン型両性帯電防止
剤0.1重量%とジグリセリンモノステアリン酸エステ
ル防滴剤0.3重量%とエルカ酸アミド滑剤0.05重
量%を含むMFRが1.8g/10分、密度0.923
g/cm3のエチレン−オクテン−1共重合体樹脂組成
物をブロー比1.2でインフレーションフィルム成形し
た透明インフレーションフィルムから成る透明ヒートシ
ール層をハクリ強度が350g/15mm幅以上で積層
した感光材料用包装材料である。各光透過性防湿酸素バ
リヤプラスチックフィルムの透湿度と酸素透過度を表5
及び表6に示す。
【0536】この透明な感光材料用包装材料にCIマー
ク、商品名、取扱い説明文、バーコード、販売促進用デ
ザインを印刷した円形コーナーを有する三角形の吊り下
げ孔と開封ノッチを有する透明・防湿・酸素バリヤ密封
包装袋でISO800の写真フィルムを使用しているレ
ンズ付フィルムユニット包装体を作製した。密封包装袋
はヒートシール方法により作製した。
【0537】このレンズ付フィルムユニット包装体を4
0℃,90%RHの恒温恒湿室に10日間保存後の感
度、カブリ、カラー発色バランス、階調等の写真性能を
保存する前に測定した値と比較した結果、実施例1〜9
の包装材料を用いたレンズ付フィルムユニット包装体は
使用可能範囲であったが比較例1〜3の包装材料を用い
たレンズ付フィルム包装体は、上記いずれかの写真性能
が使用可能範囲から外れたものであった。即ち比較例の
包装材料を使用したレンズ付フィルム包装体を40℃,
90%RHの恒温恒湿室に10日間保存後にこれを用い
て撮影したネガを使用して通常のカラー印画紙にプリン
トしたものは感度が異常であったり、カブリが増加した
り、正常な色が再現されなかったり、画像が冴えなくな
り正常のプリントを得ることができない品質のものであ
った。
【0538】
【表5】
【0539】
【表6】
【0540】表5及び6中の評価は以下の通りである。 ◎:非常に優れている ○:優れている ●:可(実用限度内) ▲:問題あり、改良必要 ×:実用化不可
【0541】試験方法は次の方法を用いた。 (イ) 包装材料の透湿度 JIS Z 0208の条件Bで測定した値。
【0542】(ロ) 包装材料の酸素透過度 ASTM D−3985に準じて、モダンコントロール
ズ社製,OXTRAN100酸素透過度測定装置を用い
て測定した値。
【0543】(ハ) 包装材料の透明度 日立製作所KK製自記分光光度計を用いて、波長560
nmでの透過率と目視での着色状態及び黒褐色のブツ発
生状態より評価(太陽下3ヶ月経時も考慮)。
【0544】(ニ) 包装材料のミクログリッド 主としてヒートシール層中に発生したミクログリッドを
目視検査により評価。
【0545】(ホ) 密封包装袋適性 自動製袋適性、ヒートシール適性(ヒートシール強度、
経時ヒートシール強度維持性、ホットタック性、夾雑物
シール性、耐ピンホール性、外観等)、レンズ付写真フ
ィルムユニットの包装袋への挿入、取出し適性、帯電防
止性、完全密封性、開口性、印刷適性、物理強度等を総
合的に評価。
【0546】(ヘ) 35℃90%RH1ヶ月保存後の品
質維持性 フジカラーフィルム スーパー800(ISO感度80
0)を密封包装袋で包装した後35℃90%RH条件の
恒温・恒湿室に1ヶ月保存後20℃60%RHの恒温・
恒湿室に放置した直後の防滴性を目視検査により評価す
ると同時に3時間放置後、通常のカラーフィルム(ネガ)
現像処理を行ない得られたカラーフィルムの濃度を測定
し、基準試料(35℃90%RH1ヶ月保存処理をしな
い試料)との濃度差を測定し保存処理後得られたカラー
フィルム濃度─基準試料濃度を求めた。
【0547】評価は、◎:+0.02以下、○:+0.
03以下、●:+0.031〜0.04、▲:+0.0
41〜0.05、×:0.051以上。
【0548】〔表5及び6の構成内容の説明〕 *a:防湿・酸素バリヤ薄膜層 金属又は無機金属化合物を電子ビーム加熱により溶融蒸
発させ、酸素ガスを導入しながら透明プラスチックフィ
ルムの二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムに蒸着薄膜層
を形成する反応性真空蒸着方法により設けた(実施例及
び比較例全て)。
【0549】*b:光透過性ヒートシール層中のハイド
ロタルサイト類量 ハイドロタルサイト類としてはMg0.7・Al0.3(HO)2
(CO3)0.15 0.55H2Oの化学組成からなるフィラ
ーで平均2次粒子径が0.3μm、BET比表面積が1
2m2/g、屈折率が1.50のものを予めステアリン酸
カルシウムで表面処理して透明ヒートシール層用樹脂組
成物中に2.5重量%添加。
【0550】*c:透過性ヒートシール層中の酸化防止
剤 イルガノックス1010を使用。チバガイギー社製のヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤で化学構造式はテトラ
キス〔メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンである。
【0551】〔実施例II及び比較例II〕ヘイズが25%
であり、80℃の熱収縮率が4.7%である厚さ15μ
mの透明な二軸延伸ナイロン6・6樹脂フィルム(タテ
延伸倍率4.5倍,ヨコ延伸倍率5.0倍)上に、表7
及び8記載の厚さ30μm以下の透明な防湿性、酸素バ
リヤ性を有する各種の防湿酸素バリヤ薄層を設けた光透
過性防湿酸素バリヤプラスチックフィルムの感光材料側
に、厚さ17μmの無水マレイン酸0.5重量%を低密
度ホモポリエチレン樹脂にグラフト変性させた変性低密
度ホモポリエチレン樹脂5重量%と、MFRが5.0g
/10分、密度が0.920g/cm3の低密度ホモポ
リエチレン樹脂90重量%をブレンドしたMFRが4.
7g/10分の変性低密度ホモポリエチレン樹脂入LD
PE接着剤層を介し(樹脂温度310℃)、厚さ50μ
mのブロッキング防止剤のシリカ0.1重量%とN,
N,N−トリス(ヒドロキシエチル)−N−牛脂アルキ
ル第四級アンモニウムのプロピレングリコール・ホウ酸
エステル塩(ヒドロキシル価400〜650)のアルコ
オキシレート四級アンモニウムホウ酸エステル塩を含む
防曇性を有する帯電防止剤を0.7重量%とエチレンビ
ス脂肪酸アミド滑剤0.03重量%と炭素数が22〜4
2の高級脂肪酸の金属塩の1つであるモンタン酸カルシ
ウム1.0重量%の存在下でヒートシール層中に分散さ
せた二酸化チタン5重量%とMFRが2.0g/10
分、密度が0.925g/cm3の高圧法低密度ホモポリ
エチレン樹脂10重量%とテトラキス〔メチレン−3
(3・5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プスピオネート〕メタン酸化防止剤0.1重量%
と含水複塩化合物であるMg0.7Al0.3(OH)
2(CO3)0.15・0.54H2O等のマグネシウム
とアルミニウムの含水複塩化合物であるハイドロタルサ
イト類0.2重量%を含むMFRが1.7g/10分、密
度が0.910g/cm3のエチレン−ブテン−1共重合
体樹脂組成物を用い、樹脂温度180℃、ブロー比1.
2でインフレーションフィルム成形した白色インフレー
ションフィルムから成る白色半透明ヒートシール層をハ
クリ強度が350g/15mm幅以上で積層した白色半
透明積層フィルムから成る白色半透明な感光材料用包装
材料である。各光透過性防湿酸素バリヤプラスチックフ
ィルムの透湿度と酸素透過率を表7及び8に示す。
【0552】この白色半透明な感光材料用包装材料を用
いて実施例1と同一レンズ付フィルム包装体を作成し同
一条件の写真性能調査を行なった結果は実施例1と略同
じ結果が得られた。さらに実施例IIの1〜8の包装体は
印刷のシャープで色彩の美しい包装体となり、夏期の8
万ルックスの下に8時間放置しても包装体の表面温度上
昇が少なく、密封包装袋内のレンズ付フィルムの遮光性
カートリッジ表面の温度上昇がなくその結果フィルムの
写真性能劣化が発生しない予想外の効果を有するもので
あった。
【0553】実施例IIにおいて、防湿・酸素バリヤ薄層
として塩化ビニリデン系樹脂層を1μmの厚さで設けた
ものは透湿度が1.5g/m2・24hr、酸素透過度が
2.0cc/m2・24hrであり印刷の外観等の表7
の特性は実施例II−1〜8と略同等の優れたものであっ
た。また、熱可塑性樹脂フィルム層のマトリックス樹脂
(メイン樹脂)としてMFR、密度、α−オレフィンの種
類を変更したL−LDPE樹脂を使用した場合も略同様
の優れた特性を有する感光材料用包装材料を得ることが
出来た。特にαオレフィン含有量が0.5〜15重量%
のエチレン・4メチルペンテン−1共重合体樹脂、エチ
レン・ヘキセン−1共重合体樹脂、エチレン・オクテン
−1共重合体樹脂が物理強度が優れフィルム成形性が良
好であり、製造適性も良好なので本発明の熱可塑性樹脂
フィルム層として適していた。また密度が0.870〜
0.910g/cm3の超低密度エチレン・ブテン−1共
重合体樹脂のも本発明ではブロッキング防止物質や劣化
防止剤を含んでいるので各種の問題がなくなり物理強
度、低温ヒートシール性が優れていた。ブロッキング防
止剤としてはシリカ、ゼオライトの1種以上を含むもの
が好ましく、滑剤としては高級脂肪酸アミドの1種以上
を含むものがブロッキング防止性が優れ、滑性が良好で
あり、ハクリ帯電の発生が少なく包装袋の開口性も良好
であった。劣化防止剤としてはヒンダードフェノール系
酸化防止剤、高級脂肪酸金属塩、ハイドロタルサイト類
化合物の1種以上を含むものがミクログリッドの発生が
少なく、写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼすことが
なく、フィルム成形機の防錆効果もあり本発明として好
ましいものであった。
【0554】
【表7】
【0555】
【表8】
【0556】〔実施例III〕厚さ25μmの二軸延伸ポ
リエチレンナフタレート樹脂フィルムにコロナ放電処理
によりJIS K 6768に従って測定した濡れ指数を
40dyne/cmとした印刷改良処理を施した後に、
この処理面にポリウレタン系グラビア印刷インキによる
着色印刷層を形成した透明な光透過性防湿酸素バリヤプ
ラスチックフィルムの着色印刷層側の写真観光材料側に
位置する表面に厚さ15μmのMFRが4.7g/10
分、密度が0.918g/cm3のチューブラー製法によ
る高圧法分岐状ホモ邸密度ポリエチレン樹脂を用いたT
ダイス押し出しスリット部の樹脂温度315℃のエクス
トルージョンラミネート接着剤層を介して、厚さ50μ
mのステアリン酸カルシウム脂肪酸金属塩とエルカ酸ア
ミド系滑剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤とを含
むMFRが3.6g/10分、密度が0.915g/cm
3のエチレン・オクテン−1共重合体樹脂70重量%
と、MFRが5.6g/10分、密度が0.920g/c
3、重量平均分子量が18万、数平均分子量が2万の
高圧法分岐状低密度ポリエチレン樹脂30重量%の樹脂
組成物物から成るTダイス成形法のフラットフィルムで
ある透明ヒートシート層を剥離強度が758g/15m
幅で設けた感光材料用包装材料である。光透過性防湿酸
素バリヤプラスチックフィルムは、透湿度が27g/m
2・24時間、酸素透過率が60cc/m2・24時間・
1気圧であった。
【0557】図15に示す24枚撮りISO感度800
のカラーネガ写真フィルムを使用しているレンズ付きフ
ィルムユニット包装体(富士写真フィルム製写ルンです)
と、ISO感度400のパーホレーション付き24枚撮
り35mmカラーネガ写真フィルムを、ブタジエンゴム
を重合したゴム変性ポリスチレン樹脂に粘度1.5万セ
ンチストークスのジメチルポリシロキサン0.5重量
と、ファーネスカーボンブラック0.5重量%と、ステ
アリン酸亜鉛0.05重量%とを添加したポリスチレン
樹脂組成物を用いて24ヶ取りのセミホットランナータ
イプの金型を用いて射出成形した完全遮光性を有するフ
ランジ付きスプールに巻いた状態で、金属製及びプラス
チック製の完全遮光性を有するパトローネに収納した写
真フィルムパトローネを、HDPE製の容器本体にLD
PE製の蓋で構成される容器内に密封後、紙にグリー
ン、ゴールド、赤、紫、黒、青の6色からなる着色印刷
層を設けオーバーコート層として乾燥厚さが2μmのU
Vインキ層を施した易開封用のミシン目を設けた切り欠
き部を有する展開板をフラップ部に不連続(0.5〜5
mmの間隙)に直径3〜7mmの略円形のホットメルト
接着剤部を設けてオリジナルシール性を確保した写真フ
ィルム包装体5ヶを、上記着色印刷層を有する感光材料
用包装材料を用いて図16に類似した易開封用ノッチと
展示用の吊り下げ穴を形成したピロー包装形式の集合包
装体2種との合計3種を店頭に3月展示後撮影しカラー
印画紙にプリントした。
【0558】この写真プリントを肉眼で観察したが、店
頭展示前(タイプ)のものとの差がほとんど認められな
かった。また、撮影中の途中ストップ(フィルム巻き上
げ力不可能になる現象)や巻き上げトルクの異常な上昇
もなく正常に巻き上げが可能であった。光透過性防湿酸
素バリヤプラスチックフィルムとして上記厚さ15μm
の二軸延伸ポリエチレンナフタレート樹脂フィルムの代
わりに、厚さ15μm以上の一軸又は二軸延伸ポリエチ
レンテレフタレート樹脂フィルム、厚さ20μm以上の
一軸又は二軸延伸ポリプロピレン樹脂(ホモポリプロピ
レン樹脂やプロピレン・エチレン共重合体樹脂や炭素数
が3以上のα−オレフィンであるプロピレンαオレフィ
ン共重合体樹脂)フィルムや厚さが20μm以上の密度
が0.935g/cm3以上の一軸又は二軸延伸ホモポ
リエチレン樹脂フィルムや厚さが20μm以上の密度が
0.935g/cm3以上の一軸又は二軸延伸エチレン
・αオレフィン共重合体樹脂(αオレフィンは炭素数が
3〜13)フィルムや厚さ10μm以上の一軸又は二軸
延伸アクリロニトリル樹脂フィルムを用いた場合も略同
等の良好な結果が得られた。
【0559】上記光透過性防湿酸素バリヤプラスチック
フィルム及び厚さ10μm以上の一軸又は二軸延伸ポリ
アミド樹脂フィルムやEVOH樹脂フィルムやセロハン
の着色印刷層を設ける側の表面に塩化ビニリデン樹脂や
アクリロニトリル樹脂を主成分とする透明な防湿性、酸
素バリヤ性を有する乾燥膜厚が0.01〜5μmの樹脂
層をコート(当業界では塩化ビニリデンコートプラスチ
ックをKコートフィルムと言う)した光透過性防湿酸素
バリヤプラスチックフィルムを用いた場合は店頭展示前
(タイプ)のものと略同一の性能を有する店頭展示前
(タイプ)の写真フィルム包装体のものと略同一の性能
を有する良好なものであり、一般人(アマチュア)では
性能差を認めることは困難であった。
【0560】透明ヒートシール層は高圧法分岐状低密度
ポリエチレン樹脂30重量%を含むので溶融時の樹脂の
流動性が良化し、メルトフラクチャーの発生を防止でき
るので透明性を向上することができる。脂肪酸金属塩と
エルカ酸アミド系滑剤とヒンダードフェノール系酸化防
止剤を含むエチレン−オクレン−1用重合体樹脂70重
量%を含むので、ヒートシール強度を長期間低下させる
ことなく維持可能にするとととに、ヒートシール層表面
の滑性を向上させ、感光材料に悪影響を及ぼす樹脂中の
重合触媒の残留物を中和して無害化させる。さらに、樹
脂や滑剤の熱劣化を防止し写真性能を良好にするととも
に、フィッシュアイ、ミクログリッド、ピンホール等感
光材料に圧力カブリやすり傷や光カブリ等の悪影響を与
える故障が発生するのを防止している。
【0561】〔実施例IV〕上記実施例IIIの着色印刷層
を表面に設けた透明な防湿性、酸素バリヤ性を有するプ
ラスチックフィルム表面に接着剤層を介さずに直接厚さ
35μmのMFRが5.7g/10分、密度が0.91
8g/cm3のエチレン−ブテン−1共重合体樹脂60重
量%とMFRが5.2g/10分、密度が0.921g
/cm3、重量平均分子量が15万、数平均分子量が
1.2万のチューブラー製造設備を用いた高圧法分岐状
低密度ホモポリエチレン樹脂40重量%から成る樹脂組
成物をTダイス押し出しスリット部の樹脂温度310℃
でエクストルージョンラミネート法により透明ヒートシ
ール層を設けた着色印刷層を有する透明な感材料用包装
材料を製造した。
【0562】この包装材料のハクリ強度は832g/1
5mm幅であり、透湿度は27g/m2・24時間であ
り、酸素透過率は60cc/m2・24時間・1気圧で
ある。
【0563】この透明な感光材料用包装材料を用いて実
施例IIIと同一のレンズ付きフィルム包装体と金属製パ
トローネ入りの写真フィルム集合包装体とプラスチック
製写真フィルム集合包装体を作製した。易開封用ノッチ
と展示用の吊り下げ穴を形成したピロー包装形式の密封
袋のヒートシール強度は店頭展示直後は、1.8kg/
15mmであったが店頭展示3ケ月後は2.0kg/1
5mmと向上し完全密封性を確保できるものであった。
また、3ケ月店頭展示後のこの包装体内のレンズ付きフ
ィルムも金属パトローネ使用の35mmカラーネガ写真
フィルムもプラスチックパトローネ使用の35mmカラ
ーネガ写真フィルムも撮影時のトラブル発生が皆無であ
り、カラー印画紙にプリントした画像を肉眼で店頭展示
前のカラー印画紙にプリントした画像と比較したが、発
色、階調、白色度、プリント仕上がり共に良好であり差
が見られず区別することが困難であった。
【0564】〔実施例V〕エチレン含有量が28モル
%、ケン化度が99.2%のEVOH樹脂から成る厚さ
15μmの中間層と、この中間層の内側(感光材料側)
に位置する厚さ20μmのエルカ酸アミド0.05重量
%とヒンダードフェノール系酸化防止剤0.1重量%と
リン系酸化防止剤0.1重量%とパルミチン酸亜鉛0.
1重量%を含むMFRが2.0g/10分、密度が0.
920g/cm3のエチレン−4メチルペンテン−1共重
合体樹脂から成る表面層と、中間層の外側(感光材料
側)に位置する厚さ20μmのMFR(ASTM D−1
238の230℃、荷重2.16kgで測定)が2g/
10分、アイソタクチックペンタッド率が0.969の
ホモポリプロピレン樹脂から成る裏面層とを有し、各層
間に厚さ5μmの無水マレイン酸グラフト変性エチレン
−ブテン−1共重合体樹脂(無水マレイン酸の化学的結
合量0.5重量%)接着性樹脂層が介在されている5層
共押出しフィルムである光透過性防湿酸素バリヤプラス
ッチクフィルムから成る感光材料用包装材料を作製し
た。光透過性防湿酸素バリヤプラスチックフィルムは、
透湿度が6g/m 2・24時間、酸素透過率が5cc/
2・24時間・1気圧であった。
【0565】この感光材料用包装材料を用いて図15に
示す前記実施例IIIと同一のレンズ付フィルムユニット
包装体と図16に類似した前記実施例IIIと同一の写真
フィルム包装体を5ヶピロー包装形式の集合包装体とし
た。
【0566】これらの包装体は防湿性、酸素バリヤ性、
透明性、ヒートシール性、物理強度、層間ハクリ強度、
耐屈曲ピンホール性、廃棄処理性が優れており感光材料
に悪影響を及ぼさないL−LDPE樹脂製透明ヒートシ
ール層を具備しているので長期間写真性能を良好に維持
できるものであった。さらに透明性が優れるため密封包
装体の外側から密封包装体内のレンズ付フィルムユニッ
トや写真フィルム包装体(外観が化粧小箱であっても透
明防湿プラスチック容器であってもよい)が美しく見え
るので包装材料に印刷を施す必要がないものであった。
【0567】〔実施例VI〕タテ方向に5倍一軸延伸した
厚さ25μmの共重合ポリエステル樹脂フィルムに文字
とバーコードを黒色印刷を施し、CIマーク、商品名、
デザイン等は赤、グリーン、黒の3色印刷を施した熱可
塑性樹脂フィルムを写真フィルム用容器の高さ(キャッ
プで密封した状態の53mm)より4mm幅が広い57
mm幅のロールフィルム状に巻き取った。このロール状
熱可塑性樹脂フィルムを繰り出しながら長さ90mmご
とに、糊代10mmの幅でテトラハイドロフラン70%
とメチルエチルケトン30%の混合液にアクリル酸エス
テル共重合体樹脂を10重量%濃度で溶解した接着剤を
150μmの厚さで塗布し、長さ100mmで切断し、
ISO感度400のパトローネ入り35mmカラーネガ
フィルムを容器本体に入れキャップで密封した写真フィ
ルム用容器に巻き付けながら、糊代を接合した。接合は
瞬間的におこり作業は連続てきに行なうことができた。
この共重合ポリエステル樹脂フィルムを装着した写真フ
ィルム用容器を150℃のシュリンクトンネルに7秒間
通過させて収縮し図17の形状のパトローネ集合包装体
50とした。
【0568】このパトローネ集合包装体50を厚さ25
μmのタテ方向の延伸倍率4.5倍、ヨコ方向の延伸倍
率5.5倍の二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムと厚さ
35μmの無延伸のエチレン・オクテン−1共重合体樹
脂フィルムを酸変性樹脂を20重量%含む厚さ15μm
の低密度ホモポリエチレン樹脂エクストルージョンラミ
ネート接着剤層を介して積層した積層フィルムである透
湿度が5.1g/m2・24時間、酸素透過率が37cc
/m2・24時間・1気圧(20℃0%RH)の本発明
の光透過性防湿・酸素バリヤ熱可塑性樹脂フィルムから
成る包装袋40に図18のように挿入し、図16のよう
にして密封収納した感光材料包装体とした。
【0569】この包装体は防湿性、酸素バリヤ性、透明
性、ヒートシール性、物理強度、層間ハクリ強度、耐屈
曲ピンホール性、易開封性(但し開封用のノッチ形成必
須)が優れており、且つ全て熱可塑性樹脂フィルム層か
ら構成されているので再利用性、廃棄処理性も優れるも
のであった。さらに経時ヒートシール強度の優れた感光
材料写真性に悪影響を及ぼさないL−LDPE樹脂製の
透明ヒートシールフィルム層を用いているので長期間写
真性能を良好に維持できるものであった。
【0570】透明性が優れるので密封包装体の外観から
密封包装体内のパトローネ集合包装体が美しく見えるの
で包装材料に印刷を施す必要がないものであった。
【0571】〔実施例VII〕実施例VIの光透過性防湿・
酸素バリヤ熱可塑性樹脂フィルムの厚さ25μmの二軸
延伸ポリエステル樹脂フィルムの外側表面に印刷を施し
図15のレンズ付フィルムユニット包装体を製造した。
このレンズ付フィルムユニット包装体も実施例VIと全く
同様の優れた特性を有するものであった。
【0572】〔実施例VIII〕アイソタクチックインデッ
クスが95%、テトラリン中で測定した極限粘度(AS
TM D1601)が1.5dl/gのホモポリプロピ
レン樹脂78.8重量%と、ガラス転移温度が75℃の
高級オレフィン系炭化水素を主原料とする石油樹脂20
重量%と、ブロッキング防止剤のゼオライト0.3重量
%と、脂肪酸金属塩のステアリン酸マグネシウム0.2
重量%と、有機造核剤の1,3−2,4−ジ−パラ−メ
チル−ベンジリデンソルビトール0.2重量%と、テト
ラキス〔メチレン−3(3・5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン酸
化防止剤0.1重量%と、防滴剤のパルミチン酸モノグ
リセライド0.2重量%と、アルキルペタイン型の両性
帯電防止剤0.2重量%から成るポリプロピレン樹脂組
成物を用いてL/D=27のスクリューを用いた押出し
機により樹脂温度230℃でTダイより押出した後90
℃に保たれたキャスティングドラム上にキャストして無
延伸フィルムを成形した。この無延伸フィルムを、13
0℃に保たれているタテ延伸ロールで、タテ方向に6倍
延伸し、続いて160℃に加熱されたテンター内でヨコ
(幅)方向に8倍延伸し、165℃で10秒熱安定処理
して厚さ25μmの透明な二軸延伸ポリプロピレン樹脂
フィルムを製造した。
【0573】この透明な二軸延伸ポリプロピレン樹脂フ
ィルムに塩化ビニリデンを塗布したフィルムに実施例VI
と同一の厚さ35μmの無延伸のエチレン−オクテン−
1共重合体樹脂フィルムを実施例VIと同一の厚さ15μ
mの低密度ホモポリエチレン樹脂エクストルージョンラ
ミネート接着剤層を介して積層した積層フィルムである
透湿度が2.1g/m2・24時間、酸素透過率が8c
c/m2・24時間・1気圧(20℃0%RH)の本発
明の光透過性防湿・酸素バリヤ熱可塑性樹脂フィルムか
ら成る包装袋40に厚さ25μmの二軸延伸高密度ポリ
エチレン樹脂フィルムを用いて実施例VIと同様に製造し
た(シュリンク温度を120℃、シュリンク時間を5秒
に短縮)パトローネ集合包装体50を図18のように挿
入し、図16のようにして密封収納した感光材料包装体
とした。
【0574】この感光材料包装体は、安価で且つ実施例
VIと略同じ優れた特性を有するものであった。
【0575】〔実施例IX〕実施例VIIIの光透過性防湿・
酸素バリヤ熱可塑性樹脂フィルムの厚さ25μmの二軸
延伸ポリプロピレン樹脂フィルムの外側表面に印刷を施
し図15のレンズ付フィルムユニット包装体を製造し
た。このレンズ付フィルムユニット包装体は実施例VII
より安価であり、しかも実施例VIIと略同等の優れた特
性を有するものであった。
【0576】〔実施例X〕アイソタクチックインデック
スが95%、テトラリン中で測定した極限粘度(AST
M D 1601)が1.5dl/gのホモポリプロピレ
ン樹脂78.8重量%と、エチレン・4メチルペンテン
−1共重合体樹脂(三井石油化学製ウルトゼックス U
Z 2020L)17重量%と、カーボンブラック3重
量%と、ブロッキング防止剤のゼオライト0.3重量%
と、脂肪酸金属塩のステアリン酸マグネシウム0.2重
量%と、有機造核剤の1,3−2,4−ジ−パラ−メチ
ル−ベンジリデンソルビトール0.2重量%と、テトラ
キス〔メチレン−3(3・5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン酸化
防止剤0.1重量%と、防滴剤のパルミチン酸モノグリ
セライド0.2重量%と、アルキルペタイン型の両性帯
電防止剤0.2重量%から成るポリプロピレン樹脂組成
物を用いてL/D=27のスクリューを用いた押出し機
により樹脂温度230℃でTダイより押出した後90℃
に保たれたキャスティングドラム上にキャストして無延
伸フィルムを成形した。この無延伸フィルムを、130
℃に保たれているタテ延伸ロールで、タテ方向に3.1
倍延伸し、続いて160℃に加熱されたテンター内でヨ
コ(幅)方向に4.2倍延伸し、165℃で10秒熱安
定処理して厚さ25μmの遮光性の二軸延伸ポリプロピ
レン樹脂フィルムを製造した。
【0577】この遮光性二軸延伸ポリプロピレン樹脂フ
ィルムにカーボンブラック3重量%と、エルカ酸アミド
0.05重量%と、上記酸化防止剤0.1重量%と、非
イオン型帯電防止剤0.2重量%とステアリン酸カルシ
ウム0.05重量%と、低密度ホモポリエチレン樹脂5
重量%含むエチレン・4メチルペンテン−1共重合体樹
脂(三井石油化学製ウルトゼックス2021L)を主成
分とする遮光性L−LDPE樹脂フィルムを厚さ15μ
mの酸変性樹脂を15重量%含む低密度ホモポリエチレ
ン樹脂エクストルージョンラミネート接着剤層を介して
積層した積層フィルムである透湿度が4.2g/m2
24時間、酸素透過率が512cc/m2・24時間・
1気圧(20℃0%RH)の本発明の遮光性防湿・酸素
バリヤ熱可塑性樹脂フィルムから成る感光材料用包装材
料である。この感光材料用包装材料を用いて4方シール
平袋にシート状写真フィルムを、センターシールを有す
るガセット袋にロール状カラー印画紙を密封包装した感
光材料包装体とした。このシート状及びロール状の感光
材料用包装体は物理強度、層間ハクリ強度、耐屈曲ピン
ホール性、経時ヒートシール強度、防湿性、酸素バリヤ
性、遮光性が優れるものであった。また開封用のノッチ
を形成すると易開封性も優れ、全て熱可塑性樹脂フィル
ムから構成されているので再利用性、廃棄処理性も優れ
るものであった。さらに経時ヒートシール強度と物理強
度が優れ、感光材料の写真性に悪影響を及ぼさないL−
LDPE樹脂製の遮光性ヒートシールフィルム層を用い
ているので長期間密封遮光性を良好に確保可能になった
ので写真性も長期間良好に維持可能になった。
【0578】
【発明の効果】本発明の感光材料用包装材料及び感材料
包装体は以下に記載する効果を有する。
【0579】 感材料の写真性を長期間良好に維持で
きる。
【0580】 収納した感光材料の包装体を密封包装
袋の外側から透かして見えるので、包装体表面に設けら
れた印刷付きラベルや印刷により商品として必要な表示
を確認できる。すなわち、包装袋に印刷したのと同様の
効果を得ることができる。また、夏期の8万ルックス前
後の太陽光下に1時間以上放置させても(例えば、自動
車内、海辺等)密封包装袋内の感光材料包装体(レンズ
付き写真フィルム、プラスチックパトローネ入り35m
m撮影フィルム、金属パトローネ入り35mmフィル
ム、インスタントフィルムユニット、パック入りカット
フィルム等)の表面温度上昇を防止でき、その結果、加
熱による感材料の写真特性の劣化を防止できる。
【0581】 白色、黄色、銀色等光反射性外観を有
する感光材料用包装材料を用いた密封包装袋にすると
、の効果の他に太陽光下(特に夏期の自家用車内に
3時間以上)放置状態でも密封包装袋の表面及び密封包
装袋内の感光材料包装体の表面温度上昇を防止すること
ができ、その結果感光材料の温度上昇による写真性能の
熱劣化防止が可能になった。さらに表面につやのある半
透明な高級感を有する密封包装袋入の展示効果の大きい
(商品価値の高い感材料包装体を提供できる。)。
【0582】 完全遮光性と完全密封ヒートシール性
を有する層間ハクリ強度が100g/15mm幅以上の
開封ノッチをつければ易開封性も有する完全遮光、完全
密封易開封性包装袋から成る包装体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の感光材料用包装材料の一実施例の層
構成を示す部分断面図である。
【図2】 本発明の感光材料用包装材料を用いた包装袋
の斜視図である。
【図3】 本発明の感光材料用包装材料を用いた包装袋
の部分断面図である。
【図4】 本発明の感光材料用包装材料の他の実施例の
層構成を示す部分断面図である。
【図5】 本発明の感光材料用包装材料の他の実施例の
層構成を示す部分断面図である。
【図6】 本発明の感光材料用包装材料の他の実施例の
層構成を示す部分断面図である。
【図7】 本発明の感光材料用包装材料の他の実施例の
層構成を示す部分断面図である。
【図8】 本発明の感光材料用包装材料の他の実施例の
層構成を示す部分断面図である。
【図9】 本発明の感光材料用包装材料の他の実施例の
層構成を示す部分断面図である。
【図10】 本発明の感光材料用包装材料の他の実施例の
層構成を示す部分断面図である。
【図11】 本発明の感光材料用包装材料の他の実施例の
層構成を示す部分断面図である。
【図12】 本発明の感光材料用包装材料の他の実施例の
層構成を示す部分断面図である。
【図13】 本発明の感光材料用包装材料の他の実施例の
層構成を示す部分断面図である。
【図14】 本発明の感光材料用包装材料の他の実施例の
層構成を示す部分断面図である。
【図15】 本発明の感光材料用包装体の一実施例である
レンズ付フィルムユニット包装体の斜視図である。
【図16】 本発明の感光材料用包装体の一実施例である
写真フィルムパトローネ集合包装体の斜視図である。
【図17】 本発明の感光材料用包装体の一実施例である
写真フィルムパトローネ集合包装体に用いるパトローネ
集合包装体の斜視図である。
【図18】 本発明の感光材料用包装体の一実施例である
写真フィルムパトローネ集合包装体を製作する過程を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1a…遮性防湿酸素バリヤフィルム 2…熱可塑性樹脂層 3a…中間層 4…接着層 5…フレキシブルシート層 6…2軸延伸フィルム層 7…アンカーコート層 8…金属真空蒸着層 9…金属蒸着フィルム層 11…遮袋 12…ヒートシール部 13…感材料 21…透過性プラスチックフィルム 22…熱可塑性樹脂層 23…中間層 24…熱可塑性樹脂フィルム 25…防湿酸素バリヤ薄膜 26…2軸延伸フィルム層 27…アンカーコート層 30…レンズ付フィルムユニット包装体 31…包装袋 40…包装袋 50…パトローネ集合包装体 IIa…2層共押出しフィルム IIIa…3層共押出しフィルム UVa…積層フィルム Va…2層共押出しフィルム VI…3層共押出しフィルム VII…積層フィルム

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 滑剤及びブロッキング防止剤の1種以
    上、酸化防止剤、ラジカル捕獲剤、酸化防止相乗効果
    剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、キレート剤、アルカリ
    土類金属化合物、含水複塩化合物及び脂肪酸金属塩の1
    種以上を含む熱可塑性樹脂フィルムを有し、透湿度が2
    0g/m2・24時間(測定条件JIS Z0208の条
    件B)以下、酸素透過率が2000cc/m2・24時
    間・1気圧(測定条件ASTM D−3985)以下で
    ある感材料用包装材料。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂フィルムがヒートシール可
    能で、透湿度が10g/m2 ・24時間(測定条件JI
    S Z 0208の条件B)以下、酸素透過率が1000
    cc/m2 ・24時間・1気圧(測定条件ASTM D−
    3985)以下である請求項1に記載の感材料用包装材
    料。
  3. 【請求項3】 光透過率(ASTM D−1003)が
    10%以上の光透過性防湿・酸素バリヤフィルムを有す
    る請求項2に記載の感材料用包装材料。
  4. 【請求項4】 光透過性防湿・酸素バリヤフィルムが、
    光透過性フィルムと、この光透過性フィルムに積層され
    た厚さ30μm以下の防湿・酸素バリヤ薄膜とから成っ
    ている請求項3に記載の感材料用包装材料。
  5. 【請求項5】 光透過性防湿・酸素バリヤフィルムが、
    多層共押出しフィルムである請求項3に記載の感材料用
    包装材料。
  6. 【請求項6】 防湿・酸素バリヤ薄層が、厚さ20〜6
    000Åの蒸着薄膜層である請求項4に記載の感材料用
    包装材料。
  7. 【請求項7】 光透過性フィルムの防湿・酸素バリヤ薄
    膜を積層する面に接着強度を向上させる処理が施されて
    いる請求項4に記載の感材料用包装材料。
  8. 【請求項8】 光透過性防湿・酸素バリヤフィルムの感
    光材料側に遮光性フィルム層が積層されている請求項3
    に記載の感材料用包装材料。
  9. 【請求項9】 光透過性防湿・酸素バリヤフィルムの反
    感光材料側に、ヒートシール層よりビカット軟化点が5
    ℃以上高く印刷性を有する耐熱性フレキシブルシート層
    が接着剤層を介して積層されている請求項3に記載の感
    材料用包装材料。
  10. 【請求項10】 接着剤層が酸変性ポリオレフィン樹脂を
    1〜80重量%含んでいる請求項9に記載の感材料用包
    装材料。
  11. 【請求項11】 熱可塑性樹脂フィルムに、遮光性物質
    と、1重量%以上のエチレン共重合体樹脂、熱可塑性エ
    ラストマー及び相溶化剤の1種以上とが含まれている請
    求項2に記載の感材料用包装材料。
  12. 【請求項12】 遮光性防湿・酸素バリヤプラスチックフ
    ィルムと、この遮光性防湿・酸素バリヤプラスチックフ
    ィルムに積層されたヒートシール層とを有し、透湿度が
    20g/m2 ・24時間(測定条件JIS Z 0208
    の条件B)以下、酸素透過率が2000cc/m2・2
    4時間・1気圧(測定条件ASTM D−3985)以
    下である感材料用包装材料。
  13. 【請求項13】 遮光性防湿・酸素バリヤプラスチックフ
    ィルムが、遮光性プラスチックフィルムと、この遮光性
    プラスチックフィルムに積層された厚さ30μm以下の
    防湿・酸素バリヤ薄膜とから成っている請求項12に記
    載の感材料用包装材料。
  14. 【請求項14】 遮光性防湿・酸素バリヤプラスチックフ
    ィルムが、多層共押出しフィルムである請求項12に記
    載の感材料用包装材料。
  15. 【請求項15】 遮光性防湿・酸素バリヤプラスチックフ
    ィルムに遮光性層が接着剤層を介して又は接着剤層を介
    さずに直接積層されている請求項12に記載の感材料用
    包装材料。
  16. 【請求項16】 接着剤層が酸変性ポリオレフィン樹脂を
    1〜80重量%含んでいる請求項15に記載の感材料用
    包装材料。
  17. 【請求項17】 遮光性層が積層されている請求項16に記
    載の感材料用包装材料。
  18. 【請求項18】 遮光性、防湿性及び酸素バリヤ性を有す
    る厚さ5〜100μmの表裏両面の光沢度が異なる金属
    箔と、この金属箔の両面に接着剤層を介し又は接着剤層
    を介さずに直接積層された熱可塑性樹脂層と、この熱可
    塑性樹脂層の一方に必要により接着剤層を介し又は接着
    剤層を介さずに直接積層されたヒートシール層とを有
    し、金属箔と熱可塑性樹脂層との剥離強度が100g/
    15mm巾以上である感材料用包装材料。
  19. 【請求項19】 金属箔のマット面側に積層された熱可塑
    性樹脂層が光透過性であり、金属箔の光沢面側に積層さ
    れた熱可塑性樹脂層が遮光性を有している請求項17に
    記載の感材料用包装材料。
  20. 【請求項20】 金属箔の少なくとも片面には表面処理が
    施されている請求項17に記載の感材料用包装材料。
  21. 【請求項21】 光透過性防湿・酸素バリヤフィルムの反
    感光材料側又は遮光性防湿・酸素バリヤフィルムの反感
    光材料側又は表面両面の光沢度が異なる金属箔の反感光
    材料側に耐熱性フレキシブルシート層を接着剤層を介し
    て積層されている請求項3、12又は18記載の感材料
    用包装材料。
  22. 【請求項22】 撮影用写真フィルム包装体と、この写真
    フィルム包装体を密封包装した請求項1、3、9、1
    2、13、17、18又は21に記載の感材料用包装材
    料とを有する感材料包装体。
  23. 【請求項23】 平衡含水率が25〜65%RHの感光材
    料を請求項1、3、9、12、13、17、18又は2
    1に記載の感光材料用包装材料を用いて密封包装した感
    材料包装体。
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