JPH07295150A - 写真感光材料用包装材料及びそれを用いた包装体 - Google Patents

写真感光材料用包装材料及びそれを用いた包装体

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JPH07295150A
JPH07295150A JP9166994A JP9166994A JPH07295150A JP H07295150 A JPH07295150 A JP H07295150A JP 9166994 A JP9166994 A JP 9166994A JP 9166994 A JP9166994 A JP 9166994A JP H07295150 A JPH07295150 A JP H07295150A
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weight
resin
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packaging material
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JP9166994A
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Mutsuo Akao
睦男 赤尾
Osamu Suzuki
収 鈴木
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 写真感光材料用包装材料において、写真性に
悪影響を与えず、ミクログリッド(ブツ)の発生が少な
く、発泡やピンホールの発生がなく、ダイリップの汚れ
や、この汚れに起因するダイリップスジの発生がほとん
どないようにする。 【構成】 写真感光材料用包装材料は、数平均分子量が
10,000未満の有機化合物を0.001〜45重量%、二種以上
の酸化防止剤を合計量0.002〜1.00重量%、数平均分子
量が10,000以上の熱可塑性樹脂を50重量%以上含む樹脂
組成物からなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真フィルムを包装す
る遮光袋、写真フィルム用容器、写真フィルム用パトロ
ーネ、写真フィルム用スプール等の写真感光材料用包装
材料及びそれを用いた包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真フィルムを包装する遮光袋、写真フ
ィルム用容器等の写真感光材料用包装材料には各種樹脂
組成物が使用されている。例えば、フィルムパトローネ
用容器本体としては、特公平2−38939号公報において、
プロピレン単位の含有率が70重量%以上の重合体よりな
り、所定の物性を有する樹脂組成物が開示されている。
また、遮光袋としては、特公平2−2701号公報におい
て、50重量%以上のL−LDPE樹脂からなるポリエチ
レンポリマー層を有する積層体が開示されており、特公
平2−54934号公報において、熱可塑性樹脂中にバリウム
化合物、金属又は金属化合物の1種以上を50〜1800g/
2含む感光材料包装用X線不透過性材料が開示されて
いる。さらに、写真フィルム用スプールとしては、特開
昭62−240957号公報において、抜け防止リブを2つの狭
幅のリブで構成して、スプールの射出成形工程において
ヒケを発生させることなく射出時間及び冷却時間の短縮
が可能で、生産性の向上により製造コストの低減が図れ
る写真フィルム用スプールが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の写真感光材料用包装材料は、物理強度が大きい
等好適なものであったが、完全に満足できるものではな
かった。すなわち、特公平2−38939号公報で開示された
フィルムパトローネ用容器本体は、物理強度、透明性、
射出成形性の優れたものであるが、重合触媒の種類、添
加剤の種類及び添加量により、写真性不良(カブリや感
度異常等の発生)、ブツ(異物状の不溶解物の固ま
り)、金型の表面汚れが発生する場合があった。また、
特公平2−2701号で開示された遮光袋も物理強度が大き
く好適なものであるが、重合触媒の種類、添加剤の種類
及び添加量等により、写真性不良(カブリや感度異常等
の発生)、ブツ、ダイリップの汚れが発生する場合があ
った。特公平2−54934号公報で開示された感光材料包装
用X線不透過性材料は、X線不透過性物質の添加量が多
くなると、分散性不良、物理強度の低下、熱可塑性樹脂
の酸化及び熱分解が発生したり、写真性が悪化したり、
ノズル詰まりによる成形不良が発生する場合があった。
特開昭62−240957号公報で開示された写真フィルム用ス
プールは、カーボンブラック等の遮光性物質を添加して
遮光性を確保しようとすると、カーボンブラックの分散
性不良、樹脂の流動性低下によるショートショットの発
生、滑性不良による写真フィルムの巻き上げトルクの増
大、写真フィルムとの摩耗クズが発生したり、また、使
用樹脂の種類や添加物の種類及び添加量により、樹脂組
成物中の硫黄やシアン化合物やアルデヒド等により写真
性不良が発生する場合があった。
【0004】本発明は、上述した問題点を解決し、写真
性に悪影響を与えず、ブツの発生が少なく、発泡やピン
ホールの発生がなく、ダイリップの汚れや、この汚れに
起因するダイリップスジの発生がほとんどない写真感光
材料用包装材料を提供することを目的とする。特に、射
出成形品では、銀条、ショートショット、金型の汚れ等
ががほとんどなく、成形サイクルを短縮でき、変形せ
ず、外観の優れた写真感光材料用包装材料を提供するこ
とを目的とする。また、遮光性物質を含む場合であって
も、発泡、ブツ、筋、銀条及びメルトフラクチャー等が
発生せず、遮光性物質を均一に分散でき、写真性に悪影
響を与えず、外観が優れ、滑性が優れた写真感光材料用
包装材料を提供することを目的とする。さらにまた、写
真フィルム用スプール、写真フィルム用の熱可塑性樹脂
製パトローネ、カートリッジ、マガジンに適用した場合
は、寸法精度や射出成形性に優れ、物理強度が大きく、
完全遮光性を常に確保でき、寸度安定性が優れカメラ適
性の優れた、写真性が良好で、写真感光材料の巻き上げ
トルク、巻き戻しトルクを小さくすることできる写真感
光材料用包装材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の問題点
を解決するためになされたもので、本発明の写真感光材
料用包装材料は、数平均分子量が10,000未満の有機化合
物を0.001〜45重量%、二種以上の酸化防止剤を合計量
0.002〜1.00重量%、数平均分子量が10,000以上の熱可
塑性樹脂を50重量%以上含む樹脂組成物からなることを
特徴として構成されている。
【0006】本発明の写真感光材料用包装材料を形成す
る樹脂組成物は、数平均分子量が10,000未満の有機化合
物を含んでいる。この有機化合物を含むことにより、樹
脂の流動性を良化し、成形性が優れた又添加剤の分散性
が優れた写真感光材料用包装材料とすることが出来る。
さらに帯電防止性、滑性、写真性、防滴性等の向上等種
々の商品価値を向上させたり、写真感光材料の品質を向
上できる。
【0007】この有機化合物の数平均分子量が10,000以
上であると、本来の特性が発揮されないだけでなく製造
がほとんど困難である。
【0008】数平均分子量が10,000未満の有機化合物の
含有量は、0.001〜45重量%であり、0.01〜35重量%が
好ましく、0.1〜25重量%がより好ましい。含有量が0.0
01重量%未満であると、添加した効果が発揮されず混練
経費増となるだけである。含有量が45重量%を越える
と、増量効果が発揮されないだけでなく、経費増とな
り、品質的にも表面にブリードアウトして写真感光材料
に悪影響を与える(現像阻害等)。さらに包装材料の物
理強度を低下させる。
【0009】以上のような有機化合物としては、滑剤、
有機造核剤、帯電防止剤、防滴剤、低分子量熱可塑性樹
脂、相溶化剤、芳香剤及び吸水性樹脂等があり、これら
を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0010】上記滑剤に付いて説明する。市販の代表的
滑剤名と製造メーカー名を以下に記載する。
【0011】(1) 脂肪酸アミド系滑剤; 〔飽和脂肪酸アミド系滑剤〕 ベヘニン酸アミド系滑剤;ダイヤミッドKN(日本
化成)等 ステアリン酸アミド系滑剤;アーマイドHT(ライ
オン油脂)、アルフローS−10(日本油脂)、脂肪酸ア
マイドS(花王)、ダイヤミッド200(日本化成)、ダイ
ヤミッドAP−1(日本化成)、アマイドS・アマイド
T(日東化学)、ニュートロン−2(日本精化)等
【0012】〔ヒドロキシステアリン酸アミド系滑剤〕 パルミチン酸アミド系滑剤;ニュートロンS−18
(日本精化)、アマイドP(日東化学)等 ラウリン酸アミド系滑剤;アーマイドC(ライオン
・アクゾ)、ダイヤミッド(日本化成)等 〔不飽和脂肪酸アミド系滑剤〕 エルカ酸アミド系滑剤;アルフローP−10(日本油
脂)、ニュートロン−S(日本精化)、LUBROL
(I・C・I)、ダイヤミッドL−200(日本化成)等 オレイン酸アミド系滑剤;アーモスリップCP(ラ
イオン・アクゾ)、ニュートロン(日本精化)、ニュー
トロンE−18(日本精化)、アマイドO(日東化学)、
ダイヤミッドO−200・ダイヤミッドG−200(日本化
成)、アルフローE−10(日本油脂)、脂肪酸アマイド
O(花王)等
【0013】〔ビス脂肪酸アミド系滑剤〕 メチレンビスベヘニン酸アミド系滑剤;ダイヤミッ
ドNKビス(日本化成)等 メチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;ダイヤミ
ッド200ビス(日本化成)、アーモワックス(ライオン・
アクゾ)、ビスアマイド(日東化学)等 メチレンビスオレイン酸アミド系滑剤;ルブロンO
(日本化成)等 エチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;アーモス
リップEBS(ライオン・アクゾ)等 ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;ア
マイド65(川研ファインケミカル)等 ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド系滑剤;アマ
イド60(川研ファインケミカル)等
【0014】(2) 非イオン界面活性剤系滑剤;エレクト
ロストリッパ−TS−2、エレクトロストリッパ−TS
−3(花王石鹸)等
【0015】(3) 炭化水素系滑剤;流動パラフィン、天
然パラフィン、マイクロワックス、合成パラフィン、ポ
リエチレンワックス(数平均分子量が10,000以下、好ま
しくは8,000以下、特に6,000以下が好ましい。)、ポリ
プロピレンワックス(数平均分子量が10,000以下、好ま
しくは8,000以下、特に6,000以下が好ましい。)、塩素
化炭化水素、フルオロカルボン等
【0016】(4) 脂肪酸系滑剤;高級脂肪酸(C12以上
が好ましい、具体的にはカプロン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸、エルカ酸、パルミチン酸等)、オキシ脂肪酸
【0017】(5) エステル系滑剤;脂肪酸の低級アルコ
ールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪
酸のポリグリコールエステル、脂肪酸の脂肪アルコール
エステル等
【0018】(6) アルコール系滑剤;多価アルコール、
ポリグリコール、ポリグリセロール等
【0019】(7) 脂肪酸金属塩系滑剤(金属石けん);
カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、
ラウリン酸、ステアリン酸、コハク酸、ベヘニン酸、ベ
ヘン酸、リノール酸、ステアリル乳酸、乳酸、酢酸、シ
ュウ酸、クエン酸、フタル酸、安息香酸、ヒドロキシス
テアリン酸、エルシン酸、モンタン酸、リシノール酸、
ナフテン酸、オレイン酸、パルミチン酸、エルカ酸等の
炭素数が6〜50個、好ましくは10〜40個、特に好ましく
は11〜35個の脂肪酸とLi、Na、Mg、K、Mn、C
a、Sr、Ba、CO、NI、Zn、Cd、Al、S
n、Pb、Cd、等の金属との化合物が挙げられ、好ま
しいものはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウ
ム、オレイン酸マグネシウム等である。
【0020】(8) モンタン酸エステル部分鹸化物;
【0021】(9) シリコーン系滑剤;各種グレードのジ
メチルポリシロキサン及びその変性物(信越シリコー
ン、東レシリコーン)、特に各種シリコーンオイルが樹
脂流動性向上、耐摩耗性向上、硬度向上、滑性向上等の
効果を発揮させるだけでなく、遮光性物質と併用すると
遮光性物質の分散性向上、樹脂組成物を白濁させヘイズ
(ASTM D−1003)を大きくさせる結果、着色力向
上、遮光性向上等予想外の効果を発揮するので好まし
い。
【0022】上記シリコーンオイルは、常温(25℃)に
おける粘度が50〜100,000センチストークス、1,000〜6
0,000センチストークスの範囲のものが好ましく、更に
好ましくは5,000〜30,000センチストークスの高粘度の
ものがよい。50センチストークス未満では写真性に悪影
響を及ぼしたりブリードアウトが激しく実用化困難であ
り、100,000センチストークスをこえると製造が非常に
困難になり高価になると共に粘度が高すぎて取扱いが困
難であり実用化不可である。シリコーン及びシリコーン
変性物の具体例としては、ポリメチルフェニルシロキサ
ン、オレフィン変性シリコーン、アミド変性シリコー
ン、ポリジメチルシロキサン、アミノ変性シリコーン、
カルボキシル変性シリコーン、αメチルスチレン変性シ
リコーン、ポリエチレングリコールやポリプロピレング
リコールで変性したポリエーテル変性シリコーン、オレ
フィン/ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シ
リコーン、アミノ変性シリコーン、アルコール変性シリ
コーン等変性されたシロキサン結合を含有したシリコー
ンオイルである。該シリコーンオイル中、写真感光材料
の写真性に悪影響を与えることが少なく、滑性効果の大
きい、特に写真感光材料用包装材料に適用した場合に好
ましいものはオレフィン変性シリコーン、アミド変性シ
リコーン、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性
シリコーン、オレフィン/ポリエーテル変性シリコーン
である。該シリコーンオイルは、加熱状態での成形材
料、例えば樹脂フィルムの摩擦係数を改良し、自動包装
機による熱板シール中に生じる摺動抵抗を低下させ、皺
の発生を防止することにより、美しい外観と高度な密封
性と被包装体にたるみがない密着性とを有する性能を保
持した樹脂フィルムを得ることが出来る。又摺動による
光沢の低下を防止して、美しいシール部を得ることが出
来る。シリコーンオイルを併用した場合の本発明では、
摺動ヒートシールをする場合、高温摩擦係数を1.4以下
にすることが出来る。
【0023】また、射出成形品から成る写真感光材料用
包装材料では、遮光性を向上できるので遮光能力アップ
の結果、遮光性物質添加量を削減可能になり物理強度向
上と射出成形性向上と外観向上等多くの特性を向上でき
る。
【0024】シリコーンオイル添加の効果は、以下の通
りである。 (1) 繊維状充填材、非繊維状遮光性物質、顔料と併用す
るだけでこれらの表面を被覆して分散性を向上させる。 (2) 樹脂の分散性を向上し、スクリューのモーター負荷
を小さくし、メルトフラクチャー発生を防止する。 (3) ブリードアウトして白粉状になる脂肪酸アミド等の
滑剤を添加しなくとも滑性を十分確保できる。 (4) 加熱状態での成形材料の摩擦係数を小さくし、自動
製袋適性を向上し、ヒートシール時のシワ発生や摺動に
よる光沢の低下を防止し、美しいシール部を得ることが
できる。 (5) 遮光性物質と併用すると、熱可塑性樹脂を白濁さ
せ、ヘイズを大きくする結果、着色力を向上させ遮光能
力を20%以上向上でき、物性を低下させる遮光性物質の
添加量を20%以上減量しても遮光性を確保できる。結晶
の核となって結晶を成長させ、透明性や耐衝撃性、剛
性、硬度、寸法安定性などを向上させる優れた働きをす
る造核剤を使用することが好ましい。
【0025】滑剤の添加量は種類によって異なり、本発
明の写真感光材料包装材料に最も適した滑剤の中でも脂
肪酸金属塩等のように樹脂中のハロゲン化合物を中和し
て写真感光材料の写真性能維持を主目的とした滑性効果
が小さい滑剤の場合は、0.01〜10重量%、0.03〜5重量
%が好ましく、0.05〜3重量%がより好ましくは、0.1
〜1.5重量%が最も好ましい。脂肪酸アミド系滑剤及び
ビス脂肪酸アミド系滑剤等のように滑性効果が大きく、
ブリードアウトしやすく、写真感光材料に影響を与える
滑剤の場合は、0.005〜5重量%、0.01〜1重量%が好
ましく、0.03〜0.5重量%がより好ましく、0.05〜0.3重
量%が最も好ましい。
【0026】上記有機造核剤としては、カルボン酸、ジ
カルボン酸、これらの塩及び無水物、芳香族スルホン酸
の塩及びエステル、芳香族ホスフィン酸、芳香族ホスホ
ン酸、芳香族カルボン酸、その他のアルミニウム塩、芳
香族リン酸金属塩、炭素数8〜30のアルキルアルコー
ル、多価アルコールとアルデヒドの縮合物、並びにアル
キルアミンなどであり、例えばp−t−ブチル安息香酸
アルミニウム、1,2,3,4−ジベンジリデンソルビト
ール、次式で表されるジ置換ベンジリデンソルビトール
化合物
【0027】
【化1】
【0028】{式中、R1及びR2は炭素数1〜8のアル
キル、アルコキシ又はハロゲンであり、m及びnはいず
れも0〜3であって且つm+n≧1である。}、ステア
リル乳酸のカルシウム、マグネシウム等の金属塩、N−
(2−ヒドロキシエチル)−ステアリルアミン等の次式
で表される化合物。
【0029】
【化2】
【0030】{式中、R3は炭素数が8〜30のアルキル
基であり、k及びlはいずれも0〜10であってk+l≧
1である。}、1,2−ヒドロキシステアリン酸のリチ
ウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マ
グネシウム塩等の金属塩、ステアリルアルコール、ラウ
リルアルコール等のアルキルアルコール、安息香酸ソー
ダ、安息香酸、セバチン酸などがある。
【0031】有機造核剤の中で特に好ましいソルビトー
ル化合物の代表例を以下に示す。
【0032】di-(o-methylbenzylidene)sorbitol o-methylbenzylidene-p-methylbenzylidenesorbitol di-(m-methylbenzylidene)sorbitol m-methylbenzylidene-o-methylbenzylidenesorbitol di-(p-methylbenzylidene)sorbitol m-methylbenzylidene-p-methylbenzylidenesorbitol 1・3-heptanylidenesorbitol 1・3,2・4-diheptanylidenesorbitol 1・3,2・4-di(3-nonyl-3-pentenylidene)sorbitol 1・3-cyclohexanecarbylidenesorbitol 1・3,2・4-dicyclohexanecarbylidenesorbitol 1・3,2・4-di(p-methylcyclohexanecarbylidene)sorbitol Aromatic hybrocarbon groups or derivatives thereof 1・3-benzylidenesorbitol 1・3,2・4-dibenzylidene-D-sorbitol 1・3,2・4-di(m-methylbenzylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(p-methylbenzylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(p-hexylbenzylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(l-naphthalenecarbylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(phenylacetylidene)sorbitol 1・3・2・4-di(methylbenzylidene)sorbitol 1・3・2・4-di(ethylbenzylidene)sorbitol 1・3・2・4-di(propylbenzyledene)sorbitol 1・3・2・4-di(methoxybenzylidene)sorbitol 1・3・2・4-di(ethoxybenzylidene)sorbitol 1・3・2・4-di(P-methylbenzylidene)sorbitol 1・3・2・4-di(P-chlorbenzylidene)sorbitol 1・3・2・4-di(P-methoxybenzylidene)sorbitol 1・3・2・4-di(alkilbenzylidene)sorbitol 1・3・2・4-bis(methylbenzylidene)sorbitol aluminumbenzoate、等。
【0033】有機造核剤の中でも特に以下のジベンジリ
デンソルビトール化合物が好ましい。特に、本発明で好
ましいのは結晶性樹脂であるポリオレフィン樹脂(好ま
しくはホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・αオレフ
ィンブロック共重合体樹脂、プロピレン・αオレフィン
ランダム共重合体樹脂、密度が0.910g/cm3以上のホモ
ポリエチレン樹脂及び密度が0.870g/cm3以上のエチレ
ン・αオレフィン共重合体樹脂)のヤング率向上、物理
強度向上、剛性向上、硬度向上、耐摩耗性向上、寸法精
度向上、結晶化速度向上、成形速度向上、成形故障の減
少等の効果を発揮すること及び従来の有機造核剤の欠点
であった異臭とブリードアウトを改善できる下記のジ−
置換ベンジリデンソルビトール組成物が特に好ましい。
【0034】このジ−置換ベンジリデンソルビトール組
成物の必須成分として、一般式(I)
【0035】
【化3】
【0036】{式中、R及びR'は、それぞれ独立し
て、塩素原子、メチル基及びエチル基よりなる群より選
ばれる原子または基を表す}のジベンジリデンソルビト
ール誘導体の固体粉末と式(II)
【0037】 CH3(CH2)nCOOH (II) {式中、nは14〜30、好ましくは18〜27、最も好ましく
は20〜25の数を表す}の高級脂肪酸を含有してなり、該
高級脂肪酸が該ジベンジリデンソルビトール誘導体の固
体粉末の表面を被覆して含有されているジベンジリデン
ソルビトール誘導体組成物が提供される。
【0038】本発明で好ましく用いられる一般式(I)
のジベンジリデンソルビトール誘導体としては、1,3
−2,4・ジpメチルベンジリデンソルビトール、1,3
−2,4−ジpエチルベンジリデンソルビトール、1,3
−pメチルベンジリデン−2,4−pクロルベンジリデ
ンソルビトール、1,3−pメチルベンジリデン・2,4
−pエチルベンジリデンソルビトール及び1,3−pク
ロルベンジリデン−2,4pメチルベンジリデンソルビ
トール等を例示することができる。
【0039】本発明の有機造核剤の好ましい態様におい
ては、上記一般式(I)において、R及びR'は、それ
ぞれ独立してメチル基または塩素原子を表すジベンジリ
デンソルビトール誘導体が用いられる。
【0040】特に好適なジベンジリデンソルビトール誘
導体は、1,3−2,4−ジpメチルベンジリデンソルビ
トール、1,3−pメチルベンジリデン−2,4−pクロ
ルベンジリデンソルビトール及び1,3−pクロルベン
ジリデン・2,4−pメチルベンジリデンソルビトー
ル、である。
【0041】本発明で有機造核剤として好ましく用いら
れる式(II)の高級脂肪酸の好ましい例は、ベヘン酸、
ステアリン酸およびパルミチン酸であり、なかでもベヘ
ン酸が最も好ましく、ステアリン酸がこれに次ぐ。
【0042】本発明の有機造核剤組成物において使用さ
れるジベンジリデン誘導体の固体粉末の粒径は、格別な
制限は必要でなく、粒度分布30〜100メッシュのものが
好適に用いられる。
【0043】本発明の好ましい有機造核剤組成物は、ジ
ベンジリデン誘導体の95〜50重量部、好ましくは90〜50
重量部に対し高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸化合物
(脂肪酸金属塩や脂肪酸アミド等)及び/又は可塑剤の
1種以上を5〜50重量部、好ましくは10〜50重量部の範
囲において、両成分の合計が100重量部になる割合で含
有する。
【0044】本発明の特に好ましい有機造核剤組成物
は、上記割合の高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸化合物
及び/又は可塑剤の1種以上を含有する水性エマルジョ
ンに上記割合のジベンジリデンソルビトール誘導体の固
体粉末を添加攪拌して、ジベンジリデンソルビトール誘
導体の固体粉末の表面上に高級脂肪酸及び/又は高級脂
肪酸化合物及び/又は可塑剤の1種以上の被覆層を形成
させ、高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸化合物及び/又
は可塑剤の1種以上の被覆層を有するジベンジリデンソ
ルビトール誘導体粉末を濾別後、洗浄及び乾燥を行うこ
とによって作ることができる。
【0045】上記方法において使用する高級脂肪酸及び
/又は高級脂肪酸化合物及び/又は可塑剤の水性エマル
ジョンは、例えば、高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸化
合物及び/又は可塑剤の濃度5〜50重量%、好ましくは
10〜50重量%の有機溶媒溶液に、界面活性剤を少量、例
えば高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸化合物及び/又は
可塑剤100重量部に対して1〜10重量部、好ましくは2〜
5重量部、を用いて水中に分散させることによって容易
に得ることができる。
【0046】また、ジベンジリデンソルビトール誘導体
の固体粉末の表面上に形成された高級脂肪酸及び/又は
高級脂肪酸化合物及び/又は可塑剤の被覆層の存在は、
該被覆層を染料で染色して観察することによって確認す
ることができる。その他、後記遮光性物質の表面被覆物
質で有機造核剤の表面を被覆することも分散性向上等の
点から好ましい。
【0047】本発明の好ましい有機造核剤の組成物が、
物理強度、非ブリードアウト性及び無臭性の改善のため
に添加剤として効果的に使用されるポリオレフィン系樹
脂の例は、炭素数が2〜6の脂肪族モノオレフィンの数
平均分子量が10,000〜600,000、好ましくは11,000〜50
0,000、特に好ましくは12,000〜400,000、特に好ましく
は13,000〜300,000の高分子量の単独重合体または共重
合体、例えばホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・α
オレフィン共重合体樹脂のポリプロピレン系樹脂、低密
度ホモポリエチレン樹脂、高密度ホモポリエチレン樹
脂、直鎖状ポリエチレン(エチレン・αオレフィン共重
合体)樹脂およびエチレン・プロピレン共重合体樹脂の
ポリエチレン系樹脂等である。特に結晶化度が高い結晶
性ポリオレフィン系樹脂が好ましく、有機造核剤の添加
効果が効果的に発揮されるので結晶化度は50%以上、好
ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上、最も好ま
しくは90%以上のポリオレフィン系樹脂である。これら
のポリオレフィン系樹脂の分子量分布(数平均分子量/
数平均分子量)は物理強度確保と成形性確保のバランス
の点で1.5〜20、好ましくは2〜15、特に好ましくは2.5
〜12であり、最も好ましくは3〜10である。有機造核剤
の添加効果は、分子量分布が小さい程発揮されることが
今回判明した。ここで分子量分布はGPC法により測定
された分子量より求める。分子量分布が1.5未満では物
理強度は非常に優れ、射出成形品では寸法精度が優れる
が成形性が悪化すると共に重合が困難で高価になる。分
子量分布が20を越えるとこの逆になりいずれも実用化困
難である。
【0048】本発明の好ましい有機造核剤組成物におい
ては、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、ジベ
ンジリデンソルビトール誘導体成分として0.005〜5.0重
量部、好ましくは、0.01〜3.0重量部に相当する高級脂
肪酸及び/又は高級脂肪酸化合物及び/又は可塑剤の1
種以上で被覆されたジベンジリデンソルビトール誘導体
が好適に使用される。
【0049】本発明の好ましい有機造核剤組成物は、有
機造核剤の使用効果が大きい、結晶化度が70%以上、分
子量分布が2〜15、特に好ましくは結晶化度が80%以
上、分子量分布が2.5〜12のポリオレフィン系樹脂に任
意の公知の混合手段で混合することによって配合するこ
とができる。また、本発明の好ましい有機造核剤組成物
は、必要に応じて、該有機造核剤を高濃度で含有するポ
リオレフィン系樹脂中のマスターバッチとしても用いる
ことができる。
【0050】本発明の好ましい有機造核剤組成物におい
ては、ジベンジリデンソルビトール誘導体の固体粒子の
表面が高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸化合物及び/又
は可塑剤の1種以上で被覆されていることが重要で、ポ
リオレフィン樹脂にジベンジリデンソルビトール誘導体
及び高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸化合物及び/又は
可塑剤の1種以上を単に添加混合しても上記記載の十分
な効果は達成されない。また、180℃以上、好ましくは1
90℃以上、特に好ましくは200℃以上の熱履歴を1回以
上経ないと上記記載の十分な効果は達成されない。
【0051】この熱履歴は1回経ればよく、例えば本発
明のポリオレフィン系樹脂組成物中に本発明の好ましい
有機造核剤の組成物として詳述した上記ジ−置換ベンジ
リデンソルビトール組成物を0.01〜3.0重量%添加後、1
80℃以上、好ましくは190℃以上、特に好ましくは200℃
以上に加熱してペレット化したものを用いて遮光性ポリ
オレフィン系樹脂フィルムを成形すればよく、この時の
樹脂温度は180℃以下であっても上記記載の効果は達成
されるが、このフィルム成形時も180℃以上の樹脂温度
にする(180℃以上の熱履歴を2回経たと本発明では表現
する。)ことにより、物理特性、剛性が非常に優れ、フ
ィルム表面の光沢の高い、シワや筋等の外観故障がほと
んど観察されない熱可塑性樹脂フィルムを成形すること
ができる。射出成形品の場合も同様であり、物理強度、
剛性、耐摩耗性、光沢、硬度、寸法安定性、射出成形性
等の優れた射出成形品を得ることが出来る。着色物質を
含まない場合は透明度の優れた射出成形品を得ることが
できる。
【0052】造核剤の添加効果を最高に発揮させるに
は、ポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂、特
に分子量分布(数平均分子量/数平均分子量)が1.5〜1
2、好ましくは2〜10、特に好ましくは2.5〜8のポリプ
ロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂に適用すること
が好ましい。
【0053】本発明の好ましい有機造核剤組成物は、従
来技術に較べ、ポリオレフィン系樹脂組成物に配合した
場合、物理強度、耐ブリードアウト性、剛性等の諸特性
を何ら損なわないばかりか、場合によってはこれ等諸特
性を更に向上させ、同時に優れた無臭性を有し、併せて
フィルムにシワや筋等の外観故障が出にくくなり、かつ
フィルム成形性が向上しフィルム成形速度が向上でき、
射出成形品ではゲート残り等の成形故障が減少するとい
った優れた効果を奏するものである。即ち、本発明のポ
リオレフィン系樹脂組成物に、上述のジ−置換ベンジリ
デンソルビトール組成物を含ませることにより、物理強
度、剛性、耐ブリードアウト性、無臭性、フィルム成形
性、射出成形性、寸法精度、耐摩耗性等の優れた写真感
光材料用包装材料を提供することが出来る。
【0054】本発明の好ましい有機造核剤組成物が上記
の優れた効果を奏する理由は必ずしも明らかでないが、
従来のジベンジリデンソルビトールの製造原料であるベ
ンズアルデヒド及び本発明のジベンジリデンソルビトー
ル誘導体の製造原料であるp置換ベンズアルデヒド等の
ベンズアルデヒド誘導体には臭気があって、共に精製後
も不可避的にジベンジリデンソルビトール(誘導体)に
微量残留して透明又は遮光性射出成形品や透明又は遮光
性熱可塑性樹脂フィルム等の異臭の原因となりがちなこ
と及びジベンジリデンソルビトール(誘導体)が熱可塑
性樹脂組成物を用いた熱可塑性樹脂射出成形時や熱可塑
性樹脂フィルム成形時等にも若干分解を起こして異臭の
原因となることが考え得る。
【0055】本発明の好ましい有機造核剤組成物におい
ては、一般式(I)の特定のジベンジリデンソルビトー
ル誘導体の固体粒子を用い、該粒子を一般式(II)の特
定の高級脂肪酸で被覆する、といった及びの要件を
同時に満足することによって、原料ベンズアルデヒド類
あるいは分解生成したベンズアルデヒド類に基づくと推
定される異臭が、熱可塑性樹脂組成物を用いた、熱可塑
性樹脂射出成形品や熱可塑性樹脂フィルム等において顕
著に減少され、かつ剛性、硬度、寸法精度、耐摩耗性、
物理強度等の上記諸物性も同時に優れているといった効
果が奏される。
【0056】各種の有機造核剤は、単独で用いても各種
の無機造核剤との併用、有機造核剤の2種以上を併用す
ることもできる。また、有機及び/又は無機造核剤の表
面を各種の脂肪酸、脂肪酸化合物やシリコン等の滑剤、
カップリング剤、可塑剤、界面活性剤等の分散剤や湿潤
剤等で被覆することができる。
【0057】上記帯電防止剤に付いて説明する。帯電防
止剤の市販の代表例を以下に示す。 I.ノニオン系(=非イオン系) (1) アルキルアミン誘導体:T−B103(松本油脂)、T
−B104(松本油脂) アルキルアミド型 ポリオキシエチレンアルキルアミン:アーモスタット31
0(ライオン油脂) 3級アミン(ラウリルアミン):アーモスタット400(ラ
イオン油脂) N,N−ビス(2−ヒドロキシエチルココアミン):ア
ーモスタット410(ライオン油脂) 3級アミン:ANTISTATIC273C、273、273E
(Fine Org.Chem) N−hydroxyhexadecyl−di−ethanol−amine:Belg.
P. 654, 049 N−hydroxyoctadecyl−di−ethanol−amine:(Natio
nal Dist.)
【0058】(2) 脂肪酸アマイド誘導体:TB−115(松
本油脂)、エレガンP100(日本油脂)、エリークSM−
2(吉村油化学) ヒドロキシステアリン酸アマイド シュウ酸−N,N'−ジステアリルアミドブチルエステ
ル:ヘキスト ポリオキシエチレンアルキルアミド
【0059】(3) エーテル型 ポリオキシエチレンアルキルエーテル RO(CH2CH2O)nH ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 特殊非イオン型:レジスタット104, PE100, 116〜118
(第一工業製薬)、レジスタットPE132, 139(第一工業
製薬)、エレガンE115, ケミスタット1005(日本油
脂)、エリークBM−1(吉村油化学)、エレクトロス
トリッパ−TS,TS2,3,5,EA,EA2,3
(花王石鹸)
【0060】(4) 多価アルコールエステル型 グリセリン脂肪酸エステル:ステアリン酸若しくはヒド
ロキシステアリン酸等のモノ、ジ、またはトリグリセラ
イド、モノグリ((日本樟脳)、TB−123(松本油脂)、
レジスタット113(第一工業製薬) ソルビタン脂肪酸エステル 特殊エステル:エリークBS−1(吉村油化学) 1−ヒドロキシエチル−2−ドデシルグリオキサゾリ
ン:(ブリティシュ・セロファン)
【0061】II.アニオン系 (1) スルホン酸類 アルキルスルホネート RSO3Na アルキルベンゼンスルホネート アルキルサルフェート ROSO3Na
【0062】(2) リン酸エステル型 アルキルホスフェート
【0063】III.カチオン系 (1) アミド型カチオン:レジスタットPE300, 401, 40
2, 406, 411(第一工業製薬)
【0064】(2) 四級アンモニウム塩 第4級アンモニウムクロライド 第4級アンモニウムサルフェート 第4級アンモニウムナイトレート カチミンCSM−9(吉村油化学)、CATANAC60
9(アメリカン・シアナミド)、デノン314C(丸菱油
化)、アーモスタット300(ライオン油脂)、100V(ア
ーマー)、エレクトロストリッパ−ES(花王石鹸)、
ケミスタット2009A(日本油脂) Stearamido propyl−dimethyl−β−hydroxyethyl amm
onium nitrate:CATANAC・SN(アメリカン・
ジアナミド)
【0065】IV.両性イオン系 (1) アルキルペタイン型:
【0066】(2) イミダゾリン型:レオスタット53, 53
2(ライオン油脂)、AMS 53(ライオン油脂)、AMS
303, 313(ライオン油脂) アルキルイミダゾリン型
【0067】(3) 金属塩型:AMS 576(ライオン油
脂) レオスタット826, 923(ライオン油脂) (RNR'CH2CH2CH2NCH2COO)2Mg {R≧C,R'=Hまたは(CH2)mCOO−}(ライオ
ン油脂) R=C38炭化水素、A=酸素またはイミノ基、M=有
機アミンまたは金属
【0068】(4) アルキルアラニン型:
【0069】V.導電性樹脂 ポリビニルベンジル型カチオン ポリアクリル酸型カチオン
【0070】VI.その他;レジスタット204, 205(第一
工業製薬)、エレガン2E, 100E(日本油脂)、ケミス
タット1002, 1003, 2010(日本油脂)、エリーク51(吉
村油化学)、ALROMINE RV−100(ガイギー)
【0071】以上の帯電防止剤の中で写真性及び人身に
与える悪影響が小さく、スタチックマーク防止効果が大
きいので、非イオン(ノニオン)系帯電防止剤が特に好
ましい。
【0072】帯電防止剤の添加量は、0.01〜5.0重量%
が好ましく、0.05〜3.5重量%がより好ましく、0.1〜2.
0重量%が最も好ましい。添加量が0.01重量%未満であ
れば、添加効果が十分でなく、混練経費が増加するだけ
である。また、添加量が5.0重量%を越えると、溶融樹
脂と押し出し機のスクリューとのスリップが発生しやす
くなり、樹脂の吐出量が不安定になる。また、成形後の
経時によりベトツキやブリードアウトが発生しやすくな
る。
【0073】本発明の写真感光材料用包装材料に、遮光
性物質の均一な分散性を向上させるために、可塑剤を添
加することができる。
【0074】可塑剤の代表例を以下に示す。 (1) フタル酸系可塑剤 フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオ
クチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルラウリ
ル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ブチルベンジル、
ブチルフタリルブチルグリコレート等 (2) リン酸系可塑剤 リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル等 (3) 脂肪酸系可塑剤 クエン酸トリn−ブチル、アジピン酸ジオクチル、アゼ
ライン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル、アセチル
リシノール酸メチル等 (4) エポキシ系可塑剤 アルキルエポキシステアレート、4,5−エポキシテト
ラヒドロフタル酸ジイソデシル等 (5) その他の可塑剤
【0075】塩素化パラフィン、ポリエステル、シュー
クロースオクタアセテート等 可塑剤の添加量は0.01〜10.0重量%が好ましく、0.05〜
7.0重量%がより好ましく、0.1〜5.0重量%が最も好ま
しい。添加量が0.01重量%未満であると、遮光性物質の
均一分散性向上効果やブロッキング接着向上効果がほと
んど発揮されず、混練経費増となるだけである。添加量
が10.0重量%を超えると、押出し機のスクリューとのス
リップが発生して安定した樹脂量を押出すことが不可能
になる。
【0076】上記防滴剤に付いて説明する。防滴剤の代
表例を以下に示す。
【0077】ジグリセリンモノステアリン酸エステル、
ポリグリセリンモノパルミチン酸エステル、ソルビタン
モノラウリン酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸
エステル、ソルビタンモノオレイン酸エステル、ソルビ
タンモノエルカ酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル、ステアリン酸モノグリセライド、
パルミチン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセ
ライド、ラウリン酸モノグリセライド、ポリオキシエチ
レンノニルフェノールエーテル、ソルビタンセスキパ
ミテート、ジグリセリンセスキオレエート、ソルビトー
ル脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸・二塩基酸エス
テル、ジグリセリン脂肪酸・二塩基酸エステル、グリセ
リン脂肪酸・二塩基酸エステル、ソルビタン脂肪酸・二
塩基酸エステル、ソルビタンパルミテート、ソルビタン
ステアレート、ソルビタンパルミテート・プロピオレン
オキサイド3モル付加物、ソルビタンパルミテート・プ
ロピオレンオキサイド2モル付加物、ソルビトールステ
アレート、ソルビトールステアレート・エチレンオキサ
イド3モル付加物、ジグリセリンパルミテート、グリセ
リンパルミテート、グリセリンパルミテート・エチレン
オキサイド3モル付加物等。
【0078】また、防滴剤は、露付きなどを防止した
り、滑剤や酸化防止剤等のブリードアウトしやすい添加
剤が白色粉末状に析出するのをおさえる効果も有してい
る。この防滴剤は、水の接触角度が45度以下が好まし
く、35度以下がより好ましい。また、吸水性物質、吸湿
性物質、防滴剤のいずれか2種以上をミックスして用い
ることもできる。
【0079】防滴物質の添加量は、0.01〜5.0重量%が
好ましく、0.1〜3.0重量%がより好ましい。添加量が0.
01重量%未満であれば、防曇効果がほとんど発揮され
ず、混練経費増となるだけである。また、滑剤や酸化防
止剤等のブリードアウトしやすい添加剤が白色粉末状に
析出するのをおさえる効果が発揮されない。また、添加
量が5.0重量%を越えると、防曇効果は充分発揮される
が増量した効果はほとんどなくなり、コストアップにな
るだけである。問題なのは容器表面がベトツキ、ほこり
や塵が付着しやすくなり、写真フィルムに付着した場合
は現像速度ムラを発生させる。
【0080】また、防滴剤を含む成型品にコロナ放電処
理、オゾン接触処理、プラズマ処理等の表面活性化処理
を施すと防曇作用、防滴作用がさらに効果的に発揮され
るので好ましい。
【0081】本発明の写真感光材料用包装材料には、熱
可塑性樹脂や相溶化剤や他の低分子量の添加剤の熱劣化
や熱分解により発生するアルデヒドや酸の異臭や写真感
光材料中に添加されている防腐剤や硬膜剤等の異臭が密
封包装体に充満し、ユーザーに不快感を与えるのを防止
するために、脱臭剤を含ませることができる。脱臭剤と
しては、有機カルボン酸、有機カルボン酸と亜鉛化合物
との混合物、及び有機カルボン酸と亜鉛化合物とアルミ
ニウム化合物との混合物等がある。
【0082】有機カルボン酸としては、脂肪族ポリカル
ボン酸、芳香族ポリカルボン酸及びこれら脂肪族、芳香
族ポリカルボン酸と多価アルコール化合物との反応生成
物で末端がカルボキシル基の酸性ポリエステル化合物等
がある。
【0083】脂肪族ポリカルボン酸としては、ジュウ
酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、メチ
ルフマル酸、マレイン酸、メチルマレイン酸、イタコン
酸、アセチレン酸、リンゴ酸、メチルリンゴ酸、クエン
酸、イソクエン酸、メサコン酸、シトラコン酸等のジ又
はトリカルボン酸又はそれらの塩等があり、特に好まし
いものはクエン酸、フマル酸またはその塩である。
【0084】芳香族ポリカルボン酸としては、フタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸、ベンゼンヘキサトリカルボン酸、ナフタ
レンジカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタ
レンテトラカルボン酸、アゾベンゼンテトラカルボン酸
等の芳香族カルボン酸又はそれらの無水物等があり、特
に好ましいのはベンゼントリカルボン酸とトリメリット
酸である。
【0085】末端がカルボキシル基の酸性ポリエステル
化合物としては、フタル酸等のポリカルボン酸とエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール等の多価アルコー
ルとの反応した末端カルボキシル基のポリエステル、ポ
リカルボン酸で変性した酸性セルロース誘導体等があ
る。
【0086】有機カルボン酸と混合して併用される亜鉛
化合物としては、酸化亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、リン
酸亜鉛、炭酸亜鉛類の無機亜鉛塩及びクエン酸亜鉛、フ
マル酸亜鉛類の有機亜鉛塩等であって、有機カルボン
酸:亜鉛化合物=1:0.1〜3.0重量部の範囲が好まし
い。
【0087】また、有機カルボン酸、亜鉛化合物と混合
して併用されるアルミニウム化合物としては、硫酸アル
ミニウム、カリウム等であって、有機カルボン酸:亜鉛
化合物:アルミニウム化合物=1:0.1:0.1〜1:3:
3重量部の範囲が好ましい。
【0088】脱臭剤の添加量は、0.1〜50重量%、0.5〜
40重量%が好ましく、1.0〜30重量%がより好ましい。
添加量が0.1重量%未満であると、添加効果が十分でな
く、混練経費が増加するだけである。また、添加量が50
重量%を越えると、増量効果がほとんどなく、材料費が
増加するだけでなく、写真感光材料用包装材料の製造が
困難になる。さらに物理強度が低下し、写真性が悪化し
実用化困難になる。
【0089】本発明の写真感光材料用包装材料には、写
真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす酸素(写真感光材
料中の増感やカプラー等を経時により劣化させ感度異常
やカブリを発生させ、カラー印画紙やカラーネガ写真フ
ィルムでは発色が異常になりプリントの色バランスが異
常になったりする)を除去するために、脱酸素剤を含ま
せることができる。脱酸素剤は、亜硫酸塩、亜硫酸水素
塩、亜ニチオン酸塩、ハイドロキノン、カチコール、レ
ゾルシン、ピロガロール、浸食子塩、アスコルビン酸、
及び/又はその塩、イソアスコルビン酸及び/又はその
塩、グルコース、リグニン、ジブチルヒドロキシトルエ
ン、ブチルヒドロキシアニソール、第1鉄塩、鉄粉等の
金属粉含有脱酸素剤、炭酸ガス発生型脱酸素剤、炭酸ガ
ス吸収型脱酸素剤、クリスパール、ゼオライト、ハイト
ロサルファイト、グルコースオキシターゼ、サルコミ
ン、アルカリ金属硫化物、炭酸アルカリ、チオ硫酸ナト
リウム、ナトリウム明礬、リン酸水素2ナトリウム12水
塩、ケイ酸ナトリウム含水塩、ホウ酸ナトリウム含水
塩、ケイ酸硫酸第1鉄7水塩、活性白土、モルデナイト
等がある。
【0090】好ましくは、ハイドロサルファイトを主成
分とするもの、L−アルコルビン酸等の有機物質を主成
分とするもの、鉄粉を主成分とするもの、鉄とケイ酸・
硫酸第1鉄7水塩、ナトリウム明礬、リン酸水素2ナト
リウム12塩、ケイ酸ナトリウム含水塩、ホウ酸ナトリウ
ム含水塩よりなる群より選ばれた少なくとも1種との混
合組成物、ハイドロサルファイトと水酸化カルシウム又
は重炭酸ナトリウム及び活性炭、鉄粉と促進塩類と含水
物質、被酸化性の金属粉とチオ硫酸ナトリウムと固体状
反応助材、鉄粉とチオ硫酸ナトリウムと活性炭、活性酸
化鉄、金属酸化物、パラジウム、糖類、酵素系である。
【0091】脱酸素剤の添加量は、0.1〜50重量%、0.5
〜40重量%が好ましく、1.0〜30重量%がより好まし
い。添加量が0.1重量%未満であると、添加効果が十分
でなく、混練経費が増加するだけである。また、添加量
が50重量%を越えると、増量効果がほとんどなく、材料
費が増加するだけでなく、写真感光材料用包装材料の製
造が困難になる。さらに物理強度が低下し、写真性が悪
化し実用化困難になる。
【0092】上記低分子量熱可塑性樹脂は、数平均分子
量が10,000未満、好ましくは8,000以下、特に好ましく
は5,000以下、最も好ましくは3,000以下の熱可塑性樹脂
であり代表例としては数平均分子量が10,000未満の低分
子量ポリエチレン樹脂(一般にはポリエチレンワックス
と呼称)と低分子量ポリプロピレン樹脂(一般にはポリ
プロピレンワックスと呼称)等である。
【0093】上記相溶化剤とは、同種でも特性の異なる
熱可塑性樹脂(以後本発明では成形品の形としては、使
用されていない熱可塑性樹脂をこのように表示)、2種
以上の熱可塑性樹脂、リサイクル熱可塑性樹脂とバージ
ン熱可塑性樹脂、遮光性物質を高濃度に配合したマスタ
ーバッチ熱可塑性樹脂と希釈用熱可塑性樹脂(以後本発
明では遮光性物質の濃度がブレンドするもう一つより濃
度が低い樹脂をこのように表示)又はこれらを組み合せ
た樹脂のように、単一の熱可塑性樹脂にはない新しい性
質、性能を発現しようとする際、相溶化を達成できる物
質である。
【0094】相溶化剤の配合量は、2〜45重量%が好ま
しく、3.5〜40重量%がより好ましく、5〜35重量%が
最も好ましい。配合量が2重量%未満であると、物理強
度の向上、外観の向上及び相溶性の向上を効果的に達成
することができない。また、配合量が50重量%を越える
と、写真感光材料に悪影響を及ぼす恐れがあり、また、
高価であるためコストが高くなり、経済的に実用化困難
になるものである。
【0095】相溶化剤には、非反応型相溶化剤と反応型
相溶化剤とがある。相溶化剤の具体的な代表例を以下に
示す。
【0096】非反応型相溶化剤の代表例 スチレン・エチレン・ブタジエンブロック共合体樹脂 ポリエチレン・ポリスチレングラフト共合体樹脂 ポリエチレン・ポリメチルメタクリレートグラフト共合
体樹脂 ポリエチレン・ポリメチルメタクリレートブロック共合
体樹脂 エチレン・プロピレン・ジエン共合体樹脂 エチレン・プロピレン共合体樹脂 ポリスチレン・低密度ホモポリエチレングラフト共合体
樹脂 ポリスチレン・高密度ホモポリエチレングラフト共合体
樹脂 水添スチレン・ブタジエン共合体樹脂 スチレン・エチレン、ブタジエン・スチレン共合体樹脂 スチレン・ブタジエン・スチレン共合体樹脂 塩素化ポリエチレン樹脂 ポリプロピレン・ポリアミドグラフト共合体樹脂 ポリプロピレン・エチレン・プロピレン・ジエン共合体
樹脂 ポリスチレン・ポリアクリル酸エチルグラフト共合体樹
脂 ポリスチレン・ポリブタジエングラフト共合体樹脂 ポリスチレン・ポリメチルメタアクリレートブロック共
重合体樹脂 等
【0097】反応型相溶化剤の代表例 無水マレイン酸化エチレン・プロピレン共合体樹脂 無水マレイン酸化スチレングラフト共合体樹脂 無水マレイン酸化スチレン・ブタジエン・スチレン共合
体樹脂 無水マレイン酸化スチレン・エチレン・ブタジエン・ス
チレン共合体樹脂 エチレン・グリシジルメタクリレート共合体樹脂 エチレン・グリシジルメタクリレート・スチレングラフ
ト共合体樹脂 エチレン・グリシジルメタクリレート・メチルメタクリ
レートグラフト共合体樹脂 無水マレイン酸グラフトポリプロピレン共重合体樹脂
【0098】内外の市販相溶化剤の代表例を表1に示
す。
【0099】
【表1】 S B S……スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体
樹脂の略号 SEBS……スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレ
ン共重合体樹脂の略号 EPDM……エチレンプロピレン・ジエン共重合体樹脂
の略号 E V A……エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂の略号
【0100】本発明の写真感光材料用包装材料には、密
封された写真感光材料包装体中の異臭や悪臭をユーザー
が使用時にわかりにくくし、ユーザーに快い香りとする
ために、芳香剤を含めることができる。芳香剤は、ライ
ラック花精油、ジャスミン、アビエス油、シナモン油、
ラベンダー油、レモン油等の天然香気成分、ゲラニオー
ル、オイゲノール、n−オクチルアルコール、カルビト
ール、シス−シャスモン、レモンテンペン、メントン、
サリチル酸メチル、メチルフェニルカルビノール、トリ
エチルサイトレート、安息香酸ベンジル、シトラール、
d−リモネン、ゲラニオール、エチルシナメイト、オク
タノール、ベンジルベンゾエート、アルキレングリコー
ル、サリチル酸ベンジル、リナロール、バニリン、クマ
リン、メチルナフチルケトン、ローズフェノン等の合成
香気成分をマイクロカプセルの微粒子化やサイクロテキ
ストリン、マルトシルサイクロテキストリン、シクロテ
キストリン、ゼオライト、デンプン、タルク等に含まれ
て用いられる。
【0101】芳香剤の添加量は、0.005〜10重量%、0.0
1〜8重量%が好ましく、0.05〜5重量%がより好まし
い。添加量が0.005重量%未満であると、添加効果がほ
とんど発揮されずに、混練経費増となるだけである。ま
た、添加量が10重量%を越えると、増量効果がほとんど
発揮されずに材料費増となるだけである。芳香剤の種類
によっては写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼすよう
になったりユーザーに不快感を与えるようになり実用化
困難になる。
【0102】本発明の写真感光材料用包装材料には、写
真性能に悪影響を及ぼす物質を不活性化するために、脂
肪酸金属塩を添加することができる。脂肪酸金属塩の添
加により、ブリードアウトの減少、有機造核剤の飛散防
止、有機造核剤の分散性の向上などを図ることができ
る。また、この脂肪酸金属塩は、遮光性物質の分散性及
び成形性を向上させ、さらに、樹脂中に含まれる写真感
光材料の写真性に悪作用するハロゲン化物を中和して無
害化するので写真性も良化するものである。この脂肪酸
金属塩としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン
酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、乳酸、
コハク酸、ベヘニン酸、ベヘン酸、リノール酸、ステア
リル乳酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、ナ
フテン酸、オレイン酸、モンタン酸、エルシン酸、パル
ミチン酸、エルカ酸等の炭素数が6〜50個、好ましくは
10〜40個、特に好ましくは10〜30個の脂肪酸とLi、N
a、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Al、S
n、Pb等の金属との化合物がある。
【0103】脂肪酸金属塩の添加量は、0.005〜10.0重
量%、0.01〜5.0重量%が好ましく、0.03〜3.0重量%が
より好ましく、0.05〜1.5重量%が最も好ましい。添加
量が0.01重量%未満では添加効果がほとんどなく、混練
費アップになるだけである。また、添加量が5.0重量%
を越えるとブリードアウトが発生したり、樹脂とスクリ
ューとのスリップが発生し、吐出量が不安定になり、成
形故障が多発するだけでなく、均一混練性に欠ける。
【0104】本発明の写真感光材料用包装材料には、写
真感光乳剤層中の色素やカプラー等を破壊する包装体中
の水分含有量を減少させるために吸水性樹脂等の吸湿剤
を含ませることができる。
【0105】上記吸水性樹脂は、例えば、カルボキシレ
ート基含有の吸水性樹脂、架橋性ポリアクリル酸アルカ
リ金属塩、カルボキシレート含有のエチレン共重合体樹
脂、アクリル酸アクリル金属グラフト澱粉架橋剤、架橋
ポリビニルアルコール−アクリル酸アルカリ金属塩コポ
リマー、ポリビニルアルコール・無水マレイン酸コポリ
マー架橋物、セルロース変性体、水溶性高分子の架橋
剤、自己架橋型アクリル酸アルカリ金属塩ポリマー、ポ
リアクリル酸またはそのアルカリ塩、ポリアクリルアミ
ドまたはその部分加水分解物、ポリビニルピロリドン、
スルホン化ポリスチレン、ポリアクリルアミド2−メチ
ルプロパンスルホン酸ナトリウム、澱粉−アクリルニト
リルのグラフト重合物またはその加水分解物、ポリアク
リロニトリルの加水分解物、アクリルアミドとアクリル
酸の共重合体、カルボキシメチルセルロース、ビニルス
チレンスルホン酸、ポリアクリルアミドのマンニッヒ反
応物、ポリアクリルアミン、ジメチルアミノエチルメタ
クリレートのホモポリマーまたはアクリルアミドとの共
重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレートを塩化メ
チルで4級化アンモニウム塩としたもののホモポリマー
またはそのアクリルアミドとの共重合物、ポリジメチル
アリルアミン4級アンモニウム塩、4級化ビニルベンジ
ルアミンの重合物、キトサンのアセチル化剤、エピクロ
ルヒドリンの多価アミンまたはモノアミンとの縮合反応
物、高吸水性樹脂粒子表面にポリアミドポリアミンエピ
クロルヒドリン系熱硬化性樹脂を吸着させた後、熱硬化
させた樹脂、親水性ビニルモノマー(アクリルアミドの
誘導体等)と疏水性ビニルモノマー(メタクリレートの
誘導体)との共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸
共重合体のナトリウム塩、澱粉とアクリル酸およびアク
リル酸誘導体のグラフト共重体のナトリウム塩、カルボ
キシメチルセルロース多塩基酸部分架橋物、ポリエチレ
ンオキシド部分架橋物、ポリアクリル酸部分架橋物、高
吸水性ポリマーの表面コーティング物、高吸水性ポリマ
ーと無機物(アタパルジャイト、カオリン、タルク、珪
藻土等)との混和物、アニオン性解離基を有する高吸水
性樹脂とカチオン性解離基を有する高吸水性樹脂との混
合物、澱粉アクリル酸、アクリル酸ナトリウム共重合
物、澱粉アクリル酸ナトリウム共重合物、等がある。
【0106】これらの中で好ましいのは、吸水能力の大
きい原料が澱粉またはセルロースあるいは合成ポリマー
のものである。
【0107】吸湿剤の添加量は、0.1〜50重量%、0.5〜
40重量%が好ましく、1.0〜30重量%がより好ましい。
添加量が0.1重量%未満であると、添加効果が十分でな
く、混練経費が増加するだけである。また、添加量が50
重量%を越えると、増量効果がほとんどなく、材料費が
増加するだけでなく、写真感光材料用包装材料の製造が
困難になる。さらに物理強度が低下し、写真性が悪化し
実用化困難になる。
【0108】本発明の写真感光材料用包装材料を形成す
る樹脂組成物は、2種以上の酸化防止剤を含んでいる。
2種以上の酸化防止剤を含むことにより、写真感光材料
に悪影響を与えることが少なく樹脂の熱劣化防止作用が
大きいが、常温で次第に黄色あるいは褐色に着色するア
ルキル置換モノフェノール系酸化防止剤の欠点を例えば
有機ホスファイト系酸化防止剤の1種以上と併用するこ
とにより欠点をカバーできる。
【0109】2種以上の酸化防止剤の含有量は、0.002
〜1.00重量%であり、0.005〜0.80重量%が好ましく、
0.01〜0.60重量%がより好ましい。含有量が0.002重量
%未満であると、樹脂の熱劣化防止や着色防止効果が発
揮されず、高温での成形加工時に、分解あるいは架橋に
より樹脂の流動性が著しく変化したり、写真性に悪影響
を与えるアルデヒドやブツが発生する。含有量が1.00重
量%を越えると、写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼ
すようになり、写真感光材料用包装材料として使用する
場合に問題が発生することがある(種類の厳重な選択が
必要になる)。
【0110】この酸化防止剤の代表例を以下に示す。 (イ) フェノール系酸化防止剤 6−t−ブチル−3−メチルフェニール誘導体、2・6
−ジ−t−ブチル−Pクレゾールt−ブチルフェノー
ル)、2・2'−メチレンビス−(4−エチル−6−t−
ブチルフェノール)、4・4'−ブチリデンビス(6−t
−ブチル−m−クレゾール)、4・4'−チオビス(6−
t−ブチル−m−クレゾール)、4・4−ジヒドロキシ
ジフェニルシクロヘキサン、アルキル化ビスフェノー
ル、スチレン化フェノール、2・6−ジ−t−ブチル−
4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3'・
5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロ
ピネート、2・2'−メチレンビス(4−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、4・4'−チオビス(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェニール)、4・4'−ブチリデ
ンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ス
テアリル−β(3・5−ジ−4−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート、1・1・3−トリス(2
−メチル−4ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブ
タン、1・3・5トリメチル−2・4・6−トリス(3
・5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、テトラキス〔メチレン−3(3'・5'−ジ−t−ブ
チル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メ
タン等
【0111】(ロ) ケトンアミン縮合系酸化防止剤 6−エトキシ−2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリン、2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリンの重合物、トリメチルジヒドロキノリン誘
導体等
【0112】(ハ) アリルアミン系酸化防止剤 フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナ
フチルアミン、N−フェニル−N'−イソプロピル−P
−フェニレンジアミン、N・N'−ジフェニル−P−フ
ェニレンジアミン、N・N'−ジ−β−ナフチル−P−
フェニレンジアミン、N−(3'−ヒドロキシブチリデ
ン)−1−ナフチルアミン等
【0113】(ニ) イミダゾール系酸化防止剤 2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベ
ンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベン
ゾイミダゾール等
【0114】(ホ) ホスファイト系酸化防止剤 アルキル化アリルホスファイト、ジフェニルイソデシル
フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイ
ト亜リン酸ソーダ、トリノニルフェニルフォスファイ
ト、トリフェニルフォスファイト等
【0115】(ヘ) チオ尿素系酸化防止剤 チオ尿素誘導体、1・3−ビス(ジメチルアミノプロピ
ル)−2−チオ尿素等
【0116】(ト) その他空気酸化に有用な酸化防止剤 チオジプロピオン酸ジラウリル等
【0117】以上の酸化防止剤の中では、フェノール系
酸化防止剤とホスファイト系酸化防止剤が好ましく、例
えば、両者を各々0.001〜0.50重量%とし、全体として
0.002〜1.00重量%含めるようにする。
【0118】また、フェノール系酸化防止剤の中では、
ブリードアウトが少なく、成形加工時の高温にも耐え、
発煙が少ない、写真感光材料の写真性に悪影響を与える
ことが少ない分子量が350以上のものが好ましく、例え
ば、各種のヒンダードフェノール系酸化防止剤、より具
体的にはテトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メ
タン、1,3,5−トリス−(2−ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−ジ−t−ブチル)ブタン等がある。
【0119】代表的な市販酸化防止剤を以下に示す。 (1) フェノール系酸化防止剤;SUMILIZER B
HT(住友)、IRGANOX 1076(チバガイギ
ー)、MARK AO−50(アデカ・アーガス)、SU
MILIZER BP−76(住友)、TOMINOX S
S(吉富)、IRGANOX 565(チバガイギー)、N
ONOX WSP(ICI)、SANTONOX(Mon
santo)、SUMILIZER WX R(住友)、
ANTAGECRYSTAL(川口)、IRGANOX
1035(チバガイギー)、ANTAGE W−400(川
口)、NOCLIZER NS−6(大内新興)、IR
GANOX 1425 WL(チバガイギー)、MARK AO
−80(アデカ・アーガス)、SUMILIZER GA
−80(住友)、TOPANOL CA(ICI)、MA
RK AO−30(アデカ・アーガス)、MARK AO−
20(アデカ・アーガス)、IRGANOX 3114(チバ
ガイギー)、MARK AO−330(アデカ・アーガス)、
IRGANOX 1330(チバガイギー)、CYANOX 1
790(ACC)、IRGANOX 1010(チバガイギ
ー)、MARK AO−60(アデカ・アーガス)、SU
MILIZER BP−101(住友)、TOMINOX T
T(吉富)等
【0120】(2) 燐系酸化防止剤;IRGAFOS 168
(チバガイギー)、MARK 2112(アデカ・アーガ
ス)、WESTON 618(ボルグワーナー)、MARK
PEP−8(アデカ・アーガス)、ULTRANOX 62
6(ボルグ・ワーナー)、MARK PEP−24G(アデ
カ・アーガス)、MARK PEP−36(アデカ・アー
ガス)、HCA(三光)等
【0121】(3) チオエーテル系酸化防止剤;DLTD
P“YOSHITOMI”(吉富)、SUMILIZE
R TPL(住友)、ANTIOX L(日油)、DMT
D“YOSHITOMI”(吉富)、SUMILIZE
R TPM(住友)、ANTIOX M(日油)、DST
P“YOSHITOMI”(吉富)、SUMILIZER
TPS(住友)、ANTIOXS(日油)、SEENO
X 412S(シプロ)、MARK AO−412S(アデカ・
アーガス)、SUMILIZER TP−D(住友)、
MARK AO−23(アデカ・アーガス)、SANDS
TAB P−EPQ(サンド)、IRGAFOS P−E
PQ FF(チバガイギー)、IRGANOX 1222(チ
バガイギー)、MARK 329K(アデカ・アーガス)、
WESTON399(ボルグ・ワーナー)、MARK 260
(アデカ・アーガス)、MARK 522A(アデカ・アー
ガス)等
【0122】(4) 金属不活性化剤 NAUGARD XL−1(ユニロイヤル)、MARK
CDA−1(アデカ・アーガス)、MARK CDA−
6(アデカ・アーガス)、IRGANOX MD−1024
(チバガイギー)、CUNOX(三井東圧)等
【0123】特に好ましい酸化防止剤はフェノール系の
酸化防止剤であり、市販品としてはチバガイギー社のイ
ルガノックス各種(代表例としてはIreganox 1010やI
reganox 1076等)と住友化学(株)のSumilizer BH
T、Sumilizer BH−76、Sumilizer WX−R、Sum
ilizer BP−101等である。
【0124】また、2・6−ジ−ヒブチル−p−クレゾ
ール(BHT)、低揮発性の高分子量フェノール型酸化
防止剤(商品名Ireganox 1010、Ireganox 1076、Top
anolCA、Ionox 330等)、ジラウリルチオジプロピオ
ネート、ジステアリルチオプロピオネート、ジアルキル
フォスフェート等の1種以上、特に2種以上を併用する
のが効果的である。
【0125】さらにカーボンブラック等と併用すると酸
化防止が相乗的に効果を発揮する。フェノール系酸化防
止剤と燐系酸化防止剤とカーボンブラックを併用すると
酸化防止効果が特に発揮されるので好ましい。
【0126】その他プラスチック・データ・ハンドブッ
ク(KK工業調査会発行)の794〜799ページに開示された
各種酸化防止剤やプラスチック添加剤データー集(KK
化学工業社)の327〜329ページに開示された各種酸化防
止剤やPLASTICS AGE ENCYCLOPED
IA進歩編 1986(KKプラスチック・エージ)の211〜2
12ページに開示された各種酸化防止剤等を選択して用い
ることが可能である。
【0127】2種以上の酸化防止剤の組み合わせとして
は、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とペン
タエリスリトールホスファイト化合物系酸化防止剤との
組み合わせ、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とジ有
機ペンタエリスリトールジホスファイト化合物系酸化防
止剤との組み合わせ、ヒンダードフェノール系酸化防止
剤と亜リン酸エステル系酸化防止剤との組み合わせ等、
アルキル置換モノフェノール系酸化防止剤及び/又はア
ルキル置換多価フェノール系酸化防止剤及び/又は有機
ホスファイト化合物系酸化防止剤及び/又は有機亜リン
酸エステル系酸化防止剤から選択されたものがある。
【0128】本発明の写真感光材料用包装材料を形成す
る樹脂組成物は、上記酸化防止剤の他に樹脂の熱劣化防
止作用を大きくするためにラジカル捕獲剤、上記脂肪酸
金属塩(金属石けん)、含水複塩化合物及び酸化防止相
乗効果剤の少なくとも1種又は2種以上を含むことがで
きる。ラジカル捕獲剤、上記脂肪酸金属塩(金属石け
ん)、含水複塩化合物及び酸化防止相乗効果剤の少なく
とも1種又は2種以上を含むことにより、樹脂や低分子
量の添加剤の熱劣化や熱分解を防止し、樹脂の流動性が
著しく変化したり、ブツが発生するのを防止できる。さ
らに写真感光材料に悪影響を及ぼす熱分解物質(アルデ
ヒド等)の発生を防止したり、触媒残渣を中和して無害
化することができる。
【0129】これらの各々の含有量は、0.001〜5.0重量
%であり、0.005〜3.5重量%が好ましく、0.01〜2.0重
量%がより好ましい。コスト、写真性、外観等を考える
と最も好ましいのは0.05〜1.0重量%である。含有量が
0.001重量%未満であれば、添加効果がほとんどなく混
練経費増となるだけである。各々の含有量が5.0重量%
を越えると、ブツが発生したり、外観が悪化するだけで
なく、物理強度が低下したり、写真性が悪化(カブリの
発生やスポット故障の発生や感度異常等)する。
【0130】このラジカル捕獲剤としては、1・1−ジフ
ェニル−2−ピクリルヒドラジル、1・3・5−トリフ
ェニルフェルダジル、2・2,6・6−テトラメチル−
4−ピペリドン−1−オキシル、N−(3−N−オキシ
アニリノ−1・3−ジメチルブチリデン)−アニリンオ
キシド、塩化第二鉄などのような高原子価金属塩、ジフ
ェニルピクリルヒドラジン、ジフェニルピクリルヒドラ
ジン、ジフェニルアミン、ハイドロキノン、t−ブチル
カテコール、ジチオベンゾイルジスルフィド、p・p'
−ジトリルトリスルフィド、ベンゾキノン誘導体、ニト
ロ化合物、およびニトロソ化合物などを挙げることがで
きる。これらのうちでも、ハイドロキノンを用いること
は特に好ましい。また、上記のラジカル捕獲剤は単独で
用いてもよく、あるいは数種類を併用することもでき
る。
【0131】酸化防止剤等の劣化防止剤と略同じ効果を
発揮するので含水複塩化合物を使用することが好まし
い。本発明で含水複塩化合物として使用することが特に
好ましい代表例を示すと一般式が Mxy(OH)2x+3y-2z(A)z・aH2O {MはMg、Ca又はZn、RはAl又はCr又はF
e、AはCO3又はHPO4、x、y、z、aは正数}で
示される複塩であるハイドロタルサイト化合物であり、
具体例の代表例を示すと、Mg6Al2(OH)16CO3
4H2O、Mg8Al2(OH)20CO3・5H2O、Mg5
2(OH)14CO3・4H2O、Mg10Al2(OH)22(C
3)2・4H2O、Mg6Al2(OH)16HPO4・4H
2O、Ca6Al2(OH)16CO3・4H2O、Zn6Al
2(OH)16CO3・4H2O、Mg4.5Al2(OH)13CO3
・3.5H2O等がある。
【0132】また一般式が M(1-x)・Alx・(OH)2・Xx/n・mH2O {ただし式中、Mはアルカリ土類金属およびZnを示
す。Xはn価のアニオンを示す。
【0133】そして、xおよびmは下記式の条件を満足
する。
【0134】0<x<0.5 0≦m≦2 }で表わされる屈折率1.40〜1.60、好まし
くは1.45〜1.55の範囲であるハイドロタルサイト類化合
物である。
【0135】上記式においてXで表わされるn価のアニ
オンの例としては、Cl-、Br-、I-、NO3 -、Cl
4 -、SO4 2-、CO3 2-、SiO3 2-、HPO4 2-、HB
3 2-、PO4 3-、Fe(CN)6 3-、Fe(CN)4 4-、CH
3COC-、C64(OH)COO-
【0136】
【化4】
【0137】
【化5】
【0138】
【化6】
【0139】
【化7】 などの如きアニオンを例示する事ができる。
【0140】さらにまた一般式が例えば、一般式Mg
1-xAlx(OH)2x/2・mH2Oで示されるマグネシウ
ムとアルミニウムから成るハイドロタルサイト類である
{式中、Xは0<x≦0.7の範囲の実数であり、AはC
3を示し、mは実数を示す。}。
【0141】好ましい具体例を以下に示す。 Mg0.7Al0.3(OH)2(CO3)0.15・0.54H2O Mg0.67Al0.33(OH)2(CO3)0.165・0.5H2O Mg0.67Al0.33(OH)2(CO3)0.165・0.2H2O Mg0.6Al0.4(OH)2(CO3)0.2・0.42H2O Mg0.75Al0.25(OH)2(CO3)0.125・0.63H2O Mg0.83Al0.17(OH)2(CO3)0.085・0.4H2O 等
【0142】これらの含水複塩化合物は、天然物であっ
ても、合成品であってもよい。ハイドロタルサイト類化
合物の具体的な合成方法としては、特公昭46−2280号公
報及び特公昭50−30039号公報等に開示されている公知
の方法も使用できる。
【0143】本発明では特にハイドロタルサイト数化合
物が好ましく、その結晶構造、結晶粒子径に制限される
ことなく使用可能である。
【0144】ハイドロタルサイト類化合物の天然品とし
ては、ハイドロタルク石、スチヒタイト、パイロオーラ
イト等がある。これらの含水複塩化合物は単独で使用し
ても、2種以上混合してもよい。特に後述する各種酸化
防止剤や各種脂肪酸金属塩と併用することが好ましい。
含水複塩化合物の樹脂組成物中への添加量は0.001〜5重
量%であり、好ましくは0.005〜3.5重量%、特に好まし
くは0.01〜2重量%、最も好ましくは0.05〜1重量%で
ある。0.001重量%未満では製造時や加工時の防蝕防止
効果がなく、成形品が着色したり、樹脂劣化を生じる。
5重量%を越えると成形品にブツが発生したり、光沢が
落ち外観が悪いものとなる。
【0145】本発明で使用が好ましい含水複塩化物とし
て使用する上記ハイドロタルサイト類化合物は、特に限
定されるものではないが、射出成形等の加工性、物性等
を特に向上させるためには平均2次粒子径が20μm以
下、好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以
下、BET比表面積が50m2/g以下、好ましくは40m2
/g以下、特に30m2/g以下が好ましい。
【0146】本発明においてハイドロタルサイト類化合
物は表面処理剤で処理して利用するのが好ましい。表面
処理する事により、樹脂に対する分散性ないし親和性が
一層向上し、射出成形等の加工適性、物性等も向上す
る。
【0147】このような表面処理剤の例としては、例え
ば、ラウリル酸ソーダ、ラウリル酸カリウム、オレイン
酸ソーダ、オレイン酸カリウム、オレイン酸カルシウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ソーダ、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カリウム、パルミチン
酸ソーダ、パルミチン酸カリウム、カプリン酸ソーダ、
カプリン酸カリウム、ミリスチン酸ソーダ、ミリスチン
酸カリウム、リノール酸ソーダ、リノール酸カリウムな
どのような高級脂肪酸の金属塩類;ラウリル酸、パルミ
チン酸、オレイン酸、ステアリン酸、カプリン酸、ミリ
スチン酸、リノール酸などの如き高級脂肪酸類;ドデシ
ルベンゼンスルホン酸カルシウム、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム等の有機スルホン酸金属塩類;イソ
プロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネー
ト、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイ
ト)チタネート、ビニルトリエトキシシラン、ガンマメ
タクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマグ
リシドオキシプロピルトリメトキシシランなどのような
カップリング剤類、高級脂肪酸アミド類、高級脂肪酸エ
ステル類、シリコーン類、ワックス類の各種滑剤などを
例示することができる。
【0148】これら表面処理剤による表面処理は、たと
えば、温水にハイドロタルサイト類を懸濁した状態のと
ころに、攪拌下に、高級脂肪酸のアルカリ金属塩の水溶
液を加える事により、或いは、ハイドロタルサイト類粉
末をヘンシェルミキサー等の混合機により攪拌下、高級
脂肪酸の融液とか、カップリング剤の希釈液を滴下する
ことにより行うことができる。これら表面処理剤の量は
適宜に選択変更できるが、ハイドロタルサイト類化合物
に対して、約0.01〜50重量%、好ましくは0.05〜35重量
%、特に好ましくは0.1〜20重量%、最も好ましくは0.5
〜10重量%程度が適当である。
【0149】さらに本発明の主旨を損なわない限りは少
量の他の金属酸化物等の不純物を含んでもよい。
【0150】さらにハイドロタルサイト類化合物の分散
をより良好にするために例えば高級脂肪酸や脂肪酸アミ
ド系滑剤やシリコーンオイルやソルビタンモノステアレ
ートのようなソルビタン脂肪酸エステルやグリセリンモ
ノステアレートのようなグリセリン脂肪酸エステルなど
1種以上を分散剤として樹脂組成物に合計量0.01〜10重
量%、好ましくは0.05〜8重量%、特に好ましくは0.08
〜5重量%、最も好ましくは0.1〜3重量%添加しても
よい。含水複塩化合物と併用することにより、加工安定
性、防蝕効果が向上し、成形品の着色や、樹脂劣化を防
止し、透明度を向上し、物理強度低下を防止し、樹脂焼
けによるブツの発生を防止する作用等を相乗的に向上す
るフェノール系酸化防止剤や燐(ホスファイト)系酸化
防止剤及び脂肪酸金属塩から成る群より選択された1種
以上の安定剤と併用することが特に好ましい。
【0151】この場合、写真感光材料の写真性能に悪影
響を及ぼさないようにするためには、 フェノール系酸化防止剤を0.0005〜0.5重量%、好
ましくは0.001〜0.4重量%、特に好ましくは0.002〜0.3
重量%添加する。 燐系酸化防止剤0.0005〜0.5重量%、好ましくは0.0
01〜0.4重量%、特に好ましくは0.002〜0.1重量%添加
する。 含水複塩化合物及び/又は脂肪酸金属塩(金属石け
ん)を0.0005〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量
%、特に好ましくは0.002〜3重量%添加する。
【0152】且つ++の合計含有量が0.0015〜11
重量%、好ましくは0.002〜10重量%、特に好ましくは
0.003〜9重量%、最も好ましくは0.005〜8重量%写真
感光材料用包装材料中に含まれるようにする。いずれに
しても樹脂劣化を防止できる最少量添加することが写真
性能を悪化させず、コストアップを抑制する点からも好
ましい。
【0153】上記酸化防止相乗効果剤は、上記酸化防止
剤やラジカル捕獲剤や含水複塩化合物の1種以上と併用
することにより、樹脂や低分子量の添加剤(滑剤や帯電
防止剤や有機造核剤や防滴剤や相溶化剤等)の熱劣化や
熱分解を防止、物理強度の低下や樹脂の流動性が著しく
変化したり、ブツが発生するのを防止できる。さらに写
真感光材料に悪影響を及ぼす熱分解物質(アルデヒド等)
の発生を防止する。このような作用をする酸化防止相乗
効果剤としてはリン酸、クエン酸、リン酸化合物、クエ
ン酸化合物等がある。特にリン酸金属塩とクエン酸金属
塩が好ましい。
【0154】本発明では酸化防止剤やラジカル捕獲剤や
酸化防止相乗効果剤や老化防止剤と同様各種ポリオレフ
ィン樹脂やホモポリスチレン樹脂やゴム含有芳香族ビニ
ル樹脂等の熱可能性樹脂の光劣化を防止する紫外線吸収
剤を用いることが好ましい。
【0155】代表例としては、 (1) サリチル酸系紫外線吸収剤 主要なものは次の通り。 Phenylsalicylate p-t-Butylphenylsalicylate p-Octylphenylsalicylate
【0156】(2) ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 主要なものは次の通り。 2,4-Dihydroxybenzophenone 2-Hydroxy-4-methoxybenzophenone 2-Hydroxy-4-octoxybenzophenone 2-Hydroxy-4-dodecyloxybenzophenon 2,2'-Dihydroxy-4-methoxybenzophenone 2,2'-Dihydoxy-4,4'-dimethoxybenzophenone 2-Hydroxy-4-methoxy-5-sulfobenzophenone
【0157】(3) ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 主要なものは次の通り。 2-(2'-Hydroxy-5'-methylphenyl)benzotriazole 2-(2'-Hydroxy-5'-t-butylphenyl)benzotriazole 2-(2'-Hydroxy-3',5'-di-t-butylphenyl)benzotriazole 2-(2'-Hydroxy-3'-t-butyl-5'-methylphenly)-5-chloro
benzotriazole 2-(2'-Hydroxy-3',5'-di-t-butylphenyl)-5-chlorobenz
otriazole 2-(2'-Hydroxy-3',5'-di-t-amylphenyl)benzotriazole 2-(2'-Hydroxy-4'-octoxyphenyl)benzotriazole 2-[2'-Hydroxy-3'-(3",4",5",6"-tetrahydrophthal imi
demethyl)-5'-methylphenyl]-benzotriazole 2,2-Methylene-bis[4-(1,1,3,3-tetramethylbutyl)-6-
(2H-benzotriazole-2-il)phenol]
【0158】(4) シアノアクリレート系紫外線吸収剤 2-Ethylhexyl-2-cyano-3,3'-di-phenylacrylate Ethyl-2-cyano-3,3'-diphenylate
【0159】この紫外線吸収剤の配合量は各種ポリオレ
フィン樹脂やホモポリスチレン樹脂やポリアミド樹脂や
ゴム含有芳香族ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂100重量部
に対して0.01重量部以下では充分な紫外線吸収効果を与
えず10重量部以上とするとブリードアウトが発生し、写
真感光材料の写真性能に悪影響を与えるので、0.01〜10
重量部の範囲とする必要がある。好ましい範囲は0.05〜
5重量部であり、特に好ましい範囲は0.1〜3重量部で
ある。
【0160】なお、これらの紫外線吸収剤はその2種以
上を組み合わせて使用してもよい。0.01重量部未満であ
ると、添加効果がほとんど発揮されずに、混練経費増と
なるだけである。また、添加量が10部を越えると、増量
効果がほとんどなく、材料費が増加するうえにブリード
アウトがはげしくなり実用化困難である。
【0161】本発明では、酸化防止剤やラジカル捕獲剤
や酸化防止相乗効果剤と同様、各種ポリオレフィン樹脂
やホモポリスチレン樹脂やゴム含有芳香族ビニル樹脂等
の熱可塑性樹脂の劣化を防止する老化防止剤を用いるこ
とが好ましい。代表例はフェニル−β−ナフチルアミン
などのナフチルアミン系、N−N'−ジフェニルエチレ
ンジアミンなどのジフェニルアミン系、N,N'−ジフェ
ニル−p−フェニレンジアミンなどのp−フェニレンジ
アミン系、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,
2−ジヒドロキナリンなどのヒドロキノン誘導体、2,
6−ジ−第三−ブチル−4−メチルフェノールなどモノ
フェノール系、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル
−6−t−ブチルフェノール)などのポリフェノール
系、4,4'−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチル
フェノール)などのチオビスフェノール系、2−メルカ
プトベンズイミダゾールなどが例示されるが、これらは
それぞれの特性に応じて任意に配合される。しかし、こ
の老化防止剤の配合量は各種ポリオレフィン樹脂やゴム
含有芳香族ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂100重量部に対
して0.01重量部以下では充分な老化防止効果を与えず、
10重量部以上とするとこの組成物に加硫障害や著しいプ
ルームが発生するので、0.01〜10重量部の範囲とする必
要があるが、好ましい範囲は0.05〜5重量部であり、特
に好ましい範囲は0.1〜3重量部である。
【0162】なお、これらの老化防止剤はその2種以上
を組合せて使用してもよく、これによればその老化防止
効果を向上させることもできる。
【0163】本発明の写真感光材料用包装材料を形成す
る樹脂組成物は、カーボンブラックを含むことができ
る。カーボンブラックを含むことにより、帯電防止性や
ブロッキング防止性や遮光性を物理強度低下が少なく、
ブツの発生が少なく、写真感光材料の写真性に悪影響を
及ぼすことなく確保することができる。
【0164】カーボンブラックの含有量は、0.01〜40重
量%であり、0.05〜20重量%が好ましく、0.1〜10重量
%がより好ましい。含有量が0.01重量%未満であれば、
帯電防止性やブロッキング防止性や遮光性を確保するこ
とができず、混練経費増となるだけである。含有量が40
重量%を越えると、吸湿量が多くなり成形時に発泡した
り、ピンホールや銀条が発生しやすくなるだけでなく、
物理強度が著しく低下し実用化困難である。
【0165】カーボンブラックの原料による分類例をあ
げるとガスブラック、ファーネスブラック、チャンネル
ブラック、アントラセンブラック、アセチレンブラッ
ク、ケッチェンカーボンブラック、サーマルブラック、
ランプブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジ
タブルブラック等がある。本発明では遮光性確保、低コ
スト、物理強度向上、写真特性に悪影響を及ぼさない等
の目的ではファーネスカーボンブラックが好ましく、高
価であるが帯電防止効果を有する遮光性物質としてはア
セチレンカーボンブラック、導電性カーボンブラック、
グラファイト、変性副生カーボンブラックであるケッチ
ェンカーボンブラックが好ましい。必要により前者と後
者を必要特性に従ってミックスすることも好ましい。
【0166】遮光性物質を樹脂組成物中に配合する形態
は種々あるが、マスターバッチ法がコスト、作業場の汚
染防止等の点で好ましい。公知文献の特公昭40−26196
号公報では有機溶媒に溶解した重合体の溶液中にカーボ
ンブラックを分散せしめて、重合体−カーボンブラック
のマスターバッチをつくる方法を、特公昭43−10362号
公報にはカーボンブラックをポリエチレンに分散してマ
スターバッチをつくる方法を述べている。
【0167】本発明の写真感光材料用包装材料において
は、使用する上で写真感光材料に対しカブリの発生がな
く、感光度の増減の発生が少なく、遮光能力が大きくポ
リオレフィン樹脂射出成形品、ポリスチレン樹脂射出成
形品、L−LDPE樹脂フィルム等に添加した場合でも
カーボンブラックの固り(ブツ)の発生やフィッシュア
イの発生等がほとんどなく、射出成形品や遮光性フィル
ム中にピンホールが発生しにくい点で、カーボンブラッ
クの中でもpH(JIS K 6221で測定)が6.0〜9.0、
好ましくは6.5〜8.5、平均粒子径(電子顕微鏡法で測
定)が10〜120mμ、特に12〜70mμのものが好まし
く、これらの中でも特に揮発成分(JIS K6221で測
定)が3.5%以下、最も好ましくは1.5%以下、DBP吸
油量(JIS K6221の吸油量A法で測定)が50ml/100g
以上、最も好ましくは70ml/100g以上のファーネスカ
ーボンブラックである。チャンネルカーボンブラックは
高価な上に、pHが3前後と酸性であり、且つ揮発成分
が5.0%をこえるものがほとんどで写真感光材料にカブ
リや感度異常を発生させるものが多く好ましくない。ラ
ンプブラックもpHが5.0以下のものがほとんどで写真性
に悪影響を及ぼすので、どうしても使用する必要がある
場合でも写真性に悪影響を及ぼさないように、写真性に
悪影響を及ぼす物質と反応したり、吸着する物質と併用
したり、写真性に及ぼす影響を調査して使用可能なもの
だけを選択すべきである。また、ASTM D1619−60
の測定方法による硫黄成分は0.9%以下、好ましくは0.7
%以下にしないとカブリや感度異常の発生等写真性に悪
影響を及ぼす場合がある。特に、写真感光材料の写真性
に悪影響を及ぼす遊離硫黄成分は0.1%以下、最も好ま
しくは0.05%以下のものを選択することが好ましい。
【0168】耐摩耗性及び補強性をより好適にするため
にはヨウ素吸着量(JIS K 6221で測定)が20mg/g
以上、好ましくは30mg/g以上、特に好ましくは35mg/
g以上で、かつジブチルフタレート(DBP)吸油量
(JIS K 6221で測定)が50ml/100g以上、好ましく
は60ml/100g以上、特に好ましくは70ml/100g以上の
カーボンブラックである。
【0169】特に写真性、熱可塑性樹脂への分散性、コ
スト、遮光能力、樹脂劣化防止性、樹脂物理強度低下防
止性、安定入手性等も考えるとpHが6.0〜9.0、平均粒
子径が12〜70mμで且つ上記ヨウ素吸着量とDBP吸油
量を有するファーネスカーボンブラックが最適である。
【0170】導電性カーボンブラックとして特に好まし
いものは、写真性に悪影響を与えず、本発明の数平均分
子量が1万未満の有機化合物を配合した熱可塑性樹脂組
成物中に略均一に分散可能で、表面比抵抗(タケダ理研
製,デジタルマルチメーターにより両電極間の距離を1
cmとし、12cm四方に切り出したシート表面にて、10箇所
の表面比抵抗を測定し、対数平均をとった値)が1012Ω
以下にすることが可能な平均粒子径が12〜50mμ、DB
P吸油量が100ml/100g以上、pHが7±0.5のファーネ
スカーボンブラックである。市販品の代表例としては三
菱化成製の#3050、#3150、#3250、#3750、#3950等
がある。
【0171】カーボンブラックの次に好ましい遮光性物
質は、Larsenの油浸法で測定した屈折率が1.50以上の無
機顔料と各種の金属粉末、金属フレーク、金属ペース
ト、金属繊維及び炭素繊維である。好ましい屈折率が1.
50以上の無機顔料と金属粉末の代表例を以下に示すが、
本発明はこれらに限定されるものではない。( )内の
数字は屈折率を示す。屈折率が1.50以上の無機顔料とし
ては、ルチル型酸化チタン(2.75)、炭化ケイ素(2.6
7)、アナターゼ型酸化チタン(2.52)、酸化亜鉛(2.3
7)、酸化アンチモン(2.35)、鉛白(2.09)、亜鉛華(2.0
2)、リトポン(1.84)、ジルコン(1.80)、コランダム
(1.77)、スピネール(1.73)、アパタイト(1.64)、
バライト粉(1.64)、硫酸バリウム(1.64)、マグネサ
イト(1.62)、ドロマイト(1.59)、炭酸カルシウム
(1.58)、タルク(1.58)、硫酸カルシウム(1.56)、
無水ケイ酸(1.55)、石英粉(1.54)、水酸化マグネシ
ウム(1.54)、塩酸性炭酸マグネシウム(1.52)、アル
ミナ(1.50)等がある。特に好ましいものは、屈折率が
1.56以上、最も好ましいものは1.60以上の遮光性物質で
ある。
【0172】屈折率が1.50未満のケイ酸カルシウム(1.
46)、ケイ藻土(1.45)、含水ケイ酸(1.44)等は遮光
能力が小さいので多量の添加が必要で遮光性物質として
の使用は好ましくない。また、最近の海外旅行ブームに
より空港での手荷物検査でX線を用いた検査機にISO
感度が400以上の高感度写真フィルムを通過させるとX
線によりカブリが発生しやすくなる。これを防止するた
めに比重が3.1以上、好ましくは3.4以上、特に好ましく
は4.0以上の遮光性物質を用いることが好ましい。これ
らの比重が3.1以上、好ましくは3.4以上、特に好ましく
は4.0以上の遮光性以外にX線遮断性を有する遮光性物
質の使用形態は以下に代表例を例示したものに限定され
ず、いかなる形態、例えば顔料、粉末、フレーク、ウィ
スカー、ファイバー等であってもよい。比重が3.1以上
の遮光性物質の代表例としては炭化ケイ素、硫酸バリウ
ム、二硫化モリブデン、酸化鉛(鉛白)、酸化鉄、酸化
チタン、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、銅粉
末、鉄粉末、黄銅粉末、ニッケル粉末、銀粉末、鉛粉
末、鋼粉末、亜鉛粉末、タングステンウィスカー、窒化
けい素ウィスカー、銅ウィスカー、鉄ウィスカー、ニッ
ケルウィスカー、クロムウィスカー、ステンレス粉およ
びウィスカー、マグネサイト、アパタイト、スピネー
ル、コランダム、ジルコン、三酸化アンチモン、炭酸バ
リウム、亜鉛華、酸化クロミニウム、錫粉およびこれら
の混合物等がある。
【0173】特にX線遮断性を付与するのに好ましい遮
光性物質はジルコン、コランダム、硫酸バリウム、塩化
バリウム、チタン酸バリウム、鉛粉末、酸化鉛(鉄黒
等)、亜鉛粉末、亜鉛華、錫粉末、ステンレス粉末、ス
テンレスウィスカー、酸化鉄、タングステンウィスカ
ー、ニッケルウィスカーである。ISO感度が400以上
の高感度写真フィルム用成形品として特に好ましい遮光
性物質は屈折率が1.50以上、比重が3.1以上であり、最
も好ましいのは屈折率が1.56以上、比重が3.4以上の遮
光性物質である。
【0174】X線遮断性遮光性物質の含有量は、好まし
くは5〜80重量%、より好ましくは10〜70重量%、最も
好ましくは20〜60重量%である。
【0175】また、X線遮断性遮光性物質は、写真感光
材料に悪影響を与えず、フィルム成形性を悪化させない
ために、100℃、5時間での乾燥減量が好ましくは2.0重
量%以下、より好ましくは1.0重量%以下、最も好まし
くは0.5重量%以下の状態にして使用する。これらの状
態にするには、洗浄法、精錬法、加熱除去法、真空除去
法、表面処理法等の一つ以上の方法を用いて100℃以下
の揮発成分を除去したり、水分等の吸着を防止すること
により達成できる。
【0176】ブリードアウトしやすい滑剤や酸化防止剤
や有機造核剤を吸着させたり、脱臭剤、芳香剤、脱酸素
剤等を吸着させる効果を有する吸油性無機顔料の代表例
としては亜鉛華(52)、アスベスチン(50)、クレー
(51)、酸化チタン(56)、カオリン(60)、タルク
(60以上)、カーボンブラック(60以上)、活性炭等が
ある。( )内の数字は吸油量(JIS K 6221の吸油
量A法で測定。単位ml/100g)を示す。
【0177】金属粉末(金属ペーストも含む)の代表例
としては、アルミニウム粉末、アルミニウムペースト、
銅粉末、ステンレス粉末、鉄粉末、ニッケル粉末、黄銅
粉末、銀粉末、錫粉末、亜鉛粉末、スチール粉末等があ
る。
【0178】アルミニウム粉末は、本発明ではアルミニ
ウム粉末及びアルミニウムペーストを含めた意味であ
り、アルミニウム粉末の表面を表面被覆物質で被覆した
ものと、アルミニウムペーストより低揮発物質を除去し
たものを熱可塑性樹脂に混練したものが好ましい。
【0179】ここにアルミニウムペーストとは、ボール
ミル法、スタンプミル法、又はアトマイズ法等の公知の
方法でアルミニウム粉末を作るときに、ミネラルスピリ
ットと少量のステアリン酸又はオレイン酸等の高級脂肪
酸の存在のもとにペースト状に作ったものである。本発
明ではこのアルミニウムペーストと各種芳香族モノビニ
ル樹脂(ポリスチレン樹脂、ゴム含有ポリスチレン樹脂
等)、ポリオレフィン熱可塑性樹脂(各種ポリプロピレ
ン樹脂、各種ポリエチレン樹脂、酸変性樹脂、EVE樹
脂、EEA樹脂、EAA樹脂等)、低分子量のポリオレ
フィン樹脂、パラフィンワックス、粘着付与剤、金属石
けん(脂肪酸金属塩)等の分散剤等を加熱混練し、低揮
発物質(主として悪臭が強いミネラルスピリット、ホワ
イトスピリット)を真空ポンプや加熱等で除去した揮発
物質の含有量が3%以下、好ましくは1%以下、特に好
ましくは0.5%以下のものをアルミニウムペーストコン
パウンド樹脂、アルミニウムペーストマスターバッチ樹
脂として使用することが好ましい。
【0180】特にアルミニウムペーストマスターバッチ
樹脂として使用するのが写真感光材料への悪影響や悪臭
をなくすために好ましい。例えばアルミニウムペースト
含有率40重量%のマスターバツチ樹脂中のミネラルスピ
リット含有率が1.0重量%であっても、これを写真感光
材料用包装材料中でのアルミニウムペースト濃度を2重
量%にしようとすると、アルミニウムペーストマスター
バッチ1重量部に対してナチュラル樹脂19重量部を混練
することになり、成形品中には成形中にミネラルスピリ
ットが加熱によりガスとして除去される分もあるのでミ
ネラルスピリット含有量は0.05重量%以下になる。その
結果、写真感光材料への悪影響もなくなる上、悪臭も低
減される。
【0181】またアルミニウム粉末とは、溶融アルミニ
ウムをアトマイズ法、粒化法、回転円盤滴下法、蒸発法
等により粉末状にしたものの外、アルミニウム箔をボー
ルミル法やスタンプミル法等で粉砕してフレーク状にし
たものを含む。アルミニウム粉末単体では不安定なので
アルミニウム粉末表面を不活性にする各種の公知の以下
に記載の表面被覆物質等で表面被覆処理が施される。
【0182】本発明の写真感光材料用包装材料として実
用化するには、品質確保、写真性能確保、成形性、経済
性から、遮光性物質の合計配合量は、0.01〜30重量%が
好ましい。しかし、配合量は遮光性物質の遮光能力によ
り変化し、遮光能力の優れたカーボンブラック及びアル
ミニウム粉末の合計含有量は、遮光性、経済性、物理強
度等の確保のバランスより0.05〜20重量%が好ましく、
0.1〜10重量%がより好ましく、0.2〜7重量%が最も好
ましい。含有量が0.01重量%未満であると、写真感光材
料用包装材料の厚さを大きくしないと遮光性が不足し光
カブリを発生する。このため写真感光材料用包装材料の
成形速度が遅くなり(冷却時間が長くなるため)、樹脂
使用量が多くなるため高価になり実用化困難である。含
有量が30重量%を超えると、分散性が悪化し、ミクログ
リッド(凝集不純物)の発生が多くなり、写真感光材料
に圧力カブリや擦り傷を発生させたり、写真感光材料用
包装材料中の水分量がカーボンブラックに吸着した水分
増加により多くなり、写真感光材料の写真性能に悪影響
(カブリの発生、感度異常、発色異状等)を及ぼす。さ
らに、写真感光材料用包装材料の成形性悪化(発泡、銀
条、ピンホール、ショートショット等の発生)や物理強
度の低下となり実用化困難である。
【0183】遮光性物質(カーボンブラック、アルミニ
ウム粉末、屈折率が1.50以上の無機顔料、比重が3.4以
上の無機顔料、吸油量が50ml/100g以上の無機顔料が
特に好ましい)の樹脂中への分散性向上、樹脂流動性向
上、写真感光材料に摩擦カブリや圧力カブリ、擦り傷等
を発生させるミクログリットの発生防止、写真性に有害
な揮発性物質の発生を防止、吸湿度低下、ダイリップ汚
れ防止等のために、その表面を表面被覆物質で被覆する
ことが好ましい。これらは有機造核剤や含水複塩化合物
のハイドロタルサイト等の表面被覆物質としても有用で
ある。
【0184】表面被覆物質の代表例を以下に示す。 (1) カップリング剤 アジドシラン類を含むカップリング剤被覆(特開昭62
−32125号公報等に開示) シラン系カップリング剤被覆(アミノシラン等) チタネート系カップリング剤被覆
【0185】(2) シリカを沈着させ、つづいてアルミナ
を沈着被覆
【0186】(3) ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属
塩被覆
【0187】(4) ステアリン酸ソーダ、ステアリン酸カ
リウム、オキシ・エチレンドデシル・アミン等の界面活
性剤被覆
【0188】(5) バリウムイオンの過剰量の存在下に硫
化バリウム水溶液と硫酸水溶液とを反応させ、平均粒子
径0.1〜2.5μmの硫酸バリウムを生成させ、この水スラ
リーにケイ酸アルカリ水溶液を加えて硫酸バリウムの表
面にケイ酸バリウムを生成させ、次いでスラリーに鉱酸
を加え、上記ケイ酸バリウムを含水シリカに分解して硫
酸バリウム表面に沈着させ被覆
【0189】(6) 金属水和酸化物(チタン、アルミニウ
ム、セリウム、亜鉛、鉄、コバルト又はケイ素の水和酸
化物の1種又は2種以上)及び/又は金属酸化物(チタ
ン、アルミニウム、セリウム、亜鉛、鉄、コバルト又は
ケイ素の酸化物の1種及び2種以上)のみからなる組成
物で表面被覆
【0190】(7) 分子内にアジリジン基、オキサゾリン
基及びN−ヒドロキシアルキルアミド基よりなる群から
選択される1種又は2種以上の反応基を有する重合体を
被覆
【0191】(8) ポリオキシアルキレンアミン化合物を
表面被覆
【0192】(9) セリウムカチオン、選択された酸アニ
オン及びアルミナで表面被覆
【0193】(10)置換基にα−ヒドロキシカルボン酸残
基を有するアルコキシチタン誘導体で表面被覆
【0194】(11)ポリテトラフルオロエチレンで表面被
【0195】(12)ポリジメチルシロキサン又はシリコン
変性体で表面被覆
【0196】(13)リン酸エステル化合物で表面被覆
【0197】(14)2〜4価アルコールで表面被覆
【0198】(15)オレフィンワックス(ポリエチレンワ
ックス、ポリプロピレンワックス)で表面被覆
【0199】(16)含水酸化アルミニウムを表面被覆
【0200】(17)シリカ又は亜鉛化合物(塩化亜鉛、水
酸化亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、
クエン酸亜鉛等の1種又は2種以上組み合わせたもの)
で表面被覆
【0201】(18)ポリヒドロキシ飽和炭化水素で表面被
覆、等。
【0202】上記遮光性物質の表面被覆物質の中でも写
真感光材料の写真特性にカブリ発生等の悪影響が少な
く、遮光性物質の分散性向上、ブツの発生減少、樹脂の
流動性向上等の効果が優れた(1)、(3)、(12)、(14)、(1
5)、(16)等が特に好ましい。その他に有機金属キレート
化合物、各種帯電防止剤、滑剤、防滴剤、界面活性剤が
好ましい。
【0203】特に、炭素数が20〜40の脂肪族モノカルボ
ン酸と炭素数が20〜40の脂肪族1価アルコールとのエス
テル0.001〜2重量%、好ましくは0.005〜1重量%、特
に好ましくは0.01〜0.5重量%を添加することにより、
上記問題点の防止効果を発揮できることを見出したもの
である。これらの遮光性物質の表面被覆物質は写真感光
材料の写真性に悪影響を減少させるだけでなくモーター
負荷を小さくし、遮光性物質の分散性を向上させ、成形
性を向上し成形品の外観を優れたものにする。
【0204】このようなエステルとしては、炭素数が20
〜40、好ましくは25〜35の脂肪族モノカルボン酸と炭素
数が20〜40、好ましくは25〜35の脂肪族1価アルコール
のエステルである。
【0205】上記モノカルボン酸の例としては、モンタ
ン酸、メリシン酸、セロチン酸、ブリシン酸、ラクセル
酸等が挙げられる。
【0206】1価アルコールの例としては、モンチルア
ルコール、メリシルアルコール、ラクシルアルコール、
セリルアルコール、ブリシルアルコール等が挙げられ
る。
【0207】これらは、熱可塑性樹脂の流動性を向上さ
せると共に、均一混練を達成せしめるので前記遮光性物
質の表面被覆物質としても非常に優れている。さらに、
前記無機及び/又は有機造核剤の分散剤として表面被覆
に用いると飛散防止、ブリードアウト防止、均一分散性
向上、樹脂流動性向上等種々の優れた効果を発揮する。
これらの遮光性物質の表面被覆物質の表面被覆量は、カ
ーボンブラック又はアルミニウム粉末等の遮光性物質に
対して、0.001〜10重量%、好ましくは0.005〜5重量
%、より好ましくは0.01〜3重量%、最も好ましくは0.
05〜1.5重量%である。被覆量が0.001重量%以下では被
覆効果がほとんど発揮されない。被覆量が10重量%を越
えると経時でブリードアウトの発生が多くなるとともに
樹脂とスクリューとのスリップが発生して熱可塑性樹脂
の吐出量が変動する結果、厚さのバラツキが大きくなり
実用化困難である。
【0208】上記合計遮光性物質中の全硫黄量(AST
M D−1619)は1.0%以下、好ましくは0.8%以下、特に
好ましくは0.5%以下であり、遊離硫黄分は150ppm以
下、好ましくは50ppm以下、特に好ましくは30ppm以下で
あり、ASTM D−1506による灰分量は0.5%以下、好
ましくは0.4%以下、特に好ましくは0.3%以下であり、
アルデヒド化合物含有量は0.2%以下、好ましくは0.1%
以下、特に好ましくは0.05%以下に抑えないと写真性に
悪影響を及ぼすので注意が必要である。
【0209】さらに、シアン化合物も写真感光材料の写
真性能に悪影響を及ぼすので4−ピリジンカルボン酸・
ピラゾロン吸光分析法にて定量したシアン化水素量を遮
光性物質の重量に対するppm単位に換算した値が20ppm以
下、好ましくは10ppm以下、特に好ましくは5ppm以下の
遮光性物質である。
【0210】遮光性物質の配合量は、0.001〜40重量
%、好ましくは0.01〜30重量%、より好ましくは0.05〜
20重量%、最も好ましくは0.1〜10重量%の範囲であ
る。ビタミンE、感光性樹脂等のように光により着色す
る物質との併用効果(着色濃度向上により遮光能力が向
上するので遮光性物質の添加量を減少することが可能に
なりその結果、物理強度低下度合を減少、溶融密封性向
上、成形性向上、樹脂流動性向上)が大きく発揮され
る。特に厚さが100μm以下の場合は、遮光性確保と物
理強度確保の点から遮光性物質の添加量は0.1〜20重量
%、好ましくは0.5〜15重量%、特に好ましくは0.7〜10
重量%の範囲である。
【0211】本発明の写真感光材料用包装材料を形成す
る樹脂組成物は、数平均分子量が10,000以上の熱可塑性
樹脂で構成されている。数平均分子量が10,000以上であ
る熱可塑性樹脂であることにより、写真感光材料の写真
性に悪影響を及ぼすことなく、物理強度が優れ、熱分解
しにくく、耐熱性や耐摩耗性の優れた、剛性を有する写
真感光材料用包装材料を提供できる。
【0212】この熱可塑性樹脂の量は、50重量%以上で
あり、65重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好
ましい。この数平均分子量が10,000以上の熱可塑性樹脂
の量が50重量%未満であると、物理強度が劣り、剛性や
耐熱性や耐摩耗性が劣り写真感光材料用包装材料として
は実用化困難である。
【0213】このような熱可塑性樹脂としては、高密度
ホモポリエチレン樹脂、低密度ホモポリエチレン樹脂、
低密度ホモポリエチレン樹脂、エチレン・αオレフィン
共重合体樹脂、EVA樹脂、EEA樹脂、EAA樹脂、
EMA樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、EV
OH樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ハイインパ
クトポリスチレン樹脂、ゴムグラフト変性ポリスチレン
樹脂、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・αオレフ
ィン共重合体樹脂、エチレン・プロピレン系ゴム、エチ
レン・プロピレン・ジエン系ゴム、スチレン・ブタジエ
ン系ゴム、スチレン・イソプレン系ゴム、ポリイソブチ
レン系ゴム等がある。
【0214】熱可塑性樹脂としては、安価で各種特性が
優れているので結晶性樹脂が好ましい。この結晶性樹脂
としては、ホモポリエチレン樹脂、ホモポリプロピレン
樹脂、プロピレン・αオレフィン共重合体樹脂、エチレ
ン共重合体樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリエチレンナ
フタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリ四フッ化エ
チレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アイソタクチ
ックポリスチレン樹脂の1種又は2種以上を50重量%以
上含む樹脂がある。好ましくはポリエチレン系樹脂とポ
リプロピレン系樹脂、特に好ましくは低密度ホモポリエ
チレン樹脂(以後、LDPE樹脂と表示)、高密度ホモ
ポリエチレン樹脂(以後、HDPE樹脂と表示)、L−
LDPE樹脂、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・
エチレン共重合体樹脂である。
【0215】エチレン共重合体樹脂の代表例を以下に示
す。
【0216】(1) エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
(以後、EVA樹脂と表示) (2) エチレン−プロピレン共合体樹脂 (3) エチレン−1−ブテン共合体樹脂 (4) エチレン−ブタジエン共合体樹脂 (5) エチレン−塩化ビニル共合体樹脂 (6) エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂(以
後、EMM樹脂と表示) (7) エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂(以後、
EMA樹脂と表示) (8) エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂(以後、
EEA樹脂と表示) (9) エチレン−アクリロニトリル共合体樹脂 (10)エチレン−アクリル酸共重合体樹脂(以後、EAA
樹脂と表示) (11)アイオノマー樹脂(エチレンと不飽和酸との共重合
物を亜鉛などの金属で架橋した樹脂) (12)エチレン−αオレフィン共重合体樹脂(以後、L−
LDPE樹脂と表示) (13)エチレン−プロピレン−ブテン−1三元共合体樹脂 (14)エチレン−プロピレンエラストマー
【0217】上記L−LDPE(Linear Low Density Po
lyethylene)樹脂は、第3のポリエチレン樹脂と称さ
れ、中・低密度、高密度、両ポリエチレン樹脂の利点を
併せもつ省エネルギー、省資源という時代の要請に合致
する低コスト、高強度の樹脂である。この樹脂は低圧法
又は高圧改良法等でエチレンと炭素数が3〜13個、好ま
しくは4〜10個のα−オレフィンを共重合させたコポリ
マーで線状の直鎖に短分岐をもった構造のポリエチレン
系樹脂である。物理強度やコストの点で好ましいα−オ
レフィンとしてはブテン−1、ペンテン−1、オクテン
−1、ヘキセン−1,4−メチル−ペンテン−1、ヘプ
テン−1、3−メチル−ペンテン−1、4,4−ジメチ
ル−ペンテン−1、ヘプセン−1、ノネン−1、ウンデ
セン−1、ドデセン−1、デセン−1などが使用され
る。密度(JIS K−6760で測定)は一般に低中密度ポ
リエチレン樹脂程度とされているが、市販品では0.87〜
0.97g/cm3の範囲内にあるものが多い。メルトフロー
レート(JIS K−6760の試験温度190℃、試験荷重2.
16kgfで測定)は0.1〜80g/10分の範囲内にあるもの
が多い。L−LDPE樹脂の重合プロセスとしては中・
低圧装置を用いる気相法、溶液法、液相スラリー法と高
圧改良法装置を用いるイオン重合法等がある。
【0218】市販のL−LDPE樹脂の具体例を以下に
示す。
【0219】エチレン・ブテン−1共合体樹脂 GレジンとNUC−FLX(UCC社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) マーレックス (フィリップス社) スタミレックス (DSM社) エクセレンVL (住友化学) ネオゼックス (三井石油化学) 三菱ポリエチ−LL (三菱油化) 日石リニレックス (日本石油化学) NUCポリエチレン−LL(日本ユニカー) 出光ポリエチレンL (出光石油化学)
【0220】エチレン・ヘキセン−1共合体樹脂 TUFLIN (UCC社) TUFTHENE (日本ユニカー)
【0221】エチレン・4メチルペンテン−1共合体樹
脂 ウルトゼックス (三井石油化学)
【0222】エチレン・オクテン−1共合体樹脂 スタミレックス (DSM社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) MORETEC (出光石油化学)
【0223】これらのL−LDPE樹脂の中でフィルム
成形品用としては、物理強度とヒートシール強度とフィ
ルム成形性の点から好ましいのは、メルトフローレート
(以後、MFRと表示(JIS K−6760の試験温度190
℃、試験荷重2.16kgfで測定=ASTM D−1238のE
条件で測定))が0.8〜10g/10分、好ましくは1.0〜7
g/10分、密度(JIS K−6760で測定)が0.870〜0.
940g/cm3、好ましくは0.890〜0.930g/cm3、そしてα
−オレフィンの炭素数が6〜8個の液相スラリー法プロ
セスと気相法プロセスで得られたものである。射出成形
品の場合、物理強度向上と射出成形性のバランスの点か
ら特に好ましいのは、MFR(JIS K−6760の試験温
度190℃、試験荷重2.16kgfで測定=ASTM D−1238
のE条件で測定)が2〜80g/10分、好ましくは5〜50
g/10分、密度(JIS K−6760で測定)が0.890〜0.98
5g/cm3、好ましくは0.900〜0.980g/10分、そしてα
−オレフィンの炭素数が3〜8個の液相スラリー法プロ
セスと気相法プロセスで得られたものである。
【0224】図8(a)、図8(b)、図9、図13等に代表例
としてその形状を示す密封性を要求される写真フィルム
用容器は本発明の熱可塑性樹脂組成物で形成されてお
り、この熱可塑性樹脂組成物中50重量%以上を占める熱
可塑性樹脂としては、エチレン・α−オレフィン共重合
体樹脂、ホモポリエチレン樹脂、ホモポリプロピレン樹
脂、プロピレン・α−オレフィン共重合体樹脂、ホモポ
リスチレン樹脂、ゴム含有ポリスチレン樹脂、ポリエス
テル樹脂、アクリルニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂等が
ある。
【0225】防湿性、射出成形性、コスト、リサイクル
適性の点で好ましい各種のポリエチレン系樹脂(ホモ、
ランダム又はブロック共重合体及びこれらの1種以上又
はポリプロピレン系樹脂の1種以上とのブレンド樹脂)
の特性は、メルトフローレート(ASTM D−1238、試
験温度190℃、試験荷重2.16kgf)が5〜80g/10分、好
ましくは7〜70g/10分、特に好ましくは10〜60g/10
分、最も好ましくは15〜50g/10分、密度(ASTM D
−1505)が0.935g/cm3以上、好ましくは0.940g〜0.98
5g/cm3、特に好ましくは0.950g/cm3以上、最も好ま
しくは0.960g/cm3以上、曲げ剛性(ASTM D−74
7)が5000kg/cm2以上、好ましくは6000kg/cm2以上、
特に好ましくは8000kg/cm2以上、最も好ましくは10000
kg/cm2以上である。
【0226】透明容器用樹脂組成物としては、各種造核
剤の少なくとも1種を0.01〜2.0重量%、各種滑剤の少な
くとも1種を0.01〜10重量%含む密度が0.935g/cm3
上、好ましくは0.945g/cm3以上、特に好ましくは0.95
5g/cm3以上、最も好ましくは0.960g/cm3以上のホモ
ポリエチレン樹脂及び/又はエチレン・α−オレフィン
共重合体樹脂の中から選択された1種以上を50重量%以
上、好ましくは65重量%以上、特に好ましくは80重量%
以上、最も好ましくは90重量%以上含む樹脂組成物であ
る。特に好ましい樹脂組成物はMFRが15〜50g/10
分、密度が0.945〜0.985g/cm3の炭素数が3〜10ヶの
α−オレフィンの前記エチレン・α−オレフィンランダ
ム共重合体樹脂と各種造核剤を0.01〜2.0重量%含むプ
ロピレンエチレンランダム共重合体樹脂が好ましい。白
色や黒色や茶色や銀色の着色容器としては密度が0.935
g/cm3以上、好ましくは0.945g/cm3以上、特に好ま
しくは0.955g/cm3以上のホモポリエチレン樹脂及び/
又はプロピレンエチレンブロック共重合体樹脂が好まし
い。
【0227】上記ポリエチレン系樹脂以上に品質、コス
トの点で好ましい容器本体を形成している(各種添加剤
を含んでいてもよい。)各種ポリプロピレン系樹脂(ホ
モ、ランダム又はブロック共重合体及びこれらの1種以
上又はポリエチレン系樹脂の1種以上とのブレンド樹
脂)の特性は、メルトフローレート(ASTM D−123
8、試験温度230℃、試験荷重2.16kgf)が10〜80g/10
分、好ましくは15〜50g/10分、特に好ましくは20〜45
g/10分、曲げ弾性率(ASTM D−790)が4000kg/cm
2以上、好ましくは8000kg/cm2以上、特に好ましくは10
000kg/cm2以上、23℃のノッチ付アイゾット衝撃強度
(ASTM D−256)が2.0kg・cm/cm以上、好ましくは
2.5kg・cm/cm以上、特に好ましくは3.0kg・cm/cm以上
である。
【0228】透明容器用樹脂組成物中に、脂肪酸金属塩
又は脂肪酸アミド系滑剤と有機造核剤と酸化防止剤の数
平均分子量が10,000未満の有機化合物を含むようにする
と優れた品質の写真フィルム用容器が得られる。
【0229】写真感光材料包装材料がフィルム成形品の
場合、好ましい代表的な例を商品名であげると、ポリエ
チレンにα−オレフィン側鎖として炭素数6個の4−メ
チルペンテン−1を導入した三井石油化学(株)のウルト
ゼックス等及びα−オレフィン側鎖として炭素数8個の
オクテン−1を導入した出光石油化学(株)のMORET
ECとDSM社のスタミレックスとダウケミカル社のダ
ウレックス等がある(以上、4社品共液相スラリー法プ
ロセスで得られたL−LDPE樹脂である。)。低圧法の
気相法プロセスで得られた好ましい代表的な例を商品名
であげると、α−オレフィン側鎖として炭素数6個のヘ
キセン−1を導入したUCC社のTUFLIN及び日本
ユニカー(株)のTUFTHENE等である。射出成形品
の場合、好ましい代表的例を商品名であげると上記エチ
レン・ブテン−1共重合体樹脂とエチレン・4−メチル
ペンテン−1共重合体樹脂である市販のL−LDPE樹
脂である。
【0230】また、酸変性ポリオレフィン樹脂を用いる
ことができる。酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオレ
フィン樹脂と不飽和カルボン酸類とをグラフト変性した
変性ポリオレフィン樹脂をいい、例えばグラフト変性ポ
リエチレン樹脂、グラフト変性ポリプロピレン樹脂、グ
ラフト変性エチレン共重合体樹脂(EVA樹脂、EEA
樹脂、L−LDPE樹脂、EMA樹脂等)等がある。
【0231】不飽和カルボン酸類は、その誘導体も含め
て総称するもので、代表例をあげるとアクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、テト
ラヒドロフタル酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、シトラ
コン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸、
(エンドシス−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エン
−2,3−ジカルボン酸)、無水マレイン酸、無水シトラ
コン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸グ
リシジル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエ
チルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸
モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、イタ
コン酸ジエチルエステル、アクリル酸アミド、メタクリ
ルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミ
ド、マレイン酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸−
N,N−ジエチルアミド、マレイン酸−N−モノブチル
アミド、マレイン酸−N,N−ジブチルアミド、フマル
酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸−N−モノ
エチルアミド、フマル酸−N,N−ジエチルアミド、フ
マル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−ジ
エチルアミド、フマル酸−N−モノブチルアミド、フマ
ル酸−N,N−ジブチルアミド、マレイミド、マレイン
酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マタクリル酸カリ
ウム、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸亜鉛、アクリ
ル酸マグネシウム、アクリル酸カルシウム、メタクリル
酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリ
ウム、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、塩化マレニル、グリシジルマレエート、マレイン酸
ジプロピル、アコニチン酸無水物、ソルビン酸等をあげ
ることができ、相互の混合使用も可能である。
【0232】なかでもアクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、ナジック酸が好ましく、特に無水マレイン酸
が好ましい。
【0233】変性ポリオレフィン樹脂における不飽和カ
ルボン酸類をグラフト変性させる方法は特に限定されな
い。例えば、溶融状態で反応させる特公昭43−27421号
公報等に開示の方法や、溶液状態で反応させる特公昭44
−15422号公報等に開示の方法や、スラリー状態で反応
させる特公昭43−18144号公報等に開示の方法や、気相
状態で反応させる特公昭50−77493号公報等に開示の方
法等がある。
【0234】これらの方法の中で押出機を用いる溶融混
練法が操作上簡便で、かつ安価な方法なので好ましい。
【0235】不飽和カルボン酸類の使用量は、接着強度
確保のためポリオレフィン樹脂ベースポリマー(各種ポ
リエチレン樹脂、各種ポリプロピレン樹脂、各種ポリオ
レフィン共重合体樹脂、ポリブテン−1樹脂、ポリ−4
−メチルペンテン−1等のα−オレフィン共重合体樹脂
及びその共重合体樹脂)100重量部に対して0.01〜20重量
部、好ましくは0.2〜5重量部である。
【0236】ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸類
との反応を促進するために有機過酸化物等が用いられ
る。
【0237】有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビ
スイソブチロニトリル、ジクミルパーオキサイド、α,
α'ビス(t−ブチルパーオキシジイプロピル)ベンゼ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキシン、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチル−ハイド
ロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾ
エート、1,3ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、キュメンハイドロパーオキサイド、ジ−
t−ブチル−ジパーオキシフタレート、t−ブチルパー
オキシマレイン酸、イソプロピルパーカーボネート等の
有機過酸化物、アソビスイソブチロニトリル等のアゾ化
合物、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物等がある。
【0238】これらは1種または2種以上の組合せで使
用してもよい。特に好ましいのは、分解温度が170℃〜2
00℃の間にあるジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−ク
ミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−ビス(t
−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンである。
【0239】これらの過酸化物の添加量は特に制限され
ないが、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.005〜
5重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。
【0240】市販の酸変性ポリオレフィン樹脂の代表例
を以下に示す。 (1) 日本石油化学KK “Nポリマー” (2) 三井石油化学工業KK “ADMER” (3) 昭和電工KK “ER RESIN” (4) 三菱化成工業KK “NOVATEC−A
P” (5) 三菱油化KK “MODIC” (6) 日本ユニカーKK “NUC−ACE” (7) 宇部興産KK “UBE BOND” (8) 東ソーKK “メルセンM” (9) 住友化学工業KK “ボンダイン” (10)三井・デュポンケミカルKK“CMPS”等 (11)エクソン社 “デクソン” (12)東亜燃料工業KK “HAシリーズ” (13)三井東圧化学KK “MITSUI LO
NPLY”等
【0241】また、最近発売された密度が0.910g/cm3
未満の超低密度直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、例えば
UCC社のNUC−FLXや住友化学(株)のエクセレン
VLも好ましい(以上、2社品共α−オレフィンが炭素
数4個のブテン−1を使用)。
【0242】ポリスチレン系樹脂の代表例を以下に示
す。 1.スチレン樹脂 (1) 分子構造および特徴的性質 スチレン樹脂には、スチレンモノマーのみを重合したホ
モポリスチレン樹脂である透明な一般用ポリスチレン
(GPPS)樹脂と、これをゴム状物質で補強したゴム
含有ポリスチレン樹脂であるハイインパクトポリスチレ
ン(HIPS)樹脂があり、これらのポリスチレン部分
は直鎖でアモルファスである。ナッタ触媒を用いれば、
アイソタクチックポリスチレンが得られ、これは不透明
で、熱変形温度が200℃程度あるが、工業的には製造さ
れていない。
【0243】スチレン樹脂の特徴的性質については、
比重が小さい、無味、無臭、無毒である、吸湿性が
小さい、電気絶縁性、高周波絶縁性が優れている、
着色性、塗装性が良い、成形加工性が極めて優れてい
る、成形品の寸法安定性が良い、比較的安価な材料
である、等が挙げられる。また、用途により次の短所を
持っている。耐衝撃性が不十分、油類および有機溶
剤の一部に侵される、耐熱性が不十分、燃えやす
い、耐候性が不十分、帯電しやすい。
【0244】(2) 製造方法 ほとんどが連続塊状重合方法で、一部が懸濁バッチ重合
方法で製造されている。いずれも典型的なラジカル重合
方法である。連続塊状重合方法は、重合工程、脱気・モ
ノマー回収工程、造粒工程が連続的に組み合わさった、
ひとつの理想的プロセスであり、これ以上の飛躍的なプ
ロセス改良は望めそうにない。
【0245】(3) 国内製造メーカー 旭化成工業 出光石油化学 新日本製鉄化学工業 大日本インキ化学工業 電気化学工業 日本ポリスチレン 三井東圧 三菱モンサント化成
【0246】ゴム含有ポリスチレン樹脂(ゴム含有芳香
族モノビニル樹脂)について以下に詳述する。
【0247】ゴム含有芳香族モノビニル樹脂は、ゴム状
物質と芳香族モノビニルとの重合体、ゴム状物質と芳香
族モノビニル樹脂とが単に混練された状態の混合体、ゴ
ム状物質と芳香族モノビニルとの重合体と芳香族モノビ
ニル樹脂との混合体の3つの態様がある。
【0248】ゴム状物質のゴム含有芳香族モノビニル樹
脂における含有量は、1〜12重量%であり、好ましくは
1.5〜10重量%、より好ましくは2〜8重量%である。
含有量が1重量%未満では、物理強度が小さく、特に0
℃以下の条件下で使用される機会の多い写真フィルム用
スプール、写真フィルム用パトローネ、インスタントフ
ィルムユニット、カメラボディー、写真フィルム用カー
トリッジ、写真フィルム用マガジン、レンズ付き写真フ
ィルムユニットでは落下した時の強度不足、耐摩耗性不
足の点で実用化困難である。また、含有量が12重量%を
越えると、写真感光材料に3ヵ月以上の密封状態の経時
でカブリを0.03以上増加させたり、部分的に感度を20%
以上上昇させたりし、プリントに濃度ムラが発生し実用
化不可である。さらに曲げ弾性率が小さくなる。
【0249】ゴム状物質としては、エチレン・プロピレ
ン系共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン三
元共重合体、イソプレン共重合体、ポリイソブチレン、
スチレン−イソプレン共重合体、ポリブタジエン、スチ
レン・ブタジエン共重合体等であり、ポリブタジエンと
してはシス含有量の高いハイシスポリブタジエン(好ま
しくはシス1,4結合が70モル%以上、好ましくは90モ
ル%以上)とシス含有量の低いローシスポリブタジエン
とともに用いられる。
【0250】このゴム状物質の平均粒子径は、0.1〜10
μmが適当であり、好ましくは0.2〜7μm、より好ま
しくは0.5〜5μm、最も好ましくは0.7〜3.5μmであ
る。平均粒子径が0.1μm未満であると、衝撃強度が低
下し、擦り傷が多発し実用化不可であり、また、平均粒
子径が10μmを超えると、表面の凹凸が大きく、引張強
度等が低下し実用化困難である。
【0251】一般に、平均粒子径が小さいと、光沢度の
高い、表面が平滑な成形品が得られるが傷がつきやす
く、重合コストが高くなる。一方、平均粒子径が大きい
と、反射が少なくなり、光沢度が低くなる。したがっ
て、高光沢成形品を得ようとする場合は、平均粒子径が
0.1〜1.5μm、好ましくは0.2〜1.0μmのゴム状物質の
樹脂を用い、反射防止のためマット状の低光沢成形品を
得ようとする場合は、1.5〜10μm、好ましくは1.7〜7
μm、より好ましくは2.0〜5μmのゴム状物質の樹脂
を用いる。このようにすれば表面にエンボス加工を施さ
なくても光の反射による光カブリを防止できる。しか
し、エンボス加工を施せば、より完全に光の反射による
光カブリを防止できるので好ましい。
【0252】ゴム状物質の平均粒子径は、ミクロトーム
により超薄片を切り取り透過型電子顕微鏡写真で撮影
し、写真中のゴム状物質600個の粒子径を測定して次式
により算出したものである。
【0253】平均粒子径=ΣnD2/ΣnD {式中、nは粒子径、Dはゴム状物質の粒子の個数であ
る}
【0254】ゴム状物質の平均粒子径は、重合時の攪拌
条件、ゴム状物質の溶液粘度等により調節できる。
【0255】芳香族モノビニルとしては、スチレン及び
o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert
−ブチルスチレン等の核アルキル置換スチレンと2,4,
6−トリブロモスチレン、2,4,6−トリクロロスチレ
ン等の核ハロゲン化スチレンとα−メチルスチレン、α
−メチル−p−メチルスチレン等のα−アルキル置換ス
チレン等が用いられる。その他、スチレン系モノマーと
共重合可能なメタクリル酸エステル、アクリル酸エステ
ル、アクリロニトリル、無水マレイン酸も含む。
【0256】ゴム含有芳香族モノビニル樹脂が、ゴム状
物質と芳香族モノビニルとの重合体である場合、その重
合は下記に記載した重合方法を用いることができる。
【0257】〔ラジカル重合法〕 バッチ塊状重合方法 利点…簡単に製造できる。 欠点…大規模になると熱の分散困難。分子量分布が広
く、成形性が優れる。
【0258】 連続塊状重合方法 利点…製品の品質が均一である。製造コストが低い。 欠点…高粘度反応液の輸送。反応塔内でのチャンネリン
グ現像。
【0259】 連続溶液重合方法 利点…重合熱制御がしやすい。 欠点…脱溶媒が必要。攪拌方法が難しい。
【0260】 懸濁重合方法 利点…重合熱除去可能。粒状ポリマーが得られる。残存
モノマーが少ない。 欠点…水や安定剤による汚れが発生。脱揮発分が必要。
乾燥、ペレタイジングが必要。
【0261】 乳化重合方法 利点…反応速度大。重合熱除去可能。連続重合も可能。
ラテックス状ポリマーが得られる。 欠点…水や乳化剤による汚れが発生 乾燥やペレタイジングが必要
【0262】〔イオン重合方法〕 イオン重合方法 利点…反応速度大。重合熱制御可能。 欠点…溶剤と触媒粉末の除去が必要。冷凍が必要。
【0263】これらの重合方法の中で、経済性の観点で
は、ゴム状重合体の存在下でスチレンモノマーをラジカ
ル反応で重合させる塊状重合法及び塊状−懸濁二段重合
方法が好ましく、特に連続塊状重合法が好ましい。ま
た、残存モノマーが少なく耐熱性が優れ、かつ、小回り
がきく点では、懸濁重合(バッチ式)が好ましい。
【0264】ゴム含有芳香族モノビニル樹脂のメルトフ
ローインデックス(以後、MFIという。JIS K−6
870)は3.0〜40.0g/10分であり、好ましくは5.0〜35.0
g/10分、より好ましくは7〜30.0g/10分、最も好ま
しくは10〜25g/10分である。MFIが3.0g/10分未満
では、樹脂の流動性が悪く、ショートショットやウェル
ドラインの発生が多く、成形サイクルが長くなり実用化
困難である。また、MFIが40g/10分を越えると物理
強度が小さく、バリの発生が多く、熱劣化しやすく実用
化困難である。数平均分子量は物理強度確保と重合コス
ト、射出成形性とのバランスから10,000〜1,000,000、
好ましくは20,000〜800,000、特に好ましくは50,000〜6
00,000である。
【0265】ゴム含有芳香族モノビニル樹脂の曲げ弾性
率(JIS K−7203)は20,000kg/cm2以上であり、好
ましくは22,000kg/cm2以上、より好ましくは23,000kg
/cm2以上、最も好ましくは25,000kg/cm2以上である。
曲げ弾性率が20,000kg/cm2未満では、外力が加わると
変形しやすく寸法精度や完全遮光性を確保できなくな
る。特にカメラに装填使用される写真フィルム用スプー
ルや写真フィルム用パトローネ、写真フィルム用カート
リッジ(K16フィルム、K35フィルム)では変形すると
カメラに装填困難になり撮影ができなくなる。
【0266】芳香族モノビニル樹脂のビカット軟化点
(JIS K−6870)は78℃以上であり、好ましくは82℃
以上、より好ましくは85℃以上、最も好ましくは87℃以
上である。ビカット軟化点が78℃未満では、黒色に着色
された成形品の場合、太陽光下に1時間以上放置される
と軟化変形し完全遮光性を確保出来なくなる。また、ス
プールの場合は、変形して円滑にカメラ内で回転できな
くなる。
【0267】ゴム含有芳香族モノビニル樹脂のロックウ
ェル硬度(ASTM D−785)はM40以上が好ましく、
M45以上がより好ましく、M50以上が特に好ましく、M
55以上が最も好ましい。ロックウェル硬度がM40未満で
は、金属や写真フィルム等との摩擦により傷が発生した
り、寸法精度が確保できなくなったり、摩耗クズが写真
感光材料に付着してスポット故障が発生する。
【0268】ゴム含有芳香族モノビニル樹脂のアイゾッ
ト衝撃強度(JIS K−6871)は2.0kg・cm/cm以上が
好ましく、2.5kg・cm/cm以上がより好ましく、3.0kg・
cm/cm以上が最も好ましく、3.5kg・cm/cm以上がより
最も好ましい。アイゾット衝撃強度が2.0kg・cm/cm未
満では、物理強度が小さく、特に0℃以下の条件下で使
用される機会の多い写真フィルム用スプール、写真フィ
ルム用パトローネ、インスタントフィルムユニット、カ
メラボディー、レンズ付き写真フィルムユニット、写真
フィルム用カートリッジでは落下した時の強度不足の点
で実用化困難である。
【0269】2.ABS樹脂 (1) 分子構造および特徴的性質 ABS樹脂はアクリロニトリル(A)、ブタジエン
(B)、スチレン(S)を主成分とする熱可塑性樹脂で
ある。分散ポリブタジエン粒子にAS共重合体がグラフ
トされているために、ポリブタジエン粒子と周囲のAS
連続相との相溶性が良く、ポリブタジエン粒子相互の凝
集は見られない。
【0270】ABS樹脂は上記のようにハイインパクト
ポリスチレン(HIPS)樹脂と同じようなグラフトゴ
ム粒子分散系であるから、粘弾性温度特性はポリブタジ
エンゴムによる−80℃近辺の分散吸収とAS共重合体に
よる+120℃近辺の分散吸収に分かれる。
【0271】ABS樹脂の最大の特徴である衝撃強度
は、ポリブタジエン粒子の変形による衝撃エネルギーの
吸収とポリブタジエン粒子界面から発生したクレーズの
生成による衝撃エネルギーの吸収によるというクレーズ
説が最近では支持されているようである。クレーズの発
生に加えてクレーズの伝幡およびクレーズの破壊を抑え
る機構も、より衝撃強度を高くするためには重要である
という報告もある。
【0272】射出、押出、真空成形等の成形加工性が良
いことのほか、剛性、耐薬品性にも優れている。また、
遮光性物質による着色が自由で、塗装、印刷、ホットス
タンプ、真空蒸着、メッキ等の二次加工性も良好であ
る。ポリカーボネート樹脂やポリ塩化ビニル樹脂等の他
樹脂とのブレンド系はABSアロイとして特徴のある製
品群を形成している。唯一の欠点は耐候性に劣ることで
あるが、それも添加剤や組成の検討により改良が進めら
れている。
【0273】(2) 製造方法 グラフトブレンド法 ポリブタジエンラテックスにAN/STモノマーを反応
させてゴム含量の高いABS樹脂をつくり、これに別に
つくったAS共重合体樹脂をブレンドして所定のABS
樹脂を得る。最近では、このグラフトブレンド法が多
い。
【0274】 塊状・懸濁重合法 未架橋ゴムをSTモノマーに溶解しゴムマトリックス状
態の予備塊状重合を行い、ゴム分散状態への相転移が起
こった時点で、懸濁系のグラフト反応を行ってABS樹
脂を得る。この方法ではゴム含量の高いABS樹脂をつ
くることが難しいので、他の方法でつくったABS樹脂
およびAS共重合体樹脂とブレンドして目的のABS樹
脂にすることもある。
【0275】 乳化・連続塊状重合法 乳化重合法によってつくったゴム含量の高いABSラテ
ックスにAN/STモノマー、および電解質を加えて混
合し、分離された水分を除去してABSクラムとする。
このABSクラムにAN/STモノマーを加えてABS
ドープとして連続塊状重合を行ってABS樹脂を得る。
【0276】この方法ではABS樹脂パウダーの凝固・
水洗・乾燥工程が不要であるために大きなコストダウン
ができるとされている。
【0277】(3) 国内製造メーカー 旭化成 宇部サイコン 東レ 三菱レイヨン 日本合成ゴム 協同ポリマー 三菱モンサント 住友ノーガタック 電気化学
【0278】3.アクリロニトリル−スチレン樹脂 (1) 分子構造および特徴的性質 スチレンは代表的なビニルモノマーであるので、いろい
ろのモノマーとの共重合性は古くから研究されている。
一方、これらスチレンと他のコモノマーとの共重合樹脂
のうち、透明でかつ高剛性を有する(ゴム補強のない)
樹脂として工業化されているものにアクリロニトリル−
スチレン樹脂(AS樹脂)、メチルメタクリレート−ス
チレン樹脂(MS樹脂)と無水マレイン酸−スチレン樹
脂の3種類がある。
【0279】これらのスチレン系共重合体樹脂は、通常
ラジカル重合により製造され、その分子構造は典型的な
ランダム共重合体樹脂であり、ゴム含有ポリスチレン樹
脂であるハイインパクトポリスチレン樹脂のようないわ
ゆるゴムクラフト変性共重合体樹脂とは異なる。また、
このような透明タイプの共重合樹脂の組成が数%ずれる
と透明度が急速に低下するため、組成分布をいかに保つ
かが、製造技術上のひとつのポイントである。AS樹脂
を例にあげるとSM/AN=75/25がアゼオトロピック
組成であるので、工業化されているものの多くはAN含
量25〜35%、組成分布±1%位のものである。
【0280】共重合による極性基の導入やかさ高い側鎖
の導入によって分子鎖の内部回転が妨げられる効果によ
り、これらアクリロニトリル−スチレン系樹脂は一般用
ホモポリスチレン樹脂に比べて一般的に機械的特性、耐
熱性、耐薬品性等において優れた特性を示す。
【0281】(2) 製造方法 上記樹脂は品質上の制約、経済的利点等より塊状重合と
懸濁重合の2つのプロセスが工業的に用いられている。
AS樹脂を例に挙げて説明すると本質的にはGPPS樹
脂と同様に製造可能であるが、コモノマーのANの導入
に付随する問題点(例えば塊状重合にあっては重合反応
熱の増大、重合系粘度の増加、組成分布など)の解決が
重要である。
【0282】一般的に言って塊状重合プロセスは設備費
が高いのが欠点であるが、不純物の混入がないため品質
の安定性において優れ、かつ連続化による経済的優位性
があると言われている。
【0283】(3) アクリロニトリル−スチレン樹脂の国
内メーカーおよび商品名
【0284】
【表2】 *1:販売会社は三井東圧化学である。 *2:販売会社はダイセル化学工業である。 *3:ガラス繊維強化グレードのみ上市している。
【0285】4.AAS(ASA)樹脂及びAES樹脂 (1) 分子構造および特徴的性質 AAS(ASA)樹脂の主要構造
【0286】
【化8】
【0287】(アクリルゴム)に
【0288】
【化9】
【0289】(ASコポリマー)が一部グラフト共重合
している。
【0290】ただし、アクリルゴムはアクリル酸n−ブ
チルの他にアクリル酸エチルなど他のアクリル酸エステ
ルをモノマー単位とすることもある。また、ASコポリ
マーのスチレンとアクロニトリルのモノマー単位の比率
はグレードにより異なる。
【0291】 AES樹脂の主要構造
【0292】
【化10】
【0293】(EPDMゴム)に
【0294】
【化11】
【0295】(ASコポリマー)が一部グラフト共重合
している。
【0296】ただし、ASコポリマーのスチレンとアク
リロニトリルのモノマー単位の比率はグレードにより異
なる。
【0297】特徴的な性質としては、耐候性および耐衝
撃性に優れ、しかも成形物外観、成形性がよい。耐衝撃
性がよいのは、樹脂中にアクリルゴムあるいはEPDM
ゴムが粒子状に分散し、衝撃エネルギーを吸収するため
である。また耐候性に優れているのは、ABS樹脂中の
ブタジエンゴム等に比べ、これらのゴムが紫外線劣化に
対して著しく安定なためである。
【0298】(2) 製造方法 以下に一般的な合成法を示す。 AAS(ASA)樹脂 アクリル酸n−ブチルに数%の架橋剤あるいはグラフト
化剤を加えて乳化重合させる。このゴムラテックスにス
チレンとアクリロニトリルを加えてグラフト共重合させ
る。重合後、塩析して樹脂粉末を得る。
【0299】 AES樹脂 EPDMゴムをスチレン、アクリロニトリルおよび有機
溶剤に溶かし、グラフト共重合させる(有機溶剤を使わ
ない合成法も特許等でみられる)。重合後、溶剤を除去
し、樹脂粉末を得る。
【0300】(3) AAS(ASA)樹脂、AES樹脂の
国内メーカーおよび商品名
【0301】
【表3】
【0302】また、廃棄物として埋立て処理する場合を
考えると、現在、研究が進められている、または一部市
場に導入されているような分解性プラスチックを利用す
ればよい。例えば、生分解性を有するポリマーとして米
国のICI社製の「BIOPOL」、米国のUCC社製
の「ポリカプロラクトン」等を利用するとか、あるいは
生分解を受けやすい天然、あるいは合成高分子を添加剤
として配合することによって間接的に崩壊させるポリマ
ー、またはデンプン配合ポリエチレン等を利用すること
もできる。
【0303】特に最近安価で、微生物の働きで二酸化炭
素と水に分解する化学合成の生分解性プラスチックとし
て発売された、昭和高分子(株)製の「ビオノール」(ジ
カルボン酸等から化学合成した特殊なポリエステル系樹
脂)やイタリアのノバモント社製の「マタービー」(ト
ウモロコシのでんぷんと生分解性を持つ変性ポリビニル
アルコールのポリマーアロイ)を本発明の成形品用樹脂
組成物中に10重量%以上添加することも産業廃棄物処理
性向上の点で好ましい。
【0304】また、多層構成の成形品では写真感光材料
に直接接触しない層は上記生分解性プラスチックやリサ
イクル樹脂を50重量%以上とすることが写真感光材料の
写真性に悪影響を与えることなく、産業廃棄物処理性向
上の点で特に好ましい。
【0305】また、光分解性のポリマーを利用すること
も可能である。例えば、ポリエチレン重合時に主鎖に光
増感基としてカルボニル基を導入したエチレンと一酸化
炭素との共重合によるECOコポリマーを利用すると
か、あるいは添加剤として遷移金属塩、酸化促進剤、光
増感材等をベースポリマーに加え、光分解性を付与した
ものを利用することができる。
【0306】さらにまた生分解性を有するポリマー、光
分解性ポリマー、水に可溶なポリマー等の分解性ポリマ
ーの1種以上を併用して用いてもよい(特開平3−1293
41号公報参照)。
【0307】リサイクルを考える場合は写真感光材料用
包装材料を同一又は類似樹脂組成物で構成するようにす
る。例えば、写真フィルム用パトローネを構成するパト
ローネ本体、スプール、印刷付ラベルすべてをポリスチ
レン系樹脂製又はポリプロピレン系樹脂製にしたり、レ
ンズ付きフィルムユニットのスプール、上部ケース、下
部ケースをすべて完全遮光性を有するポリスチレン系樹
脂製又はポリプロピレン系樹脂製にすること等が好まし
い。
【0308】次に、好ましい実施態様の代表例を以下に
示す。 A.数平均分子量1万未満の有機化合物0.001〜45重量
%、数平均分子量1万以上の熱可塑性樹脂50重量%、2
種以上の酸化防止剤の合計量0.002〜1.00重量%含む樹
脂組成物からなる写真感光材料用包装材料における代表
例。
【0309】A−1.フェノール系酸化防止剤とジ有機
ペンタエリスリトールジホスファイト化合物とを含む樹
脂組成物からなる写真感光材料用包装材料。 A−2.フェノール系酸化防止剤とハイドロタルサイト
類とを含む樹脂組成物からなる写真感光材料用包装材
料。 A−3.フェノール系酸化防止剤とジ−(ジアルキルフ
ェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト化合物と
を含む樹脂組成物からなる写真感光材料用包装材料。 A−4.フェノール系酸化防止剤と有機亜リン酸エステ
ル酸化防止剤とを含む樹脂組成物からなる写真感光材料
用包装材料。 A−5.フェノール系酸化防止剤と亜リン酸トリアルキ
ル化合物等の有機亜リン酸塩とを含む樹脂組成物からな
る写真感光材料用包装材料。 A−6.アルキリデンビスフェノール系酸化防止剤と亜
リン酸トリアルキル化合物等の有機亜リン酸塩とを含む
樹脂組成物からなる写真感光材料用包装材料。 A−7.2・6−ジ−ターシャリーブチル−4−メチル
フェノール酸化防止剤とアルキリデンビスフェノール化
合物とを含む樹脂組成物からなる写真感光材料用包装材
料。 A−8.フェノール系酸化防止剤と、スピロ型とケージ
型との異性体の混合物から成るペンタエリトリットジ亜
リン酸エステル化合物とを含む樹脂組成物からなる写真
感光材料用包装材料。 A−9.アルキル置換モノフェノール系酸化防止剤とア
ルキル置換多価フェノール系酸化防止剤とを含む樹脂組
成物からなる写真感光材料用包装材料。 A−10.アルキル置換多価フェノール系酸化防止剤とホ
スファイト系酸化防止剤とを含む樹脂組成物からなる写
真感光材料用包装材料。 A−11.黒色顔料及び/又は黒色染料と2種以上のフェ
ノール系酸化防止剤とを含む樹脂組成物からなる遮光性
を有する写真感光材料用包装材料。 A−12.分子量が350以上のフェノール系酸化防止剤と
ホスファイト系酸化防止剤とを含む樹脂組成物からなる
写真感光材料用包装材料。 A−13.有機リン酸エステルのアルカリ金属塩とハイド
ロタルサイト化合物と脂肪酸金属塩とを含む樹脂組成物
からなる写真感光材料用包装材料。
【0310】B.数平均分子量1万未満の有機化合物0.0
01〜45重量%、数平均分子量1万以上の熱可塑性樹脂50
重量%、酸化防止剤又は酸化防止剤と略同じ働きをする
請求項2記載の添加剤の3種以上の合計量0.003〜6.00重
量%含む樹脂組成物からなる写真感光材料用包装材料。
【0311】B−1.フェノール系酸化防止剤とペンタ
エリスリトールホスファイト化合物とハイドロタルサイ
ト化合物類とを含む樹脂組成物からなる写真感光材料用
包装材料。 B−2.2・6−ジ−ターシャリーブチル−4−メチル
フェノール酸化防止剤と2・2'−フルキリデンビスフェ
ノール化合物と有機亜リン酸エステル化合物とハイドロ
タルサイト化合物及び/又は脂肪酸金属塩とを含む樹脂
組成物からなる写真感光材料用包装材料。 B−3.フェノール系酸化防止剤とペンタエリスリトー
ルホスファイト化合物と有機亜リン酸塩とを含む樹脂組
成物からなる写真感光材料用包装材料。 B−4.フェノール系酸化防止剤と有機亜リン酸塩とチ
オ−ジ−プロピオン酸エステル化合物とハイドロタルサ
イト化合物及び/又はラジカル捕獲剤及び/又は紫外線
吸収剤及び/又は脂肪酸金属塩とを含む樹脂組成物から
なる写真感光材料用包装材料。 B−5.フェノール系酸化防止剤とチオ−ジ−プロピオ
ン酸エステル化合物と有機亜リン酸塩と脂肪酸金属塩と
を含む樹脂組成物からなる写真感光材料用包装材料。 B−6.フェノール系酸化防止剤とホスファイト(燐)
系酸化防止剤と表面被覆処理ハイドロタルサイト化合物
とを含む樹脂組成物からなる写真感光材料用包装材料。 B−7.フェノール系酸化防止剤と、スピル型とケージ
型との異性体の混合物からなるペンタエリトリットジ亜
リン酸エステル化合物とを含む樹脂組成物からなる写真
感光材料用包装材料。
【0312】本発明の写真感光材料用包装材料の代表例
を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0313】(1) フィルム成形品 単層フィルム成形品(図1);特公平2−2700号公報
【0314】多層共押出しフィルム成形品(図2、図
3、図4);
【0315】単層フィルム成形品又は多層共押出しフ
ィルム成形品を用いた積層フィルム(図5、図6、図
7);特公昭63−26697号公報、特公平2−2701号公
報、特公平2−13774号公報、特公平2−19225号公報等
【0316】上記〜のフレキシブルシートを用い
た包装材料;包装袋(ユニパック袋、1重平袋、2重平
袋、1重ガゼット袋、2重ガゼット袋等)、シュリング
包装、バルク包装体(特開平3−53243号公報、実開平3
−71346号公報等)集合包装等及び帯状感光材料の明室
装填用包装体 実開昭55−113543号公報、実開昭60−13386号公報、実
開昭60−167796号公報、特開平2−72347号公報、実開
平3−47547号公報、実開平3−54937号公報、実開平3
−86358号公報、実開平3−96648号公報等
【0317】(2) 真空成形品
【0318】(3) 射出成形品 写真フィルム用スプール、レンズ付フィルムユニット、
写真フィルムパトローネ用容器、遮光容器、プラスチッ
ク製写真フィルム用パトローネ、明室装填用遮光マガジ
ン、巻芯、写真フィルム用カートリッジ、インスタント
フィルム用パック等
【0319】ディスクフィルム用カートリッジ;実開
昭60−21743号公報等
【0320】レンズ付フィルムユニット(図12);特
開昭63−226643号公報等
【0321】写真フィルム用スプール(図10);特開
平1−251030号公報、特開昭57−196218号公報、特開昭
59−15049号公報、USP 1930144号、実開昭63−73742
号公報、実開昭54−120931号公報、実開昭58−178139〜
178145号公報、実公昭55−31541号公報、特開昭58−203
436号公報、特開昭58−82237号公報、特開昭58−82236
号公報、実公昭44−16777号公報、実開昭63−73742号公
報、特開昭62−240957号公報、GB 2199805A号明細書
【0322】写真フィルム用パトローネ(図11);特
開昭54−111822号公報、特公昭45−6991号公報、特公昭
55−21089号公報、特開昭50−33831号公報、特開昭56−
87039号公報、実開昭55−97738号公報、特開平1−3125
38号公報、特開昭57−190948号公報、USP 4,846,418
号明細書、USP 4,848,693号明細書、USP 4,887,7
76号明細書等
【0323】写真フィルムパトローネ用容器;特開昭
61−250639号公報、特開昭61−73947号公報、実開昭60
−163451号公報、USP 4,801,011号、特開昭63−1210
47号公報、特開昭62−291639号公報、実開平1−88940
号公報、実開平1−113235号公報、実開平1−152337号
公報、実公平2−33236号公報、実公平3−48581号公
報、特公平2−38939号公報、USP 4,639,386号明細
書、USP 4,801,011号明細書、USP 4,979,351号明
細書、EP 0237062A2号明細書、EP 0280065A1号
明細書、EP 0298375A2号明細書等
【0324】巻芯、リール;実開昭60−107848号公
報、USP 4809923号明細書、GB 2033873号B明細書
【0325】シートフィルム用マガジン;昭56−5141
号公報等
【0326】写真フィルムカートリッジ;実公昭56−
16610号公報、実開平2−24846号公報、実開平2−2904
1号公報、実公昭60−120448号公報、特開平1−312537
号公報等
【0327】写真フィルム用ケース;USP 4,779,7
56号明細書、実開昭54−100617号公報、実開昭64−3234
3号公報、実開平1−94258号公報、実開平2−56139号
公報、EP 0242905A1号明細書、特公平2−54934号
公報等
【0328】写真感光材料用包装材料を成形する方法
は、各成形品の形態により公知の方法を用いればよく、
例えばインフレーションフィルム成形、エクストルージ
ョンラミネート成形、射出成形、真空成形、シート成
形、Tダイフラットフィルム成形、圧空成形、回転成
形、金型内真空射出成形等の方法で成形する。
【0329】本発明の写真感光材料用包装材料に、CA
Sコード(カメラ自動検出コード)、バーコード、CI
マーク、商品名、取扱い説明、商品識別マーク、商品識
別色等、機能上必要な文字や記号、あるいは商品価値を
高めるために印刷を施すことができる。または、これら
の印刷を施した少なくとも縦方向に延伸したシュリンク
フィルムやラベルやレーベルを本発明の成形品に貼り付
けたり、熱収縮させ取付けた写真感光材料包装体として
もよい。これらの印刷に使用されるインキとしては、写
真感光材料に無害なものが選ばれ、一般に使用されてい
るオフセット印刷用インキ、グラビア印刷用インキ又は
UVインキ等から選ぶことができる。
【0330】これらのインキに使用される代表的な合成
樹脂は、塩化ビニルを主体とする共重合体樹脂、ビニル
・アミノ樹脂、アルキド・ビニル樹脂、オイルフリーア
ルキド樹脂、塩酢ビ系、硝化綿、ポリエステル、ポリア
ミドウレタン、ポリアクリル、ロジン変性マレイン酸、
エチレン酢ビ、ビニールエーテル、ウレタン酢ビ、塩酢
ビウレタン樹脂、変性アルキッド樹脂、変性フェノール
樹脂、高分子ポリエステル・アミノ樹脂、低分子ポリエ
ステル・アミノ樹脂、アルカリ可溶型樹脂(ロジン変性
マレイン酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、スチレンア
クリル酸樹脂、アクリル酸エステルアクリル酸樹脂、メ
タクリル酸エステルアクリル酸樹脂)、ハイドロゾル型
樹脂(スチレンマレイン酸樹脂、スチレンアクリル酸樹
脂、α−メチルスチレンアクリル酸樹、アクリル酸エス
テルアクリル酸樹脂、メタクリル酸エステルアクリル酸
樹脂)、エマルジョン型樹脂(スチレン樹脂、スチレン
アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹
脂、メタクリル酸エステル共重合樹脂)、VUインキ用
の樹脂としては、アクリル系不飽和基を持つポリマーが
一般的に使用されており、代表的な例としてはポリエス
テル/アクリル酸エステル、ポリエステル/ウレタン樹
脂/アクリル酸エステル、エポキシ樹脂/アクリル酸エ
ステル、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ヘキサンジオー
ルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロ
キシエチレンメタクレートが挙げられる。
【0331】また、これらのインキには一般に知られて
いる着色剤が併用される。使用される着色剤としては、
特開昭63−44653号公報等に記載されている各種顔料及
びアゾ顔料(アゾレーキ;カーミン6B、レッド2B、
不溶性アゾ;モノアゾイエロ(PY−1、3)、ジスア
ゾイエロ(PY−12、13、14、17、83)、ピラゾロオレ
ンジ(PO−B−34)、バルカンオレンジ(PO−1
6)、縮合アゾ系;クロモフタルイエロ(PY−93、9
5)、クロモフタルレッド(PR−144、166)、多環式
顔料(フタロシアニン系;銅フタロシアニンブルー(P
B−15、15−1、15−3)、銅フタロシアニングリーン
(PG−7)、シオキサジン系;ジオキサジンバイオレ
ット(PV−23)、イソインドリノン系;イソインドリ
ノンイエロ(PY−109、110)、スレン系;ペリレン、
ペリノン、フラバントロン、チオインジゴ、レーキ顔料
(マラカイトグリーン、ローダミンB、ローダミンG、
ビクトリアブルーB)又無機顔料(酸化物;二酸化チタ
ン、ベンガラ、硫酸塩;沈降性硫酸バリウム、炭酸塩;
沈降性炭酸カルシムウ、珪酸塩;含水珪酸塩、無水珪酸
塩、金属粉;アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛末、そ
の他カーボンブラック、黄鉛、群青、紺青)等が挙げら
れる。またこれ等の顔料は遮光性物質として前述の樹脂
層等に添加しても構わない。この他に油溶性染料、分散
性染料等も使用される。代表的な染料を大別するとアゾ
染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、フタロシア
ニン染料、カルボニル染料等がある。その他インキを構
成する原材料として必要に応じて各種溶剤、分散剤、湿
潤剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、安定剤、架橋
剤、ワックス等の添加剤が使用される。これらのインキ
組成物として用いられる合成樹脂や着色剤は塗料として
成形品の表面に塗布して商品価値の向上、耐摩耗性の向
上、遮光性の向上、写真性良化等の目的で用いることも
好ましい。
【0332】さらに本発明の写真感光材料用包装材料の
商品価値向上、印刷インキの印刷が美しく、且つ彩える
ようにする目的でベースコート層やトップコート層とし
て各種の塗料を塗布することができる。この塗料用樹脂
と顔料については前記記載のインキ用のものを用いるこ
とが出来るが特にUV塗料、メラミンアルキド塗料、ウ
レタン塗料、メラミン塗料が好ましい。トップコート層
は透明なラッカー塗料、シリコーン系塗料、ウレタン塗
料、アクリルラッカー塗料を厚さ0.1〜30μm、好まし
くは0.3〜20μm、特に好ましくは0.5〜10μmの薄層で
塗布することが好ましい。
【0333】本発明の写真感光材料用包装材料が適用可
能な写真感光材料を以下に示す。 (1) ハロゲン化銀写真感光材料(印刷用フィルム、カラ
ーまたは白黒印画紙、カラーまたは白黒ネガフィルム、
印刷用マスター紙、DTR(拡散転写)感光材料、電算
写植フィルム及びペーパー、カラーまたは白黒ポジフィ
ルム、カラーリバーサルフィルム、マイクロフィルム、
映画用フィルム、自己現像型写真感光材料、直接ポジ型
フィルム及びペーパー等)
【0334】(2) 熱現像感光材料(熱現像カラー感光材
料、熱現像白黒感光材料(例えば特公昭43−4921号公
報、同43−4924号公報、「写真工学の基礎」銀塩写真編
(1879年コロナ社刊行)の553頁〜555頁及びリサーチ・
ティスクロージャー誌 1978年6月号9頁〜15頁(RD−
17029)等に記載されているもの。さらに、特開昭59−12
431号公報、同60−2950号公報、同61−52343号公報や米
国特許第4,584,267号明細書に記載されている転写方式
の熱現像カラー写真感光材料等))
【0335】(3) 感光・感熱性記録材料(特開平3−72
358号公報等に記載されているフォトサーモグラフィー
(感光・感熱画像形成方法)を用いた記録材料)
【0336】(4) ジアゾニウム写真感光材料(4−モル
フォリノベンゼンジアゾニウムマイクロフィルム、マイ
クロフィルム、複写用フィルム、印刷用版材等)
【0337】(5) アジド、ジアジド系写真感光材料(パ
ラアジドベンゾエード、4,4'ジアジドスチルベン等
を含む感光材料、例えば複写用フィルム、印刷用版材
等)
【0338】(6) キノンジアジド系写真感光材料(オル
ソーキノンジアジド、オルソーナフトキノンジアジド系
化合物、例えばベンゾキノン(1,2)−ジアジド−(2)
−4−スルフォン酸フェニルエーテル等を含む写真感光
材料、例えば印刷用版材、複写用フィルム、密着用フィ
ルム等)
【0339】(7) フォトポリマー(ビニル系モノマー等
を含む写真感光材料、印刷用版材、密着用フィルム等)
【0340】(8) ポリビニル桂皮酸エステル系感光材料
(例えば印刷用フィルム、IC用レジスト等)
【0341】これらの写真感光材料を長期間(6ヵ月以
上)写真性が良好な状態に維持できるように、本発明の
写真感光材料用包装材料を用いて包装体とする時に、写
真感光材料が透湿度(JIS Z 0208の条件Bで測定)
の値が20g/m2・24時間以下、好ましくは5g/m2
24時間以下、特に好ましくは2g/m2・24時間以下、
酸素透過度(モコン同圧測定法)の値が50cc/m2・24時
間・1気圧・20℃以下、好ましくは35cc/m2・24時間
・1気圧・20℃以下、特に好ましくは20cc/m2・24時
間・1気圧・20℃以下となるよう密封包装体とすること
が好ましい。
【0342】その他、各種の光や酸素や亜硫酸ガス等に
より変質、劣化する感光物質、例えば食品(バター、ピ
ーナッツ用袋、マーガリン、スナック製品、ツマミ、菓
子、お茶、ノリ等)、医薬品(胃腸薬、カゼ薬等の粉末
状、顆粒状の袋入薬品)、染料、顔料、写真現像薬品、
写真定着薬品、トナー等にも適用できる。
【0343】本発明の写真感光材料包装体は、上述した
写真感光材料用包装材料を用いて写真感光材料が透湿度
(JIS Z 0208の条件Bで測定)の値が10g/m2・24
時間以下、酸素透過度(モコン同圧測定法)の値が50cc
/m2・24時間・1気圧・20℃以下で密封包装されてい
ることを特徴として構成されている。
【0344】透湿度が10g/m2・24時間を越えると、水
分により劣化する増感色素やカプラーやハレーション防
止用色素や各種添加剤等を数多く含む写真感光材料の写
真性を長期間(6ヵ月以上)良好な状態に維持できな
い。さらに吸湿するとブロッキングしやすくなるゼラチ
ン層が支持体の表裏のいずれか一方または両方に存在す
る写真感光材料ではブロッキングが発生しやすくなり実
用化困難である。
【0345】酸素透過度が50cc/m2・24時間・1気圧・
20℃を越えると、酸素により劣化する増感色素やハレー
ション防止用色素やカプラーその他の酸化されやすい写
真感光材料の乳剤塗布層中の添加剤が劣化して写真性が
悪化するので実用化困難である。特にカラーバランスを
要求されるカラー写真感光材料(ネガフィルム、ポジフ
ィルム、印画紙、反転フィルム、オートポジフィルム、
インスタントフィルム等)では実用化不可である。
【0346】本発明の写真感光材料用包装材料の具体例
を図面に基づいて説明する。
【0347】図1から図7までは、写真感光材料用包装
材料の一つである写真感光材料用包装フィルムの部分断
面図である。
【0348】図1に示す写真感光材料用包装フィルム
は、本発明の写真感光材料用包装材料としての遮光性熱
可塑性樹脂フィルム層1aのみからなる単層フィルムで
形成されている。
【0349】図2(a)に示す写真感光材料用包装フィル
ムは、本発明の写真感光材料用包装材料としての遮光性
熱可塑性樹脂フィルム層1aと熱可塑性樹脂層2との2
層共押出しフィルムIIaで形成されている。
【0350】図2(b)に示す写真感光材料用包装フィル
ムは、本発明の写真感光材料用包装材料としての遮光性
熱可塑性樹脂フィルム層1aと遮光性を有する熱可塑性
樹脂層2aとの2層共押出しフィルムIIaで形成されて
いる。
【0351】図3に示す写真感光材料用包装フィルム
は、本発明の写真感光材料用包装材料としての遮光性熱
可塑性樹脂フィルム層1aと中間層3と熱可塑性樹脂層
2との3層共押出しフィルムIIIaで形成されている。
【0352】図4(a)に示す写真感光材料用包装フィル
ムは、2枚の上記図2(a)に記載の2層共押出しフィル
ムIIaを熱可塑性樹脂層2,2同士をブロッキングBに
より接着した積層フィルムIVaで形成されている。
【0353】図4(b)に示す写真感光材料用包装フィル
ムは、2枚の上記図2(b)に記載の2層共押出しフィル
ムIIaを遮光性を有する熱可塑性樹脂層2a,2a同士
をブロッキングBにより接着した積層フィルムIVaで形
成されている。
【0354】図5に示す写真感光材料用包装フィルム
は、上記遮光性熱可塑性樹脂フィルム層1aに接着層4
を介してフレキシブルシート層5を積層した積層フィル
ムで形成されている。
【0355】図6に示す写真感光材料用包装フィルム
は、上記遮光性熱可塑性樹脂フィルム層1a、二軸延伸
フィルム層6にアンカーコート層7を介して金属真空蒸
着層8を加工した金属蒸着二軸延伸フィルム層9及びレ
キシブルシート層5が、2つの接着層4を介して積層さ
れた積層フィルムで形成されている。
【0356】図7に示す写真感光材料用包装フィルム
は、上記遮光性熱可塑性樹脂フィルム層1a、金属箔10
及びフレキシブルシート層5が、2つの接着層4を介し
て積層された積層フィルムで形成されている。
【0357】図8(a)は、本発明の写真感光材料用包装
材料としての写真フィルムパトローネ用容器14の切断断
面図で、この写真フィルムパトローネ用容器14は、容器
本体15と蓋16とで構成されており、容器本体15及び蓋16
の両方が本発明の写真感光材料用包装材料である。
【0358】図8(b)は、本発明の写真感光材料用包装
材料としての他の写真フィルムパトローネ用容器14の実
施例断面図で、この写真フィルムパトローネ用容器14は
容器本体15と蓋16とで構成されており、容器本体15は、
上部開口部の内径(A+a)を底部の内径(A)よりaだ
け大きくしたテーパーを有するようにした。射出成形時
のコアを抜きやすくするためこのaの値は0.001〜2m
m、好ましくは0.01〜1.5mm、特に好ましくは0.02〜1m
m、最も好ましくは0.05〜0.5mmにする。この容器本体15
は本発明の写真感光材料用包装材料である。
【0359】図9は、本発明の写真感光材料用包装材料
としての写真フィルムパトローネ用容器14の斜視図で、
この写真フィルムパトローネ用容器14は容器本体15と蓋
16とが一体に形成され、これらが本発明の遮光性熱可塑
性樹脂組成物で形成されている。
【0360】図10は、本発明の写真感光材料用包装材料
としての写真フィルム用スプール20の正面図で、この写
真フィルム用スプール20全体が本発明の遮光性熱可塑性
樹脂組成物で形成されている。
【0361】図11(a)は、本発明の写真感光材料用包装
材料としての遮光性熱可塑性樹脂組成物で形成されてい
る樹脂製の写真フィルム用パトローネ17の分解斜視図
で、この写真フィルム用パトローネ17は、パトローネ本
体を構成する上部ケース18及び下部ケース19と、装填さ
れる写真フィルムを巻きつけたスプール20とで構成され
ている。そして、上部ケース18及び下部ケース19及びス
プール20が本発明の写真感光材料用包装材料である。リ
サイクル適性を考慮するとスプール20、上部ケース18、
下部ケース19すべてが同一又は同種の樹脂組成物で形成
されていることが好ましい。図11(b)は、特定寸法の印
刷付き写真フィルム用パトローネ17の斜視図でパトロー
ネ本体とパトローネキャップは金属で構成し、装填され
る写真フィルムを巻きつけるスプールは図11(a)と同じ
本発明の写真感光材料用包装材料である。
【0362】図12は、本発明の写真感光材料用包装材料
としてのレンズ付きフィルムユニット21の分解斜視図
で、このレンズ付きフィルムユニット21は、写真フィル
ムを巻きつけたスプール20を光密に収納する写真フィル
ム用パトローネ17をさらに光密に収納するための下部ケ
ース22と、この下部ケース22を遮光的に密封する上部ケ
ース23とで構成され、これらスプール20と下部ケース22
及び上部ケース23が本発明の遮光性熱可塑性樹脂組成物
で形成されている。リサイクル適性を考慮すると写真フ
ィルム用パトローネ17、スプール20、上部ケース23、下
部ケース22すべてが同一又は同種の樹脂組成物で形成さ
れていることが好ましい。
【0363】図13は、本発明の写真感光材料用包装材料
としてのマイクロフィルム等の写真フィルム用遮光ケー
ス24の断面図で、写真フィルム用遮光ケース24は、容器
本体15と蓋16が一体に構成されている。
【0364】図14は、本発明の写真感光材料用包装材料
としての写真フィルム用カートリッジ25の分解斜視図
で、この写真フィルム用カートリッジ25は、下部ケース
26及び上部ケース27と、これらに装填されるスプール28
とで構成されており、スプール28と下部ケース26及び上
部ケース27が本発明の遮光性熱可塑性樹脂組成物で形成
されている。リサイクル適性を考慮するとスプール28、
下部ケース26及び上部ケース27すべてが同一又は同種の
樹脂組成物で形成されていることが好ましい。
【0365】図15は、本発明の写真感光材料用包装材料
としての遮光性熱可塑性樹脂フィルム層を用いた帯状写
真感光材料包装体の包装過程を示す図である。この図に
おいて、符号29は帯状写真感光材料、符号30は熱可塑性
樹脂フィルムガイド部材、符号31は遮光性熱可塑性樹脂
樹脂フィルムカバー部材、符号32はヒートシール、接着
剤、接合テープ等を用いた接合部、符号33は巻芯、符号
34は密封包装用ブッシュである。
【0366】
【作用】本発明の写真感光材料用包装材料では、重量平
均分子量が10,000未満の有機化合物が樹脂の流動性を良
化したり、遮光性物質等の添加剤の分散性を良化し、滑
性や帯電防止性を良化させている。二種以上の酸化防止
剤が有機化合物と熱可塑性樹脂の熱劣化を防止してミク
ログリッドの発生や樹脂焼けの発生を防止し、写真性を
良好にしている。熱可塑性樹脂が物理強度、寸法安定性
等を優れたものにしている。
【0367】
【実施例】
〔本発明品1〜10及び比較品1〜4〕MFR(ASTM
D−1238のE条件)が2.5g/10分、密度(ASTM D−
1505)が0.925g/cm3のエチレン・オクテン−1共重合
体樹脂(数平均分子量32,500)、フェノール系酸化防止
剤、ホスファイト系酸化防止剤、ラジカル捕獲剤、含水
複塩化合物、酸化防止相乗効果剤、ファーネスカーボン
ブラック、数平均分子量が10,000未満の有機化合物であ
るエルカ酸アミド(分子量338)、ステアリン酸マグネシ
ウム(分子量591)、ソルビタンモノステアレート(数平均
分子量448)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体樹
脂、MFRが2.8g/10分、密度が0.918g/cm3の高圧
法分岐状ホモポリエチレン樹脂(数平均分子量23,500)
からなる樹脂組成物で、厚さ70μmの遮光性ポリオレフ
ィン系樹脂インフレーションフィルムを作成した。
【0368】そして、ミクログリッドの発生と写真感光
材料(カラー印画紙)に対する写真感光材料に対する悪
影響(写真性)とを調査した。
【0369】各成分の重量及び結果を表4に示す。
【0370】
【表4】
【0371】評価は下記による。 ◎:非常に優れている。 ○:優れている。 ●:可(実用限度内) ▲:問題あり、改良必要 ×:実用不可
【0372】評価方法は下記による。 ※ミクログリッドの発生 各遮光性ポリオレフィン系樹脂インフレーションフィル
ムに発生したミクログリッドをA4サイズで目視検査し
て評価。
【0373】※写真性 各遮光性ポリオレフィン系樹脂インフレーションフィル
ムを用いて作成した平袋にカラー印画紙を完全密封した
状態で50℃、80%RHの恒温恒湿室に3日間放置後現像
・定着処理し感光度、諧調、濃度、カブリ(Fog)等の
変化をタイプ品(50℃、80%RH処理剤の印画紙)との
比較により評価。
【0374】〔本発明品A〜I及び比較品A〜E〕MF
R(ASTM D−1238のE条件)が25g/10分、密度が
0.980g/cm3のホモポリエチレン樹脂(数平均分子量8
7,000)、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸
化防止剤、ラジカル捕獲剤、含水複塩化合物、数平均分
子量が10,000未満の有機化合物のオレイン酸アミド(分
子量282)、グリセリンモノステアレート(数平均分子量
358)とエチレングリコールモノステアレート(数平均分
子量328)の1:1の混合物、低分子量ポリエチレン樹
脂(数平均分子量1870)、有機造核剤として1・3,2
・4−ジ(パラメチルベンジリデン)ソルビトール(新
日本理化KK製ゲルオールMD)、樹脂中のハロゲン化
合物を中和して写真性に悪影響を及ぼさない作用をする
ステアリン酸亜鉛(数平均分子量632)からなる樹脂組成
物を、押出機を用いて190℃で造粒しペレットを製造し
た。
【0375】得られたペレットを用いて、型締圧200t
のトグル式射出成形機とキャビティ数36ヶのホットラン
ナー型式の金型を用い、樹脂温度210℃、成形サイクル
7秒で図8(b)に示す写真フィルム用容器を射出成形法
により作製した。
【0376】そして、ミクログリッドの発生、写真感光
材料(カラーネガフィルムISO感度400)に対する写
真感光材料に対する悪影響(写真性)、黄色度、樹脂焼
け発生及び成形故障を調査した。
【0377】各成分の重量及び結果を表5に示す。
【0378】
【表5】
【0379】評価は表4と同一である。評価方法は以下
による。
【0380】※ミクログリッドの発生 型締圧200tのトグル式射出成形機とキャビティー数36ヶ
のホットランナー型式の金型を用い、樹脂温度210℃、
成形サイクル7秒で図8(b)に示す写真フィルム用容器
を2000ショット射出成形した時に写真フィルム用容器に
発生したミクログリッドの発生度合を外観目視検査によ
り判定。
【0381】※写真性 JIS 135型のISO感度400の24枚撮り35mmネガカラ
ー写真フィルムを同一の写真フィルム用スプールに巻き
つけたものを写真フィルム引出口に遮光テレンプを設け
た金属製の従来から用いている同一の写真フィルム用パ
トローネに光密に包装したものを各プラスチック製写真
フィルム用容器に密封後、20℃、60%RHの恒温恒湿室
に1年放置後に現像処理し、当初の写真性(カブリ、感
度、諧調、色バランス)との差の度合を測定し判定。差
が小さいものほど良好である。
【0382】※黄色度 上記ミクログリッドの発生試験で成形した写真フィルム
用容器を白灯下の20℃、60%RHの恒温恒湿室に3ヶ月
放置後の黄変度を成形直後の写真フィルム用容器との黄
色の差の度合を測定し判定。差が小さいものほど良好で
ある。
【0383】※樹脂焼け発生 型締圧200tのトグル式射出成形機とキャビティー数36ヶ
のホットランナー型式の金型を用い、樹脂温度210℃、
成形サイクル7秒で図8(b)に示す写真フィルム用容器
を2000ショット射出成形した時に写真フィルム用容器に
発生した樹脂焼けの発生度合を外観目視検査により判
定。
【0384】※成形故障 上記樹脂焼け発生度合検査試料各2000ショット分の写真
フィルム用容器に発生したショートショット、フランジ
変形、強度のウェルドラインの成形故障を全数目視検査
した時の不良の発生度合より判定。
【0385】なお、紫外性吸収剤として2−ヒドロキシ
−4−メトキジベンゾフェノン又は2−(2'−ヒドロキ
シ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾールを0.1重量部添加した場合は、
白灯下又は太陽光下に長期間放置された場合であって
も、黄色度が小さく、透明度の低下が少ない好ましいも
のであった。
【0386】〔本発明品I〜IX及び比較品I〜V〕数平
均分子量が10,000以上の連続バルク重合法により製造し
た合成ゴムであるブタジエンゴムを3〜20重量%含むM
FRが5〜40g/10分のゴム含有ポリスチレン樹脂(数
平均分子量88,700)、フェノール系酸化防止剤、ホスフ
ァイト系酸化防止剤、ラジカル捕獲剤、含水複塩化合
物、数平均分子量が10,000未満の有機化合物であるジメ
チルポリシロキサン(25℃の粘度20,000センチストーク
ス)、グリセリンモノステアレート(数平均分子量358)
とエチレングリコールモノステアレート(数平均分子量3
28)の1:1の混合物、低分子量ポリエチレン樹脂(数
平均分子量1820)、ステアリン酸カルシウム(数平均分
子量607)、ファーネスカーボンブラックからなる樹脂
組成物を、押出機を用いて190℃で造粒しペレットを製
造した。
【0387】得られたペレットを用いて、型締圧200t
のトグル式射出成形機とキャビティ数36ヶのセミホット
ランナー型式の金型を用い、樹脂温度210℃、成形サイ
クル8秒で図10に示す写真フィルム用スプールを射出成
形法により作製した。
【0388】そして、ミクログリッドの発生、写真感光
材料(カラーネガフィルムISO感度400)に対する写
真感光材料に対する悪影響(写真性)、樹脂焼け発生、
成形故障及び遮光性向上能力を調査した。
【0389】各成分の重量及び結果を表6に示す。
【0390】
【表6】
【0391】評価は表4と同一である。評価方法は以下
による。
【0392】※ミクログリッドの発生 型締圧200tのトグル式射出成形機とキャビティー数36ヶ
のセミホットランナー型式の金型を用い、樹脂温度210
℃、成形サイクル8秒で図10に示す写真フィルム用スプ
ールを2000ショット射出成形した時に写真フィルム用ス
プールに発生したミクログリッド(ブツ)の発生度合を
外観目視検査により判定。
【0393】※写真性 JIS 135型のISO感度400の24枚撮り35mmネガカラ
ー写真フィルムを各写真フィルム用スプールに巻きつけ
たものを写真フィルム引出口に遮光テレンプを設けた金
属製の従来から用いている写真フィルム用パトローネに
光密に包装したものをプラスチック製写真フィルム用容
器に密封後、20℃、60%RHの恒温恒湿室に1年放置後
に現像処理し、当初の写真性(カブリ、感度、諧調、色
バランス)との差の度合を測定し判定。差が小さいもの
ほど良好である。
【0394】※樹脂焼け発生 型締圧200tのトグル式射出成形機とキャビティー数36ヶ
のセミホットランナー型式の金型を用い、樹脂温度210
℃、成形サイクル8秒で図10に示す写真フィルム用スプ
ールを2000ショット射出成形した時に写真フィルム用ス
プールに発生した樹脂焼けの発生度合を外観目視検査に
より判定。
【0395】※成形故障 上記樹脂焼け発生度合検査試料各2000ショット分の写真
フィルム用スプールに発生したショートショット、フラ
ンジ変形、強度のウェルドラインの成形故障を全数目視
検査した時の不良の発生度合より判定。
【0396】※遮光性向上能力 長さ10mごとに厚さを0.1mmずつ厚くした階段状の厚さ
変化させた幅5cm×長さ10cmのサンプルを各樹脂組成物
を用いて樹脂温度210℃で射出成形により作成し、完全
遮光性を確保できる厚さを光透過率(ASTM D−100
3により測定)測定値より判定。
【0397】なお、上記ポリスチレン樹脂100重量部の
代わりに、MFR40g/10分、分子量分布4.7のプロピレ
ンエチレンランダム共重合体樹脂80重量%とMFR15g
/10分、密度0.925g/cm3、分子量分布3.8のエチレン
・ブテン−1共重合体樹脂20重量%とをブレンドしたポ
リオレフィン系樹脂100重量部を用いた場合も、略同様
の良好な結果が得られた。
【0398】また、上記樹脂組成物を用いてパトローネ
本体(図10)、レンズ付きフィルムユニット(図12)を
作成した場合も略同様の良好な結果が得られた。 <実施例に特有の効果>
【0399】
【発明の効果】本発明は、ミクログリットの発生を減少
させ、写真性の劣化を減少させ、黄色度が減少し外観が
良好になり、樹脂焼け故障の発生がなく連続無人成形が
可能になり、成形故障がほとんど発生せず、透明な写真
感光材料用包装材料として非常に優れているだけでなく
ピンホールの発生がなくなり遮光性物質を含む遮光性写
真感光材料用包装材料の場合は遮光性物質の分散性も良
好であり完全遮光性を常に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の写真感光材料用包装材料の実施例で
ある写真感光材料用包装フィルムの部分断面図である。
【図2】 (a)及び(b)は、本発明の写真感光材料用包装
材料の実施例である写真感光材料用包装フィルムの部分
断面図である。
【図3】 本発明の写真感光材料用包装材料の実施例で
ある写真感光材料用包装フィルムの部分断面図である。
【図4】 (a)及び(b)は、本発明の写真感光材料用包装
材料の実施例である写真感光材料用包装フィルムの部分
断面図である。
【図5】 本発明の写真感光材料用包装材料の実施例で
ある写真感光材料用包装フィルムの部分断面図である。
【図6】 本発明の写真感光材料用包装材料の実施例で
ある写真感光材料用包装フィルムの部分断面図である。
【図7】 本発明の写真感光材料用包装材料の実施例で
ある写真感光材料用包装フィルムの部分断面図である。
【図8】 (a)は本発明の写真感光材料用包装材料の実
施例である身蓋別体型の写真フィルムパトローネ用容器
の断面図である。(b)は本発明の写真感光材料用包装材
料成形品の実施例である身蓋別体型の他の写真フィルム
パトローネ用容器の断面図である。
【図9】 本発明の写真感光材料用包装材料の実施例で
ある身蓋一体角型の写真フィルムパトローネ用容器の断
面図である。
【図10】 本発明の写真感光材料用包装材料の実施例で
ある写真フィルム用スプールの正面図である。
【図11】 (a)は本発明の写真感光材料用包装材料の実
施例である樹脂製の写真フィルム用パトローネの分解斜
視図である。(b)は本発明の写真感光材料用包装材料の
実施例である樹脂製の写真フィルム用パトローネの斜視
図である。
【図12】 本発明の写真感光材料用包装材料の実施例で
あるレンズ付きフィルムユニットの分解斜視図である。
【図13】 本発明の写真感光材料用包装材料の実施例で
ある身蓋一体角形の写真フィルム用ケースの断面図であ
る。
【図14】 本発明の写真感光材料用包装材料の実施例で
ある写真フィルム用カートリッジの分解斜視図である。
【図15】 本発明の写真感光材料用包装材料の実施例で
ある遮光性熱可塑性樹脂フィルム層を具備した遮光性フ
ィルムを用いた帯状写真感光材料包装体の包装過程を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1a…遮光性熱可塑性樹脂フィルム層(写真感光材料用
包装材料) 2,2a…熱可塑性樹脂層 3…中間層 4…接着層 5…フレキシブルシート層 9…金属蒸着二軸延伸フィルム層 10…金属箔 a…遮光性物質を含むことを示す
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 3/00 Q S 510 B 585 C B65D 81/30 C // B65D 65/40 A

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量が10,000未満の有機化合物
    の1種又は2種以上を合計量0.001〜45重量%、二種以
    上の酸化防止剤を合計量0.002〜1.00重量%、数平均分
    子量が10,000以上の熱可塑性樹脂の1種又は2種以上を
    合計量50重量%以上含む樹脂組成物からなる写真感光材
    料用包装材料
  2. 【請求項2】 樹脂組成物が、樹脂劣化防止剤であるラ
    ジカル捕獲剤、含水複塩化合物及び酸化防止相乗効果剤
    の中の少なくとも1種又は2種以上を合計量0.001〜5.0
    重量%含んでいる請求項1に記載の写真感光材料用包装
    材料
  3. 【請求項3】 数平均分子量が10,000未満の有機化合物
    の1種又は2種以上を合計量0.001〜45重量%、フェノ
    ール系酸化防止剤の1種又は2種以上を合計量0.002〜0.
    5重量%、カーボンブラックを合計量0.01〜40重量%、
    数平均分子量が10,000以上の熱可塑性樹脂の1種又は2
    種以上を合計量50重量%以上含む樹脂組成物からなる写
    真感光材料用包装材料
  4. 【請求項4】 数平均分子量が10,000未満の有機化合物
    である滑剤、有機造核剤、帯電防止剤、防滴剤、低分子
    量熱可塑性樹脂、相溶化剤、芳香剤及び吸水性樹脂の1
    種又は2種以上を合計量0.001〜45重量%、分子量が350
    以上のフェノール系酸化防止剤の1種又は2種以上を合
    計量0.001〜0.50重量%、ホスファイト系酸化防止剤の1
    種又は2種以上を合計量0.001〜0.50重量%、数平均分
    子量が10,000以上の熱可塑性樹脂の1種又は2種以上を
    合計量50重量%以上含み、かつ前記フェノール系酸化防
    止剤及びホスファイト系酸化防止剤の合計量が0.002〜
    1.00重量%である樹脂組成物からなる写真感光材料用包
    装材料
  5. 【請求項5】 樹脂組成物がLarsenの油浸法で測定した
    屈折率が1.50以上の無機顔料の1種又は2種以上を合計
    量0.01〜40重量%含んでいる請求項1または請求項4に
    記載の写真感光材料用包装材料
  6. 【請求項6】 数平均分子量が10,000未満の脂肪酸アミ
    ド系滑剤、ジメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロ
    キサン化合物、脂肪酸金属塩及び帯電防止剤の1種又は
    2種以上を合計量0.001〜45重量%、フェノール系酸化
    防止剤の1種又は2種以上を合計量0.001〜0.50重量
    %、ホスファイト系酸化防止剤の1種又は2種以上を合
    計量0.001〜0.50重量%、数平均分子量が10,000以上の
    熱可塑性樹脂の1種又は2種以上を合計量50重量%以上
    含み、かつ前記フェノール系酸化防止剤及びホスファイ
    ト系酸化防止剤の合計量が0.002〜1.00重量%である樹
    脂組成物からなる写真感光材料用包装材料
  7. 【請求項7】 少なくとも滑剤の1種又は2種以上と有
    機造核剤の1種又は2種以上から成る数平均分子量が10,
    000未満の2種以上の有機化合物を合計量0.001〜45重量
    %、フェノール系酸化防止剤及び/又はホスファイト系
    酸化防止剤の中から選択された2種以上の酸化防止剤を
    合計量0.002〜1.00重量%、数平均分子量が10,000以上
    のポリオレフィン系樹脂の1種又は2種以上を合計量50
    重量%以上含むポリオレフィン系樹脂組成物からなる写
    真感光材料用包装材料
  8. 【請求項8】 少なくとも脂肪酸アミド系滑剤及び/又
    は脂肪酸金属塩系滑剤(=金属石けん)及び/又はシリ
    コーン系滑剤の中の少なくとも1種以上の滑剤の合計量
    が0.001〜10重量%、有機造核剤の1種又は2種以上の
    合計量が0.005〜5.0重量%を含め数平均分子量が10,000
    未満の有機化合物を0.01〜35重量%、フェノール系酸化
    防止剤及び/又は燐系酸化防止剤の2種以上の酸化防止
    剤の合計量が0.002〜1.00重量%、数平均分子量が10,00
    0以上、メルトフローレート(ASTM D−1238のE条
    件)が15〜50g/10分、密度(ASTM D−1505)が
    0.940〜0.985g/cm3、曲げ剛性(ASTM D−747)
    が10,000kg/cm2以上のホモポリエチレン樹脂及び/又
    はエチレン・α−オレフィン(炭素数3〜10個)共重合
    体樹脂を50重量%以上含む樹脂組成物からなる写真感光
    材料用包装材料
  9. 【請求項9】 少なくとも脂肪酸アミド系滑剤及び/又
    は炭化水素系滑剤及び/又はシリコーン系滑剤の1種以
    上の滑剤の合計量が0.001〜5.0重量%を含め数平均分子
    量が10,000未満の有機化合物を0.001〜45重量%、酸化
    防止剤、ラジカル捕獲剤、含水複塩化合物、酸化防止相
    乗効果剤及び脂肪酸金属塩の中の少なくとも2種以上の
    樹脂劣化防止剤の合計量が0.001〜5.0重量%、数平均分
    子量が10,000以上の熱可塑性樹脂のメルトフローレート
    (JIS K 6870)が3〜50g/10分、密度(JIS
    K 6871)が1.02〜1.07g/cm3、曲げ弾性率(ASTM
    D−790)が20,000〜35,000kg/cm2であってゴム状物質
    を0.5〜20重量%含有するゴム含有スチレン系樹脂50重
    量%以上、遮光性物質が0.01〜10重量%含まれている樹
    脂組成物からなる写真感光材料用包装材料
  10. 【請求項10】 樹脂組成物が含水複塩化合物であるハイ
    ドロタルサイト類化合物を0.001〜5.0重量%含んでいる
    請求項1、8又は9記載の写真感光材料用包装材料
  11. 【請求項11】 ゴム含有スチレン系樹脂が塊状重合方法
    又は懸濁重合方法で合成ゴムをスチレン樹脂にグラフト
    重合した合成ゴムグラフト変性ポリスチレン樹脂である
    請求項1又は9記載の写真感光材料用包装材料
  12. 【請求項12】 脂肪酸金属塩系滑剤0.01〜10重量%と脂
    肪酸アミド系滑剤0.001〜1.0重量%を含む数平均分子量
    が10,000未満の有機化合物を合計量0.001〜45重量%、
    フェノール系酸化防止剤を0.001〜0.50重量%とホスフ
    ァイト系酸化防止剤0.001〜0.5重量%を含む二種以上の
    酸化防止剤を合計量0.002〜1.00重量%、紫外線吸収剤
    とラジカル捕獲剤及び含水複塩化合物の1種又は2種以
    上を合計量0.001〜5.0重量%、数平均分子量が10,000以
    上の熱可塑性樹脂としてメルトフローレート(ASTM
    D−1238、温度190℃、荷重2.16kgのE条件で測定した
    値)が5〜60g/10分、密度(ASTM D−1505)が
    0.940〜0.985g/cm3、曲げ剛性(ASTM D−747)
    が6000kg/cm2以上、ビカット軟化点(ASTM D−15
    25)が110℃以上のホモポリエチレン樹脂及びエチレン・
    α−オレフィン共重合体樹脂の1種又は2種以上を合計
    量50重量%以上含む樹脂組成物からなる写真感光材料用
    包装材料
  13. 【請求項13】 脂肪酸金属塩系滑剤0.01〜10重量%と脂
    肪酸アミド系滑剤0.001〜1.0重量%を含む数平均分子量
    が10,000未満の有機化合物を合計量0.001〜45重量%、
    フェノール系酸化防止剤を0.001〜0.50重量%とホスフ
    ァイト系酸化防止剤0.001〜0.5重量%を含む二種以上の
    酸化防止剤の1種又は2種以上を合計量0.002〜1.00重
    量%、ラジカル捕獲剤と含水複塩化合物と紫外線吸収剤
    と酸化防止相乗効果剤の1種又は2種以上を合計量0.00
    1〜5.0重量%、数平均分子量が10,000以上の熱可塑性樹
    脂としてメルトフローレート(ASTM D−1238、温
    度230℃、荷重2.16kgの条件で測定した値)が10〜80g
    /10分、密度(ASTM D−1505)が0.88〜0.91g/c
    m3、曲げ弾性率(ASTM D−790)が8000kg/cm2
    上、ビカット軟化点(ASTM D−1525)が115℃以上
    のホモポリプロピレン樹脂及びプロピレン・エチレン共
    重合体樹脂の1種又は2種以上を合計量60重量%以上含
    む樹脂組成物からなる写真感光材料用包装材料
  14. 【請求項14】 写真感光材料と、この写真感光材料が適
    用された請求項1〜11記載の写真感光材料用包装材料
    と、この写真感光材料用包装材料を、この包装材料を用
    いて又は他の包装材料を用いて密封包装したJIS Z
    0208条件Bによる透湿度が15g/m2・24時間以下の防湿
    包装材料とを有することを特徴とする写真感光材料包装
  15. 【請求項15】 写真感光材料用包装材料の1〜50重量%
    がリサイクル熱可塑性樹脂を含んでいる請求項12記載の
    写真感光材料包装体
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001315778A (ja) * 2000-05-02 2001-11-13 Nippon Plapallet Co 合成樹脂製パレット
JP2013112385A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Sumitomo Bakelite Co Ltd 青果物用包装袋及び青果物包装体
JP2013193759A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 Sumitomo Bakelite Co Ltd 青果物用包装袋及び青果物包装体
JP2013249068A (ja) * 2012-05-30 2013-12-12 Sumitomo Bakelite Co Ltd 青果物用包装袋及び青果物包装体
JP2014024597A (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 Sumitomo Bakelite Co Ltd 青果物用包装袋および青果物包装体
JP2014172632A (ja) * 2013-03-08 2014-09-22 Sumitomo Bakelite Co Ltd 青果物用包装袋および青果物包装体

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