JPH09114050A - 写真感光材料包装用積層フィルムとこれを用いた写真感光材料用遮光袋並びにこれを用いた写真感光材料包装体 - Google Patents

写真感光材料包装用積層フィルムとこれを用いた写真感光材料用遮光袋並びにこれを用いた写真感光材料包装体

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JPH09114050A
JPH09114050A JP27282095A JP27282095A JPH09114050A JP H09114050 A JPH09114050 A JP H09114050A JP 27282095 A JP27282095 A JP 27282095A JP 27282095 A JP27282095 A JP 27282095A JP H09114050 A JPH09114050 A JP H09114050A
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photographic light
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JP27282095A
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English (en)
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Mutsuo Akao
睦男 赤尾
Osamu Suzuki
収 鈴木
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物理強度が大きく、カールが小さく、ヒ
ートシール性が優れ、破袋が発生せず、完全遮光性を常
に確保でき、各層の間の剥離が発生しない安価な写真感
光材料包装用積層フィルムを提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂を40〜99.9重量%、
遮光性物質を0.1〜60重量%含み、たて弾性係数が
50kg/mm2以上の中間層Aと、中間層の両面に設
けられた熱可塑性樹脂を50〜100重量%含み、たて
弾性係数が中間層の0.9倍以下である外層Bとを有す
る写真感光材料包装用積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は異なる種類の熱可塑性樹
脂組成物から成る3層以上の熱可塑性樹脂フィルム層を
直接又は接着層を介して積層した積層フィルムから成る
写真感光材料包装用積層フィルムとこれを用いた写真感
光材料用遮光袋並びにこれを用いた写真感光材料包装体
に関するものである。
【0002】
【発明の属する技術分野】写真感光材料用包装材料は種
々のタイプのものが広く実用化されており、その使途に
従って様々な性能が要求されている。
【0003】光に曝されるとその品質価値を失う写真感
光材料用包装材料としては光を完全に遮断する包装材料
が使用される。この場合、要求される特性としては包装
材料スリット適性、ガスバリヤ性、遮光性、防湿性、剛
性、物理強度(破断強度、引き裂き強度、衝撃穴あけ強
度、ゲルボテスト強度、摩耗強度等)、ヒートシール適
性(ヒートシール強度、カットシール性、ホットタック
性、夾雑物シール性等)帯電防止性、平面性、すべり特
性などが挙げられる。これらの諸特性を単一の合成樹脂
フィルム材料で兼ね備えることは非常に困難であり、従
来複数の合成樹脂フィルム層からなる積層フィルムが使
用されている。
【0004】例えば、特開昭63−85539号公報で
開示されている直鎖状低密度ポリエチレン樹脂フィルム
層と高密度ポリエチレン樹脂フィルム層とから成る2層
共押出しフィルムや、特開昭64−22544号公報で
開示されている多層共押出しインフレーションフィルム
の内層をブロッキングにより接着した擬似接着層を具備
したある程度柔軟な状態で接着した積層包装材料があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開昭63−85539号公報で開示された2層共押
出しフィルムは、フィルム厚さの30〜70%が特定M
Iと密度を有する遮光性物質を含む直鎖状低密度ポリエ
チレン樹脂フィルム層と、フィルム厚さの70〜30%
が特定MIと密度を有する高密度ポリエチレン樹脂フィ
ルム層よりなっているので、2層共押出しフィルムだけ
ではカールが大きく、タテ方向の引裂き強度が小さく写
真感光材料用包装材料としても又これを用いた写真感光
材料用遮光袋としても問題点を有するものであった。
【0006】また、特開昭64−22544号公報で開
示された積層包装材料は、ブロッキングによる接着が不
安定で他のフレキシブルシートとのラミネート工程や製
袋工程でブロッキングによる擬似接着が剥がれたり、冬
期又は冷却効果が大きくなるとブロッキングによる擬似
接着が発生せず剥がれやシワが発生し、また、気温の低
い時期に切断端部から剥離する場合があった。
【0007】本発明は以上の問題点を解決し、物理強度
が大きく、カールが小さく、ヒートシール性が優れ、破
袋が発生せず、完全遮光性を常に確保でき、各層の間の
剥離(以下、層間剥離という)が発生しない、安価な写
真感光材料包装用積層フィルムとこれを用いた写真感光
材料用遮光袋並びにこれを用いた写真感光材料包装体を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためなされたもので、本発明の写真感光材料包装用
積層フィルムは、熱可塑性樹脂を40〜99.9重量
%、遮光性物質を0.1〜60重量%含み、たて弾性係
数が50kg/mm2以上の中間層と、中間層の両面に
直接又は接着層を介して間接的に設けられた熱可塑性樹
脂を50〜100重量%含み、たて弾性係数が中間層の
0.9倍以下である外層とを有することを特徴として構
成されている。
【0009】本発明においては、中間層が、落下や他の
物体から衝撃を受けてもピンホールや破袋が発生するの
を防止して完全遮光性を確保する。さらに、被包装物が
重くても積層フィルムが伸びにくく、積層フィルムの伸
びによって生ずる薄層化による遮光能力低下を防止する
とともに、シワやカールを発生しにくくしている。ま
た、外層が、フィルム成形性を変化して、メルトフラク
チュアの発生を防止すると共に、積層フィルムに伸びを
付与して引裂き強度を優れたものにしている。また、完
全遮光性を確保するのに重大な働きをする中間層を他の
物体の衝撃から保護している。
【0010】
【発明の実施の形態】中間層のたて弾性係数は、外層の
たて弾性係数の1.2倍以上が好ましく、1.5倍以上
がより好ましく、2.0倍以上が最も好ましい。1.2
倍未満であると、落下や他の物体が衝撃をうけるとピン
ホールや破袋が発生しやすくなり、完全遮光性を確保す
ることが困難になる。
【0011】遮光性物質を多く含む層は同一熱可塑性樹
脂を用いた場合はヤング率にたて弾性係数が遮光性物質
を含まない層より大きくなる。中間層は遮光性物質を外
層の1.2倍以上含むことを必須としているので熱可塑
性樹脂のヤング率(たて弾性係数kg/mm2)が1.
2倍以上の熱可塑性樹脂を用いた中間層のヤング率は外
層1.2倍よりさらにヤング率が大きくなる。
【0012】従って当業者であれば熱可塑性樹脂のたて
弾性係数(kg/mm2)を明示すれば本発明の請求項
1及び2の積層フィルムを製造することはできるはずで
ある。
【0013】中間層の融点(示差走査熱量測定(以下、
DSCという)法で測定)は、外層の融点より5℃以上
大きいことが適当で、外層の融点より10℃以上大きい
ことが好ましく、外層の融点より15℃以上大きいこと
がより好ましく、外層の融点より20℃以上大きいこと
が最も好ましい。中間層の融点が外層の融点より5℃以
上大きくないと、ヒートソール適性や製袋適性が悪くヒ
ートスール部分にピンホールや破れが発生しやすくな
り、完全遮光性の確保が困難になる。中間層に用いる熱
可塑性樹脂のたて弾性係数としては、50kg/mm2
以上、好ましくは70kg/mm2以上、より好ましく
は90kg/mm2以上、最も好ましくは110kg/
mm2以上である。たて弾性係数が50kg/mm2未満
であると、落下や他の物体から衝撃を受けるとピンホー
ルや破袋が発生しやすくなり完全遮光性を確保すること
が困難になる。
【0014】上記たて弾性係数を満足する熱可塑性樹脂
としては、MFR(ASTM D 1238の条件温度1
90℃、荷重2.16kgで測定)が0.01〜5g/
10分、密度が0.955〜0.980g/cm3の高
密度ポリエチレン樹脂及びMFRが0.01〜10g/
10分のホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・αオレ
フィンブロック共重合体樹脂、プロピレン・αオレフィ
ンランダム共重合体樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン6
6樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂、ポリエスタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、
塩化ビニリデン樹脂等がある。これらの熱可塑性樹脂の
MFR測定条件の詳細を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】また、中間層は、DSC法による融点の絶
対値が120℃以上、好ましくは135℃以上、特に好
ましくは150℃以上であり、引張強さが2.1kg/
mm 2以上、好ましくは2.5kg/mm2以上、特に好
ましくは3.0kg/mm2以上、最も好ましくは3.
5kg/mm2以上であることが好ましい。融点の絶対
値が120℃未満であると、ヒートシール時の耐ピンホ
ール性、耐熱性等が不足して実用化困難になる。
【0017】また、引張強さが2.1kg/mm2未満
であると、落下や他の物体がら衝撃を受けるとピンホー
ルや破袋が発生しやすくなり、完全遮光性を確保するこ
とが困難になる。
【0018】上記融点の絶対値及び引張強さを満足する
熱可塑性樹脂としては、リサイクル性及び経済性を考慮
すると、MFR(ASTM D 1238の条件温度1
90℃、荷重2.16kgで測定)が0.01〜1.5
g/10分、密度が0.955〜0.980g/cm3
の高密度ポリエチレン樹脂、及び前記表1の測定条件の
MFRが0.01〜10g/10分の各種ポリプロピレ
ン樹脂(ホモ、ブロック共重合体、ランダム共重合
体)、ポリスチレン樹脂、ゴム入ポリスチレン樹脂ナイ
ロン6樹脂、ナイロン66樹脂、超高分子量ポリエチレ
ン樹脂及びこれらの樹脂を50重量%以上含む混合樹脂
が好ましい。中間層として最も好ましい熱可塑性樹脂は
前記表1の測定条件で測定したMFRが0.1〜10g
/10分のホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・αオ
レフィン(C26が好ましい)ブロック共重合体樹脂、
プロピレン・αオレフィン(C26が好ましい)ランダ
ム共重合体樹脂、上記特定特性の高密度ポリエチレン樹
脂、ナイロン66樹脂である。またはこれらの樹脂を5
0重量%以上含む混合樹脂である。
【0019】中間層の厚さは、10〜150μmが適当
で、好ましくは15〜120μm、より好ましくは20
〜100μm、最も好ましくは25〜80μmである。
中間層の厚さが10μm未満では、十分な物理強度が得
られず、落下や他の物体から衝撃を受けるとピンホール
や破袋が発生しやすくなり完全遮光性を確保することが
困難になる。また、厚さが150μmを超えると、フィ
ルム成形が困難になり、メルトフラクチュア(melt
fracture)が発生し、外観が悪化するだけで
なく高価になり実用化困難である。
【0020】外層の厚さは、0.1〜40μmが適当
で、好ましくは0.5〜30μm、より好ましくは1〜
20μm、最も好ましくは1.5〜10μmである。外
層の厚さが0.1μm未満であると、膜切れが発生し、
フィルム成形が困難である。また、厚さが40μmを超
えると、積層フィルム全体の厚さが大きくなりフィルム
成形が困難である。また、厚さが40μmを超えると、
積層フィルム全体おん厚さが大きくなりフィルム成形が
困難であり、且つメルトフラクチュア(meltfra
cture)が発生し外観が悪く実用化困難である。
【0021】中間層における遮光性物質の含有量は、
0.1〜60重量%が適当で、好ましくは0.5〜50
重量%、より好ましくは1〜40重量%、最も好ましく
は2〜30重量%である。遮光性物質の含有量が0.1
重量%未満であると、遮光性を確保する為には、層厚を
大きくすることが必要になり、その結果フィルム成形性
が悪化するだけなくメルトフラクチュア(melt f
racture)が発生し、外観を悪化させるので実用
化困難である。
【0022】遮光性物質の代表例を以下に示す。 (1) 無機化合物 A.酸化物…シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタ
ン、酸化鉄(鉄黒)、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸
化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチウムフ
ェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アル
ミナ繊維等 B.水酸化物…水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム C.炭酸塩…炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロ
マイト、ドーソナイト等 D.(亜)硫酸塩…硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫
酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等 E.ケイ酸塩…タルク、クレー、マイカ、アスベスト、
ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カ
ルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト等 F.炭素…カーボンブラック、グラファイト、炭素繊
維、炭素中空球等 G.その他…鉄粉、銅粉、鉛粉、アルミニウム粉、硫化
モリブデン、ポロン繊維、炭化ケイ素繊維、黄銅繊維、
チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜
鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナ
トリウム、アルミニウムペースト、タルク等
【0023】(2) 有機化合物 木粉(松、樫、ノコギリクズなど)、殻繊維(アーモン
ド、ピーナッツ、モミ殻など)、木綿、ジュート、紙細
片、セロハン片、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、
デンプン(変性デンプン、表面処理デンプンも含む)、
芳香族ポリアミド繊維等
【0024】これらの遮光性物質の中で、不透明化する
無機化合物が好ましく、特に、耐熱性、耐光性が優れ比
較的不活性な物質であるので、光吸収性のカーボンブラ
ックと窒化チタンとグラファイトが好ましい。
【0025】カーボンブラックの原料による分類例をあ
げるとガスブラック、ファーネスブラック、チャンネル
ブラック、アントラセンブラック、アセチレンブラッ
ク、ケッチェンカーボンブラック、サーマルブラック、
ランプブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジ
タブルブラック等がある。
【0026】実際の製品としては、例えば三菱化成製の
カーボンブラック#20(B),#30(B),#33
(B),#40(B),#41(B),#44(B),
#45(B),#50,#55,#100,#600,
#950,#1000,#2200(B),#2400
(B),MA8,MA11,MA100等が挙げられ
る。
【0027】海外の製品としては例えばキャボット社の
Black Pearls 2,46,70,71,7
4,80,81,607等、Regal 300,33
0,400,660,991,SRF−S等、Vula
can 3,6等、Sterling 10,SO,
V,S,FT−FF,MAT−FF等が挙げられる。
【0028】さらにアシュランドケミカル社のUnit
ed R,BB,15,102,3001,3004,
3006,3007,3008,3009,3011,
3012,XC−3016,XC−3017,3020
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0029】本発明では遮光性、コスト、物性向上の目
的ではファーネスカーボンブラックが好ましく、高価で
あるが帯電防止効果を有する遮光性物質としてはアセチ
レンカーボンブラック、変性副生カーボンブラックであ
るケッチェンカーボンブラックが好ましい。必要により
前者と後者を必要特性に従ってミックスすることも好ま
しい。遮光性物質を熱可塑性樹脂に配合する形態を大別
すると下記のようになる。
【0030】(1) 均一着色ペレット状(カラーコン
バウンドと言われる最もの一般的に用いられているも
の) (2) 分散性粉末状(ドライカラーとも呼ばれる、種
々の表面処理剤で処理し、さらに分散助剤を加えて微粒
子状に粉砕した粉末状のもの) (3) ペースト状(可塑剤等に分散させたもの) (4) 液状(リキッドカラーとも呼ばれる界面活性剤
等に分散した液状のもの) (5) マスターバッチペレット状(遮光性物質を着色
しようとするプラスチック中に高濃度に分散したもの) (6) 潤性粒粉末状(遮光性物質をプラスチック中に
高濃度に分散させたのち、粒粉末状に加工したもの) (7) 乾燥粉末状(普通の無処理の乾燥粉末状のも
の)
【0031】遮光性物質を熱可塑性樹脂に配合する形態
は上記のように種々あるが、マスターバッチ法がコス
ト、作業場の汚染防止等の点で好ましい。公知文献の特
公昭40−26196号公報では有機溶媒に溶解した重
合体の溶液中にカーボンブラックを分散せしめて、重合
体−カーボンブラックのマスターバッチをつくる方法
を、特公昭43−10362号公報にはカーボンブラッ
クをポリエチレンに分散してマスターバッチをつくる方
法を述べている。本発明人も特開昭63−186740
号公報で遮光性物質を特定エチレン・エチルアクリレー
ト共重合体樹脂に分散した着色マスターバッチ用樹脂組
成物を開示している。
【0032】本発明の写真感光材料包装用積層フィルム
として使用する上で写真感光材料にカブリを発生させる
ことなく、感光度の増減の発生が少なく、遮光能力が大
きく、熱可塑性樹脂、特に本発明で最も好ましいL−L
DPE樹脂フィルムに添加した場合でもカーボンブラッ
クの固り(ブツ)の発生やフィッシュアイ等フィルム中
にピンホールが発生しにくい点で、カーボンブラックの
中でも特にpH(JIS K 6221で測定)が6.
9〜9.0、平均粒子径(電子顕微鏡法で測定)が10
〜120mμ、揮発成分(JIS K 6221で測
定)が2.0%以下、DBP吸油量(JIS K 62
21の吸油量A法で測定)が50ml/100g以上、
ヨウ素吸着量(JIS K 6221で判定)が20m
l/g以上)のファーネスカーボンブラックが遮光性向
上と分散性向上、物理特性低下の少ない点で好ましい。
【0033】また、ASTM D 1619の測定方法
による硫黄成分は0.9%以下、好ましくは0.7%以
下、特に好ましくは0.5%以下にしないと写真性に悪
影響カブリの発生や増感を及ぼす。写真感光材料の写真
性に特に悪影響を及ぼす遊離硫黄成分は0.1%以下、
好ましくは0.05%以下、特に好ましくは0.01%
以下最も好ましくは0.05%以下の遮光性物質を選択
することが必要である。
【0034】カーボンブラックの次に好ましい遮光性物
質はLarsenの油浸法で測定した屈折率が1.50
以上の無機顔料と各種の金属粉末、金属フレーク、金属
ペースト、金属繊維及び炭素繊維である。好ましい屈折
率が1.50以上の無機顔料と金属粉末の代表例を以下
に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
( )内の数字は屈折率を示す。屈折率が1.50以上
の無機顔料としては、ルチル型酸化チタン(2.7
5)、炭化ケイ素(2.67)、アナターゼ型酸化チタ
ン(2.52)、酸化亜鉛(2.37)、酸化アンチモ
ン(2.35)、鉛白(2.09)、亜鉛華(2.0
2)、リトポン(1.84)、ジルコン(1.80)、
コランダム(1.77)、スピネール(1.73)、ア
パタイト(1.64)、バライト粉(1.64)、硫酸
バリウム(1.64)、マグネサイト(1.62)、ド
ロマイト(1.59)、炭酸カルシウム(1.58)、
タルク(1.58)、硫酸カルシウム(1.56)、無
水ケイ酸(1.55)、石英粉(1.54)、水酸化マ
グネシウム(1.54)、塩酸性炭酸マグネシウム
(1.52)、アルミナ(1.50)等がある。特に好
ましいものは、屈折率が1.56以上、最も好ましいも
のは1.60以上の遮光性物質である。
【0035】屈折率が1. 50 未満のケイ酸カルシウ
ム(1.46)、ケイ藻土(1.45)、含水ケイ酸
(1.44)等は遮光能力が小さいので多量の添加が必
要で遮光性物質としての使用は好ましくない。また、最
近の海外旅行ブームにより空港での手荷物検査でX線を
用いた検査機にISO感度が400以上の高感度写真フ
ィルムを通過させるとX線によりカブリが発生しやすく
なる。これを防止するために比重が3.1以上、好まし
くは3.4以上の遮光性物質を用いることが好ましい。
比重が3.1以上、好ましくは3.4以上、特に好まし
くは4.0以上の遮光性以外にX線遮断性を有する遮光
性物質の形態は以下に代表例を例示したものに限定され
ず、いかなる形態、例えば顔料、粉末、フレーク、ウィ
スカー、ファイバー等であってよい。比重が3.1以上
の遮光性物質としては炭化ケイ素、硫酸バリウム、二硫
化モリブデン、酸化鉛(鉛白)、酸化鉄(Fe23,F
34等)、酸化チタン、酸化マグネシウム、チタン酸
バリウム、銅粉末、鉄粉末、黄銅粉末、ニッケル粉末、
銀粉末、鉛粉末、鋼粉末、亜鉛粉末、タングステンウィ
スカー、窒化けい素ウィスカー、銅ウィスカー、鉄ウィ
スカー、ニッケルウィスカー、クロムウィスカー、ステ
ンレス粉およびウィスカー、マグネサイト、アパタイ
ト、スピネール、コランダム、ジルコン、三酸化アンチ
モン、炭酸バリウム、亜鉛華、酸化クロミニウム、錫粉
およびこれらの混合物等がある。
【0036】特にX線遮断性を付与するのに好ましい遮
光性物質はジルコン、コランダム、硫酸バリウム、塩化
バリウム、チタン酸バリウム、鉛粉末、酸化鉛、亜鉛粉
末、亜鉛華、錫粉末、ステンレス粉末、ステンレスウィ
スカー、酸化鉄、タングステンウィスカー、ニッケルウ
ィスカーである。ISO感度が400以上の超高感度写
真感光材料用包装材料として特に好ましい遮光性物質は
屈折率が1.50以上、比重が3.1以上であり、最も
好ましいのは屈折率が1.56以上、比重が3.4以上
の遮光性物質である。
【0037】遮光性物質の屈折率及び比重を表2に示
す。
【0038】
【表2】
【0039】X線遮断性遮光性物質の含有量は、好まし
くは5〜80重量%、より好ましくは10〜70重量
%、最も好ましくは20〜60重量%である。
【0040】また、X線遮断性遮光性物質は、写真感光
材料に悪影響を与えず、フィルム成形性を悪化させない
ために、100℃、5時間での乾燥減量が好ましくは
2. 0重量%以下、より好ましくは1. 0重量%以下、
最も好ましくは0. 5重量%以下の状態にして使用す
る。
【0041】ブリードアウトしやすい滑剤や酸化防止剤
や有機造核剤を吸着させたり、脱臭剤、芳香剤、脱酸素
剤等を吸着させる効果を有する吸油性無機顔料の代表例
としては亜鉛華(52)、アスベスチン(50)、クレ
ー(51)、酸化チタン(56)、カオリン(60)、
タルク(60)、カーボンブラック(60以上)、活性
炭等がある。( )内の数字は吸油量(JIS K 6
221の吸油量A法で測定。単位ml/g)を示す。
【0042】金属粉末(金属ペーストも含む)の代表例
としては、アルミニウム粉末、アルミニウムペースト、
銅粉末、ステンレス粉末、鉄粉末、ニッケル粉末、黄銅
粉末、銀粉末、錫粉末、亜鉛粉末、スチール粉末等があ
る。
【0043】アルミニウム粉末は、本発明ではアルミニ
ウム粉末及びアルミニウムペーストを含めた意味であ
り、アルミニウム粉末の表面を表面被覆物質で被覆した
ものと、アルミニウムペーストより低揮発物質を除去し
たものを熱可塑性樹脂に混練したものが好ましい。
【0044】ここにアルミニウムペーストとは、ボール
ミル法、スタンプミル法、又はアトマイズ法等の公知の
方法でアルミニウム粉末を作るときに、ミネラルスピリ
ットと少量のステアリン酸又はオレイン酸等の高級脂肪
酸の存在のもとにペースト状に作ったものである。本発
明ではこのアルミニウムペーストと各種芳香族モノビニ
ル樹脂(ポリスチレン樹脂、ゴム含有ポリスチレン樹脂
等)、ポリオレフィン熱可塑性樹脂(各種ポリプロピレ
ン樹脂、各種ポリエチレン樹脂、酸変性樹脂、EVE樹
脂、EEA樹脂、EAA樹脂等)、低分子量のポリオレ
フィン樹脂、パラフィンワックス、粘着付与剤、金属石
けん等の分散剤等を加熱混練し、低揮発物質(主として
悪臭が強いミネラルスピリット、ホワイトスピリット)
を真空ポンプ等で除去した揮発物質の含有量が3%以
下、好ましくは1%以下、特に好ましくは0. 5%以下
のものをアルミニウムペーストコンパウンド樹脂、アル
ミニウムペーストマスターバッチ樹脂として使用するこ
とが好ましい。
【0045】特にアルミニウムペーストマスターバッチ
樹脂として使用するのが写真感光材料への悪影響や悪臭
をなくすために好ましい。例えばアルミニウムペースト
含有率40重量%のマスターバツチ樹脂中のミネラルス
ピリット含有率が1. 0重量%であっても、これを写真
感光材料用成形品中でのアルミニウムペースト濃度を2
重量%にしようとすると、アルミニウムペーストマスタ
ーバッチ1重量部に対してナチュラル樹脂19重量部を
混練することになり、成形品中には成形中にミネラルス
ピリットが加熱によりガスとして除去される分もあるの
でミネラルスピリット含有量は0. 05重量%以下にな
る。その結果、写真感光材料への悪影響もなくなる上、
悪臭も低減される。
【0046】またアルミニウム粉末とは、溶融アルミニ
ウムをアトマイズ法、粒化法、回転円盤滴下法、蒸発法
等により粉末状にしたものの外、アルミニウム箔をボー
ルミル法やスタンプミル法等で粉砕してフレーク状にし
たものを含む。アルミニウム粉末単体では不安定なので
アルミニウム粉末表面を不活性にする各種の公知の表面
被覆処理が施される。
【0047】本発明の写真感光材料包装用積層フィルム
として実用化するには品質確保、写真性能確保、成形
性、経済性から遮光性物質の合計含有量は0. 01〜3
0重量%であるが、遮光能力により変化する。遮光能力
の優れたカーボンブラック及びアルミニウム粉末の合計
含有量は、0. 05〜20重量%が好ましく、0. 1〜
10重量%がより好ましく、0. 2〜7重量%が最も好
ましい。含有量が0. 01重量%未満であると、写真感
光材料包装用積層フィルムの厚さを大きくしないと遮光
性が不足し光カブリを発生する。このため写真感光材料
包装用積層フィルムの成形速度が遅くなり(冷却時間が
長くなるため)、樹脂使用量が多くなるため高価になり
実用化困難である。含有量が30重量%を超えると、分
散性が悪化し、ミクログリッド(凝集不純物)の発生が
多くなり、写真感光材料に圧力カブリや擦り傷を発生さ
せたり、写真感光材料包装用積層フィルム中の水分量が
カーボンブラックに吸着した水分増加により多くなり、
写真感光材料の写真性能に悪影響(カブリの発生、感度
異常、発色異状等)を及ぼす。さらに、写真感光材料包
装用積層フィルムの成形性悪化(発泡、ピンホール等の
発生)や物理強度の低下となり実用化困難である。
【0048】遮光性物質(カーボンブラック、アルミニ
ウム粉末、屈折率が1. 50以上の無機顔料、比重が
3. 4以上の無機顔料、吸油量が50ml/100g以上
の無機顔料が特に好ましい)の樹脂中への分散性向上、
樹脂流動性向上、写真感光材料に摩擦カブリや圧力カブ
リ、擦り傷等を発生させるミクログリットの発生防止、
写真性に有害な揮発性物質の発生を防止、吸湿度低下、
ダイリップ汚れ防止等のためにその表面が表面被覆物質
で被覆することが好ましい。表面被覆物質の代表例を以
下に示す。
【0049】(1) カップリング剤 アジドシラン類を含むカップリング剤被覆(特開昭6
2−32125号公報等に開示) シラン系カップリング剤被覆(アミノシラン等) チタネート系カップリング剤被覆 (2) シリカを沈着させ、つづいてアルミナを沈着被
覆 (3) ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩被覆 (4) ステアリン酸ソーダ、ステアリン酸カリウム、
オキシ・エチレンドデシル・アミン等の界面活性剤被覆 (5) バリウムイオンの過剰量の存在下に硫化バリウ
ム水溶液と硫酸水溶液とを反応させ、平均粒子径0. 1
〜2. 5μmの硫酸バリウムを生成させ、この水スラリ
ーにケイ酸アルカリ水溶液を加えて硫酸バリウムの表面
にケイ酸バリウムを生成させ、次いでスラリーに鉱酸を
加え、上記ケイ酸バリウムを含水シリカに分解して硫酸
バリウム表面に沈着させ被覆 (6) 金属水和酸化物(チタン、アルミニウム、セリ
ウム、亜鉛、鉄、コバルト又はケイ素の水和酸化物の1
種又は2種以上)及び/又は金属酸化物(チタン、アル
ミニウム、セリウム、亜鉛、鉄、コバルト又はケイ素の
酸化物の1種及び2種以上)のみからなる組成物で表面
被覆 (7) 分子内にアジリジン基、オキサゾリン基及びN
−ヒドロキシアルキルアミド基よりなる群から選択され
る1種又は2種以上の反応基を有する重合体を被覆 (8) ポリオキシアルキレンアミン化合物を表面被覆 (9)セリウムカチオン、選択された酸アニオン及びア
ルミナで表面被覆 (10) 置換基にα−ヒドロキシカルボン酸残基を有
するアルコキシチタン誘導体で表面被覆 (11) ポリテトラフルオロエチレンで表面被覆 (12) ポリジメチルシロキサン又はシリコン変性体
で表面被覆 (13) リン酸エステル化合物で表面被覆 (14) 2〜4価アルコールで表面被覆 (15) オレフィンワックス(ポリエチレンワック
ス、ポリプロピレンワックス)で表面被覆 (16) 含水酸化アルミニウムを表面被覆 (17) シリカ又は亜鉛化合物(塩化亜鉛、水酸化亜
鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、クエン
酸亜鉛等の1種又は2種以上組み合わせたもの)で表面
被覆 (18) ポリヒドロキシ飽和炭化水素で表面被覆、
等。
【0050】上記遮光性物質の表面被覆物質として写真
感光材料の写真特性に感度異状、発色異状及びカブリ発
生等の悪影響が少なく、遮光性物質の分散性向上、ブツ
の発生減少、樹脂の流動性向上等の効果が優れた
(1)、(3)、(12)、(14)、(15)、(1
6) 等の他に有機金属キレート化合物、各種帯電防止
剤、滑剤、防滴剤、界面活性剤が好ましい。
【0051】特に、炭素数が20〜40の脂肪族モノカ
ルボン酸と炭素数が20〜40の脂肪族1価アルコール
とのエステル 0. 001〜2重量%、好ましくは 0.
005〜1重量%、特に好ましくは0. 01〜0. 5重
量%を添加することにより、上記問題点の防止効果を発
揮できることを見出したものである。特に、写真感光材
料の写真性に悪影響を減少させるだけでなくモーター負
荷を小さくし、遮光性物質の分散性を向上させ、フィル
ム成形性を向上し成形品の外観を優れたものにする。
【0052】本発明に用いられるエステルとしては、炭
素数が20〜40、好ましくは25〜35の脂肪族モノ
カルボン酸と炭素数が20〜40、好ましくは25〜3
5の脂肪族1価アルコールのエステルである。
【0053】上記モノカルボン酸の例としては、モンタ
ン酸、メリシン酸、セロチン酸、ブリシン酸、ラクセル
酸等が挙げられる。
【0054】1価アルコールの例としては、モンチルア
ルコール、メリシルアルコール、ラクシルアルコール、
セリルアルコール、ブリシルアルコール等が挙げられ
る。
【0055】これらは、熱可塑性樹脂の流動性を向上さ
せると共に、均一混練を達成せしめるので前記遮光性物
質の表面被覆物質としても非常に優れている。さらに、
前記無機及び/又は有機造核剤の分散剤として表面被覆
に用いると飛散防止、ブリードアウト防止、均一分散性
向上、樹脂流動性向上等種々の優れた効果を発揮する。
これらの遮光性物質の表面被覆物質の表面被覆量は、カ
ーボンブラック又はアルミニウム粉末等の遮光性物質に
対して、好ましくは 0. 001〜5重量%、より好ま
しくは0. 01〜3重量%、最も好ましくは0. 05〜
1. 5重量%である。被覆量が0. 001重量%以下で
は被覆効果がほとんど発揮されない。被覆量が5重量%
を越えると経時でブリードアウトの発生が多くなるとと
もに樹脂とスクリューとのスリップが発生して吐出量が
変動する結果、厚さのバラツキが大きくなり実用化困難
である。
【0056】上記合計遮光性物質中の全硫黄量(AST
M D−1619 )は1. 0%以下、好ましくは0. 8
%以下、特に好ましくは0. 5%以下であり、アセトン
抽出物を二硫化炭素に溶解し、濃度既知の硫黄標準液と
ともにシリカゲル薄層に添付する。n−ヘプタンを展開
溶剤として展開後、発色剤(3gのNaN3を0.1N
ヨウ素溶液100mlに溶かしたもの)を噴霧する。遊
離硫黄は黄色地に白色のスポットとして現れるので、同
時に展開した濃度既知の硫黄のスポットとして比較して
定量する薄層クロマトグラフィー法による遊離硫黄分は
150ppm以下、好ましくは50ppm以下、特に好
ましくは30ppm以下であり、ASTM D−150
6による灰分量は0. 5%以下、好ましくは0. 4%以
下、特に好ましくは0. 3%以下であり、ヨード法によ
るアルデヒド化合物含有量は0.2%以下、好ましくは
0. 1%以下、特に好ましくは0. 05%以下に抑えな
いと写真性に悪影響を及ぼすので注意が必要である。
【0057】さらに、シアン化合物も写真感光材料の写
真性能に悪影響を及ぼすので4−ピリジンカルボン酸・
ピラゾロン吸光分析法にて定量したシアン化水素量を遮
光性物質の重量に対するppm単位に換算した値が20
ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましく
は5ppm以下の遮光性物質である。
【0058】外層のたて弾性係数は、中間層の0.9倍
以下、好ましくは0.8倍以下、より好ましくは0.7
倍以下、最も好ましくは0.6倍以下である。中間層の
0.9倍を超えると、写真感光材料包装体の角部にピン
ホールや破れが発生しやすくなり、安全遮光性を確保す
ることが困難になる。
【0059】外層に用いる熱可塑性樹脂としては、低密
度ホモポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、エ
チレン・αオレフィン共重合体樹脂(以後、L−LDP
E樹脂と表示)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
(以後、EVA樹脂と表示)、エチレン・プロピレン共
重合体樹脂、エチレン・アクリル酸メチル共重合体樹脂
(以後、EMA樹脂と表示)、エチレン−アクリル酸エ
チル共重合体樹脂(以後、EEA樹脂と表示)、酸変性
エチレン共重合体樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体
樹脂(以後、EEA樹脂と表示)、アイオノマー樹脂、
熱可塑性エラストマー等がある。好ましい熱可塑性樹脂
は、L−LDPE樹脂、低密度ホモポリエチレン樹脂
(以後、LDPE樹脂と表示)、熱可塑性エラストマ
ー、酸変性共重合体樹脂、エチレン・プロピレン共重合
体樹脂及びこれらの樹脂の1種以上を50重量%含むポ
リオレフィン系樹脂である。最も好ましい熱可塑性樹脂
は、L−LDPE樹脂、LDPE樹脂、L−LDPE樹
脂、EVA樹脂、酸変性共重合体樹脂、EEA樹脂、E
AA樹脂等の共重合体樹脂を3重量%以上、好ましくは
5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、最も好
ましくは20重量%以上とLDPE樹脂とを混練した樹
脂である。
【0060】エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を
構成するα−オレフィンは、炭素数が3〜15 個のも
のである。このようなα−オレフィンの代表例として
は、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4メチル
ペンテン−1、オクテン−1、ヘプテン−1、デセン−
1、ノネン−1、ドデセン−1等である。そして、α−
オレフィンは1〜30 モル%含まれている。α−オレ
フィンが1モル%未満であると、ヒートシール適性、特
に経時ヒートシール強度維持性が悪化し完全密封性が確
保できなくなるだけでなく、引裂き強度や衝撃穴あけ強
度等の物理強度も小さくなる。α−オレフィンが30
モル%を超えると、重合困難になり、高価になる。さら
にヤング率が非常に小さくなり、ブロッキングが発生し
やすくなり、フィルム成形性も悪く写真感光材料包装用
フィルムとしては実用化不可である。
【0061】以上のようなエチレン・α−オレフィン共
重合体樹脂としては、L−LDPE(inear
ow ensity olyethylene)樹
脂があり、このL−LDPE樹脂は第3のポリエチレン
樹脂と称され、中低密度、高密度両ポリエチレン樹脂の
利点を併せもつ省エネルギー、省資源という時代の要請
に合致する低コスト、高強度の樹脂である。この樹脂は
低圧法又は高圧改良法でエチレンと炭素数が3〜15
個、好ましくは4〜10個、特に好ましくは4〜8個の
α−オレフィンを共重合させたコポリマーで線状の直鎖
に短分岐をもった構造のポリエチレン系樹脂である。物
理強度やコストの点で好ましいα−オレフィンとしては
ブテン−1、オクテン−1、ヘキセン−1,4−メチル
ペンテン−1、ヘプテン−1などが使用される。
【0062】密度(JIS K−7112)は一般に低
中密度ポリエチレン樹脂程度とされているが、市販品で
は0. 87〜0.95g/cm3の範囲内にあるものが
多い。メルトフローレート(JIS K−7210の条
件4で測定。温度190℃,荷重2. 16kgf)は
0. 1〜50g/10分の範囲内にあるものが多い。
【0063】L−LDPE樹脂の重合プロセスとしては
中・低圧装置を用いる気相法、溶液法、液相スラリー法
と高圧改良法装置を用いるイオン重合法等がある。
【0064】L−LDPE樹脂の具体例を以下に示す。
【0065】エチレン・ブテン−1共重合体樹脂 GレジンとNUC−FLX(UCC社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) マーレックス (フィリップス社) スタミレックス (DSM社) エクセレンVL (住友化学) ネオゼックス (三井石油化学) 三菱ポリエチ−LL (三菱油化) 日石リニレックス (日本石油化学) NUCポリエチレン−LL(日本ユニカー) 出光ポリエチレンL (出光石油化学) エチレン・ヘキセン−1共重合体樹脂 TUFLIN (UCC社) TUFTHENE (日本ユニカー) エチレン・4メチルペンテン−1共重合体樹脂 ウルトゼックス (三井石油化学) エチレン・オクテン−1共重合体樹脂 スタミレックス (DSM社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) MORETEC (出光石油化学) 特に好ましい代表的な例を商品名であげると、ポリエチ
レンにα−オレフィン側鎖として炭素数6個の4−メチ
ルペンテン−1を導入した三井石油化学(株)のウルト
ゼックス及びα−オレフィン側鎖として炭素数8個のオ
クテン- 1を導入した出光石油化学(株)のMORET
ECとDSM社のスタミレックスとダウケミカル社のダ
ウレックスがある(以上4社品共液相法プロセスで得ら
れたL−LDPE樹脂である。)。低圧法の気相法プロ
セスで得られた好ましい代表的な例を商品名であげる
と、α−オレフィン側鎖として炭素数6個のヘキセン−
1を導入したUCC社のTUFLIN及び日本ユニカー
(株)のTUFTHENE等がある。高圧改良法(イオ
ン重合法)の代表例としてはCDF chimie社の
ロトレックス住友化学(株)のスミカセンーL、TOS
O(株)のニポロンンーL、宇部興産(株)のウベポリ
エチレン等がある。
【0066】また最近発売された密度が0.910g/c
3未満の超低密度直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、例
えばUCC社のNUC−FLXや住友化学(株)のエク
セレンVLも好ましい(以上2社品共α−オレフィンが
炭素数4個のブテン−1を使用)。
【0067】以上のようなエチレン・α−オレフィン共
重合体樹脂は、密度が 0. 860〜0.950g/c
3、好ましくは0. 870〜0940g/cm3、特に
好ましくは0. 880〜0930g/cm3である。密
度が0. 860g/cm3未満であると、重合が困難で
高価になるだけでなく、ヤング率が非常に小さくなり、
ブロッキングの発生で写真感光材料包装用フィルムとし
ては実用化不可である。密度が0.950g/cm3
超えると、縦方向に分子配向しやすくなり引裂き強度の
縦横の強度バランスがなくなる。さらに樹脂の流動性が
悪化しメルトフラクチャーが発生しやすくなり、写真感
光材料包装用フィルムとしては実用化不可である。
【0068】また、エチレン・α−オレフィン共重合体
樹脂は、メルトフローレートが0.1〜80g/10
分、好ましくは0. 5〜60g/10分、特に好ましく
は1.0〜40g/10分、最も好ましくは1. 7〜2
0g/10分である。メルトフローレートが0. 1g/
10分未満であると、樹脂の流動性が悪くメルトフラク
チャーが多発して写真感光材料包装用フィルムとしては
実用化不可である。メルトフローレートが80g/10
分を超えると、バブルが不安定になり、筋やシワが発生
しやすくなりフィルム成形が困難である。フィルムの物
理強度も小さく完全密封性を常に確保する必要がある写
真感光材料包装用フィルムとしては実用化不可である。
以下に高圧法の低密度ホモポリエチレン樹脂(LDPE
樹脂)の日本国内で市販されている樹脂メーカーと商品
名を次に記す。
【0069】 〔メーカー名〕 〔商品名〕 住友化学 スミカセン 三菱油化 ユカロン 三井ポリケミカル ミラソン 日本ユニカー NUCポリエチレン 旭ダウ 旭ダウポリエチレン 宇部興産 UBEポリエチレン 日本石油化学 日石レクスロン 東洋ソーダー ペトロセン 昭和電工 ショウレックス 三菱化成 ノバテックス−D 旭化成 サンテック−LD 等
【0070】熱可塑性エラストマー(以下、TPEと表
示)は、大別するとスチレン系(以後SBCと表示)、
エステル系(以後TPEEと表示)、オレフィン系(以
後TPOと表示)、塩化ビニル系(以後TPVCと表
示)、アミド系(以後TPAEと表示)、結晶性1,2
ポリブタジエン系(以後RBと表示)、アイオノマー
系、ふっ素系(以後F−TPEと表示)、ウレタン系
(以後TPUと表示)、イソプレン系など各種の化学構
造のものがある。市販の代表的なTPEを表3に示す。
【0071】
【表3】
【0072】上記相溶化剤に付いて説明する。
【0073】相溶化剤とは、一般には、同種でも特性の
異なる熱可塑性樹脂、2種以上の熱可塑性樹脂、リサイ
クル熱可塑性樹脂とバージン熱可塑性樹脂(過去に成形
品に使用されたことがない樹脂、即ち、始めて成形品に
使用される樹脂のことを言う。以下同様)、遮光性物質
を高濃度に配合したマスターバッチ熱可塑性樹脂と希釈
用熱可塑性樹脂(ブレンドするもう一方の樹脂より遮光
性物質の濃度が低いか又は全く含んでいない樹脂のこと
を言う。以下同様)又はこれらを組み合せた樹脂のよう
に単一の熱可塑性樹脂にはない新しい性質、性能を発現
しようとする際、複数の樹脂の相溶化を達成できる物質
のことである。
【0074】相溶化剤には、非反応型相溶化剤と反応型
相溶化剤とがある。相溶化剤の具体的な代表例を以下に
示す。
【0075】非反応型相溶化剤の代表例 スチレン・エチレン・ブタジエンブロック共重合体樹脂 ポリエチレン・ポリスチレングラフト共重合体樹脂 ポリエチレン・ポリメチルメタクリレートグラフト共重
合体樹脂 ポリエチレン・ポリメチルメタクリレートブロック共重
合体樹脂 エチレン・プロピレン・ジエン共重合体樹脂 エチレン・プロピレン共重合体樹脂 ポリスチレン・低密度ホモポリエチレングラフト共重合
体樹脂 ポリスチレン・高密度ホモポリエチレングラフト共重合
体樹脂 水添スチレン・ブタジエン共重合体樹脂 スチレン・エチレン、ブタジエン・スチレン共重合体樹
脂 スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂 塩素化ポリエチレン樹脂 ポリプロピレン・ポリアミドグラフト共重合体樹脂 ポリプロピレン・エチレン・プロピレン・ジエン共重合
体樹脂 ポリスチレン・ポリアクリル酸エチルグラフト共重合体
樹脂 ポリスチレン・ポリブタジエングラフト共重合体樹脂 ポリスチレン・ポリメチルメタアクリレートブロック共
重合体樹脂 等 反応型相溶化剤の代表例 無水マレイン酸化エチレン・プロピレン共重合体樹脂 無水マレイン酸化スチレングラフト共重合体樹脂 無水マレイン酸化スチレン・ブタジエン・スチレン共重
合体樹脂 無水マレイン酸化スチレン・エチレン・ブタジエン・ス
チレン共重合体樹脂 エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体樹脂 エチレン・グリシジルメタクリレート・スチレングラフ
ト共重合体樹脂 エチレン・グリシジルメタクリレート・メチルメタクリ
レートグラフト共重合体樹脂 無水マレイン酸グラフトポリプロピレン共重合体樹脂
【0076】内外の市販相溶化剤の代表例を表4に示
す。
【0077】
【表4】
【0078】SBS…スチレン・ブタジエン・スチレン
共重合体樹脂の略号 SEBS…スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン
共重合体樹脂の略号 EPDM…エチレン・プロピレン・ジエン共重合体樹脂
の略号 EVA…エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂の略号 上記酸変性ポリオレフィン樹脂に付いて説明する。
【0079】酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフ
ィン樹脂と不飽和カルボン酸類とをグラフト変性した変
性ポリオレフィン樹脂をいい、例えばグラフト変性ポリ
エチレン樹脂、グラフト変性ポリプロピレン樹脂、グラ
フト変性エチレン共重合体樹脂(EVA樹脂、EEA樹
脂、L−LDPE樹脂、EMA樹脂等)等がある。
【0080】ポリオレフィン樹脂とグラフト変性する。
不飽和カルボン酸類は、その誘導体も含めて総称するも
ので、代表例をあげるとアクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、フマール酸、イタコン酸、テトラヒドロフタ
ル酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、シトラコン酸、クロ
トン酸、イソクロトン酸、ナジック酸、(エンドシス−
ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジ
カルボン酸)、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無
水イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエ
ステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメ
チルエステル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸
ジエチルエステル、アクリル酸アミド、メタクリルアミ
ド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレ
イン酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸−N,N−
ジエチルアミド、マレイン酸−N−モノブチルアミド、
マレイン酸−N,N−ジブチルアミド、フマル酸モノア
ミド、フマル酸ジアミド、フマル酸−N−モノエチルア
ミド、フマル酸−N,N−ジエチルアミド、フマル酸−
N−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−ジエチルア
ミド、フマル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−
N,N−ジブチルアミド、マレイミド、マレイン酸モノ
メチル、マレイン酸ジメチル、マタクリル酸カリウム、
アクリル酸ナトリウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マ
グネシウム、アクリル酸カルシウム、メタクリル酸ナト
リウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、
N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、塩化
マレニル、グリシジルマレエート、マレイン酸ジプロピ
ル、アコニチン酸無水物、ソルビン酸等をあげることが
でき、相互の混合使用も可能である。
【0081】なかでもアクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、ナジック酸が好ましく、特に無水マレイン酸
が好ましい。
【0082】変性ポリオレフィン樹脂における不飽和カ
ルボン酸類をグラフト変性させる方法は特に限定されな
い。例えば、溶融状態で反応させる特公昭43−274
21号公報等に開示の方法や、溶液状態で反応させる特
公昭44−15422号公報等に開示の方法や、スラリ
ー状態で反応させる特公昭43−18144号公報等に
開示の方法や、気相状態で反応させる特公昭50−77
493号公報等に開示の方法等がある。
【0083】これらの方法の中で押出機を用いる溶融混
練法が操作上簡便で、かつ安価な方法なので好ましい。
【0084】不飽和カルボン酸類の使用量は、接着強度
確保のためポリオレフィン樹脂ベースポリマー(各種ポ
リエチレン樹脂、各種ポリプロピレン樹脂、各種ポリオ
レフィン共重合体樹脂、ポリブテン−1樹脂、ポリ−4
−メチルペンテン−1等のα−オレフィン共重合体樹脂
及びその共重合体樹脂)100重量部に対して0.01
〜20重量部、好ましくは0.2〜5重量部である。
【0085】ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸類
との反応を促進するために有機過酸化物等が用いられ
る。
【0086】有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビ
スイソブチロニトリル、ジクミルパーオキサイド、α,
α’ビス(t−ブチルパーオキシジイプロピル)ベンゼ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキシン、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチル−ハ
イドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−
ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベ
ンゾエート、1,3ビス(t−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、キュメンハイドロパーオキサイド、
ジ−t−ブチル−ジパーオキシフタレート、t−ブチル
パーオキシマレイン酸、イソプロピルパーカーボネート
等の有機過酸化物、アソビスイソブチロニトリル等のア
ゾ化合物、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物等があ
る。
【0087】これらは1種または2種以上の組合せで使
用してもよい。特に好ましいのは、分解温度が170℃
〜200℃の間にあるジ−t−ブチルパーオキサイド、
ジ−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチ
ル−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,
3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼ
ンである。
【0088】これらの過酸化物の添加量は特に制限され
ないが、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.
005〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部であ
る。
【0089】市販の酸変性ポリオレフィン樹脂の代表例
を以下に示す。 (1) 日本石油化学KK “Nポリマー” (2) 三井石油化学工業KK “ADMER” (3) 昭和電工KK “ER RESIN” (4) 三菱化成工業KK “NOVATEC−AP” (5) 三菱油化KK “MODIC” (6) 日本ユニカーKK “NUC−ACE” (7) 宇部興産KK “UBE BOND” (8) 東ソーKK “ルセンM” (9) 住友化学工業KK “ボンダイン” (10) 三井・デュポンケミカルKK“CMPS”等 (11) エクソン社 “デクソン” (12) 東亜燃料工業KK “HAシリーズ” (13) 三井東圧化学KK “MITSUI LONPLY”等
【0090】外層に用いる好ましいポリオレフィン樹脂
としては、従来の高密度ポリエチレン樹脂、L−LDP
E樹脂、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・αオレ
フィン共重合体樹脂、金属メタロセン重合触媒を用いて
重合製造したホモポリエチレン樹脂(超低密度、低密
度、中密度、高密度、中高分子量の各種ポリエチレン樹
脂を含む)とエチレン共重合体樹脂(L−LDEP樹
脂、EVA樹脂、EEA樹脂、酸変性ポリエチレン樹
脂、EAA樹脂、エチレン・プロピレンエラストマー、
エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合エラストマ
ー)のポリエチレン系樹脂である。特に、金属メタロセ
ン重合触媒を用いて重合製造したホモポリエチレン樹脂
が安価で、写真感光材料の写真性(カブリ、感度、階
調、発色等)に悪影響を及ぼすことが少なく、フィルム
成形性が優れている点で好ましい。ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(以下GPCと表示)で測定した
重量平均分子量(以下Mwと表示)と数平均分子量(M
w)から次の式で求めた。
【0091】分子量分布(Mw/Mn)はフィルム成形
性と物理強度の関係を判断する目安となるものであり、
物理強度や寸法安定製を重視する場合は分子量分布(M
w/Mn)が小さい(分子量分布が狭い)ポリエチレン
系樹脂を用いることが好ましく、フィルム成形性を重視
する場合は分子量分布(Mw/Mn)が大きい(分子量
分布が広い)ポリエチレン系樹脂を用いることが好まし
い。
【0092】インフレーションフィルム成形法(チュー
ブ状フィルム)やT型ダイスフィルム成形法(フラット
状フィルム)で製造したポリエチレン系樹脂としては、
分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜15、好ましくは
1.5〜12、より好ましくは2〜10、最も好ましく
は2〜8のものであり、分子量分布(Mw/Mn)が
1.5未満ではフィルム成形性と重合適性が悪く実用化
困難であるだけで、非常に高価になる。また、分子量分
布(Mw/Mn)が15を越えると、物理強度が小さく
なり、延伸加工性が悪化し、強じんなフィルム(多層共
押出しフィルムも含む)を得ることが出来ない。
【0093】走行するフィルム等の基質上に、溶解押出
し機を用いてそのスリットダイからポリエチレン系樹脂
組成物をフィルム状に流廷して被覆し、加圧ロールと冷
却ロールとの間に圧着し、冷却後ロールから剥離すると
いう一連の工程で生産される被覆フィルム(以下、エク
ストルージョンラミネート法被覆フィルムという)に用
いるポリエチレン系樹脂としては、分子量分布(Mw/
Mn)が4〜30、好ましくは5〜28、より好ましく
は6〜25、最も好ましくは7〜20のものである。分
子量分布(Mw/Mn)が4未満でも30を越える場合
でも、被覆フィルム成形性以後ネックインの発生程度、
溶解樹脂膜の筋の発生程度、ドローダウン性(膜切れの
発生)の程度、サージングの発生程度の総合評価を被覆
フィルム成形性と表示が悪く実用化困難である。
【0094】重量平均分子量(以後と表示)/数平均分
子量(以後Mnと表示)で求めた分子量分布はゲルパー
ミエーションクロマトクラフィー(以後GPCと表示)
法による。本発明では測定方法としてはウォーターズ社
製150−C(カラム;東ソー(株)製GMH−XL
HT 8mmφ×30cm×3本、溶鉄;1,2,4─
トリクロロベンゼン、温度;135℃、流量;10ml
/分)による。
【0095】本発明では各種の重合製造方法のポリエチ
レン系樹脂の中で、写真性(カブリ、感度、階調、発色
等)に悪影響を及ぼすことがほとんどなく、フィルム成
形性が優れ、物理強度が大きく、安価であり特に好まし
いのは金属メタロセン重合触媒を用いて重合製造したポ
リエチレン系樹脂であり、特開昭60−35006号公
報、特表平63−501369号公報、特表平3−50
2710号公報、等に記載されているジルコニウム系又
はハフニウム系メタロセンと好ましくはメチルアルミノ
キサンとを組み合わせて触媒活性を高めたものを重合触
媒として用いて重合製造されたものである。
【0096】上述した分子量分布(Mw/Mn)であれ
ば各種のメルトフローレート(以後MFRと表示)、密
度、分子量の低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチ
レン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、エチレン−αオレ
フィン共重合体樹脂(αオレフィンがC2〜15好まし
くはC2〜10、特に好ましくはC4〜8、最も好ましく
はC6〜8)、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、エ
チレン・アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレンを主
成分とするその他の二元共重合体樹脂、エチレンを主成
分とするその三元共重合体樹脂、上記ポリエチレン系樹
脂の酸(不飽和カルボン酸等の酸で後記酸変性ポリオレ
フィン樹脂の酸変性に用いる酸を使用できる)変性ポリ
エチレン系樹脂及びこれらのポリエチレン系樹脂を1種
以上含む2種以上の熱可塑性樹脂の混合樹脂をあげるこ
とができる。
【0097】この金属メタロセン重合触媒を用いて重合
製造したポリエチレン系樹脂の数平均分子量は、1万〜
200万、好ましくは2万〜150万、より好ましくは
5万〜100万、最も好ましくは10万〜80万であ
る。分子量が1万未満では物理強度が不足して実用化困
難であり、200万を越えるとフィルム成形や重合製造
が困難であり、且つ高価になるので実用化困難である。
【0098】MFR(ASTM D−1238のE条件
で測定した値)は0.01〜100g/10分、好まし
くは0.05〜80g/10分、より好ましくは0.1
〜60g/10分、最も好ましくは0.2〜50g/1
0分である。MFRが0.01g/10分未満では、M
FRの大きい樹脂と混合使用してもフィルム成形が困難
であり、メルトフラクチャーが発生し表面に波状の凹凸
ムラが激しく発生し、外観が悪いだけでなく、感光材料
にスリ傷が発生したり摩擦カブリが発生したり、圧力カ
ブリが発生するので実用化困難である。また、MFRが
100g/10分を越えるとMFRの小さい樹脂と混合
使用してもフィルム成形が困難であり、且つ物理強度が
小さく、穴や伸びが発生しやすくなる。さらに、引裂き
易く完全遮光性を必須とする感光材料包装用積層フィル
ム又は感光材料用遮光袋としては実用化不可である。
【0099】密度(ASTM D−1505で測定した
値)は0.86g/cm3〜0.948g/cm3、好ま
しくは0.87〜0.97g/cm3、より好ましくは
0.88〜0.96g/cm3、最も好ましくは0.8
9〜0.95g/cm3である。密度が0.86g/c
3未満では、重合製造が困難であり、高価である。ま
た、ペレットのブロッキングが発生し実用化不可であ
る。密度が0.980g/cm3を越えると、重合製造
が困難であり、高価である。また、成形性も困難であ
り、フィルムも分子配向しやすく縦裂きしやすく製造困
難である。さらに、穴や裂けが発生しやすく完全遮光性
を必須とする感光材料包装用積層フィルム又は感光材料
用遮光袋としては実用化不可である。
【0100】外層としては、密度0.86g/cm3
0.948g/cm2のポリエチレン系樹脂が好まし
く、中間層としては、密度0.941〜0.980g/
cm3の高密度ホモポリエチレン樹脂が好ましい。
【0101】ポリエチレン系樹脂の代表的な製造方法を
表5に示す。
【0102】
【表5】
【0103】外層として好ましい国内で製造又は販売中
の代表的なL−LDPE樹脂の製造プロセスと製造技術
と製造メーカーと商品名と製造プロセスの特徴の概略を
表6に示す。
【0104】
【表6】
【0105】L−LDPE樹脂製造プロセスの特徴の概
略を以下に示す。
【0106】1) 気相法 重合に必要なエネルギー量が小さいと発表されている。
品質上はコモノマーに、揮発しやすい単一成分を用いな
ければならないとされており、溶液法に比べ制約を受け
る。最近は、コモノマーの選択、分子量分布のコントロ
ール幅も広くなりつつある模様である。
【0107】2) スラリー法 溶媒を用いる液相重合法は、スラリー法と溶液法に分け
られる。スラリー法は、溶媒を用いるがスラリー(異相
系)であるので、反応容器内の溶液は粘度が低いことか
ら、比較的コンパクトな設備で生産することができ、溶
媒の除去が容易であるなどの利点がある。
【0108】一方、低密度化については、低分子量低密
度ポリマーが溶媒に溶け込み、溶液が高粘度になった
り、ポリマーが膨潤しで魂状化するため、0.930以
下のLLDPE生産は制限を受ける。
【0109】3) 溶液法 溶液法の重合は溶液中で行われる。溶液状態を維持する
ため高温で反応が行われる。品質面では、低密度化の許
容範囲が広く、且つC6以上のαオレフィン(4メチル
ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−
1等)とエチレンの重合に最適の製造プロセスである。
またαオレフィン含有率の大きいL−LDPE樹脂(密
度が0.910以下の超低密度L−LDPE樹脂)の製
造プロセスとしても最適である。
【0110】4) 改良高圧法 従来の高圧法プロセスをそのまま利用しながらチーグラ
ー系触媒により高温高圧でL−LDPE樹脂を得るもの
でランニングコストは上記(1)〜(3)より高価であ
る。高圧転換法とも呼ばれる。
【0111】多層共押出し法により積層フィルムを製造
するには、以下に記載する方法を用いることができる。
【0112】 多層共押出しインフレーションフィル
ム成形方法 3台以上の押出機で溶融軟化させた異色の、あるいは異
種のプラスチック材料を1個のインフレーションフィル
ム用ダイに送り込み、多層フィルムをインフレーション
法により得る方法。積層方法には、ダイ内積層方式とダ
イ外積層方式がある。ダイ内積層方法は互いに相溶しな
い材料の積層に広く一般的に行われており、ダイ外積層
方式は材料間の接着強度を向上させるために、ダイから
出た溶融樹脂が合体するまでの間に両膜両間に活性ガス
を導入し,化学的な結合を起こさせる方式である。
【0113】 多層共押出しTダイフィルム成形方法 多層共押出しフィルムの押出成形において、複数の押出
機及び1個又は複数のTダイにより、色の異なったある
いは材料の異なった層から成る積層体を得る方法。多層
Tダイ法はTダイのタイプにより、1)シングルマニホ
ールドタイプ、2)マルチマニホールドタイプ、3)デ
ュアルスロットマニホールドタイプに分類される。
【0114】1)シングルマニホールドタイプ・・・T
ダイのフィード部に複数の材料の流れを併合するアダプ
タを設けたものであり、この部分で併合された材料はシ
ングルマニホールドによって幅方向に流れが拡幅されて
多層フィルムもしくはシートとして押出される。材料間
の溶融温度差はほとんどつけられない。
【0115】2)マルチマニホールドタイプ・・・多層
Tダイフィルムの製造用に最も古くから使用されてきた
もので、積層する層数に等しい数のマニホールドをダイ
全幅にわたって設けたものである。
【0116】3)デュアルスロットマニホールドタイプ
・・・2分割したシングルマニホールドダイの間に仕切
りを入れて実質的にマルチマニホールドにしたもので、
ダイ外接着が行なわれる。仕切り板に断熱材を用いるこ
とにより、材料間の溶融温度差を大きくすることができ
る。
【0117】なお、5層以上の多層積層品を得るには、
Tダイを2個以上連結して層数を増やしたり、スタック
プレートダイを使用する方法などがある。後者は前者に
比べダイコストが安価、取替えが容易などの利点があ
る。
【0118】以上、の多層共押出しフィルムダイと
してはフラットダイを使用するTダイ法とサーキュラダ
イを使用するインフレーション法とがあるが、いずれの
場合にも構造的には共通して次の三つに分類される。す
なわち、ダイの手前で各材料を併合するシングルマニ
ホールドダイ(フィードブロック法)、ダイの内部で
併合するマルチマニホールドダイ(ダイ内接着方式)及
びダイを出た直後に併合するマルチスロシトダイ(ダ
イ外接着方式)である。ただし、Tダイ法のうちのダ
イ外接着方式、ならびにインフレーション法のうちの
ダイ前併合のものは実際には使用されていない。マルチ
マニホールドダイと類似のスタックプレートダイも開発
されている。これらのダイを使用することにより2種2
層以上4種9層ぐらいまでの複合フィルムやシートが製
造できる。
【0119】外層にブロッキング防止物質の1種以上を
0.001〜10重量%、好ましくは0.005〜8重
量%、より好ましくは0.01〜5重量%、最も好まし
くは0.05〜3.5重量%含ませることができる。ブ
ロッキング防止物質の添加量が0.001重量%未満で
あると、ブロッキングを有効に防止することができず、
また、含有量が10重量%を超えると、ブリードアウト
やミクログリットが多発し、物理強度が低下したり、擦
り傷が発生したり、摩耗クズが多発するので実用化困難
である。
【0120】ブロッキング防止物質としては、ブロッキ
ング防止剤と滑剤がある。
【0121】ブロッキング防止剤としては、シリカ(天
然及び合成シリカを含む)、ゼオライト炭酸カルシウ
ム、タルク(ケイ酸マグネシウム)、ケイ酸アルミニウ
ム、カルシウムシリケート、脂肪酸アミド系滑剤、高級
脂肪酸ポリビニルエステル、n−オクタデシルウレア、
N,N’−ジオレイルオキサアミド、N−エタノールス
テアリン酸アミド、ジカルボン酸エステルアミド等があ
り、この中でシリカが好ましい。
【0122】上記シリカは、平均粒子径が 0. 3〜2
0μmのものが好ましく、0. 5〜15μmのものがよ
り好ましい。平均粒子径が 0. 3μm未満では、凝集
性が強くブツが多発し、ブロッキング防止効果も小さ
い。また、平均粒子径が20μmを越えると、フィルム
表面にシリカがでてフィルム表面がざらつくだけでなく
写真感光材料に擦り傷などが発生し易くなる。
【0123】写真感光材料に悪影響を与えない市販の代
表的滑剤名と製造メーカー名を以下に記載する。
【0124】(1) シリコーン系滑剤;各種グレード
のジメチルポリシロキサン及びその変性物(信越シリコ
ーン、東レシリコーン)
【0125】脂肪酸アミド系滑剤の次に好ましい滑剤と
してシリコーン系オイルがある。このシリコーン系オイ
ルは高価であるが、完全遮光性を必須とする写真感光材
料用包光袋のヒートシール層に添加する滑剤としては下
記の理由で最適である。特に、滑剤のようにヒートシー
ル性を悪化させる対策としてエチレン共重合体樹脂を5
重量%以上、好ましくは20重量%、特に好ましくは5
0重量%(エチレン共重合体樹脂の中でも安価で夾雑物
シール性、ホットタック性、ヒートシール強度、物理強
度の優れたエチレン・αオレフィン共重合体樹脂が最も
好ましい。)添加した耐摩耗性フレキシブルシートや遮
光袋の内外表面に設ける熱可塑性樹脂フィルム層に下記
のシリコーン系オイルを添加すると従来の写真感光材料
用包装材料にない優れた特性を発揮する。即ち、樹脂流
動性向上、滑性向上等の他の滑性と同様の効果を発揮さ
せるだけでなく、遮光性物質と併用すると遮光性物質の
分散性向上、樹脂を白濁させヘイズ(ASTM D−1
003)を大きくさせる効果、遮光能力向上(20%以
上)等予想外の効果を発揮する(後述の〜等の効果
を発揮する)。
【0126】シリコーン系オイルについて以下に詳述す
る。
【0127】各種グレードのジメチルポリシロキサン及
びその変性物(信越シリコーン、東レシリコーン)及び
ポリメチルフェニルシロキサン、カルボキシル変性シリ
コーン、オレフィン変性シリコーン、ポリエチレングル
コールやポリプロピレングリコールで変性したポリエー
テル変性シリコーン、オレフィン/ポリエーテル変性シ
リコーン、αメチルスチレン変性シリコーン、エポキシ
変性シリコーン、アミド変性シリコーン、アミノ変性シ
リコーン、アルコール変性シリコーン等変性されたシロ
キサン結合を含有したシリコーン系オイルである。該シ
リコーン系オイル中、特に写真感光材料に悪影響を与え
ることが少なく、滑性効果と遮光性(不透明化)効果の
大きいオレフィン変性シリコーン、ポリエーテル変性シ
リコーン、ジメチルポリシロキサン、アミド変性シリコ
ーン、カルボキシル変性シリコーン、オレフィン/ポリ
エーテル変性シリコン等が優れている。該シリコーン系
オイルは加熱状態での耐摩耗性フレキシブルシートの摩
擦係数を改良し、自動包装機による熱板シール中に生じ
る摺動抵抗を低下させ、皺の発生を防止することによ
り、美しい外観と高度な密封性と被包装体にたるみがな
い密着性とを有する性能を保持した耐摩耗性フレキシブ
ルシートを得ることが出来る。又、摺動による光沢の低
下を防止して、美しいシール部を得ることが出来る。シ
リコーン系オイルを併用した場合の本発明では摺動ヒー
トシールをする場合、高温摩擦係数を1. 4以下にする
ことが出来る。
【0128】上記シリコン系オイルは、常温における粘
度は1000〜100, 000センチストークスの範囲
が好ましく、更に好ましくは5, 000〜30, 000
センチストークスの高粘度のものがよい。添加量は種
類、使用目的により異なるが0. 01〜5. 0重量%で
ある。好ましくは0. 03〜3. 0重量%、特に好まし
くは0. 05〜1. 5重量%である。
【0129】シリコーン系滑剤は単独で用いても2種類
以上で用いても他の滑剤や可塑剤と併用してもよい。
【0130】シリコーン系オイル添加の効果は、本発明
用途としては次のように多くある。 樹脂の流動性を向上し、スクリューのモーター負荷
を小さくし、メルトフラクチャー発生を防止する。 ブリードアウトして白粉状になる脂肪酸アミドを添
加しなくても滑性を十分確保できる。 加熱状態での耐摩耗性フレキシブルシートの摩擦保
数を小さくし、自動製袋適性を向上し、ヒートシール時
のシワ発生や摺動による光沢の低下を防止し、美しいシ
ール部を得ることができる。 遮光性物質と併用すると遮光能力を向上でき、物性
を低下させる遮光性物質の添加量を減量しても遮光性を
確保できる。
【0131】(2) オレイン酸アミド系滑剤;アーモ
スリップCP(ライオン・アクゾ)、ニュートロン(日
本精化)、ニュートロンE−18(日本精化)、アマイ
ドO(日東化学)、アルフロE−10(日本油脂)、ダ
イヤミッドO−200(日本化成)、ダイヤミッドG−
200(日本化成)等
【0132】(3) エルカ酸アミド系滑剤;アルフロ
−P−10(日本油脂)等
【0133】(4) ステアリン酸アミド系滑剤;アル
フロ−S−10(日本油脂)、ニュートロン2(日本精
化)、ダイヤミッド200 ビス(日本化成)等
【0134】(5) ビス脂肪酸アミド系滑剤;メチレ
ンビスベヘニン酸アミド系滑剤、メチレンビスステアリ
ン酸アミド系滑剤、メチレンビスオレイン酸アミド系滑
剤、エチレンビスステアリン酸アミド系滑剤、ヘキサメ
チレンビスステアリン酸アミド系滑剤等 ビスアマイド(日本化成)、ダイヤミッド200ビス
(日本化成)、アーモワックスEBS(ライオン・アク
ゾ)等
【0135】(6) 非イオン界面活性剤系滑剤;エレ
クトロストリッパ−TS−2(花王)、エレクトロスト
リッパ−TS−3(花王)等
【0136】(7) 炭化水素系滑剤;流動パラフィ
ン、天然パラフィン、マイクロワックス、合成パラフィ
ン、ポリエチレンワックス(数平均分子量が10, 00
0以下、好ましくは8, 000以下、特に好ましくは
6, 000以下)、ポリプロピレンワックス(数平均分
子量が10, 000以下、好ましくは8, 000以下、
特に好ましくは6, 000以下)、塩素化炭化水素、フ
ルオロカルボン等
【0137】(8) 脂肪酸系滑剤;高級脂肪酸(C12
以上が好ましい)、オキシ脂肪酸等
【0138】(9 )エステル系滑剤;脂肪酸の低級アル
コールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂
肪酸のポリグリコールエステル、脂肪酸の脂肪アルコー
ルエステル等
【0139】(10) アルコール系滑剤;多価アルコ
ール、ポリグリコール、ポリグリセロール等
【0140】(11) 金属石けん;ラウリン酸、ステ
アリン酸、コハク酸、ステアリル乳酸、乳酸、フタル
酸、安息香酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノール
酸、ナフテン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸とLi、N
a、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Al、S
n、Cd、Pb等の金属との化合物が挙げられ、本発明
に特に好ましいものはステアリン酸マグネシウム、ステ
アリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等のステアリン
酸金属化合物である。
【0141】その他、滑性向上効果は小さいが遮光性物
質の分散性向上、樹脂押出し性向上等の効果を有する滑
剤として下記のものがある。 炭化水素系滑剤;
【0142】流動パラフィン、天然パラフィン、マイク
ロワックス、合成パラフィン、ポリエチレンワックス
(数平均分子量が10, 000以下、好ましくは8, 0
00以下、特に好ましくは6, 000以下)、ポリプロ
ピレンワックス(数平均分子量が10, 000以下、好
ましくは8, 000以下、特に好ましくは6, 000以
下)、フルオロカーボン等 脂肪酸系滑剤;
【0143】高級脂肪酸(炭素数が12ヶ以上が好まし
い)、オキシ脂肪酸等 エステル系滑剤;
【0144】脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸
の多価アルコールエステル、脂肪酸のポリグリコールエ
ステル、脂肪酸の脂肪酸アルコールエステル等 アルコール系滑剤;
【0145】多価アルコール、ポリグリコール、ポリグ
リセロール等
【0146】反写真感光材料側に位置させられる外層の
ブロッキング防止物質の含有量は、写真感光材料側に位
置させられる外層のブロッキング防止物質の含有量の
1.2倍以上が適当で、1.5倍以上が好ましく、2.
0倍以上がより好ましく、2.5倍以上が最も好まし
い。反写真感光材料側に位置させられる外層のブロッキ
ング防止物質の含有量が、写真感光材料側に位置させら
れる外層のブロッキング防止物質の含有量の1.2倍未
満であると、遮光袋として積み重ねておくとブロッキン
グが発生し、包装体の取り扱い性が悪化するだけなく、
無理に取り扱うと破袋する。
【0147】中間層に外層に用いた熱可塑性樹脂の相溶
化剤を1〜49重量%含有させることが適当で、2〜4
0重量%が好ましく、5〜35重量%がより好ましく、
8〜30重量%が最も好ましい。また、同様に、外層に
中間層に用いた熱可塑性樹脂の相溶化剤を1〜49重量
%含有させることが適当で、2〜40重量%が好まし
く、5〜35重量%がより好ましく、8〜30重量%が
最も好ましい。
【0148】相溶化剤の含有量が1重量%未満である
と、層間剥離強度が不足して実用化困難な場合が発生す
る。
【0149】また、含有量が49重量%を超えると、高
価になるだけでなく、物理強度が低下したり、フィルム
成形性が悪化して実用化困難になる。
【0150】フレキシブルシートとしては、熱可塑性樹
脂フィルム、例えば各種ポリエチレン樹脂、エチレン共
重合体樹脂、ポリプロピレン樹脂、プロピレン共重合体
樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリアクリルニトリル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリエステル樹脂などの公知のフィルム
及びこれらの変性樹脂フィルム又はこれらの一軸又は二
軸延伸フィルム等がある。また、トリアセテートフィル
ム、セロファン、再生セルロースフィルム、EVOH
(エバール)樹脂フィルム、紙、合成紙、不織布、金属
箔、金属蒸着フィルム等がある。
【0151】特に好ましいフレキシブルシートは、写真
感光材料に悪影響を与えない坪量が20〜400g/m
2の各種の紙(故紙、再生紙、未晒クラフト紙、半晒ク
ラフト紙、晒クラフト紙、ヒネリ原紙、クルパック紙、
デュオストレス紙、白板紙、写真用原紙、上質紙、高収
率パルプを用いた中質紙、純白ロール紙、コート紙、模
造紙、グラシン紙)、不織布、合成紙と二軸延伸熱可塑
性樹脂フィルムである。
【0152】これらのフレキシブルシートは、1種又は
2種以上を組み合わせて用いることができ、ヒートシー
ルされる層より10℃以上融点が高いことが製袋適性向
上やシワや破れ等を防ぎ、外観向上の点から好ましい。
特に好ましいのは二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムで厚さ
は5〜70μm、好ましくは7〜50μm、特に好まし
いのは10〜35μmである。また、フレキシブルシー
トのヤング率は50kg/mm2以上、好ましくは70
kg/mm2以上、特に好ましくは90kg/mm2以上
が好ましい。
【0153】上記金属箔としては、アルミニウム箔、鉛
箔、アイアンフォイル、錫箔、亜鉛箔、電解鉄箔、銅
箔、ステンレス箔等の金属箔であり、金属箔の厚さは、
5〜100μmが好ましく、経済性、取扱い性、特性確
保等を考慮すると7〜50μmが特に好ましく、9〜2
0μmが最も好ましい。また、熱可塑性樹脂フィルムや
無塵性フレキシブルシート(無塵紙、合成紙、不織紙、
グラシン紙、セロハン、表面サイズ又は表面塗工紙)に
金属薄膜加工層を設けた金属薄膜加工フレキシブルシー
トも好ましい。最近のように海外旅行の手荷物検査時に
高感光度写真フィルムにX線照射され被りが発生するの
を防止するために厚さが10〜200μmの鉛箔、アイ
アンフォイル、電解鉄箔等をフレキシブルシートとして
積層するのも好ましい。
【0154】接着層の接着強度はタテ、ヨコ両方の引裂
強度、衝撃穴あけ強度、ゲルボテスト強度等の物理強度
を向上させる時は2つの被積層物間の剥離強度(180
度のピーリング試験,ASTM D903の試験機使
用)が300g /15mm巾以下、好ましくは100g /
15mm巾以下、特に好ましくは50g/15mm巾以下の
弱接着層とする。しかし製袋工程又はラミネート工程で
は剥離しない程度の強度が必要で0. 1g /15mm巾以
上、好ましくは1g/15mm巾以上、特に好ましくは5
g/15mm巾以上である。ブロッキング接着強度も略同
様である。
【0155】このように弱い接着強度の接着剤層にする
には、接着層の厚みを小さくする、被接着物の表面
にコロナ放電処理,フレーム処理,プラズマ処理,紫外
線照射処理,電子線照射処理,プレヒート処理,アンカ
ーコート処理等の表面処理を施さない、接着層の温度
を下げる、弱接着強度樹脂組成物からなる接着層とす
る、2種以上の相溶性の良くない樹脂組成物からなる
接着剤層とする、層間剥離しやすい多層共押出しエク
ストルージョンラミネート接着剤層とする、等の方法の
1つまたは2つ以上を組み合わせて用いる。
【0156】また、易開封性の写真感光材料包装用積層
フィルムとする場合は、接着強度(180度のピーリン
グ試験,ASTM D903の試験機使用)が350g
/15mm巾以上、好ましくは500g /15mm巾以上、
特に好ましくは700g /15mm巾以上の強接着層を介
して積層する。このように強い接着強度の接着層(本発
明では強接着層と表示)にするには、上述した弱接着層
にするのと全く逆にすればよい。強接着剤層にするのに
好ましい接着性樹脂として酸変性樹脂がある。
【0157】本発明に使用できる帯電防止剤の市販の代
表例を以下に示す。
【0158】I.ノニオン系(=非イオン系) (1) アルキルアミン誘導体:T−B103(松本油
脂)、T−B104(松本油脂) アルキルアミド型 ポリオキシエチレンアルキルアミン:アーモスタット3
10(ライオン油脂) 3級アミン(ラウリルアミン):アーモスタット400
(ライオン油脂) N,N−ビス(2−ヒドロキシエチルココアミン):ア
ーモスタット410(ライオン油脂) 3級アミン:ANTISTATIC273C、273、
273E(FineOrg. Chem) N−hydroxyhexadecyl−di−eth
anol−amine:Belg. P. 654, 04
9 N−hydroxyhexadecyl−di−eth
anol−amine:(National Dis
t.)
【0159】(2) 脂肪酸アマイド誘導体:TB−1
15( 松本油脂)、エレガンP100(日本油脂)、
エリークSM−2(吉村油化学) ヒドロキシステアリン酸アマイド シュウ酸−N,N'−ジステアリルアミドブチルエステ
ル:ヘキストポリオキシエチレンアルキルアミド
【0160】(3) エーテル型 ポリオキシエチレンアルキルエーテル RO(CH2CH2O)nH ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 特殊非イオン型:レジスタット104, PE100, 1
16〜118(第一工業製薬)、レジスタットPE13
2, 139(第一工業製薬)、エレガンE115, ケミ
スタット1005(日本油脂)、エリークBM−1(吉
村油化学)、エレクトロストリッパ−TS,TS2,
3,5,EA,EA2,3(花王石鹸)
【0161】(4) 多価アルコールエステル型 グリセリン脂肪酸エステル:ステアリン酸若しくはヒド
ロキシステアリン酸等のモノ、ジ、またはトリグリセラ
イド、モノグリ((日本樟脳)、TB−123(松本油
脂)、レジスタット113(第一工業製薬) ソルビタン脂肪酸エステル 特殊エステル:エリークBS−1(吉村油化学) 1−ヒドロキシエチル−2−ドデシルグリオキサゾリ
ン:(ブリティシュ・セロファン)
【0162】II.アニオン系 (1) スルホン酸類 アルキルアミンサルフェート アルキルベンゼンスルホネート アルキルサルフェート (ROSO3Na) アルキルアリールサルフェート
【0163】(2) リン酸エステル型 アルキルホスフェート
【0164】III.カチオン系 (1) アミド型カチオン:レジスタットPE300,
401, 402, 406, 411(第一工業製薬)
【0165】(2) 四級アンモニウム塩 第4級アンモニウムクロライド 第4級アンモニウムサルフェート 第4級アンモニウムナイトレート カチミンCSM−9(吉村油化学)、CATANAC6
09 (アメリカン・シアナミド)、デノン314C(丸
菱油化)、アーモスタット300(ライオン油脂)、1
00V(アーマー)、エレクトロストリッパ−ES(花
王石鹸)、ケミスタット2009 A(日本油脂) S tearamido propyl−dimeth
yl−β−hydroxyethyl ammoniu
m nitrate:CATANAC・SN(アメリカ
ン・ジアナミド)
【0166】IV.両性イオン系 (1) アルキルペタイン型:
【0167】(2) イミダゾリン型:レオスタット5
3, 532(ライオン油脂)、AMS 53(ライオン
油脂)、AMS 303, 313(ライオン油脂) アルキルイミダゾリン型
【0168】(3) 金属塩型: AMS 576(ライオン油脂) レオスタット826, 9 23(ライオン油脂) (RNR’CH2CH2CH2NCH2COO)2 Mg {R≧C,R’=Hまたは(CH2 )mCOO−}(ラ
イオン油脂) R=C38炭化水素、A=酸素またはイミノ基、M=有
機アミンまたは金属
【0169】(4) アルキルアラニン型: V.導電性樹脂 ポリビニルベンジル型カチオン ポリアクリル酸型カチオン VI.その他;レジスタット204, 205(第一工業製
薬)、エレガン2E, 100E(日本油脂)、ケミスタ
ット1002, 1003, 2010(日本油脂)、エリ
ーク51(吉村油化学)、ALROMINE RV−1
00(ガイギー)
【0170】写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼさな
いように種類や添加量を調節したり他の添加剤との組み
合わせにより公知の各種の帯電防止剤を本発明では用い
ることができる。例えばプラスチック・データ・ハンド
ブック(KK工業調査会発行)の776〜778ページ
に開示された各種の帯電防止剤やプラスチックデータ集
(KK化学工業社発行)の123〜151ページに開示
された各種の帯電防止剤や帯電防止剤−高分子の表面改
質−(KK華書房,昭和47年3月25日増補版発行)
に開示された各種帯電防止剤等である。
【0171】以上の帯電防止剤の中で写真性及び人身に
与える悪影響が小さく、スタチックマーク防止効果が大
きいので、非イオン(ノニオン)系帯電防止剤が特に好
ましい。
【0172】帯電防止剤の添加量は、0. 01〜10重
量%が好ましく、0. 05〜7重量%がより好ましく、
0. 1〜5重量%が最も好ましい。添加量が0. 01重
量%未満であれば、添加効果が十分でなく、混練経費が
増加するだけである。また、添加量が10重量%を越え
ると、溶融樹脂と押し出し機のスクリューとのスリップ
が発生しやすくなり、樹脂の吐出量が不安定になる。ま
た、成形後の経時によりベトツキやブリードアウトが発
生しやすくなる。
【0173】本発明に使用できる防滴剤の代表例を以下
に示す。
【0174】ジグリセリンモノステアリン酸エステル、
ポリグリセリンモノパルミチン酸エステル、ソルビタン
モノラウリン酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸
エステル、ソルビタンモノオレイン酸エステル、ソルビ
タンモノエルカ酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル、ステアリン酸モノグリセライド、
パルミチン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセ
ライド、ラウリン酸モノグリセライド、ポリオキシエチ
レンノニルフェノールエーテル、ソルビタンセスキパ
ミテート、ジグリセリンセスキオレエート、ソルビトー
ル脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸・二塩基酸エス
テル、ジグリセリン脂肪酸・二塩基酸エステル、グリセ
リン脂肪酸・二塩基酸エステル、ソルビタン脂肪酸・二
塩基酸エステル、ソルビタンパルミテート、ソルビタン
ステアレート、ソルビタンパルミテート・プロピオレン
オキサイド3モル付加物、ソルビタンパルミテート・プ
ロピオレンオキサイド2モル付加物、ソルビトールステ
アレート、ソルビトールステアレート・エチレンオキサ
イド3モル付加物、ジグリセリンパルミテート、グリセ
リンパルミテート、グリセリンパルミテート・エチレン
オキサイド3モル付加物等。
【0175】また、防滴剤は、露付きなどを防止した
り、滑剤や酸化防止剤等のブリードアウトしやすい添加
剤が白色粉末状に析出するのをおさえる効果も有してい
る。この防滴剤は、水の接触角度が45度以下が好まし
く、35度以下がより好ましい。また、吸水性物質、吸
湿性物質、防滴剤のいずれか2種以上をミックスして用
いることもできる。
【0176】防滴物質の添加量は、0. 01〜5重量
%、0. 05〜3. 5重量%が好ましく、0. 1〜2.
5重量%がより好ましい。添加量が0. 01重量%未満
であれば、防曇効果がほとんど発揮されず、混練経費増
となるだけである。また、滑剤や酸化防止剤等のブリー
ドアウトしやすい添加剤が白色粉末状に析出するのをお
さえる効果が発揮されない。また、添加量が5重量%を
越えると、防曇効果は充分発揮されるが増量した効果は
ほとんどなくなり、コストアップになるだけである。問
題なのは容器表面がベトツキ、ほこりや塵が付着しやす
くなり、写真フィルムや印画紙等の写真感光層に付着し
た場合は現像速度ムラを発生させる。
【0177】また、防滴剤を含む成型品にコロナ放電処
理、オゾン接触処理、プラズマ処理等の表面活性化処理
を施すと防曇作用、防滴作用がさらに効果的に発揮され
るので好ましい。
【0178】導電性物質としては、アセチレンブラック
等がある。
【0179】本発明の写真感光材料包装用積層フィルム
に添加可能な配合剤(添加剤)の代表名を以下に示す。
【0180】各配合剤の詳細については改訂増補「最新
顔料便覧」(昭和52年1月10日(株)誠文堂新光社
発行)や1994年版「新化学インデックス」(199
3年7月23日化学工業日報社発行)や「12394の
化学商品」(1994年1月26日化学工業日報社発
行)や「プラスチック データ ハンドブック」(19
84年4月5日(株)工業調査会発行)や「実用プラス
チック用語辞典第三版」((株)プラスチックス・エー
ジ発行)等各種文献に記載された配合剤(添加剤)の中
から写真感光材料に悪影響を及ぼさないように種類や添
加量や他の配合剤との組み合せによる無害化反応等を利
用したり、樹脂組成等を検討することによりほとんどの
配合剤が本発明の写真感光材料包装用積層フィルムにも
利用可能である。代表例を以下に記載するが本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0181】 A.第1分類(ニーズに対する性能別の分類) 1.加工用助剤 a.加工安定剤(酸化防止剤、熱安定剤) (PVC安定剤) b.流動制御剤(可塑化剤、滑剤) c.保形助剤(離型剤、収縮防止剤) 2.改質配合剤 2−1 安定剤(寿命制御剤) a.酸化防止剤 b.耐光安定剤 c.難 燃 剤 d.生物安定剤(Biostabilizers) e.金属劣化防止剤(Metal deactivato rs) f.(劣化修復剤) 2−2 性能改質剤(物性制御剤) a.耐衝撃性改良剤 (各種エラストマー、L−LDPE樹脂) b.充てん材、補強材 c.着色剤 d.可塑剤 e.発泡剤 f.架橋剤(有機過酸化物) g.造核剤 2−3 機能改質剤(機能付与剤) a.導電剤、磁性剤 b.静電防止剤 c.蛍光白色剤 2−4 分解促進剤 a.生分解 b.光分解 c.熱分解 等
【0182】 B.第2分類(配合剤の持つ属性別の分類) 1.粉体改質剤 a.補強材/充てん材 b.核剤 c.加工助剤 d.粉/粉特殊構造体 2.反応性改質剤 a.架 橋 剤 b.マクロモノマー c.安定剤(熱、光、放射線、生物) d.分解促進剤(生物、光、熱) 3.界面改質剤 a.カップリング剤 b.相溶化剤 c.可塑剤/溶剤 4.高分子改質剤 a.加工性改良剤、性能改質剤 b.アロイ、ブレンド(性能改質) 等
【0183】又ヒートシール方法等により密封熱溶着し
やすくすると共に低温で且つ高速で製袋することを可能
にしている。
【0184】本発明の写真感光材料包装用積層フィルム
に、無機造核剤及び有機造核剤の1種又は2種以上を添
加することができる。無機造核剤及び有機造核剤の1種
又は2種以上を添加することにより、たて弾性係数向
上、物理強度向上、耐摩耗性向上、結晶化速度向上、剛
性向上、摩耗クズ発生減少等の効果を発揮することがで
きる。
【0185】無機造核剤及び有機造核剤の1種又は2種
以上の合計含有量は、0.001〜10重量%が好まし
く、0.005〜8重量%がより好ましく、0.01〜
5重量%が最も好ましい。合計含有量が0.001重量
%未満であると、上記造核剤の添加効果が発揮されず混
練経費増となるだけである。
【0186】また、合計含有量が10重量%を超える
と、増量しても増量効果がなく、材料費増となるだけで
ある。さらにブリードアウトしたり、物理強度や外観を
悪化させる場合がある。
【0187】本発明に使用できる有機造核剤としては、
カルボン酸、ジカルボン酸、これらの塩及び無水物、芳
香族スルホン酸の塩及びエステル、芳香族ホスフィン
酸、芳香族ホスホン酸、芳香族カルボン酸、その他のア
ルミニウム塩、芳香族リン酸金属塩、炭素数8〜30の
アルキルアルコール、多価アルコールとアルデヒドの縮
合物、並びにアルキルアミンなどであり、例えばp−t
−ブチル安息香酸アルミニウム、1,2,3,4−ジベ
ンジリデンソルビトール、次式で表されるジ置換ベンジ
リデンソルビトール化合物
【0188】
【化1】
【0189】{式中、R1及びR2は炭素数1〜8のアル
キル、アルコキシ又はハロゲンであり、m及びnはいず
れも0〜3であって且つm+n≧1である。}、ステア
リル乳酸のカルシウム、マグネシウム等の金属塩、N−
(2−ヒドロキシエチル)−ステアリルアミン等の次式
で表される化合物。
【0190】
【化2】
【0191】{式中、R3は炭素数が8〜30のアルキ
ル基であり、k及びlはいずれも0〜10であってk+
l≧1である。}、1,2−ヒドロキシステアリン酸の
リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム
塩、マグネシウム塩等の金属塩、ステアリルアルコー
ル、ラウリルアルコール等のアルキルアルコール、安息
香酸ソーダ、安息香酸、セバチン酸などがある。
【0192】有機造核剤の中で特に好ましいソルビトー
ル化合物の代表例を以下に示す。
【0193】di−(o−methylbenzyli
dene)sorbitol o−methylbenzylidene−p−met
hylbenzylidenesorbitol di−(m−methylbenzylidene)s
orbitol m−methylbenzylidene−o−met
hylbenzylidenesorbitol di−(p−methylbenzylidene)s
orbitol m−methylbenzylidene−p−met
hylbenzylidenesorbitol 1・3−heptanylidenesorbitol 1・3,2・4−diheptanylideneso
rbitol 1・3, 2・4−di(3−nonyl−3−pent
enylidene)sorbitol 1・3−cyclohexanecarbyliden
esorbitol 1・3, 2・4−dicyclohexanecarb
ylidenesorbitol 1・3, 2・4−di(p−methylcycloh
exanecarbylidene)sorbitol Aromatic hydrocarbon grou
ps or derivatives thereof 1・3benzylidenesorbitol 1・3, 2・4−dibenzylidene−D−s
orbitol 1・3, 2・4−di(m−methylbenzyl
idene)sorbitol 1・3, 2・4−di(p−methylbenzyl
idene)sorbitol 1・3, 2・4−di(p−hexylbenzyli
dene)sorbitol 1・3, 2・4−di(1−naphthalenec
arbylidene)sorbitol 1・3, 2・4−di(phenylacetylid
ene)sorbitol 1・3・2・4−di(m−methylbenzyl
idene)sorbitol 1・3・2・4−di(ethylbenzylide
ne)sorbitol 1・ 3・ 2・ 4−di(propylbenzyled
ene)sorbitol 1・ 3・2・4−di(methoxybenzyli
dene)sorbitol 1・ 3・2・4−di(ethoxybenzylid
ene)sorbitol 1・ 3・ 2・ 4−di(P−methylbenzyl
idene)sorbitol 1・3・2・4−di(P−chlorbenzyli
dene)sorbitol 1・3・2・4−di(P−methoxybenzy
lidene)sorbitol 1・3・2・4−di(alkilbenzylide
ne)sorbitol 1・3・2・4−bis(methylbenzyli
dene)sorbitol aluminumbenzoate、等。
【0194】有機造核剤の中でも特に以下のジベンジリ
デンソルビトール化合物が好ましい。特に、本発明で好
ましいのは結晶性樹脂であるポリオレフィン樹脂(好ま
しくはホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・αオレフ
ィンブロック共重合体樹脂、プロピレン・αオレフィン
ランダム共重合体樹脂、密度が0.910g/cm3
上のホモポリエチレン樹脂及び密度が0.870g/c
3以上のエチレン・αオレフィン共重合体樹脂)のた
て弾性係数ヤング率向上、物理強度向上、剛性向上、硬
度向上、耐摩耗性向上、寸法精度向上、結晶化速度向
上、成形速度向上、成形故障の減少等の効果を発揮する
こと及び従来の有機造核剤の欠点であった異臭とブリー
ドアウトを改善できる下記のジ−置換ベンジリデンソル
ビトール組成物が特に好ましい。
【0195】このジ−置換ベンジリデンソルビトール組
成物の必須成分として、一般式(I)
【0196】
【化3】
【0197】{式中、R及びR’は、それぞれ独立し
て、塩素原子、メチル基及びエチル基よりなる群より選
ばれる原子または基を表す}のジベンジリデンソルビト
ール誘導体の固体粉末と式(II) CH3(CH2)nCOOH (II) {式中、nは14〜30、好ましくは18〜27、最も
好ましくは20〜25の数を表す}の高級脂肪酸を含有
してなり、該高級脂肪酸が該ジベンジリデンソルビトー
ル誘導体の固体粉末の表面を被覆して含有されているジ
ベンジリデンソルビトール誘導体組成物が提供される。
【0198】本発明で好ましく用いられる一般式(I)
のジベンジリデンソルビトール誘導体としては、1,3
−2,4・ジpメチルベンジリデンソルビトール、1,
3−2,4−ジpエチルベンジリデンソルビトール、
1,3−pメチルベンジリデン−2,4−pクロルベン
ジリデンソルビトール、1,3−pメチルベンジリデン
・2,4−pエチルベンジリデンソルビトール及び1,
3−pクロルベンジリデン−2,4pメチルベンジリデ
ンソルビトール等を例示することができる。
【0199】本発明の有機造核剤の好ましい態様におい
ては、上記一般式(I)において、R及びR’は、それ
ぞれ独立してメチル基または塩素原子を表すジベンジリ
デンソルビトール誘導体が用いられる。
【0200】特に好適なジベンジリデンソルビトール誘
導体は、1,3−2,4−ジpメチルベンジリデンソル
ビトール、1,3−pメチルベンジリデン−2,4−p
クロルベンジリデンソルビトール及び1,3−pクロル
ベンジリデン・2,4−pメチルベンジリデンソルビト
ール、である。
【0201】本発明で有機造核剤として好ましく用いら
れる式(II)の高級脂肪酸の好ましい例は、ベヘン酸、
ステアリン酸およびパルミチン酸であり、なかでもベヘ
ン酸が最も好ましく、ステアリン酸がこれに次ぐ。
【0202】本発明の有機造核剤組成物において使用さ
れるジベンジリデン誘導体の固体粉末の粒径は、格別な
制限は必要でなく、粒度分布30〜100メッシュのも
のが好適に用いられる。
【0203】本発明の好ましい有機造核剤組成物は、ジ
ベンジリデン誘導体の95〜50重量部、好ましくは9
0〜50重量部に対し高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸
化合物(脂肪酸金属塩や脂肪酸アミド等)及び/又は可
塑剤の1種以上を5〜50重量部、好ましくは10〜5
0重量部の範囲において、両成分の合計が100重量部
になる割合で含有する。
【0204】本発明の特に好ましい有機造核剤組成物
は、上記割合の高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸化合物
及び/又は可塑剤の1種以上を含有する水性エマルジョ
ンに上記割合のジベンジリデンソルビトール誘導体の固
体粉末を添加攪拌して、ジベンジリデンソルビトール誘
導体の固体粉末の表面上に高級脂肪酸及び/又は高級脂
肪酸化合物及び/又は可塑剤の1種以上の被覆層を形成
させ、高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸化合物及び/又
は可塑剤の1種以上の被覆層を有するジベンジリデンソ
ルビトール誘導体粉末を濾別後、洗浄及び乾燥を行うこ
とによって作ることができる。
【0205】上記方法において使用する高級脂肪酸及び
/又は高級脂肪酸化合物及び/又は可塑剤の水性エマル
ジョンは、例えば、高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸化
合物及び/又は可塑剤の濃度5〜50重量%、好ましく
は10〜50重量%の有機溶媒溶液に、界面活性剤を少
量、例えば高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸化合物及び
/又は可塑剤100重量部に対して1〜10重量部、好
ましくは2〜5重量部、を用いて水中に分散させること
によって容易に得ることができる。
【0206】また、ジベンジリデンソルビトール誘導体
の固体粉末の表面上に形成された高級脂肪酸及び/又は
高級脂肪酸化合物及び/又は可塑剤の被覆層の存在は、
該被覆層を染料で染色して観察することによって確認す
ることができる。その他、後記遮光性物質の表面被覆物
質で有機造核剤の表面を被覆することも分散性向上等の
点から好ましい。
【0207】本発明の好ましい有機造核剤の組成物が、
物理強度、非ブリードアウト性及び無臭性の改善のため
に添加剤として効果的に使用されるポリオレフィン系樹
脂の例は、炭素数が2〜6の脂肪族モノオレフィンの数
平均分子量が10,000〜600,000、好ましく
は11,000〜500,000、特に好ましくは1
2,000〜400,000、特に好ましくは13,0
00〜300,000の高分子量の単独重合体または共
重合体、例えばホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・
αオレフィン共重合体樹脂のポリプロピレン系樹脂、低
密度ホモポリエチレン樹脂、高密度ホモポリエチレン樹
脂、直鎖状ポリエチレン(エチレン・αオレフィン共重
合体)樹脂およびエチレン・プロピレン共重合体樹脂の
ポリエチレン系樹脂等である。特に結晶化度が高い結晶
性ポリオレフィン系樹脂が好ましく、有機造核剤の添加
効果が効果的に発揮されるので結晶化度は50%以上、
好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上、最
も好ましくは90%以上のポリオレフィン系樹脂であ
る。これらのポリオレフィン系樹脂の分子量分布(数平
均分子量/数平均分子量)は物理強度確保と成形性確保
のバランスの点で1.5〜20、好ましくは2〜15、
特に好ましくは2.5〜12であり、最も好ましくは3
〜10である。有機造核剤の添加効果は、分子量分布が
小さい程発揮されることが今回判明した。ここで分子量
分布はGPC法により測定された分子量より求める。分
子量分布が1.5未満では物理強度は非常に優れ、射出
成形品では寸法精度が優れるが成形性が悪化すると共に
重合が困難で高価になる。分子量分布が20を越えると
この逆になりいずれも実用化困難である。
【0208】本発明の好ましい有機造核剤組成物におい
ては、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、ジ
ベンジリデンソルビトール誘導体成分として0.005
〜5.0重量部、好ましくは、0.01〜3.0重量部
に相当する高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸化合物及び
/又は可塑剤の1種以上で被覆されたジベンジリデンソ
ルビトール誘導体が好適に使用される。
【0209】本発明の好ましい有機造核剤組成物は、有
機造核剤の使用効果が大きい、結晶化度が70%以上、
分子量分布が2〜15、特に好ましくは結晶化度が80
%以上、分子量分布が2.5〜12のポリオレフィン系
樹脂に任意の公知の混合手段で混合することによって配
合することによりたて弾性係数が多く耐摩耗性、物理強
度の優れたフィルムとすることができる。また、本発明
の好ましい有機造核剤組成物は、必要に応じて、該有機
造核剤を高濃度で含有するポリオレフィン系樹脂中のマ
スターバッチとしても用いることができる。
【0210】本発明の好ましい有機造核剤組成物におい
ては、ジベンジリデンソルビトール誘導体の固体粒子の
表面が高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸化合物及び/又
は可塑剤の1種以上で被覆されていることが重要で、ポ
リオレフィン樹脂にジベンジリデンソルビトール誘導体
及び高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸化合物及び/又は
可塑剤の1種以上を単に添加混合しても上記記載の十分
な効果は達成されない。また、180℃以上、好ましく
は190℃以上、特に好ましくは200℃以上の熱履歴
を1回以上経ないと上記記載の十分な効果は達成されな
い。
【0211】この熱履歴は1回経ればよく、例えば本発
明のポリオレフィン系樹脂組成物中に本発明の好ましい
有機造核剤の組成物として詳述した上記ジ−置換ベンジ
リデンソルビトール組成物を0.01〜3.0重量%添
加後、180℃以上、好ましくは190℃以上、特に好
ましくは200℃以上に加熱してペレット化したものを
用いて遮光性ポリオレフィン系樹脂フィルムを成形すれ
ばよく、この時の樹脂温度は180℃以下であっても上
記記載の効果は達成されるが、このフィルム成形時も1
80℃以上の樹脂温度にする(180℃以上の熱履歴を
2回経たと本発明では表現する。)ことにより、物理特
性、剛性が非常に優れ、フィルム表面の光沢の高い、シ
ワや筋等の外観故障がほとんど観察されない熱可塑性樹
脂フィルムを成形することができる。
【0212】造核剤の添加効果を最高に発揮させるに
は、ポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂、特
に分子量分布(数平均分子量/数平均分子量)が1.5
〜12、好ましくは2〜10、特に好ましくは2.5〜
8のポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂に適
用することが好ましい。
【0213】本発明の好ましい有機造核剤組成物は、従
来技術に較べ、ポリオレフィン系樹脂組成物に配合した
場合、物理強度、耐ブリードアウト性、剛性等の諸特性
を何ら損なわないばかりか、場合によってはこれ等諸特
性を更に向上させ、同時に優れた無臭性を有し、併せて
フィルムにシワや筋等の外観故障が出にくくなり、かつ
フィルム成形性が向上しフィルム成形速度が向上でき、
表面硬度を向上させ摩耗クズを減少するといった優れた
効果を奏するものである。即ち、本発明のポリオレフィ
ン系樹脂組成物に、上述のジ−置換ベンジリデンソルビ
トール組成物を含ませることにより、物理強度、剛性、
耐ブリードアウト性、無臭性、フィルム成形性、耐摩耗
性等の優れた写真感光材料包装用積層フィルムを提供す
ることが出来る。
【0214】本発明の好ましい有機造核剤組成物が上記
の優れた効果を奏する理由は必ずしも明らかでないが、
従来のジベンジリデンソルビトールの製造原料であるベ
ンズアルデヒド及び本発明のジベンジリデンソルビトー
ル誘導体の製造原料であるp置換ベンズアルデヒド等の
ベンズアルデヒド誘導体には臭気があって、共に精製後
も不可避的にジベンジリデンソルビトール(誘導体)に
微量残留して透明又は遮光性射出成形品や透明又は遮光
性熱可塑性樹脂フィルム等の異臭の原因となりがちなこ
と及びジベンジリデンソルビトール(誘導体)が熱可塑
性樹脂組成物を用いた熱可塑性樹脂射出成形時や熱可塑
性樹脂フィルム成形時等にも若干分解を起こして異臭の
原因となることが考え得る。
【0215】本発明の好ましい有機造核剤組成物におい
ては、一般式(I)の特定のジベンジリデンソルビト
ール誘導体の固体粒子を用い、該粒子を一般式(II)
とによって、原料ベンズアルデヒド類あるいは分解生成
したベンズアルデヒド類に基づくと推定される異臭が、
熱可塑性樹脂組成物を用いた、熱可塑性樹脂フィルムに
おいて顕著に減少され、かつ剛性、硬度、耐摩耗性、物
理強度等の上記諸物性も同時に優れているといった効果
が奏される。
【0216】各種の有機造核剤は、単独で用いても各種
の無機造核剤との併用、有機造核剤の2種以上を併用す
ることもできる。また、有機及び/又は無機造核剤の表
面を各種の脂肪酸、脂肪酸化合物やシリコン等の滑剤、
カップリング剤、可塑剤、界面活性剤等の分散剤や湿潤
剤等で被覆することができる。
【0217】無機造核剤としては例えば、タルク、クレ
ー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト等の粘土
類、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸カル
シウム、硫酸バリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭化水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化
マグネシウム、水酸化バリウム、等の無機塩、酸化ナト
リウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミ
ナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛等の金属塩化物等が
挙げられる。
【0218】これらの無機造核剤の配合量は樹脂組成物
中に0.01〜5重量%、好ましくは0.03〜3.5
重量%、特に好ましくは0.06〜2重量%、最も好ま
しくは0.1〜1重量%である。
【0219】配合量が0.01重量%よりも少ないと剛
性、耐熱性及び硬度などの向上がなく、また、その配合
量を5重量%より多くしても剛性などがそれ以上向上せ
ず、材料費増となるだけである。
【0220】外層にはエチレン共重合体樹脂を3重量%
以上含有させることが好ましい。これにより、写真感光
材料の有効材料の有効期間(一般には2年間前後)中に
ヒートシールによる溶着部分のシール強度低下を防止で
き、完全密封・遮光性を確保することができる。
【0221】中間層と外層とが多層共押出しで成形され
た積層フィルムの場合、外層は中間層の表面を被覆した
状態でフィルム成形機のダイノズルから押し出される
際、溶融粘度が中間層より小さいので押しだし抵抗を小
さくしメルトフラクチャーが発生するのを防止し、ま
た、中間層と外層の層間剥離強度を大きくする。
【0222】中間層と外層を構成する熱可塑性樹脂の5
0重量%以上をポリオレフィン樹脂にすることができ
る。これにより、層間剥離強度を大きくでき、かつ、リ
サイクルが可能になる。特に、中間層と外層を構成する
熱可塑性樹脂の50重量%を同種のポリオレフィン樹脂
とすれば、層間剥離強度をさらに大きくでき、かつ、リ
サイクル適性を向上させることができる。
【0223】最も好ましいのは中間層と外層の少なくと
も1層以上に相溶化剤(特に酸変性ポリオレフィン樹
脂)を1重量%以上含有させると層間剥離強度を500
g/15mm幅以上にでき、リサイクル適性をさらに向
上させる。ポリオレフィン樹脂として金属メタロセン重
合触媒を用いて重合製造したポリオレフィン樹脂を用い
ると、写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼすことが少
なく、従来写真感光材料包装用積層フィルムを構成する
熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂を用いる時は写
真性悪化を防止するために酸化防止剤、脂肪酸金属塩の
1種以上を添加することが必須とされたが金属メタロセ
ン重合触媒を用いると、これらの添加剤を添加しなくて
も写真性を良好に維持できると共に重合性が良好なので
安価で物理強度の優れたものとしている。
【0224】中間層の両側に積層する外層の遮光性物質
含有量を、中間層の遮光性物質含有量の0.8倍以下に
することが好ましい。この0.8倍以下にすることによ
り、多層共押出しフィルムのフィルム成形性を向上さ
せ、ヒートシール適性を向上させ、写真感光材料の遮光
性物質の離脱による汚染や吸湿や遮光性物質中に含まれ
る硫黄(特に写真性に悪影響を及ぼす遊離硫黄)やホル
マリン及びシアン化合物等による写真性悪化を防止する
ことができる。
【0225】外層の遮光性物質の含有量は、0〜0.9
5重量%が好ましく、0〜0.75重量%が特に好まし
く、0〜0.50重量%が最も好ましい。この範囲とす
ることにより、フィルム成形適性、写真感光材材料の汚
染を防止し、写真性、物理強度をさらに良化することが
できる。また、外層同志をブロッキングにより接着して
6層構成以上の積層フィルムを多層共押出し押し出しイ
ンフレーションフィルム成形工程のみにより製造するこ
とができる。
【0226】このブロッキングにより接着した積層フィ
ルムの製造方法としては、本発明者が既に提案してい
る。特開昭64−22544号公報、特開平2−135
441号公報、特開平5−50568号公報等に記載さ
れた方法を用いることができる。
【0227】外側外層(包装袋を製作した際、外側とな
る方の外層)の外側に、内側外層(包装袋を製作した
際、内側となる方の外層)よりDSC法で測定した融点
が5℃以上、好ましくは10℃以上、特に好ましくは1
50℃以上、最も好ましくは20℃以上高いフレシキブ
ルシートを直接又は接着剤層を介して積層することがで
き、これにより、高速自動製袋が可能で外観が美しく、
熱融解によるピンホールや破袋の発生しない、ヒートシ
ール強度が大きく、完全遮光性と密封可能で、製袋速度
の速い写真感光材料用遮光袋とすることができる。
【0228】内側外層の内側(写真感光材料側)にポリ
オレフィン樹脂を40重量%以上、好ましくは50重量
%以上、特に好ましくは60重量%以上、最も好ましく
は70重量%以上含む(さらにこの内の5重量%以上、
好ましくは10重量%以上、特に好ましくは15重量%
以上、最も好ましくは20重量%以上がエチレン共重合
体樹脂である。)ポリオレフィン樹脂フィルム層を直接
又は接着剤層を介して積層することにより、外観の美し
い、熱融解によるピンホールや破袋の発生しない、ヒー
トシール強度の大きい、2年以上経時してもヒートシー
ル強度が低下せず完全遮光性と完全密封可能で品質劣化
しない、製袋速度が速い写真感光材料遮光袋を提供す
る。
【0229】積層フィルム中に少なくとも1層以上の防
湿フレキシブルシートを積層し、JIS Z−0208
のB条件で測定した透湿度が5g/m2 /24hrs
(測定条件40℃90%RH)以下にすることが好まし
く、こうすることにより、写真感光材料の有効期間中
(2年前後の長期間)完全遮光性と完全密封性を確保
し、写真性の悪化を防止することができる。
【0230】上記の写真感光材料包装用積層フィルムを
用いてヒートシール方法により最内層同士を熱溶着して
密封するのにヒートシール方向と同一方向と同一方向に
連続した複数の凹条を形成することにより光が曲屈する
ようにしてヒートシール断面から光が侵入するのを防止
している。この凹条の表裏の平均深さを5〜30μmと
することにより上記効果をさらに確実なものとしてい
る。
【0231】写真感光材料用遮光袋の外表面の滑り角度
を30度以上になるような熱可塑性樹脂フィルム層を選
択するかすべり防止塗布層を設けることにより熱可塑性
樹脂フィルム層のみからなる積層フィルムから構成され
た遮光袋としても荷崩れが発生するのを防止している。
【0232】調湿材として、天然ゼオライトの一種であ
る多孔室アルミナケイ酸リーダ等をたたき込んだ抄き込
んだ厚さ1〜5mmの紙を遮光袋内に同封して使用直前
の遮光袋内の写真感光材料の関係湿度RHが30〜70
%RH、好ましくは40〜60%RHになるように調整
することにより有効期間の2年前後の長期間保存後使用
しても写真性劣化が問題ない範囲にしている。具体例と
しては特殊製紙(株)製のSHCペーパー(商品名)が
ある。
【0233】シート状の写真感光材料の直角のコーナー
を落し1mm以上の曲率半径からなる曲線とした状態で
5枚以上積重して密封包装することにより使用時や輸送
時にシート状写真感光材料のコーナーにより遮光袋にピ
ンホールや破れが発生しないようにする。(必要に応じ
シート状写真感光材料の大きさと同等以上の保護当ボー
ル紙を用いることが好ましい。)
【0234】本発明の遮光袋は、特に、現像液や定着液
及び水洗用の大量の水を必要としないフルカラー画像記
録が可能なため、最近大きな話題になっている多色感熱
記録材料用防湿遮光袋として最適である。この多色感熱
記録材料の中でもカラー感光材料の発色剤としての高価
な銀とカプラーを用いずに安価なジアゾニウム塩化化合
物(ジアゾと一般に呼称)を用いた多色感熱記録材料用
遮光袋として最適である。
【0235】この場合、白灯下又は太陽光下に包装体が
放置された場合でも密封遮光袋内が吸熱により昇温して
多色感熱記録材料に熱カブリが発生しないように外観が
白色、灰色、黄色、又は銀色の光反射性に着色されるよ
うにすることが特に好ましい。
【0236】このためには最外層のB(B1)及び/又
は中間層のAに白色、灰色、黄色、パール色、又は銀色
等の光反射性着色物質(無機顔料、有機顔料、パール顔
料、金属粉末、金属ペースト、金属フレーク、染料)の
1種以上を含有させるか、上記の光反射性着色物質を1
種以上含有するインキ層が塗料層を設ける。
【0237】このように光反射性着色外観とすることに
より光の反射性を良好にし、耐熱性、防熱性を向上さ
せ、セーフライト(暗室)下での積層フィルムの表裏判
別性を向上させ、さらに印刷適性、外観を優れたものと
することができる。さらに焼却する場合の発熱量を減少
でき、着色物質の凝集を防止できる予想外の効果を発揮
することが判明した。白色(含む灰色)の着色物質の代
表例としては酸化チタン、亜鉛華、硫酸バリウム、硫酸
カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、パ
イロフィライト、マイカ、クレー、鉛白等が使用され、
黄色の着色物質の代表例としてはチタンイエロー、クロ
ムイエロー、カドミウムイエロー、クロモフタールイエ
ローGR、キノフタロンイエロー、ベンジジンイエロ
ー、オイルイエロー、ベンガラ等が使用され、パール色
の着色物質の代表例としては天然パール顔料(魚鱗や貝
殻等の粉末)や合成真珠箔等の合成パール顔料等が使用
され、銀色の着色物質の代表例としてはアルミニウム粉
末、錫粉末、ステンレス粉末、アルミニウムペースト、
アルミニウムフレーク等が使用される。
【0238】これらの光反射性着色物質を2種以上混合
して用いてもよいが最外層から見た外観が白色、灰色、
黄色、パール色、又は銀色になっていることが上記種々
の予想外の効果を発揮させるには必要である。光反射性
の外観にするためにはこの光反射性着色物質の添加量は
0.1〜80重量%、好ましくは0.5〜60重量%、
特に好ましくは1〜50重量%、最も好ましくは2〜4
0重量%である。添加量が0.1重量%未満では層の厚
さを大きくしなければならずフィルム成形性、製袋適
性、経済性等の点で問題がある。
【0239】添加量が80重量%を越えると積層フィル
ムの物理強度が小さくなりすぎ、又フィルム成形性等が
悪化して実用化困難である。感熱記録材料の中で本発明
の本発明品A1〜A12の積層フィルムを用いた写真感
光材料用遮光袋、特に外観を光反射性着色にした遮光袋
が最も好ましく適用できるものはジアゾ化合物を用いた
定着可能なジアゾ系多色感熱記録材料である。
【0240】感熱記録は、記録装置が簡易で信頼性が高
く、しかも、メンテナンス・フリーにできるといった数
々の利点を有しているところから、研究開発が熱心に続
けられ、最近では、本願出願人により、フルカラー画像
記録が可能な多色感熱記録材料が開発されている。
【0241】代表的なものとしては特開昭59−190
886号公報、特開昭61−40192号公報、特開昭
61−40193号公報、特開平3−288688号公
報、特開平4−28585号公報等があり詳細に内容が
記載されているので本発明では簡単に概要を説明する。
【0242】このフルカラー画像記録を可能ならしめる
多色感熱記録材料は、支持体上に、発色層と、該発色層
が引っ掻きや擦れによる摩擦熱で発色することを防ぐた
めに前記発色層の上を覆う保護層とを形成したものであ
る。
【0243】そして、支持体上の発色層は、表面に近い
方から順に、イエロー発色層、マゼンタ発色層、シアン
発色層を積層させた三層構造をなしている。また、これ
らの各発色層は、発色剤と顕色剤との反応により所定の
発色を行わせるもので、発色剤には、ジアゾニウム塩化
化合物(ジアゾ)を使い、該ジアゾはマイクロカプセル
の中にとじ込めて層中に分散されている。印字の時点で
は、各層に固有の所定温度の熱が加えられると前記マイ
クロカプセルの分子鎖が広がり、内部のジアゾがカプセ
ル外部にでて顕色剤と反応して発色し、次に、各層に固
有の波長光を当てて不用なジアゾを分解して印字を定着
させる構成である。各色は例えば128階調で発色させ
ることができ、各発色層における発色の重ね合わせで、
銀塩写真方式に迫る高画質のフルカラー画像記録を実現
する。
【0244】ところで、感熱記録材料を包装する場合に
は、外光の侵入など外部環境の影響によって内部の感熱
記録材料が反応しないように配慮することが必要であ
り、従来より、このような観点から、包装材料の材質や
包装形態、あるいは包装処理工程における環境整備等に
種々の工夫が成されている。
【0245】本発明の写真感光材料包装体はJIS Z
−0208(40℃、90%RH)の測定方法での透湿
度が20g/m2・1日以下、好ましくは10g/m2
1日以下、特に好ましくは5g/m2・1日以下最も好
ましくは3g/m2・1日以下である積層フィルムを用
いてヒートシール方法により作成した密封・防湿・遮光
袋に写真感光材料(ジアゾ系の感熱記録材料を含む)を
密封状態に収容する時に写真感光材料(ジアゾ系の感熱
記録材料を含む)の平衡含水率を15〜70%RH、好
ましくは20〜65%RH、特に好ましくは25〜60
%RHに調整後密封することにより1年間以上の長期間
写真性等の品質劣化を起こすことなく良好な品質を確保
することができる。写真感光材料用支持体として、写真
感光層を設ける側の面は防湿性のポリオレフィン樹脂フ
ィルム層、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム
層、ポリエチレン2・6ナフタレート樹脂フィルム層、
トリアセテート樹脂フィルム層、ポリスチレン樹脂フィ
ルム層の合成紙等とすると支持体の含水率が低下できる
ので写真感光材料の品質の安定性はさらに向上するので
特に好ましい。これらの樹脂フィルム層は紙支持体等の
基体に被覆した塗布フィルム層であってもよく多層共押
出しフィルム層の1つのフィルム層であってもよく、単
層フィルムであってもよい。単層フィルムの場合はタ
テ、ヨコ方向に各々2〜15倍、好ましくは3〜10
倍、特に好ましくは4〜8倍延伸した二軸延伸フィルム
である。
【0246】本発明の写真感光材料包装体として、好ま
しい代表的な実施態様を以下に示すが本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0247】 本発明の写真感光材料用遮光袋の最内
層と写真感光材料の少なくとも1つの表面層(保護層、
保護層がない場合は感光層又はバックコート層)に滑剤
及び界面活性剤の1種以上を0.01〜10重量%添加
した写真感光材料包装体とする。
【0248】これによりスタチックマークの発生防止、
写真感光材料の遮光袋への出入れ性向上、すり傷発生防
止、写真感光材料の表面層と遮光袋の最内層とのブロッ
キング発生防止が遮光袋の最内層のみにこれらを添加し
た場合に比較して予想外に良化でき、遮光袋の最内層へ
の滑剤及び界面活性剤の添加量を1/2以下にすること
が可能で、かつこれらのブリードアウトによる遮光袋の
経時ヒートシール強度低下を防止でき、完全密封・遮光
が可能な写真感光材料包装体とすることができる。
【0249】 遮光袋の最内層に滑剤及び界面活性剤
の1種以上を0.01〜10重量%添加する。
【0250】これにより最内層に少なくともエチレン共
重合体樹脂を2重量%以上、好ましくは5重量%以上、
特に好ましくは10重量%以上、最も好ましくは、15
%以上添加しても経時ヒートシール強度の低下を防止で
きる。
【0251】 複数の親水性コロイド層からなるハロ
ゲン化銀写真感光材料の少なくとも一層に各種公知の滑
剤の1種以上を0.001〜10重量%添加し、写真感
光材料用遮光袋の最内層のヒートシール層に各種公知の
滑剤の1種以上0.001〜10重量%添加する。
【0252】これにより防塵性、帯電防止性、写真感光
材料のスリ傷発生防止性、遮光袋に対する写真感光材料
出入れ性が予想外に良化させることできる。
【0253】
【実施例】以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。
【0254】本発明の写真感光材料包装用積層フィルム
の層構成の態様を図面に基づいて説明する。
【0255】図1〜図4は、写真感光材料包装用積層フ
ィルムの層構成を示す部分断面図である。
【0256】図1に示す写真感光材料包装用積層フィル
ムは、遮光性を有する中間層Aの両側に遮光性を有する
外層B1及び遮光性を有するB2が設けられた3層共押
出しフィルムIIIである。
【0257】図2に示す写真感光材料包装用積層フィル
ムは、遮光性を有する中間層Aの両側に遮光性を有する
外層B1及び遮光性を有しないB2が設けられた3層共
押出しフィルムIIIである。
【0258】図3に示す写真感光材料包装用積層フィル
ムは、遮光性を有する中間層Aの両側に遮光性を有しな
い外層B1及び遮光性を有するB2が設けられた3層共
押出しフィルムIIIである。
【0259】図4に示す写真感光材料包装用積層フィル
ムは、遮光性を有する中間層Aの両側に遮光性を有しな
い外層B1及び遮光性を有しないB2が設けられた3層
共押出しフィルムIIIである。
【0260】図5に示す写真感光材料包装用積層フィル
ムは、遮光性を有する中間層Aの両側に、接着層Cを介
して遮光性を有する外層B1及び遮光性を有しないB2
が設けられている。なお、中間層Aと外層B2は2層共
押出しフィルムIIである。
【0261】図6に示す写真感光材料包装用積層フィル
ムは、遮光性を有する中間層Aの両側に、遮光性を有し
ない外層B1及び接着層Cを介して遮光性を有するB2
が設けられている。なお、中間層Aと外層B1は2層共
押出しフィルムIIである。
【0262】図7に示す写真感光材料包装用積層フィル
ムは、図1に示す写真感光材料包装用積層フィルムにお
いて、外層B2に接着層Cを介してヒートシール層Dを
積層したものである。
【0263】図8に示す写真感光材料包装用積層フィル
ムは、図4に示す写真感光材料包装用積層フィルムにお
いて、外層B2に接着層Cを介してヒートシール層Dを
積層したものである。
【0264】図9に示す写真感光材料包装用積層フィル
ムは、図1に示す写真感光材料包装用積層フィルムにお
いて、外層B1に接着層Cを介してフレキシブルシート
層Eを積層したものである。
【0265】図10に示す写真感光材料包装用積層フィ
ルムは、図3に示す写真感光材料包装用積層フィルムに
おいて、外層B1に接着層Cを介してフレキシブルシー
ト層Eを積層したものである。
【0266】図11に示す写真感光材料包装用積層フィ
ルムは、図3に示す写真感光材料包装用積層フィルムに
おいて、外層B1に接着層Cを介してフレキシブルシー
ト層Eを積層し、外層B2に接着層Cを介してヒートシ
ール層Dを積層したものである。
【0267】図12に示す写真感光材料包装用積層フィ
ルムは、図1に示す写真感光材料包装用積層フィルムを
二枚をブロッキングにより積層したものである。
【0268】図13に示す写真感光材料包装用積層フィ
ルムは、図4に示す写真感光材料包装用積層フィルムを
二枚をブロッキングにより積層したものである。
【0269】図14に示す写真感光材料包装用積層フィ
ルムは、図3に示す写真感光材料包装用積層フィルムを
二枚をブロッキングにより積層したものである。
【0270】次に、本発明による写真感光材料用遮光袋
の形態について図15に基づいて説明する。
【0271】図15は写真感光材料用遮光袋の斜めから
見た平面図である。
【0272】図15に示す写真感光材料用遮光袋は、上
述したような写真感光材料包装用積層フィルムを用いて
形成されており、袋部11と、この袋部11の一つの辺
に形成された開口部12と、その他の3つの辺に形成さ
れたシートシール部13とで構成されている。 〔本発明品A1〜A12〕本発明品A1〜A12は、図
1に示す層構成の3層共押出しフィルムIIIに該当す
る。
【0273】中間層Aは、本発明品A1〜A12におい
て樹脂組成を変化させており、その詳細を表7及び表8
に示す。
【0274】
【表7】
【0275】
【表8】
【0276】HDPE樹脂A;MFR(JIS K 6
760)が0.5g/10分、密度(JIS K 67
60)が0.960g/cm3、ショア硬さ(JIS
K 7215)が48D、ビカット軟化点(JIS K
7206)が90℃、タテ弾性係数が91kg/mm
2、オルゼン剛性(JIS K 7106)が2510
kg/cm2、DSC法の融点が111℃の低圧法のホ
モポリエチレン樹脂である。
【0277】HDPE樹脂B;MFR(JIS K 6
760)が0.02g/10分、密度(JIS K 6
760)が0.953g/cm3、ショア硬さ(JIS
K 7215)が65D、ビカット軟化点(JIS
K 7206)が125℃、タテ弾性係数(JIS K
6760)が71kg/cm2、オルゼン剛性(JI
S K 7106)が6200kg/cm2、DSC法
の融点が129℃の低圧法のホモポリエチレン樹脂であ
る。
【0278】LDPE樹脂A;MFR(JIS K 6
760)が2.0g/10分、密度(JIS K 67
60)が0.920g/cm3、ショア硬さ(JIS
K 7215)が45D、ビカット軟化点(JIS K
7206)が86℃、タテ弾性係数(JISK 67
60)が16kg/cm2、オルゼン剛性(JIS K
7106)が2150kg/cm2、DSC法の融点
が107℃の高圧法のホモポリエチレン樹脂である。
【0279】L−LDPE樹脂A;MFR(JIS K
6760)が0.8g/10分、密度(JIS K
6760)が0.945g/cm3、ショア硬さ(JI
S K 7215)が63D、ビカット軟化点(JIS
K 7206)が125℃、タテ弾性係数(JISK
6760)が75kg/mm2、オルゼン剛性(JI
S K 7106)が5100kg/cm2、DSC法
の融点が131℃の低圧法のエチレン・ブテン−1共重
合体樹脂である。
【0280】L−LDPE樹脂B;MFR(JIS K
6760)が2.1g/10分、密度(JIS K 6
760)が0.920g/cm3、ショア硬さ(JIS
K 7215)が50D、ビカット軟化点(JIS
K 7206)が93℃、タテ弾性係数(JIS K6
760)が36kg/mm2、オルゼン剛性(JIS
K 7106)が2550kg/cm2、DSC法の融
点が123℃の低圧法のエチレン・オクテン−1共重合
体樹脂である。
【0281】PP樹脂A;MFR(JIS K 675
8)が4.0g/10分、密度(JIS K 675
8)が0.90g/cm3、ロックウェル硬度(AST
M D 785)が95R、ビカット軟化点(ASTM
D 1525)が124℃、タテ弾性係数(ASTM
D 882)が55kg/mm2、曲げ剛性率(AS
TM D 747)が7800kg/cm2、熱変形温
度(ASTM D 648、4.6kg荷重)が98℃、
タテ降伏点強度(ASTM D 638)が2.6kg
/mm2のプロピレン・エチレンブロック共重合体樹脂
である。
【0282】PP樹脂B;MFR(JIS K 675
8)が8.0g/10分、密度(JIS K 675
8)が0.90g/cm3、ロックウェル硬度(AST
M D 785)が107R、ビカット軟化点(AST
M D 1525)が151℃、タテ弾性係数(AST
M D 882)が85kg/mm2、曲げ剛性率(A
STM D 747)が12000kg/cm2、熱変
形温度(ASTM D 648、4.6kg荷重)が1
22℃、タテ降伏点強度(ASTM D 638)が
3.5kg/mm2である。気相法のホモプロピレン樹
脂である。
【0283】酸変性樹脂A;三井石油化学製の酸変性ポ
リオレフィン樹脂である商品名「アドマー♯QF30
5」である。
【0284】酸変性樹脂B;三井石油化学製の酸変性ポ
リオレフィン樹脂である商品名「アドマー♯LF30
0」である。
【0285】遮光性物質A;pH(JIS K 622
1)が7.0、平均粒子径(電子顕微鏡法)が23m
μ、揮発成分(JIS K 6221)が0.9%、D
BP吸油量(JIS K6221の吸油量A法)が11
0ml/100g、ヨウ素吸着量(JIS K622
1)が56mg/g、ASTM D 1619−60の
測定方法による硫黄成分が0.4%のファーネスカーボ
ンブラックである。
【0286】遮光性物質B;pH(JIS K 622
1)が3.1、平均粒子径(電子顕微鏡法)が17m
μ、揮発成分(JIS K 6221)が3.6%、D
BP吸油量(JIS K6221の吸油量A法)が32
0ml/100g、ヨウ素吸着量(JIS K622
1)が98mg/g、ASTM D 1619−60の
測定方法による硫黄成分が0.51%のチャンネルカー
ボンブラックである。
【0287】滑剤A; エルカ酸アミドである。
【0288】滑剤B; ステアリン酸カルシウムであ
る。
【0289】酸化防止剤A;ヒンダードフェノール系酸
化防止剤のテトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−
ジ−タ−シャル−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕メタンである。
【0290】酸化防止剤B;リン系酸化防止剤のトリス
−(2,4−ジ−タ−シャル−ブチルフェニル)ホスフ
ァイトである。
【0291】造核剤A;有機造核剤のジベンジリデンソ
ルビトール化合物であるベヘン酸で表面被覆した1,3
・2,4−ジ−パラメチルベンジリデンソルビトールで
ある。
【0292】造核剤B;無機造核剤のステアリン酸で表
面被覆した炭酸カルシウムである。
【0293】外層B1の樹脂組成物は、ブロッキング防
止のために高密度ホモポリエチレン樹脂(MFRが0.
9g/10分、密度が0.954g/cm3、ビカット
軟化点が124℃)10重量%、
【0294】たて弾性係数が47kg/mm2のプロピ
レン−エチレンブロック共重合体樹脂(アイソタクチッ
クペンタット分率が0.982、エチレン共重合量が2
0重量%、メルトフローレート(MFR)が10g/1
0分)69.5重量%、
【0295】遮光性物質としてAl23の形で計算した
量が酸化チタンに対して0.7重量%の含水酸化アルミ
ニウムで表面被覆したアナターゼ型酸化チタン10重量
%、
【0296】写真性を悪化させる重合触媒の中和のため
にステアリン酸カルシウム0.3重量%、
【0297】樹脂焼けによる着色防止と樹脂の熱分解に
よる写真性悪化防止のためにヒンダードフェノール系酸
化防止剤(チバ・ガイギー社製 イルガノックス101
0)0.2重量%、
【0298】酸化チタンの分散性向上と相溶性向上及び
中間層との層間剥離強度向上のために酸変性ポリオレフ
ィン樹脂(三井石油化学工業製のアドマー♯LF30
0、MFRが1.2g/10分、密度が0.72g/c
3、ビカット軟化点が92℃、DSC法の融点が10
9℃)10重量%である。
【0299】内層B2の樹脂組成物は、たて弾性係数が
15kg/mm2の高圧法分岐状低密度ポリエチレン樹
脂(三菱油化製 ♯AH−40:MFR2.2g/10
分、密度が0.922g/cm3、ビカット軟化点が8
9℃、DSC法の融点が110℃)74.25重量%、
【0300】たて弾性係数が35kg/mm2の低圧法
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(出光石油化学製 モア
テック♯02381:MFRが2.0g/10分、密度
が0.920g/cm3、ビカット軟化点が96℃、D
SC法の融点が120℃のエチレン・オクテン−1共重
合体樹脂)15.0重量%、
【0301】ファーネスカーボンブラックの分散性向上
と相溶性向上及び中間層との層間剥離強度向上のために
酸変性ポリオレフィン樹脂(三井石油化学工業KKの商
品名アドマー♯LF300、MFRが1.2g/10
分、密度が0.92g/cm 3、ビカット軟化点が92
℃、DSC法の融点が109℃)5重量%、
【0302】樹脂の流動性向上と写真感光材料との滑り
性向上、帯電防止、フィルム成形性向上のためのエルカ
酸アミドが0.05重量%、
【0303】ヒンダードフェノール系酸化防止(チバ・
ガイギー社製 商標名 イルガノックス1010)0.1
5重量%、
【0304】酸化防止剤と遮光能力向上剤の2つの働き
をするビタミンE0.10重量%、
【0305】重合触媒の触媒残渣中和作用により写真感
光材料の写真性への悪影響を防止する働きをするステア
リン酸亜鉛0.15重量%、
【0306】写真性、分散性が良好で遮光性向上、帯電
防止のためのファーネスカーボンブラック(pHが7.
1、BET比表面積が920m2/g、平均粒子径が2
8mμ、硫黄含有量が0.32%、ヨウ素吸着量が11
3mg/g)5重量%、
【0307】帯電防止性向上、滑性向上、エルカ酸アミ
ドのブリードアウト防止、防滴性向上のためのステアリ
ン酸モノグリセライド0.3重量%である。
【0308】外層B1及び外層B2の厚みは20μm、
中間層のA層の厚みは50μmである。
【0309】以上のような写真感光材料包装用積層フィ
ルムを用いて図15に示すような写真感光材料用遮光袋
を作製し、各種試験を行った。結果を表8に示す。
【0310】表8中の試験方法は以下の通りである。 *A 写真感光材料挿入適性 暗室下で各写真感光材料包装用積層フィルムを用いて図
17の形状の三方シール袋に51cm×61cmサイズのシ
ート状写真フィルム50枚をコ字状の当てボールに挟ん
だ状態で開口部より暗室下で挿入する時の挿入しやすさ
より評価 *B 破袋強度 JIS Z−0200−1973のレベルIIに準ずる。
*Aの包装状態でシート状写真フィルムを三方シール袋
に開口部より挿入後開口部をヒートシールした包装体を
ボール箱に入れ(重量7kg)。このボール箱5箱をさ
らに段ボールに入れた包装形態(重量35kg)でテス
トして評価 *C 層間剥離強度 180度のピーリング試験、ASTM D 903の試
験機を使用して層間で1番剥離しやすい部分の剥離する
のにようする荷重より評価 *D ブツ発生防止性 各積層フィルムをフィルム成形機を用いて作製した時の
ブツの発生しにくさの度合いを、積層フィルムの外観目
視検査により評価 *E カーリング防止性 各積層フィルムで直径100mの円形のカーリング試験
サンプルを作成し、温度20℃、湿度60%RHの雰囲
気中で1kgの荷重金属板下に24時間放置した後、上
記条件の雰囲気中に円形の試験サンプルを1枚ごと無荷
重で平板上に24時間放置した後のカーリングの状態で
評価 *F 帯電防止性 テストすべき積層フィルムで巾35mm、長さ1350
mmのエンドレスベルトを作り、このエンドレスベルト
を荷重500gのSUS(ステンレス)ロールとSUS
ロール間に12m/分の速度で送った時のハクリ帯電圧
をボルトメーターで測定した(新東科学KK製測定器) *G 製袋適性 各積層フィルムを用いてヒートシール方法により密封・
遮光袋を製造する時のシール部分の強度、見栄え、ピン
ホール防止性、帯電防止性、低温ヒートシール適性、層
間剥離強度等を総合的に評価 *H フィルム成形性 各フィルムを成形する時の樹脂ペレットのブロッキング
防止性、フィルム成形時の押出し機の電流負荷、バブル
の安定性、筋や白粉やシワの発生防止性、巻き取り適性
(蛇行防止性、静電気防止性等)等を総合的に評価 *I 写真性 各積層フィルムを用いて作成した防湿・遮光袋にカラー
印画紙をヒートシール方法により密封包装後、温度40
℃、相対湿度80%の恒温・恒湿室に3日間放置した
後、通常の現像処理を行った時のタイプ(ブランク)と
のカブリ、感度、階調、発色等の写真性変化の大きさよ
り評価 表8の評価は下記による。
【0311】 ◎……非常に優れている ○……優れている ●……実用限度 ▲……問題あり(改良必要) ×……実用不可 以上のように、本発明の写真感光材料包装用積層フィル
ムで作製した写真感光材料用遮光袋は、写真感光材料挿
入適性が優れ、破袋強度が大きく、カーリングが小さ
く、帯電防止性に優れ、製袋適性が優れたものであっ
た。
【0312】さらにこの写真感光材料用遮光袋にシート
状カラー印画紙、シート状写真フィルム、ロール状印画
紙及びロール状写真フィルム、その他シート状又はロー
ル状のフルカラー多色感熱記録材料を密封包装した。こ
の写真感光材料用包装体は、遮光袋のリサイクル適性、
防塵性、品質の長期間安定確保性等が優れ、且つ安価で
物理強度が大きく時代の要求にマッチしたものであっ
た。
【0313】〔本発明品B1〕本発明品B1は、図3に
示す3層構成のフィルムに該当する(但し、3層共押出
しフィルムではない)。
【0314】中間層Aは、ステアリン酸カルシウム0.
3重量%、ファーネスカーボンブラック3重量%及び酸
化防止剤0.2重量%含むエチレン成分が2重量%、プ
ロピレン成分が98重量%のたて弾性係数が115kg
/mm2のプロピレン・エチレンブロック共重合体樹脂
(密度0.90g/cm3、アイソタチックインデック
ス96、極限粘度〔η〕が2.1dl/g)を1台の押
出機に供給する。
【0315】外層B2は、エルカ酸アミド0.05重量
%、ステアリン酸カルシウム0.2重量%、ファーネス
カーボンブラック3重量%及び酸化防止剤0.2重量%
含む融点が87℃、たて弾性係数が21kg/mm2
エチレン・プロピレン樹脂エラストマーをもう1台(2
台目)の押出機へ供給する。そして、250℃でシート
状に共押出し後、冷却ドラムに巻き付けて冷却した後、
130℃のオーブンで加熱し、たて方向に3.5倍に延
伸し、たて一軸延伸二層共押出しフィルムを得た。
【0316】このたて一軸延伸2層共押出しフィルムの
中間層Aの外側に外層B1として、フィルム成形機の途
中に設けたもう1台(3台目)の押出機を用いて酸化防
止剤0.1重量%、ステアリン酸カルシウム0.3重量
%、ハイドロタルサイト類化合物0.4重量%含む密度
が0.89g/cm3、たて弾性係数が46kg/mm2
のプロピレン・エチレン・ブテン共重合体樹脂を溶融押
出しラミネートして3層構成の積層フィルムとした。
【0317】この積層フィルムを160℃に加熱したス
テンタに導き、よこ方向に7.0倍延伸し、150℃で
熱固定を行ない中間層のA層の厚さ35μm、外層B1
の厚さ5μm、内層のB2層の厚さ10μmである総厚
さが50μmの逐次二軸延伸の遮光性三層積層フィルム
を得た。
【0318】得られた積層フィルムを用いて製袋した遮
光袋は、ホットタック性、ヒートシール強度、密封・遮
光性、防湿性、破袋強度、防塵性、耐ピンホール性等が
優れカーリングが小さく、たて弾性係数が大きいので製
袋適性の優れたものであった。
【0319】〔本発明品B2〕本発明品B2は、本発明
品B1の外層B1及びB2のエチレン・プロピレン樹脂
エラストマーの代わりに、MFRが1.1g/10分、
密度が0.89g/cm3、たて弾性係数が28kg/
mm2のエチレン・ブテン−1共重合体樹脂を用いた他
は全く同一樹脂組成物、同一厚さの外層B1、中間層、
外層B2から成る総厚さ50μmの逐次二軸延伸の遮光
性三層積層フィルムである。
【0320】得られた積層フィルムを用いて製袋した遮
光袋は本発明品B1よりさらに引裂き強度、ヒートシー
ル適性、製袋適性、破袋強度、耐ピンホール性が優れて
おり写真感光材料用遮光袋として適したものであった。
【0321】〔本発明品B3〕本発明品B3は、本発明
品B2と同一の樹脂組成物の外層B1と、中間層Aと、
外層B2とを3台の押出機に供給し三層共押出しフィル
ムを得た。この三層共押出しフィルムを132℃のオー
ブンで加熱し、たて方向に3.5倍延伸し、続いて16
0℃のステンタに導いてよこ方向に7.0倍延伸し、1
50℃で熱固定した逐次二軸延伸の遮光性三層共押出し
積層フィルムとした。
【0322】この外層B1の厚さ5μm、中間層のA層
の厚さ35μm、外層B2の厚さ10μmである総厚さ
が50μmの写真感光材料包装用積層フィルムを用いて
製袋した遮光袋は略本発明品B2と同等の優れた特性を
有するもので写真感光材料用遮光袋として適したもので
あった。
【0323】〔比較品B1〕比較品B1は、本発明品B
1の中間層Aのみから成るプロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体樹脂組成物を用い1台の押出機に供給し25
5℃でシート状に溶融押出し後、冷却ドラムに巻き付け
て冷却した後、135℃のオーブンで加熱して、たて方
向に3.5倍延伸後、続いて165℃のステンタに導い
てよこ方向に7.0倍延伸し、155℃で熱固定した厚
さ50μmの逐次二軸延伸の遮光性フィルムとした。こ
の遮光性フィルムを用いて製袋した遮光袋はホットタッ
ク性、ヒートシール強度、密封・遮光性、耐ピンホール
性、引裂き強度、破袋強度が不十分で写真感光材料用遮
光袋としては実用化不可のものであった。
【0324】〔本発明品C1〕本発明品C1は、図7に
示す層構成の積層フィルムである。
【0325】本発明品C1は、本発明の遮光性積層フィ
ルムIIIとして、本発明品B1の総厚さが50μmの
逐次二軸延伸の遮光性三層積層フィルムを用いた。
【0326】ヒートシール層Dは、MFRが1.0g/
10分、密度が0.890g/cm 3のエチレンブテン
−1共重合体樹脂70重量%、MFRが2.0g/10
分、密度が0.89g/cm3のブテン−1含有量が5
重量%のプロピレン・ブテン−1ランダム共重合体樹脂
26.3重量%、ファーネスカーボンブラック3.0重
量%、ステアリン酸亜鉛0.2重量%、ハイドロタルサ
イト類化合物0.3重量%、フェノール系酸化防止剤
0.05重量%、リン系酸化防止剤0.1重量%、エル
カ酸アミド0.05重量%を含む空冷インフレーション
フィルム成形方法で成形した厚さ35μmの遮光性超低
密度直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂フィルムである。
【0327】接着層Cは、MFRが3.5g/10分、
密度が0.93g/cm3の不飽和カルボン酸をグラフ
ト重合した酸変性低密度ホモポリエチレン樹脂15重量
%とMFRが6.0g/10分、密度が0.918g/
cm3の低密度ホモポリエチレン樹脂85重量%をブレ
ンドした厚さ15μmのエクストルージョンラミネート
接着層である。
【0328】この5層構成の遮光性積層フィルムを用い
て製袋した遮光袋は、上述の本発明品A1〜A12及び
本発明品B1〜B3のいずれよりも物理強度、ヒートシ
ール強度、密封遮光性、破袋強度、耐ピンホール性等が
優れ、遮光袋への写真感光材料挿入適性も優れ、特に2
kg以上の重量を有するロール状及びシート状いずれの
写真感光材料用遮光袋として最適のものであった。
【0329】〔本発明品C2〕本発明品C2は、図7に
示す層構成の積層フィルムである。
【0330】本発明品C2は、本発明の遮光性積層フィ
ルムIIIとして、本発明品B3の総厚さが50μmの
逐次二軸延伸の遮光性三層共押出し積層フィルムを用い
た。
【0331】ヒートシール層D及び接着層Cは、本発明
品C1と同一である。
【0332】この5層構成の遮光性積層フィルムを用い
て製袋した遮光袋は、本発明品C1の遮光袋よりさらに
破袋強度、耐ピンホール性、引裂き強度等が優れてお
り、重量が3kg以上のロール状及びシート状いずれの
写真感光材料用遮光袋として最適のものであった。
【0333】〔本発明品C3〕本発明品C3は図8に示
す層構成の積層フィルムである。
【0334】中間層Aの熱可塑性樹脂としてMFR(A
STM D 1238の条件である温度230℃、ピス
トン荷重2.16kgで測定)が2.5g/10分、沸
騰n−ヘプタン不溶部アイソタクチックペンタッド分率
(A Zambelli等によってMacromole
cules 6 925(1973)に発表されている
方法)が97、密度(JIS K 6758)が0.9
02g/cm3、ビカット軟化点(JIS K 675
8)が152℃、融点(DSC法)が169℃、のホモ
ポリプロピレン樹脂95.48重量%と、遮光性物質と
してPH(JIS K 6221)が7.2、平均粒子
径(電子顕微鏡法)が21mμ、揮発成分(JIS K
6221)が0.7%、DBP吸油量(JIS K
6221の吸油量A法)が98ml/100g、ヨウ素
の吸着量(JIS K 6221)が51mg/g、A
STM D 1619の測定方法による硫黄量が0.3
5%のファーネスカーボンブラック3重量%、滑剤とし
てステアリン酸カルシウム0.2重量%とステアリン酸
亜鉛0.2重量%、帯電防止剤としてステアリン酸モノ
グリセライド1重量%、酸化防止剤としてテトラキス
〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン0.07
重量%とトリス(2,4−ジ−t−ゴチルフェニル)ホ
スファイト0.05重量%を含む厚さ35μmの遮光性
ホモポリプロピレン樹脂フィルム層からなる中間層と、
中間層の両面の外層B1、B2の熱可塑性樹脂としてM
FRが5g/10分沸騰n−ヘプタン不溶部のアイソタ
クチックペンタッド分率が87、密度が0.903g/
cm3、ビカット軟化点が143℃、融点(DSC法)
が158℃のプロピレン・エチレンランダム共重合体樹
脂(エチレン含有量3.0重量%)99.3重量%、滑
剤としてステアリン酸カルシウム0.2重量%、ブロッ
キング防止剤として合成酸化ケイ素0.2重量%、酸化
防止剤としてテトラキス〔メチレン−3−〔3’,5’
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕メタン0.05重量%とトリス(2’4−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスファイト0.05重量%、有
機造核剤としてジベンジリデンソルビトール誘導体のゲ
ルオールMD(商品名)0.25重量%を含む厚さ5μ
mと5μmの透明プロピレン・エチレンランダム共重合
体樹脂フィルム層からなる外層である。これらの3層は
削記厚さ35μmの遮光性ホモポリプロピレン樹脂フィ
ルム層である中間層とこの中間層の両側に直接積層した
5μmと5μmの透明プロピレン・エチレンランダム共
重合体樹脂フィルム層である外層は同時3層共押出しフ
ィルムとして成形したものをたて方向に5倍延伸後さら
によこ方向に7倍延伸し、熱セット後両面をコロナ放電
した総厚さが45μmの、120℃のたて熱収縮率が2
%、たて弾性係数が206kg/mm2である本発明の
遮光性積層フィルムIII(中間層Aのたて弾性係数は
228kg/mm2、外層のB1及びB2のたて弾性係
数は175kg/mm2で中間層Aのたて弾性係数の
0.77倍であった。)に不飽和カルボン酸でエチレン
にグラフト変性した酸変性ポリエチレン樹脂である三菱
化成工業KK製のNOVATEC−AP(商品名)20
重量%と分子量分布(GPC法で測定したMw/Mn)
が56、MFR(JISK 6760)が7.0g/1
0分、密度(JIS K 6760)が0.917g/
cm3、ビカット軟化点(JIS K 6760)が8
4℃の金属メタロセン重合触媒を用いて重合製造したホ
モポリエチレン樹脂80重量%から成る厚さ16μmの
エクストルージョンラミネート接着層Cを介して写真感
光材料側(外層B2側)にヒートシール層Dとして分子
量分布(GPC法で測定したMw/Mn)が3.3、M
FR(ASTM D−1238のE条件で測定)が2.
1g/10分、密度(ASTM O−1505で測定)
が0.920g/cm3、ビカット軟化点(JIS K
7206)が96℃、融点(DSC法)が122℃の
エチレン・オクテン−1共重合体樹脂85.25重量
%、削記接着層Cで用いた金属メタロセン重合触媒を用
いて重合製造したホモポリエチレン樹脂10重量%遮光
性物質として上記中間層Aに添加したファーネスカーボ
ンゴシック3重量%、滑剤としてスチアリン酸カルシウ
ム0.2重量%とステアリン酸亜鉛0.2重量%とエル
カ酸アミド0.05重量%、酸化防止剤としてテトラキ
ス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン0.0
5重量%とステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート0.05重
量%、帯電防止剤として花王石鹸製のエレクトロストリ
ッパーTS5(商品名)1.0重量%、ブロッキング防
止剤として合成二酸化ケイ素0.2重量%を含む50μ
mの遮光性エチレン・オクテン−1共重合体樹脂インフ
レーションフィルムを積層した5層構成の総厚さ111
μmの写真感光材料包装積層フィルムである。
【0335】この5層構成の遮光性積層フィルムを用い
て製袋した遮光袋は、上記本発明品C1及びC2の遮光
袋よりさらに破袋強度体ピンホール性、外観防湿性、帯
電防止性が優れており、重量が1kg以上でエツジがシ
ャープなロール状及びシート状写真感光材料を完全密封
・遮光包装するための遮光袋として最適のものであっ
た。またこの写真感光材料包装体は約2年間の長期間写
真性能を良好に維持でき、積み重ねても荷崩れが発生せ
ず、しかも遮光袋への写真感光材料出し入れ適性も優
れ、遮光袋の使用後のリサイクル適性、焼却適性、再使
用適性が優れたものであった。
【0336】〔本発明品D1〕本発明品D1は図10に
相当する層構成の積層フィルムである。
【0337】遮光性積層フィルムIIIとしては本発明
品B2の総厚さが50μmの逐次二軸延伸の遮光性三層
積層フィルムを用いた。
【0338】フレキシブルシート層Eとしては、ステア
リン酸で表面処理した平均粒子径が1.1μmの炭酸カ
ルシウム10重量%、トリメチルホスフェート0.1重
量%を含むポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を用
いてたて方向に3倍延伸し、よこ方向に3.5倍延伸し
て製造した40μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂フィルムを用いた。
【0339】接着層Cは、本発明品C1と同一組成で厚
さ15μmの得九取るージョンラミネート接着層であ
る。
【0340】この5層構成の遮光性積層フィルムを用い
て製袋した遮光袋は、暗室のセーフライト下でも表裏の
判別性に優れ、太陽光下に放置されても吸熱することが
なく遮光袋内の温度上昇を防止でき、防湿性、耐ピンホ
ール性が優れ、製袋適性も良好で外観も優れ(シワや筋
の発生がなく)、耐摩耗性、印刷適性、物理強度等も優
れたものであった。特に、前述したフルカラー多色感熱
記録材料用遮光袋としては最適であった。
【0341】〔本発明品D2〕本発明品D2は図10に
相当する層構成の積層フィルムである。
【0342】遮光性積層フィルムIIIとしては、本発
明品B3の総厚さ50μmの逐次二軸延伸の遮光性三層
共押出し積層フィルムを用いた。
【0343】フレキシブルシート層Eとしては、たて方
向に3.5倍延伸し、続いてよこ方向に4.0倍延伸し
た厚さ15μmの逐次二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂フィルム(水系自己乳化型熱反応性ウレタン層
を0.1μm厚さで設けたもの)の反応性ウレタン層上
に圧力10-4Torrで真空蒸着によりアルミニウム真
空蒸着層を厚さ500nmで設けたものである。
【0344】接着層Cは、ドライラミネート型ウレタン
系接着剤である。
【0345】この遮光性積層フィルムを用いて製袋した
遮光袋は、暗室のセーフライト下でも表裏の判別性に優
れ、太陽光下に放置されても吸熱することがなく、遮光
袋内の温度上昇を防止でき、防湿・酸素バリヤ性が非常
に優れ、帯電防止性、遮光性、外観、耐ピンホール性、
製袋適性、防塵性、印刷適性等が優れたものであった。
【0346】この写真感光材料用遮光袋は温度や酸素や
熱や亜硫酸ガス等により品質が劣化しやすいISD感度
が100以上の高感度写真感光材料や増感色素や染料を
含む写真感光材料やジアゾニウム塩化合物を含むフルカ
ラー多色感熱記録材料に最適であった。
【0347】
【発明の効果】本発明は、物理強度が大きく、カールが
小さく、ヒートシール性が優れ、破袋が発生せず、完全
遮光性を常に確保でき、シワの発生が少なく外観が美し
く、層間剥離が発生しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による写真感光材料包装用積層フィル
ムの一実施例の層構成を示す部分断面図である。
【図2】 本発明による写真感光材料包装用積層フィル
ムの他の実施例の層構成を示す部分断面図である。
【図3】 本発明による写真感光材料包装用積層フィル
ムの他の実施例の層構成を示す部分断面図である。
【図4】 本発明による写真感光材料包装用積層フィル
ムの他の実施例の層構成を示す部分断面図である。
【図5】 本発明による写真感光材料包装用積層フィル
ムの他の実施例の層構成を示す部分断面図である。
【図6】 本発明による写真感光材料包装用積層フィル
ムの他の実施例の層構成を示す部分断面図である。
【図7】 本発明による写真感光材料包装用積層フィル
ムの他の実施例の層構成を示す部分断面図である。
【図8】 本発明による写真感光材料包装用積層フィル
ムの他の実施例の層構成を示す部分断面図である。
【図9】 本発明による写真感光材料包装用積層フィル
ムの他の実施例の層構成を示す部分断面図である。
【図10 】 本発明による写真感光材料包装用積層フ
ィルムの他の実施例の層構成を示す部分断面図である。
【図11 】 本発明による写真感光材料包装用積層フ
ィルムの他の実施例の層構成を示す部分断面図である。
【図12 】 本発明による写真感光材料包装用積層フ
ィルムの他の実施例の層構成を示す部分断面図である。
【図13 】 本発明による写真感光材料包装用積層フ
ィルムの他の実施例の層構成を示す部分断面図である。
【図14 】 本発明による写真感光材料包装用積層フ
ィルムの他の実施例の層構成を示す部分断面図である。
【図15 】 本発明による写真感光材料用遮光袋の一
実施例の層構成を示す部分断面図である。
【符号の説明】
A…中間層 B1…外層 B2…外層 C…接着層 D…ヒートシール層 E…フレキシブルシート層

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を40〜99.9重量%、
    遮光性物質を0.1〜60重量%含み、たて弾性係数が
    50kg/mm2以上の中間層と、中間層の両面に直接
    又は接着層を介して間接的に設けられた熱可塑性樹脂を
    50〜100重量%含み、たて弾性係数が中間層の0.
    9倍以下である外層とを有することを特徴とする写真感
    光材料包装用積層フィルム。
  2. 【請求項2】 中間層は、厚さが外層の1.2〜100
    倍でかつ10〜150μmで、遮光性物質の含有量が
    0.1〜60重量%であり、外層は、遮光性物質の含有
    量が中間層の80%以下であり、中間層と外層とは直接
    接着されている請求項1記載の写真感光材料包装用積層
    フィルム。
  3. 【請求項3】 中間層を構成する熱可塑性樹脂の50重
    量%以上のDSC法で測定した融点が、外層を構成する
    熱可塑性樹脂の融点より5℃以上高い請求項1又は2記
    載の写真感光材料包装用積層フィルム。
  4. 【請求項4】 中間層及び外層が同時に溶融共押出しさ
    れた多層共押出しフィルムである請求項1、2又は3記
    載の写真感光材料包装用積層フィルム。
  5. 【請求項5】 中間層に外層がエクストルージョンラミ
    ネート法により積層されている請求項1、2、3又は4
    記載の写真感光材料包装用積層フィルム。
  6. 【請求項6】 外層の少なくとも一方にブロッキング防
    止物質の1種以上が0.001〜10重量%含有されて
    いる請求項1、2、3、4又は5記載の写真感光材料包
    装用積層フィルム。
  7. 【請求項7】 両外層にブロッキング防止物質が含有さ
    れ、これらの両外層中ブロッキング防止物質の含有量に
    1.2倍以上の差がある請求項1、2、3、4、5又は
    6記載の写真感光材料包装用積層フィルム
  8. 【請求項8】 中間層に外層の熱可塑性樹脂の相溶化剤
    が1〜49重量%含有され、外層に中間層の熱可塑性樹
    脂の相溶化剤が1〜49重量%含有されている請求項
    1、2、3、4、5、6又は7記載の写真感光材料包装
    用積層フィルム。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5、6、7又は
    8記載の写真感光材料包装用積層フィルムの外層同士を
    接着し6層構成とした写真感光材料包装用積層フィル
    ム。
  10. 【請求項10】 反写真感光材料側に位置させられる外
    層のブロッキング防止剤の含有量が、写真感光材料側に
    位置させられる外層のブロッキング防止剤の含有量の
    1.2倍より大きく、反写真感光材料側に位置させられ
    る外層の50重量%以上の熱可塑性樹脂のDSC法測定
    の融点が、写真感光材料側に位置させられる外層の融点
    以上であり、かつ反写真感光材料側に位置させられる外
    層の滑り角度が、写真感光材料側に位置させられる外層
    の滑り角度より5度以上大きい請求項1、2、3、4、
    5、6、7、8又は9記載の写真感光材料包装用積層フ
    ィルム。
  11. 【請求項11】 両外層の熱可塑性樹脂組成物が略同一
    である請求項1、2、3、4、5、6、8、9又は10
    記載の写真感光材料包装用積層フィルム。
  12. 【請求項12】 中間層を構成する熱可塑性樹脂の40
    重量%以上が、引張強さが2.1kg/mm2以上、た
    て弾性係数が50kg/mm2以上、DSC法で測定し
    た融点が130℃以上である請求項1、2、3、4、
    5、6、7、8、9、10又は11記載の写真感光材料
    包装用積層フィルム。
  13. 【請求項13】 外層を構成する熱可塑性樹脂のAST
    M D 1238の条件(230℃、荷重2.16k
    g)で測定したMFRが、中間層のMFRより1.5倍
    以上大である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、
    9、10、11又は12記載の写真感光材料包装用積層
    フィルム。
  14. 【請求項14】 反写真感光材料側に位置させられる外
    層に、この外層よりDSC法で測定した融点が5℃以上
    高いフレキシブルシートが直接又は接着層を介して間接
    的に積層されている請求項1、2、3、4、5、6、
    7、8、9、10、11、12又は13記載の写真感光
    材料包装用積層フィルム。
  15. 【請求項15】 写真感光材料側に位置させられる外層
    に遮光層が直接又は接着層を介して間接的に積層されて
    いる請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
    0、11、12、13又は14記載の写真感光材料包装
    用積層フィルム。
  16. 【請求項16】 内側に位置する外層の内側の最内層に
    遮光性物質0.1〜60重量%とポリオレフィン樹脂4
    0〜99.9重量%を少なくとも含む遮光性ポリオレフ
    ィン系樹脂組成物から成る遮光性ヒートシール層を直接
    又は接着層又はフレキシブルシートの1層以上を介して
    積層したことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、
    6、7、8、9、10、11、12、13、14及び1
    5記載の写真感光材料包装用積層フィルム
  17. 【請求項17】 少なくとも1層以上の防湿フレキシブ
    ルシートが積層され、JIS Z 0208のB条件
    (測定条件40℃90%RH)で測定した透湿度が5g
    /m2・24hrs以下である請求項1、2、3、4、
    5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、
    15又は16記載の写真感光材料包装用積層フィルム。
  18. 【請求項18】 少なくとも1層以上の層に帯電防止剤
    及び導電性物質の1種以上が0.01〜60重量%含有
    されている請求項1、2、3、4、5、6、7、8、
    9、10、11、12、13、14、15、16又は1
    7記載の写真感光材料包装用積層フィルム。
  19. 【請求項19】 写真感光材料側に位置させられる外層
    は、遮光性物質の含有量が0〜1.0重量%、厚さが
    0.1〜40μm、熱可塑性樹脂の50〜100重量%
    がポリオレフィン樹脂、及び帯電防止剤、滑剤及びブロ
    ッキング防止剤のいずれかから選択した1種以上が含有
    されている請求項1、2、3、4、5、6、7、8、
    9、10、11、12、13、14、15、16、17
    又は18記載の写真感光材料包装用積層フィルム。
  20. 【請求項20】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、13、14、15、16、
    17、18又は19の写真感光材料包装用積層フィルム
    を用いてヒートシール方法により内層同士を熱溶着して
    密封したことを特徴とする写真感光材料用遮光袋。
  21. 【請求項21】 外層の熱溶着部分にヒートシール方向
    と同一方向に凹条が複数形成されている請求項20記載
    の写真感光材料用遮光袋
  22. 【請求項22】 外層の凹条部分の厚さが1〜30μm
    である請求項21記載の写真感光材料用遮光袋
  23. 【請求項23】 外表面に滑り防止塗布層が設けられて
    いる請求項20、21又は22の写真感光材料用遮光袋
  24. 【請求項24】 請求項20、21、22又は23記載
    の写真感光材料用遮光袋に写真感光材料を密封した状態
    で2つ重ねた状態で測定した時の滑り始める角度が30
    度以上である状態で2つ以上積み重ねられた写真感光材
    料包装体。
  25. 【請求項25】 請求項20、21及び22記載の写真
    感光材料用遮光袋に写真感光材料を密封包装した状態で
    1年間経時後、20℃65%RHの空調室内で24時間
    放置後使用直前の写真感光材料用遮光袋内の写真感光材
    料の関係湿度が30〜70%RHになるように調整され
    ている写真感光材料包装体。
  26. 【請求項26】 写真感光材料用遮光袋、該遮光袋内に
    同封される紙製品、調湿剤及び又は吸湿剤で関係湿度の
    調整を行う請求項25記載の写真感光材料包装体。
  27. 【請求項27】 請求項20、21又は22の写真感光
    材料用遮光袋にシート状写真感光材料の直角のコーナー
    を落とし1mm以上の曲率半径からなる曲線とした状態
    で5枚以上積重して密封包装した写真感光材料包装体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20170006829A (ko) * 2015-07-10 2017-01-18 강정남 차량내 유리에 부착하여 디스플레이 용도에 사용할 수 있는 특수필름
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