JPH0980694A - 写真感光材料用包装材料及びこれを用いた写真感光材料用遮光袋並びにそれを用いた写真感光材料包装体 - Google Patents

写真感光材料用包装材料及びこれを用いた写真感光材料用遮光袋並びにそれを用いた写真感光材料包装体

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JPH0980694A
JPH0980694A JP22972995A JP22972995A JPH0980694A JP H0980694 A JPH0980694 A JP H0980694A JP 22972995 A JP22972995 A JP 22972995A JP 22972995 A JP22972995 A JP 22972995A JP H0980694 A JPH0980694 A JP H0980694A
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JP22972995A
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English (en)
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Mutsuo Akao
睦男 赤尾
Osamu Suzuki
収 鈴木
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす
ことがなく、ヒートシール性が優れ、完全密封、遮光性
を常に確保でき、写真感光材料の遮光性物質による汚れ
や擦傷や押し傷の発生を無くすことができる。 【解決手段】 遮光性物質の含有量が0〜0.9重量%
の最内層1と、この最内層に直接積層されたフレキシブ
ルシート遮光層2aとを有し、全体として完全遮光性を
有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真フィルム等を
包装する際に使用する写真感光材料用包装材料及びこれ
を用いた写真感光材料用遮光袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料用包装材料は種々のタイプ
のものが広く実用化されており、その使途に従って様々
な性能が要求されている。
【0003】光に曝されるとその品質価値を失う写真感
光材料用包装材料としては光を完全に遮断する包装材料
が使用される。この場合、要求される特性としては写真
性、包装材料スリット適性、ガスバリヤ性、遮光性、防
湿性、剛性、物理強度(破断強度、引き裂き強度、衝撃
穴あけ強度、ゲルボテスト強度、摩耗強度等)、ヒート
シール適性(ヒートシール強度、カットシール性、ホッ
トタック性、夾雑物シール性等)帯電防止性、平面性、
すべり特性などが良好であることが挙げられる。これら
の諸特性を単一のフィルム材料で兼ね備えることは非常
に困難であり、従来複数のフィルム層からなる積層フィ
ルムが使用されている。
【0004】例えば、特開昭63−85539号公報で
開示されている直鎖状低密度ポリエチレン樹脂フィルム
層と高密度ポリエチレン樹脂フィルム層とから成る2層
共押出しフィルムや、特開昭64−22544号公報で
開示されている多層共押出しインフレーションフィルム
の内層をブロッキングにより接着した擬似接着層を具備
したある程度柔軟な状態で接着した積層包装材料があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開昭63−85539号公報で開示された2層共押
出しフィルムは、フィルム厚さの30〜70%が特定メ
ルトフローレートと密度を有する遮光性物質を含む直鎖
状低密度ポリエチレン樹脂フィルム層と、フィルム厚さ
の70〜30%が特定メルトフローレートと密度を有す
る高密度ポリエチレン樹脂フィルム層よりなっているの
で、2層共押出しフィルムだけではカールが大きく、タ
テ方向の引裂き強度が小さく写真感光材料用包装材料と
しても又これを用いた写真感光材料用遮光袋としても改
良を必要とするものであった。
【0006】また、特開昭64−22544号公報で開
示された積層包装材料は、ブロッキングによる接着が不
安定で他のフレキシブルシートとのラミネート工程や製
袋工程でブロッキングによる擬似接着が剥がれたり、冬
期又は冷却効果が大きくなるとブロッキングによる擬似
接着が発生せず剥がれやシワが発生し、また、気温の低
い時期に切断端部から剥離する場合があった。
【0007】さらに、完全遮光性を有するものであって
も、最内層が遮光性物質の含有量が0.9重量%以下
で、厚さが30μmを超える包装材料の場合、この包装
材料の最内層同士をヒートシールした遮光袋では、ライ
トパイピング(包装材料の端面から光が平行に内部に進
行する現象)により光が遮光袋内に侵入し、写真感光材
料に光カブリが発生し写真感光材料の品質価値を著しく
損なうものであった。
【0008】したがって、従来の写真感光材料用遮光袋
の最内層には、カーボンブラックを少なくとも1重量%
以上、通常3重量%以上のカーボンブラックを添加し、
ライトパイピングを防止している。
【0009】しかしながら、最内層にカーボンブラック
を1重量%以上添加する場合、以下に記載するような種
々の問題が発生するものであった。
【0010】 使用できるカーボンブラックが特定の
ものに限定されていた。すなわち、カーボンブラックに
は写真感光材料に悪影響を及ぼすものが多く、どのよう
なカーボンブラックでも使用できるというものではなか
った。したがって、ある限定された特定特性範囲のカー
ボンブラックしか使用できないものであった。例えば、
カーボンブラックの50重量%以上が、pH5〜9、平
均粒子径が10〜120mμのオイルファーネスカーボ
ンブラック(特開昭62−1249465号公報、実開
昭62−43356号公報等参照)の包装材料や、硫黄
含有率が1.0%未満のカーボンブラック(特開平5−
88299号公報等参照)を用いた包装材料等であっ
た。
【0011】以上のように、特定のカーボンブラックし
か使用できないものであるので、そのカーボンブラック
を入手できる地域でしか生産することができず、世界各
地で写真感光材料用遮光袋を生産することが困難であっ
た。
【0012】 輸送中の振動等によりカーボンブラッ
クが最内層より離脱して写真感光材料に付着し、現像ム
ラを発生させスポット故障の原因となっていた。
【0013】 写真感光材料の出し入れの際、最内層
と擦れて写真感光材料の感光層及び裏面に黒色の筋や汚
れが発生し、外観を悪化させ商品価値を低下させてい
た。
【0014】 最内層同士をヒートシールした際のヒ
ートシール性が悪いので、複数の熱可塑性樹脂を用いた
り、ヒートシール性を悪化させる添加剤の使用が制限さ
れたり、また、添加剤の使用量が制限されたりする。し
たがって、高価になったり、物理強度、経時ヒートシー
ル強度ブロッキング防止性等の他の特性を犠牲にしなけ
ればならなかった。色素やゼラチンやカプラー等の精密
化学製品を含み、湿度や酸素により劣化されやすい写真
感光材料を2年間前後の長期間(有効期間)、写真性を
良好に維持したり、写真感光材料を遮光板に出し入れす
時の滑性や完全密封性等を犠牲にしなければならない写
真感光材料包装体となっていた。
【0015】本発明は、以上の問題点を解決し、写真感
光材料の写真性に悪影響を及ぼすことがなく、ヒートシ
ール性が優れ、世界各国で安価に製造できる写真感光材
料用包装材料及びそれを用いた写真感光材料用遮光袋並
びにそれを用いた写真感光材料包装体を提供することを
目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたもので、本発明の写真感光材料用
包装材料は、遮光性物質の含有量が0〜0.9重量%の
最内層と、この最内層に直接又は他の層を介して間接的
に積層された遮光層とを有し、全体として完全遮光性を
有していることを特徴として構成されている。
【0017】本発明の写真感光材料用包装材料において
は、最内層には遮光性物質が実質上含まれていない状態
であるので、遮光性物質により写真感光材料が悪影響を
受けることがなく、遮光層が完全遮光性を確保させる。
【0018】また、本発明の写真感光材料用遮光袋は、
上記写真感光材料用包装材料の最内層同士をヒートシー
ルで溶着し、そのヒートシール部にヒートシール方向に
平行な複数の凹条が形成されていることを特徴として構
成されている。
【0019】本発明の写真感光材料用遮光袋において
は、複数の凹部が最内層の端部から入り込む光を途中で
遮断しライトパイピングが発生するのを防止している。
【0020】さらに、本発明の写真感光材料包装体にお
いては、透湿度(JIS Z 0208の条件Bで測定)
が20g/m2・24時間いかになるように密封遮光包
装され、写真感光材料と調湿物質を同封することによ
り、遮光袋内の関係湿度を30〜60%に保てるよう構
成されており、2年間前後の長期間写真性を良好に維持
している。さらにまた、遮光袋の最内層と写真感光材料
の少なくとも一方の表面層に滑剤及び帯電防止物質の少
なくとも1種以上を合計0.01〜15重量%含有する
ように構成されている。
【0021】
【発明の実施の形態】最内層は、エチレン共重合体樹脂
が1〜100重量%含まれことが適当で、2〜100重
量%が好ましく、5〜100重量%がより好ましく、1
0〜100重量%が最も好ましい。エチレン共重合体樹
脂が1重量%未満であると、経時によりヒートシール強
度が低下し、完全遮光性を確保することが困難になる。
また、各種物理強度も低下する。
【0022】上記エチレン共重合体樹脂の代表例を以下
に示す。 (1) エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(以後、EV
A樹脂と表示) (2) エチレン−プロピレン共重合体樹脂 (3) エチレン−1−ブテン共重合体樹脂 (4) エチレン−ブタジエン共重合体樹脂 (5) エチレン−塩化ビニル共重合体樹脂 (6) エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂(以
後、EMM樹脂と表示) (7) エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂(以
後、EMA樹脂と表示) (8) エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂(以
後、EEA樹脂と表示) (9) エチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂 (10) エチレン−アクリル酸共重合体樹脂(以後、EA
A樹脂と表示) (11) アイオノマー樹脂(エチレンと不飽和酸との共重
合物を亜鉛などの金属で架橋した樹脂) (12) エチレン−αオレフィン共重合体樹脂(以後、L
−LDPE樹脂と表示) (13) エチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体
樹脂 (14) エチレン−プロピレンエラストマー
【0023】写真感光材料用包装材料として、好ましい
代表的な例を商品名であげると、ポリエチレンにα−オ
レフィン側鎖として炭素数6個の4−メチルペンテン−
1を導入した三井石油化学(株)のウルトゼックス等及び
α−オレフィン側鎖として炭素数8個のオクテン−1を
導入した出光石油化学(株)のMORETECとDSM社
のスタミレックスとダウケミカル社のダウレックス等が
ある(以上、4社品共液相スラリー法プロセスで得られ
たL−LDPE樹脂である。)。低圧法の気相法プロセ
スで得られた好ましい代表的な例を商品名であげると、
α−オレフィン側鎖として炭素数6個のヘキセン−1を
導入したUCC社のTUFLIN及び日本ユニカー(株)
のTUFTHENE等である。
【0024】これらのエチレン・αオレフィン共重合体
樹脂の重合には各種の触媒を用いるので、これらの触媒
がエチレン・αオレフィン共重合体樹脂中に残査として
含有されており写真感光材料の写真性に悪影響を与えた
り、成形機を腐蝕させたり、アルミニウム粉末(アルミ
ニウムペーストも含む)を腐蝕させたり種々の有害作用
をするのでこれらを防止するために後述の各種脂肪酸金
属塩の1種又は2種以上を0.005〜10.0重量
%、好ましくは0.01〜5.0重量%添加する。各種
脂肪酸金属塩の1種又は2種以上とハイドロタルサイト
類化合物の1種又は2種以上を併用添加すると写真性に
悪影響を及ぼすことなく上記の各種有害作用の防止効果
が相乗的に発揮される。
【0025】最内層を構成する熱可塑性樹脂の中のポリ
オレフィン樹脂の割合は、50〜100重量%が適当
で、60〜100重量%が好ましく、70〜100重量
%がより好ましく、80〜100重量%が最も好まし
い。ポリオレフィン樹脂の割合が50重量%未満である
と、ヒートシール適性が悪化し防湿、完全遮光性を常に
確保することが困難になるとともに、写真性に悪影響を
及ぼす場合が散発し写真感光材料用包装材料及びこれを
用いた写真感光材料用遮光袋並びにこれを用いた写真感
光材料包装体としては実用化困難である。また、使用後
のリサイクル適性、焼却適性で問題になる場合が発生す
る。
【0026】上記熱可塑性樹脂としては、LDPE樹
脂、MDPE樹脂、HDPE樹脂、L−LDPE樹脂、
VL−LDPE樹脂、PP樹脂(プロピレン−αオレフ
ィンランダム又はブロック共重合体樹脂を含む。αオレ
フィンとしてはエチレン,ブテン−1が特に好まし
い)、EVA樹脂、EEA樹脂、EMA樹脂、EAA樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナ
イロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12
等のポリアミド樹脂、各種熱可塑性エラストマー、ポリ
エチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレー
ト樹脂等のポリエステル樹脂、エチレン・ビニルアルコ
ール共重合体樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−合成
ゴム共重合体樹脂(以下、ハイインパクトポリスチレン
樹脂という)、ABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、メタクリル樹脂、酸変性ポリオレフィン樹脂等
がある。
【0027】ポリオレフィン樹脂としては、エチレン・
α−オレフィン共重合体樹脂(L−LDPE)、低密度
ホモポリエチレン樹脂、中密度ホモポリエチレン樹脂、
高密度ホモポリエチレン樹脂、ホモポリプロピレン樹
脂、プロピレン・αオレフィンランダム共重合体樹脂、
プロピレン・αオレフィンブロック共重合体樹脂、エチ
レン・プロピレン・ブテン−1三元共重合体樹脂、イソ
ポリブチレンゴム、ポリブテン−1樹脂、塩素化ポリオ
レフィン樹脂、アイオノマー樹脂、EVA樹脂、EEA
樹脂、EMA樹脂、EAA樹脂等のホモポリオレフィン
樹脂とエチレン共重合体樹脂、プロピレン共重合体樹脂
及びこれらの酸変性ポリオレフィン樹脂等である。以上
の中で、メルトフローレート(ASTM D−1238の
E条件)が0.1〜80g/10分のホモポリエチレン
樹脂、各種のエチレン共重合体樹脂、ホモポリプロピレ
ン樹脂、各種のプロピレン共重合体樹脂、数平均分子量
が10000以下、好ましくは500〜8000、特に
好ましくは1000〜7000の低分子量ポリオレフィ
ン樹脂、ポリオレフィン系エラストマー及びこれらの酸
変性ポリオレフィン樹脂が好ましい。特に写真感光材料
の写真性に悪影響を与えず、前記本発明のメイン樹脂で
あるエチレン・αオレフィン共重合体樹脂と均一混練性
に優れ、樹脂の流動性を向上できる低・中・高密度の各
種ホモポリエチレン樹脂とEVA樹脂とEEA樹脂及び
低分子量ポリオレフィン樹脂の1種以上から成るポリオ
レフィン樹脂である。最も好ましいのは低密度ポリエチ
レン樹脂である。
【0028】以下に高圧法の低密度ホモポリエチレン樹
脂(LDPE樹脂)の日本国内で市販されている樹脂メ
ーカーと商品名を記す。
【0029】 〔メーカー名〕 〔商 品 名〕 住友化学 スミカセン 三菱油化 ユカロン 三井ポリケミカル ミラソン 日本ユニカー NUCポリエチレン 旭ダウ 旭ダウポリエチレン 宇部興産 UBEポリエチレン 日本石油化学 日石レクスロン 東洋ソーダー ペトロセン 昭和電工 ショウレックス 三菱化成 ノバテックス−D 旭化成 サンテック−LD 等
【0030】上記L−LDPE(inear ow
ensity olythylene)樹脂は、
第3のポリエチレン樹脂と称され、中・低密度、高密
度、両ポリエチレン樹脂の利点を併せもつ省エネルギ
ー、省資源という時代の要請に合致する低コスト、高強
度の樹脂である。この樹脂は低圧法又は高圧改良法でエ
チレンと炭素数が3〜13個、好ましくは4〜10個の
α−オレフィンを共重合させたコポリマーで線状の直鎖
に短分岐をもった構造のポリエチレン系樹脂である。物
理強度やコストの点で好ましいα−オレフィンとしては
ブテン−1、オクテン−1、ヘキセン−1,4−メチル
ペンテン−1、ヘプテン−1、デセン−1などが使用さ
れる。密度(ASTM D−1505)は一般に低中密度
ポリエチレン樹脂程度とされているが、本発明では0.
87〜0.98g/cm3、特に0.88〜0.96g/
cm3の範囲内にあるものが好ましい。メルトフローレ
ート(ASTM D−1238のE条件)は0.1〜80
g/10分、特に0.3〜60g/10分の範囲内にあ
るものが好ましい。L−LDPE樹脂の重合プロセスと
しては中・低圧装置を用いる気相法、溶液法、液相スラ
リー法と高圧改良法装置を用いるイオン重合法等があ
る。
【0031】市販のL−LDPE樹脂の具体例を以下に
示す。 エチレン・ブテン−1共重合体樹脂 GレジンとNUC−FLX(UCC社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) マーレックス (フィリップス社) スタミレックス (DSM社) エクセレンVL (住友化学) ネオゼックス (三井石油化学) 三菱ポリエチ−LL (三菱油化) 日石リニレックス (日本石油化学) NUCポリエチレン−LL(日本ユニカー) 出光ポリエチレンL (出光石油化学) エチレン・ヘキセン−1共重合体樹脂 TUFLIN (UCC社) TUFTHENE (日本ユニカー) エチレン・4メチルペンテン−1共重合体樹脂 ウルトゼックス (三井石油化学) エチレン・オクテン−1共重合体樹脂 スタミレックス (DSM社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) MORETEC (出光石油化学)
【0032】これらのL−LDPE樹脂の中で物理強度
とヒートシール強度とフィルム成形性の点から好ましい
のは、メルトフローレート(ASTM D−1238のE
条件又はJIS K−7210の条件4の試験温度19
0℃、試験荷重2.16kgfで測定。以後、MFRと
表示)が0.1〜10g/10分、好ましくは0.2〜
7g/10分、特に好ましくは0.3〜5g/10分、密
度(JIS K−6760又はASTM D−1505で
測定)が0.870〜0.950g/cm3、好ましく
は0.880〜0.940g/cm3、特に好ましくは0.
890〜0.930g/cm3、そしてα−オレフィン
の炭素数が3〜12個、好ましくは4〜10個、特に好
ましくは6〜8個の液相スラリー法プロセスと気相法プ
ロセスで得られたものである。
【0033】ポリエチレン系樹脂の代表的な製造方法は
以下の通りである。
【0034】
【表1】
【0035】最内層用樹脂として好ましい国内で製造又
は販売中の代表的なL−LDPE樹脂の製造プロセスと
製造技術と製造メーカーと商品名と製造プロセスの特徴
の概略を以下に示す。
【0036】
【表2】
【0037】L−LDPE樹脂製造プロセスの特徴の概
略を以下に示す。 1)気相法 重合に必要なエネルギー量が小さいと発表されている。
品質上はコモノマーに、揮発しやすい単一成分を用いな
ければならないとされており、溶液法に比べ制約を受け
る。最近は、コモノマーの選択、分子量分布のコントロ
ール幅も広くなりつつある模様である。
【0038】2)スラリー法 溶媒を用いる液相重合法は、スラリー法と溶液法に分け
られる。スラリー法は、溶媒を用いるがスラリー(異相
系)であるので、反応容器内の溶液は粘度が低いことか
ら、比較的コンパクトな設備で生産することができ、溶
媒の除去が容易であるなどの利点がある。
【0039】一方、低密度化については、低分子量低密
度ポリマーが溶媒に溶け込み、溶液が高粘度になった
り、ポリマーが膨潤しで魂状化するため、0.930以
下のLLDPE生産は制限を受ける。
【0040】3)溶液法 溶液法の重合は溶液中で行われる。溶液状態を維持する
ため高温で反応が行われる。品質面では、低密度化の許
容範囲が広く、且つC6以上のαオレフィン(4メチルペ
ンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1
等)とエチレンの重合に最適の製造プロセスである。ま
たαオレフィン含有率の大きいL−LDPE樹脂(密度
が0.910以下の超低密度L−LDPE樹脂)の製造
プロセスとしても最適である。
【0041】4)改良高圧法 従来の高圧法プロセスをそのまま利用しながらチーグラ
ー系触媒により高温高圧でL−LDPE樹脂を得るもの
でランニングコストは上記(1)〜(3)より高価であ
る。高圧転換法とも呼ばれる。
【0042】多層共押出しにより積層フィルムを製造す
るには、以下に記載する方法を用いることができる。
【0043】 多層共押出しインフレーションフィル
ム成形方法 3台以上の押出機で溶融軟化させた異色の、あるいは異
種のプラスチック材料を1個のインフレーションフィル
ム用ダイに送り込み、多層フィルムをインフレーション
法により得る方法。積層方法には、ダイ内積層方式とダ
イ外積層方式がある。ダイ内積層方法は互いに相溶しな
い材料の積層に広く一般的に行われており、ダイ外積層
方式は材料間の接着強度を向上させるために、ダイから
出た溶融樹脂が合体するまでの間に両膜両間に活性ガス
を導入し,化学的な結合を起こさせる方式である。
【0044】 多層共押出しTダイフィルム成形方法 多層共押出しフィルムの押出成形において、複数の押出
機及び1個又は複数のTダイにより、色の異なったある
いは材料の異なった層から成る積層体を得る方法。多層
Tダイ法はTダイのタイプにより、1)シングルマニホ
ールドタイプ、2)マルチマニホールドタイプ、3)デ
ュアルスロットマニホールドタイプに分類される。
【0045】1)シングルマニホールドタイプ……Tダ
イのフィード部に複数の材料の流れを併合するアダプタ
を設けたものであり、この部分で併合された材料はシン
グルマニホールドによって幅方向に流れが拡幅されて多
層フィルムもしくはシートとして押出される。材料間の
溶融温度差はほとんどつけられない。
【0046】2)マルチマニホールドタイプ……多層T
ダイフィルムの製造用に最も古くから使用されてきたも
ので、積層する層数に等しい数のマニホールドをダイ全
幅にわたって設けたものである。
【0047】3)デュアルスロットマニホールドタイプ
……2分割したシングルマニホールドダイの間に仕切り
を入れて実質的にマルチマニホールドにしたもので、ダ
イ外接着が行なわれる。仕切り板に断熱材を用いること
により、材料間の溶融温度差を大きくすることができ
る。
【0048】なお、5層以上の多層積層品を得るには、
Tダイを2個以上連結して層数を増やしたり、スタック
プレートダイを使用する方法などがある。後者は前者に
比べダイコストが安価、取替えが容易などの利点があ
る。
【0049】以上、の多層共押出しフィルムダイと
してはフラットダイを使用するTダイ法とサーキュラダ
イを使用するインフレーション法とがあるが、いずれの
場合にも構造的には共通して次の三つに分類される。す
なわち、ダイの手前で各材料を併合するシングルマニ
ホールドダイ(フィードブロック法)、ダイの内部で
併合するマルチマニホールドダイ(ダイ内接着方式)及
びダイを出た直後に併合するマルチスロシトダイ(ダ
イ外接着方式)である。ただし、Tダイ法のうちのダ
イ外接着方式、ならびにインフレーション法のうちの
ダイ前併合のものは実際には使用されていない。マルチ
マニホールドダイと類似のスタックプレートダイも開発
されている。これらのダイを使用することにより2種2
層以上4種9層ぐらいまでの複合フィルムやシートが製
造できる。
【0050】本発明における熱可塑性樹脂組成物中のポ
リエチレン系樹脂として、金属メタロセン重合触媒を用
いて重合製造したものが安価で、写真感光材料に写真性
(カブリ、感度、階調、発色等)に悪影響を及ぼすこと
が少なく、フィルム成形性が優れている点で好ましい。
【0051】フィルム成形は分子量分布に大きく影響さ
れる。重量平均分子量(以後Nwと表示)/数平均分子
量(以後Mnと表示)で求めた分子量分布はゲルパーミ
エーションクロマトクラフィー(以後GPCと表示)法
による。本発明では測定方法としてはウォーターズ社製
150−C(カラム;東ソー(株)製GMH−XL HT8
mmφ×30cm×3本、溶鉄;1,2,4─トリクロ
ロベンゼン、温度;135℃、流量;10ml/分)で
求める。
【0052】この分子量分布(Mw/Mn)はフィルム成
形性と物理強度の関係を判断する目安となるものであ
り、物理強度や寸法安定製を重視する場合は分子量分布
(Mw/Mn)が小さい(分子量分布が狭い)ポリエチ
レン系樹脂を用いることが好ましく、フィルム成形性を
重視する場合は分子量分布(Mw/Mn)が大きい(分
子量分布が広い)ポリエチレン系樹脂を用いることが好
ましい。
【0053】インフレーションフィルム成形法(チュー
ブ状フィルム)やT型ダイスフィルム成形法(フラット
状フィルム)で用いるポリエチレン系樹脂としては、分
子量分布(Mw/Mn)が1.5〜15、好ましくは
1.5〜12、より好ましくは2〜10、最も好ましく
は2〜8のものである。
【0054】分子量分布(Mw/Mn)が1.5未満で
はフィルム成形性と重合適性が悪く実用化困難であるだ
けで、非常に高価になる。分子量分布(Mw/Mn)が
15を越えると物理強度が小さくなり、延伸加工性が悪
化し、強じんなフィルム(多層共押出しフィルムも含
む)を得ることが出来ない。
【0055】走行するフィルム等の基質状に溶解押出し
機を用いて、そのスリットダイからポリエチレン系樹脂
組成物をフィルム状に流廷して被覆し、加圧ロールと冷
却ロールとの間に圧着し、冷却後ロールから剥離すると
いう一連の工程で生産される被覆フィルム(以後エクス
トルージョンラミネート法被覆フィルム表示)に用いる
ポリエチレン系樹脂としては、分子量分布(Mw/Mn)
が4〜30、好ましくは5〜28、より好ましくは6〜
25、最も好ましくは7〜20のものである。
【0056】分子量分布(Mw/Mn)が4未満でも3
0を越える場合でも、被覆フィルム成形性以後ネックイ
ンの発生程度、溶解樹脂膜の筋の発生程度、ドローダウ
ン性(膜切れの発生)の程度、サージンゴの発生程度の
総合評価を被覆フィルム成形性と表示が悪く実用化困難
である。
【0057】本発明では各種の重合製造方法のポリエチ
レン系樹脂の中で、写真性(カブリ、感度、階調、発色
等)に悪影響を及ぼすことがほとんどなく、フィルム成
形性が優れ、物理強度が大きく、安価であり特に好まし
いのは金属メタロセン重合触媒を用いて重合製造したポ
リエチレン系樹脂であり、特開昭60−35006号公
報、特表平63−501369号公報、特表平3−50
2710号公報、特開平3─2434719号公報、特
開平3─243418号公報等に記載されているジルコ
ニウム系又はハフニウム系メタロセンと好ましくはメチ
ルアルミノキサンとを組み合わせて触媒活性を高めたも
のを重合触媒として用いて重合製造されたものである。
【0058】上記の分子量分布(Mw/Mn)であれば
各種のメルトフローレート(以後MFRと表示)、密
度、分子量、の低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエ
チレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、エチレン−αオ
レフィン共重合体樹脂(αオレフィンがC2〜15好ま
しくはC2〜10、特に好ましくはC4〜8、最も好まし
くはC6〜8)、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、エ
チレン・アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレンを主
成分とするその他の二元共重合体樹脂、エチレンを主成
分とするその三元共重合体樹脂、及び上記ポリエチレン
系樹脂の酸(不飽和カルボン酸等の酸で後記酸変性ポリ
オレフィン樹脂の酸変性に用いる酸を使用できる)変性
ポリエチレン系樹脂またはこれらのポリエチレン系樹脂
を1種以上含む2種以上の熱可塑性樹脂の混合樹脂をあ
げることができる。この金属メタロセン重合触媒を用い
て重合製造したポリエチレン系樹脂の分子量は1万〜2
00万、好ましくは2万〜150万特に好ましくは5万
〜100万、最も好ましくは10万〜80万である。1
万未満では物理強度が不足して実用化困難であり、20
0万を越えるとフィルム成形や重合製造が困難であり、
且つ高価になるので実用化困難である。
【0059】MFR(ASTM D−1238のE条件
で測定した値)は0.01〜350g/10分、好まし
くは0.05〜300g/10分、より好ましくは0.
1〜250g/10分、最も好ましくは0.2〜200
g/10分である。0.01g/10分未満では、MF
Rの大きい樹脂と混合使用してもフィルム成形が困難で
あり、メルトフラクチャーが発生し表面に波状の凹凸ム
ラが激しく発生し、外観が悪いだけでなく、感光材料に
スリ傷が発生したり摩擦カブリガ発生したり、圧力カブ
リが発生するので実用化困難である。また、350g/
10分を越えるとMFRの小さい樹脂と混合使用しても
フィルム成形が困難であり、且つ物理強度が小さく、穴
や伸びが発生しやすくなる。又引裂き易く完全遮光性を
必須とする感光材料包装用積層フィルム又は感光材料用
遮光袋としては実用化不可である。
【0060】密度(ASTM D−1505で測定した
値)は0.86g/cm3〜0.980g/cm3、好ま
しくは0.87〜0.97g/cm3、特に好ましくは
0.88〜0.96g/cm3、最も好ましくは0.89
〜0.95g/cm3である。0.86g/cm3未満では
重合製造が困難であり、高価である。且つペレットのブ
ロッキングが発生し実用化不可である。密度が0.98
0g/cm3を越えると重合製造が困難であり、高価で
ある。且つ成形性も困難であり、フィルムも分子配向し
やすく縦裂きしやすく製造困難である。又穴や裂けが発
生しやすく完全遮光性を必須とする感光材料包装用積層
フィルム又は感光材料用遮光袋としては実用化不可であ
る。
【0061】市販の熱可塑性樹脂フィルムの代表的な商
品名とメーカー名を以下に記載する。
【0062】〔ポリエチレン樹脂フィルム〕 日立化成製 “ヒタレックス” 大蔵工業製 “ポリエント” 三井東圧化学製 “ハイゼックスフィルム” 滝川化学製 “ターロンPE” 和田化学製 “ワダポリエチレン” アイセロ化学製 “スズロン” タマポリ製 “タマオート” 日交レジン製 “ポラン“等
【0063】〔ポリプロピレン樹脂フィルム〕 日立化成製 “ハイピン” 東セロ製 “東セロPPフィルム” 大倉工業製 “オークラップ” 和田化学製 “ポピレン” 二村化学製 “タイコーポリプロ” 東レ製 “トレファンNO” グンゼ製 “グンゼPPフィルム” 興人製 “ポリエース”等
【0064】 〔延伸ポリプロピレン樹脂フィルム〕 東レ製 “トレファンBO” 東洋紡製 “パイレンOT” 興人製 “ポリセット” グンゼ製 “シルファン” 二村化学製 “タイコーFO” ダイセル製 “セネシー” 東セロ製 “東セロOP” 大倉工業製 “オークラップ” 本州製紙製 “アルファン” 三菱レーヨン製 “ミレファン” ハーキュレス製 “プロファックスBX100” ICI製 “プロパセンS”等
【0065】 〔軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルム〕 三井東圧化学製 “三井ビニル・ハイラップ” 三協樹脂製 “ビニホイル” 興国化学製 “アキレン” 理研ビニル製 “理研フィルム” 東洋化学製 “エンビロンフィルム”等
【0066】 〔ポリ塩化ビニリデン樹脂フィルム〕 呉羽化学製 “クレハロン” 旭ダウ製 “サランフィルム”
【0067】 〔ポリエステル樹脂フィルム〕 ダイアホイル製 “ダイアホイル” 東レ製 “ルミラー” 帝人製 “帝人レトロンフィルム” 東洋紡製 “東洋紡ポリエステルフィルム” デュポン製 “マイラー” 3M製 “スコッチパック” イーストマンコダック製 “コダル”
【0068】〔ポリカーボネート樹脂フィルム〕 帝人化成製 “パンライトフィルム” 三協ガス化学製 “ユービロンフィルム” 相模ゴム製 “ニューハンカーボ” バイエルン製 “マクロホイル”等
【0069】〔ポリステレン樹脂フィルム〕 三協樹脂製 “スチレックス” 旭ダウ製 “スタイロンシート” 東洋化学製 “ハーレン” 大日本インキ化学製 “デックシートG” 三井東圧化学製 “レスロンS”等
【0070】〔ポリアミド樹脂フィルム〕 ユニチカ製 “エンブレム” 興人製 “ボニール” ダイセル製 “ダイアミド” 三菱樹脂製 “ダイアミロン” デュポン製 “サイテル42”等
【0071】最内層の滑剤及び帯電防止剤の1種以上の
合計含有量は、0.001〜10重量%が適当で、0.
005〜7重量%が好ましく、0.01〜5重量%がよ
り好ましく、0.03〜3重量%が最も好ましい。滑剤
及び帯電防止剤の1種以上を含有させることにより、フ
ィルム成形性、滑性、耐摩耗製、写真感光材料の包装適
性、遮光性物質の分散性などを向上させることができ、
かつ、静電気の防止も図ることができる。
【0072】滑剤及び帯電防止剤の1種以上の含有量が
0.001未満であると、上記効果を有効に発揮するこ
とができず、混練経費増となるだけである。また、含有
量が10重量%を超えると、溶融樹脂と押出し機のスク
リューとのスリップが発生しやすく、樹脂の吐出量が不
安定になり、層厚の変動が大きくなる。また、ベトツキ
やブリードアウトが発生しやすくなり、実用化が困難に
なる。
【0073】最内層に滑剤及び帯電防止剤の1種以上を
0.001〜10重量%含有させるだけでなく、写真感
光材料の少なくとも一方の表面層(感光層側又は裏面側
の表面層)にも滑剤及び帯電防止剤の少なくとも1種以
上を合計0.001〜15重量%含有させることによ
り、最内層の滑剤及び帯電防止剤の含有量を半分以下に
でき、上述した問題が発生することなく、滑性、帯電防
止性等を大幅に向上させることができる。
【0074】感光材料に悪影響を与えない市販の代表的
な滑剤名と製造メーカー名を以下に記載する。
【0075】(1) シリコーン系滑剤;各種グレードの
ジメチルポリシロキサン及びその変性物(信越シリコー
ン、東レシリコーン) 脂肪酸アミド系滑剤の次に好ましい滑剤としてシリコー
ン系滑剤がある。このシリコーン系滑剤は高価である
が、完全遮光性を必須とする写真感光材料用包光袋のヒ
ートシール層に添加する滑剤としては下記の理由で最適
である。特に、滑剤のようにヒートシール性を悪化させ
る対策としてエチレン共重合体樹脂を5重量%以上、好
ましくは20重量%、特に好ましくは50重量%(エチ
レン共重合体樹脂の中でも安価で夾雑物シール性、ホッ
トタック性、ヒートシール強度、物理強度の優れたエチ
レン・αオレフィン共重合体樹脂が最も好ましい。)添
加した各種耐摩耗性フレキシブルシートや遮光袋の内外
表面に設ける各種熱可塑性樹脂フィルム層に下記のシリ
コーン系滑剤を添加すると従来の写真感光材料用包装材
料にない優れた特性を発揮する。即ち、樹脂流動性向
上、滑性向上等の他の滑性と同様の効果を発揮させるだ
けでなく、遮光性物質と併用すると遮光性物質の分散性
向上、樹脂を白濁させヘイズ(ASTM D−1003)
を大きくさせる効果、ヘイズを大きくする結果生じる遮
光能力向上(20%以上)等予想外の効果を発揮する
(後述の〜等の効果を発揮する)。
【0076】シリコーン系滑剤について以下に詳述す
る。各種グレードのジメチルポリシロキサン及びその変
性物(信越シリコーン、東レシリコーン)及びポリメチ
ルフェニルシロキサン、カルボキシル変性シリコーン、
オレフィン変性シリコーン、ポリエチレングルコールや
ポリプロピレングリコールで変性したポリエーテル変性
シリコン、オレフィン/ポリエーテル変性シリコン、α
メチルスチレン変性シリコーン、エポキシ変性シリコー
ン、アミド変性シリコーン、アミノ変性シリコン、アル
コール変性シリコーン等変性されたシロキサン結合を含
有したシリコーン系オイルである。該シリコーン系オイ
ル中、特に写真感光材料に悪影響を与えることが少な
く、滑性効果と遮光性(不透明化)効果の大きいオレフィ
ン変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ジメ
チルポリシロキサン、アミド変性シリコーン、カルボキ
シル変性シリコン、オレフィン/ポリエーテル変性シリ
コーン等が優れている。
【0077】このようなシリコーン系滑剤は、加熱状態
での耐摩耗性フレキシブルシートの摩擦係数を改良し、
自動包装機による熱板シール中に生じる摺動抵抗を低下
させ、皺の発生を防止することにより、美しい外観と高
度な密封性と被包装体にたるみがない密着性とを有する
性能を保持した写真感光材料用遮光袋を得ることが出来
る。又、摺動による光沢の低下を防止して、美しいシー
ル部を得ることが出来る。シリコーン系滑剤を併用した
場合の本発明では摺動ヒートシールをする場合、高温で
の摩擦係数を1.4以下にすることが出来る。
【0078】上記シリコーン系滑剤は、常温における粘
度は1,000 〜100,000センチストークスの
範囲が好ましく、より好ましくは3,000〜60,0
00センチストークス、最も好ましくは5,000〜3
0,000センチストークスの高粘度のものがよい。添
加量は種類、使用目的により異なるが0.01〜5.0重
量%である。好ましくは0.03〜3.0重量%、特に
好ましくは0.05〜1.5重量%である。
【0079】シリコーン系滑剤は単独で用いても2種類
以上で用いても他の滑剤や可塑剤と併用してもよい。
【0080】シリコーン系滑剤添加の効果は、本発明用
途としては次のように多くある。 樹脂の流動性を向上し、スクリューのモーター負荷
を小さくし、メルトフラクチャー発生を防止する。 ブリードアウトして白粉状になる脂肪酸アミドを添
加しなくても滑性を十分確保できる。 加熱状態での耐摩耗性フレキシブルシートの摩擦保
数を小さくし、自動製袋適性を向上し、ヒートシール時
のシワ発生や摺動による光沢の低下を防止し、美しいシ
ール部を得ることができる。 遮光性物質と併用すると遮光能力を向上でき、物性
を低下させる遮光性物質の添加量を減量しても遮光性を
確保できる。
【0081】(2) オレイン酸アミド系滑剤;アーモス
リップCP(ライオン・アクゾ)、ニュートロン(日本精
化)、ニュートロンE−18(日本精化)、アマイドO
(日東化学)、アルフロE−10(日本油脂)、ダイヤ
ミッドO−200(日本化成)、ダイヤミッドG−20
0(日本化成)等
【0082】(3) エルカ酸アミド系滑剤;アルフロ−
P−10(日本油脂)等
【0083】(4) ステアリン酸アミド系滑剤;アルフ
ロ−S−10(日本油脂)、ニュートロン2(日本精
化)、ダイヤミッド200ビス(日本化成)等
【0084】(5) ビス脂肪酸アミド系滑剤;メチレン
ビスベヘニン酸アミド系滑剤、メチレンビスステアリン
酸アミド系滑剤、メチレンビスオレイン酸アミド系滑
剤、エチレンビスステアリン酸アミド系滑剤、ヘキサメ
チレンビスステアリン酸アミド系滑剤等 ビスアマイド(日本化成)、ダイヤミッド200ビス
(日本化成)、アーモワックスEBS(ライオン・アク
ゾ)等
【0085】(6) 非イオン界面活性剤系滑剤;エレク
トロストリッパ−TS−2(花王)、エレクトロストリ
ッパ−TS−3(花王)等
【0086】(7) 炭化水素系滑剤;流動パラフィン、
天然パラフィン、マイクロワックス、合成パラフィン、
ポリエチレンワックス(数平均分子量が10,000以
下、好ましくは8,000以下、特に好ましくは6,0
00以下)、ポリプロピレンワックス(数平均分子量が
10,000以下、好ましくは8,000以下、特に好
ましくは6,000以下)、塩素化炭化水素、フルオロ
カーボン等
【0087】(8) 脂肪酸系滑剤;高級脂肪酸(C12
上が好ましい)、オキシ脂肪酸等
【0088】(9) エステル系滑剤;脂肪酸の低級アル
コールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂
肪酸のポリグリコールエステル、脂肪酸の脂肪アルコー
ルエステル等
【0089】(10) アルコール系滑剤;多価アルコー
ル、ポリグリコール、ポリグリセロール等
【0090】(11) 金属石けん;ラウリン酸、ステアリ
ン酸、ミリスチン酸、コハク酸、ステアリル乳酸、乳
酸、フタル酸、安息香酸、ヒドロキシステアリン酸、リ
シノール酸、ナフテン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸と
Li、Na、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、A
l、Sn、Cd、Pb等の金属との化合物が挙げられ、
本発明に特に好ましいものはステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等のス
テアリン酸金属化合物である。
【0091】その他、滑性向上効果は小さいが遮光性物
質の分散性向上、樹脂押出し性向上等の効果を有する滑
剤として下記のものがある。
【0092】炭化水素系滑剤;流動パラフィン、天然パ
ラフィン、マイクロワックス、合成パラフィン、ポリエ
チレンワックス(数平均分子量が10,000以下、好
ましくは8,000以下、特に好ましくは6,000以
下)、ポリプロピレンワックス(数平均分子量が10,
000以下、好ましくは8,000以下、特に好ましく
は6,000以下)、フルオロカーボン等 脂肪酸系滑剤;高級脂肪酸(炭素数が12ヶ以上が好まし
い)、オキシ脂肪酸等 エステル系滑剤;脂肪酸の低級アルコールエステル、脂
肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸のポリグリコー
ルエステル、脂肪酸の脂肪酸アルコールエステル等 アルコール系滑剤;多価アルコール、ポリグリコール、
ポリグリセロール等
【0093】本発明に用いることが可能な帯電防止剤の
代表例を以下に記載する。 I.ノニオン系(=非イオン系) (1) アルキルアミン誘導体:T−B103(松本油
脂)、T−B104(松本油脂) アルキルアミド型 ポリオキシエチレンアルキルアミン:アーモスタット3
10(ライオン油脂) 3級アミン(ラウリルアミン):アーモスタット400
(ライオン油脂) N,N−bis(2−hydroxyethyl coc
oamine):アーモスタット410(ライオン油
脂) 3級アミン:ANTISTATIC273C,273,
273E(Fine Org.Chem) N−hydroxyhexadecyl−di−eth
anol−amine:Belg.P.654,049 N−hydroxyoctadecyl−di−eth
anol−amine:(National Dis
t.)
【0094】(2) 脂肪酸アマイド誘導体:TB−11
5(松本油脂)、エレガンP100(日本油脂)、エリー
クSM−2(吉村油化学) シュウ酸−N,N'−ジステアリルアミドブチルエステ
ル:ヘキスト ポリオキシエチレンアルキルアミド
【0095】(3) エーテル型 ポリオキシエチレンアルキルエーテル RO(CH2CH2O)nH ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 特殊非イオン型:レジスタット104,PE100,1
16〜118(第一工業製薬)、レジスタットPE13
2,139(第一工業製薬)、エレガンE115,ケミ
スタット1005(日本油脂)、エリークBM−1(吉
村油化学)、エレクトロストリッパ−TS,TS2,
3,5,EA,EA2,3(花王石鹸)
【0096】(4) 多価アルコールエステル型 グリセリン脂肪酸エステル:モノグリ(日本樟脳)、T
B−123(松本油脂)、レジスタット113(第一工
業製薬) ソルビタン脂肪酸エステル 特殊エステル:エリークBS−1(吉村油化学) 1−ヒドロキシエチル−2−ドデシルグリオキサゾリ
ン:ブリティシュ・セロァン
【0097】II.アニオン系 (1) スルホン酸類 アルキルスルホネート RSO3Na アルキルベンゼンスルホネート アルキルサルフェート ROSO3Na
【0098】(2) リン酸エステル型 アルキルホスフェート
【0099】III.カチオン系 (1) アミド型カチオン:レジスタットPE300,4
01,402,406,411 (第一工業製薬)
【0100】(2) 四級アンモニウム塩 第4級アンモニウムクロライド 第4級アンモニウムサルフェート 第4級アンモニウムナイトレート カチミンCSM−9(吉村油化学)、CATANAC
609(アメリカン・シアナミド)、デノン314C
(丸菱油化)、アーモスタット300(ライオン油
脂)、100V(アーマー)、エレクトロストリッパ−
ES(花王石鹸)、ケミスタット2009A(日本油
脂) Stearamido propyl−dimethy
l−β−hydroxyethyl ammonium
nitrate:CATANAC・SN(アメリカン・
ジアナミド)
【0101】IV.両性イオン系 (1) アルキルペタイン型:
【0102】(2) イミダゾリン型:レオスタット5
3,532(ライオン油脂)、AMS53(ライオン油
脂)、AMS303,313(ライオン油脂) アルキルイミダゾリン型
【0103】(3) 金属塩: AMS576(ライオン油脂) レオスタット826,923(ライオン油脂) (RNR’CH2CH2CH2NCH2COO)2MgR≧
C,R’=Hまたは(CH2)mCOO−;ライオン油脂 R=C38炭化水素,A=酸素またはイミノ基,M=有
機アミンまたは金属
【0104】(4) アルキルアラニン型:
【0105】V.導電性樹脂 ポリビニルベンジル型カチオン ポリアクリル酸型カチオン
【0106】VI.その他;レジスタット204,205
(第一工業製薬)、エレガン2E,100E(日本油
脂)、ケミスタット1002,1003,2010(日
本油脂)、エリーク51(吉村油化学)、ALROMI
NE RV−100(ガイギー)
【0107】以上帯電防止剤の中で写真性及び人身に与
える悪影響が小さいので、非イオン(ノニオン)系帯電
防止剤が特に好ましい。
【0108】最内層の厚さは、1〜30μmが適当で、
2〜27μmが好ましく、3〜24μmがより好まし
く、5〜21μmが最も好ましい。最内層の厚さが1μ
m未満であると、共押出しフィルム層の1つの層として
も成形が困難であり、層割れ等が発生し、ヒートシール
適性、滑性、帯電防止性等が不充分になり実用化困難で
ある。また、30μmを超えると、遮光性物質含有量が
0.9重量%以下の最内層同士を重ね合わせて各種シー
リングマシンを用いて密封接着して密封遮光袋を製造し
た場合、遮光性を完全に確保できない最内層同士を密封
接着した断面(瀬着剤を用いた場合は60μm前後の厚
さとなり、他の加圧熱溶着方式を用いた場合は20〜6
0μmの厚さとなる)から、光がライトパイピング作用
により密封遮光袋内に侵入し、密封接着部分の近傍の写
真感光材料に光カブリが発生し実用化不可である。
【0109】遮光層の光学濃度は、3以上が適当で、4
以上が好ましく、5以上がより好ましく、6以上が最も
好ましい。光学濃度が3未満であると、写真感光材料用
包装材料全体としての完全遮光性を確保することが困難
になる。
【0110】遮光層の光学濃度を3以上にするには、金
属箔の場合は7〜50μm、金属薄膜の場合は200〜
1200μmの層を設ける。熱可塑性樹脂フィルム層、
紙、不織布等のフレキシブルシート層の場合は、遮光性
物質を含有させることにより行う。この遮光性物質の含
有量としては、1つのみの遮光層の場合は、遮光層の厚
さ、使用樹脂の種類、使用樹脂の種類、遮光性物質の種
類により変化するが、0.1〜60重量%が好ましく、
0.5〜50重量%がより好ましく、1.0〜40重量
%が最も好ましい。0.1重量%未満では、遮光層の厚
さが150μm以上必要になり高価で、また、製造適
性、柔軟性にも欠けるようになり実用化困難である。6
0重量%を越えると、製造が困難であり、物理強度、表
面強度、ヒートシール性等も欠けるようになり実用化困
難である。
【0111】遮光性物質の代表例を以下に示す。 (1) 無機化合物 A.酸化物…シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタ
ン、酸化鉄(鉄黒)、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸
化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチウムフ
ェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アル
ミナ繊維等 B.水酸化物…水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム C.炭酸塩…炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロ
マイト、ドーソナイト等 D.(亜)硫酸塩…硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫
酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等 E.ケイ酸塩…タルク、クレー、マイカ、アスベスト、
ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カ
ルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト等 F.炭素…カーボンブラック、グラファイト、炭素繊
維、炭素中空球等 G.その他…鉄粉、銅粉、鉛粉、アルミニウム粉、硫化
モリブデン、ポロン繊維、炭化ケイ素繊維、黄銅繊維、
チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜
鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナ
トリウム、アルミニウムペースト、タルク等
【0112】(2) 有機化合物 木粉(松、樫、ノコギリクズなど)、殻繊維(アーモン
ド、ピーナッツ、モミ殻など)、木綿、ジュート、紙細
片、セロハン片、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、
デンプン(変性デンプン、表面処理デンプンも含む)、
芳香族ポリアミド繊維等
【0113】これらの遮光性物質の中で、写真性に悪影
響を及ぼすことが少なく、150℃以上でも熱に安定な
ので、不透明化する無機化合物が好ましく、特に、耐熱
性、耐光性が優れ比較的不活性な物質であるので、光吸
収性のカーボンブラックと窒化チタンとグラファイトと
鉄黒が好ましい。
【0114】カーボンブラックの原料による分類例をあ
げるとガスブラック、ファーネスブラック、チャンネル
ブラック、アントラセンブラック、アセチレンブラッ
ク、ケッチェンカーボンブラック、サーマルブラック、
ランプブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジ
タブルブラック等がある。
【0115】好ましいカーボンブラックの市販品の代表
例としては、三菱化成製のカーボンブラック#20
(B),#30(B),#33(B),#40(B),#41
(B),#44(B),#45(B),#50,#55,#1
00,#600,#950,#1000,#2200
(B),#2400(B),MA8,MA11,MA100
等が挙げられる。
【0116】海外の製品としては例えばキャボット社の
Black Pearls 2,46,70,71,7
4,80,81,607等、Regal 300,33
0,400,660,991,SRF−S等、Vulc
an 3,6等、Sterling 10, SO,V,
S,FT−FF,MT−FF等が挙げられる。
【0117】さらにアシュランドケミカル社のUnit
ed R,BB,15,102,3001,3004,
3006,3007,3008,3009,3011,
3012,XC−3016,XC−3017,3020
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0118】本発明では遮光性、コスト、物性向上の目
的ではファーネスカーボンブラックが好ましく、高価で
あるが帯電防止効果を有する遮光性物質としてはアセチ
レンカーボンブラック、変性副生カーボンブラックであ
るケッチェンカーボンブラックが好ましい。必要により
前者と後者を必要特性に従ってミックスすることも好ま
しい。遮光性物質を熱可塑性樹脂に配合する形態を大別
すると下記のようになる。
【0119】(1) 均一着色ペレット状(カラーコンバ
ウンドと言われる最もの一般的に用いられているもの) (2) 分散性粉末状(ドライカラーとも呼ばれる、種々
の表面処理剤で処理し、さらに分散助剤を加えて微粒子
状に粉砕した粉末状のもの) (3) ペースト状(可塑剤等に分散させたもの) (4) 液状(リキッドカラーとも呼ばれる界面活性剤等
に分散した液状のもの) (5) マスターバッチペレット状(遮光性物質を着色し
ようとするプラスチック中に高濃度に分散したもの) (6) 潤性粒粉末状(遮光性物質をプラスチック中に高
濃度に分散させたのち、粒粉末状に加工したもの) (7) 乾燥粉末状(普通の無処理の乾燥粉末状のもの)
【0120】遮光性物質を熱可塑性樹脂に配合する形態
は上記のように種々あるが、マスターバッチ法がコス
ト、作業場の汚染防止等の点で好ましい。公知文献の特
公昭40−26196号公報では有機溶媒に溶解した重
合体の溶液中にカーボンブラックを分散せしめて、重合
体−カーボンブラックのマスターバッチをつくる方法
を、特公昭43−10362号公報にはカーボンブラッ
クをポリエチレンに分散してマスターバッチをつくる方
法を述べている。本発明人も特開昭63−186740
号公報で遮光性物質を特定エチレン・エチルアクリレー
ト共重合体樹脂に分散した着色マスターバッチ用樹脂組
成物を開示している。
【0121】本発明の写真感光材料用包装材料として使
用する上で写真感光材料にカブリを発生させることな
く、感光度の増減の発生が少なく、遮光能力が大きく、
熱可塑性樹脂、特に本発明で最も好ましいL−LDPE
樹脂フィルム層に添加した場合でもカーボンブラックの
固り(ブツ)の発生やフィッシュアイ等フィルムにピン
ホールが発生しにくい点で、カーボンブラックの中でも
特にpH(JIS K6221で測定)が6.0〜9.
0、平均粒子径(電子顕微鏡法で測定)が10〜120
mμ、特に10〜80mμのものが好ましく、これらの
中でも特に揮発成分(JIS K 6221で測定)が
2.0%以下、DBP吸油量(JIS K6221の吸
油量A法で測定)が50ml/100g以上のファーネ
スカーボンブラックが遮光性向上と分散性向上、物理特
性低下の少ない点で好ましい。
【0122】また、包装材料中のASTM D 1619
−60の測定方法による硫黄成分は0.9%以下、好ま
しくは0.7%以下、特に好ましくは0.5%以下にし
ないと、カブリ増加や感度異状、発生異状等の写真観光
材料の写真性に悪影響を及ぼす。特に直接写真感光材料
の写真性に大きく悪影響を及ぼす遊離硫黄成分(各試料
を液体窒素で冷却固化後粉砕し、この粉砕した試料10
0gをソックスレー抽出器にいれクロロホルムで60℃
8時間抽出冷却後、全容を100mlとする。この溶液
10mlを高速液体クロマトグラフに注入し、イオウを
定量する。高速液体クロマトグラフ分離条件は、カラ
ム:ODSシリカカラム(4.6φ×1.0mm)、分
離液:メタノール95と水5(酢酸とトリエチルアミン
をそれぞれ0.1%含む)、流速:1ml/分、検出波
長:254nm、定量は絶対検量線法によって行う)は
0.1%以下、好ましくは0.05%以下、特に好まし
くは0.01%以下の遮光性物質を選択することが必要
である。
【0123】写真性を悪化させるシアン化合物含有量
(測定方法は後述する)は、20ppm以下、好ましく
は10ppm以下、より好ましくは5ppm以下のファ
ーネスカーボンブラックを選択する。
【0124】耐摩耗性及び補強性が好ましいカーボンブ
ラックは、ヨウ素吸着量(JISK 6221で測定)が
20mg/g以上、好ましくは30mg/g以上、特に
好ましくは50mg/g以上、最も好ましくは80mg
/g以上で、かつジブチルフタレート(DBP)吸油量
(JIS K 6221で測定)が50ml/100g以
上、好ましくは60ml/100g、最も好ましくは1
00ml/100g以上、特に好ましくは70ml/1
00g以上のものである。
【0125】特に写真性、熱可塑性樹脂への分散性、コ
スト、遮光能力、樹脂劣化防止性、樹脂物理強度低下防
止性、安定入手性等も考えるとpHが6.0〜9.0、
平均粒子径が12〜70mμで且つヨウ素吸着量が50
mg/g以上、DBP吸油量が50ml/100g以上
のファーネスカーボンブラックが最適である。
【0126】導電性カーボンブラックとして特に好まし
いものは、写真性に悪影響を与えず、本発明の数平均分
子量が1万未満の有機化合物を配合した熱可塑性樹脂組
成物中に略均一に分散可能で、表面比抵抗(タケダ理研
製,デジタルマルチメーターにより両電極間の距離を1
cmとし、12cm四方に切り出したシート表面にて、
10箇所の表面比抵抗を測定し、対数平均をとった値)
が1012Ω以下にすることが可能な平均粒子径が12〜
50mμ、DBP吸油量が100ml/100g以上、
pHが7±1.5のファーネスカーボンブラックであ
る。市販品の代表例としては三菱化成製の#3050、
#3150、#3250、#3750、#3950等が
ある。
【0127】カーボンブラックの次に好ましい遮光性物
質はLarsenの油浸法で測定した屈折率が1.50
以上の無機顔料と各種の金属粉末、金属フレーク、金属
ペースト、金属繊維及び炭素繊維である。好ましい屈折
率が1.50以上の無機顔料と金属粉末の代表例を以下
に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
( )内の数字は屈折率を示す。屈折率が1.50以上
の無機顔料としては、ルチル型酸化チタン(2.7
5)、炭化ケイ素(2.67)、アナターゼ型酸化チタ
ン(2.52)、酸化亜鉛(2.37)、酸化アンチモ
ン(2.35)、鉛白(2.09)、亜鉛華(2.02)、
リトポン(1.84)、ジルコン(1.80)、コランダム
(1.77)、スピネール(1.73)、アパタイト
(1.64)、バライト粉(1.64)、硫酸バリウム
(1.64)、マグネサイト(1.62)、ドロマイト
(1.59)、炭酸カルシウム(1.58)、タルク
(1.58)、硫酸カルシウム(1.56)、無水ケイ
酸(1.55)、石英粉(1.54)、水酸化マグネシ
ウム(1.54)、塩酸性炭酸マグネシウム(1.5
2)、アルミナ(1.50)等がある。特に好ましいも
のは、屈折率が1.56以上、最も好ましいものは1.
60以上の遮光性物質である。
【0128】屈折率が1.50未満のケイ酸カルシウム
(1.46)、ケイ藻土(1.45)、含水ケイ酸(1.4
4)等は遮光能力が小さいので多量の添加が必要で遮光
性物質としての使用は好ましくない。また、最近の海外
旅行ブームにより空港での手荷物検査でX線を用いた検
査機にISO感度が400以上の高感度写真フィルムを
通過させるとX線によりカブリが発生しやすくなる。こ
れを防止するために比重が3.1以上、好ましくは3.4
以上の遮光性物質を用いることが好ましい。比重が3.
1以上、好ましくは3.4以上、特に好ましくは4.0
以上の遮光性以外にX線遮断性を有する遮光性物質の形
態は以下に代表例を例示したものに限定されず、いかな
る形態、例えば顔料、粉末、フレーク、ウィスカー、フ
ァイバー等であってよい。比重が3.1以上の遮光性物
質としては炭化ケイ素、硫酸バリウム、二硫化モリブデ
ン、酸化鉛(鉛白)、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネ
シウム、チタン酸バリウム、銅粉末、鉄粉末、黄銅粉
末、ニッケル粉末、銀粉末、鉛粉末、鋼粉末、亜鉛粉
末、タングステンウィスカー、窒化けい素ウィスカー、
銅ウィスカー、鉄ウィスカー、ニッケルウィスカー、ク
ロムウィスカー、ステンレス粉およびウィスカー、マグ
ネサイト、アパタイト、スピネール、コランダム、ジル
コン、三酸化アンチモン、炭酸バリウム、亜鉛華、酸化
クロミニウム、錫粉およびこれらの混合物等がある。
【0129】特にX線遮断性を付与するのに好ましい遮
光性物質はジルコン、コランダム、硫酸バリウム、塩化
バリウム、チタン酸バリウム、鉛粉末、酸化鉛、亜鉛粉
末、亜鉛華、錫粉末、ステンレス粉末、ステンレスウィ
スカー、酸化鉄、タングステンウィスカー、ニッケルウ
ィスカーである。ISO感度が400以上の超高感度写
真感光材料用包装材料として特に好ましい遮光性物質は
屈折率が1.50以上、比重が3.1以上であり、最も
好ましいのは屈折率が1.56以上、比重が3.4以上
の遮光性物質である。これらの遮光性物質の含有量は、
層厚や樹脂の種類によって変化するが、0.1〜60重
量%、好ましくは0.3〜50重量%、より好ましくは
0.5〜40重量%、最も好ましくは1.0〜30重量%
である。
【0130】遮光性物質の屈折率及び比重を表3に示
す。
【0131】
【表3】
【0132】X線遮断性遮光性物質の含有量は、好まし
くは5〜80重量%、より好ましくは10〜70重量
%、最も好ましくは20〜60重量%である。5重量%
未満では、X線遮断効果がほとんどなく、8重量%を越
えると、製造が困難であり、かつ、物理強度やヒートシ
ール性に欠け実用化困難である。
【0133】上述した各種遮光性物質は、写真感光材料
に悪影響を与えず、フィルム成形性を悪化させないため
に、100℃、5時間での乾燥減量が好ましくは2.0
重量%以下、より好ましくは1.0重量%以下、最も好
ましくは0.5重量%以下の状態にして使用する。
【0134】ブリードアウトしやすい滑剤や酸化防止剤
や有機造核剤を吸着させたり、脱臭剤、芳香剤、脱酸素
剤等を吸着させる効果を有する吸油性無機顔料の代表例
としては亜鉛華(52)、アスベスチン(50)、クレー
(51)、酸化チタン(56)、カオリン(60)、タル
ク(60)、カーボンブラック(60以上)、活性炭等
がある。( )内の数字は吸油量(JIS K 6221
の吸油量A法で測定。単位ml/100g)を示す。
【0135】金属粉末(金属ペーストも含む)の代表例と
しては、アルミニウム粉末、アルミニウムペースト、銅
粉末、ステンレス粉末、鉄粉末、ニッケル粉末、黄銅粉
末、銀粉末、錫粉末、亜鉛粉末、スチール粉末等があ
る。
【0136】アルミニウム粉末は、本発明ではアルミニ
ウム粉末及びアルミニウムペーストを含めた意味であ
り、アルミニウム粉末の表面を表面被覆物質で被覆した
ものと、アルミニウムペーストより低揮発物質を除去し
たものを熱可塑性樹脂に混練したものが好ましい。均一
分散性、成形性、写真性、外観の優れた臭いのないアル
ミニウム粉末は、平均粒径が0.3〜50μm、好まし
くは0.5〜45μm、より好ましくは0.8〜40μ
m、平均厚さが0.03〜0.5μm、好ましくは0.
05〜0.4μm、より好ましくは0.08〜0.35
μm、脂肪酸含有量が5重量%以下、好ましくは4重量
%以下、より好ましくは3重量%以下のものである。
【0137】ここにアルミニウムペーストとは、ボール
ミル法、スタンプミル法、又はアトマイズ法等の公知の
方法でアルミニウム粉末を作るときに、ミネラルスピリ
ットと少量のステアリン酸又はオレイン酸等の高級脂肪
酸の存在のもとにペースト状に作ったものである。本発
明ではこのアルミニウムペーストと各種芳香族モノビニ
ル樹脂(ポリスチレン樹脂、ゴム含有ポリスチレン樹脂
等)、ポリオレフィン熱可塑性樹脂(各種ポリプロピレ
ン樹脂、各種ポリエチレン樹脂、酸変性樹脂、EVE樹
脂、EEA樹脂、EAA樹脂等)、低分子量のポリオレ
フィン樹脂、パラフィンワックス、粘着付与剤、金属石
けん等の分散剤等を加熱混練し、低揮発物質(主として
悪臭が強いミネラルスピリット、ホワイトスピリット)
を真空ポンプ等で除去した揮発物質の含有量が3%以
下、好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下
のものをアルミニウムペーストコンパウンド樹脂、アル
ミニウムペーストマスターバッチ樹脂として使用するこ
とが好ましい。
【0138】特にアルミニウムペーストマスターバッチ
樹脂として使用するのが写真感光材料への悪影響や悪臭
をなくすために好ましい。例えばアルミニウムペースト
含有率40重量%のマスターバツチ樹脂中のミネラルスピ
リット含有率が1.0重量%であっても、これを写真感光
材料用成形品中でのアルミニウムペースト濃度を2重量
%にしようとすると、アルミニウムペーストマスターバ
ッチ1重量部に対してナチュラル樹脂19重量部を混練す
ることになり、成形品中には成形中にミネラルスピリッ
トが加熱によりガスとして除去される分もあるのでミネ
ラルスピリット含有量は0.05重量%以下になる。その結
果、写真感光材料への悪影響もなくなる上、悪臭も低減
される。
【0139】またアルミニウム粉末とは、溶融アルミニ
ウムをアトマイズ法、粒化法、回転円盤滴下法、蒸発法
等により粉末状にしたものの外、アルミニウム箔をボー
ルミル法やスタンプミル法等で粉砕してフレーク状にし
たものを含む。アルミニウム粉末単体では不安定なので
アルミニウム粉末表面を不活性にする各種の公知の表面
被覆処理が施される。
【0140】特に所定の厚さ(5〜20μm、好ましく
は6〜15μm、より好ましくは7〜10μm)に圧延
したアルミニウム箔をシュレッダー等で切断し、焼き鈍
しするとともに脂肪酸を除去し、しかる後この切断した
アルミニウム箔片に対して5重量%以下の炭素数が8以
上の脂肪酸(化合物を含む)を添加してボールミル、ス
タンプミル、振動ミル及びアトライターから選んだ粉砕
機の1つ以上を用いて平均粒径0.3〜50μm、平均
厚さ0.03〜0.5μm、脂肪酸含有量が5重量%以
下としたアルミニウム粉末が分散性、写真性、光沢が優
れ臭いが少ないので特に好ましい。
【0141】本発明の写真感光材料用包装材料として実
用化するには品質確保、物理強度確保、写真性能確保、
成形性、経済性から遮光層中の遮光性物質の好ましい合
計含有量は0.1〜60重量%であるが、遮光性物質の
遮光能力により含有量が変化する。遮光能力の優れたカ
ーボンブラック、酸化チタン、及びアルミニウム粉末の
遮光層中の合計含有量は、0.01〜60重量%、0.
05〜40重量%が好ましく、0.1〜20重量%がよ
り好ましく、0.2〜10重量%が最も好ましい。含有
量が0.01重量%未満であると、写真感光材料用包装
材料の厚さを大きくしないと遮光能力が不足し光カブリ
を発生する。このため写真感光材料用包装材料の成形速
度が遅くなり(冷却時間が長くなるため)、樹脂使用量
が多くなるため高価になり実用化困難である。含有量が
60重量%を超えると、分散性が悪化し、ミクログリッ
ド(凝集不純物)の発生が多くなり、写真感光材料に圧
力カブリや擦り傷を発生させたり、写真感光材料用包装
材料中の水分量がカーボンブラックに吸着した水分増加
により多くなり、写真感光材料の写真性能に悪影響(カ
ブリの発生、感度異常、発色異状等)を及ぼす。さら
に、写真感光材料用包装材料の成形性悪化(発泡、銀
条、ピンホール、ショートショット等の発生)や物理強
度の低下となり実用化困難である。
【0142】遮光性物質(カーボンブラック、アルミニ
ウム粉末、屈折率が1.50以上の無機顔料、比重が
3.4以上の無機顔料、吸油量が50ml/100g以
上の無機顔料が特に好ましい)の樹脂中への分散性向
上、樹脂流動性向上、写真感光材料に摩擦カブリや圧力
カブリ、擦り傷等を発生させるミクログリットの発生防
止、写真性に有害な揮発性物質の発生を防止、吸湿度低
下、ダイリップ汚れ防止等のためにその表面を表面被覆
物質で被覆することが好ましい。表面被覆物質の代表例
を以下に示す。
【0143】(1) カップリング剤 アジドシラン類を含むカップリング剤被覆(特開昭
62−32125号公報等に開示) シラン系カップリング剤被覆(アミノシラン等) チタネート系カップリング剤被覆 (2) シリカを沈着させ、つづいてアルミナを沈着被覆 (3) ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、
ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩被覆 (4) ステアリン酸ソーダ、ステアリン酸カリウム、オ
キシ・エチレンドデシル・アミン等の界面活性剤被覆 (5) バリウムイオンの過剰量の存在下に硫化バリウム
水溶液と硫酸水溶液とを反応させ、平均粒子径0.1〜
2.5μmの硫酸バリウムを生成させ、この水スラリー
にケイ酸アルカリ水溶液を加えて硫酸バリウムの表面に
ケイ酸バリウムを生成させ、次いでスラリーに鉱酸を加
え、上記ケイ酸バリウムを含水シリカに分解して硫酸バ
リウム表面に沈着させ被覆 (6) 金属水和酸化物(チタン、アルミニウム、セリウ
ム、亜鉛、鉄、コバルト又はケイ素の水和酸化物の1種
又は2種以上)及び/又は金属酸化物(チタン、アルミ
ニウム、セリウム、亜鉛、鉄、コバルト又はケイ素の酸
化物の1種及び2種以上)のみからなる組成物で表面被
覆 (7) 分子内にアジリジン基、オキサゾリン基及びN−
ヒドロキシアルキルアミド基よりなる群から選択される
1種又は2種以上の反応基を有する重合体を被覆 (8) ポリオキシアルキレンアミン化合物を表面被覆 (9) セリウムカチオン、選択された酸アニオン及びア
ルミナで表面被覆 (10) 置換基にα−ヒドロキシカルボン酸残基を有する
アルコキシチタン誘導体で表面被覆 (11) ポリテトラフルオロエチレンで表面被覆 (12) ポリジメチルシロキサン又はシリコン変性体で表
面被覆 (13) リン酸エステル化合物で表面被覆 (14) 2〜4価アルコールで表面被覆 (15) オレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポ
リプロピレンワックス)で表面被覆 (16) 含水酸化アルミニウムを表面被覆 (17) シリカ又は亜鉛化合物(塩化亜鉛、水酸化亜鉛、
酸化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、クエン酸亜
鉛等の1種又は2種以上組み合わせたもの)で表面被覆 (18) ポリヒドロキシ飽和炭化水素で表面被覆、 (19) 界面活性剤(カチオン系、ノニオン系、両性イオ
ン系)で表面被覆 (20) 有機金属キレート化合物(特に、β−ジケトンキ
レート化合物が写真性、分散性向上等が優れているので
好ましい。表面被覆量は遮光性物質に対して0.01〜
15重量%が好ましい)で表面被覆、等
【0144】上記遮光性物質の表面被覆物質として写真
感光材料の写真特性にカブリ発生等の悪影響が少なく、
遮光性物質の分散性向上、ブツの発生減少、樹脂の流動
性向上等の効果が優れた(1)、(3)、(12)、(14)、(1
5)、(16)、(18)、(19)等の他に有機金属キレート化合
物、各種帯電防止剤、滑剤、防滴剤が好ましい。
【0145】特に、炭素数が20〜40の脂肪族モノカ
ルボン酸と炭素数が20〜40の脂肪族1価アルコール
とのエステル0.001〜2重量%、好ましくは0.0
05〜1重量%、特に好ましくは0.01〜0.5重量
%を添加することにより、上記問題点の防止効果を発揮
できることを見出したものである。特に、写真感光材料
の写真性に悪影響を減少させるだけでなくモーター負荷
を小さくし、遮光性物質の分散性を向上させ、成形性を
向上し成形品の外観を優れたものにする。
【0146】本発明に用いられるエステルとしては、炭
素数が20〜40、好ましくは25〜35の脂肪族モノ
カルボン酸と炭素数が20〜40、好ましくは25〜3
5の脂肪族1価アルコールのエステルである。
【0147】上記モノカルボン酸の例としては、モンタ
ン酸、メリシン酸、セロチン酸、ブリシン酸、ラクセル
酸等が挙げられる。
【0148】1価アルコールの例としては、モンチルア
ルコール、メリシルアルコール、ラクシルアルコール、
セリルアルコール、ブリシルアルコール等が挙げられ
る。
【0149】これらは、熱可塑性樹脂の流動性を向上さ
せると共に、均一混練を達成せしめるので前記遮光性物
質の表面被覆物質としても非常に優れている。さらに、
前記無機及び/又は有機造核剤の分散剤として表面被覆
に用いると飛散防止、ブリードアウト防止、均一分散性
向上、樹脂流動性向上等種々の優れた効果を発揮する。
これらの遮光性物質の表面被覆物質の表面被覆量は、カ
ーボンブラック、酸化チタン又はアルミニウム粉末等の
遮光性物質に対して、0.001〜10重量%、好まし
くは0.001〜5重量%、より好ましくは0.01〜
3重量%、最も好ましくは0.05〜1.5重量%であ
る。被覆量が0.001重量%以下では被覆効果がほと
んど発揮されない。被覆量が10重量%を越えると経時
でブリードアウトの発生が多くなるとともに樹脂とスク
リューとのスリップが発生して吐出量が変動する結果、
厚さのバラツキが大きくなり実用化困難である。
【0150】上記合計遮光性物質中の全硫黄量(AST
M D−1619)は1.0%以下、好ましくは0.8%以
下、特に好ましくは0.5%以下であり、遊離硫黄分は
150ppm以下、好ましくは50ppm以下、特に好
ましくは30ppm以下であり、ASTM D−150
6による灰分量は0.5%以下、好ましくは0.4%以
下、特に好ましくは0.3%以下であり、アルデヒド化
合物含有量は0.2%以下、好ましくは0.1%以下、
特に好ましくは0.05%以下に抑えないと写真性に悪
影響を及ぼすので注意が必要である。
【0151】さらに、シアン化合物も写真感光材料の写
真性能に悪影響を及ぼすので4−ピリジンカルボン酸・
ピラゾロン吸光分析法にて定量したシアン化水素量を遮
光性物質の重量に対するppm単位に換算した値が20
ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましく
は5ppm以下の遮光性物質である。
【0152】最内層にブロッキング防止剤を0.000
5〜10重量%含有させることが適当で、0.001〜
8重量%含有させることが好ましく、0.005〜5重
量%含有させることがより好ましく、0.01〜3.5重
量%含有させることが最も好ましい。ブロッキング防止
剤を含有させることにより、遮光性物質含有量が0.9
重量%以下、好ましくは0重量%であってもブロッキン
グを有効に防止でき、インフレーションフィルム成形方
法であっても最内層同士がブロッキングすることがな
い。また、写真感光材料ともブロッキング故障や写真感
光材料の包装適性悪化を防止できる。
【0153】ブロッキング防止剤の含有量が0.000
5重量%未満では、ブロッキング防止効果が小さく、混
練経費増となるだけであり、含有量が10重量%を超え
ると、塊状の不均一故障(ブツ)の発生が多くなるだけで
なくフィルムの物理強度やヒートシール性が低下する。
また、ブロッキング防止剤の含有量が0.0005重量
%未満であると、特定密度のホモポリエチレン樹脂又は
エチレン・αオレフィン共重合体樹脂を含まないと、最
内層同士又は最内層と写真感光材料とでブロッキングが
発生し実用化できない。ただし、ブロッキング防止剤を
含まなくても、密度が0.935〜0.965g/m3
のホモポリエチレン樹脂又はエチレン・αオレフィン共
重合体樹(C2〜C8のαオレフィンが好ましい)を1〜
100重量%含めることによりブロッキングを防止で
き、好ましくは、2〜98重量%、より好ましくは5〜
95重量%、最も好ましくは10〜90重量%である。
【0154】ブロッキング防止剤としては、シリカ(天
然及び合成シリカを含む)、炭酸カルシウム、タルク
(ケイ酸マグネシウム)、ケイ酸アルミニウム、カルシ
ウムシリケート、脂肪酸アミド系滑剤、高級脂肪酸ポリ
ビニルエステル、n−オクタデシルウレア、N,N'−ジ
オレイルオキサアミド、N−エタノールステアリン酸ア
ミド、ジカルボン酸エステルアミド等があり、この中で
シリカが好ましい。
【0155】上記シリカは、平均粒子径が0.3〜20
μmのものが好ましく、0.5〜15μmのものがより
好ましい。平均粒子径が0.3μm未満では、凝集性が
強くブツが多発し、ブロッキング防止効果も小さい。ま
た、平均粒子径が20μmを越えると、フィルム表面に
シリカがでてフィルム表面がざらつくだけでなく写真感
光材料に擦り傷などが発生し易くなる。
【0156】最内層と遮光層とは共押出しにより成形す
ることができる。共押出しにより成形することにより、
最内層と遮光層の接着強度を大きく、各層を均一厚さ
で、かつ、1工程で安価に形成できる。さらに、単層フ
ィルム層(エクストルージョンラミネート層を含む)で
は、成形不可能な7μm以下の薄層でも共押出しフィル
ムの合計厚さが10μm以上なら成形できる(一方の層
は1μmでもよい)。
【0157】共押出しによる成形には、インフレーショ
ン共押出しフィルム成形法、T形ダイス共押出しフィル
ム成形法の他に、フレキシブルシート層等の基体に溶融
押し出しする共押出しエクストルージョンラミネート成
形法等を用いることができる。共押出しラミネート法を
大別すると、リップの外でラミネートするMultim
anifoldダイ法、ダイスのリップの出口又はその
近くで各々のマニホールドよりランドを経て溶融状態の
樹脂を導くFeedjport block法がある。
【0158】写真感光材料用包装材料全体として、JI
S Z 0208のB条件で測定した透湿度は、20g/
2・24hrs以下、好ましくは5g/m2・24hr
s以下、より好ましくは10g/m2・24hrs以
下、最も好ましくは5g/m2・24hrs以下であ
る。透湿度が20g/m2・24hrsを超えると、2
年前後の長期間、湿度により品質低下しやすい精密化学
製品である写真感光材料の品質を維持確保できなくな
る。特に、カラー写真感光材料写真感光材料では発色バ
ランスが崩れたり、カブリや感度異常が発生し実用化困
難である。
【0159】また、最内層、遮光層の本発明に必須の2
つの層の透湿度の小さい方の層のJIS Z 0208の
B条件で測定した透湿度が、30g/m2・24hrs
以下、好ましくは20g/m2・24hrs以下、より
好ましくは10g/m2・24hrs以下、最も好まし
くは5g/m2・24hrs以下である。透湿度が30
g/m2・24hrsを超えると、本発明の写真感光材
料用包装材料に必須の最内層と遮光層の他に1以上のフ
レキシブルシートを積層しないと、写真感光材料用包装
材料全体として透湿度を10g/m2・24hrs以下
に維持確保することが困難になる。
【0160】上述したような透湿度に調整するには、例
えば、本発明に必須の最内層と遮光性を合わせた透湿度
が10g/m2・24hrs以下になるように、各層の
樹脂組成物や厚さを選択調整する。または最内層と遮光
層の他に1つ以上のフレキシブルシート(金属箔や金属
薄膜加工フレキシブルシートが好ましい)を積層するこ
とより行う。
【0161】本発明の写真感光材料用包装材料には、好
ましくは、熱可塑性樹脂の熱劣化防止、写真性向上等の
目的で酸化防止物質1種以上が添加することが好まし
い。酸化防止剤及びラジカル捕獲剤の1種以上を添加す
ることにより、熱可塑性樹脂や脂肪酸、滑剤、界面活性
剤等の添加剤の熱劣化や熱分解を防止し、熱可塑性樹脂
組成物の流動性が著しく変化したり、ブツが発生するの
を防止できる。さらに写真感光材料に悪影響を及ぼす熱
分解物質(アルデヒド等)の発生を防止することができ
る。熱分解物質(アルデヒド等)を写真感光材料に悪影
響を及ぼさない量に減少安定化させたり、反応安定化さ
せたり又は吸着安定化させる公知の各種化合物(例え
ば、ヒダントイン化合物、ヒドラジン化合物、尿素化合
物)を添加することが好ましい。本発明の写真感光材料
用包装材料中のアセチルアセトン法で測定したホルムア
ルデヒドの量は500PPM以下、好ましくは300P
PM以下、特に好ましくは150PPM以下、最も好ま
しくは75PPM以下にすることにより写真性を良好に
維持できる。
【0162】酸化防止物質の1以上の添加量は、0.0
005〜1.5重量%であり、0.001〜1.0重量
%が好ましく、0.05〜0.45重量%がより好まし
い。添加量が0.0005重量%未満であると、添加効
果がなく混練経費増になるだけであり、添加量が1.5
重量%を越えると、酸化、還元作用を利用する写真感光
材料の写真性に悪影響を及ぼすとともに成形品表面にブ
リードアウトして外観を悪化させる。
【0163】酸化防止物質には、酸化防止剤、ラジカル
捕獲剤、含水複塩化合物、酸化防止相乗効果剤がある。
【0164】本発明に使用される酸化防止剤の代表例を
以下に示す。 (イ) フェノール系酸化防止剤(tはtertの略号で
ある) ビタミンE(トコフェロール)、トコフェロール類二量
体(α−トコフェロール、β−トコフェロール、5,7
−ジメチルトコール等)、6−t−ブチル−3−メチル
フェニール誘導体、2・6−ジ−t−ブチル−P−クレ
ゾール、2・6−ジ−t−ブチル−フェノール、2・6
−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾー
ル、2・6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、
2・2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、4・4’−ブチリデンビス(6−t−
ブチル−m−クレゾール)、4・4’−チオビス(6−
t−ブチル−m−クレゾール)、4・4−ジヒドロキシ
ジフェニルシクロヘキサン、ブチル化ヒドロキシアニソ
ール、アルキル化ビスフェノール、スチレン化フェノー
ル、2・6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
2・6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−
オクタデシル−3−(3'・5'−ジ−t−ブチル−4’
−ヒドロキシフェニル)プロピネート、2・2’−メチ
レンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
4・4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ニール)、4・4’−ブチリデンビス(3−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、4・4’−チオビス(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、ステアリル−β
(3・5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート、1・1・3−トリス(2−メチル−4
ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1・3
・5トリメチル−2・4・6−トリス(3・5−ジ−t
−ブチル−4ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキ
ス〔メチレン−3(3・5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等
【0165】(ロ) ケトンアミン縮合系酸化防止剤 6−エトキシ−2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリン、2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリンの重合物、トリメチルジヒドロキノリン誘
導体等
【0166】(ハ) アリルアミン系酸化防止剤 フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナ
フチルアミン、N−フェニル−N’−イソピロピル−P
−フェニレンジアミン、N・N’−ジフェニル−P−フ
ェニレンジアミン、N・N’−ジ−β−ナフチル−P−
フェニレンジアミン、N−(3’−ヒドロキシブチリデ
ン)−1−ナフチルアミン等
【0167】(ニ) イミダゾール系酸化防止剤 2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベ
ンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベン
ゾイミダゾール等
【0168】(ホ) ホスファイト系酸化防止剤 アルキル化アリルホスファイト、トリス(モノ及び/又
はジノニルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオ
ペンタンテトライルビス(2・6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソデシ
ルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファ
イト亜リン酸ソーダ、トリス(ノニルフェニル)フォス
ファイト、2・2−メチレンビス(4・6−ジ−t−ブ
チルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(2・4
−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニ
ルフォスファイト等
【0169】(ヘ) チオ尿素系酸化防止剤 チオ尿素誘導体、1・3−ビス(ジメチルアミノプロピ
ル)−2−チオ尿素等
【0170】(ト) その他空気酸化に有用な酸化防止剤 チオジプロピオン酸ジラウリル等 本発明に最も好ましいヒンダードフェノール系酸化防止
剤の代表例を以下に示す。
【0171】1,3,5−トリメチル2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3−(3'・5'−
ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕メタン、オクタデシル−3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメート、2,
2’,2’−トリス〔(3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチルイ
ソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチ
ル−3−ヒドロキシ−2,6−ジ−メチルベンジル〕イ
ソシアヌレート、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)4,4’−ビフェニレンジ亜リン酸エステ
ル、4,4’−チオビス−(6−tert−ブチル−O−ク
レゾール)、2,2’−チオビス−(6−tert−ブチル
−4−メチルフェノール)、トリス−(2−メチル−4
−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタ
ン、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−ter
t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−
(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−
ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェ
ノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェ
ノール、4−ヒドロキシ・メチル−2,6−ジ−tert−
ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−4−n−ブチル
フェノール、2,6−ビス(2’−ハイドロキシ−3’
−tert−ブチル−5’−メチルペンジル)−4−メチル
フェノール、4,4’−メチレン−ビス−(6−tert−
ブチル−O−クレゾール)、4,4’−ブチリデン−ビ
ス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、3・9−ビス
{1・1−ジメチル−2−〔β−(3−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ〕エチル}2,4・8,10−テトラオキサスピロ
〔5,5〕ウンデカンなどがあげられる。これらの中で
も融点が100℃以上、特に120℃以上のものが好ま
しい。また、燐系酸化防止剤と併用することが効果的で
ある。さらにまた、燐系酸化防止剤の少なくとも1種
と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤の少なくとも1
種と、含水複塩化合物の少なくとも1種の合計3種以上
を併用することが特に好ましい。
【0172】上記ビタミンE(トコフェロール)とトコ
フェロール類二量体は、優れた酸化防止作用の他に、成
形品を黄色に着色させてカーボンブラック等の遮光性物
質と併用すると遮光能力をカーボンブラック等の遮光性
物質単独添加の場合より向上させ、かつ、分散性も向上
させるので遮光性物質の添加量を10%以上減少させて
も同等の遮光性を有する包装材料を得ることができる。
この結果写真性の悪化防止、物理強度向上、外観向上、
材料費減少等各種の効果が発揮されるので本発明の写真
感光材料用包装材料として特に好ましい。
【0173】代表的な市販酸化防止剤を以下に示す。 (1) フェノール系酸化防止剤;SUMILIZER
BHT(住友)、YOSHINOX BHT(吉富)、
IRGANOX 1076(チバガイギー)、MARK A
O−50(アデカ・アーガス)、SUMILIZER
BP−76(住友)、TOMINOX SS(吉富)、I
RGANOX 565(チバガイギー)、NONOX W
SP(ICI)、SANTONOX(Monsant
o)、SUMILIZER WX R(住友)、ANTA
GECRYSTAL(川口)、IRGANOX 1035
(チバガイギー)、ANTAGE W−400(川口)、
NOCLIZER NS−6(大内新興)、IRGAN
OX 1425 WL(チバガイギー)、MARK AO
−80(アデカ・アーガス)、SUMILIZER GA
−80(住友)、TOPANOL CA(ICI)、M
ARK AO−30(アデカ・アーガス)、MARK A
O−20(アデカ・アーガス)、IRGANOX 31
14(チバガイギー)、MARK AO−330(アデカ・
アーガス)、IRGANOX 1330(チバガイギ
ー)、CYANOX 1790(ACC)、IRGAN
OX 1010(チバガイギー)、MARK AO−60
(アデカ・アーガス)、SUMILIZER BP−1
01(住友)、TOMINOX TT(吉富)等
【0174】(2) 燐系酸化防止剤;IRGAFOS
168(チバガイギー)、MARK 2112(アデカ
・アーガス)、WESTON 618(ボルグワーナ
ー)、MARK PEP−8(アデカ・アーガス)、UL
TRANOX 626(ボルグ・ワーナー)、MARK P
EP−24G(アデカ・アーガス)、MARK PEP
−36(アデカ・アーガス)、HCA(三光)等
【0175】(3) チオエーテル系酸化防止剤;DLT
DP "YOSHITOMI"(吉富)、SUMILIZ
ER TPL(住友)、ANTIOX L(日油)、DM
TD "YOSHITOMI"(吉富)、SUMILIZE
R TPM(住友)、ANTIOX M(日油)、DST
P "YOSHITOMI"(吉富)、SUMILIZER
TPS(住友)、ANTIOX S(日油)、SEEN
OX 412S(シプロ)、MARK AO−412S(アデ
カ・アーガス)、SUMILIZER TP−D(住
友)、MARK AO−23(アデカ・アーガス)、S
ANDSTAB P−EPQ(サンド)、IRGAFO
SP−EPQ FF(チバガイギー)、IRGANOX
1222(チバガイギー)、MARK 329K(アデカ
・アーガス)、WESTON 399(ボルグ・ワーナ
ー)、MARK 260(アデカ・アーガス)、MAR
K 522A(アデカ・アーガス)等
【0176】(4) 金属不活性化剤 NAUGARD XL−1(ユニロイヤル)、MARK
CDA−1(アデカ・アーガス)、MARK CDA−
6(アデカ・アーガス)、LRGANOX MD−10
24(チバガイギー)、CUNOX(三井東圧)等
【0177】特に好ましい酸化防止剤はフェノール系の
酸化防止剤であり、市販品としてはチバガイギー社のイ
ルガノックス各種と住友化学(株)のSumilize
rBHT, Sumilizer BH−76,Sumi
lizer WX−R,Sumilizer BP−1
01等である。また、2,6−ジ−ヒブチル−p−クレ
ゾール(BHT)、低揮発性の高分子量フェノール型酸
化防止剤(商品名:Ireganox 1010,Ir
eganox 1076,Topanol CA,Ion
ox 330等)、ジラウリルチオジプロピオネート、
ジステアリルチオプロピオネート、ジアルキルフォスフ
ェート等の1種以上、特に2種以上を併用するのが効果
的である。
【0178】特に遊離基連鎖停止剤の代表例である融点
が100℃以上、好ましくは120℃以上の前記ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤の少なくとも1種と、過酸
化物分解剤である燐系酸化防止剤の少なくとも1種とを
併用して用いることが写真性を悪化させずに樹脂や添加
剤の熱劣化防止効果を高めることができるので好まし
い。
【0179】写真感光材料の写真性への悪影響が少な
く、樹脂溶融温度(130〜400℃)でも熱分解が少な
く、経時によるブリードアウトも少ない等多くの優れた
特性を有する点から分子量は200以上、好ましくは3
00以上、特に好ましくは400以上、最も好ましくは
500以上の酸化防止剤である。
【0180】本発明の写真感光材料用包装材料の最内層
に含有させるのに最も好ましい酸化防止剤は、テトラキ
ス〔メチレン−3(3, 5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシ−フェニル)プロピオネート〕メタン、n−オク
ダデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3',5’−ジ−t
−ブチルフェノール)プロピオネートとトリス−(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトである。少
なくともこの中の1種以上を0.0005〜1.5重量
%含有させるのが好ましい。
【0181】最も好ましいのは少なくとも前記ヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤0.0005〜1.0重量%
と燐系酸化防止剤0.0005〜1.0重量%(但し酸
化防止剤の合計量は0.0005〜1.5重量%、好ま
しくは0.001〜1.0重量%、特に好ましくは0.
005〜0.8重量%、最も好ましくは0.01〜0.6
重量%にすることが写真性、経済性、効果のバランスの
点で好ましい)及びハイドロタルサイト類化合物を0.
001〜5重量%、併用した熱可塑性樹脂組成で形成さ
れた写真感光材料用包装材料である。特に各種ポリプロ
ピレン樹脂、各種ポリエチレン樹脂、各種エチレン共重
合体樹脂等のポリオレフィン樹脂と前述のヒンダードフ
ェノール系酸化防止剤の1種以上0.0005〜1.0
重量%と燐系酸化防止剤の1種以上0.0005〜1.
0重量%及びハイドロタルサイト類化合物の1種以上を
0.001〜5重量%併用したポリオレフィン系樹脂組
成物で成形されている写真感光材料用包装材料の場合に
熱劣化防止性、ミクログリット発生防止、物理強度低下
防止、カーボンブラック、アルミニウム粉末等の遮光性
物質の均一分散、写真性悪化防止等、特に優れた予想外
の効果を発揮する。グルタミン酸金属塩(Na、K、C
a、Al等)も同様に好ましい。
【0182】前記ラジカル捕獲剤としては、1・1−ジ
フェニル−2−ピクリルヒドラジル、1・3・5−トリ
フェニルフェルダジル、2・2,6・6−テトラメチル
−4−ピペリドン−1−オキシル、N−(3−N−オキ
シアニリノ−1・3−ジメチルブチリデン)−アニリン
オキシド、塩化第二鉄などのような高原子価金属塩、ジ
フェニルピクリルヒドラジン、ジフェニルピクリルヒド
ラジン、ジフェニルアミン、ハイドロキノン、t−ブチ
ルカテコール、ジチオベンゾイルジスルフィド、p・
p’−ジトリルトリスルフィド、ベンゾキノン誘導体、
ニトロ化合物、およびニトロソ化合物などを挙げること
ができる。これらのうちでも、ハイドロキノンを用いる
ことは特に好ましい。また、上記のラジカル捕獲剤は単
独で用いてもよく、あるいは数種類を併用することもで
きる。さらに各種の酸化防止剤や含水複塩化合物(代表
例としてはハイドロタルサイト類化合物)や酸化防止相
乗効果剤や老化防止剤の1種以上と併用することも好ま
しい。
【0183】ラジカル捕獲剤の樹脂組成物中への添加量
は0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3.
5重量%、特に好ましくは0.01〜2重量%、最も好
ましくは0.05〜1重量%である。0.001重量%
未満では添加効果がなく、経費増となるだけである。5
重量%を越えても増量効果がほとんどなく材料費増とな
るだけである。
【0184】本発明で含水複塩化合物として使用するこ
とが特に好ましい代表例を以下に示す。一般式が Mxy(OH)2x+3y-2z(A)z・aH2O {MはMg、Ca又はZn、RはAl又はCr又はFe、
AはCO3又はHPO4、x、y、z、aは正数}で示さ
れる複塩であるハイドロタルサイト類化合物であり、具
体例の代表例を示すと、Mg6Al2(OH)16CO3・4
2O、Mg8Al2(OH)20CO3・5H2O、Mg5Al
2(OH)14CO3・4H2O、Mg10Al2(OH)22(CO
3)2・4H2O、Mg6Al2(OH)16HPO4・4H2O、
Ca6Al2(OH)16CO3・4H2O、Zn6Al2(O
H)16CO3・4H2O、Mg4.5Al2(OH)13CO3
3.5H2O等がある。
【0185】また一般式が M(1-x)・Alx・(OH)2・Xx/n・mH2O {ただし式中、Mはアルカリ土類金属およびZnを示
す。Xはn価のアニオンを示す。
【0186】そして、xおよびmは下記式の条件を満足
する。 0<x<0.5 0≦m≦2 } で表わされる屈折率1.40〜1.60、好ましくは
1.45〜1.55の範囲であるハイドロタルサイト類
化合物である。
【0187】上記式においてXで表わされるn価のアニ
オンの例としては、Cl-、Br-、I-、NO3 -、Cl
4 -、SO4 2-、CO3 2-、SiO3 2-、HPO4 2-、HB
3 2-、PO4 3-、Fe(CN)6 3-、Fe(CN)4 4-、CH
3COC-、C64(OH)COO-
【0188】
【化1】
【0189】
【化2】
【0190】
【化3】
【0191】
【化4】 などの如きアニオンを例示する事ができる。
【0192】さらにまた一般式が例えば、一般式Mg
1-xAlx(OH)2x/2・mH2Oで示されるマグネシウ
ムとアルミニウムから成るハイドロタルサイト類化合物
である。{式中、Xは0<x≦0.7の範囲の実数であ
り、AはCO3を示し、mは実数を示す。}
【0193】好ましい具体例を以下に示す。 Mg0.7Al0.3(OH)2(CO3)0.15・0.54H2O Mg0.67Al0.33(OH)2(CO3)0.165・0.5H2O Mg0.67Al0.33(OH)2(CO3)0.165・0.2H2O Mg0.6Al0.4(OH)2(CO3)0.2・0.42H2O Mg0.75Al0.25(OH)2(CO3)0.125・0.63H2
O Mg0.83Al0.17(OH)2(CO3)0.085・0.4H2
【0194】これらの含水複塩化合物は、天然物であっ
ても、合成品であってもよい。これらの含水複塩化合物
は、マグネシウム、アルミニウム、シリコン等を主成分
としており、写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼした
り、成形機に用いられている金属の発錆の原因と考えら
れる塩素イオン等のハロゲン化イオンを吸着して無害化
する能力に優れている。さらに熱可塑性樹脂中のモノマ
ーや各種添加剤中の揮発性物質等写真性に悪影響を及ぼ
す物質を吸着固定するものと推定される。ハイドロタル
サイト類化合物の具体的な合成方法としては、特公昭4
6−2280号公報及び特公昭50−30039号公報
等に開示されている公知の方法も使用できる。
【0195】本発明では特にハイドロタルサイト類化合
物が好ましく、その結晶構造、結晶粒子径に制限される
ことなく使用可能である。
【0196】ハイドロタルサイト類化合物の天然品とし
ては、ハイドロタルク石、スチヒタイト、パイロオーラ
イト等がある。これらの含水複塩化合物は単独で使用し
ても、2種以上混合してもよい。特に後述する各種酸化
防止剤や各種脂肪酸金属塩と併用することが好ましい。
含水複塩化合物の樹脂組成物中への添加量は0.001
〜5重量%であり、好ましくは0.005〜3.5重量
%、特に好ましくは0.01〜2重量%、最も好ましく
は0.05〜1重量%である。0.001重量%未満で
は製造時や加工時の防蝕防止効果がなく、樹脂劣化を生
じる。5重量%を越えると包装材料にブツが発生した
り、光沢が落ち外観が悪いものとなる。
【0197】本発明で使用が好ましい含水複塩化物とし
て使用する上記ハイドロタルサイト類化合物は、特に限
定されるものではなく、2.5MgO・Al23・XH2
O、2MgO・6SiO2・XH2O(これらはいずれも
協和化学KKより商品名キョーワード(商標登録)とし
て製造販売されている。)等、マグネシウム、アミニウ
ム、シリコン等の酸化物、炭酸化物又は水酸化物のいず
れか2以上から成る含水複塩(写真性に悪影響を与えな
いようにするためMg化合物が特に好ましい必須)であ
る。加工性、物性等を特に向上させるためには平均2次
粒子径が20μm以下、好ましくは10μm以下、特に
好ましくは5μm以下、BET比表面積が50m2/g
以下、好ましくは40m2/g以下、特に30m2/g以
下が好ましい。
【0198】本発明においてハイドロタルサイト類化合
物は表面被覆物質で処理して利用するのが好ましい。表
面被覆する事により、樹脂に対する分散性ないし親和性
が一層向上し、フィルム加工適性、物理強度等も向上す
る。
【0199】このような表面被覆物質の例としては、前
述の遮光性物質の表面被覆物質(1)〜(20)等を用いる
ことが出来るが、特に好ましいのは、例えば、ラウリル
酸ソーダ、ラウリル酸カリウム、オレイン酸ソーダ、オ
レイン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ステアリン
酸マグネシウム、ステアリン酸ソーダ、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カリウム、パルミチン酸ソーダ、パル
ミチン酸カリウム、カプリン酸ソーダ、カプリン酸カリ
ウム、ミリスチン酸ソーダ、ミリスチン酸カリウム、リ
ノール酸ソーダ、リノール酸カリウムなどのような高級
脂肪酸の金属塩類;ラウリル酸、パルミチン酸、オレイ
ン酸、ステアリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、リノ
ール酸などの如き高級脂肪酸類;ドデシルベンゼンスル
ホン酸カルシウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム等の有機スルホン酸金属塩類;イソプロピルトリイ
ソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオ
クチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプ
ロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、ビ
ニルトリエトキシシラン、ガンマメタクリルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、ガンマグリシドオキシプロピ
ルトリメトキシシランなどのようなカップリング剤類、
高級脂肪酸アミド類、高級脂肪酸エステル類、シリコー
ン類、ワックス類の各種滑剤などを例示することができ
る。
【0200】これら表面被覆物質による表面被覆は、た
とえば、温水にハイドロタルサイト類化合物を懸濁した
状態のところに、攪拌下に、高級脂肪酸のアルカリ金属
塩の水溶液を加える事により、或いは、ハイドロタルサ
イト類化合物粉末をヘンシェルミキサー等の混合機によ
り攪拌下、高級脂肪酸の融液とか、カップリング剤の希
釈液を滴下することにより行うことができる。これら表
面被覆物質の量は適宜に選択変更できるが、ハイドロタ
ルサイト類化合物に対して、約0.01〜50重量%、
好ましくは0.05〜35重量%、特に好ましくは0.1
〜20重量%、最も好ましくは0.5〜10重量%程度
が適当である。
【0201】さらに本発明の主旨を損なわない限りは少
量の他の金属酸化物等の不純物を含んでもよい。
【0202】さらにハイドロタルサイト類化合物の分散
をより良好にするために例えば高級脂肪酸や脂肪酸アミ
ド系滑剤やシリコーンオイルやソルビタンモノステアレ
ートのようなソルビタン脂肪酸エステルやグリセリンモ
ノステアレートのようなグリセリン脂肪酸エステルなど
1種以上を分散剤として樹脂組成物に合計量0.01〜
10重量%、好ましくは0.05〜8重量%、特に好ま
しくは0.08〜5重量%、最も好ましくは0.1〜3
重量%添加してもよい。含水複塩化合物と併用すること
により、写真性の悪化防止、加工安定性、成形機の防蝕
効果が向上し、着色や、樹脂劣化を防止し、物理強度低
下を防止し、樹脂焼けによるブツの発生や着色故障の発
生を防止する作用等を相乗的に向上する。フェノール系
酸化防止剤や燐(ホスファイト)系酸化防止剤及び脂肪酸
金属塩から成る群より選択された1種以上の安定剤と併
用することが写真感光材料の写真性悪化がほとんどな
く、酸化防止効果が大きくなるので特に好ましい。
【0203】この場合、写真感光材料の写真性能に悪影
響を及ぼさないようにするためには、 フェノール系酸化防止剤を0.0005〜0.5重
量%、好ましくは0.001〜0.4重量%、特に好ま
しくは0.002〜0.3重量%添加する。 燐系酸化防止剤0.0005〜0.5重量%、好まし
くは0.001〜0.4重量%、特に好ましくは0.00
2〜0.1重量%添加する。 含水複塩化合物及び/又は脂肪酸金属塩(金属石け
ん)を0.0005〜10重量%、好ましくは0.00
1〜5重量%、特に好ましくは0.002〜3重量%添
加する。
【0204】且つ++の合計含有量が0.001
5〜11重量%、好ましくは0.002〜10重量%、
特に好ましくは0.003〜9重量%、最も好ましくは
0.005〜8重量%写真感光材料用包装材料中に含ま
れるようにする。いずれにしても樹脂劣化を防止できる
最少量添加することが写真性能を悪化させず、コストア
ップを抑制する点からも好ましい。
【0205】上記酸化防止相乗効果剤は、上記酸化防止
剤やラジカル捕獲剤や含水複塩化合物の1種以上と併用
することにより、樹脂や低分子量の添加剤(滑剤や帯電
防止剤や有機造核剤や防滴剤や相溶化剤等)の熱劣化や
熱分解を防止し、物理強度の低下や樹脂の流動性が著し
く変化したり、ブツが発生するのを防止する。さらに写
真感光材料に悪影響を及ぼす熱分解物質(アルデヒド等)
の発生を防止する。このような作用をする酸化防止相乗
効果剤としてはリン酸、クエン酸、リン酸化合物、クエ
ン酸化合物等がある。特にリン酸金属塩とクエン酸金属
塩が好ましい。
【0206】本発明において写真感光材料を2年間前後
の長期間写真性能を良好に維持するために、遮光袋内の
関係湿度が30〜60%に調整するように調湿物質を写
真感光材料と同封することが好ましい。このような調湿
物質としては、多価アルコール、ゼオライト、多孔質ア
ルミナケイ酸リーダ、吸水性樹脂、シリカゲル、塩化カ
ルシウム等があり、これらを多孔性物質(紙や不織布
等)に塗布又は含浸させたり透湿袋に包装した形態で用
いた写真感光材料用包装体とする。
【0207】遮光層は、厚さ5μm以上の金属箔、厚さ
100Å以上の金属薄膜をフレキシブルシートに加工し
た金属薄膜加工フレキシブルシート、厚さ5μm以上で
遮光性物質を1重量%以上含む熱可塑性樹脂フィルム又
は厚さ5μm以上で遮光性物質を1重量%以上含むフレ
キシブルシートであることが好ましい。
【0208】上記金属箔としては、アルミニウム箔、鉛
箔、アイアンフォイル、錫箔、亜鉛箔、電解鉄箔、銅
箔、ステンレス箔等の金属箔であり、金属箔の厚さは、
5〜100μmが好ましく、経済性、取扱い性、特性確
保等を考慮すると7〜50μmが特に好ましく、9〜2
0μmが最も好ましい。
【0209】上記金属薄膜加工フレキシブルシートにつ
いて説明する。金属薄膜加工層にはAl、Sn、Zn、
Co、Cr、Ni、Fe、Cu等の金属単体、合金、そ
の他薄膜形成可能な金属はすべて使用できるが、コス
ト、加工しやすさの点でアルミニウム(Al)がもっとも
適しており、アルミニウム純度が95%以上、好ましく
は97%以上、特に好ましくは99%以上、最も好まし
くは99.5%以上のものである。特にアルミニウム真
空蒸着二軸延伸ナイロン樹脂フィルム、二軸延伸エチレ
ンビニルアルコール共重合樹脂フィルムと二軸延伸ポリ
エステル樹脂フィルム、二軸延伸ポリプロピレン樹脂フ
ィルムが耐摩耗性、耐熱性、高ヤング率を確保し、ピン
ホールが発生しないので好ましい。
【0210】金属薄膜加工層を薄膜加工する方法は、真
空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング
法、電子ビーム蒸着法等が用いられる。設備が比較的安
価で作業性に優れ、薄膜加工コストが小さい真空蒸着法
が特に好ましい。
【0211】金属薄膜加工層は積層体としての物理強
度、遮光性、帯電防止性と防湿性確保及びコスト、品質
の点から金属薄膜加工層の厚さは、100〜1200Å
が適当で、150〜1000Åが好ましく、200〜8
00Åがより好ましく、250〜600Åが最も好まし
い。厚さが100Å未満では金属薄膜加工フレキシブル
シートだけでは金属薄膜加工層の両面の層に発生する帯
電を減少させることが出来ない上に金属薄膜加工層の両
面のフレキシブルシートと遮光層の厚さ増加をしないと
感光材料用包装材料として必要な防湿性、遮光性を確保
することが出来ない。また、厚さが1200Åを越える
と、帯電防止、防湿性、遮光性は確保できるがコスト及
び真空蒸着法等では加熱によるフレキシブルシートの劣
化、出来あがった積層フィルムの物理強度低下等の点で
問題があり実用化困難である。アルミ蒸着膜の場合、7
0Å以上、通常の用途には80〜800Åの厚さが好ま
しく、さらに好ましくは100〜600Åである。必要
なら金属薄膜加工層の上に保護層を設けてもよい。
【0212】金属薄膜保護層としてはアクリル樹脂、紫
外線硬化樹脂、酢酸繊維素等のセルローズ系樹脂、メラ
ミン・アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹
脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アイオノマー樹
脂、EEA樹脂、各種ポリエチレン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂等適宜の樹脂が使用できる。又ワックス、シリコ
ーン系塗料、ゼラチン、ラッカー、アクリルラッカー、
ポリビニルアルコール等も使用できる。厚さは0.1〜
50μm、好ましくは0.2〜40μm、特に好ましく
は0.3〜30μm、最も好ましくは0.5〜20μm
である。
【0213】金属薄膜加工層の保護層は極薄の厚さで形
成するのがよい。押出しラミネート法でもうける場合で
も50μm以下にしないと静電気の除去は不充分とな
る。公知の溶液塗布法又はスプレー塗布法等により5μ
m以下の厚さにすると金属薄膜加工層の保護ができ静電
気の除去効果大である。また、加熱する必要がなく、耐
摩耗性が優れている紫外線硬化型の樹脂層、熱硬化型の
樹脂層を5μm以下の厚さで塗設することも好ましい。
これらの樹脂や装置は公知のものを使用できる。
【0214】以上のような金属薄膜加工フレキシブルシ
ートは、MOCON法(ASTMD−3985に準拠し
た同圧法)により測定した酸素透過度が50cc/m2
・24時間・1atm・20℃以下になり、JIS Z
−0208のカップ法により求めた(40℃,90%R
で測定)透湿度が5g/m2・24時間以下になり、写
真感光材料の品質を長期間維持することが出来る。特
に、アルミニウム蒸着膜が400Å以上になると酸素透
過度が35cc/m2・24時間・1atm・20℃以
下、透湿度が3g/m2・24時間以下になり、酸素や
湿度により品質劣化を起こす増感色素を含む写真感光材
料や高感度写真感光材料に特に効果が発揮され、長期間
(2年以上)品質を維持することが出来る。酸素透過度
が20cc/m2・24時間・1atm・20℃以下、
透湿度が2g/m2・24時間以下の包装材料とする
と、ISO感度が100以上で各種カプラーや各種色素
を含む高感度写真感光材料であっても2年以上良好な品
質を維持することができる。酸素透過度が15cc/m
2・24時間・1atm・20℃以下、透湿度が1.5g
/m 2・24時間以下の包装材料にすると、ISO感度
が400以上の高感度写真感光材料であっても有効期間
である2年以上良好な品質を維持することができる。
【0215】金属薄膜加工フレキシブルシートに用いる
フレキシブルシートとしては、熱可塑性樹脂フィルムや
無塵性フレキシブルシート(無塵紙、合成紙、不織紙、
グラシン紙、セロハン、表面サイズ又は表面塗工紙)等
がある。
【0216】また、最近のように海外旅行の手荷物検査
時に高感光度写真フィルムにX線照射され被りが発生す
るのを防止するために厚さが10〜200μmの鉛箔、
アイアンフォイル、電解鉄箔等をフレキシブルシートと
して積層するのも好ましい。
【0217】前記厚さ5μm以上で遮光性物質を1重量
%以上含む熱可塑性樹脂フィルム又は厚さ5μm以上で
遮光性物質を1重量%以上含むフレキシブルシートは、
好ましくは7μm以上、より好ましくは10μm以上、
最も好ましくは15μm以上であり、遮光性物質含有量
は、好ましくは1.5〜80重量%、より好ましくは2
〜50重量%、最も好ましくは2.5〜40重量%であ
る。
【0218】熱可塑性樹脂で成形されている層に相溶化
剤が含有されていることが好ましい。相溶化剤を含有さ
ることにより、リサイクル性、2種以上の熱可塑性樹脂
の相溶性、透光性物質の均一分散性、物理強度、外観を
良好にできる。
【0219】この相溶化剤とは、同種でも特性の異なる
熱可塑性樹脂、2種以上の熱可塑性樹脂、リサイクル熱
可塑性樹脂とバージン熱可塑性樹脂(以後本発明では成
形品の形としては、使用されていない熱可塑性樹脂をこ
のように表示。)、遮光性物質を高濃度に配合したマス
ターバッチ熱可塑性樹脂と希釈用熱可塑性樹脂(以後本
発明では遮光性物質の濃度がブレンドするもう一つより
低い樹脂又は遮光性物質を含まない樹脂をこのように表
示。)又はこれらを組み合せた樹脂のように、単一の熱
可塑性樹脂にはない新しい性質、性能を発現しようとす
る際、相溶化を達成できる物質である。
【0220】相溶化剤の配合量は、上記目的を達成しな
がら物理強度等は低下させない、経済的にも実用化可能
な1〜70重量%であり、2〜50重量%が好ましく、
3.5〜40重量%がより好ましく、5〜35重量%が
最も好ましい。配合量が1重量%未満であると、物理強
度の向上、外観の向上及び相溶性の向上を効果的に達成
することができない。また、配合量が70重量%を越え
ると、写真感光材料に悪影響を及ぼす恐れがあり、ま
た、高価であるためコストが高くなり経済的に実用化困
難になるものである。
【0221】相溶化剤には、非反応型相溶化剤と反応型
相溶化剤とがある。相溶化剤の具体的な代表例を以下に
示す。
【0222】非反応型相溶化剤の代表例 スチレン・エチレン・ブタジエンブロック共重合体樹脂 ポリエチレン・ポリスチレングラフト共重合体樹脂 ポリエチレン・ポリメチルメタクリレートグラフト共重
合体樹脂 ポリエチレン・ポリメチルメタクリレートブロック共重
合体樹脂 エチレン・プロピレン・ジエン共重合体樹脂 エチレン・プロピレン共重合体樹脂 ポリスチレン・低密度ホモポリエチレングラフト共重合
体樹脂 ポリスチレン・高密度ホモポリエチレングラフト共重合
体樹脂 水添スチレン・ブタジエン共重合体樹脂 スチレン・エチレン、ブタジエン・スチレン共重合体樹
脂 スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂 塩素化ポリエチレン樹脂 ポリプロピレン・ポリアミドグラフト共重合体樹脂 ポリプロピレン・エチレン・プロピレン・ジエン共重合
体樹脂 ポリスチレン・ポリアクリル酸エチルグラフト共重合体
樹脂 ポリスチレン・ポリブタジエングラフト共重合体樹脂 ポリスチレン・ポリメチルメタアクリレートブロック共
重合体樹脂 等
【0223】反応型相溶化剤の代表例 無水マレイン酸化エチレン・プロピレン共重合体樹脂 無水マレイン酸化スチレングラフト共重合体樹脂 無水マレイン酸化スチレン・ブタジエン・スチレン共重
合体樹脂 無水マレイン酸化スチレン・エチレン・ブタジエン・ス
チレン共重合体樹脂 エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体樹脂 エチレン・グリシジルメタクリレート・スチレングラフ
ト共重合体樹脂 エチレン・グリシジルメタクリレート・メチルメタクリ
レートグラフト共重合体樹脂 無水マレイン酸グラフトポリプロピレン共重合体樹脂
【0224】内外の市販相溶化剤の代表例を表4に示
す。
【0225】
【表4】 S B S…スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体樹
脂の略号 SEBS…スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン
共重合体樹脂の略号 EPDM…エチレン・プロピレン・ジエン共重合体樹脂
の略号 E V A…エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂の略号
【0226】また、アルミニウム粉末の表面被覆効果と
熱可塑性樹脂との相溶性を有する酸変性ポリオレフィン
樹脂を用いることができる。酸変性ポリオレフィン樹脂
は、ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸類とをグラ
フト変性した変性ポリオレフィン樹脂をいい、例えばグ
ラフト変性ポリエチレン樹脂、グラフト変性ポリプロピ
レン樹脂、グラフト変性エチレン共重合体樹脂(EVA
樹脂、EEA樹脂、L−LDPE樹脂、EMA樹脂等)
等がある。
【0227】これらの酸変性ポリオレフィン樹脂を0.
5〜40重量%、好ましくは1〜35重量%、特に好ま
しくは2〜30重量%、写真感光材料用包装材料中に含
むようにするとアルミニウム粉末の均一分散性が良好に
なるとともにミクログリッドの発生が減少し、成形品の
物理強度が向上するので好ましい。0.5重量%未満で
は混練効果が発揮されずに経費増となるだけである。3
5重量%を越えると写真感光材料の写真性に悪影響を及
ぼすようになるとともに増量効果がほとんどなく材料費
増となるだけである。
【0228】ポリオレフィン樹脂とグラフト変性する。
不飽和カルボン酸類は、その誘導体も含めて総称するも
ので、代表例をあげるとアクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、フマール酸、イタコン酸、テトラヒドロフタ
ル酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、シトラコン酸、クロ
トン酸、イソクロトン酸、ナジック酸、(エンドシス−
ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカ
ルボン酸)、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水
イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブ
チル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メ
タクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステ
ル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチル
エステル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸ジエ
チルエステル、アクリル酸アミド、メタクリルアミド、
マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン
酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸−N,N−ジエ
チルアミド、マレイン酸−N−モノブチルアミド、マレ
イン酸−N,N−ジブチルアミド、フマル酸モノアミ
ド、フマル酸ジアミド、フマル酸−N−モノエチルアミ
ド、フマル酸−N,N−ジエチルアミド、フマル酸−N
−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−ジエチルアミ
ド、フマル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,
N−ジブチルアミド、マレイミド、マレイン酸モノメチ
ル、マレイン酸ジメチル、マタクリル酸カリウム、アク
リル酸ナトリウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネ
シウム、アクリル酸カルシウム、メタクリル酸ナトリウ
ム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、N−
ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、塩化マレ
ニル、グリシジルマレエート、マレイン酸ジプロピル、
アコニチン酸無水物、ソルビン酸等をあげることがで
き、相互の混合使用も可能である。
【0229】なかでもアクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、ナジック酸が好ましく、特に無水マレイン酸
が好ましい。
【0230】変性ポリオレフィン樹脂における不飽和カ
ルボン酸類をグラフト変性させる方法は特に限定されな
い。例えば、溶融状態で反応させる特公昭43−274
21号公報等に開示の方法や、溶液状態で反応させる特
公昭44−15422号公報等に開示の方法や、スラリ
ー状態で反応させる特公昭43−18144号公報等に
開示の方法や、気相状態で反応させる特公昭50−77
493号公報等に開示の方法等がある。
【0231】これらの方法の中で押出機を用いる溶融混
練法が操作上簡便で、かつ安価な方法なので好ましい。
【0232】不飽和カルボン酸類の使用量は、接着強度
確保のためポリオレフィン樹脂ベースポリマー(各種ポ
リエチレン樹脂、各種ポリプロピレン樹脂、各種ポリオ
レフィン共重合体樹脂、ポリブテン−1樹脂、ポリ−4
−メチルペンテン−1等のα−オレフィン共重合体樹脂
及びその共重合体樹脂)100重量部に対して0.01〜
20重量部、好ましくは0.2〜5重量部である。
【0233】ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸類
との反応を促進するために有機過酸化物等が用いられ
る。
【0234】有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビ
スイソブチロニトリル、ジクミルパーオキサイド、α,
α’ビス(t−ブチルパーオキシジイプロピル)ベンゼ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキシン、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチル−ハ
イドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−
ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベ
ンゾエート、1,3ビス(t−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、キュメンハイドロパーオキサイド、
ジ−t−ブチル−ジパーオキシフタレート、t−ブチル
パーオキシマレイン酸、イソプロピルパーカーボネート
等の有機過酸化物、アソビスイソブチロニトリル等のア
ゾ化合物、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物等があ
る。
【0235】これらは1種または2種以上の組合せで使
用してもよい。特に好ましいのは、分解温度が170℃
〜200℃の間にあるジ−t−ブチルパーオキサイド、
ジ−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−
ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンで
ある。
【0236】これらの過酸化物の添加量は特に制限され
ないが、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.
005〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部であ
る。
【0237】市販の酸変性ポリオレフィン樹脂の代表例
を以下に示す。 (1)日本石油化学KK “Nポリマー” (2)三井石油化学工業KK “ADMER” (3)昭和電工KK “ER RESIN” (4)三菱化成工業KK “NOVATEC−AP” (5)三菱油化KK “MODIC” (6)日本ユニカーKK “NUC−ACE” (7)宇部興産KK “UBE BOND” (8)東ソーKK “メルセンM” (9)住友化学工業KK “ボンダイン” (10)三井・デュポンケミカルKK“CMPS”等 (11)エクソン社 “デクソン” (12)東亜燃料工業KK “HAシリーズ” (13)三井東圧化学KK “MITSUI LONPLY”等
【0238】遮光層に他の耐摩耗・耐熱性フレキシブル
シートを積層することができる。この耐摩耗・耐熱性フ
レキシブルシートとしては、例えば、各種ポリエチレン
樹脂、エチレン共重合体樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポ
リ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、メ
タクリル樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフ
タレート樹脂やポリエチレンナフタレート樹脂)などの
熱可塑性樹脂フィルム、これら熱可塑性樹脂の変性樹脂
フィルム、これらの熱可塑性樹脂に各種のフィーラー等
を添加したフィルム、これらの樹脂の一軸又は二軸延伸
フィルム、アルミニウム真空蒸着フィルムなどの金属薄
膜加工フィルム、セルロースアセテートフィルム、セロ
ファン、再生セルロースフィルム、EVOH樹脂フィル
ム、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレー
ト樹脂、ケイ素樹脂等の熱硬化性樹脂及びこれらの熱硬
化性樹脂にガラス繊維、α−セルロース、補強用無機顔
料等を添加したシート、塗工紙、各種金属箔、合成紙、
不織布があり、好ましくは、安価で高ヤング率(ヤング
率が50kg/mm2以上)で耐熱性に優れ、写真感光
材料の写真性に悪影響を与えない坪量が20〜400g
/mの各種の紙(未晒クラフト紙、半晒クラフト紙、晒
クラフト紙、ヒネリ原紙、クルパック紙、デュオストレ
ス紙、白板紙、写真用原紙、純白ロール紙、コート紙、
模造紙、グラシン紙)に樹脂を溶融被覆したり、樹脂ラ
テックスや樹脂溶液等を含浸させたり、ラッカーやラテ
ックス等を塗布したり、表面サイズした無塵紙、遮光
性、防湿性、帯電防止性等を有する熱可塑性樹脂フィル
ム、金属薄膜加工層を設けた金属薄膜加工フレキシブル
シートである。これらのヤング率が50kg/mm2
上の耐摩耗・耐熱性フレキシブルシート及び耐摩耗性フ
レキシブルシートは上記の単一層であっても、二層以上
を接着層を介して又は接着層を介さずに積層した積層体
であっても、二層以上の熱可塑性樹脂フィルム層を同時
に溶融共押出しした同時多層共押出しフィルムであって
もよい。
【0239】耐磨耗性・耐熱性フレキシブルシートのヤ
ング率は50kg/mm2以上であることが好ましい。
フレキシブルシートのヤング率が50kg/mm2未満
であると、摩耗くずが発生し易く、また、写真感光材料
と接する場合は、写真感光材料のシャープなエッジで切
れるおそれがあり、最外層の場合は、外力による衝撃に
より伸びて薄くなり遮光性が低下するものである。耐摩
耗性向上のためビアバム引っ掻き硬さ(ASTM D−1
526)は3以上であることが好ましく、特に5以上で
あることが好ましく、最も好ましいのは7以上である。
特に好ましい代表例としては、塩化ビニリデン樹脂フィ
ルム(5〜9)、セロハン(8〜16)、硬質塩化ビニル樹
脂フィルム(9〜10)、ポリスチレン樹脂フィルム(9
〜11)、ポリエステル樹脂フィルム(9〜15)、ポリ
アミド樹脂フィルム(9〜14)、ポリメチルメタクリ
レート樹脂フィルム(15〜19)、フェノール樹脂シ
ート(17〜22)等がある。
【0240】また、ヤング率が50kg/mm2以上の
耐摩耗・耐熱性フレキシブルシートの耐熱性は、ヒート
シール性を有する層より耐熱性があればよく、融点が好
ましくは20℃以上、より好ましくは40℃以上高いも
のである。特に好ましくは60℃以上高いものである。
好ましいのは、最内層が熱溶着する温度では軟化さえし
ない耐熱性のセロハンや各種の紙である。写真特性、耐
ピンホール性、耐熱性、ヤング率から考え、特に好まし
いものはポリアミド樹脂フィルムの1種である無延伸の
ナイロン樹脂フィルム、一軸または二軸方向に延伸した
ナイロン樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、エ
チレンビニルアルコール共重合樹脂フィルムである。特
にこれらの熱可塑性樹脂フィルムに金属薄膜加工層を設
けた金属薄膜加工熱可塑性樹脂フィルムが好ましい。
【0241】本発明の写真感光材料用包装材料に添加可
能な配合剤(添加剤)の代表名を以下に示す。
【0242】各配合剤の詳細については改訂増補「最新
顔料便覧」(昭和52年1月10日(株)誠文堂新光社発
行)や1994年版「新化学インデックス」(1993年
7月23日化学工業日報社発行)や「12394の化学
商品」(1994年1月26日化学工業日報社発行)や
「プラスチック データ ハンドブック」(1984年
4月5日(株)工業調査会発行)や「実用プラスチック用
語辞典第三版」((株)プラスチックス・エージ発行)等
各種文献に記載された配合剤(添加剤)の中から写真感
光材料に悪影響を及ぼさないように種類や添加量や他の
配合剤との組み合せによる無害化反応等を利用したり、
層構成、樹脂組成等を検討することによりほとんどの配
合剤が写真感光材料用包装体にも利用可能である。代表
例を以下に記載するが本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0243】A.第1分類(ニーズに対する性能別の分
類) 1.加工用助剤 a.加工安定剤(酸化防止剤、熱安
定剤)(PVC安定剤) b.流動制御剤(可塑化剤、滑剤) c.保形助剤(離型剤、収縮防止剤)
【0244】2.改質配合剤 2−1 安定剤(寿命制御剤) a.酸化防止剤 b.耐光安定剤 c.難 燃 剤 d.生物安定剤(Biostabilizers) e.金属劣化防止剤(Metal deactivat
ors) f.(劣化修復剤) 2−2 性能改質剤(物性制御剤) a.耐衝撃性改良剤(各種エラストマー、L−LDPE
樹脂) b.充てん材、補強材 c.着色剤 d.可塑剤 e.発泡剤 f.架橋剤(有機過酸化物) g.造核剤 2−3 機能改質剤(機能付与剤) a.導電剤、磁性剤 b.静電防止剤 c.蛍光白色剤 2−4 分解促進剤 a.生分解 b.光分解 c.熱分解 等
【0245】B.第2分類(配合剤の持つ属性別の分
類) 1.粉体改質剤 a.補強材/充てん材 b.核剤 c.加工助剤 d.粉/粉特殊構造体
【0246】2.反応性改質剤 a.架 橋 剤 b.マクロモノマー c.安定剤(熱、光、放射線、生物) d.分解促進剤(生物、光、熱)
【0247】3.界面改質剤 a.カップリング剤 b.相溶化剤 c.可塑剤/溶剤
【0248】4.高分子改質剤 a.加工性改良剤、性
能改質剤 b.アロイ、ブレンド(性能改質) 等
【0249】本発明の写真感光材料用包装材料を適用す
ることができる写真感光材料を以下に示す。
【0250】(1) ハロゲン化銀写真感光材料(印刷用
フィルム、カラー印画紙、カラーフィルム、印刷用マス
ター紙、DTR感光材料、電算写植フィルム及びペーパ
ー、マイクロフィルム、映画用フィルム、自己現像型写
真感光材料、直接ポジ型フィルム及びペーパー等)
【0251】(2) 熱現像写真感光材料(熱現像カラー
感光材料、熱現像白黒感光材料(例えば特公昭43−4
921号公報、同43−4924号公報、「写真工学の
基礎」銀塩写真編(1879年コロナ社刊行)の553
頁〜555頁及びリサーチ・ティスクロージャー誌 1
978年6月号9頁〜15頁(RD−17029)等に記
載されているもの。さらに、特開昭59−12431号
公報、同60−2950号公報、同61−52343号
公報や米国特許第4,584,267号明細書に記載さ
れている転写方式の熱現像カラー感光材料等))
【0252】(3) 感光・感熱性記録材料(特開昭59
−190886号公報、特開昭61−40192号公
報、特開昭61−40193号公報、特開平3−723
58号公報、特開平3−288688号公報、特開平4
−28585号公報等に記載されているフォトサーモグ
ラフィー(感光・感熱画像形成方法)を用いた記録材
料)
【0253】(4) ジアゾニウム写真感光材料(4−モ
ルフォリノベンゼンジアゾニウムマイクロフィルム、マ
イクロフィルム、複写用フィルム、印刷用版材等)
【0254】(5) アジド、ジアジド系写真感光材料
(パラアジドベンゾエード、4,4'ジアジドスチルベン
等を含む感光材料、例えば複写用フィルム、印刷用版材
等)
【0255】(6) キノンジアジド系写真感光材料(オ
ルソーキノンジアジド、オルソーナフトキノンジアジド
系化合物、例えばベンゾキノン(1,2)−ジアジド−
(2)−4−スルフォン酸フェニルエーテル等を含む感光
材料、例えば印刷用版材、複写用フィルム、密着用フィ
ルム等)
【0256】(7) フォトポリマー(ビニル系モノマー
等を含む感光材料、印刷用版材、密着用フィルム等)
【0257】(8) ポリビニル桂皮酸エステル系写真感
光材料(例えば印刷用フィルム、IC用レジスト等)
【0258】その他、各種の光や酸素や亜硫酸ガス等に
より変質、劣化する感光物質、例えば食品(バター、ピ
ーナッツ用袋、マーガリン、スナック製品、ツマミ、菓
子、お茶、ノリ等)、医薬品(胃腸薬、カゼ薬等の粉末
状、顆粒状の袋入薬品)、染料、顔料、写真現像薬品、
写真定着薬品、トナー等にも適用できる。
【0259】以上のような写真感光材料用包装材料の内
層同士を接着して本発明の写真感光材料用遮光袋を製造
する。
【0260】最内層同士を接着密封する方法の代表例と
しては、熱板接着方法(一般に、ヒートシール方法と呼
称)、スリールベルト接着方法、インパルス接着方法、
余熱接着方法、超音波接着方法、高周波接着方法、溶断
接着方法、カット・アンド・シール方法、熱還元溶着方
法及び各種接着剤(溶剤型接着剤、感圧型接着剤、ホッ
トメルト接着剤、粘着型接着剤、糊型接着剤、ラテック
ス型接着剤)使用接着方法がある。
【0261】上記接着密封方法の中では、熱板接着方法
(ヒートシール方法)、スチールベルト接着方法、インパ
ルス接着方法、超音波接着方法、高周波接着方法及び溶
断接着方法が好ましく、熱板接着方法、スチールベルト
接着方法、インパルス接着方法及び溶断接着方法(カッ
ト・アンド・シール方法を含む)がより好ましく、熱板
接着方法、スチールベルト接着方法及びインパルス接着
方法が最も好ましい。
【0262】包装材料が全て熱可塑性樹脂層から構成さ
れており、かつ、最内層にエチレン共重合体樹脂を1重
量%以上含有する場合は、溶断接着方法(カット・アン
ド・シール方法を含む)も最も好ましい方法の1つであ
る。
【0263】また、包装材料を接着密封する際、最外層
が熱板又は熱可塑性樹脂スチールベルトに付着するのを
防ぎ、際ないそうの熱溶融接着部が美しく仕上がるため
に、熱板又は熱スチールベルトが直接フィルムに接しな
いように、その間に耐熱性がよく最外層との剥離性のよ
りテフロンシート又はガラス布にテフロンを塗布したシ
ートを介在させることが好ましい。
【0264】本発明では、接着剤層としては各種の公知
の接着剤層を必要特性に合わせて用いることができる。
この接着剤層に用いられる接着剤としては、各種ポリエ
チレン(LDPE、L−LDPE、MDPE、HDPE)
樹脂、各種ポリプロピレン樹脂、等のポリオレフィン系
熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−エチルア
クリレート共重合体樹脂等のエチレン共重合体樹脂、エ
チレン−アクリル酸共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、
エチレン共重合体樹脂等の熱可塑性樹脂熱溶融型接着剤
(エクストルージョンラミネート型接着剤)。その他熱
溶融型ゴム系接着剤があり、溶液状接着剤としてはウェ
ットラミネート用接着剤があり、エマルジョン、ラテッ
クス状の接着剤である。エマルジョン型接着剤の代表例
としてはポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−エチレン共重合
物、酢酸ビニルとアクリル酸エステル共重合物、酢酸ビ
ニルとマレイン酸エステル共重合物、アクリル共重合
物、エチレン−アクリル酸共重合物等のエマルジョンが
ある。ラテックス型接着剤の代表例としては天然ゴム、
スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル
ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)
等のゴムラテックスがある。又ドライラミネート用接着
剤としてはイソシアネート系接着剤ウレタン系接着剤等
がある。その他パラフィンワックス、マイクロクリスタ
リンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エ
チレン−エチルアクリレート共重合体樹脂等をブレンド
したホットメルトラミネート型接着剤、感圧型接着剤、
感熱型接着剤等公知の接着剤を用いることができる。本
発明に特に好ましいエクストルージョンラミネート用ポ
リオレフィン型接着剤はより具体的にいえば各種ポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂、
及びエチレン共重合体(EVE、EEA等)樹脂の他、
L−LDPE樹脂の如く、エチレンに一部他のモノマー
(α−オレフィン)を共重合させたもの、Dupont社の
“サーリン”、三井ポリケミカル社の“ハイラミン”等
のアイオノマー樹脂(イオン性共重合体)や三井石油化
学(株)の“アドマー”等の酸変性樹脂等がある。その他
紫外線硬化型接着剤等も最近使われはじめた。
【0265】特にLDPE樹脂とL−LDPE樹脂又は
LDPE樹脂とL−LDPE樹脂のブレンド樹脂が安価
でラミネート適性に優れているので好ましい。接着強度
を向上させる場合は酸変性樹脂が好ましい。又前記記載
樹脂を2種以上ブレンドして各樹脂の欠点をカバーした
混合樹脂はラミネート適性が優れているので特に好まし
い。ネックインは大きいが延展性の優れているL−LD
PE樹脂と、ネックインが小さく安価で溶融押出し適性
の優れたLDPE樹脂を各々10〜90重量%の範囲内
でブレンドした混合樹脂が、エクストルージョンラミネ
ート接着剤層として必要な全ての特性を有するようにな
るので特に好ましい。
【0266】特にLDPE樹脂又はL−LDPE樹脂と
酸変性ポリオレフィン樹脂を適当量の比率でブレンドす
ると任意の接着強度とすることができるので本発明では
特に好ましい。
【0267】熱可塑性樹脂を用いたエクストルージョン
ラミネート法による接着剤層の厚さは、通例6μm〜1
00μm、好ましくは7μm〜50μm、特に好ましく
は9〜40μmとなるが、コスト、接着強度、ラミネー
ト速度、積層体の全厚さ等に基づいて定められるので、
この数値には特に限定されない。
【0268】接着剤層の接着強度はタテ、ヨコ両方の引
裂強度、衝撃穴あけ強度、ゲルボテスト強度等の物理強
度を向上させる時は2つの被積層物間の剥離強度(18
0度のピーリング試験,ASTM D 903の試験機
使用)が300g/15mm巾以下、好ましくは100
g/15mm巾以下、特に好ましくは50g/15mm
巾以下の弱接着剤層とする。しかし製袋工程又はラミネ
ート工程では剥離しない程度の強度が必要で0.1g/
15mm巾以上、好ましくは1g/15mm巾以上、特
に好ましくは5g/15mm巾以上である。ブロッキン
グ接着強度も略同様である(30mm巾では約2倍の強
度となる)。
【0269】このように弱い接着強度の接着剤層にする
には、接着剤層の厚みを小さくする、被接着物の表
面にコロナ放電処理,フレーム処理,プラズマ処理,紫
外線照射処理,電子線照射処理,プレヒート処理,アン
カーコート処理等の表面処理を施さない、接着剤層の
温度を下げる、弱接着強度樹脂組成物からなる接着剤
層とする、2種以上の相溶性の良くない樹脂組成物か
らなる接着剤層とする、層間剥離しやすい多層共押出
しエクストルージョンラミネート接着剤層とする、等の
方法の1つまたは2つ以上を組み合わせて用いる。
【0270】また、易開封性の写真感光材料用包装材料
とする場合や剥離を防止しようとする場合は、接着強度
(180度のピーリング試験,ASTM D 903の
試験機使用)が350g/15mm巾以上、好ましくは
500g/15mm巾以上、特に好ましくは700g/
15mm巾以上の強接着剤層を介して積層する(30m
m巾の場合の強度は約2倍となる)。このように強い接
着強度の接着剤層(本発明では強接着層と表示)にする
には、上述した弱接着剤層にするのと全く逆にすればよ
い。強接着剤層にするのに好ましい接着性樹脂として酸
変性ポリオレフィン樹脂がある。
【0271】酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフ
ィン樹脂と不飽和カルボン酸類とをグラフト変性した変
性ポリオレフィン樹脂をいい、例えばグラフト変性ポリ
エチレン樹脂、グラフト変性ポリプロピレン樹脂、グラ
フト変性エチレン共重合体樹脂(EVA樹脂、EEA樹
脂、L−LDPE樹脂、EMA樹脂等)等がある。
【0272】不飽和カルボン酸類は、その誘導体も含め
て総称するもので、代表例をあげるとアクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、テト
ラヒドロフタル酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、シトラ
コン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸、
(エンドシス−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エ
ン−2,3−ジカルボン酸)、無水マレイン酸、無水シ
トラコン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、メタ
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル
酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モ
ノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマ
ル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、
イタコン酸ジエチルエステル、アクリル酸アミド、メタ
クリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジア
ミド、マレイン酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸
−N,N−ジエチルアミド、マレイン酸−N−モノブチ
ルアミド、マレイン酸−N,N−ジブチルアミド、フマ
ル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸−N−モ
ノエチルアミド、フマル酸−N,N−ジエチルアミド、
フマル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−
ジエチルアミド、フマル酸−N−モノブチルアミド、フ
マル酸−N,N−ジブチルアミド、マレイミド、マレイ
ン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マタクリル酸カ
リウム、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸亜鉛、アク
リル酸マグネシウム、アクリル酸カルシウム、メタクリ
ル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カ
リウム、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、塩化マレニル、グリシジルマレエート、マレイン酸
ジプロピル、アコニチン酸無水物、ソルビン酸等をあげ
ることができ、相互の混合使用も可能である。
【0273】なかでもアクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、ナジック酸が好ましく、特に無水マレイン酸
が好ましい。
【0274】変性ポリオレフィン樹脂における不飽和カ
ルボン酸類をグラフト変性させる方法は特に限定されな
い。例えば、溶融状態で反応させる特公昭43−274
21号公報等に開示の方法や、溶液状態で反応させる特
公昭44−15422号公報等に開示の方法や、スラリ
ー状態で反応させる特公昭43−18144号公報等に
開示の方法や、気相状態で反応させる特公昭50−77
493号公報等に開示の方法等がある。
【0275】これらの方法の中で押出機を用いる溶融混
練法が操作上簡便で、かつ安価な方法なので好ましい。
【0276】不飽和カルボン酸類の使用量は、接着強度
確保のためポリオレフィン樹脂ベースポリマー(各種ポ
リエチレン樹脂、各種ポリプロピレン樹脂、各種ポリオ
レフィン共重合体樹脂、ポリブテン−1樹脂、ポリ−4
−メチルペンテン−1等のα−オレフィン共重合体樹脂
及びその共重合体樹脂)100重量部に対して0.01〜
20重量部、好ましくは0.2〜5重量部である。
【0277】ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸類
との反応を促進するために有機過酸化物等が用いられ
る。
【0278】有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビ
スイソブチロニトリル、ジクミルパーオキサイド、α,
α’ビス(t−ブチルパーオキシジイプロピル)ベンゼ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキシン、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチル−ハ
イドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−
ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベ
ンゾエート、1,3ビス(t−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、キュメンハイドロパーオキサイド、
ジ−t−ブチル−ジパーオキシフタレート、t−ブチル
パーオキシマレイン酸、イソプロピルパーカーボネート
等の有機過酸化物、アソビスイソブチロニトリル等のア
ゾ化合物、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物等があ
る。
【0279】これらは1種または2種以上の組合せで使
用してもよい。特に好ましいのは、分解温度が170℃
〜200℃の間にあるジ−t−ブチルパーオキサイド、
ジ−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−
ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンで
ある。
【0280】これらの過酸化物の添加量は特に制限され
ないが、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.
005〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部であ
る。
【0281】市販の酸変性ポリオレフィン樹脂の代表例
を以下に示す。 (1)日本石油化学KK “Nポリマー” (2)三井石油化学工業KK “ADMER” (3)昭和電工KK “ER RESIN” (4)三菱化成工業KK “NOVATEC−AP” (5)三菱油化KK “MODIC” (6)日本ユニカーKK “NUC−ACE” (7)宇部興産KK “UBE BOND” (8)東ソーKK “メルセンM” (9)住友化学工業KK “ボンダイン” (10)三井・デュポンケミカルKK“CMPS”等 (11)エクソン社 “デクソン” (12)東亜燃料工業KK “HAシリーズ” (13)三井東圧化学KK “MITSUI LONPLY”等
【0282】接着剤層に含まれる酸変性ポリオレフィン
樹脂の量は3〜90重量%、好ましくは5〜70重量
%、特に好ましくは7〜60重量%、最も好ましくは1
0〜50重量%である。3重量%以下では接着強度向上
効果がほとんどない。90重量%をこえても増量効果が
なく、コストアップになるだけである。
【0283】この接着剤層には各種の公知の添加剤を含
ませることができる。特に本発明の写真感光材料用包装
材料としては、特に各種の遮光性物質、消臭剤、脱臭
剤、芳香剤、脱酸素剤等を目的に合わせて含ませること
により、完全遮光性確保、写真感光材料中の添加剤によ
る悪臭防止、長期間品質確保できるようにすることが好
ましい。
【0284】包装材料の接着密封部分は、接着方向と平
行に凹条を複数形成することが好ましい。この凹条によ
り、ライトパイピングにより光が接着密封断面から密封
袋内に侵入するのを防止することができる。すなわち、
凹条により、最内層の厚さが小さくなるので、光の通過
する空間が狭くなり、又は、光が直線的に進行できず
(光が屈曲して進行)、ライトパイピングが防止される
こととなる。このライトパイピングの防止により光によ
るカブリや発色異常が防止できるようになる。特に、高
感度写真感光材料、カラー写真感光材料及びフルカラー
感熱可塑性樹脂記録材料の写真性を良好に維持すること
ができる。
【0285】この感熱可塑性樹脂記録は、記録装置が簡
易で信頼性が高く、しかも、メンテナンス・フリーにで
きるといった数々の利点を有しているところから研究開
発が熱心に続けられ、最近では、フルカラー画像記録が
可能な多色感熱記録材料が開発されている。
【0286】このフルカラー画像記録を可能ならしめる
多色感熱記録材料は、支持体上に、発色層と、該発色層
が引っかきや擦れによる摩擦熱で発色することを防ぐた
めに発色層の上を覆う保護層とを形成したものである。
【0287】そして、支持体上の発色層は、表面に近い
方から順に、イエロー発色層、マゼンタ発色層、シアン
発色層を積層させた3層構造をなしている。また、これ
らの各発色層は発色剤と顕色剤との反応により所定の発
色を行わせるもので、発色剤にはジザゾニウム塩化化合
物(ジアゾ)を使い、該じあぞはマイクロカプセルの中
に閉じ込めて層中に分散されている。印字の時点では、
各層に固有の所定温度の熱が加えられると前記マイクロ
カプセルの分子鎖が広がり、内部のジアゾがカプセル外
部にでて顕色剤と反応して発色し、次に、各層に固有の
波長光を当てて不要なジアゾを分解して印字を定着させ
る構成である。各色は例えば128階調で発色させるこ
とができ、各発色層における発色の重ね合わせで、銀塩
写真方式に迫る高図質のフルカラー画像記録を実現す
る。
【0288】凹条の成形するには、最外層と接触する面
にヒートシール方向に凸条と凹条とが複数形成されたマ
ルチポイント形式の熱板や熱スチールベルトを用いて行
うことができる。
【0289】凹条の形状は、マルチポイントシール、横
目シール、波形横目シール、碁盤目シール、網目シー
ル、変形網目シール、絹目シール、マットシール等があ
り、これらの中で、マルチポイントシール、横目シー
ル、碁盤目シール、網目シール及び絹目シールが特に好
ましく、マルチポイントシールと横目シールが最も好ま
しい。
【0290】凹条部分の最内層の厚さ(最小値)は、1
〜30μmが適当で、3〜27μmが好ましく、5〜2
5μmがより好ましく、8〜20μmが最も好ましい。
厚さが1μm未満であると、2つの最内層の接着密封部
の強度低下が大きくなりすぎ実用化困難になる。また、
厚さが30μmを超えるとライトパイピングを完全に防
止できない場合がある。
【0291】次に、以上のようなシールを行うヒートシ
ール機について説明する。シール機とは、物が入った袋
の入口をほと袋ずつシール作業を行う機器具である。ヒ
ートシール可能なフィルムは大別して2種類ある。ひと
つは単層フィルムのもの(低密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、L−LDPE、ポリプロピレン、塩化ビ
ニール等)と、多層フィルムのもの(単層フィルムにセ
ロハン、紙、布、アルミ箔をラミネートしたもの、多層
共押出しフィルム)等があり、おのずから用途に応じて
使用される。
【0292】ヒートシール方法とは、フィルムを両側よ
り挟み込み加熱、加圧により溶着するものである。そし
て、大別すると7種類ある。はじめにインパルスシール
(ニクロム線に所定の電圧と時間をかけたもので圧着)
と、熱板シール(ヒーターが内蔵された板状のもので圧
着)がある。そして、組み合わせとして、ニクロム線と
シリコンラバー(シール台)がA、熱板とシリコンラバ
ーがB、、両方共熱板がC、双方より間接的な加熱によ
り溶融後圧着がD、その他超音波、高周波、糊付け等が
ある。
【0293】ヒートシール機の構造を手動式より自動式
まで、又特殊機を順を追って述べる。 半田鏝より改造した構造 橇形電気鏝…………………B 用途に合わせた専用的な構造(電動機の組み込みも
可能) 電動機とは、ソレノイド、モートル、空圧、油圧等の動
力源のことをいう。
【0294】鋏型………………………C 嘴型………………………AC 丁板型……………………ABC 門型………………………ABC 噛込型……………………C 伝導機を組み込んだ複数連続シール機の構造造 クランク型………………ABC 熱入りローラー型………C 溶融圧着型………………D 特殊なシール機構造 エンドレスバンド型……C 形盤型……………………ABC 脱、入気シール式………BC
【0295】ヒートシール機としては包装材料の最外層
が熱板又は熱スチールベルトに付着するのを防ぎ、最内
層の熱溶融接着部が美しく仕上がるために、熱板又は熱
スチールベルトが直接フィルム接する替わりに、その間
に耐熱性がよく、包装材料の最外層との剥離性のよいテ
フロンシート又はガラス布にテフロンを塗布したシート
をおいて熱接着することが好ましい。
【0296】本発明のように最内層に遮光性物質を実質
的に含まず、かつ、厚さが10〜30μmの場合には、
熱融着部からライトパイピングにより光が密封袋内に侵
入するのを防止するために、熱板や熱スチールベルトの
包装材料の最外層と接触する面は平滑でなく多くの凸部
とヒートシール方向に連続した凹条が複数形成されるマ
ルチポイントと呼ばれる熱板又は熱スチールベルトで熱
溶融接着することが好ましい。また、ヒートシール方向
に連続した凹条が複数形成されるようにしたエンドレス
のスチールベルトの間に包装材料の最内層同士を重ねて
通し、加熱、溶融して直ちに冷却を連続して行う方法も
好ましい。
【0297】写真感光材料用遮光袋の外表面の滑り始め
る角度が、20度以上が適当で、25度以上が好まし
く、30度以上がより好ましく、35度以上が最も好ま
しい。滑り始める角度が20度未満では、積み重ねた際
に荷崩れする恐れが大きくなる。なお、滑り始める角度
は、2つの写真感光材料包装体に使用している写真感光
材料用遮光袋から、縦75mm×横35mmの包装材料
を切取り、荷重200gのステンレスブロック板の底面
に外表面が表面になるように貼着する。一方の傾斜面に
も同様に外表面が表面になるように貼着し、前記ステン
レスブロック板の包装材料の外表面を傾斜面上に載せ、
この傾斜面の傾斜角度を変化させて前記ステンレスブロ
ックが滑り始めた角度を読み取り、写真感光材料用遮光
ふくろの概評面の滑り始める角度とする(以下、同
様)。
【0298】外表面の滑り始める角度は、内表面の滑り
始める角度より5度以上大きいことが適当で、8度以上
大きいことが好ましく、10度以上大きいことがより好
ましく、15度以上大きいことが最も好ましい。外表面
の滑り始める角度が内表面の滑り始める角度より5度以
上大きくないと、写真感光材料用包装材料を用いて製袋
した写真感光材料用遮光袋に写真感光材料を密封・遮光
状態で包装した写真感光材料包装体を使用時又は輸送時
に2つ以上積み重ねた場合、荷崩れや落下により写真感
光材料包装体に致命的な損害や品質低下を発生するよう
になり、実用化困難である。
【0299】外表面の滑り角度を調整するために、最外
層に滑り防止塗布層を設けることができる。この滑り防
止塗布層は、ホットメルト接着剤含有塗布層、EVA樹
脂含有塗布層、EEA樹脂含有塗布層、架橋エチレンプ
ロピレンジエンゴム含有塗布層、変性ポリオレフィン樹
脂含有塗布層、熱可塑性エラストマー含有塗布層、これ
らの2種以上をブランドした樹脂層、ラテックス塗布
層、上記ポリマーシリカ、松脂、粘着付与剤、アルミナ
等を含有する塗布層、表面サイズ層及び含浸層。その他
発泡性マイクロカプセル塗布層等が用いられる。塗布液
は、熱可塑性樹脂溶融型、ラテックス型、エマルジョン
型、溶剤型、水溶液型等がある。
【0300】滑り防止塗布層は均一厚さに塗布しても、
厚い層と薄い層とを交互にストライプ状に塗布しても、
少なくとも2本の線状に塗布しても、格子状、網目状、
点状、絹目状、布目状に塗布することもできる。滑り防
止塗布層の塗布方式としては、グラビア印刷方式、シル
クスクリーン印刷方式、オフセット印刷方式、グラビア
塗布方式、期すロール塗布方式、リバースロール塗布方
式等がある。
【0301】滑り防止塗布層の厚さは、0.1〜30μ
mが適当で、0.2〜25μmが好ましく、0.3〜2
0μmがより好ましく、0.5〜15μmが最も好まし
い。厚さが0.1μm未満では、滑り防止塗布層が写真
感光材料用遮光袋の外表面全面に設けることが出来ない
ため、滑り防止効果がほとんど期待できず、かつ、塗布
層の接着強度が不充分なため剥離してクズの発生が多く
なり商品価値が低下すので実用化困難である。また、厚
さが30μmを超えると、厚さ増加の効果がなく材料費
増となるだけである。場合によっては、写真感光材料用
遮光袋同士がブロッキングする故障が発生する。
【0302】最外層の融点は、最内層の融点より5℃以
上大きいことが適当であり、10℃以上大きいことが好
ましく、15℃以上大きいことがより好ましく、20℃
以上大きいことが最も好ましい。最外層の融点が最内層
の融点より5℃以上大きくないと、写真感光材料用包装
材料を用いて写真感光材料用遮光袋をヒートシール法等
の加熱・加圧・溶着密封方法により製袋した時に、最も
高温でヒートシーラーに接触する最外層の表面にシワや
溶融破損や溶融ムラ等が発生し、外観不良、ヒートシー
ル部の物理強度低下、最悪の場合はピンホール等が発生
し、防湿・密封性確保や完全遮光性を確保できなくな
る。
【0303】
【実施例】以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。
【0304】本発明の写真感光材料用包装材料の層構成
の態様を図1、図2及び図3に基づいて説明する。
【0305】図1、図2及び図3は写真感光材料用包装
材料の層構成を示す部分断面図である。
【0306】図1に示す写真感光材料用包装材料は、最
内層1とフレキシブルシート遮光層2aとが共押出しに
より構成された2層共押出しインフレーションフィルム
IIaである。
【0307】図2に示す写真感光材料用包装材料は、最
内層1と、遮光性を有する中間層3aと、フレキシブル
シート遮光層2aとから構成された3層共押出しインフ
レーションフィルムIIIaである。
【0308】図3に示す写真感光材料用包装材料は、遮
光性物質を含有した最内層1にフレキシブルシート遮光
層2aを直接積層し、このフレキシブルシート遮光層2
aに接着層4を介してフレキシブルシート5aを積層し
たものである。
【0309】次に、本発明の写真感光材料用遮光袋の形
態を図3及び図4に基づいて説明する。
【0310】図4は写真感光材料用遮光袋のやや斜めか
ら見た平面図、図4は図3中A−A銭断面図である。
【0311】図5に示す写真感光材料用遮光袋は上述し
た図1の写真感光材料用包装材料で形成されており、袋
部11と、この袋部11の一つの辺に形成された開口部
12と、その他の3つの辺は形成されたヒートシール部
13とで構成されている。そして、このヒートシール部
13は、図4に示すように、最内層1同志が凹凸状にヒ
ートシールにより接着されており、凸部14の高さ及び
凹部15の窪みは約15μmとなっている。
【0312】本発明の写真感光材料用遮光袋のヒートシ
ール部分の凹条の形状を図6〜図14に示す。
【0313】図6〜図14は写真感光材料用遮光袋のヒ
ートシール部分の凹条の部分平面図であり、図6はマル
チポイントシール、図7は横目シール、図8は碁盤目シ
ール、図9は網目シール図、図10は絹目シール、図1
1はマットシール、図12は波形横目シール、図13は
一部切り欠いた横目シール、図14は変形網目シールで
ある。
【0314】〔本発明品1〜10、比較品1〜10〕本
発明品1〜10及び比較品1〜10は、図1に示す2層
共押出しインフレーションフィルムである。
【0315】最内層1の詳細を表5及び表6に示す。各
発明品及び比較品は、表5及び6に示すように樹脂組成
物の各成分を変化させている。
【0316】
【表5】
【0317】
【表6】 表5及び6に記載されている樹脂等の詳細は以下の通り
である。
【0318】L−LDPE樹脂A;MFR(JIS K
6760)が2g/10分、密度(JIS K 676
0)が0.920g/cm3、引張弾性率(JIS K 6
760)が3500kg/cm2、オルゼン剛性(JIS
K 7106)が2500kg/cm2、ショア硬さ
(JIS K 7215)が50D、ビカット軟化点(J
IS K 7206)が95℃、融点(DSC法)が12
2℃の低圧法のエチレン・オクテン−1共重合体樹脂
【0319】L−LDPE樹脂B;MFR(JIS K
6760)が1g/10分、密度(JIS K 676
0)が0.920g/cm3、引張弾性率(JIS K 6
760)が3500kg/cm2、オルゼン剛性(JIS
K 7106)が2500kg/cm2、ショア硬さ
(JIS K 7215)が50D、ビカット軟化点(J
IS K 7206)が102℃、融点(DSC法)が1
22℃の低圧法のエチレン・オクテン−1共重合体樹脂
【0320】L−LDPE樹脂C;MFR(JIS K
6760)が2.0g/10分、密度(JIS K 67
60)が0.918g/cm3、引張弾性率(JIS K
6760)が2300kg/cm2、ショア硬さ(JI
S K 7215)が53D、ビカット軟化点(JISK
7206)が100℃、融点(DSC法)が124℃
の低圧法のエチレン・ブテン−1共重合体樹脂
【0321】LDPE樹脂A;MFR(JIS K 67
60)が2.5g/10分、密度(JIS K 6760)
が0.922g/cm3、引張弾性率(JIS K 67
60)が1550kg/cm2、オルゼン剛性(JIS
K 7106)が2200kg/cm2、ショア硬さ(J
IS K 7215)が46D、ビカット軟化点(JIS
K 7206)が88℃、融点(DSC法)が109℃
の高圧法のホモポリエチレン樹脂
【0322】HDPE樹脂A;MFR(JIS K 67
60)が0.6g/10分、密度(JIS K 6760)
が0.950g/cm3、引張弾性率(JIS K 67
60)が8300kg/cm2、オルゼン剛性(JIS
K 7106)が6800kg/cm2、ショア硬さ(J
IS K 7215)が66D、ビカット軟化点(JIS
K 7206)が121℃、融点(DSC法)が129
℃の低圧法のホモポリエチレン樹脂
【0323】HDPE樹脂B;MFR(JIS K 67
60)が0.04g/10分、密度(JIS K 676
0)が0.946g/cm3、引張弾性率(JIS K 6
760)が6700kg/cm2、オルゼン剛性(JI
S K 7106)が5800kg/cm2、ショア硬さ
(JIS K 7215)が63D、ビカット軟化点(J
IS K 7206)が123℃、融点(DSC法)が1
27℃の低圧法のホモポリエチレン樹脂
【0324】PP樹脂A;MFR(JIS K 6758)
が7.0g/10分、密度(JIS K 6758)が
0.90g/cm3、曲げ弾性率(ASTM D 79
0)が11500kg/cm2、曲げ剛性率(ASTM
D 747)が7500kg/cm2、ロックウェル硬度
(ASTM D 785)が94R、ビカット軟化点(AS
TM D 1525)が122℃、熱変形温度(ASTM
D 648 4.6kg荷重)が96℃のプロピレン・
エチレン共重合体樹脂
【0325】遮光性物質A;フレキシブルシト遮光層に
用いたファーネスカーボンブラックと同一
【0326】遮光性物質B;平均粒子径が29mμ、p
Hが5.0、全硫黄含有量が0.51、揮発成分が5.0
%、DBP吸油量が121ml/100gのチャンネル
カーボンブラック
【0327】帯電防止剤A;花王石けん製の帯電防止剤
である 商品名「エレクトロストリッパーTS−2」
【0328】滑剤A;エルカ酸アミド
【0329】滑剤B;ステアリン酸カルシウム
【0330】滑剤C;ステアリン酸マグネシウム
【0331】滑剤D;ステアリン酸亜鉛
【0332】滑剤E;ジメチルポリシロキサン(粘度2
万センチストークス)
【0333】ブロッキング防止剤A;二酸化珪素
【0334】酸化防止剤A;リン系酸化防止剤のトリス
−(2,4,ジ−タ−シャル−ブチルフェニル)ホスフ
ァイト
【0335】酸化防止剤B;ヒンダードフェノール系酸
化防止剤のテトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−
ジ−タ−シャル−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕メタン
【0336】帯電防止剤A;花王石けん製の帯電防止剤
である商品名「エレクトロストリッパーTS−2」
【0337】帯電防止剤B;アルキルアミン系帯電防止
【0338】フレキシブルシート遮光層2aは、各発明
品及び比較品とも同一の樹脂組成物とした。
【0339】このフレキシブルシート遮光層2aは、M
FR(JIS K 6760)が1g/10分、密度(JI
S K 6760)が8.940g/cm3、引張弾性率
(JISK 6760)が7200kg/cm2、オルゼ
ン剛性(JIS K 7106)が4800kg/cm2
ショア硬さ(JIS K 7215)が61D、ビカット
軟化点(JIS K 7206)が122℃、融点(DS
C法)が128℃の低圧法のエチレン・オクテン−1共
重合体樹脂15重量%、
【0340】遮光性物質として平均粒子径(電子顕微鏡
法で測定)が21mμ、pH(JISK 6221で測
定)が7.7、全硫黄含有量(JIS K 2541−1
992で測定)が0.4%、揮発成分(JIS K 62
21で測定)が1.0%、DBP吸油量(JIS K 6
221の吸油量A法で測定)が82ml/100gのフ
ァーネスカーボンブラック3.0重量%、
【0341】酸化防止剤としてリン系酸化防止剤のトリ
ス−(2,4,ジ−タ−シャル−ブチルフェニル)ホス
ファイトを0.1重量%と、ヒンダードフェノール系酸
化防止剤のテトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−
ジ−タ−シャル−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕メタンを0.1重量%、
【0342】エチレン・オクテン−1共重合体樹脂や高
密度ホモポリエチレン樹脂の重合に使用する写真感光材
料の写真性に悪影響を及ぼす重合触媒の残渣を中和して
写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼさなくすると共に
インフレーションフィルム成形機の防錆作用も発揮する
ことが判明した脂肪酸金属塩系滑剤のステアリン酸マグ
ネシウムを0.20重量%、
【0343】MFR(JIS K 6760)が2.5g/
10分、密度(JIS K 6760)が0.922g/c
3、引張弾性率(JIS K 6760)が1550k
g/cm2、オルゼン剛性(JIS K 7106)が2
200kg/cm2、ショア硬さ(JIS K 7215)
が46D、ビカット軟化点(JIS K 7206)が88
℃、融点(DSC法)が109℃の高圧法のホモポリエ
チレン樹脂5重量%、
【0344】残りの主成分である熱可塑性樹脂がMFR
(JIS K 6760)が0.9g/10分、密度(JI
S K 6760)が0.955g/cm3、引張弾性率
(JISK 6760)が8900kg/cm2、ショア
硬さ(JIS K 7215)が62D、ビカット軟化点
(JIS K 7206)が125℃、融点(DSC法)
が132℃の低圧法のホモポリエチレン樹脂76.78
重量%、
【0345】含むポリエチレン系樹脂組成物からなる厚
さ50μmの遮光性ポリエチレン系樹脂フィルム層であ
る。
【0346】テスト結果は、表6に示す通りである。表
6におけるテスト方法は、以下の通りである。
【0347】ヒートシール適性;密封ヒートシール性、
ヒートシール強度、ヒートシール安定性を総合評価
【0348】経時シール強度;ヒートシール後20℃6
0%RH恒温・恒湿室に6ヵ月放置後のヒートシール強
度をヒートシール1日後のヒートシール強度からの低下
の程度より評価
【0349】写真感光材料の挿入適性;最内層1同士を
ヒートシール方法によりヒートシールした3方シール袋
の開口より写真感光材料を挿入しようとした時の開口の
しやすさ及び写真感光材料を開口より挿入しようとした
時の挿入しやすさ並びにスリ傷や摩擦カブリの発生程度
より評価
【0350】写真性;最内層1同士をヒートシール方法
により熱溶着密封した遮光袋にISO感度100の撮影
用カラーネガシートフィルムを密封し35℃80%RH
の恒温・恒湿室に30日間シーズニング後現像・定着処
理し、ブランクとのカブリ増加、感度変化、階調変化、
発色異常等を総合評価
【0351】ブツ発生防止性(異物状の固り);写真感
光材料用包装材料の最内層1の表面を目視検査しブツの
発生程度より評価
【0352】ヒートシール1日後のヒートシール部の遮
光性;ヒートシール後1日間20℃60%RHの恒温・
恒湿室で調整した図3の三方シール袋の開口(格子状の
凹条部は図4に断面図で示す)からISO感度100の
撮影用カラーネガシートフィルムを密封後ヒートシール
により開口を完全密封し8万ルックスのキセノンランプ
でヒートシール部を1時間照射後現像・定着処理し光カ
ブリの程度より評価
【0353】インフレーションフィルム成形性;2層共
押出しインフレーションフィルムを成形した時のバブル
安定性、メルトフラクチャーの発生程度、筋の発生程
度、押出し時の発熱程度、電力負荷等を総合評価
【0354】写真感光材料の汚染防止性;写真感光材料
を各々のテストサンプルを用いて作成した図3の3方シ
ール袋の開口より挿入後開口を密封後ボール箱に入れさ
らに段ボール箱で集合包装体とした製品形態でJIS
Z 0232に準ずる振動試験(上下30分,左右30
分)を行った後写真感光材料に付着した塵及び汚れ(黒
色の筋等)を評価
【0355】評価は下記による。 ◎……非常に優れている ○……優れている ●……実用限度内 ▲……問題あり、改良必要 ×……実用不可
【0356】〔本発明品11〜15、比較品11〜1
5〕本発明品11〜15及び比較品11〜15は図2に
示す3層共押出しインフレーションフィルムである。
【0357】最内層1の樹脂組成の詳細を表7に示す。
各本発明品及び比較例は表3に示すように各成分を変化
させている。
【0358】
【表7】
【0359】L−LDPE樹脂A、LDJPE樹脂A、
PP樹脂A、滑剤A及び滑剤Bは、本発明品1〜10及
び比較品1〜10における場合と同一である。
【0360】フレキシブルシート遮光層3a及び中間層
3aは、各本発明品及び比較例において同一とした。
【0361】フレキシブルシート遮光層3aは、前記本
発明品1〜1及び比較品1〜10における場合と同一で
ある。ただし、厚さは、30μmと変更してある。
【0362】中間層3aは、MFR(JIS K 675
8)が7.0g/10分、密度(JISK 6758)が
0.90g/cm3、曲げ弾性率(ASTM D 790)
が10000kg/cm2、曲げ剛性率(ASTM D 7
47)が7200kg/cm2、ロックウェル硬度(AS
TM D 785)が91R、ビカット軟化点(ASTM
D 1525)が119℃、熱変形温度(ASTM D 6
48 4.6kg荷重)が94℃のプロピレン・エチレ
ン共重合体樹脂74.3重量%、三井石油化学製の酸変
性ポリプロピレン樹脂である商品名「アドマーQF30
5」20重量%、遮光性物質として電気化学製の導電性
アセチレンブラックの商品名「デンカブラック」5重量
%、滑剤としてステアリン酸カルシウム0.3重量%、
酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤の
テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−タ−シ
ャル−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン0.05重量%、ビタミンE0.1重量%、
触媒残渣中和物質として含水複塩化合物のハイドロタル
サイト類化合物である協和化学製の商品名「キョーワー
ド」0.3重量% 含むプロピレン・エチレン共重合体系樹脂組成物から成
る厚さ20μmの遮光性プロピレン・エチレン共重合体
系樹脂フィルム層である。
【0363】テスト結果は、表7に示す通りである。
【0364】各テスト方法及び評価方法は、本発明品1
〜10及び比較品1〜10における場合と同一である。
【0365】〔本発明品16〕本発明品16は、最外側
に厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレン2,6ナフタレ
ート樹脂フィルムを位置させ、この二軸延伸ポリエチレ
ン2,6ナフタレート樹脂フィルムに、遮光層としての
厚さ9μmのアルミニウム箔を厚さ15μmの酸変性ポ
リオレフィン樹脂(三井石油化学製の商品名「アドマー
LF300」)20重量%と高圧法低密度ホモポリエチ
レン樹脂(昭和電工製の低密度ポリエチレンである商品
名「ショウレックスL182」)80重量%を混合した
エクストルージョンラミネート接着剤層を介し積層し、
このアルミニウム箔に、最内層として、高圧法低密度ホ
モポリエチレン樹脂と低圧法エチレン・αオレフィン共
重合体樹脂を溶融混練した混合樹脂(出光石油化学製の
商品名「出光ポリエチレンL 1044D」)99.5
重量%と表5の遮光性物質Aと同一のファーネスカーボ
ンブラック0.5重量%とを直接エクストルージョンラ
ミネート方法により厚さ20μmで押出し塗布した積層
フィルムである。
【0366】上述した積層フィルムについて、表6と同
一のテストを行った。その結果、ヒートシール適性は
◎、経時ヒートシール強度は◎、写真感光材料の挿入適
性は●、写真性は○、ブツ発生防止性は○、ヒートシー
ル直後のヒートシール部の遮光性は○、写真感光材料の
汚染防止性は○であった。
【0367】〔本発明品17〜20、比較品16〜1
7〕本発明品17〜20は、本発明品16の写真感光材
料用遮光袋を用い、写真感光材料としてのロール状映画
用ポジフィルムの感光層側の表面層である保護層中の滑
剤(ジメチルジョリシロキサン:信越化学製シリコー
ン、商品名KF96)の含有量を表8に示すように変化
させた写真感光材料包装体である。
【0368】比較品16〜17は、本初名品16の最内
層中の滑剤(エルカ酸アミド)を0.05〜0重量%に
した以外は同一層構成からなる写真感光材料用遮光袋で
写真感光材料の保護層中の滑剤の含有量を表8に示すよ
うに変化させた写真感光材料包装体である。
【0369】これらの写真感光材料包装体について、各
種特性を比較した結果を表8に示す。
【0370】
【表8】
【0371】試験方法及び評価は表6と同一である。但
し、帯電防止性とスリ傷発生防止性は、20℃、30%
RHの暗室内で写真感光材料の挿入適性の試験方法で行
った写真感光材料を現像処理して発生っしたスタチック
マーク、スリ傷、摩擦カブリを透過光で目視検査により
評価した。
【0372】〔本発明品21〕厚さ15μmの2軸延伸
ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムにコロナ放電
処理後、アンカー剤を塗布した面にアルミニウム蒸着膜
を厚さ400Åで真空蒸着方法により設けたアルミニウ
ム真空蒸着2軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フ
ィルムのアルミニウム真空蒸着膜側に、厚さ15μmの
酸変性ポリエチレン樹脂(三井石油化学製アドマー)2
0重量%と金属メタセン重合触媒を用いて重合製造した
MFRが5.1g/10分、密度が0.918g/c
3、分子量分布が8.2のホモポリエチレン樹脂80
重量%とからなるエクストルージョンラミネート接着剤
を介して、本発明品1と同一の2層共押出しインフレー
ションフィルムのフレキシブルシート遮光層2a側を積
層した写真感光材料用包装材料を作製した。
【0373】この写真感光材料用包装材料を用いて図4
の3方ヒートシールした(ヒートシール形状は図6aの
マルチポイントヒートシール形状を用いた)写真感光材
料用遮光袋を作製し、開口からコ字状の当て紙中に包装
したシート状写真フィルム50枚と、厚さ200g/m
2多孔質アルミナケイ酸ソーダを抄き混んだ調湿シート
(坪量30g/m2ポリオレフィン系スパンボンド法不織
布で製袋した4方シール包装袋に入れ両面粘着テープで
コ字状の当て紙の上に接着した状態)を挿入同封後、開
口を2つ折りにしてテープで固着密封した写真感光材料
包装体とした。
【0374】この写真感光材料包装体は、50℃80%
3日の強制テスト後も写真製がほとんど変化しなかた。
しかし、調湿シートを同封しない従来の写真感光材料は
カブリ増加が0.02であり、感度変動も10%大きか
った。
【0375】
【発明の効果】本発明は、写真感光材料の写真性に悪影
響を及ぼすことがなく、ヒートシール性が優れ、完全密
封、遮光性常に確保可能になり、写真感光材料の遮光性
物質による汚れや擦傷や押し傷の発生がなくなるので、
写真感光材料用包装材料及びこれを用いた写真感光材料
用遮光袋並びに写真感光材料包装体を世界各国で安価に
製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による写真感光材料用包装材料の一実
施例の層構成を示す部分断面図である。
【図2】 本発明による写真感光材料用包装材料の他の
実施例の層構成を示す部分断面図である。
【図3】 本発明による写真感光材料用包装材料の他の
実施例の層構成を示す部分断面図である。
【図4】 本発明のによる写真感光材料用遮光袋の一実
施例の形態を示すやや斜めから見た平面図である。
【図5】 図4中A−A線断面図である。
【図6】 本発明の写真感光材料用遮光袋のヒートシー
ル部分の凹条の形状を示す部分平面図である。
【図7】 本発明の写真感光材料用遮光袋のヒートシー
ル部分の凹条の形状を示す部分平面図である。
【図8】 本発明の写真感光材料用遮光袋のヒートシー
ル部分の凹条の形状を示す部分平面図である。
【図9】 本発明の写真感光材料用遮光袋のヒートシー
ル部分の凹条の形状を示す部分平面図である。
【図10】 本発明の写真感光材料用遮光袋のヒートシ
ール部分の凹条の形状を示す部分平面図である。
【図11】 本発明の写真感光材料用遮光袋のヒートシ
ール部分の凹条の形状を示す部分平面図である。
【図12】 本発明の写真感光材料用遮光袋のヒートシ
ール部分の凹条の形状を示す部分平面図である。
【図13】 本発明の写真感光材料用遮光袋のヒートシ
ール部分の凹条の形状を示す部分平面図である。
【図14】 本発明の写真感光材料用遮光袋のヒートシ
ール部分の凹条の形状を示す部分平面図である。
【符号の説明】
1…最内層 2a…フレキシブルシート遮光層 3…中間層 IIa…2層共押出しインフレーションフィルム IIIa…3層共押出しインフレーションフィルム 11…袋部 12…開口部 13…ヒートシール部 14…凸部 15…凹部 a:遮光性を有することを示す。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遮光性物質の含有量が0〜0.9重量%
    の最内層と、この最内層に直接又は他の層を介して間接
    的に積層された遮光層とを有し、全体として完全遮光性
    を有していることを特徴とする写真感光材料用包装材
    料。
  2. 【請求項2】 最内層に、1重量%以上のエチレン共重
    合体樹脂と、0.001〜10重量%の滑剤及び帯電防
    止剤の1種以上とが含まれている請求項1記載の写真感
    光材料用包装材料。
  3. 【請求項3】 最内層を構成する熱可塑性樹脂の50重
    量%以上がポリオレフィン樹脂である請求項1又は2記
    載の写真感光材料用包装材料。
  4. 【請求項4】 最内層の厚さが1〜30μmである請求
    項1、2又は3記載の写真感光材料用包装材料。
  5. 【請求項5】 遮光層は、厚さ5μm以上の金属箔、厚
    さ100Å以上の金属薄膜をフレキシブルシートに加工
    した金属薄膜加工フレキシブルシート、厚さ5μm以上
    で遮光性物質を1重量%以上含む熱可塑性樹脂フィルム
    又は厚さ5μm以上で遮光性物質を1重量%以上含むフ
    レキシブルシートである請求項1、2、3又は4記載の
    写真感光材料用包装材料。
  6. 【請求項6】 遮光層の光学濃度が3以上である請求項
    1、2、3、4又は5記載の写真感光材料用包装材料。
  7. 【請求項7】 最内層及び遮光層が共押出しにより成形
    されている請求項1、2、3、4、5又は6記載の写真
    感光材料用包装材料。
  8. 【請求項8】 最内層に、ブロッキング防止剤が0〜1
    0重量%、密度が0.935〜0.965g/cm3のホ
    モポリエチレン樹脂及びエチレン・αオレフィン共重合
    体樹脂の1種以上が0〜100重量%含まれている請求
    項1、2、3、4、5、6又は7記載の写真感光材料用
    包装材料。
  9. 【請求項9】 JIS Z 0208のB条件(40℃、
    90%RH)で測定した透湿度が20g/m2・24h
    rs以下である請求項1、2、3、4、5、6、7又は
    8記載の写真感光材料用包装材料。
  10. 【請求項10】 最内層、遮光層及びその他の層が熱可
    塑性樹脂で成形され、かつ、1種以上の酸化防止物質を
    0.0005〜1.5重量%含んだ層が少なくとも1層
    ある請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載
    の写真感光材料用包装材料。
  11. 【請求項11】 熱可塑性樹脂で成形されている層が
    全で相溶性を有する請求項10記載の写真感光材料用包
    装材料。
  12. 【請求項12】 熱可塑性樹脂は50重量%以上がポリ
    オレフィン樹脂である請求項10記載の写真感光材料用
    包装材料。
  13. 【請求項13】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11又は12記載の写真感光材料用包装
    材料の最内層同士をヒートシール方法で溶着し、そのヒ
    ートシール部にヒートシール方向に平行な複数の凹条が
    形成されている遮光感光材料用遮光袋。
  14. 【請求項14】 前記凹状が形成されている包装材料の
    最内層の凹条部分の厚さが1〜30μmである請求項1
    3項記載の写真感光材料用遮光袋。
  15. 【請求項15】 最内層同士がヒートシールされている
    凹条部分の厚さの合計が3〜58μmである請求項13
    記載の写真感光材料用遮光袋。
  16. 【請求項16】 最外層のDSC法で測定した融点が最
    内層のDSC法で測定した融点より5℃以上高い請求項
    13、14又は15記載の写真感光材料用遮光袋。
  17. 【請求項17】 最外層の滑り始める角度が20度以上
    である請求項13、14、15又は16記載の写真感光
    材料用遮光袋。
  18. 【請求項18】 滑り防止塗布層が設けられている請求
    項17記載の写真感光材料用遮光袋。
  19. 【請求項19】 遮光性物質の含有量が0〜0.9重量
    %、滑剤及び帯電防止剤の少なくとも1種以上の合計含
    有量が0.001〜10重量%、ポリオレフィン樹脂の
    含有量が50重量%以上の樹脂組成物から成る厚さ1〜
    30μmの最内層と、この最内層に直接又は他の層を介
    して間接的に積層された遮光層とを有し、全体として完
    全遮光性を有している写真感光材料用包装材料の最内層
    同士をヒートシール方法で溶着したこを特徴とする写真
    感光材料用遮光袋。
  20. 【請求項20】 請求項9、10、11又は12記載の
    写真感光材料用包装材料を用いて透湿度(JIS Z 0
    208の条件Bで測定)が20g/m2・24時間以下
    となるように写真感光材料が密封・遮光包装されている
    ことを特徴とする写真感光材料包装体。
  21. 【請求項21】 請求項13、14、15、16、1
    7、18又は19記載の写真感光材料用遮光袋内に写真
    感光材料と調湿物質を同封することにより関係湿度が3
    0〜60%になるように密封・遮光包装されていること
    を特徴とする写真感光材料包装体。
  22. 【請求項22】 請求項13、14、15、16、1
    7、18又は19記載の写真感光材料用遮光袋内に、感
    光層側又は裏面層側の少なくとも一方の表面層に滑剤及
    び帯電防止剤の少なくとも1種以上を合計0.001〜
    15重量%含有する写真感光材料が密封・遮光包装され
    ていることを特徴とする写真感光材料包装体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015093060A1 (ja) * 2013-12-20 2017-03-16 三井化学株式会社 半芳香族ポリアミド樹脂組成物およびその成型品

Cited By (2)

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