JP3100474B2 - 写真感光材料用包装材料 - Google Patents

写真感光材料用包装材料

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JP3100474B2
JP3100474B2 JP04246346A JP24634692A JP3100474B2 JP 3100474 B2 JP3100474 B2 JP 3100474B2 JP 04246346 A JP04246346 A JP 04246346A JP 24634692 A JP24634692 A JP 24634692A JP 3100474 B2 JP3100474 B2 JP 3100474B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真フィルムやカラー
印画紙などを収納する写真感光材料用包装材料に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、写真フィルムやカラー印画紙など
を包装する包装袋や包装材料としては、特開昭56−1619
48号公報で開示されているような、外側から、(イ) ポリ
エステル層、(ロ) アルミニウム層および(ハ) 遮光材およ
び非イオン性帯電防止剤を含むポリオレフィン系樹脂層
から実質的になり、(イ), (ロ), (ハ)を併せた光学濃度が
7.5以上である感光材料用包装袋や、特開昭63−85539号
公報で開示されているような、平均粒子径が200mμ以
下の遮光性物質を0.5〜50g/m2含む厚さ30〜150μmの
二層共押出しフィルムであって、特殊特性のL−LDP
E層とHDPE層とが特定の比率で構成されている写真
感光材料用包装材料や、実公昭56−190897号公報で開示
されているような、2枚の一軸延伸HDPEフィルムを
延伸軸がクロスするように貼合わせたクロスラミネート
フィルムの内側に遮光剤及び帯電防止剤のうち少なくと
もいずれか一方を含有するLDPEフィルムを積層した
感光材料包装袋があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の包装袋及び包装材料は、ある特性に付いては優
れているが、他の特性に付いては充分ではないものであ
った。すなわち、特開昭56−161948号公報で開示されて
いる包装袋は、帯電防止性は好ましいいが、経時ヒート
シール強度の低下が大きく、かつ物理強度が小さいもの
であり、特開昭63−85539号公報で開示されている包装
材料は、フィルム成形性及び物理強度が大きく好ましい
ものであったが、帯電防止性、低温ヒートシール性が充
分ではなく、そして、実公昭56−190897号公報で開示さ
れている包装袋は、物理強度、帯電防止性および低温ヒ
ートシール性が優れており好ましいものであったが、経
時ヒートシール強度の低下が見られるものであった。
【0004】本発明は、以上の問題点を解決し、引裂き
強度や衝撃穴あけ強度などの物理強度、経時ヒートシー
ル強度、帯電防止性、フィルム成形性、低温ヒートシー
ル性などを向上させた写真感光材料用包装材料を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の写真感光材料用
包装材料は、5重量%以上のエチレン共重合体樹脂を含
むポリオレフィン樹脂と、数平均分子量が300〜80
00の低重合度ポリエチレン樹脂及び/又は低重合度エ
チレン・酢酸ビニル共重合体樹脂0.1〜25重量%
と、滑剤0.01〜5.0重量%と、融点が100℃以
上のヒンダードフェノール系酸化防止剤0.0005〜
1.0重量%と、炭素数2〜7のアシル基及び炭素数8
〜30のアシル基を有するグリセリド及び/又は炭素数
2〜7のアシル基及び炭素数8〜30のアシル基を有す
防滴剤0.001〜5重量%と、遮光性物質とを含む
光学濃度が5以上の遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム
を具備していることを特徴として構成されている。
【0006】ポリオレフィン樹脂としては、ホモポリエ
チレン樹脂、エチレン・αオレフィン共重合体樹脂、ホ
モポリプロピレン樹脂、プロピレン・αオレフィン共重
合体樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレ
ン・アルキルエステル共重合体樹脂(EEA樹脂,EM
A樹脂等)、エチレン・アクリル酸共重合体樹脂、酸変
性ポリオレフィン樹脂、ポリブテン−1樹脂、ポリイソ
ブチレンゴム、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(以
後、EPMと表示)、エチレン・プロピレン・ジエン三
元共重合体ゴム(以後、EPDMと表示)、アイオノマ
ー樹脂等の単独あるいは混合物がある。また、このポリ
オレフィン樹脂は、バージン樹脂(初めて包装材料とし
て使用される樹脂を本発明では意味する。)であっても
再生樹脂(リサイクル樹脂や耳ロス部の樹脂で一度フィ
ルム又は射出成形品等の使用後、再使用される樹脂を本
発明では意味する。)であっても、バージン樹脂と再生
樹脂を使用目的に合わせて適当な割合で混合して使用し
てもよい。さらに、他の公知の各種添加剤(遮光性物
質,滑剤,造核剤,カップリング剤等)を必要量混練混
合して用いてもよい。
【0007】ポリオレフィン樹脂の密度は、0.87〜0.97
g/cm3の範囲が好ましく、0.89〜0.960g/cm3の範囲がよ
り好ましい。ポリオレフィン樹脂の含有量は、30重量%
以上、好ましくは50重量%以上、特に好ましくは60重量
%以上である。30重量%未満では、写真感光材料用包装
材料として必要なヒートシール適性が確保できない。
【0008】また、ポリオレフィン樹脂は、経時ヒート
シール強度確保、遮光性物質の混合適性、樹脂フィルム
の物理強度確保のために、エチレン共重合体樹脂を5重
量%以上含むことが必須である。このエチレン共重合体
樹脂の代表例を以下に記載する。 (1) エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂 (2) エチレン−プロピレン共重合体樹脂 (3) エチレン−1−ブテン共重合体樹脂 (4) エチレン−ブタジエン共重合体樹脂 (5) エチレン−塩化ビニル共重合体樹脂 (6) エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂 (7) エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂 (8) エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂(以後、
EEA樹脂と表示) (9) エチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂 (10)エチレン−アクリル酸共重合体樹脂 (11)アイオノマー樹脂(エチレンと不飽和酸との共重合
物を亜鉛などの金属で架橋した樹脂) (12)エチレン−αオレフィン共重合体樹脂(L−LDP
E樹脂) (13)エチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体樹
脂 (14)ポリオレフィン系エラストマー(エチレン・プロピ
レンゴム,エチレン・プロピレン・非共役ジェンターポ
リマー等)
【0009】エチレン共重合体樹脂中では、安価で、フ
ィルム成形性及びヒートシール適性が良く、破袋強度、
衝撃穴あけ強度及び引裂き強度が大きいので、L−LD
PE樹脂とEEA樹脂が好ましい。
【0010】L−LDPE(iner ow encity o
lyetylene)樹脂は第3のポリエチレン樹脂と称され、
中低密度、高密度両ポリエチレン樹脂の利点を併せもつ
省エネルギー、省資源という時代の要請に合致する低コ
スト、高強度の樹脂である。この樹脂は低圧法又は高圧
改良法でエチレンと炭素数が3〜13個、好ましくは4〜
10個のα−オレフィンを共重合させたコポリマーで線状
の直鎖に短分岐をもった構造のポリエチレン系樹脂であ
る。物理強度やコストの点で好ましいα−オレフィンと
してはブテン−1、オクテン−1、ヘキセン−1、4−
メチルペンテン−1、ヘプテン−1などが使用される。
【0011】密度は一般に低中密度ポリエチレン樹脂程
度とされているが、市販品では0.87〜0.95g/cm3の範囲
内にあるものが多い。メルトインデックスは0.1〜50g/1
0分の範囲内にあるものが多い。
【0012】L−LDPE樹脂の重合プロセスとしては
中・低圧装置を用いる気相法、液相法と高圧改良法装置
を用いるイオン重合法等がある。市販のL−LDPE樹
脂の具体例を以下に示す。 エチレン・ブテン−1共重合体樹脂 GレジンとNUC−FLX(UCC社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) マーレックス (フィリップス社) スタミレックス (DSM社) エクセレンVL (住友化学) ネオゼックス (三井石油化学) 三菱ポリエチ−LL (三菱油化) 日石リニレックス (日本石油化学) NUCポリエチレン−LL(日本ユニカー) 出光ポリエチレンL (出光石油化学) エチレン・ヘキセン−1共重合体樹脂 TUFLIN (UCC社) TUFTHENE (日本ユニカー) エチレン・4メチルペンテン−1共重合体樹脂 ウルトゼックス (三井石油化学) エチレン・オクテン−1共重合体樹脂 スタミレックス (DSM社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) MORETEC (出光石油化学)
【0013】これらのL−LDPE樹脂の中で物理強度
とヒートシール強度とフィルム成形性の点から特に好ま
しいのは、メルトインデックス(以後、MIと表示)が
0.8〜10g/10分(JIS K-6760)、密度が0.870〜0.940g/cm3
(JIS K-6760)、そしてα−オレフィンの炭素数が6〜8
個の液相法プロセスと気相法プロセスで得られたもので
ある。
【0014】特に好ましい代表的な例を商品名であげる
と、ポリエチレンにα−オレフィン側鎖として炭素数6
個の4−メチルペンテン−1を導入した三井石油化学
(株)のウルトゼックス及びα−オレフィン側鎖として炭
素数8個のオクテン−1を導入した出光石油化学(株)の
MORETECとDSM社のスタミレックスとダウケミ
カル社のダウレックスがある(以上、4社品共液相法プ
ロセスで得られたL−LDPE樹脂である。)。低圧法
の気相法プロセスで得られた好ましい代表的な例を商品
名であげると、α−オレフィン側鎖として炭素数6個の
ヘキセン−1を導入したUCC社のTUFLIN及び日
本ユニカー(株)のTUFTHENE等がある。また、最
近発売された密度が0.910g/cm3未満の超低密度直鎖状低
密度ポリエチレン樹脂、例えばUCC社のNUC−FL
Xや住友化学(株)のエクセレンVLも好ましい(以上、
2社品共α−オレフィンが炭素数4個のブテン−1を使
用)。
【0015】EEA樹脂は、エチレンとアクリル酸エチ
ルの共重合体樹脂で、その代表的製造メーカーとしてユ
ニオン・カーバイド社(アメリカ)、日本ユニカー
(株)、三菱油化(株)、住友化学(株)、三井ポリケミカル
(株)等がある。具体例として日本ユニカー(株)で現在市
販しているEEA樹脂の代表的銘柄名とそのコモノマー
含有量、メルトインデックス、及び密度を示す(コモノ
マー含有量はNUC試験法で6%以上のもの)。
【0016】
【表1】
【0017】低重合度ポリエチレン樹脂及び低重合エチ
レン・酢酸ビニル共重合体樹脂の数平均分子量は、300
〜8000が好ましく、500〜6000 がより好ましく、800〜4
000が最も好ましい。数平均分子量が300未満であると、
発泡やピンホールの発生が多くなる。また、経時による
ブリードアウトが多くなり、ブロッキング故障を発生す
る。数平均分子量が8000を越えると、ブリードアウトの
均一化、フィルム成形性向上、低温ヒートシール性向
上、ブツやメルトフラクチャーの発生防止等の効果が少
なく、添加する意味がなくなる。
【0018】低重合度ポリエチレン樹脂としては、いか
なる方法で製造されたものであってもよいが、ポリオレ
フィン樹脂製造時に副生する低重合度ポリエチレン樹
脂、特に高圧法ポリエチレン樹脂製造時に副生するワッ
クスが好ましい。また、重合方法や重合条件を適当に選
んで重合度を制御して製造したものであってもよく、中
・高分子量のポリエチレン樹脂を熱分解や酸化により連
鎖を切断して数平均分子量を300〜8000にしたものであ
ってもよい。
【0019】低重合度エチレン・酢酸ビニル共重合体樹
脂としては、いかなる方法で製造されたものであっても
よいが、高分子量のEVA樹脂製造時に副生する低重合
度エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂ワックスを使用す
るのが好ましい。特に、高圧法のEVA樹脂製造時に副
生するものが好ましい。
【0020】また、重合方法や重合条件を適当に選んで
重合度を制御して製造したものであっても、中・高分子
量のEVA樹脂を熱分解や酸化分解により連鎖を切断し
て数平均分子量を300〜8000にしたものであってもよ
い。低重合度ポリエチレン樹脂及び/又は低重合エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体樹脂の含有量は、0.1〜25重量
%、好ましくは0.5〜20重量%、最も好ましくは1〜10
重量%である。0.1重量%未満では含有させた効果がほ
とんど発揮されず混練経費増になるので、経済的に不利
である。また、25重量%をこえるとポリオレフィン樹脂
組成物のMIが大きくなり、フィルム成形性が悪化し、
張力不足のためバブルが横揺れし不安定になり、フィル
ムの厚みムラや切断が発生する。
【0021】滑剤は、成形性改良、遮光性物質の分散性
改良のために添加される。この滑剤の添加量は、一般
に、0.01〜5.0重量%が好ましく、0.02〜3.5重量%がよ
り好ましい。添加量が0.01重量%未満であると、滑剤添
加の効果がなく、添加量が5.0重量%を越えると、樹脂
とスクリュー間でスリップが発生して、安定した樹脂の
吐出量が得られず、フィルムの厚さが変化する。また、
ヒートシール性が悪化したり、ブリードアウトが多くな
る問題が発生する。しかし、滑性効果が大きく、ブリー
ドアウトしやすい脂肪酸アミド系滑剤の場合、その添加
量は0.01〜1.0重量%が好ましい。
【0022】写真フィルムに悪影響を与えない市販の代
表的滑剤名と製造メーカー名を以下に記載する。 (1) シリコーン系滑剤;各種グレードのジメチルポリシ
ロキサン及びその変性物(信越シリコーン、東レシリコ
ーン)等 (2) オレイン酸アミド系滑剤;アーモスリップCP(ラ
イオン・アクゾ)、ニュートロン(日本精化)、ニュー
トロンE−18(日本精化)、アマイドO(日東化学)、
アルフロE−10(日本油脂)、ダイヤミッドO−200(日
本化成)、ダイヤミッドG−200(日本化成)等 (3) エルカ酸アミド系滑剤;アルフロ−P−10(日本油
脂)等 (4) ステアリン酸アミド系滑剤;アルフロ−S−10(日
本油脂)、ニュートロン2(日本精化)、ダイヤミッド
200ビス(日本化成)等 (5) ビス脂肪酸アミド系滑剤;ビスアマイド(日本化
成)、ダイヤミッド200ビス(日本化成)、アーモワッ
クスEBS(ライオン・アクゾ)等 (6) アルキルアミン系滑剤;エレクトロストリッパ−T
S−2(花王石鹸)等 (7) 炭化水素系滑剤;流動パラフィン、天然パラフィ
ン、マイクロワックス、合成パラフィン、ポリエチレン
ワックス、ポリプロピレンワックス、塩素化炭化水素、
フルオロカルボン等 (8) 脂肪酸系滑剤;高級脂肪酸(C12以上が好まし
い)、オキシ脂肪酸等 (9) エステル系滑剤;脂肪酸の低級アルコールエステ
ル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸のポリグ
リコールエステル、脂肪酸の脂肪アルコールエステル等 (10)アルコール系滑剤;多価アルコール、ポリグリコー
ル、ポリグリセロール等 (11)金属石けん;ラウリン酸、ステアリン酸、リシノー
ル酸、ナフテン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸とLi、
Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Al、Sn、Pb等の金
属との化合物等
【0023】本発明の写真感光材料用包装材料を包装袋
に使用する場合は、シリコン系滑剤を用いることが好ま
しい。シリコン系滑剤の例を以下に記載する。ポリメチ
ルフェニルシロキサン、オレフィン変性シリコン、ポリ
エチレングルコールやポリプロピレングリコールで変性
したポリエーテル変性シリコン、オレフィン/ポリエー
テル変性シリコン、エポキシ変性シリコン、アミノ変性
シリコン、アルコール変性シリコン等変性されたシロキ
サン結合を含有したシリコン系オイルがある。これらの
シリコン系オイル中、特にオレフィン変性シリコン、ポ
リエーテル変性シリコン、オレフィン/ポリエーテル変
性シリコン等が優れている。さらに、シリコン系オイル
は加熱状態でのフィルムの摩擦係数を改良し、自動包装
機による熱板シール中に生じる摺動抵抗を低下させ、皺
の発生を防止することにより、美しい外観と高度な密封
性と被包装体にたるみない密着性とを有する性能を保持
したフィルムを得る基礎をつくることが出来る。又、摺
動による光沢の低下を防止して、美しいシール部を得る
ことが出来る。シリコン系オイルを併用した場合の本発
明では摺動ヒートシールをする場合、高温摩擦係数を1.
4以下にすることが出来る。
【0024】常温における粘度は50〜100,000センチス
トークスの範囲が好ましく、更に好ましくは5,000〜30,
000センチストークスの高粘度のものが写真性に悪影響
を及ぼすことが少ないので特によい。添加量は種類、使
用目的により異なるが0.01〜5.0重量%である。好まし
くは0.03〜3.5重量%、特に好ましくは0.05〜2.0重量%
である。
【0025】シリコン系オイルを添加した効果を以下に
記載する。 (1) 繊維状充添材、非繊維状遮光性物質、顔料と併用す
るだけでこれらの表面を被覆して分散性を向上させる。 (2) 樹脂の流動性を向上し、スクリューのモーター負荷
を小さくし、メルトフラクチャー発生を防止する。 (3) ブリードアウトして白粉状になる脂肪酸アミドを添
加しなくても滑性を十分確保できる。 (4) 加熱状態でのフィルムの摩擦係数を小さくし、自動
製袋適性を向上し、ヒートシール時のシワ発生や摺動に
よる光沢の低下を防止し、美しいシール部を得ることが
できる。 (5) 遮光性物質と併用すると遮光能力を向上でき、物性
を低下させる遮光性物質の添加量を減量して遮光性を確
保できる。
【0026】酸化防止剤は、各種添加剤やポリオレフィ
ン樹脂が熱分解したり、熱により変質したり焼け故障に
より発生するブツやピンホールの防止、写真感光材料に
悪影響を与えるアルデヒド、ケトンなどの発生防止のた
めに添加される。酸化防止剤の代表例を以下に示す。 (イ) フェノール系酸化防止剤 6−t−ブチル−3−メチルフェニール誘導体、2・6
−ジ−t−ブチル−Pクレゾール、t−ブチルフェノー
ル)、2・2'−メチレンビス−(4−エチル−6−t
−ブチルフェノール)、4・4'−ブチリデンビス(6
−t−ブチル−m−クレゾール)、4・4'−チオビス
(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4・4−ジヒド
ロキシジフェニルシクロヘキサン、アルキル化ビスフェ
ノール、スチレン化フェノール、2・6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−
(3'・5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニ
ル)プロピネート、2・2'−メチレンビス(4−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、4・4'−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェニール)、4・4'
−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、ステアリル−β(3・5−ジ−4−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1・1・3−
トリス(2−メチル−4ヒドロキシ−5−t−ブチルフ
ェニル)ブタン、1・3・5トリメチル−2・4・6−
トリス(3・5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3(3'・5'−
ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕メタン等 (ロ) ケトンアミン縮合系酸化防止剤 6−エトキシ−2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリン、2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリンの重合物、トリメチルジヒドロキノリン誘
導体等 (ハ) アリルアミン系酸化防止剤 フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナ
フチルアミン、N−フェニル−N'−イソプロピル−P
−フェニレンジアミン、N・N'−ジフェニル−P−フ
ェニレンジアミン、N・N'−ジ−β−ナフチル−P−
フェニレンジアミン、N−(3'−ヒドロキシブチリデ
ン)−1−ナフチルアミン等 (ニ) イミダゾール系酸化防止剤 2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベ
ンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベン
ゾイミダゾール等 (ホ) ホスファイト系酸化防止剤 アルキル化アリルホスファイト、ジフェニルイソデシル
フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイ
ト亜リン酸ソーダ、トリノニルフェニルフォスファイ
ト、トリフェニルフォスファイト等 (ヘ) チオ尿素系酸化防止剤 チオ尿素誘導体、1・3−ビス(ジメチルアミノプロピ
ル)−2−チオ尿素等 (ト) その他空気酸化に有用な酸化防止剤 チオジプロピオン酸ジラウリル等
【0027】代表的な市販酸化防止剤を以下に示す。 (1) フェノール系酸化防止剤;SUMILIZER B
HT(住友)、IRGANOX 1076(チバガイギ
ー)、MARK AO−50(アデカ・アーガス)、SU
MILIZER BP−76(住友)、TOMINOX S
S(吉富)、IRGANOX 565(チバガイギー)、N
ONOX WSP(ICI)、SANTONOX(Mon
santo)、SUMILIZER WX R(住友)、AN
TAGEGRYSTAL(川口)、IRGANOX 103
5(チバガイギー)、ANTAGEW−400(川口)、N
OCLIZER NS−6(大内新興)、IRGANO
X 1425 WL(チバガイギー)、MARK AO−80
(アデカ・アーガス)、SUMILIZER GA−80
(住友)、TOPANOL CA(ICI)、MARK
AO−30(アデカ・アーガス)、MARK AO−20
(アデカ・アーガス)、IRGANOX 3114(チバガ
イギー)、MARK AO−330(アデカ・アーガス)、
IRGANOX 1330(チバガイギー)、CYANOX
1790(ACC)、IRGANOX 1010(チバガイギ
ー)、MARK AO−60(アデカ・アーガス)、SU
MILIZER BP−101(住友)、TOMINOX
TT(吉富)等 (2) 燐系酸化防止剤;IRGAFOS 168(チバガイギ
ー)、MARK 2112(アデカ・アーガス)、WEST
ON 618(ボルグワーナー)、MARK PEP−8
(アデカ・アーガス)、ULTRANOX 626(ボルグ
・ワーナー)、MARK PEP−24G(アデカ・アー
ガス)、MARK PEP−36(アデカ・アーガス)、
HGA(三光)等 (3) チオエーテル系酸化防止剤;DLTDP“YOSH
ITOMI”(吉富)、SUMILIZER TPL
(住友)、ANTIOX L(日油)、DMTD“YO
SHITOMI”(吉富)、SUMILIZER TP
M(住友)、ANTIOX M(日油)、DSTP“Y
OSHITOMI”(吉富)、SUMILIZER T
PS(住友)、ANTIOX S(日油)、SEENO
X 412S(シプロ)、MARK AO−412S(アデカ・
アーガス)、SUMILIZER TP−D(住友)、
MARK AO−23(アデカ・アーガス)、SANDS
TAB P−EPQ(サンド)、IRGAFOS P−B
PQ FF(チバガイギー)、IRGANOX 1222(チ
バガイギー)、MARK 329K(アデカ・アーガス)、
WESTON 399(ボルグ・ワーナー)、MARK 260
(アデカ・アーガス)、MARK 522A(アデカ・アー
ガス)等 (4) 金属不活性化剤;NAUGARD XL−1(ユニ
ロイヤル)、MARK CDA−1(アデカ・アーガ
ス)、MARK CDA−6(アデカ・アーガス)、L
RGANOX MD−1024(チバガイギー)、CUNO
X(三井東圧)等
【0028】特に好ましい酸化防止剤はフェノール系の
酸化防止剤であり、市販品としてはチバガイギー社のイ
ルガノックス各種と住友化学(株)のSumilizer BH
T、Sumilizer BH−76、Sumilizer WX−R、Sum
ilizer BP−101等である。また、人体に悪影響が無
く、酸化防止効果が大きいのでビタミンEも好ましい。
また、2,6−ジ−ヒブチル−p−クレゾール(BH
T)、低揮発性の高分子量フェノール型酸化防止剤(商
品名:Ireganox 1010、Ireganox 1076、Topanol C
A、Ionox 330等)、ジラウリルチオジプロピオネー
ト、ジステアリルチオプロピオネート、ジアルキルフォ
スフェート等の1種以上、特に2種以上を併用するのが
効果的である。
【0029】本発明に用いられるヒンダードフェノール
系酸化防止剤としては、通常市販されている酸化防止剤
であって、写真感光材料包装用樹脂組成物に適用した場
合に、写真感光材料にカブリの発生や増減感等の障害の
ないものであればいずれも使用可能であるが、特に下記
のヒンダードフェノール系酸化防止剤が好適である。例
えば、1.3.5−トリメチル−2.4.6−トリス(3.
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベン
ゼン、テトラキス〔メチレン(3.5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメート)〕メタン、
オクタデシル−3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシ−ヒドロシンナメート、2.2'.2''−トリス〔3.
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオニルオキシ〕エチルイソシアヌレート、1.3.5−
トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2.6−
ジ−メチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス
(2.4−ジ−tert−ブチルフェニル)4.4'−ビフェ
ニレンジ亜リン酸エステル、4.4'−チオビス(6−te
rt−ブチル−0−クレゾール)、2.2'−チオビス−
(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、トリス
−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフ
ェニル)ブタン、2.2'−メチレン−ビス−(4−メチ
ル−6−tert−ブチルフェノール)、4.4'−メチレン
−ビス−(2.6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4.
4'−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブ
チルフェノール)、2.6−ジ−tert−ブチル−4−メ
チルフェノール、4−ヒドロキシ・メチル−2.6−ジ
−tert−ブチルフェノール、2.6−ジ−tert−ブチル
−4−n−ブチルフェノール、2.6−ビス(2'−ハイ
ドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルベンジル)
−4−メチルフェノール、4.4'−メチレン−ビス−
(6−tert−ブチル−0−クレゾール)、4.4'ブチリ
デン−ビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)。
【0030】ブリードアウトや熱分解が少なく、写真感
光材料に対する悪影響も小さい点等から融点(Melting
point)が100℃以上のものが好ましく、特に120℃以上
のものが好ましい。
【0031】酸化防止剤の添加量は、0.0005〜1.0重量
%、0.001〜0.5重量%が好ましく、0.005〜0.3重量%が
より好ましい。添加量が0.0005重量%未満では、添加効
果がほとんどなく、添加量が1.0重量%を越えると、酸
化、還元作用を利用する写真感光材料に悪影響があり、
写真性能に異常(カブリや感度変動)が発生する場合が
ある。さらに、コストアップになり、経済的にも好まし
くない。
【0032】酸化防止剤とカーボンブラックと併用する
と酸化防止効果が相乗的に発揮されるので好ましい。ま
た、フェノール系酸化防止剤と燐系酸化防止剤とカーボ
ンブラックを併用すると、酸化防止効果が特に大きく発
揮されるので好ましい。
【0033】その他プラスチック データ ハンドブック
(KK工業調査会発行)の794〜799ページに開示された
各種酸化防止剤やプラスチック添加剤データー集(KK
化学工業社)の327〜329ページに開示された各種酸化防
止剤やPLASTICS AGE ENCYCLOPEDIA進歩編 1986(KKプ
ラスチック・エージ)の211〜212ページに開示された各
種酸化防止剤等を選択して用いることが可能である。
【0034】炭素数2〜7のアシル基及び炭素数8〜30
のアシル基を有するグリセリド(以下、混成グリセリド
という。)及び防滴剤は、包装袋の内側に水滴が発生す
るのを防止し、添加物のブリードアウトを均一化し、経
時のヒートシール強度の部分的低下によるピンホールの
発生やヒートシール部の剥離を防止するために添加され
る。
【0035】この炭素数2〜7のアシル基及び炭素数8
〜30のアシル基を有するグリセリド(以下、混成グリセ
リドという。)及び防滴剤としては、ジグリセリンモノ
ステアリン酸エステル、ポリグリセリンモノパルミチン
酸エステル、ソルビタンモノラウリン酸エステル、ソル
ビタンモノステアリン酸エステル、ソルビタンモノステ
アリン酸エステル、ソルビタンモノオレイン酸エステ
ル、ソルビタンモノエルカ酸エステル、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸モノグリ
セライド、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテ
ル、ソルビタンセスキパルミテート、ジグリセリンセス
キオレエート、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビト
ール脂肪酸・二塩基酸エステル、ジグリセリン脂肪酸・
二塩基酸エステル、グリセリン脂肪酸・二塩基酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸・二塩基酸エステル、ソルビタン
パルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンパ
ルミテート・プロピレンオキサイド3モル付加物、ソル
ビタンパルミテート・プロピレンオキサイド2モル付加
物、ソルビトールステアレート、ソルビトールステアレ
ート・エチレンオキサイド3モル付加物、ジグリセリン
パルミテート、グリセリンパルミテート、グリセリンパ
ルミテート・エチレンオキサイド2モル付加物などがあ
る。
【0036】混成グリセリド及び/又は防滴剤の含有量
は、0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3.5重量%、
特に好ましくは0.01〜2.0重量%である。0.001重量%未
満では添加効果がほとんどなく、混練経費増になるだけ
である。添加量が5重量%を越えると樹脂とスクリュー
間でスリップが発生して、安定した樹脂の吐出量が得ら
れない。また、増量しても増量効果が得られないだけで
なく、かえってブリードアウトが増加し、ベトツキが多
くなりブロッキングが発生しやすくなる。
【0037】遮光性物質の代表例を以下に示す。 (1) 無機化合物 A.酸化物…シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチ
モン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライ
ト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アルミナ繊
維等 B.水酸化物…水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム C.炭酸塩…炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロ
マイト、ドーソナイト等 D.(亜)硫酸塩…硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫
酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等 E.ケイ酸塩…タルク、クレー、マイカ、アスベスト、
ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カ
ルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト等 F.炭素…カーボンブラック、グラファイト、炭素繊
維、炭素中空球等 G.その他…鉄粉、銅粉、鉛粉、アルミニウム粉、硫化
モリブデン、ポロン繊維、炭化ケイ素繊維、黄銅繊維、
チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜
鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナ
トリウム、アルミニウムペースト、タルク等 (2) 有機化合物 木粉(松、樫、ノコギリクズなど)、殻繊維(アーモン
ド、ピーナッツ、モミ殻など)、木綿、ジュート、紙細
片、セロハン片、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、
デンプン、芳香族ポリアミド繊維等 これらの遮光性物質の中で、不透明化する無機化合物が
好ましく、特に、耐熱性、耐光性が優れ比較的不活性な
物質であるので、光吸収性のカーボンブラックと窒化チ
タンとグラファイトが好ましい。
【0038】カーボンブラックの原料による分類例をあ
げるとガスブラック、ファーネスブラック、チャンネル
ブラック、アントラセンブラック、アセチレンブラッ
ク、ケッチェンカーボンブラック、サーマルブラック、
ランプブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジ
タブルブラック等がある。
【0039】実際の製品としては、例えば三菱化成製の
カーボンブラック#20(B)、#30(B)、#33(B)、#40
(B)、#44(B)、#45(B)、#50、#55、#100、#600、
#2200(B)、#2400(B)、MA8、MA11、MA100等が
挙げられる。海外の製品としては例えばキャボット社の
Black Pearls 2,46,70,71,74,80,81,607等、
Regal 300,330,400,660,991,SRF−S等、Vul
can3,6等、Sterling 10,SO,V,S,FT−F
F、MT−FF等が挙げられる。さらにアシュランドケ
ミカル社のUnited R,BB,15,102,3001,3004,3
006,3007,3008,3009,3011,3012,XC−3016,X
C−3017,3020等が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
【0040】本発明では遮光性、コスト、物性向上の目
的ではファーネスカーボンブラックが望ましく、高価で
あるが帯電防止効果を有する遮光性物質としてはアセチ
レンカーボンブラック、変性副生カーボンブラックであ
るケッチェンカーボンブラックが望ましい。必要により
前者と後者を必要特性に従ってミックスすることも望ま
しい。遮光性物質をポリエチレン系ポリマーに配合する
形態は上記のように種々あるが、マスターバッチ法がコ
スト、作業場の汚染防止等の点で望ましい。公知文献の
特公昭40−26196号公報では有機溶媒に溶解した重合体
の溶液中にカーボンブラックを分散せしめて、重合体−
カーボンブラックのマスターバッチをつくる方法を、特
公昭43−10362号公報にはカーボンブラックをポリエチ
レンに分散してマスターバッチをつくる方法を述べてい
る。
【0041】本発明の写真感光材料用包装材料として使
用する上でカブリの発生がなく、感光度の増減の発生が
少なく、遮光能力が大きく、L−LDPE樹脂フィルム
に添加した場合でもカーボンブラックの固り(ブツ)の
発生やフィッシュアイ等フィルム中にピンホールが発生
しにくい点でカーボンブラックの中でも特にpHが6.0〜
9.0、平均粒子径が10〜120mμ、揮発成分が2.0%以
下、吸油量が50ml/100g以上のファーネスカーボンブラ
ックが遮光性向上と分散性向上、物理特性低下の少ない
点で好ましい。写真性能に悪影響を与えない点ではpHが
6.0〜9.0、揮発成分が2.0%以下、灰分が0.5%以下、硫
黄含有量が0.5%以下のファーネスカーボンブラックと
アセチレンカーボンブラックが好ましい。
【0042】上記遮光性物質は、使用樹脂、使用機械、
コスト等により使用形態として、粉末状着色剤、ペース
ト状着色剤、潤性着色剤、マスターバッチ、染顔料、カ
ラードペレット等がある。遮光性物質の添加量は、全体
として光学濃度が5以上にすることが好ましく、光学濃
度が7.0以上がより好ましい。いずれにしても写真感光
材料用包装材料として用いる時は、被包装物の写真感光
材料に光カブリを発生させない(本発明では完全遮光と
言う)ことが必須である。
【0043】以上のような樹脂及び添加剤で遮光性ポリ
オレフィン樹脂フィルムが形成されている。この遮光性
ポリオレフィン樹脂フィルムには、その他、必要により
各種添加剤及び樹脂を含有させてもよい。例えば、遮光
性ポリオレフィン樹脂フィルム同士を接着剤層を介さず
引き取りロール(スクイズロール)等の圧着により接着
積層しやすくするために、粘着付与剤(テルペン樹脂,
クマロン樹脂,石油樹脂,脂環族飽和炭化水素樹脂,脂
肪族炭化水素,低重合度ポリブテン,低重合度ポリイソ
ブチレン,クマロン・インデン樹脂,ロジン等)を少な
くとも1種、必要ならば2種以上併用することが好まし
い。添加量は0.1〜25重量%、好ましくは0.5〜20重量%
であり、最も好ましくは1〜10重量%である。粘着付与
剤添加により防滑性も向上し、荷崩れ防止となる。
【0044】一方、廃棄物として埋立て処理する場合を
考えると、現在、研究が進められている、または一部市
場に導入されているような分解性プラスチックを利用す
ればよい。例えば、生分解性を有するポリマーとしてI
CI「BIOPOL」、UCC「ポリカプロラクトン等
を利用するとか、あるいは生分解を受けやすい天然、あ
るいは合成高分子を添加剤として配合することによって
間接的に崩壊させるポリマー、またはデンプン配合ポリ
エチレン等を利用することもできる。
【0045】特に、最近安価で、微生物の働きで二酸化
炭素と水に分解する化学合成の生分解性プラスチックと
して発売された、昭和高分子(株)製の「ビオノーレ」
(ジカルボン酸等から化学合成した特殊なポリエステル
系樹脂)やイタリアのノバモント社製の「マタービー」
(トウモロコシのでんぷんと生分解性を持つ変性ポリビ
ニールアルコールのポリマーアロイ)を本発明の写真感
光材料用包装材料の一つ以上の層に50重量%以上、好ま
しくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、最
も好ましくは90重量%以上含ませることが産業廃棄物処
理性向上の点で好ましい。特に、ヒートシールされる写
真感光材料と接触する層以外の層の一つ以上に用いるこ
とが好ましい。
【0046】また、光分解性のポリマーを利用すること
も可能である。例えば、ポリエチレン重合時に主鎖に光
増感基としてカルボニル基を導入したエチレンと一酸化
炭素との共重合によるECOコポリマーを利用すると
か、あるいは添加剤として遷移金属塩、酸化促進剤、光
増感材等をベースポリマーに加え、光分解性を付与した
ものを利用することができる。さらにまた生分解性を有
するポリマー、光分解性ポリマー、水に可溶なポリマー
等の分解性ポリマーの1種以上を併用してもよい。
【0047】本発明の写真感光材料用包装材料は、上述
した遮光性ポリオレフィン樹脂フィルムを有しており、
その態様としては、遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム
が単独で用いられていても、共押出しフィルムの一部と
して用いられていてもよい。また、遮光性ポリオレフィ
ン樹脂フィルムの他、各種の紙不織布、金属箔、各種フ
ィルム等のフレキシブルシートを積層してもよい。
【0048】本発明の写真感光材料用包装材料で包装す
ることができる写真感光材料の例を以下に示す。 ハロゲン化銀写真感光材料(印刷用フィルム、カラー
印画紙、カラーフィルム、印刷用マスター紙、DTR感
光材料、電算写植フィルム及びペーパー、マイクロフィ
ルム、映画用フィルム、自己現像型写真感光材料、直接
ポジ型フィルム及びペーパー等) 熱現像感光材料(熱現像カラー感光材料、熱現像白黒
感光材料(例えば特公昭43−4921号公報、同43−4924号
公報、「写真工学の基礎」銀塩写真編(1879年コロナ社
刊行)の553頁〜555頁及びリサーチ・ティスクロージャ
ー誌 1978年6月号9頁〜15頁(RD−17029)等に記載
されているもの。さらに、特開昭59−12431号公報、同6
0−2950号公報、同61−52343号公報や米国特許第4,584,
267号明細書に記載されている転写方式の熱現像カラー
感光材料等)) 感光・感熱性記録材料(特開平3−72358号公報等に
記載されているフォトサーモグラフィー(感光・感熱画
像形成方法)を用いた記録材料) ジアゾニウム写真感光材料(4−モルフォリノベンゼ
ンジアゾニウムマイクロフィルム、マイクロフィルム、
複写用フィルム、印刷用版材等) アジド、ジアジド系写真感光材料(パラアジドベンゾ
エード、4,4'ジアジドスチルベン等を含む感光材料、
例えば複写用フィルム、印刷用版材等) キノンジアジド系写真感光材料(オルソーキノンジア
ジド、オルソーナフトキノンジアジド系化合物、例えば
ベンゾキノン(1,2)−ジアジド−(2)−4−スルフ
ォン酸フェニルエーテル等を含む感光材料、例えば印刷
用版材、複写用フィルム、密着用フィルム等) フォトポリマー(ビニル系モノマー等を含む感光材
料、印刷用版材、密着用フィルム等) ポリビニル桂皮酸エステル系感光材料(例えば印刷用
フィルム、IC用レジスト等)
【0049】本発明の写真感光材料用包装材料の包装形
態としては、各種写真感光材料用完全遮光包装袋、遮光
箱及び遮光マガジン用内貼りなどがある。
【0050】
【作用】本発明の写真感光材料用包装材料では、5重量
%以上のエチレン共重合体樹脂が経時ヒートシール強度
を維持し、低重合度ポリエチレン樹脂及び/又は低重合
エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂が添加剤を均一にブ
リードアウトさせ、白粉の発生やブロッキングの発生を
抑制し、樹脂の流動性を向上させ、ブツやメルトフラク
チャーの発生を防止すると共に低温ヒートシール性、遮
光性物質の均一分散性を優れたものにしている。滑剤は
ブロッキングしやすい低重合度ポリエチレン樹脂及び/
又は低重合エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂を含んで
いてもブロッキングを発生させない役割とフィルム成形
性向上、樹脂の流動性向上、遮光性物質の分散性向上を
達成している。酸化防止剤はポリオレフィン樹脂の熱分
解によるブツ、ケトン・アルデヒド等、写真感光材料に
悪影響を及ぼす物質が発生するのを防止している。さら
に、再生樹脂を写真感光材料用包装材料に再利用できる
働きをし、リサイクル化を可能にしている。
【0051】炭素数2〜7のアシル基及び炭素数8〜30
のアシル基を有するグリセリド及び/又は防滴剤がブリ
ードアウトによる白粉の発生を抑制又は見えにくくする
と共に、密封包装袋等の内・外表面に水滴が発生しない
ようにすると共に帯電防止性、ヒートシール性を向上さ
せている。遮光性物質は写真感光材料用包装材料に必須
の遮光性を確保すると共に、酸化防止作用の向上、再生
樹脂の酸化着色を着色(特に黒色化が好ましい)により
わかりにくくしてポリオレフィン樹脂のリサイクル化を
可能にしている。さらに、L−LDPE樹脂では物理強
度を向上させる働きをする。
【0052】
【実施例】本発明の写真感光材料用包装材料の実施例を
図面に基づいて説明する。図1から図10は写真感光材料
用包装材料の層構成を示す部分断面図である。
【0053】図1に示す写真感光材料用包装材料は、遮
光性ポリオレフィン樹脂フィルム1aの単層から形成さ
れている。
【0054】図2に示す写真感光材料用包装材料は、遮
光性ポリオレフィン樹脂フィルム層1aと、遮光性物質
を含む熱可塑性樹脂フィルム層2aとからなる遮光性二
層共押出しフィルムIaで形成されている。
【0055】図3に示す写真感光材料用包装材料は、遮
光性ポリオレフィン樹脂フィルム層1aと、遮光性物質
を含まない熱可塑性樹脂フィルム層2とからなる遮光性
二層共押出しフィルムIaで形成されている。
【0056】図4に示す写真感光材料用包装材料は、外
側(製袋した際、外側となる側)の遮光性ポリオレフィ
ン樹脂フィルム層1a'と内側(製袋した際、内側とな
る側)の遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層1aとか
らなる遮光性二層共押出しフィルムIaで形成されてい
る。
【0057】図5に示す写真感光材料用包装材料は、遮
光性ポリオレフィン樹脂フィルム層1aと、遮光性物質
を含まない熱可塑性樹脂フィルム層2と、これらの中間
に設けられた中間層3とからなる遮光性三層共押出しフ
ィルムIIaで形成されている。
【0058】図6に示す写真感光材料用包装材料は、遮
光性ポリオレフィン樹脂フィルム層1aとフレキシルシ
ート4とを接着剤層5で積層して形成されている。
【0059】図7に示す写真感光材料用包装材料は、図
2に示す遮光性二層共押出しフィルムIaと、フレキシ
ブルシート4に金属蒸着膜6を加工した金属蒸着膜加工
フレイシブルシート7とを、接着剤層5で積層して形成
されている。
【0060】図8に示す写真感光材料用包装材料は、外
側(製袋した際、外側となる側)の単層の遮光性ポリオ
レフィン樹脂フィルム1a'と内側(製袋した際、内側
となる側)の単層の遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム
1aとをブロッキングBにより積層して形成されてい
る。
【0061】図9に示す写真感光材料用包装材料は、図
4に示す遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム1a',1
aからなる遮光性二層共押出しフィルムIa,Iaを、
内側の遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム1a,1a同
士をブロキングBにより積層して形成されている。
【0062】図10に示す写真感光材料用包装材料は、図
2に示す遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム1aと熱可
塑性樹脂フィルム層2aとからなる二層共押出しフィル
ムIa、Iaを、接着剤層5で積層して形成されてい
る。
【0063】実施例1 図1に示す層構成と同一の遮光性ポリオレフィン樹脂フ
ィルム1aの単層からなる写真感光材料用包装材料であ
る。遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム1aの樹脂組成
は、ポリオレフィン樹脂として、MIが1.5g/10分、密
度が0.928g/cm3、融点が120℃のエチレン・4−メチル
−ペンテン−1共重合体樹脂78.35重量%とMIが1.3g/
10分、密度が0.948g/cm3、融点が121℃のホモポリエチ
レン樹脂15重量%、低重合度ポリエチレン樹脂として、
高圧法ホモ低密度ポリエチレン樹脂製造時に副生する数
平均分子量3500の低重合ポリエチレン樹脂2重量%、滑
剤として、ステアリン酸マグネシウム0.1重量%、酸化
防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であ
るイルガノックス1010(チバガイギー社製)0.05重量
%、混成グリセリドとして、ジアセチルモノラウリルグ
リセリン1.0重量%、防滴剤として、オレイン酸モノグ
リセライド0.3重量%、遮光性物質として、pHが7.7、平
均粒子径が21mμ、硫黄含有量が0.25重量%、シアン化
合物が100ppm以下、吸油量が90ml/100gのファーネスカ
ーボンブラック3重量%、有機造核剤として1・3,2
・4−ジ−(p−メチルベンジリデン)ソルビトール0.
2重量%とした。遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム1
aの厚さは100μmで、インフレーションフィルム成形
機を用いて樹脂温度195℃で成形した。
【0064】この写真感光材料用包装材料は、物理強度
が大きく、ブリードアウト物質を含んでいるにも拘らず
経時ヒートシール強度の低下が少なく、ブリードアウト
による白粉の発生も帯電防止性が優れ、柔軟で低温ヒー
トシールによる密封・遮光が可能であった。さらに、ブ
ツ(異物状の固り)の発生やメルトフラクチャーの発生
が少なく、外観も優れていた。さらにまた写真感光材料
の写真性に悪影響を及ぼす物質が少ないファーネスカー
ボンブラックを用い、かつポリオレフィン樹脂の熱分解
により発生するケトンやアルデヒド等も酸化防止剤の添
加により抑制したので2年間低温倉庫に保管後も写真性
の劣化が少なく使用できるものであった。
【0065】実施例2 図4に示す層構成と同一の遮光性二層共押出しフィルム
からなる写真感光材料用包装材料である。外側の遮光性
ポリオレフィン樹脂フィルム1a'の樹脂組成は、実施
例1と同一の樹脂組成とした。内側遮光性ポリオレフィ
ン樹脂フィルム1aの樹脂組成は、ポリオレフィン樹脂
として、MIが2.0g/10分、密度が0.920g/cm3、融点が1
15℃のエチレン・オクテン−1共重合体樹脂が78.9重量
%、MIが3.0g/10分、密度が0.920g/cm3、融点が105℃
の高圧法ホモ低密度ポリエチレン樹脂15重量%の混合樹
脂、低重合度ポリエチレン樹脂として、高圧法ホモ低密
度ポリエチレン樹脂製造時に副生する数平均分子量2500
の低重合ポリエチレン樹脂2重量%、滑剤として、エル
カ酸アミド0.05重量%、酸化防止剤として、ヒンダード
フェノール系酸化防止剤であるテトラキス〔メチレン−
3(3・5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕メタン0.05重量%、混成グリセリ
ドとして、ジアセチルモノオレイルグリセリン1重量
%、遮光性物質として、シアン化合物が100ppm以下、吸
油量が90ml/100gのファーネスカーボンブラック3重量
%とした。外側の遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム1
a'及び内側遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム1aと
も厚さ50μmで、インフレーションフィルム成形機を用
い190℃で形成した。
【0066】この写真感光材料用包装材料は、物理強度
が大きく、ブリードアウト物質を含んでいるにも拘らず
経時ヒートシール強度の低下が少なく、ブリードアウト
による白粉の発生もほとんどなく、低温ヒートシールに
よる密封遮光が可能であった。さらに、フィルム成形性
が優れており、カーボンブラックの分散も均一でブツの
発生が少なく、樹脂の流動性も向上したのでメルトフラ
クチャーの発生もなく、フィルムの外観も優れていた。
さらにまた実施例1と同様、特殊なカーボンブラックと
写真性に悪影響を与えることが少なく、ポリオレフィン
樹脂の熱による酸化分解を抑制するヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤を用いたので写真性が優れていた。
【0067】実施例3 図9に示す層構成と同一の4層の遮光性ポリオレフィン
樹脂フィルム1a',1a、1a,1a'からなる写真感
光材料用包装材料である。外側の遮光性ポリオレフィン
樹脂フィルム1a'の樹脂組成は、実施例2の外層の遮
光性ポリオレフィン樹脂フィルム1a'と同一の樹脂組
成とした。内側の遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム1
aの樹脂組成は、ポリオレフィン樹脂として、MIが2.
0g/10分、密度が0.920g/cm3、融点が115℃のエチレン・
オクテン−1共重合体樹脂が78.9重量%、MIが3.0g/1
0分、密度が0.920g/cm3、融点が105℃の高圧法ホモ低密
度ポリエチレン樹脂10重量%、低重合度ポリエチレン樹
脂として、高圧法ホモ低密度ポリエチレン樹脂製造時に
副生する数平均分子量2500の低重合ポリエチレン樹脂2
重量%、滑剤として、ステアリン酸マグネシウム0.05重
量%、酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化
防止剤であるテトラキス〔メチレン−3(3・5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン0.05重量%、混成グリセリドとして、ジアセ
チルモノオレイルグリセリン1重量%、遮光性物質とし
て、シアン化合物が100ppm以下、吸油量が90ml/100gの
ファーネスカーボンブラック3重量%、粘着付与剤であ
る脂環族飽和炭化水素樹脂5重量%とした。外側の遮光
性ポリオレフィン樹脂フィルム1a'及び内側遮光性ポ
リオレフィン樹脂フィルム1aとも厚さ25μmで、イン
フレーションフィルム成形機を用い190℃で形成し、こ
の二層共押出しフィルムIaを空冷後、ニップロールに
より内側遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム1a同士を
ブロッキングBにより積層した。
【0068】この写真感光材料用包装材料は、物理強度
が大きく、ブリードアウト物質を含んでいるにも拘らず
経時ヒートシール強度の低下が少なく、低温ヒートシー
ル適性を有するものであった。さらに、ブリードアウト
が均一に発生するので白粉の発生がほとんどなく、帯電
防止性、防滴性、密封遮光性が優れていた。さらにまた
フィルム成形性が良好でブツ及びメルトフラクチャーの
発生もほとんどなく外観が優れていた。写真性も良好で
あり、2年間低温倉庫保管後も使用可能であった。ま
た、ブロキッング接着されているので、実施例1及び実
施例2に比較して物理強度及び密封遮光性がより優れた
ものになっていた。
【0069】比較例1 実施例1の遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム1aの樹
脂組成の低重合度ポリエチレン樹脂を2重量%→0重量
%とし、エチレン・4メチルペンテン−1共重合体樹脂
を78.35重量%→80.35重量%に変更した他は、実施例1
と全く同一の樹脂組成とし、実施例1と同一厚さの100
μmの遮光性インフレーションフィルムをインフレーシ
ョンフィルム成形機を用いて樹脂温度195℃で成形し
た。この写真感光材料用包装材料は、ブリードアウトが
不均一で白粉が部分的に発生した。さらに、ヒートシー
ル温度を実施例1より2℃以上高くしないと完全密封が
困難であった。さらにまたフィルム成形性が実施例1よ
り悪化し、ブツやメルトフラクチャーの発生が多くなっ
た。
【0070】比較例2 実施例1の遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム1aの樹
脂組成の滑剤を0.1重量%→0重量%、酸化防止剤を0.0
5重量%→0重量%とし、エチレン・4メチルペンテン
−1共重合体樹脂を78.35重量%→78.5重量%に変更し
た他は、実施例1と全く同一の樹脂組成とし、実施例1
と同一厚さの100μmの遮光性インフレーションフィル
ムをインフレーションフィルム成形機を用いて樹脂温度
195℃で成形した。この写真感光材料用包装材料はブツ
が多発し、しかも写真感光材料のカブリが増加し、悪臭
も発生する写真感光材料用包装材料としては実用化に問
題があるものであった。
【0071】比較例3 実施例1の遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム1aの樹
脂組成の混成グリセリドを1.0重量%→0重量%、防滴
剤を0.3重量%→0重量%とし、エチレン・4メチルペ
ンテン−1共重合体樹脂を78.35重量%→78.48重量%に
変更した他は、実施例1と全く同一の樹脂組成とし、実
施例1と同一厚さの100μmの遮光性インフレーション
フィルムをインフレーションフィルム成形機を用いて樹
脂温度195℃で成形した。この写真感光材料用包装材料
は、写真感光材料を入れた密封遮光包装袋として低温倉
庫から取り出し、20℃以上の温度条件下に置くと密封遮
光包装袋の両面に水滴が観察された。さらに、実施例1
に比べ帯電防止性が悪化し、写真感光宇材料を密封遮光
包装袋から出し入れする時に火花放電と手に電気ショッ
クを受ける状態になった。さらにまた実施例1より、イ
ンフレーションフィルム成形性が悪化し、ファーネスカ
ーボンブラックの分散性が悪化した。特に、ブリードア
ウトによる白粉が観察され、商品価値を低下させるもの
であった。
【0072】比較例4 実施例1の遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム1aの樹
脂組成のエチレン共重合体樹脂であるエチレン・4メチ
ルペンテン−1共重合体樹脂78.35重量%→0重量%と
し、ホモポリエチレン樹脂を15重量%→93.35重量%に
変更した他は、実施例1と全く同一の樹脂組成とし、実
施例1と同一厚さの100μmの遮光性インフレーション
フィルムをインフレーションフィルム成形機を用いて樹
脂温度195℃で成形した。この写真感光材料用包装材料
は、物理強度が小さく、経時ヒートシール強度が低下
し、ピンホールやヒートシール剥がれが発生し、完全密
封遮光性を確保することが困難であった。
【0073】比較例5 実施例1の遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム1aの樹
脂組成のファーネスカーボンブラック3重量%→pHが4.
2、平均粒子径が84mμ、揮発成分が4.5%、吸油量が12
1ml/100g、硫黄が0.51%、灰分が0.02%のチャンネル
カーボンブラック3重量%とした他は、実施例1と全く
同一の樹脂組成とし、実施例1と同一厚さの100μmの
遮光性インフレーションフィルムをインフレーションフ
ィルム成形機を用いて樹脂温度195℃で成形した。この
写真感光材料用包装材料は6ヵ月経時で写真感光材料に
カブリを大きく発生させ、異常な増感も同時に発生させ
るもので写真感光材料用包装材料としては実用化不可の
ものであった。
【0074】実施例4 図7に示す層構成と同一の5層構成の積層フィルムから
なる写真感光材料用包装材料である。厚さ15μmのアル
ミニウム真空蒸着(蒸着膜の厚さ400Å)二軸延伸ナイ
ロン樹脂フィルム7に接着剤層5としての厚さ13μmの
MIが5.1g/10分、密度が0.917g/cm3のLDPE樹脂エ
クストルージョンラミネート接着剤層を介して遮光性二
層共押出しインフレーションフィルム1aを積層したも
のである。接着強度は32g/15mm巾であった。厚さ75μm
の遮光性二層共押出しインフレーションフィルム1aは
遮光性熱可塑性樹脂フィルム層2aが厚さ35μmのMI
が0.7g/10分、密度が0.960g/cm3の高密度ホモポリエチ
レン樹脂10重量%、エルカ酸アミド0.05重量%、ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤0.05重量%、実施例1と同
一のファーネスカーボンブラック3重量%、MIが1.5g
/10分、密度が0.925g/cm3のエチレン・オクテン−1共
重合体樹脂86.9重量%から成り、厚さ40μmの遮光性ポ
リオレフィン樹脂フィルム層1aが実施例1と同一の樹
脂組成からなるものである。
【0075】この写真感光材料用包装材料は、物理強度
が大きく、ブリードアウト物質を含んでいるにも拘ら
ず、経時ヒートシール強度の低下が少なく、帯電防止
性、防湿性、酸素バリヤ性が非常に優れていた。接着強
度が32g/15mm巾と小さくしてあるのでカーリングの発生
が少なく、引裂き強度や衝撃穴あけ強度は従来の強い接
着強度の接着剤層で積層した積層フィルムより50%以上
大きく優れていた。外観も銀色で太陽光下に放置されて
も包装袋内の温度上昇がほとんどなく、写真性の劣化も
小さい写真感光材料用包装袋として最適のものであっ
た。
【0076】さらにこの包装材料は表(銀色)・裏(黒
色,ヒートシールされる層)が一目で判別でき、ヒート
シールする面の間違いが皆無になると共に、セーフライ
ト下での表裏判別も可能になり、表・裏の融点も70℃以
上の差があり(表が高融点)、ヒートシールによる製袋
適性、耐ピンホール適性が非常に優れていた。ヒートシ
ールされる側に本発明の遮光性ポリオレフィン樹脂フィ
ルム層を配置したので、ポリオレフィン樹脂の熱分解や
酸化分解により発生する写真感光材料の写真性(カブリ
や感度等)に悪影響を及ぼすケトンやアルデヒド等も酸
化防止剤の添加効果と、表側に積層した厚さ15μmのア
ルミニウム真空蒸着二軸延伸ナイロン樹脂フィルム7の
防湿、酸素バリヤ性向上効果によりほとんど発生しない
ので2年間低温倉庫に保管後も写真性の劣化が少ないも
のであった。また、接着強度の小さい接着剤層5からア
ルミニウム真空蒸着二軸延伸ナイロン樹脂フィルム7を
使用後剥離することにより、遮光性二層共押出しインフ
レーションフィルム1aはリサイクル可能になる。
【0077】実施例5 実施例4の厚さ15μmのアルミニウム真空蒸着二軸延伸
ナイロン樹脂フィルムの代わりに、実施例1と同一のフ
ァーネスカーボンブラックを4.5重量%含む厚さ45μm
の遮光性二軸延伸高密度ホモポリエチレン樹脂フィルム
からなる遮光性フレキシブルシート4aを用い、接着剤
層5として実施例4のLDPE樹脂にLDPE樹脂製造
時に副生する数平均分子量約2500の低重合度ホモポリエ
チレン樹脂5重量%を添加した厚さ10μmの接着剤層を
用いた。2つの被接着体にはコロナ放電処理やアンカー
剤塗布等の従来一般に行われている表面活性化処理は施
さなかった。
【0078】遮光性二層共押出しインフレーションフィ
ルムの層構成、樹脂組成は実施例4と同一であるが厚さ
は75μm→45μmにした。即ち、遮光性熱可塑性樹脂フ
ィルム層2aを35μm→20μmに、遮光性ポリオレフィ
ン樹脂フィルム層1aを40μm→25μmに変更した他
は、全く同一の遮光性二層共押出しインフレーションフ
ィルム1aを用いた。この包装材料の接着強度は12g/15
mm巾であり、層間剥離させると遮光性二軸延伸高密度ホ
モポリエチレン樹脂フィルム4aから接着剤層5が剥離
し、遮光性二層共押出しインフレーションフィルム1a
と接着剤層5は強く接着していて分離困難であった。
【0079】この写真感光材料用包装材料は、引裂き強
度、衝撃穴あけ強度が非常に優れ、実施例4より30%以
上大きい値を示した。ブリードアウト物質を含んでいる
にもかかわらず、経時ヒートシール強度の低下が少な
く、防湿性、酸素バリヤ性も実施例1、2、3のいずれ
よりも優れていた。弱接着剤層5を介して2つの同じ厚
さの遮光性フィルムを積層した層構成なのでカーリング
がほとんど発生せず、実質的に二重袋と同じ働きをする
ので耐ピンホール性、ゲルボテスト強度、破袋強度が優
れるものであった。表・裏の融点も30℃以上の差があり
(表が高融点)、ヒートシールによる製袋適性が優れて
いた。さらに、包装材料の層構成がすべてポリエチレン
系樹脂なので使用後はリサイクルが可能である。必要が
あれば、高融点の遮光性二軸延伸高密度ホモポリエチレ
ン樹脂フィルム4aと遮光性二層共押出しインフレーシ
ョンフィルム1aを接着強度の小さい接着剤層をさかい
にして分離してリサイクルすることも可能である。
【0080】実施例6 実施例5の遮光性フレキシブルシート4aの二軸延伸高
密度ホモポリエチレン樹脂フィルムの代わりに、厚さ35
μmのカーボンブラックを3重量%含むタテ一軸延伸ポ
リプロピレン樹脂フィルム4aを用い、接着剤層5とし
て厚さ20μmの酸変性ポリエチレン樹脂を15重量%添加
した実施例4で用いたLDPE樹脂からなるエクストル
ージョンラミネート接着剤層を用いた他は、実施例5と
同一の層構成、樹脂組成である。
【0081】この写真感光材料は、耐ピンホール性、破
袋強度が優れているにもかかわらず、タテ方向にノッチ
を形成した密封遮光包装袋とすると手で簡単にかつ切口
を1直線の状態で開封することができる易開封性包装材
料である。ブリードアウト物質を含んでいるにもかかわ
らず、経時ヒートシール強度の低下が少なく、防湿性、
酸素バリヤ性も実施例1、2、3のいずれよりも優れて
いた。カーリングが少なく製袋適性も優れ、リサイクル
適性も有するものである。
【0082】以上本発明の好ましい実施例について詳述
したが、本発明はこれらに限定されるものでなく、種々
の実施態様が可能である。実施例以外の好ましい代表例
を以下に記載するが、本発明はこれらに限定されるもの
でないことは言うまでもない。
【0083】(1) 本発明の遮光性ポリオレフィン樹脂フ
ィルムには、接着剤層を介して又は接着剤層を介さずに
各種の金属箔や各種の熱可塑性樹脂フィルム等の各種の
フレキシブルシートを積層することができる。このフレ
キシブルシート及び接着剤層には、各種の遮光性物質を
含ませて遮光性を持たせることができる。代表的なフレ
キシブルシートとしては、熱可塑性樹脂フィルム、例え
ば各種ポリエチレン樹脂、エチレン共重合体樹脂、ポリ
プロピレン樹脂、プロピレン共重合体樹脂、ポリ塩化ビ
ニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリアクリルニトリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リエステル樹脂などの公知のフィルム及びこれらの変性
樹脂フィルム又はこれらの一軸又は二軸延伸フィルム等
がある。また、トリアセテートフィルム、セロファン、
再生セルロースフィルム、EVOH(エバール)樹脂フ
ィルム、紙、合成紙、不織布等がある。
【0084】特に好ましいフレキシブルシートは、写真
感光材料に悪影響を与えない坪量が20〜400g/m2の各種
の紙(故紙、再生紙、未晒クラフト紙、半晒クラフト
紙、晒クラフト紙、ヒネリ原紙、クルパック紙、デュオ
ストレス紙、白板紙、写真用原紙、上質紙、高収率パル
プを用いた中質紙、純白ロール紙、コート紙、模造紙、
グラシン紙)、不織布、合成紙と二軸延伸熱可塑性樹脂
フィルムである。
【0085】これらのフレキシブルシートは、1種又は
2種以上を組み合わせて用いることができ、ヒートシー
ル層として用いられる前記滑性熱可塑性樹脂層より10℃
以上融点が高いことが製袋適性向上やシワや破れ等を防
ぎ、外観向上の点から好ましい。特に好ましいのは二軸
延伸熱可塑性樹脂フィルムで厚さは5〜70μm、好まし
くは7〜50μm、特に好ましいのは10〜35μmである。
また、フレキシブルシートのヤング率は50kg/mm2以上が
好ましい。
【0086】接着剤層は、末端にイソシアネート基を有
するポリエステル系樹脂又はポリエーテル系樹脂からな
る溶液型接着剤が好ましい。この溶液型接着剤層は薄層
でも接着強度が大きく、柔軟性を確保しながら易開封
性、略一直線状の切り口を確保できるので好ましい。
【0087】(2) 接着剤層の接着強度はタテ,ヨコ両方
の引裂強度、衝撃穴あけ強度、ゲルボテスト強度等の物
理強度を向上させる時は2つの被積層物間の剥離強度
(180度のピーリング試験,ASTM D-903の試験機使用)
が300g/15mm巾以下、好ましくは100g/15mm巾以下、特に
好ましくは50g/15mm巾以下の弱接着剤層とする。然し、
製袋工程又はラミネート工程では剥離しない程度の強度
が必要で0.1g/15mm巾以上、好ましくは1g/15mm巾以
上、特に好ましくは5g/15mm巾以上である。ブロッキン
グ接着強度も略同様である。
【0088】このように弱い接着強度の接着剤層(本発
明では弱接着層と表示)にするには、接着剤層の厚み
を小さくする、被接着物の表面にコロナ放電処理,フ
レーム処理,プラズマ処理,紫外線照射処理,電子線照
射処理,プレヒート処理,アンカーコート処理等の表面
処理を施さない、接着剤層の温度を下げる、弱接着
強度樹脂組成物からなる接着剤層とする、2種以上の
相溶性の良くない樹脂組成物からなる接着剤層とする、
層間剥離しやすい多層共押出しエクストルージョンラ
ミネート接着剤層とする、等の方法の1つまたは2つ以
上を組み合わせて用いる。
【0089】(3) 易開封性の写真感光材料用包装材料と
する時はフレキシブルシート、特に好ましいのは金属
箔、一軸延伸熱可塑性樹脂フィルムと本発明の遮光性ポ
リオレフィン樹脂フィルムを接着強度(180度のピーリ
ング試験,ASTM D 903の試験機使用)が350g/15mm巾以
上、好ましくは500g/15mm巾以上、特に好ましくは700g/
15mm巾以上の強接着剤層を介して積層する。このように
強い接着強度の接着剤層(本発明では強接着剤と表示)
にするには、前記(2)の弱接着剤層にするのと全く逆に
すればよい。強接着剤層にする好ましい接着性樹脂とし
て酸変性樹脂がある。また、別の接着剤層としては、接
着性樹脂を5〜40重量%含むポリオレフィン系樹脂エク
ストルージョンラミネート接着剤層も好ましい。
【0090】この接着性樹脂は、ポリオレフィン樹脂と
不飽和カルボン酸類とをグラフト変性した変性ポリオレ
フィン樹脂をいい、例えばグラフト変性ポリエチレン樹
脂、グラフト変性ポリプロピレン樹脂、グラフト変性エ
チレン共重合体樹脂(EVA樹脂、EEA樹脂、L−L
DPE樹脂、EMA樹脂等)等がある。
【0091】不飽和カルボン酸類は、その誘導体も含め
て総称するもので、代表例をあげるとアクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、テト
ラヒドロフタル酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、シトラ
コン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸、
(エンドシス−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エン
−2,3−ジカルボン酸)、無水マレイン酸、無水シト
ラコン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、メタク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル
酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モ
ノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマ
ル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、
イタコン酸ジエチルエステル、アクリル酸アミド、メタ
クリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジア
ミド、マレイン酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸
−N,N−ジエチルアミド、マレイン酸−N−モノブチ
ルアミド、マレイン酸−N,N−ジブチルアミド、フマ
ル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸−N−モ
ノエチルアミド、フマル酸−N,N−ジエチルアミド、
フマル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−
ジエチルアミド、フマル酸−N−モノブチルアミド、フ
マル酸−N,N−ジブチルアミド、マレイミド、マレイ
ン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マタクリル酸カ
リウム、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸亜鉛、アク
リル酸マグネシウム、アクリル酸カルシウム、メタクリ
ル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カ
リウム、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、塩化マレニル、グリシジルマレエート、マレイン酸
ジプロピル、アコニチン酸無水物、ソルビン酸等をあげ
ることができ、相互の混合使用も可能である。なかでも
アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ナジック酸
が好ましく、特に無水マレイン酸が好ましい。
【0092】変性ポリオレフィン樹脂における不飽和カ
ルボン酸類をグラフト変性させる方法は特に限定されな
い。例えば、溶融状態で反応させる特公昭43−27421号
公報等に開示の方法や、溶液状態で反応させる特公昭44
−15422号公報等に開示の方法や、スラリー状態で反応
させる特公昭43-18144号公報等に開示の方法や、気相状
態で反応させる特公昭50−77493号公報等に開示の方法
等がある。これらの方法の中で押出機を用いる溶融混練
法が操作上簡便で、かつ安価な方法なので好ましい。
【0093】不飽和カルボン酸類の使用量は、接着強度
確保のためポリオレフィン樹脂ベースポリマー(各種ポ
リエチレン樹脂、各種ポリプロピレン樹脂、各種ポリオ
レフィン共重合体樹脂、ポリブテン−1樹脂、ポリ−4
−メチルペンテン−1等のα−オレフィン共重合体樹脂
及びその共重合体樹脂)100重量部に対して0.01〜20重量
部、好ましくは0.2〜5重量部である。
【0094】ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸類
との反応を促進するために有機過酸化物等が用いられ
る。有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブ
チロニトリル、ジクミルパーオキサイド、α,α'ビス
(t−ブチルパーオキシジイプロピル)ベンゼン、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキシン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ク
メンヒドロパーオキサイド、t−ブチル−ハイドロパー
オキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパー
オキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、1,3ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)
ベンゼン、キュメンハイドロパーオキサイド、ジ−t−
ブチル−ジパーオキシフタレート、t−ブチルパーオキ
シマレイン酸、イソプロピルパーカーボネート等の有機
過酸化物、アソビスイソブチロニトリル等のアゾ化合
物、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物等がある。
【0095】これらは1種または2種以上の組合せで使
用してもよい。特に好ましいのは、分解温度が170℃〜2
00℃の間にあるジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−ク
ミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−ビス
(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンであ
る。
【0096】これらの過酸化物の添加量は特に制限され
ないが、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.005〜
5重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。市販の接
着性ポリオレフィン樹脂の代表例を以下に示す。 (1) 日本石油化学KK “Nポリマー” (2) 三井石油化学工業KK “ADMER” (3) 昭和電工KK “ER RESIN” (4) 三菱化成工業KK “ノバテック−AP” (5) 三菱油化KK “MODIC” (6) 日本ユニカーKK “NUC−ACE” (7) 宇部興産KK “UBE BOND” (8) 東ソーKK “メルセンM” (9) 住友化学工業KK “ボンダイン” (10)三井・デュポンケミカルKK“CMPS”等 接着剤層に含まれる接着性ポリオレフィン樹脂の量は5
重量%以上が好ましく、10重量%以上が特に好ましい。
【0097】(4) 本発明の遮光性ポリオレフィン樹脂フ
ィルムを遮光性一軸分子配向ポリオレフィン樹脂フィル
ムとし、この分子配向較とクロスするように一軸分子配
向させた遮光性一軸分子配向熱可塑性樹脂フィルム層
を、前記(2)の弱接着剤層を介して積層した遮光性クロ
スラミネートフィルムは物理強度が非常に優れ、常に完
全遮光性を確保できる重量が大きい、エッジがシャープ
な写真感光材料の包装材料として最適である。
【0098】(5) 写真感光材料側の最内層(ヒートシー
ルされる層)には、各種帯電防止剤、導電性物質、導電
性樹脂、金属粉末、金属繊維、炭素繊維を添加し、表面
抵抗(ASTM D-257〜66)を1×1012以下、好ましくは1
×1011以下、特に1×1010以下にすることが写真感光材
料のスタチックマーク防止の点で好ましい。
【0099】
【発明の効果】本発明は、引裂き強度や衝撃穴あけ強度
等の物理強度、低温ヒートシール適性、経時ヒートシー
ル強度等を向上させることができ、かつ、添加剤が均一
にブリードアウトするので、帯電防止性、密封遮光性、
防滴性等を向上させることができる。また、フィルム成
形性を良好にでき、ブツ及びメルトフラクチャーの発生
もほとんど無くすることができる。さらに、防滑性及び
柔軟性が優れており、写真感光材料に対して悪影響を与
えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による写真感光材料用包装材料の一実
施例の層構成を示す部分断面図。
【図2】 本発明による写真感光材料用包装材料の他の
実施例の層構成を示す部分断面図。
【図3】 本発明による写真感光材料用包装材料の他の
実施例の層構成を示す部分断面図。
【図4】 本発明による写真感光材料用包装材料の他の
実施例の層構成を示す部分断面図。
【図5】 本発明による写真感光材料用包装材料の他の
実施例の層構成を示す部分断面図。
【図6】 本発明による写真感光材料用包装材料の他の
実施例の層構成を示す部分断面図。
【図7】 本発明による写真感光材料用包装材料の他の
実施例の層構成を示す部分断面図。
【図8】 本発明による写真感光材料用包装材料の他の
実施例の層構成を示す部分断面図。
【図9】 本発明による写真感光材料用包装材料の他の
実施例の層構成を示す部分断面図。
【図10】 本発明による写真感光材料用包装材料の他の
実施例の層構成を示す部分断面図。
【符号の説明】
1a…遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム 2…熱可塑性フィルム層 3…中間層 4…フレキシブルシート 5…接着剤層 6…金属蒸着膜 7…金属蒸着膜加工フレキシブルシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03C 3/00 585 G03C 3/00 585B B32B 27/20 B32B 27/20 Z 27/28 102 27/28 102 27/32 27/32 E 103 103 (56)参考文献 特開 昭62−179939(JP,A) 特開 昭63−42861(JP,A) 特開 平4−80745(JP,A) 特開 平3−125139(JP,A) 特開 平2−178653(JP,A) 実開 平2−132237(JP,U) 実開 平3−54937(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 3/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5重量%以上のエチレン共重合体樹脂を
    含むポリオレフィン樹脂と、数平均分子量が300〜8
    000の低重合度ポリエチレン樹脂及び/又は低重合度
    エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂0.1〜25重量%
    と、滑剤0.01〜5.0重量%と、融点が100℃以
    上のヒンダードフェノール系酸化防止剤0.0005〜
    1.0重量%と、炭素数2〜7のアシル基及び炭素数8
    〜30のアシル基を有するグリセリド及び/又は炭素数
    2〜7のアシル基及び炭素数8〜30のアシル基を有す
    防滴剤0.001〜5重量%と、遮光性物質とを含む
    光学濃度が5以上の遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム
    を具備していることを特徴とする写真感光材料用包装材
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン樹脂中のエチレン共
    重合体樹脂が、メルトインデックスが0.1〜20g/
    10分、密度が0.87〜0.94g/cmのエチレ
    ン・αオレフィン共重合体樹脂である請求項1記載の写
    真感光材料用包装材料
  3. 【請求項3】 前記低重合度ポリエチレン樹脂及び/又
    は低重合度エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂は、高圧
    法ポリエチレン樹脂製造時及び/又は高圧法のエチレン
    ・酢酸ビニル共重合体樹脂製造時に副生するワックスで
    ある請求項1記載の写真感光材料用包装材料
  4. 【請求項4】 前記遮光性物質が、PHが6.0〜9.
    0、揮発成分が2.0%以下、硫黄含有量が0.5%以
    下のファーネスカーボンブラック及び/又はアセチレン
    カーボンブラックである請求項1記載の写真感光材料用
    包装材料
  5. 【請求項5】 前記写真感光材料用包装材料の一つ以上
    の層に、生分解性ポリマー及び/又は光分解性ポリマー
    を50重量%以上含む請求項1記載の写真感光材料用包
    装材料
  6. 【請求項6】 前記滑剤が、常温における粘度が50〜
    100,000センチストークスのシリコン系オイルで
    ある請求項1記載の写真感光材料用包装材料
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