JP2981704B2 - 多層積層フィルム及びそれを用いた包装袋 - Google Patents

多層積層フィルム及びそれを用いた包装袋

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JP2981704B2
JP2981704B2 JP4281657A JP28165792A JP2981704B2 JP 2981704 B2 JP2981704 B2 JP 2981704B2 JP 4281657 A JP4281657 A JP 4281657A JP 28165792 A JP28165792 A JP 28165792A JP 2981704 B2 JP2981704 B2 JP 2981704B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真フィルムや印画紙
などの写真感光材料を包装するのに適した多層積層フィ
ルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、写真フィルムや印画紙などの写真
感光材料を包装する包装材料としては、多層共押出しイ
ンフレーションフィルムの内層をブロッキンにより接着
したものがあった(特開昭64−22544号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この包装材料は、物理
強度が大きく写真フィルムや印画紙などの包装材料とし
て好適なものであったが、ブロッキング時の条件により
ブロッキング接着が充分でない場合があった。すなわ
ち、多層共押出しインフレーションフィルム成形時の温
湿度、冷却効率の変動、成形フィルムの膜厚の変動、樹
脂組成、樹脂温度などにより、ブロッキング接着が発生
しなかったり、ブロッキング接着が部分的に発生した
り、全面にブロッキング接着が発生しても他のフレキシ
ブルシートとのラミネート工程や製袋工程で剥離するも
のであった。本発明は、以上の問題点を解決し、確実な
ブロッキング接着を行うことができる多層積層フィルム
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたもので、本発明の多層積層フィル
ムは、2層以上の多層共押出しインフレーションフィル
ムをブロッキング接着したものであって、ブロッキング
接着された多層共押出しインフレーションフィルムの内
層が低軟化点樹脂とブリードアウト性添加物とを含み、
該低軟化点樹脂が、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹
脂、テルペン系樹脂、クマロンインデン樹脂、キシレン
樹脂、石油系樹脂、エチレン・エチルアクリレート共重
合体樹脂、エチレン・メチルアクリレート共重合体樹
脂、エチレン・アクリル酸共重合体樹脂、平均分子量が
9000以下のポリオレフィン樹脂、密度が0.920
g/cm3以下のホモポリエチレン樹脂、密度が0.9
15g/cm3以下のエチレン・αオレフィン共重合体
樹脂、これらの樹脂の酸変性樹脂、および熱可塑性樹脂
エラストマーの1種以上で、ビカット軟化点が105℃
以下のものであり、前記ブリードアウト性添加物として
脂肪酸金属塩(金属石けん)を0.001〜10.0重量
%含んでいることことを特徴として構成されている。
【0005】低軟化性樹脂は、エチレン・酢酸ビニル共
重合体樹脂、エチレン・エチルアクリレート共重合体樹
脂、テルペン系樹脂、クマロンインデン樹脂、キシレン
樹脂、石油系樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン・アクリ
ル酸共重合体樹脂、平均分子量が9000以下のポリオレフ
ィン樹脂、密度が0.920g/cm3以下のホモポリエチレン
樹脂、密度が0.915g/cm3以下のエチレン・αオレフィ
ン共重合体樹脂、これらの樹脂の酸変性樹脂、および熱
可塑性樹脂エラストマーの1種以上でビカット軟化点が
105℃以下の樹脂である。
【0006】本発明の多層共押出しインフレーションフ
ィルムの外層、中間層用の樹脂及び内層の低軟化点樹脂
として又は低軟化点樹脂以外の混合樹脂として物理強
度、遮光性物質の分散性、ヒートシール適性等が優れて
いるので好ましい樹脂としてエチレン共重合体樹脂があ
る。
【0007】エチレン共重合体樹脂の代表例を以下に示
す。 (1) エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂 (2) エチレン−プロピレン共重合体樹脂 (3) エチレン−1−ブテン共重合体樹脂 (4) エチレン−ブタジエン共重合体樹脂 (5) エチレン−塩化ビニル共重合体樹脂 (6) エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂 (7) エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂 (8) エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂 (以後、EEA樹脂と表示) (9) エチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂 (10)エチレン−アクリル酸共重合体樹脂 (11)アイオノマー樹脂 (エチレンと不飽和酸との共重合物を亜鉛などの金属で
架橋した樹脂) (12)エチレン−αオレフィン共重合体樹脂 (L−LDPE樹脂) (13)エチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体樹
【0008】エチレン共重合体樹脂中では、フィルム成
形性及びヒートシール適性が良く、破袋強度、衝撃穴あ
け強度及び引裂き強度が大きいので、L−LDPE樹脂
とEEA樹脂が好ましい。また、必要特性に適合させる
ために、他の熱可塑性樹脂、ゴム、各種添加剤、改質剤
とブレンドして用いることも好ましい。
【0009】エチレン共重合体樹脂の中で特に好ましい
のはエチレン・αオレフィン共重合体樹脂で、一般には
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(以後、略号のL−LD
PE樹脂と表示する)と呼ばれる樹脂である。
【0010】L−LDPE(inear ow ensity
olyethylene)樹脂は第3のポリエチレン樹脂と称さ
れ、中低圧法、高圧法両ポリエチレン樹脂の利点を併せ
もつ省エネルギー、省資源という時代の要請に合致する
低コスト、高強度の樹脂である。この樹脂は低圧法又は
高圧改良法でエチレンと炭素数が3〜13個、好ましくは
4〜10個のα−オレフィンを共重合させたコポリマーで
線状の直鎖に短分岐をもった構造のポリエチレン系樹脂
である。物理強度やコストの点で好ましいα−オレフィ
ンとしてはブテン−1、オクテン−1、ヘキセン−1、
4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1などが使用され
る。
【0011】密度は一般に低中密度ポリエチレン樹脂程
度とされているが、市販品では0.870〜0.960g/cm3の範
囲内にあるものが多い。メルトインデックスは0.1〜50
g/10分の範囲内にあるものが多い。
【0012】L−LDPE樹脂の重合プロセスとしては
中・低圧装置を用いる気相法、液相法と高圧改良法装置
を用いるイオン重合法等がある。
【0013】これらのL−LDPE樹脂の中で物理強度
とヒートシール強度とフィルム成形性の点から特に好ま
しいのは、メルトインデックス(以後、MIと表示)が
0.8〜15g/10分(JIS K−6760)、密度が0.870〜
0.945g/cm3(JIS K−6760) 、そしてα−オレフィ
ンの炭素数が6〜8個の液相法プロセスと気相法プロセ
スで得られたものである。
【0014】L−LDPE樹脂の具体例を以下に示す。 エチレン・ブテン−1共重合体樹脂 GレジンとNUC−FLX(UCC社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) マーレックス (フィリップス社) スタミレックス (DSM社) エクセレンVL (住友化学) ネオゼックス (三井石油化学) 三菱ポリエチ−LL (三菱油化) 日石リニレックス (日本石油化学) NUCポリエチレン−LL(日本ユニカー) 出光ポリエチレンL (出光石油化学) エチレン・ヘキセン−1共重合体樹脂 TUFLIN (UCC社) TUFTHENE (日本ユニカー) エチレン・4メチルペンテン-1共重合体樹脂 ウルトゼックス (三井石油化学) エチレン・オクテン−1共重合体樹脂 スタミレックス (DSM社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) MORETEC (出光石油化学)
【0015】特に好ましい代表的な例を商品名であげる
と、ポリエチレンにα−オレフィン側鎖として炭素数が
6個の4−メチルペンテン−1を導入した三井石油化学
(株)のウルトゼックス及びα−オレフィン側鎖として炭
素数が8個のオクテン−1を導入した出光石油化学(株)
のMORETECとDSM社のスタミレックスとダウケ
ミカル社のダウレックスがある(以上、4社品共液相法
プロセスで得られたL−LDPE樹脂である。)。低圧
法の気相法プロセスで得られた好ましい代表的な例を商
品名であげると、α−オレフィン側鎖として炭素数が6
個のヘキセン−1を導入したUCC社のTUFLIN及
び日本ユニカー(株)のTUFTHENE等がある。
【0016】また、最近発売された密度が0.910g/cm3
未満の超低密度直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、例えば
UCC社のNUC−FLXや住友化学(株)のエクセレン
VLも好ましい(以上、2社品共α−オレフィンが炭素
数4個のブテン−1を使用)。
【0017】前記EEA樹脂は、その代表的製造メーカ
ーとしてユニオン・カーバイド社(アメリカ)、日本ユ
ニカー(株)、三菱油化(株)、住友化学(株)、三井ポリケ
ミカル(株)等がある。具体例として日本ユニカー(株)で
現在市販しているEEA樹脂の代表的銘柄名とそのコモ
ノマー含有量、メルトインデックス、及び密度を示す
(コモノマー含有量 NUC試験法で6%以上のも
の)。
【0018】
【表1】
【0019】ブリードアウト性添加剤としては、防曇
剤、界面活性剤系帯電防止剤、酸化防止剤、可塑剤、低
級脂肪酸、低級脂肪酸化合物、各種滑剤などがある。
【0020】防曇剤の代表例を以下に示す。ジグリセリ
ンモノステアリン酸エステル、ポリグリセリンモノパル
ミチン酸エステル、ソルビタンモノラウリン酸エステ
ル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ソルビタン
モノオレイン酸エステル、ソルビタンモノエルカ酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ステアリン酸モノグリセライド、パルミチン酸モノグリ
セライド、オレイン酸モノグリセライド、ラウリン酸モ
ノグリセライド、ポリオキシエチレンノニルフェノール
エーテル、ソルビタンセスキパルミテート、ジグリセリ
ンセスキオレエート、ソルビトール脂肪酸エステル、ソ
ルビトール脂肪酸・二塩基酸エステル、ジグリセリン脂
肪酸・二塩基酸エステル、グリセリン脂肪酸・二塩基酸
エステル、ソルビタン脂肪酸・二塩基酸エステル、ソル
ビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビ
タンパルミテート・プロピオレンオキサイド3モル付加
物、ソルビタンパルミテート・プロピオレンオキサイド
2モル付加物、ソルビトールステアレート、ソルビトー
ルステアレート・エチレンオキサイド3モル付加物、ジ
グリセリンパルミテート、グリセリンパルミテート、グ
リセリンパルミテート・エチレンオキサイド2モル付加
物等。
【0021】防曇剤の添加量は、0.001〜10.0重量%が
好ましく、0.005〜7.0重量%がより好ましい。0.01〜5.
0重量%が最も好ましい。添加量が0.01重量%未満であ
れば、防曇効果やブリードアウトによるブロッキング接
着向上効果がほとんど発揮されず、混練経費増となるだ
けである。10.0重量%をこえると押出し機のスクリュー
とのスリップが発生して安定した樹脂量を押出すことが
不可能になり、多層共押出しインフレーションフィルム
の厚さムラが大きくなる。
【0022】界面活性剤系帯電防止剤には、非イオン界
面活性剤、アニオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤お
よび両性界面活性剤がある。
【0023】前記非イオン界面活性剤の代表例を以下に
示す。ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレン脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリセ
リン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アミ
ン、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、脂肪酸ベンタエリ
スリット、脂肪アルコールのエチレンオキサイド付加
物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミノ
または脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物、アル
キルフェノールのエチレンオキサイド付加物、アルキル
ナフトールのエチレンオキサイド付加物、多価アルコー
ルの部分的脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加
物、その他特公昭63−26697号公報120頁記載の各種非イ
オン帯電防止剤等
【0024】前記アニオン界面活性剤の代表例を以下に
示す。リシノレイン酸硫酸エステルソーダ塩、各種脂肪
酸金属塩、シリノレイン酸エステル硫酸エステルソーダ
塩、硫酸化オレイン酸エチルアニリン、オレフィンの硫
酸エステル塩類、オレイルアルコール硫酸エステルソー
ダ塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスルフォ
ン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルナフタレン
スルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、コ
ハク酸エステルスルフォン酸塩、リン酸エステル塩等
【0025】前記陽イオン界面活性剤の代表例を以下に
示す。第1級アミン塩、第3級アミン塩、第4級アンモ
ニウム塩、ピリジン誘導体等
【0026】前記両性界面活性剤の代表例を以下に示
す。カルボン酸誘導体、イミダゾリン誘導体、ベタイン
誘導体等
【0027】界面活性剤系帯電防止剤の添加量は、0.01
〜5.0重量%が好ましく、0.05〜3.0重量%がより好まし
い。添加量が0.01重量%未満であると、帯電防止効果が
ほとんど発揮されず、混練経費増となるだけである。添
加量が5.0重量%を超えると、フィルム製造作業性が悪
化し、物理強度が低下するだけでなく増量効果がほとん
どなく、コストアップになるだけである。その他のブリ
ードアウト性添加剤としては後述の各種滑剤と可塑剤等
がある。
【0028】可塑剤の代表例を以下に示す。 (1) フタル酸系可塑剤 フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオ
クチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルラウリ
ル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ブチルベンジル、
ブチルフタリルブチルグリコレート等 (2) リン酸系可塑剤 リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル等 (3) 脂肪酸系可塑剤 クエン酸トリn−ブチル、アジピン酸ジオクチル、アゼ
ライン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル、アセチル
リシノール酸メチル等 (4) エポキシ系可塑剤 アルキルエポキシステアレート、4,5−エポキシテト
ラヒドロフタル酸ジイソデシル等 (5) その他の可塑剤 塩素化パラフィン、ポリエステル、シュークロースオク
タアセテート等 可塑剤の添加量は0.01〜10.0重量%、好ましくは0.05〜
7.0重量%、特に好ましくは0.1〜5.0重量%である。
【0029】0.01重量%未満であれば遮光性物質の均一
分散性向上効果やブロッキング接着向上効果がほとんど
発揮されず、混練経費増となるだけである。10.0重量%
をこえると押出し機のスクリューとのスリップが発生し
て安定した樹脂量を押出すことが不可能になり、多層共
押出しインフレーションフィルムの厚さムラが大きくな
る。
【0030】酸化防止剤を、写真性への悪影響の防止、
ブツやミクログリッドや着色故障等を防止するために添
加することができる。この酸化防止剤の代表例を以下に
示す。 (イ) フェノール系酸化防止剤 6−t−ブチル−3−メチルフェニール誘導体、2・6
−ジ−t−ブチル−Pクレゾール、t−ブチルフェノー
ル)、2・2'−メチレンビス−(4−エチル−6−t
−ブチルフェノール)、4・4'−ブチリデンビス(6
−t−ブチル−m−クレゾール)、4・4'−チオビス
(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4・4−ジヒド
ロキシジフェニルシクロヘキサン、アルキル化ビスフェ
ノール、スチレン化フェノール、2・6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−
(3'・5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニ
ル)プロピネート、2・2'−メチレンビス(4−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、4.4'−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェニール)、4・4'
−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、ステアリル−β(3・5−ジ−4−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1・1・3−
トリス(2−メチル−4ヒドロキシ−5−t−ブチルフ
ェニル)ブタン、1・3・5トリメチル−2・4・6−
トリス(3・5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3(3'・5'−
ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕メタン等 (ロ) ケトンアミン縮合系酸化防止剤 6−エトキシ−2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリン、2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリンの重合物、トリメチルジヒドロキノリン誘
導体等 (ハ) アリルアミン系酸化防止剤 フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナ
フチルアミン、N−フェニル−N'−イソプロピル−P
−フェニレンジアミン、N・N'−ジフェニル−P−フ
ェニレンジアミン、N・N'−ジ−β−ナフチル−P−
フェニレンジアミン、N−(3'−ヒドロキシブチリデ
ン)−1−ナフチルアミン等 (ニ) イミダゾール系酸化防止剤 2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベ
ンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベン
ゾイミダゾール等 (ホ) ホスファイト系酸化防止剤 アルキル化アリルホスファイト、ジフェニルイソデシル
フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイ
ト亜リン酸ソーダ、トリノニルフェニルフォスファイ
ト、トリフェニルフォスファイト等 (ヘ) チオ尿素系酸化防止剤 チオ尿素誘導体、1・3−ビス(ジメチルアミノプロピ
ル)−2−チオ尿素等 (ト) その他空気酸化に有用な酸化防止剤 チオジプロピオン酸ジラウリル等
【0031】代表的な市販酸化防止剤を以下に示す。 (1) フェノール系酸化防止剤;SUMILIZER B
HT(住友)、IRGANOX 1076(チバガイギー)、
MARK AO−50(アデカ・アーガス)、SUMIL
IZER BP−76(住友)、TOMINOX SS(吉
富)、IRGANOX 565(チバガイギー)、NONO
X WSP(ICI)、SANTONOX(Monsant
o)、SUMILIZER WX R(住友)、ANTA
GEGRYSTAL(川口)、IRGANOX 1035(チ
バガイギー)、ANTAGE W−400(川口)、NOC
LIZER NS−6(大内新興)、IRGANOX 14
25 WL(チバガイギー)、MARKAO−80(アデカ
・アーガス)、SUMILIZER GA−80(住
友)、TOPANOL CA(ICI)、MARK AO
−30(アデカ・アーガス)、MARK AO−20(アデ
カ・アーガス)、IRGANOX 3114(チバガイギ
ー)、MARK AO−330(アデカ・アーガス)、IR
GANOX 1330(チバガイギー)、CYANOX 1790
(ACC)、IRGANOX 1010(チバガイギー)、M
ARK AO−60(アデカ・アーガス)、SUMILI
ZER BP−101(住友)、TOMINOX TT(吉
富)等 (2) 燐系酸化防止剤;IRGAFOS 168(チバガイギ
ー)、MARK 2112(アデカ・アーガス)、WESTO
N 618(ボルグワーナー)、MARK PEP−8(ア
デカ・アーガス)、ULTRANOX 626(ボルグ・ワ
ーナー)、MARK PEP−24G(アデカ・アーガ
ス)、MARK PEP−36(アデカ・アーガス)、H
GA(三光)等 (3) チオエーテル系酸化防止剤;DLTDP "YOSH
ITOMI"(吉富)、SUMILIZER TPL(住
友)、ANTIOX L(日油)、DMTD "YOSH
ITOMI"(吉富)、SUMILIZER TPM(住
友)、ANTIOX M(日油)、DSTP "YOSH
ITOMI"(吉富)、SUMILIZER TPS(住
友)、ANTIOXS(日油)、SEENOX 412S
(シプロ)、MARK AO−412S(アデカ・アーガ
ス)、SUMILIZER TP−D(住友)、MAR
K AO−23(アデカ・アーガス)、SANDSTAB
P−EPQ(サンド)、IRGAFOS P−BPQ F
F(チバガイギー)、IRGANOX 1222(チバガイギ
ー)、MARK 329K(アデカ・アーガス)、WEST
ON 399(ボルグ・ワーナー)、MARK 260(アデカ
・アーガス)、MARK 522A(アデカ・アーガス)等 (4) 金属不活性化剤 NAUGARD XL−1(ユニロイヤル)、MARK
CDA−1(アデカ・アーガス)、MARK CDA−
6(アデカ・アーガス)、LRGANOX MD−1024
(チバガイギー)、CUNOX(三井東圧)等
【0032】特に好ましい酸化防止剤はフェノール系の
酸化防止剤であり、市販品としてはチバガイギー社のイ
ルガノックス各種と住友化学(株)のSumilizer BH
T、Sumilizer BH−76、Sumilizer WX−R、Sum
ilizer BP−101等である。また、2,6−ジ−ヒブチ
ル−p−クレゾール(BHT)、低揮発性の高分子量フ
ェノール型酸化防止剤(商品名:Ireganox 1010,Ire
ganox 1076,Topanol CA,Ionox 330等)、ジラウ
リルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオ
ネート、ジアルキルフォスフェート等の1種以上、特に
2種以上を併用するのが効果的である。
【0033】酸化防止剤の添加量は、0.0001〜1.0重量
%が好ましく、0.001〜0.5重量%がより好ましい。特に
0.005〜0.35重量%が好ましい。添加量が0.0001重量%
未満であると、添加効果がほとんどない。添加量が1.0
重量%を超えると、酸化、還元作用を利用する写真感光
材料に悪影響があり、写真性能に異常(カブリや感度変
動)が発生する。このため、酸化防止剤は着色故障やブ
ツが発生しない最少量を添加するようにすることが好ま
しい。また、人体に対し悪影響がなく、各種熱可塑性樹
脂の酸化防止効果が大きく、遮光性も向上できるビタミ
ンE及び/又はビタミン化合物は特に好ましい。また、
熱安定性が優れ、写真感光材料に悪影響を及ぼすことが
少なく、酸化防止作用が優れているヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤も特に好ましい。
【0034】本発明に用いられるヒンダードフェノール
系酸化防止剤としては、通常市販されている酸化防止剤
であって、写真フィルム用容器の樹脂組成物に適用した
場合に写真フィルムにカブリの発生や増減感等の障害の
ないものであればいずれも使用可能であるが、特に下記
のヒンダードフェノール系酸化防止剤が好適である。例
えば、1.3.5−トリメチル−2.4.6−トリス(3.
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベン
ゼン、テトラキス〔メチレン(3.5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメート)〕メタン、
オクタデシル−3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシ−ヒドロシンナメート、2.2'.2''−トリス〔3.
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオニルオキシ〕エチルイソシアヌレート、1.3.5−
トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2.6−
ジ−メチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス
(2.4−ジ−tert−ブチルフェニル)4.4'−ビフェ
ニレンジ亜リン酸エステル、4.4'−チオビス(6−te
rt−ブチル−0−クレゾール)、2.2'−チオビス−
(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、トリス
−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフ
ェニル)ブタン、2.2'−メチレン−ビス−(4−メチ
ル−6−tert−ブチルフェノール)、4.4'−メチレン
−ビス−(2.6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4.
4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチ
ルフェノール)、2.6−ジ−tert−ブチル−4−メチ
ルフェノール、4−ヒドロキシ・メチル−2.6−ジ−t
ert−ブチルフェノール、2.6−ジ−tert−ブチル−4
−n−ブチルフェノール、2.6−ビス(2'−ハイドロ
キシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルベンジル)−4
−メチルフェノール、4.4'−メチレン−ビス−(6−
tert−ブチル−0−クレゾール)、4.4'ブチリデン−
ビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)等。ブリー
ドアウトや熱分解が少なく、写真感光材料に対する悪影
響も小さい点等から融点(Melting point)が100℃以
上のものが好ましく、特に120℃以上のものが好まし
い。
【0035】さらにカーボンブラック等と併用すると酸
化防止が相乗的に効果を発揮する。フェノール系酸化防
止剤と燐系酸化防止剤とカーボンブラックを併用する
と、酸化防止効果が特に発揮されるので好ましい。
【0036】その他プラスチック データ ハンドブック
(1980年7月5日,KK工業調査会発行)の794〜799ペ
ージに開示された各種酸化防止剤やプラスチック添加剤
データー集(昭和43年10月1日,KK化学工業社)の32
7〜329ページに開示された各種酸化防止剤やPLASTICS A
GE ENCYCLOPEDIA進歩編 1986(KKプラスチック・エー
ジ)の211〜212ページに開示された各種酸化防止剤等を
選択して用いることが可能である。
【0037】滑剤を、フィルム成形性向上、滑性向上、
遮光性物質の分散性向上、静電気防止等の目的で添加す
ることができる。写真感光材料に悪影響を与えない市販
の代表的滑剤名と製造メーカー名を以下に記載するが本
発明はこれらに限定されるものではない。 (1) シリコーン系滑剤;各種グレードのジメチルポリシ
ロキサン及びその変性物(信越シリコーン、東レシリコ
ーン)等 (2) オレイン酸アミド系滑剤;アーモスリップCP(ラ
イオン・アクゾ)、ニュートロン(日本精化)、ニュー
トロンE−18(日本精化)、アマイドO(日東化学)、
アルフロE−10(日本油脂)、ダイヤミッドO−200(日
本化成)、ダイヤミッドG−200(日本化成)等 (3) エルカ酸アミド系滑剤;アルフロ−P−10(日本油
脂)等 (4) ステアリン酸アミド系滑剤;アルフロ−S−10(日
本油脂)、ニュートロン2(日本精化)、ダイヤミッド
200ビス(日本化成)等 (5) ビス脂肪酸アミド系滑剤;ビスアマイド(日本化
成)、ダイヤミッド200ビス(日本化成)、アーモワッ
クスEBS(ライオン・アクゾ)等 (6) アルキルアミン系滑剤;エレクトロストリッパ−T
S−2(花王石鹸)等 (7) 炭化水素系滑剤;流動パラフィン、天然パラフィ
ン、マイクロワックス、合成パラフィン、ポリエチレン
ワックス、ポリプロピレンワックス、塩素化炭化水素、
フルオロカルボン等 (8) 脂肪酸系滑剤;高級脂肪酸(C12以上が好まし
い)、オキシ脂肪酸等 (9) エステル系滑剤;脂肪酸の低級アルコールエステ
ル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸のポリグ
リコールエステル、脂肪酸の脂肪アルコールエステル等 (10)アルコール系滑剤;多価アルコール、ポリグリコー
ル、ポリグリセロール等 (11)金属石けん;ラウリン酸、ステアリン酸、リシノー
ル酸、ナフテン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸とLi、
Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Al、Sn、P
b等の金属との化合物等
【0038】滑性向上効果は小さいが熱可塑性樹脂、例
えばα(アルファー)オレフィン樹脂の重合触媒として
は特開昭54−3184号公報に記載されているようにハロゲ
ン化合物が用いられている。この結果、本発明の多層積
層フィルムとして用いられるこれらの樹脂、特にヒート
シール層に含むことが特に好ましいエチレン・αオレフ
ィン共重合体樹脂中にはハロゲン化合物が残留してい
る。
【0039】この結果、ハロゲン化銀を含むハロゲン化
銀写真感光材料では、これらのハロゲン化合物が写真性
に悪影響を及ぼし、カブリが発生したり、感度や階調に
異常を及ぼすことが判明した。
【0040】しかし、ラウリン酸、ステアリン酸、リシ
ノール酸、ナフテン酸、オレイン酸、エルカ酸、ベヘニ
ン酸等の高級脂肪酸とLi、Mg、Ca、Sr、Ba、
Zn、Cd、Sn、Pb等の金属との化合物である高級
脂肪酸金属塩(金属石けん)、特にステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムを
0.001〜10.0重量%、好ましくは0.005〜5.0重量%、特
に好ましくは0.01〜3.0重量%添加すると写真性が良化
する(カブリがほとんど発生しなくなる)ことが判明し
た。例えばカーボンブラック3重量%とステアリン酸亜
鉛を1.5重量%添加したL−LDPE樹脂フィルムとす
ることにより、カラー印画紙と50℃,80%,RH5日間
接触させた後、現像処理した時のカブリ濃度が0.12→0.
02に減少するという予想外の効果が発揮されることが判
明した。
【0041】さらに、遮光性物質として安価で遮光能力
が大きいが凝集してブツの発生が大きい欠点を有するカ
ーボンブラックの分散性も良化し、ブツ(異物状の固
り)の発生が1/10以下に減少するという予想外の効果
が同時に発揮されることが判明した。さらに、内層に添
加するとブリードアウトしやすく、ブロッキング接着向
上効果も発揮することが判明した。
【0042】その他の滑性向上効果は小さいが、遮光性
物質の分散性向上、樹脂押出し性向上等の効果を有する
滑剤として下記のものがある。 炭化水素系滑剤;流動パラフィン、天然パラフィン、マ
イクロワックス、合成パラフィン、塩素化炭化水素、ポ
リエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フルオ
ロカーボン油等 脂肪酸系滑剤;高級脂肪酸(炭素数が12ヶ以上が好まし
い)、オキシ脂肪酸等 エステル系滑剤;脂肪酸の低級アルコールエステル、脂
肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸のポリグリコー
ルエステル、脂肪酸の脂肪酸アルコールエステル等 アルコール系滑剤;多価アルコール、ポリグリコール、
ポリグリセロール等
【0043】以上のような滑性向上効果が小さい滑剤は
0.005〜10.0重量%、好ましくは0.01〜6.0重量%、特に
好ましくは0.03〜3.0重量%添加する。遮光性物質を、
遮光性、導電性向上、物理特性向上等のために、添加す
ることができる。
【0044】ブリードアウト性添加物の中で滑性向上、
ブロッキング接着向上、遮光性物質の分散性向上等、脂
肪酸アミド系滑剤の次に好ましい滑剤としてシリコン系
滑剤がある。このシリコン系滑剤は高価であるが、完全
遮光性を必須とする写真感光材料用包光袋のヒートシー
ル層に添加する滑剤としては下記の理由で最適である。
特に、滑剤のようにヒートシール性を悪化させる対策と
して、エチレン共重合体樹脂を5重量%以上(好ましく
は20重量%、特に好ましくは50重量%(エチレン共重合
体樹脂の中でも安価で夾雑物シール性、ホットタック
性、ヒートシール強度、物理強度の優れたエチレン・α
オレフィン共重合体樹脂が最も好ましい。))添加した
ヒートシール層や遮光袋の内外表面に設ける熱可塑性樹
脂フィルム層に下記のシリコン系滑剤を添加すると従来
の写真感光材料用包装材料にない優れた特性を発揮す
る。
【0045】シリコン系滑剤について以下に詳述する。
各種グレードのジメチルポリシロキサン及びその変性物
(信越シリコーン、東レシリコーン)及びポリメチルフ
ェニルシロキサン、オレフィン変性シロキサン、ポリエ
チレングルコールやポリプロピレングリコールで変性し
たポリエーテル変性シリコン、オレフィン/ポリエーテ
ル変性シリコン、エポキシ変性シリコン、アミノ変性シ
リコン、アミド変性シリコン、アルコール変性シリコン
等変性されたシロキサン結合を含有したシリコン系オイ
ルである。該シリコン系オイル中、特にオレフィン変性
シリコン、アミド変性シリコン、ポリエーテル変性シリ
コン、炭素原子数が好ましくは1〜4のポリジアルキル
シロキサン、オレフィン/ポリエーテル変性シリコン等
が優れている。特に、写真感光材料用包装材料が単層又
は多層フィルムの場合、該シリコン系オイルは加熱状態
でのフィルムの摩擦係数を改良し、自動包装機による熱
板シール中に生じる摺動抵抗を低下させ、皺の発生を防
止することにより、美しい外観と高度な密封性と被包装
体にたるみない密着性とを有する性能を保持したフィル
ムを得る基礎をつくることが出来る。又、摺動による光
沢の低下を防止して、美しいシール部を得ることが出来
る。シリコン系オイルを併用した場合の本発明では摺動
ヒートシールをする場合、高温摩擦係数を0.4以下にす
ることが出来る。
【0046】シリコン系滑剤の常温における粘度は1000
〜100,000センチストークスの範囲が好ましく、更に好
ましくは5,000〜30,000センチストークスの高粘度のも
のがよい。添加量は種類、使用目的により異なるが0.01
〜5.0重量%である。好ましくは0.03〜3.0重量%、特に
好ましくは0.05〜1.5重量%である。
【0047】シリコン系滑剤は単独で用いても2種類以
上で用いても他の滑剤や可塑剤と併用してもよい。特
に、上記シリコン系滑剤と前記(2)〜(5)の各種脂肪酸ア
ミド系滑剤との併用が好ましい。
【0048】シリコン系オイル添加の効果は、以下の通
りである。 樹脂の流動性を向上し、スクリューのモーター負荷を
小さくし、メルトフラクチャー発生を防止する。 ブリードアウトして白粉状になる脂肪酸アミドを添加
しなくても滑性を十分確保できる。 加熱状態でのフィルムの摩擦保数を小さくし、自動製
袋適性を向上し、ヒートシール時のシワ発生や摺動によ
る光沢の低下を防止し、美しいシール部を得ることがで
きる。 遮光性物質と併用すると遮光能力を向上でき、物性を
低下させる遮光性物質の添加量を減量しても遮光性を確
保できる。
【0049】遮光性物質の代表例を以下に示す。 (1) 無機化合物 A.酸化物…シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチ
モン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライ
ト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アルミナ繊
維等 B.水酸化物…水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム等 C.炭酸塩…炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロ
マイト、ドーソナイト等 D.(亜)硫酸塩…硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫
酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等 E.ケイ酸塩…タルク、クレー、マイカ、アスベスト、
ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カ
ルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト等 F.炭素…カーボンブラック、グラファイト、炭素繊
維、炭素中空球等 G.その他…鉄粉、銅粉、鉛粉、アルミニウム粉、硫化
モリブデン、ポロン繊維、炭化ケイ素繊維、黄銅繊維、
チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜
鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナ
トリウム、アルミニウムペースト、タルク等 (2) 有機化合物 木粉(松、樫、ノコギリクズなど)、殻繊維(アーモン
ド、ピーナッツ、モミ殻など)、木綿、ジュート、紙細
片、セロハン片、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、
デンプン、芳香族ポリアミド繊維等 これらの遮光性物質の中で、不透明化する無機化合物が
好ましく、特に、耐熱性、耐光性が優れ比較的不活性な
物質であるので、光吸収性のカーボンブラックと窒化チ
タンとグラファイトが好ましい。
【0050】カーボンブラックの原料による分類例をあ
げるとガスブラック、ファーネスブラック、チャンネル
ブラック、アントラセンブラック、アセチレンブラッ
ク、ケッチェンカーボンブラック、サーマルブラック、
ランプブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジ
タブルブラック等がある。
【0051】実際の製品としては、例えば三菱化成製の
カーボンブラック#20(B),#30(B),#33(B),#40
(B),#44(B),#45(B),#50,#55,#100,#600,
#2200(B),#2400(B),MA8,MA11,MA100等が
挙げられる。海外の製品としては例えばキャボット社の
Black Pearls 2,46,70,71,74,80,81,607等、
Regal 300, 330, 400, 660, 991,SRF−S等、Vul
can3,6等、Sterling 10,SO,V,S,FT−F
F,MT−FF等が挙げられる。さらにアシュランドケ
ミカル社のUnited R,BB,15,102,3001,3004,3
006,3007,3008,3009,3011,3012,XC−3016,X
C−3017,3020等が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
【0052】本発明では遮光性、コスト、物性向上の目
的ではファーネスカーボンブラックが望ましく、高価で
あるが帯電防止効果を有する遮光性物質としてはアセチ
レンカーボンブラック、変性副生カーボンブラックであ
るケッチェンカーボンブラックが望ましい。必要により
前者と後者を必要特性に従ってミックスすることも望ま
しい。遮光性物質をポリエチレン系ポリマーに配合する
形態は上記のように種々あるが、マスターバッチ法がコ
スト、作業場の汚染防止等の点で望ましい。公知文献の
特公昭40−26196号では有機溶媒に溶解した重合体の溶
液中にカーボンブラックを分散せしめて、重合体−カー
ボンブラックのマスターバッチをつくる方法を、特公昭
43−10362号にはカーボンブラックをポリエチレンに分
散してマスターバッチをつくる方法を述べている。
【0053】本発明の多層積層フィルムを写真感光材料
用包装材料として使用する上でカブリの発生がなく、感
光度の増減の発生が少なく、遮光能力が大きく、L−L
DPE樹脂フィルムに添加した場合でもカーボンブラッ
クの固り(ブツ)の発生やフィッシュアイ等遮光フィル
ム中にピンホールが発生しにくい点でカーボンブラック
の中でも特にpH6.0〜9.0、平均粒子径10〜120mμ、
揮発成分が2.0%以下、吸油量が50ml/100g以上のファ
ーネスカーボンブラックが遮光性向上と分散性向上、物
理特性低下の少ない点で好ましい。
【0054】遮光性物質の添加量は、0.1〜20.0重量%
が好ましく、0.5〜15.0重量%がより好ましい。特に1.0
〜10.0重量%が好ましい。添加量が0.1重量%未満で
は、光カブリが発生しない遮光性を確保するためにはフ
ィルムの厚さを150μm以上にする必要があり経済的で
ない。添加量が20.0重量%を超えると、遮光フィルムの
物理強度の低下が大きく、フィルム成形性も悪く、耐摩
耗性も悪化し、ヒートシール性も悪化するので実用化困
難である。
【0055】本発明の樹脂組成物のマトリックス樹脂で
ある熱可塑性樹脂としては、易廃棄処理樹脂を使用する
ことが出来る。すなわち、廃棄物として埋立て処理する
場合を考えると、現在、研究が進められている、または
一部市場に導入されているような分解性プラスチックを
利用してよい。例えば、生分解性を有するポリマーとし
てICI社製の「BIOPOL」、UCC社製の「ポリ
カプロラクトン」等を利用するとか、あるいは生分解を
受けやすい天然、あるいは合成高分子を添加剤として配
合することによって間接的に崩壊させるポリマー、また
はデンプン配合ポリマー等を利用することもできる。
【0056】また、光分解性のポリマーを利用すること
も可能である。例えば、ポリエチレン重合時に主鎖に光
増感基としてカルボニル基を導入したエチレンと一酸化
炭素との共重合によるECOコポリマーを利用すると
か、あるいは添加剤として遷移金属塩、酸化促進剤、光
増感材等をベースポリマーに加え、光分解性を付与した
ものを利用することができる。さらにまた生分解性を有
するポリマー、光分解性ポリマー、水に可溶なポリマー
等の分解性ポリマーの1種以上を併用して用いてもよ
い。
【0057】本発明の多層積層フィルムは、インフレー
ションフィルムのみからなる上下対称のフィルムであっ
ても、このインフレーションフィルムからなる上下対称
のフィルムに他のフレキシブルシートを積層してもよ
い。
【0058】インフレーションフィルムをブロッキング
接着して上下対称の積層フィルムを製造するには、従来
使用されているインフレーションフィルム成形機を用
い、そのインフレーションフィルムをニップロール、エ
ンボスロール、加熱ロール等で圧着・接着して行う。ま
た、強接着と弱接着の接着強度差を有する接着にする時
は、300g/15mm巾以上のハクリ強度にする時は300g/15
mm巾以上のハクリ強度になっている接着部分の面積を70
%以下にすれば柔軟性、物理強度、カールの優れた積層
フィルムになる。この強接着部分の形状は格子状、タテ
またはヨコに平行の多条、菱形、円形、点状、梨地状、
絹目状等、弱接着部分より加圧や熱により0.5μm以
上、好ましくは1μm以上薄肉にする。
【0059】上記フレキシブルシートとしては、熱可塑
性樹脂フィルム、例えば各種ポリエチレン樹脂、エチレ
ン・αオレフィン共重合体樹脂、ポリプロピレン樹脂、
プロピレン・αオレフィン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂などの公知のフ
ィルム、及びこれらの変性樹脂フィルム又はこれらの一
軸又は二軸延伸フィルムがある。また、金属薄膜加工フ
ィルム(代表的なものはアルミニウム真空蒸着フィル
ム)、セルロースアセテートフィルム、セロファンフィ
ルム、再生セルロースフィルム、エバール樹脂フィル
ム、紙、合成紙、金属箔(代表例としてアルミニウム
箔)、不織布等がある。
【0060】特に好ましいフレキシブルシートは、二軸
延伸熱可塑性樹脂フィルム、不織布、合成紙及び感光物
質に影響を与えない坪量が20〜400g/mの各種の紙(未
晒クラフト紙、半晒クラフト紙、晒クラフト紙、ヒネリ
原紙、クルパック紙、デュオストレス紙、白板紙、写真
用原紙、純白ロール紙、コート紙、模造紙、グラシン
紙)である。
【0061】また、これらのフレキシブルシートは、1
種又は2種以上を組合せて用いることができ、ヒートシ
ールによる製袋の場合はヒートシールされる熱可塑性樹
脂フィルムより10℃以上、さらに好ましくは20℃以上融
点が高いことが製袋適性向上や外観向上の点から好まし
い。
【0062】このフレキシブルシートにも遮光性物質
を、多層積層フィルムの遮光性を完全に確保するために
添加することができる。
【0063】本発明の多層積層フィルムは写真感光材料
の包装に好適に用いることができる。この写真感光材料
の例を以下に示す。 ハロゲン化銀写真感光材料(印刷用フィルム、カラー
印画紙、カラーフィルム、印刷用マスター紙、DTR感
光材料、電算写植フィルム及びペーパー、マイクロフィ
ルム、映画用フィルム、自己現像型写真感光材料、直接
ポジ型フィルム及びペーパー等) 熱現像感光材料(熱現像カラー感光材料、熱現像白黒
感光材料(例えば特公昭43−4921号公報、同43−4924号
公報、「写真工学の基礎」銀塩写真編(1879年コロナ社
刊行)の553頁〜555頁及びリサーチ・ティスクロージャ
ー誌 1978年6月号9頁〜15頁(RD−17029)等に記載
されているもの。さらに、特開昭59−12431号公報、同6
0−2950号公報、同61−52343号公報や米国特許第4,584,
267号明細書に記載されている転写方式の熱現像カラー
感光材料等)) 感光・感熱性記録材料(特開平3−72358号公報等に
記載されているフォトサーモグラフィー(感光・感熱画
像形成方法)を用いた記録材料) ジアゾニウム写真感光材料(4−モルフォリノベンゼ
ンジアゾニウムマイクロフィルム、マイクロフィルム、
複写用フィルム、印刷用版材等) アジド、ジアジド系写真感光材料(パラアジドベンゾ
エード、4,4'ジアジドスチルベン等を含む感光材料、
例えば複写用フィルム、印刷用版材等) キノンジアジド系写真感光材料(オルソーキノンジア
ジド、オルソーナフトキノンジアジド系化合物、例えば
ベンゾキノン(1,2)−ジアジド−(2)−4−スルフォ
ン酸フェニルエーテル等を含む感光材料、例えば印刷用
版材、複写用フィルム、密着用フィルム等) フォトポリマー(ビニル系モノマー等を含む感光材
料、印刷用版材、密着用フィルム等) ポリビニル桂皮酸エステル系感光材料(例えば印刷用
フィルム、IC用レジスト等)
【0064】その他、各種の光や酸素や亜硫酸ガス等に
より変質、劣化する感光物質、例えば食品(バター、ピ
ーナッツ用袋、マーガリン、スナック製品、ツマミ、菓
子、お茶、ノリ等)、医薬品(胃腸薬、カゼ薬等の粉末
状、顆粒状の袋入薬品)、染料、顔料、写真現像薬品、
写真定着薬品、トナー等にも適用できる。
【0065】本発明による多層積層フィルムを用いるこ
とができるその他の用途を以下に記載する。 (1) 透明多層積層フィルムの場合 セメント、樹脂ペレット、魚粉、肥料、米・大豆・
麦等の穀物、引越し荷物、書籍、野菜等の重量物用包装
袋 多段積み上げ包装体の集積包装用積層フィルム(ス
トレッチ包装等) ショッピングバック レンズ付カメラやプラスチックケース入写真フィル
ムパトローネの2本以上のパック包装用透明防湿包装体
用積層フィルム 船積み用袋、等 (2) 遮光多層積層フィルムの場合 各種写真感光材料用防湿遮光袋 長巻き映画用写真フィルムや磁気材料テープのパン
ケーキ等の集合包装体の防湿、防水、遮光用包装材料 光により品質劣化を生ずる物質の防湿遮光用包装材
【0066】本発明の多層積層フィルムを用いた包装袋
としては、例えば、ユニパック袋、1重平袋、2重平
袋、1重ガゼット袋、2重ガゼット袋、シュリンク包装
袋、バルク包装袋(特開平3−53243号公報、実開平3
−71346号公報等)がある。具体例としては遮光袋、レ
ンズ付フィルム(写ルンです等の展示用防湿袋、35mmフ
ィルム(防湿容器入)の複数ヶ入展示用防湿袋、明室装
填用帯状容器の防湿遮光袋等である。
【0067】
【作用】本発明の多層積層フィルムでは、インフレーシ
ョンフィルムの内層の低軟化点樹脂が、エチレン・酢酸
ビニル共重合体樹脂、エチレン・エチルアクリレート共
重合体樹脂、エチレン・メチルアクリレート共重合体樹
脂、エチレン・アクリル酸共重合体樹脂、平均分子量が
9000以下の各種ポリオレフィン樹脂、密度が0.920g/cm
3以下のホモポリエチレン樹脂、密度が0.915g/cm3以下
のエチレン・αオレフィン共重合体樹脂、これらの樹脂
の酸変性樹脂、熱可塑性樹脂エラストマー、各種粘着付
与樹脂等の1種以上からなる、ビカット軟化点が105℃
以下、好ましくは100℃以下、特に好ましくは95℃以下
の熱可塑性樹脂であり、内層の表面にブリードアウト性
添加物がブリードアウトしてブロッキング接着が全面に
一定強度(0.1g/15mm幅以上)以上で発生するようにし
ている。さらに、低温度でブロッキング接着が発生する
ようにしている。ブリードアウト性添加物が、各種の防
曇剤、界面活性剤系帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、有
機造核剤、可塑剤等の1種以上であり、内層の低軟化点
樹脂を含む内層の表面にブリードアウトしてブロッキン
グ接着が全面に一定強度(0.1g/15mm幅以上)以上に発
生するようにしている。
【0068】
【実施例】本発明による多層積層フィルムの実施例を図
面に基づいて説明する。図1から図7までは、それぞれ
多層積層フィルムの層構成を示す部分断面図である。図
8は多層積層フィルムを製造する成形機の概略図、図9
は図8中a部の拡大断面図、図10は図8中b部の拡大断
面図である。
【0069】図1に示す多層積層フィルムは、内層1と
外層2とからなる2層共押出しインフレーションフィル
ムIIを、内層1同士をブロッキング接着Bさせて積層し
て形成されている。
【0070】図2に示す多層積層フィルムは、遮光性物
質を含有する内層1aと外層2とからなる遮光性2層共
押出しインフレーションフィルムIIaを、内層1同士を
ブロッキング接着Bさせて積層して形成されている。
【0071】図3に示す多層積層フィルムは、内層1と
遮光性物質を含有する外層2aとからなる遮光性2層共
押出しインフレーションフィルムIIaを、内層1同士を
ブロッキング接着Bさせて積層して形成されている。
【0072】図4に示す多層積層フィルムは、遮光性物
質を含有する内層1aと遮光性物質を含有する外層2a
とからなる遮光性2層共押出しインフレーションフィル
ムIIaを、内層1同士をブロッキング接着Bさせて積層
して形成されている。
【0073】図5に示す多層積層フィルムは、内層1と
中間層3と遮光性物質を含有する外層2aとからなる遮
光性3層共押出しインフレーションフィルムIIIaを、
内層1同士をブロッキング接着Bさせて積層して形成さ
れている。
【0074】図6に示す多層積層フィルムは、遮光性物
質を含有する内層1aと中間層3と外層2とからなる遮
光性3層共押出しインフレーションフィルムIIIaを、
内層1a同士をブロッキング接着Bさせて積層して形成
されている。
【0075】図7に示す多層積層フィルムは、図4に示
す多層積層フィルムに、さらに接着剤層4を介してフレ
キシブルシート5を積層して形成されている。
【0076】次に、以上のような多層積層フィルムを製
造する方法を、図8から図10に基づいて説明する。ま
ず、内層用樹脂を押し出し機11に、外層用樹脂を押し出
し機12に投入し、それぞれ加熱溶融する。次に、リング
ダイス13の内側のスリットから内層用樹脂を、外側のス
リットから外層用樹脂をそれぞれ押し出し、内層及び外
層を形成する。このとき、送風管14からの圧縮空気とエ
アーリング15からの冷却空気により、第8図中a部の拡
大断面図である第9図に示すように、内層1aと外層1
aとからなる遮光性2層共押出しインフレーションフィ
ルムIIaが成形される。
【0077】このインフレーションフィルムIIaは、引
取用スクイズロール(ニップロール)16で引っ張られ、
ガイドローラー17及びガイド板18を介して上昇する。そ
して、引取用スクイズロール16で圧着されて平板状に折
り畳まれ、b部の拡大断面図である第10図に示すよう
に、内層1a同士がブロッキングBにより接着され、多
層積層フィルムが完成する。
【0078】〔実施例1〕図4に示す層構成を有する多
層積層フィルムである。内層1aは、低軟化点樹脂とし
てMFRが3.6g/10分、密度が0.88g/cm3、ビカット
軟化点が55℃の三井石油化学(株)製 タフマーA4085を4
0重量%、ブリードアウト性添加物としてステアリン酸
マグネシウム2重量%、パラフィンワックス5重量%、
低分子量フェノール系酸化防止剤0.15重量%、オレイン
酸モノグリセライド0.5重量%、遮光性物質としてグリ
セリンで表面被覆したファーネスカーボンブラック3重
量%、MFRが1.0g/10分、密度が0.890g/cm3、ビカ
ット軟化点が58℃のエチレン・ブテン−1共重合体樹脂
49.35重量%からなり、厚さ25μmの遮光性低軟化点樹
脂層である。
【0079】外層2aは、MFR(ASTM D 1238,190
℃)が2.0g/10分、密度(ASTM D 1505)が0.920g/c
m3、ビカット軟化点(ASTM D 1525)が103℃のエチレン
・オクテン−1共重合体樹脂30重量%、MFRが2.7g/
10分、密度が0.923g/cm3、ビカット軟化点が91℃の分
岐状低密度ホモポリエチレン樹脂35重量%、MFRが1.
0g/10分、密度が0.954g/cm3、ビカット軟化点が121℃
の高密度ホモポリエチレン樹脂31.65重量%、遮光性物
質としてステアリン酸カルシウム0.2重量%で表面被覆
した平均粒子径が21mμ、pHが7.7、灰分が0.05%、
硫黄含有量が0.2%のファーネスカーボンブラック3重
量%、ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.1重量から
なり、厚さ25μmの遮光性ポリオレフィン系樹脂層であ
る。
【0080】この多層積層フィルムは、図8に示すイン
フレーションフィルム成形機を用い、内層1aと外層2
aとからなる遮光性2層共押出しインフレーションフィ
ルムIIaを製造し(図中Aの状態)、この遮光性2層共
押出しインフレーションフィルムIIaをニップロール16
の圧着により内層1a同士をブロッキング接着(図中B
の状態)して図10の状態の4層構成の遮光性多層フィル
ムを製造した。この遮光性多層積層フィルムは、ブロッ
キング接着が強固で剥がれることはなかった。
【0081】〔実施例2〕図4に示す層構成を有する多
層積層フィルムである。内層1aは、実施例1の内層の
MFRが1.0g/10分、密度が0.890g/cm3、ビカット軟
化点が58℃のエチレンブテン−1共重合体樹脂49.35重
量%の代わりに、酢酸がビニル含有量が25重量ぱのMF
Rが2g/10分、密度が0.95g/cm3、ビカット軟化点
が54℃のエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂49.35重量%
を用いた他は、実施例1の内層と同一組成の厚さ25μm
の遮光性低軟化点樹脂層である。
【0082】外層2aは、実施例1の外層と同一組成の
厚さ25μmの遮光性ポリオレフィン系樹脂層である。
【0083】この遮光性多層積層フィルムは、図8に示
すインフレーションフィルム成形機を用い、内層1aと
外層2aとからなる遮光性2層共押出しインフレーショ
ンフィルムIIaを製造し(図中Aの状態)、この遮光性
2層共押出しインフレーションフィルムIIaをニップロ
ール16の圧着により内層1a同士をブロッキング接着
(図中Bの状態)して図10の状態の4層構成の遮光性多
層フィルムを製造した。この遮光性多層積層フィルム
は、ブロッキング接着が強固で剥がれることはなかっ
た。
【0084】〔比較例〕内層の樹脂組成を、実施例1の
内層1aにおいてブリードアウト性添加物を含んでいな
い以外は同一とした。この樹脂組成物は、ペレット同士
でブロッキングが発生し、ホッパーからスクリューにペ
レットを供給できず遮光性インフレーションフィルムを
製造できなかった。
【0085】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示す効果を有する。 (1) 常に適当なブロッキング接着強度にすることができ
る。したがって、引裂き強度、衝撃穴あけ強度、ゲルボ
テスト強度を向上させることができる。 (2) 多層共押出しインフレーションフィルムをブロッキ
ング接着するので実質的に上下対称層構成となるので、
カールが発生しない。 (3) 多価アルコール、脂肪酸金属塩、防曇剤、界面活性
剤系帯電防止剤、滑剤の1種以上を含有させた内層は遮
光性物質の分散性が良好で樹脂の流動性も良い。また、
写真特性も良好であり、ブロッキング接着性を向上させ
る。しかし、ペレットのブロッキングは防止する。 (4) 70%以下の面積を300g/15mm以上の強接着部として
も柔軟性、カール、物理強度の優れた多層積層フィルム
とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による多層積層フィルムの一実施例の
層構成を示す分断断面図。
【図2】 本発明による多層積層フィルムの他の実施例
の層構成を示す分断断面図。
【図3】 本発明による多層積層フィルムの他の実施例
の層構成を示す分断断面図。
【図4】 本発明による多層積層フィルムの他の実施例
の層構成を示す分断断面図。
【図5】 本発明による多層積層フィルムの他の実施例
の層構成を示す分断断面図。
【図6】 本発明による多層積層フィルムの他の実施例
の層構成を示す分断断面図。
【図7】 本発明による多層積層フィルムの他の実施例
の層構成を示す分断断面図。
【図8】 本発明による多層積層フィルムを製造する成
形機の概略図。
【図9】 図8中a部の拡大断面図。
【図10】 図8中b部の拡大断面図。
【符号の説明】
1,1a…内層 2,2a…外層 3,3a…中間層 4…フレキシブルシート層 5…接着剤層 a…遮光性物質を含むことを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−135441(JP,A) 特開 平2−130119(JP,A) 特開 平3−24954(JP,A) 特開 昭51−116883(JP,A) 特開 昭61−27252(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 47/00 - 47/96 B32B 27/28 101 B32B 27/32

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2層以上の多層共押出しインフレーショ
    ンフィルムをブロッキング接着したものであって、ブロ
    ッキング接着された多層共押出しインフレーションフィ
    ルムの内層が低軟化点樹脂とブリードアウト性添加物と
    含み、該低軟化点樹脂が、エチレン・酢酸ビニル共重
    合体樹脂、テルペン系樹脂、クマロンインデン樹脂、キ
    シレン樹脂、石油系樹脂、エチレン・エチルアクリレー
    ト共重合体樹脂、エチレン・メチルアクリレート共重合
    体樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体樹脂、平均分子
    量が9000以下のポリオレフィン樹脂、密度が0.9
    20g/cm 3 以下のホモポリエチレン樹脂、密度が
    0.915g/cm 3 以下のエチレン・αオレフィン共
    重合体樹脂、これらの樹脂の酸変性樹脂、および熱可塑
    性樹脂エラストマーの1種以上で、ビカット軟化点が1
    05℃以下のものであり、前記ブリードアウト性添加物
    として脂肪酸金属塩(金属石けん)を0.001〜10.
    0重量%含んでいることを特徴とする多層積層フィルム
  2. 【請求項2】 脂肪酸金属塩が、ステアリン酸亜鉛、ス
    テアリン酸マグネシウム又はステアリン酸カルシウムで
    ある請求項1に記載の多層積層フィルム
  3. 【請求項3】 ブリードアウト性添加物として、滑剤、
    多価アルコール、防曇剤および界面活性剤系帯電防止剤
    の1種以上をさらに含んでいる請求項1に記載の多層積
    層フィルム
  4. 【請求項4】 少なくとも2層以上に遮光性物質を含ん
    でいる請求項1に記載の多層積層フィルム
  5. 【請求項5】 低軟化点樹脂が、酢酸ビニル含有率が5
    〜40重量%、ビカット軟化点が100℃以下のエチレ
    ン・酢酸ビニル共重合体樹脂を30重量%以上含み、か
    つ、内層中に占める酢酸ビニル含有率が5〜25重量%
    の範囲であり、防曇剤及び界面活性剤系帯電防止剤の1
    種以上の合計量が0.01〜5重量%である請求項1
    記載の多層積層フィルム
  6. 【請求項6】 ブロッキング接着が、ニップロール、ニ
    ップロール以外の圧着ロール、エンボスロール、加熱・
    加圧ロール又は熱溶着ロールでなされた請求項1に記載
    の多層積層フィルム
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