JP2995641B2 - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

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JP2995641B2 JP4114672A JP11467292A JP2995641B2 JP 2995641 B2 JP2995641 B2 JP 2995641B2 JP 4114672 A JP4114672 A JP 4114672A JP 11467292 A JP11467292 A JP 11467292A JP 2995641 B2 JP2995641 B2 JP 2995641B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はX線、電子線、中性子線
等の光を除く放射線で露光される工業用Xレイ写真感光
材料に関するものであり、特に鉛はく増感紙を用いて露
光するときに、増感紙による黒化汚れ(以下「増感紙汚
れ」と記す)が発生しないハロゲン化銀感光材料に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】放射線(X線、電子線、中性子線等)を
露光源とする写真感光材料において、通常放射線に対す
る感光材料の感応性を高めるために、金属鉛はく増感紙
をコンタクトして、露光する方法がとられる。この際に
用いられる鉛はく増感紙は、金属はく状の鉛がそのまま
用いられ感光材料に直接密着させて用いるため、金属と
はいえ比較的塑性に富む鉛はく表面から削りとられた鉛
粉が感光材料の表面に付着する。この付着した鉛粉は、
感光材料の現像処理工程に少なからぬ影響を与え、鉛粉
の付着部分が露光の有無に関係なく、かぶって黒化す
る。この様な黒化は増感紙汚れと呼び、感光材料が現像
処理される時間にも大きく依存し、現像処理に要する時
間が長いほどその黒化も著しく増大することがわかって
いる。この処理時間の依存性は、感光材料の表面に付着
した鉛粉が、ハロゲン化銀をも還元し、黒化せしめるよ
うな高アルカリ性、高還元性の処理液下で、溶解し、感
光材料内部に浸透する結果その溶解が進むほど黒化が大
きくなるものと理解できる。従って、鉛粉の溶解が実質
的に問題とならない程度の短時間の現像処理においては
増感紙汚れの発生も軽微であり、問題となることは少な
い。しかしながらかかる欠点を有する感光材料の商品価
値は著しく損われることは容易に理解できるばかりでな
く、時には全く失なわれることさえ考えられる。この増
感紙汚れを防止する方法として、アゾール類に代表され
るような現像カブリ防止剤を用いることが上げられる。
ところが、これらの方法でカブリ防止した感光材料は、
少なからぬ感度の低下と、処理浴中での圧力マーク(い
わゆる「ローラーマーク」)が発生し易いなどの問題が
発生することが知られている。(特開平1−17093
8号) また、ハロゲン化銀粒子の内部核(コア)の外側に複数
の外殻(シェル)をつけた積層構造のハロゲン化銀粒子
によって現像活性を調整したりすることも知られている
(特開昭53−22408号、特公昭43−13162
号、J. Photo.Sci., 24,198(1976)等)。
しかしながらこれらの方法で得られたハロゲン化銀粒子
は必ずしもX線露光に対する性能が充分でなく、例えば
特開昭53−22408号には純臭化銀(コア)/沃臭
化銀(ヨード含量1モル%)/純臭化銀(シェル)から
なる積層タイプのハロゲン化銀粒子が記載されている
が、X線露光や高照度露光に対する感度、階調が低下
し、必ずしも好ましくない。またハロゲン化銀粒子の最
表層をハロゲン置換によって被覆層を設けたハロゲン化
銀粒子も、西独特許2932650号、特開昭51−2
417号、同51−17436号、同52−11927
号などに記載されているが、これらのハロゲン化銀粒子
は、定着速度を速めるなどの効果はあるが、現像抑制が
著しく、充分な性能が得られない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、工業用Xレイハロゲン化銀写真感光材料を鉛増感紙
を用いて露光し高アルカリ性である工業用Xレイ写真感
光材料用の現像液にて現像処理するとき写真特性に影響
を与えないで増感紙汚れの発生を軽減した放射線画像記
録用感光材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は支持体上に少な
くとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する工業用
Xレイハロゲン化銀写真感光材料であり、該感光性ハロ
ゲン化銀乳剤層および/または他の構成層中に平均粒径
0.2μm未満の非感光性の沃化銀含有率30モル%以
上のハロゲン化銀微粒子を含有する工業用Xレイハロゲ
ン化銀写真感光材料を鉛はく増感紙を用いてX線露光
し、工業用Xレイハロゲン化銀写真感光材料用の現像液
により実質的な現像時間が2分間以上の処理をすること
により達成された。
【0005】本発明で使用する実質的に非感光性のハロ
ゲン化銀微粒子について説明する。ハロゲン化銀微粒子
を感材中に含有させること自体は新規なことではない。
現像液中に蓄積したヨードによるカブリの増加等の写真
性の変化を防止する手段として、実質的に感度を有さな
いハロゲン化銀微粒子を感材中に含有させ、性能を向上
させる試みが行われてきた。たとえば特開昭50−23
228号、同59−69754号、同59−16013
5号には微粒子乳剤を含有させる技術が開示されてい
る。しかしながら、これらの従来技術に使用されたハロ
ゲン化銀微粒子は、比較的沃化銀含有率が低い沃臭化銀
または純臭化銀、または塩化銀含有率が高い塩臭化銀な
どである。また、ハロゲン化銀微粒子を含有した感材を
鉛はく増感紙を用いてX線露光し、高アルカリ性である
工業用Xレイ感材用の現像液により実質的な現像時間が
比較的長い処理をした時の増感紙汚れ防止効果の実現
は、まさに予想しえない驚くべき事実であった。本発明
で含有させる微細なハロゲン化銀粒子のハロゲン組成は
沃化銀含有率が30%以上の沃臭化銀または塩沃臭化銀
が好ましく、更に好ましくは沃化銀含有率が50%以上
の沃臭化銀が本発明の達成にとって好ましい。
【0006】また本発明の微細ハロゲン化銀粒子は写真
画像を形成するために設置された感光性ハロゲン化銀乳
剤層、中間層、下塗層、保護層などに添加される。また
それらの複数の層に添加してもよい。特に好ましくは、
その保護層にのみ添加することである。本発明に用いら
れる微細ハロゲン化銀粒子は、平均サイズ(体積相当球
直径)で0.2μm未満である必要がある。平均サイズ
が小さい程、より少量の微細ハロゲン化銀の添加で十分
な効果を得ることができて好ましい。本発明に対しては
平均粒子サイズが0.15μm未満であることが好まし
く、特に好ましくは0.1μm未満の超微粒子である。
粒子サイズは通常行なわれている電子顕微鏡を用いる方
法で決定できる。粒子サイズの平均値は数平均によって
決定される。粒子サイズ分布には特に制限はないがサイ
ズ分布の狭いいわゆる炭分散乳剤を用いるのが本発明に
とって好ましい。好ましいサイズ分布は変動係数で20
%以下、さらに好ましくは15%以下、特に好ましくは
10%以下である。粒子の形状は(100)面からなる
立方体、(111)面からなる八面体、(110)面か
らなる12面体、さらに(hhl)、(hkl)面
(h、k、l>1)などの高次の面指数をもつ多面体の
いずれでもよい。また(100)と(111)面が共存
する14面体粒子などの複数の面を有する粒子でもよ
い。さらに双晶面をもつ平板状粒子、不定型であるジャ
ガイモ状粒子でもよい。本発明に用いる微粒子はいずれ
の形状でもよい。
【0007】微粒子は内部と表層が均一な相から成って
いても、異なる相から成っていてもよい。異なる相から
なる場合にはコアー・シェル構造でも、エピタキシャル
構造のどちらでもよい。さらに本発明の微粒子には、粒
子の成長を抑制したり物理熟成を抑制し、感材の写真性
能を安定に保つために下記一般式(I)の化合物を添加
しておいてもよい。 一般式(I)
【0008】
【化1】
【0009】(式中、R1 は少なくとも1個の−COO
Mもしくは−SO3 Mで置換された脂肪族基、芳香族基
またはヘテロ環基を表わし、Mは水素原子、アルカリ金
属原子、四級アンモニウムまたは四級ホスホニウムを表
わす。)一般式(I)のR1 で示される脂肪族基として
は、具体的には炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐アル
キル基(例えばメチル基、プロピル基、ヘキシル基、ド
デシル基、イソプロピル基など)、炭素数1〜20のシ
クロアルキル基(例えばシクロプロピル基、シクロヘキ
シル基など)、芳香族基としては、具体的には炭素数6
〜20のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基な
ど)、また、ヘテロ環基としては、具体的には1個以上
の窒素、酸素あるいは硫黄原子等を含む5員環、6員環
あるいは7員環のヘテロ環であり、さらに適当な位置で
縮合環を形成しているもの(例えば、ピリジン環、キノ
リン環、ピリミジン環、イソキノリン環など)を包含す
る。また、上記の直鎖もしくは分岐アルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基及びヘテロ環基は−COOMま
たは−SO3 Mに加えさらに置換基を有してもよい。こ
れらの置換基としては、具体的には、ハロゲン原子
(F、Cl、Brなど)、アルキル基(メチル基、エチ
ル基など)、アリール基(フェニル基、p−クロロフェ
ニル基など)、アルコキシ基(メトキシ基、メトキシエ
トキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基な
ど)、スルホニル基(メタンスルホニル基、p−トルエ
ンスルホニル基など)、スルホンアミド基(メタンスル
ホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基など)、スル
ファモイル基(ジエチルスルファモイル基、無置換スル
ファモイル基など)、カルバモイル基(無置換カルバモ
イル基、ジエチルカルバモイル基など)、アミド基(ア
セトアミド基、ベンズアミド基など)、ウレイド基(メ
チルウレイド基、フェニルウレイド基など)、アルコキ
シカルボニルアミノ基(メトキシカルボニルアミノ基な
ど)、アリールオキシカルボニルアミノ基(フェノキシ
カルボニルアミノ基など)、アルコキシカルボニル基
(メトキシカルボニル基など)、アリールオキシカルボ
ニル基(フェノキシカルボニル基など)、シアノ基、ヒ
ドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、アミ
ノ基(無置換アミノ基、ジメチルアミノ基など)、アル
キルスルフィニル基(メトキシスルフィニル基など)、
アリールスルフィニル基(フェニルスルフィニル基な
ど)、アルキルチオ基(メチルチオ基など)、及びアリ
ールチオ基(フェニルチオ基など)を挙げることがで
き、これらの置換基は2個以上置換していてもよく又、
置換基は同じでも異なっていてもよい。一般式(I)で
表わされる含チッ素異節環化合物(メルカプトテトラゾ
ール誘導体)のうちで、特に好ましいものとして一般式
(II)で表わされるものを挙げることができる。 一般式(II)
【0010】
【化2】
【0011】一般式(II)のR2 は少なくとも1個の−
COOMまたは−SO3 Mで置換されたフェニル基を表
わし、このフェニル基は−COOMまたは−SO3 M以
外に、さらに他の置換基によって置換されていてもよ
い。他の置換基として具体的には前記R1 で表わされる
直鎖もしくは分岐アルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基及びヘテロ環基の置換基と同じものを挙げること
ができる。ここで−COOM、−SO3 Mが2個以上あ
るときは同じでも異なってもよい。Mは一般式(I)で
表わされたものと同じものを意味する。以下に本発明に
用いられる一般式(I)で表わされる化合物の好ましい
具体例を挙げる。但し、本発明はこれら具体例のみに限
定されるものではない。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】本発明における実質的に非感光性の微細ハ
ロゲン化銀粒子の使用量は1平方メートル当り銀量とし
て0.001〜1g/m2であることが好ましく、特に
0.001〜0.1g/m2であることが好ましい。本発
明において「現像時間」とは、処理する感光材料の先端
が現像タンク液に浸漬してから次の定着液に浸漬するま
での時間をいう。本発明の現像処理では、現像時間が2
分以上、好ましくは4分〜20分、その現像温度は15
°〜40°が好ましく、20°〜35°がより好まし
い。
【0016】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀乳
剤のハロゲン化銀としては塩臭化銀、臭化銀、沃臭化
銀、塩沃臭化銀を用いることができる。ここで沃化銀の
含量は好ましくは30モル%以下、特に10モル%以下
の範囲であることが好ましい。沃臭化銀粒子中の沃素の
分布は均一でもよく又、内部と表面とで異なってもよ
い。沃化銀が表面に存在するようにする方法としては粒
子形成中にハロゲンとしてヨードイオンを添加する方法
でもよいし、また粒子形成後、水洗工程、後熟工程、あ
るいは塗布前にヨードイオンを添加する方法のいずれで
も目的は達成できる。また粒子表面に存在する沃化銀の
含量は、当業界では周知の方法であるESCA法等によ
って測定できる。
【0017】乳剤中ハロゲン化銀粒子は立方体、8面
体、14面体、菱12面体のような規則的(regular)な
結晶形を有するものでもよく、また球状、板状、じゃが
いも状などのような変則的(irregular)な結晶形を有す
るものでも或いはこれらの結晶形の複合形を有するもの
でもよい、種々の結晶形の粒子の混合から成ってもよ
い。また粒子径が粒子厚みの5倍以上の平板粒子は、本
発明に対し好ましく用いられる(詳しくは、RESEA
RCH DISCLOSURE225巻Item225
34P.20〜P.58、1月号、1983年、及び特
開昭58−127921号、同58−113926号公
報に記載されている)。
【0018】ハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズは、そ
の粒子と同体積の球の径をもって粒子のサイズと定義
し、その平均値を平均粒子サイズとする。この平均粒子
サイズは0.1μm〜2.0μmであることが好ましい
が、特に0.2μm以上であることが好ましい。
【0019】本発明において、感光性ハロゲン化銀乳剤
は、2種類以上のハロゲン化銀乳剤を混合して用いても
よい。混合する乳剤の粒子サイズ・ハロゲン組成・感度
・等が異なっていてもよい。例えば、球状もしくはじゃ
がいも状の感光性乳剤と粒子径が粒子厚みの5倍以上の
平板粒子からなる感光性ハロゲン化銀乳剤と同一もしく
は特開昭58−127921号公報に記載の如く異なっ
た層に用いてもよい。異なった層に用いる時、平板粒子
からなる感光性ハロゲン化銀乳剤は支持体に近い側にあ
ってもよいし、逆に遠い側にあってもよい。
【0020】本発明に用いられる写真乳剤は、P.Glafki
des 著 Chimie et Physique Photographique ( Paul Mo
ntel社刊、1967年)、 G. F. Duffin 著 Photogra
phicEmulsion Chemistory( The Focal Press刊、196
6年)、V. L. Zelikman etal著 Making and Coting Ph
otographic Emulsion (The Focal Press 刊、1964
年)、特開昭58−127921号及び58−1139
26号公報などに記載された方法あ用いて調整すること
ができる。すなわち、酸性法、中性法、アンモニア法等
のいずれでもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩
を反応させる形式としては片側混合法、同時混合法、そ
れらの組合せなどのいずれを用いてもよい。
【0021】ハロゲン化銀粒子を銀イオン過剰の下にお
いて形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用いること
もできる。同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀
の生成された液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわ
ちいわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用いる
こともできる。この方法によると、結晶形が規則的で粒
子サイズが均一に近いハロゲン化銀粒子よりなるハロゲ
ン化銀乳剤がえられる。
【0022】ハロゲン化銀粒子の結晶構造は内部まで一
様なものであっても、また内部と外部が異質の層状構造
をしたものや、英国特許635,841号、米国特許
3,622,318号に記載されているような、いわゆ
るコンバージョン型のものであってもよい。又エピタキ
シャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合さ
れていてもよく、また例えばロダン銀、酸化銀以外の化
合物と接合されていてもよい。又表面潜像型であっても
内部潜像型であってもどちらでもよい。ハロゲン化銀製
造時のハロゲン化銀粒子形成または物理熟成の過程にお
いて、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリ
ジウム塩またはその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、
鉄塩または鉄錯塩などを共存させてもよい。
【0023】また、粒子形成時にはアンモニア、チオエ
ーテル化合物、チアゾリジン−2−チオン、四置換チオ
尿素、ロダンカリ、ロダンアンモン、アミン化合物の如
きいわゆるハロゲン化銀溶剤を存在せしめ粒子成長をコ
ントロールしてもよい。本発明に用いられるハロゲン化
銀乳剤は化学増感されていても、されていなくてもよ
い。化学増感の方法としては硫黄増感法、還元増感法、
金増感法などの知られている方法を用いることができ、
単独または組合せで用いられる。
【0024】貴金属増感法のうち金増感法はその代表的
なもので金化合物、主として金錯塩を用いる。金以外の
貴金属、たとえば白金、パラジウム、イリジウム等の錯
塩を含有しても差支えない。その具体例は米国特許2,
448,06 号、英国特許618,061号などに記
載されている。硫黄増感剤としては、ゼラチン中に含ま
れる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、たとえばチ
オ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニン類等
を用いることができる。還元増感剤としては第一すず
塩、アミン類、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化
合物などを用いることができる。さらにセレン化合物、
テルル化合物による増感も好ましく用いられる。
【0025】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。すなわちアゾール類
{例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール
類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダ
ゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、ニトロインダ
ゾール類、ベンゾトリアゾール類、アミノトリアゾール
類など};メルカプト化合物類{例えばメルカプトチア
ゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプト
ベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、
メルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−5−メ
ルカプトテトラゾール)、メルカプトピリミジン類、メ
ルカプトトリアジン類など};例えばオキサドリンチオ
ンのようなチオケト化合物;アザインデン類{例えばト
リアザインデン類、テトラアザインデン類(特に4−ヒ
ドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン
類)、ペンタアザインデン類など};ベンゼンチオスル
ホン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸ア
ミド等のようなカブリ防止剤または安定剤として知られ
た、多くの化合物を加えることができる。
【0026】具体的にはRESERCH DISCLO
SER Item17643VI項(1978年12月号
P.24〜P.25)に記載もしくは引用された文献に
記載されている。特に特開昭60−76743号、同6
0−87322号公報に記載のニトロン及びその誘導
体、特開昭60−80839号公報に記載のメルカプト
化合物、特開昭57−164735号公報に記載のヘテ
ロ環化合物、及びヘテロ環化合物と銀の錯塩(例えば1
−フェニル−5−メルカプトテトラゾール銀)などを好
ましく用いることができる。
【0027】本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤は、増感
色素によって比較的長波長の青色光、緑色光、赤色光ま
たは赤外光に分光増感されてもよい。増感色素として、
シアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックスシア
ニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロホー
ラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、
オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等を用いるこ
とができる。本発明に使用される有用な増感色素は例え
ばRESERCH DISCLOSUER Item
17643 IV−A項(1978年12月P.23)、
同Item 18431 X項(1979年8月P.4
37)に記載もしくは引用された文献に記載されてい
る。
【0028】ここで増感色素は写真乳剤の製造工程のい
かなる工程に存在させて用いることもできるし、製造後
塗布直前までのいかなる段階に存在させることもでき
る。前者の例としては、ハロゲン化銀粒子形成工程、物
理熟成工程、化学熟成工程などである。
【0029】本発明を用いて作られる感光材料の写真乳
剤層または他の親水性コロイド層には塗布助剤、帯電防
止、スベリ性改良、乳化分散、接着防止及び写真特性改
良(例えば、現像促進、硬調化、増感)等種々の目的
で、種々の界面活性剤を含んでもよい。例えばサポニン
(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導体(例え
ばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール/
ポリプロピレングリコール縮合物、ポリエチレングリコ
ールアルキルエーテル類又はポリエチレングリコールア
ルキルアリールエーテル類、シリコーンのポリエチレン
オキサイド付加物類)、糖のアルキルエステル類などの
非イオン性界面活性剤;アルキルスルフォン酸塩、アル
キルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスル
フォン酸塩、アルキル硫酸エステル類、N−アシル−N
−アルキルタウリン類、スルホコハク酸エステル類、ス
ルホアルキルポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル類などのアニオン界面活性剤;アルキルベタイン
類、アルキルスルホベタイン類などの両性界面活性剤;
脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウム塩類、ピリジ
ニウム塩類、イミダゾリウム塩類などのカチオン界面活
性剤を用いることができる。
【0030】この内、サポニン、ドデシルベンゼンスル
ホン酸Na塩、ジ・2・エチルヘキシルα−スルホコハ
ク酸Na塩、p−オクチルフェノキシエトキシエタンス
ルホン酸Na塩、ドデシル硫酸Na塩、トリイソプロピ
ルナフタレンスルホン酸Na塩、N−メチル−オレオイ
ルタウリンNa塩、等のアニオン、ドデシルトリメチル
アンモニウムクロライド、N−オレオイル−N′,
N′,N′−トリメチルアンモニオジアミノプロパンブ
ロマイド、ドデシルピリジウムクロライドなどのカチオ
ン、N−ドデシル−N,N−ジメチルカルボキシベタイ
ン、N−オレイル−N,N−ジメチルスルホブチルベタ
インなどのベタイン、ポリ(平均重合度n=10)オキ
シエチレンセチルエーテル、ポリ(n=25)オキシエ
チレンp−ノニルフェノールエーテル、ビス(1−ポリ
(n=15)オキシエチレン−オキシ−2,4−ジ−t
−ペンチルフェニル)エタンなどのノニオンを特に好ま
しく用いることができる。
【0031】帯電防止剤としてはパーフルオロオクタン
スルホン酸K塩、N−プロピル−N−パーフルオロオク
タンスルホニルグリシンNa塩、N−プロピル−N−パ
ーフルオロオクタンスルホニルアミノエチルオキシポリ
(n=3)オキシエチレンブタンスルホン酸Na塩、N
−パーフルオロオクタンスルホニル−N′,N′,N′
−トリメチルアンモニオジアミノプロパンクロライド、
N−パーフルオロデカノイルアミノプロピルN′,N′
ジメチル−N′−カルボキシベタインの如き含フッ素界
面活性剤、特開昭60−80848号、同61−112
144号、特願昭61−13398号、同61−160
50などに記載のノニオン系界面活性剤、アルカリ金属
の硝酸銀、導電性酸化スズ、酸化亜鉛、五酸化バナジウ
ム又はこれらにアンチモン等をドープした複合酸化物を
好ましく用いることができる。
【0032】本発明に於てはマット剤としてポリメチル
メタクリレートのホモポリマー又はメチルメタクリレー
トとメタクリル酸とのポリマー、デンプンなどの有機化
合物、シリカ、二酸化チタン、等の無機化合物の微粒子
を用いることができる。粒子サイズとしては1.0〜1
0μm、特に2〜5μmであることが好ましい。本発明
の写真感光材料の表面層には滑り剤として米国特許第
3,489,576号、同4,047,958号等に記
載のシリコーン化合物、特公昭56−23139号公報
に記載のコロイダルシリカの他に、パラフィンワック
ス、高級脂肪酸エステル、デン粉誘導体等を用いること
ができる。
【0033】本発明の写真感光材料の親水性コロイド層
には、トリメチロールプロパン、ペンタンジオール、ブ
タンジオール、エチレングリコール、グリセリン等のポ
リオール類を可塑剤として用いることができる。さら
に、本発明の写真感光材料の親水性コロイド層には、耐
圧力性改良の目的でポリマーラテックスを含有せしめる
ことが好ましい。ポリマーとしてはアクリル酸のアルキ
ルエステルのホモポリマー又はアクリル酸とのコポリマ
ー、スチレン−ブタジエンコポリマー、活性メチレン基
を有するモノマーからなるポリマー又はコポリマーを好
ましく用いることができる。
【0034】本発明の写真乳剤及び非感光性の親水性コ
ロイドには無機または有機の硬膜剤を含有してよい。例
えばクロム塩、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グリ
タールアルデヒドなど)、N−メチロール化合物(ジメ
チロール尿素など)、ジオキサン誘導体(2,3−ジヒ
ドロキシジオキサンなど)、活性ビニル化合物(1,
3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリア
ジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエーテル、N,
N′−メチレンビス−〔β−(ビニルスルホニル)プロ
ピオンアミド〕など)、活性ハロゲン化合物(2,4−
ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジンなど)、ム
コハロゲン酸類(ムコクロル酸など)、N−カルバモイ
ルピリジニウム塩類(1−モルホリノカルボニル−3−
ピリジニオ)メタンスルホナートなど)、ハロアミジニ
ウム塩類(1−(1−クロロ−1−ピリジノメチレン)
ピロリジニウム、2−ナフタレンスルホナートなど)を
単独または組合せて用いることができる。なかでも、特
開昭53−41220、同53−57257、同59−
162546、同60−80846に記載の活性ビニル
化合物および米国特許3,325,287号に記載の活
性ハロゲン化物が好ましい。
【0035】本発明の感光材料の親水性コロイド層はこ
れらの硬膜剤により水中での膨潤率が280%以下、に
なるように硬膜されていることが好ましい。本発明の感
光材料の乳剤層や中間層に用いることのできる結合剤ま
たは保護コロイドとしては、ゼラチンを用いるのが有利
であるが、それ以外の親水性コロイドも用いることがで
きる。
【0036】例えばデキストラン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−
ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルイミダゾール、の単一あるいは共重合体
の如き多種の合成親水性高分子物質を用いることができ
る。ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか、酸処理
ゼラチンや酵素処理ゼラチンを用いてもよく、また、ゼ
ラチンの加水分解物を用いることができる。これらの中
でもゼラチンとともにデキストラン及びポリアクリルア
ミドを併用することが好ましい。
【0037】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は感光
性ハロゲン化銀乳剤層の他に表面保護層、中間層、ハレ
ーション防止層等の非感光性層を有していてもよい。ハ
ロゲン化銀乳剤層は2層以上であれば何層でもよく、2
層以上のハロゲン化銀乳剤層の感度、階調等は異ってい
てもよい。又、支持体の両側にハロゲン化銀乳剤層や非
感光性層を有していてもよい。
【0038】X線撮影感材用支持体としてはポリエチレ
ンテレフタレートフィルムまたは三酢酸セルロースフィ
ルムが好ましく、特に青色に着色されていることが好ま
しい。
【0039】支持体は親水性コロイド層との密着力を向
上せしめるために、その表面をコロナ放電処理、あるい
はグロー放電処理あるいは紫外線照射処理する方法が好
ましくあるいは、スチレンブタジエン系ラテックス、塩
化ビニリデン系ラテックス等からなる下塗層を設けても
よくまた、その上層にゼラチン層を更に設けてもよい。
またポリエステル膨潤剤とゼラチンを含む有機溶剤を用
いた下塗層を設けてもよい。これ等の下塗層は表面処理
を加えることで更に親水性コロイド層との密着力を向上
することもできる。
【0040】ここで、X線用感光材料として用いるに
は、RESEARCH DISCLOSURE Ite
m18431(1979年8月P.433〜P.44
1)安定剤、カブリ防止剤およびクニック防止剤に関す
る技術(P.433〜P.436)、に記載された保護
層に関する技術(P.436,IV項)等を用いることが
好ましい。
【0041】X線写真像を得るためには、露光は通常の
方法を用いて行なえばよい。すなわち、両側に感光層の
ある感光材料を2枚の鉛はく増感紙等でサンドイッチし
てX線露光する方法である。
【0042】本発明の感光材料の写真処理には、例えば
リサーチ・ディスクロージャー(RESEARCH D
ISCLOSURE)176号第28〜30頁(RD−
17643)に記載されているような、公知の方法及び
公知の処理液のいずれをも適用することができる。
【0043】写真処理する場合に用いる現像液は、知ら
れている現像主薬を含むことができる。現像主薬として
は、ジヒドロキシベンゼン類(たとえばハイドロキノ
ン)、3−ピラゾリドン類(たとえば1−フェニル−3
−ピラゾリドン)、アミノフェノール類(たとえばN−
メチル−p−アミノフェノール)などを、単独もしくは
組合せてもちいることができる。本発明の感光材料の写
真処理には、特開昭57−78535号に記載のハロゲ
ン化銀溶剤としてイミダゾール類を含む現像液にて処理
することもできる。また、特開昭58−37643号に
記載のハロゲン化銀溶剤とインダゾールもしくはトリア
ゾールなどの添加剤とを含む現像液にて処理することが
できる。現像液には一般にこの他公知の保恒剤、アルカ
リ剤、pH緩衝剤、カブリ防止剤などを含み、さらに必
要に応じ溶解助剤、色調剤、現像促進剤、界面活性剤、
消泡剤、硬水軟化剤、硬膜剤(例えばグルタルアルデヒ
ド)、粘性付与剤などを含んでもよい。
【0044】定着液としては一般に用いられる組成のも
のを用いることができる。定着剤としてはチオ硫酸塩、
チオシアン酸塩のほか、定着剤としての効果が知られて
いる有機硫黄化合物を用いることができる。定着液には
硬膜剤として水溶性アルミニウム塩を含んでもよい。
【0045】以下実施例にて本発明を具体的に説明す
る。
【0046】
【実施例】
実施例1 微細沃化銀粒子Aの調製 水2リットル中に沃化カリウム0.5g、ゼラチン26
gを添加し35°に保った溶液中へ攪拌しながら40g
の硝酸銀を含む硝酸銀水溶液80ccと39gの沃化カリ
ウムを含む水溶液80ccを5分間で添加した。この時、
硝酸銀水溶液と沃化カリウム水溶液の添加流速は添加開
始時には各々8cc/分とし、5分間で80cc添加終了す
るように直線的に流速を加速した。こうして粒子を形成
しおわったのち35℃にて沈降法により可溶性塩類を除
去した。つぎに40℃に昇温してゼラチン7gを添加し
苛性ソーダによりpHを6.8に調整した。得られた乳
剤は平均直径が0.02μmの単分散AgI微粒子であ
った。
【0047】微細沃臭化銀粒子B(AgBr4060)の
調製 Aの調製に対して40gの硝酸銀80ccと同時に添加す
るハロゲン水溶液を沃化カリウム23.1gと臭化カリ
ウム11.1gの混合水溶液とした。得られた乳剤は平
均直径が0.04μmの単分散沃臭化銀微粒子であっ
た。
【0048】微細臭化銀粒子Cの調製 水2リットル中に臭化カリウム0.36g、ゼラチン2
6gを添加し35℃に保った溶液中へ攪拌しながら40
gの硝酸銀を含む水溶液80ccと28gの臭化カリウム
を含む水溶液をAと同じ方法で添加した。以下Aと同様
にして乳剤Cを得た。得られた乳剤は平均直径が0.0
6μmの単分散臭化銀微粒子であった。
【0049】微細塩臭化銀粒子D(AgBr60CI40
の調製 30℃に保ったゼラチン水溶液(a)に硝酸銀水溶液
(b)とハロゲン水溶液(c)を同時混合法により、電
位を+150mVに制御しながら12分間で添加した。 (a)石灰処理ゼラチン 10g KBr 0.41g H2 O 1000cc (b)AgNO3 150g H2 O 300cc (c)KBr 62.6g NaCl 21.6g H2 O 300cc 電位の測定は、金属銀電極とダブルジャンクション型飽
和カロメロ比較電極を用いた。沈降剤としてナフタレン
スルホン酸ソーダのホルマリン縮合物を加えpH3.8
にて脱塩処理をおこなった。その後、ゼラチン30gと
2 Oを加えて分散し、苛性ソーダでpH6.8に調整
した。得られた乳剤は平均粒径が0.08μmの塩臭化
銀微粒子であった。
【0050】微細塩化銀粒子Eの調製 38℃に保ったゼラチン水溶液(d)に硝酸銀水溶液
(e)と塩化ナトリウム水溶液(f)を、同時混合法に
より、電位を+450mVに制御しながら(e)液の添
加が終了するまでの12分間添加を行った。電位の測定
は、金属銀電極とダブルジャンクション型飽和カロメロ
比較電極を用い、電位制御は設定電位に対する差を検知
して、(f)液の添加量を自動的にコントロールして行
った。その後沈降剤としてナフタレンスルホン酸ソーダ
のホルマリン縮合物を加え、pHを3.8に合わせて、
脱塩処理を行ない、その後NaOHとゼラチンとH2
を加えて分散し、pH6.8になる様に調製した。 (d)石灰処理ゼラチン 10g NaCl 0.2g H2 O 1000cc (e)AgNO3 150g H2 O 300cc (f)NaCl 54g H2 O 300cc (e)と(f)の溶液を添加した直後は微細だった粒子
は脱塩処理中に凝集や、物理熟成がおこってしまい多分
散で平均粒径0.36μmの塩化銀粒子がpH調整後に
得られた。以上のA〜Eの調製内容と結果を表−1にま
とめた。
【0051】
【表1】
【0052】感光性ハロゲン化銀乳剤イの調製 以下の様な方法で感光性ハロゲン化銀乳剤を作製した。
水1リットル中に臭化カリウム1.7gと、沃化カリウ
ム1.2g、ゼラチン23g、チオエーテルHO(CH
2 2 S(CH2 2 S(CH2 2 OHの5%水溶液
10ccを添加し、75℃に保った容器中へ攪拌しながら
硝酸銀水溶液480cc(硝酸銀200g)と臭化カリウ
ムの水溶液をpAg8.3に保ちながらコントロールダ
ブルジェット法で50分間かけて添加した。10分間そ
のままの温度で物理熟成したのち35℃に温度を下げ、
沈降法により可溶性塩類を除去した。再び40℃に昇温
してゼラチン140gとフェノキシエタノール4.5g
および増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム
0.3gを添加し、苛性ソーダと臭化カリウム溶液でp
H6.5、pAg8.8に調製した。こうして得られた
粒子はトータル沃化銀含量0.61モル%、平均粒子直
径0.52μmの単分散立方体粒子だった。
【0053】この乳剤を攪拌しながら50℃に保ち化学
増感を施した。まず1−フェニル−5−メルカプトテト
ラゾール20mgを加え、次にチオ硫酸ナトリウム5mgと
塩化金酸1.5mgおよびチオシアン酸カリウム50mgを
添加し、40分後に4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7テトラザインデン0.5gを添加して35
℃に冷却し乳剤イとした。
【0054】乳剤イのハロゲン化銀1モルあたり下記の
薬品を添加して塗布液とした。 ・4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テト ラザインデン 1.2g ・トリメチロールプロパン 5g ・デキストラン(平均分子量3.9万) 15g ・コロイダルシリカ 5g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 0.5g
【0055】表面保護層塗布液の調製 表面保護層は各成分が下記の塗布量となるように調製準
備した。 表面保護層の内容 塗布量 ・ゼラチン 1.700g/m2 ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 0.054g ・ポリメチルメタクリレート(平均分子量3.7μm) 0.052g ・プロキセル(NaOHでpH7.4に調整) 0.001g ・コロイダルシリカ 0.326g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 0.012g ・ジメチルシロキサン分散物 粒径0.11μm 0.024g ・p−オクチルフェノキシエトキシエトキシエトキシエタ ンスルホン酸ナトリウム 0.025g ・ポリエチレンオキサイド系ノニオン界面活性剤 0.006g ・含フッ素アニオン界面活性剤 0.003g ・複合ラテックス(大日本インキ(株)製VONCOAT DV−759) 1.080cc
【0056】写真材料の調製 調製した乳剤塗布液と表面保護層塗布液とを、あらかじ
め下びき層を塗設した175μmのポリエチレンテレフ
タレート支持体上の両面に片面ずつ同じように塗布、乾
燥し、写真材料1を得た。この写真材料には塗布直前に
乳剤塗布液に硬膜剤として2,4−ジクロル−6−ヒド
ロキシ−s−トリアジンを添加し、片面当りの塗布銀量
は7.0g/m2とした。
【0057】さらに写真材料1の表面保護層に微細ハロ
ゲン化銀粒子A〜Eを含有させた写真材料2〜8を同様
に調製した。このとき、微粒子によって持ち込まれるゼ
ラチン量は表面保護層中のゼラチンを減らすことで写真
材料1と同じになるように調整した。これらの写真材料
について表2にまとめた。
【0058】
【表2】
【0059】性能の評価 これらの写真材料について次の方法で各項目の評価を行
った。 <X線写真感度>写真材料を鉛はく増感紙とともにカセ
ッテに入れ、X線照射時間が1秒、1.6秒、2.5秒
・・・(100.2 倍ずつ長くなる)となるX線照射を段
階状に行った。この試料を表3に示す手順にしたがって
現像処理を行ない、得られた試料の光学濃度からlog
(X線照射時間)対光学濃度の関係を得た。その光学濃
度がカブリ+2.0となる点のX線照射時間を求め、そ
の値から相対感度を求めた。
【0060】
【表3】
【0061】<増感紙汚れ>光学濃度が約1.5になる
ようにX線照射をした後、写真材料を鉛はく増感紙では
さんで、その上からクリップで4角を強くはさむ。この
3枚重ねの試料を曲げたりもどしたり10回くり返し
て、写真材料と鉛はく増感紙をこすり合わせる。この
後、クリップをはずし、写真材料をとり出して、表4に
示す手順に従って現像処理を行った。
【0062】
【表4】
【0063】このような手順で処理した試料は、クリッ
プではさんだ部分に黒化部分があらわれるが、この黒化
の程度を官能評価で5段階に評価をした。5点がほとん
ど黒化がなく、1点が非常に強く黒化した場合をあらわ
している。
【0064】前記写真材料1〜8について、性能を評価
した結果を表2に示した。この表からわかるとおり、微
細沃化銀乳剤を保護層に含有させることにより、写真感
度が上昇するばかりでなく、増感紙汚れも顕著に良化す
ることがわかる。また微細ハロゲン化銀乳剤でも、その
沃化銀含有率が低下するとともに、増感紙汚れに対する
効果も失なわれ、純臭化銀や塩臭化銀などではもはや、
まったくその効果を有しないことがわかる。したがっ
て、これらの評価項目が好ましい結果を与えるのは本発
明に開示された高沃化銀微粒子のみであることがわか
る。
【0065】実施例2 微細沃化銀粒子F,Gの調製 前記微細乳剤Aと同様にして、55℃及び75℃に保っ
た溶液中で、乳剤F,Gを調整した。得られた乳剤はそ
れぞれ平均粒径が0.07及び0.14μmのやや分布
の広いAgI微粒子であった。
【0066】安定化剤を吸着させた微細ハロゲン化銀粒
子H,Iの調製 微細ハロゲン化銀粒子Aの調製に対して硝酸銀とハロゲ
ン水溶液の添加が終了した直後に一般式(I)の化合物
例(1) 及び化合物例(11)を銀1モル当たり1.5g添加
して各々乳剤H,Iとした。以上のA及びF〜Iの調製
内容と結果を表5にまとめた。
【0067】
【表5】
【0068】感光性ハロゲン化銀乳剤ロの調製 以下の様な方法で感光性ハロゲン化銀乳剤を作製した。
水1リットル中に臭化カリウム4.5g、ゼラチン1
5.4g、チオエーテルHO(CH2 2 S(CH2
2 S(CH2 2 OHの5%水溶液2.5ccを添加し、
35℃に保った容器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37
cc(硝酸銀3.43g)と臭化カリウム2.97gと沃
化カリウム0.363gを含む水溶液33ccをダブルジ
ェット法により37秒間で添加した。つぎに臭化カリウ
ム0.9gの水溶液を添加した後、45℃に昇温して硝
酸銀水溶液53cc(硝酸銀4.90g)を13分間かけ
て添加した。ここで25%のアンモニア水溶液10ccを
添加、そのままの温度で20分間物理熟成したのち10
0%酢酸溶液を9cc添加した。引き続いて硝酸銀13
3.3gの水溶液と臭化カリウムの水溶液をpAg8.
5に保ちながらコントロールダブルジェット法で35分
間かけて添加した。次に2Nのチオシアン酸カリウム溶
液10ccと直径0.07μmのAgI微粒子を全銀量に
対して0.05モル%添加した。5分間そのままの温度
で物理熟成したのち35℃に温度を下げた。こうしてト
ータル沃化銀含量0.31モル%、平均投影面積直径
0.68μm、厚み0.14μm、直径の変動係数1
6.5%の単分散平板状粒子をえた。この後、沈降法に
より可溶性塩類を除去した。再び40℃に昇温してゼラ
チン55gとフェノキシエタノール2.35gおよび増
粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.8g
を添加し、苛性ソーダと硝酸銀溶液でpH5.90、p
Ag8.25に調整した。この乳剤を攪拌しながら56
℃に保った状態で化学増感を施した。まず4−ヒドロキ
シ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
30mgを添加し、さらにチオ硫酸ナトリウム4.8mgと
塩化金酸3.8mgおよびチオシアン酸カリウム90mgを
添加し60分後に35℃に冷却し、乳剤ロとした。
【0069】乳剤ロのハロゲン化銀1モルあたり下記の
薬品を添加して塗布液とした。 ・2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミ ノ−1,3,5−トリアジン 40mg ・トリメチロールプロパン 9g ・デキストラン(平均分子量3.9万) 18.5g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1.8g ・ゼラチン 10g
【0070】写真材料の調製 調製した乳剤塗布液と実施例1と同じ表面保護層塗布液
とを、実施例(1) と同様にポリエチレンテレフタレート
支持体の上に塗布し、写真材料9を得た。この写真材料
には塗布直前に乳剤塗布液に硬膜剤として1,2−ビス
(ビニルスルホニルアセトアミド)エタンを膨潤率が2
30%になるように添加し、片面当りの塗布銀量が6.
7g/m2とした。
【0071】さらに写真材料の表面保護層に微細ハロゲ
ン化銀粒子A及びF〜Iを含有させた写真材料10〜1
4を同様に作製した。また、感光性ハロゲン化銀乳剤ロ
の塗布液に、微細ハロゲン化銀粒子Aを含有させた写真
材料15,16も作製した。このとき、微粒子によって
持ち込まれるゼラチン量は表面保護層中あるいは感光性
ハロゲン化銀に添加されるゼラチンを減らすことで写真
材料9と同じになるように調整した。これらの写真材料
について表6にまとめた。
【0072】
【表6】
【0073】性能の評価 これらの写真材料について実施例1と同様に各項目の評
価を行った結果を表6に示した。この表からわかるとお
り、微細沃化銀乳剤の粒子サイズが小さいほど増感紙汚
れを良化させる効果が大きい。また微細沃化銀乳剤を表
面保護層、感光性乳剤層どちらに含有させても同様の効
果が得られることがわかる。さらに微細沃化銀乳剤が一
般式(I)のような安定化剤で安定化されていても増感
紙汚れを良化させる効果には何ら影響がないことも写真
材料13,14から明らかである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有する工業用Xレイハロゲン化銀写真
    感光材料であり、該感光性ハロゲン化銀乳剤層および/
    または他の構成層中に平均粒径0.2μm未満の非感光
    性の沃化銀含有率30モル%以上のハロゲン化銀微粒子
    を含有する工業用Xレイハロゲン化銀写真感光材料を鉛
    はく増感紙を用いてX線露光した後、工業用Xレイハロ
    ゲン化銀写真感光材料用現像液により実質的な現像時間
    が2分間以上である処理をすることを特徴とするハロゲ
    ン化銀写真感光材料の処理方法。
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