JPH1195657A - 地図データ処理装置、地図データ処理方法および地図データ処理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地図データの更新処理をできるだけ簡単かつ
短時間に行い、かつ、更新後のデータを使うときの利用
しやすさを確保する。 【解決手段】 車両側の地図記憶部２２内の地図データ
は、情報センタ５０から送られた最新データを用いて更
新される。地図データには、ランドマーク情報、描画用
データ、経路計算用データなどの複数種類の種別地図デ
ータが含まれる。描画用及び経路計算用データに関して
は、センタ側の最新データと車両側のデータの差分デー
タが送られてくる。描画用の差分データは、通常処理部
２８により既存データとは別に記憶部２２に格納され
る。経路計算用の差分データは、再構築処理部３０によ
り既存データと合体、再構築される。一方、ランドマー
ク情報に関しては、差分化しないフルデータが車両へ送
られ、既存のデータに上書きされる。このように、それ
ぞれの種類別データに適した更新処理が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、最新地図データを
用いて地図記憶手段に記憶された地図データを更新する
地図データ処理装置および処理方法に関する。また、本
発明は、地図データ処理装置を含んだ地図データ処理シ
ステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】地図データを利用する電子機器が周知で
あり、代表的には以下で取り上げる車両用のナビゲーシ
ョン装置が知られている。従来のナビゲーション装置で
は、地図データは、ＣＤ−ＲＯＭ等の記憶媒体に記憶さ
れている。ナビゲーションを的確に行うためには新しい
地図を用いる必要がある。地図データの更新では、上記
の記憶媒体が丸ごと古いものから新しいものへ交換され
るのが一般的であった。

【０００３】一方、いわゆるＩＴＳ（Intelligent Tran
sport Systems）の一環として、車両と情報センタの間
のデータ通信により、各種の有用な情報を車両へ送る車
両情報システムが提案され、注目されている。そして、
最新の地図データも通信で車両へ送ることが提案され、
これにより地図データの更新処理が容易になると期待さ
れている。

【０００４】特開平８−３０５２８２号公報には、通信
を利用して地図データを更新するシステムの一例が開示
されている。情報センタは最新地図データをもち、この
情報センタと車載ナビゲーション装置との間でデータ通
信が行われる。ナビゲーション装置では、地図データが
読み書き可能な状態で記憶手段に格納されている。更新
の際は、地図の版数に基づいて、車両側の地図データが
最新か否かが調べられる。最新でない場合、センタ側か
ら最新地図データが送られる。

【０００５】さらに、上記の特開平８−３０５２８２号
公報では、更新処理を短時間で行うため、情報センタか
ら車両へ差分データを送ることが提案されている。差分
データとは、センタのもつ最新地図データと、車両のも
つ古い地図データとの相違部分を抽出したデータであ
る。差分データは、元の最新地図データよりも大幅にデ
ータ量が少ないので、データ通信時間が短くて済む。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】地図データの更新処理
では、まず、更新処理ができるだけ短時間で行われるこ
とが望まれ、上記の差分データを利用することは、高速
化のための一つの有効な手段である。さらに、更新処理
では、更新後の地図データをナビゲーション関連の処理
に使用するときの利用しやすさ（利用性）が確保される
ことが重要である。すなわち、更新処理のために地図デ
ータを利用する処理が複雑化することのないように図る
ことが求められる。そして、更新後のデータ利用性を確
保しつつ、更新処理の高速化を図ることにより、更新処
理を最適化することができると考えられる。

【０００７】しかしながら、現状では、通信を用いて地
図データを車両へ送ること自体がまだ検討の段階にあ
る。これまでに提案された従来技術では、上記のような
更新処理の高速化と更新後の地図データの利用性の両立
といったことは全く考慮されておらず、そのため、更新
処理を効率よく行うことも困難であった。

【０００８】特に、ナビゲーション装置で用いられる地
図データには、複数の種類の種別地図データが含まれて
おり、地図データは種別地図データの集合であるという
ことができる。各種別地図データは、それぞれ異なる使
用目的や形態をもつことが多い。種別地図データには、
例えば、描画用データや経路計算用データ、マップマッ
チング用データなどがある。

【０００９】更新処理の高速性や更新後のデータ利用性
といった観点に立つと、各々の種別地図データに適した
更新処理は異なっている。同じような更新処理を適用し
た場合でも、種別地図データの種類に応じ、更新処理速
度やデータ利用性が大きく変わる。従来は、種別地図デ
ータの性質に相違があることは考慮されていなかった。
そのため、種別地図データに適さない更新処理が行われ
る結果、更新後のデータの利用性が損なわれる可能性が
あった。

【００１０】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、地図データの種類に応じた適当な
更新処理を行うことにより、更新処理を最適化できる地
図データ処理装置および処理方法を提供することにあ
る。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の第１の態様では、差分データを用いるこ
とを前提として、この差分データの記憶手段への保存の
仕方が、種別地図データの種類に応じて変更される。ま
た、本発明の第２の態様では、差分データを用いるか、
差分データでない通常のデータを用いるかが選択され
る。別の態様では、上記の第２の態様に加えて第１の態
様を適用することにより、さらに好適な更新処理が行わ
れる。

【００１２】（１）本発明の第１の態様の地図データ処
理装置は、複数種類の種別地図データを含んだ全体地図
データを記憶する地図記憶手段と、少なくとも一部の種
別地図データに関し、最新地図データと地図記憶手段に
記憶された種別地図データとの差分データを入力する入
力手段と、前記差分データを用いて地図記憶手段の地図
データを更新する更新処理手段と、を有する。

【００１３】前記更新処理手段には、通常処理手段と再
構築処理手段が含まれる。通常処理手段は、前記差分デ
ータを既保有の種別地図データとは別に地図記憶手段内
に格納する。再構築処理手段は、既保有の種別地図デー
タを地図記憶手段から読み出して前記差分データと合体
することにより種別地図データを再構築し、地図記憶手
段に格納する。再構築データは、更新前の地図データを
利用するのと同じ手法で利用可能な状態にあり、かつ、
再構築データの内容は最新のものに置き換わっている。

【００１４】本発明によれば、差分データを用いた更新
処理において、種別地図データの種類に応じて、通常処
理手段と再構築処理手段が使い分けられる。通常処理手
段を使えば、更新処理はより早く簡単であるが、種別地
図データが複数に分かれる。従って、通常処理手段を用
いるのに適したデータは、更新前データと差分データが
別々に存在していても利用時の処理が複雑化しないよう
な種類のデータである。具体例として、ナビゲーション
のための描画用データが挙げられる。

【００１５】一方、再構築処理は、通常処理と比べれ
ば、更新時の処理が複雑であり、時間もかかる。しか
し、更新前後で同じような手法で種別地図データを利用
できるので、更新後のデータ利用性は高い。従って、再
構築処理手段を用いるのに適したデータは、更新前デー
タと差分データが別々に存在していると利用時の処理が
複雑になってしまうような種類のデータである。具体例
として、ナビゲーションのための経路計算用データが挙
げられる。

【００１６】このように、本発明によれば、通常処理を
積極的に適用することにより更新処理の高速化が図られ
るとともに、必要に応じて再構築処理を適用することに
より更新後のデータ利用性が確保される。従って、地図
データの利用性を確保しつつ、できるだけ簡単かつ高速
に更新処理を行うことができる。

【００１７】好ましくは、差分データは、通信手段を用
いて入手される。通信手段は、無線通信でも有線通信で
もよい。また、データ通信専用の通信装置が用いられて
もよく、データ通信可能な電話が用いられてもよく、放
送を利用した送信データを受信する受信機が用いられて
もよい。さらに、コンピュータ装置を直接接続した状態
でデータ通信が行われてもよい。

【００１８】なお、本発明では、上記の如く、種別地図
データの種類に応じ、通常処理手段を使うか、再構築処
理手段を使うかを予め決めておくことが好ましい。しか
し、本発明は、このような構成に限定されるものではな
い。同じ種別地図データであっても、記憶手段のデータ
記憶状態等に応じ、通常処理手段と再構築処理手段が使
い分けられてもよい。また、この使い分けは、ユーザの
指示に従って行われてもよい。下記の第２の態様に関し
ても、同様のことがいえる。

【００１９】（２）また、本発明の第２の態様の地図デ
ータ処理システムは、情報センタから車載端末装置へ送
信される最新地図データを用いて、車載端末装置の保有
する地図データを更新するシステムである。前記情報セ
ンタは、地図データに含まれる複数種類の種別地図デー
タのそれぞれに関し、最新地図データと車両側の種別地
図データとの差分データを送信するか、差分化しないフ
ルデータを送信するかを選択する選択手段を有する。前
記車載端末装置は、地図データを記憶する地図記憶手段
と、情報センタから送られた差分データまたはフルデー
タを用いて地図記憶手段の地図データを更新する更新処
理手段と、を有する。そして、前記更新処理手段は、フ
ルデータを地図記憶手段内の該当する種別地図データと
置き換えるフルデータ更新手段と、差分データを用いた
更新処理を行う差分利用更新手段と、を有する。

【００２０】この態様では、種別地図データの種類に応
じて、差分データを送るか、フルデータを送るかが選択
される。通信時間や記憶手段への書込時間を短縮するた
めには、差分データを送ることが好適である。しかし、
地図データの種類によっては、差分データを送ると、車
両側でその差分データを保存する処理や後に利用する処
理が容易でなくなることがある。そのような種類のデー
タに関しては、フルデータが送られる。

【００２１】具体例としては、店舗に関する情報が挙げ
られる。この種のデータは更新頻度が高く、従って、次
々と差分データが送られると、車両側のデータ処理が煩
雑化する。一方、描画用データは更新頻度が低く、従っ
て、差分データを送っても処理の煩雑化がない。むし
ろ、データ量が多いので、差分データを用いて送信デー
タ量を削減することによる利益が大きい。

【００２２】このように、本発明によれば、差分データ
を積極的に適用することにより更新処理の高速化が図ら
れるとともに、必要に応じてフルデータを適用すること
により更新後のデータ利用性が確保される。従って、地
図データの利用性を確保しつつ、できるだけ簡単かつ高
速に更新処理を行うことができる。

【００２３】（３）好ましくは、上記の（２）の態様に
おいて、前記更新処理手段の前記差分利用更新手段は、
（１）の態様で説明した通常処理手段と再構築処理手段
とを有する。情報センタから送られた前記差分データに
対応する種別地図データの種類に応じて、通常処理手段
または再構築処理手段を使い分けられる。このような構
成により、データ送信時のフルデータと差分データの使
い分けに加え、さらに、差分データを用いた更新処理時
に通常処理と再構築処理が使い分けられ、これにより、
さらに更新処理を最適化することができる。

【００２４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
（以下、実施形態という）について、図面を参照し説明
する。図１は、全体構成を示すブロック図である。本実
施形態では、本発明の地図データ処理装置が、車両に搭
載された車両用ナビゲーション装置１０に一体的に設け
られている。そして、このナビゲーション装置１０と情
報センタ５０とにより、本発明の地図データ処理システ
ムが構成されている。

【００２５】ナビゲーション装置１０には、ナビゲーシ
ョンＥＣＵ１２が設けられており、ナビゲーションＥＣ
Ｕ１２は、装置全体を制御している。ナビゲーションＥ
ＣＵ１２にはＧＰＳ装置１４が接続されている。ＧＰＳ
（グローバルポジショニングシステム）装置１４は、人
工衛星から送られる電波に基づいて現在位置を検出し、
ナビゲーションＥＣＵ１２へ送る。また、ナビゲーショ
ンＥＣＵ１２には、ユーザが目的地などを入力するため
の入力装置１６が接続されている。さらに、ナビゲーシ
ョンＥＣＵ１２には、出力手段としてのディスプレイ１
８およびスピーカ２０が接続されている。ディスプレイ
１８には、経路案内のための地図などが表示され、スピ
ーカ２０からは、適宜、音声案内が出力される。

【００２６】さらに、ナビゲーションＥＣＵ１２には、
地図データベース記憶部２２が接続されている。地図デ
ータベース記憶部２２は、ナビゲーション関連のいろい
ろな処理に利用される地図データを記憶している。この
記憶部２２は、地図データを読み書き可能な記憶装置で
あり、例えば、フラッシュＲＡＭやハードディスク装置
が適している。本実施形態では、ハードディスク装置が
用いられている。

【００２７】図２は、地図データベース記憶部２２に記
憶されている地図データを示している。地図データに
は、それぞれ使用目的および形態の異なる複数種類の種
別地図データ１０２〜１１４が含まれている。これらの
種別地図データは、ファイル形式で記憶されている。管
理ファイル１００は、これらの種別地図データが格納さ
れている領域を表す情報をもっている。

【００２８】ナビゲーションＥＣＵ１２は、地図データ
ベース記憶部２２に記憶されている地図データを用いて
ナビゲーションに関連する各種の処理を行う。描画用デ
ータ１０２は、道路形状や地形を表す地図を描画するた
めに用いられる。描画された地図の画像データは、ディ
スプレイ１８に出力され、表示される。経路計算用デー
タ１０４は、出発地から目的地までの最適経路を探索す
るために用いられる。経路計算には、周知のダイクスト
ラ法などが用いられる。ＭＭ（マップマッチング）用デ
ータ１０６は、ＧＰＳ装置１４が検出した現在位置を補
正するマップマッチング処理に用いられる。案内用デー
タ１０８は、経路案内に利用できる各種の情報（例え
ば、交差点の目印としてのガソリンスタンド）を有す
る。この情報を用いて、進行方向の変更などの案内が作
成される。地名検索用データ１１０は、目的地の設定に
利用される。検索用の画面がディスプレイ１８に表示さ
れ、ユーザはディスプレイ１８を見ながら入力装置１６
を操作する。ランドマーク情報１１２は、店舗などの情
報を有し、この情報には、例えば、店舗の名称や所在
地、営業時間、営業内容などが含まれている。ランドマ
ーク情報１１２は、ユーザの指示により、また、適宜自
動的にディスプレイ１８やスピーカ２０から出力され
る。名称データ１１４は道路名などであり、ディスプレ
イ１８において、地図上に重ねて表示される。

【００２９】図１に戻り、ナビゲーションＥＣＵ１２に
は、さらにデータ受信装置３２が接続されている。デー
タ受信装置３２は、情報センタ５０から送られた最新の
地図データを受信して、ナビゲーションＥＣＵ１２へ送
る。地図データは、放送局４０を経由して、放送電波に
乗って車両へ送られてくる。

【００３０】情報センタ５０には、センタ全体を制御す
るセンタ制御部５２が設けられており、センタ制御部５
２には最新地図データベース記憶部５４が接続されてい
る。最新地図データベース記憶部５４には、地図データ
が、車両側と同様の形態で記憶されている（図２参
照）。センタには、外部から最新の情報が次々と集めら
れ、この最新情報に基づいて記憶部５４内のデータが更
新される。例えば、新しい道路が作られたとき、描画用
データや経路計算用データが書き換えられる。店舗の名
称や所在地、営業時間、営業内容などが変わったとき、
ランドマーク情報が書き換えられる。従って、記憶部５
４には、常に最新の地図データが記憶されている。

【００３１】センタ制御部５２は、最新地図データベー
ス記憶部５４から最新の地図データを読み出して放送局
４０に送り、放送局４０は、送られてきたデータを放送
電波に乗せて放送する。最新地図データは、データ受信
装置３２に受信され、ナビゲーションＥＣＵ１２に送ら
れる。ナビゲーションＥＣＵ１２は、最新地図データを
用いて、地図データベース記憶部２２の地図データを更
新する。ナビゲーションＥＣＵ１２には、更新処理を制
御するために、フルデータ処理部２４および差分データ
処理部２６が設けられ、差分データ処理部２６は、さら
に、通常処理部２８および再構築処理部３０を有する。

【００３２】次に、本実施形態における地図データの更
新処理を詳細に説明する。ナビゲーション装置１０の地
図データベース記憶部２２の地図データは、１年に１
回、決まった時期に全面的に更新される。このときは、
ナビゲーション装置１０に直接コンピュータ装置が接続
され、ハードディスクの中身が書き換えられる。この全
面的更新処理の後、次の全面的更新処理までの間は、通
信を利用した更新処理が行われる。本実施形態の特徴と
して、通信利用の更新処理は、種別地図データの種類ご
とに異なっている。以下では、ランドマーク情報１１
２、描画用データ１０２および経路計算用データ１０４
を取り上げて、図３を参照し、それぞれの更新処理を説
明する。

【００３３】「ランドマーク情報の更新処理」ランドマ
ーク情報には店舗などの情報が含まれる。店舗の名称や
所在地、営業時間や営業内容が変わると、その都度、新
しい情報がセンタにて入手される。店舗等に関する情報
は頻繁に変わり、従ってランドマーク情報の更新頻度は
高い。そのため、ランドマーク情報を後述するような差
分データのかたちで情報センタから車両へ送ったと仮定
すると、差分データも頻繁に送られることになる。車両
側では、ランドマーク情報をユーザに提示するために、
多数の差分データを使わなければならない。これでは、
車両側の処理が複雑である。そこで、ランドマーク情報
に関しては、差分データが用いられず、最新状態のデー
タがそのまま送られる。このようにして送られるデータ
をフルデータという。

【００３４】情報センタ５０では、センタ制御部５２が
最新地図データベース記憶部５４からランドマーク情報
を読み出して放送局４０へ送る。ランドマーク情報をフ
ルデータのかたちで送ることの選択・決定は、センタ制
御部５２の選択部５６で行われる。また、送信データ量
が大きくなりすぎないように、適宜、ランドマーク情報
が複数に分割される。例えば、エリアを基準とした分割
や、内容を基準とする分割が行われる。この分割処理
は、後述する他の種別データについても、適宜、施され
る。

【００３５】図３に示されるように、車両側のデータ受
信装置３２は、ランドマーク情報のフルデータを受信す
る。受信されたデータは、ナビゲーションＥＣＵ１２へ
送られる。地図データベース記憶部２２には、更新前の
ランドマーク情報が記憶されている。ナビゲーションＥ
ＣＵ１２のフルデータ処理部２４により、更新前のデー
タが、新しいランドマーク情報と置き換えられる。ここ
では、上書き処理が行われる。これにより、図３右下に
示すように、更新後は、地図データベース記憶部２２に
は、最新のランドマーク情報が格納され、以降、この新
しいランドマーク情報がナビゲーションに用いられる。

【００３６】名称データ１１４も、更新頻度が比較的高
いデータである。そこで、名称データ１１４も、上記の
ランドマーク情報１１２と同様に、フルデータを使った
更新処理が行われる（図３参照）。その他、案内用デー
タ１０８に関しても、同様の理由により、上記のフルデ
ータを使った処理が適していると考えられる。

【００３７】「描画用データの更新処理」描画用データ
に関しては、上記のフルデータではなく、差分データが
用いられる。本実施形態において、差分データは、セン
タに最近入手された情報（道路形状や橋など）をもった
データである。従って、差分データは、センタの記憶部
５４に記憶されている最新地図データと、車両側の記憶
部２２に記憶されている描画用データとの差分を表すデ
ータということになる。記憶部５４に記憶された描画用
データから、最新部分が抽出されてもよい。より好まし
くは、予め差分データを作っておいて、記憶部５４内に
記憶しておく。

【００３８】実際、新しい道路や橋などがつくられるこ
とは、そう多くはない。従って、描画用データの更新頻
度は低い。描画用データの更新に差分データを用いて
も、ランドマーク情報に関して説明したような問題、す
なわち、差分データが増えすぎるという問題はない。む
しろ、描画用データのデータ量は多いので、差分データ
を使うことにより送信データ量が大幅に削減され、デー
タ送信時間が短縮されるという大きな利点が得られる。
そこで、描画用データは、差分データというかたちで情
報センタ５０から車両へ送られる。描画用データを差分
データのかたちで送ることの選択・決定も、センタ制御
部５２の選択部５６で行われる。

【００３９】図４を参照すると、毎年４月１日に、車両
側の地図データベース記憶部２２の地図データの全面的
な更新処理が行われる。全面更新後の第１期間には、差
分データ１が放送局４０から送信される。差分データ１
は、第１期間に入手された情報を表している。すなわ
ち、差分データ１は、第１期間中の最新情報を含んだ描
画用データと、全面更新時点の描画用データとの相違部
分を表すデータである。

【００４０】第１期間の次の第２期間では、情報センタ
にて、差分データ２が作成される。差分データ２は、第
１期間の後、第２期間に新たに入手された情報を表す。
第２期間では、差分データ１と差分データ２の両方が、
情報センタから送出される。ここで、差分データ２のみ
ではなく、差分データ１をも送出するのは、下記の目的
のためである。すなわち、第２期間に新たに本実施形態
のナビゲーション装置１０を購入したユーザに、第１期
間の差分データ１をも提供するためである。第３期間に
も、同様にして、差分データ１、差分データ２、差分デ
ータ３が車両へ提供される。

【００４１】図４では、２つの全面更新時期の間の期間
が３つに分割されている。この分割数をさらに増やすこ
とも好適である。分割数が多いほど、リアルタイムに新
しい情報が車両へ提供される。

【００４２】このようにして描画用データの差分データ
は、情報センタ５０から放送局４０へ送られ、そして、
放送局４０により放送電波に乗せて放送される。差分デ
ータは、データ受信装置３２により受信され、ナビゲー
ションＥＣＵ１２へ送られる。ナビゲーションＥＣＵ１
２は、差分データを用いて地図データベース記憶部２２
の地図データを更新する。

【００４３】このとき、本実施形態の特徴として、後述
する経路計算用データと異なり、描画用データの差分デ
ータに対しては通常処理が施される。ナビゲーションＥ
ＣＵ１２には、差分データを使った更新処理を行う差分
データ処理部２６が設けられている。さらに、差分デー
タ処理部２６には、通常処理部２８と再構築処理部３０
が設けられている。描画用データの差分データは、通常
処理部２８で処理される。

【００４４】図３を参照すると、情報センタ５０から
は、描画用データの差分データが送られてくる（図３上
部）。地図データベース記憶部２２に記憶されている描
画用データは、前回の全面的更新処理時に書き込まれた
ものである（図３左下）。通常処理部２８は、差分デー
タを、既存の描画用データとは別に、地図データベース
記憶部２２に書き込む。従って、更新後は、既存の描画
用データのファイルと、差分データのファイルとが記憶
部２２内に存在することになる（図３右下）。このよう
に、通常処理の結果として、描画用データは複数に分か
れた状態で記憶される。

【００４５】本実施形態において、描画用データの差分
データに対して上記のような通常処理を行う理由を説明
する。（１）一つには、通常処理は簡単であり短時間で
行えることである。通常処理は、主として差分データを
記憶部２２に書き込む処理だからである。（２）もう一
つの理由は、既存の描画用データと差分データが別のフ
ァイルに分かれていても、これらのデータを使った描画
処理が容易なことにある。

【００４６】上記の（２）の理由を、図５を参照して説
明する。図５は、ナビゲーションＥＣＵ１２が描画用デ
ータと差分データを使って地図を描画するための処理を
示すフローチャートである。ここでは、現在、地図デー
タベース記憶部２２には、基本になる描画用データと、
２つの差分データ１、差分データ２が記憶されていると
仮定する。図４を用いて説明したように、差分データ２
は、差分データ１より後に取得され、差分データ１には
含まれない新しい情報をもつ。

【００４７】図５において、描画処理では、まず、ナビ
ゲーションＥＣＵ１２は、基本の描画用データのファイ
ルにアクセスし、このデータを用いた描画処理を行う
（Ｓ１０）。次に、ナビゲーションＥＣＵ１２は、差分
データ１のファイルにアクセスする。そして、この差分
データ１に示される道路形状などが、Ｓ１０で描いた地
図の上に重ねて描かれる（Ｓ１２）。さらに、ナビゲー
ションＥＣＵ１２は、差分データ２のファイルにアクセ
スする。そして、差分データ２に示される道路形状など
が、Ｓ１０、Ｓ１２で描いた地図の上に重ねて描かれる
（Ｓ１４）。このようにして描画処理が終了すると、描
画された地図の画像データがディスプレイ１８へ送ら
れ、表示される。描画処理をこのように行えば、描画用
データと差分データが別々に存在していても、描画処理
は複雑化せず、容易である。

【００４８】以上のように、描画用データの更新に通常
処理を適用した場合、更新処理が簡単で容易となり、か
つ、更新後のデータを使った描画処理も容易である。そ
の他、ＭＭ（マップマッチング）用データに関しても、
描画用データと同様の観点から、上記の処理（すなわ
ち、差分データを使った通常処理）が好適と考えられ
る。

【００４９】「経路計算用データの更新処理」経路計算
用データに関しても、差分データを用いた更新処理が行
われる。経路計算用データの更新頻度は、上記の描画用
データと同様に低い。差分データを用いることにより、
センタと車両の間の送信データ量が少なくなる。情報セ
ンタ５０からナビゲーション装置１０へ差分データの送
信は、上記の描画用データと同様の方法で行われる。情
報センタ５０において、経路計算用データの差分データ
を送出することの選択・決定は、センタ制御部５２の選
択部５６にて行われる。

【００５０】車両側では、経路計算用データの差分デー
タは、データ受信装置３２により受信され、ナビゲーシ
ョンＥＣＵ１２に送られる。ナビゲーションＥＣＵ１２
は、この差分データを用いて地図データベース記憶部２
２の地図データを更新する。本実施形態の特徴として、
経路計算用データの差分データに対しては、ナビゲーシ
ョンＥＣＵ１２の再構築処理部３０により、再構築処理
が施される。

【００５１】図３を参照すると、情報センタ５０から
は、経路計算用データの差分データが送られてくる（図
３上部）。地図データベース記憶部２２に記憶されてい
る経路計算用データは、前回の全面的更新処理時に書き
込まれたものである（図３左下）。再構築処理部３０
は、記憶部２２から既存の経路計算用データを読み出
し、この経路計算用データと差分データを合体すること
により、経路計算用データを再構築する。再構築後のデ
ータは、元の経路計算用データと同様の方法で経路探索
処理に利用することができる。しかも、再構築後のデー
タには、最新の道路形状などの情報が反映されている。
すなわち、再構築後のデータは、情報センタ５０がもっ
ている最新データと同様の状態にある。再構築後のデー
タは、地図データベース記憶部２２に書き込まれる（図
３右下）。

【００５２】図６を参照し、経路計算用データの再構築
の具体例を説明する。図６上段は、更新前の経路計算用
データを示している。本実施形態では、経路計算用デー
タは、周知のリンクデータである。地図上には多数のノ
ードが設定されている。リンクデータにより、ノード間
のつながりが表される。図６左側部分には、リンクデー
タが、実際の地図と同様の形態で示されている。図６右
側部分には、各ノードが、他のどのノードとつながって
いるかが示されている。ノード５に着目すると、ノード
５とノード３を結ぶリンク、ノード５とノード６を結ぶ
リンクは、共に、双方向通行が可能な道路である。従っ
て、ノード５は、ノード３およびノード６とつながって
いる。

【００５３】図６下段は、更新、再構築後の経路計算用
データを示している。ノード５からノード４へ達する一
方通行路が新しく建設されたとする。この一方通行路を
示す差分データを車両が取得する。更新前のリンクデー
タが読み出され、この更新前のリンクデータに対して、
点線で示す新設道路のデータが加えられる。図６下段の
右側部分に一点鎖線ｍで示すように、ノード５とノード
４が新たにつながる。再構築後のデータは、記憶部２２
に書き込まれる。

【００５４】本実施形態において、経路計算用データの
差分データに対して上記のような再構築処理を行う理由
を説明する。経路計算用データに前述の通常処理を適用
したとすれば、更新処理はより簡単で高速になる。しか
し、経路計算用データが複数部分に分かれて存在するこ
とになる。例えば、図６を参照すると、新設の一方通行
道路（リンク５→４）を表す差分データのファイルと、
他のリンクデータとは別のファイルとが存在する。これ
では、経路探索を行うときの処理が複雑になってしま
い、計算速度も遅くなる。経路計算については、従来か
らその高速化が望まれている状況にある。そこで、経路
計算用データに関しては、上記のような再構築処理が行
われる。これにより、更新前後で、同様の方法で経路計
算を行えばよい。すなわち、経路計算用データを経路計
算に使うときの利用性が、更新前後で同様に確保され
る。

【００５５】なお、地名検索用データについても、経路
計算用データと同様の観点から、上記の処理（すなわ
ち、差分データを使った再構築処理）が好適であると考
えられる。

【００５６】図７は、車両側での地図データの更新処理
の全体的な概要を表すフローチャートである。同図に
は、上記のランドマーク情報、描画用データ、経路計算
用データに関し、データの種類に応じて更新処理が異な
ることが示されている。

【００５７】図７において、ナビゲーション装置１０
は、車両から送られた更新データ（ランドマーク情報、
描画用データ、経路計算用データ）を受信する（Ｓ２
０）。ナビゲーションＥＣＵ１２では、受信データがラ
ンドマーク情報であるか否かが判断される（Ｓ２２）。
前述のように、ランドマーク情報は、更新頻度が高いこ
とから、フルデータのかたちで送られてきている。ラン
ドマーク情報の更新データは、更新前のデータに上書き
される（Ｓ２４）。

【００５８】Ｓ２２にてＮＯのとき、Ｓ２６にて、受信
データが描画用データであるか否かが判断される。前述
のように、描画用データの更新頻度は低く、また、デー
タ送信時間を大幅に短縮できることから、描画用データ
は差分データのかたちで送られてきている。この描画用
データの差分データに対しては、通常処理部２８によ
り、通常処理が行われる（Ｓ２８）。これにより、簡単
に短時間で更新処理が行われる。通常処理の結果として
描画用データが複数に分かれていても、前述したように
描画処理は容易である。

【００５９】Ｓ２６にてＮＯのときは、経路計算用デー
タが送られてきている。経路計算用データに関しても、
描画用データと同様に、差分データが送られてきてい
る。この経路計算用データの差分データに対しては、再
構築処理部３０により再構築処理が行われる（Ｓ３
０）。再構築処理では、差分データと既存の経路計算用
データが合体され、これにより経路計算処理の複雑化が
回避される。

【００６０】次に、図８は、ナビゲーション装置１０の
地図データベース記憶部２２におけるデータ記憶領域を
示している。描画用データ、経路計算用データ、ランド
マーク情報、名称データは、それぞれファイル形式で、
決まった場所に格納されている。さらに、記憶部２２に
は、情報センタから送られてきた差分データを書き込む
ための差分データ領域が設けられている。管理データ
は、図９に示されるように、上記の各データのファイル
を記憶する領域の開始アドレスを管理している。

【００６１】ランドマーク情報の更新データが送られて
きたとき、図８に示す如く、この更新データは、既存の
ランドマーク情報に上書きされる。名称データについて
も同様である。

【００６２】描画用データは、差分データのかたちで送
られてくる。この差分データは、図８下部の差分データ
領域に書き込まれる。差分データ領域には、以前に取得
された差分データ１が存在し、さらに、新たに取得され
た差分データ２が加わる。これらの差分データは、図８
上部の描画用データとは別に記憶されたままである。描
画用データには、通常処理が適用されるからである。

【００６３】経路計算用データも、差分データのかたち
で送られてくる。この差分データは、一旦、図８下部の
差分データ領域に書き込まれる。それから、図８に示す
ように、差分データと既存の経路計算用データが読み出
され、両者の合体により、経路計算用データが再構築さ
れる。新しい経路計算用データは、更新前の経路計算用
データに上書きされる。このとき、差分データ領域から
は、使用済みの差分データが消去される。

【００６４】なお、図８において、経路計算用データの
ためのデータ領域には、再構築によりデータ量が増える
可能性があるので、マージン領域が設定されている。ま
た、ランドマーク情報、名称データのためのデータ領域
にも、データ量が増える可能性があるので、マージン領
域が設定されている。一方、描画用データのためのデー
タ領域には、マージン領域が不要である。更新データは
差分データ領域にのみ書き加えられ、既存の描画用デー
タは変更されないからである。

【００６５】以上、本発明の好適な実施形態について説
明した。本実施形態によれば、情報センタから車両へ送
るデータに関して、フルデータと差分データとが使い分
けられ、さらに、差分データを用いた更新処理におい
て、通常処理と再構築処理が使い分けられる。差分デー
タを積極的に使ってデータ送信時間の削減が図られると
ともに、差分データの適用が好ましくないランドマーク
情報などに関してはフルデータが用いられる。また、差
分データを用いた更新処理において、通常処理を積極的
に適用することにより更新処理をできるだけ簡略化する
とともに、必要に応じて経路計算用データなどには再構
築処理を適用することにより更新後のデータの利用性
（利用しやすさ）が確保される。以上より、本実施形態
によれば、ナビゲーション等のための地図データの利用
性を確保しつつ、できるだけ簡単かつ高速に更新処理を
行うことができる。

【００６６】本実施形態の変形例を説明する。本実施形
態では、情報センタ５０からナビゲーション装置１０へ
の更新データの送信に、放送局４０が利用された。これ
に対し、情報センタと車両の間で、個別に通信が行われ
てもよい。個別通信手段としては、無線または有線通信
装置（電話を含む）が利用される。例えば、ナビゲーシ
ョン装置１０は、ユーザの指示に対応して、または自動
的に、更新データの要求を情報センタ５０へ送る。この
要求には、自らが保有している地図データのバージョン
が添付される。バージョンは、更新日時によって表され
てもよい。また、バージョンは、種別地図データごとに
異なっていてもよい。情報センタ５０は、バージョン情
報に基づいて、必要な更新データ（フルデータまたは差
分データ）を車両へ送り返す。フルデータに関しては、
車両が最新データをもっていないと判断されたときに、
その最新データが送り返される。差分データに関して
は、車両から送られたバージョン情報に対応するデータ
と、最新データとの相違部分が求められる。なお、上記
の放送や個別通信には、衛星が用いられてもよい。

【００６７】また、本発明は、車両用の地図データ処理
装置には限定されない。複数の種別地図データを含んだ
地図データを処理する装置に対しては、同様に、本発明
が好適に適用される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施形態の全体構成を示すブロック
図である。

【図２】 ナビゲーション装置に設けられた地図データ
ベース記憶部が記憶している地図データを示しており、
地図データに複数種類の種別地図データが含まれること
を示す図である。

【図３】 種別地図データごとに異なる更新処理を示す
図である。

【図４】 情報センタから車両への差分データの送信を
説明する図である。

【図５】 描画用データとその差分データとを使って地
図を描画するときの処理を示すフローチャートである。

【図６】 経路計算用データとその差分データを使った
再構築処理を示す図である。

【図７】 車両側での地図データの更新処理の全体的な
概要を表すフローチャートである。

【図８】 ナビゲーション装置の地図データベース記憶
部におけるデータ記憶領域を示している

【図９】 地図データベース記憶部内の管理ファイルの
内容を示す図である。

【符号の説明】

１０ ナビゲーション装置、１２ ナビゲーションＥＣ
Ｕ、２２ 地図データベース記憶部、２４ フルデータ
処理部、２６ 差分データ処理部、２８ 通常処理部、
３０ 再構築処理部、５０ 情報センタ、５２ センタ
制御部、５４最新地図データベース記憶部、５６ 選択
部。

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数種類の種別地図データを含んだ全体
   地図データを記憶する地図記憶手段と、 少なくとも一部の種別地図データに関し、最新地図デー
   タと地図記憶手段に記憶された種別地図データとの差分
   データを入力する入力手段と、 前記差分データを用いて地図記憶手段の地図データを更
   新する更新処理手段と、 を有し、 前記更新処理手段は、 前記差分データを既保有の種別地図データとは別に地図
   記憶手段内に格納する通常処理手段と、 既保有の種別地図データを地図記憶手段から読み出して
   前記差分データと合体することにより種別地図データを
   再構築し、地図記憶手段に格納する再構築処理手段と、
   を含むことを特徴とする地図データ処理装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の装置において、 前記更新処理手段では、前記差分データに対応する種別
   地図データの種類に応じて、通常処理手段または再構築
   処理手段が更新処理に用いられることを特徴とする地図
   データ処理装置。
3. 【請求項３】 それぞれ異なる使用目的および形態をも
   つ複数種類の種別地図データを含んだ全体地図データを
   記憶する地図記憶手段と、 少なくとも一部の種別地図データに関し、最新地図デー
   タと地図記憶手段に記憶された種別地図データとの差分
   データを入力する入力手段と、 前記差分データを用いて地図記憶手段の地図データを更
   新する更新処理手段と、 を有し、 前記地図記憶手段は、前記種別地図データとして、経路
   案内に用いられる描画用データと経路計算用データとの
   少なくとも２種類の種別地図データを記憶しており、 前記更新処理手段は、 前記描画用データの差分データが入力されたとき、前記
   差分データを既保有の描画用データとは別に地図記憶手
   段内に格納する通常処理手段と、 前記経路計算用データの差分データが入力されたとき、
   既保有の経路計算用データを地図記憶手段から読み出し
   て前記差分データと合体することにより経路計算用デー
   タを再構築し、地図記憶手段に格納する再構築処理手段
   と、 を含むことを特徴とする地図データ処理装置。
4. 【請求項４】 地図記憶手段に記憶され複数種類の種別
   地図データを含んだ地図データを、最新の地図データを
   用いて更新する地図データ処理方法であって、 地図記憶手段に記憶された種別地図データと最新の地図
   データとの差分データを入力する入力工程と、 前記差分データを既保有の種別地図データとは別に地図
   記憶手段内に格納する通常処理工程と、 既保有の種別地図データを地図記憶手段から読み出して
   前記差分データと合体することにより種別地図データを
   再構築し、地図記憶手段に格納する再構築処理工程と、 を含み、更新対象の種別地図データの種類に応じて両処
   理工程を使い分けることを特徴とする地図データ処理方
   法。
5. 【請求項５】 請求項４に記載の方法において、 前記種別地図データには、経路案内に用いられる描画用
   データおよび経路計算用データが含まれ、描画用データ
   は前記通常処理工程に従って処理され、経路計算用デー
   タは前記再構築処理工程に従って処理されることを特徴
   とする地図データ処理方法。
6. 【請求項６】 情報センタから車載端末装置へ送信され
   る最新地図データを用いて、車載端末装置の保有する地
   図データを更新する地図データ処理システムにおいて、 前記情報センタは、 地図データに含まれる複数種類の種別地図データのそれ
   ぞれに関し、最新地図データと車両側の種別地図データ
   との差分データを送信するか、差分化しないフルデータ
   を送信するかを選択する選択手段を有し、 前記車載端末装置は、地図データを記憶する地図記憶手
   段と、情報センタから送られた差分データまたはフルデ
   ータを用いて地図記憶手段の地図データを更新する更新
   処理手段と、を有し、 前記更新処理手段は、フルデータを地図記憶手段内の該
   当する種別地図データと置き換えるフルデータ更新手段
   と、差分データを用いた更新処理を行う差分利用更新手
   段と、を有することを特徴とする地図データ処理システ
   ム。
7. 【請求項７】 請求項６に記載のシステムにおいて、 前記選択手段では、種別地図データの種類に応じて、前
   記差分データと前記フルデータのどちらを送信するかが
   選択されることを特徴とする地図データ処理システム。
8. 【請求項８】 請求項７に記載のシステムにおいて、 前記更新処理手段の前記差分利用更新手段は、 前記差分データを既保有の種別地図データとは別に地図
   記憶手段内に格納する通常処理手段と、 既保有の種別地図データを地図記憶手段から読み出して
   前記差分データと合体することにより種別地図データを
   再構築し、地図記憶手段に格納する再構築処理手段と、 を有し、情報センタから送られた前記差分データに対応
   する種別地図データの種類に応じて、通常処理手段また
   は再構築処理手段を使い分けることを特徴とする地図デ
   ータ処理システム。
9. 【請求項９】 情報センタから送信される最新地図デー
   タを用いて、既保有の地図データを更新する地図データ
   処理装置において、 それぞれ異なる使用目的および形態をもつ複数種類の種
   別地図データを含んだ地図データを記憶する地図記憶手
   段と、 種別地図データの種類に応じて、最新地図データと車両
   側の種別地図データとの差分データ、または、差分化し
   ないフルデータを情報センタから受信する受信手段と、 前記差分データまたは前記フルデータを用いて地図記憶
   手段の地図データを更新する更新処理手段と、 を有することを特徴とする地図データ処理装置。