JP2004354242A - 地図データ利用装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】処理負荷を低減しながら、より現在のネットワーク状況に合った地図データ利用処理を実現できる地図データ利用装置を提供する。
【解決手段】経路計算を実行する場合、経路計算に用いるエリアの地図データを、地図データ入力器を介して記録媒体からRAMに読み込み(S10)、更新用地図データを、外部メモリからRAMに読み込む(S20)。S10にて読み込んだ「経路計算に用いる地図データ」のエリアに属する更新用地図データがあれば(S30:YES)、その更新用地図データを用いて、S10にて読み込んだ「経路計算に用いる地図データ」に対する更新処理を、RAM上にて実行する(S40)。地図データ更新処理が実行された後は、その更新後の地図データを用いて経路計算を実行する(S50)。
【選択図】 図3
【解決手段】経路計算を実行する場合、経路計算に用いるエリアの地図データを、地図データ入力器を介して記録媒体からRAMに読み込み(S10)、更新用地図データを、外部メモリからRAMに読み込む(S20)。S10にて読み込んだ「経路計算に用いる地図データ」のエリアに属する更新用地図データがあれば(S30:YES)、その更新用地図データを用いて、S10にて読み込んだ「経路計算に用いる地図データ」に対する更新処理を、RAM上にて実行する(S40)。地図データ更新処理が実行された後は、その更新後の地図データを用いて経路計算を実行する(S50)。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地図データに基づいて例えばナビゲーション処理などの地図データ利用処理を実行する地図データ利用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
地図データを用いて各種ナビゲーション処理を実行するナビゲーション装置においては、地図表示や経路計算等の各種機能を実現するために必要な地図データを、CD−ROMやDVD−ROM等の地図データ格納済み記憶媒体から読み出して取得している。このようなナビゲーション装置へ提供されるCD−ROM等内の地図データは、新規道路の開通、道路形状や通行規制の変更、各種施設の新設及び閉鎖などの諸事情により、年月が経てば古いものとなってしまう。このため、CD−ROM等は、定期的(例えば1年毎)に内容が更新されて販売される。また、ハードディスクやフラッシュメモリ等の更新可能な媒体に記憶された地図データを用いるタイプのナビゲーション装置であれば、その媒体自体を交換したり、店舗でのデータ書き込みなどによってデータの更新を行っていた。
【0003】
ところがこのようなデータ更新手法の場合、使用者(ユーザー)が常に最新の情報を得ようとすれば、新しいバージョンのCD−ROM等が販売される度にそれを購入しなければならず、実際に必要な部分のみでなく例えば全国分すべてのデータ変更を強制してしまうため、コストが高くなる。また、データ量が大きくなるため、ハードディスク等に対して書き換えを行う場合であれば書き換えに時間がかかるってしまう。さらに、通信等を用いて地図データを更新する場合には、データサイズが大きすぎて現状の通信速度では通信時間、通信費用の面で現実的でない。
【0004】
これに対して、地図を部分的に更新するという手法が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。この方法は、例えば一部分の新しい地図データを通信等によってナビゲーション装置側に送り、その装置(実機)側にて従来データ(旧データ)を書き換え、データを新しくするものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−162233号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この特許文献1に開示された更新方法によれば、ユーザーが必要な部分のみを更新できるため、相対的にはデータサイズが小さくて済み、コストも抑えられるが、次のような問題がある。つまり、従来データを書き換える際に、例えば道路データ等の従来データとのネットワーク的な接続や、他のデータとの関係を表す部分を実機にて再処理する必要があり、その際の実機負荷は大きい。つまり、ネットワークデータの場合には更新しなくてはならない範囲が大きく、例えば更新の仕方によっては全国すべてのネットワークデータを更新しなくてはならない可能性も出てくるのであって、その処理負荷は相当大きい。その場合に、特許文献1に開示されているように更新用データを受信するたびに更新処理(特許文献1においては「再データベース化処理」と記載されている。)を実行するのは、非効率的である。
【0007】
なお、このような問題は、ナビゲーション処理に限られず、少なくともネットワークデータを含む地図データを利用した処理を実行する地図データ利用処理においては同様に生じる。
本発明はこのような問題に鑑みなされたものであり、処理負荷を低減しながら、より現在のネットワーク状況に合った地図データ利用処理を実現できる地図データ利用装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
(1)上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の地図データ利用装置は、地図データ記憶手段が、少なくともネットワークデータを含む地図データを記憶している。このネットワークデータは例えば道路データなどである。そして、処理手段は、地図データ記憶手段に記憶されている地図データを用いて所定の地図データ利用処理を実行するのであるが、この地図データ利用処理の実行のために地図データ記憶手段から読み出された地図データは一時記憶手段に一時的に記憶される。ここで更に、本発明の地図データ利用装置は、地図データ記憶手段に記憶されている地図データを更新するための部分的な地図データである更新用地図データを記憶する更新用地図データ記憶手段を備えている。そして処理手段は、所定の地図データ利用処理を実行する際、その地図データ利用処理の実行に際して用いるエリアの地図データを地図データ記憶手段から一時記憶手段に読み出すと共に、そのエリアに属する更新用地図データが更新用地図データ記憶手段に記憶されている場合には、該当する更新用地図データを一時記憶手段に読み出して地図データに対する更新処理を実行する。そして、その更新後の地図データを用いて前記地図データ利用処理を実行するようにしたため、更新用地図データを反映した地図データ利用処理を実行できる。それでありながら、その地図データの更新は、地図データ利用処理の実行に際して用いるエリアの地図データの範囲内、且つそのエリアに属する更新用地図データによって影響を受ける範囲内のみでよい。
【0009】
地図データはネットワークデータを含んでいるが、このネットワークデータの特質として、その一部を更新した場合であっても、更新の仕方によっては広範囲のネットワークデータを更新しなくてはならない可能性がある。もちろん、このようにして更新しておけば、更新後に、どのエリアの地図データを用いても更新後のネットワークデータとなる。しかし、実際には地図データ利用処理に使用しないエリアのネットワークデータも一律に更新してしまうこととなる。また、地図データの部分更新が頻繁に生じると、その都度、広範囲のネットワークデータについて更新をしなくてはならない。そして、広範囲のネットワークデータの更新処理は負荷が大きいため、実質的に無駄な更新でありながら、多大な処理負荷を強要してしまう可能性も高くなる。
【0010】
それに対して本発明の地図データ利用装置の場合は、上述したように、地図データ利用処理の実行に際して用いるエリアの地図データの範囲内、且つそのエリアに属する更新用地図データによって影響を受ける範囲内のみを更新すればよい。つまり、更新用地図データ記憶手段に更新用地図データが記憶されていても、地図データ利用処理の実行に際して用いるエリアの地図データの範囲外のものは更新に用いない。また、更新用地図データが地図データ利用処理の実行に際して用いるエリアの地図データの範囲内であり、それを用いた更新処理を行う場合であっても、その更新処理の影響は、地図データ利用処理の実行に際して用いるエリアの地図データの範囲内で収まる。つまり、何も制約がなければ更新用地図データによる更新処理の対象が非常に広範囲になる場合であっても、元々、一時記憶手段には地図データ利用処理の実行に際して用いるエリアの地図データしか読み出していないので、その範囲外に影響することはない。
【0011】
従来手法では、これから実行する地図データ利用処理に際して用いるか否かを検討することなく、一律に更新処理を実行してしまっていたが、本発明の場合には、これから実行する地図データ利用処理に必要な範囲で更新処理を実行するため、必要最低限の更新処理で対応でき、処理負荷の低減の面で好ましい。
【0012】
(2)更新用地図データに関しては、例えば請求項2に示すように更新用地図データ入力手段によって外部から取り込むことが考えられる。例えば情報センターから通信によって提供されてもよいし、あるいはパーケージソフトの形式で提供されてもよい。
【0013】
また、請求項3に示すように、受付手段が受け付けた指示に基づいて、処理手段が更新用地図データを生成し、更新用地図データ記憶手段に記憶させるようにしてもよい。具体的には、例えば処理手段が、地図データ記憶手段に記憶された地図データに基づいた地図を(種々の情報を表示する)表示手段に表示させ、受付手段が受け付けた(表示手段に表示された地図に基づいてなされた)トレース操作(なぞり操作)を認識し、その認識したトレース操作に基づく軌跡を更新道路として更新用地図データを生成し、その生成した更新用地図データを更新用地図データ記憶手段に記憶させることが考えられる。また、トレース操作の具体例としては、例えば指又はタッチペンによって表示手段の表示画面上がトレースされた場合に、その軌跡を位置情報として検出するタッチパネルを備え、処理手段は、タッチパネルによって検出された軌跡を道路形状として認識して更新用地図データを生成するのである。
【0014】
(3)処理手段が実行する地図データに対する更新処理は、例えば請求項4に示すようにすることが考えられる。つまり、リンク形状及びリンクの接続関係に基づき、地図データ中のリンクの内から更新用地図データ中のリンクと一致度合いの高いものを選択することによって、地図データ中のリンクと前記更新用地図データ中のリンクとの対応関係を決定する。そして、その対応関係に基づき、一時記憶手段に読み出した地図データ中のリンクを、対応する更新用地図データ中のリンクで置換することによって、地図データに対する更新処理を実行するのである。リンク形状のみに基づいた場合には、更新対象のリンクであるか否かを判断するには不十分であると考えられる。なぜなら、高架道路などの場合には形状が重なっている場合もあるからである。そこで、さらに対象のリンクに接続しているリンクも加味し、接続関係が一致していることを確認すれば、適切な判断ができる。
【0015】
なお、リンクは必ずしも追加されるとは限らず、削除される場合もある。そこで、例えば請求項5に示すように、更新用地図データ中には削除対象のリンクであることを示す情報も含めることができるようにしておき、処理手段が、一時記憶手段に読み出した地図データ中のリンクを、対応する更新用地図データ中のリンクで置換する場合、その更新用地図データ中のリンクが削除対象のリンクであれば、一時記憶手段に読み出した地図データ中からそのリンクを削除する。このようにすれば、削除対象のリンクが明確に判断でき、適切な更新処理が実現できる。
【0016】
(4)請求項6に係る地図データ利用装置の場合には、処理手段によって更新処理が実行された更新後の地図データを記憶しておく更新後地図データ記憶手段を備えている。そして処理手段は、所定の地図データ利用処理を実行する際、その地図データ利用処理の実行に際して用いるエリアの地図データが更新後地図データ記憶手段に記憶されている場合には、その記憶されている更新後の地図データを地図データ記憶手段に記憶されている地図データの代わりに用いる。
【0017】
このようにすれば、一度地図データの更新処理を実行したエリアについては、重複して更新処理を実行しないで済み、処理負荷の低減の面で有利である。また、同じエリアに対して地図データの更新が重ねて行われる場合にも容易に対応できる。
【0018】
(5)なお、このような地図データ利用処理の代表的なものとしては請求項7に示すようにナビゲーション処理が考えられるが、ナビゲーション処理以外であってもネットワークデータを含む地図データを利用した処理を実行するものであれば同様に適用でき、同様の効果が得られる。
【0019】
また、請求項8に係るプログラムを地図データ利用装置が内蔵するコンピュータに実行させれば、請求項1〜7の何れかに記載の地図データ利用装置における処理手段としての機能を実現することができる。そして、このようなプログラムの場合、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク、ROM、RAM等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータにロードして起動することにより用いることができる。また、ネットワークを介してロードして起動することにより用いることもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうることは言うまでもない。
【0021】
[ナビゲーション装置1の説明]
図1は地図データ利用装置の一実施例としてのナビゲーション装置1の概略構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、車両の現在位置を検出する位置検出器21と、ユーザーからの各種指示を入力するための操作スイッチ群22と、操作スイッチ群22と同様に各種指示を入力可能なリモートコントロール端末(以下、リモコンと称す。)23aと、リモコン23aからの信号を入力するリモコンセンサ23bと、外部情報入出力装置24と、地図データや各種の情報を記録した外部記憶媒体から地図データ等を入力する地図データ入力器25と、地図表示画面やTV画面等の各種表示を行うための表示装置26と、各種のガイド音声等を出力するための音声出力装置27と、各種のデータを記憶するための外部メモリ28と、上述した位置検出器21,操作スイッチ群22,リモコン23a,外部情報入出力装置24,地図データ入力器25,外部メモリ28からの入力に応じて各種処理を実行し、位置検出器21,操作スイッチ群22,リモコンセンサ23b,外部情報入出力装置24,地図データ入力器25,表示装置26,音声出力装置27,外部メモリ28を制御する制御回路29とを備えている。
【0022】
位置検出器21は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナを介して受信し、車両の位置,方位,速度等を検出するGPS受信機21aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ21bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサ21cと、地磁気から進行方位を検出するための地磁気センサ21dとを備えている。そして、これら各センサ等21a〜21dは、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては、上述したうちの一部のセンサで構成してもよく、またステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
【0023】
操作スイッチ群22としては、表示装置26と一体に構成され、表示画面上に設置されるタッチパネル及び表示装置26の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等が用いられる。なおタッチパネルと表示装置26とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式,電磁誘導方式,静電容量方式,あるいはこれらを組み合わせた方式など各種の方式があるが、いずれを用いてもよい。
【0024】
外部情報入出力装置24は、図示しないラジオアンテナを介してFM放送信号を受信したり、道路近傍に配置されたVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報システム)サービス用の固定局から、電波ビーコン信号及び光ビーコン信号を受信する。この受信した情報は制御回路29へ送られて処理される。また、図示しない携帯電話と接続され、図示しない情報センターから情報を取得したり、インターネットに接続しインターネット上のサーバから情報を取得する機能を備える。
【0025】
地図データ入力器25は、ネットワークデータとしての道路データ、位置特定の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ等の地図データ、施設を示すマークデータ、案内用の画像や音声データ等を含む各種のデータを入力するための装置である。これらのデータの記録媒体としては、CD−ROM、DVD、ハードディスク、メモリ、メモリカード等を用いることができる。
【0026】
表示装置26は、カラー表示装置であり、液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,CRTなどがあるが、そのいずれを用いてもよい。表示装置26の表示画面には、位置検出器21にて検出した車両の現在位置と地図データ入力器25より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク、目的地までの誘導経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。また、施設のガイド等も表示できる。そして、音声出力装置27は、地図データ入力器25より入力した施設のガイドや各種案内の音声や、外部情報入出力装置24を介して取得した情報の読み上げ音声を出力することができる。
【0027】
外部メモリ28は、更新用の地図データを記憶するための更新用地図データ記憶部28aを備えている。
制御回路29は、CPU,ROM,RAM29a,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて、位置検出器21からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器25を介して読み込んだ現在位置付近の地図等を表示装置26に表示する地図表示処理や、地図データ入力器25に格納された地点データに基づき、操作スイッチ群22やリモコン23a等の操作に従って目的地となる施設を選択し、現在位置から目的地までの最適な経路を自動的に求める経路計算を行って経路案内を行う経路案内処理を行う。このように自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。なお、このような地図表示、経路計算・案内等の処理に際しては、外部メモリ28内の更新用地図データ記憶部28aに記憶された更新用地図データも、場合によっては用いる。この点に関しては後で詳しく説明する。
【0028】
ここまででナビゲーション装置1の概略構成を説明したが、地図データ入力器25にセットされる記録媒体が地図データ記憶手段に相当し、制御回路29が特許請求の範囲に記載した処理手段に相当し、制御回路29内のRAM29aが一時記憶手段に相当し、外部メモリ28内の更新用地図データ記憶部28aが更新用地図データ記憶手段に相当する。
【0029】
[地図データの説明]
次に、地図データに関して説明する。地図データ入力器25はCD−ROM等の記録媒体に格納される地図データを入力するのであるが、このCD−ROM等に格納される地図データの元となる地図元データのデータベース(以下、地図元DBと称す。)は、別の地図製作会社で作成されて情報センターへ入荷され、情報センターでは、各年度の地図元DBが入荷される毎に、その年度版のCD−ROM等を作成する。なお、これら各年度版のCD−ROM等の作成時には、地図元データの図形データに対して、形状デフォルメや形状点座標列の間引きなどが行われる。そして、このようにして作成されたCD−ROM等は、所定のルートで販売されて、ナビゲーション装置1に搭載されることとなる。また、情報センターでは、地図元DBの入荷時に、その最新の年度版地図元DBと、旧来の年度版地図元DBとを比較して、その新旧地図元データ間での差分データ(即ち、追加或いは削除或いは変更されたデータ)を抽出すると共に、その抽出した差分データから、ナビゲーション装置1が例えばXX年度版の地図データをXY年度版の地図データにバージョンアップするための更新用地図データ(XX年−XY年更新用地図データ)を作成し、更新用地図データのデータベース(以下、更新用地図DBと称す。)に記憶しておく。
【0030】
なお、この差分データの抽出単位としては、種々考えられるが、例えば地図データ自体が、一定の経度幅を基準とした小エリア単位(例えばJIS(日本工業規格)において規定される1次メッシュや2次メッシュの単位)に切り出されて使用されることを前提とするのであれば、その小エリア単位で抽出してもよい。
つまり、小エリア内に少しでも変更があれば、当該小エリア全体を差分データとして考えるのである。また、このようなエリア単位ではなく、実際に更新されたデータのみ、「更新された部分」のみを差分データとして考えてもよい。このようにすれば、実際には更新されていない部分も含めた広範囲の地図データを差分データとすることがなく、データ重複を避ける点で有利である。本実施例ではこのように更新された部分のみを差分データとすることを前提に説明を進める。なお、例えば道路1本のみが新設された場合であっても、その道路(リンク)のみ差分データとなるわけではない。その道路が新設されることによって、1本のリンクが2本のリンクがに分かれたり、リンクの接続関係が変更したりするため、それらの変更も考慮した所定範囲が差分データ(更新用地図データ)となる。この点は後で具体的に説明する。
【0031】
また、情報センターは、上述した年度単位で地図データをバージョンアップするための更新用地図データだけでなく、同じ年度内であっても、例えば道路が新設されたりした場合には、その更新用地図データも更新用地図DBに記憶されている。このような同じ年度内における道路新設情報等は、上述した地図製作会社で作成されたものであってもよいし、あるいは情報センターが独自に入手したものであってもよい。この年度内における更新用地図データに関しては例えば更新日付等が付加されることによって、何月何日に登録された更新用地図データであるかが判別できるようになっている。
【0032】
そして情報センターは、ナビゲーション装置1から更新用情報の要求を受けると、該ナビゲーション装置1から現時点で何年度版の地図データを保有しているのか、また何月何日分の更新用地図データまで保有しているのか、といった情報をアップロードしてもらい、そのナビゲーション装置1が保有している地図データを最新の内容へと更新するための更新用地図データを、選択して送信する。
【0033】
このように情報センターから送信された更新用地図データを、ナビゲーション装置1は外部情報入出力装置24を介して入力し、外部メモリ28の更新用地図データ記憶部28aに記憶する。
ここで地図データの階層構造に関して説明する。図2に示すように、地図データ100は、詳細度別に、レベル5からレベル0までの各レベル毎に生成され、記録されている。レベル5は、各領域地図データ50の収録範囲が地図上で最も広い(すなわちx1とy1の値が最も大きい)レベルであり、地形データのみを格納している。レベル4は、レベル5に続いて各領域地図データ50の収録範囲が広く設定されたものであり、地形データと高速道の道路データを格納している。レベル3は、レベル4に続く広さで各領域地図データ50の収録範囲が設定されたものであり、地形データと高速道の道路データに加え国道の道路データを格納している。レベル2は、レベル3に続く広さで各領域地図データ50の収録範囲が設定されたものであり、地形データと高速道・国道の道路データに加え、県道の道路データを格納している。レベル1は、レベル2に続く広さで各領域地図データ50の収録範囲が設定されたものであり、地形データと高速道・国道・県道の道路データに加え、市道の道路データを格納している。レベル0は、レベル1に続く広さで各領域地図データ50の収録範囲が設定されたものであり、地形データと高速道・国道・県道・市道の道路データに加え、細街路の道路データを格納している。すなわち、レベル5が最も広域のデータを格納したものであり、レベル0が最も詳細なデータを格納したものである。
【0034】
この地図データ中の道路データは、交差点等の複数のノード間をリンクにより接続して地図を構成したものであって、それぞれのリンクに対し、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端と終端とのx,y座標、リンクの道路幅、および道路種別(有料道路等の道路情報を示すもの)、道路を特定するための道路IDのデータからなるリンク情報を備える。また地図データ中には、地名情報、交通情報、施設情報がその座標(x,y座標)とともに記憶されている。また地形データは、例えば画像データで構成することができる。
【0035】
[地図データ利用処理の説明]
上述したように、制御回路29は、地図データ入力器25を介して読み出した地図データや外部メモリ28中の更新用地図データ記憶部28aから読み出した更新用地図データを利用して、地図表示や経路計算・案内等の処理を実行する。
ここでは、経路計算の場合を例にとって具体的に説明する。なお、地図表示等の他の地図データ利用処理に関しても同様である。
【0036】
この経路計算処理の流れを図3のフローチャートを参照して説明する。なお、この図3は、現在地や目的地(さらに必要ならば経由地等)に関する情報が既に取得されており、それらに基づいて経路計算を実行する場合の処理手順を示している。
【0037】
まず、経路計算に用いるエリアの地図データを、地図データ入力器25を介して記録媒体からRAM29aに読み込む(S10)。続いて、更新用地図データを、外部メモリ28中の更新用地図データ記憶部28aからRAM29aに読み込む(S20)。
【0038】
そして、S10にて読み込んだ「経路計算に用いる地図データ」のエリアに属する更新用地図データがあるか否か判断し(S30)、当該エリアに属する更新用地図データがあれば(S30:YES)、その更新用地図データを用いて、S10にて読み込んだ「経路計算に用いる地図データ」に対する更新処理を、RAM29a上にて実行する(S40)。この地図データ更新処理の詳細については後述する。地図データ更新処理が実行された後は、その更新後の地図データを用いて経路計算を実行する(S50)。なお、この地図データ更新は、図2で示した各レベル(レベル5からレベル0)において、該当する更新用地図データが存在すればそれぞれ実行する。
【0039】
一方、当該エリアに属する更新用地図データがない場合には(S30:NO)、通常の地図データ、すなわちS10にて読み込んだ「経路計算に用いる地図データ」を用いて経路計算を実行する(S60)。
この経路計算処理によって得られた経路は、例えば別ルーチンで実行される経路案内処理に用いられる。
【0040】
[S40での地図データ更新処理の説明]
続いて、S40にて実行される地図データ更新処理に関して、図4に示す具体例に基づいて説明する。図4では、S10にて読み込んだ「経路計算に用いる地図データ」を旧データと称し、破線で示すリンク1〜12で表している。また、外部メモリ28中の更新用地図データ記憶部28aから読み込んだ更新用地図データを更新データと称し、実線で示すリンクd1〜d15で表している。ここでは、図4に示すリンクd3が実質的に追加された更新データを用いて更新処理を実行する場合について説明する。
【0041】
(A)旧データは、例えば以下のような情報を持っているものとする。
(1〜12のリンクの形状座標列)
一例として、2のリンクの形状座標列は以下のようになる。
始点(x1,y1)
中間点(x2,y2)
終点(x3,y3)
(1〜12のリンク属性)
一例として、2のリンクのリンク属性は以下のようになる。
【0042】
種別:国道
路線番号:1号線
幅員:13m
始点→終点方向に一方通行
(交差点(ノード)の接続情報・規制情報)
一例として2のリンクの始点側交差点の接続情報は以下のようになる。
【0043】
座標(x1,y1)
接続リンク数:4本
接続リンクの番号:1,2,6,7
規制ありの通行リンク:6→7
(B)更新データは、実質的に追加するリンクに関するデータ(d3)以外に、旧データと重なるリンクも同時に持っている。例えば図4の場合には、d1〜d15までのリンクのデータを持っており、この更新データは、具体的には例えば以下の情報を持っているものとする。
(d1〜d15のリンクの形状座標列)
(d1〜d15のリンク属性)
これら形状座標列やリンク属性は、上記旧データの場合と同様である。
(交差点(ノード)の接続情報・規制情報)
一例として、d6のリンクの始点側交差点の接続情報は以下のようになる。
【0044】
座標(x1,y1)
接続リンク数:4本
接続リンクの番号:d1,d6,d8,d9
規制ありの通行リンク:d8→d9
また、d3のリンクの始点側交差点の接続情報は以下のようになる。
【0045】
座標(xa,ya)
接続リンク数:3本
接続リンクの番号:d1,d2,d3
以上のようなデータ構成の場合における地図データの更新(両データの合成)手法の具体例を以下に示す。
(1)更新データと旧データのマッチングをとるために、更新データのリンクを1本選ぶ。
(2)そのリンクの形状と、接続しているリンクの接続関係から、旧データの中で一致するリンクを決定する。
【0046】
例えば、(1)で更新データ中からd6のリンクを選んだ場合には、d6のリンク形状にもっとも良く一致するリンク形状を持つリンクを旧データ中から探すと、2のリンクが見つかる。なお、リンク形状が近似しているだけではd6と2のリンクが同一であると確定するには不十分である。なぜなら、高架道路などの場合には、リンク形状がほぼ同じであっても別の道路であるからである。
【0047】
そこで、さらに対象のリンクに接続しているリンクもサーチして、接続関係が一致していることを確認する。この例では、d6のリンクの一端、ここでは図4中で左側に位置する始点側のノードに接続しているリンクd1,d8,d9それぞれについて、旧データとの間での接続関係が一致することを確認する。d6のリンクの始点側(座標(x1,y1)となる側)のノードにはd1,d8,d9のリンクが接続しており、旧データで対応リンク候補となっている2のリンクの始点側のノードには1,6,7のリンクが接続している。その際、新旧データ間で対応すると考えられるd1と1のリンク、d8と6のリンク、d9と7のリンクの間で、それぞれ形状が近いこと、属性が同じであること、を確認する。この場合は、3組のリンク間において形状が近くまた属性も同じになるため、この結果をもって、更新データにおけるd6のリンクが旧データにおける2のリンクと同一であると判断する。同様に更新データ中の他のリンクに関しても次々に対応を取っていくと、以下の対応関係が得られる。つまり、(更新データのリンク=旧データのリンク)として、(d1,d2=1)、(d3=新規)、(d4,d5=3)、(d6=2)、(d7=4)、(d8=6)、(d9=7)、(d10=8)、(d11=9)、(d12=10)、(d13=11)、(d14=12)、(d15=5)となる。この対応関係を示すテーブルを用いて、RAM29aに読み込んである旧データに対して、更新データを追加する。
【0048】
RAM29aには、旧データの1〜12のデータが読み込まれているため、これに対して、相違点をRAM29a上で差し替えて、更新データを反映させる。
例えば、旧データにおける1のリンクが更新データにおけるd1,d2のリンクであることから、旧データ読み込み時点での情報を以下のように更新する。
(旧データ読み込み時点)
・1のリンクの形状座標列
始点(x1,y1)
中間点(xa,ya)
終点(xb,yb)
・1のリンクのリンク属性
種別:国道
路線番号:1号線
幅員:13m
・1のリンクの始点側交差点の接続情報
座標(x1,y1)
接続リンク数:4本
接続リンクの番号:1,2,6,7
規制ありの通行リンク:6→7
・1のリンクの終点側交差点の接続情報
座標(xb,yb)
接続リンク数:4本
接続リンクの番号:1,4,5,12
(更新後の地図データ)
・1のリンク:メモリ上から削除
・d1,d2のリンクに差し替える
・d1のリンクの形状座標列
始点(x1,y1)
終点(xa,ya)
・d1のリンクのリンク属性
種別:国道
路線番号:1号線
幅員:13m
・d1のリンクの始点側交差点の接続情報
座標(x1,y1)
接続リンク数:4本
接続リンクの番号:d1,2,6,7(※更新データにおけるd6,d8,d9のリンクは、旧データにおける2,6,7のリンクと対応が取れていて、その他に変更が無いため、ここで旧データと接続される)
規制ありの通行リンク:6→7(※更新データにおけるd6,d8,d9のリンクは、旧データにおける2,6,7のリンクと対応が取れていて、その他に変更が無いため、ここで旧データと接続される)
・d1のリンクの終点側交差点の接続情報
座標(xa,ya)
接続リンク数:3本
接続リンクの番号:d1,d2,d3
・d2のリンクの形状座標列
始点(xa,ya)
終点(xb,yb)
・d2のリンクのリンク属性
種別:国道
路線番号:1号線
幅員:13m
・d2のリンクの始点側交差点の接続情報
座標(xa,ya)
接続リンク数:3本
接続リンクの番号:d1,d2,d3
・d2のリンクの終点側交差点の接続情報
座標(xb,yb)
接続リンク数:3本
接続リンクの番号:d2,4,5,12 (更新データにおけるd7,d14,d15のリンクは、旧データにおける4,12,5のリンクと対応が取れていて、その他に変更が無いため、ここで旧データと接続される)
対応関係を示すテーブルを用い、RAM29a上で上記と同様の処理をすべてのデータに対して行うことにより、更新データの反映、旧データとの接続が実現される。
【0049】
このような地図データ更新処理を実行した結果、RAM29a上の地図データは更新された状態のデータとなっているため、図3のS50にてその更新後の地図データを用いた経路計算を行えば、更新データの反映された経路計算が実現される。
【0050】
[本実施例の効果]
地図データ中の(ネットワークデータとしての)道路データは、その特質として、一部を更新した場合であっても更新の仕方によっては広範囲の道路データを更新しなくてはならない可能性がある。もちろん、このようにして更新しておけば、更新後に、どのエリアの地図データを用いても更新後の道路データを利用できることとなるが、実際には経路計算や地図表示に際して使用しないエリアの道路データも一律に更新してしまうこととなる。また、地図データの部分更新が頻繁に生じると、その都度、広範囲の道路データについて更新をしなくてはならない可能性がある。広範囲の道路データの更新処理は負荷が大きいため、実質的に無駄な更新でありながら多大な処理負荷を強要してしまうこととなる。
【0051】
それに対して本実施例のナビゲーション装置1の場合には、例えば経路計算であれば、その経路計算処理の実行に際して用いるエリアの地図データの範囲内、且つそのエリアに属する更新用地図データによって影響を受ける範囲内のみを更新すればよい。つまり、図3のフローチャートにおける経路計算の場合で言えば、RAM29aに更新用地図データが記憶されていても、経路計算に用いるエリアの地図データの範囲外のものは更新に用いない(図3のS30でNO)。また、更新用地図データが経路計算処理の実行に際して用いるエリアの地図データ(旧データ)の範囲内であり、それを用いた更新処理を行う場合であっても、その更新処理の影響は、経路計算処理の実行に際して用いるエリアの地図データ(旧データ)の範囲内で収まる。つまり、何も制約がなければ更新用地図データによる更新処理の対象が非常に広範囲になる場合であっても、元々、RAM29aには経路計算処理の実行に際して用いるエリアの地図データ(旧データ)しか読み出していないので、その範囲外に影響することはない。
【0052】
[他の実施例]
(a)上記実施例では、リンクが追加される場合を例にとって説明した。しかし、リンクは必ずしも追加されるとは限らず、削除される場合もある。そこで、例えば更新用地図データ中には削除対象のリンクであることを示す情報も含めることができるようにしておき、図3のS40における地図データ更新処理で旧データ中のリンクを対応する更新データ中のリンクで置換する(差し替える)場合、その更新データ中のリンクが削除対象のリンクであればRAM29aに読み出した旧データ中からそのリンクを削除する。このようにすれば、削除対象のリンクが明確に判断でき、適切な更新処理が実現できる。
【0053】
(b)上記実施例では、経路計算や地図表示など地図データを利用した処理を実行する毎に、旧データに対する地図データ更新を行うようにした。しかし、例えば一度地図データ更新を行って得られた更新後の地図データを、例えば外部メモリ28に格納しておき、それ以降の地図データ更新に利用しても良い。すなわち、例えば経路計算に用いるエリアの地図データ(旧データ)をRAM29aに読み込んだ後、そのエリアに属する更新後地図データが外部メモリ28に記憶されている場合には、その記憶されている更新後地図データをRAM29aに読み込んで旧データの代わりに用いることも考えられる。
【0054】
このようにすれば、一度地図データ更新処理を実行したエリアについては、重複して更新処理を実行しないで済み、処理負荷の低減の面で有利である。また、同じエリアに対して地図データの更新が複数回重ねて行われる場合にも容易に対応できる。例えば1回目の更新用地図データを用いた地図データの更新がなされた後の「更新後地図データ」が存在する場合には、その更新後地図データに対して2回目の更新用地図データを用いた地図データの更新処理を実行すればよい。
【0055】
(c)上記実施例では、更新用地図データが情報センターから配信されたものであったが、例えばCD−ROM等のパッケージソフトから読み出して外部メモリ28に更新用地図データ記憶部28aに記憶させたものであってもよい。
また、このように外部から入力したものではなく、ナビゲーション装置1内部にて生成したものであってもよい。例えばナビゲーション装置1が搭載された車両の走行軌跡の情報を更新用地図データとして利用することも考えられる。例えば新規道路をユーザーが見つけた場合に、その走行軌跡を更新用地図データとして取得するよう装置に指示を出して車両の走行をさせる。すると、その走行軌跡が更新用地図データとして外部メモリ28に登録されることとなる。
【0056】
また、走行軌跡ではなく、例えば表示装置26に積層一体化されたタッチパネルに対してユーザーが指でなぞった軌跡を道路形状とし、その道路形状を更新用地図データとして登録するようになっていてもよい。このようになっていれば、ユーザーの希望する道路を直感的かつ簡易に登録することができる。さらには、例えば表示装置26に表示されたポインティングカーソルが地図上をトレースした軌跡を、道路形状として認識して更新用地図データを生成することも考えられる。尚、このポインティングカーソルは、リモコン23a等に設けられたカーソルキーのようなデバイスを操作することによって表示位置を移動できるようになっていることが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】地図データのレベルの説明図である。
【図3】地図データ更新処理を含む経路計算処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】地図データ更新処理の具体例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…ナビゲーション装置、21…位置検出器、21a…GPS受信機、21b…ジャイロスコープ、21c…距離センサ、21d…地磁気センサ、22…操作スイッチ群、23a…リモコン、23b…リモコンセンサ、24…外部情報入出力部、25…地図データ入力器、26…表示部、27…音声出力部、28…外部メモリ、28a…更新用地図データ記憶部、29…制御回路、29a…RAM、50…領域地図データ、100…地図データ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、地図データに基づいて例えばナビゲーション処理などの地図データ利用処理を実行する地図データ利用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
地図データを用いて各種ナビゲーション処理を実行するナビゲーション装置においては、地図表示や経路計算等の各種機能を実現するために必要な地図データを、CD−ROMやDVD−ROM等の地図データ格納済み記憶媒体から読み出して取得している。このようなナビゲーション装置へ提供されるCD−ROM等内の地図データは、新規道路の開通、道路形状や通行規制の変更、各種施設の新設及び閉鎖などの諸事情により、年月が経てば古いものとなってしまう。このため、CD−ROM等は、定期的(例えば1年毎)に内容が更新されて販売される。また、ハードディスクやフラッシュメモリ等の更新可能な媒体に記憶された地図データを用いるタイプのナビゲーション装置であれば、その媒体自体を交換したり、店舗でのデータ書き込みなどによってデータの更新を行っていた。
【0003】
ところがこのようなデータ更新手法の場合、使用者(ユーザー)が常に最新の情報を得ようとすれば、新しいバージョンのCD−ROM等が販売される度にそれを購入しなければならず、実際に必要な部分のみでなく例えば全国分すべてのデータ変更を強制してしまうため、コストが高くなる。また、データ量が大きくなるため、ハードディスク等に対して書き換えを行う場合であれば書き換えに時間がかかるってしまう。さらに、通信等を用いて地図データを更新する場合には、データサイズが大きすぎて現状の通信速度では通信時間、通信費用の面で現実的でない。
【0004】
これに対して、地図を部分的に更新するという手法が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。この方法は、例えば一部分の新しい地図データを通信等によってナビゲーション装置側に送り、その装置(実機)側にて従来データ(旧データ)を書き換え、データを新しくするものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−162233号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この特許文献1に開示された更新方法によれば、ユーザーが必要な部分のみを更新できるため、相対的にはデータサイズが小さくて済み、コストも抑えられるが、次のような問題がある。つまり、従来データを書き換える際に、例えば道路データ等の従来データとのネットワーク的な接続や、他のデータとの関係を表す部分を実機にて再処理する必要があり、その際の実機負荷は大きい。つまり、ネットワークデータの場合には更新しなくてはならない範囲が大きく、例えば更新の仕方によっては全国すべてのネットワークデータを更新しなくてはならない可能性も出てくるのであって、その処理負荷は相当大きい。その場合に、特許文献1に開示されているように更新用データを受信するたびに更新処理(特許文献1においては「再データベース化処理」と記載されている。)を実行するのは、非効率的である。
【0007】
なお、このような問題は、ナビゲーション処理に限られず、少なくともネットワークデータを含む地図データを利用した処理を実行する地図データ利用処理においては同様に生じる。
本発明はこのような問題に鑑みなされたものであり、処理負荷を低減しながら、より現在のネットワーク状況に合った地図データ利用処理を実現できる地図データ利用装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
(1)上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の地図データ利用装置は、地図データ記憶手段が、少なくともネットワークデータを含む地図データを記憶している。このネットワークデータは例えば道路データなどである。そして、処理手段は、地図データ記憶手段に記憶されている地図データを用いて所定の地図データ利用処理を実行するのであるが、この地図データ利用処理の実行のために地図データ記憶手段から読み出された地図データは一時記憶手段に一時的に記憶される。ここで更に、本発明の地図データ利用装置は、地図データ記憶手段に記憶されている地図データを更新するための部分的な地図データである更新用地図データを記憶する更新用地図データ記憶手段を備えている。そして処理手段は、所定の地図データ利用処理を実行する際、その地図データ利用処理の実行に際して用いるエリアの地図データを地図データ記憶手段から一時記憶手段に読み出すと共に、そのエリアに属する更新用地図データが更新用地図データ記憶手段に記憶されている場合には、該当する更新用地図データを一時記憶手段に読み出して地図データに対する更新処理を実行する。そして、その更新後の地図データを用いて前記地図データ利用処理を実行するようにしたため、更新用地図データを反映した地図データ利用処理を実行できる。それでありながら、その地図データの更新は、地図データ利用処理の実行に際して用いるエリアの地図データの範囲内、且つそのエリアに属する更新用地図データによって影響を受ける範囲内のみでよい。
【0009】
地図データはネットワークデータを含んでいるが、このネットワークデータの特質として、その一部を更新した場合であっても、更新の仕方によっては広範囲のネットワークデータを更新しなくてはならない可能性がある。もちろん、このようにして更新しておけば、更新後に、どのエリアの地図データを用いても更新後のネットワークデータとなる。しかし、実際には地図データ利用処理に使用しないエリアのネットワークデータも一律に更新してしまうこととなる。また、地図データの部分更新が頻繁に生じると、その都度、広範囲のネットワークデータについて更新をしなくてはならない。そして、広範囲のネットワークデータの更新処理は負荷が大きいため、実質的に無駄な更新でありながら、多大な処理負荷を強要してしまう可能性も高くなる。
【0010】
それに対して本発明の地図データ利用装置の場合は、上述したように、地図データ利用処理の実行に際して用いるエリアの地図データの範囲内、且つそのエリアに属する更新用地図データによって影響を受ける範囲内のみを更新すればよい。つまり、更新用地図データ記憶手段に更新用地図データが記憶されていても、地図データ利用処理の実行に際して用いるエリアの地図データの範囲外のものは更新に用いない。また、更新用地図データが地図データ利用処理の実行に際して用いるエリアの地図データの範囲内であり、それを用いた更新処理を行う場合であっても、その更新処理の影響は、地図データ利用処理の実行に際して用いるエリアの地図データの範囲内で収まる。つまり、何も制約がなければ更新用地図データによる更新処理の対象が非常に広範囲になる場合であっても、元々、一時記憶手段には地図データ利用処理の実行に際して用いるエリアの地図データしか読み出していないので、その範囲外に影響することはない。
【0011】
従来手法では、これから実行する地図データ利用処理に際して用いるか否かを検討することなく、一律に更新処理を実行してしまっていたが、本発明の場合には、これから実行する地図データ利用処理に必要な範囲で更新処理を実行するため、必要最低限の更新処理で対応でき、処理負荷の低減の面で好ましい。
【0012】
(2)更新用地図データに関しては、例えば請求項2に示すように更新用地図データ入力手段によって外部から取り込むことが考えられる。例えば情報センターから通信によって提供されてもよいし、あるいはパーケージソフトの形式で提供されてもよい。
【0013】
また、請求項3に示すように、受付手段が受け付けた指示に基づいて、処理手段が更新用地図データを生成し、更新用地図データ記憶手段に記憶させるようにしてもよい。具体的には、例えば処理手段が、地図データ記憶手段に記憶された地図データに基づいた地図を(種々の情報を表示する)表示手段に表示させ、受付手段が受け付けた(表示手段に表示された地図に基づいてなされた)トレース操作(なぞり操作)を認識し、その認識したトレース操作に基づく軌跡を更新道路として更新用地図データを生成し、その生成した更新用地図データを更新用地図データ記憶手段に記憶させることが考えられる。また、トレース操作の具体例としては、例えば指又はタッチペンによって表示手段の表示画面上がトレースされた場合に、その軌跡を位置情報として検出するタッチパネルを備え、処理手段は、タッチパネルによって検出された軌跡を道路形状として認識して更新用地図データを生成するのである。
【0014】
(3)処理手段が実行する地図データに対する更新処理は、例えば請求項4に示すようにすることが考えられる。つまり、リンク形状及びリンクの接続関係に基づき、地図データ中のリンクの内から更新用地図データ中のリンクと一致度合いの高いものを選択することによって、地図データ中のリンクと前記更新用地図データ中のリンクとの対応関係を決定する。そして、その対応関係に基づき、一時記憶手段に読み出した地図データ中のリンクを、対応する更新用地図データ中のリンクで置換することによって、地図データに対する更新処理を実行するのである。リンク形状のみに基づいた場合には、更新対象のリンクであるか否かを判断するには不十分であると考えられる。なぜなら、高架道路などの場合には形状が重なっている場合もあるからである。そこで、さらに対象のリンクに接続しているリンクも加味し、接続関係が一致していることを確認すれば、適切な判断ができる。
【0015】
なお、リンクは必ずしも追加されるとは限らず、削除される場合もある。そこで、例えば請求項5に示すように、更新用地図データ中には削除対象のリンクであることを示す情報も含めることができるようにしておき、処理手段が、一時記憶手段に読み出した地図データ中のリンクを、対応する更新用地図データ中のリンクで置換する場合、その更新用地図データ中のリンクが削除対象のリンクであれば、一時記憶手段に読み出した地図データ中からそのリンクを削除する。このようにすれば、削除対象のリンクが明確に判断でき、適切な更新処理が実現できる。
【0016】
(4)請求項6に係る地図データ利用装置の場合には、処理手段によって更新処理が実行された更新後の地図データを記憶しておく更新後地図データ記憶手段を備えている。そして処理手段は、所定の地図データ利用処理を実行する際、その地図データ利用処理の実行に際して用いるエリアの地図データが更新後地図データ記憶手段に記憶されている場合には、その記憶されている更新後の地図データを地図データ記憶手段に記憶されている地図データの代わりに用いる。
【0017】
このようにすれば、一度地図データの更新処理を実行したエリアについては、重複して更新処理を実行しないで済み、処理負荷の低減の面で有利である。また、同じエリアに対して地図データの更新が重ねて行われる場合にも容易に対応できる。
【0018】
(5)なお、このような地図データ利用処理の代表的なものとしては請求項7に示すようにナビゲーション処理が考えられるが、ナビゲーション処理以外であってもネットワークデータを含む地図データを利用した処理を実行するものであれば同様に適用でき、同様の効果が得られる。
【0019】
また、請求項8に係るプログラムを地図データ利用装置が内蔵するコンピュータに実行させれば、請求項1〜7の何れかに記載の地図データ利用装置における処理手段としての機能を実現することができる。そして、このようなプログラムの場合、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク、ROM、RAM等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータにロードして起動することにより用いることができる。また、ネットワークを介してロードして起動することにより用いることもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうることは言うまでもない。
【0021】
[ナビゲーション装置1の説明]
図1は地図データ利用装置の一実施例としてのナビゲーション装置1の概略構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、車両の現在位置を検出する位置検出器21と、ユーザーからの各種指示を入力するための操作スイッチ群22と、操作スイッチ群22と同様に各種指示を入力可能なリモートコントロール端末(以下、リモコンと称す。)23aと、リモコン23aからの信号を入力するリモコンセンサ23bと、外部情報入出力装置24と、地図データや各種の情報を記録した外部記憶媒体から地図データ等を入力する地図データ入力器25と、地図表示画面やTV画面等の各種表示を行うための表示装置26と、各種のガイド音声等を出力するための音声出力装置27と、各種のデータを記憶するための外部メモリ28と、上述した位置検出器21,操作スイッチ群22,リモコン23a,外部情報入出力装置24,地図データ入力器25,外部メモリ28からの入力に応じて各種処理を実行し、位置検出器21,操作スイッチ群22,リモコンセンサ23b,外部情報入出力装置24,地図データ入力器25,表示装置26,音声出力装置27,外部メモリ28を制御する制御回路29とを備えている。
【0022】
位置検出器21は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナを介して受信し、車両の位置,方位,速度等を検出するGPS受信機21aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ21bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサ21cと、地磁気から進行方位を検出するための地磁気センサ21dとを備えている。そして、これら各センサ等21a〜21dは、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては、上述したうちの一部のセンサで構成してもよく、またステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
【0023】
操作スイッチ群22としては、表示装置26と一体に構成され、表示画面上に設置されるタッチパネル及び表示装置26の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等が用いられる。なおタッチパネルと表示装置26とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式,電磁誘導方式,静電容量方式,あるいはこれらを組み合わせた方式など各種の方式があるが、いずれを用いてもよい。
【0024】
外部情報入出力装置24は、図示しないラジオアンテナを介してFM放送信号を受信したり、道路近傍に配置されたVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報システム)サービス用の固定局から、電波ビーコン信号及び光ビーコン信号を受信する。この受信した情報は制御回路29へ送られて処理される。また、図示しない携帯電話と接続され、図示しない情報センターから情報を取得したり、インターネットに接続しインターネット上のサーバから情報を取得する機能を備える。
【0025】
地図データ入力器25は、ネットワークデータとしての道路データ、位置特定の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ等の地図データ、施設を示すマークデータ、案内用の画像や音声データ等を含む各種のデータを入力するための装置である。これらのデータの記録媒体としては、CD−ROM、DVD、ハードディスク、メモリ、メモリカード等を用いることができる。
【0026】
表示装置26は、カラー表示装置であり、液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,CRTなどがあるが、そのいずれを用いてもよい。表示装置26の表示画面には、位置検出器21にて検出した車両の現在位置と地図データ入力器25より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク、目的地までの誘導経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。また、施設のガイド等も表示できる。そして、音声出力装置27は、地図データ入力器25より入力した施設のガイドや各種案内の音声や、外部情報入出力装置24を介して取得した情報の読み上げ音声を出力することができる。
【0027】
外部メモリ28は、更新用の地図データを記憶するための更新用地図データ記憶部28aを備えている。
制御回路29は、CPU,ROM,RAM29a,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて、位置検出器21からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器25を介して読み込んだ現在位置付近の地図等を表示装置26に表示する地図表示処理や、地図データ入力器25に格納された地点データに基づき、操作スイッチ群22やリモコン23a等の操作に従って目的地となる施設を選択し、現在位置から目的地までの最適な経路を自動的に求める経路計算を行って経路案内を行う経路案内処理を行う。このように自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。なお、このような地図表示、経路計算・案内等の処理に際しては、外部メモリ28内の更新用地図データ記憶部28aに記憶された更新用地図データも、場合によっては用いる。この点に関しては後で詳しく説明する。
【0028】
ここまででナビゲーション装置1の概略構成を説明したが、地図データ入力器25にセットされる記録媒体が地図データ記憶手段に相当し、制御回路29が特許請求の範囲に記載した処理手段に相当し、制御回路29内のRAM29aが一時記憶手段に相当し、外部メモリ28内の更新用地図データ記憶部28aが更新用地図データ記憶手段に相当する。
【0029】
[地図データの説明]
次に、地図データに関して説明する。地図データ入力器25はCD−ROM等の記録媒体に格納される地図データを入力するのであるが、このCD−ROM等に格納される地図データの元となる地図元データのデータベース(以下、地図元DBと称す。)は、別の地図製作会社で作成されて情報センターへ入荷され、情報センターでは、各年度の地図元DBが入荷される毎に、その年度版のCD−ROM等を作成する。なお、これら各年度版のCD−ROM等の作成時には、地図元データの図形データに対して、形状デフォルメや形状点座標列の間引きなどが行われる。そして、このようにして作成されたCD−ROM等は、所定のルートで販売されて、ナビゲーション装置1に搭載されることとなる。また、情報センターでは、地図元DBの入荷時に、その最新の年度版地図元DBと、旧来の年度版地図元DBとを比較して、その新旧地図元データ間での差分データ(即ち、追加或いは削除或いは変更されたデータ)を抽出すると共に、その抽出した差分データから、ナビゲーション装置1が例えばXX年度版の地図データをXY年度版の地図データにバージョンアップするための更新用地図データ(XX年−XY年更新用地図データ)を作成し、更新用地図データのデータベース(以下、更新用地図DBと称す。)に記憶しておく。
【0030】
なお、この差分データの抽出単位としては、種々考えられるが、例えば地図データ自体が、一定の経度幅を基準とした小エリア単位(例えばJIS(日本工業規格)において規定される1次メッシュや2次メッシュの単位)に切り出されて使用されることを前提とするのであれば、その小エリア単位で抽出してもよい。
つまり、小エリア内に少しでも変更があれば、当該小エリア全体を差分データとして考えるのである。また、このようなエリア単位ではなく、実際に更新されたデータのみ、「更新された部分」のみを差分データとして考えてもよい。このようにすれば、実際には更新されていない部分も含めた広範囲の地図データを差分データとすることがなく、データ重複を避ける点で有利である。本実施例ではこのように更新された部分のみを差分データとすることを前提に説明を進める。なお、例えば道路1本のみが新設された場合であっても、その道路(リンク)のみ差分データとなるわけではない。その道路が新設されることによって、1本のリンクが2本のリンクがに分かれたり、リンクの接続関係が変更したりするため、それらの変更も考慮した所定範囲が差分データ(更新用地図データ)となる。この点は後で具体的に説明する。
【0031】
また、情報センターは、上述した年度単位で地図データをバージョンアップするための更新用地図データだけでなく、同じ年度内であっても、例えば道路が新設されたりした場合には、その更新用地図データも更新用地図DBに記憶されている。このような同じ年度内における道路新設情報等は、上述した地図製作会社で作成されたものであってもよいし、あるいは情報センターが独自に入手したものであってもよい。この年度内における更新用地図データに関しては例えば更新日付等が付加されることによって、何月何日に登録された更新用地図データであるかが判別できるようになっている。
【0032】
そして情報センターは、ナビゲーション装置1から更新用情報の要求を受けると、該ナビゲーション装置1から現時点で何年度版の地図データを保有しているのか、また何月何日分の更新用地図データまで保有しているのか、といった情報をアップロードしてもらい、そのナビゲーション装置1が保有している地図データを最新の内容へと更新するための更新用地図データを、選択して送信する。
【0033】
このように情報センターから送信された更新用地図データを、ナビゲーション装置1は外部情報入出力装置24を介して入力し、外部メモリ28の更新用地図データ記憶部28aに記憶する。
ここで地図データの階層構造に関して説明する。図2に示すように、地図データ100は、詳細度別に、レベル5からレベル0までの各レベル毎に生成され、記録されている。レベル5は、各領域地図データ50の収録範囲が地図上で最も広い(すなわちx1とy1の値が最も大きい)レベルであり、地形データのみを格納している。レベル4は、レベル5に続いて各領域地図データ50の収録範囲が広く設定されたものであり、地形データと高速道の道路データを格納している。レベル3は、レベル4に続く広さで各領域地図データ50の収録範囲が設定されたものであり、地形データと高速道の道路データに加え国道の道路データを格納している。レベル2は、レベル3に続く広さで各領域地図データ50の収録範囲が設定されたものであり、地形データと高速道・国道の道路データに加え、県道の道路データを格納している。レベル1は、レベル2に続く広さで各領域地図データ50の収録範囲が設定されたものであり、地形データと高速道・国道・県道の道路データに加え、市道の道路データを格納している。レベル0は、レベル1に続く広さで各領域地図データ50の収録範囲が設定されたものであり、地形データと高速道・国道・県道・市道の道路データに加え、細街路の道路データを格納している。すなわち、レベル5が最も広域のデータを格納したものであり、レベル0が最も詳細なデータを格納したものである。
【0034】
この地図データ中の道路データは、交差点等の複数のノード間をリンクにより接続して地図を構成したものであって、それぞれのリンクに対し、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端と終端とのx,y座標、リンクの道路幅、および道路種別(有料道路等の道路情報を示すもの)、道路を特定するための道路IDのデータからなるリンク情報を備える。また地図データ中には、地名情報、交通情報、施設情報がその座標(x,y座標)とともに記憶されている。また地形データは、例えば画像データで構成することができる。
【0035】
[地図データ利用処理の説明]
上述したように、制御回路29は、地図データ入力器25を介して読み出した地図データや外部メモリ28中の更新用地図データ記憶部28aから読み出した更新用地図データを利用して、地図表示や経路計算・案内等の処理を実行する。
ここでは、経路計算の場合を例にとって具体的に説明する。なお、地図表示等の他の地図データ利用処理に関しても同様である。
【0036】
この経路計算処理の流れを図3のフローチャートを参照して説明する。なお、この図3は、現在地や目的地(さらに必要ならば経由地等)に関する情報が既に取得されており、それらに基づいて経路計算を実行する場合の処理手順を示している。
【0037】
まず、経路計算に用いるエリアの地図データを、地図データ入力器25を介して記録媒体からRAM29aに読み込む(S10)。続いて、更新用地図データを、外部メモリ28中の更新用地図データ記憶部28aからRAM29aに読み込む(S20)。
【0038】
そして、S10にて読み込んだ「経路計算に用いる地図データ」のエリアに属する更新用地図データがあるか否か判断し(S30)、当該エリアに属する更新用地図データがあれば(S30:YES)、その更新用地図データを用いて、S10にて読み込んだ「経路計算に用いる地図データ」に対する更新処理を、RAM29a上にて実行する(S40)。この地図データ更新処理の詳細については後述する。地図データ更新処理が実行された後は、その更新後の地図データを用いて経路計算を実行する(S50)。なお、この地図データ更新は、図2で示した各レベル(レベル5からレベル0)において、該当する更新用地図データが存在すればそれぞれ実行する。
【0039】
一方、当該エリアに属する更新用地図データがない場合には(S30:NO)、通常の地図データ、すなわちS10にて読み込んだ「経路計算に用いる地図データ」を用いて経路計算を実行する(S60)。
この経路計算処理によって得られた経路は、例えば別ルーチンで実行される経路案内処理に用いられる。
【0040】
[S40での地図データ更新処理の説明]
続いて、S40にて実行される地図データ更新処理に関して、図4に示す具体例に基づいて説明する。図4では、S10にて読み込んだ「経路計算に用いる地図データ」を旧データと称し、破線で示すリンク1〜12で表している。また、外部メモリ28中の更新用地図データ記憶部28aから読み込んだ更新用地図データを更新データと称し、実線で示すリンクd1〜d15で表している。ここでは、図4に示すリンクd3が実質的に追加された更新データを用いて更新処理を実行する場合について説明する。
【0041】
(A)旧データは、例えば以下のような情報を持っているものとする。
(1〜12のリンクの形状座標列)
一例として、2のリンクの形状座標列は以下のようになる。
始点(x1,y1)
中間点(x2,y2)
終点(x3,y3)
(1〜12のリンク属性)
一例として、2のリンクのリンク属性は以下のようになる。
【0042】
種別:国道
路線番号:1号線
幅員:13m
始点→終点方向に一方通行
(交差点(ノード)の接続情報・規制情報)
一例として2のリンクの始点側交差点の接続情報は以下のようになる。
【0043】
座標(x1,y1)
接続リンク数:4本
接続リンクの番号:1,2,6,7
規制ありの通行リンク:6→7
(B)更新データは、実質的に追加するリンクに関するデータ(d3)以外に、旧データと重なるリンクも同時に持っている。例えば図4の場合には、d1〜d15までのリンクのデータを持っており、この更新データは、具体的には例えば以下の情報を持っているものとする。
(d1〜d15のリンクの形状座標列)
(d1〜d15のリンク属性)
これら形状座標列やリンク属性は、上記旧データの場合と同様である。
(交差点(ノード)の接続情報・規制情報)
一例として、d6のリンクの始点側交差点の接続情報は以下のようになる。
【0044】
座標(x1,y1)
接続リンク数:4本
接続リンクの番号:d1,d6,d8,d9
規制ありの通行リンク:d8→d9
また、d3のリンクの始点側交差点の接続情報は以下のようになる。
【0045】
座標(xa,ya)
接続リンク数:3本
接続リンクの番号:d1,d2,d3
以上のようなデータ構成の場合における地図データの更新(両データの合成)手法の具体例を以下に示す。
(1)更新データと旧データのマッチングをとるために、更新データのリンクを1本選ぶ。
(2)そのリンクの形状と、接続しているリンクの接続関係から、旧データの中で一致するリンクを決定する。
【0046】
例えば、(1)で更新データ中からd6のリンクを選んだ場合には、d6のリンク形状にもっとも良く一致するリンク形状を持つリンクを旧データ中から探すと、2のリンクが見つかる。なお、リンク形状が近似しているだけではd6と2のリンクが同一であると確定するには不十分である。なぜなら、高架道路などの場合には、リンク形状がほぼ同じであっても別の道路であるからである。
【0047】
そこで、さらに対象のリンクに接続しているリンクもサーチして、接続関係が一致していることを確認する。この例では、d6のリンクの一端、ここでは図4中で左側に位置する始点側のノードに接続しているリンクd1,d8,d9それぞれについて、旧データとの間での接続関係が一致することを確認する。d6のリンクの始点側(座標(x1,y1)となる側)のノードにはd1,d8,d9のリンクが接続しており、旧データで対応リンク候補となっている2のリンクの始点側のノードには1,6,7のリンクが接続している。その際、新旧データ間で対応すると考えられるd1と1のリンク、d8と6のリンク、d9と7のリンクの間で、それぞれ形状が近いこと、属性が同じであること、を確認する。この場合は、3組のリンク間において形状が近くまた属性も同じになるため、この結果をもって、更新データにおけるd6のリンクが旧データにおける2のリンクと同一であると判断する。同様に更新データ中の他のリンクに関しても次々に対応を取っていくと、以下の対応関係が得られる。つまり、(更新データのリンク=旧データのリンク)として、(d1,d2=1)、(d3=新規)、(d4,d5=3)、(d6=2)、(d7=4)、(d8=6)、(d9=7)、(d10=8)、(d11=9)、(d12=10)、(d13=11)、(d14=12)、(d15=5)となる。この対応関係を示すテーブルを用いて、RAM29aに読み込んである旧データに対して、更新データを追加する。
【0048】
RAM29aには、旧データの1〜12のデータが読み込まれているため、これに対して、相違点をRAM29a上で差し替えて、更新データを反映させる。
例えば、旧データにおける1のリンクが更新データにおけるd1,d2のリンクであることから、旧データ読み込み時点での情報を以下のように更新する。
(旧データ読み込み時点)
・1のリンクの形状座標列
始点(x1,y1)
中間点(xa,ya)
終点(xb,yb)
・1のリンクのリンク属性
種別:国道
路線番号:1号線
幅員:13m
・1のリンクの始点側交差点の接続情報
座標(x1,y1)
接続リンク数:4本
接続リンクの番号:1,2,6,7
規制ありの通行リンク:6→7
・1のリンクの終点側交差点の接続情報
座標(xb,yb)
接続リンク数:4本
接続リンクの番号:1,4,5,12
(更新後の地図データ)
・1のリンク:メモリ上から削除
・d1,d2のリンクに差し替える
・d1のリンクの形状座標列
始点(x1,y1)
終点(xa,ya)
・d1のリンクのリンク属性
種別:国道
路線番号:1号線
幅員:13m
・d1のリンクの始点側交差点の接続情報
座標(x1,y1)
接続リンク数:4本
接続リンクの番号:d1,2,6,7(※更新データにおけるd6,d8,d9のリンクは、旧データにおける2,6,7のリンクと対応が取れていて、その他に変更が無いため、ここで旧データと接続される)
規制ありの通行リンク:6→7(※更新データにおけるd6,d8,d9のリンクは、旧データにおける2,6,7のリンクと対応が取れていて、その他に変更が無いため、ここで旧データと接続される)
・d1のリンクの終点側交差点の接続情報
座標(xa,ya)
接続リンク数:3本
接続リンクの番号:d1,d2,d3
・d2のリンクの形状座標列
始点(xa,ya)
終点(xb,yb)
・d2のリンクのリンク属性
種別:国道
路線番号:1号線
幅員:13m
・d2のリンクの始点側交差点の接続情報
座標(xa,ya)
接続リンク数:3本
接続リンクの番号:d1,d2,d3
・d2のリンクの終点側交差点の接続情報
座標(xb,yb)
接続リンク数:3本
接続リンクの番号:d2,4,5,12 (更新データにおけるd7,d14,d15のリンクは、旧データにおける4,12,5のリンクと対応が取れていて、その他に変更が無いため、ここで旧データと接続される)
対応関係を示すテーブルを用い、RAM29a上で上記と同様の処理をすべてのデータに対して行うことにより、更新データの反映、旧データとの接続が実現される。
【0049】
このような地図データ更新処理を実行した結果、RAM29a上の地図データは更新された状態のデータとなっているため、図3のS50にてその更新後の地図データを用いた経路計算を行えば、更新データの反映された経路計算が実現される。
【0050】
[本実施例の効果]
地図データ中の(ネットワークデータとしての)道路データは、その特質として、一部を更新した場合であっても更新の仕方によっては広範囲の道路データを更新しなくてはならない可能性がある。もちろん、このようにして更新しておけば、更新後に、どのエリアの地図データを用いても更新後の道路データを利用できることとなるが、実際には経路計算や地図表示に際して使用しないエリアの道路データも一律に更新してしまうこととなる。また、地図データの部分更新が頻繁に生じると、その都度、広範囲の道路データについて更新をしなくてはならない可能性がある。広範囲の道路データの更新処理は負荷が大きいため、実質的に無駄な更新でありながら多大な処理負荷を強要してしまうこととなる。
【0051】
それに対して本実施例のナビゲーション装置1の場合には、例えば経路計算であれば、その経路計算処理の実行に際して用いるエリアの地図データの範囲内、且つそのエリアに属する更新用地図データによって影響を受ける範囲内のみを更新すればよい。つまり、図3のフローチャートにおける経路計算の場合で言えば、RAM29aに更新用地図データが記憶されていても、経路計算に用いるエリアの地図データの範囲外のものは更新に用いない(図3のS30でNO)。また、更新用地図データが経路計算処理の実行に際して用いるエリアの地図データ(旧データ)の範囲内であり、それを用いた更新処理を行う場合であっても、その更新処理の影響は、経路計算処理の実行に際して用いるエリアの地図データ(旧データ)の範囲内で収まる。つまり、何も制約がなければ更新用地図データによる更新処理の対象が非常に広範囲になる場合であっても、元々、RAM29aには経路計算処理の実行に際して用いるエリアの地図データ(旧データ)しか読み出していないので、その範囲外に影響することはない。
【0052】
[他の実施例]
(a)上記実施例では、リンクが追加される場合を例にとって説明した。しかし、リンクは必ずしも追加されるとは限らず、削除される場合もある。そこで、例えば更新用地図データ中には削除対象のリンクであることを示す情報も含めることができるようにしておき、図3のS40における地図データ更新処理で旧データ中のリンクを対応する更新データ中のリンクで置換する(差し替える)場合、その更新データ中のリンクが削除対象のリンクであればRAM29aに読み出した旧データ中からそのリンクを削除する。このようにすれば、削除対象のリンクが明確に判断でき、適切な更新処理が実現できる。
【0053】
(b)上記実施例では、経路計算や地図表示など地図データを利用した処理を実行する毎に、旧データに対する地図データ更新を行うようにした。しかし、例えば一度地図データ更新を行って得られた更新後の地図データを、例えば外部メモリ28に格納しておき、それ以降の地図データ更新に利用しても良い。すなわち、例えば経路計算に用いるエリアの地図データ(旧データ)をRAM29aに読み込んだ後、そのエリアに属する更新後地図データが外部メモリ28に記憶されている場合には、その記憶されている更新後地図データをRAM29aに読み込んで旧データの代わりに用いることも考えられる。
【0054】
このようにすれば、一度地図データ更新処理を実行したエリアについては、重複して更新処理を実行しないで済み、処理負荷の低減の面で有利である。また、同じエリアに対して地図データの更新が複数回重ねて行われる場合にも容易に対応できる。例えば1回目の更新用地図データを用いた地図データの更新がなされた後の「更新後地図データ」が存在する場合には、その更新後地図データに対して2回目の更新用地図データを用いた地図データの更新処理を実行すればよい。
【0055】
(c)上記実施例では、更新用地図データが情報センターから配信されたものであったが、例えばCD−ROM等のパッケージソフトから読み出して外部メモリ28に更新用地図データ記憶部28aに記憶させたものであってもよい。
また、このように外部から入力したものではなく、ナビゲーション装置1内部にて生成したものであってもよい。例えばナビゲーション装置1が搭載された車両の走行軌跡の情報を更新用地図データとして利用することも考えられる。例えば新規道路をユーザーが見つけた場合に、その走行軌跡を更新用地図データとして取得するよう装置に指示を出して車両の走行をさせる。すると、その走行軌跡が更新用地図データとして外部メモリ28に登録されることとなる。
【0056】
また、走行軌跡ではなく、例えば表示装置26に積層一体化されたタッチパネルに対してユーザーが指でなぞった軌跡を道路形状とし、その道路形状を更新用地図データとして登録するようになっていてもよい。このようになっていれば、ユーザーの希望する道路を直感的かつ簡易に登録することができる。さらには、例えば表示装置26に表示されたポインティングカーソルが地図上をトレースした軌跡を、道路形状として認識して更新用地図データを生成することも考えられる。尚、このポインティングカーソルは、リモコン23a等に設けられたカーソルキーのようなデバイスを操作することによって表示位置を移動できるようになっていることが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】地図データのレベルの説明図である。
【図3】地図データ更新処理を含む経路計算処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】地図データ更新処理の具体例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…ナビゲーション装置、21…位置検出器、21a…GPS受信機、21b…ジャイロスコープ、21c…距離センサ、21d…地磁気センサ、22…操作スイッチ群、23a…リモコン、23b…リモコンセンサ、24…外部情報入出力部、25…地図データ入力器、26…表示部、27…音声出力部、28…外部メモリ、28a…更新用地図データ記憶部、29…制御回路、29a…RAM、50…領域地図データ、100…地図データ。
Claims (8)
- 少なくともネットワークデータを含む地図データを記憶している地図データ記憶手段と、
前記地図データ記憶手段に記憶されている地図データを利用して所定の処理を実行する処理手段と、
前記処理手段による地図データ利用処理の実行のために前記地図データ記憶手段から読み出された地図データを一時的に記憶しておく一時記憶手段と、を備えた地図データ利用装置において、
更に、前記地図データ記憶手段に記憶されている地図データを更新するための部分的な地図データである更新用地図データを記憶する更新用地図データ記憶手段を備え、
前記処理手段は、前記所定の地図データ利用処理を実行する際、その地図データ利用処理の実行に際して用いるエリアの地図データを前記地図データ記憶手段から前記一時記憶手段に読み出すと共に、そのエリアに属する更新用地図データが前記更新用地図データ記憶手段に記憶されている場合には、該当する更新用地図データを前記一時記憶手段に読み出して前記地図データに対する更新処理を実行し、その更新後の地図データを用いて前記地図データ利用処理を実行する地図データ利用装置。 - 請求項1に記載の地図データ利用装置において、
更に、前記更新用地図データ記憶手段に記憶する前記更新用地図データを外部から取り込む更新用地図データ入力手段を備える地図データ利用装置。 - 請求項1に記載の地図データ利用装置において、
更に、各種指示を受け付ける受付手段を備え、
前記処理手段は、前記受付手段が受け付けた指示に基づいて更新用地図データを生成して前記更新用地図データ記憶手段に記憶させる地図データ利用装置。 - 請求項1〜3の何れかに記載の地図データ利用装置において、
前記処理手段は、
リンク形状及びリンクの接続関係に基づき、前記地図データ中のリンクの内から前記更新用地図データ中のリンクと一致度合いの高いものを選択することによって、前記地図データ中のリンクと前記更新用地図データ中のリンクとの対応関係を決定し、
その対応関係に基づき、前記一時記憶手段に読み出した前記地図データ中のリンクを、対応する前記更新用地図データ中のリンクで置換することによって、前記地図データに対する更新処理を実行する地図データ利用装置。 - 請求項4に記載の地図データ利用装置において、
前記更新用地図データ中には削除対象のリンクであることを示す情報も含めることが可能であり、
前記処理手段は、前記一時記憶手段に読み出した前記地図データ中のリンクを、対応する前記更新用地図データ中のリンクで置換する場合、その更新用地図データ中のリンクが削除対象のリンクであれば、前記一時記憶手段に読み出した前記地図データ中からそのリンクを削除する地図データ利用装置。 - 請求項1〜5の何れかに記載の地図データ利用装置において、
前記処理手段によって更新処理が実行された更新後の地図データを記憶しておく更新後地図データ記憶手段を備え、
前記処理手段は、前記所定の地図データ利用処理を実行する際、その地図データ利用処理の実行に際して用いるエリアの地図データが前記更新後地図データ記憶手段に記憶されている場合には、その記憶されている更新後の地図データを前記地図データ記憶手段に記憶されている地図データの代わりに用いる地図データ利用装置。 - 請求項1〜6の何れかに記載の地図データ利用装置において、
前記地図データ利用処理はナビゲーション処理である地図データ利用装置。 - コンピュータに、請求項1〜7の何れかに記載の地図データ利用装置における処理手段としての機能を実現させるためのプログラム。
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