JP6108833B2 - 包装システム、及び包装方法 - Google Patents

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Description

本発明は、概して包装システムに関し、より詳しくは、順応性(コンフォーマブル)熱界面材料のような粘着性製品を効率的に包装し設置施設に配送するように構成された包装システムに関する。特に、本発明の包装システムは、粘着性のある製品をその製品を損傷又は破壊することなく包装材から取り出すことを可能にする。
様々な種類の電子部品には、その動作中に発生する過剰な熱を除去するために、伝熱システムが必要である。過剰な熱によって、電子部品の性能が低下し得るととともに、場合によっては、該電子部品が損傷したり、その動作が停止したりすることもある。伝熱システムを必要とする典型的な電子部品としては、一般的に相当量の過剰な熱エネルギーを発生するマイクロプロセッサのような集積回路がある。
例えば集積回路から過剰な熱を伝達する機構の一つとして、熱界面材料(TIM)を利用するものがあり、この熱界面材料は、集積回路と、一般的に空気などの冷却媒体への効率的な伝熱のために広い表面積を有する熱拡散構造体との間に配置される。熱界面材料は一般的に、熱伝導性が非常に高く、また好ましくは、電子部品や熱拡散構造体の凹凸面に対して実質的な隙間無く順応できるように、「順応性」がある(コンフォーマブル)。隙間ができると、伝熱を妨げる障壁となるからである。熱界面材料は、上述の順応特性を提供することができるように、また、それによって動作中の電子部品から熱エネルギーを最も効率的に伝達することができるように、比較的低い硬度の値を有してもよい。ある熱界面材料は「相変化」する。つまり、動作中の電子部品の近傍のような、温度が上昇した環境では、その熱界面材料の本来の粘性が低下する。しかし、ほとんどの設置環境では、熱界面材料は、室温であっても比較的低い硬度の値を有する。20℃での一般的なTIMの硬度の値は、約50ショアOO未満であり、約5〜50ショアOOの間である。この硬度の範囲のために、TIMは、比較的「粘着性のある」表面特性をもつことが多い。
従来の熱界面材料としては、様々な種類のペーストやジェル、金属があり、様々な形態で使用される。熱界面材料の形態で普及が進んでいるものには、略画定された表面及び寸法を有する画定体である「パッド」がある。このような熱界面パッドは、包装や設置において、特に「ピック・アンド・プレース」による設置作業との関係において有用且つ効率的であることが証明されている。
TIMの電子デバイスへの取り付けは、一般的に多くの処理工程を含む。熱界面材料のための「ピック・アンド・プレース」設置システムの普及によって、熱界面材料の電子部品への取り付けに必要な処理工程の数は減少している。しかし、ピック・アンド・プレースシステムは、堅い非粘着性の構造体に対して使用する場合に最大の効果を発揮し、従ってピック・アンド・プレース設備を用いて比較的低硬度のTIMの設置を実施するための取り組みは困難を伴ってきた。この場合に直面する主要な問題は、TIMが全体的に又は部分的にピック・アンド・プレース設備及び/又はTIM用包装材に粘着してしまうことである。このように粘着することによって、TIMが損傷したり、洗浄のために設置設備の稼働を停止することが必要になったりする。
パッドを設置設備から容易に取り外すことができるように、比較的低硬度の熱界面パッドに、剥離可能な表面ライナーを採用している場合もある。しかし、剥離ライナーを追加することによって、熱界面パッドのコストが上昇するとともに、熱拡散構造体を電子装置に取り付ける前に剥離ライナーを取り外すための更なる処理工程が必要になってしまう。他に注力されている取り組みには、ピック・アンド・プレース設置設備と接触させるための、一体化され、高度に架橋された一体型表面層がある。しかし、こうした解決策のいずれも、熱界面パッドを包装材に収容する際のパッドの粘着性に対処していない。そのため、従来の包装材を用いて熱界面パッドを設置施設に配送すると、熱界面パッドの包装材への望ましくない粘着によって、TIMの損傷率が満足できないものとなっている。比較的低硬度の熱界面パッドの粘着性によって従来の包装システムに粘着すると、熱界面パッドをそこから効率的に且つ損傷を与えずに取り出すことができなくなってしまう。
従って、本発明の目的は、熱界面設置設備による熱界面パッドのような粘着性のある製品の配送及び取り出しを容易にする包装材を提供することである。
本発明の他の目的は、従来のテープ・アンド・リール包装システムに対応し、包装材の各容器からの粘着性のある製品の効率的で損傷を与えない取り出しを容易にする包装材を提供することである。
本発明の更に別の目的は、熱を発生する部品への、熱界面パッドのような粘着性のある製品の設置を容易にする方法を提供することである。
本発明によって、比較的低硬度の熱界面材料のような粘着性のある製品を包装し設置場所に配送し、損傷のリスクを大幅に減少させた状態で、包装体から取り出すことができる。本発明の包装体は、粘着性のある製品に操作可能に接する表面領域を最小化する。このような接触表面領域を最小化することによって、粘着性のある製品と包装体との間の粘着力が大幅に低下し、それによって、包装体から製品を効率的に且つ損傷無く取り出すことが可能になる。
一実施例において、本包装体は、約50ショアOO未満の底部接触硬度を有する粘着性のある製品を配送するために適応させてもよく、上面と、該上面にその長さ方向に沿って離間配置された複数の空隙とを有するキャリアテープを備える。これら空隙のそれぞれは、製品を操作可能に受容・支持できるサイズを有し、底部表面領域と、該底部表面領域の約50%未満の隆起した接触表面領域を画定する表面形状とを有する底部を含む。該表面形状は、底部の中央部の周囲に少なくとも部分的に延在する突条を含み、この中央部が、前記底部表面領域の少なくとも約5%を構成する。
幾つかの実施例において、本発明の包装体は、テープ・アンド・リール包装システムで使用するように構成されてもよい。また、接触表面領域は、底部表面領域の約20%未満であってもいいし、底部表面領域の約10%未満であってもよい。
他の実施例において、包装体は、上面と、前記上面にその長さに沿って離間配置された複数の空隙とを有し、前記空隙のそれぞれが前記製品を操作可能に受容・支持できるサイズを有する底部を含む、キャリアテープを備える。該底部は、底部表面領域と、該底部表面領域の約50%未満の区別された第1接触表面領域を画定する表面形状とを有する。包装体は更に、キャリアテープの上面に取り外し可能に固定可能な第1側部を有するカバーテープを備える。該カバーテープの第1側部の少なくとも接触部が、該カバーテープの接触部の約50%未満である第2接触表面領域を画定する表面テクスチャを有する。このようなカバーテープは、キャリアテープの上面に接着固定可能であってもよい。
更に別の実施例において、本発明の包装システムは、約50ショアOO未満の底部接触硬度を有する製品と、上面と、該上面にその長さに沿って離間配置された複数の空隙とを有するキャリアテープとを備える。該空隙のそれぞれは、製品を操作可能に受容・支持できるサイズを有する底部と、底部表面領域と、該底部表面領域の約50%未満の区別された第1接触表面領域を画定する表面形状とを有する。前記包装システムは、キャリアテープの上面に取り外し可能に固定可能な第1側部を有するカバーテープを更に含んでもよい。該第1側部のうち少なくとも接触部が、カバーテープの接触部の約50%未満である第2接触表面領域を画定する表面テクスチャを有する。
約50ショアOO未満の硬度を有する底部接触部を有する製品を包装するための方法は、上面と、該上面にその長さに沿って離間配置された複数の空隙とを有するキャリアテープを設けることを含む。該空隙のそれぞれは、製品を操作可能に受容・支持できるサイズを有する底部を含む。該底部は、底部表面領域と、該底部表面領域の約50%未満の隆起した第1表面接触領域を画定する表面形状とを有する。本方法は、製品を、該製品の底部接触部が対応する底部の接触表面領域にのみ接触するように、当該空隙の1つ1つの中に位置付けることを更に含む。そして、カバーテープをキャリアテープの上面に固定する。ここで、該カバーテープは、キャリアテープの上面に取り外し可能に固定可能な第1側部を有する。カバーテープの該第1側部の少なくとも接触部が、当該カバーテープの該接触部の約50%未満である第2接触表面領域を画定する表面テクスチャを有する。
上に列挙した目的及び利点を、本発明によって表わされる他の目的、特徴、及び先進性と併せて、添付の図面を参照して説明される詳細な実施例に関して以下に説明する。添付の図面は、本発明の様々な可能な実施例の代表例として意図されるものである。本発明の他の実施例及び態様も、当技術分野において通常の技量を有する者によって得ることができるものと理解されよう。
本発明の包装体の一部の概略図を示す。 図1に概略的に示す包装体の一部の拡大図を示す。 図2に示す包装体の一部の側断面図を示す。 本発明の包装体に対して有用な製品の概略図を示す。 製品取り外しプロセスが行われている本発明の包装体の概略図を示す。 別の製品取り外しプロセスが行われている本発明の包装体の概略図を示す。 本発明の包装体の概略図を示す。 図7に示す包装体の一部の分離図を示す。 図8Aに示す分離図の拡大図を示す。 本発明の包装体の一部の概略図を示す。
では、図面、まずは図1を参照して、本発明の包装材10は、粘着性のある製品の配送に適応されている。幾つかの実施例において、包装材10は、従来のテープ・アンド・リールシステムにおいて使用するように構成されてもよく、その場合、包装材10は、リール(不図示)に巻き付けられ、スプロケット穴12が設置設備の対応する駆動歯と協働することによって、駆動されて設置設備を通過する。従って、従来のテープ・アンド・リール包装システムと合わせて操作できるように、包装材10は標準的な幅を有してもよく、スプロケット穴12は標準的な相対間隔を有してもよい。様々なテープ・アンド・リール包装システムを、本発明の包装材10と共に採用することができること、及び、テープ・アンド・リール包装システムは、電子機器の包装・配送についての技術分野において周知であることは理解されよう。幾つかの実施例において、包装材10は、EIA(Electronic Industry Association:米国電子工業会)規格481−1,481−2,及び481−3を含むEIA規格によって発行される仕様に準拠させてもよい。
包装材10は、従来のテープ・アンド・リール包装システムに準拠できるような物性を有する材料で製造することができる。しかし、他の実施例では、包装材10は、テープ・アンド・リール包装システムで使用しなくてもよく、従って、要求に応じてそのサイズ及び構成を決めることができる。更に、包装材10は、全ての実施例において、特に非テープ・アンド・リール型の実施例においてスプロケット穴12を備えている必要はない。更に、包装材10は、テープ・アンド・リール包装用途には適さない比較的非可撓性の材料で製造してもよい。
図1に示すように、包装材10はキャリアテープ14を含んでもよい。該キャリアテープ14は、上面16と、キャリアテープ14の長さ「L」に沿って上面16に離間配置された複数の空隙18とを有する。空隙18は、キャリアテープ14の長さ「L」全体に沿って配置されてもよいし、若しくはその一部のみに沿って配置されてもよい。図1〜3に示すように、各空隙18は底部20を有し、該底部20は、図4に示す熱界面パッド50のような粘着性のある製品を操作可能に受容・支持できるようなサイズを有する。特に、底部20は底部表面領域22を有する。底部表面領域22は、少なくとも製品50の底部接触領域52と同じ大きさであり、空隙18の寸法は、製品50を内部収容できるように十分な大きさを有する。
底部表面領域22は、底部20の2次元表面領域として画定できる。図1〜3に例示する実施例において、底部表面領域22の面積は底部長さ「LB」と底部幅「WB」との積であり、底部20は略平行四辺形である。しかしながら、平行四辺形以外の底部20の構成も、本発明において有用であるため考慮に入れている。このような場合、底部表面領域22の面積は、他の適切な式を用いて計算する必要があろう。
空隙18の底部20は、底部表面領域22の他の部分から区画される第1接触表面領域24を画定する表面形状を有する。幾つかの実施例において、接触表面領域24は、製品50が接触表面領域24に接触し底部表面領域22の他の部分とは接触しないように、底部表面領域22の該他の部分から隆起させている。従って、接触表面領域24は、製品50を空隙18内に操作可能に位置づけたときに接触する、底部20の表面領域として画定することができる。図示の実施例において、接触表面領域24は実質的に、底部20の表面形状の各隆起部分の上面からなる。
一実施例において、底部20の表面形状は、底部20の中央部30の周囲に延在する突条26を含む。突条26は、中央部30の周囲の楕円形状の全体構成を有してもよいが、本発明は突条26の他の様々な構成も考慮に入れており、また、突条26は、底部20の中央部30を完全には囲繞しないように構成されてもよい。一実施例において、突条26の接触面27は、底部20の主面21の上方に製品50を支持するのに適切な寸法「HR」だけ隆起させている。幾つかの実施例において、寸法「HR」は約1mm〜5mmとすることができ、製品50の上面52をキャリアテープ14の上面16よりも低く収めた状態で製品50を空隙18内に操作可能に位置づけることができるように構成されている。突条26の全体構成は、製品50を支持するために必要な接触表面領域24全体の大きさを最小限に抑えつつ、底部接触部52が底部20の主面21上方に浮いた状態になるように、製品50に十分な支持を提供するように設計される。
幾つかの実施例において、底部20の表面形状は、それぞれが接触表面領域24の一部を形成する上面29を有する1つ以上の台座28を更に含んでもよい。台座28は、空隙18内に操作可能に位置づけられた製品50を更に支持するために、底部20の様々な位置に設けられる。各台座28の上面29は、突条26の接触面27と同様に隆起させている。しかし、他の実施例において、台座28の上面29は、突条26の接触面27よりも大きく又は小さく隆起させてもよい。図示の実施例において、台座28の1つ以上の上面29を、突条26の寸法「HR」よりも若干小さい寸法HPだけ隆起させている。例えば、1つ以上の台座28の上面29を、突条26の接触面27よりも0.1mm〜1mm低く隆起させてもよい。このような関係によって、突条26において製品50と接触表面領域24とがまず接触し、突条26のみによって提供される接触表面領域が製品50を底部20の主面21の上方に十分に支持するのに不十分である場合にのみ、製品50と台座28の上面29とが操作可能に接触する。しかし、他の実施例において、突条26と台座28との間のこのような隆起の差は、製品50の空隙18からの取り外しを容易にするために概して設けられる。更に別の実施例において、台座28の上面29は、突条26の接触面27に対して等しく隆起される。
底部20の表面形状の配置構成は、用途毎の要求に応じて、様々な構成、サイズ、及び高さを有することができる。更に、底部20の表面形状の包括的な目標は、空隙18での製品50の保管を容易にするとともに空隙18からの製品50の取り出しを容易にするために十分かつ適切でありながら最小の接触表面領域24を提供できれば、底部20の表面形状は突条26及び台座28以外の様々な形態を有してもよい。従って、接触表面領域24は、好ましくは、製品50を損傷することなく、保管・搬送時に製品50を十分に支持できるとともに、粘着性を有しているかもしれない製品50を損傷することなく空隙18から取り出すことを容易にするのに適切な大きさを有する。
一実施例において、接触表面領域24は、底部表面領域22の約50%未満である。他の実施例において、接触表面領域24は、底部表面領域22の約20%〜約50%である。更に別の実施例において、接触表面領域24は、底部表面領域22の約20%未満である。更に別の実施例において、接触表面領域24は、底部表面領域22の約10%未満である。また更に別の実施例において、接触表面領域24は、底部表面領域22の約2%〜約10%である。
再び図1〜2を参照し、開口34を、底部20に配置してもよい。幾つかの実施例において、開口34は、底部20の中央部30に位置付けられてもよい。ゼロ個以上の開口34をキャリアテープ14の底部20に設けてもよいことは、本発明によって考慮されている。開口34は、キャリアテープ14の下から底部20を介して空隙18にアクセスできるようなサイズを有するとともに位置付けられる。特に、出願人は、製品50を空隙18から取り出す際、製品50の底部接触部52に上向きの力を与えると有利であると判断した。製品50を空隙18内に操作可能に配置した時に、製品50の底部接触部52に対してベクトル8に沿うそのような上向きの力を発生させるために、様々な機構を採用することができる。例えば、伸縮自在なピン機構86が、ピン88を上方に収縮可能に伸長させて開口34を介して製品50に接触させ、空隙18の底部20との接触から製品50を押し外すのを助けることができる。他の実施例において、このような力を、吹出口94から開口34を介してベクトル8の方向に向けられた移動気流92によって与えることもできる。こうした機構の例を図5及び6に示す。従って、開口34はこのような力発生機能を収容できるサイズを有する。一実施例において、開口34は、直径約1mm〜2mmである。
本明細書において上述したように、包装材10は、「粘着性」を有しうる複数の製品50を保管・配送するために適用することができる。幾つかの実施例において、製品50の粘着性は、約70ショアOO未満の硬度といった比較的低い硬度の値によるものである。このように低い硬度の値によって比較的柔軟な材料となることによって、製品50が接触する表面に粘着してしまう。本発明の包装材10と合わせて使用され得る比較的低硬度の製品の例としては、順応性(コンフォーマブル)熱界面パッドのような熱界面材料が挙げられる。本発明によって考慮されている特定の製品50は、ミネソタ州チャナッセン(Chanhassen,Minnesota)にあるバーグクイスト社(the Bergquist Company)によって商品名「Gap Pad」で販売されている熱界面パッドである。このような製品は約20〜50ショアOOの硬度の値を有する。
他の製品50を包装材10と合わせて使用してもよく、5〜70ショアOOの硬度を有してもよく、場合によってはそれよりも低くてもよい。
幾つかの実施例において、製品50は、約50ショアOOを超える硬度を有する上部接触層56を含んでもよい。上部接触層56は、製品50の他の部分と一体的に形成してもよいし、若しくは、他の部分とは別に塗着してもよい。該接触層56は、製品50の他の部分の材料と高度に架橋させたものとすることができ、上部接触層56を有する製品50の例は、本出願人に譲受され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,657,297号に記載されている。製品50の上部接触層56の比較的高い硬度によって、ピック・アンド・プレース設備との対応性が向上し、製品50を、そのようなピック・アンド・プレース設備の真空ヘッドに対して、容易に係合・係合解除させることができる。幾つかの実施例において、上部接触層56が無いと、ピック・アンド・プレース設備からの製品50の係合解除が不良になったり、且つ/又は、設置プロセス中、製品50に損傷を与えたりする。上部接触層56の比較的高い硬度によって、製品50がピック・アンド・プレース設備と接触する部分における、製品50の「粘着性」を低下させることができる。
図4では、製品50を、比較的高い硬度の値を有する上部接触層56と共に示しているが、様々な他の製品50を、本発明と合わせて利用することができることは理解されたい。例えば、剥離ライナー等を製品50と合わせて使用して、比較的低硬度の製品のピック・アンド・プレースプロセスを効率的なものとする助けとしてもよい。当技術分野において通常の技量を有する者にとって理解されるように、上部接触層56を有する製品50は、上部接触層56をキャリアテープ14の上面16に向けて配向するように空隙18内で配向させてもよい。
本発明の幾つかの実施例において、包装材10は、キャリアテープ14の上面16に対して取り外し可能に固定可能なカバーテープ42を含んでもよい。カバーテープ42は、キャリアテープ14の各空隙18内に製品50を封入するために利用することができる。図7に示す実施例において、カバーテープ42は、スプロケット穴12上に突出又はスプロケット穴12を被覆しないようキャリアテープ14の幅よりも狭い幅を有し、これにより、スプロケット穴12を、テープ・アンド・リール包装システムとの係合に利用可能な状態に保つ。しかしながら、テープ・アンド・リールではないシステムにおいて、カバーテープ42は、キャリアテープ14の幅以上の幅を含む任意の所望の幅を有してもよい。また、カバーテープ42がキャリアテープ14の機能性を妨げない限りにおいて、カバーテープ42をキャリアテープ14の各側縁6,7まで、且つ/又は、各側縁6,7を越えて延在させることができるように、スプロケット穴12をキャリアテープ14の一辺のみに設けてもよい。
図8Aに示すように、カバーテープ42は、キャリアテープ14への取り外し可能な固定のために特に適応させた第1側部44を含む。例えば、カバーテープ42の第1側部44は、その取付部46,48に沿って配置された感圧接着剤のような接着剤を含んでいてもよい。しかし、他の実施例において、カバーテープ42は、超音波溶着等他の固定機構を用いてキャリアテープ14に取り外し可能に固定してもよい。接着剤は、幾つかの実施例において、取付部46,48にのみ位置付けて、カバーテープ42が空隙18内に操作可能に配置された製品50に対して意図せず固定されないように、その代りキャリアテープ14の上面16にのみ取り外し可能に固定されるようにしてもよい。
第1側部44の接触部49は、接触部49の面積の約50%未満の第2接触表面領域62を画定する表面テクスチャを有してもよい。図8Aの拡大図を図8Bに示し、ここで接触部49の表面テクスチャをより詳細に見ることができる。
接触部49の表面テクスチャは、粘着テープの中央に貼着されたテクスチャ加工されたポリオレフィンフィルムのストリップからなるカバーテープの構造によって実現することができる。テクスチャ加工されたポリオレフィンフィルムは、コールド・エンボス加工工程によって形成することができる。コールド・エンボス加工工程によって、平滑なポリオレフィンフィルムを、回転エンボス加工機械におけるエンボスパターンを有するダイと平坦な又は嵌合可能なアンビルとの間を通過させる。また、フィルムを製造する際にテクスチャ加工されたモールドを用いた熱間流し込み加工を用いて実現することもできる。一般的なテクスチャ加工されたエンボスパターンには、エンボス深さ65が例えば8.5ミル〜11.5ミル(0.0085インチ〜0.0115インチ=0.2159mm〜0.2921mm)の、様々なサイズの(すなわち、様々なダイアモンドの面密度を有する)ダイアモンドパターンエンボスがある。他の一般的なテクスチャパターンには、タフタパターンがある。タフタパターンは、正方形のエンボスパターンであり、幅広い正方形サイズ(すなわち、正方形の面密度)及びエンボス厚さが利用できる。一般的なタフタパターンは、エンボス厚さ65が8.5ミル(0.0085インチ=0.2159mm)で、平方インチ当たりの正方形の数が55個(平方cm当たりの正方形の数が約8.52個)である。一般的に、テクスチャ加工されたライナーの表面積が小さい側と、該テクスチャ加工されたライナーの表面積が大きい側があり、これらの要素を、以下に説明するようにカバーテープの形成において考慮に入れる。
カバーテープ42と製品50との接触は望ましくないが、そのような接触が製品50を包装材10に包装し配送する際に起こり得ることは理解されよう。その結果、上記接触部49の表面テクスチャを設けて、製品50のカバーテープ42への望ましくない粘着が起こる可能性を低減する。接触部49の表面テクスチャによって、製品50に接触し得る合計の表面積が減少し、それによって、製品50がカバーテープ42へ粘着してしまう可能性を低減する。第2接触表面領域62は、第1接触表面領域24と同様の方法で画定することができ、第2接触表面領域62は、製品50に操作可能に接触するカバーテープ42の第1側部44の合計の表面積となる。一実施例において、第2接触表面領域62は、接触部49の表面テクスチャを形成する各突起64の対向面68の個々の表面積の総和によって画定できる。
幾つかの実施例において、カバーテープ42は、カバーテープ42をキャリアテープ14に取り外し可能に固定した際にキャリアテープ14の空隙18に操作可能に配向される1つ以上の開口72を含んでもよい。開口72は、カバーテープ42をキャリアテープ14から取り外す際に製品50がカバーテープ42に粘着するという事態が万一起きた場合に、カバーテープ42からの製品50の取り外しを容易にするために設けられる。開口72によって、分離するための力を製品50の上面54に開口72を介して直接与えることが可能になる。分離するためのこのような力は、例えば、ピン機構や気流等によって実現できる。従って、これら開口72は、キャリアテープ14の長さ「L」に沿う空隙18の相対間隔と一致する相対間隔74を有する。
(具体例)
以下の実験例は、本発明の具体的な実施例を説明するものである。しかし、以下の例において説明される寸法、材料、及び配置は単に例示的なものであり、本発明によって考慮に入れられる様々な寸法、材料、及び配置のうち1つの組み合わせのみを例示するものである。
熱成形プロセスのような周知の成形プロセスによって、約24mmの幅寸法「WT」を有するキャリアテープをポリスチレンで作成した。一組のスプロケット穴を、該キャリアテープに、その長さに沿って且つその第1縁部に近接させて打ち抜き加工により形成した。スプロケット穴の間隔は、テープ・アンド・リール包装システムのためのEIA規格に従い、その中央において4mmに設定した。その中央において16mmの間隔を有する一連の空隙を設け、各空隙の底部幅寸法「WB」を11.7mm、底部長さ寸法「LB」を14.9mmとした。ここで各空隙の各底部は、略矩形形状を有するものとする。
底部20を、上面16から3.6mmの空隙深さ「D」に凹設し、キャリアテープ14の厚さを約0.3mmとした。各底部には、接触面27をもつ突条26を有する表面形状を設けた。ここで突条部26は、高さ寸法「HR」が2.3mm、及び接触面27における幅寸法「WR」が0.4mmとなるように隆起させた。該表面形状には、図2に例示するような、4つの台座28を更に設けた。台座28の台座高さ寸法「HP」を2.0mmとし、各上面29の幅寸法「WP」を1.0mmとした。表面形状の配置を、以下のような寸法で、図9の図に示す。
X1=3.2mm
X2=2.6mm
X3=5.85mm
Y1=1.5mm
Y2=5.95mm
Y3=7.45mm
Y4=4.4mm
R1=2.2mm
上記に加えて、開口34は、1.5mmの直径を有し、底部22の中央に位置付けられている。寸法「R1」は、開口34の起点に対する突条26の「外面」を計測したものである。
従って、各空隙の底部表面積は約174mmとなる。接触表面積は、突条の接触表面積と台座の上部表面積との総和である。この場合、接触表面積は約10.5mmである。従って、接触表面積は、底部表面積の約6%である。
ミネソタ州チャナッセンのバーグクイスト社から入手可能なgap pad「GP5000」を、ダイシングにより寸法約12mm×10mm(±0.5mm)に切断し、キャリアテープの空隙内に載置した。
テクスチャ加工されたポリオレフィンフィルムのストリップを、そのテクスチャ加工された表面をポケット内の接触部品に配向させた状態で粘着テープの接着側に貼着して、カバーテープを製造した。製造したカバーテープのいずれかの側に露出した接着剤の線条を残すために、貼着したフィルムのストリップは、粘着テープよりも細く、粘着テープの中央に貼着される。カバーテープのいずれかの側の接着剤の露出した線状によって、2つの部分からなる(ツーピースの)カバーテープのキャリアテープへの接着を確実なものにする。フィルムのテクスチャ加工されたストリップは、キャリアテープのポケットよりも広く、これにより、ポケット内部の部品が該テクスチャ加工されたフィルムにのみ接触することを確実にする。24mm幅のキャリアテープ用の、あるカバーテープの構造は、20mm幅の透明で精密な粘着テープと、該透明テープの中央に貼着された17mm幅寸法のテクスチャ加工されたフィルムストリップ(上記したようなダイアモンド又はタフタパターン)とからなる。この結果、単位長さ当たり85%のテクスチャ加工されたライナー領域及び15%の露出した粘着テープを有するカバーテープが得られる。カバーテープの各側の1.5mm幅に等しい接着剤の露出縁部によって、該カバーテープをキャリアテープの上面に接着させることができる。一般的に、使用される粘着テープは、(正確な厚さ及び幅の範囲に加えて)正確な粘着(剥離)力の仕様を有する。これによって、テクスチャ加工されたライナーの幅を調節することにより露出した接着剤の幅を正確に調節することができ、これによって、エンドユーザによって「確認」されるキャリアテープからのカバーテープの剥離力を正確に調節できる。これによって、カバーテープの剥離力を、EIA−481工業仕様に規定される全体剥離力範囲(キャリアテープ24mm当たり10グラム〜130グラム)内の指定の目標範囲に調節することができる。
カバーテープを、熱界面パッド製品の保管及び配送のためのキャリアテープの上面に取り外し可能に固定した。
特許法を遵守するため、また、新規の原理を適用し適宜本発明の実施例を構築且つ使用するために必要な情報を当業者に提供するために、本発明を本明細書において非常に詳細に説明した。しかし、上記実施例に対する様々な変更を、本発明それ自体の範囲から逸脱することなく達成することができることは理解されたい。

Claims (7)

  1. (a)上面と、前記上面にその長さ方向に沿って離間配置された複数の空隙とを有するキャリアテープであって、前記空隙のそれぞれが、底部表面領域と、前記底部表面領域の50%未満の隆起した第1接触表面領域を画定する表面形状とを有する底部を含む、キャリアテープと
    (b)50ショアOO未満の硬度を有する底部接触部を有する製品と、
    を備え、
    前記底部の前記表面形状は、前記隆起した第1接触表面領域にのみ接触する前記製品を支持するように設計され、前記底部は、前記製品を前記底部から押し上げる力を与えることができるようにする開口を有している、包装システム。
  2. 前記第1接触表面領域は、前記底部表面領域の20%未満である請求項1に記載の包装システム。
  3. 前記製品は熱界面材料である請求項1に記載の包装システム。
  4. (a)上面と、前記上面に離間配置された複数の空隙とを有するキャリアであって、前記空隙のそれぞれが、底部表面領域と、前記底部表面領域の50%未満で、底部表面から隆起した第1接触表面領域を画定する表面形状とを有する底部を含む、キャリアと
    (b)50ショアOO未満の硬度を有する底部接触部を有する製品と、
    を備え、
    前記底部の前記表面形状は、前記第1接触表面領域にのみ接触する前記製品を支持するように設計され、前記底部は、前記製品を前記底部から押し上げる力を与えることができるようにする開口を有している、包装システム。
  5. 前記第1接触表面領域は、前記底部表面領域の10%未満である、請求項4に記載の包装システム。
  6. 前記製品は、熱界面材料である請求項4に記載の包装システム。
  7. 50ショアOO未満の硬度を有する底部接触部を有する製品を包装するための方法であって、
    (a)上面と、前記上面に離間配置された複数の空隙とを有するキャリアであって、前記空隙のそれぞれが、該空隙の中で前記製品を操作可能に受容・支持できるサイズを有する底部を含み、前記底部が、底部表面領域と、前記製品を前記底部から押し上げる力を与えることができるようにする開口と、前記底部表面領域の50%未満で、底部表面から隆起した第1接触表面領域を画定する表面形状とを有する、キャリアを設けることと、
    (b)前記製品を、前記製品の前記底部接触部が前記底部表面から離間するように、前記表面形状が前記製品を支持するように設計される前記空隙内に位置付けることと、
    を含む方法。
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