JP5793176B2 - テルペン・グリコシドを含有する甘味組成物を調製する方法 - Google Patents

テルペン・グリコシドを含有する甘味組成物を調製する方法 Download PDF

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Description

本発明は甘味組成物を調製する方法に関する。本発明は、より特定的には、テルペン・グリコシドを含有する甘味組成物の調製方法に関する。
西洋諸国における肥満の増加に伴い、消費者は、風味を犠牲にすることなく食事のカロリー量を減らす方法を絶えず探している。多くのより低カロリーの食料および飲料製品が開発された。サッカリン、アスパルテーム、サイクラミン酸塩、ジペプチド、トリクロロスクロース、アセスルファムK等の人工の非栄養甘味料を含有する多くの低カロリー製品がある。しかしながら、これらの人工甘味料のいくつかの安全性に対する懸念が大きくなっており、多くの消費者は、このような甘味料の摂取を減らすのを好むだろう。
所定の天然に存在するテルペン・グリコシド、特に、トリテルペン・グリコシドは、甘味が強くかつノンカロリーである。これらの理由のために、トリテルペン・グリコシドは、食料、飲料およびダイエットの産業において甘味剤としての使用のために非常に魅力的である。
ラカンカ(Luo Han Guo)は、Siraitia grosvenorii(以前はMomordica grosvenoriiとして知られていた)の果実に属し、ウリ(Cucurbitaceae)科の一員である。ラカンカは、中国の南西地方、主として、Guangxi地域において成長する。それは、何百年もの間にわたって咳や肺鬱血を治療するための伝統的な漢方薬としての他、スープおよび茶中の甘味料および調味料としても栽培され用いられてきた。
ラカンカおよびウリ科の他の果実は、モグロシドおよびシアメノシドとして知られるテルペン・グリコシドを含有しており、これらは、果実の肉質部の約1%のレベルで存在する。これらの化合物は、非特許文献1によって記載されおよび特徴付けられた。モグロシドは、1〜6個のグルコース分子がトリテルペン骨格に付いた化合物である。最も豊富なモグロシドは、モグロシドVであり、このものは、重量基準で甘蔗糖の甘味の約250%の甘味を有することが推定された。
ラカンカ果実自体は、甘いにもかかわらず、さらなる加工処理なしに非栄養甘味料としての広範囲の使用に不適当である。生の果実は、発酵によって異風味(off-flavour)を容易に形成する傾向がある。また、そのペクチンは最終的にはゲル化する。果実の乾燥により、それは保存されるが、他の望ましくない苦々しい、収斂性のへばった風味の形成も引き起こす。ラカンカを加工処理して、所望でない風味成分を取り除き、かつ、モグロシドを含有するエキスであって、甘味組成物としての使用のためにより受け入れ可能な風味プロファイルを有するものを生成させる多くの方法が記載された。
非特許文献2には、熱水抽出し、次いで、モグロシドを保持するAmberlite(登録商標)樹脂中にモグロシドを含有するエキスを通過させ、50%エタノールによりモグロシドを溶離させることによってラカンカからモグロシドを抽出する方法が記載されている。
特許文献1には、ラカンカ果実からモグロシドおよび糖を含有する甘い搾り汁を調製する方法が記載されている。この方法は、果実の未処理搾り汁から皮および種を分離すること、その搾り汁を酸性化すること、果実から異風味前駆体を取り除くこと、および塩化メチレン抽出可能な揮発性フラクションを搾り汁から取り除くことを含む。
特許文献2には、糖と、ラカンカ果実に由来するモグロシドを含有する甘味搾り汁との組合せを含む甘味組成物が記載されている。
特許文献3には、ラカンカ果実濃縮物、フルクトースおよびマルトデキストリンを含む甘味料ブレンド組成物が記載されている。
特許文献4には、モグロシドを含有し、かつ、ラカンカ果実に由来する乾燥組成物を調製する方法が記載されている。この方法は、ラカンカから液状エキスを得ることと、このエキスを、1または2の酸化数を有する少なくとも1種の元素(element)で飽和した溶液と混合することとを含む。得られた混合物は、固体沈殿物質と、トリテルペン・グリコシドを含有する液体部分とを提供し、この液体部分は、次いで、マクロ孔樹脂中に通される。この樹脂は、次いで、アルコールにより洗浄され、トリテルペン・グリコシドを含有する溶液が得られる。溶液は凝縮させられて、精製された液体トリテルペン・グリコシド溶液が提供され、次いで、乾燥工程が行われて、トリテルペン・グリコシドを含有する乾燥組成物が得られる。
特許文献5には、トリテルペン・グリコシドを含有する植物性材料から搾り汁を抽出する方法が記載されている。この方法は、植物材料を圧壊する工程と、酸性水中で圧壊植物材料を湯がいて、搾り汁エキスおよび植物固体残渣を含むピューレを得る工程と、植物固体残渣から搾り汁エキスを分離する工程と、酵素を搾り汁エキスと混合する工程と、搾り汁エキスを分離して甘味搾り汁を得る工程とを包含する。
特許文献6には、モグロシドを含有し、かつ、ラカンカ果実に由来する乾燥組成物を調製する方法が記載されている。この方法は、50〜60℃の温度の水を用いてラカンカから液状エキスを得ることと、液状エキスを吸着樹脂と接触させてモグロシドを濃縮することと、エチルアルコールによりモグロシドを溶離させることと、イオン交換樹脂によりエキスを脱色することと、次いで、脱色後にアルコールを回収することと、最後に乾燥凍結させることとを含む。
加工処理技術の進歩にもかかわらず、ラカンカ果実に由来する既存の甘味組成物は、依然として、茶色/黄色の着色および顕著な望みでない風味を有するという不利益を受ける。
それ故に、望みでない匂いが最小限であるかまたは脱落し、薄い着色の清浄な風味を有するテルペン・グリコシドを含有する甘味組成物に対する必要性が残ったままである。本発明の目的は、このような組成物を提供するのにいくらか助けになることまたは有用な選択を公衆に少なくとも提供することである。
米国特許第5411755号明細書 米国特許第5433965号明細書 米国特許出願公開第10/086322号明細書 米国特許第6124442号明細書 米国特許出願公開2006/0003053号明細書 中国特許第1015264号明細書
マツモト(Matsumoto)ら著、「Chem. Pharm. Bull.」、1990年、第38巻、第7号、p.2030-2032 リー・シー・エイチ(Lee, C.-H.)著、「Experientia」、1975年、第31巻、第5号、p.533-534
本発明は、望みでない匂いが最小限であるかまたは脱落し、薄い着色の清浄な風味を有するテルペン・グリコシドを含有する甘味組成物の調製方法を提供することを目的とする。
第一の態様において、本発明は、甘味組成物であって、乾燥重量基準で約16〜75%のモグロシドV、約30〜95%の全テルペン・グリコシドを含有し、固体含有量が1%w/vであるろ過(0.2μm)組成物水溶液の420nmにおける吸光度が約0.55以下であるものを提供する。
好ましい実施形態では、組成物は粉体の形態である。別の実施形態では、組成物は、液体、都合良くは水溶液の形態である。
好ましくは、組成物中のテルペン・グリコシドは、ウリ科の果実から得られた天然に存在するテルペン・グリコシドである。
好ましくは、組成物中のテルペン・グリコシドは、ラカンカ果実から得られたテルペン・グリコシドである。
より好ましくは、組成物の実質上全ての固体成分は、ラカンカ果実から得られる。
好ましい実施形態において、組成物は、乾燥重量基準で約20〜70%のモグロシドV、約40〜90%の全テルペン・グリコシド、例えば約30〜65%のモグロシドV、約50〜85%の全テルペン・グリコシド、例えば約35〜60%のモグロシドV、約55〜85%の全テルペン・グリコシド、例えば約40〜55%のモグロシドV、約60〜80%の全テルペン・グリコシドを含有する。
好ましい実施形態において、固体含有量が1%w/vであるろ過(0.2μm)組成物水溶液の420nmにおける吸光度は、約0.5未満であり、より好ましくは約0.4未満、例えば約0.35未満、例えば約0.3未満、例えば約0.05〜0.25である。
さらなる態様において、本発明は、甘味組成物であって、
(a)乾燥重量基準で約16〜75%のモグロシドV、約30〜95%の全テルペン・グリコシドを含有する第一成分であって、固体含有量が1%w/vであるろ過(0.2μm)第一成分水溶液の420nmにおける吸光度が約0.55以下であるもの;および
(b)1種以上の追加成分
を含むものを提供する。
追加成分は、着色剤、風味剤および他の甘味剤から選択され得る。
好ましい実施形態において、第一成分の実質的に全ての固体成分は、ウリ科の果実、好ましくはラカンカ果実に由来する。
さらなる態様において、本発明は、上記の本発明の甘味組成物を含有する飲料を提供する。
さらなる態様において、本発明は、上記の本発明の甘味組成物を含有する食料品を提供する。
さらなる態様において、本発明は、上記の本発明の甘味組成物を含むヘルスケア組成物を提供する。
さらなる態様において、本発明は、テルペン・グリコシドを含有する甘味組成物を調製する方法であって、
(a)テルペン・グリコシドを含有する新鮮な植物源材料からテルペン・グリコシド含有液状エキスを得る工程と、
(b)該エキスを浄化する(clarifying)工程と、
(c)該エキス中のテルペン・グリコシドを濃縮して、精製テルペン・グリコシド含有溶液を得る工程と、
(d)該精製テルペン・グリコシド含有溶液を、メラノイジンを形成するのに十分な温度で十分な時間にわたって加熱する工程と、
(e)溶液中のテルペン・グリコシドからメラノイジンを分離して、脱色テルペン・グリコシド含有溶液を得る工程と
を包含する方法を提供する。
好ましい実施形態において、この方法はまた、工程(e)から得られた脱色テルペン・グリコシド含有溶液を乾燥させて、粉体組成物を形成する工程を含む。好ましい実施形態において、工程(e)から得られた脱色テルペン・グリコシド含有溶液は、最初に濃縮された後に最終的に乾燥させられる。
好ましい実施形態において、新鮮な植物源材料は、ウリ科、より好ましくはラカンカの果実である。
好ましい実施形態において、工程(a)は、柔らかくされたラカンカ果実を、果実からトリテルペン・グリコシドを抽出するのに十分な時間にわたって十分な温度で熱水と接触させる工程を含む。特に好ましい実施形態において、接触は、向流抽出を用いて行われる。
好ましい実施形態において、浄化工程(clarification step)(b)は、エキスの限外ろ過を含む。
代替の実施形態において、工程(b)は、エキスをペクチナーゼ酵素(好ましくは、市販のペクチナーゼ製剤)により、浄化を促進するペクチンおよび複合サッカライドを溶解する条件下に処理する工程を含む。
好ましい実施形態において、工程(b)から得られた液状エキスは、ろ過されるか、遠心分離にかけられるか、または、デカントされた後に工程(c)が行われる。
好ましい実施形態において、テルペン・グリコシドを濃縮する工程(c)は、(i)浄化エキスを吸着樹脂と接触させる工程であって、該吸着樹脂は、エキス中のテルペン・グリコシドと結合する、工程と、(ii)該樹脂からテルペン・グリコシドを溶離させて、精製テルペン・グリコシド含有溶液を得る工程とを含む。
好ましい実施形態において、工程(c)において用いられる吸着樹脂は、マクロ孔ポリマー吸着樹脂、例えば、スチレン・ジビニルベンゼン・コポリマーまたはジビニルベンゼン・コポリマー樹脂である。
好ましい実施形態において、工程(c)は、加圧容器において行われる。
好ましい実施形態では、工程(c)においてテルペン・グリコシドは、エタノールの水溶液により吸着樹脂から溶離させられる。特に好ましい実施形態において、溶離は、増加するエタノール濃度のエタノール溶液を用いる複数の溶離工程を用いて行われる。
好ましい実施形態において、加熱工程(d)は、メラノイジンの形成を促進することおよびエタノールを蒸発させてこれによりエタノールの回収を可能にすることの両方のために、工程(c)から得られたテルペン・グリコシド含有エタノール溶液(単数または複数)を加熱する工程を含む。
好ましい実施形態において、工程(d)は、精製テルペン・グリコシド含有溶液を約80〜120℃の温度にメラノイジンを形成するのに十分な時間の期間にわたって加熱する工程を含む。
所定の実施形態において、加熱は、約80〜100℃の温度で、約120分〜45分の時間にわたって行われる。
好ましい実施形態において、脱色工程(e)は、工程(d)からのテルペン・グリコシドおよびメラノイジンを含有する溶液を、メラノイジン(および場合によっては他の非テルペン・グリコシド分子)と結合する脱色樹脂と接触させて、脱色テルペン・グリコシド含有溶液を得る工程を含む。
好ましい実施形態において、工程(e)において用いられる脱色樹脂は、高度に多孔性のマクロ孔のタイプIの強塩基アニオン樹脂(好ましくは塩素型で再生される)を含む。
好ましい実施形態において、工程(e)は、加圧容器において行われる。
さらなる態様において、本発明は、テルペン・グリコシドを含有する新鮮な植物源材料から甘味組成物を調製する方法であって、
(a)新鮮な植物源材料からテルペン・グリコシドを抽出することによって得られたテルペン・グリコシド含有溶液を、メラノイジンを形成するのに十分な温度で十分な時間にわたって加熱する工程と
(b)工程(a)で加熱されたテルペン・グリコシド含有溶液から該メラノイジンを分離して、脱色テルペン・グリコシド含有溶液を得る工程と
を含むことを特徴とする方法を提供する。
好ましい実施形態において、工程(a)において加熱されるテルペン・グリコシド含有溶液は、新鮮な植物源材料からテルペン・グリコシドを抽出してテルペン・グリコシド含有溶液を得る工程と、次の、ペクチンおよびタンパク質を除去することによってテルペン・グリコシド含有溶液を浄化する工程とを含む方法によって得られる
好ましい実施形態において、新鮮な植物源材料は、新鮮なラカンカ果実であり、新鮮なラカンカ果実からのテルペン・グリコシドの抽出は、柔らかくされたラカンカ果実を熱水と、新鮮なラカンカ果実からトリテルペン・グリコシドを抽出するのに十分な時間にわたって十分な温度で接触させる工程を含む方法によって得られる。
特に好ましい実施形態において、接触は、向流抽出を用いて行われる。
特に好ましい実施形態において、浄化工程は、エキスの限外ろ過を含む。
好ましい実施形態において、工程(b)は、得られたテルペン・グリコシドおよびメラノイジンを含有する溶液を、メラノイジン(および場合によっては溶液中の他の非テルペン・グリコシド分子)と結合する脱色樹脂と接触させる工程を含む。
好ましい実施形態において、本方法は、溶液中のテルペン・グリコシドを濃縮する工程を含む。好ましくは、この工程は、(i)浄化されたエキスを吸着樹脂と接触させる工程であって、該吸着樹脂は、エキス中のテルペン・グリコシドと結合する、工程と、(ii)該樹脂からテルペン・グリコシドを溶離させて、精製テルペン・グリコシド含有溶液を得る工程とを含む。
好ましい実施形態において、濃縮工程において用いられる吸着樹脂は、マクロ孔ポリマー吸着樹脂、例えば、スチレン・ジビニルベンゼン・コポリマーまたはジビニルベンゼン・コポリマー樹脂である。
好ましい実施形態において、本方法は、工程(b)から得られた脱色テルペン・グリコシド含有溶液を乾燥させて、粉体状組成物を形成する工程を含む。
さらなる態様において、本発明は、上記の方法によって得られたか得ることが可能な甘味組成物を提供する。
さらなる態様において、本発明は、上記の方法によって得られたかまたは得ることが可能な甘味組成物を含有する食物または飲料を提供する。
本発明の調製方法により、望みでない匂いが最小限であるかまたは脱落し、薄い着色の清浄な風味を有するテルペン・グリコシドを含有する甘味組成物の調製方法を提供することができる。
本発明は上記の通り広く規定されるが、それに制限されず、さらに、以下の説明が実施例を提供する実施形態を含む。
(定義)
本明細書において、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、用語「全テルペン・グリコシド」は、HPLC分析の間に観察された個々のテルペン・グリコシドピークの発生に基づいて組成物中の測定されたテルペン・グリコシドの全濃度を意味する。また、誤解を避けるために、用語「トリテルペン・グリコシド」は、制限することなく、モグロシドおよびシアメノシドの両方を含む。
(本発明の甘味組成物)
上記の通り、本発明は、テルペン・グリコシドを含有する甘味組成物に関する。この組成物は、好ましくは、トリテルペン・グリコシド(モグロシドおよびシアメノシド)を含有するウリ科の果実、好ましくはラカンカ果実に由来する。本発明の甘味組成物は、少なくとも好ましい実施形態において、ラカンカに由来する既存の甘味組成物より清浄な風味およびより薄い着色を有する。
次に、一つの態様において、本発明は、テルペン・グリコシドを含有する甘味組成物であって、固体含有量が1%w/vである0.2μmろ過組成物水溶液の420nmにおける吸光度が約0.55以下であるものに関する。本発明の甘味組成物中のテルペン・グリコシドの割合は、組成物が作られる果実源材料の天然の多様性に応じて変動し得る。本発明の組成物は、一般的に、乾燥重量基準で約16〜75%のモグロシドV、約30〜95%の全テルペン・グリコシドを含有する。
所定の好ましい実施形態において、本発明の組成物は、乾燥重量基準で約35〜60%のモグロシドV、約55〜85%の全テルペン・グリコシドを含有し得る。
上記に示されたように、本発明の固体含有量が1%w/vであるサブミクロン(0.2μm)ろ過組成物水溶液の420nmにおける吸光度は、約0.55以下である。420nmにおける吸光度は、組成物の色と相関し、吸光度が低い程、色はより薄くなる。また、本出願人らにより、420nmにおける吸光度は、組成物のカラメル化された、調理されたメープル味と相関し、吸光度が低くなる程、組成物の風味がより清浄になることが見出された。本発明の組成物は、黄色がかった白色〜淡黄色の色、清浄な風味を有し、従来技術の組成物と関連する最小限の甘草および焼けたタイプのカラメルおよびメープルの風味を伴う。
本発明の好ましい組成物は、固体含有量が1%w/vであるろ過(0.2μm)組成物水溶液の420nmにおける吸光度が約0.3未満、例えば約0.05〜0.25であるものを含む。
本発明の組成物は、液体または固体のいずれかの形態であり得る。特に好ましい実施形態において、本発明の組成物は、粉体の形態である。他の実施形態において、この組成物は、水溶液の形態であり得る。
所定の好ましい実施形態において、本発明の組成物は、ウリ科の果実、好ましくはラカンカ果実から抽出された天然に存在する材料からなるか、若しくは、実質的になり、すなわち、この組成物は、ウリ科の果実以外の源からの大きな割合の固体成分を含まない。本発明のこれらの組成物は、非栄養性であり、組成物中の唯一の甘味成分はテルペン・グリコシドである。
所定の代替の実施形態において、本発明の甘味組成物は、所望のさらなる風味、着色および/または甘味剤等の他の材料と結び付けられ得る。次いで別の態様では、本発明は、(a)第一成分として、乾燥重量基準で約16〜75%のモグロシドV、約30〜95%の全テルペン・グリコシドを含有する上記の本発明の組成物であって、固体含有量が1%w/vであるろ過(0.2μm)第一成分水溶液の420nmにおける吸光度が約0.55以下であるものと(b)1種以上の追加成分とを含む甘味組成物に関する。
好ましい実施形態において、第一成分の実質的に全ての固体成分は、ウリ科の果実、好ましくはラカンカ果実に由来する。
追加成分は、着色剤、風味剤および他の甘味剤から選択され得る。
本発明の組成物は、種々の食料、飲料および菓子製品において甘味剤として用いられ得る。
(本発明の甘味組成物の調製)
メラノイジンは、炭水化物とフリーなアミノ基、例えば遊離のアミノ酸、ペプチドおよびタンパク質のフリーのアミノ基を有する化合物との間の相互作用によって主として形成された着色化合物である。最終反応生成物としてメラノイジンをもたらす相互作用の複合的なネットワークは、一般的にメイラード反応と呼ばれる。
本出願人は、驚くべきことに、ラカンカ等の植物源材料からテルペン・グリコシドを抽出する方法に、テルペン・グリコシド含有エキスを、(エキス中の内因性果実炭水化物および残存アミノ基含有不純物からの)メイラード反応およびメラノイジンの形成を促進するのに十分な時間にわたって十分な温度で加熱する工程を組み込むことによって、形成された着色メラノイジン化合物がその後、都合良くは脱色工程を用いてエキスから取り除かれ、清浄な風味および薄い色を有する生成物が供給されることを見出した。
本発明の甘味組成物を調製する方法が以下により詳細に記載されることになる。
本発明の甘味組成物は、甘いテルペン・グリコシドを含有するウリ科、Jollifieae族、Thladianthinae亜族、Siraitia属の任意の果実から作製され得る。このような果実は、S. grosvenorii、S. siamensis、S. silomaradjae、S. sikkimensis、S. africana、S. borneensisおよびS. taiwanianaを含む。しかしながら、最も好ましくは、用いられる果実は、ラカンカ果実とも呼ばれるS. grosvenoriiである。本方法の以下の記載は、ラカンカ果実から甘味組成物を作製することに関連する。
ラカンカ果実が選択され、貯蔵され、および加工処理されて、好ましくは高レベルの甘味を有する良好な品質の出発材料が提供される。典型的には、新鮮な果実が、そこで、機械的に細断されるかまたは圧搾される。細断されるかまたは圧搾された果実は、次いで、好ましくは、熱水と接触させられて、果実からモグロシドが抽出される。好ましくは、抽出方法は、果実が細断されたかまたは圧搾されたかの直後の、水の温度が約60℃より高い、好ましくは約80℃より高い時に、果実を低温殺菌し、果実中に存在する内因性の酵素(例えばプロテアーゼ)を不活性にするのに十分な期間を含む。この段階において内因性酵素を不活性化することは、酵素褐変を低減させ、酵素作用によって引き起こされる異風味形成を制限するという有益な効果を有する。好ましくは、果実と熱水との間の一層の接触を確実にすることにより酵素が熱水に均一に曝され、したがって、可及的に急速に変性することを確実にするために、果実および水は十分に混合される。
例えば、連続的な向流抽出法が用いられ得、これによって、細断された果実が、向流抽出機に送り込まれ、そこで、それは約80℃で約30分間にわたって水と接触させられる。向流抽出法および装置は当該技術において公知である。例えば、米国特許5,419,251 (Mantius et al)において記載されたタイプの向流抽出機は、記載された長手部材を有するか有しないで、本発明の方法において用いられ得る。向流抽出法を用いる一つの利点は、実質的に全ての利用可能な可溶性固体を抽出するのに必要とされる抽出時間が、典型的には、従来のポットタイプの抽出法が用いられた場合よりも短いことにある。一般的に、向流抽出法における果実と水との間の接触時間が約30〜60分であるのに対して、ポット法において可溶性固体の同じ抽出を達成するために、3つの別の浸出液を利用し、90〜120分の接触時間を必要とし得る。別の利点は、通常必要とされる水がより少ないことにある。典型的には、約1.5:1の果実に対する水の比が、向流抽出法おいて十分であろうことに対して、ポットタイプの複数回の抽出法においては、約3:1の水:果実比が一般に必要とされる。
あるいは、水は約100℃に加熱され得、混合物は、約30〜60分間、例えば約45分間にわたって煎じられる。次いで、浸出液は、果実が水切りして除かれ、好ましくは、ろ過されるかまたは篩い分けされ、大きな果肉粒子が除去される。熱水抽出法は、残っている果実に対して1回以上繰り返され得、各エキスから得られた浸出液が合わされる。
得られた浸出液または液状エキスは、次いで、好ましくは、冷却され、浄化されて、透明性が提供され、搾り汁のゲル化が防止される。浄化は、任意の適切な方法を用いて行われ得る。
好ましい実施形態において、浄化は、限外ろ過の使用によって、例えば、モグロシドの浸透物中への通過を可能にするが不要なタンパク質およびペクチンを未透過物中に保持する分子量カットオフを有する限外ろ過膜を使用することによって行われる。したがって、50,000〜100,000ダルトンの限外ろ過膜が好ましい。
あるいは、浄化は、リン酸またはペクチナーゼ酵素による処理によって行われ得る。ペクチナーゼ酵素は、ペクチンを溶解させ、ペクチン安定化ペプチドおよびタンパク質を液状エキスから沈殿させるために、都合良くは、ペクチナーゼ酵素を含有する市販の酵素混合物の形態で用いられ得る。適切な市販酵素製剤は、Novozyme(登録商標)3356およびRohapect B1を含む。ペクチナーゼは、希釈溶液として、乾燥重量基準で約0.001〜1%の量で加えられ得る。都合良くは、液状エキスは、ペクチナーゼと共に、ゆっくり攪拌しながら、約30〜55℃、例えば約40〜50℃の温度で、液状エキスが実質的にペクチンを含まないようになるまで、典型的には約15〜60分、例えば約30分間の期間にわたって保たれる。
次いで、液状エキスは、好ましくは、ペクチナーゼを不活性化し、かつ、凝固およびそれらと分解されたペクチンとの共沈を高めるタンパク質を変性させるように処理される。これは、都合良くは、約80〜90℃、例えば約85℃に、ペクチナーゼを不活性化するのに十分な時間、例えば約30秒〜約5分間にわたって急速加熱することによって達成され得る。
ペクチナーゼの不活性化並びにタンパク質の凝固および共沈の後に、液状エキスは、そこで好ましくは、綿状物(flock)および変性タンパク質を除去するために容易にそれがろ過されることを可能にするのに十分に冷却される。エキスは、典型的には約65℃未満、より典型的には50℃未満に冷却される。ろ過は、当該技術において知られる任意の都合の良い方法を用いて、例えば、珪藻土に通すかまたはクロスフローの限外または微量ろ過によって行われ得る。好ましくは、エキスは、光学的透明度(5NTU未満)にろ過される。
次の段階は、浄化液状エキスからトリテルペン・グリコシドを濃縮することである。これは、都合良くは、液状エキスを、トリテルペン・グリコシドと結合する吸着樹脂と接触させることによって達成され得る。トリテルペン・グリコシドを採取するための使用に適した吸着樹脂は、ぬれ性疎水マトリクスを含む樹脂であって、食料との接触に適したものを含み、例えば、PVPP(polyvinylpolypyrrolidone:ポリビニルポリピロリドン)、ナイロン、アクリル酸エステル、スチレン・ジビニルベンゼン・コポリマー、ジビニルベンゼン・コポリマーおよび活性炭がある。このような樹脂は市販されている。本発明における使用に適した好ましい樹脂は、スチレン・ジビニルベンゼン・コポリマーおよびジビニルベンゼン・コポリマーである。好ましい樹脂の例は、Alimentech P470として知られ、Bucher-Alimentech Ltdから市販されているジビニルベンゼン・コポリマー樹脂である。好ましい実施態様は、メリーゴーランド(carousel)の態様で操作される少なくとも3カラムの樹脂を用いることである。本方法のこの段階が加圧容器において行われることも好ましい。
トリテルペン・グリコシド含有液状エキスを吸着樹脂と接触させて、モグロシドをその樹脂上に採取した後、結合したトリテルペン・グリコシドは、適切な食品用溶媒を用いて樹脂から溶離させられる。例えば、用いられる樹脂がAlimentech P470である場合、モグロシドは、都合良く、連続的に増加する水性エタノールにより溶離させられ得る。例えば、適切な溶離配列は、最初に、水によりリンスすることによって残留ラカンカ液状エキスを移動させること、次いで、最初に10%次いで20%v/vの水中エタノールを用いて予備的溶離樹脂の膨張(swelling)を行い、その後に、35%、42%、次いで50%v/vの水中エタノールを用いてトリテルペン・グリコシドを溶離させ、トリテルペン・グリコシド豊富な母液を集めることを含み得る。樹脂は、都合良くは、80%v/vの水中エタノール溶液により再使用のために回復させられ、次いで、水によりリンスされ、必要に応じてpHが調節され得る。溶媒は、再使用のために蒸留によって回収され得る。
吸着樹脂から得られた母液(精製トリテルペン・グリコシド含有溶液)は、加熱工程に付されて、母液中の残留タンパク質およびペプチドからの着色メラノイジンの形成が促進される。好ましい加熱温度および時間は、母液中のタンパク質およびペプチドの残留レベル、さらには加熱工程が行われる圧力によって決まることになる。溶液はより茶色になるのでメラノイジンの形成は視覚的に検出され得る。
一般に、メラノイジンの発生を可能にするための適切な温度は、約80〜120℃の範囲にわたる。必要とされる加熱時間は、上記の要因、さらには加熱が行われる温度によって決まることになる。しかしながら、好ましい加熱時間は、上昇した圧力で加熱が行われないならば、約80〜100℃で約120分〜45分、例えば、約80℃で約120分〜90分の範囲にわたり得る。上昇した圧力で加熱が行われるならば、メラノイジンの発生のために要求される時間が短縮されることが理解されるだろう。例えば、約1バールゲージの圧力および約120℃の温度で加熱が行われるならば、加熱時間はたったの約10分で十分であり得る。他方、大気圧下約90℃で加熱が行われるならば、約2時間までの加熱時間が必要とされ得る。
都合良くは、メラノイジンの発生の促進の他に、加熱工程(d)は、母液から一部のアルコールを蒸発させて母液からのエタノールの回収を可能にすることにも役立ち得る。
加熱工程の後、母液は、好ましくは室温程度に、都合良くは約30℃未満に好ましくは急冷される。次いで、母液は、脱色工程に付されて、溶液中のテルペン・グリコシドがメラノイジンから、さらには好ましくは他の非テルペン・グリコシド分子から分離される。都合良くは、これは、母液を、溶液中の着色メラノイジン化合物および他の非テルペン・グリコシド分子を吸着する脱色樹脂と接触させることによって達成され得る。適切な脱色樹脂は、当該技術において知られており、市販されている。高度に多孔性のマクロ孔のタイプIの強塩基性アニオン樹脂(好ましくは塩化物型に再生されたもの)は、本発明における使用に特に適した樹脂の例である。一つのこのような樹脂の例は、Bucher-Alimentech Limitedから市販されているAlimentech A330として知られたものである。
脱色工程は、多段で、段階間のpH調節を組み込んで、順に連結されるかまたは単一のカラムにおいて分割された複数のクロマトグラフィーカラム、例えば2または3のカラムを用いて行われ得る。A330樹脂は、苛性食塩水により再生され得、次いで、硬度自由水(hardness free water)によりリンスされる。母液は、樹脂カラムを通して連続的にポンプで汲み出され、メラノイジンが樹脂に結合させられる。母液中に存在する他の非テルペン・グリコシド成分、例えば、タンパク質およびフラボンも脱色樹脂に結合することも理解されるだろう。好ましくは、配列は、pH調節剤、例えば、希クエン酸の樹脂カラムへの注入を可能にし、連続カラムまたはカラム部分内を通過する母液において約3.3〜4.3のpHが維持される。次の濃縮および乾燥工程における着色の逆戻りを阻止するために、脱色トリテルペン・グリコシド含有溶液のpHが必要に応じて約4以下、都合良くは約3.8に調節されることも好ましい。
次いで、脱色トリテルペン・グリコシド含有溶液は、所望されるような洗練された淡泊な味の薄い色の甘味料濃縮物または粉体を得るためにさらに加工処理される。トリテルペン・グリコシド含有溶液は、好ましくは、最初に濃縮された後に乾燥させられる。これは、都合良くは、任意の適切な方法によって、例えば円錐状回転式減圧エバポレータを用いて約65℃の温度で行われ得る。得られた濃縮溶液は、次いで、当該技術において知られた任意の適切な方法、例えば、凍結乾燥、真空乾燥、噴霧乾燥を用いてまたは空気吹き込み型オーブンにおいてこの方法に適用される温度で乾燥させられ得る。
本発明の方法は、相当な量の甘味組成物を作製するために商業的なスケールで利用され得る。変動するレベルのトリテルペン・グリコシドを含有する本発明の甘味組成物の種々のバッチが一緒に混ぜ合わされ得るが、特定の比率のモグロシドVおよび全テルペン・グリコシドを有する構成組成物が望ましいことも理解されるだろう。
本発明は、以下に、以下の制限的でない実施例を参照しながらさらに詳細に記載されることになる。
(実施例)
下記の実施例1、2および3により、本発明による、それぞれ、54%w/wのモグロシドV、39%w/wのモグロシドVおよび42%w/wのモグロシドVを含有する3種の甘味組成物の調製が記載される。モグロシドVの割合(%)は、2時間にわたる85℃での乾燥後の乾燥重量基準である。
(実施例1)
ラカンカ果実エキス(pH4.2および屈折計による6.2%w/wの可溶性固体)が、桂林(P R China)から凍結状態で取り寄せられた。ラカンカエキスは、以下の方法によって調製された。
1.2トンの上質の新鮮なラカンカ果実が、機械的に細断され、水蒸気加熱ジャケット付きタンク(steam jacketed vat.)に落とされた。1,500Lのろ過水が柔らかくされた果実に加えられる。水は100℃に加熱され、混合物は、45分間にわたって煎じられる。45分後に、浸出液は、果実の水気が切られ、ろ過されて、大きい果実粒子が取り除かれる。さらに1,500Lの水がタンク内に残っている果実に加えられる。水が100℃に加熱され、混合物は、45分間にわたって煎じられる。45分後、浸出液は、果実の水気が切られ、ろ過され、大きい果実粒子が取り除かれ、最初のサイクルからの浸出液と合わされる。このサイクルは、もう一度繰り返されて、全容積4,500Lの上澄みが与えられる。この上澄みは、3〜6.5%の可溶性固体を有している。
エキスは温められ、988gが温度自動調節制御された水浴において45±5℃に加温される。
1.採取吸着樹脂の妨げを避けるための懸濁固体の除去
独占所有権のあるペクチナーゼ酵素製剤(Novozym 3XL)0.2mLが加えられ、混合物は、30分間にわたってゆっくりと攪拌されると綿状物(flock)が生じ沈降し始め、その際に、温度は、酵素活性を終了させるために85℃に急上昇させられ、さらに5分間にわたって85℃に維持され、不安定な生来の果実タンパク質が変性させられる。その後、分離混合物は、真空(20〜30mmHg)下に珪藻土を通したろ過(セライトろ過)を簡略にするために十分に冷却され(<50℃に)、光学的に明るい金茶色液体の混濁度<5NTU(nephelometric turbidity units:比濁分析の混濁度単位)の材料(pH4.4および6.1%w/wの可溶性の固体、吸光度420 1.006)を生じさせた。
2.Alimentech P470 US-FDA準拠吸着樹脂上に採取することによるモグロシドの濃縮
市販のジビニルベンゼン・コポリマー吸着樹脂(Alimentech P470)が、食料との接触用に、米国食品医薬品局(US FDA) 21 CFR Ch. 1, 173.65において規定されるように、供給元(Bucher-Alimentech Ltd)の使用説明書に従うことによって調製された。100mLの調製された樹脂は、ガラスのクロマトグラフィーカラム(Brand Catalogue No 566 14)中に充填され、Guislinにおいて事前に抽出され、かつセクション1に従って調製されたろ過ラカンカエキスが室温(21±3℃)で樹脂中を浸透させられ、9±1mL/分で制御されて流れる。カラムから排出されるモグロシドが激減したラカンカの搾り汁は、果糖、酸およびミネラルを含んでおり、フルーツドリンクのためのベースとしての潜在的な用途についての別の評価のために取っておかれた。
3.増加する濃度の食品用溶媒を適用することによる充満吸着樹脂からのモグロシドの脱着(部分的な精製を含む)
カラムの充填を阻害することなく、残留ラカンカ搾り汁は、室温で9±1mL/分で流れる200mLの飲用洗浄水により樹脂ビーズの内側から移動させられた。
全ての続く溶離工程は、6±1mL/分の低減した流量および室温で行われた。各アルコールの増加の直前に、メニスカスがリンス層に落下しないように予め注意した。エタノール濃度は、比重計によって測定されるその比重に従って調節された。
吸着樹脂ビーズは膨らみ、弱く結合する低分子量果実フェノール類は、2工程で溶離し、第一工程は、50mLの10%v/vエタノール[20℃での比重(s.g20)=0.9865]であり、次いで、70mLの20%v/vのエタノール[s.g20=0.9753]であった。これらの二工程の予備溶離フラクションは集められ、エタノールは、再循環させるために回収され、残留水性底部は、潜在的な「天然」抗酸化剤源として別の評価のために取っておかれた。
次いで、三工程においてモグロシドが溶離させられ、第一工程は100mLの35%v/vのエタノール(s.g20 0.9572)で行われ、これは、100mLの42%v/vエタノール[s.g20 0.9479]と置換され、最後に、100mLの50%v/vエタノール[s.g20 0.9316]と置換された。3つのモグロシド豊富な溶離液は合わせられ、エタノールは、55℃で真空(20〜30mmHg)下にRotavapor(Buchi 111)を用いて再循環用に回収された。水性残留物が、暗褐色のわずかに混濁していた(pH3.3、可溶性固体5.4%w/w、吸光度420 1.32)。このモグロシド豊富な母液は、以下のセクション4に記載される加熱工程に進められた。
吸着樹脂は、続いて、100mLの80%v/vエタノール[s.g20 0.8605]により再生され、次いで、アルコールがなくなるまで水によりリンスされ、その後、さらなるバッチのモグロシド豊富な母液を採取するためにそれの繰り返しの再使用が可能にされた。エタノールは、再循環用に回収され、水性底部(測定可能なモグロシド残渣を含有していた)は、セクション1に記録された浄化工程の前に、戻って加えられる続く生成サイクルへ含ませるために取っておかれた。
4.母液中のタンパク質およびペプチド残渣の凝集を促進し、脱色樹脂によるそれらの次の吸着を促すメラノイジンの発生を加速させるための通気および熱処理
モグロシド豊富な母液は、沸騰水浴内に置かれた開いたビーカーに移された。温度が平衡に達した後、母液は>98℃に1時間にわたってゆっくりと攪拌しながら保持されたが、一定の容積を維持するために曝気された水(aerated water)が時折加えられた。その後、熱処理された母液は、室温に急冷された。母液の色は濃くなり、その溶液は、メラノイジン形成の目に見える濁った証拠であった。タンパク質もやの可視性は冷却に従って強くなり、それは、No.4ろ紙(Whatman)上で容易にろ過可能であり、強い茶色性のろ液を提供した(pH3.3、可溶性固体5.3 % w/w、吸光度420 4.59)。
5.米国食品医薬品局(US FDA)準拠の脱色樹脂(Alimentech A330)との接触による、工程間のpH調節を組み込む三段階脱色法を用いた母液中に発生したメラノイジン(および関連するタンパク質)の色の除去
市販のイオン交換樹脂(Alimentech A330)が、酸性食塩水(10%w/vのNaClおよび0.5%w/vのHCl)、水、苛性ソーダ溶液(4%w/vのNaOH)および軟水により、供給元(Bucher-Alimentech Limited)の使用説明書に従って、US FDA 21 CFR Ch. 1, 173.25に適合するまで繰り返し循環させられた。その後、20mLの一定分量の適合A330樹脂が、3つのクロマトグラフィーカラム(ブランドカタログ番号566 32)に移され、それぞれ、40mLの苛性食塩水(1.0±0.2mL/分で制御された流れ)、次いで、140mLの脱イオン洗浄水(4±1mL/分の増加した流れ)により再生された。次いで、3つのカラムは、順に、カラム1と2との間および別のカラム2と3との間で段階間の投薬および混合ポット(dosing and mixing pot)により順に接合され、そこから中に、脱色カラム2および3の中を連続的に通過する母液において3.8±0.5のpHを維持するために希クエン酸(0.1mol/L)の制御された注入が可能にされた。
熱処理され、かつ、ろ過された母液は、ポンプで汲み上げられて順に3つの脱色カラム中を通り、段階間pH修正が提供され、2.0±0.2mL/分で脱イオン置換水により流され、甘味が辛うじて知覚できるまで薄い麦わら色の母液が集められる。脱色複合物のpHは、少量のクエン酸結晶により3.8まで下げて調節され、淡い麦わら色のシロップ状3.3%w/wの可溶性固体が得られた(吸光度420 0.123)。pH調節は、次の濃縮および乾燥工程において着色の逆戻りを阻害するために重要であった。
6.モグロシドV含有量が50%w/w超である微細な淡泊な味の淡い色の甘味料を得るための濃縮、乾燥および製粉
脱色され、かつ、pH調節された母液は、Rotavapor(Buchi 111)において真空(20〜30mmHg)下65℃で28%w/wの可溶性固体に蒸発させられた。残留する粘性のこはく色の液体は、時計皿(clock-glass)に移され、空気吹き込み型乾燥機(forced-air oven:Clayson)において65℃で6時間にわたって乾燥させられた。
生じた溶融物は、室温で凝固させられ、次いで、乳鉢と乳棒により手作業で微粉にすり潰され、この微粉は、空気吹き込み型乾燥機(65℃)に戻され、一定の温度に乾燥させられ、黄色がかった白色の(off white)粉体(モグロシドV含有量54%w/w)が提供された。脱イオン水中に再構成された1.00%w/w溶液のpHおよび吸光度420は、それぞれ、4.0および0.064であった。
(実施例2)
ラカンカ果実の搾り汁4,500Lが、実施例1に記載された方法を用いて1.2トンの果実から熱水抽出され、次いで、加工処理されるまで0〜−3℃で冷蔵保存された。搾り汁は、貯蔵庫から500Lのバッチ中に抜き出され、蒸気ジャケット開放やかん(steam jacketed open kettle)中で45±5℃に温められた。搾り汁のpHは3.9であり、3.2%w/wの可溶性固形物が得られた(重量測定法的に測定された)。
1.採取吸着樹脂の妨げを避けるための懸濁固体の除去
独占所有権のあるペクチナーゼ酵素製剤(Novozym 33056)100mLが各500Lのバッチに加えられ、インキュベートされた混合物は、30分間にわたって綿状物が生じて沈降し始めるまでゆっくりと攪拌され、その後、温度は、酵素活性を終了させかつ搾り汁を加熱殺菌するために85℃に急上昇させられた。次いで、液体は、50Lの食用ポリエチレンカーボイにサイホンで吸い上げられ、栓をされ、冷えるまで放置された。65℃以下の時に、搾り汁は、ポンプで吸い上げて局所的購入「ろ紙」とその上に置かれた局所的調達「細粒度」珪藻土の二重層を備えた板状フィルタに通すことによって光学的透明度にろ過された。各バッチについての回収は、420〜460L変動したが、pH3.9であり、光学的に透明であり、適度に褐色性の搾り汁であった。
2.US−FDA準拠吸着樹脂上に採取することによるモグロシドの濃縮
100Lの市販のジビニルベンゼン・コポリマー吸着樹脂(Alimentech P470)が、US-FDA 21 CFR Ch.1,173.65に規定されたように、局所的に製造されたステンレス鋼クロマトグラフィーカラムにおいて、樹脂供給元(Bucher-Alimentech Ltd)の使用説明書に従うことによって食料との接触のために調製された。セクション1に従って事前に調製された2つのバッチのろ過ラカンカエキスは、重力下に55±5℃で吸着樹脂中を浸透させられ、頂部高さに応じて3〜4L/分の間でゆらぎ流れる。モグロシドが激減したラカンカ搾り汁は、カラムから流出し、廃棄された。
3.増加する濃度の食品用溶媒を適用することによる充満吸着樹脂からのモグロシドの脱着(部分的な精製を含む)
カラムの充填を阻害することなく、残留ラカンカ搾り汁は、200Lの室温の飲用洗浄水(potable plant water)により8L/分の増加流れで冷却された樹脂ビーズおよびカラムの内側から移動させられた。
全ての次の溶離工程は、6±2L/分の低下された流量および室温(35±5℃)で行われた。各アルコール性の溶離の直前に、頂部が樹脂層に浸されないように予め注意した。再循環エタノールの濃度は、比重計によって測定されたその比重に従って調節された。
吸着樹脂ビーズは膨張し、弱く結合した低分子量果実フェノール類は、二段階で溶離し、その第一段階は50Lの10%v/vのエタノール[20℃での比重(s.g20) = 0.9865]であり、次に、50Lの20%v/vのエタノール[s.g20 0.9753]であった。これらの2つの予備溶離フラクションは集められ、エタノールは、再循環のために回収され、残留の水性底部は排出され廃棄された。
次いで、モグロシドは三工程で溶離させられ、第一工程は、100Lの35%v/vのエタノール[s.g20 0.9572]であり、これは、100Lの42%v/vのエタノール[s.g20 0.9479]と置き換えられ、最後に100Lの50%v/vのエタノール[s.g20 0.9316]と置き換えられた。3つのモグロシド豊富な溶離液は合わせられ、エタノールは、局所的に製造された蒸留器(初期蒸留温度は65℃であり85℃に昇温)を用いて真空下に再循環用に回収された。
吸着樹脂は、続いて、100Lの80%v/vのエタノール[s.g20 0.8605]により再生され、次いで、アルコールがなくなるまで水によりリンスされた。エタノールは、真空下に再循環用に蒸留され、測定可能なモグロシド残渣を含んでいた水性底部は、セクション1に記録された次回のバッチの浄化法の始めに戻された。
さらなる工程において、樹脂は、200LのCIP溶液(2%w/vの苛性ソーダ)により、樹脂を逆洗流動化させ、次いで、下降流洗浄することによってさらに衛生的にされ、その後に、軟水によりリンスされ、残留する苛性物は、50Lの4%w/vのクエン酸溶液により中和され、最後に、500Lの飲用洗浄水によりリンスされ、これにより、モグロシド豊富な母液の続くバッチを採取するために樹脂を繰り返して再使用することが可能にされた。
4.母液中のタンパク質およびペプチド残渣の凝集を促進し、脱色樹脂によるそれらの次の吸着を促すメラノイジンの発生を加速させるための熱処理
アルコール回収の後、蒸留器中に残っている水性残渣200±40Lの温度は、1時間にわたって95±5℃に上げられた。結果として得られた濃褐色でわずかに濁った母液は、6個の50Lカーボイにデカントされ、栓をされ、約2時間にわたって部分的に冷水に漬けられて冷却され、その後、母液の温度は、50℃以下であると測定され、脱色に適していた。
5.US−FDA準拠の脱色樹脂との接触による、段階間pH調節を組み込む二段階脱色法を用いた母液中に発生したメラノイジン(および関連するタンパク質)の着色の除去
市販のイオン交換樹脂(Alimentech A330)25Lが、2つの同一の局所生産のステンレス鋼クロマトグラフィーカラムのそれぞれに移された。その中に、樹脂は、樹脂の供給元(Bucher-Alimentech Limited)の使用説明書に従って順に50Lの苛性食塩水(10%w/vのNaClおよび2%w/vのNaOH)を適用して2回循環させられ、次いで、軟水によるリンスが行われ、次いで、50Lのクエン酸溶液(4%w/vのクエン酸)および最後に飲用洗浄水によるリンスが行われ、これにより、US FD A21 CFR Ch. 1, 173.25の準拠が確実に行われた。各カラムのその段階の準拠A330樹脂は、1.0±0.1L/分で制御されて流れる50Lの苛性食塩水、次いで、6±1L/分の増加する流れの150Lの飲用洗浄リンス水により再生された。
熱処理されかつ冷却された母液は、重力下に脱色カラムの1つ中に移動させられ(流れ3±1L/分)、集められ、3.8±0.5にpH調節され、次いで、第二の脱色カラム中を浸透させられた(3±1L/分に対応した流れ)。カラム中に残っている母液は、順に植物逆浸透(Reverse Osmosis:RO)水によりカラムを洗い流すことによって回収された。流出する薄い麦わら色の母液は甘味が辛うじて知覚できるまで集められた。第二の脱色カラムを出る脱色複合物のpHは、クエン酸結晶により3.8±0.5に下げて調節され、淡い麦わら色のシロップ状物300±50Lが得られた。pH調節は、次の濃縮および乾燥工程において着色の逆戻りを阻害するために極めて重要であった。
6.モグロシドV含有量が35%w/w超である淡泊な味の淡い色の甘味料を得るための濃縮および噴霧乾燥
脱色されかつpH調節された各バッチ対からの母液は、真空(40〜60mmHg)下に85℃で単一段階の局所構築エバポレータにおいて16〜25%w/wの可溶性固体に蒸発させられた。4・1/2バッチ対のそれぞれからの濃縮物(個々の容積3〜5L)は、十分な体積が噴霧乾燥のために利用可能になるまで凍結状に蓄積(accumulated frozen)された。
全部で9個のバッチを集めた後、脱色母液濃縮複合物は解凍され、局所製造された設備において噴霧乾燥させられ、モグロシドVの含有量が39%w/wであり、生じたモグロシドの含有量が61%w/wである黄色がかった白色の粉体が提供された。脱イオン水中に再構成された1.00%w/w溶液のpHおよび吸光度420は、それぞれ、3.7および0.208であった。
(実施例3)
ラカンカ果実の搾り汁4,500Lが、1.2トンの果実から実施例1に記載された方法を用いて熱水抽出された。
1.採取吸着樹脂の妨げを避けるための懸濁固体の除去
搾り汁は、ポンプでそれを吸い上げて、100kDaの分子量カットオフを有する膜を有する限外ろ過装置に通すことによって光学的透明度にろ過された。透過物は、光学的に透明な淡黄色搾り汁であった。
2.US−FDA準拠の吸着樹脂上に採取することによるモグロシドの濃縮
市販のジビニルベンゼン・コポリマー吸着樹脂(Alimentech P470)が、食料との接触のために、US FDA 21 CFR Ch. 1, 173.65に規定されたように、局所的に製造された加圧式ステンレス鋼カラムにおいて、樹脂供給元の使用説明書に従って調製された。セクション1に従って事前に調製されたろ過ラカンカエキスは、ポンプで汲み上げられて加圧下に50℃未満で吸着樹脂に通され、30〜50L/分の変動で流れた。モグロシドが激減したラカンカ搾り汁は、カラムから流出し廃棄された。
3.増加濃度の食品用溶媒を適用することによる充満吸着樹脂からのモグロシドの脱着(部分的な精製を含む)
充満吸着樹脂の脱着は、実施例2において記載された方法に従って行われた。
4.母液中のタンパク質およびペプチド残渣の凝集を促進し、脱色樹脂によるそれらの次の吸着を促すメラノイジンの発生を加速させるための熱処理
局所的に製造された蒸留器を用いて、工程3からの合わされたモグロシド豊富な溶離物は、80±5℃に2時間にわたって加熱された。アルコールが回収され、結果として得られた濃褐色のわずかに濁った母液は、約1時間にわたって冷却され、そこで、母液温度が50℃以下であることが測定され、脱色に適していた。
5.US−FDA準拠脱色樹脂との接触による、段階間pH調節を組み込んだ二段階脱色法を用いた母液中で発生したメラノイジン着色(および関連タンパク質)の除去
母液の脱色は、実施例2において記載された方法に従って行われた。
6.モグロシドVの含有量が35%w/w超である淡泊な味の淡い色の甘味料を得るための濃縮および噴霧乾燥
脱色されかつpH調節された母液は、真空(40〜60mmHg)下に70℃未満で単一段の局所的に構築されたエバポレータにおいて30%w/wの可溶性固体に蒸発させられた。
蒸発の後、脱色母液濃縮複合物は、局所的に製造された設備において噴霧乾燥させられ、モグロシドVの含有量が42%w/wである黄色がかった白色の粉体が提供された。脱イオン水中に再構成された1.00%w/w溶液の吸光度420は0.1136であった。
(実施例4−7)
本発明のさらなる甘味組成物は、上記の実施例1において記載された方法と類似の方法を用いて調製された。
(実施例8)
ラカンカ果実の搾り汁142kgが、100kgの果実から、時間当たり10kgの容量を有する連続向流抽出機において、98±2℃の温度で抽出された。搾り汁は、薄い麦わら色の価値がある0.0%w/wの可溶性固形物(重量測定法的に測定された)であった。この搾り汁は、実施例3において概説される方法のための供給原料として適していた。
(比較例)
(比較例A)
モグロシドを含有する乾燥甘味組成物が、ラカンカ果実から、米国特許6,124,442(Zhou et al)において記載された方法を用いて調製された。
(比較例B)
モグロシドを含有する乾燥甘味組成物が、ラカンカ果実から、次の方法を用いて調製された。
・果実は、不規則なサイズに圧搾/破壊された。
・圧搾された果実は、直接的にホッパに送り込まれ、次いで、そのホッパは、水で満たされる。水および果実は、次いで、100℃に加熱される。
・攪拌を伴わない拡散接触40分。液体はろ過され、貯蔵タンクにポンプで汲み上げられる。
・さらなる2回の抽出がある(それぞれ1.5Tの水を有する);再度、得られた液体はろ過され貯蔵される。
・4回目の(最後の)抽出が行われ、40分後に、液体は、容器から排出される。
・果実は容器から取り出され、4回目の抽出からの液体は、容器に戻され、次のバッチの果実が加えられる。
・上澄みは、ろ過によって浄化され、上澄みは、吸収体カラム(D101樹脂)にポンプで汲み上げられる。これらは、3mの高さおよび600mm径である。床の深さは約2.5mであり、700Lの床容積を与え、これは、約3mの全樹脂容積に合致する。
・エタノールによるモグロシドフラクションの溶離は10〜95%で段階を追う。全溶離液を集める。
・エタノールを蒸留し回収する。
・溶離溶液を脱色カラム(AB-8樹脂)にポンプで汲み上げる。
・20倍に容積を低減させて、濃縮物を形成する。
・不溶性固体がないろ過および50〜150℃での噴霧乾燥。
(甘味組成物の分析)
比較例AおよびBおよび実施例3において記載された方法によって生じた甘味組成物の窒素含有量は、標準的な分析方法を用いて測定された:比較例AおよびBについて:Hills研究所−触媒燃焼法(900℃、O)、分離、熱伝導度検出器(Elementar VarioMAX Analyser);実施例3について:NZ研究所−AOAC 992.15;以下に示される:
比較例Aについての全窒素は4.86%であった。
比較例Bについての全窒素は3.54%であった。
実施例3についての全窒素は1.75%であった。
実施例1〜6および比較例AおよびBの甘味組成物は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて分析され、組成物中の個々のトリテルペン・グリコシドおよび全トリテルペン・グリコシドの両方の割合(百分率)が測定された。用いられたHPLC法は、以下に別々に記載される。組成物の色はまた、0.2μm膜を通したろ過後の脱イオン水中の組成物の1%w/vの全固体溶液の420nmにおける吸光度を記録することによって評価された。分析の結果は、下記表1において提示される。
Figure 0005793176
モグロシドVを定量し、ラカンカエキス中に豊富に見出された7のさらなるトリテルペン・グリコシドを仮識別するためのHPLC手順
参考文献:Wei Ping He博士(Guilin Shili Corporation)の共著の中国文献の機械的な翻訳;これは、一般的な用語で、ShiliにおいてモグロシドVを定量するために用いられたHPLC法を記載している。手順は、Shodex Asahipakアミノカラムを指定し、これにより、Takekimatsuhar博士(Dedoa大学,日本)によって開発され、精製モグロシドVを調製するために採用された方法の適応であることが予想される(現在入手することができない翻訳)。
標準:ラカンカ果実(Momordica grosvenori Swingle)から単離されたモグロシドVの精製結晶サンプル(95.1%w/wであることが証明された、HPLCによる分析)は、親切にも、Guilin Bio-GFS Company Limited.によって寄付された。証明された(95.1gのモグロシドV/100g)材料は、等価質量吸光計数(equivalent mass extinction coefficient)を適用することよって他の全ての一時的に診断されたトリテルペン・グリコシドが釣り合わされた一次標準として採用された。[トリテルペン・グリコシド(モグロシドV以外)は、それらの光ダイオード−紫外線(UV)吸収の痕跡によって仮識別され、溶離ピークの頂点において得られ、モグロシドV標準のUVフィンガープリントに対して照合された。]
一次標準:約25mgの乾燥(65℃で2時間にわたる)結晶モグロシドVが、0.1mgまで正確な化学天秤を用いて正確に量られた。
結晶モグロシドV(23.7mg)は、定量的に、50mLのメスフラスコに移され、15mLのクロマトグラフィー等級のメタノールに溶解させられ、3mMのリン酸水溶液により50.00mLまでにされた。得られた標準液中のモグロシドVの修正濃度は、証明書に記録された比率に従って調節された(例えば、474×0.951=450mg/L)。得られた450mg/LのモグロシドV標準は、室温で貯蔵された時には3月間にわたって安定であることが分かった。
2つのさらなる標準である50mg/Lおよび200mg/LのモグロシドVは、HPLCの3点の校正曲線の進展(development)を可能にするように移動相「C」によって一次標準を連続的に希釈することによって調製された。
(モグロシドVの検出)
トリテルペン・グルコシドは、発色団を全く有しないので、定量化は、一般的なモグロシド炭素骨格に起因するうつろなUV吸光度を用い、このために、8nmのバンド幅を伴う205nmに設定されたChanel1によってモニタリングされた。HPLC溶離流は、254nm、285nmおよび345nmにおいて追加的に探索され、モグロシドピークの同定と純度推定が監視され、並びに指定された波長において強く吸収する一般的な非モグロシドである主なフラボノイドのピークの擬似分類が提供された。
Figure 0005793176
(サンプルの調製)
ラカンカエキスまたは再構成された濃縮物は室温にされ、可溶性成分は、約2時間にわたって時折の攪拌を伴ってパルプから再分配されることが可能にされた。高いパルプ含有量を有するそれらのサンプルは、次いで、遠心分離にかけられて、負荷物はろ過媒体上に低減させられた。
その後、パルプを含むまたはもやのかかったエキスは、Whatman GFB 深度プレフィルタを備えた0.2μmの酢酸セルロース膜シリンジフィルタを通じて光学的透明度までろ過された。ろ液の初期の5滴は廃棄された。ろ過媒体上への吸着に起因してそれらからより親水性に乏しいモグロールが激減させられ得るからである。約6mLのその次にろ過されるサンプルが希釈のために集められ、HPLCに直接的に注入された分析サンプルにおいて50〜500mg/LのモグロシドV濃度が提供された。移動相「C」(以降において規定される)によってあらゆる希釈がなされたが、典型的には2〜5倍であった。
0.2μmろ過された市販ラカンカエキスは希釈溶媒中で散発的に再度もや状になるのに十分な残留オリゴマーペクチン酸塩(pectate)を含有するので、希釈ろ液の透明度は、それが光学的に透明であることが維持されることを確実にするために注入の直前にチェックされた。必要である場合、注入されたサンプルは、再度、4mm径の使い捨ての溶媒抵抗性(PTFE)膜を通じてろ過された。(ろ過し難しいエキスは、ろ過補助器具(aid)の追加を必要とする可能性がある。パルプの粘度および不安定性を低減させるために市販の酸ペクチナーゼ酵素を適用する前に、溶離酵素製剤は、グルコース部分を加水分解し、これによって検出されるトリペルテン配糖体の相対的な比率を変更することが可能なごくわずかな副活性を含むことを保証する。)
(計測手段)
全ての分析は、四変数勾配機能(quaternary gradient capability)を備えたShimadzu Class VP液体クロマトグラフィー装置および光ダイオードアレイD検出器を用いて完了させられた。Shimadzu装置に特有の規定パラメータは、以下に照合される。
(二変数勾配(binary gradient)分離のためのクロマトグラフィーの条件)
溶媒A:水中アセトニトリル1容積%;HPLC装置のパージ用。
溶媒B:リン酸水溶液(全溶媒中3mMol)中アセトニトリル5容積%。
溶媒C:リン酸水溶液(全溶媒中3mMol)中アセトニトリル40容積%。
溶媒D:メタノール100%;逆相カラムを湿らせ、洗い流してその理論的平板計数(plate count)を修復するため。
全ての水性溶媒は、使い捨ての0.2μmセルロース親水性の膜、シリンジフィルタを通して予備的にろ過された後に、HPLCに供給するバルク溶媒カーボイに加えられた。
方法: モグロシドV.met
ポンプ: 1.0mL/分、二変数勾配成分の合計
混合機: 0.5mLの保持容量(hold-up volume)を有する静止低圧混合機
注入ループ: Rheodyne(登録商標)20μL
ガードカラム: 再充填可能なAdsorbosphere C18,5μm,10mm
カラム: Allsphere Hexyl 5μm,C6,4.6×250mm
カラム・オーブン: 35℃
実行時間: 62.05分
適用された平均の保持時間および応答係数
Figure 0005793176
本明細書において記載された特定の方法および組成物は、好ましい実施形態の代表であり、例示であり、本発明の範囲についての制限として意図されていない。本明細書を考慮する際に他の目的、態様および実施形態が当業者に生じることになり、本発明の範囲および意図に包含される。本発明の範囲および意図を逸脱することなく、様々な置換および改変が本明細書において開示された発明になされ得ることが当業者に直ちに明らかになるだろう。本明細書において事例的に記載された発明は、本明細書において必須として具体的に開示されていない、あらゆる単数または複数の要素、単数または複数の制限の不存在下に適切に実施され得る。それ故に、例えば、本明細書における各例において、本発明の実施形態または実施例において、用語「含む」(comprising、including、containing等)は、広くかつ制限なく理解されるべきである。

Claims (32)

  1. テルペン・グリコシドを含有する甘味組成物を調製する方法であって、
    (a)テルペン・グリコシドを含有する新鮮な植物源材料からテルペン・グリコシド含有液状エキスを得る工程と、
    (b)該エキスを浄化する工程と、
    (c)該エキス中のテルペン・グリコシドを濃縮して、精製テルペン・グリコシド含有溶液を得る工程と、
    (d)精製テルペン・グリコシド含有溶液を、メラノイジンを形成するのに十分な温度で十分な時間にわたって加熱する工程と、
    (e)溶液中のテルペン・グリコシドからメラノイジンを分離して、脱色テルペン・グリコシド含有溶液を得る工程と
    を包含する、方法。
  2. 工程(e)から得られた脱色テルペン・グリコシド含有溶液を乾燥させて、粉体組成物を形成する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(e)から得られた脱色テルペン・グリコシド含有溶液が濃縮された後に、最終的な乾燥がなされる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記新鮮な植物源材料は、ウリ科の果実である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記新鮮な植物源材料は、ラカンカ果実である、請求項1に記載の方法。
  6. 工程(a)は、柔らかくされたラカンカ果実を熱水と、該果実からトリテルペン・グリコシドを抽出するのに十分な時間にわたって十分な温度で接触させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記抽出は、向流抽出を用いて行われる、請求項6に記載の方法。
  8. 浄化工程(b)は、前記エキスの限外ろ過を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 工程(b)から得られた液状エキスは、ろ過されるか、遠心分離にかけられるか、または、デカントされるかされた後に、工程(c)が行われる、請求項1に記載の方法。
  10. テルペン・グリコシドを濃縮する工程(c)は、(i)前記浄化エキスを吸着樹脂と接触させる工程であって、該吸着樹脂は、該エキス中のテルペン・グリコシドと結合する、工程と、(ii)該樹脂からテルペン・グリコシドを溶離させて、精製テルペン・グリコシド含有溶液を得る工程とを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 工程(c)において用いられた吸着樹脂は、マクロ孔ポリマー吸着樹脂である、請求項10に記載の方法。
  12. 工程(c)において用いられた吸着樹脂は、スチレン・ジビニルベンゼン・コポリマーまたはジビニルベンゼン・コポリマー樹脂である、請求項10に記載の方法。
  13. 工程(c)は、加圧容器において行われる、請求項10に記載の方法。
  14. 前記テルペン・グリコシドは、エタノールの水溶液により前記吸着樹脂から溶離させられる、請求項10に記載の方法。
  15. 前記溶離は、増加するエタノール濃度のエタノール溶液を用いる複数の溶離工程を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 加熱工程(d)は、工程(c)から得られた、少なくとも1つのテルペン・グリコシド含有エタノール溶液を加熱して、メラノイジンの形成を促進し、かつ、エタノールを蒸発させて、これによりエタノールの回収を可能にする工程を含む、請求項14または15に記載の方法。
  17. 工程(d)は、前記精製テルペン・グリコシド含有溶液を、80〜120℃の温度に、メラノイジンを形成するのに十分な期間にわたって加熱する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記加熱は、80〜100℃の温度で120〜45分の期間にわたって行われる、請求項17に記載の方法。
  19. 脱色工程(e)は、工程(d)からのテルペン・グリコシドおよびメラノイジンを含有する溶液を、メラノイジンと結合する脱色樹脂と接触させて、脱色テルペン・グリコシド含有溶液を得る工程を含む、請求項1に記載の方法。
  20. 工程(e)において用いられた脱色樹脂は、高度に多孔性のマクロ孔のタイプIの強塩基性アニオン樹脂を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 工程(e)は、加圧容器において行われる、請求項19に記載の方法。
  22. テルペン・グリコシドを含有する新鮮な植物源材料から甘味組成物を調製する方法であって、
    (a)新鮮な植物源材料からテルペン・グリコシドを抽出することによって得られたテルペン・グリコシド含有溶液を、メラノイジンを形成するのに十分な温度で十分な時間にわたって加熱する工程と
    (b)工程(a)で加熱されたテルペン・グリコシド含有溶液から該メラノイジンを分離して、脱色テルペン・グリコシド含有溶液を得る工程と
    を包含することを特徴とする方法。
  23. 工程(a)において加熱されるテルペン・グリコシド含有溶液は、新鮮な植物源材料からテルペン・グリコシドを抽出してテルペン・グリコシド含有溶液を得る工程と、次の、ペクチンおよびタンパク質を除去することによってテルペン・グリコシド含有溶液を浄化する工程とを含む方法によって得られる、請求項22に記載の方法。
  24. 新鮮な植物源材料は、新鮮なラカンカ果実であり、新鮮なラカンカ果実からのテルペン・グリコシドの抽出は、柔らかくされたラカンカ果実を熱水と、新鮮なラカンカ果実からトリテルペン・グリコシドを抽出するのに十分な時間にわたって十分な温度で接触させる工程を含む請求項23に記載の方法。
  25. 前記接触は、向流抽出を用いて行われる、請求項24に記載の方法。
  26. 前記浄化工程は、前記エキスの限外ろ過を含む、請求項24に記載の方法。
  27. 工程(b)は、工程(a)において加熱されたテルペン・グリコシド含有溶液を、メラノイジンと結合する脱色樹脂と接触させる工程を含む、請求項24に記載の方法。
  28. 工程(a)において加熱されるテルペン・グリコシド含有溶液は、浄化の後にテルペン・グリコシド含有溶液中のテルペン・グリコシドを濃縮する工程をさらに含む方法によって得られる、請求項24に記載の方法。
  29. 前記濃縮工程は、(i)前記浄化されたエキスを吸着樹脂と接触させる工程であって、該吸着樹脂は、該エキス中のテルペン・グリコシドと結合する、工程と、(ii)該樹脂からテルペン・グリコシドを溶離させて、精製テルペン・グリコシド含有溶液を得る工程とを含む、請求項28に記載の方法。
  30. 前記濃縮工程において用いられた吸着樹脂は、マクロ孔ポリマー吸着樹脂である、請求項29に記載の方法。
  31. 前記マクロ孔ポリマー吸着樹脂は、スチレン・ジビニルベンゼン・コポリマーまたはジビニルベンゼン・コポリマー樹脂である、請求項30に記載の方法。
  32. 工程(b)から得られた脱色テルペン・グリコシド含有溶液を乾燥させて、粉体組成物を形成する工程を含む、請求項24に記載の方法。
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