JP2002535106A - 車両用シートのロック機構 - Google Patents

車両用シートのロック機構

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JP2002535106A
JP2002535106A JP2000595857A JP2000595857A JP2002535106A JP 2002535106 A JP2002535106 A JP 2002535106A JP 2000595857 A JP2000595857 A JP 2000595857A JP 2000595857 A JP2000595857 A JP 2000595857A JP 2002535106 A JP2002535106 A JP 2002535106A
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JP2000595857A
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フォスマン、グレゴール
ベッカー、マルティン
ペーターズ、クリストフ
クルッグ、ダイアナ
アスバー、トーステン
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カイペル ゲーエムベーハー アンド カンパニー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用シートのロック機構を提供すること。 【解決手段】 下側部材(3;103;203;303)、前記下側部材(3;103;203;303)に支持された上側部材(2;102;202;302)、及び、ガイドウェイ(15;115;215;315)内で前記下側部材(3;103;203;303)と前記上側部材(2;102;202;302)との間を延びる少なくとも1つのロック要素(13;113;213:313)を備えた、車両用シート、特に、自動車用シートのロック機構において、前記ガイドウェイ(15;115;215;315)が、記下側部材(3;103;203;303)と前記上側部材(2;102;202;302)とを支持する軸受を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用シートのロック機構に関し、より詳細には、請求項1の前提
項の特徴を備えた自動車用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の公知のロック機構では、ロック機構の上側部材はベアリング要素に支
持されており、そのベアリング要素はロック機構の下側部材に支持されている。
ベアリング要素は、当該機構の上側部材と下側部材との間の空間に設けられてお
り、カラーを積層状組立体として構成されている。ベアリング要素は、2つのロ
ック要素を移動させる制カム御要素としても使用され、ガイドウェイ中において
案内されている間、これらの2つのロック要素は径方向外側に押圧されて、ロッ
ク要素を係合させる。ベアリング要素と制御カム要素は組み合わされて伝動バー
上に直接設けられている。自動車用シートにロック機構を装着した後、伝動バー
は、ロック機構の他方側の調節装置に延びている。伝動バーを回転させると、ベ
アリング要素及び制御カム要素が回転し、ロック要素が移動する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前述の種類のロック機構を改良することにある。本発明によ
ると、この目的は、請求項1の特徴項のロック機構及び請求項10の特徴項の車
両用シートにより達成される。好適な実施例は、従属項の構成を主題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
ガイドウェイがロック機構の下側部材及び上側部材を支持する軸受として機能
し、中間支持としての軸受要素なしに、ロック機構の下側部材の内外で上側部材
を直接支持する。これにより、構造を複雑にする軸受及び制御カム要素を用いる
ことが不要であり、ロック機構の製造が容易になるとともに、コストが削減され
る。基本的構造では、公知の軸受及び制御カム要素よりガイドウェイが径方向外
側に延びているので、支持は軸受力を小さくする長いレバーアームで生じる。好
ましくは、ガイドウェイはロック機構の下側部材と一体に構成されて上側部材に
支持されており、これにより、構造が簡単になるとともに安定性が向上する。
【0005】 ロック機構を安全に係合させるために、好ましくは機構の一方の部材の境界面
に形成されたギアリムが、歯状セグメントとして設計構成されたロック要素と協
働する。好ましくは、2つのロック要素が設けられる。構造を簡単にするために
、ギアリムを構成するこの境界面が、同時に、ガイドウェイの接触面を形成する
ことが効果的である。十分な支持ができるように、ガイドウェイは、境界面に対
して、好ましくは、周方向の扇状領域の大部分に形成されている。扇状領域の他
の部分は、例えば、歯状セグメント又は協働するばねのために残されている。
【0006】 ガイドウェイを介する本発明の支持構造は、ロック機構の中心に制御要素を収
納する空間を形成しており、この制御要素は伝動バーを駆動するために配置され
、空洞内のロック要素を移動させる。この動作を補助するために、制御要素は、
好ましくは、付勢力があるばねである。所定の力を付与するために、それぞれの
ロック要素にばねが設けられている。ばね力に抗する方向にロック要素を移動さ
せるためには、伝動バーに制御ディスクを設けることが好ましい。
【0007】 好適実施形態においては、誤差を吸収する手段が設けられており、これにより
、機構を安全に係合させることができる。車両用シートの両側にロック機構を設
け、バーを介して同時に動作を行なわせることにより、誤差吸収手段は、例えば
、ロック機構に始めからある隙間や製造誤差によってロック機構の歯の位置が異
なっても、両方のロック機構が係合させるようにする。例えば、誤差吸収手段が
、ロック機構内の誤差を補正してもよい。可能であれば、異なる誤差吸収手段が
、独立して、又は、組合せて設けられていてもよい。好ましくは、制御要素は、
ロック要素を移動させる。この場合、制御要素は、車両用シートの一方の側から
他方の側に制御要素の動作を伝達するバーによって移動させられる。これによっ
て、総てのロック要素が同期して作動する。バーの捻れを許容するために、バー
と制御要素との間に隙間を設けることが好ましい。構造を簡素化するために、独
立して構成されたバーより短い伝動要素と制御要素との間に隙間を設けるおとが
好ましい。
【0008】 さならる誤差吸収要素として、制御要素を、ロック要素のそれぞれの輪郭制御
部分を備えたカムプレートとして設計構成することができる。この場合、それぞ
れの輪郭制御部は、外側に向って径を一定に僅かに漸増させる螺旋形状となって
いる。この結果、既に部分的に係合するロック要素は、総ての他のロック要素が
係合するまで、安全に保持される。制御カムは、それぞれの輪郭制御部と協働す
るロック要素に力を伝動するために機能する。
【0009】 好ましくは、制御ディスクはそれぞれのロック要素と協働するように設けられ
ている。制御ディスクは、その移動方向に対して直交するロック要素に横たわっ
ており、例えば、特に、非係合状態において突起及びスロットロック要素により
ロック要素の移動を制御する。好ましくは、制御ディスクは、ロック要素に向う
方向に付勢されており、すなわち、径方向に移動可能なロック要素の場合は軸方
向に付勢されている。これによって、制御ディスクは、ロック要素と接触状態と
なり、したがって、突起及びスロットが移動を制御する係合状態となる。好まし
くは、1以上の弾性舌片によって付勢力が得られる。この弾性舌片は、制御ディ
スクから外側に曲げられ、同時に、誤差吸収手段として作用する。
【0010】 さらに、好適な実施形態では、ロック機構は、上側部材とロック機構の下側部
材との間でロック要素が適切に動作するように所定の角度位置を提供する手段を
備えている。これによって、車両用シートにロック機構を採用することができ、
揺動時に非係合装置を定量的に作動させたり保持させたりすることなく、背凭れ
に非係合後の自由な揺動及び/又はリクライニング姿勢への復帰動作を行なわせ
ることができる。これにより、背凭れの角度姿勢を前後に簡単に変更することが
できる。リクライニング姿勢では、背凭れが支持され、ロック機構を介する負荷
がリクライニング姿勢で突出したレバーアームに偶発的に伝動されないようにな
っている。
【0011】 好ましくは、ロック要素は、ロック機構の部材の一方と係合するように協働す
る。所定角度位置以外では、機構の当該部材からロック要素が遠ざけられる。こ
の動作を、例えば、保持すなわち復帰手段、案内プレート制御、独立したストッ
パ、カムによって、又は、種々の連続する角度範囲に亘るストッパ軌道によって
、生じさせてよい。径方向に動作するロック要素の場合、ストッパ軌道は、好ま
しくは、係合力が直接作用しないように及びロック機構の係合面、例えば、ギヤ
歯構造を保護するために、ロック要素の軸方向に突出する突起と協働する。この
場合、ストッパ軌道が、軸方向突出突起のためのストッパとして機能する、径方
向で異なり外側に位置する部分より構成することが効果的である。
【0012】 ストッパ軌道が上側部材に沿って異なる角度位置上で回転し、ストッパ軌道を
簡単な構造で設計構成できるように、ストッパ軌道は、好ましくは、ロック機構
の上側部材に配置されている。ロック要素の数に比例して、ストッパ軌道が、回
転方向で対称に設けられている。
【0013】 容易に乗換えることができ、又は、容易に離れることができるように、独立し
て機能するストッパ軌道を設けるには、ストッパ軌道が分離構成された部分に設
けられている場合、ストッパ軌道をロック機構の上側部材上で回転できないよう
に配置することが効果的である。回転を拘束された装置を容易に得るには、分離
構成された部分に、ロック機構の上側部材の切欠及び/又は突起と協働する突起
及び/又は切欠を設けられている。全体の深さを大きくすることなく、また、ス
トッパ軌道を設けることなく、前述の用途部分の連続使用ができるようにするに
は、必要に応じて、分離構成された部分に、例えば、ロック機構の上側部材の凹
所に配置されたリングが設けられる。
【0014】 さらに、好適実施形態において、ロック機構は、機構の下側部材及び上側部材
の両方に結合できる要素を備えている。これによって、装着された背凭れの自由
な揺動が記憶機能によってできる。すなわち、自由な揺動の後に、調節された位
置に再度定められる。中間軸受なしに、ガイドウェイ上にロック機構の下側及び
上側部材を直接支持することによって、複雑な構成の軸受及びカム要素が不要に
なり、ロック機構の構造が簡素化されるとともにコストが低減される。基本的に
は、ガイドウェイが公知の軸受及び制御カム要素より径方向外側に延びているの
で、支持構造は、軸受力を減少させる長いレバーアームで生じる。
【0015】 機構の上側及び下側部材の連結は、アーム、例えば、ばねアームによって行う
ことができる。好ましくは、これらのアームは、共通のシフトプレートによって
それぞれの部材から離されている。シフトプレートを作動させるために、ロック
機構の内側に配置されたシフトプレート及びロック機構の外側に配置されたレバ
ーに回転できないように連結された回転可能な作動スリーブを設けることが好ま
しい。軸方向誤差を補正するために、第3のばねアームを設けてもよい。
【0016】 好ましくは、ロック要素は突起を備えており、段部を有する案内プレートが設
けられている。突起は、ロック機構の自由な揺動中に案内プレート上を移動し、
ロック要素は係合しない。ロック機構が係合している間、突起を受け入れるため
に、案内プレートは凹所を備えている。好ましくは、案内プレートは、同時に、
前述のアームと連結される係合可能要素を形成している。
【0017】 本発明の車両用シートは、少なくとも1つ、好ましくは、伝動バーを介して連
結された2つのロック機構を備えている。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、図面に示された4つの実施形態に基づいて、以下、詳細に説明され
る。
【0019】 自動車用シートのロック機構1は、全体が符号1で示されており、上側部材2
と下側部材3を備えている。ロック機構は、自動車用シートの両側のそれぞれに
設けられている。上側部材2に取り付けられたシート背凭れ4は、2つのロック
機構1によって自動車用シートのシート構造物に連結されている。図4に示され
るように、2つのロック機構1はバー6によって互いに連結されている。
【0020】 上側部材2と下側部材3は、それぞれ、ディスク状部分の中央において、ボア
2’及びボア3’を有する。これらのボア2’及びボア3’はバー6は貫通路を
形成している。上側部材2と下側部材3の外側から、すなわち、上側部材2と下
側部材3との合わせ面と反対の面から、安全装置8がボア2’及びボア3’を貫
通している。安全装置8は、2つの半片8,8よりなり、ボア2’及びボア3’
内を軸方向に連続するように配置されている。軸安全装置8は内周側でモーメン
トを伝達できる輪郭を備えた動力伝動要素として構成されている。スプライン嵌
合又はセレーション嵌合のように、軸安全装置8は同じ輪郭のバー6を囲繞して
いる。
【0021】 軸安全装置8は、同じ形状のプラスチック製の2つの半片よりなる。軸安全装
置8のそれぞれの半片は、ディスク状フランジ部分8’を有している。このフラ
ンジ部分8’は、上側部材2と下側部材3の両面に対向する環状の内側平坦面を
備えている。フランジ部分8’は、軸安全装置8が移動することを防止するとと
もに、ロック機構1の組立中及び作動中において、上側部材2と下側部材3が軸
方向に移動することを防止する。しかし、軸安全装置8は、下側部材3に対して
上側部材2が回転することは拘束しない。ロック機構1の使用時に生じる軸方向
の動力伝達のために、図示しないシートメタルホルダが設けられている。また、
フランジ部分8’は、ロック機構1に潤滑が必要なとき、潤滑剤の漏洩を阻止す
るシールとしても機能する。
【0022】 フランジ部分8’の内側平坦面に向かって、径が僅かに漸増する円錐状中間部
分8”が連続している。この中間部分はフランジ部分8’より径が小さく、径方
向の段部を形成している。中間部分8”は、上側部材2と下側部材3のボア2’
及び3’より小さな径を有しており、上側部材2と下側部材3は中間部分8”に
当接しない。
【0023】 中間部分8”の内側先端部には、径の小なる部分において動力伝動部分8”’
が連続している。この動力伝動部分8”’の外周面及び内周面には、軸方向延び
る溝が形成されている。動力伝動部分8”’の内周面にはバー6が嵌合する。組
立を簡単にするため、バー6の溝と動力伝動部分8”’の溝は、それぞれ周方向
で対称に形成することが好ましい。
【0024】 動力伝動部分8”’は、軸方向に見たとき、3つの指状突起9と、この指状突
起と同じ形状の3つの凹所9’を有する。突起9及び凹所9’は、すなわち、突
起9は、その側縁において、鋸状、特に、粗いギア状歯構造を備えている。組立
時、軸安全装置8の2つの半片は、動力伝動部分8”’が互いに係合するように
60°の位相差で組み合わされ、一方の半片の指状突起9が他方の半片の凹所9
’に係合する。ギア状歯構造の鋸状の歯は、フランジ部分8’に指向する緩傾斜
のフランク面を備え、緩傾斜のフランク面に続いてフック面を有する。軸安全装
置8の2つの半片が互いに組み立てられたとき、鋸状の歯の緩傾斜のフランク面
が互いに接しあって、プラスチック材料よりなる半片は弾性変形し、それぞれの
歯は先端を越えてフック面で係合する。これにより、ギア状歯構造はクリップ状
に係合する。
【0025】 上側部材2は、ロック機構1の下側部材3に対向する内側面において、ボア2
’から径方向に広がる環状空洞部分を有する。この環状空洞部分は、ロック機構
1の上側部材2と下側部材3の間の構造物収納空間10を形成している。この空
間10には、後述の多数の部品及び要素は配置される。上側部材2に形成された
構造物収納空間10の周方向の境界面は符号2”で示されている。
【0026】 カムプレート11は、その外周面において180°の位相差のカムを備えた回
転ディスクの形状をしている。カムプレート11は、構造物収納空間10内にお
いて軸安全装置8の動力伝動部分8”’上に配置されている。軸安全装置8のク
リップ係合した動力伝動部分8”’は、カムプレート11のベアリング開口部と
回転を拘束された状態で噛み合っている。これにより、カムプレート11は、動
力伝動要素として機能する軸安全装置8を介してバー6によって回転させられる
。カムプレート11は、下側部材3に向って軸方向に突出する円筒状段部を備え
ている。円筒状段部の外周面は、ロック機構1の下側部材3のボア3’の内周面
に適合する形状をしており、これにより、カムプレート11は、下側部材3によ
って支持される。
【0027】 カムプレート11と同一平面内で、且つ、軸安全装置8より径方向外側におい
て、構造物収納空間10は、ロック要素として機能する2つの平らな歯状セグメ
ント13を収納している。歯状セグメント13は、180°の位相差で配置され
ており(互いに径方向で対称)、径方向に移動可能である。それぞれの歯状セグ
メント13は、その先端、すなわち、径方向外側において、ギヤ状歯構造13’
を有するとともに、内側端、すなわち、径方向内側において、カムフォロアのよ
うな緊張及び弛緩のためのカム転動面を有する。歯状セグメント13は、制御デ
ィスクとして機能するカムプレート11と協働する。ギヤ状歯構造13’とカム
転動面との間では、歯状セグメントの側面が互いに平行に延びている。
【0028】 ロック機構1の下側部材3は、構造物収納空間10内に設けられて、歯状セグ
メント13を収容する案内要素15を有する。案内要素15は、互いに対向する
2つのC字状セグメントよりなる。これらのC字状セグメントは、径方向外側半
分において、それぞれの歯状セグメント13を案内溝を形成するとともに、径方
向内側半分において、カムプレート11を備えた軸安全装置8の周囲でそれぞれ
のコイルばね17を収納する空間を形成している。この構造により、歯状セグメ
ント13は、その平行な側面が溝の側面に平行となり、側面同士で摺動できるよ
うなっている。2つのコイルばね17は、それぞれ、案内要素15の径方向内側
部分において一端がピン17’により支持されている。コイルばね17は、それ
ぞれ、他端がカムプレート11の周面に接している。コイルばね17は、カムプ
レート11を回転させるように作用し、制御ディスクとして機能する。コイルば
ね17によって、カムプレート11はそのカム形状のために歯状セグメント13
を径方向外側に押圧する。
【0029】 駆動ディスク19は、構造物収納空間10に設けられている。構造物収納空間
10は、図4に示されるように、カムプレート11、案内要素15及びコイルば
ね17を収納する第1の円形ディスク状部分に加えて、駆動ディスク19を収納
する比較的小さい円形の第2ディスク状部分を有する。この第2ディスク状部分
は、第1ディスク状部分より浅い空間であり、歯状セグメント13の表面と上側
部材2の底面との間に形成され、ボア2’の周囲に広がっている。図示された実
施例では、駆動ディスク19は、軸安全装置8にスプライン嵌合するように取り
付けられているが、カムプレート11に取り付けてもよい。駆動ディスク19は
バー6とともに回転するようになっている。駆動ディスク19は、径方向外側近
傍において、2つの対称な細長い溝19’が表裏に貫通している。この溝19’
は、駆動ディスク19の外周面に向って径方向に傾斜して設けられている。歯状
セグメント13は、上側部材2側において、突起21が突出している。組立状態
において、突起21は溝19’の内部に突出している。
【0030】 歯状セグメント13がカムプレート11の回転によって径方向外側に押圧され
ると、駆動ディスク19はこれとともに回転し、溝19’内の突起21が径方向
外側に押される。これと逆回転の場合には、駆動ディスク19は溝19’及び突
起21により径方向内側に歯状セグメント13を引っ張る。
【0031】 ロック機構を組み立てた状態において、案内要素15は、構造物収納空間10
の境界面2”と、その周方向外側面が接触しており、これにより、ロック機構の
上側部材2は案内要素15及び下側部材3によって支持される。境界面2”は、
歯状セグメント13がカムプレート11によって径方向外側に押されたとき、歯
状セグメント13のギヤ状歯構造13’と協働するギアリム部を有する。上側部
材2のギアリム部と歯状セグメント13のギヤ状歯構造が互いに係合すると、ロ
ック機構が係合したことになり、上側部材2と下側部材3は相対回転できない状
態になる。駆動ディスク19が歯状セグメント13を後退させると、上側部材2
と下側部材3は互いに回転できる状態になる。この場合、案内要素15は、構造
物収納空間10の境界面2”上を摺動する。
【0032】 他の実施例として、境界面2”の一部にのみ、ギアリムを設けてもよい。この
場合、歯状セグメント13は、上側部材2と下側部材3が所定の角度位相にある
ときのみ係合できるようになる。すなわち、歯状セグメント13は、ロック機構
が所定の角度位相にあるときのみ係合する。
【0033】 第2実施形態はロック機構101に関する。特別示さない限り、第1実施形態
に対応する部材には、100番代の同じ符号が付けられている。
【0034】 シート背凭れは、機構の回転部材102,103によって傾斜角度を変更可能
であり、リアシート方向への傾斜が容易となるように自由に揺動できる構造であ
る。軸安全装置108は、部材102,103のボア102’,103’内に支
持されている。軸安全装置108は、伝動要素として、内部の伝動輪郭に適合し
た輪郭の伝動バー106を囲繞している。伝動バー106及び軸安全装置108
の輪郭は、軸方向に見たとき、非円形に形成されている。すなわち、それぞれの
輪郭は、実施形態が断面で示されるように、互いに60°の位相で離間する5つ
の歯で形成されている。
【0035】 機構の上側部材102は、下側部材103に対向する内側面において、ボア1
02’の周りに環状空洞部分を有する。この環状空洞部分は、構造物収納空間1
10を形成している。上側部材102に形成され、且つ、構造物収納空間110
の周方向に延びる境界面は符号102”で示され、少なくとも一部にギヤ歯構造
を有する。制御要素として機能するカムプレート111は、軸安全装置108の
構造物収納空間110内に配置されている。2つの平坦な歯状セグメント113
は、カムプレート111より薄い厚みであり、カムプレート111と同じ平面内
において、軸安全装置108の径方向外側の構造物収納空間110内に配置され
ている。
【0036】 2つの歯状セグメント113は、180°の位相差で配置されている。これら
の歯状セグメントは、径方向に移動可能であり、4つのセグメント状案内要素1
15によって案内されている。それぞれの歯状セグメント113は、径方向外側
の端部において、ギヤ歯構造113’を有している。このギヤ歯構造は、構造物
収納空間110の境界面102”のギヤ歯構造と関連している。それぞれの歯状
セグメント113は、その径方向内側の中心において、径方向内側に指向する制
御カム113”を備えている。制御カム113”は、カムプレート111の輪郭
に適合している。2つの切欠111’のそれぞれから周方向に沿って、カムプレ
ート11は、始点から径がほぼ一定の等径部を有し、次いで、径方向外側に立ち
上がった段部と、その段部から終点に向う制御部111”を有する。制御部は、
径方向外側に向って僅かに径を漸増させる螺旋状である。このような制御部11
1”の端部において、カムプレート111の輪郭は、次の切欠111’につなが
っており、カムパターンは180°の位相で繰り返している。
【0037】 一対の案内要素115は、径方向外側領域において、それぞれの歯状セグメン
ト113のための溝を形成している。歯状セグメント113は、溝の側壁に対し
て、両側端面が平行に沿っている。溝に直角な内側領域において、案内要素は、
渦巻きばね117の空間を提供している。2つの渦巻きばね117のそれぞれは
、内側端部が下側部材103のピン117’に支持されており、外側端部がカム
プレート111の周囲の切欠111’に係合している。なお、説明上、図7及び
図8では、ピン117’のみを示し、渦巻きばね117は省略している。
【0038】 細長い形状の制御ディスク119は、機構の上側部材102と歯状セグメント
113との間の構造物収納空間110に配置されている。その中心において、制
御ディスク119は、カムプレート111を囲繞する大きな開口を備えている。
内側で対峙する拘束要素119’が、カムプレート111の2つの切欠111’
に係合し、これにより、制御ディスク119はカムプレート111上で回転不能
に支持される。径方向の外側領域において、制御ディスク119は、180°の
位相で2つの円弧状スロット121を備えている。それぞれの歯状セグメント1
13からは、機構の上側部材102に向う側において、軸方向の突起123が突
出している。その突起123は、機構が組立てられた状態では、スロット121
内に配置される。スロット121は、外側において、制御ディスク119の中心
から一定半径の中心部分と、その両側部分において傾斜段部を介して中心に向う
オフセット部分とを備えている。
【0039】 2つのスロット121の両側には、制御ディスク119の中心に対して径方向
に対称な4つの弾性舌片125が設けられている。弾性舌片は、制御ディスク1
19の素材を打ち抜いて加工され、一部のみ素材に弾性的に連結され、機構の上
側部材に向って押し出されている。制御ディスク119は、歯状セグメント11
3と接触するように、弾性舌片125によって軸方向に付勢され、がたつきを防
止されている。
【0040】 図8に示される係合状態では、軸安全装置108は、伝動バー106に沿って
回転する。軸安全装置108の外側輪郭とカムプレート111の内側輪郭との間
には隙間があり、2つのロック機構101の誤差とバー106のねじれを吸収し
ている。従って、カムプレート111は、軸安全装置108とバー106に沿っ
て、遅れて回転する。こうすることにより、渦巻きばね117がカムプレート1
11の回転を補助する。2つの制御部111”のそれぞれに向って立ち上がる起
立部において、制御要素として機能するカムプレート111が、これに関連する
歯状セグメント113の制御カム113”を押圧する。これにより、カムプレー
ト111が歯状セグメント113を径方向外側に押す。切欠111’とノーズ1
19’によって拘束される制御ディスク119もカムプレート111とともに回
転する。こうすることにより、突起123は、スロット121内で径方向外側に
押され、同時に中心に向かう。
【0041】 機構の上側部材102が回転すると、上側部材102のギヤ歯構造が歯状セグ
メント113のギヤ歯構造113’と係合する。このとき、歯状セグメントはロ
ック要素として機能し、対応するロック機構101が係合によりロックされる。
こうすることにより、歯状セグメントがカムプレート111の制御部111’に
より付勢される。2つのロック機構101の一方において、1つの歯が先端同士
の関係にあると、車両用シートの他方側のロック機構は、カムプレート111と
軸安全装置108との間の隙間によって係合することになる。ユーザーの姿勢の
変更により、上側部材102は、ロックされていないロック機構101の下側部
材103に対して移動する。歯ピッチの半分程度の回転が生じると、歯状セグメ
ント113は機構と係合する。2つのロック機構101の歯状セグメント113
の係合寸法が異なる場合、制御部111”の螺旋形状が誤差を吸収する。
【0042】 図7に示されるように、この係合状態から非係合状態にするために、バー10
6が反対方向に回転させられ、これによって、カムプレート111が、渦巻きば
ね117の力に抗し、軸安全装置108を介して随伴される。カムプレート11
1は、制御ディスク119を回転させ、スロット121を介して歯状セグメント
113をさらに内側に引き込む。すなわち、横方向の円弧範囲から径方向内側に
突起123を介して歯状セグメント113を引き込む。ロック機構101は、次
いで、非係合状態となり、この機構のそれぞれの上側部材102は、それぞれに
関連する下側部材103に対して回転することがきる。この場合、案内要素11
5がその周方向の外側面を構造物収納空間110の境界面102”に横たえ、上
側部材102が機構の下側部材に直接支持される。
【0043】 第3実施形態において、車両用シート200は、2ドアの自動車の前部座席と
して機能し、全体が符号201で示されるロック機構を備えている。特に示さな
い限り、ロック機構201の構成要素は、第1及び第2の実施形態に対応し、そ
れぞれの符号は100及び200を加えて示されている。
【0044】 構造物収納空間を形成する環状空間の内側において、ロック機構の上側部材は
、構造物収納空間を拡大するさらなる空間210’を備えている。構造物収納空
間210の境界面は、上側部材202の周方向に形成されており、符号202”
で示されており、ギヤ歯構造を備えている。案内要素215及びピン217’を
備えたロック機構の下側部材203、軸安全装置208、カムプレート211、
ギヤ歯構造213’を備えた歯状セグメント213、渦巻きばね217、並びに
、拘束要素219’、スロット221及び舌片225を備えた制御ディスク21
9のそれぞれの構成は、第2の実施形態の構成要素と同じである。拘束要素21
9’と協働するカムプレート211の空間は、ここでは、凹所と称し、カムプレ
ート211の制御部を輪郭線部211”と称する。
【0045】 制御ディスク219と上側部材202との間において、リング227が空洞2
10’内に配置されている。リング227は、空洞210’の対応する凹所21
0”内に2つの突起227’を係合させ、回転できないようになっている。リン
グ227の厚みは、空洞210’の深さに対応している。径方向内側において、
リング227はストップ軌道部229を備え、このストップ軌道部は歯状セグメ
ント213の突起223と協働する。ストップ軌道部229は径方向で対称であ
り、径方向内側に向う第1部分229’と、径方向外側に向う第2部分229”
とを有する。
【0046】 係合状態において、伝動バーを回転させると、軸安全装置及びカムプレート2
11が回転する。こうすることにより、渦巻きばね217がカムプレート211
の回転を補助する。輪郭線部211”によって、カムプレート211は制御要素
として機能し、関連する歯状セグメント213の対応する制御カム213”を押
圧する。これにより、歯状セグメント213が径方向外側に押される。凹所21
1’及び拘束要素219’によって案内・拘束されているので、制御ディスクは
カムプレート211に随伴回転する。こうすることにより、スロット223の突
起223が、径方向外側に変位する。
【0047】 機構202の上側部材202内に設けられたリング227は、突起223がス
トップ軌道部229の径方向外側に向う第2部分229’に指向する角度位置に
あるので、歯状セグメント213は、ロック要素として機能し、対応するロック
機構210が係合及びロックする。ストップ軌道部229の角度位置は、直立姿
勢から後部座席に向って8°から62°の姿勢に対応している。非係合状態にす
るには、伝動バーが反対方向に回転させられ、これによって、カムプレート21
1が軸安全装置208を介して渦巻きばね217の力に抗して拘束される。カム
プレート211は、制御ディスク219を回転させ、その制御ディスクはスロッ
ト221と突起223により歯状セグメント213を径方向内側に引き込む。こ
れにより、ロック機構201は非係合状態となり、それぞれの上側部材202は
、背凭れ204を傾けるために、関連する下側部材203に対して回転できるよ
うになる。この場合、案内要素215は、構造物収納空間210に境界面202
”に対して外側周面を隣接させ、これにより、機構の上側部材202は、下側部
材203に直接支持される。
【0048】 背凭れ204が自由に揺動できる状態において、図示しないハンドレバーを引
くと、まず、車両用シート200の両側においてロック機構201が非係合状態
となり、次いで、それぞれの上側部材202すなわち背凭れ204が下側部材2
03に対して前方へ揺動できるようになる。背凭れ204が垂直姿勢より後方に
8°以上傾斜しようとすると、突起223がストップ軌道部229の径方向内側
に向う第1部分229’に接する。この状態においてハンドレバーを離すと、突
起223が、ストッパとして機能するストップ軌道部229の径方向内側に向う
部分229’と接触する範囲において、歯状セグメント213が、渦巻きばね2
17の力によって径方向外側に引っ張られる。この場合、歯状セグメント213
は、そのギヤ歯構造213’が機構の上側部材202のギヤ歯構造と離れた状態
にあり、機構はロックされない。前方への揺動は、例えば、図示しないストッパ
によって、起立姿勢から最大34°の前方までに限定されている。突起223が
ストップ軌道部229の径方向外側へ向う部分229”に接するときだけ、背凭
れ204は8°を越えて後方に揺動し、歯状セグメント213が再度係合できる
ようになる。
【0049】 ロック機構201の係合を解除した後、自由に揺動でき、ハンドレバーを保持
している状態において、背凭れ204は起立姿勢からリクライニング姿勢の62
°まで後方に揺動され得る。この角度姿勢が大きくなると、突起223がストッ
プ軌道部229の径方向内側へ向う部分229’に向って案内され、歯状セグメ
ント213はロック状態でなくなる。前方への揺動中のみ、62°の角度範囲に
おいてロック状態が生じる。
【0050】 改変された実施形態において、リング227はロック機構201に挿入されず
、そのロック機構は、第2実施形態のロック機構と同様に機能する。
【0051】 第4実施形態において、2ドアの自動車の前部座席として使用される車両用シ
ートのためのロック機構301に関する。以下特別に断りがないかぎり、ロック
機構301の構成要素は、第3、第2及び第1の実施の形態に対応し、それぞれ
の符号は100、200及び300を加えて示されている。
【0052】 機構の上側部材302及び下側部材303は、それぞれボア302’,303
’を備えている。それぞれのボアは、伝動要素として機能する軸安全装置308
が貫通する。構造物収納空間310を形成する環状空間内において、上側部材3
02は、構造物収納空間310を拡大するさならる空洞310’を備えている。
上側部材302内に形成され周方向に延びる構造物収納空間310の境界面は、
第1の境界面が符号302”で示され、ギヤ歯構造を備えている。周方向でさら
に内側を延びる空洞310’の境界面は、第2の境界面310”として示され、
同様にギヤ歯構造を備えている。制御要素として機能するカムプレート311は
、境界面302”の面内において、軸安全装置308上で構造物収納空間310
に位置する。
【0053】 径方向に移動可能な2つの平坦な歯状セグメント313は、構造物収納空間3
10内に配置され、4つの案内要素315によって案内されている。それぞれの
歯状セグメント313は、境界面302”のギヤ歯構造と協働するギヤ歯構造3
13’と、カムプレート311の輪郭線部311”と協働する制御カム313”
とを備えている。一対の案内要素315は、それぞれの歯状セグメント313の
ための溝を形成しており、それぞれの渦巻きばね317の空間の内部領域を提供
している。2つの渦巻きばね317のそれぞれは、一端が下側部材303のピン
317’に支持され、他端がカムプレート311の切欠311’に支持されてい
る。
【0054】 細長い形状の制御ディスク319は、上側部材302と歯状セグメント313
との間において、構造物収納空間310内を延びている。制御ディスク319は
、2つの拘束要素319’がカムプレート311の切欠311’に係合して、カ
ムプレート311上で回転できないように支持されている。径方向外側領域にお
いて、制御ディスク319は、2つの対向する円弧状スロット321を備えてお
り、組み立てられた状態において、それぞれの歯状セグメント313の突起32
3がこのスロット321内に入る。
【0055】 制御ディスク319と機構の上側部材302との間において、空洞310’は
、ディスク状シフトプレート331と環状案内プレート333と協働している。
シフトプレート331は、作動スリーブ335上で係合凹所により回転できない
ように嵌合している。作動スリーブ335は、軸安全装置308を囲繞しており
、機構の上側部材302の外側までボア302’を貫通している。そこで、作動
スリーブ335は、同じような係合凹所により、相対回転不能にレバー337を
支持している。
【0056】 案内プレート333は、3対のばねアーム341,342,343を備えてお
り、それぞれのアームは、互いに径方向に延びている。舌状の第1のばねアーム
341は、案内プレート333の外側周面を60°以上の範囲に亘って形成され
、例えば、外側端部の一部が曲げられている。2つの第1のばねアーム341は
、ロック機構301の係合状態において径方向外側に作用し、第2の境界面31
0”のギヤ歯構造と離間している。2つの第2のばねアーム342は、第1のば
ねアーム341と周方向でオフセット配置されており、径方向内側に配置されて
いる。2つの第2のばねアーム342は、60°以上の範囲に亘って形成され、
例えば、案内プレート333を打ち抜いた曲がった舌状である。2つの第2のば
ねアーム342は、機構の下側部材303に向う軸方向で作用する。ロック機構
301の係合状態において、第2のばねアーム342は、切欠331’を貫通し
、下側部材303の成形部分に係合する。
【0057】 2つの第3ばねアーム343は、周方向で第1のばねアーム341及び第2の
ばねアーム342とオフセットされており、例えば、打ち抜き加工によって形成
される。第3のばねアーム343は、環状案内プレート333の径方向内側エッ
ジから径方向内側に向う独立アームとして延びている。第3のばねアーム343
は、ロック機構301の軸方向誤差を吸収するための設けられており、案内プレ
ート333の正確な軸方向位置を定める。第3のばねアーム343のそれぞれの
フランクと案内プレート333の径方向内側エッジの段部344との間において
、それぞれ1つの切欠345が設けられている。ロック機構310が係合状態の
とき、突起323は制御ディスク319のスロット321を貫通し、案内プレー
ト333の輪郭線部345内のシフトプレート331の開口に整列している。
【0058】 ロック機構301の微調整を行う場合、作動レバー337、作動スリーブ33
5、シフトプレート331及び案内プレート333は、非作動状態にある。非係
合状態から伝動バーを回転させると、軸安全装置308が回転し、カムプレート
311が回転する。こうすることにより、渦巻きばね117317がカムプレー
ト311の回転を補助する。輪郭線部311”によって、生後要素として機能す
るカムプレート311は、関連する歯状セグメント313の対応制御カム313
”を押圧し、その歯状セグメント313が径方向外側に押される。制御ディスク
319は、切欠311’及び拘束要素319’を介して随伴され、カムプレート
311とともに同様に回転する。こうすることにより、スロット321内の突起
323が径方向外側に押される。ロック要素として機能する歯状セグメント31
3は、第1の境界面302”においてギヤ歯構造と係合し、対応するロック機構
301をロックする。
【0059】 非係合状態にするには、伝動バーが反対方向に回転させられ、これによって、
渦巻きばね317の力に抗して、軸安全装置308を介して、カムプレート31
1が随伴させられる。カムプレート311は制御ディスク319を回転させ、そ
の制御ディスクがスロット321及び突起323により歯状セグメント313を
径方向内側に引き込む。こうして、ロック機構301が非係合状態になり、それ
ぞれの上側部材302は、背凭れの傾斜角度調整のために、関連する下側部材3
03に対して回転できるようになる。こうすることにより、案内要素315は、
構造物収納空間310の第1境界面302”に対して周方向外側面に接し、これ
により、上側部材302は機構の下側部材に直接支持される。
【0060】 レバー337を引っ張ることにより、作動スリーブ335が回転して、背凭れ
は自由に揺動できるようになる。作動スリーブ335は、次いで、切欠331’
を備えたシフトプレート331を回転させる。その結果、第2のばねアーム34
2が、シフトプレート331の切欠331’の外側へ下側部材303から離れる
方向に押され、案内プレート333と下側部材303との間の係合が解かれる。
シフトプレート331は、その周面において、2つの段部を備えている。この段
部は、回転によって、第1のばねアーム341を第2の境界面310”のギヤ歯
構造に押圧し、案内プレート333を上側部材302に結合させ、仮姿勢を定め
る(メモリーポジション)。同時に、シフトプレート331が、例えば、再調整
結合片を介して制御ディスク319及びカムプレート311を随伴する。ロック
機構301が非係合状態の場合、歯状セグメント313が、制御ディスク319
のスロット321によって微調整のために後退する。2つの突起323が、2つ
の段部344上で、案内プレート333の切欠345の外に移動する。ロック機
構301、すなわち、上側部材302及び案内プレート333を回転させること
により、背凭れを前後に揺動できる状態となる。ストッパは、シフトプレート3
31が偶発的に戻ることを防止する。
【0061】 レバー337が解放されると、制御ディスク319のスロット319の端部及
び案内プレート333の段部344が突起323と接触する限りにおいて、歯状
セグメント313は渦巻きばね317の力によって径方向外側に押圧される。こ
の場合、歯状セグメント313は、ロックできないので、上側部材302の第1
境界面302”上のギヤ歯構造から離間している。歯状セグメント313は、上
側部材302の第1境界面302”のギヤ歯構造の近くまでは移動する。背凭れ
が予め調整されたメモリポジションまで戻されると、突起323はスロット32
1の広い領域及び案内プレート333の切欠345に入り、これらの突起323
は、ロック機構301を係合させるように、渦巻きばね317によって径方向外
側に押圧される。同時に、第1のばねアーム341がシフトプレート331上で
段部から離れ、上側部材302との係合を解かれる。第2のばねアーム342は
、シフトプレート331の切欠331’を貫通できるようになるとともに、下側
部材303と係合できるようになる。これによって、案内プレート333は上側
部材と非係合状態となり、機構の下側部材と係合状態となる。
【0062】 背凭れは、自由に揺動できる間に偶発的に後方に押されると、突起323が第
3のばねアーム343を押圧する。案内プレート333に作用する力が大きくな
り過ぎると、第1のばねアーム341が第2の境界面310”のギヤ歯構造を非
係合状態にして、案内プレート333が自由に回転できるようになり、これによ
り、ロック機構301は損傷から保護される。
【0063】 本発明のロック機構において、個々の構成要素を組合せて前述の実施形態と異
なる機構を構成することができる。例えば、ロック機構は、第3の実施形態のリ
ングと第4の実施形態の案内プレートの両方を備えるように構成することもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の個々の構成部品の斜視図であり、左側の構成要素
のみ他の構成要素と異なる方向から見た斜視図。
【図2】 軸安全装置の斜視図。
【図3】 図4のIII−III線に沿った径方向断面図。
【図4】 図3のIV−IV線に沿った軸方向断面図。
【図5】 本発明による自動車用シートの部分斜視図。
【図6】 第2実施形態の個々の構成部品の斜視図であり、左側の構成要素
のみ他の構成要素と異なる方向から見た斜視図。
【図7】 係合状態の第2実施形態の径方向断面図。
【図8】 非係合状態の図7に相当する径方向断面図。
【図9】 第3実施形態の個々の構成部品の斜視図であり、左側の構成要素
のみ他の構成要素と異なる方向から見た斜視図。
【図10】 リング、制御ディスク及び歯状セグメントを備えた第3実施形
態の上側部材を内側から見た図。
【図11】 背凭れの異なる姿勢を示した、第3実施形態の代表的な車両用
シートの側面図。
【図12】 第4実施形態の個々の構成部品の斜視図であり、左側の構成要
素のみ他の構成要素と異なる方向から見た斜視図。
【図13】 第4実施形態の案内プレート、シフトプレート、制御ディスク
及び歯状セグメントを備えたロック機構の上側部材を内側から見た図。
【符号の説明】
1,101,201,301 ロック機構 2,102,202,302 上側部材 2’,102’,202’,302’ ボア 2”,102”,202”,302” (第1)境界面 3,103,203,303 下側部材 3’,103’,203’,303’ ボア 4,204 背凭れ 5,205 シート構造物 6,106 伝動バー,バー 8,108,208,308 伝動要素,軸安全装置 8’ フランジ部分 8” 中間部分 8”’伝動部分 9 突起 9’ 切欠凹所 10,110,210,310 構造物収納空間 11,111,211,311 制御要素,カムプレート 13,113,213,313 ロック要素,歯状セグメント 13’,113’,213’,313’ ギヤ歯構造 15,115,215,315 ガイドウェイ,案内要素 17,117,217,317 渦巻きばね 17’,117’,217’,317’ ピン 19,119,219,31 制御ディスク,駆動ディスク 21,121,221,321 スロット 23,123,223,323 突起 111’ 空洞空間(カムプレート内) 111” 輪郭線部の制御部分 113”,213”,313” 制御カム 119’,219’,319’ 拘束要素 125,225 舌片 200 車両用シート 210’,310’ 空洞空間(上側部材内) 210” 凹所 211’,311’ 凹所 211”,311” 輪郭線部 227 リング 227’ 突起 229 ストッパ軌道 229’ 第1部分 229” 第2部分 310” 第2境界面 331 シフトプレート 331’ シフトプレート内の凹所 333 案内プレート 335 作動スリーブ 337 レバー 341 第1ばねアーム 342 第2ばねアーム 343 第3ばねアーム 344 段部 345 案内プレート内の輪郭線部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 199 28 148.3 (32)優先日 平成11年6月19日(1999.6.19) (33)優先権主張国 ドイツ(DE) (31)優先権主張番号 199 56 235.0 (32)優先日 平成11年11月23日(1999.11.23) (33)優先権主張国 ドイツ(DE) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),BR,CN,J P,KR,US (72)発明者 ベッカー、マルティン ドイツ国 ヴッペルタル ディー−42369 アムスタール 23 (72)発明者 ペーターズ、クリストフ ドイツ国 ヴェルメルスキルヘン ディー −42929 マウスプファッド 1 (72)発明者 クルッグ、ダイアナ ドイツ国 レムシェイド ディー−42899 ゲーテヴェグ 2エー (72)発明者 アスバー、トーステン ドイツ国 ミュルハイム・アン・デル・ル ーア ディー−45481 デュッセルドルフ ァーストラーセ 45 Fターム(参考) 3B087 BD03 3B099 AA05 BA04 CA19

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下側部材(3;103;203;303)、前記下側部材(
    3;103;203;303)に支持された上側部材(2;102;202;3
    02)、及び、ガイドウェイ(15;115;215;315)内で前記下側部
    材(3;103;203;303)と前記上側部材(2;102;202;30
    2)との間を延びる少なくとも1つのロック要素(13;113;213:31
    3)を備えた、車両用シート、特に、自動車用シートのロック機構において、 前記ガイドウェイ(15;115;215;315)が、記下側部材(3;1
    03;203;303)と前記上側部材(2;102;202;302)とを支
    持する軸受を構成していることを特徴とする、車両用シート。
  2. 【請求項2】 前記ロック機構(1;101;201;301)を係合させ
    るために、一方の部材(2;102;202;302)上の境界面(2”;10
    2”;202”;302”)に形成されたリアリムが、歯状セグメントとして設
    計構成された前記ロック要素(13;113;213:313)と協働すること
    を特徴とする、請求項1のロック機構。
  3. 【請求項3】 前記ギヤリムを備えた前記境界面(2”;102”;202
    ”;302”)が、前記ガイドウェイ(15;115;215;315)の接触
    面を形成していることを特徴とする、請求項2のロック機構。
  4. 【請求項4】 誤差を吸収する手段(8;108;111,111’125
    ;211”;225)が設けられていることを特徴とする、請求項4のロック機
    構。
  5. 【請求項5】 ロック要素(113;213:313)の径方向移動を制限
    する制御ディスク(119;219)が設けられ、前記制御ディスクがロック要
    素(113;213)の移動方向と直交する方向で積層しており、前記制御ディ
    スクが、誤差を吸収するとともに前記ロック要素(113;213)に向う方向
    に付勢力を生じる少なくとも1つの舌片(125;225)を備えていることを
    特徴とする、請求項4のロック機構。
  6. 【請求項6】 前記ロック要素(113;213)の動作を前記上側部材(
    202;302)と前記下側部材(203;303)との間の所定の角度姿勢に
    制限する手段(229;333)を備えていることを特徴とする、請求項1乃至
    5のいずれか1つのロック機構。
  7. 【請求項7】 前記手段がストッパ軌道(229;333)であり、前記ス
    トッパ軌道が、複数の連続する角度位置に亘って延びており、径方向で異なる幅
    の外側部分(229’;229”;344;345)を備えており、及び、前記
    ロック要素(213;313)と協働しており、 前記ストッパ軌道が、分離するように設計構成され且つ前記上側部材(202
    ;302)に対して回転できないように取り付けられ又は前記上側部材に固着さ
    れた部分(227;333)に設けられていることを特徴とする、請求項6のロ
    ック機構。
  8. 【請求項8】 下側部材(3039又は上側部材(302)のいずれかに係
    合するようになっている要素(333)を備えていることを特徴とする、請求項
    1乃至7のいずれか1つのロック機構。
  9. 【請求項9】 前記要素(333)が、前記上側部材(302)に係合する
    第1のアーム(342)と、前記下側部材(303)に係合する第2のアーム(
    342)を有し、それぞれの部材(302,303)から前記アームを外すため
    のシフトレプレート(331)が設けられていることを特徴とする、請求項8の
    ロック機構。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれか1つのロック機構を少なくとも
    1つ備えている車両用シート。
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