JP5319526B2 - 順守確認方法およびシステム - Google Patents

Description

使用者による調査装置の使用を監視するための方法およびシステムを開示する。調査装置の使用があらかじめ定められた基準を順守しているかを監視し、基準を順守する使用を奨励し、およびまたは使用に関するデータを解析するために有用なシステムおよび方法を開示する。

調査作業は、パネル調査の参加者を確定してから行われる。パネル調査の参加者は、しばしばパネリストと呼ばれる。調査作業によっては、パネリストに、調査データを収集するための可搬型モニタ調査装置が提供されることがある。また、調査作業によっては、パネリスト自身の可搬型装置が調査データを収集するために利用されることもある。いずれの場合も、パネリストは、メディアへの接触を示すデータ、およびまたは他の市場調査のような調査データを収集する日には、可搬型装置を携行しているように指示される。

米国特許第５，４８３，２７６号、ブルックス他、１９９６年１月９日発行 米国特許第５，４５０，４９０号、ジェンセン他 米国特許第５，７６４，７６３号、ジェンセン他 米国特許第５，５７９，１２４号、シイジャラ他 米国特許第５，５７４，９６２号、ファルデュー他 米国特許第５，５８１，８００号、ファルデュー他 米国特許第５，７８７，３３４号、ファルデュー他 米国特許第６，８７１，１８０号、ニューハウザー他 米国特許第６，８６２，３５５号、コレッサー他、２００５年３月１日発行 米国特許第６，８４５，３６０号、ジェンセン他 ＰＣＴ公報第ＷＯ００／０４６６２号、スリニヴァサン 米国特許第５，３１９，７３５号、プレウス他 米国特許第６，１７５，６２７号、ペトロヴィッチ 米国特許第５，８２８，３２５号、ウォロセウィクツ他 米国特許第６，１５４，４８４号、リー他 米国特許第５，９４５，９３２号、スミス他 ＰＣＴ公報第ＷＯ９９／５９２７５号、ル他 ＰＣＴ公報第ＷＯ９８／２６５２９号、ル他 ＰＣＴ公報第ＷＯ９６／２７２６４号、ル他 米国特許第７，００６，５５５号、スリニヴァサン 米国特許第６，９６８，５６４号、スリニヴァサン ＰＣＴ公報第ＷＯ０５／９９３８５号、ラマスワミ他 米国特許第６，８７９，６５２号、スリニヴァサン 米国特許第６，６２１，８８１号、スリニヴァサン 米国特許第６，８０７，２３０号、スリニヴァサン 米国特許第５，６１２，７２９号、エリス他 米国特許第４，７３９，３９８号、トーマス他 米国特許第２，６６２，１６８号、シェルバトスコイ 米国特許第３，９１９，４７９号、ムーン他 米国特許第４，６９７，２０９号、イーウィト他 米国特許第４，６７７，４６６号、レート他 米国特許第５，５１２，９３３号、ウィートレイ 米国特許第４，９５５，０７０号、ウェルシ他 米国特許第４，９１８，７３０号、シュルツ 米国特許第４，８４３，５６２号、ケニヨン他 米国特許第４，４５０，５５１号、ケニヨン他 米国特許第４，２３０，９９０号、レート他 米国特許第５，５９４，９３４号、ル他 ヨーロッパ公開特許出願第ＥＰ０８８７９５８号、ビクセル ＰＣＴ公報第ＷＯ９１／１１０６２号、ヤング ＰＣＴ公報第ＷＯ０５／００６７６８号、リー他 ＰＣＴ公報第ＷＯ０６／０２３７７０号、スリニヴァサン ＰＣＴ公報第ＷＯ０５／０４６２０１号、リー 米国公開特許出願第２００３／０００５４３０号、ロナルド・エス・コレッサー、２００３年１月２日公開 米国特許第６，９５８，７１０号、ジャック・ケー・ツァング、ジャック・シー・クリスタル、およびジェイムス・エム・ジェンセン、２００５年１０月２５日発行 米国公開特許出願第２００５／００３５８５７Ａ１号、ジャック・ケー・ツァング、ジャック・シー・クリスタル、ジェイムス・エム・ジェンセンおよびユジーン・エル・フラナガンIII、２００３年８月１３日出願、２００５年２月１７日公開 米国特許出願第１１／０８４，４８１号、ジェイムス・エム・ジェンセン、ジャック・シー・クリスタル、アラン・アール・ネウハウザー、ジャック・ツァング、ダニエル・ダブリュー・プー、ダグラス・ジェイ・ヴィスニウス、およびユジーン・エル・フラナガンIII、２００５年３月１８日出願 米国公開特許出願第２００５／０２００４７６Ａ１号、デイビッド・パトリック・フォル、ジェイムス・エム・ジェンセン、ユジーン・エル・フラナガンIII、２００４年３月１５日出願、２００５年９月１５日公開 米国公開特許出願第２００５／０２４３７８４Ａ１号、ジョアン・フィッツジェラルド、ジャック・クリスタル、アラン・ネウハウザー、ジェイムス・エム・ジェンセン、デイビッド・パトリック・フォル、ユジーン・エル・フラナガンIII、２００５年３月２９日出願、２００５年９月３日公開 米国公開特許出願第２００５／００３７９８Ａ１号、ジェイムス・エム・ジェンセン、ユジーン・エル・フラナガンIII、２００４年３月１５日出願、２００５年９月１５日公開 米国仮特許出願第６０／７５１，８２５号、２００５年１２月２０日出願

そのような市場調査データを使用するために料金を支払う人々は、データの信頼性が保証されることを望む。特に、可搬型モニタ調査装置が実際にパネリストによりその当日に携行されていないとしたら、その可搬型モニタ調査装置によりデータが集められたとしても、そのデータはパネリストの経験を反映していないことになる。したがって、そのような調査データの使用に料金を払う人々は、そのデータの蓄積に使用した可搬型モニタ調査装置が実際に各人により携行されていたか、あるいは、少なくともそのようなモニタ調査によりデータが収集される時間中、各人に随伴していたかということについて、調査組織からの妥当な保証をして欲しいと思う。

アービトロン・インコーポレイテッドは、調査データを収集する可搬型モニタ調査装置の使用の先駆者であり、上述のような保証を調査データの使用を許諾する人たちに提供する技術を開発および実施してきた。このような技術は特許文献１に開示されている。特許文献１に係る特許は本出願の譲受人により所有されており、参照により、全体としてここに組み込まれるものとする。

本出願においては、以下の用語および定義を用いるものとする。

ここで用いる「データ」という用語は、あらゆる兆候（ｉｎｄｉｃｉａ）、信号（ｓｉｇｎａｌｓ）、印（ｍａｒｋｓ）、表象（ｓｙｍｂｏｌｓ）、領域（ｄｏｍａｉｎｓ）、表象の集合（ｓｙｍｂｏｌ ｓｅｔｓ）、説明（ｒｅｐｒｅｓｅｎｔａｔｉｏｎｓ）および他のあらゆる情報を表現する物理的形態を意味し、恒久的なものでも一時的なものでもよく、可視、可聴、音響、電気、磁気、電磁気または他の方法のいずれで示されるものでもよい。「データ」という用語は、ひとつの物理形態におけるあらかじめ定められた情報を表現するために使用され、異なる単数または複数の物理形態における対応する情報について、どのようなものでも、すべての表現を包含するものとみなすことにする。

ここで用いる「メディア・データ」および「メディア」という用語は、空中を経由して、または、ケーブル、衛星、ネットワーク、相互に接続されたネットワーク（インターネットを含む）を経由して広く利用できるデータを意味し、印刷物、展示物、記憶媒体で頒布された物、または何らかの他の人間が知覚できる手段または技術によるものであって、そのようなデータの形態または内容は考慮せず、音声（ここでいう「音声」は可聴帯域の信号を意味し、人間の声に限定されるものではない）、映像、音声／映像、文章、文字、心象、アニメーション、データベース、放送、展示（映像表示、ポスターおよび広告板を含むが、これらに限定されるものではない）、記号、信号、ウェブページ、印刷媒体およびストリーミング・メディア・データを含むが、これらに限定されるものではない。

ここで用いる「調査データ」という用語は、（１）メディアの使用に関するデータ、（２）メディアへの接触に関するデータ、およびまたは（３）市場調査データを含むデータを意味する。

ここで用いる「提示データ」という用語は、メディア・データ、メディア・データ以外の内容、または使用者に提示されるメッセージを意味するものとする。

ここで用いる「データベース」という用語は、関連したデータの組織化された統一体を意味し、データまたはそれにより組織化された統一体が表現される方法にはこだわらない。たとえば、関連したデータの組織化された統一体は、テーブル、マップ、グリッドパケット、データグラム、フレーム、ファイル、電子メール、メッセージ、書類、リストの形態でもよく、また、他のどのような形態でもよい。

ここで用いる「相関をとる」という用語は、２またはそれ以上のデータ間の関係を確認するプロセスを意味し、限定するものではないが、同一性の関係、そのようなデータとさらなるデータとの一致またはそれ以外の関係、データセット内への包含、データセットからの除外、２またはそれ以上のデータの間およびまたはさらなるデータとのあらかじめ定義された数学的関係、および２またはそれ以上のデータ間の共通の観点の存在を含む。

ここで用いる「購入する」または「購入」という用語は、資格、使用許諾、占有、または他の物品や役務に関する権利を対価の交換により得るための手順を意味し、限定するものではないが、金銭、物々交換または他の法的に十分な対価、あるいは販売促進サンプルとして支払いのいずれによるものでもよい。ここで用いるように、「物品」および「役務」は、データ、およびデータ内またはデータへの権利を含む。

ここで用いる「ネットワーク」という用語は、すべての種類のネットワークおよび相互に接続されたネットワークを含み、インターネットを含むが、どのような特定のネットワークあるいは相互接続されたネットワークにも限定されるものではない。

「第１」、「第２」、「基本的」、「副次的」という用語は、ここでは、ひとつの要素、集合、データ、セット、対象、過程（ステップ）、処理（プロセス）、機能、活動、または他から物を区別するために用い、特に断らない限り、相対的な位置、時間的な配置または相対的な重要性を示すために用いるものではない。

ここで用いる「結合した」、「に結合した」および「と結合した」という用語は、それぞれ、２またはそれ以上の装置（ｄｅｖｉｃｅｓ）、器具（ａｐｐａｒａｔｕｓ）、ファイル、回路、要素、機能、動作、処理、プログラム、メディア、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、およびまたは手段の関係を意味し、１以上の（ａ）直接あるいは１以上の他の装置、器具、ファイル、回路、要素、機能、動作、処理、プログラム、メディア、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、または手段を経由する接続、（ｂ）直接あるいは１以上の他の装置、器具、ファイル、回路、要素、機能、動作、処理、プログラム、メディア、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、または手段を経由する通信関係、およびまたは（ｃ）装置、器具、ファイル、回路、要素、機能、動作、処理、プログラム、メディア、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、または手段のいずれか１以上の動作が、全体として、または部分的に、これらのうちの他の１以上の動作に依存する機能的関係、を意味する。

ここで用いる「伝達」、「通信」および「伝達する」、「通信する」という用語は、送信元から相手先へデータを運ぶことと、相手先にデータが運ばれるように、通信メディア、システム、チャンネル、ネットワーク、装置、電線、ケーブル、ファイバ、回路およびまたはリンクにデータを引き渡すこととの双方を意味する。ここで用いる「通信部」という用語は、通信メディア、システム、チャンネル、ネットワーク、装置、電線、ケーブル、ファイバ、回路およびリンクの１以上を含む。

ここで用いる「メッセージ」という用語は、通信中または通信が完了している通信対象のデータを含む。

ここで用いる「処理装置」という用語は、処理を実行する装置、器具、プログラム、回路、構成要素、システムおよびサブシステムを意味し、ハードウェア、ソフトウェアまたはその双方で実施されるもののいずれでもよく、プログラム可能なものでも可能でないものでもよい。ここで用いる「処理装置」という用語は、１またはそれ以上のコンピュータに限定されるわけではなく、ハードウェアにより実現されている回路、信号加工装置およびシステム、システムを制御するための装置および機械、中央処理ユニット、プログラム制御可能な装置およびシステム、ＦＰＧＡ（Ｆｉｅｌｄ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｇａｔｅ Ａｒｒａｙ）、ＡＳＩＣ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ Ｓｐｅｃｉｆｉｃ Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ Ｃｉｒｃｕｉｔ）、ＳｏＣ（Ｓｙｓｔｅｍｓ ｏｎ ａ Ｃｈｉｐ）、個別要素およびまたは回路からなるシステム、ステート・マシン、仮想機械、データ処理装置、処理設備およびこれらのいずれからの組み合わせを含む。

ここで用いる「蓄積装置」および「データ蓄積装置」という用語は、一時的なものであれ恒久的なものであれ、データを保持し、そのような保持データを提供するために用いられるデータ蓄積装置、器具、プログラム、回路、構成要素、システム、サブシステムおよび蓄積メディアを意味する。

「パネリスト」、「パネルメンバー」および「参加者」は、ここでは同じ意味で用い、承知のうえで、または知らないで、その人の活動性についての情報を電気的にあるいは他の手段で収集する調査に参加している人をいう。

ここで用いる「世帯」という用語は、広く解釈するものとし、家族のメンバー、同じ居所に住む家族、同じ居所に住む互いに関連のあるまたは関連のない一群の人々、フラタニティ・ハウス、共同住宅等の同様の構造または配置の共通の設備内にすむ一群の人々（関連のない人々の総数は所定数を超えることはない）を含むものとする。

ここで用いる「活動」という用語は、限定するわけではないが、購買動向、買い物の傾向、視聴傾向、コンピュータやインターネットの使用、メディアへの接触、個人的な考え方、自覚、意見および信条、ならびにここで議論する他の形態の活動を含む。

ここで用いる「可搬型使用者器具（ｐｏｒｔａｂｌｅ ｕｓｅｒ ａｐｐｌｉａｎｃｅ）」（便宜上、ここでは略語で「ＰＵＡ」ともいう）は、電気的または非電気的装置であり、使用者本人により、あるいは使用者本人に付随して携行することのできる、あるいは、使用者が携行する、あるいは使用者に付随して携行することのできる物理的な物（たとえばアタッシェケース、サイフ等）の外部または内部に配置され、あるいはそのような物により保持されて携行することができる装置であって、そのような使用者に基本的な利益をもたらす少なくともひとつの機能として、限定するわけではないが、携帯電話、ＰＤＡ（携帯情報端末、Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｄｉｇｉｔａｌ Ａｓｓｉｓｔａｎｔ）、ＢｌａｃｋＢｅｒｒｙ（登録商標）装置、ラジオ、テレビ受像機、ゲームシステム（たとえばゲームボーイ（登録商標）装置）、ノートブック型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、ＧＰＳ装置、パーソナル・オーディオ装置（たとえばＭＰ３プレーヤ）、ＤＶＤプレーヤ、双方向無線機（ｔｗｏ−ｗａｙ ｒａｄｉｏ）、パーソナル・コミュニケーション装置、テレマティクス装置、遠隔制御装置、無線ヘッドセット、腕時計、可搬型データ蓄積装置（たとえばＴｈｕｍｂ（商標）ドライブ）、カメラ、レコーダ、キーレス・エントリ・デバイス、リング、櫛、ペン、鉛筆、ノート、札入れ、工具、懐中電灯、器具、眼鏡、服飾品、ベルト、ベルトバックル、時計入れ小ポケット、宝飾品、装飾品、靴または他の履物（たとえばサンダル）、ジャケット、および帽子、ならびに上述の物あるいはその機能のいずれかを組み合わせた装置を含むものをいう。

ここで用いる「調査装置」という用語は、（１）調査データの収集、保管、およびまたは伝達するように構成された、またはそれらの動作が可能な、あるいは調査データの収集、蓄積、およびまたは伝達する他の装置と組み合わせる可搬型使用者器具、およびまたは（２）調査データ収集、蓄積およびまたは伝達する装置を意味するものとする。

ここで用いる「使用者に利益をもたらす機能」という用語は、ＰＵＡの使用に伴って、人により始められ、あるいは実行され、その人に基本的な利益をもたらす機能を意味するものとする。

可搬型調査装置の使用者による使用が少なくともひとつのあらかじめ定められた使用基準を順守していることを監視する方法は、可搬型調査装置の使用者の識別を可能にするあらかじめ定められたタイプのデータを要求する要求メッセージを可搬型調査装置に伝達し、可搬型調査装置から伝達されたあらかじめ定められたタイプのデータを含む応答メッセージを受信し、この受信したデータに基づき使用者の同一性を評価して識別データを生成し、この識別データに基づいて、使用者が、少なくともひとつのあらかじめ定められた使用基準を順守しているかどうかを示すデータ、およびまたは使用者の順守レベルを示すデータを蓄積することからなる。

可搬型調査装置の使用者による使用が少なくともひとつのあらかじめ定められた使用基準を順守していることを監視するシステムは、可搬型調査装置の使用者の識別を可能にするあらかじめ定められたタイプのデータを要求する要求メッセージを可搬型調査装置に伝達し、可搬型調査装置から伝達されたあらかじめ定められたタイプのデータを含む応答メッセージを受信する通信部と、この通信部に結合され、受信したデータに基づき使用者の同一性を評価して識別データを生成する処理装置と、この処理装置に結合され、識別データに基づいて、使用者が、少なくともひとつのあらかじめ定められた使用基準を順守しているかどうかを示すデータ、およびまたは使用者の順守レベルを示すデータを受け取って蓄積する蓄積装置とを有する。

可搬型調査装置の使用者を識別する方法は、可搬型調査装置の使用者の識別を可能にするあらかじめ定められたタイプのデータを要求する要求メッセージを可搬型調査装置に伝達し、可搬型調査装置から伝達されたあらかじめ定められたタイプのデータを含む応答メッセージを受信し、この受信したデータに基づき使用者の同一性を評価して識別データを生成し、この識別データを蓄積することからなる。

可搬型調査装置の使用者を識別するシステムは、可搬型調査装置の使用者の識別を可能にするあらかじめ定められたタイプのデータを要求する要求メッセージを可搬型調査装置に伝達し、可搬型調査装置から伝達されたあらかじめ定められたタイプのデータを含む応答メッセージを受信する通信部と、この通信部に結合され、受信したデータに基づき使用者の同一性を評価して識別データを生成する処理装置と、この処理装置に結合され、識別データを受け取って蓄積する蓄積装置とを有する。

可搬型調査装置のあらかじめ選択された使用者による使用を監視する方法は、使用者の生体認証パラメータ、可搬型調査装置に入力された使用者のデータ、可搬型調査装置の外部の音、および可搬型調査装置の所在地または所在地の変化の少なくともひとつを監視することにより監視データを生成し、この監視データに基づいて使用者を識別する識別データを生成し、この識別データに基づいて、可搬型調査装置が使用者により少なくともひとつのあらかじめ定められた基準を順守して使用されているかどうかを判定することからなる。

可搬型調査装置のあらかじめ選択された使用者による使用を監視するシステムは、使用者の生体認証パラメータ、可搬型調査装置に入力された使用者のデータ、可搬型調査装置の外部の音、および可搬型調査装置の所在地または所在地の変化の少なくともひとつを監視することにより監視データを生成する監視部と、この監視部に結合されて監視データを受信し、監視データに基づいて使用者を識別する識別データを生成し、この識別データに基づいて、上記可搬型調査装置が使用者により少なくともひとつのあらかじめ定められた基準を順守して使用されているかどうかを示す順守データを生成する処理装置とを有する。

方法および装置のいくつかの実施の形態について、以下に、添付図面とともに説明する。

使用者により使用され調査装置として動作するように構成された可搬型使用者器具（ＰＵＡ）を有する種々の監視システムを示す図である。 図１Ａの監視システムの詳細例を示すブロック図である。 ドッキングステーションに結合されたＰＵＡを含む図１Ａの監視システムを示すブロック構成図である。 能動的にＰＵＡの使用を監視する図１Ａ〜１Ｃの監視システムによる動作を示す流れ図である。 能動的にＰＵＡの使用を監視する図１Ａ〜１Ｃの監視システムによる動作を示す流れ図である。 受動的にＰＵＡの使用を監視する図１Ａ〜１Ｃの監視システムによる動作を示す流れ図である。 受動的にＰＵＡの使用を監視する図１Ａ〜１Ｃの監視システムによる動作を示す流れ図である。 能動的および受動的にＰＵＡの使用を監視する図１Ａ〜１Ｃの監視システムによる動作を示す流れ図である。 調査装置として動作するように構成された携帯電話のブロック構成図である。 図５の携帯電話の使用を含むある実施の形態の説明に使用するための機能ブロック構成図である。

調査装置を使用して実行される多数のタイプの調査作業が可能であり、その中には、限定するわけではないが、テレビおよびラジオの番組の視聴率測定、テレビ、ラジオ、印刷物および屋外広告による広告への接触を含み、中でも；消費者の消費傾向；特定の小売店および買い物中に訪れる買い物以外の場所を含む消費者の買い物傾向およびレクリエーション活動；家と仕事との間、および他の場所との間の特定の経路のような移動パターン；消費者の考え方、信条、自覚および好み；等を含む。実施すべき所望のタイプのメディアおよびまたは市場の調査作業として、特に、個々人の活動がモニタリングされる。調査作業では、上述の２以上に関する調査データを収集するが、そのようなデータの一種類のみを収集する場合もある。

種々のモニタリング技術を利用することができる。たとえば、テレビを見るまたはラジオを聴く傾向は、その中のコマーシャルへの接触を含めて、種々の技術を用いてモニタリングされる。いくつかの技術では、個人が接する音響エネルギを監視し、その個人が視聴している番組、歌、局、チャンネル、コマーシャル等を識別または特徴付けるデータを生成する。音響メディアがそのような情報を提供する付随符号を含んでいる場合には、特許文献２〜１０に開示されたような適当な復号技術を用いて、復号化された情報を検出することができる。特許文献２〜１０に係る特許はそれぞれ本出願の譲受人に譲渡され、参照により、全体としてここに組み込まれる。

さらに、適切な復号技術は、特許文献１１〜２５が開示されている。特許文献１１〜２５に係る特許および特許出願はすべて、参照により、全体としてここに組み込まれる。

ある場合には、変換されたメディア・データから署名を抽出し、既知のメディア・データの参照署名との一致により識別する。この目的のために適切な技術が、特許文献２６および特許文献２７に開示されている。特許文献２６、２７に係る特許はそれぞれ本出願の譲受人に譲渡されており、参照により、全体としてここに組み込まれる。

さらに、適切な技術が、特許文献２８〜４３に開示されている。特許文献２８〜４３に係る特許および特許出願はすべて、参照により、全体としてここに組み込まれる。

ひとつの有利な技術では、符号検出と署名抽出の一方または双方を、調査データが収集された場所から遠隔で行う。これについては、特許文献４４に開示されている。特許文献４４に係る出願は本出願の譲受人に譲渡されており、参照により、全体としてここに組み込まれる。

所在地追跡または屋外広告への接触についてのモニタリングを行うには、そのために種々の技術が用いられる。所在地追跡または屋外広告への接触のモニタリングのために適切な技術は、特許文献４５、４６に開示されている。特許文献４５、４６に係る特許および特許出願すべて本出願の譲受人に譲渡されており、参照により、全体としてここに組み込まれる。

定期刊行物、本および雑誌などの刊行物の使用をモニタリングする場合には、そのための適切な技術が用いられる。そのような技術としては、特許文献４７に開示されたものがある。特許文献４７に係る出願は本出願の譲受人に譲渡されており、参照により、全体としてここに組み込まれる。

上述のような調査データのタイプ、およびそのようなタイプのデータを収集するために種々の技術に加え、他のタイプの調査データを収集することができ、他のタイプの技術を用いることができる。たとえば、消費者の購買動向、コンシューマ製品の返品動向、製品への消費者の接触および商業施設の存在およびまたは近接に関する調査データを収集することができ、このような収集のために種々の技術を用いることができる。商業施設の存在およびまたは近接に関するデータを収集するために適切な技術は、特許文献４８、４９に、消費者の製品への接触に関するデータを収集するために適切な技術は、特許文献５０に開示されている。

さらに、パネルメンバーの能動的な参加に影響をもつ技術を、調査作業で使用することができる。たとえば、新しいパネルメンバーが加わると、そのパネルメンバーの調査装置を使用してパネルメンバーに質問を行い、査定を行うことができる。このように、ここで議論されるように収集される典型的なタイプの調査データと、ここで議論されるような調査データの収集の典型的な方法とだけを説明するが、他のタイプの調査データを集め、調査データを収集する他の技術を用いることができる、と理解されるべきである。

調査装置によっては、ここで参照している特許文献に開示された多くの技術を含んでいるが、調査作業に使用するためだけを意図しており、使用者に基本的な利益をもたらす機能は設けられていないものもある。また、調査装置によっては、そのような機能が、ＰＵＡによって、ＰＵＡ内に、あるいはＰＵＡと組み合わせて設けられているものもある。

種々のＰＵＡが既に十分な性能を有しており、調査作業中に用いるべき所望の技術を実施して、調査装置として使用することができる。たとえば、携帯電話は、音響エネルギを音声データに変換するマイクロホンと、所在地を特定するためのＧＰＳ受信器とを備えている。種々の携帯電話はさらに、処理および蓄積を行うことができる。

ある実施の形態では、種々の既存のＰＵＡのソフトウェアおよびまたは若干のハードウェアを単に修正するだけで、調査作業を行うように変更する。また、他の実施の形態では、ＰＵＡを再設計し、この目的のために実質的に再構築する。

ある実施の形態では、調査装置自身が調査データの収集動作を実行する。また、ある実施の形態では、調査装置は、他の装置に、調査データを収集させるためデータを送出する。そのような実施の形態には、上述した特許文献４５および特許文献４７、ならびに特許文献５１に開示された種々の実施の形態が含まれる。なお、特許文献５１に係る特許出願は、本出願の譲受人に譲渡されており、参照により、全体としてここに組み込まれる。ある実施の形態では、調査装置は、調査データの収集と、他の調査装置に調査データを収集させるためのデータの送出との両方で動作する。

１またはそれ以上の使用者による調査装置の使用を監視するための方法および装置の種々の実施の形態について、以下に説明する。図面を参照すると、図１Ａおよび図１Ｂは、監視システム１の概略を示す図である。この監視システム１は、使用者３により使用されるＰＵＡ２と、処理装置５とを有する。図１Ａおよび図１Ｂの実施の形態に対応するものとは異なる実施の形態では、ＰＵＡ２は、ＰＵＡを含まない調査装置により置き換えられる。処理装置５は、１または複数の処理部を含むことができる。複数の処理部を含む場合には、それらが同じ場所に配置され、あるいは互いに離れて配置され、１以上の機構により処置または制御される。図示するように、ＰＵＡ２は、通信部７を経由して処理装置５に結合される。通信部７により、データをＰＵＡ２と処理装置５との間で交換することができる。ある実施の形態では、ＰＵＡ２は、無線により、通信部７を経由して処理装置５に結合される。

ある実施の形態では、監視システム１はまた、処理装置５の受信およびまたは処理したデータを含むデータを蓄積するため、蓄積装置６を含む。なお、蓄積装置６の蓄積するデータは、処理装置５の受信およびまたは処理したデータに限定されるわけではない。ある実施の形態では、蓄積装置６は、同じ場所または異なる場所に、一緒あるいは互いに離れて配置された、１以上の蓄積ユニットを有する。ある実施の形態では、蓄積装置６は、処理装置５に含まれる。

図１Ｂは監視システム１の実施の形態をより詳しく説明する図である。ここで、ＰＵＡ２は、無線通信部８を用いて無線により処理装置５と通信する構成となっている。ＰＵＡ２は、通信部８を通してデータの伝達および受信を行うための通信インタフェース９を含む。図示するように、ＰＵＡ２はメッセージ入力部１１を含み、ＰＵＡ２の使用者がＰＵＡ２にメッセージを入力することができるようになっている。メッセージ入力部１１は、ＰＵＡ２の通信インタフェース９に結合され、これにより、メッセージ入力部１１を用いて入力されたメッセージを、通信部８を介してＰＵＡ２から伝達することができる。もちろん、メッセージ入力部１１を用いて入力されたメッセージを、処理装置５に伝達することもでき、他のＰＵＡ２に伝達することもでき、また、通信部８に結合された他の場所または装置に伝達することもできる。図１Ｂに示す実施の形態において、メッセージ入力部１１は、キーパッドの形状をした複数のキー１１ａからなる。しかし、メッセージ入力部１１の構成は変更が可能であり、たとえば、メッセージ入力部１１が、キー、ボタン、スイッチ、キーボード、マイクロホン、ビデオカメラ、タッチ・パッド、加速度計、動き検出器、タッチ・スクリーン、タブレット、スクロールおよびクリックができるホイール等のひとつまたは複数を有することもできる。

図１Ｂに示す構成では、ＰＵＡ２はまた、１以上のパラメータを検出するため、感知器または検出器（以下、「感知器／検出器」と表記する）１３を有する。感知器／検出器１３により検出されるパラメータは、限定するわけではないが、ＰＵＡの残り電力量、１以上の使用者の生体機能またはパラメータ、ＰＵＡ２の所在地、ＰＵＡの所在地の変化、使用者によるＰＵＡへのデータ入力、ＰＵＡ２の外部の音、ＰＵＡ２の動き、ＰＵＡ２に加えられる圧力、またはＰＵＡ２の他の物体との衝突を含む。ある実施の形態では、感知器／検出器１３は、使用者個人が持参している信号発信器１４により送出された存在表示信号または個人認識信号を検出する。これらの実施の形態のあるものでは、信号発信器１４は、使用者の身に着けた、または携行している装置からなる。この装置は、たとえば、リング、ネックレス、他の宝飾品、腕時計、キー入れポケット、または服飾品である。このような装置は、使用者の存在を示すあらかじめ定められた信号、またはその装置を着けた、あるいは携行している使用者の身元を示すあらかじめ定められた信号を送出する。この信号は、音響信号、ＲＦまたは他の電磁信号、または感知器／検出器１３が受信することのできる化学信号、あるいは電気信号により送出される。ある実施の形態では、信号送出器１４は、使用者に埋め込まれた装置、たとえば使用者の肌の下に埋め込まれた装置により構成される。ある実施の形態では、感知器／検出器１３は、それぞれが複数のパラメータの１以上を検出する複数の感知器または検出器を含む。

図１Ｂに示すように、感知器／検出器１３は、ＰＵＡ２の通信インタフェース９に結合され、これにより、感知器／検出器１３の動作による感知または検出の結果として生成されたデータを、ＰＵＡ２から処理装置５に伝達することができる。図１Ｂに示すＰＵＡ２は、メッセージ入力部１１と感知器／検出器１３の双方を有するが、もちろん、他の実施の形態では、それらの構成要素のひとつを、ＰＵＡ２の設計および監視システム１の要求によって、省略することもできる。

図１Ａに示すと同様に、図１Ｂに示す構成の監視システム１では、処理装置５に結合または含まれて、データを蓄積する蓄積装置６を有する。蓄積装置６の蓄積するデータには、処理装置５の受信したおよびまたは処理したデータが含まれる。蓄積装置６に蓄積されたデータは、処理装置５により、必要なときに取り出される。

図１Ａおよび図１Ｂに示すＰＵＡ２には、交流電源または他の電源、あるいは１以上の電池、または他のオンボード電源（単純および明快さのために図示しない）を使用して、電力を供給することができる。もちろん、ＰＵＡ２に電力を供給するために使用する電池は、特にＰＵＡ２での使用に適したものであれば、充電可能でも充電できないものでも、どのようなタイプの電池でもよい。ある実施の形態では、ＰＵＡ２は、充電池または他の種類の充電可能な電源から電力を受け取る。このような電源としては、キャパシタ、およびまたは光電パワー変換器のような放射エネルギ変換器、またはマイクロ電磁発電器（ｍｉｃｒｏｅｌｅｃｔｒｅｉｃ ｇｅｎｅｒａｔｏｒ）のような機械的エネルギ変換器がある。ある実施の形態では、ＰＵＡ２は、時々、ドッキングステーションに接続される。このドッキングステーションは、ＰＵＡ２を充電するため、およびまたはＰＵＡ２内に蓄積されたデータを処理装置５に送るために使用される。図１Ｃは、ドッキングステーション１５を使用するＰＵＡ２の実施の形態を示す。ドッキングステーション１５は、ＵＰＡ２を使用者が携行している間は、典型的には、使用者が携行するものではなく、ＰＵＡ２に結合されているものでもない。ドッキングステーション１５は、結合器１６を介してＰＵＡ２に結合する構成となっている。結合器１６は、ＰＵＡ２とドッキングステーション１５との間を直接に接続でき、ＰＵＡ２の充電およびまたはＰＵＡ２とドッキングステーション１５との間のデータの通信を可能とする。ある実施の形態では、データは、ＰＵＡ２からドッキングステーションに、無線の赤外線、ＲＦ、容量または誘導リンクにより伝達される。ある実施の形態では、データは、ＰＵＡ２からドッキングステーション５に、携帯電話リンクまたは他の有線または無線ネットワークまたは装置結合により伝達される。

図１Ｃに示すように、ある実施の形態では、ドッキングステーションは電源１７に接続され、ＰＵＡ２がドッキングステーション１５に結合されたときに、ＰＵＡ２を充電するための電力を供給する。さらに、ある実施の形態では、ドッキングステーション１５は、通信部７を通して処理装置５と通信を行うための通信インタフェース１９を有する。ＰＵＡ２が結合器１６を介してドッキングステーション１５に結合されると、ＰＵＡ２内に蓄積されたデータ、すなわち、使用者がＰＵＡ２を携行するときにＰＵＡ２が収集したデータ等のデータが、結合器１６を用いてドッキングステーション１５に伝達され、その後に、通信インタフェース１９を用いて処理装置５へ、通信部７を通して伝達される。これらの実施の形態では、ＰＵＡ２により集められたデータの処理装置５への伝達に、ＰＵＡ２よりもドッキングステーション１５を使用することで、ＰＵＡ２による電力すなわち比較的電力容量の小さい内部電源の使用を管理できる。ある実施形態では、ＰＵＡ２がドッキングステーション１５に結合されたときに、ドッキングステーション１５を使用して、データを処理装置５から通信部７を経由して受信し、受信したデータを、ドッキングステーション１５からＰＵＡ２に、受結合器１６を経由して伝達する。

明らかなように、ドッキングステーション１５の構成は図１Ｃに示す構成に限定されるものではなく、ひとつの実施の形態から他の形態に変えることができる。たとえば、ある実施例では、ドッキングステーション１５はＰＵＡ２の充電にのみ用い、通信インタフェース１９は設けられない。このような実施の形態では、ドッキングステーション１５は、携帯電話の充電器のように、ＰＵＡ２を受け入れるクレードルとして、あるいは標準の交流直流変換器として、種々実施される。他の実施形態では、ドッキングステーション１５は、ＰＵＡ２と処理装置５との間のデータの通信にのみ用い、ＰＵＡ２の充電はしない。このような実施形態では、ＰＵＡ２は、ドッキングステーション１５とは離れた状態で、充電のための電源に接続されるか、あるいは、内部電力変換器を用いて、あるいは１以上の電池を取り替えて、充電される。

ある実施の形態では、図１Ａ〜図１Ｃに示されるＰＵＡ２は、オプションとして、メッセージを使用者に出力するための出力部（単純および明快さのために図示しない）を有する。出力部は、文字あるいは１以上のシンボルおよびまたはイメージを表示するための表示器、音声メールまたは音声メッセージを出力するためのスピーカまたはイヤホン、あるいは使用者にメッセージを表示するための１以上のＬＥＤまたはランプとして構成することができる。もちろん、出力部は、ここで説明した例に限定されるものではなく、メッセージを使用者に提供するものであれば、どのようなもので構成されてもよい。

図１Ａおよび図１Ｂに示す監視システム１は、ある実施の形態では、ＰＵＡ２の使用者による使用が、少なくともひとつのあらかじめ定められた使用基準（以下「事前決定使用基準」という）を順守していること、を監視するために使用される。すなわち、ＰＵＡ２が特定の使用者により携行され、およびまたは使用されているかを監視する。ある実施の形態では、監視システム１は、使用者の同一性の判定、すなわち特定の使用者か否かの判定に使用される。これにより、ＰＵＡ２により収集したデータ、またはＰＵＡの使用に伴って収集されたデータを、実際の使用者の同一性と関連付けることができる。ある実施の形態では、監視システム１は、ＰＵＡ２の使用を、以下の基準の１以上により監視する。すなわち、ＰＵＡ２が携行され、およびまたは使用されている、ＰＵＡ２がオンになっている、ＰＵＡ２が充電されている、ＰＵＡ２が最低電力容量を維持している、ＰＵＡ２が、ある時刻またはあらかじめ定められた時間帯の間、あらかじめ定められた長さの時間にわたり、ドッキングステーション１５に収容または接続されている、ＰＵＡ２が使用者に利益を提供するように適切に機能している、および、ＰＵＡ２が調査データを集める、蓄積するおよびまたは伝達することができるか、あるいは、関連する１以上の他の装置がそれを行うことができる、という基準である。上述以外の事前決定使用基準であっても、ＰＵＡ２の使用の監視に使用することができる。

ある実施の形態では、使用者によるＰＵＡ２のような調査装置の使用が、少なくともひとつの事前決定使用基準を順守していることを監視するため、調査装置の使用者の識別を可能にするあらかじめ定められたタイプのデータを要求する要求メッセージを調査装置に伝達し、調査装置から伝達されたあらかじめ定められたタイプのデータを含む応答メッセージを受信し、受信したデータに基づき使用者の同一性を評価して識別データを生成し、識別データに基づいて、その使用者が、少なくともひとつの事前決定使用基準を順守しているかどうか、およびまたはその使用者の順守レベルを示すデータを蓄積する。

ある実施の形態では、ＰＵＡ２のような調査装置の使用者を識別するため、調査装置の使用者の識別を可能にするあらかじめ定められたタイプのデータを要求する要求メッセージを可搬型調査装置に伝達し、調査装置から伝達されたあらかじめ定められたタイプのデータを含む応答メッセージを受信し、受信したデータに基づき使用者の同一性を評価して識別データを生成し、この識別データを蓄積する。

これらの監視方法は使用者の能動的な参加を必要としており、このような方法のある実施の形態を図２Ａにさらに詳しく示す。図２Ａは、図１Ａ〜図１Ｃに示す監視システムにより実行される動作のブロック図である。

図２Ａに示すように、要求メッセージが、最初に、図１Ａ〜図１Ｃの処理装置５のような遠隔配置された処理装置と双方向に通信可能なＰＵＡに伝達される（ステップ１００）。この要求メッセージは、ＰＵＡの使用者からの応答として、所定のタイプのデータであって、そのデータから使用者の同一性を判定することができるデータを含む応答を要求する。ある実施の形態では、要求メッセージは、文章メッセージ、電話呼、音声メール、電子メール、音声メッセージ、音響、複数の音響、ウェブページ、イメージ、光警報、またはこれらの組み合わせ、あるいはＰＵＡを介して使用者に提示される何か他のデータからなり、使用者に応答が求められていることを示す。要求メッセージは、適切な出力部を用いて、使用者に提示される。たとえば、メッセージが電話呼、音声メール、音声メッセージ、音響または複数の音響であれば、スピーカやイヤホンのような音響再生装置に、メッセージが文書メッセージ、電子メール、ウェブページまたは他のイメージであれば、視覚的表示部に、およびまたはメッセージが光警報であれば、１以上の光を放出する装置（たとえば、ＬＥＤまたはランプ）に提示される。ある実施の形態では、要求メッセージは、ＰＵＡ使用者から、あらかじめ定められた応答を要求する。ある実施の形態では、要求に、使用者の興味をそそるデータ、たとえば、あるフェブサイトやコンテンツ、たとえば音楽、ビデオ、ニュースあるいは電子クーポン、へのアクセスへのアクセスのようなデータを添付する。そのような実施形態のあるものでは、そのようなデータへのアクセスの条件として、要求メッセージ内に表現されたパラメータ、または要求パラメータ内に表現されていない場合にはあらかじめ定められたパラメータにしたがって、要求された応答を提供することが求められる。ある実施の形態では、処理装置が１以上のプログラム可能な処理装置により実施され、通信管理プログラムモジュールを実行し、ＰＵＡおよびまたはその使用者と他のＰＵＡを経由する通信の制御を行って、応じるかどうかを評価するためのデータを含む応答を要求する。そのような実施の形態のあるものでは、そのような通信が、前もって、プログラミングモジュールにより予定される。プログラミングモジュールは、そのような通信の予定を表す予定データを蓄えるデータベースを参照して、あるいは参照せずに、通信の予定を組み、通信部７により自動的に実行する。そのような実施の形態のあるものでは、そのような通信は前もって予定が組まれ、人間のオペレータに通知される。オペレータは、ＰＵＡおよびまたはＰＵＡの使用者への呼を予定に従って開始し、順守状態を評価するためのデータを要請する。そのような実施の形態のあるものでは、自動通信と人間により開始される通信との双方が、上述のように実行される。

要求メッセージに応答して、ＰＵＡ内で応答メッセージを生成する（ステップ１０２）。ある実施の形態では、応答メッセージは、使用者の操作により応答メッセージを入力することで生成される。使用者は、ＰＵＡのメッセージ入力部を用いて、使用者の同一性を評価することのできるデータを提示する。特に、応答メッセージが使用者を識別する符号を含むようなある実施の形態では、応答メッセージはＰＵＡの入力部を用いて生成される。なお、使用者を識別する符号には、文字記号、数字記号またはシンボルあるいはこれらの組み合わせを含む。これとは別に、応答メッセージをＰＵＡに蓄えられたデータにより構成することもできる。この場合、応答メッセージは、メッセージ入力部を用いて、蓄えられているデータを選択することにより生成される。他の実施の形態では、応答メッセージは、メッセージ入力部を作動させることにより生成される応答信号である。たとえば、この応答信号は、メッセージ入力部の１以上のスイッチを切り替えるか、１以上のボタンを押すことにより生成される。このような実施の形態では、メッセージ入力部は、音響変換器のような音声入力装置を有する。

応答メセージがＰＵＡ内で生成されると、その後、応答メッセージをＰＵＡからその通信部を通して伝達し、処理装置５のような遠隔配置の処理装置で受信する（ステップ１０４）。ある実施の形態では、そのような通信に、携帯電話通信、ＰＣＳ通信、無線ネットワーク通信、衛星通信、またはＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、ＺｉｇＢｅｅ（登録商標）、電子光または他の無線リンクを用いる。ある実施の形態では、このような通信部は、イーサネット（登録商標）インタフェース、電話モデム、ＵＳＢポート、Ｆｉｒｅｗｉｒｅ（登録商標）接続、ケーブルモデム、音声または映像接続、または他のネットワークあるいは装置インタフェースを有する。ある実施の形態では、ＰＵＡからの応答メッセージ（使用者の同一性を判断できるデータを伴う、またはそのようなデータを伴わない）を受信するか、応答メッセージを受信せずにあらかじめ定められた時間が経過すると、処理装置は、ＰＵＡの使用者が、少なくともひとつの事前決定使用基準を順守しているか、およびまたは使用者の順守レベルを示すデータを提供する。処理装置により提供されたデータは、この後、処理装置により蓄えられる（ステップ１０６）。ある実施の形態では、処理装置は、ＰＵＡからの応答メッセージが受信されたかどうかに基づいて、使用者の順守状態およびまたはその順守レベルを提供する。他の実施の形態では、処理装置は、使用者の同一性を判定できるデータに加えて、およびまたはそのようなデータなしに、応答メッセージの内容に基づいて順守状態およびまたは順守レベル、およびまたはＰＵＡから応答メッセージを受信するまでに経過した時間、およびまたは以下により詳しく議論する他のファクタを提供する。ある実施の形態では、処理装置は、ＰＵＡおよびまたはＰＵＡの使用者から通信管理プログラムモジュールに返送されたデータを受信する順守解析プログラムモジュールを実行する１以上のプログラム可能な処理部として実施され、図１Ａ〜図１Ｃの蓄積装置６のような蓄積装置に蓄えられた順守ルールにしたがって、そのようなデータに基づく使用者の順守の解析を行う。そのような解析に基づいて、順守解析プログラムモジュールは、使用者が事前決定使用基準を順守しているか、およびまたはその順守レベルを示す順守データを作成する。

ある実施の形態では、ＰＵＡの使用者による使用者が事前決定使用基準を順守しているとき、または使用者の順守レベルがあらかじめ定められたレベル（以下、「事前決定順守レベル」という）より高いとき、報酬が使用者に提供される。報酬は、現金、クレジット、景品、あるいは物品の購入や景品の受け取りに利用できる無料サービスやポイントのような利益として提供される。無料サービスやポイントのような利益は、ＰＵＡにより、あるいは他の手段またはサービルを通じて利用できる。そのような実施形態のあるものでは、報酬として、使用者の興味を引くデータ、たとえば、あるウェブサイトまたはコンテンツへのアクセスを提供する。そのようなコンテンツとしては、音楽、映像、ニュース、あるいは電子クーポンなどがある。図２Ａに示すように、順守を示す、または事前決定順守レベルより高い順守レベルを示すデータが生成、およびまたは蓄えられると、使用者への報酬が決められる（ステップ１０８）。使用者への報酬は、報酬のタイプおよびまたは報酬の量または質を含めて、監視システムの処理装置により、使用者の順守状態または使用者の順守レベルに基づいて決定される。報酬が使用者の順守に基づいて決められる一方で、ある実施の形態では、使用者の順守レベルが事前決定順守レベルより高い場合に報酬を使用者に提供し、およびまたは、ステップ１０８で決められる報酬のタイプおよびまたは量を、使用者の順守レベルの増減により変える。たとえば、ある実施の形態では、使用者に報酬として提供されるポイント数、すなわち使用者が物品またはサービスの購買に使用することができるポイント数を、使用者が要求メッセージのより大きなパーセンテージに応答した場合に大きくする、あるいは、使用者が応答する要求メッセージ数が増えるほど増加させる。

事前決定使用基準を順守するＰＵＡの使用に対してＰＵＡ使用者に報酬を提供することは、使用者に、使用要求に応じて報酬を獲得する、あるいはもっと高い報酬を獲得する、という刺激を与える。したがって、ＰＵＡの正しい使用に対してＰＵＡ使用者に報酬を提供することは、将来において、事前決定使用基準を順守するＰＵＡの正しい使用を促進する。

ある実施の形態では、監視システムはまた、ＰＵＡ使用者にメッセージを伝達し、ＰＵＡの事前決定使用基準への順守状態およびまたは順守レベル、およびまたは使用者の獲得した報酬を提示する（ステップ１１０）。使用者に伝達されるメッセージとしては、文章メッセージ、電話呼、音声メール、音声メッセージ、電子メール、画像、またはそれらの組み合わせの形態を用い、ＰＵＡまたは他を介して伝達する。ある実施の形態では、メッセージを光表示で行うことができる。たとえば、ＬＥＤまたはランプの輝きで、ＰＵＡの使用者が順守しているかどうか、または使用者が報酬を獲得したかどうかを表示する。図２Ａに示すように、使用者への報酬の決定（ステップ１０８）および使用者へのメッセージの伝達（ステップ１１０）は、使用者によるＰＵＡの使用を監視するための監視システムによるオプションの動作である。ある実施の形態では、たとえば、報酬の決定はなく、監視システムは、使用者にメッセージの伝達を行って、使用者の順守状態およびまたは順守レベルを提示する。他の構成では、監視システムは使用者への報酬を決定し、たとえば報酬を直接使用者に送るか、あるいは報酬を使用者の口座に振り込むことにより、自動的に使用者に報酬を与える。この場合、使用者には、使用者の順守状態、順守レベルまたは獲得した報酬を示す何らのメッセージも送ることはない。ある実施の形態では、監視システムは、使用者が応じないと判断すると、１以上のメッセージをその使用者およびまたはそのような不応答のない使用者のＰＵＡに送る。このときさらに、将来の順守を奨励するメッセージ内容を送ってもよい。そのような実施の形態のあるものでは、不応答を通知するメッセージを、文章メッセージと音声呼の双方を用いるような複数の異なる形態で送る。このようなメッセージは、自動的に生成してもよく、人間の介在により生成してもよい。ある実施の形態では、報酬の決定は、１またはそれ以上のプログラム可能な処理装置により行われる。これらの処理装置は、報酬決定プログラムモジュールを実行し、順守解析プログラムモジュールにより生成された順守データを受け取り、蓄えられたルール、たとえば蓄積装置６に蓄えられたルール等、に基づいて報酬データを生成する、処理装置はさらに、もしあるなら、どの報酬（種類および量を含む）が、順守データが生成された使用者に適合するかを特定する。報酬データに基づいて、通信管理プログラムモジュールは、報酬通知をＰＵＡおよびまたはその使用者に伝達し、およびまたは、サービスの注文を（物品またはサービスの提供者などに）伝達し、決定された報酬を使用者またはそのような報酬についての使用者の口座に振り込む。

ある実施の形態では、要求メッセージを調査装置に伝達し、要求メッセージが調査装置の使用者からの応答を要求し、調査装置から要求メッセージに応答して伝達される応答メッセージを受信し、使用者による調査装置の使用が少なくともひとつの事前決定使用基準を順守するかを決定することにより、調査装置の使用を監視する。図２Ｂは、この実施の形態、すなわち、調査装置すなわち使用者のＰＵＡの使用を、監視システムにより監視する形態を示す。図２Ｂの実施の形態に対応しない他の実施の形態のあるものでは、使用者のＰＵＡが、ＰＵＡを含まない調査装置で置き換えられる。

図２Ｂに示すように、要求メッセージを監視シテスムからＰＵＡに送り（ステップ２００）、応答メッセージをＰＵＡ内で生成し（ステップ２０２）、要求メッセージへの応答として、監視シムテムに伝達する。ＰＵＡからの応答メッセージは、監視システムにより受信される（または、非受信が記録される）（ステップ２０４）。監視システムにより実行されるこれらの動作は、図２Ａに関して上述したステップ１００、１０２および１０４の動作と同等であり、明確さおよび簡潔さのため、以下では詳細な説明を省略する。図２Ｂにさらに示すように、応答メッセージをＰＵＡから受信すると、監視システムは、使用者のＰＵＡの使用が少なくともひとつの事前決定使用基準を満たしているか、すなわちＰＵＡが特定の使用者により携行されているかを判定する（ステップ２０５）。この判断（ステップ２０５）は、監視システムの処理装置により実行される。ここで説明したように、ある実施の形態では、事前決定使用基準として、限定するわけではないが、ＰＵＡが携行され、ＰＵＡがオンになっており、ＰＵＡが充電され、ＰＵＡが最低充電または電力容量を維持し、ＰＵＡがあらかじめ定められた長さの時間およびまたは期間あるいはある時間にドッキングステーションに収容または接続（以下、「ドッキング」という）され、ＰＵＡが正常に機能し、ＰＵＡが調査データの収集、蓄積およびまたは通信、あるいは１以上の他の装置との関係によりそのような状態となっている、という条件が含まれる。

ある実施の形態では、ＰＵＡの使用が事前決定使用基準を順守しているどうかの判定（ステップ）２０５）は、ＰＵＡからの応答メッセージの少なくともひとつの受信または非受信（ステップ２０４）、応答メッセージの受信の時間および応答メッセージの内容に基づいて行う。たとえば、ステップ２０５の判定がＰＵＡからの応答メッセージの受信または非受信に基づいている場合には、処理装置は、ステップ２００で要求メッセージをＰＵＡに送ってから、あらかじめ定められた時間内に応答メッセージが受信されない場合に、ＰＵＡの使用が事前決定使用基準を順守していないと判定する。そのような実施の形態のあるものでは、使用者からの応答を要求する（文章メッセージや音声プロンプトのような）要求メッセージを特定の日の間、規則的な間隔でＰＵＡに送る。要求メッセージを送る間隔は、時間帯により、または擬似ランダムなスケジュールにより決定し、場合によっては、使用者の応答の迅速さによって、使用者への報酬の量または質を決定する。

事前決定使用基準の順守の判定が応答メッセージの受信の時間に基づく場合には、処理装置は、要求メッセージのＰＵＡへの伝達の時刻と、ＰＵＡからの応答メッセージの受信の時刻との間に、どれだけ時間が経過したかを判定し、それを、選択された順守応答時間と比較する。ある実施の形態では、順守応答時間は、すべての使用者、すべてのタイプの要求メッセージ、すべての場所およびすべての期間で、一定の時間である。いくつかの他の実施の形態では、順守応答時間は、使用者の人口統計または個々人のプロフィールに基づいて選択される。ある実施の形態では、順守応答時間は、要求メッセージのタイプおよびまたはその内容に基づく。そのような実施の形態のあるものでは、順守応答時間をメッセージ内で指定する。たとえば、「１０分以内に応答してください。」のように指定する。ある実施の形態では、順守応答時間は、それを受信するＰＵＡのタイプに基づいて選択する。たとえば、携帯電話またはＢｌａｃｋＢｅｒｒｙ装置は、パーソナル・オーディオやＤＶＤプレーヤに比較して、比較的短時間での応答が予想される。パーソナル・オーディオやＤＶＤプレーヤに対しては、比較的長い応答時間が適切である。ある実施の形態では、順守応答時間、要求メッセージが、使用者に提示される方法に依存して選択される。たとえば、朝または午後の運転時間中は、使用者が家にいる宵と同じように速やかに応答することはできないので、応答時間が長くなるかもしれない。ある実施の形態では、順守応答時間は使用者の所在地に基づいて選択される。たとえば、ある場所では、習慣的に、他の場所よりも速やかにメッセージに応答するかもしれない。ある実施の形態では、順守応答時間が、上述したファクタの２以上の組み合わせに基づいて選択される。

要求メッセージと応答の受信との間の経過時間が、選択された応答時間より短い場合には、使用者のＰＵＡの使用が、事前決定使用基準を順守しているとする。しかし、経過時間が選択された応答時間より長い場合には、ＰＵＡの使用が事前決定使用基準を順守していないと判断する。ある実施の形態では、要求メッセージの送信（ステップ２００）と応答メッセージの受信（ステップ２０４）との間の経過時間の長さが、事前決定使用基準に対する使用者の順守レベルの判定に使用される。特に、処理装置により判定される順守レベルは、要求メッセージの伝達２００と応答メッセージの受信２０４との経過時間の量が小さいほど順守レベルが大きくなるというように、応答メッセージを処理装置がどれだけ速やかに受信したかに依存する。

使用者のＰＵＡの使用が１以上の事前決定使用基準を順守しているかどうかの判定を、応答メッセージの内容に依存して行う場合には、処理装置は、応答メッセージの内容があらかじめ定められたパラメータに従っているかどうかを判定する。このような実施の形態では、あらかじめ定められたパラメータに従う選択された応答メッセージが、ＰＵＡに伝達される要求メッセージにより要求され（ステップ２００）、順守状態およびまたは順守レベルの判定時に、処理装置は、ＰＵＡから受信（ステップ２０４）した応答メッセージを要求メッセージと比較する。ひとつの実例となる実施の形態では、ＰＵＡに送信（ステップ２００）される要求メッセージには、使用者のパスワードの要求あるいは使用者の仮名、実名等の特定の符号の要求を含み、処理装置は、要求メッセージへの応答として受信（ステップ２０４）した応答メッセージを、データベースに蓄積されたパスワード、符号、仮名または実名等のあらかじめ蓄えたデータと比較し、ＰＵＡの使用が事前決定使用基準を順守しているかどうかを判定する（ステップ２０５）。受信した応答メッセージが、蓄えられたメッセージ、すなわちデータベースに蓄積されたパスワード、名前（使用者の選択した仮名または使用者の実名）または符号と一致する場合には、処理装置は使用者が事前決定使用基準を順守していると判定する。パスワード、名前あるいは符号のような選択された応答メッセージを要求することにより、監視システムは、ＰＵＡが実際に携行されていること、およびまたは使用されていることを確認できるだけでなく、ＰＵＡが特定の使用者により携行され、およびまたは使用されていることを確認できる。

ある実施の形態では、要求された情報に加え、またはその代わりに、要求された応答に、使用者からの情報を含めることができる。このような情報としては、メッセージを受信したとき、あるいは他の時間に使用者が何をしていたか、使用者の所在地または種々の時刻における所在地、使用者が接触した、購入または使用している、あるいは購入または使用を計画しているメディアまたは製品、使用者の信条およびまたは使用者の意見等がある。ある実施の形態では、要求された情報に加え、またはその代わりに、要求された応答に使用者からのＰＵＡの操作状態（たとえば、ＰＵＡに示された状態、あるいは使用者により決定された状態）に関する情報を含ませることもできる。このような情報としては、使用者がなんらかの動作（ドッキングあるいはＰＵＡの再充電等）を実行するかどうか、およびまたはいつ実行するか、およびまたは使用者がＰＵＡを携行しているかどうか、およびまたはどのように携行しているか、等の情報が含まれる。

ある実施の形態では、処理装置は、メッセージの内容に基づいて、ＰＵＡ使用者の順守レベルを判定する（ステップ２０５）。その実例となる実施の形態では、受信（ステップ２０４）した応答メッセージを、データベースに蓄えられたパスワード、名前あるいは符号のような蓄えられたデータと比較し、応答メッセージが、蓄えられたデータにどれだけ近いかに基づいて、順守レベルを判定する。そのような実施形態のあるものでは、応答メッセージが蓄えられたメッセージと一致する場合に、第１すなわち最も高いレベルの順守と判定し、応答メッセージが蓄えられたメッセージと一致しない場合に、第１のレベルより低い第２のレベルの順守と判定し、ＰＵＡからの応答メッセージの受信（ステップ２０４）がない場合に、第３すなわち最も低いレベルの順守と判定する。いくつかの実施の形態では、応答メッセージが受信されたけれども蓄えられたメッセージと一致しない場合に、第２のレベルの順守に代えて、複数の異なる中間レベルの順守を決定することもできる。そのような実施の形態では、決定されるレベルは、受信した応答メッセージが応答メッセージとあらかじめ蓄えられたデータとの間の類似の程度に基づいている。したがって、たとえば、ＰＵＡから受信（ステップ２０４）した応答メッセージが蓄えられたメッセージと１文字だけ異なる場合には、ＰＵＡから受信した応答メッセージが蓄えられたメッセージと完全に異なる場合より、中間レベルの順守はより高くなる。

ある実施の形態では、使用者の順守状態およびまたは順守レベルを、応答メッセージの内容に基づいて判定するだけでなく、応答メッセージの受信の時間に基づいて判定する。そのような実施の形態のあるものでは、使用者の順守は、応答メッセージが蓄えられたデータと一致しているかどうかに依存するだけでなく、応答メッセージがＰＵＡからどれだけ速やかに受信されたかにも依存する。そのような実施の形態のあるものでは、ＰＵＡから受信した応答メッセージが蓄えられたデータに一致し、ＰＵＡへの要求メッセージの伝達と応答メッセージの受信との間の経過時間が、選択された時間より短い場合に、最も高いレベルの順守と判定される。応答メッセージが蓄えられたデータと一致せず、およびまたは要求メッセージの伝達と応答メッセージの受信との間の経過時間が選択された時間より長い場合には、判定される順守レベルは、最も高いレベルの順守と最も低いレベルとの中間のレベルに選択される。ＰＵＡからの応答メッセージが受信されない場合に、監視システムは、最も低い順守、あるいは順守していないと判定する。

ある実施の形態では、監視システムはまた、事前決定使用基準を順守する使用者に報酬を決定およびまたは提供し（ステップ２０６）、およびまたは使用者の順守状態、順守レベルおよびその使用者への報酬の少なくともひとつを示すメッセージをその使用者に送る（ステップ２０８）。特に、監視システムは、ＰＵＡの使用が事前決定使用基準を順守しているか、およびまたは使用者の順守レベルの判定した後に、引き続いて、ＰＵＡの使用者への報酬の決定およびまたは提供を行う（ステップ２０６）。監視システムは、続いて、使用者の順守状態、順守レベルおよびまたは使用者の獲得する報酬を示すメッセージを使用者に通知する（ステップ２０８）。監視システムが実行するこれらの動作は、図２Ａに関連して説明したステップ１０６および１０８の動作と同等であり、以下では詳しい説明を省略する。図２Ａに連関して説明した実施の形態と同様に、報酬の決定およびまたは提供（ステップ２０６）、および順守状態、順守レベルおよびまたは報酬を表示するメッセージの伝達（ステップ２０８）は、オプションである。さらに、図２Ａに関連して説明した実施の形態と同様に、ある実施の形態では、報酬の決定およびまたは提供は、使用者へのメッセージの伝達なしに実行され、一方、他の実施の形態では、メッセージの伝達が報酬の決定およびまたは提供（ステップ２０６）なしに実行される。

監視方法およびシステムのある実施の形態では、監視システムは、生体パラメータ、調査装置の外部の音、調査装置の他の物体との衝突、調査装置の動き、調査装置の使用者個人との近さ、調査装置に加わる圧力、調査装置の充電、その電力容量、調査装置のドッキングステーションへの結合、調査装置へのデータ入力（たとえばメッセージ）、調査装置の所在地およびまたは調査装置の所在地の変化、等の１以上のパラメータを監視し、調査装置の使用者が少なくともひとつの調査基準を順守しているかどうかを判定する。ある実例となる実施の形態では、監視システムは、使用者の心臓の活動、使用者の脳の活動、使用者の呼吸活動、使用者の脈拍、使用者の血液酸素動態、腹鳴（胃腸の雑音）、使用者の足取り、使用者の声、使用者のキー、キーパッドまたはキーボードの使用特性（たとえばキーストローク認識）、使用者の血管パターン、使用者の顔または耳パターン、使用者の署名、使用者の指紋、使用者の掌紋または掌形、使用者の網膜または虹彩パターン、使用者の空気伝達生科学的指標（使用者の「スメルプリント」ということもある）、使用者の筋肉活動、使用者の体温、調査装置の外部の音、調査装置の動き、調査装置のドッキング、その電力容量、調査装置の他の物体との衝突、使用者による調査装置へのデータの入力、調査装置の所在地およびまたは調査装置の所在地の変化の少なくともひとつを監視して監視データを生成し、この監視データに基づいて、使用者による調査装置の使用が、少なくともひとつの事前決定使用基準を順守しているかどうかを判定する。これらの実例となる実施の形態におけるＰＵＡの使用者を監視する監視システムの動作を図３Ａに示す。図３Ａに示す実施の形態はまた、ＰＵＡ以外の調査装置にも利用可能である。

図３Ａに示すように、少なくともひとつの生体パラメータ２２２、ＰＵＡの使用者個人との近接、外部音２２４、ＰＵＡの所在地／ＰＵＡの所在地変化２２６、データ入力２２８、およびＰＵＡの他の物体との衝突、ＰＵＡに加えられた圧力、電力容量、動き、再充電、ドッキング２３０を監視し、監視データを生成する。１以上の生体パラメータ２２２を監視するとき、それらのパラメータは、限定するわけではないが、使用者の心臓の活動、使用者の脳の活動、使用者の呼吸活動、使用者の脈拍、使用者の血液酸素動態、腹鳴、使用者の足取り、使用者のキー、キーパッドまたはキーボードの使用特性（たとえばキーストローク認識）、使用者の声、使用者の指紋、使用者の掌紋または掌形、使用者の網膜または虹彩パターン、使用者のスメルプリント、使用者の血管パターン、使用者の顔または耳パターン、使用者の筋肉活動のパターン、使用者の署名、および使用者の体温の１以上を含む。

図１Ｂを再び参照すると、生体パラメータ２２２、外部音２２４、ＰＵＡの所在地／ＰＵＡの所在地変化２２６、データ入力およびまたはＰＵＡの他の物体との衝突、ＰＵＡに加わる圧力、ＰＵＡの動き、再充電、電力容量、ドッキング２３０の監視が、ＰＵＡ２内で、感知器／検出器１３により、ＰＵＡの処理装置（簡潔さおよび明確さのため図示せず）と共同動作により実行される。上述のように、ある実施の形態における感知器／検出器１３は、複数のパラメータを監視する複数の感知器およびまたは検出器を有している。感知器／検出器１３がＰＵＡ使用者の１以上の生体パラメータを監視する実施の形態では、感知器／検出器１３は、使用者の心臓活動を監視するための心臓監視、使用者の脳の活動を監視するためのＥＥＧ監視、限定するわけではないが使用者の呼吸速度を含む使用者の呼吸活動を監視する呼吸監視、脈拍数監視、パルスオキシメータ、使用者の腹鳴およびまたは使用者の音声を監視するための音響検出器、使用者の足取りを表すデータを検出するための、動き感知器または加速度計のような（筋肉活動の監視にも使用できる）、足取り解析器、入力映像信号の時間変化に基づいて動きを検出するために使用するビデオカメラ、使用者の温度を監視する温度感知器、ＥＫＧおよびまたはＥＥＧを拾い上げるための電極、および使用者の指紋または掌紋を検出するための指紋または掌紋読取走査装置の１以上を有する。使用者の掌形を検出する場合には、感知器／検出器１３は、使用者の手の、手の形、指の長さ、指の太さ、指の曲がり、およびまたはそれらのいずれかの部分等の、あらかじめ定められたパラメータを捕らえる光感知器または他の映像化装置により構成された装置を有する。使用者のスメルプリントを検出する場合には、感知器／検出器１３は、電子感知器、化学物質感知器、およびまたは、化学物質感知器のアレイにより構成され、それぞれの化学物質感知器が特定の臭い物質または他の生体標識を検出することができるように構成された電子的または化学的な感知器を有する。使用者の血管パターンを検出する場合には、感知器／検出器１３は、血液パターンまたは他の組織構造、あるいは使用者の手または他の体の部分の血流または血圧特性を検出するため、光または他の放射エネルギを読取走査または映像化する装置を有する。使用者の顔または耳パターンを検出する場合には、感知器／検出器１３は、ビデオカメラ、光読取走査装置あるいは顔の１以上の特徴または使用者の耳または他の体の部分の１以上の特徴を認識するのに十分な他の装置を有する。それらの実施の形態のあるものでは、感知器／検出器１３は、ＰＵＡ２内または外に取り付けられる。それ以外の場合には、感知器／検出器１３は、ＰＵＡ２から離れて配置され、そこから、ケーブルを介して、またはＲＦ、誘導、音響、赤外線または他の無線リンクを介して伝達する。

ＰＵＡ２の感知器／検出器１３がＰＵＡの外部音２２４を監視する実施の形態では、感知器／検出器１３は、マイクロホンまたは他の外部音を検出するための適切な音響検出器のような音響感知器を有する。ある実施の形態では、外部音を監視する感知器／検出器１３は、検出した外部の音を解析するための処理装置と共同動作する。感知器／検出器１３により検出された外部音には、限定するわけではないが、環境雑音、ＰＵＡ２の使用者の衣類または他の外部の物体との摩擦、乗り物の音（エンジン雑音および自動車のドアの開閉に特有の音等）、使用者の声紋、ＰＵＡの落下、平均的な周囲の雑音レベル等が含まれる。

感知器／検出器１３が使用者のデータ入力２２８（たとえば、メッセージや、そこで動作するゲームなどのアプリケーションを使用するような場合などの、ＰＵＡの種々の動作を制御するための入力）を監視する実施の形態のあるものでは、感知器／検出器１３は、使用者により入力されるメッセージに加えられる圧力を感知する圧力感知器を有する。これとは別に、または組み合わせて、感知器／検出器１３と、キーロガーのような、ＰＵＡの処理装置上で動作してＰＵＡの使用を判定および記録する機能を有する。

所在地変更２２６を監視する実施の形態では、感知器／検出器１３は、直接または間接にＰＵＡの所在地の変化を検出する。ＰＵＡの所在地の直接検出は、ＰＵＡの所在地とその時間による変化とを検出することにより行われる。この場合に、感知器／検出器１３は、ＧＰＳ受信器のような衛星位置測定システム、超広帯域位置検出器、携帯電話位置検出器、到着位置角度検出器、到着位置時間差検出器、拡張信号強度位置検出器、位置指紋位置検出器、慣性位置検出器、近距離位置信号受信器または他の適当な位置検出器を有する。ＰＵＡの所在地変化の間接検出は、ＰＵＡの所在地に直接または間接に関係するあらかじめ定められたパラメータを検出し、ＰＵＡの所在地の変化が生じたかどうかを、あらかじめ定められたパラメータの変化から判定する。感知器／検出器１３により検出されるそのようなあらかじめ定められたパラメータのひとつとして、ＰＵＡの受信するＲＦ信号の強度の変化があり、そのような場合には、感知器／検出器１３は、ＲＦ信号受信器を有する。所在地変化データが得られる場合に、そのようなデータは、ある実施の形態では、ＰＵＡが過去に居たかどうか、現在携行されているかどうか、そして何時居たかの判定に利用される。

感知器／検出器１３がＰＵＡの他の物体への衝突２３０を監視する実施の形態では、感知器／検出器１３は、ＰＵＡ２の他の物体への衝突のあらかじめ定められたレベルを測定する衝突検出器を有する。ある実施の形態では、感知器／検出器１３は、ＰＵＡ２が他の物体に衝突することにより生じる比較的大きな加速度を検出するための加速度検出器を有する。

ＰＵＡに加わる圧力を監視する実施の形態では、ＰＵＡの外周に配置され、またはそのような外周に機械的に結合された圧力感知器を用い、そのような外周に加わる力を検出する。そのような実施の形態のあるものでは、時間の経過およびまたは所在地と共に変化する外周に加わる圧力を解析し、ＰＵＡがそこに所在しているか、携行されたのか、およびまたは使用中およびまたは非使用かの挙動を判定する。

ＰＵＡの動きを監視するある実施の形態では、ＰＵＡのビデオカメラを動き感知器として使用する。そのような実施の形態のあるものでは、ビデオカメラの出力に提供される映像データの変化（映像全体またはそのひとつの部分または複数の部分のどちらでも）を処理して、映像の動き、または時間経過に伴う映像の動きの大きさを判定し、ＰＵＡの並進または回転移動を検出する。映像の動きまたはそのような動きの大きさを示す運動ベクトルを生成する技術は、その分野ではよく知られている。ある実施の形態では、そのような技術を用いて、ＰＵＡが動いたかどうか、およびまたはそのような動きの大きさを評価する。そのような実施の形態のあるものでは、ビデオカメラにより出力される映像データ（映像全体またはそのひとつの部分または複数の部分のどちらでも）の光強度または色組成の時間経過に伴う変化を用いて、ＰＵＡの動きを検出する。ＰＵＡの動きを監視するある実施の形態では、ＰＵＡの高感度光ダイオードのような高感度光装置を、動き感知器として用いる。動きを特徴づける高感度光装置の出力の時間経過に伴う変化は、ＰＵＡが携行されていることを示すことに役立つ。

ある実施の形態では、１以上のパラメータとしてまた、たとえば図１Ｃに示すように、ＰＵＡに残っている電力、ＰＵＡの再充電、およびまたはＰＵＡをドッキングステーションに結合することによるＰＵＡのドッキング事象を含める。このような実施の形態では、監視システムは、ＰＵＡに残っている電力を監視することにより、およびまたはＰＵＡのドッキングステーションへのドッキングを監視することにより、監視されたデータを生成する。ＰＵＡのドッキングが監視される実施の形態では、監視システムは、ＰＵＡがドッキングステーションに結合されている時間の長さ、ＰＵＡがドッキングステーションに結合されている間の時間周期、ＰＵＡがドッキングされた時刻、ＰＵＡがドッキングステーションから外された時刻、ＰＵＡがドッキングステーションに結合されているかどうか、およびまたはＰＵＡがドッキングステーションに最後にドッキングされてからの経過時間を監視する。

ある実施の形態では、監視データには、ＰＵＡ使用者の同一性の確認に使用することができるデータが含まれる。たとえば、使用者の１以上の生体パラメータを感知器／検出器により監視すると、監視データには、使用者の心拍数または他の心臓活動またはパラメータ、ＥＥＧ、血液酸素動態、呼吸速度または他の呼吸活動またはパラメータ、腹鳴、足取り、声、声の解析、キー、キーパッドまたはキーボードの使用特性指紋、掌紋、掌形、心拍、網膜または虹彩パターン、臭覚特性または他の生体標識、筋肉活動のパターン、血管パターン、顔または耳パターン、署名、およびまたは１回またはあらかじめ定められた周期で複数回検出された体温の１以上を示すまたは関連するデータが含まれる。ある実施の形態では、使用者を信号発信器１４からの信号により識別できる。他の例では、ＰＵＡの所在地変化が監視されると、監視データには、ＰＵＡの特定の所在地またはその変化に関するデータ、およびまたは、あらかじめ定められた時間の間に１回または複数回検出されたＰＵＡの特定のＲＦ信号強度に関するデータを含むことができる。

図３Ａに戻って参照すると、使用者の生体パラメータ、外部音、ＰＵＡ所在地または所在地変化、データ入力、ＰＵＡに加わる圧力、ＰＵＡの他の物体との衝突、信号発信器１４からの信号、ＰＵＡの動き、ＰＵＡの電力レベル、再充電およびＰＵＡのドッキングステーションへのドッキングの少なくともひとつを監視して生成された監視データを使用して、使用者によるＰＵＡの使用が事前決定使用基準を順守しているか、およびまたは使用者の順守レベルを判定する（ステップ２４２）。ある実施の形態では、順守状態およびまたは順守レベルの決定は、ＰＵＡ内でその処理装置により実行する。一方、別な実施の形態では、ＰＵＡ内で生成した監視データをその通信部を介して処理装置５に伝達し、処理装置５が使用者の順守状態およびまたは順守レベルを判定する。

ある実施の形態では、順守状態およびまたは順守レベルの判定は、監視データとして示したようなパラメータ、すなわち、ＰＵＡが携行され、およびまたは監視時間に充電されかどうか、およびまたは、あらかじめ定められた回数または時間、ＰＵＡがドック入りおよびまたはドックから外されたかどうかを判定するための、１以上の監視パラメータの検出または非検出に基づいて実行される。上述したように、監視データがより特定のあるいは排他的なデータを含む実施の形態では、順守状態およびまたは順守レベルの判定には、ＰＵＡが携行されているかどうかの判定だけでなく、ＰＵＡが特定の使用者により携行されていることの確認が含まれる。特に、監視データが特定の使用者に対して蓄えられたデータと対応する場合には、ＰＵＡを携行している使用者が特定の使用者であると判定する。しかし、監視データが特定の使用者に対して蓄えられたデータと対応していない場合には、ＰＵＡを携行している使用者が特定の使用者ではないと判定する。ＰＵＡ使用者が事前決定使用基準を順守しているかどうかの判定、およびまたは使用者の順守レベルの判定は、ＰＵＡが携行されているかどうか、およびＰＵＡを携行している使用者が特定の使用者かどうかの判定に基づいて行う。

ある実施の形態では、ＰＵＡが特定の使用者により携行されていたと判定されるときには、ＰＵＡの使用が事前決定使用基準を順守していると判定し、ＰＵＡが携行されていなかったと判定されるときには、順守してないと判定する。監視システムおよび事前決定使用基準の要求により、いくつかの実施の形態では、ＰＵＡが特定の使用者以外の誰かにより携行されていたと判定されるときでも、ＰＵＡの使用が順守され、もしくは部分的に順守されていると判定する。しかし、他の実施の形態では、監視システムは、ＰＵＡが特定の使用者以外の誰かにより携行されていたと判定されると、ＰＵＡの使用が事前決定使用基準を順守していないと判定する。

順守レベルの判定について、ある実施の形態では、ＰＵＡが特定の使用者により携行されたと判定されるときに、最も高い順守レベルであると判定し、ＰＵＡが携行されていなかったと判定されるとき、最も低い順守レベルであると判定する。ある実施の形態では、監視中のすべてまたは何回か、ＰＵＡが特定使用者以外の誰かにより携行された場合には、最も高いレベルよりは低いが最も低いレベルよりは高い中間レベルの順守と判定する。中間レベルの順守の値は、複数の判定を行うのであれば、ＰＵＡが特定使用者以外の誰かにより携行されていたのが常時か時々か、および、ＰＵＡが特定使用者以外の誰かにより携行されていたと判定される回数に依存する。

図３Ａに示すように、ＰＵＡの使用者は、オプションとして、使用者の事前決定使用基準の順守に対して、報酬を受け取ることができる。上述の議論のように、ＰＵＡの適正使用に対する見返りとしての使用者への報酬の提供は、使用者に、将来のＰＵＡ使用の要求に応じる刺激を与える。監視システムが使用者に報酬を提供する実施の形態では、使用者への報酬は、順守状態およびまたは順守レベルの判定（ステップ２４２）が行われた後に決定される（ステップ２４４）。報酬の決定は、使用者が事前決定使用基準を順守しているかどうかに基づいて、およびまたは使用者の順守レベルに基づいて行われ、ＰＵＡ内または処理装置内で実行される。図２Ａおよび図２Ｂに関連して上述したように、使用者への報酬には、現金、クレジット、物品の購入に利用できるポイント、サービス、その他の使用者の利益が含まれる。

図３Ａにも示したように、ある実施の形態では、監視システムは、オプションとして、順守状態およびまたは順守レベルおよびまたは使用者の獲得した報酬を示すメッセージを、ＰＵＡ使用者に伝達する（ステップ２４６）。これらの実施の形態では、メッセージとして、電話呼、文章メッセージ、音声メール、音声メッセージ、映像、電子メール、ウェブページ、紙の通知、あるいは他の使用者への適切な表示等の形態を用いることができる。このような実施の形態のあるものでは、光をイルミネーションまたは点滅させ、あるいは音を間隔をあけて（たとえば１分ないし５分の間隔で）放出して（音声メールの通知と同様に）、順守または非順守を示す。光または音による通知が非順守を示す場合には、その強度およびまたは頻度を時間経過とともに増やして、使用者の注意を引くようにする。図１Ｂを参照すると、順守状態、順守レベルおよびまたは報酬の決定を、ＰＵＡの処理装置により実行する場合には、順守状態、順守レベル、およびまたは報酬をＰＵＡの使用者に通知することができる。一方、順守状態、順守レベルおよびまたは報酬の決定を処理装置５で実行する場合には、メッセージをＰＵＡに送って使用者に提示し、あるいは、メッセージを他の手段により使用者に通知することができる。

上述したように、使用者への報酬の決定（ステップ２４４）および使用者へのメッセージの通知（ステップ２４６）は、オプションである。したがって、当然、監視システムは、ＰＵＡの構成および監視システムの要求に依存して、それらの動作の双方または一方を実行するか、あるいはそれらの動作を実行しないことができる。

ある別の実施の形態では、使用者による調査装置の使用を監視するための方法およびシステムは、１以上のパラメータを監視することにより監視データを生成し、監視データに基づいて使用者を識別する識別データを生成し、識別データに基づいて、使用者による調査装置の使用が少なくともひとつの事前決定使用基準を順守しているかどうかを判定する。図３Ｂは、この実施の形態の監視システムにより実行される動作を示す。ここで、調査装置はＰＵＡを有するが、この監視シスタムはまた、調査装置がＰＵＡを有していない実施の形態にも適用できる。図３Ｂにおいて、監視システムにより実行される動作のうち、図３Ａに示されたものと同等のものは、図３Ａと同じ参照番号で示す。

図３Ｂに示すように、監視システムは、使用者の生体パラメータ２２２、外部音、存在表示信号、個人識別信号２２４、ＰＵＡ所在地、ＰＵＡ所在地の変化２２６、ＰＵＡに入力されるデータ２２８およびＰＵＡの他の物体との衝突、ＰＵＡの動き、ＰＵＡに加わる圧力２３０の少なくともひとつを監視する。図３Ａに関連しておよび図２Ｂを参照して議論したように、監視はＰＵＡ内の感知器／検出器１３により実行し、この監視の結果として、監視したパラメータに関する監視データを提供する。これらの実施の形態のあるものでは、監視システムは、ＰＵＡ（およびその単独の使用者である個人）に割り当てられたパネリストの１以上の署名、特徴セットまたは他の特性データを蓄積し、監視データをそれと比較して、データの一致を判定する。この比較が、ＰＵＡが実際に携行されているか、およびまたは正しい使用者により使用されているか、の指標を提供する。たとえば、監視システムがＰＵＡの外部音を監視する場合、監視データは、外部音が検出された指標だけでなく、検出された音の解析、検出された音の周波数、音声識別データ等の検出された音に関するデータを含み、このようなデータから、蓄積された署名または特徴セットと比較してＰＵＡが正しい使用者に占有されていなかどうかの評価するための、音署名または特徴セットを生成することができる。ある実施の形態では、監視データは、ＰＵＡが携行されているかどうかの判定に使用される。したがって、たとえば、監視システムがＰＵＡの所在地変更を監視する場合、監視データは、ＰＵＡの所在地の変化を示すだけでなく、ＰＵＡがそれを携行している使用者の占有にあると推測することのできるデータを含んでいる。

図３Ｂを参照すると、上述したパラメータの１以上を監視して生成された監視データを使用して、今度は、ＰＵＡの使用者を識別するために使用する識別データを提供する（ステップ２５１）。ある実施の形態では、識別データは、ＰＵＡおよびまたはドッキングステーションにより提供される。一方、別の実施の形態では、監視データは、ＰＵＡから処理装置５に通信部を介して伝達され、処理装置５が、監視データに基づいて識別データを提供する。ある実施の形態では、識別データは、監視データを少なくとも１人のＰＵＡ使用者に関してあらかじめ蓄えたデータと比較することにより提供され、これにより、ＰＵＡ使用者の同一性を判定し、およびまたは、ＰＵＡ使用者があらかじめ蓄えられたデータに対応する特定の使用者であることを確認する。あらかじめ蓄えたデータは、前もって特定の使用者から得たＰＵＡ使用者に関連するデータに基づくものでもよく、あるいは、以前に収集した監視データに基づくものでもよい。使用者の同一性に関する識別データを提供することにより、特定の人物であって他人ではない人がＵＰＡを携行していること、およびまたは使用していることを確認するように、監視システムが変形される。

識別データが生成されるとき（ステップ２５１）、監視システムは、ＰＵＡの使用が少なくともひとつの事前決定使用基準を順守しているかどうか、およびまたは使用者の順守レベルを判定する（ステップ２４２）。この判定は、使用者を識別する識別データに基づいて行われる。いくつかの実施の形態では、識別データが、ＰＵＡを携行している、およびまたは使用している人が、対応するあるいは正しいＰＵＡ使用者であることを示している場合に、監視システムは、ステップ２４２において、ＰＵＡ使用者が少なくともひとつの事前決定使用基準を順守していると判定する。使用者の順守レベルは、ＰＵＡが事前決定使用基準を順守して携行され、およびまたは使用されているか否かに基づいて、および、識別データが、ＰＵＡを携行し、およびまたは使用している人物がＰＵＡに対応する使用者に一致することを示しているかどうかに基づいて、さらには、順守使用が示される頻度に基づいて、判定することができる。したがって、たとえば、識別データが、ＰＵＡがそのＰＵＡの特定使用者に相当する使用者により携行されたことを示すときには、第１レベルの順守と判定し、識別データが、ＰＵＡがそのＰＵＡの特定使用者に相当しない使用者により携行されたことを示すときには、第１レベルの順守より低い第２レベルの順守と判定し、識別データが、ＰＵＡが誰にも携行されていないことを示しているときには、第１レベルと第２レベルの双方よりも低い第３レベルの順守と判定する。もちろん、これらの順守レベルは一例であり、レベルの数、およびどのようにしてそれらのレベルを判定するかは、種々変更が可能である。

図３Ａに示すように、ある実施の形態では、監視システムは、事前決定使用基準を順守する使用者に報酬を提供し（ステップ２４４）、およびまたは、順守状態、順守レベルおよび報酬の少なくともひとつを示すメッセージ使用者に送る。特に、使用者の順守状態および順守レベルの判定の後、ある実施の形態では、監視システムは、ＰＵＡの使用者に報酬を決定し（ステップ２４４）、およびまたは、使用者の順守状態、順守レベルおよびまたは使用者の報酬を示すメッセージを使用者に通知する（ステップ２４６）。これらの動作は図３Ａに関連して上述した動作、および図２Ａに関連して上述したステップ１０８および１１０、図２Ｂに関連して上述したステップ２０６および２０８と同等である。したがって、ここでは、詳細な説明は不要である。

ここで説明するある実施の形態では、調査装置の少なくともひとつの事前決定使用基準に従う使用を監視する方法および装置は、応答を要求するメッセージを伝達することにより、使用者による調査装置の使用を能動的に監視し、調査装置が、少なくともひとつの事前決定使用基準を順守して使用されているかどうかを示す少なくともひとつのパラメータを送ることにより、使用者による調査装置の使用を受動的に監視する。図４は、調査装置がＰＵＡを有する実施の形態における監視システムにより実行される動作を説明する図である。他の実施の形態では、監視システムはＰＵＡを有していない調査装置を監視する。

図４に示すように、この監視システムは、能動的および受動的にＰＵＡの使用を監視する。ＰＵＡ使用の能動監視２０６は、少なくともひとつの事前決定使用基準を順守していることを示すための使用者による動作を要求し、特に、使用者に要求メッセージへの応答を要求する要求メッセージを伝達することを含む。このような能動監視は、図２Ａおよび図２Ｂに関連して説明した監視システムの動作（ステップ１００、１０２および１０４）と同等であり、詳細な説明はここでは不要である。

能動監視２６０とは異なり、受動監視２６２は、使用者が実行してＰＵＡ使用基準を順守していることを示すべきどのような特定の動作も要求せず、ＰＵＡが、少なくともひとつの事前決定使用基準を順守して使用されているかどうかを示す１以上のパラメータを伝達または検出する。図１Ｂを参照すると、伝達または検出はＰＵＡ２内の感知器／検出器１３により実行され、限定するわけではないが、使用者の生体パラメータの伝達、存在表示信号または個人識別信号の検出、外部音の伝達、ＰＵＡの所在地の検出、データ入力の検出、ＰＵＡに加わる圧力の伝達、再充電、電力容量およびまたはＰＵＡのドッキングの検出、およびＰＵＡの他の物体との衝突の検出を含む。これらの受動監視動作は、図３Ａおよび図３Ｂに関連して上述したものと同等であり、したがって、これらの詳細な説明は不必要である。

ある実施の形態では、ＰＵＡは、受動監視を実行して，受動監視データを生成する。監視システムがＰＵＡに要求メッセージを伝達すると、ＰＵＡは、受動監視データを含むおよびまたは受動監視データに基づく応答を自動的に生成して、その応答を監視システムに伝達する。監視システムは、受動監視データに基づいて、ＰＵＡの使用が少なくともひとつの事前決定使用基準を順守しているかどうかを判定する。このような実施の形態のあるものでは、ＰＵＡは、その応答を、ＰＵＡがあらかじめ定められた予定に従って携行された時点で伝達する。そのような実施の形態のあるものでは、監視システムは、要求を、ＰＵＡがあらかじめ定められた予定に従って携行された時点で伝達する。

図５は、調査装置を携行するように変形された携帯電話２０のブロック構成図である。携帯電話２０は、全体の制御を実行し、伝達または受信のための音声および他のデータを処理するように動作する処理装置３０と、処理装置３０に結合され、処理装置３０の制御の下で、対応する通信圏の携帯電話網に双方向無線通信リンクを確立して維持するために必要な機能を実行するように動作する通信部４０とを有する。ある実施の形態では、処理装置３０はまた、携帯電話通信を行うための付随的な、または関係のないアプリケーションを実行するように動作する。このようなアプリケーションとしては、音声およびまたは映像データをダウンロードして携帯電話２０により再生するアプリケーション、電子メールのクライアント、使用者が携帯電話２０を用いてゲームをできるようにするアプリケーション等がある。ある実施の形態では、処理装置３０を２以上の処理デバイスで構成し、第１の処理デバイスは音声を処理し（ディジタル信号処理装置のように）、第２の処理デバイスは携帯電話２０の動作の全体の制御を実行する。ある実施の形態では、処理装置３０として、単一の処理デバイスを使用する。ある実施の形態では、処理装置３０の機能の一部または全部をハードウェアの回路により実施する。

携帯電話２０はまた、処理装置３０に結合され、必要とされるデータを蓄積するように動作する蓄積装置５０を有する。ある実施の形態では、蓄積装置５０は単一の蓄積デバイスからなり、他の実施形態では、複数の蓄積デバイスからなる。ある実施の形態では、単一のデバイスで処理装置３０と蓄積装置５０との双方のある機能を実施する。

さらに、携帯電話２０は、処理装置３０に結合されたマイクロホン６０を有し、使用者の音声を電気信号に変換する。変換された電気信号は、符号化のために処理装置３０に供給され、処理装置３０に結合されたスピーカおよびまたはイヤホン７０に供給される。スピーカおよびまたはイヤホン７０は、処理装置３０から受け取った音声を使用者が聞くことのできる音声出力に変換する。携帯電話２０はまた、処理装置３０に結合され電話番号および他の制御データをするためのキーパッド等の使用者入力部８０を有し、処理装置３０に結合され処理装置３０の制御の下でデータを視覚的に提供する表示部９０を有する。

ある実施の形態では、携帯電話２０は、付加的機能が設けられ、およびまたは、付加的な構成部分を有している。そのような実施の形態のあるものでは、携帯電話２０が、その無線通信能力によって、電子メール、文書メッセージ通信、およびまたはウェブアクセスを提供し、メディアおよび他のコンテンツへのアクセスを提供する。たとえば、携帯電話２０によるインターネットへのアクセスは、歌、ビデオ・オン・デマンド、ビデオクリップおよびストリーミングメディア等の、使用者のために携帯電話により再生できる映像およびまたは音声コンテンツへのアクセスを可能とする。ある実施の形態では、蓄積装置は、音声およびまたは映像のダウンロードおよび再生の機能を提供するｉＰｏｄ（登録商標）ソフトウェアのようなソフトウェアを蓄える。このようなソフトウェアは、パーソナルコンピュータなどのソースから通信部４０を介して、またはインターネットへのアクセスにより通信部４０を介してダウンロードしたオーディオおよびまたはビデオのコンテンツを、使用者が再生できるようにする。

携帯電話２０が、番組、音楽および広告等の音声に接していることを示す調査データを収集できるように、調査ソフトウェアを蓄積装置５０にインストールし、処理装置３０を制御して、そのようなデータを収集し、それを通信部４０を介して調査組織に伝達する。調査ソフトウェアは、ある実施の形態では、処理装置３０も制御して、その後の通信のためのデータを蓄える。

ある実施の形態では、調査ソフトウェアは、処理装置３０を制御し、マイクロホン６０からの変換音声に含まれる上述した１以上の公知の技術を用いる付随符号を復号し、復号化されたデータを蓄積およびまたは伝達する。このデータが、使用者が接した符号化された音声を表す調査データとして使用される。ある実施の形態では、調査ソフトウェアは、処理装置３０を制御し、マイクロホン６０からの変換された音声から、上述したものと同等の１以上の公知技術を用いて署名を抽出し、蓄積および伝達する。抽出した署名データを調査データとして使用し、既知の音声を表す参照署名との一致により、使用者が接した音声を検出することができる。ある実施の形態では、調査フソトウェアは、使用者が接した音声を識別するために、変換された音声内の付随符号の復号と、そこからの署名の抽出との双方を行う。ある実施の形態では、調査ソフトウェアは、処理装置３０を制御し、変換された音声の標本を、後続の処理のために圧縮した形式または圧縮しない形式で、付随符号を復号して、またはそこから署名を抽出して、蓄積する。これらの実施の形態のあるものでは、圧縮または非圧縮の音声を、復号およびまたは署名抽出のため、遠隔の処理装置に伝達する。

携帯電話２０には、提示データのダウンロードおよびまたは再生の機能を有しているものがある。そのような場合に、ある実施の形態では、マイクロホン６０により音響的に受け取った音声データだけでなく、そのような提示データの使用およびまたは接触に関する調査データを、図５Ａの機能的ブロック構成図に示す技術に従って、携帯電話２０により収集する。図５の蓄積装置５０は、マイクロホン６０を使用して収集した音声データのための音声バッファ５４を実現する。そのような実施の形態の蓄積装置５０のあるものは、使用者がスピーカおよびまたはイヤホン７０または表示部９０を介して接する携帯電話２０により、または、データを携帯電話２０から受信してそれを使用者に提示する携帯電話２０に結合された装置によりダウンロードおよびまたは再生された提示データのための、バッファ５６を実現する。そのような実施の形態のあるものでは、再生されたデータが、ダウンロードされた歌、ウェブページまたは音声／映像データ（たとえば映画、テレビジョン番組、ビデオクリップ）のようなデータから得られる。このような実施の形態のあるものでは、再生されたデータは、携帯電話２０内の放送または衛星ラジオの受信器のような装置（簡潔さおよび明確さのため図示せず）から提供される。これらの実施の形態のあるものでは、蓄積装置５０は、提示データのメタデータに対するバッファ５６を実現する。メタデータは、携帯電話２０により再生され、使用者が、スピーカおよびまたはイヤホン７０または表示部９０を介して接するデータである。また、メタデータを、携帯電話２０に結合され携帯電話２０からデータを受け取って使用者に提供する装置により再生することもできる。このようなメタデータは、たとえば、そこから提示データが得られるＵＲＬ、チャンネル同調データ、プログラム識別データ、そこからデータが再生されたあらかじめ記録されたファイルの識別子、あるいは提示データを識別およびまたは特徴付けるいずれかのデータ、またはそのソースである。

処理装置３０は、蓄積装置５０内にそれぞれ蓄積するバッファ５４および５６のそれぞれの内容から分離して、調査データを生成する。このような実施の形態のあるものは、バッファ５４、５６の一方または双方が、循環バッファとして実施される。この循環バッファは、あらかじめ定められた量の音声データを蓄えるバッファであり、マイクロホン６０により受信し、およびまたはスピーカおよびまたはイヤホン７０により再生し、または携帯電話２０に結合された他の装置により再生するために携帯電話２０によりダウンロードしたデータの、最新の時間間隔のものを蓄える。処理装置３０は、署名を抽出し、およびまたは、バッファに蓄えられた音性データ内の付随符号を復号して、調査データを生成する。メタデータをバッファ５６内に受け取っている場合、ある実施の形態では、メタデータの全てまたは一部を調査データ５８として用いるか、あるいは、メタデータを処理して調査データ５８を生成する。したがって、このようにして収集された調査データ５８は、使用者による音声データへの接触または使用を表現する。ここで、音声データは、携帯電話２０により音響の形態で受信され、提示データは、非音響の形態で（たとえば、携帯電話通信のように、ケーブルを介するパーソナルコンピュータまたは他の装置からの電気信号のように、放送または衛星信号その他のように）受信される。

ある実施の形態では、携帯電話２０には、調査データ源９６が設けられる。この調査データ源９６は有線または無線結合により処理装置３０に結合され、調査組織に伝達すべきさらなる調査データまたは代わりの調査データの収集に利用される。これらの実施の形態のあるものでは、調査データ源９６が位置データ生成装置または機能を有し、携帯電話２０の所在地を示すデータを提供する。調査データ源９６としての使用に適切な種々の装置には、衛星位置信号受信器、地球位置信号受信器、ネットワークから位置データを受信する無線ネットワーク装置、慣性位置監視装置および携帯電話サービス提供者により提供される位置データ生成サービスが含まれる。ある実施形態では、調査データ源９６は、印刷媒体への接触を監視し、使用者が在宅か外出しているかを判断し、製品への接触、表示（屋外広告のような）への接触、商業施設内またはその近くの存在の監視し、あるいは、携帯電話２０の使用者への調査の執行による調査データ（消費者動向、好み、または意見データ等）を収集する。ある実施の形態では、調査データ源９６は、データの受信、感知または検出のためのデータ、およびまたは、前述の機能、他の調査データを収集する機能およびまたは調査データの収集、蓄積およびまたは伝達の機能に付随するデータを生成するため、１以上の装置により構成される。付随するデータとは、パネリストがあらかじめ定められたルールを順守しているかどうかを示し、そのような順守の能動性または大きさを管理するようなデータである。調査データ源９６を構成する１以上の装置には、限定するわけではないが、動き検出器、加速度計、温度検出器、近接検出器、衛星位置信号受信器、ビデオカメラ、可視または赤外線または他の放射エネルギを使用する画像読取装置、化学物質感知器、ディジタル手書きタブレット、血流感知器、パルスオキシメータ、脈拍計、ＲＦＩＤ読取器、ＲＦ受信器、無線ネットワーク・トランシーバ、無線装置結合トランシーバ、圧力検出器、変形検出器、電界感知器、磁界感知器、光感知器、電極（ＥＥＧおよびまたはＥＫＧ電極のような）、音声感知器等が含まれる。ある実施の形態では、そのような装置が携帯電話内に設けられて使用者の利益となる機能を提供しており、その能力を利用して、調査データを収集、およびまたはパネリストが事前決定使用基準を順守しているかどうかを示すデータを収集する。そのような装置には、限定するわけではないが、マイクロホン、ビデオカメラおよび衛星位置信号受信器が含まれる。

ある実施の形態では、図１Ｂ、図３Ａおよび図３Ｂに関連して上述した感知器／検出器１３のように、専用の装置が携帯電話２０内または携帯電話２０に付随して設けられ、順守を評価するためのデータを収集する。そのような実施の形態のあるものでは、感知器／検出器１３が、使用者からのディジタル手書き署名の入力に使用されるディジタル手書きタブレットを有し、携帯電話２０が正しい人物により携行されていかどうかを評価する。公知の手書き識別技術に従って、蓄積装置５０が署名認識ソフトウェアを蓄積し、この署名認識ソフトウェアが処理装置３０を制御して、ディジタル手書きタブレットにより入力された現在の使用者の署名を、正しい使用者の手書き署名として蓄えられたテンプレートと比較して、一致するかどうかを判定する。一致処理の結果に基づいて、現在の使用者の署名が蓄えられたテンプレートにより表現される署名と一致するかどうかを示すデータを生成し、携帯電話２０の現在の使用者が、調査データを収集するために携帯電話を携行して使用すると認められたパネリストと同じかどうかを評価する。パネリストの署名のテンプレートは、署名認識ソフトウェアの練習モードで生成される。すなわち、パネリストがディジタル手書きタブレットを用いて１以上の署名を入力し、それらの署名から処理装置３０によりテンプレートを生成し、蓄積装置５０に蓄える。そのような実施の形態のあるものでは、携帯電話２０に、ノートを持っているような使用者の利益となる機能を可能とするために、ディジタル手書きタブレットが設けられており、その場合には、感知器／検出器１３として専用のディジタル手書きタブレットを設ける必要はない。

そのような実施の形態のあるものでは、声紋認識技術を利用して、携帯電話２０が正しい人に携行されているかどうかを評価する。公知の声紋認識技術に従って、蓄積装置５０が音声認識ソフトウェアを蓄積し、この音声認識ソフトウェアが処理装置３０を制御して、マイクロホン６０により入力された現在の使用者の音声を、正しい使用者の音声について蓄えられた声紋と比較し、一致するかどうかを判定する。一致処理の結果に基づいて、現在の使用者の音声が、蓄えられた声紋により表される音声と一致するかどうかを示すデータを生成し、携帯電話２０の現在の使用者が、調査データを収集するために携帯電話を携行して使用すると認められたパネリストと同じかどうかを評価する。パネリストの声紋は、音声認識ソフトウェアの練習モードで生成される。すなわち、パネリストがマイクロホン２０に話してデータを生成し、そのデータから処理装置３０により声紋を生成し、蓄積装置５０に蓄える。そのような実施の形態の種々のものは、使用者の声紋を異なる条件で抽出する。そのような実施の形態のひとつでは、使用者の声紋を、監視システムからの要求メッセージに応答して、使用者が携帯電話で音声呼の電話をかけるときに抽出する。そのような実施の形態の別のものでは、処理装置３０は、マイクロホン６０の出力から連続的に声紋を抽出し、あるいは、あらかじめ定められた時間または間隔で、携帯電話２０を用いて電話呼を行ったとき、またはマイクロホン６０の出力が誰かが話していることを示しているとき（たとえば、出力の強度により、およびまたはその時間およびまたは周波数特性により示される）に、声紋を抽出する。

そのような実施の形態のあるものでは、感知器／検出器１３は、ビデオカメラ等の映像化装置や、他の放射エネルギ検出器、たとえばＣＣＤまたは他の光ダイオード配列により実現されるライン・スキャナ等を有する。これを、虹彩、網膜、使用者の顔の全体または一部の映像、指、手のひら、手または耳のような、使用者の物理的特徴の映像化または走査線読取によるデータの入力に用い、携帯電話２０が正しい人に携行されているかどうかを評価する。虹彩または網膜映像の場合には、入力データを処理して、虹彩または網膜パターン符号を抽出する。顔の映像の場合には、処理により、顔の骨格構造を表す特徴セットのような、使用者に特有のデータを抽出する。指、手のひらまたは手の映像の場合には、処理により指紋または掌紋を抽出するか、または他の掌形または組織血管構造のような特徴データを抽出する。公知のパターン認識技術に従って、蓄積装置５０がパターン認識ソフトウェアを蓄積し、このパターン認識ソフトウェアが処理装置３０を制御して、感知器／検出器１３により入力された現在の使用者の虹彩または網膜パターン符号、顔署名または特徴セット、またはその他の特徴データを、この場合には、正しい使用者について蓄えたパターン符号、署名、特徴セット、または他の特徴データと比較し、一致するかを判定する。このような特徴データは蓄積装置５０に蓄えられるか、または、別の装置、システム、あるいは処理設備に蓄えられる。一致処理の結果に基づいて、データをパターン認識ソフトウェアの制御の下で動作する処理装置３０により生成し、携帯電話２０の現在の使用者が、調査データを収集するために携帯電話２０を携行して使用すると認められたパネリストと同一であるかどうかを評価する。正しい使用者のパターン符号、署名、特徴セット、または他の特徴は、パターン認識ソフトウェアの練習モードで生成される。すなわち、パネリストの適切な物理的特徴を感知器／検出器１３を使用して１回または複数回映像化または読取走査し、処理装置３０により所望のデータを生成して、蓄積装置５０に蓄える。ある実施の形態では、関連する物理的特徴を複数の異なる方向から読取走査または映像化し、所望のデータを生成する。上述した実施の形態のあるものでは、携帯電話２０に、ディジタル写真またはビデオ映像化のような使用者の利益となる機能を可能とするためのディジタルカメラが設けられており、その場合には、感知器／検出器１３として専用の映像化装置または読取走査装置を設ける必要はない。

使用者入力部８０が１または複数のキーを有するような実施の形態のあるものでは、キーボード・ダイナミックス技術を使用し、携帯電話２０が正しい人に使用されているかどうかを評価する。公知のキーボード・ダイナミックス技術では、蓄積装置５０がキーストローク監視ソフトウェアを蓄え、このキーストローク監視ソフトウェアが処理装置３０を制御して、使用者がどれだけ長く入力部８０のキーを押さえつけるか、ひとつのキーストロークと次との間の遅れ（「レイテンシー」として知られている）、デリートキーのような特定のキーの使用頻度等を示すデータのような、特徴的キーストローク・パラメータを収集する。他のパラメータとして、タイプ速度や、使用者が使用するキーの組み合わせ（キーボード・ショートカット等）の使い方を、処理装置３０により監視することもできる。これらのパラメータを公知の方法で処理して、使用者のキー使用スタイルを特徴付ける特徴セットを生成し、この特徴セットを、正しい使用者のスタイルを表現する蓄えられた特徴セットと比較する。この比較の結果に基づいて、現在の使用者のキー使用スタイルが、蓄えられた特徴セットにより表される正しい使用者のものと一致するかどうかを示すデータを生成し、携帯電話２０の現在の使用者が、調査データを収集するために携帯電話２０を携行して使用すると認められたパネリストと同一であるかどうかを評価する。パネリストの使用スタイルを表す特徴セットは、ソフトウェアの練習モードで生成される。すなわち、パネリストが使用者入力部８０の１または複数のキーを使用してデータを生成し、このデータから、処理装置３０により特徴セットを生成して、蓄積装置５０に蓄える。

そのような実施の形態のあるものでは、感知器／検出器１３が加速度計のような動き検出装置を有し、この動き検出装置が、携帯電話２０の動きに関連するデータを生成する。このデータを使用して、携帯電話２０の動き、およびその携帯電話を携行する人の足どりを特徴付ける特徴セットを生成する。公知の足どり識別技術に従い、蓄積装置５０がパターン認識ソフトウェアを蓄え、このパターン認識ソフトウェアが処理装置３０を制御して、現在の使用者の足どり特徴セットを、正しい使用者の足どりを表す蓄えられた参照特徴セットと比較し、一致するかどうかを判定する。一致処理の結果に基づいて、現在の使用者の足どりが、蓄えられた特徴セットにより表される足どりと一致するかどうかを示すデータを生成し、携帯電話２０の現在の使用者が、調査データを収集するために携帯電話２０を携行して使用すると認められたパネリストと同一であるかどうかを評価する。パネリストの足どりの特徴セットは、パターン認識ソフトウェアの練習モードで生成される。すなわち、パネリストが携帯電話２０を携行して歩き回り、その一方で感知器／検出器１３がデータを生成する。このデータから、処理装置３０が参照特徴セットを生成し、蓄積装置５０に蓄える。このような実施の形態のあるものでは、携帯電話２０にゲーム用入力またはスクロールコマンド入力のような使用者の利益となる機能を可能とするための入力装置が設けられており、そのような場合には、感知器／検出器１３として専用の加速度計を設ける必要はない。

そのような実施の形態のあるものでは、多数の装置およびパターン認識技術を使用して、単独のパターン認識技術を用いて可能となる以上に正確で信頼性のある使用者の識別を行うことができる。ある実施の形態では、１以上のそのようなパターン認識技術、または他の受動データ収集技術用いて、携帯電話２０が正しい使用者の占有ではない可能性があるときを評価する。そのような検出は、監視された特徴セットが正しい使用者の特徴を表す蓄えられた特徴セットから異なると処理装置３０より判定された総数に基づいて行うことができる。処理装置３０が、携帯電話２０が正しい使用者により占有されていないと示すデータを生成したときに、ある実施の形態では、処理装置３０が携帯電話２０のスピーカ、イヤホンまたは視覚表示器を制御し、使用者に、使用者の識別子が正しい使用者のものか異なる人のものかを判定できる応答を要求するメッセージを提示するか、あるいは、処理装置３０が通信部４０を介して監視システムに、そのようなメッセージを使用者に提示すべきであることを示すメッセージを送信する。後者の場合、監視システムは、処理装置３０からのそのようなメッセージに応答して、使用者への提示のためのメッセージを携帯電話２０に送り、使用者からの適切な応答を要求する。このときの使用者からの応答により、使用者の識別子が正しい使用者のものか、他の誰かのものかを、処理装置３０または監視システムのいずれかにより判定することができる。そのようなメッセージに対する使用者の応答を使用して、実際の使用者が正しい使用者かどうかを判定する。

本発明の種々の実施の形態について、部品、特徴等の特定の構成を参照して説明したが、これらはすべての可能な構成または特徴の排除を意図したものではなく、当業者にとっては、実際に、多くの他の実施の形態、変形および変種が可能である。

Claims (4)

1. 使用者の活動に関連するあらかじめ定められた調査項目のデータの収集に用いられる可搬型調査装置について、その可搬型調査装置の使用者による使用が少なくともひとつのあらかじめ定められた使用基準を順守していることを、上記可搬型調査装置に通信接続される処理装置により監視する方法であり、
   上記可搬型調査装置は、上記調査項目とは別に、上記可搬型調査装置の使用状況に関する少なくともひとつのパラメータを監視し、
   上記処理装置は、
   上記可搬型調査装置の使用者を識別するあらかじめ定められたタイプのデータを要求する要求メッセージを上記可搬型調査装置に伝達し、
   上記可搬型調査装置から伝達された上記あらかじめ定められたタイプのデータを含む応答メッセージを受信し、
   上記可搬型調査装置から、上記可搬型調査装置が収集したデータを調査データとして受信するとともに、上記可搬型調査装置が監視した上記少なくもひとつのパラメータに関するデータを監視データとして受信し、
   上記応答メッセージに基づき上記使用者の同一性を評価して識別データを生成し、
   上記識別データおよび上記監視データに基づいて、上記使用者が、上記少なくともひとつのあらかじめ定められた使用基準を順守しているかどうかを示すデータ、およびまたは上記使用者の順守レベルを示すデータ、を順守データとして生成し、
   生成された上記順守データを上記調査データと共に蓄積装置に蓄積する
   ことを特徴とする順守確認方法。
2. 請求項１記載の順守確認方法において、上記少なくともひとつのパラメータは、上記使用者の生体認証パラメータ、上記可搬型調査装置の外部の音、および上記可搬型調査装置の所在地または所在地の変化のいずれか１以上を含むことを特徴とする順守確認方法。
3. 使用者の活動に関連するあらかじめ定められた調査項目のデータの収集に用いられ、上記可搬型調査装置の使用状況に関する少なくともひとつのパラメータを上記調査項目とは別に監視する機能が設けられた可搬型調査装置について、その可搬型調査装置の使用者による使用が少なくともひとつのあらかじめ定められた使用基準を順守していることを監視するシステムであり、
   上記可搬型調査装置と通信接続可能であり、上記可搬型調査装置の使用者を識別するあらかじめ定められたタイプのデータを要求する要求メッセージを上記可搬型調査装置に伝達し、上記可搬型調査装置から伝達された上記あらかじめ定められたタイプのデータを含む応答メッセージの受信、上記可搬型調査装置が収集したデータの調査データとしての受信、および上記可搬型調査装置で監視された少なくもひとつのパラメータに関するデータの監視データとしての受信を行う通信部と、
   この通信部に結合され、上記応答メッセージに基づき上記使用者の同一性を評価して識別データを生成すると共に、上記識別データおよび上記監視データに基づいて、上記使用者が上記少なくともひとつのあらかじめ定められた使用基準を順守しているかどうかを示すデータ、およびまたは上記使用者の順守レベルを示すデータを順守データとして生成する処理装置と、
   上記通信部および上記処理装置に結合され、上記処理装置から上記順守データを受け取り、上記通信部の受信した上記調査データと共に蓄積する蓄積装置と、
   を有することを特徴とする順守確認システム。
4. 請求項３記載の順守確認システムにおいて、上記少なくともひとつのパラメータは、上記使用者の生体認証パラメータ、上記可搬型調査装置の外部の音、および上記可搬型調査装置の所在地または所在地の変化のいずれか１以上を含むことを特徴とする順守確認システム。

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