JP3699953B2 - テレビ視聴状況調査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はテレビの視聴状況を測定する装置に関し、特にテレビのリモコン信号を受信解析してチャンネル等を判定するテレビ視聴状況調査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビ視聴率を測定するためにサンプル世帯に設置されたテレビ(テレビジョン受像機)で実際に視聴されているチャンネルを測定する方法として、従来より各種の方法が提案ないし実用化されているが、その方法の一つに、テレビの赤外線リモコン(リモートコントローラ)から出力される赤外線信号を受信して解析する調査装置をテレビの近傍に設置する方法がある(例えば、後述する特許文献1参照)。これは、リモコンから出力される赤外線信号はある程度周囲に拡散して伝搬するためにテレビの近傍であれば赤外線信号を傍受できることを利用したものである。しかし、リモコンの向き加減や遮蔽物の存在などによって、リモコンからの赤外線信号がテレビでのみ受信される場合があり、反対に調査装置でのみ受信される場合もあるため、調査装置で認識される視聴中チャンネルとテレビで実際に視聴されているチャンネルとが一致しない状況が発生する。
【0003】
このような問題を解決する従来技術として、後述する特許文献2に記載された赤外線リモコン信号情報検出装置が提案されている。この検出装置では、リモコンから出力される赤外線信号をテレビでは受信できないようにテレビ側のリモコン信号受光部を一種のアダプタで遮蔽しておき、リモコンから出力される赤外線信号を検出装置で受信解析すると同時に信号ケーブル及び前記アダプタを通じてテレビの受光部に再送信する。この方法によれば、リモコンの信号は検出装置を通じてのみテレビに伝達されるため、検出装置で認識される視聴中チャンネルとテレビで実際に視聴されているチャンネルとの食い違いをほぼ無くすことが可能である。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−275607号公報
【特許文献2】
特開平8−280075号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、テレビのリモコン信号受光部は製造メーカや機種によりそれぞれ位置や形状が異なるため、統計的な無作為抽出により選定された視聴率調査対象家庭のテレビすべてに特許文献2による方法を実施するためには、個々のリモコン信号受光部に適合するアダプタを設計する必要があり、実用上困難である。
【0006】
また、特許文献2では、検出装置から再送信した信号がテレビのリモコン信号受光部で正確に受信できるようにアダプタ内の発光素子とテレビ側の受光素子の位置関係を最適化しているが、この最適化の精度が充分でないと特許文献2に記載されるような誤動作が発生する。若し、誤動作すると、検出装置で認識される視聴中チャンネルとテレビで実際に視聴されているチャンネルとに不一致が発生し、正確な測定が行えない。
【0007】
さらに、特許文献1および2に記載される方法では、検出装置で認識される視聴中チャンネルとテレビで実際に視聴されているチャンネルとに食い違いが発生した場合、そのことが視聴者に全く分らないため、その食い違いを修正する機会を視聴者に与えることができず、誤った判定が長く継続されてしまう。
【0008】
またさらに、最近のデジタルテレビ放送などでは、日々更新される電子番組ガイド(EPG)に対して、リモコンの矢印キーなどで番組を選択してチャンネルを切り替えることができる。このようなEPGを利用したチャンネル切り替え操作によって選択されたチャンネルを、EPGに対する一連のリモコン操作信号から検出することは極めて困難である。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みて提案されたものであり、その目的は、チャンネルの切替を赤外線リモコン等のテレビリモコンで行うテレビを対象とした、実用化の容易なテレビ視聴状況調査装置を提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、装置で認識された視聴中チャンネルとテレビで実際に視聴されているチャンネルとに食い違いが発生したことを視聴者が容易に確認でき、その食い違いを修正する機会を視聴者に与えることのできるテレビ視聴状況調査装置を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、EPGを利用したチャンネル切替操作など当該操作にかかるテレビリモコン信号からでは視聴中チャンネルを特定するのが困難なチャンネル切替操作が行われた場合に、視聴者に対してダイレクト選局方法によって視聴中チャンネルを申告するよう促す機能を持つテレビ視聴状況調査装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1のテレビ視聴状況調査装置は、テレビリモコンから出力される信号およびテレビ側では認識されない信号であってテレビの状態と調査装置が認識している前記テレビの状態との食い違いを解消するための信号を出力する調査用リモコンから出力される信号を受信する受信手段と、該受信手段で受信されたリモコン信号を解析してテレビの視聴状況を求める解析手段と、該解析手段で求められたテレビの視聴状況を記録する記録手段と、前記解析手段の解析内容に応じたメッセージを表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の第2のテレビ視聴状況調査装置は、テレビを遠隔操作するための信号および前記テレビ側では認識されない信号であってテレビの状態と調査装置が認識している前記テレビの状態との食い違いを解消するための信号を出力するテレビ兼調査用リモコンから出力される信号を受信する受信手段と、該受信手段で受信されたリモコン信号を解析してテレビの視聴状況を求める解析手段と、該解析手段で求められたテレビの視聴状況を記録する記録手段と、前記解析手段の解析内容に応じたメッセージを表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の第3のテレビ視聴状況調査装置は、第1または第2のテレビ視聴状況調査装置において、前記解析手段は、予め定められた第1の調査用リモコン信号を解析したとき、自身で管理している視聴状態におけるテレビ電源状態を反転させるものであることを特徴とする。
【0015】
本発明の第4のテレビ視聴状況調査装置は、第1、第2または第3のテレビ視聴状況調査装置において、前記解析手段で視聴中チャンネルを特定するのが困難なチャンネル切替操作として予め設定されたリモコン操作が行われたことが判定された場合に、前記表示手段は、ダイレクト選局方法によって視聴中チャンネルを再度選択するよう促す情報を含むメッセージを表示するものであることを特徴とする。
【0018】
ここで、第1乃至第4のテレビ視聴状況調査装置において、前記解析手段で切替先のチャンネルが判定された場合に前記表示手段が表示するメッセージは、前記判定されたチャンネルの情報を含むものであって良い、また、前記解析手段で切替先のチャンネルが判定され且つ該判定されたチャンネルが放送中のチャンネルである場合に前記表示手段が表示するメッセージは、前記判定されたチャンネルの情報を含むものであって良く、また、前記解析手段で切替先のチャンネルが判定され且つ該判定されたチャンネルが非放送中のチャンネルである場合に前記表示手段が表示するメッセージは、非放送中のチャンネルである旨の情報を含むものであって良い。
【0019】
また、第2乃至第4のテレビ視聴状況調査装置において、前記解析手段は、調査対象者の在室を示す予め定められた第2の調査用リモコン信号を解析した時点より、当該調査対象者にかかるテレビ視聴状況の前記記録手段への記録を開始するようにして良く、調査対象者の退室を示す予め定められた第3の調査用リモコン信号を解析したときに当該調査対象者にかかるテレビ視聴状況の記録を停止するようにして良い。また、前記解析手段でテレビの電源オンが判定された場合に前記表示手段が表示するメッセージは、在室しているならば前記第2の調査用リモコン信号を出力するよう調査対象者に促す情報を含むものであって良い。
【0020】
【作用】
本発明のテレビ視聴状況調査装置にあっては、リモコン信号を解析してテレビの視聴状況を求める解析手段の解析内容に応じたメッセージが視聴者に表示されるため、装置で認識された視聴中チャンネルとテレビで実際に視聴されているチャンネルとに食い違いが発生した場合にはそのことが視聴者に容易にわかり、その食い違いを修正する機会を視聴者に与えることができる。また、EPGを利用したチャンネル切替操作など当該操作にかかるリモコン信号からでは視聴中チャンネルを特定するのが困難なチャンネル切替操作が行われた場合に、視聴者に対してダイレクト選局方法によって視聴中チャンネルを申告するよう促す。
【0021】
【発明の第1の実施の形態】
図1を参照すると、本発明の第1の前提例にかかるテレビ視聴状況調査装置101は、テレビリモコン201から出力される信号を受信する受信手段102と、受信手段102で受信されたリモコン信号を解析してテレビの視聴状況を求める解析手段103と、解析手段103で求められたテレビの視聴状況を記録する記録手段104と、解析手段103の解析内容に応じたメッセージを表示する表示手段105とで構成される。
【0022】
テレビリモコン201は、図示しない調査対象テレビを遠隔操作するためのリモートコントローラである。多くの場合、赤外線リモコンが使用されるが、無線によるリモコンが使用される場合もある。通常、テレビリモコン201は、テレビの電源をオンまたはオフする電源ボタン、入力ソースの切替ボタン、音量調整用のアップダウンボタン、チャンネルを一つ前または一つ後に変更するためのチャンネルアップダウンボタン、チャンネルをダイレクトに選局するための数字ボタンを備えている。また、デジタルテレビ放送を受信できるテレビに付属するテレビリモコンの場合、EPGを操作するための矢印キーなどの各種の機能ボタンが備えられている。本前提例におけるテレビリモコン201自体は、特に工夫した箇所はなく、既存のテレビリモコンが使用される。
【0023】
テレビ視聴状況調査装置101は、視聴者がテレビリモコン201の信号出射口を図示しない調査対象テレビに向けてリモコン信号を送信した場合に、そのリモコン信号が受信できるように前記テレビの近傍に設置される。内蔵の受信手段102は、テレビリモコン201から送信されたリモコン信号を受信する部分で、テレビリモコン201が赤外線リモコンの場合には受光素子と増幅器などで構成され、無線リモコンの場合には受信アンテナと増幅器などで構成される。
【0024】
解析手段103は、受信手段102で受信されたリモコン信号をデコードしてテレビに対する操作内容を識別し、自ら管理しているテレビの現在の状態を加味して、テレビの次の遷移状態を決定する。例えば、あるチャンネルをダイレクトに選択するリモコン信号をデコードしたとき、選択されたチャンネルを最新のチャンネルとして決定する。また、チャンネルアップダウンボタンにかかるリモコン信号をデコードしたとき、現在のチャンネルの情報と、アップかダウンかの情報とに基づいて変更後のチャンネルを決定する。さらに、電源ボタンにかかるリモコン信号をデコードしたとき、現在のテレビ状態が電源オフであれば電源オン状態に、現在の状態が電源オンであれば電源オフ状態に遷移させる。
【0025】
解析手段103は、今回の解析結果に基づき新たな測定データを記録する必要がある場合には、測定データを作成して記録手段104に時系列データとして記録する。測定データは、新しいチャンネルの視聴が開始された場合に記録される開始データと、テレビの電源がオフされた場合のようにもはや視聴されなくなった場合に記録される終了データとの2種類がある。開始データには、視聴中チャンネルの情報と開始時刻とが含まれ、終了データには、視聴が終了したことを示す所定の記号やマークと終了時刻とが含まれる。記録手段104には、書き換え可能な不揮発性メモリが一般に使用される。磁気ディスクのような固定型のものであっても良いし、メモリカードのような脱着可能なものであっても良い。また、記録手段104に記録された一連の測定データは、一般に、図示しない通信手段によって調査センタへ送信される。
【0026】
また解析手段103は、テレビ視聴状況調査装置101で認識している最新のテレビ視聴状況を視聴者に確認させるために、今回の解析結果に応じたメッセージを表示手段105に送り、表示手段105は送られてきたメッセージを表示する。表示手段105としては、文字を表示できるものであれば何でも良く、例えばLEDドットマトリクスや液晶パネルを使用することができる。また、事前にパネルに印刷された複数のメッセージの中の一つだけを指し示すLEDや電球であっても良い。メッセージを表示する場面とメッセージ内容の例について、以下説明する。
【0027】
先ず、解析手段103は、切替先のチャンネルを判定した場合、判定したチャンネルの情報を含むメッセージを選択して表示手段105に表示する。この場合、判定したチャンネルが放送中のチャンネルである場合に限ってチャンネルの情報を含むメッセージを表示し、非放送中のチャンネルの場合には、今は放送中のチャンネルを見ていない旨の別のメッセージを表示するようにしても良い。ここで、放送中のチャンネルとは、NHK総合放送のように放送データが受信できるチャンネルのことであり、非放送中のチャンネルとは、放送データが受信できないチャンネルのことである。入力ソースをビデオテープレコーダやテレビゲーム機等の外部ソースに切り替えたような場合も非放送中のチャンネルに含める。
【0028】
このようなメッセージが表示されることにより、視聴者は、テレビ視聴状況調査装置101が正しく認識しているかどうかを容易に確認することができる。例えば、テレビのチャンネルをNHK総合放送に切り替えようとしてテレビリモコン201を操作したとき、テレビの画面はNHK総合放送に切り替わったが、何らかの原因でリモコン信号がテレビ視聴状況調査装置101に届かなかった場合、表示手段105に視聴中チャンネルとしてNHK総合放送を示すメッセージが表示されないため、テレビ視聴状況調査装置101が正しく認識していないことがわかる。反対に、リモコン信号がテレビ視聴状況調査装置101だけで受信される状況が発生すると、NHK総合放送を視聴中である旨のメッセージが表示されるのに対し、テレビの画面が切り替わらないため、同じく正しく認識されていないことを知ることができる。このようなとき、視聴者は、テレビリモコン201を操作して再度同じチャンネルを選局する操作を行うことで、両者の食い違いを修正することができる。
【0029】
また、解析手段103は、視聴中チャンネルを特定するのが困難なチャンネル切替操作として予め設定されたリモコン操作が行われたことが判定された場合、ダイレクト選局方法によって視聴中チャンネルを再度選択するよう促す情報を含むメッセージを選択して表示手段105に表示する。ここで、視聴中チャンネルを特定するのが困難なチャンネル切替操作として予め設定されたリモコン操作としては、EPGを利用したチャンネル選択操作があるが、他の操作、例えばチャンネルアップダウンキーの操作も含めるようにしても良い。このようなメッセージに応じて、視聴者がテレビリモコン201に設けられたチャンネルをダイレクトに選局するための数字ボタンを押して再度同じチャンネルを選択すると、正しい視聴中チャンネルをテレビ視聴状況調査装置101に教えることができる。
【0030】
図2(a)を参照すると、本発明の第2の前提例にかかるテレビ視聴状況調査装置111は、調査用リモコン211から出力される信号を受信する受信手段112を備え、解析手段113は、受信手段102で受信されたテレビリモコン102からのリモコン信号と受信手段112で受信された調査用リモコン211からのリモコン信号とを解析してテレビの視聴状況を求めるようにした点で、図1に示した第1の前提例にかかるテレビ視聴状況調査装置101と相違する。
【0031】
調査用リモコン211は、テレビ視聴状況調査装置111側では識別可能であるが、調査対象となるテレビ側では認識されないリモコン信号を送信するリモコンである。テレビリモコン201だけの場合、リモコン操作を行えばテレビが反応するため、テレビ視聴状況調査装置111だけに遠隔操作で指示を与えることはできない。調査用リモコン211を使えば、テレビを反応させずに、テレビ視聴状況調査装置111だけに何らかの指示を与えることができる。この調査用リモコン211は、赤外線リモコン、無線リモコン、有線式のリモコン等、任意の方式のリモコンで良く、テレビリモコン201と同一の方式である必要はない。調査用リモコン211のリモコン信号を受信する受信手段112は、調査用リモコン211が赤外線リモコンの場合には受光素子と増幅器などで構成され、無線リモコンの場合には受信アンテナと増幅器などで構成される。以下に、調査用リモコン211の構成および使用例について説明する。
【0032】
調査用リモコン211は、図2(b)に示すように第1のボタン212を備え、この第1のボタン212が操作されたときに、テレビ視聴状況調査装置111が認識しているテレビの電源オン、オフ状態を反転させることを指示する第1の調査用リモコン信号を送信する機能を有する。テレビ視聴状況調査装置111の解析手段113は、第1の調査用リモコン信号を解析すると、自らが認識しているテレビの電源投入状態を反転させる。つまり、現在オンならオフと認識し、現在オフならオンと認識する。これによって、何らかの原因で、テレビの電源投入状態とテレビ視聴状況調査装置111が認識しているテレビの電源投入状態とが一致していない場合に、その食い違いを正すことができる。テレビリモコン201の操作だけでは、テレビリモコン201の電源ボタンを押せば、テレビ側およびテレビ視聴状況調査装置111側双方の電源投入状態が反転してしまうために修正は容易でないが、調査用リモコン211の第1のボタンを使えば簡単に修正できる。
【0033】
また、調査用リモコン211は、図2(b)に示すように第2のボタン213および第3のボタン214を備え、第2のボタン213が操作されたときに、調査対象者がテレビの前に現在いることを指示する第2の調査用リモコン信号を送信し、第3のボタン214が操作されたときに、調査対象者がテレビの前から離れることを指示する第3の調査用リモコン信号を送信する機能を有する。テレビ視聴状況調査装置111の解析手段113は、第2の調査用リモコン信号を解析すると、当該調査対象者にかかるテレビ視聴状況の記録手段104への記録を開始する。また、解析手段113は、第3の調査用リモコン信号を解析すると、当該調査対象者にかかるテレビ視聴状況の記録を停止する。視聴率調査の種類によっては、家族全員が調査対象者とは限らないため、調査対象者がテレビの前に居るかどうかを調査用リモコン211で申告させることにより、いわゆる個人視聴率調査が可能になる。ここで、解析手段113は、テレビの電源がオンされたことを判定した場合、調査対象者が在室しているならば第2のボタン213を押すように促すメッセージを表示手段105に表示することで、申告漏れを防止している。
【0034】
調査用リモコン211は、上述した第1〜第3のボタン212〜214以外に、1以上の任意のボタン215を備えるようにしても良い。任意のボタン215の例として、解析手段113が判定して表示手段105に表示した視聴中チャンネル等に対して、YES、NOで回答するためなどに使用するYESボタン、NOボタンが考えられる。また、家族の中の誰がテレビの前に現在居るかを申告するための家族構成員毎のボタンが考えられる。また、テレビとテレビ視聴状況調査装置111とで視聴中チャンネルが食い違う場合に、テレビ視聴状況調査装置111側で認識しているチャンネルを変更するためのチャンネル指定用数字ボタンを備えるようにしても良い。更に、視聴中の番組やCMの好感度もあわせて調査する場合に、好感度大を指示するGOODボタン、そうでないBADボタンを備え、GOODボタン、BADボタンの種別とその入力時刻とを記録手段104に記録することが考えられる。その他、視聴率調査会社が請け負う調査の種類に応じた1以上の任意のボタン215を備えるようにしても良い。
【0035】
その他の構成および動作は第1の前提例にかかるテレビ視聴状況調査装置101と同じである。
【0036】
図3を参照すると、本発明の第1の実施の形態にかかるテレビ視聴状況調査装置121は、調査用リモコン221をテレビリモコン201と同じ方式のリモコン(例えば赤外線リモコン)で実現することにより、1つの受信手段122でテレビリモコン201および調査用リモコン221からのリモコン信号を受信できるようにした点で図2に示した第2の前提例にかかるテレビ視聴状況調査装置111と相違し、その他の点は第2の前提例にかかるテレビ視聴状況調査装置111と同じである。
【0037】
本実施の形態によれば、受信手段をリモコン毎に備える必要がないため、テレビ視聴状況調査装置121のハードウェアコストを下げることができる。
【0038】
【発明の第2の実施の形態】
図4(a)を参照すると、本発明の第2の実施の形態にかかるテレビ視聴状況調査装置131は、テレビリモコンの機能と調査用リモコンの機能とをあわせ持つテレビ兼調査用リモコン231からのリモコン信号を受信する受信手段132を備えている点で、第1の実施の形態のテレビ視聴状況調査装置121と相違し、その他の点は第1の実施の形態にかかるテレビ視聴状況調査装置121と同じである。
【0039】
図4(b)を参照すると、テレビ兼調査用リモコン231は、テレビリモコンの操作ボタン群232と、調査用リモコンの操作ボタン群233とが配設されている。
【0040】
本実施の形態によれば、チャンネル切替等のテレビ操作と、調査対象者がテレビの前に居るかどうかの申告の操作などとを、1つのリモコンで行える。
【0041】
【実施例】
次に本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【0042】
図5を参照すると、本発明の一実施例にかかるテレビ視聴状況調査装置141は、その全面パネル142に、液晶表示装置などの表示部143と、テレビリモコン241および調査用リモコン251からの赤外線リモコン信号を受信する受光部144とが設けられており、テレビ301の上に載せられている。
【0043】
テレビ301は、調査対象のテレビであり、本実施例ではVHF/UHF放送以外にデジタルテレビ放送も受信できるテレビを想定している。デジタルテレビ放送の場合、テレビリモコン241上の選局ボタンでチャンネルをダイレクトに選局できる以外に、ブラウン管302にEPGを表示させ、EPG中の任意の番組を矢印カーソルで選択することによっても可能である。EPGの表示や矢印カーソルの移動、確定操作などは、他の通常のテレビ操作と同様に、テレビ301の受光部303に向けてテレビリモコン241からリモコン信号を送信することで行える。
【0044】
テレビリモコン241は、本実施例の場合、テレビ301を遠隔操作するためのボタンとして、図6の概略平面図に示すような各種のボタンを備えている。電源ボタン2412はテレビ301の電源をオンまたはオフするためのボタン、入力切替ボタン2413は入力ソースを切り替えるためのボタン、音量調節ボタン2414は音量を増減するためのボタン、チャンネル変更ボタン2415は現在視聴しているチャンネルの一つ前または一つ後のチャンネルを選択するためのボタン、また、多数配列されたボタン2416は、チャンネルをダイレクトに選択するためのボタンであり、各チャンネルに1対1に対応している。更に、十字キーや確定ボタンなどを含んで構成される機能ボタン2417は、EPGの表示、矢印カーソルの移動、矢印カーソルが指示する番組の選択などを行うボタンである。テレビリモコン241の本体は、視聴者によって操作されたボタンに応じた信号を赤外線信号に変換して出射口2418から外部に放射する。
【0045】
調査用リモコン251は、本実施例の場合、図7の概略平面図に示すように、在室ボタン2512、退室ボタン2513および表示ボタン2514の3つのボタンを備えている。在室ボタン2512は調査対象者がテレビ301の前に居ることを、退室ボタン2513は調査対象者がテレビ301の前から離れることを、それぞれテレビ視聴状況調査装置141に対して伝えるためのボタンである。また、表示ボタン2514は、テレビ視聴状況調査装置141が認識しているテレビ301の電源投入状態を反転するためのボタンである。調査用リモコン251の本体は、視聴者によって操作されたボタンに応じた信号を赤外線信号に変換して出射口2515から外部に放射する。
【0046】
図8(a)を参照すると、テレビ視聴状況調査装置141は、ハードウェアとして、図5で説明した表示部143および受光部144に加えて、当該調査装置141全体の制御を司るCPUを含む制御部145と、この制御部145で必要なプログラムや各種のデータを保持する記憶部146と、現在の正確な時間(時刻)を出力する時計部147と、測定して得られたテレビの視聴状況のデータを記録する記録部148と、この記録部148に記録されたデータを電話回線151を通じて調査センタへ送信する通信部149と、表示部143、受光部144、制御部145、時計部147、記録部148および通信部149を相互に接続するバス152とを備える。
【0047】
表示部143は、例えばLEDドットマトリクスや液晶パネルなどで構成される。受光部144は、テレビリモコン241および調査用リモコン251からの赤外線リモコン信号を受信して電気信号に変換する受光素子およびこの受光素子の出力を増幅する増幅器などを含んで構成される。記録部148は、例えば磁気ディスクやメモリカードなどの書換可能な不揮発性メモリで構成される。通信部149は、本例では有線式の伝送回路で構成されるが、記録部148に記録されたデータを無線で調査センタへ送信する形態も可能であり、その場合には携帯電話やPHSを利用することもできる。記憶部146は、ROMおよびRAMで構成される。
【0048】
図8(b)を参照すると、記憶部146には、テレビ視聴状況調査プログラム1461と、表示部143に表示するメッセージの情報1462と、調査対象テレビ301等の環境情報1463と、ワーク領域1464とが設けられる。
【0049】
環境情報1463には、テレビ301の入力ソースの情報、テレビ放送受信可能な入力ソースにおけるチャンネル構成(チャンネル数、どのチャンネルがテレビ放送受信可能か否か、各チャンネルの放送局名など)、テレビリモコン241および調査用リモコン251のリモコン信号をデコードするためのリモコン信号フォーマット情報などが、事前に登録されている。
【0050】
ワーク領域1464は、テレビ視聴状況調査を行う過程で一時的に生成される情報を保持する領域である。各種の情報が保持されるが、その中に、図8(b)に示す視聴状態1465およびバッファ1466がある。視聴状態1465は、当該調査装置141が現在認識しているテレビ301の電源オン、オフ状態を示すテレビ電源状態1467と、当該調査装置141が現在認識している調査対象者の在室状態1468とで構成される。また、バッファ1466には、当該調査装置141が現在認識しているテレビ301の視聴中チャンネルの情報1469が保持される。
【0051】
メッセージ情報1462には、本実施例の場合、図9に示すようなメッセージ番号M1からM8までの8個のメッセージが事前に登録されている。ここで、メッセージ中の「鈴木」は調査対象者の名前である。本例では、調査対象者の名前をメッセージ中に埋め込んであるが、メッセージ中では所定の記号で表現し、別途指定された名前を表示時に埋め込む方法を採用しても良い。また、メッセージ中の記号*は、*と*に挟まれた部分を繰り返し表示することを指示する制御記号であり、記号*自体は表示部143に表示されない。また、「チャンネル番号」、「放送局名」の箇所は、表示する際にバッファ1466に保持されているチャンネルの情報に従って、実際のチャンネル番号および放送局名に置き換えられる。
【0052】
テレビ視聴状況調査プログラム1461による処理内容を図10乃至図13に示す。以下、各図を参照して本実施例のテレビ視聴状況調査装置141の動作を説明する。
【0053】
テレビ視聴状況調査装置141を調査対象家庭のテレビ301の上に設置し、調査装置141の電源を投入すると、制御部145は記憶部146に記憶されたテレビ調査状況調査プログラム1461の実行を開始する(図10のステップS101)。先ず、制御部146は、調査装置141内の各部の初期化を行う(ステップS102)。この初期化の一環として、記憶部146に記憶されている視聴状態1465とバッファ1466の内容が、予め定められた値に設定される。つまり、調査開始時点におけるテレビ301の電源状態、チャンネル状態、調査対象者(今の場合、鈴木さん)の在室状況は予め所定の状態にしておくことが約束されており、その状況に調査装置141の視聴状態1465およびバッファ1466の内容が設定される。例えば、事前の取り決めが、テレビ301の電源はオフ、調査対象者は不在、電源をオフする直前に視聴していたチャンネルをNHK総合放送とする約束がある場合、制御部146は、視聴状態1465のテレビ電源状態1467をオフ、在室状態1468を不在に初期化し、バッファ1466にNHK総合放送のチャンネルの情報を設定する。なお、後述するように内部の状態(1467〜1469)が実際の状態と相違していても視聴者による修正が可能なので、初期化時に必ずしも一致させておく必要はない。その後、制御部145はステップS103以降の処理を調査期間が終了するまで継続して実行する。
【0054】
今、調査開始後、調査対象者である鈴木さんが、テレビリモコン241の電源ボタン2412を押すと、テレビリモコン241からそれに応じた赤外線リモコン信号が送信され、受光部144で受信される。制御部145は、テレビリモコン241または調査用リモコン251からのリモコン信号が受光部144で受信されたかどうかをステップS103で判定しており、何らかのリモコン信号を受信すると、記憶部146に保持されている視聴状態1465の内容を識別し(ステップS107)、現在の視聴状態に応じた処理へと分岐する。今の場合、視聴状態1465は初期の状態であるテレビ電源オフ且つ調査対象者不在なので図11の処理へ進み、ステップS201でテレビリモコン241の電源ボタンがオンされたことを認識する。次に、番号M1のメッセージを選択し、表示部143に「こんにちは」と表示した後、「鈴木さんがいらっしゃれば在室ボタンを押してください」というメッセージを繰り返し表示する(ステップS202)。また、視聴状態1465のテレビ電源状態1467をオンに、在室状態1468を不在に設定し(ステップS203)、内部フラグF1を1にセットすると共に例えば1分間という所定時間後にタイムアップするタイマを起動する(ステップS204)。そして、図11の処理を終えて図10のステップS103に戻る。
【0055】
鈴木さんが、表示部143に表示された指示に従って調査用リモコン251の在室ボタン2512を押すと、調査用リモコン251からそれに応じた赤外線リモコン信号が送信され、受光部144で受信される。制御部145は、この赤外線リモコン信号の受信をステップS103で検知すると、現在の視聴状態はテレビ電源オン且つ調査対象者不在なので、図12の処理へ進み、ステップS306で在室ボタン2512が押されたことを認識する。次に、内部フラグF1を0にリセットすると共にタイマを停止させ(ステップS307)、後述する内部フラグF2が1でないことを確認した上で(ステップS308)、バッファ1466に記憶されているチャンネルが放送中チャンネルであるかどうかを判別し(ステップS309)、放送中チャンネルであれば、バッファ1466に記憶されているチャンネルの情報と時計部147が出力する現在時刻とを含む開始データを作成して記録部148に記録する(ステップS310)。そして、番号M2のメッセージを選択し、表示部143に、先ず「こんにちは鈴木さん。」と表示した後に、バッファ1466に記憶されているチャンネルの情報に基づいてチャンネル番号と放送局名とを繰り返し表示する(ステップS311)。他方、バッファ1466に記憶されているチャンネルが放送中チャンネルでない場合は、番号M3のメッセージを選択し、表示部143に、先ず「こんにちは鈴木さん。」と表示した後に、「今は放送中の番組をみていません。」を繰り返し表示する(ステップS312)。そして、何れの場合も、視聴状態1465をテレビ電源オン且つ調査対象者在室に変更し(ステップS313)、図12の処理を終えて図10のステップS103へ戻る。バッファ1466に初期状態のNHK総合放送のチャンネルが設定されている今の状況では、表示部143に「1:NHK総合放送」のメッセージが繰り返し表示されることになる。
【0056】
なお、テレビ301の電源を入れた者が調査対象者の鈴木さん以外の者であった場合、図11のステップ202で番号M1のメッセージを表示部143に表示しても、在室ボタン2512は押されないため、内部フラグF1が1にセットされた状態でタイマがタイムアップする。制御部145は、このような状況を図10のステップS104、S105で検出し、番号M6のメッセージ「失礼いたしました。」を一定時間だけ表示部143に表示する。
【0057】
次に鈴木さんが、テレビリモコン241のチャンネル選局ボタン2416或いはチャンネルアップダウンボタン2415を押すか、入力切替ボタン2413を押すと、テレビリモコン241からそれに応じた赤外線リモコン信号が送信されて受光部144で受信される。制御部145は、これをステップS103で検出すると、現在の視聴状態1465はテレビ電源オン且つ調査対象者在室なので、図13の処理に進み、ステップ401またはステップS402で、テレビリモコン241のチャンネル選局ボタン2416或いはチャンネルアップダウンボタン2415が押されたこと、または入力切替ボタン2413が押されたことを認識し、以下のような制御を行う。
【0058】
先ず、押下されたボタンの種類とバッファ1466の内容と記憶部146に設定されている環境情報1463とに基づいて、変更後のチャンネルを判定する(ステップS403)。具体的には、チャンネル選局ボタン2416が押下された場合には、押下されたチャンネル選局ボタン2416に対応するチャンネルを変更後のチャンネルとする。チャンネルアップダウンボタン2415が押下された場合、アップか、ダウンかの変更方向と、現在のチャンネルと、環境情報1463における現在のチャンネルの前後のチャンネルの情報とに基づいて、変更後のチャンネルを決定する。入力切替ボタン2413の場合、現在のチャンネルから判明する現在の入力ソースと、環境情報1463における現在の入力ソースの次の入力ソースの情報と、当該次の入力ソースがデジタルテレビ放送などの別のテレビ放送ソースであった場合には当該次の入力ソースが別の入力ソースに切り替えられた直前に視聴されていたチャンネルの情報から、変更後のチャンネルを判定する。そして、判定したチャンネルの情報をバッファ1466に保存する(ステップS404)。入力ソースの切替時は、直前の入力ソースで視聴中であったチャンネルの情報をワーク領域1464に退避しておいて、ステップS404で利用可能にする。
【0059】
次に、バッファ1466に記憶されているチャンネルが放送中チャンネルであるかどうかを判別し(ステップS405)、放送中チャンネルであれば、バッファ1466に記憶されているチャンネルと時計部147が出力する現在時刻とを含む開始データを作成して記録部148に記録し(ステップS406)、番号M4のメッセージを選択し、現在視聴されているチャンネルの番号と放送局名とを表示部143に繰り返し表示する(ステップS407)。他方、バッファ1466に記憶されているチャンネルが放送中チャンネルでない場合は、視聴終了を示すマークと現在時刻とを含む終了データを作成して記録部148に記録し(ステップS408)、番号M5のメッセージを選択し、表示部143に、「今は放送中の番組をみていません。」のメッセージを繰り返し表示する(ステップS409)。そして、何れの場合も図10のステップS103に戻る。このように、テレビ301の前に居る調査対象者の鈴木さんがテレビ301のチャンネルを切り替える毎に、最新のチャンネルの情報と切替時刻が記録部148に記録されていく。
【0060】
また、鈴木さんが、テレビリモコン241の機能ボタン2417を操作して、ブラウン管302にEPGを表示させ、矢印カーソルで別のチャンネルに切り替える操作を行った場合、テレビリモコン241からそれに応じた赤外線リモコン信号が送信され、受光部144で受信される。制御部145は、EPGの操作に関連する赤外線リモコン信号の受信を検出すると(図13のステップS410)、番号M8のメッセージを選択し、表示部143に「ご覧になっているチャンネルを申告してください。」というメッセージを繰り返し表示する(ステップS411)。そして、鈴木さんがテレビリモコン241のチャンネル選局ボタン2416を操作して、現在視聴しているチャンネルを再度選択する操作を行ったならば、前述した処理により視聴中チャンネルを判定し、必要な記録とメッセージを表示する(ステップS401、S403〜S407)。
【0061】
他方、鈴木さんがテレビ301の前から離れるために調査用リモコン251の退室ボタン2513を押下すると、それに応じた赤外線リモコン信号が調査用リモコン251から送信され、受光部144で受信される。制御部145は、これを図13のステップ414で認識し、視聴終了を示すマークと現在時刻とを含む終了データを作成して記録部148に記録する(ステップS415)。また、番号M7のメッセージを選択し、表示部143に一定時間だけ「ありがとうございました。」なるメッセージを表示する(ステップS416)。また、視聴状態1465をテレビ電源オン且つ調査対象者不在に変更し(ステップS417)、図10のステップS103へ戻る。視聴状態1465がテレビ電源オン且つ調査対象者不在に変更されたので、それ以降にテレビリモコン241または調査用リモコン251からの赤外線リモコン信号を受信した場合には、図12の処理で制御が行われる。
【0062】
従って、鈴木さんが再びテレビ301の前に来て調査用リモコン251の在室ボタン2512を押せば、それがステップ306で検出され、前述したと同様の処理が行われる。なお、鈴木さんがテレビ301の前から離れた後、テレビ301を見ている他の者がテレビリモコン241のチャンネル選択ボタン2416、チャンネルアップダウンボタン2415、入力切替ボタン2413を押したとき、図12のステップS301、S302で認識されて、図13のステップS403、S404と同様な処理S314、S315によって変更後の視聴中チャンネルの判定とバッファ1469の更新とが行われるが、調査対象者が不在なので、開始や終了データの記録、メッセージの表示などのステップS405〜S409のような処理は行われない。また、他の者がテレビリモコン241の機能ボタン2417を操作してEPGを使用したチャンネル切替操作を行った場合、制御部146はそれをステップS303で検出し、内部フラグF2を1にセットする(ステップS316)。この内部フラグF2は、調査対象者の鈴木さんが調査用リモコン251の在室ボタン2512を押したときの一連の処理の中で判別され(ステップS308)、若し、鈴木さんが退室されている期間にEPGによるチャンネル操作が行われていた場合には(ステップS308でYES)、番号M8のメッセージ「ご覧になっているチャンネルを申告してください。」を表示部143に表示することにより、制御部145が認識している視聴中チャンネルとテレビ301の実際の視聴中チャンネルとが若し一致していなければ、ダイレクト選局方法で両者の食い違いを修正させるようにしている。また、テレビリモコン241の電源ボタン2412が押された場合、制御部145はそのことをステップS304で認識し、表示部143に何らかのメッセージが表示されていればそれを消し(ステップS317)、視聴状態1465をテレビ電源オフ且つ調査対象者不在に変更する(ステップS318)。視聴状態1465がテレビ電源オフ且つ調査対象者不在に変更されたので、それ以降にテレビリモコン241または調査用リモコン251からの赤外線リモコン信号を受信した場合には、図11の処理で制御が行われる。
【0063】
また、鈴木さんが退室ボタン2513でなくテレビ301の電源を切るためにテレビリモコン241の電源ボタン2412を押した場合には、そのことが図13のステップS412で認識され、制御部145は、視聴終了を示すマークと現在時刻とを含む終了データを作成して記録部148に記録し(ステップS418)、番号M7のメッセージを選択し、表示部143に一定時間だけ「ありがとうございました。」なるメッセージを表示する(ステップS419)。そして、視聴状態1465をテレビ電源オフ且つ調査対象者不在に変更し(ステップS420)、図10のステップS103へ戻る。視聴状態1465がテレビ電源オフ且つ調査対象者不在に変更されたので、それ以降にテレビリモコン241または調査用リモコン251からの赤外線リモコン信号を受信した場合には、図11の処理で制御が行われる。
【0064】
以上のような動作が行われている最中に、何らかの原因で、テレビ301が電源オンの状態であるにもかかわらず視聴状態1465のテレビ電源状態1467がオフになっていたり、その反対に、テレビ301が電源オフになっているのに、テレビ電源状態1467がオン状態になっていると、正確な調査が行えない。このような場合、調査対象者の鈴木さんは調査用リモコン251の表示ボタン2514を押すことで、両者の食い違いを解消させることができる。表示ボタン2514が押された際の動作は内部状態1465の内容によって相違するので、以下、各場合にわけて説明する。
【0065】
内部状態1465がテレビ電源オフ且つ調査対象者不在となっている状態で、表示ボタン2514が押されると、制御部146はそのことを図11のステップ205で認識する。そして、バッファ1466に保存されているチャンネルが放送中チャンネルかどうかを判定し(ステップS206)、放送中チャンネルであれば、バッファ1466に記憶されているチャンネルの情報と現在時刻とを含む開始データを生成して記録部148に記録し(ステップS207)、番号M2のメッセージを選択して、表示部143に先ず「こんにちは鈴木さん。」と表示した後に、バッファ1469に記憶されているチャンネル1469の情報に基づいてチャンネル番号と放送局名とを繰り返し表示する(ステップS208)。また、放送中チャンネルでない場合には、番号M3のメッセージを選択し、表示部143に先ず「こんにちは鈴木さん。」と表示した後に、「今は放送中の番組をみていません。」なるメッセージを繰り返し表示する(ステップS209)。そして、何れの場合も、テレビ電源状態1467を現在認識している電源オフから電源オンに変更し、また在室状態1468を現在認識している不在から在室に変更する(ステップS210)。
【0066】
また、内部状態1465がテレビ電源オン且つ調査対象者不在となっている状態で、表示ボタン2514が押されると、制御部145はそのことを図12のステップ305で認識する。そして、表示部143に何らかのメッセージが表示されていればそれを消し(ステップS317)、テレビ電源状態1467を現在認識している電源オンから電源オフに変更し、また在室状態1468は現在認識している不在のままにする(ステップS318)。
【0067】
また、視聴状態1465がテレビ電源オン且つ調査対象者在室となっている状態で、表示ボタン2514が押されると、制御部145はそのことを図13のステップ413で認識する。そして、制御部145は、視聴終了を示すマークと現在時刻とを含む終了データを作成して記録部148に記録し(ステップS418)、番号M7のメッセージを選択し、表示部143に「ありがとうございました。」なるメッセージを表示し(ステップS419)、テレビ電源状態1467を現在認識している電源オンから電源オフに変更し、また在室状態1468を現在認識している在室から不在に変更する(ステップS210)。
【0068】
以上は、テレビリモコン241と調査用リモコン251との2つのリモコンを使い、双方のリモコン信号を共通の受信部144で受信する本発明の第1の実施の形態にかかる実施例を説明したが、テレビリモコン241と調査用リモコン251とを1つのリモコンに一体化した第2の実施の形態にかかる実施例も本発明に当然に含まれる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば以下のような効果が得られる。
【0070】
チャンネルの切替を赤外線リモコン等のテレビリモコンで行うテレビを対象とした、実用化の容易なテレビ視聴状況調査装置が提供できる。その理由は、特許文献2に記載されるようなリモコン信号を調査装置経由でテレビ側に転送するための特別なアダプタを必要とせず、調査対象となるテレビの製造メーカや機種にかかわらず同一のハードウェア構成で実現できるからである。
【0071】
正確なテレビ視聴状況調査が期待できる。その理由は、リモコン信号を解析してテレビの視聴状況を求める解析手段の解析内容に応じたメッセージを視聴者に表示することによって、装置で認識された視聴中チャンネルとテレビで実際に視聴されているチャンネルとに食い違いが発生した場合に、そのことが視聴者に容易にわかるようになっており、その食い違いを修正する機会を視聴者に与えることができるからである。また、EPGを利用したチャンネル切替操作など当該操作にかかるリモコン信号からでは視聴中チャンネルを特定するのが困難なチャンネル切替操作が行われた場合に、視聴者に対してダイレクト選局方法によって視聴中チャンネルを申告するよう促す機能を持つからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の前提例のブロック図である。
【図2】本発明の第2の前提例のブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態のブロック図である。
【図5】本発明の一実施例の概略平面図である。
【図6】本発明で使われるテレビリモコンの一例を示す概略平面図である。
【図7】本発明で使われる調査用リモコンの一例を示す概略平面図である。
【図8】本発明の一実施例にかかるテレビ視聴状況調査装置のハードウェアおよびソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図9】本発明で使用するメッセージの例を示す図である。
【図10】本発明の一実施例にかかるテレビ視聴状況調査装置で使用するプログラムの処理の一部を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施例にかかるテレビ視聴状況調査装置で使用するプログラムの処理の一部を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施例にかかるテレビ視聴状況調査装置で使用するプログラムの処理の一部を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施例にかかるテレビ視聴状況調査装置で使用するプログラムの処理の一部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
101、111、121、131、141…テレビ視聴状況調査装置
102、112、122、132…受信手段
103、113…解析手段
104…記録手段
105…表示手段
201…テレビリモコン
211、221…調査用リモコン
231…テレビ兼調査用リモコン
Claims (4)
- テレビリモコンから出力される信号およびテレビ側では認識されない信号であってテレビの状態と調査装置が認識している前記テレビの状態との食い違いを解消するための信号を出力する調査用リモコンから出力される信号を受信する受信手段と、該受信手段で受信されたリモコン信号を解析してテレビの視聴状況を求める解析手段と、該解析手段で求められたテレビの視聴状況を記録する記録手段と、前記解析手段の解析内容に応じたメッセージを表示する表示手段とを備えることを特徴とするテレビ視聴状況調査装置。
- テレビを遠隔操作するための信号および前記テレビ側では認識されない信号であってテレビの状態と調査装置が認識している前記テレビの状態との食い違いを解消するための信号を出力するテレビ兼調査用リモコンから出力される信号を受信する受信手段と、該受信手段で受信されたリモコン信号を解析してテレビの視聴状況を求める解析手段と、該解析手段で求められたテレビの視聴状況を記録する記録手段と、前記解析手段の解析内容に応じたメッセージを表示する表示手段とを備えることを特徴とするテレビ視聴状況調査装置。
- 前記解析手段は、予め定められた第1の調査用リモコン信号を解析したとき、自身で管理している視聴状態におけるテレビ電源状態を反転させるものであることを特徴とする請求項1または2記載のテレビ視聴状況調査装置。
- 前記解析手段で視聴中チャンネルを特定するのが困難なチャンネル切替操作として予め設定されたリモコン操作が行われたことが判定された場合に、前記表示手段は、ダイレクト選局方法によって視聴中チャンネルを再度選択するよう促す情報を含むメッセージを表示するものであることを特徴とする請求項1、2または3記載のテレビ視聴状況調査装置。
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