JP4824165B2 - ピロロベンゾジアゼピン類 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)に関する。
【0002】
発明の背景
幾つかのピロロベンゾジアゼピン(PBD)は、DNAの特異配列を認識し、これに結合する能力を有する。好ましい配列はPuGPuである。最初のPBD抗腫瘍抗生物質であるアントラマイシンは、1965年に発見された(Leimgruberら、1965年、J.Am.Chem.Soc.、第87巻、第5793−5795頁;Leimgruberら、1965年、J.Am.Chem.Soc.、第87巻、第5791−5793頁)。それ以来、多数の天然のPBDが報告され、種々のアナログのために10個を越える合成経路が開発されてきた(Thurstonら、1994年、Chem.Rev.、1994年、第433−465頁)。ファミリーのメンバーには、アッベイマイシン(abbeymycin)(Hochlowskiら、1987年、J.Antibiotics、第40巻、第145−148頁)、チカマイシン(chicamycin)(Konishiら、1984年、J.Antibiotics、第37巻、第200−206頁)、DC−81(日本特許第58−180487号;Thurstonら、1990年、Chem.Brit.、第26巻、第767−772頁;Boseら、1992年、Tetrahedron、第48巻、第751−758頁)、マゼトラマイシン(mazethramycin)(Kuminotoら、1980年、J.Antibiotics、第33巻、第665−667頁)、ネオトラマイシン(neothramycin)A及びB(Takeuchiら、1976年、J.Antibiotics、第29巻、第93−96頁)、ポロトラマイシン(porothramycin)(Tsunakawaら、1988年、J.Antibiotics、第41巻、第1366−1373頁)、プロトラカルシン(prothracarcin)(Shimizuら、1982年、J.Antibiotics、第29巻、第2492−2503頁;Langley及びThurston、1987年、J.Org.Chem.、第52巻、第91−97頁)、シバノマイシン(sibanomicin)(DC−102)(Haraら、1988年、J.Antibiotics、第41巻、第702−704頁;Itohら、1988年、J.Antibiotics、第41巻、第1281−1284頁)、シビロマイシン(sibiromycin(Leberら、1988年、J.Am.Chem.Soc.、第110巻、第2992−2993頁)及びトママイシン(tomamycin)(Arimaら、1972年、J.Antibiotics、第25巻、第437−444頁)が含まれる。PBDは、一般構造:
【0003】
【化5】
Figure 0004824165
のものである。
【0004】
これらは、これらの芳香族A環及びピロロC環の両方に於ける置換基の数、タイプ及び位置に於いて並びにC環の飽和度に於いて異なっている。B環に於いて、DNAをアルキル化に関与する電子求引性中心であるN10−C11位に、イミン(N=C)、カルビノールアミン(NH−CH(OH))又はカルビノールアミンメチルエーテル(NH−CH(OMe))が存在する。既知の天然産物の全ては、C環からA環に向かって見たとき右回りの捻れをそれに与える、キラルC11a位での(S)−立体配置を有する。これは、それらに、結合部位でのぴったりとした適合に至る、B形DNAの副溝を有するイソヘリシティのための適切な三次元形状を与える(Kohn、1975年、「抗生物質III(Antibiotics III)」、Springer−Verlag、ニューヨーク、3−11頁に於いて;Hurley及びNeedham−VanDevanter、1986年、Acc.Chem.Res.、第19巻、第230−237頁)。副溝内で付加物を形成するこれらの能力によって、これらがDNAプロセッシングに干渉することが可能になり、そうしてこれらを抗腫瘍剤として使用することが可能になる。
【0005】
発明の開示
本発明の第一の態様は、式Ia又はIb:
【0006】
【化6】
Figure 0004824165
[式中、Aは、CH又は単結合であり、
は、R、OH、OR、COH、COR、COH、COR、SOR、CNから選択され、
、R及びRは、独立に、H、R、OH、OR、ハロ、アミノ、NHR、ニトロ、MeSnから選択され、
(但し、Rは、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基又は好ましくは12個以下の炭素原子のアラルキル基(即ち、1個又は2個以上のアリール置換基を有するアルキル基)(そのアルキル基は、任意に、1個又は2個以上の、共役系の一部を形成することができる炭素−炭素二重結合又は三重結合を含有する)又は好ましくは12個以下の炭素原子のアリール基であり、そして、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換されており、そして任意に、1個又は2個以上の、官能基の一部を形成するか又は官能基であってよいヘテロ原子を含有する)又はR及びRは一緒に、基−O−(CH−O−(但し、pは1又は2である)を形成し、そして
は、H、R、OH、OR、ハロ、アミノ、NHR、ニトロ、MeSn(但し、Rは、上記定義された通りである)から選択される]
を有する化合物であり、又は、この化合物は、同じものか又は異なったものであり、式Ia又はIbのものである各単量体による二量体[但し、単量体のR基は、一緒に、単量体を結合する式−X−R’−X−(式中、R’は、3〜12個の炭素原子を含有するアルキレン鎖(但し、この鎖は、1個又は2個以上のヘテロ原子及び/又は芳香族環、例えば、ベンゼン若しくはピリジンによって遮断されていてよく、そして1個又は2個以上の炭素−炭素二重結合又は三重結合を含有していてよい)であり、各Xは、独立に、O、S又はNから選択される)を有する架橋を形成する]である(但し、式Iaの化合物に於いて、Aが単結合であるとき、RはCH=CH(CONH)又はCH=CH(CONMe)ではない)。
【0007】
Aが単結合である場合、Rは、PBDのC−環に直接結合している。
【0008】
Rがアリール基であり、ヘテロ原子を含有している場合、Rは複素環基である。Rがアルキル鎖であり、ヘテロ原子を含有している場合、ヘテロ原子はアルキル鎖内のどこに位置していてもよく、例えば−O−C、−CH−S−CHであり、又は官能基の一部を形成するか若しくは官能基であってよく、例えばカルボニル、ヒドロキシである。
【0009】
式Iaの化合物に於いて、Aが単結合であるとき、RはCH=CR(式中、R及びRは、独立に、H、R、COR、CONH、CONHR、CONR 、シアノ又はホスホナート(式中、Rは、1〜4個の炭素原子を有する非置換のアルキル基である)から選択される)ではないことが好ましい。
【0010】
Rは好ましくは、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換された、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基又は好ましくは12個以下の炭素原子のアラルキル基又は好ましくは12個以下の炭素原子のアリール基から選択される。Rが、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換された、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基から選択されることが更に好ましい。Rが、1〜10個、好ましくは1〜6個、更に好ましくは1〜4個の炭素原子を有する、非置換の直鎖又は分枝鎖アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル又はt−ブチルであることが特に好ましい。
【0011】
また、R、R、R及び化合物が二量体でない場合にRは、好ましくは、独立に、下記の構造的特徴:
(i)任意に置換されたフェニル基、
(ii)任意に置換されたエテニル基、
(iii)電子シンク(electron sink)に共役したエテニル基
を有するR基から選択することができる。
【0012】
用語「電子シンク」は、化合物の他の部分内の電子密度を低下させることができる、化合物に共役結合した単位を意味する。電子シンクの例には、シアノ、カルボニル及びエステル基が含まれる。
【0013】
AがCHであり及び/又はRがCOH、COR、CHOH又はCHORであることが好ましいであろう。Rが、COMe、CO Bu、CHOH又はCHOAcであることが更に好ましいであろう。
【0014】
、R、R及び化合物が二量体でない場合にRは、好ましくは、H及びORから選択され、更に特に、H、OMe及びOCHPhから選択される。R及び化合物が二量体でない場合にRが、OR、更に好ましくはOMe又はOCHPhであり、R及びRがHであることが更に好ましい。
【0015】
Aが単結合である場合、Rは、好ましくは、アリール基、例えばPh、p−MeO−Ph又は少なくとも1個の、C−環の二重結合と共に共役系の一部を形成する二重結合を含有するアルキル若しくはアルカリール基、例えばCH=CH、CH=CH−CHである。
【0016】
本発明の第一の態様の化合物は、好ましくは式Iaのものである。
【0017】
式Ia又はIbの化合物が二量体である場合、二量体架橋は、式−O−(CH−O−(式中、pは1〜12、更に好ましくは3〜9である)のものであってよい。
【0018】
本発明の第二の態様は、式II:
【0019】
【化7】
Figure 0004824165
[式中、R’は、O、CHR”(式中、R”は、H、R、COR、COR、CHO、COH、ハロから選択される)から選択され、
、R及びRは、独立に、H、R、OH、OR、ハロ、アミノ、NHR、ニトロ、MeSnから選択され
(但し、Rは、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基又は好ましくは12個以下の炭素原子のアラルキル基(即ち、1個又は2個以上のアリール置換基を有するアルキル基)(そのアルキル基は、任意に、1個又は2個以上の、共役系の一部を形成することができる炭素−炭素二重結合又は三重結合を含有する)又は好ましくは12個以下の炭素原子のアリール基であり、そして、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換されており、そして任意に、1個又は2個以上の、官能基の一部を形成するか又は官能基であってよいヘテロ原子を含有する)、そして
は、H、R、OH、OR、ハロ、アミノ、NHR、ニトロ、MeSn(但し、Rは、上記定義された通りである)から選択される]
を有する化合物であり、又は、この化合物は、同じものか又は異なったものであり、式IIのものである各単量体による二量体[但し、単量体のR基は、一緒に、単量体を結合する式−X−R’−X−(式中、R’は、3〜12個の炭素原子を含有するアルキレン鎖(但し、この鎖は、1個又は2個以上のヘテロ原子及び/又は芳香族環、例えば、ベンゼン若しくはピリジンによって遮断されていてよく、そして1個又は2個以上の炭素−炭素二重結合又は三重結合を含有していてよい)であり、各Xは、独立に、O、S又はNから選択される)を有する架橋を形成するか又はR及びRは一緒に、基−O−(CH−O−(但し、pは1又は2である)を形成する]である(但し、
(i)R’がCH−Etであり、そしてR、R及びRがHであるとき、Rはシビロサミンピラノシド(sibirosamine pyranoside)ではなく、そして
(ii)R’がCH−Meであり、そしてR及びRがHであるとき、R及びRは、共にH若しくは共にOMeではなく又はそれぞれOMe若しくはOHではない)。
【0020】
Rがアリール基であり、ヘテロ原子を含有している場合、Rは複素環基である。Rがアルキル鎖であり、ヘテロ原子を含有している場合、ヘテロ原子はアルキル鎖内のどこに位置していてもよく、例えば−O−C、−CH−S−CHであり、又は官能基の一部を形成するか若しくは官能基であってよく、例えばカルボニル、ヒドロキシである。
【0021】
Rは好ましくは、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換された、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基又は好ましくは12個以下の炭素原子のアラルキル基又は好ましくは12個以下の炭素原子のアリール基から選択される。Rが、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換された、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基から選択されることが更に好ましい。Rが、1〜10個、好ましくは1〜6個、更に好ましくは1〜4個の炭素原子を有する、非置換の直鎖又は分枝鎖アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル又はt−ブチルであることが特に好ましい。
【0022】
また、R、R及びR並びに化合物が二量体でない場合にRは、好ましくは、独立に、下記の構造的特徴:
(i)任意に置換されたフェニル基、
(ii)任意に置換されたエテニル基、
(iii)電子シンクに共役したエテニル基
を有するR基から選択することができる。
【0023】
R’は、好ましくは、O、CH又はCHCHであり、更に好ましくは、CH又はCHCHである。
【0024】
、R及びR並びに化合物が二量体でない場合にRは、好ましくは、H及びOR並びにハロゲン原子から選択され、更に特に、H、OMe及びOCHPh並びにIから選択される。R及び化合物が二量体でない場合にRが、OR又はハロゲン原子、更に好ましくはOMe、OCHPh又はIであり、R及びRがHであることが更に好ましい。最も好ましくは、RはBnOである。
【0025】
式IIの化合物が二量体である場合、二量体架橋は、式−O−(CH−O−(式中、pは1〜12、更に好ましくは3〜9、最も好ましくは3〜5である)のものであってよい。
【0026】
本発明の第三の態様は、式III:
【0027】
【化8】
Figure 0004824165
[式中、R、R及びRは、独立に、H、R、OH、OR、ハロ、アミノ、NHR、ニトロ、MeSnから選択され
(但し、Rは、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基又は好ましくは12個以下の炭素原子のアラルキル基(即ち、1個又は2個以上のアリール置換基を有するアルキル基)(そのアルキル基は、任意に、1個又は2個以上の、共役系の一部を形成することができる炭素−炭素二重結合又は三重結合を含有する)又は好ましくは12個以下の炭素原子のアリール基であり、そして、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換されており、そして任意に、1個又は2個以上の、官能基の一部を形成するか又は官能基であってよいヘテロ原子を含有する)、そして
は、H、R、OH、OR、ハロ、アミノ、NHR、ニトロ、MeSn(但し、Rは、上記定義された通りである)から選択される]
を有する化合物であり、又は、この化合物は、同じものか又は異なったものであり、式IIIのものである各単量体による二量体[但し、単量体のR基は、一緒に、単量体を結合する式−X−R’−X−(式中、R’は、3〜12個の炭素原子を含有するアルキレン鎖(但し、この鎖は、1個又は2個以上のヘテロ原子及び/又は芳香族環、例えば、ベンゼン若しくはピリジンによって遮断されていてよく、そして1個又は2個以上の炭素−炭素二重結合又は三重結合を含有していてよい)であり、各Xは、独立に、O、S又はNから選択される)を有する架橋を形成するか又はR及びRは一緒に、基−O−(CH−O−(但し、pは1又は2である)を形成し、
、R、R及びRの少なくとも1個はHではない]である(但し、
(i)R及びRがHであるとき、R及びRは、共にOMe、それぞれOMe及びOBn又はそれぞれOMe及びOHではなく、
(ii)R及びRがHであるとき、R及びRはそれぞれMe及びOHではなく、
(iii)R、R、R及びRの3個がHであるとき、他のものはMeではなく、
(iv)R、R及びRがHであるとき、RはOMeではなく、
(v)R、R及びRがHであるとき、RはOMeではなく、そして
(vi)R及びRがHであり、RがOMeであるとき、化合物は二量体ではない)。
【0028】
Rがアリール基であり、ヘテロ原子を含有している場合、Rは複素環基である。Rがアルキル鎖であり、ヘテロ原子を含有している場合、ヘテロ原子はアルキル鎖内のどこに位置していてもよく、例えば−O−C、−CH−S−CHであり、又は官能基の一部を形成するか若しくは官能基であってよく、例えばカルボニル、ヒドロキシである。
【0029】
Rは好ましくは、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換された、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基又は好ましくは12個以下の炭素原子のアラルキル基又は好ましくは12個以下の炭素原子のアリール基から選択される。Rが、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換された、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基から選択されることが更に好ましい。Rが、1〜10個、好ましくは1〜6個、更に好ましくは1〜4個の炭素原子を有する、非置換の直鎖又は分枝鎖アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル又はt−ブチルであることが特に好ましい。
【0030】
また、R、R及びR並びに化合物が二量体でない場合にRは、好ましくは、独立に、下記の構造的特徴:
(i)任意に置換されたフェニル基、
(ii)任意に置換されたエテニル基、
(iii)電子シンクに共役したエテニル基
を有するR基から選択することができる。
【0031】
(i)R、R、R及びRの1個のみがHであるか又は
(ii)R、R、R及びRの少なくとも1個がNHであるか又は
(iii)R、R、R及びRの少なくとも1個が、好ましくは12個以下の炭素原子のアリール基である(但し、これらは、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換され、そして任意に、1個又は2個以上の、官能基の一部を形成するか又は官能基であってよいヘテロ原子を含有する)ことが好ましい。
【0032】
、R、R 及びR の1個のみが場合、A−環置換基(即ち、R、R、R 及び化合物が二量体でない場合のR の中でHではないもの)がORであり、更に好ましくは、OMe 及びOBn から選択されることが更に好ましい。
【0033】
、R、R及びRの少なくとも1個が、好ましくは12個以下の炭素原子のアリール基である(但し、これらは、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換され、そして任意に、1個又は2個以上の、官能基の一部を形成するか又は官能基であってよいヘテロ原子を含有する)場合、R、R、R及びRの少なくとも1個が、任意に、1個又は2個以上のメトキシ、エトキシ又はニトロ基によって置換されたフェニル基であることが更に好ましい。しかし、ニトロ基はあまり好ましくない。更に好ましくは、、アリール基は、Ph及びp−MeO−Phから選択される。
【0034】
式IIIの化合物が二量体である場合、二量体架橋は、式−O−(CH−O−(式中、pは1〜12、更に好ましくは3〜9である)のものであってよい。また、この場合に、R及びRがHであり、そしてRがアルコキシ又はアリールオキシ基であることが好ましい。
【0035】
本発明の第四の態様は、式IV:
【0036】
【化9】
Figure 0004824165
[式中、R、R及びRは、独立に、H、R、OH、OR、ハロ、アミノ、NHR、ニトロ、MeSnから選択され
(但し、Rは、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基又は好ましくは12個以下の炭素原子のアラルキル基(即ち、1個又は2個以上のアリール置換基を有するアルキル基)(そのアルキル基は、任意に、1個又は2個以上の、共役系の一部を形成することができる炭素−炭素二重結合又は三重結合を含有する)又は好ましくは12個以下の炭素原子のアリール基であり、そして、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換されており、そして任意に、1個又は2個以上の、官能基の一部を形成するか又は官能基であってよいヘテロ原子を含有する)、
’及びR”は、独立にH、Rから選択されるか又は一緒に環式アミンを形成し、そして
nは1〜7である]
を有する化合物を提供する。
【0037】
’及びR”が環式アミンを形成する場合、通常、そうでなければ炭素環であり、好ましくは5又は6員環であり、そして飽和又は不飽和であってよい環内に1個のN原子が存在する。この環は、芳香族(例えば、ベンゼン環)であってよい他の環系に縮合されていてよい。それで、例えば、この環式アミンはインドリル又はイソインドリル基であってよい。この環式アミンが、アミン環内の及び/又は縮合環内のNに加えて、1個又は2個以上のヘテロ原子を含有し、また、1個又は2個以上のR基によって置換されていてよいことも可能である。
【0038】
Rがアリール基であり、ヘテロ原子を含有している場合、Rは複素環基である。Rがアルキル鎖であり、ヘテロ原子を含有している場合、ヘテロ原子はアルキル鎖内のどこに位置していてもよく、例えば−O−C、−CH−S−CHであり、又は官能基の一部を形成するか若しくは官能基であってよく、例えばカルボニル、ヒドロキシである。
【0039】
Rは好ましくは、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換された、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基又は好ましくは12個以下の炭素原子のアラルキル基又は好ましくは12個以下の炭素原子のアリール基から選択される。Rが、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換された、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基から選択されることが更に好ましい。Rが、1〜10個、好ましくは1〜6個、更に好ましくは1〜4個の炭素原子を有する、非置換の直鎖又は分枝鎖アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル又はt−ブチルであることが特に好ましい。
【0040】
R’及びR”の一方が、Fmocのような窒素保護基であることが好ましいであろう。
【0041】
は、好ましくは、電子供与性基であり、更に好ましくは、式ORのものであり、基OMe、OEt及びOBnが特に好ましい。用語「電子供与性基」は、化合物の他の部分に於ける電子密度を増加させることができる、化合物に共有結合した部分を意味する。
【0042】
更に、R及びRは、更に好ましくは、H及びORから選択され、OMe、OEt及びOBnが特に好ましい。
【0043】
また、R、R及びRは、好ましくは、独立に、下記の構造的特徴:
(i)任意に置換されたフェニル基、
(ii)任意に置換されたエテニル基、
(iii)電子シンクに共役したエテニル基
を有するR基から選択することができる。
【0044】
nは、好ましくは1〜3であり、更に好ましくは1である。
【0045】
本発明の第五の態様は、治療方法に於ける、本発明の第一、第二、第三又は第四の態様に記載したような化合物の使用である。治療することができる状態には、例えば、腫瘍疾患及びアルツハイマー病を含む遺伝子病並びに細菌、寄生虫及びウイルス感染が含まれる。遺伝子発現の調節によって治療することができる全ての状態を、本発明の化合物を使用して治療することができる。本発明のこの態様に従って、提供された化合物を個体に投薬することができる。投薬は好ましくは「治療的に有効量」であり、これは患者に対して利益を示すために十分なものである。このような利益は、少なくとも1種の症状の少なくとも改善であろう。投薬される実際の量並びに投薬の速度及び時間経過は、治療されているものの性質及び酷度に依存するであろう。治療の処方箋、例えば用量の決定は、一般的開業医及びその他の医師の責任内である。
【0046】
化合物は、単独で又は他の治療剤と組み合わせて、治療すべき状態に依存して同時に又は連続的に投薬することができる。
【0047】
本発明による及び本発明による使用のための薬物組成物には、活性成分、即ち式Ia、Ib、II、III又はIVの化合物に加えて、薬物的に許容される賦形剤、担体、緩衝剤、安定剤又は当業者によく知られているその他の物質が含有されていてよい。このような物質は非毒性でなくてはならず、活性成分の効能を妨害してはならない。担体又はその他の物質の的確な性質は、経口であるか又は注射、例えば皮内注射、皮下注射若しくは静脈注射によってよい投薬の経路に依存するであろう。
【0048】
経口投薬のための薬物組成物は、錠剤、カプセル剤、散剤又は液剤形態であってよい。錠剤には固体担体又は添加剤が含有されていてよい。液体薬物組成物には、一般的に、水、石油、動物若しくは植物油、鉱油又は合成油のような液体担体が含有されている。生理食塩水、デキストロース若しくはその他の糖類溶液又はエチレングリコール、プロピレングリコール若しくはポリエチレングリコールのようなグリコールが含有されていてよい。カプセル剤には、ゼラチンのような固体担体が含有されていてよい。
【0049】
静脈内、皮内若しくは皮下注射又は苦痛の部位での注射のために、活性成分は、発熱物質を含有せず、適切なpH、等張及び安定性を有する非経口的に許容される水溶液の形態であろう。当業者は、例えば、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、乳酸化リンゲル注射液のような等張ビヒクルを使用して適切な溶液を、よく製剤することができる。必要なとき、保存剤、安定剤、緩衝剤、酸化防止剤及び/又はその他の添加物が含有されていてよい。
【0050】
本発明の第六の態様は、前記のような式Ia、Ib、II、III又はIVの何れか一つの化合物及び薬物的に許容される担体又は希釈剤を含有する薬物組成物である。薬物組成物の製剤は、上記の本発明の第五の態様に関連して記載されている。
【0051】
本発明の第七の態様は、遺伝子性疾患、好ましくは増殖性疾患の治療のための医薬を製剤するための、上記のような式Ia、Ib、II、III又はIVの何れか一つの化合物の使用を提供する。式Ia、Ib、II、III又はIVの化合物は、薬物的に許容される担体又は希釈剤と一緒に提供することができる。この化合物は、ガン、例えば、白血病並びに特に、結腸腫瘍、CNS腫瘍、腎腫瘍及び小細胞肺癌を含む肺腫瘍並びにメラノーマを含む固体ガンの治療方法に於いて、オキシック(oxic)及びヒポキシック(hypoxic)腫瘍細胞を選択的に殺すために使用することができる。特に、式IIの二量体は、肺、結腸及びCNS腫瘍並びにメラノーマを選択的に殺すために使用することができる。式III及びIVの化合物は、選択的にメラノーマに対して使用することができる。
【0052】
本発明の更なる態様は、ウイルス、寄生虫又は細菌感染の治療のための医薬を製剤するための、上記のような式Ia、Ib、II、III又はIVの何れか一つの化合物の使用を提供する。医薬の製剤は、上記本発明の第五の態様に関連して記載されている。
【0053】
更なる態様に於いて、本発明は、本発明の第一、第二、第三及び第四の態様による化合物の製造方法を提供する。
【0054】
ここで、本発明のこの態様を、添付する図面を参照して更に説明する。
【0055】
図面の簡単な説明
図1〜6a/bは、本発明の式Iaの化合物についての合成経路であり、
図7〜14は、本発明の式IIの化合物についての合成経路であり、
図15〜25は、本発明の式IIIの化合物についての合成経路であり、
図26は、式IVの化合物についての合成経路であり、
図27は、本発明の式IVの化合物の製造に於ける中間体の合成であり、
図28は、本発明の式IVの化合物についての合成経路であり、そして
図29〜32は、それぞれ実施例5〜8の細胞毒性結果を示すグラフである。
好ましい一般的合成方法
式Ia、Ib、II、III又はIVの化合物への好ましい経路に於ける重要な段階は、11位であるアルデヒド(又は、その官能性等価物)の発生及びプロ−N10−窒素によるそれへの攻撃を含む、B−環を生成するための環化である。
【0056】
【化10】
Figure 0004824165
【0057】
この構造に於いて、C環置換又は不飽和は示されていない。Rは、式IVの化合物に於けるO(CHCHCOR’を表わす。R10は、好ましくはPBDの窒素に結合したカルバメート官能基を有する窒素保護基である。「マスクしたアルデヒド」−CPQは、アセタール又はチオアセタール(多分、環式)であってよく、この場合には、環化には脱マスキングが含まれる。また、マスクしたアルデヒドは、アルコール、−CHOHのようなアルデヒド前駆体であってよく、この場合には、反応には、例えばTPAP又はDMSOの手段による酸化(スヴェルン(Swern)酸化)が含まれる。
【0058】
マスクしたアルデヒド化合物は、対応する2−置換ピロリジンを2−ニトロ安息香酸と縮合させることによって製造することができる。
【0059】
【化11】
Figure 0004824165
【0060】
次いで、ニトロ基を−NHに還元し、合成経路に於いて除去可能な窒素保護基を与える適切な試薬、例えば、クロロホルメートとの反応によって保護することができる。
【0061】
酸化−環化工程を含む方法を、スキーム1に示す(代替の環化タイプを、スキーム2を参照して後で説明する)。
【0062】
【化12】
Figure 0004824165
【0063】
PBD(A)中のイミン/カルビノールアミン結合を、標準的方法によって脱保護させて、所望の化合物を生成することができる。例えば、R10がAllocである場合、脱保護を、パラジウムを使用して行って、N10保護基を除去し、続いて水を除去して、イミンを得る。
【0064】
アルコール(B)(この中で、プロ−N10−窒素は一般的にカルバメートとして保護されている)の、A4シーブ上の過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(TPAP)/N−メチルモルホリンNオキシドへの曝露により、自発B−閉環を付随する酸化が起こり、所望の生成物が得られる。TPAP/NMO酸化手順は、小規模反応のために特に便利であることが見出され、一方、DMSOベースの酸化方法、特にスヴェルン酸化を使用することは、大規模作業(例えば、>1g)のために優れていることが分かる。
【0065】
環化していないアルコール(B)は、好ましくはクロロホルメート又は酸クロリドである式Dの窒素保護試薬の、アミノアルコールCの溶液への、一般的に溶液中で、一般的にピリジンのような塩基(好ましくは、2等量)の存在下での、適度な温度で(例えば、0℃で)の反応によって製造することができる。これらの条件下で、通常、O−アシル化は殆ど又は全く観察されない。
【0066】
重要なアミノアルコールCは、分子の残りの部分を元のままで残す方法を選択することによって、対応するニトロ化合物Eの還元により製造することができる。適切な溶媒、例えば還流するメタノール中での塩化スズ(II)によるEの処理によって、一般的に、スズ塩を除去した後、所望の生成物が高収率で得られる。
【0067】
Eのヒドラジン/ラネーニッケルへの曝露により、スズ塩の生成が回避され、Cのより高い収率になり得るが、この方法は、ある範囲の可能なC−及びA−環置換基とあまり適合しない。例えば、C−環不飽和(環自体の中又はR若しくはR内)が存在する場合、この技術は適していないであろう。
【0068】
式Eのニトロ化合物は、適切な塩化o−ニトロベンゾイルを式Fの化合物に、例えば、KCOの存在下で、−25℃でN雰囲気下でカップリングさせることによって製造することができる。式Fの化合物は、例えば、L−トランス−ヒドロキシプロリンから誘導されるケトンのオレフィン化によって容易に製造することができる。また、このケトン中間体は、エノールトリフラートへの転化によって、パラジウム仲介カップリング反応で使用するために利用することができる。
【0069】
この塩化o−ニトロベンゾイルは、それ自体バニリン酸(又はアルキルエステル)誘導体Hから製造される、式Gのo−ニトロ安息香酸(又はアルキルエステル加水分解後)から合成される。これらの多くは、市販されており、幾つかは、Althuis,T.H.及びHess,H.J.、J.Medicinal Chem.、第20(1)巻、第146−266頁(1977年)に開示されている。
【0070】
代わりの開環(スキーム2)
【0071】
【化13】
Figure 0004824165
【0072】
スキーム1に於いて、最後の又は最後から二番目の段階は、酸化的環化であった。チオアセタールカップリングを使用する代替を、スキーム2に示す。水銀仲介脱マスキングは、保護されたPBD化合物(A)への環化を起こす。
【0073】
チオアセタール化合物は、スキーム2に示されるように製造することができる。即ち、チオアセタール保護したC−環[文献の方法:Langley,D.R.及びThurston,D.E.、J.Organic Chemistry、第52巻、第91−97頁(1987年)により製造した]を、文献の手順を使用して、o−ニトロ安息香酸(又はアルキルエステル加水分解後)(G)に結合させる。得られたニトロ化合物は、チオアセタール基のために水素化によって還元することはできず、そこで塩化スズ(II)方法を使用して、アミンを得る。次いで、これを、例えば、2,2,2−トリクロロエチルクロロホルメートのようなクロロホルメート又は酸クロリドとの反応により、N保護する。
【0074】
アセタール含有C−環を、酸性条件を使用することを含む、他の方法を含む脱保護によるこの種の経路で代替物として使用することができる。
【0075】
二量体合成(スキーム3)
【0076】
【化14】
Figure 0004824165
【0077】
PBD二量体は、保護されたPBDモノマーの合成のために開発された方法を使用して合成することができる。スキーム3に示された合成経路は、二量体結合が式−O−(CH−O−のものであるときの化合物を示す。二量体生成の段階は、通常、ビス(ニトロ酸)G’を生成するために実施される。次いで、この化合物を、前記スキーム1又はスキーム2中の化合物Gとして処理することができる。
【0078】
ビス(ニトロ酸)G’は、ビス(カルボン酸)を(例えば、70%硝酸を使用して)ニトロ化することによって得ることができる。これは、2等量の関連する安息香酸を、塩基性条件下で適切なジヨードアルカンによってアルキル化することによって合成することができる。多数の安息香酸が市販されており、他のものは従来の方法によって合成することができる。
【0079】
また、関連する安息香酸エステルは、適切なアルカンジオールでのミツノブエステル化によって一緒に結合させ、続いてニトロ化し、次いで加水分解(図示せず)することができる。
【0080】
ビス(ニトロ酸)の代替合成には、ビス(ニトロアルデヒド)の、例えば過マンガン酸カリウムによる酸化が含まれる。これは、順に、ビス(アルデヒド)の、例えば70%HNOによる直接ニトロ化によって得ることができる。最後に、ビス(アルデヒド)は、2等量のベンズアルデヒドの適切なアルカンジオールとのミツノブエーテル化によって得ることができる。
【0081】
上記詳述したものへの代替の合成アプローチは、C−環を形成する成分を結合する前に、A環を形成する成分上のプロN10位置を保護することである。
【0082】
式Iaの化合物のための好ましい合成方法
スキーム1の合成経路は、一般的に、式Iaの化合物に適用可能である。
【0083】
式IaのC2/C3−エンド−不飽和PBDは、そのN10−カルバメート保護前駆体から合成することができる。典型的に、アリルカルバメートのパラジウム触媒作用除去を、重要なC2−不飽和に影響を与えることなく、N10−C11イミンを発生させるために使用することができる。例えば、N10−C11イミン/カルビノールアミンが、Alloc基によって保護されている場合、C2/C3−エンド−不飽和は、Alloc開裂反応の間維持される。
【0084】
還流メタノール中での塩化スズ(II)による、スキーム1に示されるようなニトロ化合物Eの還元によって、影響を受けなかったC2/C3−不飽和が残る。ヒドラジン/ラネーニッケル法は、二重結合のために適していないであろう。
【0085】
式Fの化合物を、そのTBDMS保護形で使用することができ、それで、脱保護段階が、アミノアルコール化合物Eを生成するために含まれなくてはならない。
【0086】
TBDMS保護化合物と適切な塩化o−ニトロベンゾイルとのカップリングの生成物であるTBDMSエーテルを、AcOH:THF:HO(3:1:1)で処理することができる。TBAFは、反応生成物の急速な分解のために、この転換のために適していないことが見出された。
【0087】
必要なC−環付与化合物Fの種類は、スキーム4に示されるようにして得ることができる。
【0088】
【化15】
Figure 0004824165
【0089】
市販のトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンF8をN−alloc保護して、アリルカルバメートF7を得ることができ、次いでこれを標準的条件を使用してエステル化することができる。エステルF6の水素化物還元により、ジオールF5が得られる。このジオールの選択的TBDMS保護によって、シリルエーテルF4が得られ、次いで、スヴェルン又はTPAP酸化を使用して酸化して、ケトンF3を得ることができる。
【0090】
次いで、ケトンF3をウィッティッヒ反応に付して、E/Zエキソ−エステルF2の混合物を得、次いでこれを、過剰の水素化ナトリウムで処理して、C2/C3−エンド化合物F1(Ia)に転化させることができる。N−alloc保護基のパラジウム仲介開裂(Dangles O.; Guibe, F,; Balavoine, G.; Lavielle, S; Marquet, A.; J.Org.Chem.1987年、第52巻、第4984頁)によって、化合物F(Ia)を得る。
【0091】
式Iaの化合物への代替経路
C2/C3−エンド−不飽和PBDの大規模生産を可能にする、スキーム1の化合物Bへの更に直線的な合成経路が開発され、スキーム5に示される。
【0092】
【化16】
Figure 0004824165
【0093】
シリル保護基は、B1(Ia)をAcOH:THF:HO(3:1:1)で処理することによって良好な収率で開裂させることができる。B1(Ia)中に存在する重要なC2/C3−エンド−不飽和を、タイプB2のケトン上でホルナー−エモンス反応を実施することによって直接導入することができる。前記の経路(スキーム4)とは違って、二重結合移動を確実にするための余分のNaHの添加は、この基体のために必要ではない。第二級アルコールB3のスヴェルン酸化を使用して、ケトンB2を得ることができる。カルバメート保護アニリンB3を、二段階でニトロ化合物B5から製造することができる。最初に、タイプB5の化合物にはC2−不飽和が無いので、ラネーニッケル/ヒドラジン法を使用することによって、ニトロ基をアニリンに還元することができる。この方法は、生成物を単離することがより容易であるので、塩化スズ(II)手順よりも一層有利である。次いで、アニリンB4を、C2酸素で顕著なカーボネート生成無しに高収率でN−カルバメート保護することができる。
【0094】
タイプB5のアミドは、タイプGの酸クロリドを重要なアミンKEC5(スキーム6)に結合させることによって合成することができる。
【0095】
【化17】
Figure 0004824165
【0096】
全体的に、この経路は、C2/C3−エンド−不飽和PBDの大規模生産を与える従来の経路と比べ幾つかの利点を有する。第一に、KEC4の接触水素化によって、重要な中間体KEC5の大規模生産が可能になる。第二に、この一層有効なニトロ還元段階を、C2−不飽和を欠いている中間体で実施することができる。重要なことに、ホルナー−エモンス反応の間に観察される二重結合移動が自発的であり、それで過剰の水素化ナトリウムが必要でない。この二重結合移動は、また、他の研究者によっても観察された(Leimgruber,W.;Batcho,A.D.;Czajkowski,R.C.、J.Am.Chem.Soc.、1968年、第90巻、第5641頁)。
【0097】
Cbz保護基を開裂するための、KEC4のパル水素化によって、重要なアミノ中間体KEC5の大規模合成が可能になった。TBDMSエーテルKEC4が、類似の方式で、対応するAlloc保護中間体F4に製造された(スキーム4)。第一級アルコールKEC3の選択的シリル化が、シリル転移剤としてDBUを使用して達成された。ジオールKEC3は、順にカルボン酸KEC1から合成されたエステルKEC2の水素化物還元から得られた。トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン(F4)のN−Cbz保護は、文献(Bridges,R.J.;Stanley,M.S.;Anderson,M.W.;Cotman,C.W.;Chamberlain,R.A.、J.Med.Chem.、1991年、第34巻、第717頁)に報告された手順を採用することによって達成された。
【0098】
ある種のR基は、上記の合成経路の間に保護を必要とするであろう。例えば、アルコールは、アセテート保護基を使用することによって保護することができる(実施例1(d)を参照)。
【0099】
式Iaの化合物への別の代替経路
【0100】
【化18】
Figure 0004824165
【0101】
下記の経路は、Aが単結合であり、Rがアリル基であるか又はC−環内のものに共役している二重結合を含有している式Iaの化合物に特に適している。しかしながら、合成の要素、例えばSEM保護は、他の化合物への経路で有用であろう。
【0102】
目標のPBDは、SEM保護したジラクタム(Q)をナトリウムテトラボロヒドリド(sodium tetraborohydride)で還元し、続いてシリカゲルにより処理することによって製造した。最初に、ナトリウムテトラボロヒドリドによって、ジラクタムが保護されたカルビノールアミンに転化される。しかしながら、この種は非常に不安定であり、シリカゲルによる処理が、イミン生成を伴うSEM保護基のフラグメント化反応を起こすために十分である。
【0103】
SEM保護したジラクタム(Q)は、エノールトリフラート中間体(P)上でのスズキ及びスチル(Stille)カップリング反応によって製造した。スズキ反応は、PBDのC2位にアリール置換基及びビニル置換基の両方を付けるために、それを使用することができるので、特に有用である。非常に様々なものをPBD系の中に導入することができる70を越えるボロン酸(boronic acid)が市販されている。ヘック(Heck)反応も、エノールトリフラート中間体で円滑に実施することができる。
【0104】
エノールトリフラート(P)は、ピリジンの存在下でDCM中のトリフル酸無水物(triflic anhydride)を使用して、ケトン前駆体(O)から製造した。このケトン(O)は、スヴェルン酸化により第二級アルコール前駆体(N)から製造した。TPAP又はデスマーチン(Dess Martin)試薬を含む他の酸化方法によって、同様に良好な収率でケトンが得られる。この第二級アルコールは、SEM N10保護基の存在下で、化合物MのTBDMS基の選択的除去によって得た。SEM基は、N10ジラクタムアニオン(Lから)をSEM−C1でクエンチすることによって導入された。これは一般的な方法であり、MOMのような関連する保護基を導入するために使用することができる。化合物KのC2ヒドロキシがN10保護段階を妨害することを防止するために、それをTBDMSエーテルとして保護した。2−ヒドロキシジラクタム(K)は、化合物JのA−環ニトロ基を水素化し、そしてC−環メチルエステルにカップリングさせることによって生成させた。A−環ニトロC−エステル化合物(J)は、市販の酸(G)を4−ヒドロキシプロリンメチル(methyl 4−hydroxyprolinate)にカップリングすることによって製造した。
【0105】
代替の合成経路が、二量体の合成に同様に適用可能である。
【0106】
式IIの化合物のための好ましい合成方法
スキーム1の合成経路は、一般的に、式IIの化合物に適用可能である。
【0107】
式IIのC2−不飽和PBDは、それらのN10−カルバメート保護した前駆体から合成することができる。典型的に、アリルカルバメートのパラジウム触媒作用除去を、重要なC2−不飽和に影響を与えることなく、N10−C11イミンを発生させるために使用することができる。また、カドミウム−鉛カップルを使用して、N10−2,2,2−トリクロロエチルカルバメートを保護されたPBDから開裂させることができる。
【0108】
塩化スズ(II)による、スキーム1に示されるようなニトロ化合物Eの還元は、C2−不飽和を維持するが、スズ塩からアニリンCを単離することは問題があろう。
【0109】
式Fの化合物は、そのTBDMS保護された形で使用することができ、それで、脱保護段階がアミノ−アルコール化合物Eを製造するために含まれなくてはならない。
【0110】
TBDMS保護された化合物と適切な塩化o−ニトロベンゾイルとのカップリングの生成物であるタイプEのTBDMSエーテルを、AcOH:THF:HO(3:1:1)で処理することができる。TBAFは、反応生成物の急速な分解のために、この転換のために適していないことが見出された。
【0111】
C−環付与化合物F(II)は、スキーム8に示されるようにして得ることができる。
【0112】
【化19】
Figure 0004824165
【0113】
市販のトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンF8をN−alloc保護して、アリルカルバメートF7を得ることができ、次いでこれを標準的条件を使用してエステル化することができる。エステルF6の水素化物還元により、ジオールF5が得られる。このジオールの選択的TBDMS保護によって、シリルエーテルF4が得られ、次いで、スヴェルン又はTPAP酸化を使用して酸化して、ケトンF3を得ることができる。
【0114】
F2中に存在するC2−官能基を、ケトンF3上でウィッティッヒ反応を実施することによって導入することができる。N−alloc保護基のパラジウム仲介開裂(Dangles O.; Guibe, F,; Balavoine, G.; Lavielle, S; Marquet, A.; J.Org.Chem.1987年、第52巻、第4984頁)によって、化合物F(II)を得る。
【0115】
化合物Cへの代替経路
【0116】
【化20】
Figure 0004824165
【0117】
化合物Cへの代替経路が開発された(スキーム9)。式C1のアミドは、タイプC2のN−Troc保護したアントラニル酸の酸クロリドを生成することによって合成することができる。興味のあることに、N−Trocアントラニル酸はイサト酸無水物を生じず、それでタイプF(II)のアミンでのアミド生成反応が可能である。C1からの2,2,2−トリクロロエチルカルバメート及びTBDMS基の同時TBAF−仲介開裂によって、重要なアミノ−アルコールCが得られる。
【0118】
式IIの化合物への代替経路
【0119】
【化21】
Figure 0004824165
【0120】
C2−不飽和PBDの大規模生産を可能にする、スキーム1の化合物Bへの更に直線的な合成経路が開発され、スキーム10に示される。TBDMS基のTBAF−仲介開裂を使用して、B1(II)からB(II)を製造することができる。B1(II)中に存在する重要なC2−不飽和を、タイプB2のケトン上でウィッティッヒオレフィン化反応を実施することによって導入することができる。第二級アルコールB3のスヴェルン酸化を使用して、ケトンB2を得ることができる。カルバメート保護アニリンB3を、2段階でニトロ化合物B5から製造することができる。最初に、タイプB5の化合物にはC2−不飽和が無いので、ラネーニッケル/ヒドラジン法を使用することによって、ニトロ基をアニリンに還元することができる。この方法は、生成物を単離することがより容易であるので、塩化スズ(II)手順よりも一層有利である。次いで、アニリンB4を、C2酸素で顕著なカーボネート生成無しに高収率でN−カルバメート保護することができる。
【0121】
タイプB5のアミドは、タイプGの酸クロリドを重要なアミンKEC5(スキーム6)に結合させることによって合成することができる。全体的に、この経路は、C2−不飽和PBDの大規模生産を可能にする、従来の経路を越えた幾つかの利点を有する。第一に、KEC4の接触水素化によって、重要な中間体KEC5の大規模生産が可能になる。第二に、ニトロ還元段階を、C2−不飽和を欠いている中間体で実施することができる。最後に、大規模制限が許容される、この合成経路の後の段階で、ウィッティッヒオレフィン化を実施することができる。
【0122】
二量体合成に於いて、上記の経路を、全体的合成方法で記載したものに優先して使用することができる。特に、窒素保護基は有利にはカルバメートである。それは、この種類の保護基が、一般的に重要なC2−不飽和に影響を与えない種々の方法によって、最終段階で除去できるからである。
【0123】
一般的実験方法
融点(mp)は、ガレンカンプ(Gallenkamp)P1384デジタル融点装置で決定し、補正しなかった。赤外(IR)スペクトルは、パーキン−エルマー(Perkin−Elmer)297分光光度計を使用して記録した。H−NMR及び13C−NMRスペクトルは、20℃+/−1℃で操作するジェル(Jeol)GSX270MHZ FT−NMR分光計で記録した。化学シフトは、テトラメチルシラン(TMS)から低磁場に百万当たりの部(δ)で報告する。スピン多重度は、s(一重項)、bs(広い一重項)、d(二重項)、dd(二重項の二重項)、t(三重項)、q(四重項)、p(五重項(pentuplet))又はm(多重項)として記載する。質量スペクトル(MS)は、ジェオールJMS−DX303GC質量分析計(EIモード:70eV、ソース117〜147℃)を使用して記録した。正確な分子質量(HRMS)は、内部質量マーカーとしてペルフルオロケロセン(PFK)を使用するピークマッチングにより決定し、FAB質量スペクトルは、180℃のソース温度でグリコール/チオグリセロール/トリフルオロ酢酸(1:1:0.1)マトリックスから得た。Na−D線での旋光は、パーキン−エルマー141旋光計を使用して環境温度で得た。分析結果は、一般的に理論値の+/−0.2%内であった。フラッシュクロマトグラフィーは、アルドリッチ(Aldrich)フラッシュクロマトグラフィー「シリカゲル−60」(イー.メルク(E.Merck)、230〜400メッシュ)を使用して実施した。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、ガラス板上でGF254シリカゲル(蛍光インジケーター付き)を使用して実施した。全ての溶媒及び試薬は、他に記載しない限り、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company Ltd.)から供給され、更に精製することなく供給されたままで使用した。無水の溶媒は、乾燥窒素雰囲気下で、適切な乾燥剤の存在下で、蒸留により調製し、4Aモレキュラーシーブ又はナトリウム線上で貯蔵した。石油エーテルは、40〜60℃で沸騰する画分を指す。
【0124】
実施例
実施例1(a): 2−シアノメチルPBD(10,SB−A67)の合成(図1参照)
【0125】
【化22】
Figure 0004824165
【0126】
ニトロアルコールの合成(3)
蒸留したてのCHCl(50mL)中の酸1(3.03g、10mmol、1当量)の溶液を窒素雰囲気下で塩化オキサリル(1.05mL、12mmol、1.2当量)で処理して、攪拌した。DMF(0.1mL)を添加し、その溶液を沸騰させた。反応を放置して、室温で一晩攪拌した。翌日、窒素雰囲気下で、この酸塩化物溶液を蒸留したてのCHCl(30mL)中のアミン2(2.31g、10mmol、1当量)およびTEA(3.48mL、25mmol、2.5当量)の攪拌混合物に2時間かけて一滴ずつ添加し、その間、温度は0度未満に維持した。その後、反応混合物を放置して室温に温め、一晩攪拌した。この溶液をNaHCO(100mL)、飽和NHCl(100mL)、HO(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO4)、濾過し、減圧下で蒸発させて、褐色油を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(SiO、EtOAc)によって精製し、黄色ガラスとして共役化合物3(3.24g、6.28mmol、62.8%)を生じた。
【0127】
【化23】
Figure 0004824165
【0128】
アミノアルコールへの還元(4)
MeOH(50mL)中のヒドラジン(3.11mL、100mmol、5当量)の溶液を、メタノール(150mL)中のニトロ化合物3(10.32g、20mmol、1当量)、沸石、ラネーNi(3.5g)の還流溶液に一滴ずつ添加した。還流状態で1時間後、TLC(SiO、MeOH−CHCl)は、出発原料の全消費を示した。その後、一切の未反応ヒドラジンを分解するのに充分なラネーNiでこの混合物を処理した。室温に冷却した後、混合物をセライトを通して濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。得られた残さをCHCl(300mL)に溶解し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、ピンク色の油として4(6.80g、14mmol、70%)を生じ、これを精製せずに次の段階に進めた。
【0129】
【化24】
Figure 0004824165
【0130】
アロックプロ−N10−保護C2−アルコールの合成(5)
蒸留したてのCHCl(30mL)中のアリルクロロホルメート(1.54mL、14.48mmol、1.05当量)の溶液を、0℃、窒素雰囲気下で、蒸留したてのCHCl(200mL)中のアミン4(6.70g、13.79mmol、1当量)、ピリジン(2.45mL、30.34mmol、2.2当量)の攪拌混合物に一滴ずつ添加した。この混合物を放置して室温に温め、一晩攪拌した。翌日、TLC(SiO、5%MeOH−CHCl)は、反応の完了を示した。この混合物を、飽和CuSO(100mL)、HO(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、濃黄色油を得た。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、30%EtOAc−石油エーテル)によって、黄色油としてアロック−化合物5(6.70g、11.75mmol、85.2%)を生じた。
【0131】
【化25】
Figure 0004824165
【0132】
C2−ケトンへの酸化(6)
蒸留したてのCHCl(200mL)中のDMSO(2.50g、35.25mmol、3当量)の溶液を、−55/−60℃(液体窒素/CHCl)、窒素雰囲気下で塩化オキサリル(CHCl中の2M溶液8.81mL)の攪拌溶液に1.5時間かけて一滴ずつ添加した。−55℃で30分攪拌後、CHCl(150mL)中の第二アルコール5(6.70g、11.75mmol、1当量)の溶液を1.5時間かけて反応混合物に1滴ずつ添加した。−55/−60℃で45分間攪拌した後、40分の時間をかけて反応溶液にCHCl(50mL)中のTEA(11.4mL、79.90mmol、6.8当量)の溶液を滴下して処理した。混合物を−30℃でさらに45分間攪拌し、その後、放置して室温に暖めた。次に、反応混合物をブライン(150mL)で処理し、0℃に冷却して、濃HClでpH=2に酸性化した。有機相をHO(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、TLC(SiO、40%EtOAc−石油エーテル)によって、さらに精製することなく次の段階に進めるのに充分純粋な、濃橙色油としてケトン6(6.18g、10.88mmol、93%)を生じた。
【0133】
【化26】
Figure 0004824165
【0134】
C2−チアノメチル基の挿入(7)
水素化ナトリウム(ミニットシラール油(minuteseral oil)中の60%分散体0.70g、17.60mmol、2.5当量)を石油エーテル中で10分間攪拌した。この懸濁液を放置して沈降させ、窒素下で両頭針を経由してフラスコから溶媒を移動した。残っていた残さを蒸留したての無水THF(50mL)に懸濁させ、0℃に冷却して、窒素雰囲気下でTHF(60mL)中のジエチルシアノメチルホスホネート(11.14mL、79.90mmol、6.8当量)を滴下して処理した。この混合物を放置して室温に温め、1.5時間攪拌した。0℃に冷却した後、反応混合物にTHF(40mL)中のケトン6(11.14mL、79.90mmol、6.8当量)の溶液を滴下して処理した。一晩攪拌した後、TLC(SiO、30%EtOAc−石油エーテル)は、出発原料のほぼ完全な消費を示した。THFを減圧下で蒸発させて、得られた残さをNaHCO(100mL)の飽和溶液およびEtOAc(100mL)で処理した。水性相をEtOAc(100mL)で洗浄し、その後、この混合有機相をHO(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、褐色ガラスを得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(SiO、30%EtOAc−石油エーテル)にかけて、黄色ガラスとして純粋なシアノ化合物7(2.6g、4.40mmol、63%)を生じた。
【0135】
【化27】
Figure 0004824165
【0136】
脱保護アルコール(8)
氷酢酸(15mL)をTHF(10mL)およびHO(15mL)中のシリルエーテル7(2.10g、3.55mmol)の攪拌溶液に添加した。反応混合物を放置して、室温で攪拌し、1時間毎にTLC(SiO、30%EtOAc−石油エーテル)で監視した。3時間の間に、AcOH(10mL)をさらに二回分添加した。この混合物を全体で4時間攪拌し、この間に反応は完了した。その後、混合物を0℃に冷却し、HO(50mL)中のNaHCOの10%溶液を滴下して処理した。この水溶液をEtAc(3x20mL)で抽出し、混合有機相をHO(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、黄色油を得た。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、5%MeOH−CHCl)によって、黄色ガラスとして遊離アルコール8(1.40g、2.93mmol、83%)を生じた。
【0137】
【化28】
Figure 0004824165
【0138】
N10保護環化PBD(9)
蒸留したてのCHCl(40mL)中のDMSO(0.75g、10.55mmol、3.6当量)の溶液を、−40/−50℃(液体窒素/クロロベンゼン)、窒素雰囲気下で塩化オキサリル(CHCl中の2M溶液2.64mL)の攪拌溶液に速い速度で一滴ずつ添加した。−45℃で5分間攪拌後、反応混合物にCHCl(30mL)中の一級アルコール8(1.40g、2.93mmol、1当量)の溶液を45分間かけて一滴ずつ添加した。−45℃で45分間攪拌後、反応混合物にCHCl(20mL)中のTEA(1.72mL、12.31mmol、4.2当量)の溶液を30分間かけて滴下して処理した。混合物をさらに40分間、−45℃で攪拌し、その後、放置して室温に温め、20mLのCHClで希釈した。その後、この反応混合物を0℃に冷却して、1NのHCl(200mL)、HO(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、黄色発泡体を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(SiO、5%MeOH−CHCl)にかけて、わずかに黄色のガラスとして純粋な閉環化合物9(0.95g、2.00mmol、68%)を生じた。
【0139】
【化29】
Figure 0004824165
【0140】
C2−シアノメチルPBD(10、SB−A67)
トリフェニルホスフィン(25mg、0.095mmol、0.05当量)、ピロリジン(167μl、2.0mmol、1.05当量)、およびPd(PPh(56mg、0.048mmol、0.025当量)を、蒸留したての乾燥CHCl(100mL)中のアロック−化合物9(900mg、1.90mmol、1当量)の攪拌溶液に順次添加した。反応混合物を放置して、室温、窒素雰囲気下で2時間攪拌した。この時、TLC(SiO、1%MeOH−CHCl)は、反応の完了を示した。この混合物を減圧下で蒸発させ、残さを重力クロマトグラフィーカラム(SiO、1%MeOH−CHCl)にかけて、黄色ガラスとしてPBD SB−A67(720mg、1.93mmol、100%)を単離した。
【0141】
【化30】
Figure 0004824165
【0142】
実施例1(b): 2−メトキシカルボニルメチルPBD(24、SJG−245)の合成(図2参照)
【0143】
【化31】
Figure 0004824165
【0144】
(2S,4R)−N−(アリルオキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸(12)
THF(30mL)中のアリルクロロホルメート(29.2mL、33.2g、275mmol)の溶液を、0℃(氷/アセトン)で、THF(150mL)およびHO(150mL)の混合物中のトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン(11)(30g、229mmol)の懸濁液に一滴ずつ添加した。この間、4NのNaOHでpHを9に維持した。0℃で1時間、pH9で攪拌した後、水性相をNaClで飽和し、その混合物をEtOAc(100mL)で希釈した。水性相を分離し、EtOAc(100mL)で洗浄して、濃HClでpHを2に調整した。得られた乳白色乳濁液をEtOAc(2x100mL)で抽出し、ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、透明粘性油としてアリルカルバメート12(42.6g、87%)を得た。
【0145】
【化32】
Figure 0004824165
【0146】
(2S,4R)−N−(アリルオキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸メチル(13)
触媒量の濃HSO(4.5mL)をMeOH(300mL)中のアロック−ヒドロキシピロリン(12)(43g、200mmol)の溶液に10℃(氷)で添加し、その後、この反応混合物を還流状態で2時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をTEA(43mL)およびMeOHで処理し、減圧下で蒸発させた。残さをEtOAc(300mL)に溶解し、ブライン(200mL)で洗浄して、乾燥し(MgSO)、濾過して、減圧下で濃縮し、粘性油を生じた。フラッシュクロマトグラフィー(40%EtOAc/石油エーテル)による精製によって高R不純物を除去し、透明黄色油として純粋なエステル13(19.6g、43%)を生じた。
【0147】
【化33】
Figure 0004824165
【0148】
(2S,4R)−N−(アリルオキシカルボニル)−4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン(14)
THF(326mL)中のエステル13(19.5g、85mmol)の溶液を0℃に冷却し(氷/アセトン)、LiBH(2.78g、128mmol)で少しずつ処理した。反応混合物を放置して室温に温め、窒素雰囲気下で2.5時間攪拌した。この時、TLC(50%EtOAc/石油エーテル)は、エステル13の完全な消費を示した。この混合物を0℃に冷却し、水(108mL)、続いて2NのHCl(54mL)を注意深く添加した。減圧下でTHFを蒸発させた後、混合物を10NのNaOHでpH7に中和し、固体NaClで飽和した。その後、この飽和水溶液をEtOAc(5x100mL)で抽出し、混合有機相をブライン(200mL)で洗浄して、乾燥し(MgSO)、濾過して、減圧下で蒸発させ、無色透明の油として純粋なジオール14(16.97g、99%)を生じた。
【0149】
【化34】
Figure 0004824165
【0150】
(2S,4R)−N−(アリルオキシカルボニル)−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−ヒドロキシピロリジン(15)
CHCl(235mL)中のジオール14(16.97g、84mmol)の溶液をTEA(11.7mL、8.5g、84mmol)で処理し、15分間室温で攪拌した。TBDMSCl(9.72g、64mmol)およびDBU(16.8mmol、2.51mL、2.56g)を添加し、反応混合物をさらに16時間窒素雰囲気下で攪拌した。この反応混合物をEtOAc(500mL)で希釈して、飽和NHCl(160mL)、ブライン(160mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、必須生成物(主成分)、未反応ジオール、およびTLC(50%EtOAc/石油エーテル)により推定されるジシリル化化合物の混合物である油を得た。フラッシュクロマトグラフィー(20〜100%EtOAc/石油エーテル)によって3成分を単離して、わずかに黄色の透明油としてモノシリル化化合物15(13.85g、52%)を生じた。
【0151】
【化35】
Figure 0004824165
【0152】
(2S)−N−(アリルオキシカルボニル)−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−オキソピロリジン(16)
方法A: CHCl(90mL)中のDMSO(12.9mL、14.3g、183mmol)の溶液を、−60℃(ドライアイス/アセトン)、窒素雰囲気下で、塩化オキサリルの溶液(CHCl中2.0M溶液45.1mL、90.2mmol)に一滴ずつ添加した。−70℃で30分間攪拌した後、CHCl(215mL)に溶解したアルコール15(25.8g、81.9mmol)の溶液を−60℃で一滴ずつ添加した。−70℃で1.5時間後、この混合物にTEA(57.2mL、41.5g、410mmol)を滴下して処理し、放置して10℃に温めた。反応混合物をブライン(150mL)で処理し、濃HClでpH3に酸性化した。相を分離し、有機相をブライン(200mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、橙色油を得た。フラッシュクロマトグラフィー(40%EtOAc/石油エーテル)による精製によって、薄黄色油としてケトン16(24.24g、95%)を生じた。
【0153】
方法B: CHCl(67.5mL)中のアルコール15(4.5g、14.3mmol)の溶液をCHCN(7.5mL)、4Åの粉末状モレキュラーシーブ(3.54g)およびNMO(2.4g、20.5mmol)で処理した。室温で15分間攪拌した後、TPAP(0.24g、0.7mmol)を反応混合物に添加すると、色の変化(緑色→黒色)が観察された。反応混合物を放置してさらに2.5時間攪拌した。この時、TLC(50%EtOAc/石油エーテル40°〜60°)によって、出発原料の完全消費が観察された。黒色混合物を減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(50%EtOAc/石油エーテル)によって、金色油として純粋なケトン16(4.1g、92%)を得た。
【0154】
【化36】
Figure 0004824165
【0155】
(2S)−N−(アリルオキシカルボニル)−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−(メトキシカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロピロール(17)
石油エーテル40°〜60°(100mL)をNaHのサンプル(油中の60%分散体0.80g、20.12mmol)に添加し、室温、窒素雰囲気下で攪拌した。0.5時間後、混合物を放置して沈降させ、石油エーテルを窒素下で両頭針を経由してフラスコから移動した。THF(100mL)を残っていた残さに添加し、その混合物を0℃に冷却した(氷/アセトン)。窒素下で、冷却溶液にTHF(100mL)中のメチルジエチルホスホノアセテート(3.69mL、4.23g、20.12mmol)を滴下して処理した。室温で1時間後、混合物を0℃に冷却し、窒素下でTHF(30mL)中のケトン16(3.0g、9.58mmol)の溶液を滴下して処理した。室温で16時間後、TLC(50%EtOAc/石油エーテル)は、ケトンの完全消費を示し、さらにTLC(5%EtOAc/石油エーテル)は、主としてエキソ−生成物の生成を示した。反応混合物を0℃に冷却し(氷/アセトン)、窒素下で、両頭針を経由して、0℃で上記のように洗浄してすぐのNaH(油中の60%分散体0.40g、10.1mmol)の入った別のフラスコに移動した。反応混合物を0℃で維持し、40分後、TLCはエンド−生成物のほぼ完全な転化を示した。THFを減圧下で蒸発させて、混合物を飽和NaHCO(100mL)とEtOAc(100mL)の間で分配した。相を分離し、水性相をEtOAc(2x50mL)で抽出した。この混合有機相を、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、橙色油を得た。フラッシュクロマトグラフィー(5%EtOAc/石油エーテル)による精製によって、エンド−エステル17(2.22g、63%)を生じた。
【0156】
【化37】
Figure 0004824165
【0157】
(2S)−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−(メトキシカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロピロール(18)
触媒量のPdCl(PPh(84mg、0.12mmol)を、CHCl(36mL)中のアリルカルバメート17(1.10g、2.98mmol)およびHO(0.32mL、17.8mmol)の攪拌溶液に添加した。室温で5分間攪拌した後、BuSnH(0.89mL、0.96g、3.30mmol)を迅速に一度に添加した。これにより、激しいガス発生を伴うわずかに発熱性の反応が直ちに起こった。混合物を16時間、室温、窒素下で攪拌した。この時、TLC(50%EtOAc/石油エーテル)は、出発原料の完全消費に加えてアミンの生成を示した。CHCl(30mL)で希釈した後、この有機溶液を乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、橙色油を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(50%EtOAc/石油エーテル)により精製して、わずかに橙色の油としてエナミン18(0.57g、67%)を生じた。
【0158】
【化38】
Figure 0004824165
【0159】
(2S)−N−(4−ベンジルオキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル)−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−(メトキシカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロピロール(19)
触媒量のDMF(2滴)を、CHCl(33mL)中の酸1(0.506g、1.67mmol)および塩化オキサリル(0.17mL、0.25g、1.98mmol)の攪拌溶液に添加した。室温で16時間後、この酸塩化物溶液を、0℃(氷/アセトン)、窒素雰囲気下で、CHCl(12mL)中のエナミン18(0.524g、1.84mmol)およびTEA(0.47g、0.65mL、4.60mmol)の攪拌混合物に一滴ずつ添加した。反応混合物を放置して室温に温め、さらに2.5時間攪拌した。この混合物をCHCl(50mL)で希釈し、飽和NaHCO(50mL)、飽和NHCl(50mL)、HO(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、濃橙色油として粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(25%EtOAc/石油エーテル)による精製によって、橙色油として純粋なエナミン19(0.55g、58%)を単離した。
【0160】
【化39】
Figure 0004824165
【0161】
(2S)−N−(4−ベンジルオキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル)−2−(ヒドロキシメチル)−4−(メトキシカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロピロール(20)
THF(8mL)中のシリル保護化合物274(0.45g、0.79mmol)の溶液をHO(8mL)および氷酢酸(24mL)で処理した。室温で5時間攪拌した後、TLC(50%EtOAc/石油エーテル)は、出発原料の完全消費を示した。この混合物をHO(640mL)中のNaHCO(64g)の攪拌溶液に一滴ずつ注意深く添加し、EtOAc(3x100mL)で抽出した。混合有機相をHO(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、橙色ガラスとして粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(80%EtOAc/石油エーテル)による精製によって、薄橙色ガラスとして純粋なアルコール20(0.35g、98%)を生じた。
【0162】
【化40】
Figure 0004824165
【0163】
(2S)−N−(2−アミノ−4−ベンジルオキシ−5−メトキシベンゾイル)−2−(ヒドロキシメチル)−4−(メトキシカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロピロール(21)
メタノール(16mL)中のニトロ−アルコール20(0.35g、0.77mmol)およびSnCl/2HO(0.87g、3.86mmol)の溶液を加熱して還流し、TLC(90%CHCl/MeOH)によって監視した。1時間後、MeOHを減圧下で蒸発させて、得られた残さを冷却し(氷)、飽和NaHCO(65mL)で注意深く処理した。この混合物をEtOAc(65mL)で希釈し、室温で16時間攪拌した後、無機沈殿物をセライトを通す濾過によって除去した。有機相を分離して、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、薄橙色ガラスとして粗アミン21(0.29g、88%)を得た。アミンが不安定なため、これをさらに精製することなく次の段階に進めるか、または分析した。
【0164】
(2S)−N−[(2−アリルオキシカルボニルアミノ)−4−ベンジルオキシ−5−メトキシベンゾイル)−2−(ヒドロキシメチル)−4−(メトキシカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロピロール(22)
CHCl(12mL)中のアミノ−アルコール21(0.29g、0.68mmol)の溶液を0℃に冷却し(氷/アセトン)、ピリジン(0.11mL、0.11g、1.39mmol)で処理した。CHCl(10mL)中のアリルクロロホルメート(79μL、90mg、0.75mmol)の溶液をこの攪拌溶液に一滴ずつ添加した。反応混合物を放置して室温に温め、さらに2.5時間攪拌した。この時点で、TLC(EtOAc)は、アミン21の完全消費を示した。混合物をCHCl(30mL)で希釈し、飽和CuSO(20mL)、HO(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗残さをフラッシュクロマトグラフィー(70%EtOAc/石油エーテル)により精製して、無色ガラスとして純粋なアロック−アミノ化合物22(0.14g、40%)を生じた。
【0165】
【化41】
Figure 0004824165
【0166】
(11S,11aS)−10−アリルオキシカルボニル−8−ベンジルオキシ−11−ヒドロキシ−7−メトシキ−2−(メトキシカルボニルメチル)−1,10,11,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンソジアゼピン−5−オン(23)
CHCl/CHCN(12mL、3:1)中のアルコール22(0.14g、0.28mmol)の溶液を、4Åの粉末状モレキュラーシーブ(0.15g)およびNMO(49mg、0.42mmol)で処理した。室温で15分間攪拌した後、TPAP(4.90mg、14μmol)を添加し、さらに1時間30分攪拌を続けた。この時点で、TLC(80%EtOAc/石油エーテル)は、多少の未酸化出発原料に加えて生成物の生成を示した。その後、この混合物を、さらにNMO(49mg、0.42mmol)およびTPAP(4.90mg、14μmol)で処理し、放置して、さらに0.5時間攪拌した。この時、TLCは反応の完了を示した。混合物をシリカを用いて減圧下で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(60%EtOAc/石油エーテル)にかけて、無色ガラスとして保護カルビノールアミン23(39mg、28%)を生じた。
【0167】
【化42】
Figure 0004824165
【0168】
(11S,11aS)および(11R,11aS)−8−ベンジルオキシ−7,11−ジメトキシ−2−(メトキシカルボニルメチル)−1,10,11,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンソジアゼピン−5−オン(24,SJG−245)
触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)バラジウム(5.0mg、4.33μmol)を、CHCl(15mL)中のアロック−保護カルビノールアミン23(88mg、0.17mmol)、トリフェニルホスフィン(2.27mg、8.65μmol)およびピロリジン(13mg、0.18mmol)の攪拌溶液に添加した。室温、窒素雰囲気下で、2時間攪拌した後、TLC(80%EtOAc/石油エーテル)は出発原料の完全消費を示した。溶媒を減圧下で蒸発させ、その粗残さをフラッシュクロマトグラフィー(60%EtOAc/石油エーテル)により精製して、無色ガラスとして新規PBD(SJG−245)(54mg、77%)を生じた。これを減圧下でCHClを用いて繰り返し蒸発させて、N10−C11イミン型24を生じた。
【0169】
【化43】
Figure 0004824165
【0170】
減圧下でCHOHを用いて繰返し蒸発させることによって、N10−C11メチルエーテル型25を生じた。
【0171】
【化44】
Figure 0004824165
【0172】
実施例1(cおよびd): SJG−301(31、UP2051)およびSJG−303(33,UP2052)の合成(図3参照)
【0173】
【化45】
Figure 0004824165
【0174】
(2S)−N−[(2−アリルオキシカルボニルアミノ)−4−ベンジルオキシ−5−メトキシベンゾイル]−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−(メトキシカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロピロール(26)
石油エーテル(100mL)をNaHのサンプル(油中の60%分散体1.41g、35.25mmol)に添加し、室温、窒素雰囲気下で攪拌した。0.5時間後、この混合物を放置して沈降させ、その石油エーテルを窒素下で両頭針を経由してフラスコから移動した。THF(80mL)を残っていた残さに添加し、この混合物を0℃に冷却した(氷/アセトン)。冷却溶液に窒素下でTHF(80mL)中のメチルジエチルホスホノアセテート(6.47mL、7.41g、35.25mmol)の溶液を滴下して処理した。室温で1.5時間後、混合物を0℃に冷却し、窒素下でTHF(50mL)中のケトン6(8.0g、14.1mmol)の溶液を滴下して処理した。室温で16時間後、TLC(20%EtOAc/石油エーテル)は反応の完了を示した。THFを減圧下で蒸発させて、飽和NaHCO(200mL)とEtOAc(220mL)の間で混合物を分配した。相を分離し、水性相をEtOAc(2x200mL)で抽出した。混合有機相をHO(200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、濃赤色油を得た。フラッシュクロマトグラフィー(15%EtOAc/石油エーテル)による精製によって、エンド−エステル26(7.02g、80%)を生じた。
【0175】
【化46】
Figure 0004824165
【0176】
(2S)−N−[(2−アリルオキシカルボニルアミノ)−4−ベンジルオキシ−5−メトキシベンゾイル]−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−(ヒドロキシ−2−エチル)−2,3−ジヒドロピロール(27)
THF(55mL)中のエステル26(4.0g、6.41mmol)の溶液を0℃に冷却し(氷/アセトン)、LiBH(0.21g、9.62mmol)で少しずつ処理した。混合物を放置して室温に温め、窒素雰囲気下で26時間攪拌した。この時点で、TLC(50%EtOAc/石油エーテル)は、出発原料の完全消費を示した。混合物を0℃に冷却し(氷/アセトン)、水(14mL)を注意深く添加した。減圧下でTHFを蒸発させた後、混合物を冷却し、その後、1NのHClで中和した。その後、この溶液をHO(100mL)で希釈し、EtOAc(3x100mL)で抽出して、混合有機相をブライン(100mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させた。この粗油をフラッシュクロマトグラフィー(30→40%EtOAc/石油エーテル)により精製して、透明黄色油として純粋なエンド−アルコール27(2.11g、55%)を生じた。
【0177】
【化47】
Figure 0004824165
【0178】
(2S)−N−[(2−アリルオキシカルボニルアミノ)−4−ベンジルオキシ−5−メトキシベンゾイル]−4−(アシルオキシ−2−エチル)−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−2,3−ジヒドロピロール(28)
無水酢酸(8.17g、7.55mL、80mmol)およびピリジン(30.2mL)をアルコール27(0.953g、1.60mmol)に添加し、この溶液を16時間窒素下で攪拌した。この時点で、TLC(50%EtOAc/石油エーテル)は、反応の完了を示した。反応混合物を0℃に冷却し(氷/アセトン)、MeOH(15mL)を滴下して処理した。室温で1時間攪拌後、混合物にHO(30.2mmol)を滴下して処理し、さらに16時間攪拌した。EtOAc(56mL)で希釈した後、溶液を0℃に冷却して、6NのHCl(56mL)を滴下して処理した。相を分離し、有機相を6NのHCl(2x28mL)で洗浄し、その後、混合水性相をEtOAc(70mL)で抽出した。その後、混合有機相をHO(60mL)、ブライン(60mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させた。この粗油は、TLCによる評価として所望の生成物28とTBDMS分解化合物29との混合物であった。フラッシュクロマトグラフィー(20→100%EtOAc/石油エーテル)による精製によって、無色油として29(0.2g)および所望のアシル−TBDMS化合物28(0.59g、58%)を生じた。
【0179】
【化48】
Figure 0004824165
【0180】
(2S)−N−[(2−アリルオキシカルボニルアミノ)−4−ベンジルオキシ−5−メトキシベンゾイル]−4−(アシルオキシ−2−エチル)−2−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロピロール(29)
THF(14mL)中のシリルエーテル28(0.83g、1.30mmol)の溶液をHO(14mL)および氷酢酸(42mL)で処理した。室温で2時間攪拌後、TLC(50%EtOAc/石油エーテル)は、出発原料の完全消費を示した。混合物を冷却し(氷)、HO(640mL)中のNaHCO(64g)の溶液を滴下して処理した。この水溶液をEtOAc(3x100mL)で抽出し、混合有機相をHO(150mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、橙色油として粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(60%EtOAc/石油エーテル)による精製によって、白色ガラスとして純粋なアルコール29(0.537g、81%)を生じた。
【0181】
【化49】
Figure 0004824165
【0182】
(11S,11aS)−2−(アシルオキシ−2−エチル)−10−アリルオキシカルボニル−8−ベンジルオキシ−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−1,10,11,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(30)
方法A: CHCl(10mL)中のDMSO(0.25mL、0.27g、3.49mmol)の溶液を、−45℃(液体窒素/クロロベンゼン)、窒素雰囲気下で、塩化オキサリルの溶液(CHCl中の2.0M溶液0.87mL、1.75mmol)に35分間かけて一滴ずつ添加した。−45℃で40分間攪拌した後、CHCl(7mL)中のアルコール29(0.51g、0.97mmol)の溶液を−45℃で35分間かけて添加した。−45℃で55分間後、混合物にCHCl(5mL)中のTEA(0.57mL、0.41g、4.10mmol)の溶液を40分間かけて−45℃で滴下して処理した。さらに45分後、反応混合物を放置して室温に温め、CHCl(60mL)で希釈し、1NのHCl(60mL)、HO(60mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させた。この粗材料のTLC(80%EtOAc/石油エーテル)は、反応の完了を示した。フラッシュクロマトグラフィー(50%EtOAc/石油エーテル)による精製によって、クリーム色のガラスとして保護カルビノールアミン30(0.25g、49%)を生じた。
【0183】
方法B: CHCl/CHCN(30mL、3:1)中のアルコール29(0.21g、0.40mmol)の溶液を4Åの粉末状モリキュラーシーブ(0.15g)およびNMO(69mg、0.59mmol)で処理した。室温で15分間攪拌した後、TPAP(6.9mg、19.8μmol)を添加し、さらに1時間攪拌を続けた。この時点で、TLC(80%EtOAc/石油エーテル)は、多少の未酸化出発原料に加えて生成物の生成を示した。その後、この混合物を、さらにNMO(35mg、0.30mmol)およびTPAP(3.50mg、10μmol)で処理し、放置して、さらに1.5時間攪拌した。この後、TLCは反応の完了を示した。混合物をシリカを用いて減圧下で蒸発させて、フラッシュクロマトグラフィー(50%EtOAc/石油エーテル)にかけ、クリーム色のガラスとして保護カルビノールアミン30(95mg、46%)を生じた。
【0184】
【化50】
Figure 0004824165
【0185】
実施例1(c): (11aS)−2−(アシルオキシ−2−エチル)−8−ベンジルオキシ−7−メトキシ−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(31,UP2051,SJG−301)
触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(5.26mg、4.55μmol)を、CHCl(10mL)中のアロック−保護カルビノールアミン30(95mg、0.18mmol)、トリフェニルホスフィン(2.39mg、9.10μmol)およびピロリジン(13.6mg、0.19mmol)の攪拌溶液に添加した。室温、窒素雰囲気下で1時間攪拌した後、TLC(97%CHCl/MeOH)は、出発原料の完全消費を示した。溶媒を減圧下で蒸発させ、この粗残さをフラッシュクロマトグラフィー(99.5%CHCl/MeOH)により精製して、橙色ガラスとしてPBD(31,SJG−301,UP2051)を生じた。これを減圧下でCHClを用いて繰返し蒸発させて、N10−C11イミン型(66.3mg、87%)を生じた。
【0186】
【化51】
Figure 0004824165
【0187】
(11S,11aS)−10−アリルオキシカルボニル−8−ベンジルオキシ−11−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシ−2−エチル)−7−メトキシ−1,10,11,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(32)
O(6mL)中のKCO(328mg、2.38mmol)の溶液を、CHCl(3mL)およびMeOH(8mL)中のアシル化合物30(0.248g、0.475mmol)の攪拌溶液に一滴ずつ添加した。16時間室温で攪拌した後、TLC(EtOAc)は、反応の完了を示した。MeOH/CHClを減圧下で蒸発させて、濁った水溶液を得た。これをHO(30mL)で希釈し、EtOAc(3x30mL)で抽出した。その後、混合有機相をブライン(30mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、クリーム色の油を生じた。フラッシュクロマトグラフィー(97%CHCl/MeOH)による精製によって、無色透明のガラスとしてホモアリル系アルコール32(178mg、78%)を生じた。
【0188】
【化52】
Figure 0004824165
【0189】
実施例1(d): (11aS)−8−ベンジルオキシ−2−(ヒドロキシ−2−エチル)−7−メトキシ−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(33,UP2052,SJG−303)
触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(9.39mg、8.13μmol)を、CHCl(15mL)中のアロック−保護カルビノールアミン30(156mg、0.33mmol)、トリフェニルホスフィン(4.26mg、16.3μmol)およびピロリジン(24.3mg、0.34mmol)の攪拌溶液に添加した。室温、窒素雰囲気下で1時間50分間攪拌した後、TLC(90%CHCl/MeOH)は、出発原料の完全消費を示した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗残さをフラッシュクロマトグラフィー(98%CHCl/MeOH)により精製して、橙色ガラスとしてPBD(33,SJG−303,UP2052)を生じた。これを減圧下でCHClを用いて繰返し蒸発させて、N10−C11イミン型(103mg、84%)を生じた。
【0190】
【化53】
Figure 0004824165
【0191】
減圧化でUP2052をCHOHを用いて繰返し蒸発させることによって、N10−C11メチルエーテル型を生じた。
【0192】
【化54】
Figure 0004824165
【0193】
実施例1(e): C7,C8−ジメトキシ−C2−メトキシカルボニルメチルPBD AN−SJG(42,UP2065)の合成(図4参照)
【0194】
【化55】
Figure 0004824165
【0195】
(2S)(4R)−N−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンゾイル)−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−ヒドロキシピロリジン(35)
触媒量のDMF(2滴)を、CHCl(300mL)中ニトロ酸34(12.45g、54.8mmol)および塩化オキサリル(5.75mL、8.37g、65.9mmol)の攪拌溶液に添加した。室温で16時間後、得られた酸塩化物溶液を、0℃(氷/アセトン)、窒素雰囲気下で、CHCl(300mL)中のアミン2(12.65g、54.8mmol)およびTEA(13.86g、19.1mL、137mmol)の攪拌混合物に4.5時間かけて一滴ずつ添加した。反応混合物を放置して室温に温め、さらに2.5時間攪拌した。混合物を飽和NaHCO(300mL)、飽和NHCl(300mL)、HO(250mL)、ブライン(300mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、濃橙色油として粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(80%EtOAc/石油エーテル)による精製によって、粘着性橙色油として純粋なアミド35(18.11g、75%)を単離した。
【0196】
【化56】
Figure 0004824165
【0197】
(2S)(4R)−N−(2−アミノ−4,5−ジメトキシベンゾイル)−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−ヒドロキシピロリジン(36)
MeOH(110mL)中のビドラジン(6.59g、6.40mL、205.5mmol)の溶液を、MeOH(325mL)中、沸石およびラネーNi(2.6g)上のニトロ化合物35(18.1g、41.1mmol)の溶液に一滴ずつ添加し、還流状態で加熱した。還流状態で1時間後、TLC(95%CHCl/MeOH)は、多少のアミン生成を示した。反応混合物をさらにMeOH(50mL)中のラネーNi(2.6g)およびヒドラジン(6.40mL)で処理し、還流状態でさらに30分間加熱した。この時点でのTLCは、反応の完了を示した。その後、反応混合物を一切の残留ヒドラジンを分解するのに充分なラネーNiで処理し、還流状態でさらに1.5時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を温泉華を通して濾過し、得られた濾液を減圧下で蒸発させた。その後、得られた残さをCHCl(300mL)で処理し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させて、緑色油としてアミン36(16.03g、95%)を生じた。
【0198】
【化57】
Figure 0004824165
【0199】
(2S)(4R)−N−[(2−アリルオキシカルボニルアミノ)−4,5−ジメトキシベンゾイル]−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−ヒドロキシピロリジン(37)
CHCl(450mL)中のアミン36(16.03g、39mmol)の溶液を0℃に冷却し(氷/アセトン)、ピリジン(6.94mL、6.78g、85.5mmol)で処理した。その後、CHCl(90mL)中のアリルクロロホルメート(4.35mL、4.94g、40.95mmol)の溶液をこの攪拌混合物に一滴ずつ添加した。反応混合物を放置して室温に温め、さらに1.5時間攪拌した。この時点で、TLC(EtOAc)は、アミン36の完全消費を示した。反応混合物を飽和CuSO(300mL)、HO(300mL)、ブライン(300mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させた。この粗残さをフラッシュクロマトグラフィー(35%EtOAc/石油エーテル)によって精製し、透明油として純粋なアロック−アミノ化合物37(16.78g、87%)を生じた。
【0200】
【化58】
Figure 0004824165
【0201】
(2S)−N−[(2−アリルオキシカルボニルアミノ)−4,5−ジメトキシベンゾイル]−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−オキソピロリジン(38)
CHCl(150mL)中のDMSO(7.24mL、7.97g、102mmol)の溶液を−60℃(液体窒素/CHCl)、窒素雰囲気下で、塩化オキサリル(CHCl中の2.0M溶液25.5mL、51.0mmol)の溶液に2時間かけて一滴ずつ添加した。−50℃で1時間攪拌した後、CHCl(250mL)中のアルコール37(16.75g、33.9mmol)の溶液を2時間かけて一滴ずつ添加した。−55℃で1時間後、混合物にCHCl(100mL)中のTEA(32.2mL、23.4g、231mmol)の溶液を滴下して処理し、放置して室温に温めた。反応混合物をブライン(250mL)で処理し、低温の1NのHCl(2x300mL)で洗浄した。CHCl相のTLC(50%EtOAc/石油エーテル)分析は、反応の完了を示した。相を分離し、有機相をHO(300mL)、ブライン(300mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、橙色ガラスとしてケトン38(16.37g、98%)を得た。
【0202】
【化59】
Figure 0004824165
【0203】
(2S)−N−[(2−アリルオキシカルボニルアミノ)−4,5−ジメトキシベンゾイル]−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−(メトキシカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロピロール(39)
石油エーテル(70mL)をNaHのサンプル(油中の60%分散体0.41g、10.16mmol)に添加し、室温で、窒素雰囲気下で攪拌した。0.5時間後、混合物を放置して沈降させ、石油エーテルを窒素下で両頭針を経由してフラスコから移動した。THF(60mL)を残っていた残さに添加し、この混合物を0℃に冷却した(氷/アセトン)。この冷却溶液に、窒素下で、THF(60mL)中のメチルジエチルホスホノアセテート(1.86mL、2.14g、10.16mmol)の溶液を滴下して処理した。室温で1.5時間後、混合物を0℃に冷却し、窒素下で、THF(36mL)中のケトン38(2.0g、4.07mmol)の溶液を滴下して処理した。室温で16時間後、TLC(20%EtOAc/石油エーテル)は、反応の完了を示した。THFを減圧下で蒸発させて、混合物を飽和NaHCO(100mL)とEtOAc(100mL)の間で分配した。相を分離し、水性相をEtOAc(2x100mL)で抽出した。混合有機相をHO(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、濃赤色油を得た。フラッシュクロマトグラフィー(15%EtOAc/石油エーテル)による精製によって、金色油としてエンド−エステル39(1.63g、73%)を生じた。
【0204】
【化60】
Figure 0004824165
【0205】
(2S)−N−[(2−アリルオキシカルボニルアミノ)−4,5−ジメトキシベンゾイル]−2−(ヒドロキシメチル)−4−(メトキシカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロピロール(40)
THF(12.6mL)中のシリルエーテル39(1.63g、2.97mmol)の溶液をHO(12.6mL)および氷酢酸(38mL)で処理した。室温で2時間攪拌した後、TLC(60%EtOAc/石油エーテル)は、出発原料の完全消費を示した。混合物を冷却し(氷)、HO(616mL)中のNaHCO(61.6g)の溶液を滴下して処理した。水溶液をEtOAc(3x150mL)で抽出し、混合有機相をHO(150mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、橙色油として粗アルコール40(1.27g、98%)を得た。
【0206】
【化61】
Figure 0004824165
【0207】
(11S,11aS)−10−アリルオキシカルボニル−7,8−ジメトキシ−11−ヒドロキシ−2−(メトキシカルボニルメチル)−1,10,11,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(41)
CHCl(22mL)中のDMSO(0.75mL、0.82g、10.5mmol)の溶液を−45℃(液体窒素/クロロベンゼン)、窒素雰囲気下で、塩化オキサリルの溶液(CHCl中の2.0M溶液2.63mL、5.26mmol)に1時間20分かけて一滴ずつ添加した。−45℃で1時間攪拌した後、CHCl(22mL)中のアルコール40(1.27g、2.92mmol)の溶液を−45℃で1時間かけて一滴ずつ添加した。−45℃で50分後、混合物にCHCl(11mL)中のTEA(1.71mL、1.24g、12.29mmol)の溶液を−45℃で30分間かけて滴下して処理した。さらに30分後、反応混合物を放置して室温に温め、CHCl(20mL)で希釈して、1NのHCl(100mL)、HO(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発させた。この粗材料のTLC(80%EtOAc/石油エーテル)は、反応の完了を示した。フラッシュクロマトグラフィー(55%EtOAc/石油エーテル)による精製によって、白色ガラスとして保護カルビノールアミン41(0.68g、54%)を生じた。
【0208】
【化62】
Figure 0004824165
【0209】
(11aS)−7,8−ジメトキシ−2−(メトキシカルボニルメチル)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(42,UP2065,AN−SJG)
触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(44.0mg、38.0μmol)を、CHCl(100mL)中のアロック−保護カルビノールアミン41(0.66g、1.53mmol)、トリフェニルホスフィン(20.0mg、77.0μmol)およびピロリジン(114mg、1.60mmol)の攪拌溶液溶液添加した。室温、窒素雰囲気下で2時間攪拌した後、TLC(99%CHCl/MeOH)は、出発原料の完全消費を示した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗残さをフラッシュクロマトグラフィー(98%CHCl/MeOH)によって精製して、橙色ガラスとしてPBD(42,AN−SJG,UP2065)を生じた。これを減圧下でCHClを用いて繰返し蒸発させて、N10−C11イミン型(481mg、95%)を生じた。
【0210】
【化63】
Figure 0004824165
【0211】
実施例1(f): KEC−570(56、UP−2053)の合成(図5参照)
【0212】
【化64】
Figure 0004824165
【0213】
1’,3’−ビス(4−カルボキシ−2−メトキシフェニル)プロパン(43)
THF(50mL)中のジヨードプロパン(8.79g、29.7mmol)の溶液を、65℃で光のない状態(フォイルを巻きつけたフラスコ)で、THF(100mL)およびNaOH水溶液(225mL、0.5M)中でバニリン酸(10g、59.5mmol)を激しく攪拌した溶液に4時間かけて一滴ずつ添加した。暗がりで48時間、還流状態で加熱した後、この懸濁液を冷却し、ヘキサン(3x100mL)で洗浄して、THFを減圧下で蒸発させることによって除去した。水性残さを濃HClでpH1に酸性化し、得られた沈殿を濾過によって回収して、乾燥し、氷酢酸から再結晶させて、白色結晶質固体として対応するビスカルボン酸(143)(9.4g、84%)を生じた。
【0214】
【化65】
Figure 0004824165
【0215】
1’,3’−ビス(4−カルボキシ−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)プロパン(44)
二価酸43(2.0g、5.30mmol)を−10℃で濃HNO(40mL)に少しずつ添加し、室温で12時間にわたって攪拌した。反応混合物を氷(400mL)に注ぎ入れ、得られた沈殿を濾過によって回収し、エーテル(3x50mL)で洗浄して、乾燥し、黄色固体としてニトロ酸(121)(1.73g、70%)を生じた。
【0216】
【化66】
Figure 0004824165
【0217】
(2S,4R)−N−(ベンズオキシカルボニル)−2−カルボキシ−4−ヒドロキシピロリジン(45)
トルエン(40mL)中ベンジルクロロホルメート(12.5mL、87.7mL)の溶液をHO(165mL)中のトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン11(10g、76.3mmol)およびNaHCO(16g、190mmol)の溶液に15分間かけて添加した。室温で12時間攪拌した後、二つの相を分離するために放置した。水性相をジエチルエーテル(4x50mL)で洗浄し、氷浴中で冷却して、その後、濃HClでpH2に酸性化した。得られた生成物を酢酸エチル(5x50mL)で抽出し、混合有機抽出物を乾燥して(MgSO)、過剰の溶媒を減圧下で蒸発させ、無色粘性油(20.30g、100%)を生じた。
【0218】
【化67】
Figure 0004824165
【0219】
(2S,4R)−N−(ベンズオキシカルボニル)−2−メチルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリン(46)
乾燥メタノール(300mL)中の(2S,4R)−N−(ベンズオキシカルボニル)−2−カルボキシ−4−ヒドロキシピロリジン(45)(20.30g、76.3mmol)の溶液を、触媒量の濃HSO(2.20mL、7.63mmol)の存在下で18時間還流状態で加熱した。反応混合物を放置して室温に冷却し、EtN(3.0mL、76.3mmol)で中和した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残さを酢酸エチル(200mL)に再溶解して、ブライン(1x50mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、過剰の溶媒を減圧下で除去し、無色ゴム(21.17g、99%)を生じた。
【0220】
【化68】
Figure 0004824165
【0221】
(2S,4R)−N−(ベンズオキシカルボニル)−2−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシピロリン(47)
水素化ホウ素リチウム(1.57g、73mmol)を、0℃でTHF(350mL)中の(2S,4R)−N−(ベンズオキシカルボニル)−2−メチルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリン(46)(20.17g、73mmol)の溶液に少しずつ添加した。反応混合物を放置して室温に温め、一晩攪拌した。得られた懸濁液を0℃に冷却し、泡立ちが治まるまで水(2〜3mL)で冷却した。泡立ちが治まった時点で、2MのHCl(15mL)を添加して、沈殿を溶解した。生成物を酢酸エチル(3x150mL)で抽出し、混合有機相をブライン(1x100mL)で洗浄し、その後、乾燥した(MgSO)。減圧下で濃縮することによって、白色ゴム(18.25g、100%)を生じた。
【0222】
【化69】
Figure 0004824165
【0223】
(2S,4R)−N−ベンズオキシカルボニル−2−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−4−ヒドロキシピロリジン(48)
塩化t−ブチルメチルシリル(5.78g、38.3mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク−7−エン(1.44mL、9.6mmol)を、放置して15分間室温で攪拌した乾燥DCM(200mL)中のアルコール(47)(12.51g、49.8mmol)およびトリエチルアミン(7.0mL、49.8mmol)の溶液に添加した。得られた混合物を放置して、室温で18時間攪拌し、その後、酢酸エチル(300mL)で希釈した。有機相を飽和塩化アンモニウム水溶液(2x100mL)およびブライン(1x100mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、溶媒を減圧下で除去し、無色粘性油(9.84g、70%)を生じた。
【0224】
【化70】
Figure 0004824165
【0225】
(2S,4R)−2−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−4−ヒドロキシピロリジン(2)
酢酸エチル(20mL)中の10%Pd/C(190mg)のスラリーを、エタノール(100mL)中のTBDMSエーテル(48)(1.90g、5.19mmol)の溶液に添加した。反応混合物を16時間水素化した(パー(Parr)装置)。触媒をセライトを通す真空濾過によって除去し、過剰の溶媒を減圧下で蒸発させて、定量収率で黄色油(1.20g、100%)を得た。
【0226】
【化71】
Figure 0004824165
【0227】
1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[2−ニトロ−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]−ビス[(2S,4R)−2−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−4−ヒドロキシピロリジン(49)
触媒量のDMF(2滴)を乾燥THF(20mL)中のビスニトロ酸(44)(2.00g、4.28mmol)および塩化オキサリル(0.94mL、10.70mmol)の攪拌懸濁液に添加し、反応混合物を放置して、4時間攪拌した。過剰のTHFを減圧下で蒸発させた後、得られた黄色残さを乾燥THF(20mL)に溶解し、氷浴中で冷却したアミン(2)(2.47g、10.70mmol)、EtN(2.50mL、17.9mmol)および氷/水(0.6mL)を激しく攪拌した溶液に25分間かけて一滴ずつ添加した。その後、この混合物を放置して、さらに1.5時間室温に温めた。減圧下で蒸発させることによってTHFを除去した後、残さを水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(3x100mL)で抽出した。混合有機相を水(3x25mL)およびブライン(3x25mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、溶媒を減圧下で除去し、黄色油を生じた。これをフラッシュクロマトグラフィー(3%MeOH/CHCl)によって精製して、黄色固体としてビス−アミド(49)(2.05g、54%)を生じた。
【0228】
【化72】
Figure 0004824165
【0229】
1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[2−アミノ−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]−ビス[(2S,4R)−2−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−4−ヒドロキシピロリジン(50)
酢酸エチル(20mL)中の10%Pd/C(155mg)のスラリーを、エタノール(100mL)中のビス−アミド(49)(1.55g、1.73mmol)の溶液に添加した。反応混合物を16時間水素化した(パー(Parr)装置)。反応混合物をセライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去して、定量収率で黄色油(50)(1.44g、100%)を得た。
【0230】
【化73】
Figure 0004824165
【0231】
1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[2−アミノ−N−アリルオキシカルボニル−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]−ビス[(2S,4R)−2−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−4−ヒドロキシピロリジン(51)
乾燥DCM(100mL)中のビス−アミド(50)(2.76g、3.31mmol)およびピリジン(1.10mL、13.60mmol)の溶液を0℃に冷却した。DCM(50mL)中のアリルクロロホルメート(0.80mL、7.53mmol)を一滴ずつ添加し、得られた混合物を放置して室温に温め、16時間攪拌した。反応混合物をDMC(200mL)で希釈し、1MのCuSO(3x50mL)、水(1x50mL)およびブライン(1x50mL)で洗浄した後、乾燥させた(MgSO)。溶媒を減圧下で蒸発させ、続いてフラッシュカラムクロマトグラフィー(2.5%MeOH/DCM)によって、黄色固体として(51)(3.24g、97%)を生じた。
【0232】
【化74】
Figure 0004824165
【0233】
1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[2−アミノ−N−アリルオキシカルボニル−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]−ビス[(2S)−2−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−4−オキソピロリジン(52)
乾燥DCM(20mL)中のジメチルスルホキシド(2.10mL、28.5mmol)の溶液を、DCM(30mL)中の塩化オキサリル(1.27mL、14.60mmol)の攪拌冷却(−45℃)溶液に15分間かけて一滴ずつ添加した。35分後、DCM(20mL)中のアルコール(51)(2.54g、2.53mmol)の溶液を−45℃で反応混合物に15分間かけて一滴ずつ添加した。45分後、DCM(20mL)中のトリエチルアミン(5.75mL、40.3mmol)の溶液を15分間かけて添加し、反応混合物を−45℃で30分間攪拌した後、45分間にわたって室温に温めた。その後、混合物を1MのCuSO(3x50mL)、水(2x50mL)およびブライン(1x50mL)で洗浄した後、乾燥させて(MgSO)、減圧下で濃縮し、黄色固体として(52)(2.46g、97%)を得た。
【0234】
【化75】
Figure 0004824165
【0235】
1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[2−アミノ−N−アリルオキシカルボニル−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]−ビス[(2S)−2−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−4−メトキシカルボニルメチル−2,3−ジヒドロピロール(53)
THF(50mL)中のジエチルメチルホスホノアセテート(0.80mL、4.21mmol)の溶液を、0℃、窒素雰囲気下で、乾燥THF(50mL)中のNaH(343mg、4.21mmol、鉱油中の60%分散体、石油エーテルで洗浄したもの)の懸濁液に添加した。室温で1時間攪拌した後、THF(50mL)中のダイマーケトン(52)(2.04g、2.00mmol)の溶液を0℃で一滴ずつ添加した。反応混合物を放置して、18時間にわたって室温に温めた。過剰のTHFを減圧下で除去し、残さを氷浴中で冷却した後、NaHCO(50mL)、続いてEtOAc(50mL)を添加した。相を分離し、水性相をEtOAc(2x50mL)で洗浄した。混合有機相をブライン(1x50mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、溶媒を減圧下で除去し、黄色油を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(2.5%MeOH/CHCl)によって、黄色固体として生成物(53)(2.00g、88%)を生じた。
【0236】
【化76】
Figure 0004824165
【0237】
1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[2−アミノ−N−アリルオキシカルボニル−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]−ビス[(2S)−2−ヒドロキシメチル−4−メトキシカルボニルメチル−2,3−ジヒドロピロール(54)
フッ化水素酸・ピリジン錯体(3.5mL)を、窒素雰囲気下、0℃でTHF(10mL)中のダイマーエステル(53)(740mg、0.67mmol)の溶液に添加した。反応混合物を放置して、30分間0℃で攪拌し、その後、1時間にわたって室温に暖めた。反応混合物を、COの発生が終わるまでNaHCOで中和した。この生成物をDCM(3x30mL)で抽出して、ブライン(1x20mL)で洗浄し、その後、乾燥した(MgSO)。減圧下で溶媒を除去することによって、黄色ゴムとして生成物(530mg、90%)を得た。
【0238】
【化77】
Figure 0004824165
【0239】
1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[(11aS)−7−メトキシ−10−アリルオキシカルボニル−(2S)−2−メトキシカルボニルメチル−2,3−ジヒドロピロール−1,3,11a−トリヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(55)
乾燥DCM(10mL)中のジメチルスルホキシド(0.27mL、3.82mmol)の溶液を、DCM(10mL)中の塩化オキサリル(0.17mL、1.92mmol)の攪拌冷却(−45℃)溶液に15分間かけて一滴ずつ添加した。35分後、DMC(10mL)中の基質(54)(600mg、0.68mmol)の溶液を、−45℃で反応混合物に15分かけて一滴ずつ添加した。45分後、DMC(10mL)中のトリエチルアミン(0.78mL、5.42mmol)の溶液を15分間かけて添加し、反応混合物を−45℃で30分間攪拌した後、これを放置して45分間にわたって室温に温めた。その後、混合物を水(10mL)で希釈して、相を分離した。有機相を1MのHCl(2x50mL)およびブライン(1x50mL)で洗浄した後、乾燥して(MgSO)、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(1.5%MeOH/CHCl)によって、黄色ガラス(457mg、78%)を生じた。
【0240】
【化78】
Figure 0004824165
【0241】
1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[(11aS)−7−メトキシ−(2S)−2−メトキシカルボニルメチル−2,3−ジヒドロピロール−1,3,11a−トリヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(56)
触媒量のテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(16mg、0.014mmol)を、0℃で乾燥DCM(30mL)中のカルビノールアミン(55)(219mg、0.25mmol)、トリフェニルホスフィン(7mg、0.025mmol)およびピロリジン(0.05mL、0.80mmol)の溶液に添加した。反応混合物を2時間攪拌した後、これを放置して、1時間にわたって室温に温めた。溶媒を減圧下で除去し、残さをフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%MeOH/CHCl21=0.25)にかけて、黄色ガラス(109mg、66%)を生じた。
【0242】
【化79】
Figure 0004824165
【0243】
実施例1(g): (11aS)−1,11a−ジヒドロ−7,8−ジメトキシ−2−エテニル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オンの合成(図6a/b参照)
【0244】
【化80】
Figure 0004824165
【0245】
DRH360 N−(4,5−ジエメトキシ−2−ニトロベンゾイル)ヒドロキシプロリンメチルエステル(169)
塩化オキサリル(15.38g、121.11mmol)を、室温で無水DCM(100mL)中の2−ニトロ−4,5−ジメトキシ安息香酸(34)(25.01g、110.10mmol)の攪拌懸濁液に一度に添加した。触媒量のDMF(2滴)を添加して(注意!−ガスの発生が増大した)、反応混合物を放置して、16時間不活性雰囲気下で攪拌した。この酸塩化物溶液を、−20℃、無水DCM(100mL)中でピロロC−環(168)(34.90g、110.10mmol、JOC5,13,1994,3621)およびTEA(45.95mL、33.36g、330.29mmol)を激しく攪拌した溶液に一適ずつ添加した。反応混合物を放置して、16時間室温で攪拌した。反応混合物を飽和NaHCO(2x200mL)、飽和NHCl(2x200mL)、水(2x200mL)、ブライン(2x200mL)で洗浄し、無水MgSOを用いて乾燥した。濾過して減圧下で溶媒を蒸発させることによって、粗生成物(169)を生じ、これを溶離剤としてEtOAcを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。精製画分を混合し、減圧下で過剰の溶離剤を蒸発させることによって、発泡体として生成物(33.26g、93.9mmol、85%)を生じた。
【0246】
【化81】
Figure 0004824165
【0247】
(11aS)−6,7−ジメトキシ−2(R)−ヒドロキシ−2,3,5,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5,11−ジオキソ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4−]ベンゾジアゼピン(170)
10%Pd/C触媒(3.3g)を無水EtOH(250mL)中の169(33.0g、93.1mmol)の溶液に添加した。反応混合物を加圧下でパー(Parr)水素化装置をH55psiで用いて18時間水素化した。反応混合物をセライトを通して濾過し、フィルターケーキを乾燥させないように気を付けながら、このセライトを熱MeOHで洗浄した。過剰の溶媒を除去することによって、粗生成物(20.14g)を生じた。粗生成物を放置して、1NのHCl(200mL)およびCHCl(200mL)中で30分間攪拌した。有機相を1NのHCl(100mL)で洗浄し、水性相を混合して、飽和NaHCO水溶液で中和した。水性抽出物を一晩放置すると、微細な白色沈殿物が形成した(170)。これを濾過によって回収し、乾燥した(7.81g、26.72mmol、29%)。
【0248】
【化82】
Figure 0004824165
【0249】
(11aS)−6,7−ジメトキシ−2(R)−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2,3,5,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5,11−ジオキソ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4−]ベンゾジアゼピン(171)
固体TBDMS塩化物(8.22g、54.44mmol)を、無水DMF(75mL)中の170(7.23g、24.74mmol)およびイミダゾール(8.42g、123.72mmol)の溶液に一度に添加した。反応混合物を水(500mL)に注ぎ入れ、濾過して、EtOH(800mL)から再結晶することによって精製し、微細な白色針状結晶体として粗生成物(171)(6.995g、17.21mmol、70%)を生じた。
【0250】
【化83】
Figure 0004824165
【0251】
(11aS)−6,7−ジメトキシ−2(R)−[(t−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2,3,5,10,11,11a−ヘキサヒドロ−10−[2−(トリメチルシリル)エトキシメチル]−5,11−ジオキソ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4−]ベンゾジアゼピン(172)
無水DMF(27.5mL)中の171(6.50g、15.99mmol)の溶液を、0℃で、NaHの攪拌懸濁液(0.422g、鉱油中の60%分散体0.704g、18.34mmol)に一滴ずつ添加し、反応混合物を放置して、30分間攪拌した。無水DMF(5mL)中のSEM塩化物(3.11mL、2.93g、17.59mmol)の溶液を、0℃で攪拌反応混合物に一滴ずつ添加し、放置して室温で16時間攪拌した。反応混合物を水(200mL)に注ぎ入れて、白色沈殿を生じ、これをジエチルエーテル(4x300mL)で抽出した。有機相を水(2x50mL)、ブライン(2x50mL)で洗浄し、無水MgSOを用いて乾燥した。濾過して減圧下で溶媒を蒸発させることによって、粗生成物を生じ、これを、溶離剤として石油エーテル:EtOAcの80:20混合物を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。精製画分を混合し、減圧下で蒸発させて、黄色油として生成物(172)(7.01g、13.1mmol、82%)を生じた。
【0252】
【化84】
Figure 0004824165
【0253】
(11aS)−6,7−ジメトキシ−2(R)−ヒドロキシ−2,3,5,10,11,11a−ヘキサヒドロ−10−[2−(トリメチルシリル)エトキシメチル]−5,11−ジオキソ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4−]ベンゾジアゼピン(173)
THF(19.58mL、19.58mmol)中の1NのTBAFの溶液を、THF(50mL)中の172(7.0g、13.05mmol)の攪拌溶液に添加した。反応混合物を放置して室温で2時間攪拌し、DCM(200mL)で希釈して、水(2x200mL)、ブライン(2x200mL)で洗浄し、無水MgSOを用いて乾燥した。濾過して過剰の溶媒を除去することによって、粗生成物を生じ、溶離剤として50:50の石油エーテル:EtOAcを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーによってこれを精製した。精製画分を減圧下で蒸発させることによって、生成物(173)(5.9g)を生じた。
【0254】
【化85】
Figure 0004824165
【0255】
(11aS)−6,7−ジメトキシ−2,3,5,10,11,11a−ヘキサヒドロ−10−[2−(トリメチルシリル)エトキシメチル]−2,5,11−トリオキソ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4−]ベンゾジアゼピン(174)
乾燥DCM(20mL)中の無水DMSO(3.28g、41.94mmol)を、窒素雰囲気下、−50℃で、塩化オキサリルの攪拌溶液(DCM中の2Nの溶液10.48mL、20.97mmol)に5分間かけて一滴ずつ添加した。5分間攪拌した後、乾燥DCM(45mL)中の溶液173(5.90g、13.98mmol)を反応混合物に45分間かけて一滴ずつ添加し、その後、これを−50℃でさらに45分間攪拌した。TEA(9.89g、97.87mmol)を混合物に15分間かけて一滴ずつ添加し、続いて、さらに15分間攪拌した。反応混合物を放置して室温に温め、HO(150mL)およびDCM(100mL)で希釈した。有機相を1NのHCl(2x100mL)、水(2x100mL)、ブライン(2x100mL)で洗浄し、MgSOを用いて乾燥した。濾過して蒸発させることによって、粗生成物(174)を生じ、これを、溶離剤として50:50の石油エーテル(40〜60°):EtOAcを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。減圧下で精製画分を蒸発させることによって、生成物(4.33g、10.3mmol、74%)を生じた。
【0256】
【化86】
Figure 0004824165
【0257】
(11aS)−5,10,11,11a−テトラヒドロ−7,8−ジメトキシ−10−[2−(トリメチルシリル)エトキシメチル]−2−[[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ]−5,11−ジオキソ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン(175)
無水ピリジン(0.46mL、0.452g、5.73mmol)を、無水DCM(100mL)中で174(2.0g、4.77mmol)を激しく攪拌した溶液に1度に添加して、混合物を放置し、10分間室温で攪拌した。無水トリフル酸無水物(anhydrou triflic anhydride)(1.25mL、1.48g、5.25mmol)を一度に迅速に添加し、この反応混合物を放置して、室温で4.5時間攪拌した。黒ずんだ均一な反応混合物を冷却飽和NaHCO(200mL)に注ぎ入れ、この混合物をDCM(3x50mL)で抽出した。有機相を水(2x200mL)、ブライン(2x200mL)と混合して洗浄し、無水MgSOを用いて乾燥した。濾過して蒸発させることによって、粗生成物を生じ、これを、溶離剤として80:20の石油エーテル:EtOAcを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。減圧下で精製画分を蒸発させることによって、黄色油として生成物(175)(1.79g、3.25mmol、68%)を生じた。
【0258】
【化87】
Figure 0004824165
【0259】
(11aS)−7,8−ジメトキシ−2−エテニル−5,10,11,11a−テトラヒドロ−10−[2−(トリメチルシリル)エトキシメチル]−5,11−ジオキソ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン(176)
触媒量のテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム[0](4mol%、0.142g、0.123mmol)を、無水THF(100mL)中の175(1.69g、3.06mmol)、LiCl(0.39g、9.19mmol)およびトリブチルビニル錫(1.16mL、1.26g、3.98mmol)の攪拌溶液に添加し、還流状態で2.5時間加熱した。冷却した反応混合物をDCM(100mL)で希釈し、混合物を10%水酸化アンモニウム水溶液(200mL)で洗浄した。有機相をブライン(2x200mL)で洗浄し、無水MgSOを用いて乾燥した。濾過して減圧下で溶媒を蒸発させることによって粗生成物を生じ、これを、溶離剤として石油エーテル:EtOAcの80:20混合物を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーによってさらに精製した。精製画分を混合し、減圧下で溶媒を蒸発させることによって、無色油として生成物(176)(0.992g、2.312mmol、75.5%)を生じた。
【0260】
【化88】
Figure 0004824165
【0261】
(11aS)−1,11a−ジヒドロ−7,8−ジメトキシ−2−エテニル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(177)
固体水素化ホウ素ナトリウム(NaBH、81mg、2.175mmol)を、室温で、無水EtOH(2mL)および無水THF(4mL)の混合物中で176(101mg、0.233mmol)を迅速に攪拌した溶液に一度に添加し、放置して、4時間攪拌した。この反応混合物を水(5mL)で希釈し、CHCl(3x5mL)で抽出した。有機相をブライン(10mL)で洗浄し、無水MgSOを用いて乾燥した。濾過および蒸発によって粗生成物を生じ、これをMeOH(5mL)中でシリカゲル(0.25g)と共に30分間攪拌した。粗生成物をシリカゲルに吸収させるために、回転蒸発によって過剰のメタノールを除去した。シリカゲルの詰め物をシリカゲルカラムの上端に添加し、生成物を石油エーテル:EtOAcの60:40混合物で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。精製画分を混合し、減圧下で溶媒を蒸発させることによって、黄色固体として生成物(177)(33mg、0.116mmol、50%)を生じた。
【0262】
【化89】
Figure 0004824165
【0263】
実施例1(h): (11aS)−1,11a−ジヒドロ−7,8−ジメトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オンの合成(図6a/b参照)
【0264】
【化90】
Figure 0004824165
【0265】
(11aS)−7,8−ジメトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−5,10,11,11a−テトラヒドロ−10−(2−(トリメチルシリル)エトキシメチル)−5,11−ジオキソ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン(178)
DME(10mL)中のp−メトキシフェニルボロン酸(301mg、1.98mmol)の溶液を、窒素雰囲気下で、DME(10mL)中のビニルトリフレート(175−実施例1(g)参照)(715mg、1.29mmol)の攪拌溶液に添加した。NaCOの水溶液(2N、9.9mL)、続いて、LiCl(178gm、4.185mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5mol%、81mg)を添加して、この混合物を1時間室温で攪拌し、続いて、還流状態で1時間加熱した。減圧下で濃縮後、残さを、DCM(50mL)、2NのNaCO水溶液(50mL)および濃NHOH溶液(3mL)の混合物に再懸濁させた。水性相をDCM(3x20mL)で抽出し、混合有機抽出物を無水MgSOを用いて乾燥した。濾過および蒸発によって残さを生じ、これを60:40の石油エーテル:EtOAcで溶離するシリカゲルを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。精製画分を混合し、減圧下で溶媒を蒸発させることによって、黄色固体として生成物(178)(559mg、1.095mmol、85%)を生じた。
【0266】
【化91】
Figure 0004824165
【0267】
(11aS)−1,11a−ジヒドロ−7,8−ジメトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(179)
固体水素化ホウ素ナトリウム(NaBH、70mg、1.88mmol)を、無水EtOH(2mL)および無水THF(4mL)の混合物中で178(100mg、0.2mmol)を高速攪拌している溶液に一度に添加し、放置して、室温で9時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、30分間、シリカゲル(2.0g)と共に攪拌した。混合物をEtOAc(3x10mL)で抽出した。有機相をブライン(10mL)で洗浄し、無水MgSOを用いて乾燥した。濾過および蒸発によって粗生成物(179)を生じ、これを石油エーテル:EtOAcの50:50混合物で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。精製画分を混合し、減圧下で溶媒を蒸発させることによって、黄色ガラスとして生成物(28mg、0.08mmol、38%)を生じた。
【0268】
【化92】
Figure 0004824165
【0269】
実施例1(j):(11aS)−1,11a−ジヒドロ−7,8−ジメトキシ−2−フェニル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オンの合成(図6a/b参照)
【0270】
【化93】
Figure 0004824165
【0271】
(11aS)−7,8−ジメトキシ−2−フェニル−5,10,11,11a−テトラヒドロ−10−(2−(トリメチルシリル)エトキシメチル)−5,11−ジオキソ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン(180)
エタノール(21.6mL)及び水(21.6mL)中におけるトリフラート(175−実施例1(g)参照)(600mg、1.08mmol)の溶液に、フェニルボロン酸(334mg、2.74mmol、2.54当量)、NaCO(343.4mg、3.24mmol、3当量)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(49.9mg、2%mmol)を加え、その反応混合物を室温で2時間攪拌した。得られた反応混合液を酢酸エチル(200mL)で希釈し、水(2×200mL)とブライン(200mL)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。過剰な溶媒を濾過及び蒸発させて粗生成物を得、この粗生成物をシリカゲルを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィー(70%の40−60゜の石油エーテル;30%の酢酸エチル)にかけ、過剰な溶離液を除去することにより、化合物「180」(405mg、0.84mmol、収率78%)が得られた。
【0272】
【化94】
Figure 0004824165
【0273】
(11aS)−1,11a−ジヒドロ−7,8−ジメトキシ−2−フェニル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(181)
0℃において、無水EtOH(8mL)と無水THF(8mL)の混合液中における「180」(365mg、0.76mmol)の急速に攪拌された溶液に、固体テトラ水素化ホウ素ナトリウム(287mg、7.6mmol、10当量)を少量ずつ加えた。その反応混合液を室温で1時間攪拌したところ、TLC(5%のメタノール;95%のクロロホルム)は、開始材料が完全に消費されていることを示した。その反応混合液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(2×100mL)とブライン(100mL)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。過剰な溶媒を濾過及び蒸発させることにより、褐色の粘性オイルとして粗生成物が得られた。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、70%の40−60゜の石油エーテル;30%の酢酸エチル)にかけることにより、最終生成物「181」(271mg、0.77mmol、74%)を得た。
【0274】
【化95】
Figure 0004824165
【0275】
実施例2(a):C7−ヨード−C2−メチレンPBDモノマーBSD−SJG(64、UP−2023)の合成(図7参照)
【0276】
【化96】
Figure 0004824165
【0277】
(S)−N−(アリルオキシカルボニル)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−メチリデンピロリジン(57)
窒素下で0℃(氷/アセトン)において、THF(20mL)中におけるメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(7.29g、20.4mmol)の懸濁液に、カリウムtert−ブトキシド(THF中における41.0mLの0.5M溶液、20.5mmol)を滴下させながら加えた。0℃で2時間攪拌した後、THF(10mL)中におけるケトン「16」(実施例1(b))(3.20g、10.2mmol)の溶液を滴下させながら加え、その混合液を室温にまで温めた。更に30分間攪拌した後、その反応混合液をEtOAc(150mL)と水(150mL)で希釈し、その有機層を分離してブラインで洗浄した後、乾燥(MgSO)させ、濾過し、次いで真空下で蒸発させることにより黄色いオイルが得られ、このオイルをフリーザーに入れて放置しておくと結晶(TPO)が形成された。これをフラッシュクロマトグラフィー(5%のEtOAc/石油エーテル)で精製することにより、無色のオイルとして純粋なオレフィン「57」が単離された(2.76g、87%):
【0278】
【化97】
Figure 0004824165
【0279】
(2S)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−メチリデンピロリジン(58)
CHCl(30mL)中におけるカルバミン酸アリル「57」(1.0g、3.22mmol)とHO(0.34mL、18.9mmol)の溶液に、触媒量のPdCl(PPh(92mg、0.131mmol)を加えた。室温で5分間攪拌した後、BuSnH(0.96mL、1.04g、3.57mmol)を少量ずつ急速に加えた。すると、直ちに、活発な気体発生を伴う僅かに発熱性の反応が生じた。その混合液を窒素下において室温で16時間攪拌し、その時点でTLC(50%のEtOAc/石油エーテル)にかけたところ、アミンが形成されていることを示した。CHCl(30mL)で希釈した後、その有機溶液を乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させることにより、オレンジ色のオイルが得られ、このオイルをフラッシュクロマトグラフィー(50−100%のEtOAc/石油エーテル)で精製することにより、僅かにオレンジ色のオイルとしてアミン「58」が得られた(0.56g、77%):
【0280】
【化98】
Figure 0004824165
【0281】
(2S)−N−[5−ヨード−2−(2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニルアミノ)−ベンゾイル]−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−メチリジンピロリジン(60)
CHCl(30mL)中におけるTroc保護アントラニル酸「59」(0.46g、1.04mmol)と塩化オキサリル(0.10mL、0.15g、1.15mmol)の攪拌された溶液に、触媒量のDMF(3滴)を加えた。室温で16時間放置した後、結果として得られたその酸塩化物溶液を、窒素雰囲気下において−20℃(CCl/液体N)で、CHCl(15mL)中におけるアミン「58」(0.26g、1.15mmol)とTEA(0.26g、0.36mL、2.58mmol)の攪拌された混合液に、30分にわたって滴下させながら加えた。その反応混合液を室温にまで温め、更に45分間攪拌した。この時点におけるTLC分析(50%のEtOAc/石油エーテル)は、反応が完了していることを示した。その混合液を飽和NaHCO(30mL)、飽和NHCl(30mL)、HO(25mL)、及びブライン(30mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させることにより、暗色のオイルとしてアミド「60」が得られた(0.65g、96%):
【0282】
【化99】
Figure 0004824165
【0283】
(2S)−N−(2−アミノ−5−ヨードベンゾイル)−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチリデンピロリジン(61)
0℃(氷/アセトン)において、THF(15mL)中におけるシリル−エーテル「60」(0.64g、0.99mmol)に、TBAF(THF中における1.24mLの1M溶液、1.24mmol)の溶液を加えた。その反応混合物を室温にまで温め、45分間放置した後、TLC(50%のEtOAc/石油エーテル、40゜−60゜)にかけたところ、開始材料が完全に消滅されていることが示された。飽和NHCl(75mL)を加え、その反応混合液をEtOAc(3×30mL)で抽出し、ブライン(30mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させることにより、オレンジ色のオイルを得た。そのオイルをフラッシュクロマトグラフィー(50%のEtOAc/石油エーテル、40゜−60゜)で精製することにより、粘性のオイルとして純粋なアミノ−アルコール「61」が得られた(0.18g、51%):
【0284】
【化100】
Figure 0004824165
【0285】
(2S)−N−[5−ヨード−2−(2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニルアミノ)−ベンゾイル]−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチリジンピロリジン(62)
CHCl(15mL)中におけるアミン「61」(179mg、0.50mmol)の溶液を0℃(氷/アセトン)に冷却し、ピリジン(81μL、79mg、1.0mmol)で処理した。次いで、攪拌されたその混合液に、CHCl(5mL)中におけるクロロギ酸2,2,2−トリクロロエチル(76μL、117mg、0.55mmol)を滴下させながら加えた。その反応混合液を室温にまで温め、更に2時間攪拌し、この時点でTLC(EtOAc)にかけたところ、アミン「61」が完全に消費されていることが示された。その反応混合物を飽和CuSO(25mL)、HO(25mL)、及びブライン(25mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させた。得られたその粗残さをフラッシュクロマトグラフィー(50%のEtOAc/石油エーテル)で精製することにより、オイルとして純粋なtroc−アミノ化合物「62」が得られた(189mg、71%):
【0286】
【化101】
Figure 0004824165
【0287】
(11S、11aS)−11−ヒドロキシ−7−ヨード−2−メチリデン−10−(2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニルアミノ)−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2、1−c][1、4]ベンゾジアゼピン−5−オン(63)
CHCl/CHCN(12mL、3:1)中におけるアルコール「62」(189mg、0.35mmol)の溶液を4Åの粉末化されたモレキュラーシーブ(100mg)とNMO(62mg、0.53mmol)で処理した。室温で15分間攪拌した後、TPAP(6.2mg、17.7μmol)を加え、更に1時間攪拌し続け、この時点でTLC(50%のEtOAc/石油エーテル)にかけたところ、幾分かの酸化されていない開始材料を伴った状態で生成物が形成されていることが示された。次いで、その混合物を更なる量のNMO(62mg、0.53mmol)とTPAP(6.2mg、17.7μmol)で処理し、更に30分間攪拌した後、TLCにかけたところ、反応が完了していることが示された。その混合物を真空下でシリカ上へ蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(40%のEtOAc/石油エーテル)にかけることにより、白色のガラスとして、保護されたカルビノールアミン「63」が得られた(93mg、49%):
【0288】
【化102】
Figure 0004824165
【0289】
(11aS)−7−ヨード−2−メチリデン−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2、1−c][1、4]ベンゾジアゼピン−5−オン(64、UP2023、BSD−SJG)
THF(1mL)と1N酢酸アンモニウム水溶液(1mL)中における攪拌されたTroc−保護カルビノールアミン「63」(93mg、0.175mmol)の溶液に10%のカドミウム−鉛カップル(109mg、0.875mmol)を加えた。室温で45分間放置した後、TLC(70%のEtOAc/石油エーテル)にかけたところ、反応が完了していることが示された。その混合液をEtOAc(30mL)で希釈した後、乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させた。得られたその粗残さをフラッシュクロマトグラフィー(70%のEtOAc/石油エーテル)で精製することにより、白色の固体として新規なPBD(64、BSD−SJG、UP2023)が得られた(27mg、46%)。
【0290】
【化103】
Figure 0004824165
【0291】
実施例2(b):C8−ベンジル−C7−メトキシ−C2−メチレンPBDモノマーSJG−244(70)の合成(図8参照)
【0292】
【化104】
Figure 0004824165
【0293】
(2S)−N−(4−ベンジルオキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−メチリデンピロリジン(65)
CHCl(40mL)中におけるニトロ−酸「1」(0.645g、2.13mmol)と塩化オキサリル(0.23mL、0.33g、2.60mmol)の攪拌された溶液に触媒量のDMF(2滴)を加えた。室温で16時間放置した後、結果として得られた酸塩化物溶液を、窒素雰囲気下において0℃(氷/アセトン)で、CHCl(5mL)中におけるアミン「58」(0.522g、2.30mmol)とTEA(0.58g、0.80mL、5.73mmol)の攪拌された混合物に滴下させながら加えた。その反応混合液を室温にまで温め、更に2.5時間攪拌した。その混合物をCHCl(50mL)で希釈し、飽和NaHCO(50mL)、飽和NHCl(50mL)、HO(50mL)、及びブライン(50mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させることにより、暗色のオレンジ色のオイルとして粗生成物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(20%のEtOAc/石油エーテル)で精製することにより、粘着性のオレンジ色のオイルとして純粋なアミド「65」が単離された(0.86g、79%):
【0294】
【化105】
Figure 0004824165
【0295】
(2S)−N−(4−ベンジルオキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル)−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチリデンピロリジン(66)
0℃(氷/アセトン)において、THF(20mL)中におけるシリル−エーテル「65」(0.86g、1.68mmol)に、TBAF(THF中における2.10mLの1M溶液、2.10mmol)の溶液を加えた。その反応混合液を室温にまで温めると、色の変化(黄色→暗い赤色)が生じた。更に40分間放置した後、TLC(50%のEtOAc/石油エーテル、40゜−60゜)にかけたところ、開始材料が完全に消失していることが示された。飽和NHCl(100mL)を加え、その反応混合液をEtOAc(3×40mL)で抽出し、ブライン(30mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させることにより、暗色のオレンジ色のオイルを得た。このオイルをフラッシュクロマトグラフィー(60%のEtOAc/石油エーテル)で精製することにより白色の固体として純粋なアルコール「66」が得られた(0.64g、96%):
【0296】
【化106】
Figure 0004824165
【0297】
(2S)−N−(2−アミノ−4−ベンジルオキシ−5−メトキシベンゾイル)−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチリデンピロリジン(67)
ニトロ−アルコール「66」(0.637g、1.60mmol)、SnCl・2HO(1.81g、8.0mmol)、及びメタノール(36mL)を還流させながら加熱し、TLC(90%のCHCl/MeOH)でモニタリングした。1時間後、MeOHを真空下で蒸発させ、結果として得られたその残さを冷却(氷)し、飽和NaHCO(120mL)で慎重に処理した。その混合液をEtOAc(120mL)で希釈し、室温で16時間攪拌した後、セライトを通じて濾過することにより無機性の沈殿物を取り除いた。その有機層を分離し、ブライン(100mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させることにより、オレンジ色のガラスを得た。このガラスをフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)にかけることにより、薄黄色のガラスとして純粋なアミン「67」が得られた(0.37g、63%):
【0298】
【化107】
Figure 0004824165
【0299】
(2S)−N−[(2−アリルオキシカルボニルアミノ)−4−ベンジルオキシ−5−メトキシベンゾイル]−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチリデンピロリジン(68)
CHCl(20mL)中におけるアミノ−アルコール「67」(0.33g、0.90mmol)の溶液を0℃(氷/アセトン)に冷却し、ピリジン(0.14mL、0.14g、1.77mmol)で処理した。次いで、その攪拌された混合液に、CHCl(7mL)中におけるクロロギ酸アリル(87μL、99mg、0.82mmol)の溶液を滴下させながら加えた。その反応混合物を室温にまで温め、更に2.5時間攪拌し、この時点でTLC(EtOAc)にかけたところ、アミン「67」が完全に消費されていることが示された。その反応混合液をCHCl(30mL)で希釈し、飽和CuSO(40mL)、HO(40mL)、及びブライン(40mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させた。得られたその粗残さをフラッシュクロマトグラフィー(80%のEtOAc/石油エーテル)で精製することにより、白色の固体として純粋なアロック−アミノ化合物「68」が得られた(0.34g、84%):
【0300】
【化108】
Figure 0004824165
【0301】
(11S、11aS)−10−アリルオキシカルボニル−8−ベンジルオキシ−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−メチリデン−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2、1−c][1、4]ベンゾジアゼピン−5−オン(69)
窒素環境下において−45℃(ドライアイス/CHCN)で、塩化オキサリル(CHCl中における0.63mLの2.0M溶液、1.26mmol)の溶液に、CHCl(4mL)中におけるDMSO(0.18mL、0.20g、2.56mmol)の溶液を30分にわたって滴下させながら加えた。−45℃で30分間攪拌した後、CHCl(8mL)中に溶解したアルコール「68」(0.42g、0.93mmol)の溶液を、−45℃で、35分にわたって滴下させながら加えた。−45℃で45分間放置した後、その混合液を、−45℃で、30分にわたり、CHCl(4mL)中におけるTEA(0.50mL、0.36g、3.56mmol)を滴下しながら加えて処理した。35分後、その反応混合液を室温にまで温め、CHCl(30mL)で希釈し、1NのHCl(20mL)、HO(20mL)、及びブライン(30mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させた。得られた粗材料のTLC(80%のEtOAc/石油エーテル)は、生成物が充分に形成されており、且つ、痕跡量の酸化されていない開始材料が存在することを示した。この粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(50%のEtOAc/石油エーテル)で精製することにより、白色のガラスとして、保護されたカルビノールアミン「69」が得られた(0.172g、41%):
【0302】
【化109】
Figure 0004824165
【0303】
(11S、11aS)−10−アリルオキシカルボニル−8−ベンジルオキシ−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−メチリデン−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2、1−c][1、4]ベンゾジアゼピン−5−オン(69)の代替的合成
CHCl/CHCN(30mL、3:1)中におけるアルコール「68」(0.32g、0.71mmol)の溶液を4Åの粉末化されたモレキュラーシーブ(0.2g)とNMO(126mg、1.08mmol)で処理した。室温で15分間攪拌した後、TPAP(12.6mg、35.9μmol)を加え、更に1時間20分攪拌し続け、この時点でTLC(80%のEtOAc/石油エーテル)にかけたところ、幾分かの酸化されていない開始材料を伴った状態で生成物が形成されていることが示された。次いで、その混合物を更なる量のNMO(126mg、1.08mmol)とTPAP(12.6mg、35.9μmol)で処理し、更に0.5時間攪拌した後、TLCにかけたところ、反応が完了していることが示された。その混合物を真空下でシリカ上へ蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(50%のEtOAc/石油エーテル)にかけることにより、白色のガラスとして、保護されたカルビノールアミン「69」が得られた(153mg、48%):
【0304】
【化110】
Figure 0004824165
【0305】
(11aS)−8−ベンジルオキシ−7−メトキシ−2−メチリデン−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2、1−c][1、4]ベンゾジアゼピン−5−オン(70、SJG−244)
CHCl(15mL)中におけるAlloc−保護カルビノールアミン「69」(0.18g、0.40mmol)、トリフェニルホスフィン(5.25mg、20μmol)、及びピロリジン(29mg、0.41mmol)の攪拌された溶液に、触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(12.0mg、10.4μmol)を加えた。窒素雰囲気下において室温で2時間攪拌した後、TLC(98%のCHCl/MeOH)にかけたところ、開始材料が完全に消費されていることが示された。その溶媒を真空下で蒸発させ、得られたその粗残さをフラッシュクロマトグラフィー(60%のEtOAc/石油エーテル)で精製することにより、白色のガラス(116mg、83%)として「70」(SJG−244)が得られ、更に、N10−C11イミン型を得るため、この白色のガラスをCHClを用いて繰り返し真空下で蒸発させた:
【0306】
【化111】
Figure 0004824165
【0307】
実施例2(c):MMY−SJG(74、UP2064)の合成(図9参照)
【0308】
【化112】
Figure 0004824165
【0309】
(2S)−N−[(2−アリルオキシカルボニルアミノ)−4,5−ジメトキシベンゾイル]−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−メチリジンピロリジン(71)
窒素下で0℃(氷/アセトン)において、THF(11mL)中におけるメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(3.78g、10.6mmol)の懸濁液に、カリウムtert−ブトキシド(THF中における21.2mLの0.5M溶液、10.6mmol)を滴下させながら加えた。0℃で2時間攪拌した後、THF(7mL)中におけるケトン「38」(実施例1(e))(2.0g、4.07mmol)の溶液を滴下させながら加え、その混合液を室温にまで温めた。更に45分間攪拌した後、その反応混合液をEtOAc(60mL)と水(60mL)で希釈した。その有機層を分離し、ブラインで洗浄した後、乾燥(MgSO)させ、濾過し、次いで真空下で蒸発させることにより、暗色のオイルを得た。このオイルをフラッシュクロマトグラフィー(20%のEtOAc/石油エーテル)で精製することにより、透明なオイルとして純粋なオレフィン「71」が単離された(1.71g、86%):
【0310】
【化113】
Figure 0004824165
【0311】
(2S)−N−[(2−アリルオキシカルボニルアミノ)−4,5−ジメトキシベンゾイル]−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチリジンピロリジン(72)
0℃(氷/アセトン)において、THF(45mL)中におけるシリル−エーテル「71」(1.68g、3.43mmol)に、TBAF(THF中における4.29mLの1M溶液、4.29mmol)の溶液を加えた。その反応混合液を室温にまで温め、1時間後、TLC(50%のEtOAc/石油エーテル、40゜−60゜)にかけたところ、開始材料が完全に消失していることが示された。飽和NHCl(110mL)を加え、その反応混合液をEtOAc(3×50mL)で抽出し、ブライン(100mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させることにより、暗色のオレンジ色のオイルを得た。このオイルをフラッシュクロマトグラフィー(99%のCHCl/MeOH)で精製することにより、白色の固体として純粋なアルコール「72」が得られた(1.15g、89%):
【0312】
【化114】
Figure 0004824165
【0313】
(11S、11aS)−10−アリルオキシカルボニル−7,8−ジメトキシ−11−ヒドロキシ−2−メチリデン−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2、1−c][1、4]ベンゾジアゼピン−5−オン(73)
窒素環境下において−45℃(液体N/クロロベンゼン)で、塩化オキサリル(CHCl中における2.64mLの2.0M溶液、5.27mmol)の溶液に、CHCl(27mL)中におけるDMSO(0.75mL、0.82g、10.5mmol)の溶液を38分にわたって滴下させながら加えた。−45℃で1時間攪拌した後、CHCl(27mL)中におけるアルコール「72」(1.10g、2.93mmol)の溶液を、−45℃で、1時間にわたって滴下させながら加えた。−45℃で1時間放置した後、その混合液を、−45℃で、40分にわたり、CHCl(15mL)中におけるTEA(1.71mL、1.24g、12.29mmol)の溶液を滴下しながら加えて処理した。更に30分放置した後、その反応混合液を室温にまで温め、CHCl(50mL)で希釈し、1NのHCl(50mL)、HO(50mL)、及びブライン(50mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させた。得られた粗材料のTLC(80%のEtOAc/石油エーテル)は、反応が完了していることを示した。この粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(60%のEtOAc/石油エーテル)で精製することにより、白色のガラスとして、保護されたカルビノールアミン「73」が得られた(0.45g、41%):
【0314】
【化115】
Figure 0004824165
【0315】
(11aS)−7,8−ジメトキシ−2−メチリデン−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(74、UP2064、MMY−SJG)
CHCl(55mL)中におけるAlloc−保護カルビノールアミン「73」(0.42g、1.12mmol)、トリフェニルホスフィン(14.7mg、56.2μmol)、及びピロリジン(83.9mg、1.18mmol)の攪拌された溶液に、触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(32.4mg、28.1μmol)を加えた。窒素雰囲気下において室温で2.5時間攪拌した後、TLC(95%のCHCl/MeOH)にかけたところ、開始材料が完全に消費されていることが示された。その溶媒を真空下で蒸発させ、得られたその粗残さをフラッシュクロマトグラフィー(CHCl)で精製することにより、黄色いオイルとして新規なPBD(74、MMY−SJG、UP2064)が得られ、更に、N10−C11イミン型を得るため、このオイルをCHClを用いて繰り返し真空下で蒸発させた(259mg、85%):
【0316】
【化116】
Figure 0004824165
【0317】
実施例2(d):PBD二量体SJG−136(UP2001)の合成(図10参照)
【0318】
【化117】
Figure 0004824165
【0319】
(2S)−1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[(2−ニトロ−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]ビス[2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−メチリデンピロリジン](75)
THF(12mL)中における二量体酸「44」(0.66g、1.42mmol)と塩化オキサリル(0.31mL、0.45g、3.55mmol)の溶液に、触媒量のDMF(2滴)を加えた。その反応混合液を窒素下で16時間攪拌し、真空下で濃縮した後、THF(10mL)に再溶解した。結果として得られたビス−酸塩化物の溶液を、窒素下において0℃(氷/アセトン)で、THF(2mL)中におけるアミン「58」(0.65g、2.86mmol)、HO(0.84mL)、及びTEA(0.83mL、0.60g、5.93mmol)に滴下させながら加えた。その反応混合液を室温にまで温め、更に2時間攪拌し、この時点でTLC(EtOAc)にかけたところ、反応が完了していることが示された。真空下で蒸発させてTHFを除去した後、得られたその残さをHO(100mL)とEtOAc(100mL)との間で分配した。その水性層をEtOAc(3×50mL)で洗浄し、それらを合わせた有機層を飽和NHCl(100mL)及びブライン(100mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空下で濃縮することにより、暗色のオレンジ色のオイルとして粗生成物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(50%のEtOAc/石油エーテル)で精製することにより、薄黄色のガラスとして純粋なアミド「75」が得られた(0.93g、74%):
【0320】
【化118】
Figure 0004824165
【0321】
(2S)−1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[(2−ニトロ−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]ビス[2−(ヒドロキシメチル)−4−メチリデンピロリジン](76)
0℃(氷/アセトン)において、THF(35mL)中におけるビス−シリルエーテル「75」(1.41g、1.59mmol)に、TBAF(THF中における3.98mLの1M溶液、3.98mmol)の溶液を加えた。その反応混合液を室温にまで温め、更に30分間放置した後、飽和NHCl(120mL)を加えた。その水溶液をEtOAc(3×80mL)で抽出し、ブライン(80mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させることにより暗色のオレンジ色のオイルが得られ、このオイルをフラッシュクロマトグラフィー(97%のCHCl/MeOH)で精製することにより、明るいオレンジ色の固体として純粋なジオール「76」が得られた(0.98g、94%):
【0322】
【化119】
Figure 0004824165
【0323】
(2S)−1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[(2−アミノ−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]ビス[2−(ヒドロキシメチル)−4−メチリデンピロリジン](77)
MeOH(35mL)中におけるジオール「76」(0.98g、1.49mmol)とSnCl・2HO(3.36g、14.9mmol)の混合物を還流させながら加熱し、その反応の進行度をTLC(90%のCHCl/MeOH)でモニタリングした。45分後、MeOHを真空下で蒸発させ、結果として得られたその残さを冷却(氷)し、飽和NaHCO(120mL)で慎重に処理した。その混合液をEtOAc(120mL)で希釈し、室温で16時間攪拌した後、セライトを通じて濾過することにより、その無機性の沈殿物を取り除いた。その有機層を分離し、ブライン(100mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させることにより、褐色の固体を得た。この固体をフラッシュクロマトグラフィー(95%のCHCl/MeOH)にかけることにより、オレンジ色の固体として純粋なビス−アミン「77」が得られた(0.54g、61%):
【0324】
【化120】
Figure 0004824165
【0325】
(2S、4R)&(2S、4S)−1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[(2−アミノ−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]ビス[2−(ヒドロキシメチル)−4−メチルピロリジン](77)
還流下で加熱されたMeOH(15mL)中におけるジオール「76」(95mg、0.145mmol)とラネーニッケル(20mg)の溶液に、MeOH(5mL)中におけるヒドラジン(23mg、23μL、0.72mmol)の溶液を滴下させながら加えた。還流下で1時間後、TLC(90%のCHCl/MeOH)にかけたところ、幾分かのアミンが形成されていることが示された。その反応混合液を、MeOH(5mL)中における更なるラネーニッケル(20mg)とヒドラジン(23mg、23μL、0.72mmol)で処理し、そして、更に30分間、還流下で加熱した。この時点でTLCにかけたところ、反応が完了していることが示された。次いで、その反応混合液を充分な量のラネーニッケルで処理して残留するヒドラジンをすべて分解し、更に1.5時間、還流下で加熱した。室温にまで冷却した後、その混合液をケイ華を通じて濾過し、結果として得られた濾液を真空下で蒸発させた。その後、結果として得られたその残さをCHCl(30mL)で処理し、乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させることにより、黄色いオイルとしてビス−アミン「77」が得られた(54mg、63%):
【0326】
【化121】
Figure 0004824165
【0327】
(2S)−1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[(2−アリルオキシカルボニルアミノ−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]ビス[2−(ヒドロキシメチル)−4−メチリデンピロリジン](78)
0℃(氷/アセトン)において、CHCl(30mL)中におけるビス−アミン「77」(0.857g、1.44mmol)の攪拌された溶液に、ピリジン(0.47mL、0.46g、5.82mmol)を加えた。次いで、その冷たい混合液を、CHCl(10mL)中におけるクロロギ酸アリル(0.33mL、0.38g、3.15mmol)の溶液を滴下させながら加えて処理した。室温で2.5時間攪拌した後、その混合液をCHCl(60mL)で希釈し、1NのHCl(2×50mL)、HO(80mL)、及びブライン(80mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させた。得られたその粗残さをフラッシュクロマトグラフィー(70−100%のEtOAc/石油エーテル)で精製することにより、僅かにオレンジ色のガラスとしてカルバミン酸アリル化合物「78」が得られた(0.548g、50%):
【0328】
【化122】
Figure 0004824165
【0329】
1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[(11S、11aS)−10−(アリルオキシカルボニル)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−メチリデン−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン](79)
CHCl/CHCN(12mL、3:1)中におけるビス−アロック化合物「78」(150mg、0.196mmol)の溶液を4Åの粉末化されたモレキュラーシーブ(0.2g)とNMO(70mg、0.598mmol)で処理した。室温で15分間攪拌した後、TPAP(7mg、19.9μmol)を加え、更に2時間攪拌し続け、この時点でTLC(95%のCHCl/MeOH)にかけたところ、その反応混合物中に未反応の開始材料「78」が存在している状態で、想定された半環化生成物「79」と共に充分に環化された生成物が形成されていることが示された。次いで、その混合物を更なる量のNMO(35mg、0.299mmol)とTPAP(3.5mg、9.96μmol)で処理し、更に0.5時間攪拌した。この時点でTLCにかけたところ、反応が完了していることが示された。その溶媒を真空下で蒸発させ、結果として得られた黒色の残さをフラッシュクロマトグラフィー(98%のCHCl/MeOH)にかけることにより、白色の固体として、純粋な保護されたカルビノールアミン「79」が得られた(47mg、32%):
【0330】
【化123】
Figure 0004824165
【0331】
1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[(11aS)−7−メトキシ−2−メチリデン−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン](80、SJG−136)
窒素雰囲気下において0℃(氷/アセトン)で、CHCl/CHCN(13mL、10:3)中におけるビス−アロック−カルビノールアミン「79」(139mg、0.183mmol)、トリフェニルホスフィン(4.8mg、18.3μmol)、及びピロリジン(27mg、0.380mmol)の攪拌された溶液に、触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(11mg、9.52μmol)を加えた。その反応混合物を室温にまで温め、反応の進行度をTLC(95%のCHCl/MeOH)でモニタリングした。2時間15分後、TLCは、想定された半イミン生成物「261」を介して進行した反応が完了していることを示し、UV下で明るい蛍光を発するTLCスポットが得られた。その溶媒を真空下で蒸発させ、結果として得られたその残さをフラッシュクロマトグラフィー(98%のCHCl/MeOH)にかけることにより、薄いオレンジ色のガラス(78mg、77%)として、ビス−イミン型の目的とする分子「80」(SJG−136)が得られ、更に、イミン型を得るため、この薄いオレンジ色のガラスをCHClを用いて繰り返し真空下で蒸発させた:[α]21 =+357.7゜(c=0.07、CHCl);逆相HPLC(C 固定相、65%のMeOH/HO 移動相、254nm)、保持時間=6.27分、%ピーク面積=97.5%;
【0332】
【化124】
Figure 0004824165
【0333】
UP2001、SJG−136(80)の代替的合成(図11参照)
UP2001を、ビス−ケトン「52」に基づく代替的合成法によっても調製した(実施例11(f)参照)。
【0334】
1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[(2−アミノ−N−アリルオキシカルボニル−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]−ビス[(2S)−2−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−4−メチリデン−2,3−ジヒドロピロール](206)
無水THF(2.00mL)中におけるメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(0.716g、2.00mmol)の懸濁液に、無水THF中におけるカリウム−t−ブトキシドの溶液(0.5M、4.00mL、2.00mmol)を加えた。結果として得られた黄色のイリド懸濁液を0℃で2時間攪拌した後、10℃において、THF(10mL)中におけるビス−ケトン「52」(0.50g、0.50mmol)の溶液を加えた。その反応混合液を室温にまで温め、更に1時間攪拌し続けた。その反応混合液を酢酸エチル(15mL)と水(15mL)との間で分配し、その有機層を飽和塩化ナトリウム(20mL)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。過剰な溶媒を除去することにより褐色のオイルが得られ、このオイルをフラッシュカラムクロマトグラフィー(50%の酢酸エチル、50%の40−60゜の石油エーテル)にかけることにより、黄色いガラスとして生成物「206」が得られた(250mg、51%)。
【0335】
【化125】
Figure 0004824165
【0336】
1,1’−[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[(2−アミノ−N−アリルオキシカルボニル−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]−ビス[(2S)−2−ヒドロキシメチル−4−メチリデン−2,3−ジヒドロピロール](78)
窒素雰囲気下において0℃で、THF(10mL)中におけるビス−シリルエーテル「206」(285mg、0.287mmol)の溶液に、フッ化水素/ピリジン複合体(0.8mL、70%のHF、30%のピリジン)のアリコートを加えた。0℃で30分間攪拌し続け、次いで、その反応混合液を、1時間かけて室温にまで温めた。炭酸水素ナトリウムでその反応混合液を中和し、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出した。それらを合わせた有機相をブラインで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。過剰な溶媒を減圧下で除去することにより、黄色いガムとして生成物「78」が得られた(218mg)。
【0337】
1,1’[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス(11S、11aS)−10−(アリルオキシカルボニル)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−メチリデン−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4−ベンゾジアゼピン−5−オン](79)
窒素雰囲気下において−45℃で、ジクロロメタン(10mL)中における塩化オキサリル(0.32mL、3.67mmol)の攪拌された溶液に、無水ジクロロメタン(10mL)中におけるジメチルスルホキシド(0.55mL、7.75mmol)の溶液を15分にわたって滴下させながら加えた。その反応混合液を−45℃で35分間攪拌した後、ジクロロメタン(10mL)中におけるジオール「78」(1.01g、1.32mmol)を同一の温度で15分にわたり加えた。更に45分間放置した後、ジクロロメタン(10mL)中におけるトリエチルアミン(1.50mL、10.76mmol)の溶液を15分間にわたり加えた。その反応混合液を−45℃で30分間攪拌した後、45分かけて室温にまで温めた。その反応混合液を水で希釈し、それらの相を分離させた。その有機相を1MのHCl(3×50mL)及び飽和塩化ナトリウム(50mL)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。過剰な溶媒を除去することにより粗生成物が得られ、この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(1.5%のメタノール、98.5%のクロロホルム)で精製することにより、生成物「79」が得られた(0.785g、77%)。
【0338】
1,1’[[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[(11aS)−7−メトキシ−2−メチリデン−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン](80、SJG−136)
窒素雰囲気下において0℃(氷/アセトン)で、無水CHCl(30mL)中におけるビス−アロック−カルビノールアミン「79」(250mg、0.33mmol)、トリフェニルホスフィン(10mg、0.033mmol)、及びピロリジン(0.05mL、0.66mmol)の攪拌された溶液に、触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(21mg、0.018mmol)を加えた。その反応混合物を2時間攪拌した後、1時間かけて室温にまで温めた。その溶媒を減圧下で蒸発させ、結果として得られたその残さをフラッシュクロマトグラフィー(98%のCHCl/MeOH)にかけることにより、ビス−イミン型の目的とする分子「80」(SJG−136)が得られた。
【0339】
実施例2(e):1,1’[[(ペンタン−1,5−ジイル)ジオキシ]ビス[(11aS)−7−メトキシ−2−メチリデン−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン](218)の合成(図12a/b参照)
【0340】
【化126】
Figure 0004824165
【0341】
ニトロ二量体コアの調製
1’,5’−ビス[2−メトキシ−4−(メトキシカルボニル)フェノキシ]ペンタン(208)
無水THF(400mL)中におけるバニリン酸メチル「206」(20g、109.8mmol)とトリフェニルホスフィン(43.2g、164.7mmol)の攪拌された溶液に、生のアジドジカルボン酸ジエチル(19.02mL、21.04g、120.8mmol)を30分にわたって滴下させながら加え、その反応混合液を0℃で1時間攪拌した。その冷たい反応混合液を、THF(4mL)中における1,5−ペンタンジオール「207」(3.83mL、4.03g、53.0mmol)の溶液を20分にわたって滴下しながら加えることにより処理した。その反応混合液を室温で夜通し攪拌し、沈殿した生成物「208」を真空濾過により収集した。その濾液をメタノールで希釈することにより、生成物「208」が更に沈殿した。それ以上精製することなく、それらを合わせた沈殿物(12.3g、ペンタンジオールを基にして52%)を次のステップで使用した:
【0342】
【化127】
Figure 0004824165
【0343】
1’,5’−ビス[2−メトキシ−4−(メトキシカルボニル)−5−ニトロフェノキシ]ペンタン(209)
0℃において、無水酢酸(73mL)中におけるビス−エステル「208」(12g、27.8mmol)の攪拌された溶液に、固体の硝酸銅(II)三水和物(16.79g、69.5mmol)をゆっくりと加えた。得られた反応混合物を0℃で1時間攪拌した後、氷浴を取り除き、その反応混合物を室温にまで温めると、この段階で、NOの発生を伴う約40℃の穏やかな発熱が生じた。発熱が静まった後、室温で2時間攪拌し続けた。得られた反応混合物を氷浴中に注ぎ、その水性懸濁液を1時間攪拌した。結果として生じた黄色い沈殿物を真空濾過により収集し、空気中で乾燥させることにより、所望のビスニトロ化合物「209」が得られた(14.23g、98%):
【0344】
【化128】
Figure 0004824165
【0345】
1’,5’−ビス(4−カルボキシ−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)ペンタン(210)
水酸化ナトリウム水溶液(1M、180mL)とTHF(180mL)中におけるエステル「209」(9.0g、17.2mmol)の懸濁液を、均一な溶液が得られるまで(2日間)攪拌した。減圧下でTHFを蒸発させ、結果として得られた水性懸濁液を濾過することにより、未反応の開始材料をすべて取り除いた。その濾液のpHを1に調整した後、沈殿した生成物を濾過して収集し、空気乾燥させることにより、所望のビス−酸「210」が得られた(8.88g)。その酸のナトリウム塩を含めたため、理論値よりも高い収量が得られた。その材料の大半をTHFに溶解し、濾過してその不溶性材料を取り除くことにより、その塩を除去することができる:
【0346】
【化129】
Figure 0004824165
【0347】
ビスケトン中間体の構築
1,1’−[[(ペンタン−1,5−ジイル)ジオキシ]ビス[(2−ニトロ−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]−ビス[(2S,4R)−2−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−4−ヒドロキシピロリジン](211)
無水THF(50mL)中における酸「210」(5.39g、10.9mmol)と塩化オキサリル(3.47g、2.38mL、27.3mmol)の攪拌された懸濁液に、触媒量のDMF(5滴)を加えた。初めに泡立ちが観察され、続いて、均一な溶液の形成が観察されたが、夜通し攪拌すると、新たに形成された酸塩化物の懸濁液が形成された。減圧下での回転蒸発により過剰なTHFと塩化オキサリルを取り除いた後、その酸塩化物を新たなTHF(49mL)中に再懸濁させた。その酸塩化物溶液を、窒素雰囲気下において0℃で、THF(33mL)中における(2S,4R)−2−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−4−ヒドロキシピロリジン「2」(6.3g、27.3mmol)、トリエチルアミン(4.42g、6.09mL、43.7mmol)、及び水(1.47mL)の溶液に滴下させながら加えた。その反応混合液を室温にまで温め、3時間攪拌し続けた。減圧下での回転蒸発により過剰なTHFを除去し、結果として得られたその残さを、水(300mL)と酢酸エチル(300mL)との間で分配した。それらの層を分離し、その水性層を酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。次いで、それらを合わせた有機層を塩化アンモニウム(150mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(150mL)、及びブライン(150mL)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過し、続いて、減圧下で回転蒸発させることにより、暗色のオイルとして粗生成物が得られた。その粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(3%のメタノール、97%のクロロホルム)にかけ、過剰な溶離液を除去することにより、「211」が単離された(3.70g、収率37%):
【0348】
【化130】
Figure 0004824165
【0349】
1,1’−[[(ペンタン−1,5−ジイル)ジオキシ]ビス[(2−アミノ−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]−ビス[(2S,4R)−2−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−4−ヒドロキシピロリジン](212)
ラネーニッケル(510mgの厚いスラリー)上で穏やかに還流させながら、メタノール(68mL)中におけるビス−ニトロ化合物「211」(3.6g、3.91mmol)の溶液に、ヒドラジン−水和物のメタノール溶液(1.25mL、1.29g、40.2mmolのヒドラジン、20mLのメタノール)を滴下させながら加えた。還流下で5分後、TLC(10%のMeOH、90%のクロロホルム)にかけたところ、開始材料の消費が不完全であることが示された。その反応混合液を付加的なラネーニッケル(約510mg)とメタノール(20mL)中のヒドラジン(1.25mL)で処理した結果、開始材料が完全に消費された。その反応混合液に過剰なラネーニッケルを加えて未反応のヒドラジン−水和物を分解し、次いで、その反応混合液を冷却した。セライトを通じてその反応混合液を濾過することにより過剰なラネーニッケルを取り除き、得られたフィルターパッドを付加的なメタノールで洗浄した(注意!ラネーニッケルは発火性があるため、フィルターパッドを乾燥させてはならず、濃HClを用いてニッケルを消失させること)。減圧下での回転蒸発によりそれらを合わせた濾液を蒸発させ、得られたその残さをジクロロメタン中に再溶解した。(ヒドラジンと組み合わさった水分を取り除くため)そのジクロロメタン溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させることにより、発泡体として生成物「212」が得られた(3.37g、91%):
【0350】
【化131】
Figure 0004824165
【0351】
1,1’−[[(ペンタン−1,5−ジイル)ジオキシ]ビス[(2−アミノ−N−アリルオキシカルボニル−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]−ビス[(2S,4R)−2−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−4−ヒドロキシピロリジン](213)
窒素環境下において0℃で、ジクロロメタン(128mL)中におけるビス−アミン「212」(3.27g、3.8mmol)とピリジン(1.26g、1.29mL、15.9mmol)の溶液に、無水ジクロロメタン(63mL)中におけるクロロギ酸アリル(0.806mL、0.916g、7.6mmol)の溶液を滴下させながら加えた。その反応混合液を室温にまで温め、16時間攪拌した。この時点でTLC(10%のMeOH、90%のクロロホルム)にかけたところ、反応が完了していることが示された。その反応混合液をジクロロメタン(40mL)で希釈し、飽和硫酸銅(II)(2×140mL)、水(120mL)、及び飽和塩化ナトリウム(120mL)で洗浄した。その有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させることにより、発泡体として「213」が得られた(3.60g、92%):
【0352】
【化132】
Figure 0004824165
【0353】
1,1’−[[(ペンタン−1,5−ジイル)ジオキシ]ビス[(2−アミノ−N−アリルオキシカルボニル−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]−ビス[(2S)−2−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−4−オキソ−ピロリジン](214)
窒素雰囲気下において−60℃で、塩化オキサリル(ジクロロメタン中における5.18mLの2M溶液、10.35mmol)の攪拌された溶液に、無水ジクロロメタン(32mL)中におけるジメチルスルホキシド(1.47mL、1.62g、20.7mmol)の溶液を45分にわたって滴下させながら加えた。−50℃で30分間攪拌した後、ジクロロメタン(53mL)中におけるビス−アルコール「213」(3.55g、3.45mmol)の溶液を50分間にわたり滴下させながら加えた。その反応混合液を−60℃で30分間攪拌した後、ジクロロメタン(27mL)中におけるトリエチルアミン(4.75g、6.54mL、46.9mmol)の溶液を滴下させながら加えた。−60℃で45分間攪拌し続けた後、0℃にまで温めた。その反応混合液をジクロロメタン(20mL)で希釈し、1Mの冷たいHCl(2×100mL)及び飽和塩化ナトリウム(100mL)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。過剰な溶媒を除去することにより粗ビス−ケトンが得られ、この粗ビス−ケトンをフラッシュカラムクロマトグラフィー(50%の酢酸エチル、50%の40−60゜の石油エーテル)で精製することにより、薄黄色の発泡体として純粋なビス−ケトン「214」が得られた(2.54g、72%):
【0354】
【化133】
Figure 0004824165
【0355】
ビスケトンの精巧な生成、及び目的とする分子の調製
1,1’−[[(ペンタン−1,5−ジイル)ジオキシ]ビス[(2−アミノ−N−アリルオキシカルボニル−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]−ビス[(2S)−2−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−4−メチリデン−2,3−ジヒドロピロール](215)
無水THF(15mL)中におけるメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(4.50g、12.6mmol)の懸濁液に、無水THF中におけるカリウム−t−ブトキシドの溶液(0.5M、25.2mL、12.6mmol)を滴下させながら加えた。結果として得られた黄色のイリド懸濁液を0℃で2時間攪拌した後、10℃において、THF(10mL)中におけるビス−ケトン「214」(2.48g、2.42mmol)の溶液を加えた。その反応混合液を室温にまで温め、更に1時間攪拌し続けた。得られた反応混合液を酢酸エチル(100mL)と水(100mL)との間で分配し、その有機層を飽和塩化ナトリウム(200mL)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。過剰な溶媒を除去することにより褐色のオイルが得られ、このオイルをフラッシュカラムクロマトグラフィー(50%の酢酸エチル、50%の40−60゜の石油エーテル)にかけることにより、黄色いガラスとして生成物「215」が得られた(865mg、35%):
【0356】
【化134】
Figure 0004824165
【0357】
1,1’−[[(ペンタン−1,5−ジイル)ジオキシ]ビス[(2−アミノ−N−アリルオキシカルボニル−5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]−ビス[(2S)−2−ヒドロキシメチル−4−メチリデン−2,3−ジヒドロピロール](216)
0℃(氷/アセトン)において、THF(30mL)中におけるビス−シリルエーテル「215」(1.23g、1.21mmol)に、TBAF(THF中における3.02mLの1M溶液、3.02mmol)の溶液を加えた。その反応混合液を室温にまで温め、夜通し攪拌し、翌日、TLC(50:50のEtOAc/石油エーテル、40゜−60゜)にかけたところ、開始材料が完全に消失していることが示された。飽和NHCl(150mL)を加え、その反応混合液をEtOAc(3×60mL)で抽出し、飽和塩化ナトリウム(150mL)で洗浄した後、乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させることにより黄色いオイルを得た。このオイルをフラッシュクロマトグラフィー(97%のCHCl/3%のMeOH)で精製することにより、純粋なアルコール「216」が得られた(916mg、96%):
【0358】
【化135】
Figure 0004824165
【0359】
1,1’[[(ペンタン−1,5−ジイル)ジオキシ]ビス(11S,11aS)−10−(アリルオキシカルボニル)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−メチリデン−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4−ベンゾジアゼピン−5−オン](217)
窒素雰囲気下において−45℃で、塩化オキサリル(2.02mLの2M溶液、4.04mmol)の攪拌された溶液に、無水ジクロロメタン(17mL)中におけるジメチルスルホキシド(0.57mL、0.63g、8.07mmol)の溶液を40分間にわたって滴下させながら加えた。その反応混合液を−45℃で40分間攪拌した後、同一の温度で、ジクロロメタン(17mL)中におけるジオール「216」(0.89g、1.12mmol)を15分にわたって加えた。更に60分間放置した後、ジクロロメタン(9mL)中におけるトリエチルアミン(1.31mL、9.42mmol)の溶液を40分間にわたって加えた。その反応混合液を−45℃で40分間攪拌した後、45分かけて室温にまで温めた。その反応混合液を水で希釈し、それらの相を分離させた。その有機相を1MのHCl(2×40mL)、水(40mL)、及び飽和塩化ナトリウム(40mL)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。過剰な溶媒を除去することにより粗生成物が得られ、この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(1%のメタノール、99%のクロロホルム)で精製することにより、生成物「217」が得られた(0.175g、20%):
【0360】
【化136】
Figure 0004824165
【0361】
1,1’[[(ペンタン−1,5−ジイル)ジオキシ]ビス[(11aS)−7−メトキシ−2−メチリデン−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン](218)
窒素雰囲気下において0℃(氷/アセトン)で、DCM(13mL)中におけるビス−アロック−カルビノールアミン「217」(170mg、0.22mmol)、トリフェニルホスフィン(5.7mg、21.6mmol)、及びピロリジン(31mg、37.3mL、0.45mmol)の攪拌された溶液に、触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(13mg、11.2mmol)を加えた。その反応混合物を室温にまで温め、反応の進行度をTLC(95%のCHCl/MeOH)でモニタリングした。2時間後、TLCは、反応が完了していることを示し、UV光下で明るい蛍光を発するスポットが得られた。その溶媒を減圧下で蒸発させ、結果として得られたその残さをフラッシュクロマトグラフィー(99%から98%までのCHCl/MeOH)にかけることにより、薄黄色のガラスとして、ビス−イミン型の目的とする分子「218」(84.5mg、75%)が得られ、更に、イミン型を得るため、この薄黄色のガラスをCHClを用いて繰り返し真空下で蒸発させた:
【0362】
【化137】
Figure 0004824165
【0363】
実施例2(f):C−環にケトンを有するPBD(172、UP−2067)の合成(図13参照)
【0364】
【化138】
Figure 0004824165
【0365】
(2S)(4R)−N−[4−ベンジルオキシ−5−メトキシ−2−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシ)カルボニル]−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−ヒドロキシピロリジン(168)
窒素雰囲気下において0℃で、無水ジクロロメタン(200mL)中における「4」(18.2g、37.5mmol)とピリジン(5.92g、6.1mL、75.0mmol)の溶液に、ジクロロメタン(50mL)中におけるクロロギ酸2,2,2−トリクロロエチル(8.74g、5.68mL、41.2mmol)の溶液を加えた。その反応混合液を室温で夜通し攪拌した後、飽和硫酸銅溶液(100mL)、水(100mL)、及びブライン(100mL)で洗浄した。その有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、過剰な溶媒を回転蒸発により除去することにより、生成物「168」(22.01g、33.2mmol、89%)が得られ、この生成物を、それ以上精製することなく、以降の反応で使用した。
【0366】
【化139】
Figure 0004824165
【0367】
(2S)−N−[4−ベンジルオキシ−5−メトキシ−2−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ]−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−オキソピロリジン(169)
窒素雰囲気下において−45℃で、無水ジクロロメタン(25mL)中における塩化オキサリル(6.34g、49.9mmol)の溶液に、無水ジクロロメタン(18mL)中におけるDMSO(7.80g、99.8mmol)の溶液を30分にわたって滴下させながら加え、その反応混合液を更に15分間攪拌した。その反応混合液に、ジクロロメタン(50mL)中における基質「168」(22.01g、33.3mmol)の溶液を40分にわたって滴下させながら加え、次いで、−45℃で45分間攪拌した。最後に、生のトリエチルアミン(23.52g、232.9mmol)を30分にわたって滴下させながら加え、得られた反応混合液を−45℃で15分間攪拌した。その反応混合液を室温にまで温め、水(150mL)で希釈した後、その有機相を希HCl(1N、100mL)、水(100mL)、及びブライン(100mL)で洗浄した。次いで、その有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮することにより粗生成物が得られ、この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/40−60゜の石油エーテル、50:50)にかけた。過剰な溶離液を除去することにより、標記生成物が得られた(20.15g、収率92%):
【0368】
【化140】
Figure 0004824165
【0369】
(2S)−N−[4−ベンジルオキシ−5−メトキシ−2−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシ)カルボニルアミノ]−2−(ヒドロキシメチル)−4−オキソピロリジン(170)
THF(20mL)中におけるケトン「169」(9.44g、14.3mmol)の溶液に、氷酢酸(60mL)と水(20mL)を加え、その反応混合液を3時間攪拌した(TLCにより反応が完了していることを確かめた)。その反応混合物をジクロロメタン(200mL)で希釈し、5L用のフラスコ(泡立ち!)内において、飽和炭酸水素ナトリウム(1.5L)を滴下させながら中和した。それらの相を分離し、その水性層をジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。それらを合わせた有機層をブラインで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。過剰な溶媒を除去することにより粗生成物が得られ、この粗生成物を、シリカを用いるカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/40−60゜の石油エーテル、50:50)にかけることにより、純粋な標記生成物が得られた(6.44g、83%)。
【0370】
【化141】
Figure 0004824165
【0371】
(11S,11aS)−4−ベンジルオキシ−11−ヒドロキシ−5−メトキシ−4−オキソ−10−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシ)カルボニル−アミノ−1,10,11,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ−[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(171)
窒素雰囲気下において−60℃で、無水ジクロロメタン(14mL)中における塩化オキサリル(3.58g、49.9mmol)の溶液に、無水ジクロロメタン(25mL)中におけるDMSO(4.45g、4.04mL、56.9mmol)の溶液を5分にわたって滴下させながら加え、その反応混合液を更に15分間攪拌した。その反応混合液に、ジクロロメタン(25mL)中における基質「170」(10.93g、20.0mmol)の溶液を30分にわたって滴下させながら加え、次いで、−60℃で30分間攪拌した。最後に、生のトリエチルアミン(11.15g、232.9mmol)を30分にわたって滴下させながら加え、得られた反応混合液を−60℃で15分間攪拌した。その反応混合液を室温にまで温め、水(150mL)で希釈した後、その有機相を希HCl(1N、100mL)、水(100mL)、及びブライン(100mL)で洗浄した。次いで、その有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮することにより粗生成物が得られ、この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/40−60゜の石油エーテル、50:50)にかけた。過剰な溶離液を除去することにより、生成物「171」が得られた(9.66g、収率89%)。
【0372】
【化142】
Figure 0004824165
【0373】
(11aS)−4−ベンジルオキシ−5−メトキシ−4−オキソ−1,10,11,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(172)
THF(5mL)と酢酸アンモニウム水溶液(1N、15mL)中における環化されたケトン(1g、1.84mmol)の溶液にカドミウム/鉛カップル(1.15g)を加えた。その反応混合物を90分間攪拌した後、セライトを通じて濾過した。そのセライトパッドを酢酸エチル(2×25mL)で洗浄し、有機層を分離させた。その有機層をブライン(50mL)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。過剰な溶媒を除去し、続いて、カラムクロマトグラフィーにかけることにより、ピロロベンゾジアゼピン「172」が得られた(0.324g、0.93mmol)。
【0374】
【化143】
Figure 0004824165
【0375】
実施例2(g):(11aS)−8−ベンジルオキシ−7−メトキシ−2−(4−メトキシベンジリデン−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(185)の合成(図14参照)
【0376】
【化144】
Figure 0004824165
【0377】
(2S)−N−[(2−アリルオキシカルバニルアミノ)−4−ベンジルオキシ−5−メトキシ]−2−(tertブチルジメチルシリルオキシメチル)−4−メチリデンピロリジン(182)
0℃で窒素雰囲気下において、無水トルエン(25mL)中の水素化ナトリウム(352mgの60%分散液、8.80mmol)の懸濁液にウィッティッヒ試薬、4−メトキシベンジルホスホニウムブロミド(3.686g、0.88mmol)を小分けして加えた。その混合物を室温にまで温めた後、還流下で30分間加熱した。その反応混合液の色は、黄色からオレンジ色へ漸進的に暗色化した。この段階で、還流下において、その反応混合液に、無水トルエン(25mL)中におけるケトン(6−実施例1a参照)(0.5g、0.88mmol)の溶液を滴下させながら加えた。10分後、TLC(50%の酢酸エチル、50%の40−60゜の石油エーテル)は、ケトンが完全に消費されていることを示した。減圧下での回転蒸発で過剰なトルエンを除去することにより褐色の残さが得られ、この褐色の残さを、酢酸エチル(100mL)と飽和炭酸水素ナトリウム(100mL)との間で分配した。その有機層をブライン(100mL)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下での回転蒸発で過剰な溶媒を除去することにより暗色のオイルが得られ、このオイルを、シリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(20%の酢酸エチル、70%の40−60゜の石油エーテル)にかけた。過剰な溶離液を除去することにより、オイルとして生成物「182」が得られ、このオイルは、放置しておくと凝固した(420mg、0.62mmol、71%)。
【0378】
【化145】
Figure 0004824165
【0379】
(2S)−N−[(2−アリルオキシカルノイルアミノ)−4−ベンジルオキシ−5−メトキシ]−2−(ヒドロキシメチル)−4−(4−メトキシベンジリデン)ピロリジン(183)
0℃において、THF(15mL)中における「182」(0.65g、0.97mmol)の溶液に、THF中におけるTBAFの溶液(1.21mL、1M溶液、1.21mmol)を加えた。その反応混合液を室温にまで温め、夜通し攪拌した。減圧下での回転蒸発により過剰なTHFを除去し、得られたその残さを、酢酸エチル(100mL)と飽和塩化アンモニウム(1mL)との間で分配した。その有機相をブライン(100mL)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下で過剰な溶媒を蒸発させ、結果として得られたその残さをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、50%の酢酸エチル、及び50%の40−60゜の石油エーテル)にかけた。減圧下での回転蒸発で過剰な溶離液を除去することにより、化合物「183」が得られた(0.9g、1.61mmol、65%)。
【0380】
【化146】
Figure 0004824165
【0381】
(11S,11aS)−10−アリルオキシカルボニル−8−ベンジルオキシ−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4−メトキシベンジリデン)−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(184)
窒素雰囲気下において−40℃で、塩化オキサリル(1.45mlの2M溶液、2.90mmol)の攪拌された溶液に、無水DCM(50mL)中におけるDMSO(0.41mL、5.80mmol)の溶液を滴下させながら加えた。−45℃で45分間攪拌した後、その混合液に、DCM(50mL)中における「183」(0.9g、1.61mmol)の溶液を45分にわたって滴下させながら加えた。−45℃で45分間攪拌した後、その反応混合液を、DCM(20mL)中におけるTEA(0.94mL、6.76mmol)の溶液を30分にわたって滴下しながら加えることにより処理した。−45℃で更に40分間攪拌した後、その反応混合液を室温にまで温め、次いで、DCM(30mL)で希釈した。その希釈された反応混合液を希塩酸(1N、300mL)、水(150mL)、及びブライン(150mL)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。過剰な溶媒を除去することにより粗生成物が得られ、この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、50%の酢酸エチル、及び50%の40−60゜の石油エーテル)にかけた。過剰な溶離液を除去することにより、オイルとして生成物「184」が得られた(0.62g、1.11mmol、69%)。
【0382】
【化147】
Figure 0004824165
【0383】
(11aS)−8−ベンジルオキシ−7−メトキシ−2−(4−メトキシベンジリデン−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(185)
無水DCM中における基質の攪拌された溶液に、トリフェニルホスフィン、ピロリジン、及びテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムを次々と加えた。その反応混合物を窒素雰囲気下において室温で2時間攪拌し、この時点でTLC(50%の酢酸エチル、及び50%の40−60゜の石油エーテル)にかけたところ、開始材料が完全に消費されていることが示された。その反応混合液を蒸発させて乾燥させ、結果として得られたその残さを重力カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、傾斜溶離:30%の酢酸エチルと70%の40−60゜の石油エーテルから、70%の酢酸エチルと30%の40−60゜の石油エーテルまで)にかけた。過剰な溶離液を除去することにより、黄色いガラスとしてPBD「185」が得られ、この黄色いガラスは、40−60゜の石油エーテルを伴った酢酸エチルから再沈殿された。
【0384】
【化148】
Figure 0004824165
【0385】
実施例3:化学式IIIで表される化合物の合成
合成の概要
ビアリールPBD(136、138、及び140)は、保護されたカルビノールアミン(135、137、及び139)からTroc保護基を取り除くことにより得られた。化合物「136」と「138」に対してはDongらの脱保護法(Cd/Pd、酢酸アンモニウム緩衝液)を用いたが、「140」の調製では、この分子がCd/Pdカップルに感応するニトロ基を含有していたため、この手法を適用することができなかった。従って、このケースでは、テトラブチルアンモニウムフルオリドの使用を包含する新規な脱保護手順を用いた。保護されたビアリールカルビノールアミンはSuzuki反応により調製し、よく知られた7−ヨード置換保護カルビノールアミン「134」を、パラジウム触媒の存在下において、適当なホウ素の酸に晒した。70以上ものホウ素の酸を商品として入手できることから、この反応は広範囲に及ぶ。ヨード置換保護カルビノールアミン「134」は、一級アルコール「133」のSwern酸化により得た。このケースではSwern手順が特に効果的であったが、Dess−Martin試薬や、TPAPまたはピリジン三酸化イオウ複合体、及びDMSO等の他の酸化剤も使用することができた。一級アルコール「133」は、商品として入手可能なピロリジンメタノールを、塩化オキサリルで処理することにより「132」で得られたTroc保護アントラニル酸塩化物にカップリングさせることにより得た。次に、そのTroc保護酸は、アントラニル酸「131」をクロロギ酸2,2,2−トリクロロエチルに晒すことにより調製した。Trocの代わりに、Nvoc、Teoc、及びFmoc等の他の保護基も使用することができるが、Boc等の幾つかの基は、カップリングステップの前に塩化オキサリルに晒されると自発的にイサトイック無水物を形成するので、保護基の選択には注意を払わなければならない。
【0386】
9−メトキシPBD「101」は、本手法の多能性を示した仕方と類似の仕方で調製した。
【0387】
8−アミノPBD「151」は、アミノ置換保護カルビノールアミン「150」からTroc保護基を取り除くことにより調製した。その遊離アミンは、標準的な条件(ピペリジン/DMF)下において、保護されたカルビノールアミン「149」からFmoc保護基を除去することにより得られた。一級アルコール「148」のSwern酸化は良好な収率で「149」をもたらし、その酸化反応の基質は、アニリン「147」のFmoc保護により調製した。塩化スズを用いるニトロ化合物「146」の還元によりそのアニリンが供給され、Troc系がこれらの条件に耐えられないため、そのニトロ基を還元するのに水素化を用いることができなかった。ニトロ化合物「146」は、塩基の存在下でピロリジンメタノールを用いて「145」から誘導されたその酸の塩化物をカップリングすることにより調製された。最後に、保護されたアントラニル酸「145」は、商品として入手可能な4ニトロアントラニル酸「144」をTrocクロロギ酸エステルに晒すことにより得た。
【0388】
8−ベンジルオキシ−7,9−ジメトキシPBD(143、UP2022)は、2−ニトロ安息香酸中間体を通じて進行するが、アントラニル酸開始材料の使用を包含しない点で僅かに異なる手法により調製された。そのPBDは、保護されたカルビノールアミン「142」から通常の条件下でTroc保護基を除去することにより得られた。その保護されたカルビノールアミンは、一級アルコール「141」のSwern酸化により供給され、次に、その一級アルコールは、ピリジンの存在下におけるTrocクロロギ酸エステルへの曝露によるTrocカルバミン酸エステル等、アミノアルコール「126」の選択的な保護により調製された。そのアミノアルコールは、ラネーニッケル及びヒドラジンを用いてニトロ化合物「125」を還元することにより得た(繰り返しになるが、ベンジル基が存在しているため、ここでも水素化を使用することができなかった)。ニトロアルコール「125」は、ピロリジンメタノールを必須の2−ニトロ安息香酸「124」にカップリングすることにより調製した。このニトロ安息香酸は商品として入手することができなかったため、入手可能なシリンギック酸「87」から4段階のステップを用いて調製した。エステル「122」のニトロ化は、無水酢酸中において硝酸銅を用いることによりスムーズに行われた。そのエステル「122」は標準的な方法で得られた。
【0389】
PBD(96、113、120、及び194)は、2−ニトロ安息香酸(19、108、115、及び186)から同一の仕方で得られた。
【0390】
二量体「90」は、コアニトロ化合物「85」から類似の仕方で調製した;そのコアは、Mitsonobuエーテル化を介して2単位のフェノール「84」を一緒に接続することにより構築された。そのフェノール「84」は3段階のステップからなる合成でシリンギック酸「83」から誘導され、そのうちの決定的なステップは「82」のニトロ化ステップであり、70%硝酸を用いてこのニトロ化ステップを実施した。
【0391】
フェノール系のPBD「130」は、PBD「143」の合成で用いたのと類似の経路で調製したが、フェノール基を取り込む必要性があったことから、異なる保護基、Teocの使用が促された。その遊離PBDは、Teoc保護カルビノールアミン「129」を、温かいアセトニトリル中において、TBAFで処理することにより得られた。そのフェノール「129」は、Teoc保護基の存在下において、「128」のベンジルオキシ部分を水素化分解することによりマスキングが解除された(Trocはこれらの条件下で残存することができないであろう)。そのベンジルオキシ化合物「128」は、一級アルコール「127」のSwern酸化により得られ、そして、この一級アルコールは、アミノアルコール「126」を、塩基の存在下において、Teocクロロギ酸エステルで処理することにより調製した。
【0392】
実施例3(a):C9/C9’−ジメトキシPBDダイマー(90,DRH−165)の合成(図15を参照)
【0393】
【化149】
Figure 0004824165
【0394】
o−アセチルシリンギック酸(o−Acetylsyringic acid)(82)
無水酢酸(30.0g,27.7mL,294.1ミリモル)中のシリンギック酸81(10.0g,50.5ミリモル)懸濁液を透明な溶液を得る迄穏やかに加温した。融解した酢酸ナトリウム(0.5g,6.10ミリモル)をこの溶液に添加し、室温で16時間撹拌した。この溶液を水(100mL)中に注ぎ、充分に撹拌して、いかなる過剰の無水物も確実に加水分解した。粗o−アセチル−シリンギック酸を水から再結晶化して、生成物を灰色がかった白色の粉末(11.2g,46.7ミリモル)として得た。
【0395】
【化150】
Figure 0004824165
【0396】
4−アセトキシ−3,5−ジメトキシ−2−ニトロ安息香酸(83)
無水酢酸(33g,ミリモル)中のo−アセチルシリンギック酸82(11.1g,46.2ミリモル)の溶液に5℃で発煙硝酸(5.2mL)を注意深く添加し、次に、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を氷(300mL)上に注ぎ、黄色沈殿を濾過により集め、水(3x100mL)により洗浄し、真空中で乾燥して、生成物を淡黄色固体(12.4g)として得た。
【0397】
【化151】
Figure 0004824165
メチル3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ−2−ニトロベンゾエート(84)
【0398】
触媒量のDMF(5滴)を無水THF(100mL)中のオキサリルクロライド(6.3g,49.8ミリモル)とo−ニトロ安息香酸83(12.4g,45.2ミリモル)の溶液に添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。得られた酸クロライドを無水メタノール(100mL)により0℃で滴下し、鎮めた。反応混合物を炭酸カリウムにより処理し、室温で3時間撹拌した。過剰の溶媒をロータリーエバポレーターにより減圧下で除去し、残渣を水に溶解した。水溶液に酸を添加して、pH8とし、得られた白色沈殿を濾過により集め、水(2x100mL)により洗浄し、生成物を乾燥して灰色がかった白色固体(10.6g,83%)として得た。
【0399】
【化152】
Figure 0004824165
【0400】
1’,3’−ビス(4−カルボキシ−2,6−ジメトキシ−5−ニトロフェノキシ)プロパン(85)
無水THF(100mL)中のフェノール84(10.61g,41.3ミリモル)とTPP(16.24g,61.9ミリモル)の冷却し、撹拌した溶液にジエチルアジドジカルボキシレート(7.19g,41.3ミリモル)を0.5時間にわたって滴下し、1時間撹拌した。THF(30mL)中の1,3−プロパンジオール(l.57g,20.6ミリモル)の溶液を滴下し、反応混合物を16時間撹拌した。次に、反応混合物を1NNaOH水溶液(200mL)により処理し、還流で3時間加熱した。過剰の溶媒をロータリーエバポレーターにより減圧下で除去して、水性懸濁液を得、それをEtOAc(3x300mL)により抽出した。水性抽出物を濃HClにより酸性とし、沈殿を真空濾過により集めた。この沈殿を水(500mL)中に懸濁し、10分間撹拌後、懸濁液を濾過して、生成物をオレンジ色の固体(6.11g,60%)として得た。
【0401】
【化153】
Figure 0004824165
【0402】
(2S)−1,1’−[((プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス(2−ニトロ−3,5−ジメトキシ1,4−フェニレン)カルボニル]]ビス(2−(ヒドロキシメチルピロリジン](86)
無水DCM(60mL)中の酸85(6.1g,12.4ミリモル)とオキサリルクロライド(2.37mL,3.45g,27.2ミリモル)の溶液に触媒量のDMF(3滴)を添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。無水DCM(60mL)中のTEA(6.26g,61.8ミリモル)とピロリジンメタノール(2.75g,27.2ミリモル)の撹拌した溶液に−10℃で得られた酸クロライドを0.5時間にわたって滴下した。次に、反応混合物を室温で6時間撹拌した。この反応混合物を1NHCl(3x100mL)、水(3x100mL),飽和NaHCO(3x100mL)、ブライン(3x100mL)により洗浄し、MgSO上で乾燥した。ロータリーエバポレーターによる減圧下での過剰の溶媒の除去により、生成物を黄色ガラス(8.25g,11.9ミリモル)として得た。
【0403】
【化154】
Figure 0004824165
【0404】
(2S)−1,1’−([(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[2−アミノ−3,5−ジメトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]ビス[2−(ヒドロキシメチルピロリジン](87)
無水メタノール(40mL)中の86(1g,1.45ミリモル)の溶液にヒドラジン(3.45g,107.9ミリモル)を滴下し、還流でラネーニッケル(5g,スラリー)上で加熱した。加熱を更に3時間継続し、その後、反応混合物を冷却し、セライトを濾過して、過剰のラネーニッケルを除去した。濾液を蒸発乾固し、DCM(200mL)に溶解し、有機溶液を水(2x100mL)、ブライン(2x100mL)により洗浄し、MgSO上で乾燥した。真空中での過剰の溶媒の濾過と蒸発により、生成物をピンク色のガラス(5.59g,8.9ミリモル)を得た。
【0405】
【化155】
Figure 0004824165
【0406】
(2S)−1,1’−([(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス(2−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニル)アミノ−3,5−メトキシ−1,4−フェニレン)カルボニル]]ビス[2−(ヒドロキシメチルピロリジン](88)
乾燥DCM(50mL)中の87(2.28g,3.6ミリモル)とピリジン(1.14g,14.4ミリモル,4当量)の溶液に乾燥DCM(10mL)中の2,2,2−トリクロロエチルクロロホルメート(1.45g,6.86ミリモル,1.9当量)の溶液を0.5時間にわたって滴下し、室温で16時間撹拌した。反応混合物をDCM(200mL)により希釈し、1NHCl(3x200mL)、HO(3x200mL)、ブライン(2x300mL)により洗浄し、無水MgSO上で乾燥した。フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル,EtOAc)による精製により、生成物を淡黄色ガラス(1.43g)として得た。
【0407】
【化156】
Figure 0004824165
【0408】
1,1’−[[プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[(11S,11aS)−10−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニル)−11−ヒドロキシ−7,9−ジメトキシ−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(89)
DCM(7.38ミリモル,3.69mLのDCM中の2N溶液)中のオキサリルクロライドの撹拌した溶液に、乾燥DCM(5mL)中の乾燥DMSO(14.9ミリモル,1.17g,1.06mL)の溶液を窒素雰囲気下−45℃で20分間にわたって滴下した。さらに15分間撹拌した後、乾燥DCM(5mL)中の88(2.58g,2.63ミリモル)の溶液を45分間にわたって−45℃で滴下し、−45℃で45分間撹拌した。TEA(2.12g,21.0ミリモル)を30分間にわたって滴下し、更に15分間撹拌した。反応混合物を室温迄温め、水(100mL)により希釈した。有機層を1NHCl(3x100mL)、水(3x100mL)、ブライン(3x100mL)により洗浄し、無水MgSO上で乾燥した。真空中での溶媒の濾過と蒸発により、生成物を黄色ガラス(0.73g)として得た。
【0409】
【化157】
Figure 0004824165
【0410】
10%Cd/Pbカップルの調製
黄色の酸化鉛(リサージュ,1.8g,4.9ミリモル)を温かい50%AcOH(5OmL)水溶液中に溶解し、脱イオン水(100mL)中の激しく撹拌したCdダスト(Aldrich,100メッシュ,5.46g,49ミリモル)の懸濁液にこの溶液をゆっくり添加した。Pbがその表面上に堆積するに従い、Cdは暗色化し、塊を生成し、それをガラスロッドによりおだやかに破壊した。暗色化した非自然発火性のCd/Pbカップルを濾過し、水、アセトンにより洗浄し、砕いて、貯蔵及び使用に先立って乾燥した。
【0411】
1,1’−[(プロパン−1,3−ジイル)ジオキシ]ビス[(11aS)−7,9−ジメトキシ−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(90)
THF(10mL)と1NNHOAc(10mL)中の89(0.76g,0.8ミリモル)の激しく撹拌した溶液にカドミウム/鉛カップル(3.8ミリモルのCd,0.47gのCd/Pbカップル)を添加し、撹拌を2.5時間続けた。反応混合物をDCM(150mL)により希釈し、MgSO上で乾燥した。真空中での溶媒の濾過と蒸発により、生成物を黄色ガラス(0.32g,0.55ミリモル,71%)を得た。
【0412】
【化158】
Figure 0004824165
【0413】
実施例3(b):C7−メトキシPBD(96,DRH−271)の合成(図16を参照)
【0414】
【化159】
Figure 0004824165
【0415】
N−(3−メトキシ−2−ニトロベンゾイル)ピロリジン−2−メタノール(92)
乾燥CHCl(50mL)中の3−メトキシ−2−ニトロ−安息香酸91(5.01g,25.4ミリモル)とオキサリルクロライド(3.54g,27.9ミリモル)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気下で触媒量のDMF(2滴)を添加した。反応混合物を一晩撹拌し、その後、92の調製に直接に使用した。無水CHCl(50mL)中のピロリジンメタノール(2.57g,25.4ミリモル)とTEA(6.42g,63.6ミリモル)の激しく撹拌した溶液に、窒素雰囲気、0℃で無水のCHCl(50mL)中の酸クロライドの溶液を1時間にわたって滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を1NHCl(1x100mL)、HO(3x100mL)及びブライン(3x100mL)により洗浄した。有機層を無水MgSOの上で乾燥し、溶媒の蒸発により褐色オイル(6.37g,22.7ミリモル,89%)を得た。
【0416】
N−(2−アミノ−3−メトキシベンゾイル)ピロリジン−2−メタノール(93)
ラネーニッケル(2.4g,スラリー)上でおだやかに還流するメタノール(100mL)中の92(6.37g,22.7ミリモル)の溶液に、ヒドラジン水和物(4.37g,136.4ミリモル)を滴下した。水素ガスの激しい発生は、ほぼ10分間後に鎮まり、反応は、TLCにより2時間後に完結したと判断された。反応混合物をセライトにより濾過し、溶媒を蒸発させた。蒸溜水(100mL)を残渣に添加し、水性混合物をEtOAc(3x100mL)により抽出し、HO(3x100mL)とブライン(3x100mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。溶媒の蒸発により、褐色ガラス(5.49g,21.8ミリモル)をTLCにより単一スポットとして得た。
【0417】
N−(3−メトキシ−2−((2’,2’,2’−トリクロロエトキシ)カルボニルアミノベンゾイル)ピロリジン−2−メタノール(94)
蒸留したジクロロメタン(100mL)中の基質、93(5.46g,21.8ミリモル)及び無水ピリジン(3.44g,43.5ミリモル)の撹拌した溶液に、蒸留したジクロロメタン(50mL)中の2,2,2−トリクロロエチルクロロホルメート(4.61g,21.8ミリモル)の溶液を0.5時間にわたって0℃で滴下した。反応混合物を2.5時間を撹拌し、そこでTLCにより反応は完結したことが示された。この反応混合物を無水DCM(100mL)により希釈し、1NHCl(2x200mL)、HO(200mL)、ブライン(200mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。溶媒の蒸発により褐色のオイルを得、EtOAcで溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物を黄色固体(6.14g,14.4ミリモル)を得た。
【0418】
【化160】
Figure 0004824165
【0419】
(11S,11aS)−10−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシ)カルボニル−7−メトキシ−11−ヒドロキシ−1,2,3,10,11,−11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(95)
オキサリルクロライド(2.53g,9.96mLのDCM中の2N溶液)の撹拌した溶液に、乾燥DCM(25mL)中の無水DMSO(3.14g,40.2ミリモル)を窒素雰囲気下−50℃で5 分間にわたって滴下した。5分間撹拌した後、乾燥DCM(25mL)中の基質94(6.03g,14.2ミリモル)を反応混合物に45分間にわたって滴下し、基質の添加の後−50℃で更に45分間撹拌した。乾燥したTEA(5.72g,56.64ミリモル)を0.5時間にわたって混合物に滴下し、反応混合物を更に15分間撹拌した。反応混合物を放置して、室温迄温め、HO(10mL)により希釈した。有機相を1NHCl(2x200mL)、HO(2x200mL)、ブライン(2x200mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。溶媒を蒸発して、黄色オイル(6.68g)を得た。このオイルをEtOAcを溶離液としてフラッシュクロマトグラフィにかけて、生成物を黄色固体(5.87g,13.9ミリモル)を得た。
【0420】
【化161】
Figure 0004824165
【0421】
7−メトキシ−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ(2,1c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(96)
THF(30mL)と1NNHOAc(30mL)の混合物中の迅速に撹拌した95(1.71g,4.03ミリモル)の溶液に、10%Cd/Pbカップル(2.50g,20ミリモルCd)を添加した。添加時、溶液は曇り、TLCによれば、2時間後、反応は完結したことが示された。反応混合物をEtOAc(150ml)により希釈し、無水MgSOの上で乾燥した。この固体を濾過し、EtOAc(50mL)によりすすいだ。ロータリーエバポレーターによる減圧下での過剰の溶媒の除去により、生成物を黄色固体(0.84g,3.6ミリモル,90%)として得た。
【0422】
実施例3(c):C7−メトキシPBD(101,AG/140)の合成(図17を参照)
【0423】
【化162】
Figure 0004824165
【0424】
3−メトキシ−2−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)安息香酸(98)
2−アミノ−3−メトキシ安息香酸97(1g,6.0ミリモル)とピリジン(0.97mL,12.0ミリモル)を乾燥ジクロロメタン(30mL)に溶解した。得られた混合物を冷却し、Troc−Cl(0.9mL,6.6ミリモル)を滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次に、HCl(1N,50mL)、水(50mL)及びブライン(50mL)により洗浄した。有機相をMgSOの上で乾燥し、蒸発して収率1.42gの粗生成物を得、これを更なる精製なしで次のステップで使用した。
【0425】
N−(3−メトキシ−2−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)ベンゾイル)−ピロリジン−2−メタノール(99)
乾燥ジクロロメタン(20mL)中の前の反応から得た粗生成物の溶液に、2滴の乾燥DMFと一緒にオキサリルクロライド(0.57mL,6.58ミリモル)を添加した。初期の激しい発泡の後、混合物を室温で一晩撹拌した。乾燥ジクロロメタン(20mL)中の2S−(+)−ピロリジンメタノール(0.66g,6.58ミリモル)とTEA(2.1mL,14.95ミリモル)の溶液に、得られた酸クロライドを−16℃で30分間にわたって滴下した。カップリングが完結したならば、反応混合物を酢酸エチル(20mL)により希釈し、1NHCl(2x25mL)、飽和NaHCO水溶液(2x25mL)、水(25mL)及びブライン(25ml)により洗浄した。次に、有機層をMgSOの上で乾燥し、蒸発して、黄色オイルを得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル,50/50)により精製して、0.54gの淡黄色オイルを得た。
【0426】
【化163】
Figure 0004824165
【0427】
(11S,11aS)−11−ヒドロキシ−9−メトキシ−10−N−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニル)−1,2,−3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(100)
乾燥ジクロロメタン(11.65mL)中のオキサリルクロライド(3.30ミリモル)の溶液に、乾燥ジクロロメタン(10mL)中のDMSO(0.46ml,6.63ミリモル)の溶液を−40℃で30分間にわたって滴下した。この混合物を更に30分間撹拌し、ジクロロメタン(15mL)中の99(1g,2.37ミリモル)の溶液を1時間にわたって添加した。添加の終了に続いて、混合物を−45℃で60分間撹拌し、次に、ジクロロメタン(6mL)中のTEA(1.31mL)の溶液を滴下し、混合物を室温迄温めた。この反応混合物を水(50mL)、1NHCl(2x25ml)、飽和NaHCO水溶液(2x25ml)、及びブライン(50mL)により洗浄した。この有機溶液をMgSOの上で乾燥し、蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ(シリカゲルEt0Ac/石油エーテル1/1)により精製して、無色オイル(0.64g,63%)を得た。
【0428】
【化164】
Figure 0004824165
【0429】
(11aS)−9−メトキシ−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(101)
THF(10mL)と1NNHOAc(10mL)中の100(0.64g,1.51ミリモル)の撹拌した溶液に、細かく粉砕したCd/Pbカップル(1.02g)を少しずつ添加した。反応をTLC(EtOAc)により追跡し、出発材料がもはや観察されなくなったら、混合物を酢酸エチル(200mL)中に注いだ。有機相をMgSOの上で乾燥し、蒸発させて、生成物を淡黄色オイル(0.28g,80%)として得た。
【0430】
【化165】
Figure 0004824165
【0431】
実施例3(d):7,8−ジメトキシPBD(106,AG/105)の合成(図18を参照)
【0432】
【化166】
Figure 0004824165
【0433】
4,5−ジメトキシ−2−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)安息香酸(103)
乾燥ジクロロメタン(20ml)中の2−アミノ−4,5ジメトキシ安息香酸102(1g,5.1ミリモル)とピリジン(0.82ml,10.1ミリモル)に、乾燥ジクロロメタン(10mL)中のTroc−Cl(0.76ml,5.56ミリモル)の溶液を0℃で滴下した。この反応混合物を室温で一晩撹拌し、次に希薄HCl(1N,2x25ml)、水(2x25ml)及びブライン(20ml)で洗浄した。有機相をMgSOの上で乾燥し、蒸発し、粗生成物(1.6g)を得、これを更なる精製なしで次のステップで使用した。
【0434】
N−(4,5−ジメトキシ−2’−(2”,2”,2”−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)ベンゾイル)−ピロリジン−2−メタノール(104)
2滴の乾燥DMFと一緒の、乾燥ジクロロメタン(30mL)中の前の反応で調製した粗Troc−保護したアントラニル酸に、オキサリルクロライド(0.38mL,4.33ミリモル)を添加した。初期の激しい発泡の後、混合物を室温で一晩撹拌した。乾燥ジクロロメタン(15mL)の2S−(+)−ピロリジンメタノール(0.44g,4.33ミリモル)とTEA(1.37ml,9.85ミリモル)の溶液に、得られた酸クロライドを−16℃で30分間にわたって滴下した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)により希釈し、希薄HCl(lN,2x30mL)、飽和NaHCO水溶液(2x30mL)、水(30mL)及びブライン(30mL)により洗浄した。次に、有機層をMgSOの上で乾燥して、黄色オイルを得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル50/50)により精製して、生成物(1.2g,70%)を淡黄色オイルとして得た。
【0435】
【化167】
Figure 0004824165
【0436】
(11S,11aS)−7,8−ジメトキシ−11−ヒドロキシ−10−N−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニル)−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(105)
乾燥ジクロロメタン(15mL)中のオキサリルクロライド(6.4ミリモル)の溶液に、温度を−40℃以下に保って、乾燥ジクロロメタン(15mL)中のDMSO(0.9ml,12.9ミリモル)の溶液を30分間にわたって滴下した。反応混合物を更に30分間撹拌し、その時点でジクロロメタン(35mL)中の104(2.1g,4.61ミリモル)の溶液を1時間にわたって滴下した。基質の添加後、反応混合物を−45℃で60分間撹拌し、次に、ジクロロメタン(10mL)中のTEA(2.56mL)の溶液を滴下し、混合物を室温迄温めた。反応混合物を水(75mL)、希薄HCl(1N,75mL)、水(75mL)、ブライン(75mL)により洗浄し、MgSOの上で乾燥し、蒸発させた。
粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/石油エーテル40/60)により精製して、無色オイル(1.19g,57%)を得た。
【0437】
【化168】
Figure 0004824165
【0438】
(11aS)−7,8−ジメトキシ−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(106,AG/105)
細かく粉砕したCd/Pbカップル(3.12g)を105(1g,2.2ミリモル)THF(10mL)とNHOAc(1M,10mL)の溶液に分けて添加した。反応をTLC(EtOAc)により追跡し、出発材料が存在しなくなったら、混合物を酢酸エチル(400mL)中に注いだ。有機相をMgSOの上で乾燥し、蒸発し、粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィ(Et0Ac)により精製して、淡黄色オイル(0.45g,78%)として生成物を得た。
【0439】
【化169】
Figure 0004824165
【0440】
実施例3(e):6,7,8−トリメトキシPBD(113,DRH−NA7)の合成(図19を参照)
【0441】
【化170】
Figure 0004824165
【0442】
2,3,4−トリメトキシ−6−ニトロ安息香酸(108)
70%硝酸の撹拌した溶液に、2,3,4−トリメトキシ安息香酸107(25g,117.8ミリモル)0℃で30分間分けて添加した。反応混合物を冷水(1250mL)中に注ぎ、撹拌を30分間続けた。反応混合物をEtOAc(2x200mL)により抽出し、合わせた有機層をブライン(2x200mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。真空中での過剰の溶媒の蒸発により、生成物を純粋な白色結晶固体(18.67g,60%)として得た。
【0443】
【化171】
Figure 0004824165
【0444】
N−(2−ニトロ−4,5,6−トリメトキシベンゾイル)ピロリジン−2−メタノール(109)
乾燥CHCl(100mL)中の108(10g,38.9ミリモル)とオキサリルクロライド(5.87g,46.2ミリモル)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気下で触媒量のDMF(2滴)を添加した。反応混合物を一晩撹拌し、生成物を反応の次の段階で直接に使用した。無水DCM(50mL)中のピロリジンメタノール(3.92g,38.8ミリモル)と無水のトリエチルアミン(12.4mL,9.8g,97.0ミリモル)の撹拌した溶液に、0℃、窒素下でこの新たに生成した酸クロライドを滴下した。添加が完結したならば、反応混合物を放置し室温迄温めて、一晩撹拌を続けた。反応混合物を1NHCl(100mL)、水(100mL)、及びブライン(2x100mL)により洗浄した。合わせた有機層を乾燥(MgSO)し、溶媒を真空中で除去して、109(12.1g,91%)を淡黄色オイルとして得た。
【0445】
【化172】
Figure 0004824165
【0446】
N−(2−アミノ−4,5,6−トリメトキシベンゾイル)ピロリジンメタノール(110)
ラネーニッケル(3.45g,スラリー)上でおだやかに還流するメタノール(142mL)中の109(12.1g,35.47ミリモル)の溶液に、ヒドラジン水和物(5.67g,177.2ミリモル)を滴下した。水素ガスの激しい発生は、ほぼ10分間後に鎮まり、反応は、TLCにより3時間後に完結したと判断された。反応混合物をセライトにより濾過し、溶媒を蒸発させた。蒸留水(200mL)を残渣に添加し、水性混合物をDCM(2x100mL)により抽出し、合わせた有機相をHO(3x100mL)及びブライン(3x100mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。溶媒の蒸発により110(11.24g)を黄色オイルとして得た。
【0447】
【化173】
Figure 0004824165
【0448】
N−(2−[2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニルアミノ]−4,5,6−トリメトキシベンゾイル)ピロリジン−2−メタノール(1ll)
DCM(50mL)中の2,2,2−トリクロロエチルクロロホルメート(5mL,7.61g,35.9ミリモル)と共にDCM(150mL)とピリジン(5.86mL,5.73g,72.5ミリモル)中の110(11.24g,36.3ミリモル)の撹拌した溶液を窒素雰囲気下0℃で滴下した。2,2,2−トリクロロエチルクロロホルメートの添加の1時間後、反応混合物をDCM(100mL)により希釈し、1NHCl(100mL)、水(2x150mL)、ブライン(2x100mL)により洗浄し、乾燥(MgSO)した。溶媒を真空中で除去して、111(15.44g,88%)を透明な褐色オイルとして得た。
【0449】
【化174】
Figure 0004824165
【0450】
6,7,8−トリメトキシ−10−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニル)−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(112)
DCM(22.3mLの2N溶液,44.7ミリモル)中のオキサリルクロライドの溶液を45℃で無水DCM(42mL)により希釈し、無水DCM(16.24mL)中の無水DMSO(6.39mL,90.2ミリモル)の溶液により15分間にわたって処理した。この反応混合物を−45℃で15分間撹拌し、乾燥DCM(34.3mL)中の111(15.44g,31.7ミリモル)の溶液により処理し、−45℃で45分間撹拌した。この反応混合物にトリエチルアミン(17.7mL,127.1ミリモル)を0.5時間にわたって滴下し、次に更に15 分間撹拌した。この反応混合物を室温迄温め、水(100mL)により希釈した。有機層を1NHCl(200mL)、水(200mL)、ブライン(200mL)により洗浄し、乾燥(MgSO)した。反応混合物を蒸発させて、フラッシュカラムクロマトグラフィ(EtOAc)により精製して、生成物112(8.27g,54%)を透明な黄色ガラスとして得た。
【0451】
【化175】
Figure 0004824165
【0452】
6,7,8−トリメトキシ−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(113)
10%Cd/Pbカップル(2.57g,20.6ミリモルCd)をTHF(20mL)と1NNHOAc緩衝液(20mL)中の112(2.00g,4.1ミリモル)の撹拌した溶液に添加し、室温で4時間放置した。反応混合物をEtOAc(200mL)により希釈し、水(2x100mL)により洗浄した。有機層をブライン(2x100mL)により洗浄し、乾燥(MgSO)した。溶媒を真空中で除去して、113(0.76g,64%)を黄色ガラスとして得た。
【0453】
【化176】
Figure 0004824165
【0454】
実施例3(f):7,8,9−トリメトキシPBD(120,DRH−69)の合成(図20を参照)
【0455】
【化177】
Figure 0004824165
【0456】
3,4,5−トリメトキシ−2−ニトロ安息香酸(115)
MeOH(357mL)中のKOH(18g)の5%溶液にメチル3,4,5−トリメトキシ−2−ニトロ安息香酸114(24.37g,89.9ミリモル)を添加した。この混合物を還流で50分間加熱した。溶媒の蒸発により灰色の残渣を得、これをHO(200mL)に溶解した。得られたアルカリ性溶液を濃HClによりpH1に酸性化し、CHCl(3x100mL)により抽出した。有機層をHO(3x100mL)、ブライン(3x100mL)により洗浄し、無水MgSOにより乾燥した。溶媒の濾過と蒸発により純粋な白色結晶固体(20.67g,80.4ミリモル)を得た。
【0457】
【化178】
Figure 0004824165
【0458】
N−(2−ニトロ−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)ピロリジン−2−メタノール(116)
乾燥CHCl(40mL)中の115(2.57g,10ミリモル)とオキサリルクロライド(1.40g,11ミリモル)の撹拌した溶液に、不活性雰囲気下で触媒量のDMF(2滴)を添加した。反応混合物を一晩撹拌し、無水CHCl(40mL)中のピロリジンメタノール(1.11g,11ミリモル)とTEA(2.52g,25ミリモル)の激しく撹拌した溶液に、無水CHCl(40mL)中の酸クロライド、(2.76g,10ミリモル)の得られた溶液を窒素雰囲気下0℃で1時間にわたって添加し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を1NHCl(1x50mL)、1NNaOH(1x50mL)、HO(3x50mL)及びブライン(3x50mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。溶媒の濾過と蒸発により黄色オイル(2.81,8.3ミリモル)を得た。
【0459】
【化179】
Figure 0004824165
【0460】
N−(2−アミノ−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)ピロリジン−2−メタノール(117)
ラネーニッケル(500mg,スラリー)の上でおだやかに還流するメタノール(142mL)中の116(2.83g,8.3ミリモル)の溶液に、ヒドラジン水和物(1.33mL,41.5ミリモル)を滴下した。水素ガスの激しい発生は、ほぼ10分間後に鎮まり、反応は、TLCにより2時間後に完結したと判断された。反応混合物をセライトにより濾過し、溶媒を蒸発させた。蒸留水(100mL)を残渣に添加し、水性混合物をEtOAc(3x100mL)により抽出し、合わせた有機相をHO(3x100mL)及びブライン(3x100mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。溶媒の蒸発により生成物(2.18g,6.5ミリモル)を褐色オイルとして得た。
【0461】
【化180】
Figure 0004824165
【0462】
N−2−(トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)ピロリジン−2−メタノール(118)
蒸留したジクロロメタン(60mL)中の無水ピリジン(0.93g,11.8ミリモル)と基質、117(1.82g,5.9ミリモル)の溶液に、蒸留ジクロロメタン(40mL)中の2,2,2−トリクロロエチルクロロホルメート(1.37g,6.5ミリモル)の溶液を0℃で0.5時間にわたって滴下した。1.5時間後、反応混合物を無水DCM(100mL)により希釈し、1NHCl(2x100mL)、HO(100mL)、ブライン(100mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。溶媒の蒸発により褐色オイルを得、これを1%MeOH/99%CHClにより溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物を黄色オイル(1.83g,3.8ミリモル)として得た。
【0463】
【化181】
Figure 0004824165
【0464】
(11S,11aS)7,8,9−トリメトキシ−11−ヒドロキシ−10−N−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニル]−1,2,3,10,11,lla−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(119)
乾燥DCM(20.6mL)中のオキサリルクロライド(2.79g,11.0mLのDCM中の2N溶液;22.0ミリモル)の撹拌した溶液に、乾燥DCM(8.2mL)中の無水DMSO(3.15mL,44.3ミリモル)を不活性雰囲気下−45℃(−38℃と−48℃の間で変えた)で20分間にわたり滴下した。15分間撹拌した後、この反応混合物に乾燥DCM(17mL)中の基質(7.59g;15.6ミリモル)を45分間にわたって滴下し、次に、基質の最終の添加の後これを−45℃で更に45分間撹拌した。この混合物に、乾燥TEA(4.84g,48.0ミリモル,4当量)を0.5時間にわたって滴下し、更に15分間撹拌した。この反応混合物を室温迄温め、反応混合物をHO(80mL)により希釈した。有機相を分離し、ブライン(2x100mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。溶媒を蒸発させて、生成物を灰色がかった白色固体(4.39g,9.1ミリモル)として得た。
【0465】
【化182】
Figure 0004824165
【0466】
7,8,9−トリメトキシ−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(120,DRH−69)
THF(13mL)と1NNHOAc(8mL)の混合物中の迅速に撹拌したTroc−カーバメート、119(1.00g,2.1ミリモル)の溶液に、10%Cd/Pbカップル(1.50g,10ミリモルCd)を添加した。添加時、溶液は曇った。TLCによれば、40分間後、反応は完結したことが示され、反応混合物をETOAc(50ml)により希釈した。溶媒を蒸発させて、生成物を黄色ガラス(0.581g,2.0ミリモル)として得た。
【0467】
【化183】
Figure 0004824165
【0468】
実施例3(g):8−ヒドロキシ−7,9−ジメトキシ−1,2,3,11a−テトラヒドロピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(130,DRH168)(図21を参照)
メチル 4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンゾエート(121)
還流するメタノール(70mL)中の81(20.24g,102.1ミリモル)の溶液に濃硫酸(3mL)を滴下した。反応混合物を還流で更に5時間加熱し、次に、室温迄冷却し、もとの容積の3分の1に濃縮した。濃縮物を砕いた氷(約150mL)の上に注ぎ、30分間放置した。水性混合物を酢酸エチル(3x100mL)により抽出し、合わせた有機相を蒸留水(3x100mL)、ブライン(3x100mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。減圧下での過剰な溶媒の除去により生成物を黄色固体、121(18.39g,86.7ミリモル)として得た。
【0469】
【化184】
Figure 0004824165
【0470】
メチル4−ベンジルオキシ−3,5−ジメトキシベンゾエート(122)
無水MeOH(175mL)中のKCO(6.59g,47.7ミリモル)の上の121(19.22g,90.8ミリモル)の溶液にベンジルクロライド(11.04g,86.9ミリモル)を添加し、この混合物を還流で12時間加熱した。過剰の溶媒を減圧下で除去し、残渣をベンゼン(3x100mL)により抽出した。有機層をHO(3x100mL)、ブライン(3x100mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。溶媒の蒸発によりオレンジ色のオイルを得、それは放置すると結晶化した。固体をEtOAcに再溶解し、1NNaOH(100mL)、H0(100mL)、ブライン(100mL)により手短に洗浄し、MgSOの上で乾燥した。過剰の溶媒の蒸発により生成物を黄色固体122(19.20g,63.6ミリモル)を得た。
【0471】
【化185】
Figure 0004824165
【0472】
メチル2−ニトロ−4−ベンジルオキシ−3,5−ジメトキシベンゾエート(123)
反応温度を40℃以下に保ちながら、無水の酢酸(120mL)中の基質(19.00g,62.9ミリモル)の激しく撹拌した溶液に、細かく粉砕した硝酸銅(Cu(NO,14.79g,78.7ミリモル)を分けて添加した。反応混合物を1時間撹拌し、次に氷(800mL)の上に注いだ。水性混合物を1時間撹拌したままとし、生成物を濾過により集めて、黄色固体(18.7g)を得た。
【0473】
【化186】
Figure 0004824165
【0474】
2−ニトロ−4−ベンジルオキシ−3,5−ジメトキシ安息香酸(124)
無水メタノール(220mL)中の基質(18.7g,53.9ミリモル)の撹拌した溶液に、水酸化カリウム(10.84g,193.6ミリモル)を添加し、反応混合物を還流で2時間加熱した。反応混合物を冷却し、1NHClによりpH2に酸性化し、クロロホルム(3x100mL)により抽出した。合わせた有機層を水(3x200mL)、ブライン(3x200mL)により洗浄し、MgSOの上で乾燥した。減圧下でのロータリーエバポレーターによる過剰の溶媒の蒸発により生成物を黄色固体(17.01g,51.1ミリモル,95%)として得た。
【0475】
【化187】
Figure 0004824165
【0476】
N−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジメトキシ−2−ニトロベンゾイル)ピロリジン−2−メタノール(125)
乾燥CHCN(115mL)中の124(l0g,30.0ミリモル)とオキサリルクロライド(4.65g,36.0ミリモル)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気下で触媒量のDMF(5滴)を添加した。反応混合物を一晩撹拌し、得られた酸クロライドを手順の次の部分で直接に使用した。無水DCM(100mL)中のピロリジンメタノール(3.34g,33.03ミリモル,1.1当量)とTEA(7.58g,75.1ミリモル,2.5当量)の撹拌した溶液に、無水CHCN(115mL)中の4−ベンジルオキシ−3,5−ジメトキシ−2−ニトロ−ベンゾイルクロライドを窒素雰囲気下0℃で0.5時間にわたって滴下し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を1NHCl(2x100mL)により洗浄し、有機層を蒸留HO(2x100mL)、ブライン(2x100mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。溶媒の蒸発により褐色ガラス(8.71g,20.9ミリモル,70%)を得た。
【0477】
【化188】
Figure 0004824165
【0478】
N−(2−アミノ−4−ベンジルオキシ−3,5−ジメトキシベンゾイル)ピロリジン−2−メタノール(126)
穏やかに還流するラネーニッケル(1.lg,スラリー)上でメタノール(60mL)中の125(6.01g,14.4ミリモル)の溶液に、ヒドラジン水和物(2.31g,72.2ミリモル)を滴下した。水素ガスの激しい発生は、ほぼ10分間後に鎮まり、反応は、TLCにより2時間後に完結したと判断された。反応混合物をセライトにより濾過し、溶媒を蒸発させた。蒸留水(100mL)を残渣に添加し、水性混合物をEtOAc(3x100mL)により抽出し、合わせた有機相をHO(3x100mL)及びブライン(3x100mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。溶媒の蒸発により生成物(3.97g,10.3ミリモル,73%)を褐色オイルとして得た。
【0479】
【化189】
Figure 0004824165
【0480】
N−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジメトキシ−2−[(2’−トリメチルシリルエトキシ)カルボニルアミノ[ベンゾイル)ピロリジン−2−メタノール(127)
無水DCM(30mL)中の2−(トリメチルシリル)エタノール(0.92g,7.8ミリモル)とトリホスゲン(0.77g,2.6ミリモル)の撹拌した溶液に、無水DCM(10mL)中の無水ピリジン(0.21g,2.6ミリモル)の溶液を15分間にわたって滴下した。反応混合物を一晩撹拌し、蒸留ジクロロメタン(70mL)中のアミン126(1.98g,5.1ミリモル)と無水ピリジン(1.22g,15.4ミリモル)に、2−(トリメチルシリル)エチルクロロホルメートの得られた溶液を0℃で0.5時間にわたって滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、無水DCM(100mL)により希釈し、1NHCl(3x100mL)、HO(3x100mL)、ブライン(3x100mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。溶媒の濾過と蒸発により生成物を無色ガラスとして得た。
【0481】
【化190】
Figure 0004824165
【0482】
(11S,11aS)−8−ベンジルオキシ−7,9−ジメトキシ−11−ヒドロキシ−10−N−(2’−トリメチルシリルエトキシカルボニル)−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(128)
乾燥DCM(5mL)中のオキサリルクロライド(0.46g,3.6ミリモル)の撹拌した溶液に、乾燥DCM(5mL)中の無水DMSO(0.57g,7.2ミリモル)を窒素雰囲気下−45℃で30分間にわたって滴下した。15分間撹拌した後、乾燥DCM(15mL)中の基質(1.35g,2.6ミリモル)をこの反応混合物に45分間にわたって滴下し、次に、これを更に45分間−45℃で撹拌した。TEA(1.0g,10.2ミリモル)をこの混合物に0.5時間にわたって滴下し、更に15分間撹拌した。この反応混合物を放置して室温迄温め、HO(100mL)により希釈し、相を分離した。有機相を1NHCl(3x50mL)、水(3x50mL)、ブライン(3x50mL)により洗浄し、MgSOの上で乾燥した。過剰の溶媒の濾過と蒸発により生成物を灰色がかった白色ガラス(1.24g,2.3ミリモル,92%)として得た。
【0483】
【化191】
Figure 0004824165
【0484】
(11S,11aS)−8,11−ジヒドロキシ−7,9−ジメトキシ−10−N−(2’−トリメチルシリルエトキシカルボニル)−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(129)
10%Pd/触媒(0.22g)を無水EtOH(200mL)中の基質128(0.95g,2.1ミリモル)の溶液に添加した。パール水素化装置を用いて、反応混合物を加圧下55psiHで18時間水素化した。反応混合物をセライトにより濾過し、濾過パッドを乾燥させないように注意しながら、セライトを熱EtOHにより洗浄した。過剰の溶媒の除去により生成物を無色ガラス(0.84g,1.9ミリモル,92%)として得た。
【0485】
【化192】
Figure 0004824165
【0486】
7,9−ジメトキシ−8−ヒドロキシ−1,2,3,11a−テトラヒドロピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−2−オン(130)
THF(4.3mLのlN溶液,4.3ミリモル)中のTBAFの溶液をTHF(10mL)中の129(0.37g,0.9ミリモル)の速く撹拌した溶液に添加し、反応混合物を35℃で2時間加熱した。反応混合物をEtOAc(50mL)により希釈し、無水MgSOの上で乾燥し、濾過した。減圧下でのロータリーエバポレーターによる過剰の溶媒の除去により生成物を褐色オイル(0.18g,0.7ミリモル,78%)として得た。
【0487】
【化193】
Figure 0004824165
【0488】
実施例3(h)から(j):7−フェニルPBDの合成(図22を参照)
7−ヨード−N10−Troc−PBD中間体(134,AG/91)の合成
5−ヨード−2−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)安息香酸(132)
乾燥ジクロロメタン(30mL)中の5−ヨードアントラニル酸131(5g,19ミリモル)とピリジン(3.1mL,38ミリモル)の溶液に、乾燥ジクロロメタン(20mL)中のTroc−Cl(2.88mL,20.9ミリモル)の溶液を0℃で滴下した。この溶液を室温で5時間撹拌し、次に、1NHCl(2x25mL)、水(1x25mL)及びブライン(1x25mL)により洗浄した。有機相をMgSOの上で乾燥、蒸発し、残渣を酢酸エチルから再結晶して、表記化合物を黄色固体(6.2g,75%)(酢酸エチル)として得た。
【0489】
【化194】
Figure 0004824165
【0490】
N−(5−ヨード−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)ベンゾイル)ピロリジン−2−メタノール(133)
オキサリルクロライド(0.88mL,10ミリモル)を乾燥ジクロロメタン(50mL)中の132(4g,9.1ミリモル)の懸濁液に添加し、続いて、3−4滴のDMFを触媒として添加した。この溶液を室温で12時間撹拌し、次に次のステップで直接に使用した。乾燥ジクロロメタン(50mL)中の2S−(+)ピロリジンメタノール(1.01g,10ミリモル)とトリエチルアミン(3.16mL,22.7ミリモル)の溶液に、この新たに生成した酸クロライドを−20℃で1時間にわたって滴下した。反応混合物を20℃で更に1時間撹拌し、次に希HCl(1N,2x50mL)、水(50mL)及びブライン(50mL)により洗浄し、MgSOの上で乾燥し、蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィにかけて、表記化合物を淡黄色オイル(3.8g,81%)として得た。
【0491】
【化195】
Figure 0004824165
【0492】
7−ヨード−10−N−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニル)−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(134)
乾燥ジクロロメタン(41.4mL)中のオキサリルクロライド(12.8ミリモル)の溶液に、乾燥ジクロロメタン(35mL)中のDMSO(1.79mL,25.67ミリモル)の溶液を−45℃でゆっくりと添加した(30分間)。この混合物を25分間撹拌し、次に、温度を−40℃以下に保ちながら、乾燥ジクロロメタン(80mL)中の133(4.78g,9.2ミリモル)の溶液により処理した。−45℃で更に60分間経過後、ジクロロメタン(25mL)中のトリエチルアミン(5.1mL)の溶液を添加し、反応混合物を室温迄温めた。有機相を水(180mL)、希HCl(1N,2x100mL)及びブライン(200mL)により洗浄した。過剰の溶媒の除去により粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル70/30)により精製して、淡黄色オイル(3.6g,76%)として得た。
【0493】
【化196】
Figure 0004824165
【0494】
実施例3(h):7−フェニル−PBD(l36,AG/129)の合成
【0495】
【化197】
Figure 0004824165
【0496】
7−フェニル−10−N−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニル)−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5−H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(135)
蒸留ベンゼン(20mL)、水(2ml)及びエタノール(2mL)中の134(0.5g,1.0ミリモル)、ベンゼンボロン酸(benzeneboronic acid)(0.15g,1.22ミリモル)、Pd(PPh及び無水NaCO(0.16g,1.48ミリモル)の懸濁液を還流で一晩加熱した。この反応混合物を酢酸エチル(20mL)により希釈し、水(2x20mL)により洗浄した。有機相をMgSOの上で乾燥し、蒸発させて、粗黄色オイルを得た。フラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル30/70から70/30)による精製により表記化合物(0.43g,95%)を得た。
【0497】
【化198】
Figure 0004824165
【0498】
(11aS)−7−フェニル−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(136,AG/129)
THF(5mL)と酢酸アンモニウム水溶液(1M,5mL)中の135(0.33g,0.7ミリモル)の激しく撹拌した溶液に、Cd/Pb(0.47g)カップルを分けて添加した。懸濁液を室温で2時間撹拌し、次に酢酸エチル(200mL)中に注ぎ、MgSOにより乾燥し、濾過した。濾液を蒸発させ、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル)により精製して、表記化合物を無色のオイル(0.1g,98%)として得た。
【0499】
【化199】
Figure 0004824165
【0500】
実施例3(i):7−(4’−メトキシフェニル)−PBD(138,AG/135)の合成
【0501】
【化200】
Figure 0004824165
【0502】
(11S,11aS)−7−(4’−メトキシ)フェニル−11−ヒドロキシ−10−N−(2”,2”,2”−トリクロロエトキシカルボニル)−1,2,3,10,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c]−[1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(137)
蒸留したベンゼン(20mL)、エタノール(2mL)及び水(2mL)の混合物中で134(0.5g,1.0ミリモル)、4−メトキシベンゼンボロニック酸(0.19g,1.2ミリモル)、Pd(PPh(15mg)及び無水NaCO(0.16g,1.48ミリモル)を還流で一晩加熱した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)により希釈し、水(2x20mL)により洗浄した。有機相をMgSOの上で乾燥し、蒸発させて、粗黄色オイルを得た。フラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル50/50)による精製により純粋な化合物(0.34g,71%)を得た。
【0503】
【化201】
Figure 0004824165
【0504】
(llaS)−7−(4’−メトキシフェニル)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c]−[1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(138,AG/135)
THF(5mL)と酢酸アンモニウム水溶液(1M,5mL)中の137(0.34g,0.76ミリモル)の激しく撹拌した溶液に、Cd/Pbカップル(0.51g)を分けて添加した。この懸濁液を室温で2時間撹拌し、次に、酢酸エチル(200mL)中に注ぎ、MgSOの上で乾燥し、濾過した。有機溶液を蒸発させ、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル)により精製して、表記化合物を無色オイル(0.1g,70%)として得た。
【0505】
【化202】
Figure 0004824165
【0506】
実施例3(j):7−(3’−ニトロフェニル)−PBD(140,AG/150)の合成
【0507】
【化203】
Figure 0004824165
【0508】
(11S,11aS)−7−(3’−ニトロ)フェニル−11−ヒドロキシ−10−N−(2”,2”,2”−トリクロロエトキシカルボニル)−1,2,3,10,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c]−[1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(139)
蒸留したベンゼン(20mL)、エタノール(2mL)及び水(2mL)の混合物中で、134(0.5g,1.0ミリモル)、3−ニトロベンゼンボロン酸(0.2g,1.2ミリモル)、Pd(PPh(25mg)及び無水NaCO(0.16g,1.48ミリモル)を還流で一晩加熱した。反応混合物を酢酸エチル(20ml)により希釈し、水(2x20ml)により洗浄した。有機相をMgSOの上で乾燥し、蒸発させて、粗黄色オイルを得た。フラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル50/50)による精製により純粋な化合物(0.45g,90%)を得た。
【0509】
【化204】
Figure 0004824165
【0510】
(11aS)−7−(3’−ニトロフェニル)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(140,AG−150)
THF(20mL)中の溶液139(0.39g,0.8ミリモル)に、THF(1M溶液,7.6mL,7.6ミリモル)中のTBAFの溶液を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(50mL)により希釈し、水(3x50mL)により洗浄して、過剰のTBAFを除去した。有機相をMgSOの上で乾燥し、蒸発乾固した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(CHCl)により精製して、表記化合物を無色オイル(0.15g,63%)として得た。
【0511】
【化205】
Figure 0004824165
【0512】
実施例3(k):8−ベンジルオキシ−7,9−ジメトキシ−1,2,3,11a−テトラヒドロピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(143,DRH105)(図23を参照)
【0513】
【化206】
Figure 0004824165
【0514】
N−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジメトキシ−2[トリクロロエチルオキシカルボニルアミノ]ベンゾイル)ピロリジン−2−メタノール(141)
蒸留ジクロロメタン(20mL)中の無水ピリジン(0.80g,10.1ミリモル)と126(実施例3(g))(l.95g,5.1ミリモル)の溶液に、蒸留ジクロロメタン(10mL)中の2,2,2−トリクロロエチルクロロホルメート(1.08g,4.8ミリモル)の溶液を0℃で0.5時間にわたって滴下した。1時間後、反応混合物を無水DCM(100mL)により希釈し、1NHCl(2x100mL)、HO(100mL)、ブライン(100mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。溶媒の蒸発により褐色オイルを得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル,EtOAc)により精製して、生成物を黄色ガラス(2.65g,4.7ミリモル,94%)として得た。
【0515】
【化207】
Figure 0004824165
【0516】
(11S,11aS)−8−ベンジルオキシ−7,9−ジメトキシ−11−ヒドロキシ−10−N−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニル)−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(142)
乾燥DCM(l0mL)中のオキサリルクロライド(3.08mLのDCM中の2N溶液,6.2ミリモル)の撹拌した溶液に、乾燥DCM(10mL)中の無水DMSO(0.97g,12.5ミリモル)を窒素雰囲気下−45℃で30分間にわたって滴下した。15分間撹拌後、乾燥DCM(25mL)中の基質(2.46g,4.38ミリモル)をこの反応混合物に45分間にわたって滴下し、次にこれを−45℃で更に45分間撹拌した。TEA(1.77g;17.5ミリモル)をこの混合物に0.5時間にわたって滴下し、更に15分間撹拌した。反応混合物を放置して、室温迄温め、HO(100mL)により希釈し、相を分離させた。有機相をlNHCl(2x50mL)、水(2x50mL)、ブライン(2x50mL)により洗浄し、MgSOの上で乾燥した。溶媒を蒸発させて、生成物を灰色がかった白色のガラス(3.92g,11.7ミリモル,97%)として得た。
【0517】
【化208】
Figure 0004824165
【0518】
8−ベンジルオキシ−7,9−ジメトキシ−1,2,3,11a−テトラヒドロピロロ[2,1c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(143)
TNF(15mL)と1NNHOAc(15mL)の混合物中の142(1.08g;1.9ミリモル)の急速に撹拌した溶液に、10%Cd/Pbカップル(1.2g;10ミリモルCd)を添加した。3.5時間後、TLCにより反応はなお完結していないことが明らかになり、追加の10%Cd/Pbカップル(500mg)を添加した。更に1時間後、反応混合物をEtOAc(150mL)により希釈した。溶液を無水MgSOの上で乾燥し、固体を濾過し、EtOAc(50mL)によりすすいだ。過剰の溶媒の除去により生成物を黄色ガラス(0.48g,1.3ミリモル,68%)として得た。
【0519】
【化209】
Figure 0004824165
【0520】
実施例3(1):C8−NHPBD(151,AG/149)の合成(図24を参照)
【0521】
【化210】
Figure 0004824165
【0522】
4−ニトロ−2−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)安息香酸(145)
ジクロロメタン(25ml)中の4−ニトロアントラニル酸144(2g,11ミリモル)とピリジン(1.78mL,22ミリモル)の溶液に、乾燥ジクロロメタン(25mL)中の2,2,2−トリクロロエチルクロロホルメート(Troc−Cl)(1.66mL,12.1ミリモル)の溶液を0℃で滴下した。この溶液を25℃で5時間撹拌した。反応混合物を希HCl(1N,2x50mL)、水(1x50mL)、ブライン(1x25mL)により洗浄し、MgSOの上で乾燥した。減圧下でのロータリーエバポレーターによる過剰の溶媒の除去により粗生成物を得、これを更なる精製なしで以降の反応に使用した。
【0523】
N−[4−ニトロ−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)ベンゾイル]ピロリジン−2−メタノール(146)
乾燥ジクロロメタン(50mL)中の前の反応からの粗生成物の懸濁液に、オキサリルクロライド(1mL,12.1ミリモル)と触媒量の乾燥DMFを添加し、反応混合物を室温で12時間撹拌した。ジクロロメタン(50mL)中の2S−(+)−ピロリジンメタノール(1.22g,12.1ミリモル)とトリエチルアミン(3.8mL,27.5ミリモル)の溶液に、新たに生成した酸クロライドを−20℃(CCl−ドライアイス)で1時間にわたって滴下した。反応混合物を−20℃で更なる時間撹拌し、次に室温迄温めた。反応混合物を希HCl(1N,2x50mL)、水(50mL)及びブライン(50mL)により洗浄し、MgSOの上で乾燥し、減圧下で乾燥した。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/石油エーテル50/50)により精製し、過剰の溶離液を除去して、黄色オイル(1.34g,30%,2ステップ以上)を得た。
【0524】
【化211】
Figure 0004824165
【0525】
N−[4−アミノ(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)ベンゾイル]ピロリジン−2−メタノール(147)
メタノール(20mL)中の146(1g,2.3ミリモル)とSnCl2HO(2.56g,11.4ミリモル)の溶液を還流で6時間加熱した(反応をTLC(3%メタノール,酢酸エチル)によりモニターした)。反応混合物をもとの容積の1/3に低減し、飽和NaHCO水溶液によりpHを8−9に調節した。酢酸エチル(100mL)を添加し、混合物を12時間激しく撹拌し、次に、セライトにより濾過して、すず塩を除去した。有機相をMgSOの上で乾燥し、蒸発させて、生成物を黄色オイル(0.94g,97%)として得、これを更なる精製なしに次の反応に使用した。
【0526】
【化212】
Figure 0004824165
【0527】
N−[4−(Fmoc)アミノ(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)ベンゾイル]ピロリジン−2−メタノール(148)
THF(20mL)中の147(0.94g,2.3ミリモル)の溶液に、NaHCOの水溶液(0.6g,5.67ミリモル,20mLのHO中)を添加した。反応混合物を0℃に冷却し、Fmoc−Cl(0.65g,2.5ミリモル)を小分けにして添加した。添加後、反応混合物を室温で2時間撹拌した。(TLC:酢酸エチル/石油エーテル50/50)。反応混合物を希HCl(1N)により酸性とし、酢酸エチル(2x20mL)により抽出した。有機相を乾燥(MgSO)し、蒸発させ、かくして得られた黄色オイルをフラッシュクロマトグラフィにより精製して、生成物(1.03g,72%)を得た。
【化213】
Figure 0004824165
(11S,11aS)−8−(Fmoc)アミノ−11−ヒドロキシ−10−N−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニル)−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(149)
【0528】
乾燥ジクロロメタン(11.1mL)中のオキサリルクロライド(2.2ミリモル)の溶液に、乾燥ジクロロメタン(10mL)中のDMSO(0.31ml,4.4ミリモル)の溶液を−45℃でゆっくりと添加した(30分間にわたって)。混合物を15分間撹拌し、続いて温度を−40℃未満に保ちながら、乾燥ジクロロメタン(15ml)中の48(1g,1.58ミリモル)を添加した。−45℃で更に60分間後、ジクロロメタン(6mL)中のトリエチルアミン(0.88ml,6.32ミリモル)の溶液を添加し、反応混合物を室温迄温めた。反応混合物を水(50mL)、希HCl(1N,50mL)及びブライン(50mL)により洗浄した。溶媒の蒸発により粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル50/50)により精製した。過剰の溶離液の除去により生成物を淡黄色オイル(0.81g,82%)として得た。
【0529】
【化214】
Figure 0004824165
【0530】
(11S,11aS)−8−アミノ−11−ヒドロキシ−10−N−(2’,2’,2−トリクロロエトキシカルボニル)−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(150)
CHCN中のピペリジンの5%溶液(12mL,5当量のピペリジン)に、保護したカルビノールアミン149(0.8g,1.3ミリモル)を添加した。混合物を12時間撹拌し、水(2x50mL)により抽出し、有機相を減圧下で蒸発させて、淡黄色オイル(0.24g,50%)を得た。
【0531】
【化215】
Figure 0004824165
【0532】
(11aS)−8−アミノ−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(151)の合成
THF(10mL)と酢酸アンモニウム水溶液(10mL)中の150(0.2g,0.5ミリモル)の激しく撹拌した溶液に、Cd/Pbカップル(5当量,0.34g)を分けて添加した。撹拌を室温で更に2時間継続し、反応混合物を酢酸エチル(100mL)中に注いだ。有機相をMgSOの上で乾燥し、濾過し、蒸発させて、粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル,5%MeOH,95%CHCl)にかけた。過剰の溶離液の除去により生成物を白色固体(26mg,53%収率)として得た。
【0533】
【化216】
Figure 0004824165
【0534】
実施例3(m):(11aS)−8−メチル−7,9−ジメトキシ−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(194)の合成(図25を参照)
【0535】
【化217】
Figure 0004824165
【0536】
メチル4−メチル−3,5−ジメトキシベンゾエート(187)
還流するメタノール(20mL)中の4−メチル−3,5−ジメトキシ安息香酸(186)(5.01g,25.56ミリモル)の溶液に、濃硫酸(1mL)を滴下した。反応混合物を還流で更に5時間加熱し、次に室温迄冷却し、もとの容積の3分の1に濃縮した。濃縮物を砕いた氷(約150mL)の上に注ぎ、30分間放置した。この水性混合物を酢酸エチル(3x100mL)により抽出し、合わせた有機相を蒸留水(3x100mL)、ブライン(2x100mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。減圧下での過剰の溶媒の除去によりベージュ色の生成物(187)(4.865g,23.17ミリモル,9l%)を得た。
【0537】
【化218】
Figure 0004824165
【0538】
メチル2−ニトロ−4−メチル−3,5−ジメトキシベンゾエート(188)
無水酢酸(30mL)中の187(4.8g,22.86ミリモル)の激しく撹拌した溶液に、反応温度を40℃未満に保って、細かく砕いた硝酸銅(Cu(N0,5.37g,28.57ミリモル)を小分けにして添加した。反応混合物を2時間撹拌し、次に砕いた氷(800mL)上に注いだ。この水性混合物を1時間撹拌したままにし、生成物を濾過により集めて、黄色固体(188)(4.88g,18.945ミリモル)を得た。
【0539】
【化219】
Figure 0004824165
【0540】
2−ニトロ−4−メチル−3,5−ジメトキシ安息香酸(189)
無水メタノール(80mL)中の188(4.83g,18.95ミリモル)の撹拌した溶液に、水酸化カリウム(3.71g,66.31ミリモル)を添加し、反応混合物を還流で3時間加熱した。反応混合物を冷却し、1NHClによりpH2の酸性とし、固体沈殿を濾過し、水(50mL)により洗浄し、放置風乾して、生成物を黄ベージュ色の固体(189)(3.69g,15.31ミリモル,81%)として得た。
【0541】
【化220】
Figure 0004824165
【0542】
N−(4−メチル−3,5−ジメトキシ−2−ニトロベンゾイル)ピロリジン−2−メタノール(190)
乾燥CHCl(50mL)中の189(3.96g,15.32ミリモル)とオキサリルクロライド(2.14g,16.85ミリモル)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気下で触媒量のDMF(2滴)を添加した。反応混合物を一晩撹拌し、得られた酸クロライドをこの手順の次の段階に直接に使用した。無水DCM(50mL)中のピロリジンメタノール(1.55g,15.32ミリモル,1.1当量)とTEA(3.87g,38.3ミリモル,2.5当量)の撹拌した溶液に、無水DCM(50mL)中の4−メチル−3,5−ジメトキシ−2−ニトロ−ベンゾイルクロライドを窒素雰囲気下0℃で0.5時間にわたって滴下し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を1NHCl(2x100mL)により洗浄し、有機層を蒸留HO(2x100mL)、ブライン(2x100mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。過剰の溶媒の蒸発により黄色ガラス(190)(2.13g,6.56ミリモル,43%−2ステップ)を得た。
【0543】
【化221】
Figure 0004824165
【0544】
N−(2−アミノ−4−メチル−3,5−ジメトキシベンゾイル)ピロリジン−2−メタノール(191)
ラネーニッケル(1g,スラリー)の上でおだやかに還流するメタノール(50mL)中の190(2.13g,6.56ミリモル)の溶液に、ヒドラジン水和物(1.26g,39.37ミリモル)を滴下した。水素ガスの激しい発生は、ほぼ10分間後に鎮まり、反応は、TLCにより2時間後に完結したと判断された。反応混合物をセライトにより濾過し、溶媒を蒸発させた。蒸留水(100mL)を残渣に添加し、水性混合物をEtOAc(3x100mL)により抽出し、合わせた有機相をHO(3x100mL)及びブライン(3x100mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。溶媒の蒸発により生成物をtroc−カーバメートとして直接に保護された褐色ガラス(191)(1.91g,6.50ミリモル)として得た。
【0545】
N−(4−メチル−3,5−ジメトキシ−2−[トリクロロエチルオキシカルボニルアミノ]ベンゾイル)ピロリジン−2−メタノール(192)
蒸留DCM(25mL)中の無水ピリジン(1.03g,13ミリモル)と191(1.91g,6.5ミリモル)の溶液に、蒸留DCM(25mL)中の2,2,2−トリクロロエチルクロロホルメート(1.38g,6.5ミリモル)の溶液を0℃で0.5時間にわたって滴下した。室温で6時間後、反応混合物を無水DCM(100mL)により希釈し、1NHCl(2x100mL)、HO(100mL)、ブライン(100mL)により洗浄し、無水MgSOの上で乾燥した。溶媒の蒸発により褐色オイルを得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル,EtOAc)により精製して、生成物(192)を黄色ガラス(2.13g,4.53ミリモル,70%)として得た。
【0546】
【化222】
Figure 0004824165
【0547】
(11S,11aS)−8−メチル−7,9−ジメトキシ−11−ヒドロキシ−10−N−(2’,2’,2’−トリクロロエトキシルカルボニル)−1,2,3,10,11,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(193)
オキサリルクロライド(3.19mLのDCM中の2N溶液,6.373ミリモル)の撹拌した溶液に、乾燥DCM(10mL)中の無水DMSO(1.006g,12.87ミリモル)を窒素雰囲気下−50℃で5分間にわたって滴下した。5分間撹拌した後、乾燥DCM(10mL)中の192(2.13g,4.53ミリモル)の溶液をこの反応混合物に45分間にわたって滴下し、次に、これを−50℃で更に45分間撹拌した。この混合物にTEA(1.83g;18.13ミリモル)を0.5時間にわたって滴下し、更に15分間撹拌した。反応混合物を放置して、室温迄温め、HO(100mL)により希釈し、相を分離させた。有機相を1NHCl(2x50mL)、水(2x50mL)、ブライン(2x50mL)により洗浄し、MgSOの上で乾燥した。溶媒を蒸発させて、生成物(193)を灰色がかった白色ガラス(1.84g,3.93ミリモル;87%)として得た。
【0548】
【化223】
Figure 0004824165
【0549】
8−メチル−7,9−ジメトキシ−1,2,3,11a−テトラヒドロピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(194)
THF(15mL)と1NNHOAc(15mL)の混合物中の193(1g;2.14ミリモル)の急速に撹拌した溶液に、10%Cd/Pbカップル(1.34g;10.7ミリモルCd)を添加した。3.5時間後、反応物をEtOAc(150mL)により希釈した。溶液を無水NgSOの上で乾燥し、固体を濾過し、EtOAc(50mL)によりすすいだ。過剰の溶媒の除去により生成物(194)を白色ガラス(554mg,2.021ミリモル,94%)として得た。
【0550】
【化224】
Figure 0004824165
【0551】
実施例4:C8−アミンの合成
3−(11−ヒドロキシ−5−オキソ−10−(2,2,2−トリクロロエチルオキソカルボニルアミノ)−(11aS)−2,3,5,10,11,11aヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[2,1−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ−2−プロペニルプロパノエート(159)の合成(図27を参照)
【0552】
【化225】
Figure 0004824165
【0553】
ニトロジアシッド(153)
0℃で撹拌した70%硝酸(100mL)に、14.63gの(4−カルボキシ−2−メトキシ−5−ヒドロキシ−フェノキシ)プロパノン酸152(61ミリモル)を小分けに添加した。反応を0℃で1時間撹拌し、次に室温に戻した。次に、反応混合物を氷の上に注ぎ、18時間撹拌した。次に、固体を濾過により集め、水により洗浄した。次に、水層を酢酸エチル(3x150mL)により抽出した。次に、有機を水とブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥した。次に、溶媒を真空中で除去して、153を黄色固体として得た。収率=14.01g(83%)、融点141℃。
【0554】
【化226】
Figure 0004824165
【0555】
2−プロペン−3−(4−カルボキシ−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)プロパノエート(154)
アリルアルコール(240mL,3.5モル)中の3−(4−カルボキシ−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)プロパノン酸(153)(20g,74.3ミリモル)とp−トルエンスルホン酸モノ水和物(2.3g,7.4ミリモル)の混合物を7時間還流し、次に冷却した。次に、アリルアルコールを真空中で除去し、残渣を希HCl酸によりすり潰し、濾過により集めた。この固体をEtOAcに溶かし、得られた溶液を水とブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウムの上で乾燥した。真空中での蒸発により154を白色固体(19.27g,84%)を得た。
【0556】
【化227】
Figure 0004824165
【0557】
プロプ−2−エニル−4−(N−2S−ジエチルチオメチルピロリジンカルボキシ)−2−メトキシ−5−ニトロ−フェノキシ)プロパノエート(155)
2−プロペン−3−(4−カルボキシ−2−メトキシ−5−ニトロフェニルオキシ)プロパノエート(154):5g,15.34ミリモル)、オキサリルクロライド(2mL,23ミリモル)と5滴のDMFを乾燥THF(100mL)中で18時間撹拌した。次に、溶媒を真空中で除去し、残渣を乾燥THF(50mL)に溶解した。(2s)−ピロリドン−2−カロオキサアルデヒドジエチルチオアセテート(3.15g,15.34ミリモル)とトリエチルアミン(1.86g,18.41ミリモル)の激しく撹拌した混合物に、これを滴下した。撹拌を18時間継続した。次に、溶媒を真空中で除去し、生成物を酢酸エチルにより溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して、155(7.48g,95%)を黄色オイルとして得た。
【0558】
【化228】
Figure 0004824165
【0559】
5−アミノ−3−(4−(2−ジエチルチオメチル−(2S)−パーヒドロ−1−ピローロイルカルボニル)−2−メトキシフェニルオキシ)2−プロペニルプロパノエート(156)
8(7.21g,14.05ミリモル)と塩化すず(II)(15.85g,76ミリモル)を酢酸エチル(100mL)中で40分間還流し、次に冷却した。次に、溶媒を真空中で除去し、残渣を飽和重炭酸塩溶液により0℃ですりつぶした。EtOAc(50mL)を添加し、反応を一晩撹拌した。次に、反応混合物をセライトにより濾過し、フィルターケーキを酢酸エチルにより洗浄した。次に、合わせた有機層を水とブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、溶媒を真空中で除去した。ジクロロメタン中の5%MeOHにより溶離するフラッシュクロマトグラフィを用いて、生成物を精製して、黄色オイルを得た。収率=5.87g(86%)。
【0560】
【化229】
Figure 0004824165
【0561】
3−(4−(2−ジエチルチオメチル−(2S)−パーヒドロ−1−ピロリルカルボニル)−2−メトキシ−5−(2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニルアミノ)フェニルオキシ)2−プロペニルプロパノエート(157)
ジクロロメタン(200mL)中の156(5.67g,11.74ミリモル)の溶液に、ピリジン(2.02mL,23.48ミリモル)を添加した。これに、トリクロロエチルクロロホルメート(1.616mL,11.74ミリモル)の溶液を0℃で滴下した。この溶液を0℃で更に1時間撹拌した。有機物を1NHCl(3X100mL)、水(3x100mL)、ブライン(100mL)により洗浄し、硫酸マグネシウムの上で乾燥し、溶媒を真空中で除去して、褐色オイル(6.8g,88%)を得た。
【0562】
【化230】
Figure 0004824165
【0563】
3−(11−ヒドロキシ−5−オキソ−10−(2,2,2−トリクロロエチルオキソカルボニルアミノ)(11aS)−2,3,5,10,11,11a−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[2,1a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ−2−プロペニルプロパノエート(158)
アセトニトリル/水(4:1,200mL)中の157(6.8g,10.34ミリモル)の溶液を炭酸カルシウム(2.585g,25.85ミリモル)と塩化水銀(II)(7.00g,25.85ミリモル)により処理し、溶液を18時間撹拌した。次に、反応物をセライトにより濾過し、フィルターパッドを酢酸エチルにより洗浄した。有機物を集め、水(3x50mL)、ブライン(100mL)により洗浄し、硫酸マグネシウムの上で乾燥した。溶媒を真空中で除去し、得られた生成物を酢酸エチルで溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して、生成物を黄色オイル(3.67g,64%)として得た。
【0564】
【化231】
Figure 0004824165
【0565】
3−(11−ヒドロキシ−5−オキソ−7−メトキシ−10−(2,2,2−トリクロロエチルオキソカルボニルアミノ)−(llaS)−2,3,5,10,11,11aヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[2,1−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシプロパノン酸(159)
158(3.5g,6.35ミリモル)の溶液をエタノール(100mL)に溶解した。これに、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(350mg,0.303ミリモル)を添加し、反応がTLCモニターで完結する迄、溶液を30分間還流した。次に、反応物を冷却し、セライトにより濾過した。次に、EtOHを真空中で除去して、粗材料を黄色固体として得、これを次のステップで直接に使用した。
【0566】
【化232】
Figure 0004824165
【0567】
実施例4(a):3−(7−メトキシ−5−オキシ(11aS)−2,3,5,11a−テトラヒドロ−lH−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ)−1−パーヒドロ−1−ピロリル−1−プロパノン(161)(図28を参照)
【0568】
【化233】
Figure 0004824165
【0569】
3−(11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−10−(2,2,2−トリクロロエチルオキソカルボニルアミノ)−(11aS)−2,3,5,10,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[2,1−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ−1−パーヒドロ−1−ピロリル−1−プロパノン(160)
ジクロロメタン中の159(100mg,0.196ミリモル)の溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドハイドロクロライド(44mg,0.23ミリモル)と4−(ジメチルアミノ)ピリジン(5mg,0.04ミリモル)を添加し、溶液を1時間撹拌した。この反応に、ピロリジン(16.36mg,0.23ミリモル)を添加し、反応を更に2時間撹拌した。次に、溶媒を真空中で除去し、化合物をジクロロメタン中の5%メタノールにより溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して、生成物を黄色オイルで得た。収率=56mg,51%。
【0570】
【化234】
Figure 0004824165
【0571】
3−(7−メトキシ−5−オキシ(llaS)−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ)−1−パーヒドロ−1−ピロリル−1−プロパノン(161)
方法A:ジクロロメタン(5mL)中の160(100mg,0.164ミリモル)の溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドハイドロクロライド(38mg,0.2ミリモル)とピロリジン(14mg,0.2ミリモル)を添加し、反応物を18時間撹拌した。次に、この混合物をジクロロメタン(100mL)により希釈し、水(3x50mL)、飽和重炭酸ナトリウム溶液(3x50mL)及びブライン(50mL)により洗浄した。溶媒を真空中で除去し、生成物をジクロロメタン中の5%メタノールにより溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して、生成物161を白色固体(収率26.3mg,40%)として得た。
【0572】
方法B:ジクロロメタン(5mL)中の160(100mg,0.164ミリモル)の溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドハイドロクロライド(38mg,0.2ミリモル)を添加し、反応物を3時間撹拌した。次に、反応物をテトラブチルアンモニウムフルオライド(200μLのTHF中の1.0M溶液,0.2ミリモル)により処理し、30分間撹拌した。次に、反応物をピロリジン(14mg,0.2ミリモル)により処理し、18時間撹拌した。次に、この混合物をジクロロメタン(100mL)により希釈し、水(3x50mL)、飽和重炭酸ナトリウム溶液(3x50mL)及びブライン(50mL)により洗浄した。溶媒を真空中で除去し、生成物をジクロロメタン中の5%メタノールにより溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して、生成物161を白色固体(収率=54.2mg,82%)として得た。
【0573】
方法C:THF(3mL)中の160(56mg,0.1ミリモル)の溶液に、1M酢酸アンモニウム溶液(2mL)を添加し、反応混合物を撹拌した。この溶液に、10%Cd/Pbカップル(0.5ミリモル,62.4mg)を添加し、反応物を90分間撹拌した。この反応物を濾過し、酢酸エチル(20mL)により希釈した。この溶液を硫酸マグネシウムにより乾燥し、溶媒を真空中で除去した。生成物をジクロロメタン中の5%メタノールにより溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して、化合物を白色固体(収率=21mg,56%)として得た。
【0574】
【化235】
Figure 0004824165
【0575】
実施例4(b):3−(7−メトキシ−5−オキシ(11aS)−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ)−1−ピペリジノ−1−プロパノン(163)(図28を参照)
【0576】
【化236】
Figure 0004824165
【0577】
3−(11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−10−(2,2,2−トリクロロエチルオキソカルボニルアミノ)−(11aS)−2,3,5,10,11,11a−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[2,1−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ−1−パーヒドロ−1−ピペリジノ−1−プロパノン(162)
ジクロロメタン中の159(100mg,0.196ミリモル)の溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドハイドロクロライド(44mg,0.23ミリモル)と4−(ジメチルアミノ)ピリジン(5mg,0.04ミリモル)を添加し、この溶液を1時間撹拌した。この反応物にピペリジン(25μL,0.23ミリモル)を添加し、反応物を更に2時間撹拌した。次に、溶媒を真空中で除去し、化合物をジクロロメタン中の5%メタノールにより溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して、化合物を黄色オイルとして得た。収率=94mg,84%.
【0578】
【化237】
Figure 0004824165
【0579】
3−(7−メトキシ−5−オキシ(11aS)−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ)−1−ピペリジノ−プロパノン(163)
THF(3mL)中の162(94mg,0.162ミリモル)の溶液に、1M酢酸アンモニウム溶液(2mL)を添加し、反応混合物を撹拌した。この溶液に10%Cd/Pbカップル(0.81ミリモル,100mg)を添加し、反応物を90分間撹拌した。反応物を濾過し、酢酸エチル(20mL)により希釈した。この溶液を硫酸マグネシウムにより乾燥し、溶媒を真空中で除去した。次に、生成物をジクロロメタン中の5%メタノールにより溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して、化合物を白色固体として得た(収率=25mg,39%)。
【0580】
【化238】
Figure 0004824165
【0581】
実施例4(c):1,(2,3−ジヒドロ−1H−インドリル)−3−(7−メトキシ−5−オキシ(11aS)−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ)−1−プロパノン(165)(図28を参照)
【0582】
【化239】
Figure 0004824165
【0583】
1−(2,3−ジヒドロ−1H−1−インドリル)−3−(11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−10−(2,2;2−トリクロロエチルオキソカルボニルアミノ)−(11as)−2,3,5,l1,11a−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[2,1−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ−1−プロパノン(164)
DMF中の159(100mg,0.196ミリモル)の溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドハイドロクロライド(44mg,0.23ミリモル)と4−(ジメチルアミノ)ピリジン(5mg,0.04ミリモル)を添加し、この溶液を1時間撹拌した。この反応にインドリン(27.4mg,0.23ミリモル)を添加し、反応物を更に8時間撹拌した。次に、溶媒を真空中で除去し、この化合物をジクロロメタン中の5%メタノールにより溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して、生成物を黄色オイルとして得た(収率=71mg,61%)。
【0584】
【化240】
Figure 0004824165
【0585】
イソ−インドリン(2,3,−ジヒドロ−1H−イソインドール)
【0586】
【化241】
Figure 0004824165
【0587】
1,(2,3−ジヒドロ−1H−インドリル)−3−(7−メトキシ−5−オキシ(11aS)−2,3,5,11a−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ)−1−プロパノン(165)
THF(3mL)中の164(71mg,0.116ミリモル)の溶液に1M酢酸アンモニウム溶液(2mL)を添加し、反応混合物を撹拌した。この溶液に10%Cd/Pbカップル(0.58ミリモル,72mg)を添加し、反応物を90分間撹拌した。この反応物を濾過し、酢酸エチル(20mL)により希釈した。この溶液を硫酸マグネシウムにより乾燥し、溶媒を真空中で除去した。次に、この生成物をジクロロメタン中の5%メタノールにより溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して、化合物を白色固体として得た(収率=26mg,54%)。
【0588】
【化242】
Figure 0004824165
【0589】
実施例4(d):1,(2,3−ジヒドロ−1H−2−イソインドリル)−3−(7−メトキシ−5−オキシ(11aS)−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ)−1−プロパノン(167)(図28を参照)
【0590】
【化243】
Figure 0004824165
【0591】
1−(2,3−ジヒドロ−1H−2−イソインドリル)−3−(11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−10−(2,2,2−トリクロロエチルオキソカルボニルアミノ)−(11aS)−2,3,5,10,11,lla−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロ[2,1,−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ−1−プロパノン(166)
DMF中の159(100mg,0.196ミリモル)の溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドハイドロクロライド(44mg,0.23ミリモル)と4−(ジメチルアミノ)ピリジン(5mg,0.04ミリモル)を添加し、この溶液を1時間撹拌した。この反応物にインドリン(27.4mg,0.23ミリモル)を添加し、反応物を更に8時間撹拌した。次に、溶媒を真空中で除去し、この化合物をジクロロメタン中の5%メタノールにより溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して、生成物を黄色オイルとして得た(収率=75mg,64%)。
【0592】
【化244】
Figure 0004824165
【0593】
1,(2,3−ジヒドロ−1H−2−イソインドリル)−3−(7−メトキシ−5−オキシ(11aS)−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ)−1−プロパノン(167)
THF(3mL)中の166(75mg,0.122ミリモル)の溶液に1M酢酸アンモニウム溶液(2mL)を添加し、反応混合物を撹拌した。この溶液に10%Cd/Pbカップル(0.61ミリモル,76mg)を添加し、反応物を90分間撹拌した。この反応物を濾過し、酢酸エチル(20mL)により希釈した。この溶液を硫酸マグネシウムにより乾燥し、溶媒を真空中で除去した。次に、この生成物をジクロロメタン中の5%メタノールにより溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して、化合物を白色固体として得た(収率=42.6mg,83%)。
【0594】
【化245】
Figure 0004824165
【0595】
実施例4(e):(11aS)8−(N−9−フルオレニルメトキシカルボニル)アミノプロピルオキシ−7−メトキシ−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(205)の合成(図26を参照)
N−(t−ブトキシカルボニル)−3−ヒドロキシプロピルアミン(196)の合成
無水DCM(100mL)中の3−アミノ−1−プロパノール(195)(7.8g,104.5ミリモル)の撹拌した溶液に、無水DCM(50mL)中の(Boc)20(25.0g,114.5ミリモル)の溶液を窒素雰囲気下で滴下した。反応混合物を12時間撹拌し、その後TLC(50%石油エーテル/EtOAc)により、出発材料の完全な消失が明らかになった。この溶液をEtO(150mL)により希釈し、リン酸塩緩衝液0.5N,pH5.4(2x70mL)、飽和NaHCO水溶液(70mL)、ブライン(2x70mL)により洗浄し、MgSOの上で乾燥した。過剰の溶媒を減圧下での蒸発により除去して、オイル(196)(18.3g,100%)を得た。
【0596】
【化246】
Figure 0004824165
【0597】
メチル4−[N−(t−ブトキシカルボニル)]アミノプロピルオキシ−3−メトキシベンゾエート(198)の合成
新たに蒸留したTHF(250mL)中のトリフェニルホスフィン(27.6g,105.3ミリモル)、メチルバニレート197(19.2g,105.3ミリモル)、及びBoc−アミノ−1−プロパノール(196)(18.4g,105.3ミリモル)の機械的に撹拌した溶液に、新たに蒸留したTHF(50mL)中のDEAD(18.3g,105.3ミリモル)の溶液を窒素雰囲気下0℃で滴下した。DEADを添加した後、反応混合物を室温で一晩撹拌し、反応の進行をTLC(50%EtOAc/石油エーテル)によりモニターした。溶媒を減圧下で蒸発により除去し、残渣をEtO(300mL)によりすりつぶして、TPOとジエチルヒドラジンジカルボキシレートの一部を沈殿させ、これを濾過により除去した。この濾液を1NNaOH水溶液(150mL)、HO(2x150mL)、ブライン(2x150mL)により洗浄し、MgSOの上で乾燥した。過剰の溶媒を減圧下で蒸発により除去し、粗生成物(198)をカラムクロマトグラフィ(80%石油エーテル/EtOAc)により精製して、ベージュ色の固体(30g,85%)を得た。
【0598】
【化247】
Figure 0004824165
【0599】
メチル4−アミノプロピルオキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾエート(199)の合成
70%HNO(2mL酸/g基質)の撹拌した溶液に、エステル198(4.0g,11.8ミリモル)を室温で小分けにして添加し、反応混合物を一晩撹拌した。16時間後、TLC(CHCl)により出発材料の完全な消失が明らかにされた。反応混合物を氷浴中で冷却し、15gの氷冷した水を添加して、生成物を沈殿させた。沈殿を真空濾過により集め、少量の氷冷した水により洗浄した。濾液を冷却し、2番目にとれた沈殿を真空濾過により集め、氷冷した水により洗浄した。合わせた沈殿を真空中で乾燥して、更に精製はしなかったが、以降の反応に直接に使用した化合物199を黄色固体として得た(2.3g,70%)。
【0600】
【化248】
Figure 0004824165
【0601】
メチル4−(N−9−フルオレニルメトキシカルボニル)アミノプロピルオキシ−5−メトキシ−2−ニトロ安息香酸(200)の合成
水性メタノール(177mL,MeOH;15mL,HO)中の199(3.9g,11.2ミリモル)とKOH(1.9g,33.4ミリモル)の溶液を還流で90分間加熱した。その時点で、TLC(EtOAc/MeOH/TEA100:10:1)により出発材料の完全な消失が明らかにされた。過剰のMeOHを減圧下での蒸発により除去し、濃縮物をHO(20mL)により希釈した。この水溶液を濃HClにより中和し、THF(100mL)により希釈し、炭酸ナトリウム(2.9g,27.9ミリモル)を添加して、溶液をpH9に調整した。この塩基性溶液にフルオレニルメチルクロロホルメート(3.0g,11.6ミリモル)を小分けにして30分間にわたって添加し、反応混合物を12時間撹拌した。過剰のTHFを減圧下で蒸発により除去し、水性区分をEtOAc(3x100mL)により抽出して、過剰のフルオレニルメチルクロロホルメートと関連の副生成物を除去した。次に、水層を濃HClにより酸性とし、再度EtOAc(3x100mL)により抽出した。有機相をHO(2x100mL)、ブライン(100mL)により洗浄し、MgSOの上で乾燥し、過剰の溶媒を減圧下での蒸発により除去して、200を更に精製はしなかったが、以降の反応に直接に使用したベージュ色の固体として得た(4.7g,86%)。
【0602】
【化249】
Figure 0004824165
【0603】
(2S)−N−[4−(N−9−フルオレニルメトキシカルボニル)アミノプロピルオキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル)]ピロリジン−2−メタノール(201)の合成
無水のDCM(120mL)中のニトロ安息香酸200(8.0g,16.3ミリモル)とオキサリルクロライド(2.3g,17.9ミリモル)の溶液に、触媒量のDMF(2滴)を窒素雰囲気下室温で添加した。反応混合物を16時間撹拌し、酸クロライドの得られた溶液を窒素雰囲気下で0℃(氷/アセトン)に冷却した。無水DCM(40mL)中のピロリジンメタノール(1.8g,17.9モル)とDIPEA(4.6g,35.77ミリモル)の溶液を30分間にわたって滴下した。添加が完了したならば、反応混合物を室温に温めた。撹拌を更に2時間継続し、その時点でTLC(95%EtOAc/MeOH)により完結した反応が明らかになった。反応混合物を1N水性HCl(2x100mL)、HO(2x100mL)、ブライン(100mL)により洗浄し、MgSOの上で乾燥した。過剰の溶媒を減圧下で蒸発により除去して、粗化合物を褐色オイルとして得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(99%CHCl/MeOH)による精製により201をベージュ色の固体として得た(5.6g,82%)。
【0604】
【化250】
Figure 0004824165
【0605】
(2S)−N−[4−(N−9−フルオレニルメトキシカルボニル)アミノプロピルオキシ−5−メトキシ−2−アミノベンゾイル]ピロリジン−2−メタノール(202)の合成
MeOH(100mL)中のニトロ化合物201(5.5g,9.5ミリモル)とSnCl/2HO(10.2g,45.4ミリモル)の混合物を還流で加熱し、反応の進行をTLC(95%CHCl/MeOH)によりモニターした。2時間後、過剰のMeOHを減圧下で蒸発により除去し、得られた残渣を冷却(氷)し、飽和NaHCO水溶液(170mL)により注意深く処理した。この反応混合物をEtOAc(170mL)により希釈し、室温での16時間の撹拌後、無機の沈殿をセライトによる濾過により除去した。有機層を分離し、ブライン(150mL)により洗浄し、MgSOの上で乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させて、褐色固体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ(95%CHCl/MeOH)による精製により純粋なアミンの202を灰色がかったピンク色固体として得た(4.3g,82%)。
【0606】
【化251】
Figure 0004824165
【0607】
(2S)−N−(4−(N−9−フルオレニルメトキシカルボニル)アミノプロピルオキシ−5−メトキシ−2−(N−2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル)アミノベンゾイル]ピロリジン−2−メタノール(203)の合成
DCM(40mL)中のアミン202(1.1g,2.0ミリモル)の溶液を0℃(氷/アセトン浴)に冷却し、ピリジン(0.33mL,0.3g,4.1ミリモル)により処理した。撹拌した混合物にDCM(10mL)中のトリクロロエチルクロロホルメート(0.27mL,0.41g,1.9ミリモル)の溶液を30分間にわたって滴下した。この反応混合物を室温迄温め、更に3時間撹拌し、その時点でTLC(EtOAc)により出発材料の完全な消失が明らかにされた。この反応混合物を1NHCl溶液(50mL)、HO(2x50mL)、ブライン(50mL)により洗浄し、MgSOの上で乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させた。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(98%CHCl/MeOH)により精製して、純粋なトリクロロエチルカーバメート203を褐色固体として得た(1.1g,74%)。
【0608】
【化252】
Figure 0004824165
【0609】
(11S,11aS)−10−N−2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル−11−ヒドロキシ−8−(N−9−フルオレニルメトキシカルボニル)アミノプロピルオキシ−7−メトキシ−1,2,3,6,9,11a−ヘキサヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(204)の合成
この方法に使用したすべてのガラス容器、注射針及びカニューレを前もってオーブン中で一晩乾燥し、温かい間に組み立て密閉容器を窒素で満たし、3回排気した。新たに蒸留したDCM(6.6mL)を反応容器に移し、窒素雰囲気下で温度を−45℃(ドライアイス/CHCN)に下げた。オキサリルクロライド(1.0mLのDCM中の2N溶液、2.0ミリモル)を反応容器に移し、続いて乾燥DCM(4.2mL)中の無水DMSO(0.3mL,0.3g,3.9ミリモル)を30分間にわたって滴加した。−45℃で30分間撹拌した後、乾燥DCM(6.6mL)中に溶解したアルコール203(0.79g,1.1ミリモル)の溶液を50分間にわたって滴下した。反応混合物を−45℃で45分間撹拌し、次に混合物を乾燥DCM(4.2mL)中のDIPEA(1.9mL,1.4g,10.8ミリモル)により−45℃で30分間にわたって滴下処理した。35分後、TLC(97%CHCl/MeOH)により出発材料の完全な消失が明らかになった。この反応混合物を室温迄温め、DCM(30mL)により希釈し、1NHCl溶液(30mL)、HO(30mL)、ブライン(40mL)により洗浄し、MgSOの上で乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィ(97%CHCl/MeOH)による精製により保護したカルビノールアミン204を褐色固体として得た(0.48g,78%)。
【0610】
【化253】
Figure 0004824165
【0611】
(11aS)8−(N−9−フルオレニルメトキシカルボニル)アミノプロピルオキシ−7−メトキシ−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(205)の合成
黄色の鉛(II)酸化物(500mg,2.24ミリモル)を50%酢酸水溶液(5mL)中に溶解し、この溶液を脱イオンHO(10mL)中のカドミウムダスト(2.5g,22.4ミリモル)の激しく撹拌した懸濁液に、ゆっくりと添加した。カドミウムは、鉛が表面に堆積するのに従って暗化し、塊を注意深く砕いた。20分後、固体のカップルを真空下で濾過し、HOとアセトンにより洗浄し、真空中で乾燥した。塊を砕き、密閉バイアル中に貯蔵した。
【0612】
THF(9mL)中のTroc保護したカルビノールアミン204(0.71g,0.99ミリモル)と酢酸アンモニウム(1.0M,9mL)の溶液に、カドミウム/鉛カップル(0.62g,当量0.56g,4.94ミリモルCd)を室温で一度に添加した。反応混合物を4時間撹拌し、その間にふわふわした白色沈殿と共に反応混合物は曇化し、不透明になった。TLC(95%CHCl/MeOH)により示されるように、反応が完結した時、固体をセライトによる濾過により除去し、THFを減圧下での蒸発により除去した。フィルターケーキを数回のアリコートのEtOAcにより洗浄した。水層をEtOAc(3x15mL)により抽出し、有機相をMgSOの上で乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィ(97%CHCI/MeOH)による精製により標的化合物205を褐色固体(0.47g,90%)として得、N10−C11イミン形の化合物を得るために、これを真空中CHClと共に繰り返し蒸発させた。
【0613】
【化254】
Figure 0004824165
【0614】
実施例5から8:細胞毒性データ
NCIインビトロ細胞毒性試験
米国、メリーランド、ベテスタの国立ガン研究所(NCI)がインビトロ細胞毒性のスクリーニングに利用されてきた。このスクリーンニングは、ほぼ60のヒトガン細胞株からなり、これに対して化合物を各々10倍異る最低5つの濃度で試験する。48時間の連続曝露のプロトコルが使用され、そこでは、細胞の生存性または成長がSRBタンパクアッセイにより評価される。
【0615】
方法
試験化合物を、約60種のヒト腫瘍細胞株で評価した。NCIスクリーニング手順は、モンクス(Monks)および共同研究者(Monks,Aら、,Journal of the National Cancer Institute,1991,83,757)によって詳細に記載されている。簡潔に述べると、細胞浮遊液を特定の細胞種および必要な細胞密度(細胞増殖特性の基づき5000〜40,000細胞/ウェル)に応じて希釈し、ピペット(100μl)で96ウェルマイクロタイタープレートに加えた。安定化のために、37℃で24時間細胞をプレインキュベートした。2回希釈して、目的の試験濃度の100μlを時間0でウェルに加えた。試験化合物は、5回の10倍希釈(10−4、10−5、10−6、10−7、および10−8μM)で評価した。試験化合物は5%CO雰囲気および湿度100%で48時間インキュベートした。次に、スルホローダミンBアッセイを使用して細胞を分析した。プレートリーダーを使用して光学濃度を読み取り、読み取り値をマイクロコンピューターで処理して、細胞の半数を死滅させるために必要な投薬量であるLC50値を求めた。
【0616】
実施例5〜8に示される結果ではLC50値が、細胞毒性と非細胞毒性の間の境界であると考えられる100μM未満である。
【0617】
予備インビボ試験のための中空繊維アッセイ
NCIのDevelopmental Therapeutics Program(開発治療プログラム)のBiological testing Branch(生物学的試験部門)は、大規模インビトロ細胞スクリーニングによる、抗癌活性を有する可能性のある化合物の評価のための予備インビボスクリーニングツールを採用している。これらのアッセイでは、ヒト腫瘍細胞をポリビニリデン(PVDF)中空繊維中で培養し、各細胞株の試料をマウスの2つの生理学的区画(腹腔内および皮下)のそれぞれに植込む。各試験マウスには3種類の異なる癌細胞株の全部で6本の繊維(3本が腹腔内で3本が皮下)を植込んだ。これらのマウスを、QD×4治療計画を使用して、腹腔内経路によって、それぞれ2つの試験投与量で抗腫瘍性の可能性がある化合物による治療を行う。賦形剤の対照群は、化合物の希釈剤のみを与えた6匹のマウスからなる。治療の最終日の翌日に繊維の培養細胞を採取する。抗癌作用を評価するために、ホルマジン色素(MTT)転換分析を使用して、各細胞株について生細胞集団を調べる。これより、化合物処理試料の平均光学濃度を賦形剤対照群の平均光学濃度で割った値から、%T/Cを計算することができる。さらに、マウスに植込んだ日の繊維培養試料の生細胞集団を評価することによって、細胞集団の正味の増加を各試料について求めることができる。従って、試験化合物細胞増殖抑制性能力と細胞破壊能力とを評価することができる。
【0618】
一般に、各化合物は、最小12種のヒト癌細胞株で試験が行われる。各実験では3種の細胞株が使用されるので、これは全部で4回の実験が行われるということである。各細胞株に対する2つの化合物投与量のそれぞれについて、%T/Cとしてデータが記録され、腹腔内および皮下の試料については別々に計算される。
【0619】
いくつかの中空繊維アッセイ基準に基づいて、標準的な皮下異種移植モデルによるさらなるインビボ試験のために化合物が選択される。これらの基準としては、(1)48の可能な試験の組み合わせ(12細胞株×2部位×2化合物投与量)のうち10で%T/Cが50以下、(2)24の可能な組み合わせのうち最低4つで距離(腹腔内薬物/皮下培養)をおける活性、および/または(3)いずれかの植込み部位において1種類以上の細胞株で最終的な細胞の死滅が挙げられる。評価を単純化するために、所与の化合物の活性を迅速に評価できるポイント式を採用した。この場合、各化合物の投与量において、値2は生細胞集団が50%以上減少したことを示す。基準(1)および(2)を評価できるようにするため、腹腔内および皮下試料について別々に点数をつける。IP+SCのスコアの合計が20、SCスコアが8、または1種類以上の細胞株の最終的な死滅となる化合物が、異種移植試験の場合の基準である。この比較から、初期のインビボスクリーニングツールとして中空繊維アッセイが使用される場合、有効化合物を見逃してしまう確率が非常に低いことが分かった。これらの基準以外に、他の要因(例えば、独自の構造、作用機序)によって、これらの基準を満たす化合物以外の化合物を異種移植試験に使用する場合もある。
【0620】
NCIヒト異種移植試験
これらの試験は、免疫系に障害のある無胸腺ヌードマウスで行う。試験するヒト腫瘍組織をマウスの側腹部に植込み、対照群マウスには処置を行わず、その他のマウスは試験化合物の投与量を変化させて腹腔内投与する。結果は、化合物の毒性、腫瘍増殖量、および増殖の阻害で表す。
【0621】
実施例5:式Iの化合物のインビトロ細胞毒性
実施例1で合成した化合物の一部について、NCIインビトロ細胞毒性試験を行った。その結果(LC50;μM)を以下に記載し、さらに図29に示す。
【0622】
【表1】
Figure 0004824165
【0623】
試験した化合物の中で、上記のものは、ヒト肺、結腸、CNS、黒色腫、腎、および胸部の癌細胞株に対して細胞毒性を示した。UP2003(24)のC−8ベンジルオキシ基をメトキシ置換基で置き換えると(UP2065、42)、細胞毒性の特定が有意に変化し、肺、CNS、および結腸の癌細胞株に対する活性は失われた(Colo205に対する活性は低下したのみで残留した)。しかし、黒色腫細胞株のSKMEL−2およびMALME−3M、腎細胞株RXF−393、および胸部細胞株MDA−MB−435に対して新たに細胞毒性が得られた。UP2003(24)のエステル部分が還元されてアルコールUP2052(33)になると、肺癌細胞株NCI−460と結腸細胞株HCC−2998の活性が増大した。肺細胞株NCI−H522、結腸細胞株HCT−116、黒色腫細胞株M14、および腎癌細胞株786−0に対してさらに活性が現れた。興味深いことに、アセチル化アナログUP2051(31)では、これらの細胞株における活性が低下または消失した(例えば、黒色腫SK−MEL−2細胞株におけるUP2052の0.5μMに対して7.6μM)。
【0624】
実施例6(a):式IIの化合物のインビトロ細胞毒性
実施例2で合成した化合物の一部についてNCIインビトロ細胞毒性試験を行った。結果(LC50;μM)を以下に記載し、さらに図30に示す。
【0625】
【表2】
Figure 0004824165
【0626】
試験した化合物の中で、上記のものは、肺、結腸、CNS、黒色腫、腎、および胸部の細胞株パネルにおいて最も強く細胞毒性作用(LC50)が現れた。これらの中で、C−8ベンジルオキシ置換基(UP2004、70)をメトキシ基(UP2064、74)と交換すると、黒色腫パネルの活性が増大することが分かる。メトキシアナログは、活性がより高く、より多くの細胞株に対して作用する。メトキシアナログは結腸癌細胞株Colo205に対しても活性が向上し、さらにメトキシアナログは、ベンジルオキシ化合物では活性がない腎細胞株RXF−393に対しても活性を示す。電子リッチのジメトキシA環がヨード置換した芳香環で置換すると(UP2023、64)、一部の細胞株で活性が低下するが、このアナログはより広範囲の細胞株(例えば、ベンジルオキシアナログではわずか3黒色腫細胞株であるのに対し、5黒色腫細胞株)に対して活性を示す。C環のエキソ不飽和の性質がアルケンからケトンに変化すると(UP2067、172)、胸部癌細胞株MDA−MB−435、腎細胞株RXF−393、黒色腫MALME−3M、M14、SKMEL−28、CNS癌SF−539およびSNB−75、ならびに肺細胞株NCI−H522に対してさらに活性を示すようになる。
【0627】
PBD二量体UP2001(80)は、肺癌細胞株NCI−H460、結腸細胞株HCC−2998、CNS癌細胞株SNB−75、および黒色腫細胞株MALME−3M(非常に作用が強い、0.08μM)、およびUACC−62(非常に作用が強い、0.07μM)に対して強力で選択性の高い細胞毒性を示し、この結果はDNAを交差させる能力に起因するものであると思われる。
【0628】
実施例6(b):式IIの化合物における中空繊維アッセイ
2種類の化合物についてNCI中空繊維アッセイを実施し、その結果を以下に示す。
【0629】
【表3】
Figure 0004824165
【0630】
UP2001(80)とUP2004(70)について、前述のNCI中空繊維アッセイを行った。UP2001、20を大きく上回るIPスコア+SCスコア合計(54)とSCスコアが8を超えることから、異種移植試験を行う化合物として選択した。UP2004は、SCスコアが8を超えることを根拠に選択した。
【0631】
実施例6(c):化合物80(UP2001)のヒト異種移植試験
UP2001におけるヒト腫瘍の異種移植試験を、前述のNCIのBiological Testing Branchで実施した。
【0632】
MDA−MB−435異種移植片(ヒト乳腺腫瘍)、Ovcar−3(ヒト卵巣腫瘍)、UACC−62(ヒト黒色腫)、またはOVCAR−5(ヒト卵巣腫瘍)を移植した無胸腺ヌードマウスを、0.67(高)、0.45(中)、および0.3(低)mg/kg/注入の投与量、4日に1回で全部で3回の投与(各投与量で6匹のマウス、20匹の対照群)で治療した。
【0633】
UP2001(80)を、薬物の毒性と腫瘍増殖を遅らせる能力を測定することによって評価した。
【0634】
【表4】
Figure 0004824165
【0635】
毒性は、治療によって死亡したマウスの数を表している。%T/Cは、「試験した」マウスの腫瘍の幅(T)(キャリパーで測定)を、対照群の未処理マウス(C)と比較し、パーセンテージで表したものである。%増殖遅延は、腫瘍が任意のサイズの250mgに到達するためにかかる時間の増加を表している。
【0636】
MDA−MB−435異種移植では、UP2001で治療したマウスは、対照集団で観察される腫瘍増殖のわずか3%まで腫瘍増殖が抑えられた。さらに、腫瘍質量が250mgに到達するまでの時間が41%遅延する結果も得られた。低投与量でさえも被移植体に対するある程度の毒性が観察された。
【0637】
Ovcar−3異種移植におけるUP2001(80)に関して、良好な用量応答が見られた。高投与量では、対照集団の7%しか、マウスの腫瘍増殖が観察されなかった。中投与量では、この値は20%であり、低投与量では治療マウスの腫瘍は対照群の腫瘍の46%の大きさであった。
【0638】
高投与量では、腫瘍質量が250mgに到達するまで73%の増殖遅延が観察された。UP2001(80)によるマウスの死亡はなかった。
【0639】
UP2001(80)のUACC−62異種移植でも腫瘍増殖に関して同様の用量応答が観察された。高投与量では、治療群の腫瘍の大きさは対照群腫瘍の22%であった。中投与量では、治療群の腫瘍の大きさは対照群腫瘍の28%であり、低投与量では治療群の腫瘍の大きさは対照群腫瘍の67%であった。この場合もUP2001(80)によるマウスの死亡はなかった。
【0640】
ヒト卵巣腫瘍OVCAR−5の結果はあまり明確ではなく、約50%の腫瘍サイズの減少が観察され、ある程度の増殖遅延が見られたが、低濃度であるほど活性が高いという結果となった。しかし、この場合もUP2001(80)によるマウスの死亡はなかった。
【0641】
ヒトCNS腫瘍SF−295に対しても、UP2001(80)の評価を行った。SF−295を移植した無胸腺ヌードマウスに、0.40、0.27、および0.18mg/kgの投与量で1日1回静脈注射し、全部で5回投与して治療を行った。
【0642】
【表5】
Figure 0004824165
【0643】
UP2001(80)は、SF−295異種移植片に対して治療効果のある特性を示した。高投与量および中投与量では、すべての生存マウスは実験の27日目において腫瘍が見られなかった。より低い投与量では、4匹のうち3匹のマウスが27日目に腫瘍がなかった。治療に関連する毒性がある程度見られ、高投与量では2匹、中投与量では1匹、低投与量では2匹のマウスが死亡した。より高強度の注射計画で、より高い死亡率の結果が得られる可能性がある。
【0644】
実施例7:実施例IIIの化合物のインビトロ細胞毒性
実施例3で合成したすべての化合物をNCIインビトロ細胞毒性スクリーニングにかけた。結果(LC50;μM)を以下に記載し、さらに図31に示す。
【0645】
【表6】
Figure 0004824165
【0646】
C−7フェニル置換化合物UP2026(136)は、ヒト肺、結腸、黒色腫、腎、および胸部の腫瘍パネルの細胞株に対して細胞毒性を示した。興味深いことに、他のPBDとは異なり、この分子はCNS細胞株パネルには不活性であった。しかし、UP2026(136)は、ほぼすべての黒色腫パネルに対して活性を示した。C7アリール部分にメトキシ基が含まれると(138)、肺細胞株NCI−H522、黒色腫細胞株SKMEL−2、および腎細胞株RXF−393でのみ選択的に細胞毒性が増加した。C7にニトロ基が導入されると細胞毒性が完全に失われるが、ニトロ基が還元されてアミンになると活性が回復するようであり、このためUP2029(140)が大型低酸素腫瘍の治療に有効に使用できる有用なプロドラッグとなりうることが分かった。C8アミノ置換PBD(UP2028、151)は、肺、結腸、CNS、黒色腫、腎、および胸部細胞株パネルに対して良好な活性を示した。一方、トリメトキシPBD(UP2068、96)は肺、黒色腫、腎、および胸部細胞株パネルにのみ活性を示した。
【0647】
実施例8 :式IVの化合物のインビトロ細胞毒性:
実施例4で合成した化合物についてNCIインビトロ細胞毒性試験を行った。結果(LC50;μM)を以下に記載し、さらに図32に示す。
【0648】
【表7】
Figure 0004824165
【0649】
4種類のC8PBDアミドのうちUP2005(161)とUP2008(167)の2種類が、NCIアッセイで細胞毒性(LC50)を示した。UP2005(161)は肺、CNS、黒色腫、および腎のパネルの腫瘍に対して選択性を示した。この化合物は黒色腫パネルに対して特に活性であり、8種のうち5種の黒色腫細胞株に対して細胞毒性を示した。UP2008(167)は特性がわずかに異なり、肺、結腸、および黒色腫パネルに対して活性を示した。この分子も黒色腫パネルに対して特に活性を示した。
【0650】
実施例9:PBD二量体SJG−136(UP2001、80)に関するさらなる結果
実施例2(d)で合成した化合物(SJG−136、80)についてさらにいくつかの分析を行った。
【0651】
第1の分析は、G.B.ジョーンズ(Jones)ら,Anti−Cancer Drug Des.,1990,5,249に記載されるもので(この記載内容を本明細書に引用する)、DNAらせんの融解温度に対する試験化合物の影響を測定するものである。この分析は、試験化合物によるDNAストランドの架橋の強さおよび程度の指標を得ることを意図している(すなわち、リガンド結合にようるDNAの安定化の測定)。
【0652】
融解温度は[リガンド][DNA]のモル比が1:5で測定し、子ウシ胸腺DNA濃度がリン酸ナトリウム緩衝水溶液(10mMのリン酸ナトリウム+1mMのEDTA、pH7.00±0.01)中100mMで測定した。pH7.00±0.01における子ウシ胸腺DNAは、融解温度が67.83±0.06℃(30回の独立した測定の平均値)である。
【0653】
[PBD]:[DNA]のモル比が1:5の場合、PBD二量体80は、37度で18時間のインキュベート後に、子ウシ胸腺DNAのらせん融解温度(ΔT)を33.6℃上昇させ、これは前例がない。同一条件で、C環未置換二量体DSB−120:
【0654】
【化255】
Figure 0004824165
ではΔTが15.1℃であり、C2/C2’不飽和の導入によって非常に大きな効果が得られることを示している。他のPBD二量体と同様に、80はDNA溶融曲線のGCリッチ領域または高温領域に対して最も効果が現われる。DSB−120と同様に約60〜80%の安定化効果がインキュベートしなくても得られ、これはPBD反応特性の動力学的効果を示唆している。しかし、比較ΔT曲線から、濃度のみを基準にするとSJG−136はDSB−120の10倍以上活性が高いことが分かる。[PBD]:[DNA]モル比が1:100である場合でもSJG−136は、[PBD][DNA]モル比1:5における単量体トマイマイシン(tomaymycin)よりもDNA結合親和性がはるかに良好である。
【0655】
【化256】
Figure 0004824165
【0656】
[PBD]:[DNA]比が1:5の場合の結果を以下の表にまとめる(すべてのΔT値は±0.1〜0.2℃である)
【0657】
【表8】
Figure 0004824165
【0658】
上記表に示されるデータはSJG−136(80)が、この特定の分析によってこれまで知られるDNA安定化剤のなかで最も効果があることを示している。
【0659】
第2の分析で、ヒト卵巣腫瘍細胞株A2780と、そのシスプラチン耐性亜株A2780cisRにおけるSJG−136(80)の細胞毒性を測定し、このデータを関連する二量体DSB−120(上記参照)とシスプラチンの細胞毒性と比較した。親株に対して、A2780cisR亜株はGSH量が多くDNA−シスプラチン付加体の修復率が高く、シスプラチンを取り込む能力が低いことが知られている(M.スメリー(Smellie)ら,Br.J.Cancer,1994,70,48)。
【0660】
細胞を化合物とともに37℃で96時間インキュベートし、スルホローダミンBを使用して細胞数を調べることによって得た結果を以下の表に示す:
【0661】
【表9】
Figure 0004824165
【0662】
a 対照群と比較して50%細胞増殖を阻害させるために必要な化合物投与量
b RFは耐性倍率(IC50耐性/親株)
80のA2780細胞株に対するIC50値はわずか23μMであり、DSB−120(IC50=7.2nM)と比較して細胞毒性が320倍増大している。さらに驚くべきことに、DSB−120はシスプラチン耐性A2780cisRに対する活性が低いが(IC50=0.21mM)、SJG−136はこの細胞株に対してほぼ9000倍も活性が高く、正常A2780に対する活性とは同等のIC50値(24pM)であり、耐性倍率が1.1である。この1組の細胞株に関して、DSB−120とシスプラチンの両方で耐性倍率がそれぞれ29.2と32であることから、SJG−136がシスプラチン耐性疾患の治療に有効となりうることを示している。
【0663】
実施例10:卵巣癌細胞毒性分析
Dr.ロイド・R・ケランド(Lloyd R.Kelland)のグループが英国サットン(Sutton)のThe Institute of Cancer Research(癌研究所)において、本発明の化合物(比較としてアントラマイシン(Anthramycin))の卵巣細胞株に対する細胞毒性を評価した。調査した5種類の細胞株は、SKOV−3、A2780/A2780cisR、およびCH1/CH1cisR(cisRはシスプラチンに対して耐性である細胞株を示す)であった。
【0664】
1種類の生細胞を、96ウェルマイクロタイタープレート中の増殖培地(160μl)に播種し、終夜付着させた。次に、4つ1組のウェルの細胞に加える直前にPBDをDMSOに溶解する(薬物濃度が20mMとなるようにする)。ウェル中の最終薬物濃度は100μM〜2.5nMの範囲であり、100μM、25μM、10μM、2.5μM、1μM、250nM、100nM、25nM、10nM、2.5nM(薬物は増殖培地で希釈し、40μlをウェルに存在する体積160μlに加えて、上記最終濃度にした)であった。96時間後、培地を除去し、残留する細胞を氷冷しながら10%トリクロロ酢酸で30分間処理して固定した。次にウェルを水道水で3〜4回水洗し、終夜風乾した後、1%酢酸に溶解したスルホローダミンB(0.4%)100μlで処理した。染色を10〜15分間続けた後、1%酢酸でウェルを3〜4回洗浄して風乾した後、トリス(Tris)塩基(10mMを100μl)に加えた。次にプレートを振盪し、プレートリーダーで540nmの吸光度を読み取った。クアトロ・プロ(Quattro−Pro)ソフトウェアパッケージを使用して、濃度対吸光度%(8つの未処理ウェルと比較)のプロットからIC50値を計算した。
【0665】
【表10】
Figure 0004824165
【0666】
この化合物群で最も有効なものは、PBDの2位がアリール置換またはビニル置換したPBD:UP2089(177)、UP2092(179)、およびUP2095(181)である。理論と結びつけようとするものではないが、これらの分子の強い活性は、おそらくこれらの分子の共役エンド−エキソ不飽和の存在に基づくものと考えられる。エンド−エキソ不飽和は、DNA副溝への分子の適合性を向上させるうるが、共役系は電子的および配座的効果によって分子の活性に直接影響を与えることもある。UP2089(177)およびUP2092(181)は、同じくエンド−エキソ不飽和を有する天然物のアントラマイシンの最大100倍の活性を示す。
【0667】
PBD二量体はDNAを架橋させ、腫瘍細胞の複製を阻害しすることができ、そのため一般に高い細胞毒性を示す。エンド不飽和のみを有するPBD二量体のUP2053は、これらの卵巣細胞株に対して強い活性を示す。この二量体は、アントラマイシンよりも顕著に細胞毒性が高いが、単量体のUP2089と2092ほど強くはない。
【0668】
式Iの残りの分子はエンド不飽和のみを有する単量体であり、これらの分子はアントラマイシンと広範囲で類似している。しかし、エステルUP2003とアルコールUP2053は、これらの卵巣腫瘍細胞株に対してアントラマイシンよりも活性が強い。
【0669】
【表11】
Figure 0004824165
【0670】
化合物UP2100(207)は構造式:
【0671】
【化257】
Figure 0004824165
を有し、化合物70と同じ経路で合成した。
【0672】
UP2001(80)は、ピコモル/サブナノモル量で卵巣腫瘍細胞株パネルに対して細胞毒性を示す。この分子の活性は、エキソ飽和効果と結びつけられる架橋特性のためと思われる。UP2001はUP2063よりもはるかに活性が高い。
【0673】
単量体UP2004(70)およびUP2100(206)は、卵巣腫瘍細胞株に対して良好な活性を示し、アントラマイシンの活性と同等である。7−ヨード置換基を有するUP2023(64)は、7位および8位に2つのアルコキシ基を含むUP2004(70)よりもはるかに活性が低い。
【0674】
【表12】
Figure 0004824165
【0675】
UP2025は2つのメトキシ基がA環に電子を供与する最も活性の強い単量体であるが、3つの電子供与基を有する一部の化合物(例えば、UP2020〜2022およびUP2066)は細胞毒性が低い。
【0676】
単純なフェニル置換PBD(UP2026、136)は、卵巣腫瘍細胞株に対してマイクロモル活性を示す。電子供与メトキシ基をフェニル置換基に導入すると細胞毒性が増大するが(138)、電子吸引性ニトロ基の存在によって細胞毒性が低下する(140)。
【0677】
【表13】
Figure 0004824165

【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の式Iaの化合物についての合成経路である。
【図2】 本発明の式Iaの化合物についての合成経路である。
【図3】 本発明の式Iaの化合物についての合成経路である。
【図4】 本発明の式Iaの化合物についての合成経路である。
【図5】 本発明の式Iaの化合物についての合成経路である。
【図6a】 本発明の式Iaの化合物についての合成経路である。
【図6b】 本発明の式Iaの化合物についての合成経路である。
【図7】 本発明の式IIの化合物についての合成経路である。
【図8】 本発明の式IIの化合物についての合成経路である。
【図9】 本発明の式IIの化合物についての合成経路である。
【図10】 本発明の式IIの化合物についての合成経路である。
【図11】 本発明の式IIの化合物についての合成経路である。
【図12a】 本発明の式IIの化合物についての合成経路である。
【図12b】 本発明の式IIの化合物についての合成経路であり、
【図13】 本発明の式IIの化合物についての合成経路である。
【図14】 本発明の式IIの化合物についての合成経路である。
【図15】 本発明の式IIIの化合物についての合成経路である。
【図16】 本発明の式IIIの化合物についての合成経路である。
【図17】 本発明の式IIIの化合物についての合成経路である。
【図18】 本発明の式IIIの化合物についての合成経路である。
【図19】 本発明の式IIIの化合物についての合成経路である。
【図20】 本発明の式IIIの化合物についての合成経路である。
【図22】 本発明の式IIIの化合物についての合成経路である。
【図24】 本発明の式IIIの化合物についての合成経路である。
【図23】 本発明の式IIIの化合物についての合成経路である。
【図24】 本発明の式IIIの化合物についての合成経路である。
【図25】 本発明の式IIIの化合物についての合成経路である。
【図26】 式IVの化合物についての合成経路である。
【図27】 本発明の式IVの化合物の製造に於ける中間体の合成である。
【図28】 本発明の式IVの化合物についての合成経路である。
【図29】 実施例5の細胞毒性結果を示すグラフである。
【図30】 実施例6の細胞毒性結果を示すグラフである。
【図31】 実施例7の細胞毒性結果を示すグラフである。
【図32】 実施例8の細胞毒性結果を示すグラフである。

Claims (35)

  1. 式Ia又はIb:
    Figure 0004824165
    [式中、Aは、CH又は単結合であり、
    は、R、OH、OR、COH、COR、COH、COR、SOR、CNから選択され、
    、R及びRは、独立に、H、R、OH、OR、ハロ、アミノ、NHR、ニトロ、MeSnから選択され、
    {但し、Rは、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基又は12個以下の炭素原子のアラルキル基(そのアルキル基は、任意に、1個又は2個以上の、共役系の一部を形成することができる炭素−炭素二重結合又は三重結合を含有する)又は12個以下の炭素原子のアリール基であり、そして、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換されており、そして任意に、1個又は2個以上のヘテロ原子を含有する}、そして
    は、H、R、OH、OR、ハロ、アミノ、NHR、ニトロ、MeSn(但し、Rは、上記定義された通りである)から選択される]の化合物、
    又は、この化合物は、同じものか又は異なったものであり、式Ia又はIbのものである各単量体による二量体[但し、単量体のR基は、一緒に、単量体を結合する式−X−R’−X−{式中、R’は、3〜12個の炭素原子を含有するアルキレン鎖(但し、この鎖は、1個又は2個以上のヘテロ原子及び/又は芳香族環によって遮断されていてよく、そして1個又は2個以上の炭素−炭素二重結合又は三重結合を含有していてよい)であり、各Xは、独立に、O、S又はNから選択される}を有する架橋を形成するか又はR及びRは一緒に、基−O−(CH−O−(但し、pは1又は2である)を形成する]である[但し、式Iaの化合物に於いて、Aが単結合であるとき、RはCH=CR{式中、R及びRは、独立に、H、R、COR、CONH、CONHR、CONR 、シアノ又はホスホナート(式中、Rは、1〜4個の炭素原子を有する非置換のアルキル基である)から選択される}ではない]。
  2. AがCHである、請求項1に記載の化合物。
  3. が、CO又はCOである請求項2に記載の化合物。
  4. が、COMe、CO Bu又はCHOHである請求項3に記載の化合物。
  5. Aが単結合であり、そしてRが、アリール基、又は式Ia又はIbで表される3環縮合化合物の右側に位置するシクロペンテン環の二重結合と共に共役系の一部を形成する少なくとも1個の二重結合を含有するアルキル若しくはアルカリール基である、請求項1に記載の化合物。
  6. 、R及びR並びに化合物が二量体でない場合にRが、独立に、H及びORから選択される、請求項1〜5の何れか1項に記載の化合物。
  7. 、R及びR並びに化合物が二量体でない場合にRが、独立に、H、OMe及びOCHPhから選択される、請求項6に記載の化合物。
  8. 及び化合物が二量体でない場合にRがORであり、そしてR及びRがHである、請求項6に記載の化合物。
  9. 及び化合物が二量体でない場合にRが、独立にOMe又はOCHPhである、請求項8に記載の化合物。
  10. 式Iaの請求項1〜9の何れか1項に記載の化合物。
  11. 二量体であり、二量体架橋が、式−O−(CH−O−(但し、pは3〜12である)のものである、請求項1〜10の何れか1項に記載の化合物。
  12. (11aS)−1,11a−ジヒドロ−7,8−ジメトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オンである請求項1に記載の化合物。
  13. 式II:
    Figure 0004824165
    [式中、R’は、CHであり、
    、R、R及びRは、独立に、H、R、OH、OR、ハロ、アミノ、NHR、ニトロ、MeSnから選択され
    {但し、Rは、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基又は12個以下の炭素原子のアラルキル基(そのアルキル基は、任意に、1個又は2個以上の、共役系の一部を形成することができる炭素−炭素二重結合又は三重結合を含有する)又は12個以下の炭素原子のアリール基であり、そして、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換されており、そして任意に、1個又は2個以上のヘテロ原子を含有する}、又はR及びRは一緒に、基−O−(CH−O−(但し、pは1又は2である)を形成する]
    の化合物。
  14. 式II:
    Figure 0004824165
    [式中、R’は、O、CHから選択され、
    、R及びRは、独立に、H、R、OH、OR、ハロ、アミノ、NHR、ニトロ、MeSnから選択され
    {但し、Rは、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基又は12個以下の炭素原子のアラルキル基(そのアルキル基は、任意に、1個又は2個以上の、共役系の一部を形成することができる炭素−炭素二重結合又は三重結合を含有する)又は12個以下の炭素原子のアリール基であり、そして、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換されており、そして任意に、1個又は2個以上のヘテロ原子を含有する}、及び
    は、この化合物が、同じものか又は異なったものであり、式IIのものである各単量体による二量体(但し、単量体のR基は、一緒に、単量体を結合する式−X−R’−X−{式中、R’は、3〜12個の炭素原子を含有するアルキレン鎖(但し、この鎖は、1個又は2個以上のヘテロ原子及び/又は芳香族環によって遮断されていてよく、そして1個又は2個以上の炭素−炭素二重結合又は三重結合を含有していてよい)であり、各Xは、独立に、O、S又はNから選択される}を有する架橋を形成する)であるように選択される]
    の化合物。
  15. 二量体であり、二量体架橋が、式−O−(CH−O−(式中、pは3〜12である)のものである、請求項14に記載の化合物。
  16. 、R及びRが独立に、H、OR又はハロゲン原子から選択される、請求項13に記載の化合物。
  17. 、R、R及びRが独立にH、OMe及びOCHPh並びにIから選択される、請求項16に記載の化合物。
  18. 及びRが独立にOR又はハロゲン原子であり、R及びRがHである、請求項16に記載の化合物。
  19. 及びRが独立に、OMe、OCHPh又はIから選択される、請求項18に記載の化合物。
  20. 及びRが独立に、H、OR又はハロゲン原子から選択される請求項14に記載の化合物。
  21. 、R及びRが独立に、H、OMe及びOCHPh並びにIから選択される請求項20に記載の化合物。
  22. がOR又はハロゲン原子であり、R及びRがHである請求項20に記載の化合物。
  23. がOMe、OCHPh又はIから選択される請求項22に記載の化合物。
  24. 式III:
    Figure 0004824165
    [式中、R、R及びRは、独立に、H、R、OH、OR、ハロ、アミノ、NHR、ニトロ、MeSnから選択され
    {但し、Rは、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基又は12個以下の炭素原子のアラルキル基(そのアルキル基は、任意に、1個又は2個以上の、共役系の一部を形成することができる炭素−炭素二重結合又は三重結合を含有する)又は12個以下の炭素原子のアリール基であり、そして、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換されており、そして任意に、1個又は2個以上のヘテロ原子を含有する}、そして
    はNHである]
    の化合物。
  25. (11aS)−8−アミノ−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オンである請求項24に記載の化合物。
  26. 式IV:
    Figure 0004824165
    [式中、R、R及びRは、独立に、H、R、OH、OR、ハロ、アミノ、NHR、ニトロ、MeSnから選択され
    {但し、Rは、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基又は12個以下の炭素原子のアラルキル基(そのアルキル基は、任意に、1個又は2個以上の、共役系の一部を形成することができる炭素−炭素二重結合又は三重結合を含有する)又は12個以下の炭素原子のアリール基であり、そして、任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換されており、そして任意に、1個又は2個以上のヘテロ原子を含有する}、
    ’及びR”は、独立にH、Rから選択されるか又は一緒に環式アミンを形成し、そして
    nは1〜7である]
    の化合物。
  27. 及びRがH及びORから選択される請求項26に記載の化合物。
  28. 及びRがOMe、OEt及びOBnから選択される請求項27に記載の化合物。
  29. nが1〜3である請求項26〜請求項28の何れか1項に記載の化合物。
  30. Rが任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換された、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基又は12個以下の炭素原子のアラルキル基又は12個以下の炭素原子のアリール基から選択される請求項1〜請求項29の何れか1項に記載の化合物。
  31. Rが任意に、1個又は2個以上のハロ、ヒドロキシ、アミノ又はニトロ基によって置換された、1〜10個の炭素原子を有する低級アルキル基から選択される請求項30に記載の化合物。
  32. Rが1〜10個の炭素原子を有する非置換の直鎖又は分枝鎖アルキルである請求項31に記載の化合物。
  33. 請求項1〜請求項32の何れか1項に記載の化合物及び薬物的に許容される担体又は希釈剤を含有する薬物組成物。
  34. 抗腫瘍作用のための医薬を製剤するための、請求項1〜請求項32の何れか1項に記載の化合物の使用。
  35. 治療方法に使用するための、請求項1〜32の何れか1項に記載の化合物。
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