JP2011515459A - 抗癌剤候補としてのベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッド及びその調製方法 - Google Patents

抗癌剤候補としてのベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッド及びその調製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ヒト癌細胞系統に対する抗腫瘍剤として有用な一般式5a−eのベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドを提供する。本発明は更に、ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッド(5a−e)の調製方法を提供する
【化1】
Figure 2011515459

【選択図】なし

Description

本発明は、ベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッド及びその調製方法に関する。詳しくは、抗癌(抗腫瘍)剤として有用な脂肪族鎖長変化を伴う7−メトキシ−8−[n−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノ−アセトアミド]アルキルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オンに関する。このようなベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドの構造式を以下に示す。
Figure 2011515459
ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン抗腫瘍抗生物質は一般にアントラマイシン類の化合物として知られている。この数年間、新たなピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン(PBD)類の開発に関心の高まりが示されている。これらの抗生物質は、DNAと共有結合的反応をしてN2−グアニン付加生成物を形成し、それは、N10−C11位の親電子イミンとの酸不安定性アミノ結合を介してDNA二本鎖の副溝内に位置する(Kunimoto,S.;Masuda,T.;Kanbayashi,N.;Hamada,M.;Naganawa,H.;Miyamoto,M.;Takeuchi,T. and Unezawa,H.,J.Antibiot.,1980,33,665.;Kohn,K.W.and Speous,C.L.,J.Mol.Biol.,1970,51,551.;Hurley,L.H.;Gairpla,C.and Zmijewski,M.,Biochem.Biophys.Acta.,1977,475,521;Kaplan,D.J.and Hurley,L.H.,Biochemistry,1981,20,7572)。この分子は右向きの回転を持ち、その事が、3個の塩基対に跨るB型二本鎖DNAの副溝の湾曲に該分子を従わせる。近年の開発は、2個のPBDユニットを、そのC−8位を介して結合して、DNAを架橋できる二官能性のアルキル化剤を与えることであった。(Thurston,D.E.;Bose,D.S.;Thomson,A.S.;Howard,P.W.;Leoni,A.;Croker,S.J.;Jenkins,T.C.;Neidle,S.and Hurley,L.H.,J.Org.Chem.,1996,61,8141)。
Figure 2011515459
近年、不活性なプロパンジオキシ・リンカーを介してC−8位で結合させた2個のC2−エキソ−メチレン置換DC−81サブユニットを含むPBD二量体が開発された(Gregson,S.J.;Howard,P.W.;Hartely,J.A.;Brooks,N.A.;Adams,L.J.;Jenkins,T.C.;Kelland,L.R.and Thurston,D.E.,J.Med.Chem.,2001,44,737)。顕著なDNA結合能と強力な抗腫瘍活性を有する非架橋混合イミン−アミドPBD二量体が合成された(Kamal,A.;Ramesh,G.;Laxman,N.;Ramulu,P.;Srinivas,O.;Neelima,K.;Kondapi,A.K.;Srinu,V.B.;Nagarajaram,H.M.,J.Med.Chem.,2002,45,4679)。最近、顕著なDNA結合能と強力な抗腫瘍活性を有する幾つかの新規なピロロベンゾジアゼピン(PBD)ハイブリッドが合成された(Kamal,A.;Srinivas,O.;Ramulu,P.;Ramesh,G.;Kumar,P.P.,Bioorg.Med.Chem.Lett.2003,13,3577)。
天然に存在するピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンは、ストレプトマイセス種に由来した抗腫瘍性抗生物質の一群に属する。これらがDNAの特定の配列を認識して、それに結合することができることから、近年PBDについて大きな関心が持たれている。天然に存在するPBDの例は、アントラマイシン、DC−81、トマイマイシン、シビロマイシン及びネオトラマイシンを含む。
しかしながら、これらの抗生物質の臨床効果は、不十分な水可溶性、心臓毒性、薬物耐性の発達及び代謝の不活性化のような幾つかの制限によって妨害される。
本発明の主な目的は、抗腫瘍剤として有用な新規なベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドを提供することである。
更に、本発明の他の目的は、新規なベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドの調製方法を提供することにある。
従って、本発明は、式5の新規なベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドを提供する。
Figure 2011515459
本発明の実施態様において、本願の請求項1にかかるベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドは、以下の化合物から成る群によって表される。
7−メトキシ−8−[3−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]プロピルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5a)、
7−メトキシ−8−[4−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ブチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5b)、
7−メトキシ−8−[5−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ペンチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5c)、
7−メトキシ−8−[6−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ヘキシルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5d)、
7−メトキシ−8−[8−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]オクチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5e)。
更に他の実施態様において、ベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドの代表的な化合物の構造式を以下に示す。
Figure 2011515459
更に他の実施態様において、新規なベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドは、肺(Hop−62)、子宮頚部(SiHa)、乳房(MCF7、Zr−75−1)、結腸(Colo205)、前立腺(DU145、PC3)及び口腔(DWD、HT1080)の細胞系統から成る群から選択されるヒト癌細胞系統に対するインビトロでの抗癌活性/抗腫瘍活性を示す。
更に他の実施態様において、Colo205に対するインビトロでの活性に使用されるベンゾフェノン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドのIC50を示す濃度は、少なくとも48時間の曝露時間で13〜80μmの範囲にある。
更に他の実施態様において、DU145に対するインビトロでの活性に使用されるベンゾフェノン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドのIC50を示す濃度は、少なくとも48時間の曝露時間で12〜80μmの範囲にある。
更に他の実施態様において、DWDに対するインビトロでの活性に使用されるベンゾフェノン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドのIC50を示す濃度は、少なくとも48時間の曝露時間で8〜80μmの範囲にある。
更に他の実施態様において、HoP62に対するインビトロでの活性に使用されるベンゾフェノン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドのIC50を示す濃度は、少なくとも48時間の曝露時間で11〜48μmの範囲にある。
更に他の実施態様において、HT1080に対するインビトロでの活性に使用されるベンゾフェノン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドのIC50を示す濃度は、少なくとも48時間の曝露時間で14〜36μmの範囲にある。
更に他の実施態様において、MCF7に対するインビトロでの活性に使用されるベンゾフェノン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドのIC50を示す濃度は、少なくとも48時間の曝露時間で22〜約80μmの範囲にある。
更に他の実施態様において、PC3に対するインビトロでの活性に使用されるベンゾフェノン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドのIC50を示す濃度は、少なくとも48時間の曝露時間で28〜約80μmの範囲にある。
更に他の実施態様において、SiHaに対するインビトロでの活性に使用されるベンゾフェノン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドのIC50を示す濃度は、少なくとも48時間の曝露時間で36〜約80μmの範囲にある。
更に他の実施態様において、Zr−75−1に対するインビトロでの活性に使用されるベンゾフェノン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドのIC50を示す濃度は、少なくとも48時間の曝露時間で29〜約80μmの範囲にある。
本発明は更に、ベンゾフェノン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッド、その誘導体、類似体、塩又は、任意的の薬学的に許容可能な担体、補助剤(adjuvant)及び添加物とのそれらの混合物を含む薬学的組成物を提供する。
更に他の実施態様において、使用されるベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドは、一般式5によって表される。
Figure 2011515459
本発明は、更に、次式で示されるベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドの調製方法を提供する。
Figure 2011515459
式中、n=3、4、5、6、8であり、前記方法は、以下のa)、b)及びc)の工程を含む。
a)乾燥穏和無機塩基の存在中、非プロトン性水混和性有機溶媒中において、油浴の還流温度下で約24〜48時間にわたって、式1、
Figure 2011515459
で示される(2S)−N−[(n−ブロモアルキルオキシ)−3−メトキシ−2−ニトロベンゾイル)]ピロリジン−2−カルボキサルデヒドを、以下の式2、
Figure 2011515459
で示されるN1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミドと反応させ、続いて濾過して無機塩基の除去し、有機溶媒を蒸発させて粗生成物を得て、カラムクロマトグラフィで精製し、所望の生成物である式3a−e、
Figure 2011515459
で示される2S−N−[4−{n−(N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]アルキル)オキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタールを得る。
b)式3a−eの(2S)−N−[4−{n−(N−1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]アルキル)オキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタールを、アルコールの存在中、還流下で、SnCl2・2H2Oで還元させ、続いて、アルコールを蒸発させ、重炭酸ナトリウムと重炭酸カリウムなどの塩基を使用して、得られた生成物相のpHを約8〜9に調整し、続いて、酢酸エチルで抽出し、塩類溶液(brine solution)で、合わせた有機相を洗浄し、溶媒を蒸発させて、式4a−e、
Figure 2011515459
n=3、4、5、6、8 4a−e
の所望の生成物である2S−N−[4−{n−(N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]アルキル)オキシ−5−メトキシ−2−アミノベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタールを得る。
c)既知の方法で工程(b)で得た式4の上記アミノ化合物を塩化第二水銀などの脱保護剤と反応させて式5の所望の化合物を得る。
更に他の実施態様において、工程(a)において使用した穏和な(mild)無機塩基は、炭酸カリウムである。
更に他の実施態様において、工程(a)において使用した非プロトン性有機溶媒は、アセトン及びアセトニトリルである。
更に他の実施態様において、工程(c)において使用した有機溶媒は、アセトニトリル及びアセトンである。
更に他の実施態様において、工程(b)において使用したアルコールは、メタノール及びエタノールである。
更に他の実施態様において、得られた式5a−eの化合物は、以下の化合物の群によって表される。
7−メトキシ−8−[3−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]プロピルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5a)、
7−メトキシ−8−[4−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ブチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5b)、
7−メトキシ−8−[5−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ペンチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5c)、
7−メトキシ−8−[6−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ヘキシルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5d)、
7−メトキシ−8−[8−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]オクチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5e)。
更に他の実施態様において、式5a−eのベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドは、肺、子宮頚部、乳房、結腸、前立腺及び口腔の細胞系統から成る群から選択されるヒト癌細胞系統に対するインビトロでの抗癌活性/抗腫瘍活性を示す。
従って、本発明は、本願明細書に示す式5a−e(式中、n=3〜6及び8である)のピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドの製造方法を提供するものであり、CH3COCH3/K2CO3の存在中で、式2の{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミドを式1の(2S)−N−[(n−ブロモアルキルオキシ)−3−メトキシ−2−ニトロベンゾイル)]ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタールと48時間反応させて、従来の方法で式3a−eの(2S)−{N1−[n−{4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド)アルキル]オキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタールを単離することと、還流温度で、有機溶媒の存在中にSnCl2・2H2Oで式3a−eの上記ニトロ化合物を還元して、(2S)−N−1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]アルキルオキシ]}−5−メトキシ−2−アミノベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(4a−e)を生成することと、従来の方法で、式4a−eの上記アミノ化合物を既知の脱保護剤と反応させて、nの値が上記のようになっている新規な式5a−eのピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドを得ることを含む。
前駆体である式2の{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド(Kentaro Hirai, Teruyuki Ishiba, Hirohiko Sugimoto, Toshio Fujishita, Yuji Sukinoki,and Katsumi Hirose;J.Med.Chem.1981,24,2027)及び式1の(2S)−N−(4−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル)ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(Thurston,D.E.;Morris,S.J.;Hartley,J.A.,Chem.Commun.,1996,563−565)は、文献に記載の方法で製造した。
本発明に係る式5a−eで示される幾つかの代表的な化合物を下に記載する。
7−メトキシ−8−[3−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]プロピルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5a)、
7−メトキシ−8−[4−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ブチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5b)、
7−メトキシ−8−[5−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ペンチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5c)、
7−メトキシ−8−[6−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ヘキシルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5d)、
7−メトキシ−8−[8−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]オクチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5e)。
C−8位で結合されたこれら新たなピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドの類似体は、種々の細胞系統において有望なDNA結合活性及び有効な抗癌活性を示した。合成されたこれらの分子は、潜在的な配列選択的DNA結合性と共に計り知れない生物学的重要性を有する。その結果、スキーム1で示される新たな同族体の設計と合成がなされたが、それは、
1.DC−81中間体のC−8位における、{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド部分とのエーテル結合、
2.反応混合物を48時間還流、
3.C−8で結合されたPBD抗腫瘍抗生物質ハイブリッドイミンの合成、
4.酢酸エチル、ヘキサン、ジクロロメタン及びメタノールといった種々の溶媒を用いたカラムクロマトグラフィによる精製、を含む。
Figure 2011515459
スキーム1
以下の実施例は、一例として挙げられるものであり、従って、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
2S−N−[4−(3−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]プロピル)オキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(3a)
2S−N−[4−(3−ブロモプロポキシ)−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル]ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(1a)(521mg、1.0mmol)の乾燥アセトン溶液(20mL)に、無水炭酸カリウム(690mg、5.0mmol)及びN1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド(2)(392mg、1.0mmol)を添加した。油浴中で反応混合物を24時間還流し、酢酸エチル−ヘキサン(6:4)を溶媒系として使用したTLCで反応を監視した。次に、吸引濾過で炭酸カリウムを除去し、真空下で溶媒を蒸発させて粗生成物を得た。更に、溶媒系として酢酸エチル:ヘキサン(6:4)を使用したカラムクロマトグラフィで、粗生成物を精製し、純粋生成物(3a)(670mg、収率80%)を得た。
1HNMR(CDCl3):δ1.22−1.39(m,6H),1.69−2.32(m,8H),2.51−2.56(m,4H),2.66−2.86(m,8H),3.19−3.26(m,4H),3.92(s,3H),4.06−4.13(t,2H,J=6.79Hz),4.63−4.70(m,1H),4.81−4.83(d,1H,J=3.77Hz)6.75(s,1H),7.23−7.60(m,7H),8.87−8.90(d,1H,J=9.06Hz),12.30(s,1H);FABMS:832(M+H)+
2S−N−[4−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]プロピル)オキシ−5−メトキシ−2−アミノベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(4a)
式3aの2S−N−[4−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]プロピル)オキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(832mg、1.0mmol)を、メタノール(10mL)中に溶解し、これにSnCl2・2H2O(1.12g、5.0mmol)を加え、TLCが反応の完了を示すまで還流を行った。次に、真空下でメタノールを蒸発させ、10%NaHCO3溶液でpH8に調整し、酢酸エチル(60mL)で抽出した。混合性の有機相をNa2SO4で乾燥させ、真空下で蒸発させ、粗製のアミノジエチルチオアセタール(4a)(790mg、収率97%)を得て、これを次の工程で直接使用した。
7−メトキシ−8−[3−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]プロピルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5a)
式4aの2S−N−[3−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]プロピル)オキシ−5−メトキシ−2−アミノベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(802mg、1.0mmol)、HgCl2(576mg、2.26mmol)及びCaCO3(225mg、2.46mmol)のアセトニトリル−水(4:1)溶液を、TLCが出発物質の完全な喪失を示すまで室温で一晩ゆっくりと攪拌した。この透明な有機上清を飽和5%NaHCO3(20mL)、塩類溶液(20mL)で抽出し、合わせた有機相をNa2SO4で乾燥した。有機相を真空下で蒸発させ、白色の固体を得た。カラムクロマトグラフィで、最初に酢酸エチルで溶出して第二水銀塩を除去し、次に酢酸エチルで溶出して純粋生成物5a(330mg、収率58%)を得た。
1HNMR(CDCl3):δ1.24−1.54(m,4H),1.66−1.94(m,4H),2.00−2.38(m,4H),2.94−3.05(m,2H),3.29−3.41(m,6H),3.56−4.23(m,4H),6.80(s,1H),7.25−7.70(m,8H),8.87−8.89(d,1H,J=4.28Hz),12.44(s,1H);FABMS:678(M+H)+
2S−N−[4−(4−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ブチル)オキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(3b)
化合物3aに関して記載される方法に従い、2S−N−[4−(4−ブロモブトキシ)−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル]ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(1b)(535mg、1.0mmol)を用い、無水炭酸カリウム(690mg、5.0mmol)及びN1−4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド(2)(392mg、1.0mmol)を添加して、この化合物を調製し、純粋生成物3b(710mg、収率84%)を得た。
1HNMR(CDCl3):δ1.22−1.39(m,8H),1.70−2.32(m,8H),2.52−2.57(m,4H),2.68−2.85(m,8H,3.19−3.27(m,4H),3.92(s,3H),4.06−4.12(t,2H),J=6.55Hz),4.64−4.70(m,1H),4.82−4.83(d,1H,J=3.77Hz)6.75(s,1H),7.22−7.60(m,7H),8.87−8.90(d,1H,J=9.06Hz),12.30(s,1H);FABMS:846(M+H)+
2S−N−{4−[4−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ブチル)オキシ−5−メトキシ−2−アミノベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(4b)
化合物4aに関して記載される方法に従い、SnCl2・2H2O(1.12g、5.0mmol)を用い、2S−N−{4−[4−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ブチル)オキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール3b(846mg、1.0mmol)を還元して、この化合物を調製した。得られたアミノ化合物4bは、795mg(収率97%)であった。
7−メトキシ−8−[4−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ブチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5b)
化合物5aに関して記載される方法に従い、2S−N−4−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ブチル)オキシ−5−メトキシ−2−アミノベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(4b)(816mg、1.0mmol)及びHgCl2(582mg、2.26mmol)、CaCO3(230mg、2.46mmol)のアセトニトリル−水(4:1)溶液を用いて、この化合物を調製し、純粋生成物5b(330mg、収率58%)を得た。
1HNMR(CDCl3):δ1.23−1.43(m,4H),1.53−2.18(m,6H),2.27−2.38(m,2H),2.96−3.11(m,4H),3.31−3.43(m,4H),3.56−3.94(m,4H),4.00−4.12(m,2H),6.78(s,1H),7.25−7.75(m,8H),8.86−8.90(d,1H,J=4.36Hz),12.45(s,1H);FABMS:692(M+H)+
2S−N−[4−{5−(N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ペンチル)オキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチル(carboxaldedehydediethyl)チオアセタール(3c)
化合物3aに関して記載される方法に従い、2S−N−[4−(5−ブロモペニルオキシ)−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル]ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(1c)(549mg、1.0mmol)を用い、無水炭酸カリウム(690mg、5.0mmol)及びN1−4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド(2)(392mg、1.0mmol)を添加して、この化合物を調製し、純粋生成物3c(740mg、収率87%)を得た。
1HNMR(CDCl3):δ1.20−1.39(m,8H),1.72−2.33(m,10H),2.50−2.56(m,8H),2.60−2.85(m,4H),3.19−3.26(m,4H),3.91(s,3H),4.05−4.13(m,2H),4.62−4.69(m,1H),4.80−4.83(d,1H,J=3.77Hz),6.74(s,1H),7.22−7.60(m,7H),8.86−8.90(d,1H,J=9.06Hz),12.30(s,1H);FABMS:860(M+H)+
2S−N−{4−[5−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ペンチル)オキシ−5−メトキシ−2−アミノベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(4c)
化合物4aに関して記載される方法に従い、SnCl2・2H2O(1.12g、5.0mmol)を用い、2S−N−{4−[5−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ペンチル)オキシ−5−メトキシ−2−アミノベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(3c)(860mg、1.0mmol)の溶液を還元して、この化合物を調製した。得られたアミノ化合物4cは、810mg、(収率97%)であった。
7−メトキシ−8−[5−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ペンチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5c)
化合物5aに関して記載される方法に従い、2S−N−[5−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ペンチル)オキシ−5−メトキシ−2−アミノベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(4c)(830mg、1.0mmol)及びHgCl2(590mg、2.26mmol)、CaCO3(244mg、2.46mmol)のアセトニトリル−水(4:1)溶液を用いて、この化合物を調製し、純粋生成物5c(330mg、収率58%)を得た。
1HNMR(CDCl3):δ1.22−1.39(m,4H),1.72−2.33(m,8H),2.60−2.85(m,4H),2.66−2.86(m,3H),3.19−3.26(m,4H),3.92(s,3H),4.06−4.13(t,2H,J=6.79Hz),6.75(s,1H),7.23−7.60(m,8H), 8.87−8.90(d,1H,J=4.41Hz),12.30(s,1H);FABMS:706(M+H)+
2S−N−[4−{6−(N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ヘキシル)オキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(3d)
化合物3aに関して記載される方法に従い、2S−N−[4−(6−ブロモヘキシルオキシ)−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル]ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(1d)(563mg、1.0mmol)を用い、無水炭酸カリウム(690mg、5.0mmol)及びN1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド(2)(392mg、1.0mmol)を添加して、この化合物を調製し、純粋生成物(3d)(775mg、収率88%)を得た。
1HNMR(CDCl3):δ1.21−1.48(m,8H),1.69−1.86(m,10H),1.98−2.15(m,4H),2.23−2.39(m,4H),2.59−2.98(m,6H),3.18−3.30(m,4H),3.93(s,3H),4.02−4.12(m,2H),4.63−4.69(m,1H),4.81−4.83(d,1H,J=3.77Hz),6.78(s,1H),7.25−7.61(m,7H),8.86−8.90(d,1H,J=9.06Hz),12.33(s,1H);FABMS:874[M+H]+
2S−N[4−[6−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ヘキシル)オキシ−5−メトキシ−2−アミノベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(4d)
化合物4aに関して記載される方法に従い、SnCl2・2H2O(1.12g、5.0mol)を用い、2S−N[4−[6−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ヘキシル)オキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(3d)(874mg、1.0mmol)を還元して、この化合物を調製した。得られたアミノ化合物4dは、842mg、(収率97%)であった。
7−メトキシ−8−[6−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ヘキシルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5d)
化合物5aに関して記載される方法に従い、2S−N−[6−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ヘキシル)オキシ−5−メトキシ−2−アミノベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタール(4d)(844mg、1.0mmol)及びHgCl2(597mg、2.26mmol),CaCO3(250mg、2.46mmol)のアセトニトリル−水(4:1)溶液を用いて、この化合物を調製し、純粋生成物5d(485mg、収率58%)を得た。
1HNMR(CDCl3):δ1.22−1.39(m,6H),1.69−2.32(m,8H),2.51−2.56(t,4H,J=6.64Hz),2.66−2.86(m,3H),3.19−3.26(m,4H),3.92(s,3H),4.06−4.13(t,2H,J=6.79Hz),6.75(s,1H),7.23−7.60(m,8H),8.87−8.90(d,1H,J=5.06Hz),12.30(s,1H);MS(FAB):720(M+H)+
生物学的活性:インビトロでの生物学的活性の研究の幾つかが、国立癌研究所(USA、Marryland)で行なわれた。
細胞毒性:化合物 7−メトキシ−8−[3−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]プロピルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5a)、
7−メトキシ−8−[4−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ブチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5b)、
7−メトキシ−8−[5−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ペンチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5c)、
7−メトキシ−8−[6−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ヘキシルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5d)、
7−メトキシ−8−[8−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]オクチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5e)。
C8で結合されたベンゾフェノンピペラジン−PBDハイブリッドの生物学的活性
インビトロでの細胞毒性
C8で結合されたベンゾフェノンピペラジンPBDハイブリッドを、9つの癌のタイプ(白血病、非小細胞肺、結腸、CNS、黒色腫、卵巣、前立腺、乳癌)に由来した約60のヒト腫瘍細胞に対して、NCIプロトコルの通りに試験した。各化合物について、個々の細胞系統についての投与反応曲線は、10倍稀釈で5つの濃度の最小値で測定した。48時間の連続的な薬剤曝露のプロトコルを使用し、かつ、スルホルホダミンB(SRB)タンパク質アッセイを用いて、細胞の生存能又は増殖能を評価した。対照と比較した50%の細胞増殖阻害(GI50)、全細胞の増殖阻害(TGI、0%増殖)及び50%の細胞死(LC50、−50%増殖)を引き起こす濃度が計算された(図2)。
化合物5b及び5dに関して、結腸(Colo205)、肺(Hop−62)、子宮頚部(SiHa)、前立腺(DU145、PC3)、口腔(DWD、HT1080)及び乳房(MCF7、Zr−75−1)に由来する9つのヒト癌細胞系統からの11の細胞系統のインビトロでの細胞毒性を評価した。結果は、未処理の対照細胞のものに対して求められる細胞増殖率で表す(表1)。代表的な化合物5b及び5dは、幾つかの癌細胞系統に対して有意な細胞毒性を示した。
Figure 2011515459
各癌のタイプは6〜8つの異なる癌細胞系統の平均値で表す。
なかでも、5b−dは9つの細胞パネルの56の細胞系統に対して広域スペクトルの活性を示し、GI50値が<20nMである。非小細胞肺癌パネルでは、HOP−62、NCI−H23細胞系統の増殖は、化合物5bによる影響を受け、GI50値がそれぞれ20.1、24.2及び27.1nMであった。結腸癌HCC−2988、HCT−116及びKM12細胞系統に対する化合物5dのGI50値は、それぞれ21.3、21.8及び23.7nMである。CNS SF−295,SF−539,SNB−19及びSNB−75細胞系統に対する化合物5bのGI50値は、14.1〜33.5nMの範囲にある。卵巣癌細胞パネルの4種類の癌細胞系統(OVCAR−4、OVCAR−5、OVCAR−8及びSK−OV−3)が、化合物5dによる影響を受け、GI50値は、それぞれ21.6,23.7,29.6及び69.8nMである。この試験化合物では、
化合物5bは、9つの癌細胞パネルの56の細胞系統に対する活性を示し、GI50値が<10μMである。化合物5dは、9つの癌細胞パネルの57種類の細胞系統に対する活性を示し、GI50値が<10μMである。選択された癌細胞系統の化合物5b及び5dのインビトロでの細胞毒性を表2に示した。化合物5b及び5dの各癌パネルの平均GI50値を表2(Table3)に示した。
Figure 2011515459
5b及び5dについてのlog10TGI及びlog10LC50及びlog10GI50の平均グラフ中間点の値は、表1にリストしている。平均グラフパターンによって実証されたように、5b及び5dの化合物は、様々な細胞株についての活性及び選択性の興味深いプロファイルを示す。log10TGI及びlog10LC50の平均のグラフ中間点は、log10GI50平均グラフ中間点と類似のパターン示した。
Figure 2011515459
新規なC8で結合されるベンゾフェノンピペラジンPBDハイブリッドのDNA結合能
熱変性試験
化合物には、報告された手順の修飾を用い、二本鎖仔ウシ胸腺DNA(CT−DNA)を対象にして熱変性試験を実施した。CT−DNA(リン酸塩で100nm)及びPBD(20nm)を含有する水性緩衝液(10mM NaH2PO4/Na2HPO4、1mM Na2EDTA、pH7.00+0.01)の希釈標準溶液を、DMSOに濃縮したPBD溶液を添加して調製し、[PBD]/[DNA]の一定モル比1:5を得た。DNA−PBD溶液を、分析前の0時間及び18時間37℃でインキュベートした。高性能温度調節器を備えたBeckman DU−800分光光度計を使用し、試料を260nmで監視し、40〜110℃の範囲で1℃/分(min-1)で加熱した。DNAのヘリックス→コイル転移温度(Tm)を、d(A260)/dTの微分プロットの最大値から得た。DNAの融解挙動における薬物誘導変質は、ΔTm=Tm(DNA+PBD)−Tm(DNA単独)によって得られ、PBDを含まない(PBD−free)CT−DNAのTm値は68.5±0.01である。使用される[PBD]/[DNA]の固定比は、検討されるいずれの化合物に対する宿主のDNA2本鎖の結合飽和をもたらすものではなかった。
このような新規のC8で結合されるベンゾフェノンピペラジンPBDハイブリッドのDNA結合能(DNA−binding)は、仔ウシ胸腺(CT)DNAを用いた熱変性試験で検討した。融解試験では、このような化合物が、pH7.0で、37℃でインキュベートされ、PBD/DNAモル比が1:5のCT−DNA二本鎖に対して、熱ヘリックス→コイル(thermal helix→coil)安定性又は溶融安定性(ΔTm)を一定に保つことを示した。興味深いことに、このアッセイでは、ベンゾフェノンピペラジンPBDハイブリッド(5c)の1つが、37℃で18時間インキュベーションした後にCT−DNAのヘリックス融解温度を9.6℃上昇させた。比較用に、5a−e及びDC−81に関するデータを表4に挙げる。
Figure 2011515459
apH7.00±0.01でCT−DNA単独では、Tm=68.5℃±0.01(10回の分離測定の平均値)であり、全ΔTm値が±0.1〜0.2℃である。
b[PBD]/[DNA]のモル比1:5に対して、リン酸ナトリウム緩衝水溶液[リン酸ナトリウム10mM+EDTA1mM,pH7.00±0.01]中のCT−DNA濃度=100μMであり、リガンド濃度=20μMである。
c[PBD]:[DNA]のモル比が1:5のPBDハイブリッドのΔTmは、18時間インキュベーション後にそれぞれ9.3℃、9.5℃、9.6℃、9.5℃及び9.0℃の値に増大した。
利点
本発明は、抗腫瘍剤としての新規なピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドを提供。
合成された新規なC8で結合されるベンゾフェノンピペラジンPBDハイブリッドは、有意なDNA結合能を示し、60のヒト腫瘍細胞系統に対して細胞毒性活性を示した。このようなハイブリッドのうち幾つかが、有望なDNA結合能(DNA−binding)を示し、なかでも化合物5cは高いDNA結合能(9.6℃)を示す。

Claims (22)

  1. 以下の一般式5a−e、
    Figure 2011515459
    で示される新規のベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッド。
  2. 以下の化合物、
    7−メトキシ−8−[3−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]プロピルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5a)、
    7−メトキシ−8−[4−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ブチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5b)、
    7−メトキシ−8−[5−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ペンチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5c)、
    7−メトキシ−8−[6−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ヘキシルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5d)、
    7−メトキシ−8−[8−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]オクチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5e)、
    の群によって表される、請求項1に記載のベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッド。
  3. 代表的な化合物の構造式が、次式、
    Figure 2011515459
    で示される、請求項1に記載のベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッド。
  4. 肺(Hop−62)、子宮頚部(SiHa)、乳房(MCF7、Zr−75−1)、結腸(Colo205)、前立腺(DU145、PC3)及び口腔(DWD、HT1080)の細胞系統から成る群から選択されるヒト癌細胞系統に対するインビトロでの抗癌活性/抗腫瘍活性を示す、請求項1に記載のベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッド。
  5. Colo205に対するインビトロでの活性に使用される化合物のIC50を示す濃度が、少なくとも48時間の曝露時間で13〜80μmの範囲にある、請求項1に記載のベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッド。
  6. DU145に対するインビトロでの活性に使用される化合物のIC50を示す濃度が、少なくとも48時間の曝露時間で12〜80μmの範囲にある、請求項1に記載のベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッド。
  7. DWDに対するインビトロでの活性に使用される化合物のIC50を示す濃度が、少なくとも48時間の曝露時間で8〜80μmの範囲にある、請求項1に記載のベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッド。
  8. HoP62に対するインビトロでの活性に使用される化合物のIC50を示す濃度が、少なくとも48時間の曝露時間で11〜40μmの範囲にある、請求項1に記載のベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッド。
  9. HT1080に対するインビトロでの活性に使用される化合物のIC50を示す濃度が、少なくとも48時間の曝露時間で14〜30μmの範囲にある、請求項1に記載のベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッド。
  10. MCF7に対するインビトロでの活性に使用される化合物のIC50を示す濃度が、少なくとも48時間の曝露時間で22〜約80μmの範囲にある、請求項1に記載のベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッド。
  11. PC3に対するインビトロでの活性に使用される化合物のIC50を示す濃度が、少なくとも48時間の曝露時間で28〜約80μmの範囲にある、請求項1に記載のベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッド。
  12. SiHaに対するインビトロでの活性に使用される化合物のIC50を示す濃度が、少なくとも48時間の曝露時間で36〜約80μmの範囲にある、請求項1に記載のベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッド。
  13. Zr−75−1に対するインビトロでの活性に使用される化合物のIC50を示す濃度が、少なくとも48時間の曝露時間で29〜約80μmの範囲にある、請求項1に記載のベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッド。
  14. ベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリット、その誘導体、類似体、塩又は、任意に薬学的に許容可能な担体、補助剤、添加物とのそれらの混合物を含む薬学的組成物。
  15. 使用されるベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドが、一般式5a−e、
    Figure 2011515459
    によって表される、請求項14に記載の薬学的組成物。
  16. 以下の式5a−e、
    Figure 2011515459
    で示されるベンゾフェノン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドを調製する方法であって、以下の工程、
    a)K2CO3の存在中、有機溶媒中において、還流温度下で、式1、
    Figure 2011515459
    で示される(2S)−N−[4−(n−ブロモアルキル)オキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル)]ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタールを、式2、
    Figure 2011515459
    で示される化合物から選択されるピペラジノベンゾフェノン誘導体と反応させて、ニトロ化合物である式3a−e、
    Figure 2011515459
    で示される2S−N−[4−{n−(N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]アルキル)オキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタールを得る工程、
    b)式3a−eの(2S)−N−[4−{n−(N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]アルキル)オキシ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタールを、アルコール中、還流下で、SnCl2・2H2Oで還元し、アルコールを蒸発させ、続いて、塩基により得られた生成物相のpHを約8に調整し、続いて、酢酸エチルで抽出し、塩類溶液で合わせた有機相を洗浄し、溶媒を蒸発させて、式4a−e、
    Figure 2011515459
    で示される所望の2S−N−[4−{n−(N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]アルキル)オキシ−5−メトキシ−2−アミノベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタールを得る工程、
    c)式4の(2S)−N−[4−{n−(N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジンアセトアミド]アルキル)オキシ−5−メトキシ−2−アミノベンゾイル}ピロリジン−2−カルボキサルデヒドジエチルチオアセタールを、水と有機溶媒との混合物で、穏和な無機塩基の存在中、約20〜30℃で8〜12時間の攪拌下で塩化第二水銀と反応させ、続いて、黄色の有機上清を抽出し、重炭酸ナトリウム及び塩類でそれぞれで洗浄し、減圧下で有機相を蒸発させ、カラムクロマトグラフィで更に精製して所望の生成物である式5a−eのベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドを得る工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  17. 工程(a)において使用した無機塩基が、炭酸カリウムである、請求項16に記載の方法。
  18. 工程(a)において使用した非プロトン性有機溶媒が、アセトン及びアセトニトリルである、請求項16に記載の方法。
  19. 工程(c)において使用した有機溶媒が、アセトン及びアセトニトリルである、請求項16に記載の方法。
  20. 工程(b)において使用したアルコールが、メタノール及びエタノールである請求項16に記載の方法。
  21. 得られる式5a−eの化合物が、以下の化合物の群、
    7−メトキシ−8−[3−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]プロピルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5a)、
    7−メトキシ−8−[4−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ブチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5b)、
    7−メトキシ−8−[5−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ペンチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5c)、
    7−メトキシ−8−[6−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]ヘキシルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5d)、
    7−メトキシ−8−[8−{N1−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2−ピペラジノアセトアミド]オクチルオキシ}−(11aS)−1,2,3,11a−テトラヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン(5e)、
    によって表される、請求項16に記載の方法。
  22. 式5a−eのベンゾフェノンピペラジン結合ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンハイブリッドは、肺、子宮頚部、乳房、結腸、前立腺及び口腔の細胞系統から成る群から選択されるヒト癌細胞系統に対するインビトロでの抗癌活性/抗腫瘍活性を示す、請求項16に記載の方法。
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