JP4690315B2 - 布製面ファスナー - Google Patents

布製面ファスナー Download PDF

Info

Publication number
JP4690315B2
JP4690315B2 JP2006514710A JP2006514710A JP4690315B2 JP 4690315 B2 JP4690315 B2 JP 4690315B2 JP 2006514710 A JP2006514710 A JP 2006514710A JP 2006514710 A JP2006514710 A JP 2006514710A JP 4690315 B2 JP4690315 B2 JP 4690315B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
weft
hook
pile
ground
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006514710A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2005122817A1 (ja
Inventor
志年 東中
均 中塚
俊幸 勝木
和彦 田中
裕 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Fastening Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Fastening Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Fastening Co Ltd filed Critical Kuraray Fastening Co Ltd
Priority to JP2006514710A priority Critical patent/JP4690315B2/ja
Publication of JPWO2005122817A1 publication Critical patent/JPWO2005122817A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4690315B2 publication Critical patent/JP4690315B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A44HABERDASHERY; JEWELLERY
    • A44BBUTTONS, PINS, BUCKLES, SLIDE FASTENERS, OR THE LIKE
    • A44B18/00Fasteners of the touch-and-close type; Making such fasteners
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A44HABERDASHERY; JEWELLERY
    • A44BBUTTONS, PINS, BUCKLES, SLIDE FASTENERS, OR THE LIKE
    • A44B18/00Fasteners of the touch-and-close type; Making such fasteners
    • A44B18/0023Woven or knitted fasteners
    • DTEXTILES; PAPER
    • D03WEAVING
    • D03DWOVEN FABRICS; METHODS OF WEAVING; LOOMS
    • D03D27/00Woven pile fabrics
    • DTEXTILES; PAPER
    • D10INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
    • D10BINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
    • D10B2501/00Wearing apparel
    • D10B2501/06Details of garments
    • D10B2501/063Fasteners
    • D10B2501/0632Fasteners of the touch-and-close type
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T24/00Buckles, buttons, clasps, etc.
    • Y10T24/27Buckles, buttons, clasps, etc. including readily dissociable fastener having numerous, protruding, unitary filaments randomly interlocking with, and simultaneously moving towards, mating structure [e.g., hook-loop type fastener]
    • Y10T24/2733Buckles, buttons, clasps, etc. including readily dissociable fastener having numerous, protruding, unitary filaments randomly interlocking with, and simultaneously moving towards, mating structure [e.g., hook-loop type fastener] having filaments formed from continuous element interwoven or knitted into distinct, mounting surface fabric
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/23907Pile or nap type surface or component
    • Y10T428/23986With coating, impregnation, or bond
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/23907Pile or nap type surface or component
    • Y10T428/23993Composition of pile or adhesive
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/24Structurally defined web or sheet [e.g., overall dimension, etc.]
    • Y10T428/24008Structurally defined web or sheet [e.g., overall dimension, etc.] including fastener for attaching to external surface

Description

本発明は面ファスナーに関し、さらに詳しくは基布を構成する繊維と係合素子を構成する繊維とが収縮、強固に融着固定されてなる布製の面ファスナー及びその製造方法に関する。
繊維を製織または製編した基布の一面にフック状係合素子またはループ状係合素子(以下、係合素子と略称する場合がある)を立設した面ファスナーは、布製の面ファスナーとして広く使用されている。このような布製面ファスナーは、通常、強度、弾性、変形回復性などの点から、主として、ポリアミド系繊維またはポリエステル系繊維を布製面ファスナーの基布および係合素子を構成する繊維として織編成して作製される。かかる布製の面ファスナーは、係合素子を構成している繊維の固定が適正になされていないと、所望の性能を発揮することができない。
この問題を解決するために、通常、布製の面ファスナーは係合素子を有しない面、すなわち面ファスナーの裏面にバックコート剤と呼ばれる種々の接着剤層(又はバックコート層)、代表的にはポリウレタン層を設け、これにより基布の繊維と係合素子の繊維とを固定している。
しかし、従来の接着剤層を設けた面ファスナーは、柔軟性を失って剛直になり、風合いが低下する欠点がある。さらに、洗濯やアイロンがけなど使用時の処理によって接着剤が劣化することにより、繊維の固定力が次第に低下し、面ファスナーの係合機能が低下する。
また、布製面ファスナーは用途に応じて所望の色に染色されて使用される場合が多いが、従来のポリウレタンバックコート剤を付与した布製面ファスナーは、ポリウレタンが難染色性であるため、分散染料で染色した場合でも堅牢度が低く、染料を放出して他の繊維製品を汚染する。そのため、染色性の良好なポリアミド系繊維またはポリエステル系繊維だけを染色し、その後にポリウレタンバックコート剤を付与し、ポリウレタン層を染色せずに作製した面ファスナーが広く製造されている。しかし、このような製造方法では、所望の色の面ファスナーを得るまでの工程が長く、製品の供給効率が低い。そこで、接着剤層を有しない面ファスナーが提案されている。
例えば、特開平1−250434号公報(特許文献1)には、部分的に溶融温度の低い熱可塑性結合材料で構成された結合用ヤーンを含むバッキング材に、パイルヤーン(パイル糸)が編み込まれたシート材料であって、結合用ヤーンの融着によって繊維が接合されている面ファスナー用シート材料が開示されている。この文献では、結合用ヤーンとして、高融点成分からなるマルチフィラメント糸と低融点成分からなるモノフィラメント糸とを合糸した混繊繊維や、鞘成分が低融点成分である芯鞘型複合繊維などが挙げられている。具体的には、結合用ヤーンとして、低融点のポリアミドモノフィラメントやポリエステルモノフィラメントと高融点のポリアミドマルチフィラメントやポリエステルマルチフィラメントとの合撚糸、あるいは高融点ポリエステルマルチフィラメントとその外周やフィラメント間に充填された低融点エチレン−酢酸ビニル共重合体とで構成されたヤーンなどが使用されている。また、パイル糸としては、ポリアミド66で構成されたモノフィラメント又はマルチフィラメントや、ポリプロピレンで構成されたモノフィラメントが使用されている。
また、特開平5−115312号公報(特許文献2)には、鞘成分に低融点高分子を配した芯鞘型複合繊維をグランド部(基布)に用い、前記複合繊維の低融点成分を融着させることにより繊維が接合された布製面ファスナーが開示されている。この文献には、芯鞘型複合繊維として、低融点のポリエステル共重合体を鞘成分とし、高融点のポリエステルやポリアミド6などを芯成分とする複合繊維が記載されている。さらに、パイル糸としては、具体的に、ポリアミド6フィラメントを使用され、このパイル糸を起毛させて、面ファスナーのループ部を形成している。
しかし、これらの面ファスナーは、バインダー繊維と、面ファスナーの係合素子を形成するパイル繊維とがある程度は融着されているものの、基布繊維の融着は十分でなく、長期間の使用には耐えられない。
特開平1−250434号公報(請求項1及び2、実施例) 特開平5−115312号公報(請求項1、実施例)
従って、本発明の目的は、生産性が高く、長期間使用してもファスナー機能を損なうことなく、安定な布製面ファスナーを提供することにある。
本発明の他の目的は、バックコート層を有することなく、柔軟性、耐久性、染色性に優れた布製面ファスナーを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、柔軟性、耐久性、染色性に優れた布製面ファスナーを簡便に製造することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討した結果、面ファスナーを構成するパイル糸を強固に固定するためには、バインダー繊維の融着だけでなく、地組織の繊維に適度な熱収縮特性をもたせることが必要であり、さらに地組織の熱収縮とバインダー繊維の融着を併用することによって、優れた基布融着面ファスナーが得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の面ファスナーは、地経糸(α1)、バインダー繊維を含む地緯糸(α2)及びパイル糸(α3)で構成されている面ファスナーであって、地緯糸(α2)を構成するバインダー繊維の融着によってパイル糸(α3)が固定され、かつ下記(i)〜(iv)の条件を満足する。
(i)地経糸(α1)、地緯糸(α2)及びパイル糸(α3)がポリエステル系繊維で構成されるとともに、地経糸(α1)と地緯糸(α2)との割合(質量比)が、α1/α2=40/60〜80/20であり、かつ地経糸(α1)及び地緯糸(α2)の合計量とパイル糸(α3)との割合(質量比)が、(α1+α2)/α3=90/10〜50/50であること
(ii)パイル糸(α3)の融着点間距離Lが0.3〜0.7mmであること
(iii)パイル糸(α3)に隣接する地経糸(α1)と地緯糸(α2)とによって形成される1マス間の隙間の面積が0〜100μm2であり、かつパイル糸(α3)の引き抜き強力が1kg/本以上であること
(iv)地経糸(α1)のカバーファクター(K1)及び地緯糸(α2)のカバーファクター(K2)が下記式を満足すること
28≦K1≦38
10≦K2≦18
1.56≦(K1/K2)≦3.8
この面ファスナーにおいて、地経糸(α1)、地緯糸(α2)及びパイル糸(α3)が芳香族ポリエステル系繊維で構成され、かつ地緯糸(α2)に含まれるバインダー繊維が非晶性ポリエステル系繊維で構成されていてもよい。さらに、地緯糸(α2)を構成するバインダー繊維が、融点160℃以上のポリエステルを芯成分とし、非晶性ポリエステルを鞘成分とする芯鞘型複合繊維であって、芯鞘比率(質量比)が、芯/鞘=75/25〜30/70程度であってもよい。
本発明には、下記(1)及び(2)の条件を満足する地経糸(α1)、地緯糸(α2)及びパイル糸(α3)を用いて形成された織物を熱処理し、バインダー繊維を含む地緯糸(α2)を溶融してパイル糸(α3)を固定する前記面ファスナーの製造方法も含まれる。
(1)α1の熱ピーク応力≧0.07cN/dtex
α2の熱ピーク応力≧0.20cN/dtex
α3の熱ピーク応力≧0.10cN/dtex
(2) 4%≦180℃におけるα1の乾熱収縮率≦20%
13%≦180℃におけるα2の乾熱収縮率≦30%
10%≦180℃におけるα3の乾熱収縮率≦30%
前記製造方法において、地経糸(α1)の熱ピーク応力と地緯糸(α2)の熱ピーク応力との比率が、α1の熱ピーク応力/α2の熱ピーク応力=1/0.5〜1/5程度であり、かつパイル糸(α3)の熱ピーク応力と地緯糸(α2)の熱ピーク応力との比率が、α3の熱ピーク応力/α2の熱ピーク応力=1/0.5〜1/4程度であるとともに、180℃における地経糸(α1)の乾熱収縮率と、180℃における地緯糸(α2)の乾熱収縮率との比率が、α1の乾熱収縮率/α2の乾熱収縮率=1/0.5〜1/7程度であり、かつ180℃におけるパイル糸(α3)の乾熱収縮率と、180℃における地緯糸(α2)の乾熱収縮率との比率が、α3の乾熱収縮率/α2の乾熱収縮率=1/0.5〜1/5程度であってもよい。
本発明の面ファスナーは、生産性が高く、長期間使用しても安定である。しかも、バックコート層(バックコート剤)を有することなく、柔軟性、耐久性、染色性に優れている。さらに、本発明では、このような優れた面ファスナーを簡便に製造できる。
すなわち、本発明では、基布の地緯糸が収縮溶融し、基布の地経糸繊維と係合素子のパイル糸繊維の両方を収縮融着固定するためにバックコート剤が実質的に必要なく、染色は面ファスナー製造のほぼ最終工程または製造後に行うことができるため、少量の面ファスナーを多種類の色に容易に染色できる。
また、本発明の面ファスナーは、基布糸、パイル糸に特定の同種又は同系統の繊維素材を用い、かつ特定の織密度に調整することにより、係合素子の引抜き強力が1kg/本以上の性能を有し、かつ良好な染色特性を示し、風合い面でも優れている。
さらに、本発明の面ファスナーは単一素材からなるため、面ファスナーの廃棄時に、サーマルリサイクルの他にもマテリアルリサイクルを可能とするものである。
発明の詳細な説明
本発明の面ファスナーは、織成された基布とフック状又はループ状係合素子とで構成された布製面ファスナーであり、具体的には、地経糸(α1)、バインダー繊維を含む地緯糸(α2)及びパイル糸(α3)で構成されている。
[地経糸(α1)]
本発明では、地経糸(α1)を構成する繊維として、機械的特性(強度、弾性、変形回復性など)や柔軟性などの点から、ポリエステル系繊維が用いられる。ポリエステル系繊維を構成するポリエステル系樹脂には、芳香族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂が含まれるが、繊維としては、機械的特性の点から、芳香族ポリエステル系樹脂が好ましく用いられる。芳香族ポリエステル系樹脂は、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸など)と、ジオール成分(エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど)との重縮合などにより得られるホモ又はコポリエステルであってもよい。芳香族ポリエステル系樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリC2-6アルキレンアリレート、ポリ1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどが挙げられる。これらの芳香族ポリエステル系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートなどのポリC2-4アルキレンテレフタレートが汎用される。
なお、地経糸(α1)に、地緯糸(α2)の項で例示するバインダー繊維を含有させてもよいが、基布の性質を大きく変化させない点から、バインダー繊維は基布の地緯糸(α2)のみに使用するのが望ましい。
地経糸(α1)は、通常、長繊維(いわゆるフィラメント糸)が使用される。フィラメント糸はモノフィラメント糸であってもよいが、基布の柔軟性などの点から、マルチフィラメント糸が好ましい。地経糸(α1)の太さ(マルチフィラメント糸の場合は、マルチフィラメント糸の太さ)は、例えば、100〜400dtex、好ましくは110〜350dtex、さらに好ましくは120〜300dtex(特に130〜200dtex)程度である。マルチフィラメントの単繊維繊度は、特に限定されず、例えば、1〜20dtex、好ましくは1.5〜15dtex、さらに好ましくは2〜10dtex程度である。マルチフィラメントの本数は、例えば、10〜100本、好ましくは20〜70本、さらに好ましくは30〜50本程度である。
さらに、本発明では、基布に用いる各糸が、特定の熱ピーク応力値及び乾熱収縮率を有している。地経糸(α1)の熱ピーク応力値は、例えば、0.07cN/dtex以上であり、好ましくは0.07〜0.5cN/dtex、さらに好ましくは0.07〜0.2cN/dtex(特に0.075〜0.15cN/dtex)程度である。熱ピーク応力は、基布として織成したときの糸間の収縮固定力として働き、熱ピーク応力値が小さすぎると収縮時の糸間固定力が低下する。
地経糸(α1)の180℃における乾熱収縮率は、例えば、4〜20%、好ましくは5〜18%、さらに好ましくは5〜15%程度である。乾熱収縮率は、基布として織成した場合、前記熱ピーク応力に依存する。乾熱収縮率が小さすぎると、収縮が少ないため基布が粗くなり固定が困難となる。一方、乾熱収縮率が大きすぎると、収縮は大きいものの、基布にした場合、寸法安定性が低下する。
本発明では、熱ピーク応力値は、熱応力試験機(カネボウエンジニアリング(株)製、MODEL KE−2S)を用いて、昇温速度180秒/300℃にて熱応力曲線の最大収縮応力を測定した値である。また、乾熱収縮率は、JIS L1013に準拠して測定した値である。
[地緯糸(α2)]
地緯糸(α2)は、少なくともバインダー繊維で構成されている。地緯糸を構成する繊維も、繊維間の接着性を向上させる点や、サーマル及びマテリアルサイクルを可能とする点から、ポリエステル系樹脂で構成されている。このようなポリエステル系樹脂としては、例えば、地経糸(α1)の項で例示されたポリエステル系樹脂が挙げられる。
バインダー繊維としては、熱接着性を有するポリエステル系樹脂(例えば、地経糸やパイル糸のポリエステル系樹脂よりも低融点のポリエステル系樹脂)である限り、特に限定さないが、非晶性ポリエステルが好ましい。非晶性ポリエステルとしては、アルキレンアリレート単位を主成分として含むコポリエステルが挙げられるが、特に、C2-6アルキレンアリレート単位(例えば、C2-4アルキレンテレフタレート単位)を主成分として、他の共重合成分を含むコポリエステルが好ましい。他の共重合成分としては、例えば、ポリC2-4アルキレングリコール、C6-12脂肪族ジカルボン酸、非対称芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。これらのうち、イソフタル酸やフタル酸などの非対称芳香族ジカルボン酸(特にイソフタル酸)が好ましい。他の共重合成分の割合は、対応するモノマー成分中(例えば、他の共重合成分がジカルボン酸成分である場合、全ジカルボン酸成分中)、例えば、15〜60モル%、好ましくは20〜50モル%、さらに好ましくは20〜40モル%程度である。非晶性ポリエステルとしては、具体的には、繊維の物性、品質、繊維化工程の生産性、コストなどの点から、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートなどのイソフタル酸変性ポリC2-4アルキレンテレフタレートが汎用される。
バインダー繊維は、一部に熱接着性成分を有する繊維であってもよく、例えば、芯鞘型複合繊維(特に、非晶性ポリエステルを鞘成分とする芯鞘型複合繊維)であってもよい。このような芯鞘型複合繊維において、鞘成分が前記非晶性ポリエステル(特にイソフタル酸などの非対称性芳香族ジカルボン酸で変性されたポリC2-4アルキレンテレフタレート系樹脂)である場合、芯成分としては、融点160℃以上(例えば、160〜300℃程度)のポリエステルを用いるのが好ましい。融点160℃以上のポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリC2-6アルキレンアリレート系樹脂(特にポリC2-4アルキレンテレフタレート系樹脂)が好ましい。
芯鞘型複合繊維において、芯鞘比率(質量比)は、例えば、芯部/鞘部=90/10〜20/80程度の範囲から選択でき、例えば、80/20〜30/70、好ましくは75/25〜30/70、さらに好ましくは75/25〜50/50程度である。芯部の割合が多すぎると、融着量が少なくなり、布の固定が不十分となり易い。一方、芯部の割合が少なすぎると、融着量が多く、柔軟性が低下し、さらに基布の引裂けが生じ易い。
バインダー繊維として芯鞘型複合繊維を用いると、鞘成分が融着成分として作用し、芯成分が繊維形態を維持するため、面ファスナーの融着処理を行っても、複合繊維の減量、収縮などの変形が少なく、面ファスナーの変形および強度低下などを抑制できる。
地緯糸(α2)にも、通常、長繊維(いわゆるフィラメント糸)が使用される。地緯糸(α2)のフィラメント糸はモノフィラメント糸であってもよいが、基布の柔軟性などの点から、マルチフィラメント糸が好ましい。マルチフィラメント糸は、バインダー繊維単独のマルチフィラメント糸であってもよく、バインダー繊維と他の繊維(例えば、地経糸と同様の繊維など)との混繊糸であってもよい。なお、地緯糸(α2)として、バインダー繊維と他の繊維との混繊糸を使用しても、両者の割合を調整することにより、溶融しても他の繊維が残存し、繊維全体の変形を少なくできるため、芯鞘型複合繊維と同様の効果が得られる。
地緯糸(α2)の太さ(マルチフィラメント糸の場合は、マルチフィラメント糸の太さ)は、例えば、100〜500dtex、好ましくは150〜400dtex、さらに好ましくは200〜400dtex(特に250〜350dtex)程度である。マルチフィラメントの単繊維繊度は、通常の面ファスナーに使用される繊維と同程度であってもよく、例えば、1〜20dtex、好ましくは1.5〜15dtex、さらに好ましくは2〜10dtex程度である。マルチフィラメントの本数は、例えば、10〜200本、好ましくは30〜150本、さらに好ましくは50〜120本程度である。
地緯糸(α2)の熱ピーク応力値は、例えば、0.2cN/dtex以上であり、好ましくは0.2〜1cN/dtex、さらに好ましくは0.2〜0.0.5cN/dtex(特に0.2〜0.4cN/dtex)程度である。熱ピーク応力値が小さすぎると収縮に伴って糸間固定力が低下する。
本発明では、地経糸(α1)の熱ピーク応力と地緯糸(α2)の熱ピーク応力との比率が、特定の範囲にあるのが好ましい。両者の比率は、例えば、α1の熱ピーク応力/α2の熱ピーク応力=1/0.5〜1/5、好ましくは1/0.7〜1/5,さらに好ましくは1/1〜1/4.5程度である。
地緯糸(α2)の180℃における乾熱収縮率は、例えば、13〜30%、好ましくは14〜30%、さらに好ましくは15〜30%程度である。乾熱収縮率は、基布として織成した場合、熱ピーク応力に従う。乾熱収縮率が小さすぎると、熱応力値が小さい場合に基布にした際の収縮が小さくなり、均一な融着固定が困難となる。一方、乾熱収縮率が大きすぎると、寸法安定性が低下する。
地経糸(α1)の180℃における乾熱収縮率と、地緯糸(α2)の180℃における乾熱収縮率との比率も特定の範囲にあるのが好ましい。両者の比率は、例えば、α1の乾熱収縮率/α2の乾熱収縮率=1/0.5〜1/7、好ましくは1/0.7〜1/6、さらに好ましくは1/1〜1/5程度である。両者の比率がこの範囲にあると、地経糸(α1)と地緯糸(α2)とが均一に融着固定されるため、布の柔軟性と耐久性とを向上できる。
地経糸(α1)と地緯糸(α2)との割合(質量比)は、例えば、α1/α2=40/60〜80/20、好ましくは45/55〜75/25、さらに好ましくは50/50〜70/30程度である。地経糸(α1)の割合が少なすぎると、パイル糸の固定が不安定になるとともに、地緯糸(α2)の融着力が多すぎて、柔軟性が低下する。一方、地経糸(α1)の割合が多すぎると、織成が困難になるとともに、地緯糸(α2)の融着力が低下し、パイル糸の固定力が低下する。
[パイル糸(α3)]
パイル糸(α3)は、面ファスナーにおいてループ部又はフック部を形成し、ループ状又はフック状係合素子として用いられる。パイル糸(α3)は、地緯糸(α2)と接触し、かつ地緯糸(α2)を構成するバインダー繊維の融着によって基布に固定される。
パイル糸(α3)を構成する繊維としても、繊維間の接着性、サーマル及びマテリアルリサイクル性を向上させる点から、地経糸(α1)の項で例示されたポリエステル系繊維を使用できる。これらの繊維のうち、パイル糸(α3)も、繊維間の接着性を向上させる点から、少なくとも地緯糸(α2)と同種又は同系統のポリエステル系繊維、特に地経糸(α1)及び地緯糸(α2)と同種又は同系統のポリエステル系繊維で構成されているのが好ましい。すなわち、パイル糸(α3)を構成する繊維としてもポリエステル系繊維、特に芳香族ポリエステル系繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリC2-4アルキレンテレフタレート)が好ましい。
パイル糸は、モノフィラメント糸であってもよく、マルチフィラメント糸であってもよい。通常、パイル糸がフック部を形成する場合、係合強度を保持する点から、モノフィラメント糸が使用され、パイル糸がループ部を形成する場合には、マルチフィラメント糸が使用される。
パイル糸(α3)の太さは、パイル糸をフック状係合素子として使用する場合、モノフィラメントの太さが、例えば、100〜500dtex、好ましくは150〜500dtex、さらに好ましくは200〜450dtex(特に250〜400dtex)程度である。パイル糸をループ状係合素子として使用する場合、マルチフィラメントの太さは、例えば、150〜350dtex、好ましくは170〜320dtex、さらに好ましくは200〜300dtex(特に230〜300dtex)程度である。ループ状係合素子として使用されるパイル糸において、マルチフィラメントの本数は、例えば、5〜20本、好ましくは6〜18本、さらに好ましくは7〜15本程度である。
パイル糸(α3)の熱ピーク応力値は、例えば、0.1cN/dtex以上、好ましくは0.1〜0.5cN/dtex、さらに好ましくは0.1〜0.2cN/dtex程度である。熱ピーク応力値が小さすぎると収縮に伴って糸間固定力が低下する。
本発明では、パイル糸(α3)の熱ピーク応力と地緯糸(α2)の熱ピーク応力との比率は、例えば、α3の熱ピーク応力/α2の熱ピーク応力=1/0.5〜1/4、好ましくは1/0.7〜1/3.5、さらに好ましくは1/1〜1/3程度である。
パイル糸(α3)の180℃における乾熱収縮率は、例えば、10〜30%、好ましくは10〜25%、さらに好ましくは15〜25%程度である。乾熱収縮率が小さすぎると、熱応力値が小さい場合、基布への織成において収縮が小さくなり、均一な融着固定が困難となる。一方、乾熱収縮率が大きすぎると、寸法安定性が低下し、ループ形状やフック形状が不均一となる。
パイル糸(α3)の180℃における乾熱収縮率と、地緯糸(α2)の180℃における乾熱収縮率との比率は、例えば、α3の乾熱収縮率/α2の乾熱収縮率=1/0.5〜1/5、好ましくは1/0.6〜1/4、さらに好ましくは1/0.7〜1/3(特に1/0.8〜1/2)程度である。両者の比率がこの範囲にあると、パイル糸(α3)と地緯糸(α2)とが均一に融着固定されるため、ループ部やフック部の脱落などが抑制されたファスナーが得られる。特に、地経糸(α1)、地緯糸(α2)、パイル糸(α3)ともに、同系統又は同種の樹脂(特にポリエステル系繊維)で構成された繊維を用い、かつ地経糸(α1)及びパイル糸(α3)に対して特定の乾熱収縮率を有するポリエステル系バインダー繊維を地緯糸(α2)として使用することにより、基布の柔軟性と共に係合素子の融着固定が優れた布製面ファスナーを得ることができる。
地経糸(α1)及び地緯糸(α2)の合計量とパイル糸(α3)との割合(質量比)は、例えば、(α1+α2)/α3=90/10〜50/50、好ましくは85/15〜55/45、さらに好ましくは80/20〜60/40程度である。パイル糸(α3)の割合が少なすぎると、係合強度が低下し、パイル糸(α3)の割合が多すぎると、基布密度が粗くなり、係合素子の固定が困難になる。
さらに、面ファスナーを構成する繊維の質量比率は、地経糸(α1)が30〜50%(特に35〜45%)、地緯糸(α2)が20〜40%(特に20〜35%)、パイル糸(α3)が10〜50%(特に20〜40%)程度であってもよい。
[面ファスナー]
本発明の面ファスナーは、このような地経糸(α1)、バインダー繊維を含む地緯糸(α2)、パイル糸(α3)を織成して得られる布製面ファスナーであり、詳しくは、地経糸(α1)及び地緯糸(α2)で構成された基布にパイル糸(α3)で構成された係合素子が形成された面ファスナーである。
なお、前述の如く、面ファスナーの基布をバインダー繊維(低融点ポリエステル系繊維、低融点のポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維など)で融着することは公知であるが、従来のバインダー繊維は面ファスナーの構成繊維の融着が不十分であるか、基布の過度な硬化などのために、実用化される水準に達するものはなく、基布の柔軟性と共に係合素子の融着固定が優れた布製面ファスナーは知られていなかった。
本発明者らは、バインダー繊維を含む地緯糸(以下、バインダー繊維ということがある)とパイル糸との融着について詳細に検討した結果、バインダー繊維を十分な量用いてその溶融温度以上に加熱しても、溶融箇所近傍のパイル糸全体にバインダー樹脂が流入するわけではなく、パイル糸とバインダー繊維との接触部分だけで溶融接着することを知見した。これはバインダー樹脂が溶融しても、その粘度が高いために流動性が低く、接触するパイル糸の一部だけにバインダー樹脂が流れて接着するためと思われる。従って、従来の方法では、パイル糸のバインダー繊維による接着は不完全であり、フック状係合素子用のモノフィラメントであれ、ループ状係合素子用のマルチフィラメントであれ、パイル糸の糸抜けが生じ易い。
これに対して、本発明では、パイル糸(α3)の融着点間距離Lを0.3〜0.7mm(特に0.4〜0.65mm)程度の範囲に調整することにより、パイル糸が糸抜けしない程度に融着固定され、かつバックコート層を有する面ファスナーより柔軟性に優れる面ファスナーを得ることができる。さらに、融着点間距離Lは、フック状係合素子用パイル糸の場合、0.45〜0.65mmの範囲が特に好ましく、ループ状係合素子用パイル糸の場合、0.4〜0.6mmの範囲が特に好ましい。融着点間距離Lが小さすぎると、融着点が多くなるために面ファスナーの柔軟性が低下し、一方、融着点間距離Lが大きすぎるとパイル糸の融着が十分でなく、糸抜けが生じやすくなる。
本発明におけるパイル糸の融着点間距離Lは、面ファスナーをパイル糸の長さ方向に切断し、その顕微鏡写真(例えば、50倍の拡大顕微鏡写真)において、パイル糸の隣接する融着部位の各左端融着点を確定し、その距離を求める。さらに、その測定点を5〜10とし、その平均値をL値とする。
このようなパイル糸のL値は、地糸およびパイル糸の織組織の調整や、パイル糸の緊張度の調整により、所望の値に設定できる。
また、本発明では、パイル糸(α3)に隣接する地経糸(α1)と地緯糸(α2)とによって形成される1マス間の隙間の面積[すなわち、パイル糸と、パイル糸を囲む基布(地経糸及び地緯糸)との隙間の面積]を0〜100μm2に調整することにより、基布の柔軟性と共に係合素子の融着固定が優れた布製面ファスナーを得ることができる。このような1マス間の隙間は、好ましくは0〜80μm2、さらに好ましくは0〜50μm2(特に0〜30μm2)程度である。隙間面積が大きすぎると、バインダー繊維による融着固定力が低下し、その結果、パイル糸の引抜き強力が弱くなり融着固定力不足で繰り返しの係合剥離に耐えることができない。このような隙間面積は、パイル糸の根元を切断し、パイル糸(α3)に隣接する地経糸(α1)と地緯糸(α2)によって形成される1マス間の隙間を走査型電子顕微鏡にて200倍に拡大して測定する。
さらに、本発明の面ファスナーは、パイル糸(α3)の引抜き強力が1kg/本以上であることが必要である。パイル糸(α3)の引抜き強力は、好ましくは1〜10kg/本、さらに好ましくは1〜5kg/本程度である。本発明で、引き抜き強力は、パイル糸がフック用のモノフィラメントである場合は、モノフィラメントの引き抜き強力を測定し、パイル糸がループ用のマルチフィラメント糸である場合は、マルチフィラメント糸の引き抜き強力を測定する。なお、本発明においてパイル糸の引抜き強力は、熱処理後のループ状(又はフック状)パイル糸の1ループを基布から引抜くときの抵抗値を示し、その最大値を測定した値である。
本発明の面ファスナーは、織物の粗密度合を表すカバーファクターが特定の範囲にあるのが好ましい。すなわち、地経糸(α1)のカバーファクター(K1)が28〜38(特に30〜36)程度であり、地緯糸(α2)のカバーファクター(K2)が10〜18(特に11〜15)程度であるのが好ましい。地経糸のカバーファクターK1が小さすぎると、経糸密度が粗くなってパイル糸の固定が不安定になり、大きすぎると、経糸密度が密になり織成が困難になる。また、地緯糸のカバーファクターK2が小さすぎると、緯糸密度が粗くなって経糸およびパイル糸の固定が不安定になり、大きすぎると、緯糸密度が密になり織成が困難になる。
さらに、カバーファクターK1とカバーファクターK2との比(K1/K2)は、例えば、1.56〜3.8、好ましくは2〜3.5程度である。K1/K2が小さすぎると、地経糸密度が地緯糸密度より粗くなって、パイル糸の固定が不安定になる。その結果、係合素子密度も粗くなるため、係合させたときの剥離強さが低くなる。一方、K1/K2が大きすぎると、地経糸密度が地緯糸密度より密で織成が困難となり、また稼動効率も低くなる。
本発明では、カバーファクターKは、織物密度(本/インチ)と糸の太さ(繊度)の平方根の積から算出され、K=1/72.9×(加工後の織物密度)×(加工後の糸繊度/1.11)1/2により算出される。
本発明の面ファスナーの目付としては、例えば、100〜500g/m2、程度の範囲から選択でき、好ましくは150〜400g/m2、さらに好ましくは200〜400g/m2程度である。
本発明の面ファスナーにおいて、パイル糸で構成される係合部の形状は、基布から突出し、ループ部とフック部との係合によりファスナーとして機能できれば特に限定されない。通常、ループ状係合素子(ループ部)の形状は環状であり、フック状係合素子(フック部)の形状は鉤状(ループを切断した切欠円状など)又は膨頭状(糸の先端がキノコ型である形状)などである。ループ部の基布上における密度は、例えば、10〜100個/cm2、好ましくは20〜80個/cm2、さらに好ましくは30〜60個/cm2程度である。フック部の基布上における密度は、例えば、20〜200個/cm2、好ましくは40〜160個/cm2、さらに好ましくは60〜120個/cm2程度である。ループ部及びフック部の高さは、それぞれ、例えば、1〜5mm、好ましくは1.3〜4mm、さらに好ましくは1.5〜3mm程度である。
本発明の面ファスナーは、基布の全面に亘ってループ部及びフック部のいずれかが形成されている面ファスナーの他、同一基布上にフック部とループ部とを共存させたいわゆるフック・ループ混在型面ファスナーであってもよい。フック・ループ混在型ファスナーとしては、例えば、特開平5−154009号公報に記載のファスナーなどが挙げられる。
本発明の面ファスナーは、さらに二次加工してもよく、例えば、その裏面に、接着剤、粘着剤などを付与して、対象物に対して容易に接着可能なファスナーとしてもよい。また、本発明の面ファスナーは染色性に優れるため、分散染料などを用いて染色してもよい。
[面ファスナーの製造方法]
本発明の面ファスナーは、前述の熱ピーク応力及び乾熱収縮率を有する地経糸(α1)、地緯糸(α2)及びパイル糸(α3)を用いて形成された織物を熱処理し、バインダー繊維を含む地緯糸(α2)を溶融してパイル糸(α3)を固定することにより製造できる。
地経糸(α1)、地緯糸(α2)及びパイル糸(α3)で構成された織物の製造方法は特に限定されず、慣用の織機を利用できる。本発明では、簡便性の点からその地組織は、平織組織が好ましい。
係合部は、基布上に係合部が立設するようにパイル糸を織成すればよく、ループ部の場合は、慣用の方法で、ループが立設するように織成すればよい。フック部の場合も、慣用の方法により形成できるが、例えば、モノフィラメントからなるループ部の片側側面を切断することにより鉤状のフック部を形成してもよいし、パイル糸の頂部を溶融して膨頭部を形成することによりきのこ型のフック部を形成してもよい。ループ部の切断方法としては、例えば、特開2003−61713号公報に記載の方法などを利用できる。
パイル糸が立設した面ファスナーは、各係合素子の形成および後加工を行う任意の工程で乾熱処理または湿熱処理され、この熱処理により面ファスナーの構成繊維が熱固定される。面ファスナーの製造工程で行われる熱処理温度は、バインダー繊維の融点に応じて、バインダー繊維の融点よりも高く、他の構成繊維の融点よりも低い温度から適宜選択することができる。例えば、バインダー繊維として、ポリエステル系芯鞘型バインダー繊維を用いる場合、通常、160〜250℃(特に180〜230℃)程度であり、必要に応じて過熱蒸気の存在下に熱処理される。その結果、特定の乾熱収縮率を有し、かつバインダー繊維を含む地緯糸(α2)は溶融し、面ファスナーを構成する基布地経糸(α1)及び係合素子を構成するパイル糸(α3)を融着する。このように、本発明では、バインダー繊維の融着により、面ファスナー基布の裏面を接着剤で接着固定することを実質的に省くことができる。バインダー繊維の融着処理は独立工程で行ってもよいし、他の熱処理と同時に行うこともできる。
さらに、本発明の面ファスナーは製造後、常法により分散染料を用い、例えば、100〜150℃(例えば、120〜140℃)程度で、10分〜10時間(例えば、30分〜3時間)程度染色すると、基布および係合素子ともにほぼ同等の色相を有する面ファスナーが得られる。この面ファスナーは、しわや変形等の問題も無く、摩擦による染料移行、洗濯による色落ちなどもない。なお、染色温度が面ファスナー製造の熱固定温度より高いと、繊維の固定効果が減少し繊維伸度などが変化したり、織り組織が変化して面ファスナーの性能を阻害する場合があるので、熱固定温度より低い温度で染色することが好ましい。また、係合素子用パイル糸が、熱処理する時点でまだ係合素子を形成していない場合には、熱処理後または染色後のいずれかの時点で、係合素子用パイル糸の側面を切断したり、あるいはパイル糸の頂部を溶融して膨頭部として、係合素子用パイル糸を係合素子に変換してもよい。
本発明の面ファスナーは、縫製や接着剤による取り付けが容易であるため、衣類、カーテン、幕、旗、幟、絨毯、カーペットなどの布帛類、玩具、日用品、電気器具、家具など、各種分野のファスナーとして利用できる。特に、柔軟性が高く、染色性に優れるため、衣類やカーテンなどの布帛類に対して有効に利用できる。
以下、本発明によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によってなんら制限を受けるものではない。なお、実施例中における%は断りがない限り質量に基づくものである。
実施例1
基布の地経糸(α1)として、ポリエチレンテレフタレート繊維(167dtex、フィラメント数48本(48f))、地緯糸(α2)としてバインダー繊維(芯鞘型ポリエステル繊維、鞘成分:イソフタル酸25モル%共重合ポリエチレンテレフタレート、芯成分:ポリエチレンテレフタレート、芯鞘比率:芯/鞘=75/25、334dtex、96f)、フック用パイル糸(α3)としてポリエチレンテレフタレート繊維(390dtex、1f)を使用して緯糸密度42本/インチにて織成し、次いで、温度185℃で1分間熱処理し、ついでフックカットして面ファスナーを作製した。結果を表1に示す。なお、用いた各糸の熱ピーク応力及び乾熱収縮率も表1に示す。
得られた面ファスナーは、地経糸38%、地緯糸27%、フック用パイル糸35%の質量比で構成されており、前記ファスナーの長さ方向の隣接するパイル糸ループ間で、パイル糸と地緯糸の融着点(交点)は5点であり、パイル糸の融着点間距離Lが0.523mmであった。緯糸密度は47本/インチ、経糸密度は178本/インチ、カバーファクターはK1=35.8、K2=11.8、K1/K2=3.03であった。また、地経糸と地緯糸により形成される1マスの隙間の面積は、10μm2であり、パイル糸の引抜き強力は、1.2kg/本であった。
得られたフック面ファスナーとループ面ファスナー(クラレファスニング(株)製、B27000)との剥離試験を行ったところ、繰返し剥離5000回後(JIS L3416準拠)においてもフック抜けはなかった。また、得られた面ファスナーを常法にて、分散染料を用い、130℃で1時間染色した結果、色相差も無く、均一な外観色相が得られ、変形もなかった。剥離試験(耐久性)の結果について、表1に示す。
実施例2
基布の地経糸(α1)としてポリエチレンテレフタレート繊維(167dtex、48f)、地緯糸(α2)としてバインダー繊維(芯鞘型ポリエステル繊維、鞘成分:イソフタル酸25モル%共重合ポリエチレンテレフタレート、芯成分:ポリエチレンテレフタレート、芯鞘比率:芯/鞘=70/30、334dtex、96f)、ループ用パイル糸(α3)としてポリエチレンテレフタレート繊維(264dtex、10f)を使用して緯糸密度46本/インチにて織成し、次いで温度200℃で1分間熱処理し、本発明の面ファスナーを作製した。結果を表1に示す。なお、用いた各糸の熱ピーク応力及び乾熱収縮率も表1に示す。
得られた面ファスナーは、地経糸40%、地緯糸26%、ループ用パイル糸34%の質量比で構成されており、前記ファスナー長さ方向の隣接するパイル糸ループ間で、パイル糸と地緯糸の融着点(交点)は5点であり、パイル糸の融着点間距離Lが0.460mmであった。緯糸密度は54本/インチ、経糸密度は170本/インチで、カバーファクターはK1=31.6、K2=13.5、K1/K2=2.38であった。また、地経糸と地緯糸により形成される1マスの隙間の面積は、5μm2であり、パイル糸の引抜き強力は、1.1kg/本であった。
得られたループ面ファスナーとフック面ファスナー(クラレファスニング(株)製、A86900)との剥離試験を行ったところ、繰返し剥離5000回後(JIS L3416準拠)においてもループ抜けがなく、毛羽立ちもなかった。また、得られた面ファスナーを常法にて分散染料を用い、130℃で1時間染色した結果、色相差も無く、均一な外観色相が得られ、変形もなかった。
実施例3
地経糸、地緯糸(バインダー繊維)、パイル糸として、表1に示す物性を有する糸を用いる以外は、実施例1と同様にして織成し、次いで温度190℃で1分間熱処理した後、フックカットして面ファスナーを作製した。得られた面ファスナーのパイル糸の融着点間距離Lは0.553mmであり、緯糸密度は47本/インチ、経糸密度は176本/インチ、カバーファクターはK1=34.9、K2=11.7、K1/K2=2.97であった。また、地経糸と地緯糸により形成される1マスの隙間の面積は、15μm2であり、パイル糸の引抜き強力は、1.1kg/本であった。
得られたフック面ファスナーとループ面ファスナー(クラレファスニング(株)製、B27000)との剥離試験を行ったところ、繰返し剥離5000回後(JIS L3416準拠)においてもフック抜けはなかった。
実施例4
地経糸、地緯糸(バインダー繊維)、パイル糸として、表1に示す物性を有する糸を用いる以外は、実施例2と同様にして織成し、次いで温度195℃で1分間熱処理し、面ファスナーを作製した。得られた面ファスナーのパイル糸の融着点間距離Lが0.462mmであった。緯糸密度は54本/インチ、経糸密度は170本/インチ、カバーファクターはK1=31.6、K2=13.5、K1/K2=2.38であった。また、地経糸と地緯糸により形成される1マスの隙間の面積は、10μm2であり、パイル糸の引抜き強力は、1.0kg/本であった。
得られたループ面ファスナーとフック面ファスナー(クラレファスニング(株)製、A86900)との剥離試験を行ったところ、繰返し剥離5000回後(JIS L3416準拠)においてもループ抜けはなく、毛羽立ちはなかった。
実施例5
地経糸、地緯糸(バインダー繊維)、パイル糸として、表1に示す物性を有する糸を用いる以外は、実施例1と同様にして織成し、次いで温度185℃で1分間熱処理した後、フックカットして本発明の面ファスナーを作製した。得られた面ファスナーのパイル糸の融着点間距離Lが0.524mmであり、緯糸密度は47本/インチ、経糸密度は170本/インチ、カバーファクターはK1=35.8、K2=11.8、K1/K2=3.03であった。また、地経糸と地緯糸により形成される1マスの隙間の面積は、10μm2であり、パイル糸の引抜き強力は、1.2kg/本であった。
得られたフック面ファスナーとループ面ファスナー(クラレファスニング(株)製、B27000)との剥離試験を行ったところ、繰返し剥離5000回後(JIS L3416準拠)においてもフック抜けはなかった。
実施例6
地経糸、地緯糸(バインダー繊維)、パイル糸として、表1に示す物性を有する糸を用い、ファスナー長さ方向の隣接するパイル糸ループ間で、パイル糸と地緯糸の融着点(交点)が3点で融着すること以外は、実施例2と同様にして織成し、次いで温度210℃で1分間熱処理し、本発明の面ファスナーを作製した。得られた面ファスナーのパイル糸の融着点間距離Lが0.424mmであった。緯糸密度は57本/インチ、経糸密度は170本/インチ、カバーファクターはK1=34.9、K2=13.5、K1/K2=2.59であった。また、地経糸と地緯糸により形成される1マスの隙間の面積は、5μm2であり、パイル糸の引抜き強力は、1.1kg/本であった。
得られたループ面ファスナーとフック面ファスナー(クラレファスニング(株)製、A86900)との剥離試験を行ったところ、繰返し剥離5000回後(JIS L3416準拠)においてもループ抜けがなく、毛羽立ちもなかった。
比較例1
実施例1と同様の基布地経糸、地緯糸(バインダー繊維)、パイル糸を用いて緯糸密度38本/インチにて織成し、次いで温度185℃で1分間熱処理し後、フックカットして面ファスナーを作製した。得られた面ファスナーのパイル糸の融着点間距離Lが0.621mmであり、緯糸密度は43本/インチ、経糸密度は176本/インチ、カバーファクターはK1=35.7、K2=10.7、K1/K2=3.32であった。また、地経糸と地緯糸により形成される1マスの隙間の面積は、180μm2であり、パイル糸の引抜き強力は、0.6kg/本であった。
得られたフック面ファスナーとループ面ファスナー(クラレファスニング(株)製、B27000)との剥離試験を行ったところ、繰返し剥離2000回後(JIS L3416準拠)でフック抜けがあった。
比較例2
実施例2と同様の基布地経糸、地緯糸(バインダー繊維)、パイル糸を用いて、緯糸密度44本/インチにて織成し、次いで温度185℃で1分間熱処理して面ファスナーを作製した。
得られた面ファスナーのパイル糸の融着点間距離Lが0.561mmであり、緯糸密度は48本/インチ、経糸密度は169本/インチ、カバーファクターはK1=30.6、K2=12.1、K1/K2=2.52であった。また、地経糸と地緯糸により形成される1マスの隙間の面積は、150μm2であり、パイル糸の引抜き強力は、0.5kg/本であった。
得られたループ面ファスナーとフック面ファスナー(クラレファスニング(株)製、A86900)との剥離試験を行ったところ、繰返し剥離2000回後(JIS L3416準拠)で、ループ抜け及び毛羽立ちがあった。
比較例3
基布地経糸、地緯糸(バインダー繊維)、パイル糸として、表1に示す繊維を表1に示す割合で使用する以外は実施例3と同様にして織成し、次いで温度190℃で1分間熱処理した後、フックカットして面ファスナーを作製した。得られた面ファスナーのパイル糸の融着点間距離Lは0.722mmであり、緯糸密度は47本/インチ、経糸密度は176本/インチ、カバーファクターはK1=35.2、K2=8.3、K1/K2=4.25であった。また、地経糸と地緯糸により形成される1マスの隙間の面積は、200μm2であり、パイル糸の引抜き強力は、0.8kg/本であった。
得られたフック面ファスナーとループ面ファスナー(クラレファスニング(株)製、B27000)との剥離試験を行ったところ、繰返し剥離2000回後(JIS L3416準拠)でフック抜けがあった。
比較例4
基布地経糸、地緯糸(バインダー繊維)、パイル糸として、表1に示す繊維を表1に示す割合で使用した以外は実施例4と同様にして織成し、次いで、温度200℃で1分間熱処理し、面ファスナーを作製した。得られた面ファスナーのパイル糸の融着点間距離Lが0.640mmであり、緯糸密度は55本/インチ、経糸密度は170本/インチ、カバーファクターはK1=32.2、K2=9.6、K1/K2=3.35であった。また、地経糸と地緯糸により形成される1マスの隙間の面積は、170μm2であり、パイル糸の引抜き強力は、0.7kg/本であった。
得られたループ面ファスナーとフック面ファスナー(クラレファスニング(株)製、A86900)との剥離試験を行ったところ、繰返し剥離2000回後(JIS L3416準拠)で、ループ抜け及び毛羽立ちがあった。
比較例5
基布緯糸の太さを110dtexとする以外は比較例4と同様にして、パイル糸の融着点間距離Lを0.28mmになるように織成を試みたが、筬打ち部で基布がダブつき織成できなかった。
比較例6
基布緯糸として表1に示す物性を有するバインダー繊維(芯鞘型ポリエステル繊維、鞘成分:イソフタル酸55モル%共重合ポリエチレンテレフタレート/芯成分、ポリエチレンテレフタレート、芯鞘比率:芯/鞘=25/75、334dtex、96f)を用いたこと以外は実施例5と同様にして織成し、次いで温度190℃で1分間熱処理した後、フックカットして面ファスナーを作製した。得られた面ファスナーのパイル糸の融着点間距離Lが0.598mmであり、緯糸密度は46本/インチ、経糸密度は165本/インチ、カバーファクターはK1=33.1、K2=11.2、K1/K2=2.95であった。また、地経糸と地緯糸により形成される1マスの隙間の面積は、150μm2であり、パイル糸の引抜き強力は、0.7kg/本であった。
得られたフック面ファスナーとループ面ファスナー(クラレファスニング(株)製、B27000)との剥離試験を行ったところ、繰返し剥離2000回後(JIS L3416準拠)でフック抜けがあった。
比較例7
基布緯糸として表1に示す物性を有するバインダー繊維(芯鞘型ポリエステル繊維、鞘成分:イソフタル酸55モル%共重合ポリエチレンテレフタレート、芯成分:ポリエチレンテレフタレート、芯鞘比率:芯/鞘=25/75、334dtex、96f)を用いたこと以外は実施例6と同様にして織成し、次いで温度195℃で1分間熱処理し、面ファスナーを作製した。得られた面ファスナーのパイル糸の融着点間距離Lが0.545mmであり、緯糸密度は52本/インチ、経糸密度は160本/インチ、カバーファクターはK1=29.9、K2=12.8、K1/K2=2.34であった。また、地経糸と地緯糸により形成される1マスの隙間の面積は、130μm2であり、パイル糸の引抜き強力は、0.6kg/本であった。
得られたループ面ファスナーとフック面ファスナー(クラレファスニング(株)製、A86900)との剥離試験を行ったところ、繰返し剥離2000回後(JIS L3416準拠)で、ループ抜け及び毛羽立ちがあった。
Figure 0004690315
表1の結果から明らかなように、実施例の面ファスナーは、外観が良好であり、剥離試験に対する耐久性も優れていた。これに対して、比較例5では、面ファスナーを織成することができず、他の比較例の面ファスナーも耐久性が低い。

Claims (5)

  1. 地経糸(α1)、バインダー繊維を含む地緯糸(α2)及びパイル糸(α3)で構成されている面ファスナーであって、地緯糸(α2)を構成するバインダー繊維の融着によってパイル糸(α3)が固定され、かつ下記(i)〜(iv)の条件を満足する面ファスナー。
    (i)地経糸(α1)、地緯糸(α2)及びパイル糸(α3)がポリエステル系繊維で構成されるとともに、地経糸(α1)と地緯糸(α2)との割合(質量比)が、α1/α2=40/60〜80/20であり、かつ地経糸(α1)及び地緯糸(α2)の合計量とパイル糸(α3)との割合(質量比)が、(α1+α2)/α3=90/10〜50/50であること
    (ii)パイル糸(α3)の融着点間距離Lが0.3〜0.7mmであること
    (iii)パイル糸(α3)に隣接する地経糸(α1)と地緯糸(α2)とによって形成される1マス間の隙間の面積が0〜100μm2であり、かつパイル糸(α3)の引き抜き強力が1kg/本以上であること
    (iv)地経糸(α1)のカバーファクター(K1)及び地緯糸(α2)のカバーファクター(K2)が下記式を満足すること
    28≦K1≦38
    10≦K2≦18
    1.56≦(K1/K2)≦3.8
  2. 地経糸(α1)、地緯糸(α2)及びパイル糸(α3)が芳香族ポリエステル系繊維で構成され、かつ地緯糸(α2)に含まれるバインダー繊維が非晶性ポリエステル系繊維で構成されている請求項1記載の面ファスナー。
  3. 地緯糸(α2)を構成するバインダー繊維が、融点160℃以上のポリエステルを芯成分とし、非晶性ポリエステルを鞘成分とする芯鞘型複合繊維であって、芯鞘比率(質量比)が、芯/鞘=75/25〜30/70である請求項1記載の面ファスナー。
  4. 下記(1)及び(2)の条件を満足する地経糸(α1)、地緯糸(α2)及びパイル糸(α3)を用いて形成された織物を熱処理し、バインダー繊維を含む地緯糸(α2)を溶融してパイル糸(α3)を固定する請求項1記載の面ファスナーの製造方法。
    (1)α1の熱ピーク応力≧0.07cN/dtex
    α2の熱ピーク応力≧0.20cN/dtex
    α3の熱ピーク応力≧0.10cN/dtex
    (2) 4%≦180℃におけるα1の乾熱収縮率≦20%
    13%≦180℃におけるα2の乾熱収縮率≦30%
    10%≦180℃におけるα3の乾熱収縮率≦30%
  5. 地経糸(α1)の熱ピーク応力と地緯糸(α2)の熱ピーク応力との比率が、α1の熱ピーク応力/α2の熱ピーク応力=1/0.5〜1/5であり、かつパイル糸(α3)の熱ピーク応力と地緯糸(α2)の熱ピーク応力との比率が、α3の熱ピーク応力/α2の熱ピーク応力=1/0.5〜1/4であるとともに、180℃における地経糸(α1)の乾熱収縮率と、180℃における地緯糸(α2)の乾熱収縮率との比率が、α1の乾熱収縮率/α2の乾熱収縮率=1/0.5〜1/7であり、かつ180℃におけるパイル糸(α3)の乾熱収縮率と、180℃における地緯糸(α2)の乾熱収縮率との比率が、α3の乾熱収縮率/α2の乾熱収縮率=1/0.5〜1/5である請求項4記載の製造方法。
JP2006514710A 2004-06-17 2005-06-09 布製面ファスナー Active JP4690315B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006514710A JP4690315B2 (ja) 2004-06-17 2005-06-09 布製面ファスナー

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004179099 2004-06-17
JP2004179099 2004-06-17
JP2006514710A JP4690315B2 (ja) 2004-06-17 2005-06-09 布製面ファスナー
PCT/JP2005/010553 WO2005122817A1 (ja) 2004-06-17 2005-06-09 布製面ファスナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2005122817A1 JPWO2005122817A1 (ja) 2008-04-10
JP4690315B2 true JP4690315B2 (ja) 2011-06-01

Family

ID=35509367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006514710A Active JP4690315B2 (ja) 2004-06-17 2005-06-09 布製面ファスナー

Country Status (9)

Country Link
US (1) US8039083B2 (ja)
EP (1) EP1764009B1 (ja)
JP (1) JP4690315B2 (ja)
KR (1) KR101046896B1 (ja)
CN (1) CN100518568C (ja)
CA (1) CA2567502C (ja)
DE (1) DE602005025350D1 (ja)
TW (1) TWI332391B (ja)
WO (1) WO2005122817A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014155594A (ja) * 2013-02-15 2014-08-28 Kuraray Fastening Co Ltd 髪留め具用織物
JP2015043808A (ja) * 2013-08-27 2015-03-12 クラレファスニング株式会社 布製面ファスナーおよびその製造方法
US9629421B2 (en) 2012-09-28 2017-04-25 Kuraray Fastening Co., Ltd. Fabric surface fastener in which both sides join together

Families Citing this family (33)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5069890B2 (ja) * 2006-06-23 2012-11-07 ユニ・チャーム株式会社 不織布
JP5123512B2 (ja) 2006-06-23 2013-01-23 ユニ・チャーム株式会社 不織布
JP5328089B2 (ja) * 2006-06-23 2013-10-30 ユニ・チャーム株式会社 多層不織布及び多層不織布の製造方法
JP5154048B2 (ja) * 2006-06-23 2013-02-27 ユニ・チャーム株式会社 不織布
JP5123513B2 (ja) * 2006-06-23 2013-01-23 ユニ・チャーム株式会社 吸収体
MY151019A (en) 2006-06-23 2014-03-31 Uni Charm Corp Absorbent article
JP5123505B2 (ja) * 2006-06-23 2013-01-23 ユニ・チャーム株式会社 不織布
JP5328088B2 (ja) * 2006-06-23 2013-10-30 ユニ・チャーム株式会社 不織布
JP5139998B2 (ja) * 2006-11-17 2013-02-06 クラレファスニング株式会社 フック面ファスナー
EP2500455B1 (en) * 2009-11-09 2020-05-06 Kaneka Corporation Pile fabric and process for producing same
JP5846566B2 (ja) * 2010-05-27 2016-01-20 クラレファスニング株式会社 寒冷条件下で高い係合力を発現する面ファスナーの製造方法
KR102117131B1 (ko) 2011-09-28 2020-05-29 구라레파스닝 가부시키가이샤 면 파스너 및 면 파스너용 걸어맞춤 소자의 조합
JP6006731B2 (ja) * 2011-12-14 2016-10-12 クラレファスニング株式会社 位置合わせ機能に優れたループ面ファスナー
JP2014027989A (ja) * 2012-07-31 2014-02-13 Kuraray Fastening Co Ltd 耳部を有する面ファスナー
JP5966195B2 (ja) * 2012-07-31 2016-08-10 クラレファスニング株式会社 布製面ファスナーの組み合わせ
CN103343421B (zh) * 2013-06-14 2015-10-28 3M材料技术(广州)有限公司 织物和包括织物的制品
JP6263779B2 (ja) * 2013-08-27 2018-01-24 クラレファスニング株式会社 布製の面ファスナー
US10786053B2 (en) 2014-06-17 2020-09-29 Apple Inc. Woven material including double layer construction
US10021945B2 (en) 2014-08-11 2018-07-17 Apple Inc. Self-closing buckle mechanism
US10227721B2 (en) 2015-03-06 2019-03-12 Apple Inc. Woven materials and methods of forming woven materials
US9745676B2 (en) 2015-03-06 2017-08-29 Apple Inc. Woven materials having tapered portions
US9938646B2 (en) 2015-03-08 2018-04-10 Apple Inc. Woven band with different stretch regions
JP2018153450A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 クラレファスニング株式会社 高視認性面ファスナー
US11767619B2 (en) * 2017-09-28 2023-09-26 Velcro Ip Holdings Llc Knit fastener loop products
JP7301041B2 (ja) * 2018-03-29 2023-06-30 クラレファスニング株式会社 ポリフェニレンサルファイド繊維からなる繊維製品の染色方法および繊維製品
US11096437B2 (en) 2018-05-29 2021-08-24 Nike, Inc. Micro hook-and-loop closure system
JP7308859B2 (ja) * 2018-10-22 2023-07-14 クラレファスニング株式会社 耐熱性に優れた雄型成形面ファスナー、該雄型成形面ファスナーの製造方法、及び該雄型成形面ファスナーを用いた自動車用内装材の固定方法
EP3881709B1 (en) * 2018-11-14 2024-01-03 Kuraray Fastening Co., Ltd. Fabric touch fastener having hook-shaped engagement elements
JP7299236B2 (ja) * 2018-11-14 2023-06-27 クラレファスニング株式会社 ループ状係合素子を有する面ファスナー及びその製造方法
CN111593463A (zh) * 2020-06-03 2020-08-28 江苏金秋弹性织物有限公司 一种磁疗发热保健魔术贴的加工方法
US20240000198A1 (en) 2020-11-06 2024-01-04 Kuraray Fastening Co., Ltd. Polyester fabric hook-and-loop fastener and manufacturing method for same
WO2023171616A1 (ja) * 2022-03-08 2023-09-14 クラレファスニング株式会社 耳部を有するポリエステル系織物面ファスナー
WO2023210293A1 (ja) * 2022-04-26 2023-11-02 クラレファスニング株式会社 ポリエステル系織面ファスナーおよびその製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01250434A (ja) * 1988-02-23 1989-10-05 Minnesota Mining & Mfg Co <3M> フアスナーの構成部分を形成するのに使用されるシート材料
JPH05115312A (ja) * 1991-10-30 1993-05-14 Kanebo Ltd 布製面フアスナーおよびその製造方法
JPH08280418A (ja) * 1995-02-22 1996-10-29 Hoechst Trevira Gmbh & Co Kg 二次成形しうる熱安定化可能な編織布ループパイル材料
JPH11244010A (ja) * 1998-03-06 1999-09-14 Ykk Corp 繊維製面ファスナーとその製造方法
JP2001238708A (ja) * 2000-02-29 2001-09-04 Ykk Corp 面ファスナー
JP2003144208A (ja) * 2001-11-19 2003-05-20 Kuraray Co Ltd 基布融着した布製面ファスナーおよびその染色方法

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3534780A (en) * 1969-03-04 1970-10-20 American Velcro Inc Flash resistant fastening device and method of manufacture
JPH07106164B2 (ja) * 1986-07-30 1995-11-15 株式会社クラレ 雄面ファスナー
US5231738A (en) * 1991-12-12 1993-08-03 Kuraray Co., Ltd. Mixed hook/loop separable fastener and process for its production
JP2559093Y2 (ja) * 1992-05-08 1998-01-14 ワイケイケイ株式会社 面ファスナー
JP2828593B2 (ja) * 1994-04-22 1998-11-25 ワイケイケイ株式会社 厚手基布を有する面ファスナー
GB2313292A (en) * 1996-05-22 1997-11-26 Ykk Europ Ltd Header tape for curtains
GB2325422B (en) * 1997-05-20 2001-09-05 Ykk Europ Ltd Apparatus and method for intermittently coating a tape
BE1012005A3 (nl) * 1997-12-09 2000-04-04 Wiele Michel Van De Nv Werkwijze voor het weven van een poolweefsel met hoge pooldichtheid.
US6202264B1 (en) * 1998-03-06 2001-03-20 Ykk Corporation Surface fastener made of fiber and method for manufacturing the same
ATE267901T1 (de) * 1998-03-25 2004-06-15 Teijin Ltd Polgewebe
US5996189A (en) * 1998-03-30 1999-12-07 Velcro Industries B.V. Woven fastener product
US6443187B1 (en) * 1998-03-30 2002-09-03 Velcro Industries B.V. Aligning woven loop elements to form mounting sleeves
JP3505089B2 (ja) * 1998-08-31 2004-03-08 Ykk株式会社 繊維製面ファスナー
US6386242B1 (en) * 1999-07-30 2002-05-14 Kuraray Co., Ltd. Hook fastener member to minimize damage to loops
US6301755B1 (en) * 1999-12-07 2001-10-16 Faith Gaber Flexible fabric fastener
JP3647357B2 (ja) * 2000-04-28 2005-05-11 Ykk株式会社 面ファスナー
KR100467113B1 (ko) * 2001-01-31 2005-01-24 가부시키가이샤 구라레 수성 수지 조성물 및 이 조성물을 사용한 면상 파스너의제조방법
JP2003245108A (ja) * 2002-02-26 2003-09-02 Kuraray Co Ltd 耐久性に優れたループ面ファスナー
JP3895272B2 (ja) * 2002-12-24 2007-03-22 Ykk株式会社 繊維製面ファスナー
JP2004351106A (ja) * 2003-05-30 2004-12-16 Ykk Corp 繊維製面ファスナー及びその製造方法
US20050081341A1 (en) * 2003-10-15 2005-04-21 Mcdougall William B.S. Woven touch fastener products
JP4171450B2 (ja) * 2004-07-20 2008-10-22 Ykk株式会社 面ファスナー
JP5139998B2 (ja) * 2006-11-17 2013-02-06 クラレファスニング株式会社 フック面ファスナー

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01250434A (ja) * 1988-02-23 1989-10-05 Minnesota Mining & Mfg Co <3M> フアスナーの構成部分を形成するのに使用されるシート材料
JPH05115312A (ja) * 1991-10-30 1993-05-14 Kanebo Ltd 布製面フアスナーおよびその製造方法
JPH08280418A (ja) * 1995-02-22 1996-10-29 Hoechst Trevira Gmbh & Co Kg 二次成形しうる熱安定化可能な編織布ループパイル材料
JPH11244010A (ja) * 1998-03-06 1999-09-14 Ykk Corp 繊維製面ファスナーとその製造方法
JP2001238708A (ja) * 2000-02-29 2001-09-04 Ykk Corp 面ファスナー
JP2003144208A (ja) * 2001-11-19 2003-05-20 Kuraray Co Ltd 基布融着した布製面ファスナーおよびその染色方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9629421B2 (en) 2012-09-28 2017-04-25 Kuraray Fastening Co., Ltd. Fabric surface fastener in which both sides join together
JP2014155594A (ja) * 2013-02-15 2014-08-28 Kuraray Fastening Co Ltd 髪留め具用織物
JP2015043808A (ja) * 2013-08-27 2015-03-12 クラレファスニング株式会社 布製面ファスナーおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN100518568C (zh) 2009-07-29
EP1764009B1 (en) 2010-12-15
US20080289157A1 (en) 2008-11-27
CN1968616A (zh) 2007-05-23
CA2567502C (en) 2013-01-22
CA2567502A1 (en) 2005-12-29
WO2005122817A1 (ja) 2005-12-29
JPWO2005122817A1 (ja) 2008-04-10
KR101046896B1 (ko) 2011-07-06
EP1764009A1 (en) 2007-03-21
US8039083B2 (en) 2011-10-18
EP1764009A4 (en) 2009-08-12
DE602005025350D1 (de) 2011-01-27
TW200608913A (en) 2006-03-16
TWI332391B (en) 2010-11-01
KR20070024732A (ko) 2007-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4690315B2 (ja) 布製面ファスナー
JP5743154B2 (ja) フック・ループ混在型面ファスナー
JP6265904B2 (ja) 両面係合タイプの布製面ファスナー
WO2007074791A1 (ja) 改良された自己融着ループ面ファスナー
WO2013047098A1 (ja) 面ファスナー及び面ファスナー用係合素子の組み合わせ
JP5966195B2 (ja) 布製面ファスナーの組み合わせ
JP6249330B2 (ja) 同一面にフックとループの両係合素子を有する面ファスナー
JP6318395B2 (ja) 布製面ファスナーおよびその製造方法
JP7301041B2 (ja) ポリフェニレンサルファイド繊維からなる繊維製品の染色方法および繊維製品
JP5916115B2 (ja) 布製面ファスナーの組み合わせ
JP6263779B2 (ja) 布製の面ファスナー
JP7027661B2 (ja) 難燃性の面ファスナー
JP5140017B2 (ja) 耳部ほつれ防止織物
JP4449050B2 (ja) 土木用メッシュシート及びその製造方法
JP4828519B2 (ja) 帯状織物構造体およびその製法
KR100826303B1 (ko) 열접착성과 형태안정성이 우수한 포백 및 이에 사용되는 폴리에스테르 해도형 복합섬유
JPH05115312A (ja) 布製面フアスナーおよびその製造方法
JPH01292139A (ja) パイル抜け防止織物
JP2003144208A (ja) 基布融着した布製面ファスナーおよびその染色方法
JPH07305243A (ja) バインダー繊維含有紡績糸
JPH0921033A (ja) 芯地用布帛

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110208

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4690315

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250