JP5966195B2 - 布製面ファスナーの組み合わせ - Google Patents
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Description
さらにポリアミド系繊維の場合には、熱により繊維の劣化や着色を生じることから、熱融着させる技術では商品価値ある面ファスナーは得られないのに対して、本発明ではこのような問題点も解消できる。
従来から、フック面ファスナーとループ面ファスナーは同一のメーカーにより製造されており、両者は、面ファスナーの組み合わせとしてセットで市販されているが、いずれも、フック状係合素子とループ状係合素子は同一の樹脂からなるものであり、本発明においても同一のPBT系のポリエステルが用いられる。その理由は、フック面ファスナーとループ面ファスナーを取り付ける対象物が通常は同一であることから、フック面ファスナーとループ面ファスナーは同一の染色性を有していることが求められることによる。
ここで言う直径とは、モノフィラメント糸の断面形状を中実の円に換算した場合の直径であり、したがって断面は三角、四角、五画等の多角断面、矩形、楕円形、中空等の異型であっても良い。本発明で規定するフック状係合素子用モノフィラメントの直径は、従来の一般的面ファスナーに用いられているフック状係合素子用モノフィラメントの太さと比べてやや細い。この太さが後述するループ面ファスナー(B)の組み合わせにおいて、高い係合性と柔らかい手触り感をもたらす。好ましくは直径0.15〜0.19mm、より好ましくは直径0.17〜0.185mmのモノフィラメント糸である。
このようなPBT系ポリエステルからなるループ状係合素子用マルチフィラメント糸としては、4〜15本のフィラメントからなるトータルデシテックスが160〜300デシテックスであるマルチフィラメント糸が好ましい。熱融着によりループ状係合素子を基布に強固に固定するためには、ループ状係合素子を構成するフィラメントの本数を少なくする方が溶融樹脂の浸透性の点で好ましく、本発明を構成するループ状係合素子用マルチフィラメントのフィラメント本数は、従来一般に用いられているループ状係合素子を構成するマルチフィラメントのフィラメント本数より若干低いのが好ましい。より好ましくは、4〜12本、もっとも好ましくは6〜10本のフィラメントからなるトータルデシテックスが200〜260デシテックスのマルチフィラメント糸である。なお、本発明において、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸には、PBT系ポリエステルからマルチフィラメント糸に、少数の他のフィラメント糸が引き揃えられていてもよい。
面ファスナーの基布を構成する地経糸および地緯糸、フック状係合素子用モノフィラメント糸、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸として次の糸を用意した。
[地経糸]
・融点260℃のポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント糸
・トータルデシテックスおよびフィラメント本数:167dtexで30本
[地緯糸(芯鞘型複合繊維からなるマルチフィラメント系熱融着糸)]
・芯成分:ポリエチレンテレフタレート(融点:260℃)
・鞘成分:イソフタル酸25モル%共重合ポリエチレンテレフタレート
(軟化点:180℃)
・芯鞘比率(重量比): 70:30
・トータルデシテックスおよびフィラメント本数:110dtexで24本
・200℃での乾熱収縮率:18%
・ポリブチレンテレフタレート繊維(融点:220℃)
・繊度:330dtex(直径:0.18mm)
[ループ状係合素子用マルチフィラメント糸]
・ポリブチレンテレフタレート繊維(融点:220℃)
・トータルデシテックスおよびフィラメント本数:265dtexで7本
[フック面ファスナー(A)]
上記地経糸、地緯糸およびフック状係合素子用モノフィラメントを用いて、織組織として平織を用い、織密度(熱収縮処理後)が地経糸55本/cm、地緯糸20本/cmとなるように織った。そして、地経糸4本に1本の割合でフック状係合素子用モノフィラメント糸を地経糸に平行に打ち込み、地緯糸3本を浮沈したのちに地経糸3本をまたぐようにし、またいだ箇所でループを形成するように基布上にループを形成した。
上記地経糸、地緯糸およびループ状係合素子用マルチフィラメント糸を用いて、織組織として平織を用い、織密度(熱収縮処理後)が地経糸55本/cm、地緯糸22本/cmとなるように織った。そして、地経糸4本に1本の割合でループ状係合素子用マルチフィラメントを地経糸をまたぐことなく地経糸に平行に打ち込み、地緯糸5本を浮沈したのちループを形成するように基布上にループを形成した。
このフック面ファスナー(A)とループ面ファスナー(B)を水中に10分間浸漬したのち、水中から取り出したが、形態および係合力に何ら変化がなく、基布は平坦な状態を有していた。
係合素子の倒伏回復性は、工業用ミシン縫製での押圧部の係合素子は、縫製時倒れがみられたが、縫製後は十分回復していた。剛軟度は、ハートループ法にて、基布が極めて柔らかい数値を示した。引裂き力は、極めて高く、縫製部から引裂かれる懸念はなかった。また、フック面ファスナーの表面を手のひらで撫でたところ、極めて柔軟であり、手触り感に優れたものであった。
フック面ファスナー(A)として、フック状係合素子がPETからなるモノフィラメント[融点:260℃、太さ:390デシテックス(直径:0.19mm)]、基布を構成する地経糸および地緯糸がともにポリエステル系の糸であり、かつ基布を構成する地緯糸が芯鞘型の熱融着性のバインダー繊維からなり、係合素子密度が40個/cm2であるフック面ファスナー(クラレファスニング株式会社製A8693Y)を用い、ループ面ファスナー(B)として、ループ状係合素子がPETからなるマルチフィラメント(融点:260℃、トータルデシテックス:265dtex、フィラメント本数:7本)、基布を構成する地経糸および地緯糸がともにポリエステル系の糸であり、かつ基布を構成する地緯糸が芯鞘型の熱融着性のバインダー繊維からなり、係合素子密度が40個/cm2であるループ面ファスナー(クラレファスニング株式会社製B2790Y) の組み合わせを使用して、実施例1で得たフック面ファスナーとループ面ファスナーとの組み合わせたものに行ったのと同様の測定方法により、係合剥離耐久性、衝撃せん断剥離耐久性、係合素子の倒伏回復性、風合い(剛軟度)、引裂き強度を測定した。その結果を表1に記載する。なお、フック面ファスナーとループ面ファスナー、特にフック面ファスナーは、表面の手触り感が硬く、肌に直接触れる箇所に使用する上で問題となる可能性がある物であった。
フック面ファスナー(A)として、フック状係合素子がPETからなるモノフィラメント[融点:260℃、太さ:310デシテックス(直径:0.17mm)]、基布を構成する地経糸および地緯糸がともにポリエステル系の糸であり、かつ基布を構成する地緯糸が熱融着性の芯鞘型のバインダー繊維からなり、係合素子密度が40個/cm2であるフック面ファスナー(クラレファスニング製A8493)を用い、ループ面ファスナー(B)として、比較例1と同じ物を用い、この組み合わせを使用して実施例1で得たフック面ファスナーとループ面ファスナーとの組み合わせに行ったのと同一の測定を行い、係合剥離耐久性、衝撃せん断剥離耐久性、係合素子の倒伏回復性、風合い(剛軟度)、引裂き強度を測定した。その結果を表1に記載する。
このフック面ファスナーとループ面ファスナーの組み合わせ、特にフック面ファスナーも、上記比較例1のものと同様に、表面の手触り感が硬く、肌に直接触れる箇所に使用する上で問題となる可能性がある物であった。
表1の結果から明らかなように、実施例1のものは、比較例1および2のものよりも遥かに優れた結果であった。
上記実施例1において、フック状係合素子用モノフィラメント糸やループ状係合素子の打ち込み本数やループ形成のために地緯糸をまたぐ本数等を変更して、表2に記載のフック状係合素子密度、ループ状係合素子密度を有するフック面ファスナーとループ面ファスナーの組み合わせを作製し、実施例1と同様に面ファスナー性能を測定した。結果を表2に示す。
実施例1において、フック状係合素子として使用するPBTモノフィラメント糸の太さを表3に示すように変更する以外は実施例1と同様にしてフック面ファスナーを製造した。この面ファスナーの係合相手として、実施例1で製造したループ面ファスナーを用いて、フック面ファスナーとループ面ファスナーの係合力を測定した。その結果を表3に示す。
さらに、実施例4のものは手触り感も極めて柔軟であり、人の肌に直接触れる箇所に使用しても問題のない柔軟性を有しているものであった。
Claims (5)
- モノフィラメント糸からなるフック状係合素子を基布の表面に有するフック面ファスナー(A)と、該フック状係合素子と係合し得るマルチフィラメント糸からなるループ状係合素子を基布の表面に有するループ面ファスナー(B)からなる組み合わせにおいて、フック面ファスナー(A)およびループ面ファスナー(B)の基布を構成している地経糸および地緯糸がともにポリエステル系樹脂から形成されている糸であり、かつ該モノフィラメント糸がポリブチレンテレフタレート系のポリエステル樹脂から形成された直径0.14〜0.20mmのモノフィラメント糸であり、該マルチフィラメント糸がポリブチレンテレフタレート系のポリエステル樹脂から形成されたマルチフィラメント糸であり、さらに該フック状係合素子の密度および該ループ状係合素子の密度がそれぞれ50〜80個/cm2、30〜50個/cm2であり、かつ該フック状係合素子の密度が該ループ状係合素子の密度より高いことを特徴とする布製面ファスナーの組み合わせ。
- 該地緯糸が芯鞘型の熱融着性繊維を含み、さらにフック状係合素子およびループ状係合素子の根元が、基布を構成する該地緯糸の鞘成分樹脂により固定されてなる請求項1に記載の布製面ファスナーの組み合わせ。
- ループ面ファスナー(B)のループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が、4〜15本のフィラメントからなるトータルデシテックスが160〜300デシテックスのマルチフィラメント糸である請求項1または2に記載の布製面ファスナーの組み合わせ。
- 地緯糸として、芯鞘型の熱融着性繊維からなり、芯成分と鞘成分の重量比率が60:40〜80:20で、200℃での乾熱収縮率が12%以上である糸が使用されている請求項2に記載の布製面ファスナーの組み合わせ。
- 面ファスナー(A)と(B)の基布の裏面と係合素子面が識別可能な別々の色調に染色されている請求項1〜4のいずれかに記載の布製面ファスナーの組み合わせ。
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