JP6249330B2 - 同一面にフックとループの両係合素子を有する面ファスナー - Google Patents

同一面にフックとループの両係合素子を有する面ファスナー Download PDF

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本発明は、フック状係合素子およびループ状係合素子が面ファスナーの同一面に共存している布製面ファスナーに関する。より詳細には、本発明は、フック状係合素子およびループ状係合素子が面ファスナーの同一面に共存している布製面ファスナーであって、係合力と耐久性に優れ、さらに極めて柔軟な布製の面ファスナーに関する。
従来から、布製の織物基布を有する面ファスナーとして、モノフィラメント糸からなるフック状係合素子を織物基布の表面に有するフック面ファスナーや、該フック状係合素子と係合し得るマルチフィラメント糸からなるループ状係合素子を織物基布の表面に有するループ面ファスナーは広く知られており、これらは、フック面ファスナーとループ面ファスナーのペアで用いられ、衣類、靴、帽子、ベルト、サポーター、枕カバー、鞄バッグ類、血圧計、その他日用雑貨、結束テープ、梱包用資材、土木建築用資材、農漁業用資材、玩具等の多くの分野に広く用いられている。
このようなフック面ファスナーやループ面ファスナーは、縫製の際に、フック面ファスナーとループ面ファスナーを間違って取り付けたり、同一面ファスナーを折り重ね合わせても殆ど係合力が発現しないことから、使用形態が制限される等の問題点を有している。
このような問題点を解消する面ファスナーとして、フック状係合素子とループ状係合素子が同一基布面に共存している、いわゆるフック・ループ混在型の面ファスナーが公知である(特許文献1)。
そして、このような公知のフック・ループ混在型面ファスナーにおいて、フック状係合素子を構成するモノフィラメントがポリエチレンテレフタレート系のポリエステルから形成されており、かつループ状係合素子を構成するマルチフィラメントがポリブチレンテレフタレート系のポリエステルから形成されている場合には、高い係合強力が得られ、さらに基布を構成している地経糸および地緯糸がともにポリエステル系樹脂から形成されている糸であり、かつ地緯糸が芯鞘型の熱融着性繊維を含み、さらにフック状係合素子およびループ状係合素子が、基布を構成する地緯糸により融着固定されている場合には、高い係合耐久性と優れた柔軟性が得られることが公知である(特許文献2)。
この特許文献2に記載されたフック・ループ混在型の布製面ファスナーは、従来のフック・ループ混在型の布製面ファスナーと比べて、上記したような優れた性能を有しているが、最近、より一層基布が柔軟であるフック・ループ混在型の布製面ファスナーが、衣類、日用雑貨等の分野や、カーテン等の美しいひだ形成性を要求される分野において強く求められるようになっている。
本発明者等は、このような要求を満足する布製のフック・ループ混在型面ファスナーについて研究を行った結果、本発明に到達した。
特開平5−154009号公報 特許請求の範囲 特開2013−70854号公報 特許請求の範囲
本発明は、上記特許文献2に記載されているフック・ループ混在型面ファスナーにおいて、基布がより一層柔軟性に優れており、衣類の止め具や日用雑貨やカーテン等の柔軟性が要求される分野により好適に用いることができるフック・ループ混在型の布製面ファスナーを提供することを目的とするものである。
すなわち本発明は、モノフィラメントからなるフック状係合素子およびマルチフィラメントからなるループ状係合素子を織物基布の同一面に有する面ファスナーにおいて、下記1)〜5)を全て満足することを特徴とする同一面にフック・ループが共存している面ファスナーである。
1)該モノフィラメントがポリエチレンテレフタレート系ポリエステルから形成されており、該マルチフィラメントがポリブチレンテレフタレート系ポリエステルから形成されていること、
2)該織物基布を構成する地経糸がポリエチレンテレフタレート系ポリエステルからなるマルチフィラメント糸であること、
3)該織物基布を構成する地緯糸が、低融点ポリエステルを鞘成分とする芯鞘型の熱融着性フィラメントからなるマルチフィラメント糸であること、
4)該熱融着性フィラメントの鞘成分には、鞘成分構成樹脂に対して0.03〜1質量%の無機微粒子が添加されていること、
5)該係合素子を構成するモノフィラメントおよびマルチフィラメントが該織物基布を構成している地緯糸により融着固定されていること、
そして、好ましくは、このような同一面にフック・ループが共存している面ファスナーにおいて、フック状係合素子の高さよりもループ状係合素子の高さの方が高い場合であり、またフック状係合素子を構成するモノフィラメントの直径が0.10〜0.25mmであり、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が、5〜9本のフィラメントからなるトータルデシテックスが150〜350デシテックスのマルチフィラメント糸である場合である。
さらに、このような同一面にフック・ループが共存している面ファスナーにおいて、好ましくは、フック状係合素子の密度(A)とループ状係合素子の密度(B)がともにそれぞれ20〜40個/cmの範囲であり、かつ(A):(B)が1:0.75〜1.25の範囲である場合であり、また芯鞘型の熱融着性フィラメントの芯成分と鞘成分の質量比率が60:40〜80:20で、200℃の乾熱収縮率が12%以上である場合である。
本発明の同一面にフック・ループが共存している面ファスナーは、高い係合力と高い係合耐久性を有し、さらに、特に基布の柔軟性に優れている。
詳しくは、本発明の同一面にフック・ループが共存している面ファスナーは、ループ状係合素子のマルチフィラメントがポリブチレンテレフタレート(PBTと略す)系のポリエステルから構成されていることから、ループ状係合素子のフィラメントはバラケやすく、ループ状係合素子のフィラメントにフック状係合素子が引っかかり易くなり、軽度な押え付けでも高い係合力を得られる。
またフック状係合素子を構成するモノフィラメントはポリエチレンテレフタレート(PETと略す)系のポリエステルであることから、剛性が高く、ループ状係合素子から抜けにくく、この点からも高い係合力が得られる。
そして、基布を構成する地緯糸および地経糸および係合素子がいずれもポリエステル系の繊維であることから、地緯糸を溶融させると、フック状係合素子およびループ状係合素子が強固に基布に融着され、繰り返しの係合・剥離によっても、係合素子が基布から引き抜かれることがなく、優れた耐久性のある係合力がいつまでも保持されることとなる。しかも本発明では、該織物基布を構成する地経糸がPET系ポリエステルからなるマルチフィラメント糸であることから形態安定性にも優れている。
さらに、本発明の同一面にフック・ループが共存している面ファスナーは、係合素子を構成するモノフィラメントおよびマルチフィラメントが該織物基布を構成している地緯糸により融着固定されていることから、従来の面ファスナーのように、基布裏面に係合素子を固定するための接着剤層(バックコート層)を塗布する必要がなく、したがってバックコート層が存在しないことから面ファスナーの基布が柔軟であり、柔軟性が要求される衣類の分野においてボタンやスライドファスナーやスナップ等の代わりとして使用できる。
さらに本発明では、織物基布を構成する地緯糸が、低融点ポリエステルを鞘成分とする芯鞘型の熱融着性フィラメントからなるマルチフィラメント糸であり、かつ該熱融着性フィラメントの鞘成分には無機微粒子が添加されている。これにより、熱融着性フィラメントの鞘成分を溶融させてバインダーとして働かせた後において、バインダー成分(すなわち鞘成分樹脂)の流れ出しが少ない。したがって、従来の無機微粒子を添加していないバインダー樹脂のように溶融した樹脂が基布内に流れ込んで、基布がバインダー樹脂により固められることが少なく、基布が極めて柔軟となり、PBT系樹脂からなるループ状係合素子が極めて柔軟であることと相まって、極めて優れた柔軟性が得られることとなる。
さらに、本発明では、面ファスナーを構成する繊維はほぼ全てポリエステル系の繊維であることから、染色した場合に同一の染色工程でほぼ均一に染色でき、従来の面ファスナーのように異種の繊維が混入されていることによる染色性の相違に基づく色斑の発生や染色工程の複雑化の問題も生じない。
本発明の同一面にフック・ループが共存している面ファスナーの一例の斜視図である。
まず、本発明の面ファスナーは、図1に示すように基布の表面に、フック状係合素子とループ状係合素子が共存している、いわゆるフック・ループ混在型の布製面ファスナーである。すなわち、面ファスナーの係合素子が存在している部分から1cm四方の大きさを切り出した場合に、その切り出した部分にフック状係合素子とループ状係合素子の両方が存在している面ファスナーを意味する。
本発明の面ファスナーは、主として、フック状係合素子用モノフィラメント、ループ状係合素子用マルチフィラメント、地経糸および地緯糸から構成される。
フック状係合素子には、剛直性および軽い力ではフック形状が伸展されない、いわゆるフック形状保持性が求められ、そのために太い剛直な合成繊維製のモノフィラメントが用いられる。本発明では、このモノフィラメントとして、PET系ポリエステルから構成されるモノフィラメントが用いられる。
PET系ポリエステルとは、エチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステルであり、主としてテレフタル酸とエチレングリコールから縮重合反応により得られるポリエステルであり、若干ならばテレフタル酸やエチレングリコール以外の重合単位が付加されていてもよい。このような重合単位の代表例としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のジオール類、安息香酸、乳酸等のオキシカルボン酸等が挙げられる。
更に、上記PET系ポリエステルには、それ以外のポリマーが少量添加されていても良い。好ましくは、PETホモポリマー単独から形成されている場合である。いずれにしても、後述する熱処理温度で、モノフィラメントが溶融しない融点を有するPET系ポリエステルがモノフィラメントを構成する主成分であることが好ましい。
このようなPET系ポリエステルからなるフック状係合素子用モノフィラメントの太さとしては、直径0.10〜0.25mmがフック状係合素子を形成する製織性の点で好ましく、より好ましくは直径0.12〜0.22mmの範囲である。この太さは、従来の一般的な面ファスナーのフック状係合素子の太さと比べて若干細いが、この細さが、同一面にフック・ループが共存している面ファスナーに柔軟性をもたらし、更には、衣料用途に特に適するという性能をもたらす。
次に本発明において、ループ状係合素子は、PBT系のポリエステルから構成されたマルチフィラメント糸からなる。PBT系のポリエステルとは、ブチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステルであり、主としてテレフタル酸と1,4−ブタンジオールから縮重合反応により得られるポリエステルである。若干ならばテレフタル酸や1,4−ブタンジオール以外の重合単位が付加されていてもよい。
このような重合単位の代表例としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸、エチレングリコール、プロピレングリコール等のジオール類、安息香酸、乳酸等のオキシカルボン酸等が挙げられる。更に、上記PBT系ポリエステルには、それ以外のポリマーが少量添加されていても良い。
このようなポリエステルからなるループ状係合素子用マルチフィラメントとしては、5〜9本のフィラメントからなるトータルデシテックスが150〜350デシテックスのマルチフィラメント糸が好ましい。熱融着によりループ状係合素子を基布に強固に固定するためには、ループ状係合素子を構成するフィラメントの本数を少なくする方が好ましく、本発明を構成するループ状係合素子用マルチフィラメントのフィラメント本数は、従来一般に用いられているループ状係合素子を構成するマルチフィラメントのフィラメント本数である10〜24本より若干低い。より好ましくは、6〜8本のフィラメントからなるトータルデシテックスが230〜330デシテックスのマルチフィラメントである。
なお、本発明において、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメントには、PBT系ポリエステルのマルチフィラメントに、少数の他のフィラメント糸が引きそろえられていてもよい。
一般に、ポリエステル系のマルチフィラメントからなるループ状係合素子は、面ファスナーの製造工程中の加圧ロールによるループ倒れ及びマルチフィラメントの集束が起こり易く、その結果、基布が透けて見え、見栄えが劣るという問題が生じ易い。それを防ぐために、従来の面ファスナーでは、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメントのフィラメント本数を10本以上、通常は14〜24本と多くし、更にマルチフィラメント糸をバラケさせるための処理を行い、それにより基布が透けて見えることを防止している。
ところが、PBT系マルチフィラメントの場合には、マルチフィラメント糸が本来バラけ易く、かつループが押し付けられても倒れ難いことから、フィラメント本数を従来のPET系の場合と比べて、5〜9本と減らすことができる。またループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸のフィラメント本数が少ないことにより、フック状係合素子がループ状係合素子のループ内に嵌入し易く、係合強力が高くなる。さらに、個々のフィラメントがバインダー樹脂により強固に固定され易く、係合・剥離の繰り返しによるループ状係合素子の基布からの引き抜きが生じ難くなるという効果も得られる。
本発明において、フック状係合素子の高さとしては1.5〜3.0mm、ループ状係合素子の高さとしては1.6〜4.0mm、そしてフック状係合素子よりもループ状係合素子の方が0.1〜1.0mm高いのが、面ファスナー表面に触れた場合に柔軟なループ状係合素子が主として触れることとなり、柔軟な肌触り感を与える点で好ましい。そして手に触れ易いループ状係合素子が柔軟なPBT系ポリエステルから形成されていることから、より一層柔軟な肌触り感を与える。
より好ましくは、フック状係合素子の高さが1.8〜2.5mm、ループ状係合素子高さが2.0〜3.3mm、そしてフック状係合素子よりもループ状係合素子の方が0.2〜0.8mm高い場合である。
そして、本発明において、フック状係合素子の密度(A)としては、20〜40個/cmが好ましく、特に好ましくは25〜35個/cmである。そしてループ状係合素子の密度(B)としては、マルチフィラメント単位で20〜40個/cmが好ましく、特に好ましくは25〜35個/cmである。さらに、(A):(B)が1:0.75〜1.25の範囲であるのが高い係合力を得る点で好ましく、より好ましくは1:0.8〜1.2の範囲である。
本発明において、フック状係合素子を構成するモノフィラメントおよびループ状係合素子を構成するマルチフィラメントはともに地経糸に平行に基布に挿入され、所々で、特にフック状係合素子の場合には地経糸を跨いでループが形成され、一方ループ状係合素子の場合には地経糸を跨ぐことなく基布表面にループが形成される。そしてこれらループ形状を固定するために、熱が加えられる。
本発明の面ファスナーにおいては、ループ形状を固定するために加えられる熱が同時に基布を構成する地緯糸の熱融着性繊維を融着させ、ループ状係合素子およびフック状係合素子を基布に固定することとなる。したがって、加えられる熱の温度としては、熱融着性繊維が溶融する温度で、かつフック状係合素子用モノフィラメントおよびループ状係合素子用マルチフィラメントが熱固定される温度である160〜220℃が一般的に用いられ、より好ましくは170〜210℃の範囲である。
そして、フック状係合素子用ループは、そのループ脚部の片側部が切断され、フック状係合素子とされる。そして、フック状係合素子を形成するためにフック状係合素子用ループの側部を切断するために用いられる切断装置は、2本の固定刃の間を1本の可動切断刃が往復運動する構造を有するものが好ましく、ループ状係合素子部分には刃を設けない構造となっているのが好ましい。
そのために、フック状係合素子用のループは図1に示すように2列連続して設けると、隣接するループ状係合素子を切断せずにフック状係合素子用ループのループ状係合素子から離れた方の脚部の側部のみを容易に切断でき、ループ状係合素子を損なうことなくフック状係合素子を形成することができる。
特に、本発明の面ファスナーでは、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメントが反発弾性の高いPBT系ポリエステルから構成されていることから、ループ状係合素子がバラケて横に広がり易く、フック状係合素子の脚部の片側部を切断する際に、ループ状係合素子のマルチフィラメントも傷つけ易い。それを防ぐためには、図1に示すように、フック状係合素子を緯糸方向に最低2列続けて存在させ(図1では2列)、そしてその隣にループ状係合素子列を存在させるような配列とし、ループ状係合素子から離れている方のフック状係合素子用ループの脚部を切断するのが、ループ状係合素子を傷付けることがないため、高い係合強力を得るためには好ましい。
また、上記配列から、ループ状係合素子列に隣接して少なくとも1条のフック状係合素子列が存在していることが高い係合強力を得る点で好ましい。
以上のことから、ループ状係合素子列を2列配列した隣にフック状係合素子列を2列配列し、2列存在しているフック状係合素子列の中央部分に近い方の脚部が切断されている構造の配列を基本の繰り返し単位とするのが好ましい。
次に、本発明の面ファスナーにおいて、基布を構成する地経糸としては、PET系ポリエステルからなるマルチフィラメント糸が用いられる。もちろん、若干の共重合成分や他のポリマーや他のフィラメントを含んでいてもよいが、地経糸は、面ファスナーの長さ方向に連続して存在することにより、面ファスナーを製造する上で工程安定性をもたらす糸であることから、製造工程において寸法変化が生じにくく、特に熱処理条件において、収縮等の変化が少ない糸であることが好ましく、したがってPETホモポリマーから形成されているのがより好ましい。
地経糸を構成するマルチフィラメントの太さとしては、12〜96本のフィラメントからなり、トータルデシテックスが75〜250デシテックスであるマルチフィラメントが好ましく、特に24〜48本のフィラメントからなるトータルデシテックスが100〜170デシテックスであるマルチフィラメントが好ましい。そして、このようなマルチフィラメント糸を熱処理後の地経糸織密度として60〜90本/cmとなるように基布を構成する。
なお、フック状係合素子を構成するモノフィラメントおよびループ状係合素子を構成するマルチフィラメントは前述したように地経糸に平行に基布に打ち込まれる。フック状係合素子用モノフィラメントおよびループ状係合素子用マルチフィラメントの打ち込み本数は、合計で、地経糸本数20本(フック状係合素子用モノフィラメントおよびループ状係合素子用マルチフィラメントを含む)に対して3〜6本位が好ましい。
最後に、本発明の面ファスナーの基布に用いられる地緯糸としては、上記熱処理条件下で熱融着してフック状係合素子用モノフィラメントおよびループ状係合素子用マルチフィラメントの根元を基布に強固に固定できる低融点ポリエステル系樹脂を鞘成分とする芯鞘型複合繊維からなるマルチフィラメントが用いられる。
しかも該鞘成分には、無機微粒子が0.03〜1質量%添加されていなければならない。無機微粒子の例として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、硫酸バリウム等が挙げられ、なかでも酸化チタンが特に好ましい。
この量の無機微粒子が添加されていることにより、鞘成分を溶融させてバインダーとして働かせた際に、溶融したバインダー樹脂が広く流れ出して基布内に広く浸透することを防止でき、その結果、基布を硬いものとなることを防止することができる。添加量が0.03質量%より少ない場合には、樹脂の流れ出しを十分に防ぐことができず、1質量%を超える場合には、逆に溶融した樹脂がフック状係合素子用のモノフィラメントやループ状係合素子用のマルチフィラメントの根元を固定する能力が劣ることとなり、係合・剥離の繰り返しにより係合素子が引き抜かれ易くなる。好ましくは、0.04〜0.8質量%の無機微粒子が添加されている場合である。
なお、衣料用合成繊維などでは、合成繊維のぎらつきを抑制するために、合成繊維を構成する樹脂に酸化チタンを添加することは一般的に行われており、芯鞘型の熱融着性繊維の場合においても、それが衣料用途に用いられるような場合には、酸化チタンを添加することは一般的に行われている。
しかしながら、そのような場合、酸化チタンが添加されるのは熱融着後も繊維形状を保って衣料に残る芯成分側の樹脂の方であり、溶けてしまう鞘成分には、酸化チタンを添加することは一般的に行われていない。本発明は、このように従来は一般的に添加されていない鞘成分側に無機微粒子を添加すると、鞘成分樹脂が溶けて基布中に流れ込んで浸透することを無機微粒子が防いでくれることを見出したものである。
なお、地緯糸となる芯鞘型の熱融着性繊維の鞘成分樹脂は、フック状係合素子用のモノフィラメントやループ状係合素子用のマルチフィラメント、さらには地経糸、該芯鞘型熱融着性繊維の芯成分樹脂のいずれよりも低い融点または軟化点を有していることが必要であり、好ましくは、融点または軟化点が20℃以上、より好ましくは30℃以上低い樹脂であるのが好ましい。
具体的には、鞘成分樹脂は、150〜200℃の融点または軟化点を有しているポリエステル系樹脂である。たとえば、イソフタル酸やスルホイソフタル酸ソーダ、エチレングリコールやプロピレングリコール等が15〜30モル%共重合されたPBT系のポリエステル樹脂がループ状係合素子の耐引抜性の点で好適例として挙げられる。
そして芯成分としては、鞘成分樹脂との耐剥離性の点および同一染色性の点でポリエステル系の樹脂が好ましく、さらに高融点を有していることが求められることからPETホモポリマーやPBTホモポリマーが挙げられ、なかでも形体安定性の点でPETホモポリマーが特に好ましい。
芯鞘複合繊維における芯成分と鞘成分の比率は質量比で60:40〜80:20の範囲が好ましい。そして地緯糸を構成する繊維中に占める芯鞘型熱融着性繊維の割合は25〜100質量%が好ましく、特に地緯糸の全てが実質的に熱融着性繊維で形成されている場合には、芯成分割合が少ないと面ファスナーが長手方向に引き裂け易く、鞘成分が少ないと融着固定力が低くなる。したがって芯成分と鞘成分の比率は上記範囲が好ましいこととなる。
さらに、フック状係合素子およびループ状係合素子を共に強固に基布に固定するためには、地緯糸として用いられた熱融着性繊維が熱融着すると共に、地緯糸繊維自身が収縮してフック状係合素子およびループ状係合素子の根元を締め付けるのが好ましく、そのためには、地緯糸として用いられる熱融着性繊維は熱処理条件下で大きく熱収縮を生じる繊維が好ましい。具体的には、200℃で1分間加熱した場合の乾熱収縮率が12%以上である繊維が好適に用いられ、特に同収縮率が13〜20%%である繊維が好適である。
なお、地緯糸を構成するマルチフィラメントの太さとしては、12〜72本のフィラメントからなるトータルデシテックスが100〜300デシテックスであるマルチフィラメントが好ましく、特に24〜48本のフィラメントからなるトータルデシテックスが150〜250デシテックスであるマルチフィラメントが好ましい。
そして、このような地緯糸用のマルチフィラメント糸を熱処理後の織密度として15〜25本/cmとなるように基布に打ち込むのが好ましい。
そして、地緯糸の質量割合としては、面ファスナーを構成するフック状係合素子用モノフィラメントとループ状係合素子用マルチフィラメントと地経糸および地緯糸の合計質量に対して15〜40%が好ましい。
なお、上記したように、本発明は、基布構成繊維を熱融着させることにより係合素子用糸の根元を基布に強固に固定するものであり、したがって従来の面ファスナーのように基布裏面に接着剤を塗布する必要がないというよりも、接着剤層を塗布しない面ファスナーに適している。
基布の織組織としては、フック状係合素子用モノフィラメントおよびループ状係合素子用マルチフィラメントを地経糸の一部とした平織りが好ましく、これら係合素子用糸のうちフック状係合素子用のモノフィラメントは、組織の途中で基布面から立ち上がり、ループを形成しつつ地経糸を1〜4本飛び越えて地緯糸間にもぐりこむような織組織が、ループ状係合素子ループを傷つけることなく、フック状係合素子用ループの側部を切断できることから好ましい。
本発明の面ファスナーは、全てポリエステル系の繊維で構成されている場合には、色斑を生じることなく均一に染色することができ、特に衣類等に用いられるボタンやスナップやスライドファスナーの代わりに用いられた場合には、大半の衣類はポリエステル繊維が用いられていることから、従来のナイロン系繊維が用いられている面ファスナーやバックコート樹脂(通常はポリウレタンが使用されている)が塗布されている面ファスナー等に比べて、衣類と同一の色調に同時に染色できることから、染色性の点で極めて優位となる。
すなわち、今日、衣類はその殆どがポリエステル系繊維により形成されていることから、縫製後の衣類と同一の染色条件下で面ファスナーも同色に同時染色することができることから、従来のごとく、染色する色に合わせた多色の多くの面ファスナーを予め用意する必要がなく、極めて好ましいこととなる。
本発明のフック状係合素子およびループ状係合素子が面ファスナーの同一面に共存している布製の面ファスナーは、従来の面ファスナーが用いられている用途分野に用いることができ、例えば、靴、バッグ、帽子、手袋等の他、衣類、血圧計、サポーター類、荷造りの縛りバンド、各種おもちゃ類、土木用シートの固定、各種パネルや壁材の固定、太陽電池の屋根への固定、電気部品の固定、小物類、カーテン等に使用できる。
特に本発明の面ファスナーは、柔軟性に特に優れていることから、柔らかさが求められる分野、例えば、衣類(特に肌に接する部分に用いられる各種留具)、特に肌着や寝具、要介護者や幼児用の衣類、手袋、靴、帽子、サポーター等の日用雑貨類、美しいひだ形成が求められるカーテン等に適している。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、乾熱収縮率はJIS L 1013にしたがって、また係合強力はJIS L 3416にしたがって面ファスナー幅100mmで測定した。
実施例1
基布を構成する地経糸および地緯糸、フック状係合素子用モノフィラメント、ループ状係合素子用マルチフィラメントとして次の糸を用意した。
[地経糸]
・融点260℃のポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント糸
・トータルデシテックスおよびフィラメント本数:167デシテックスで30本
[地緯糸(芯鞘型複合繊維からなるマルチフィラメント系熱融着糸)]
・芯成分:ポリエチレンテレフタレート(融点:260℃)
・鞘成分:無機微粒子として酸化チタンを0.08質量%含有するイソフタル酸25モル%共重合ポリブチレンテレフタレート(軟化点:180℃)
・芯鞘比率(質量比):7:3
・トータルデシテックスおよびフィラメント本数:220デシテックスで48本
・200℃で1分間の乾熱収縮率:15%
[フック状係合素子用モノフィラメント]
・ポリエチレンテレフタレート繊維(融点:260℃)
・繊度:390デシテックス(直径:0.19mm)
[ループ状係合素子用マルチフィラメント]
・ポリブチレンテレフタレート繊維(融点:220℃)
・トータルデシテックスおよびフィラメント本数:267デシテックスで7本
上記4種の糸を使用し、フック状係合素子を長手方向に2列設け、隣接してループ状係合素子を2列設けた配列を繰り返すよう、フック状係合素子用モノフィラメントとループ状係合素子用マルチフィラメントを並べ、テープを織った。また、表面を触った時にループ状係合素子の方が触れるよう、ループ状係合素子が外側の両端に存在するように配列した。織組織は平織りで、織密度は地経糸72本/cmで地緯糸16本/cmで、地経糸8本に2本の割合でフック状係合素子用モノフィラメントを、また地経糸8本に2本の割合でループ状係合素子用マルチフィラメントをそれぞれ打ち込んだ。
上記条件にて織成されたテープを、地緯糸の鞘成分のみが熱溶融し、かつ、経糸、ループ係合素子用マルチフィラメント、フック係合素子用モノフィラメント、さらには地緯糸の芯成分が熱溶融しない温度域、すなわち摂氏200℃で熱処理を施した。地緯糸は大きく収縮するとともに鞘成分が溶融して近隣に存在する糸を融着させた。その結果、基布は地緯糸方向に大きく収縮して、地緯糸方向に長さで10%収縮した。そして、得られた織物を冷却させたのち、フック状係合素子用ループの片脚部(ループ状係合素子から離れている方の脚部)を切断してフック状係合素子を形成した。
得られたフック・ループ混在型面ファスナーのフック状係合素子密度は30個/ cm、ループ状係合素子密度は31個/cmであり、さらにフック状係合素子およびループ状係合素子の基布面からの高さはそれぞれ1.8mmおよび2.4mmであった。
得られたフック・ループ混在型面ファスナーの係合素子面を手で触れたところ、いずれもループ状係合素子に主として触れることから、柔らかい手触り感を有していた。さらに基布の柔軟性を手の平で握ることにより観測したところ、後述する芯鞘型繊維の鞘成分に酸化チタンを全く添加していない面ファスナーと比べて基布自体がはるかに柔軟であり、従来の面ファスナーのイメージ(すなわち、布製であるにもかかわらず、布とは全く異なる硬さを有し、布に取り付けると、布地の柔らかさが大きく損なわれるもの)とは異なる優れた柔軟性を有していた。
染色は、ポリエチレンテレフタレート繊維が染色可能な高圧条件で紺色の分散染料を用いて実施したが、ポリブチレンテレフタレート繊維は、ポリエチレンテレフタレート繊維より染料が入り始める温度が約20℃低いため、ループ状係合素子がフック状係合素子、地経糸、地緯糸に比べより一層濃色に発色し、面ファスナー上に広がって存在しているループ状係合素子が、面ファスナーに色の深みを有する高級感あるものとの印象を与えた。
次に、得られた面ファスナー同士の係合素子面側を重ね合わせて、その係合強力を求めた。その結果を表1に示す。なお、係合強力は100mm幅の面ファスナーのせん断方向と剥離方向の両方向で測定した。
その結果、係合強力は、極めて高い価を示した。さらに、この面ファスナー同士を5000回係合・剥離を繰り返し、その後の係合強力を測定した。その結果を表1に記載する。同表から明らかなように、係合・剥離を5000回繰り返した後であっても、係合強力はあまり低下することなく、極めて耐久性に優れたものであることが分かる。
また剛軟度(JIS-L-1096 剛軟性D法 ハートループ法)においても、後述する酸化チタン無添加のもの(比較例1の面ファスナー)と比べて数値が大きいほど柔らかい優れた値を示し、測定値からも柔軟性に優れたものであることが確認された。
実施例2〜3および比較例1〜2
上記実施例1において、地緯糸に用いる芯鞘型複合繊維からなる熱融着性繊維の鞘成分に添加する無機微粒子としての酸化チタンの量を、0質量%(すなわち、全く添加しないブライト繊維。比較例1)、0.04質量%(実施例2)、0.75質量%(実施例3)、1.5質量%(比較例2)と変更する以外は、実施例1と全く同一の方法によりフック状係合素子およびループ状係合素子が面ファスナーの同一面に共存している布製の面ファスナーを製造した。なお、上記熱融着性繊維の乾熱収縮率は実施例1の値と同一である。
得られた、同一の酸化チタン添加量の面ファスナー同士を重ね合わせて係合させ、実施例1同様の測定方法により、初期係合強力、係合剥離耐久性、風合い(剛軟度)を測定した。その結果を表1に記載する。
フック面ファスナーとループ面ファスナーの手触り感(表面の柔らかさ)に関しては、いずれも、実施例1のもの比べて殆ど差がなく、良好なものであった。
しかしながら、基布の剛軟度に関しては、比較例1のものは劣り、また比較例2のものは、基布の剛軟度に関しては問題ないものの、係合剥離耐久性の点で上記実施例のものより幾分劣るものであった。また、初期係合強力や係合剥離耐久性においても、本発明のものは優れていた。
Figure 0006249330
比較例3
地経糸として、PBTからなるマルチフィラメント糸(167デシテックスで30フィラメント)を使用する以外は実施例1と同様に、フック・ループ混在型面ファスナーを作製した。このものは、製造工程で弛みを生じ、製造しやすさの点で実施例1のものよりはるかに劣り、さらに、得られた面ファスナーを衣類の胸部に高速ミシンを用いて縫製により取り付けたところ、縫製品の一部に縫製時の張力により歪みが生じ、それが原因により衣類に皺が発生しているものが一部見られた。
比較例4
ループ状係合素子用の糸として、PETからなるマルチフィラメント(融点260℃、トータルデシテックス:267dtex、フィラメント本数:7本)を用いる以外は実施例1と同様の方法により、フック・ループ混在型面ファスナーを製造した。
この面ファスナーは、手触り感が実施例1のものと比べて硬く、さらに初期係合強力に関しても、せん断強力が10.9N/cm、剥離強力が0.99N/cmであり、5000回係合・剥離を繰り返した後の係合強力もせん断強力が9.9N/cm、剥離強力が1.13N/cmであり、実施例1のものよりもかなり劣るものであった。その原因として、ループ状係合素子のループ内での広がり(バラけ)が少なく、さらに倒れた係合素子が実施例のものより立ち上がりが悪く、それが係合力に影響を与えたものと予想される。
基布の柔軟性に関しても、実施例1のものより劣り、衣類に取り付けた場合には、衣類の風合いを損なうこと、さらにカーテンの止め具としてカーテンの端部に取り付けた場合にはカーテンのひだが面ファスナーにより妨げられて美しいひだが形成されないことが予想された。さらに染色物に関しても、ループ状係合素子の広がりが少なく、その結果、基布が露出して見え、見劣りのするものであった。
比較例5
フック状係合素子用の糸として、PBTからなるモノフィラメント:390デシテックス(直径:0.19mm)を用いる以外は実施例1と同様の方法により、フック・ループ混在型面ファスナーを製造した。
この面ファスナーは、手触り感が実施例1のものも柔らかく、その点では優れていたが、面ファスナーの最重要性能である係合強力の点で劣るものであった。具体的には初期係合強力は、せん断強力が9.3N/cm、剥離強力が0.65N/cmであり、5000回係合・剥離を繰り返した後の係合強力もせん断強力が7.9N/cm、剥離強力が0.63N/cmであり、実施例1のものよりもはるかに劣るものであった。その原因として、フック状係合素子が柔らかく、低い引張り力によりフック形状が伸びて、係合が外れ、それが係合力に影響を与えたものと予想される。基布の柔軟性に関しては、実施例1のものと同等またはそれ以上で優れていた。
実施例4
芯鞘型複合繊維の鞘成分に添加する無機微粒子として、硫酸バリウムを鞘成分樹脂に対して、0.3質量%添加する以外は実施例1と同様の方法により、フック・ループ混在型の面ファスナーを作製した。
得られたフック・ループ混在型面ファスナーは、実施例1のものと比べて同等の優れた係合強力と係合耐久性を有し、柔軟性においても、実施例1のものと殆ど変わらない優れた性能を有していた。得られた面ファスナーはカーテンの端部に取り付けて、止め具として使用したところ、面ファスナーが取り付けられていることにより、ひだ形成が劣ることなく、自然な美しいひだを有するカーテンとすることができた。
1:基布
2:フック状係合素子
3:ループ状係合素子
4:地経糸方向
5:地緯糸方向

Claims (5)

  1. モノフィラメントからなるフック状係合素子およびマルチフィラメントからなるループ状係合素子を織物基布の同一面に有する面ファスナーにおいて、下記1)〜5)を全て満足することを特徴とする同一面にフック・ループが共存している面ファスナー。
    1)該モノフィラメントがポリエチレンテレフタレート系ポリエステルから形成されており、該マルチフィラメントがポリブチレンテレフタレート系ポリエステルから形成されていること、
    2)該織物基布を構成する地経糸がポリエチレンテレフタレート系ポリエステルからなるマルチフィラメント糸であること、
    3)該織物基布を構成する地緯糸が、低融点ポリエステルを鞘成分とする芯鞘型の熱融着性フィラメントからなるマルチフィラメント糸であること、
    4)該熱融着性フィラメントの鞘成分には、鞘成分構成樹脂に対して0.03〜1質量%の無機微粒子が添加されていること、
    5)該係合素子を構成するモノフィラメントおよびマルチフィラメントが該織物基布を構成している地緯糸により融着固定されていること、
  2. フック状係合素子の高さよりもループ状係合素子の高さの方が高い請求項1に記載の面ファスナー。
  3. フック状係合素子を構成するモノフィラメントの直径が0.10〜0.25mmであり、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が、5〜9本のフィラメントからなるトータルデシテックスが150〜350デシテックスのマルチフィラメント糸である請求項1または2に記載の面ファスナー。
  4. フック状係合素子の密度(A)とループ状係合素子の密度(B)がともにそれぞれ20〜40個/cmの範囲であり、かつ(A):(B)が1:0.75〜1.25の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の面ファスナー。
  5. 芯鞘型の熱融着性フィラメントの芯成分と鞘成分の質量比率が60:40〜80:20で、200℃の乾熱収縮率が12%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の面ファスナー。
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