JP6249330B2 - 同一面にフックとループの両係合素子を有する面ファスナー - Google Patents
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本発明者等は、このような要求を満足する布製のフック・ループ混在型面ファスナーについて研究を行った結果、本発明に到達した。
1)該モノフィラメントがポリエチレンテレフタレート系ポリエステルから形成されており、該マルチフィラメントがポリブチレンテレフタレート系ポリエステルから形成されていること、
2)該織物基布を構成する地経糸がポリエチレンテレフタレート系ポリエステルからなるマルチフィラメント糸であること、
3)該織物基布を構成する地緯糸が、低融点ポリエステルを鞘成分とする芯鞘型の熱融着性フィラメントからなるマルチフィラメント糸であること、
4)該熱融着性フィラメントの鞘成分には、鞘成分構成樹脂に対して0.03〜1質量%の無機微粒子が添加されていること、
5)該係合素子を構成するモノフィラメントおよびマルチフィラメントが該織物基布を構成している地緯糸により融着固定されていること、
またフック状係合素子を構成するモノフィラメントはポリエチレンテレフタレート(PETと略す)系のポリエステルであることから、剛性が高く、ループ状係合素子から抜けにくく、この点からも高い係合力が得られる。
本発明の面ファスナーは、主として、フック状係合素子用モノフィラメント、ループ状係合素子用マルチフィラメント、地経糸および地緯糸から構成される。
より好ましくは、フック状係合素子の高さが1.8〜2.5mm、ループ状係合素子高さが2.0〜3.3mm、そしてフック状係合素子よりもループ状係合素子の方が0.2〜0.8mm高い場合である。
以上のことから、ループ状係合素子列を2列配列した隣にフック状係合素子列を2列配列し、2列存在しているフック状係合素子列の中央部分に近い方の脚部が切断されている構造の配列を基本の繰り返し単位とするのが好ましい。
そして、このような地緯糸用のマルチフィラメント糸を熱処理後の織密度として15〜25本/cmとなるように基布に打ち込むのが好ましい。
基布を構成する地経糸および地緯糸、フック状係合素子用モノフィラメント、ループ状係合素子用マルチフィラメントとして次の糸を用意した。
・融点260℃のポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント糸
・トータルデシテックスおよびフィラメント本数:167デシテックスで30本
[地緯糸(芯鞘型複合繊維からなるマルチフィラメント系熱融着糸)]
・芯成分:ポリエチレンテレフタレート(融点:260℃)
・鞘成分:無機微粒子として酸化チタンを0.08質量%含有するイソフタル酸25モル%共重合ポリブチレンテレフタレート(軟化点:180℃)
・芯鞘比率(質量比):7:3
・トータルデシテックスおよびフィラメント本数:220デシテックスで48本
・200℃で1分間の乾熱収縮率:15%
・ポリエチレンテレフタレート繊維(融点:260℃)
・繊度:390デシテックス(直径:0.19mm)
[ループ状係合素子用マルチフィラメント]
・ポリブチレンテレフタレート繊維(融点:220℃)
・トータルデシテックスおよびフィラメント本数:267デシテックスで7本
次に、得られた面ファスナー同士の係合素子面側を重ね合わせて、その係合強力を求めた。その結果を表1に示す。なお、係合強力は100mm幅の面ファスナーのせん断方向と剥離方向の両方向で測定した。
また剛軟度(JIS-L-1096 剛軟性D法 ハートループ法)においても、後述する酸化チタン無添加のもの(比較例1の面ファスナー)と比べて数値が大きいほど柔らかい優れた値を示し、測定値からも柔軟性に優れたものであることが確認された。
上記実施例1において、地緯糸に用いる芯鞘型複合繊維からなる熱融着性繊維の鞘成分に添加する無機微粒子としての酸化チタンの量を、0質量%(すなわち、全く添加しないブライト繊維。比較例1)、0.04質量%(実施例2)、0.75質量%(実施例3)、1.5質量%(比較例2)と変更する以外は、実施例1と全く同一の方法によりフック状係合素子およびループ状係合素子が面ファスナーの同一面に共存している布製の面ファスナーを製造した。なお、上記熱融着性繊維の乾熱収縮率は実施例1の値と同一である。
しかしながら、基布の剛軟度に関しては、比較例1のものは劣り、また比較例2のものは、基布の剛軟度に関しては問題ないものの、係合剥離耐久性の点で上記実施例のものより幾分劣るものであった。また、初期係合強力や係合剥離耐久性においても、本発明のものは優れていた。
地経糸として、PBTからなるマルチフィラメント糸(167デシテックスで30フィラメント)を使用する以外は実施例1と同様に、フック・ループ混在型面ファスナーを作製した。このものは、製造工程で弛みを生じ、製造しやすさの点で実施例1のものよりはるかに劣り、さらに、得られた面ファスナーを衣類の胸部に高速ミシンを用いて縫製により取り付けたところ、縫製品の一部に縫製時の張力により歪みが生じ、それが原因により衣類に皺が発生しているものが一部見られた。
ループ状係合素子用の糸として、PETからなるマルチフィラメント(融点260℃、トータルデシテックス:267dtex、フィラメント本数:7本)を用いる以外は実施例1と同様の方法により、フック・ループ混在型面ファスナーを製造した。
フック状係合素子用の糸として、PBTからなるモノフィラメント:390デシテックス(直径:0.19mm)を用いる以外は実施例1と同様の方法により、フック・ループ混在型面ファスナーを製造した。
芯鞘型複合繊維の鞘成分に添加する無機微粒子として、硫酸バリウムを鞘成分樹脂に対して、0.3質量%添加する以外は実施例1と同様の方法により、フック・ループ混在型の面ファスナーを作製した。
得られたフック・ループ混在型面ファスナーは、実施例1のものと比べて同等の優れた係合強力と係合耐久性を有し、柔軟性においても、実施例1のものと殆ど変わらない優れた性能を有していた。得られた面ファスナーはカーテンの端部に取り付けて、止め具として使用したところ、面ファスナーが取り付けられていることにより、ひだ形成が劣ることなく、自然な美しいひだを有するカーテンとすることができた。
2:フック状係合素子
3:ループ状係合素子
4:地経糸方向
5:地緯糸方向
Claims (5)
- モノフィラメントからなるフック状係合素子およびマルチフィラメントからなるループ状係合素子を織物基布の同一面に有する面ファスナーにおいて、下記1)〜5)を全て満足することを特徴とする同一面にフック・ループが共存している面ファスナー。
1)該モノフィラメントがポリエチレンテレフタレート系ポリエステルから形成されており、該マルチフィラメントがポリブチレンテレフタレート系ポリエステルから形成されていること、
2)該織物基布を構成する地経糸がポリエチレンテレフタレート系ポリエステルからなるマルチフィラメント糸であること、
3)該織物基布を構成する地緯糸が、低融点ポリエステルを鞘成分とする芯鞘型の熱融着性フィラメントからなるマルチフィラメント糸であること、
4)該熱融着性フィラメントの鞘成分には、鞘成分構成樹脂に対して0.03〜1質量%の無機微粒子が添加されていること、
5)該係合素子を構成するモノフィラメントおよびマルチフィラメントが該織物基布を構成している地緯糸により融着固定されていること、 - フック状係合素子の高さよりもループ状係合素子の高さの方が高い請求項1に記載の面ファスナー。
- フック状係合素子を構成するモノフィラメントの直径が0.10〜0.25mmであり、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が、5〜9本のフィラメントからなるトータルデシテックスが150〜350デシテックスのマルチフィラメント糸である請求項1または2に記載の面ファスナー。
- フック状係合素子の密度(A)とループ状係合素子の密度(B)がともにそれぞれ20〜40個/cm2の範囲であり、かつ(A):(B)が1:0.75〜1.25の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の面ファスナー。
- 芯鞘型の熱融着性フィラメントの芯成分と鞘成分の質量比率が60:40〜80:20で、200℃の乾熱収縮率が12%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の面ファスナー。
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