JP6611035B2 - 丈調整機能具備ズボン及びズボン丈調整方法 - Google Patents

丈調整機能具備ズボン及びズボン丈調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、丈調整機能具備ズボン及びズボン丈調整方法に関する。
従来、ズボン丈が合わない場合には、ズボンの裾を折り曲げて、折り曲げた箇所を熱溶着又はスナップ等によって固定することでズボン丈を調整することが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかしながら、熱溶着によってズボン丈を調整する場合には、アイロン等の発熱器具が必要となり、手軽にズボン丈を調整することができなかった。さらに、熱溶着によってズボンの裾を固定した場合には、ズボン丈の再調整をすることが困難であった。
また、スナップによってズボン丈を調整する場合には、調整可能とするズボン丈の段数分のスナップを配置しなければならなかった。
特許第3560542号 特許第3984265号
上記のとおり、特許文献1及び2には、ズボン丈の調整に関する技術が開示されている。しかし、例えば、複数人が着回すような作業着及びレンタルユニフォーム等においては、特許文献1に開示する技術では、手軽に、何度もズボン丈を調整することができなく不便であり、特許文献2に開示する技術では、調整可能とするズボン丈の段数分のスナップを配置しなければならず不便であった。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、ズボン丈を手軽に、何度でも調整することができる丈調整機能具備ズボン及びズボン丈調整方法を提供する。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特定の面ファスナーをズボンの裾の内側に設けることでズボン丈を手軽に、何度でも調整することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下[1]〜[11]に関する。
[1]基布と該基布の表面に存在する係合素子とを備える面ファスナーがズボンの裾の内側に設けられた丈調整機能具備ズボンであって、
該基布上に係合素子存在領域と係合素子非存在領域を地経糸方向に交互に有し、
該係合素子存在領域には、少なくともループ状係合素子を有し、
該ズボンの裾を内側に折り返して、該ループ状係合素子と雄型係合素子とを係合させることによりズボン丈が調整可能な丈調整機能具備ズボン。
[2]前記係合素子存在領域と前記係合素子非存在領域が交互に規則的に同ピッチで配置されている[1]に記載の丈調整機能具備ズボン。
[3]前記面ファスナーが、前記ズボンの各裾の内側に2ヶ所以上設けられた[1]又は[2]に記載の丈調整機能具備ズボン。
[4]前記面ファスナーを構成している地経糸、地緯糸及び係合素子用糸が、いずれもポリアルキレンテレフタレート系ポリエステルから形成された糸であり、
該地緯糸が芯鞘型の熱融着性ポリエステル系繊維を含み、
該係合素子用糸が該熱融着性繊維により前記基布に固定され[1]〜[3]のいずれかに記載の丈調整機能具備ズボン。
[5]前記係合素子存在領域は、さらに前記雄型係合素子としてフック状係合素子を有し、前記ループ状係合素子と前記フック状係合素子とが混在する領域である[1]〜[4]のいずれかに記載の丈調整機能具備ズボン。
[6]前記フック状係合素子の基布面からの高さは、前記ループ状係合素子の基布面からの高さより低い[5]に記載の丈調整機能具備ズボン。
[7]前記係合素子存在領域の地経糸方向の長さに対して、前記係合素子非存在領域の地経糸方向D1の長さが0.2〜1.0倍である[5]又は[6]に記載の丈調整機能具備ズボン。
[8]前記面ファスナーの地経糸方向の一端側であり、前記ズボンの裾口に前記雄型係合素子を有する雄型面ファスナーが設けられた[1]〜[4]のいずれかに記載の丈調整機能具備ズボン。
[9]前記雄型係合素子は、キノコ状係合素子である[8]に記載の丈調整機能具備ズボン。
[10]前記係合素子非存在領域の地経糸方向の長さに対して、前記雄型面ファスナーの地経糸方向の長さが1.2〜2.0倍である[8]又は[9]に記載の丈調整機能具備ズボン。
[11]基布と該基布の表面に存在する係合素子とを備える面ファスナーがズボンの裾の内側に設けられた丈調整機能具備ズボンのズボン丈調整方法であって、
該面ファスナーは、該基布上に係合素子存在領域と係合素子非存在領域を地経糸方向に交互に有し、
該係合素子存在領域は、少なくともループ状係合素子を有し、
該ズボンの裾を内側に折り返して、該ループ状係合素子と雄型係合素子とを係合させることによりズボン丈を調整する工程を含むズボン丈調整方法。
本発明によれば、ズボン丈を手軽に、何度でも調整することができる丈調整機能具備ズボン及びズボン丈調整方法を提供できる。
本発明の第1の実施の形態に係る丈調整機能具備ズボンの模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る面ファスナーの係合素子の模式図である。 本発明の第1の実施の形態及び第2の実施の形態に係る面ファスナーの模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係るズボン丈調整方法を示す丈調整機能具備ズボンの模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係るズボン丈調整方法を示す面ファスナーの模式的断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る丈調整機能具備ズボンの模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る面ファスナーの係合素子の模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る雄型面ファスナーの模式的斜視図である。 図8の雄型面ファスナーを製造するのに用いるノズルの好適な一例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るズボン丈調整方法を示す丈調整機能具備ズボンの模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係るズボン丈調整方法を示す面ファスナーの模式的断面図である。
(第1の実施の形態)
[丈調整機能具備ズボン]
第1の実施の形態に係る丈調整機能具備ズボンは、図1に示すように、基布10とその基布10の表面に存在する係合素子11aとを備える面ファスナー1aがズボン2の裾の内側に設けられている。ズボン2に面ファスナー1aを設ける手段としては、縫製及びアイロン接着等が挙げられる。
ズボン2は、ズボン股下部21とズボン股上部22とからなり、ズボン股下部21の内側に面ファスナー1aが設けられている。面ファスナー1aは、丈調整した後の係合強度を確保する観点から、ズボン2の各裾の内側に2箇所以上設けられていることが好ましい。当該観点から、面ファスナー1aは、ズボン2の各裾の内側の両サイドに2箇所設けられていることが好適である。
ズボン2の材質としては、ポリエステル及び綿等を用いることができる。
面ファスナー1aは、地経糸、地緯糸及び係合素子用糸により形成されている。面ファスナー1aを構成している地経糸、地緯糸及び係合素子用糸は、いずれもポリアルキレンテレフタレート系ポリエステルから形成された糸であることが好ましいが、ナイロンで代表されるポリアミド系樹脂、ポリプロピレンで代表されるポリオレフィン系樹脂等公知の面ファスナーを構成する樹脂を用いることが可能である。
ポリアルキレンテレフタレート系のポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート単位又はブチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステルであり、主としてテレフタル酸とエチレングリコール、又はテレフタル酸と1,4― ブタンジオールからの縮合反応により得られるポリエステルである。ポリアルキレンテレフタレート系のポリエステルは、若干ならばテレフタル酸やエチレングリコール又は1,4―ブタンジオール以外の重合単位が付加されていてもよい。
このような重合単位の代表例としては、イソフタル酸、スルホイソフタル酸ソーダ、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族又は脂環族ジカルボン酸、エチレングリコール(ポリアルキレンテレフタレートがポリブチレンテレフタレートの場合)、プロピレングリコール、ブタンジオール(ポリアルキレンテレフタレートがポリエチレンテレフタレートの場合)等のジオール類、ヒドロキシ安息香酸、乳酸等のオキシカルボン酸、安息香酸で代表されるモノカルボン酸等が挙げられる。更に、上記ポリアルキレンテレフタレート系ポリエステルには、それ以外のポリマーが少量添加されていてもよい。
面ファスナー1aの係合素子11aは、図2に示すように、雄型係合素子の一例であるフック状係合素子12と、ループ状係合素子13とが設けられている。面ファスナー1aの係合素子11aは、フック状係合素子12とループ状係合素子13とが混在する領域であることが、係合素子存在領域にループ状係合素子13とそれに係合する雄型係合素子(所謂、フック状係合素子12)が存在することになり、面ファスナー1aのみで、ループ状係合素子13と雄型係合素子(フック状係合素子)12が係合することから、わざわざ雄型係合素子のみからなる面ファスナーを面ファスナーの地経糸方向の一端側に設けることが必要ない点で好ましい。
さらに、面ファスナー1a同士が相対して重なる部分によって、面ファスナー1a同士が係合し合うことで、係合力が顕著に優れ、歩行時や作業時に調整状態が変わることがない点で優れる。
そして、ループ状係合素子のみからなる面ファスナーの地経糸方向の一端側に設ける雄型係合素子のみからなる面ファスナーとループ状係合素子のみからなる面ファスナーの係合では、調節機能は優れるものの、雄型係合素子のみからなる面ファスナーとの係合のみとなり、上記した面ファスナー1a同士の係合の方が係合力維持の点で優れる。
フック状係合素子12を構成している糸は、モノフィラメント糸であることが好ましい。ループ状係合素子13を構成している糸は、マルチフィラメント糸であることが好ましい。
フック状係合素子12を構成している糸及びループ状係合素子13を構成している糸の材料は、同一のものを採用してもよく、異なるものを採用してもよい。フック状係合素子12を構成している糸及びループ状係合素子13を構成している糸の材料としては、強い係合強力を得られ、また形状や寸法が変化しにくい観点から、ポリアルキレンテレフタレート系のポリエステルを採用することが好ましい。また、ループ状係合素子13を構成している糸の材料としては、人肌に触れたときにチクチクするような不快感を低減させることができるという観点から、ポリブチレンテレフタレート(PBT)であることが好ましい。
面ファスナー1aは、図3に示すように、地経糸方向D1に係合素子存在領域A1と係合素子非存在領域A2が交互に存在している。
面ファスナー1aは、係合素子存在領域A1と係合素子非存在領域A2が交互に規則的に同ピッチで存在していることが好ましい。係合素子存在領域A1と係合素子非存在領域A2が交互に規則的に同ピッチで存在していることによって、面ファスナー1aを折り曲げて使用する際に、折り曲げた後係合させる位置決めが容易になる。
係合素子存在領域A1の地経糸方向D1の長さとしては、本発明の面ファスナー1aがズボン丈の長さ調整が代表的な用途であることから、10〜100mmであることが好ましく、15〜75mmであることがより好ましく、20〜50mmであることがさらに好ましい。係合素子非存在領域A2の地経糸方向D1の長さとしては、5〜90mmであることが好ましく、10〜70mmであることがより好ましく、15〜45mmであることがさらに好ましい。
係合素子存在領域A1の地経糸方向D1の長さに対して、係合素子非存在領域A2の地経糸方向D1の長さが0.2〜0.9倍であることが好ましく、0.2〜0.7倍であることがより好ましく、0.2〜0.5倍であることがさらに好ましい。係合素子存在領域A1の地経糸方向D1の長さに対して、係合素子非存在領域A2の地経糸方向D1の長さが、上記範囲であることで、面ファスナー1aを折り返した際に、確実に係合素子存在領域A1同士が係合することが可能となる。
フック状係合素子12に用いられる、ポリエステル製のフック状係合素子用モノフィラメント糸の太さとしては、直径0.14〜0.25mmであることが好ましく、0.15〜0.24mmであることがより好ましく、0.16〜0.22mmであることがさらに好ましい。ポリエステル製のフック状係合素子用モノフィラメント糸の太さが、上記範囲であることで、十分な係合力を得ることができ、モノフィラメントの基布打込みを織製することができ、柔軟な手触り感が得られる。
ここでいう直径とは、モノフィラメント糸の断面形状を中実の円に換算した場合の直径をいう。モノフィラメント糸の断面形状は、三角、四角、五角等の多角断面、矩形、楕円形、中空等の異型であってもよい。
ループ状係合素子13は、上述したように、フック状係合素子12と同様、ポリアルキレンテレフタレート系のポリエステルから構成されたマルチフィラメント糸である。
ループ状係合素子13を熱融着により基布10に強固に固定するためには、ループ状係合素子13を構成するフィラメントの本数を少なくする方が溶融樹脂の浸透性が向上する観点から好ましい。ループ状係合素子13のマルチフィラメント糸の本数は、上記観点から、4〜15本であることが好ましく、5〜12本であることがより好ましく、6〜9本であることがさらに好ましい。ループ状係合素子13は、上記範囲の本数のフィラメントからなるトータルデシテックスが200〜300デシテックスのマルチフィラメント糸であることが好ましい。
なお、本発明において、ループ状係合素子13を構成するマルチフィラメント糸には、ポリアルキレンテレフタレート系ポリエステルからマルチフィラメント糸に、少数の他のフィラメント糸が引き揃えられていてもよい。
フック状係合素子用モノフィラメント糸及びループ状係合素子用マルチフィラメント糸の打ち込み本数は、それぞれ、後述する熱処理後で地経糸本数20本(フック状係合素子用モノフィラメント糸又はループ状係合素子用マルチフィラメント糸を含む)に対して3〜8本程度が好ましく、4〜7本程度であることがより好ましく、5〜6本程度であることがさらに好ましい。
フック状係合素子12の基布面からの高さは、強い係合強力を得られる観点から、1.5〜3.0mmであることが好ましく、1.6〜2.7mmであることがより好ましく、1.8〜2.5mmであることがさらに好ましい。
ループ状係合素子13の基布面からの高さは、強い係合強力を得られるのと、肌触り感の観点から、1.6〜4.0mmであることが好ましく、1.8〜3.7mmであることがより好ましく、2.0〜3.3mmであることがさらに好ましい。
フック状係合素子12の基布面からの高さは、ループ状係合素子13の基布面からの高さより0.2〜0.8mm低いことが好ましい。フック状係合素子12の基布面からの高さがループ状係合素子13の基布面からの高さより低いことで、面ファスナー1aの係合素子11aが人肌と触れる場合にループ状係合素子13が触れることになり、チクチクするように不快感を低減させることができる。
係合素子存在領域A1の地経糸方向の最外列が、ループ状係合素子13であることが好ましい。係合素子存在領域A1の地経糸方向の最外列が、ループ状係合素子13であることによって、面ファスナー1aの表面を触った時にループ状係合素子13が触れるようになり、チクチクするように不快感を低減させることができる。
係合素子存在領域A1のフック状係合素子12の密度は、25〜60個/cmの範囲が好ましく、30〜50個/cmの範囲がより好ましく、35〜45個/cmの範囲がさらに好ましい。係合素子存在領域A1のフック状係合素子12の密度が、上記範囲であることで、十分な係合力を得ることができ、フック状係合素子同士が邪魔しあってループ状係合素子との係合を妨げることがない。
係合素子存在領域A1のループ状係合素子13の密度としては、マルチフィラメント単位で、25〜60個/cmの範囲が好ましく、30〜50個/cmの範囲がより好ましく、35〜45個/cmの範囲がさらに好ましい。係合素子存在領域A1のループ状係合素子13の密度が、上記範囲であることで、ループ状係合素子同士が邪魔し合って、係合力が劣ることがなく、高い係合力が得られる。
本発明の面ファスナー1aの基布10を構成する地経糸及び地緯糸も、ポリアルキレンテレフタレート系ポリエステルからなる合成繊維が用いられる。地経糸としては、ポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント糸を用いることが好ましい。
基布10を構成する地経糸を構成するマルチフィラメントの太さとしては、16〜96本のフィラメントからなるトータルデシテックスが75〜250デシテックスであるマルチフィラメント糸が好ましく、24〜48本のフィラメントからなるトータルデシテックスが100〜200デシテックスであるマルチフィラメント糸がより好ましい。そして、このようなマルチフィラメント糸を熱処理後の織密度として35〜80本/cmとなるように基布を構成する。
ポリアルキレンテレフタレート系の合成繊維は、面ファスナー1aの素材として最も一般的に多く使用されるポリアミド系の合成繊維に比べて、水分や温度の変化により寸法が変化しにくいことが特徴の一つである。その特徴の効果として、一旦織成の設計によって決められた、ループ1本1本の地緯糸方向間隔は、織成する装置が長期間稼働しても変化する可能性が少なく、ループの片脚を切断してフック状係合素子を形成することが確実に実施できることとなる。
また、水分や温度の変化によって繊維の寸法変化が生じにくいという特徴は、ポリアミド系の合成繊維を用いて面ファスナーにした場合の外観でも差異がみられる。すなわち、ポリアミド系の合成繊維を用いた面ファスナーは、その雰囲気中の温度や湿度によって面ファスナーの幅手方向の長さ変化すると、面ファスナーのフック状係合素子の中に片脚部が切断されずにループの状態で残ることや両脚とも切断されてフック状係合素子が形成されないものが発生する原因になる。
本発明において、面ファスナー1aのフック状係合素子12を構成するモノフィラメント糸及びループ状係合素子13を構成するマルチフィラメント糸は、ともに地経糸に平行に基布10に挿入され、係合素子存在領域A1では、フック状係合素子12の場合には所々で地経糸を跨ぎ、跨いだ箇所でループを構成して、フック用ループを地経糸方向から傾いた方向に向け、一方、ループ状係合素子13の場合には地経糸を跨ぐことなく地経糸にほぼ平行にループを構成するのが、ループ状係合素子13にフック状係合素子12が引っかかり易く、高い係合力が得られる点から好ましい。
また、係合素子非存在領域A2では、係合素子用のループを形成する必要はない。したがって、地緯糸を跨ぐことなく基布構成糸の一部として地経糸と同様に織り込まれる。
本発明の面ファスナー1aを製造する過程で、フック状係合素子12のフック形状及びループ状係合素子13のループ形状を固定するために、面ファスナー用織地には熱が加えられる。本発明の面ファスナー1aにおいては、フック形状及びループ形状を固定するために加えられる熱が同時に基布を構成する熱融着性繊維を収縮かつ融着させ、フック状係合素子12及びループ状係合素子13の根元を基布に強固に固定することとなる。したがって、加えられる熱の温度としては、地緯糸として用いられる熱融着性繊維が収縮及び溶融する温度で、かつフック状係合素子用モノフィラメント糸及びループ状係合素子用マルチフィラメント糸が熱固定される温度である150〜220℃が一般的に用いられ、より好ましくは170〜210℃、さらに好ましくは180〜200℃の範囲である。
フック状係合素子用ループは、そのループ脚部の片脚側部が切断され、フック状係合素子12とされる。そして、フック状係合素子12を形成するためにフック状係合素子用ループの片側部を切断するために用いられる切断装置は、地経糸方向に走行するフック面ファスナー用布のフック状係合素子用ループの片脚を2本の固定刃の間を可動切断刃の往復運動によって切断する構造となっているのが好ましく、そのために、フック状係合素子用のループは、上記したように地経糸を跨ぐ場所で形成していると、ループの片足だけを容易に切断できることから好ましい。
本発明の面ファスナー1aの基布10に用いられる地緯糸としては、上記熱処理条件下で熱融着してフック状係合素子用モノフィラメント糸又はループ状係合素子用マルチフィラメント糸の根元を基布に強固に固定できる繊維を含んだ熱融着性繊維でなければならない。基布10に用いられる地緯糸として用いられる熱融着性繊維としては、低融点又は低軟化点のポリアルキレンテレフタレート系ポリエステルを鞘成分とする芯鞘型複合繊維からなるマルチフィラメント糸が挙げられる。
鞘成分には、無機微粒子が0.03〜3質量%添加されているのが好ましい。無機微粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、硫酸バリウムが挙げられ、特に酸化チタンが好ましい。上記範囲の量の無機微粒子が添加されていることにより、鞘成分を溶融させてバインダーとして働かせた際に、溶融したバインダー樹脂が広く流れ出して基布内に広く浸透することを防止することができ、その結果、基布を硬いものとすることを防止することができる。添加量が0.03質量%より少ない場合には、樹脂の流れ出しを十分に防ぐことができず、3質量%を超える場合には、逆に溶融した樹脂がフック状係合素子用のモノフィラメントやループ状係合素子用のマルチフィラメントの根元を固定する能力が劣ることとなり、係合・剥離の繰り返しにより係合素子が引き抜かれ易くなる。好ましくは、0.04〜1質量%の無機微粒子が添加されている場合である。
地緯糸となる芯鞘型の熱融着性繊維の鞘成分樹脂は、フック状係合素子用のモノフィラメントやループ状係合素子用のマルチフィラメント、さらには地経糸、該芯鞘型熱融着性繊維の芯成分樹脂のいずれよりも低い融点又は軟化点を有していることが必要であり、融点又は軟化点が20℃以上低い樹脂であることが好ましく、融点又は軟化点が30℃以上低い樹脂であることがより好ましい。具体的には、鞘成分樹脂は、150〜200℃の融点又は軟化点を有している樹脂である。鞘成分樹脂としては、例えば、イソフタル酸やスルホイソフタル酸ソーダ、エチレングリコールやプロピレングリコール等が共重合されたポリエチレンテレフタレートあるいは同共重合されたポリブチレンテレフタレート系のポリエステル樹脂が挙げられる。
芯成分としては、鞘成分樹脂との耐剥離性の点及び同一染色性の点、さらに収縮して係合素子用糸を締め付けて固定し易い点から、ポリアルキレンテレフタレート系エステルの樹脂であることが好ましい。芯成分として高融点を有していることが求められることから、ポリエチレンテレフタレートホモポリマーやポリブチレンテレフタレートホモポリマーが好ましく、なかでも形体安定性の点でポリエチレンテレフタレートホモポリマーが特に好ましい。
地緯糸を構成する繊維中に占める熱融着性繊維の割合としては、特に地緯糸の全てが実質的に芯鞘型の熱融着性繊維で形成されている場合には、フック状係合素子12及びループ状係合素子13が共に強固に基布10に固定されることとなるため好ましい。繊維が芯鞘等の複合繊維でなく、繊維の全てが熱融着性のポリマーで形成されている単独繊維の場合には、溶けて再度固まった熱融着性ポリマーは脆く割れ易くなり、縫製した場合等は縫糸部分から基布が裂け易くなる。したがって、熱融着性繊維は、熱融着されない樹脂を含んでいることが必要となり、芯鞘の断面形状を有しているものが用いられる。
そして、芯成分と鞘成分の重量比率は60:40〜80:20の範囲が好ましい。なお、芯鞘の断面形状は完全な同芯型の芯鞘形状である必要はなく、バイメタル形状に近い偏芯型の芯鞘形状であってもよい。
フック状係合素子12及びループ状係合素子13を共に強固に基布10に固定するためには、地緯糸として用いられた熱融着性繊維が熱融着すると共に、繊維自身が収縮してフック状係合素子12及びループ状係合素子13の根元を両サイドから締め付けるのが好ましい。そのために、地緯糸として用いられる熱融着性繊維は、熱処理条件下で大きく熱収縮を生じる繊維が好ましい。具体的には、200℃での乾熱収縮率が10%以上である繊維が好ましく、200℃での乾熱収縮率が11〜18%の繊維がより好ましい。
なお、地緯糸を構成する熱融着性マルチフィラメント糸の太さとしては、12〜60本のフィラメントからなるトータルデシテックスが50〜250デシテックスであるマルチフィラメント糸が好ましく、特に18〜36本のフィラメントからなるトータルデシテックスが75〜150デシテックスであるマルチフィラメント糸が好ましい。そして、このようなマルチフィラメント糸の織密度として、熱処理後の織密度で15〜30本/cmとなるように基布10に打ち込むのが好ましい。
地緯糸は、加熱したときの基布10の収縮が地緯糸方向に5%以上であることが係合素子11aを締め付け強固に固着する点で好ましい。
地緯糸の重量割合としては、面ファスナー1aを構成するフック状係合素子用モノフィラメント糸あるいはループ状係合素子用マルチフィラメント糸と地経糸及び地緯糸の合計重量に対して15〜40%が好ましい。
基布10の係合素子存在領域A1の織組織としては、フック状係合素子用モノフィラメント糸及びループ状係合素子用マルチフィラメント糸を地経糸の一部とした平織りが好ましい。これら係合素子用糸は、地経糸と平行に存在しつつ、係合素子存在領域A1では、組織の途中で基布面から立ち上がり、面ファスナー1aのフック状係合素子12は、ループを形成しつつ地経糸を1〜3本飛び越えて地経糸間にもぐり込むような織組織であることが好ましい。一方、面ファスナー1aのループ状係合素子13は、地経糸を跨ぐことなく地経糸に平行に存在している織組織であることが好ましい。当該織組織であることによって、フック状係合素子用ループの片脚側部を容易に切断でき、さらにフック状係合素子とループ状係合素子が係合し易くなる。
基布10の係合素子非存在領域A2の織組織としては、地経糸を跨ぐことなく、地経糸に平行に、地経糸の一部として織組織を形成しているのが好ましい。そして、係合素子存在領域A1と係合素子非存在領域A2を交互に規則的に同ピッチで形成する方法は、係合素子11aの形成用である綜絖枠の往復運動を、電気信号によって制御されたループ形成装置を用いることにより簡単に実施でき、本発明には好適な装置である。すなわち、上記4種の糸を用いて、フック状係合素子12又はループ状係合素子13を形成する綜絖枠の往復運動は電気信号によって制御されることできわめて多くの緯糸本数を用いた周期の組織で構成される装置を用いることで容易に製造できる。
なお、通常の織機では綜絖枠の往復運動は、一般にカードとよばれる部品の高さが綜絖枠の上下位置を決め、カードをチェーン状につないで回転させることで、綜絖枠の往復運動を繰り返している。しかしながら、カードをチェーン状につなぐ場合は、織機に内蔵可能な長さにしなければならないため、往復運動の周期には物理的制限が発生する。長さの制限は織機の種類によって多様であるが、緯糸を打込む本数が50本程度までの周期で組織を組むのが限界の場合が多い。
綜絖枠の往復運動を電気信号によって制御するとは、カードをチェーン状につなぐ部品を電気信号によって制御する部品に置き換えることである。綜絖枠の往復運動を電気信号によって制御することで、カードをチェーン状につなぐ場合の長さの制限がなくなり、例えば、緯糸打込み本数が千本以上の極めて多くの緯糸本数を打込む組織を組むことが可能となる。電気信号によって綜絖枠の往復運動を制御する場合の織機は、電気磁石又はモーター等を用いて綜絖枠を上下させる。
例えば、地緯糸30〜80本分には、係合素子用糸は地緯糸5本を浮沈したのちにループを形成するようにして、基布上にループを形成して係合素子存在領域A1とし、それに続く地緯糸100〜250本分には、係合素子用糸はループを形成しないように基布中に織り込み、係合素子非存在領域A2とすることにより本発明の面ファスナー用織物は製造される。
次に、このようにして製造された面ファスナー用織物に熱処理を行う。この熱処理により、係合素子用ループのループ形状が固定されるとともに、基布を構成している地緯糸の芯鞘型熱融着性繊維の鞘成分が溶融され、バインダーとして働き、さらに芯鞘型熱融着性繊維が熱収縮を生じて、係合素子用ループの根元をしっかりと固定することとなる。
そして、得られた面ファスナー用織物のフック状係合素子12となるものは、フック係合素子用ループの片脚を切断して、ループをフック形状とする。
このようにして得られた面ファスナー1aは、必要により染色される。従来のバックコート処理を行った面ファスナーの場合には、裏面にバックコート用接着剤層が存在していると、染料液が面ファスナー内部まで均一に到達できず、染斑となることから、止むを得ず、バックコート処理を行う前の状態、すなわち係合素子用ループが基布に固定されていない状態で染色されていたため、係合素子存在領域A1と係合素子非存在領域A2が交互に規則的に同ピッチで存在している面ファスナーの場合には、染色時の攪拌等により係合素子用ループの列にズレ等を生じ、その後に係合素子用ループの片脚のみを切断してフックとすることが難しいという問題点を有していたが、本発明の面ファスナー1aの場合には、染色は、係合素子用ループの片脚切断後に行うことができるため、従来技術のように係合素子用ループの片脚のみ切断することが困難という問題も生じない。
[ズボン丈調整方法]
以下に、第1の実施の形態の丈調整機能具備ズボンを用いたズボン丈調整方法について、図4及び図5を参照して説明する。
第1の実施の形態に係るズボン丈調整方法は、第1の実施の形態に係る丈調整機能具備ズボンのズボン丈調整方法であって、面ファスナー1aを折り返して係合させることによりズボン丈を調整する工程を含む。
第1の実施の形態に係るズボン丈調整方法は、具体的には、図4に示すように、ズボン2の裾を所定の長さとなる折り返し部を決定する。そして、ズボン2の裾を折り返し部にて内側に折り返すことで、図5に示すように、同一の面ファスナー2に設けられた係合素子11a同士を係合させることでズボン丈を調整することができる。
第1の実施の形態に係る丈調整機能具備ズボン及びズボン丈調整方法によれば、面ファスナーの基布上に係合素子存在領域と係合素子非存在領域を地経糸方向に交互に有することで、ズボン丈調整において、例えば、裾から折り返し部までの係合素子存在領域又は係合素子非存在領域の個数によって位置決めが可能となり、ズボン丈を手軽に、何度も同じ長さに調整することができる。
また、第1の実施の形態に係る丈調整機能具備ズボン及びズボン丈調整方法によれば、面ファスナーの基布上に係合素子存在領域と係合素子非存在領域を地経糸方向に交互に有することで、面ファスナーを折り返し易くなり、折り返した箇所から互いに係合素子が係合するので自由自在な長さに調整可能となる。折り返した箇所から互いに係合素子が係合することで、折り返し部をコンパクトに折り返すことができ、ズボン丈調整を行った際のズボン裾の折り返し部が膨らんで見えることがなくなり、好ましい見た目(ファッション性)を実現することができる。
また、第1の実施の形態に係る丈調整機能具備ズボンによれば、ズボンに面ファスナーを容易に配設することができ、かつ、1回の工程で済ませることができる。
(第2の実施の形態)
[丈調整機能具備ズボン]
第2の実施の形態に係る丈調整機能具備ズボンは、図6に示すように、第1の実施の形態に係る丈調整機能具備ズボンと比して、面ファスナー1bの地経糸方向の一端側であり、ズボン2の裾口に雄型面ファスナー3が設けられた点が異なる。第2の実施の形態に係る丈調整機能具備ズボンについて、第1の実施の形態に係る丈調整機能具備ズボンと実質的に同様である箇所の記載については、重複した記載となるので省略する。
面ファスナー1bの係合素子11bは、図7に示すように、ループ状係合素子13のみが設けられている。ループ状係合素子13を構成している糸の材料としては、寸法や形状が変化しくい観点から、ポリアルキレンテレフタレート系のポリエステルを採用することが好ましい。また、ループ状係合素子13を構成している糸の材料としては、人肌に触れたときにチクチクするような不快感を低減させることができるという観点から、ポリブチレンテレフタレート(PBT)であることが好ましい。
ループ状係合素子13の基布面からの高さは、強い係合強力を得られるのと肌触り感の観点から、1.6〜3.0mmであることが好ましく、1.8〜2.8mmであることがより好ましく、2.0〜2.6mmであることがさらに好ましい。
係合素子存在領域A1のループ状係合素子13の密度としては、マルチフィラメント単位で、30〜120個/cmの範囲が好ましく、35〜80個/cmの範囲がより好ましく、40〜60個/cmの範囲がさらに好ましい。係合素子存在領域A1のループ状係合素子13の密度が120個/cmを超える場合には、ループ状係合素子同士が邪魔し合って、係合力が劣り、また30個/cm未満の場合には、係合が少なく、高い係合力が得られない。
図3に示すような、係合素子存在領域A1の地経糸方向D1の長さとしては、本発明の面ファスナー1bがズボン丈の長さ調整が代表的な用途であることから、10〜100mmであることが好ましく、15〜75mmであることがより好ましく、20〜50mmであることがさらに好ましい。係合素子非存在領域A2の地経糸方向D1の長さとしては、5〜90mmであることが好ましく、10〜70mmであることがより好ましく、15〜45mmであることがさらに好ましい。
係合素子非存在領域A2の地経糸方向D1の長さに対して、雄型面ファスナー3の地経糸方向D1の長さが1.2〜1.6倍であることが好ましく、1.2〜1.8倍であることがより好ましく、1.2〜2.0倍であることがさらに好ましい。係合素子非存在領域A2の地経糸方向D1の長さに対して、雄型面ファスナー3の地経糸方向D1の長さが、上記範囲であることで、ズボン2の裾を折り返した際に、面ファスナー1bの係合素子存在領域A1と雄型面ファスナー3とが確実に係合することが可能となり、ズボン丈を自由自在な長さに調整することができる。そして、面ファスナー1bの係合素子存在領域A1と雄型面ファスナー3とが重なる面積が大きくなることで、より強固に係合することになり、折り返した部分が外れにくくなる。
雄型面ファスナー3は、図8に示すように、雄型係合素子の一例であるキノコ状係合素子14を有する。雄型係合素子としては、布製の基布に立設したフック状の係合素子(第1の実施の形態で示したフック状係合素子12)や、プラスチックの基板に立設したキノコ状、鉤状、矢じり状等の係合素子を挙げることができる。なかでも、プラスチックの基板に立設したキノコ状係合素子14が、人肌に触れた場合に不快感を低減することができるという観点から好ましい。図8は基板30上にキノコ状係合素子14を有する面ファスナーを示している。キノコ状の頭部を有するモノフィラメントからなるキノコ状係合素子14は、モノフィラメントの頭部を溶融させて球状にすることにより得ることができる。
雄型係合素子を合成繊維のモノフィラメントから形成する場合は、その繊度が100〜900dtexの範囲であることが好ましく、200〜600dtexの範囲であることがより好ましい。
雄型係合素子の素子密度及び係合力としては、一般的に、クラレファスニング株式会社から販売されている織面ファスナーが有している程度のものを用いることができる。
雄型面ファスナー3の基板30として基布を用いる場合は、基布を構成する繊維としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系等が挙げられる。なかでも、ポリアルキレンテレフタレート系のポリエステルの繊維を基布及び雄型係合素子用繊維として用いたものが、フックが倒れ難く、いつまでも高い係合力が得られる点から好ましい。
また、雄型面ファスナー3は、雄型係合素子を一体成形したものでもよい。一体成型とする場合の雄型係合素子は、プラスチックの基板にキノコ状、鉤状、矢じり状等の係合素子を成形立設したものであってもよい。
図8は、雄型係合素子の一例として基板30の上にキノコ状係合素子14が構成される場合を示している。
各キノコ状係合素子14は、ステム部14aとその上部に広がる傘部14bからなり、かつ係合素子列方向Xに直交する方向(Y方向)に傘部14bはステム部14aからはみ出して拡がっているが、係合素子列方向(X方向)には傘部14bは拡がりを有しておらずにステム部14aから傘部先端部に至るまでほぼ同一の幅(W)を有している。このような構造は、熱可塑性樹脂をスリット状ノズルから押し出して、基板30上に複数の係合素子用列条を有するテープ状物を形成し、そして、係合素子用列条に、それと交差する方向にその先端から根元に至る切れ目を入れ、そして延伸することにより形成されるものであり、ループ状係合素子との高い係合力を得る上でこのような構造を有していることが重要である。
各キノコ状係合素子14の傘部14bの広がり部の長さ(P)としては、ループ状係合素子13との係合力を得られるという観点から、0.4〜0.9mmであることが好ましく、0.5〜0.7mmであることがより好ましい。
上記したように、雄型面ファスナー3は、熱可塑性樹脂からなる基板30とその上に存在する同樹脂からなる多数のキノコ状係合素子14から構成される。基板30の厚さとしては、0.1〜0.4mmであることが好ましく、0.2〜0.3mmであることがより好ましい。また、基板30の幅(係合素子列に直交するY方向の幅)は、余りに幅広い場合には係合素子用列条に高速で切れ目を入れるのが困難となるので、5〜200mmであることが好ましく、10〜100mmであることが好ましい。
また、キノコ状係合素子14を構成するステム部14aの係合素子列方向の幅(W)は、0.25〜0.35mmであることが好ましく、0.28〜0.33mmであることがより好ましい。また、ステム部間の間隔、すなわち隣り合う係合素子列との間隔(Q)は、0.5〜1.5mmであることが好ましく、0.8〜1.2mmであることがより好ましい。係合素子列方向(X方向)に隣り合うキノコ状係合素子14の間隔(S2)は、W:S2の比が1:0.7〜1:1.3となることが好ましく、W:S2の比が1:0.8〜1:1.2の範囲であることがより好ましい。W:S2の比が、上記範囲であることで、ループ状係合素子13がキノコ状係合素子14に係合するだけの十分な切れ目(すなわちキノコ状係合素子間隔)を有していることとなり、さらに基板30も充分に延伸されていることから基板強度が充分となる。
また、係合素子列方向と直交する方向(Y方向)のステム幅(R)は、0.2〜0.5mmであることが好ましく、0.3〜0.4mmであることがより好ましい。隣り合う係合素子列間の傘部での間隔(Z)は、0.2〜1.2mmであることが好ましく、0.5〜0.9mmであることがより好ましい。更に、キノコ状係合素子14の高さ(H)の10〜40%、特に20〜25%が傘部14bであるのが好ましい。
これらの大きさや範囲を満足していることによって、係合力、係合し易さ及び肌触り感を達成し、さらに基板の裂け難さを得る上で好ましい。
基板幅[キノコ状係合素子列と直交する方向(Y方向)の基板の幅]1cm当たりキノコ状係合素子列が5〜15本、好ましくは6〜10本存在するのが好ましい。少なすぎても、また、多すぎても係合力が低下する。
キノコ状係合素子14は、図9に示すノズル15を用い、基板形成用スリット16とステム部及び傘部形成用スリット17から熱可塑性樹脂を溶融押出して形成される。キノコ状係合素子14のステム部の根元付近は、ステム部14aの中間部分と比べて係合素子列方向の太さが太くなりがちである。そのような場合には、本発明でいう寸法は、ステム部14aの高さの中間部での長さを意味する。
なお、上記したキノコ状係合素子14の寸法や間隔は、任意に選んだ係合素子又は係合素子間等10個の値の平均値である。
[ズボン丈調整方法]
以下に、第2の実施の形態の丈調整機能具備ズボンを用いたズボン丈調整方法について、図10及び図11を参照して説明する。
第2の実施の形態に係るズボン丈調整方法は、第2の実施の形態に係る丈調整機能具備ズボンのズボン丈調整方法であって、ズボン2の裾を折り返して面ファスナー1bと雄型面ファスナー3とを係合させることによりズボン丈を調整する工程を含む。
第2の実施の形態に係るズボン丈調整方法は、具体的には、図10に示すように、ズボン2の裾を所定の長さとなる折り返し部を決定する。そして、ズボン2の裾を折り返し部にて内側に折り返すことで、図11に示すように、面ファスナー1bと雄型面ファスナー3とを係合させることでズボン丈を調整することができる。
第2の実施の形態に係る丈調整機能具備ズボン及びズボン丈調整方法によれば、面ファスナーの基布上に係合素子存在領域と係合素子非存在領域を地経糸方向に交互に有することで、ズボン丈調整において、例えば、裾から折り返し部までの係合素子存在領域又は係合素子非存在領域の個数によって位置決めが可能となり、ズボン丈を手軽に、何度も同じ長さに調整することができる。
また、第2の実施の形態に係る丈調整機能具備ズボン及びズボン丈調整方法によれば、面ファスナーの基布上に係合素子存在領域と係合素子非存在領域を地経糸方向に交互に有することで、面ファスナーを折り返し易い。
また、第2の実施の形態に係る丈調整機能具備ズボンによれば、ズボンに面ファスナー及び雄型面ファスナーを容易に配設することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
面ファスナーを構成する地経糸、地緯糸、フック状係合素子用モノフィラメント糸及びループ状係合素子用マルチフィラメント糸として次の糸を用意した。
[地経糸]
・融点260℃のポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント糸
・トータルデシテックス及びフィラメント本数:167デシテックスで30本
[地緯糸(芯鞘型複合繊維からなるマルチフィラメント系熱融着糸)]
・芯成分:ポリエチレンテレフタレート(融点:260℃)
・鞘成分:イソフタル酸25モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(軟化点:180℃)
・芯鞘比率(重量比): 7:3
・トータルデシテックス及びフィラメント本数:197デシテックスで48本
・200℃で1分間の乾熱収縮率:14%
[フック状係合素子用モノフィラメント]
・ポリエチレンテレフタレート繊維(融点:260℃)
・繊度:390デシテックス(直径:0.19mm)
[ループ状係合素子用マルチフィラメント]
・ポリブチレンテレフタレート繊維(融点:220℃)
・トータルデシテックス及びフィラメント本数:265デシテックスで7本
織装置は、上記4種の糸を用い、フック状係合素子又はループ状係合素子を形成する綜絖枠の往復運動は電気信号によって制御されることできわめて多くの地緯糸本数を用いた周期の組織で構成される装置を用いた。
上記4種の糸を使用し、フック状係合素子を地経糸方向(長手方向)に2列設け、隣接してループ状係合素子を2列設けた配列を繰り返すよう、フック状係合素子用モノフィラメントとループ状係合素子用マルチフィラメントを並べた。また、表面を触った時にループ状係合素子が触れるよう、係合素子存在領域の地経糸方向の最外列にループ状係合素子を配列した。織組織は平織で、織密度が地経糸72本/cmで地緯糸18本/cmとした。フック状係合素子用モノフィラメントは、地経糸8本に2本の割合で打ち込んだ。また、ループ状係合素子用マルチフィラメントは、地経糸8本に2本の割合で打ち込んだ。
上記条件にて織成された面ファスナーを、地緯糸の鞘成分のみが熱溶融し、なおかつ、地経糸、ループ係合素子用マルチフィラメント、雄型係合素子用モノフィラメントさらには地緯糸の芯成分が熱溶融しない温度域、すなわち摂氏200℃で熱処理を施した。地緯糸は、大きく収縮するとともに鞘成分が溶融して近隣に存在する糸を融着させた。
その結果、基布は地緯糸方向に収縮し、地緯糸方向に10%収縮した。そして、得られた織物を冷却させたのち、フック状係合素子用ループの片脚部(ループ状係合素子から離れている方)を切断したフック状係合素子を形成した。
得られた面ファスナーのフック状係合素子密度は30個/cmであり、ループ状係合素子密度は31個/cmであった。さらにフック状係合素子及びループ状係合素子の基布面からの高さは、それぞれ1.7mm及び2.2mmであった。
そして、上記の面ファスナーを、長さ方向に52.0cmの長さで切断した。切断された面ファスナーは2.0cmの係合素子存在領域が20ヶ所存在し、その20ヶ所の係合素子存在領域の間に、1.5cmの係合素子非存在領域が存在するようにし、そして係合素子非存在領域の部分を切断し、ズボンの足が通る内側に対象となる位置で裾口付近から縫製して取り付けた。
なお、フック状係合素子とループ状係合素子が同一面に存在する面ファスナーは、折り曲げると係合するため、ズボンの裾口に雄型の面ファスナー等を取り付ける必要はない。
製造された丈調整機能具備ズボンの長さを調整のため内側へ折り返し、係合素子同士を係合させ、左右のズボンの長さを調整した。実際の作業は、係合素子存在領域の個数を数えながら折り返し、手で押さえるだけで位置調整ができるため、簡単に位置調整ができた。
実施例1に係る面ファスナーは、係合素子が存在しない部分でもフック状係合素子を形成するモノフィラメント糸は織り込まれているため、係合素子が存在しない領域においてもわずかに硬く感じられるものの、折り曲げることにおいて、なんら支障は感じられなかった。また、面ファスナー同士が係合すること、係合素子非存在領域でズボンを折り返してズボン丈を調整することで、折り返し箇所が膨らますに折り返されることから、ファッション性と係合力のいずれも優れる。
また、実施例1に係る面ファスナーは、フック状係合素子とループ状係合素子が同一面に存在するため、折り曲げ向き合った面ファスナー同士が係合するため、裾口付近が膨らんで見えることがなかった。
また、実施例1に係る面ファスナーが足の脛や足首の部分に面ファスナーが接触した場合であっても、チクチクするといった不快な感覚もなく、また靴下と面ファスナーが接触した場合であっても繊維を引っ掛けることもなかった。これは、フック状係合素子とループ状係合素子が同一面に存在する面ファスナーを製造する際には、素子の高さを必ずループ状係合素子がフック状係合素子より高くしているため、肌や靴下等にはループ状係合素子が接触するためと思われる。
(実施例2)
面ファスナーの基布を構成する地経糸、地緯糸及びループ状係合素子用マルチフィラメント糸として次の糸を用意した。
[地経糸]
・融点260℃のポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント糸
・トータルデシテックスおよびフィラメント本数:167dtexで30本
[地緯糸(芯鞘型複合繊維からなるマルチフィラメント系熱融着糸)]
・芯成分:ポリエチレンテレフタレート(融点:260℃)
・鞘成分:イソフタル酸25モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(軟化点:190℃)
・芯鞘比率(重量比): 7:3
・トータルデシテックス及びフィラメント本数:116dtexで24本
・200℃での乾熱収縮率:13%
[ループ状係合素子用マルチフィラメント糸]
・ポリブチレンテレフタレート繊維(融点:220℃)
・トータルデシテックス及びフィラメント本数:265dtexで7本
このように、綜絖枠の往復運動を電気信号によって制御する織装置を用い、以下の条件で、ループ状係合素子が存在する布製面ファスナーを製造した。
[ループ状係合素子が存在する面ファスナー]
上記地経糸、地緯糸及びループ状係合素子用マルチフィラメントを用いて、織組織として平織を用い、織密度(熱収縮処理後)が地経糸50本/cm、地緯糸20本/cmとなるように織った。そして、地経糸4本に1本の割合でループ状係合素子用マルチフィラメントを地経糸に平行に打ち込み、地緯糸5本を浮沈したのちにループを形成するように基布上にループを形成した。
そして、地緯糸24本分には地緯糸5本を浮沈したのちにループを形成するように基布上にループを形成し、地緯糸36本分はループを形成しない、すなわち地緯糸24本分にはループを有し、地緯糸36本分はループ有さない、そしてこのようにループを有する領域とループを有しない領域を交互に規則的に同ピッチで配置された面ファスナーを織成した。
上記条件にて織成された、ループ状係合素子が存在する面ファスナー用織物を、地緯糸の鞘成分のみが熱溶融し、なおかつ、地経糸、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸、さらには地緯糸の芯成分が熱溶融しない温度域、すなわち200℃で熱処理を施した。
その結果、地緯糸は大きく収縮するとともに鞘成分が溶融して近隣に存在する糸を融着させた。そして、基布は地緯糸方向に9%収縮した。
得られたループ状係合素子が存在する布製面ファスナーの係合素子存在領域のループ状係合素子密度は40個/cmであり、さらにループ状係合素子の基布面からの高さは2.0mmであった。
そして、ループ状係合素子が存在する面ファスナーを、長さ方向に係合素子存在領域と係合素子非存在領域のそれぞれの地経糸方向長さを測定したところ、約1.0cmが係合素子存在領域であり、約1.5cmが係合素子非存在領域であった。
このようにして得られた面ファスナーを、ポリエチレンテレフタレート繊維が染色可能な高圧条件で白色に染色したのち、幅方向に2.5cm間隔で切断した。そして長さ方向に52.0cmの長さで切断した。切断された面ファスナーは1.0cmの係合素子存在領域が20ヶ所存在し、その20ヶ所の係合素子存在領域の間に、1.5cmの係合素子非存在領域が存在するようにし、そして係合素子非存在領域の部分を切断した。
このように切断された面ファスナーを、ズボンの股下部分となる裾から約5cm上部に、そして足が通る内側に対称となる位置で2本を縫製して取り付けた。
そして、雄型面ファスナーとして次の成形面ファスナーを準備した。
樹脂としてポリエステルエラストマー(東レ・デュポン株式会社製ハイトレル5577:テレフタル酸、1,4−ブタンジオールおよびポリ(オキシテトラメチレン)グリコールから得られるエラストマーで[ポリ(オキシテトラメチレン)]テレフタレート基の割合が50重量%)を用い、キノコ状係合素子を形成することとなるスリットは40本となるようなノズルから同樹脂の溶融物を260℃で押し出し、直ちに冷水中に投入することにより、係合素子用列条を表面に40列有するテープ状物を作製し、同テープ状物の40列の係合素子用列条の頂部から根元までテープ長さ方向に垂直な方向に0.32mm間隔で切れ目を入れ、そして、それをテープ長さ方向に180℃で2.0倍延伸し、この状態で、185℃、1分間熱固定して、成形雄型面ファスナーを得た。
得られた成形雄型面ファスナーは、基板の表面にキノコ状係合素子が列をなして並んでおり、各キノコ状係合素子はステム部とその上部に広がる傘部からなり、かつ係合素子列方向に交差する方向に傘部はステム部からはみ出して拡がっているが、係合素子列方向には傘部は拡がりを有しておらずにステム部から傘部先端部までほぼ同一の幅を有している形状を有していた。
そして、係合素子列が40列であり、基板の厚さは0.26mm、係合素子高さが0.71mm、係合素子列方向に隣り合う係合素子の間隔が0.33mm、係合素子列方向ステム幅が0.32mm、係合素子列方向と直交する方向のステム幅が0.37mm、隣り合う係合素子列のステム部間の間隔が1.1mm、係合素子の傘部の広がり部の長さが0.60mm、ステム部の係合素子列方向幅(W)と素子列方向に隣り合う係合素子同士との間隔との比は、1.0:1.0であった。そして、隣り合う係合素子列の傘部間の間隔が0.9mm、係合素子密度が108個/cmであった。
得られた成形雄型面ファスナーを巾手方向に2.5cm、長手方向(地経糸方向)に4.5cmの大きさで切断し、上記したズボンの股下部分となる裾の先端となる裾口部分に、そして足が通るズボンの内側に、対称となる位置で2ヶ所を縫製して取り付けた。
すなわち、ズボンの足が通る内側であり、左右それぞれの対称となる位置2ヶ所には、1.0cmの係合素子存在領域が20ヶ所存在し、その20ヶ所の係合素子存在領域の間に、1.5cmの係合素子非存在領域が存在する長さ52.0cmのループ面ファスナーがあり、その先端に長さ4.5cmのキノコ状係合素子を有する成形面ファスナーが存在することとなるようなズボンを製造した。
得られたズボンを折り返して位置調整したところ、実施例1と同様な作業で調整が可能であった。
1…面ファスナー
10…基布
11a、11b…係合素子
12…フック状係合素子
13…ループ状係合素子
14…キノコ状係合素子
14a…ステム部
14b…傘部
15…ノズル
16…基板形成用スリット
17…ステム部及び傘部形成用スリット
2…ズボン
21…ズボン股下部
22…ズボン股上部
3…雄型面ファスナー
30…基板
A1…係合素子存在領域
A2…係合素子非存在領域
D1…地経糸方向
D2…地緯糸方向

Claims (5)

  1. 基布と該基布の表面に存在する係合素子とを備える面ファスナーがズボンの裾の内側に設けられた丈調整機能具備ズボンであって、
    該基布上に係合素子存在領域と係合素子非存在領域を地経糸方向に交互に規則的に同ピッチで有し、
    該係合素子存在領域は、少なくともループ状係合素子とフック状係合素子を有し、前記ループ状係合素子と前記フック状係合素子とが混在する領域であり、
    該係合素子存在領域の地経糸方向の長さに対して、前記係合素子非存在領域の地経糸方向の長さが0.2〜1.0倍であり、
    該ズボンの裾を内側に折り返して、該ループ状係合素子と、該フック状係合素子を含む雄型係合素子とを係合させる
    ことによりズボン丈が調整可能な丈調整機能具備ズボン。
  2. 前記面ファスナーが、前記ズボンの各裾の内側に2ヶ所以上設けられた請求項に記載の丈調整機能具備ズボン。
  3. 前記面ファスナーを構成している地経糸、地緯糸及び係合素子用糸が、いずれもポリアルキレンテレフタレート系ポリエステルから形成された糸であり、
    該地緯糸が芯鞘型の熱融着性ポリエステル系繊維を含み、
    該係合素子用糸が該熱融着性繊維により前記基布に固定され請求項1又は2に記載の丈調整機能具備ズボン。
  4. 前記フック状係合素子の基布面からの高さは、前記ループ状係合素子の基布面からの高さより低い請求項1〜3のいずれか1項に記載の丈調整機能具備ズボン。
  5. 基布と該基布の表面に存在する係合素子とを備える面ファスナーがズボンの裾の内側に設けられた丈調整機能具備ズボンのズボン丈調整方法であって、
    該面ファスナーは、該基布上に係合素子存在領域と係合素子非存在領域を地経糸方向に交互に規則的に同ピッチで有し、
    該係合素子存在領域は、少なくともループ状係合素子とフック状係合素子を有し、前記ループ状係合素子と前記フック状係合素子とが混在する領域であり、
    該係合素子存在領域の地経糸方向の長さに対して、前記係合素子非存在領域の地経糸方向の長さが0.2〜1.0倍であり、
    該ズボンの裾を内側に折り返して、該ループ状係合素子と、該フック状係合素子を含む雄型係合素子とを係合させる
    ことによりズボン丈を調整する工程を含むズボン丈調整方法。
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