JP2022166370A - ポリエチレンテレフタレート系面ファスナー - Google Patents

ポリエチレンテレフタレート系面ファスナー Download PDF

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Abstract

Figure 2022166370000001
【課題】構成する糸が、いずれもリサイクル使用可能なPET系の糸であり、かつ織物の裏面にはループ状係合素子を織物基布に固定するためのバックコート樹脂が存在せず、しかもループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が、剛直なPET系糸であるにもかかわらず、柔軟であって、肌触りが優しく、さらに係合強力が極めて高いループ面ファスナーを提供する。
【解決手段】PET系マルチフィラメント糸からなる織物の表面にPET系マルチフィラメント糸からなる複数のループ状係合素子が立ち上がっている面ファスナーにおいて、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸を構成するフィラメントの横断面形状が、中心部から放射状に突出する3個以上の突出部を有し、各突出部は、付根部が細く、その先に丸く拡がる膨頭部を有していることを特徴とするPET系面ファスナー。
【選択図】図1

Description

本発明は、リサイクル使用が可能な、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す)系の糸からなる織物系のループ状係合素子を有する面ファスナーおよびその製造方法、さらにそのような面ファスナーが取り付けられている繊維製品に関する。特に、織物を構成する経糸や緯糸、更にループ状係合素子用糸が、いずれもPET系の糸であり、かつ織物の裏面にはループ状係合素子を織物基布に固定するためのバックコート樹脂層が存在せず、しかもループ状係合素子を構成するPET系のマルチフィラメント糸が、剛直なPET系ポリエステルからなる糸であるにもかかわらず、柔軟であって、肌触りが優しく、しかも係合強力が極めて高い、ループ状係合素子を有する織物系の面ファスナーに関する。
近年、PET系の繊維からなる繊維製品は、衣料品、靴、手袋、繊維雑貨等の分野の繊維製品として、さらには寝具や椅子やソファーやカーテン等の家具・インテリア分野や固定ベルトや締結ベルトや収納袋等の輸送運搬分野、養生布やロープ等の土木建築分野や結束紐や遮光シート等の農林水産分野等の多くの繊維製品として広く用いられている。そして、このようなPET系の繊維製品は、環境問題の点から使用後は回収され、溶融ペレット化して再成形して新しい繊維製品や成形材料として造り代えるリサイクルシステムが推奨されている。
面ファスナーも、これらの衣料品、靴、手袋、繊維雑貨等の分野の繊維製品として、さらには上記した家具分野や輸送・運搬分野や土木建築分野や農林水産分野等の繊維製品に取り付けられて使用されることが多く、これらの繊維製品がリサイクル使用可能なPET製繊維からなる場合には、これら繊維製品に取り付けられる面ファスナーをPET製のものとすると、これら繊維製品をリサイクル使用する際に面ファスナーを繊維製品から取り外すことなく、一緒にリサイクル使用が可能であることから、市場から尊ばれることとなる。
そして、これら繊維製品に取り付ける面ファスナーとして、モノフィラメント糸からなるフック状係合素子を織物基布の表面に複数有する、いわゆる織物系フック面ファスナーと、該フック状係合素子と係合し得る、マルチフィラメント糸からなるループ状係合素子を織物基布の表面に複数有する、いわゆる織物系ループ面ファスナーとの組み合わせが係合・剥離を繰り返しても、係合素子の損傷等が少なく、係合力の低下も少ないことから広く用いられている。
このような織物系の面ファスナーには、従来から、ナイロン系やポリオレフィン系の繊維が一般的に用いられており、そしてこれら織物系の面ファスナーの場合には、その表面に存在しているフック状係合素子あるいはループ状係合素子が、係合を剥離する際に、織物基布から引き抜かれないように、織物基布の裏面には、ポリウレタン系やアクリル系の接着剤がバックコート樹脂と称されて塗布されているが、これらナイロン系やポリオレフィン系の糸やバックコート樹脂がPET系のものではないことから、従来の織物系面ファスナーはリサイクル使用できないこととなる。
織物基布および係合素子を構成する糸として、PET系の糸を用い、かつバックコート樹脂層を要しない織物系面ファスナーとして、特許文献1には、面ファスナーを構成している経糸、緯糸および係合素子用糸がいずれもPET系の糸からなる面ファスナーであって、緯糸を構成する糸として、熱融着性のPET系の繊維からなる糸を用い、この熱融着性繊維の融着によって係合素子用糸が織物基布に固定された、バックコート樹脂不要の織物系面ファスナーが記載されている。
このようなPET系の糸からなり、バックコート樹脂を有しない織物系面ファスナーはリサイクル使用できることとなるが、その反面、PET系の糸は、ナイロン系やポリオレフィン系の糸と比べて剛直であり、特にループ状係合素子を有する面ファスナーは肌と接する面に使用されることから肌触りが優しいことが求められるが、PET系の糸からなるループ状係合素子を有する面ファスナーはループ状係合素子が剛直であることから肌触り性に劣り、特に衣料品や靴や手袋や雑貨等の軟らかい肌触り感が求められる用途には必ずしも適したものではない。
このようなPET系の糸の剛直さに由来する問題点を解消する織物系の面ファスナーとして、特許文献2には、上記特許文献1の発明において、ループ状係合素子用糸として、PET系の糸からポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略す)系の糸に置き換えた織物系面ファスナーが提案されている。
確かに、PBT系樹脂は、PET系樹脂と比べて柔軟性に富む樹脂であることから、PET系の糸が有する肌触り感が硬いという問題点は解消できることとなるが、PBT系の糸は、PETとは異なる樹脂から製造されていることから、PETのリサイクルシステムに一緒に載せることは出来ず、リサイクル使用する場合には、繊維製品から取り外す必要がある。
国際公開WO2005/122817号 特開2013-244139号公報
本発明は、織物を構成する経糸や緯糸、更にループ状係合素子用糸が、いずれもリサイクル使用可能なPET系の糸であり、かつ織物の裏面にはループ状係合素子を織物基布に固定するためのバックコート樹脂が存在せず、しかもループ状係合素子を構成するPET系のマルチフィラメント糸が、剛直なPET系からなる糸であるにもかかわらず、柔軟であって、肌触りが優しく、さらに係合強力が極めて高い、ループ状係合素子を有する織物系の面ファスナーを提供することにある。
すなわち本発明は、PET系マルチフィラメント糸からなる織物の表面にPET系マルチフィラメント糸からなる複数のループ状係合素子が立ち上がっている面ファスナーにおいて、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸を構成するフィラメントの横断面形状が、中心部から放射状に突出する3個以上の突出部を有し、各突出部は、付根部が細く、その先に丸く拡がる膨頭部を有することを特徴とするPET系面ファスナーである。
そして好ましくは、上記PET系面ファスナーにおいて、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が、4~12デシテックスのフィラメントが25~72本集束したマルチフィラメント糸である場合である。
また好ましくは、上記突出部の数が4個であり、隣り合う突出部との突出方向の角度が直角である場合であり、また上記突出部の付根部の最も細くなっている箇所の幅が、膨頭部の膨らんでいる箇所の幅の0.6~0.9倍である場合であり、また上記突出部の突出長さが、フィラメントの横断面における最小外接円の直径の0.25~0.40倍である場合であり、さらに隣り合う突出部間の凹部の深さが、フィラメントの横断面における最小外接円の直径の0.20~0.35倍である場合である。
そして好ましくは、上記PET系面ファスナーにおいて、PET系マルチフィラメント糸を経糸とし、PET系熱融着性マルチフィラメント糸を緯糸とする織物を基布とし、該経糸に平行にPET系マルチフィラメント糸がループ状係合素子用糸として同基布に織り込まれており、同基布の表面には、該ループ状係合素子用糸から形成され、同基布表面から立ち上がる複数のループ状係合素子が存在しており、該係合素子の根元が該熱融着性マルチフィラメント糸の熱融着成分の溶融固化物により該基布に固定されている場合であり、またループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が、撚数20~200T/mの甘撚を有している場合である。
そして本発明において、好ましくは上記織物の表面に、ループ状係合素子の他に、PET系モノフィラメント糸からなる複数のフック状係合素子が並存している、或いは織物の裏面に、同モノフィラメント糸からなる複数のフック状係合素子が存在している場合である。
そして本発明は、PET系マルチフィラメント糸を経糸とし、PET系熱融着性マルチフィラメント糸を緯糸とし、中心部から放射状に突出する3個以上の突出部を有し、各突出部は付根部が細く、その先に丸く拡がる膨頭部を有する横断面形状のPET系フィラメントからなるマルチフィラメント糸をループ状係合素子用糸とし、このループ状係合素子用糸を経糸に平行に織り込むとともに、同ループ状係合素子用糸を表面からループ状に複数立ち上がらせた織物を織り、そして、同織物を加熱して、同ループの根元を該熱融着性マルチフィラメント糸の熱融着成分の溶融固化物により該織物に固定することを特徴とするPET系面ファスナーの製造方法である。
そして好ましくは、上記製造方法において、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸として、PET系ポリエステルを紡糸口金より溶融紡出し、紡出糸条を同ポリエステルのガラス転移点以下の温度に一旦冷却して、集束や巻き取ることなく、次いで加熱帯域内を走行させてガラス転移点を越える温度に加熱して延伸熱処理したのち3000m/分以上の引取速度で巻き取る方法(以下、CR法と称する場合がある)により製造されたマルチフィラメント糸を用いる場合であり、また得られたPET系面ファスナーにおいて、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸が4~12デシテックスのフィラメントが25~72本集束したマルチフィラメント糸である場合である。
更に本発明は、上記のPET系面ファスナーがPET系繊維からなる繊維製品に取り付けられている場合である。そして、上記ポリエチレンテレフタレート系繊維製品を取り付けたままで行う繊維製品のリサイクル方法である。
本発明では、織物を構成する経糸や緯糸、更にループ状係合素子用糸が、いずれもリサイクル使用可能なPET系の糸であり、かつループ状係合素子の根元が、緯糸として使用したPET系ポリエステルからなる熱融着性マルチフィラメント糸の熱融着成分の溶融固化物により該基布に固定されていることから、従来の織物系面ファスナーのように、織物の裏面には、リサイクル使用を妨げるバックコート樹脂が不要である。したがって、本発明のループ状係合素子を有する織物系面ファスナーは、PET系の繊維製品に取り付けたままでリサイクルする方法を用いることで、面ファスナー部材を分別する工程を行わないことで、効率的にリサイクルシステムを回すことができる。
そして、本発明では、ループ状係合素子を構成しているマルチフィラメント糸は、上記したような特殊な横断面形状を有するフィラメントからなるマルチフィラメント糸であることにより、剛直なPET系からなる糸であるにもかかわらず、柔軟であって、肌触りが優しく、さらに係合強力が極めて高いという特長を有する。
このような横断面形状を有していることにより、優しい肌触りと高い係合強力が得られる理由については必ずしも明確ではないが、フィラメントの断面形状が丸や三角や四角や五角や扁平やドッグボーン形状のような通常の横断面形状の場合には本発明の効果が得られないことから、フィラメント表面に存在している複数の大きな突出部によりフィラメントが恰も細いフィラメントの集束体のように働き、その結果、フィラメントの剛直性が大きく改善されて肌触り性が柔らかくなり、そしてループ状係合素子の付け根付近では、その大きな突出部とその間に存在している凹部が、隣接するフィラメントの突出部や凹部と絡み合って、個々のフィラメントが細いフィラメントの集束体のようになっていることによる係合強力の問題点を補っているものと思われる。
さらに本発明では、ループ状係合素子を構成しているマルチフィラメント糸は、上記したように、4~12デシテックスのフィラメントが25~72本集束したマルチフィラメント糸である場合が好ましいが、従来のPET系面ファスナーのループ状係合素子を構成しているマルチフィラメント糸が、前記特許文献で用いられているように、25~40デシテックスのフィラメントが5~20本集束したマルチフィラメント糸であることを考慮すると、上記の本発明で用いるマルチフィラメント糸は極めて細いフィラメントが数多く集束したものであると言える。このように、ループ状係合素子を構成しているマルチフィラメント糸が、極めて細いフィラメントが数多く集束したものであることにより、得られる面ファスナーの肌触りがより一層柔軟となるとともに係合強力もより一層向上することとなる。
一般に織物系面ファスナーにおいて、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸として、細いフィラメントが複数集束したマルチフィラメント糸を用いると得られる面ファスナーの肌触り感が柔軟なものとなるが、その反面、係合強力が大きく低下し、さらに係合剥離を繰り返すとループ状係合素子を構成するフィラメントが徐々に切断されて、係合強力が急激に低下することとなるが、このような係合強力の問題が、本発明で規定するような断面形状を有するフィラメントからなるマルチフィラメント糸を用いることにより解消あるいは軽減されることとなる。
更に本発明において、好ましくは、前記CR法という特殊な紡糸・延伸方法により製造されたPET系マルチフィラメント糸を用いる場合であり、この方法で製造されたマルチフィラメント糸を用いると、フィラメントの横断面形状と細さに合わせて、さらなる相乗効果により、より一層肌触りの優しいループ状係合素子を有する面ファスナーが得られる。
本発明のPET系面ファスナーのループ状係合素子に用いられるPET系マルチフィラメント糸を構成するフィラメントの一例の横断面形状を示す。 本発明のPET系面ファスナーのループ状係合素子に用いられるPET系マルチフィラメント糸を構成するフィラメントの他の一例の横断面形状を示す。 従来のPET系面ファスナーのループ状係合素子に用いられるPET系マルチフィラメント糸を構成するフィラメントの横断面形状(丸形状)を示す。 本発明ではないフィラメントの一例の横断面形状(三角型)を示す。 本発明ではないフィラメントの他の一例の横断面形状(四角型)を示す。 本発明ではないフィラメントの他の一例の横断面形状(ドッグボーン型)を示す。
次に、本発明のPET系面ファスナーについて、さらにその製造方法について詳細に説明する。
本発明のPET系面ファスナーは、織物基布の表面に複数のループ状係合素子を有しているループ面ファスナー、織物基布の表面に複数のフック状係合素子と複数のループ状係合素子の両方を有するフック・ループ並存型面ファスナー、織物基布の表面に複数のループ状係合素子を有し、織物基布の裏面に複数のフック状係合素子を有する片面フック・反対面ループ面ファスナーのいずれであってもよい。
このうち、ループ面ファスナーは、主として、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸、経糸および緯糸から形成される。またフック状係合素子とループ状係合素子が同一面に並存しているフック・ループ並存型面ファスナーや、片面フック・反対面ループ面ファスナーは、主として、フック状係合素子用モノフィラメント糸、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸、経糸および緯糸から形成される。そして、これら面ファスナーには、必要により、発明の効果を損なわない範囲でこれら以外の糸が織り込まれていてもよい。
経糸、緯糸および係合素子用糸は、熱や吸水・吸湿により波打ち(面ファスナーの基布面が不規則に上下して、水平な面とならない状態)を生じないことから、また熱融着により強固に糸同士が接合できることから、また係合素子が倒れ難く、かつ係合・剥離を繰り返しても係合素子が切断され難いことから、さらにリサイクル使用が可能であることから、いずれも、実質的にPET系のポリマーから構成されている必要がある。
PET系ポリマーとは、エチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステルであり、主としてテレフタル酸とエチレングリコールからの縮合反応により得られるポリマーである。リサイクル使用を妨げない範囲内であるならばテレフタル酸とエチレングリコール以外の重合単位が付加されていてもよい。また、リサイクルされたPET系ポリマーを使用してもよい。更に、上記ポリエステルには、それ以外のポリマーが少量添加されていてもよい。
好ましくは、緯糸以外の経糸と係合素子用糸は、PETホモポリマーから形成されている場合である。いずれにしても、後述する緯糸を構成する芯鞘型熱融着性マルチフィラメント糸の鞘成分を融着させるための熱処理温度で、溶融しない融点を有するPET系ポリエステルが糸を構成する主成分であるのが好ましい。また、上記PET系マルチフィラメント糸には、必要により、リサイクル使用を妨げない範囲内で、他のフィラメントが引き揃えられていてもよい。
経糸を構成するマルチフィラメント糸の太さとしては、20~60本のフィラメントからなるトータルデシテックスが100~300デシテックスであるマルチフィラメント糸が好ましく、特に24~48本のフィラメントからなるトータルデシテックスが150~280デシテックスであるマルチフィラメント糸が好ましい。
また経糸は、緯糸の熱融着性マルチフィラメント糸を融着させる条件で熱収縮を生じるものが係合素子の固定効果の点で好ましく、具体的には、180℃での乾熱収縮率が4~20%のものが好ましい。乾熱収縮率に関しては、ポリエステル繊維メーカーから種々の値のものが販売されており、それらから適切な乾熱収縮率を有する糸を選んで使用すればよい。また市販されているPET系マルチフィラメント糸を適当な熱処理することによっても所望する乾熱収縮率のものを得ることができる。
緯糸を構成するマルチフィラメント糸の太さとしては、10~72本のフィラメントからなるトータルデシテックスが80~300デシテックスであるマルチフィラメント糸が好ましく、特に18~56本のフィラメントからなるトータルデシテックスが90~260デシテックスであるマルチフィラメント糸が好ましい。
そして、緯糸には熱融着性フィラメントが含まれている。用いられる熱融着性フィラメントの代表例として、鞘成分を熱融着成分とする芯鞘型の熱融着性フィラメントが挙げられる。緯糸が熱融着性フィラメントを含んでいることにより、係合素子用糸を織物基布に強固に固定することが可能となり、従来の面ファスナーのように係合素子用糸が織物基布から引き抜かれることを防ぐためにポリウレタン系やアクリル系のバックコート用樹脂を面ファスナー基布裏面に塗布する必要がなくなる。
上記した芯鞘型の熱融着性フィラメントとしては、鞘成分を溶融させて、同熱融着性フィラメントと接している、あるいは傍に位置しているループ状係合素子用マルチフィラメント糸の根元を基布に強固に固定でき、かつ面ファスナーのリサイクル使用を妨げないことから、PET系の樹脂からなるものが好ましく、例えば、芯成分は熱処理条件下では溶融しないが鞘成分は溶融する芯鞘型の断面を有するPET系繊維が挙げられる。
具体的には、PETホモポリマーを芯成分とし、イソフタル酸やアジピン酸等で代表される共重合成分を例えば20~30モル%共重合することにより融点又は軟化点を大きく低下させた共重合PETを鞘成分とする芯鞘型PET系フィラメントからなるマルチフィラメント糸が代表例として挙げられる。鞘成分の融点または軟化点としては120~210℃であり、かつ経糸や芯成分やループ状係合素子用マルチフィラメント糸あるいはフック状係合素子用モノフィラメント糸の融点より20~120℃低いのが好ましい。芯鞘型熱融着性マルチフィラメント糸を構成するフィラメントの断面形状としては、同心芯鞘であっても、偏心芯鞘であっても、あるいは一見すればバイメタル調の貼合わせ形状となっている偏心芯鞘であってもよい。さらに1芯芯鞘であっても、多芯芯鞘であってもよく、特に1芯芯鞘の断面形状を有するフィラメントからなるマルチフィラメント糸が好ましい。
さらには、緯糸を構成するマルチフィラメント糸中に占める芯鞘型熱融着性フィラメントの割合は、特に緯糸の全てが実質的に芯鞘型の熱融着性フィラメントで形成されている場合、つまり緯糸が芯鞘型の熱融着性のフィラメントからなるマルチフィラメント糸である場合には、ループ状係合素子用糸およびフック状係合素子用糸がともに強固に基布に固定されることとなるため好ましい。そして、芯成分と鞘成分の重量比率は85:15~40:60の範囲、特に80:20~60:40の範囲が好ましい。
さらに、ループ状係合素子用糸およびフック状係合素子用糸を共に強固に基布に固定するためには、緯糸として用いられた熱融着性フィラメントが熱融着すると共に、同フィラメント自身が熱収縮してループ状係合素子およびフック状係合素子の根元を両側から締め付けるのが好ましく、そのためには、緯糸として用いられる熱融着性フィラメントは熱処理条件下で大きく熱収縮を生じるものが好ましい。具体的には、180℃での乾熱収縮率が8~30%であるフィラメントが好適に用いられ、特に同収縮率が10~25%であるフィラメントからなるマルチフィラメント糸が好適である。
そして本発明において重要なことは、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が、中心部から放射状に突出する3個以上の突出部を有し、各突出部は付根部が細く、その先に丸く拡がる膨頭部を有する横断面形状を有するPET系フィラメントから構成されていることである。フィラメントの横断面形状が、丸や楕円形や長円形や三角や四角形の場合や、突出部が存在していても、その数が3個未満の場合、例えばドックボーン形状の場合には満足できるような高い係合強力と優しい肌触り性が得られない。
好ましくは突出部の数が3個または4個の場合であり、特に図1に示すような、突出部が4個の場合であって、隣り合う突出部との突出方向の角度が直角である場合が好ましい。そして、各突出部は、図1や図2に示すように、同一の大きさと同一の形状を有しており、横断面において等間隔でフィラメント表面に存在、すなわち各突出部は、中心部から等間隔で放射状に突出しているのが好ましい。
図2は、突出部の数が3個の場合であり、このような場合でも、断面形状が丸の場合(図3)や三角(図4)や四角(図5)の場合や突出部が2個のドッグボーン型の場合(図6)などと比べて優れた結果が得られるが、突出部の数が4個の場合(図1)と比べると、効果は僅かに劣る。
また各突出部は、図1や図2に示すように、付根部が細く、その先に丸く拡がる膨頭部を有している必要がある。このような形状を有していることにより、フィラメントは深い凹部と大きい膨頭部を有していることとなり、その結果、隣り合うフィラメント間で突出部と凹部の絡み合いが生じ、高い係合強力と高い係合・剥離耐久性が得られることとなる。
なお、本発明で言う隣り合う突出部との突出方向の角度が直角とは、図1に示すQで表される角度のことで、厳密な意味で突出方向の角度が90度と言うのではなく、若干、例えば90度プラスマイナス20度程度以内ならば90度からずれていてもよいことを意味する。
係合強力の点で、好ましくは、上記突出部の付根部の最も細くなっている箇所の幅(図1に示すW)が、膨頭部の最も膨らんでいる箇所の幅(図1に示すW)の0.6~0.9倍である場合であり、また上記突出部の突出長さ(図1に示すH:上記突出部の付根部の最も細くなっている箇所から突出部先端までの距離)が、フィラメントの横断面における最小外接円の直径(図1に示すD)の0.25~0.40倍である場合であり、さらに隣り合う2個の突出部により形成された凹部の深さ(図1に示すdで、凹部の最深部から上記最小外接円までの距離)が、フィラメントの横断面における最小外接円の直径(図1に示すD)の0.20~0.35倍である場合である。これらの寸法比に関しては、突出部が図1に示すような4個の場合であっても、図2に示すような3個の場合や5個の場合も同様である。なお、上記の寸法は、任意に選び出したフィラメント10本の任意の横断面から任意に選び出した20か所の平均値である。
さらにループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸は、前記したように4~12デシテックスのフィラメントが25~72本集束したマルチフィラメント糸である場合が好ましい。フィラメントが4デシテックス以上の場合や集束本数が25本以上の場合には、より高い係合強力が得られ易く、またフィラメントが12デシテックス以下の場合や集束本数が72本以下の場合には、肌触り感が良好となり、ループ状係合素子のループ内にフック状係合素子が進入し易くなり、非常に高い係合強力が得られ易くなる。より好ましくは、5~11デシテックスのフィラメントが30~64本集束したマルチフィラメント糸、最も好ましくは6~10デシテックスのフィラメントが36~60本集束したマルチフィラメント糸である場合である。
本発明では、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸は、上記したように、一般の面ファスナーに用いられているループ状係合素子用糸と比べて、各フィラメントが細く、かつ集束本数が多い糸である場合が好ましいが、このように細いフィラメントが複数集束しているマルチフィラメント糸をループ状係合素子として使用すると、面ファスナーを製造する段階で単糸切断が生じたり、ループ状係合素子がバラケて、係合剥離を繰り返すことによりループ状係合素子を構成するフィラメントが順々に切断されていくこととなり易い。そのことを軽減するためには、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸に撚数20~200T/mの甘撚を付与するのが好ましい。
通常のループ面ファスナーでは、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸には撚を付与することなく、マルチフィラメント糸をバラケさせるようにし、場合によってはループ面ファスナーの表面を針布などで起毛して、フック状係合素子と係合し易くしていることを考慮すると、ループ状係合素子用糸に撚りを付与する本発明は、従来の常識とは異なるものであると言わざるを得ない。
そして、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸は、経糸と同様に、緯糸の熱融着性フィラメントを融着させる条件で熱収縮を生じるものが係合素子の固定効果の点で好ましく、具体的には、180℃での乾熱収縮率が8~25%のものが好ましい。
さらに本発明において、好ましくは、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸として、前記したCR法という特殊な紡糸方法により製造されたPET系マルチフィラメント糸を用いる場合である。このような特殊な方法で製造されたPET系マルチフィラメント糸を用いることにより、得られる面ファスナーのループ表面の肌触り感がより一層向上する。
従来からPET系マルチフィラメント糸の製造方法としては、PET系ポリエステルを紡糸口金より溶融紡出し、一組のローラを介して、一旦未延伸糸(UDY)を巻取機に巻き取り、巻き取られた未延伸糸(UDY)を速度の異なる一対のローラ間で延伸させて延伸されたマルチフィラメント糸(FOY)を得る方法が一般的であり、また紡糸口金より紡出された未延伸糸を巻き取ることなく、引き続きローラ間で延伸する、すなわち紡糸工程と延伸工程を直結した一工程で延伸してマルチフィラメント糸を製造する方法(SDY)や、一対のローラ間で延伸させるのではなく紡出された糸条を冷却させるまでの間で一挙に延伸して直接5000m/分以上の高速で巻き取りマルチフィラメントを製造する方法(DSY)等がある。
しかしながら、これら従来方法で得られたPET系マルチフィラメント糸の場合には、延伸を強制的に行うことから、得られるPET系マルチフィラメント糸は一般的に剛直とならざるを得ない。対して、ループ状係合素子用糸として、PET系ポリエステルを紡糸口金より溶融紡出し、紡出糸条を同ポリエステルのガラス転移点以下の温度に一旦冷却して、集束や巻き取ることなく、次いで加熱帯域内を走行させてガラス転移点を越える温度に加熱して延伸熱処理したのち3000m/分以上の引取速度で巻き取る方法により製造されたマルチフィラメント糸を用いる本発明のようなCR法という特殊な方法で製造すると、延伸は紡出ゾーンおよびそれに連続した領域で行われるため、紡糸工程が延伸の一部を受け持つことから延伸時に無理が掛からずに延伸されることとなり、その結果、得られるPET系マルチフィラメント糸は柔軟となる。したがって、このような特殊な方法で製造されたPET系マルチフィラメント糸を用いると、フィラメントの横断面形状の効果と細さによる効果に合わせて、より一層肌触りの優しいループ状係合素子を有する面ファスナーが得られることとなる。
本発明の、紡糸口金温度は、280~300℃の範囲であり、紡糸速度は4000m/分であることが延伸時に無理のかからない延伸が可能となる点で好ましく、加熱帯域内を走行させてガラス転移点を越える温度に加熱して延伸熱処理したのち3000m/分以上の引取速度で巻き取ることが、フィラメントの均一性、高強力化の点で好ましい。また、同ポリエステルのガラス転移点に対して100℃以上の温度で加熱することが熱安定性の点で好ましい。
そして、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸には、必要により、酸化チタンなどの顔料や染料、各種安定剤、その他、他の樹脂等が少量添加されていてもよい。
本発明において、対象とする面ファスナーが、前記したフック・ループ並存型面ファスナーあるいは片面フック・反対面ループ面ファスナーである場合には、上記したループ状係合素子用マルチフィラメント糸の他に、フック状係合素子用PET系モノフィラメント糸も織物基布に織り込むこととなり、ループ状係合素子と同様に経糸に平行に織物基布に織り込まれる。
フック状係合素子用PET系モノフィラメント糸の太さとしては、直径0.12~0.23mmのものがフック形状保持性の点で好ましく、より好ましくは直径0.14~0.21mmのものである。そして、係合力を高めるために、該モノフィラメントの断面形状を、三角や四角等の多角系で代表される異形断面形状にしてもよい。そして、このようなフック状係合素子用PET系モノフィラメント糸は、経糸と同様に、緯糸の熱融着性繊維を融着させる条件で熱収縮を生じるものが係合素子の固定効果の点で好ましく、具体的には、180℃での乾熱収縮率が10~25%のものが好ましい。
以上述べた経糸、緯糸、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸、場合によりフック状係合素子用モノフィラメント糸から、まず面ファスナー用織物を織成する。織物の織組織としては、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸およびフック状係合素子用モノフィラメント糸を経糸の一部とした平織が好ましく、これら係合素子用糸は、経糸と平行に織り込まれつつ、組織の途中で織物基布表面から立ち上がり、ループ面ファスナーの場合には経糸を跨ぐことなくループを形成するのが好ましい。
またフック・ループ並存型面ファスナーの場合や、片面フック・反対面ループの面ファスナーの場合には、フック状係合素子は、ループを形成しつつ経糸を1~3本飛び越えて経糸間にもぐり込むような織組織であり、ループ状係合素子は、ループを形成しつつ経糸を1本飛び越えて経糸間にもぐり込むような織組織であることが、フック状係合素子用ループの片足側部を効率的に切断でき、さらにフック状係合素子とループ状係合素子が係合し易いことから好ましい。
そして、経糸の織密度としては、熱処理後の織密度で35~80本/cmが、また緯糸の織密度としては、熱処理後の織密度で12~30本/cmが係合素子の根元を強固に基布に固定できることから好ましい。さらに緯糸の重量割合としては、面ファスナーを構成するフック状係合素子用糸あるいはループ状係合素子用糸と経糸および緯糸の合計重量に対して15~40%が同様に理由で好ましい。
またループ状係合素子用マルチフィラメント糸およびフック状係合素子用モノフィラメント糸の打ち込み本数は、それぞれ、経糸20本(ループ状係合素子用マルチフィラメント糸またはフック状係合素子用モノフィラメント糸を含む)に対し2~8本程度が係合力の点で好ましい。フック・ループ並在型面ファスナーや片面フック・反対面ループの面ファスナーの場合には、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸およびフック状係合素子用モノフィラメント糸の合計で経糸20本(ループ状係合素子用マルチフィラメント糸およびフック状係合素子用モノフィラメント糸を含む)に対して2~8本が同様の理由で好ましく、そしてループ状係合素子用マルチフィラメント糸とフック状係合素子用モノフィラメント糸の本数比が40:60~60:40の範囲が同様の理由で好ましい。
このようにして得られた面ファスナー用織物を次に熱処理する。この熱処理により、緯糸を構成する芯鞘型熱融着性繊維の鞘成分を溶融させると同時に経糸、係合素子用糸および緯糸を熱収縮させてループ状係合素子用のマルチフィラメント糸やフック状係合素子用のモノフィラメント糸を織物基布に強固に固定させる。その際に、熱処理炉内を走行中の面ファスナー用織物には、十分収縮できるように、余り張力を掛けずに、熱処理炉内を走行させるのが好ましい。
この熱処理により、係合素子用糸は織物基布に固定されることとなり、従来の織物系面ファスナーで行われていたバックコート樹脂液塗布および同樹脂液の乾燥処理が不要となり、バックコート用樹脂によるリサイクル使用不可能という問題点やバックコート樹脂液塗布に伴う作業環境上の問題点や面ファスナーの柔軟性や通気性・通液性が損なわれるという性能上の問題点が生じることを防ぐことができる。
さらに、この熱処理の際の熱によりループ状係合素子が、ループ形状が自然な広がりを有する統一された形状となる。またフック状係合素子の場合には、フック状係合素子のループ形状が固定され、後にフック状係合素子用ループの片足を切断してフック状係合素子とした後においても、フック形状が保たれ、十分な係合強度が得られることとなる。
熱処理の際の温度としては、緯糸を構成している熱融着性繊維が溶融または軟化するがそれ以外の糸は溶融しない温度で、かつループ状係合素子用マルチフィラメント糸が自然な広がりを有するループ状に固定される温度である150~250℃が一般的に用いられ、より好ましくは175~230℃の範囲、さらに好ましくは190~220℃の範囲である。
次に、面ファスナーがフック・ループ並存型面ファスナーや片面フック・反対面ループの面ファスナーの場合には、面ファスナー用織物を冷却した後、その表面から突出しているフック状係合素子用ループの片脚側部を切断してフック状係合素子とする。
本発明の面ファスナーにおいて、ループ状係合素子の高さとしては織物基布面から1.9~3.0mmが、またフック状係合素子の高さとしては、織物基布面から1.2~2.1mmが係合力の点で、さらに係合素子の倒れにくさの点で好ましい。
またループ面ファスナーにおけるループ状係合素子の密度、フック・ループ並存型面ファスナーや片面フック・反対面ループの面ファスナーにおけるフック状係合素子とループ状係合素子の合計密度としては、係合素子が存在している織物基布部分基準でかつ熱収縮後の広さ基準で、それぞれ35~140個/cm、35~90個/cmが好ましい。そして、フック・ループ並存型面ファスナーおよび片面フック・反対面ループの面ファスナーにおいて、フック状係合素子の個数とループ状係合素子の個数の比率としては、40:60~60:40の範囲が好ましい。
本発明のループ面ファスナー、またフック・ループ並存型面ファスナー、あるいは片面フック・反対面ループの面ファスナーは、従来の一般的な織物系面ファスナーが用いられている用途分野、特にリサイクルが求められている分野に用いることができ、例えば、靴、バッグ、帽子、手袋等の他、衣類、血圧計、サポーター類、荷造りの縛りバンド、結束テープ、各種おもちゃ類、土木建築用シートの固定、各種パネルや壁材の固定、電気部品の固定、組み立て・解体自在の収納箱や梱包ケース、小物類、カーテン、椅子やソファー、ベッド等の幅広い分野に使用でき、特に縫製により面ファスナーをPET製の布地やシートに取り付ける用途分野、例えば衣類、靴、バッグ、帽子、手袋、サポーター等の分野に適している。そして、その際に使用するミシン糸としては、ポリエチレンテレフタレート系繊維からなる糸であることが好ましい。
以下、本発明により実施例によりさらに具体的に説明する。なお、実施例中、面ファスナーの係合力はJIS L 3416にしたがって測定した。そしてその際の係合相手の面ファスナーとして、実施例および比較例の面ファスナーがループ面ファスナーの場合には、フック面ファスナーとしてA8693Y(クラレファスニング株式会社製)を用い、実施例および比較例の面ファスナーがフック・ループ並存型面ファスナーの場合には、同一のフック・ループ並存型面ファスナーを用いた。
実施例1
ループ面ファスナーの織物基布を構成する経糸および緯糸およびループ状係合素子用マルチフィラメント糸として次の糸を用意した。
[経糸]
・融点260℃のポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント糸
・トータルデシテックスおよびフィラメント本数:167dtexで30本
・180℃での乾熱収縮率:16%
[緯糸(芯鞘型複合繊維からなるマルチフィラメント系熱融着糸)]
・芯成分:ポリエチレンテレフタレート(融点:260℃)
・鞘成分:イソフタル酸25モル%共重合ポリエチレンテレフタレート
(軟化点:190℃)
・芯鞘比率(重量比): 70:30
・トータルデシテックスおよびフィラメント本数:110dtexで24本
・180℃での乾熱収縮率:17%
[ループ状係合素子用マルチフィラメント糸]
・ ポリエチレンテレフタテートからなり、操作型電子顕微鏡でフィラメントの横断面を撮影すると、横断面形状が図1と同一の、中心部から放射状に突出する4個の突出部を有し、隣り合う突出部との突出方向の角度が直角で、各突出部は、付根部が細く、その先に丸く拡がる膨頭部を有し、各フィラメントのWがWの0.8倍、HがDの0.29倍、dがDの0.295倍である形状であり、7デシテックスのフィラメントが48本集束している撚数80T/mのマルチフィラメント糸(クラレ西条株式会社製FDスペースマスター(登録商標)CR)であって、融点210℃、ガラス転移点71℃、180℃での乾熱収縮率が8.9%である。
なお、その製造方法として、前記したCR法を用い、その具体的な方法として、PETを紡糸口金より溶融紡出し、続いて温度25℃の冷却風を0.5m/分の速度で紡出糸条に横から吹き付けて糸条を55℃に冷却した後、集束や巻き取ることなく、口金下1.2mの位置に設置した長さ1.0m、入口径5mm、出口径10mmのチューブヒーター(内温200℃)内に通して同ヒーター内で延伸し、該ヒーターから出てきた糸条に給油し、そして2個のローラを介して4500m/分の引取速度で巻き取る方法を用いた。
[ループ面ファスナーの製造]
上記経糸、緯糸およびループ状係合素子用マルチフィラメント糸を用いて、織組織として平織を用い、織密度(熱収縮処理後)が経糸55本/cm、緯糸21本/cmとなるように、かつ経糸4本に1本の割合でループ状係合素子用マルチフィラメント糸を、経糸を跨ぐことなく経糸に平行に打ち込み、緯糸5本を浮沈したのち織物基布上にループを形成した。
上記条件にて織成されたループ面ファスナー用テープを、緯糸の鞘成分のみが熱溶融し、かつ、経糸、ループ係合素子用マルチフィラメント糸、さらには緯糸の芯成分が熱溶融しない温度である215℃で熱処理炉を50秒間走行させて熱処理を施し、緯糸、緯糸及びループ状係合素子用マルチフィラメント糸を収縮させた。その結果、テープは緯糸方向に12%収縮するとともに鞘成分は溶融されて近隣に存在する糸を融着させた。得られた織物を冷却し、ループ面ファスナーを巻き取った。なお、面ファスナー織物を織る工程から熱処理する工程まで途中で巻き取ることなく連続で行った。
得られたループ面ファスナー用織物のループ状係合素子密度は42個/cmであり、さらにループ状係合素子の織物基布面からの高さは2.2mmであった。また、面ファスナーを構成する糸は、上記熱処理工程により収縮を生じ、太さが1割余り太くなっていた。
そして、得られたループ面ファスナーのループ状係合素子が存在している表面の肌触り感を10名の評価者に評価してもらった結果、いずれの評価者も、PET繊維からなる面ファスナーとは到底考えられないほど極めて柔らかで肌触りの優しいものであると評価した。
さらにこのループ面ファスナーの係合強力を測定したところ、初回のシアー強力が18.2N/cm、100回係合・剥離を繰り返した後のシアー強度が11.4N/cm、初回のピール強度が2.18N/cm、100回係合・剥離を繰り返した後のピール強度が1.65N/cmであり、極めて優れた係合強力を有していることが分かった。
このループ面ファスナーを、PET製繊維を用いた靴の甲皮締め付け用ベルトにPET製のミシン糸を使用して取り付けたところ、廃棄する際にベルトから面ファスナーを取り外し、分別することなくリサイクル利用できることから靴メーカーの関係者から好評であった。
比較例1
上記実施例1において、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸として、横断面形状が図3に示すような円形である7デシテックスのフィラメントが48本集束している撚数80T/mのマルチフィラメント糸であって、180℃での乾熱収縮率が8.8%であるPET製のマルチフィラメント糸を用いた。なお、マルチフィラメント糸の製造方法は実施例1と同一のCR法である。そして、ループ面ファスナーの製造方法は実施例1と同一である。
得られたループ面ファスナーは、ループ状係合素子が存在している表面の肌触り感が、従来のPET系ループ面ファスナーと比べるとかなり優しいが、いずれの評価者も実施例1のものより劣ると評価した。さらにこのループ面ファスナーの係合強力を測定したところ、初回のシアー強力が12.0N/cm、100回係合・剥離を繰り返した後のシアー強度が10.9N/cm、初回のピール強度が1.32N/cm、100回係合・剥離を繰り返した後のピール強度が1.06N/cmであり、係合力の点でも実施例1のものより劣るものであった。
このループ面ファスナーを、実施例1の同様に、PET製繊維を用いた靴の甲皮締め付け用ベルトにPET製のミシン糸を使用して取り付けたところ、ベルトから面ファスナーを取り外すことなくリサイクル利用できるものの、肌触り性の点で劣り、これが原因で実施例1のものより対象となる靴の適用分野で制約を受けるとの評価であった。
比較例2
上記実施例1において、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸として、横断面形状が円形である38デシテックスのフィラメントが8本集束しているマルチフィラメント糸であって、180℃での乾熱収縮率が8.7%であるPET製のマルチフィラメント糸を用いた。なお、マルチフィラメント糸の製造方法は実施例1と同様のCR法である。そして、ループ面ファスナーの製造方法は実施例1と同一である。
得られたループ面ファスナーは、ループ状係合素子が存在している表面の肌触り感が極めて硬く、いずれの評価者も実施例1のものよりはるかに劣ると評価した。さらにこのループ面ファスナーの係合強力を測定したところ、初回のシアー強力が10.9N/cm、100回係合・剥離を繰り返した後のシアー強度が10.8N/cm、初回のピール強度が1.10N/cm、100回係合・剥離を繰り返した後のピール強度が1.05N/cmであり、係合力の点でも上記比較例1と同様に劣り、特にピール強度で大きく劣るものであった。このループ面ファスナーは、表面の肌触り感が悪いことから、到底、靴の甲皮締め付け用ベルトに使用できるようなものではないとの評価を靴メーカーから受けた。
実施例2
上記実施例1において、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸として、横断面形状が図2に示すような突出部が3個のPET繊維(製造方法は前記CR法)を用いて、実施例1と同様の方法によりループ面ファスナーを製造した。使用したループ状係合素子用マルチフィラメント糸を構成するフィラメントの太さと集束本数、さらに撚数や乾熱収縮率や製造方法も実施例1のループ状係合素子用マルチフィラメント糸と同一であり、そしてループ状係合素子用糸を構成するフィラメントの横断面を操作型電子顕微鏡で観察した所、各突出部は、図2に示すように、付根部が細く、その先に丸く拡がる膨頭部を有し、各フィラメントのWがWの0.65倍、HがDの0.28倍、dがDの0.29倍であった。
得られたループ面ファスナー用織物のループ状係合素子密度、ループ状係合素子の織物基布面からの高さも実施例1のものと同一であった。
得られたループ面ファスナーのループ状係合素子が存在している表面の肌触り感は実施例1のものより僅かに劣るものの、柔らかで肌触りが優しいものであり、10名の評価者全員が、比較例2のような従来タイプの面ファスナーと比べて極めて柔らかで肌触りが優しいものであると評価した。
さらにこのループ面ファスナーの係合強力を測定したところ、初回のシアー強力が15.8N/cm、100回係合・剥離を繰り返した後のシアー強度が11.1N/cm、初回のピール強度が1.66N/cm、100回係合・剥離を繰り返した後のピール強度が1.33N/cmであり、優れた係合強力を有していることが分かった。
このループ面ファスナーを、実施例1と同様に、PET製繊維を用いた靴の甲皮締め付け用ベルトにPET製のミシン糸を使用して取り付けたところ、実施例1のものと同様に、廃棄する際にベルトから面ファスナーを取り外し、分別することなくリサイクル利用できることから靴メーカーの関係者から好評であった。
比較例3
上記実施例1において、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸として、横断面形状が図5に示すような四角形状である7デシテックスのフィラメントが48本集束している撚数80T/mのマルチフィラメント糸であって、180℃での乾熱収縮率が8.6%であるPET製のマルチフィラメント糸を用いた。なお、マルチフィラメント糸の製造方法は実施例1と同一のCR法である。そして、ループ面ファスナーの製造方法も実施例1と同一である。
得られたループ面ファスナーは、ループ状係合素子が存在している表面の肌触り感に関しては、比較例1のループ面ファスナーと比べると僅かに優しいが、実施例1や実施例2のものと比べると、はるかに劣るとの評価であった。さらにこのループ面ファスナーの係合強力を測定したところ、初回のシアー強力が11.1N/cm、100回係合・剥離を繰り返した後のシアー強度が10.4N/cm、初回のピール強度が1.22N/cm、100回係合・剥離を繰り返した後のピール強度が1.04N/cmであり、係合力の点でも実施例1のものより劣るものであった。
このループ面ファスナーを、PET製繊維からなる手袋の手首締め付け用に使用したところ、肌触り性の点で実施例1より劣るとの評価であった。
比較例4
上記実施例1において、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸として、横断面形状が図6に示すような両端部が膨らんだ、いわゆるドッグボーン形状である7デシテックスのフィラメントが48本集束している撚数80T/mのマルチフィラメント糸であって、180℃での乾熱収縮率が8.8%であるPET製のマルチフィラメント糸を用いた。なお、このマルチフィラメント糸の製造方法は実施例1と同一のCR法であり、ループ面ファスナーの製造方法も実施例1と同一である。
得られたループ面ファスナーは、ループ状係合素子が存在している表面の肌触り感に関しては、比較例1や比較例2のループ面ファスナーと比べると柔らかいが、実施例1や実施例2のものと比べると劣るものであった。さらにこのループ面ファスナーの係合強力を測定したところ、初回のシアー強力が11.0N/cm、100回係合・剥離を繰り返した後のシアー強度が10.2N/cm、初回のピール強度が1.16N/cm、100回係合・剥離を繰り返した後のピール強度が1.02N/cmであり、係合力の点でも実施例1や実施例2のものより劣るものであった。このループ面ファスナーを、実施例1のものと同様に靴の甲皮固定用ベルトに使用したが、リサイクル可能ではあるが、肌触り性の点で実施例1や実施例2のものより劣るとの評価であった。
実施例3
経糸、緯糸およびループ状係合素子用糸として実施例1と同一のPET系マルチフィラメント糸を用い、さらにフック状係合素子用糸として次のモノフィラメント糸を用い、フック・ループ並存型面ファスナーを製造した。なお、フック・ループ並存型面ファスナーの織組織として平織を用い、織密度(熱収縮処理後)が経糸55本/cm、緯糸20本/cmとなるようにし、かつ経糸4本に1本の割合でループ状係合素子用マルチフィラメントまたはフック状係合素子用モノフィラメント糸を、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸の場合には緯糸3本を浮沈したのちに経糸1本を跨ぐようにし、跨いだ箇所でループを形成するように基布上にループを形成し、またフック状係合素子用モノフィラメント糸の場合には、緯糸3本を浮沈したのちに経糸3本を跨ぐようにし、跨いだ箇所でループを形成するように基布上にループを形成した。その際に、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸とフック状係合素子用モノフィラメント糸はそれぞれ2本単位で連続して存在しているように交互に織り込んだ。そして、熱処理温度として205℃を用いた。
[フック状係合素子用モノフィラメント糸]
・ポリエチレンテレフタレート繊維(融点:260℃)
・繊度:370dtex(直径:0.19mm)
・180℃での乾熱収縮率:18%
得られたフック・ループ並存型面ファスナーのフック状係合素子密度は32個/cm、ループ状係合素子密度は32個/cmであり、さらにフック状係合素子の基布面からの高さは1.5mm、ループ状係合素子の基布からの高さは2.3mmであった。
そして、得られたフック・ループ並存型面ファスナーの係合素子が存在している表面の肌触り感を実施例1の場合と同様に、10名の評価者に評価してもらった結果、いずれの評価者も、フック状係合素子が並存しているにも関わらず、柔らかで肌触りが優しいものであると評価した。
さらにこのフック・ループ並存型面ファスナーの係合強力を測定したところ、初回のシアー強力が18.1N/cm、100回係合・剥離を繰り返した後のシアー強度が11.7N/cm、初回のピール強度が2.14N/cm、100回係合・剥離を繰り返した後のピール強度が1.73N/cmであり、優れた係合強力を有していることが分かった。
このフック・ループ並存型面ファスナーを、PET製繊維を用いたサポーターの端部にPET製のミシン糸を使用して取り付けたところ、サポーターを廃棄する際に、サポーターから面ファスナーを取り外すことなくリサイクル利用できることから、ユーザーから好評であった。
比較例5
上記実施例3において、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸として、比較例1と同一の、横断面形状が円形である7デシテックスのフィラメントが48本集束している撚数80T/mのマルチフィラメント糸であって、180℃での乾熱収縮率が8.8%であるPET製のマルチフィラメント糸を用いた。そして、フック・ループ並存型面ファスナーの製造方法は上記実施例3と同一である。
得られたフック・ループ並存型面ファスナーは、ループ状係合素子が存在している表面の肌触り感が、実施例3のものと比べて劣るといずれの評価者も評価した。さらにこのフック・ループ並存型面ファスナーの係合強力を、実施例3と同様の方法により測定したところ、初回のシアー強力が10.7N/cm、100回係合・剥離を繰り返した後のシアー強度が10.5N/cm、初回のピール強度が1.92N/cm、100回係合・剥離を繰り返した後のピール強度が1.65N/cmであり、係合力の点でも実施例3のものより劣るものであった。
:突出部の付根部の細くなっている箇所の幅
:突出部の膨頭部の膨らんでいる箇所の幅
H:突出部の突出長さ
D:フィラメントの横断面における最小外接円の直径
d:隣り合う2個の突出部により形成された凹部の深さ

Claims (14)

  1. ポリエチレンテレフタレート系マルチフィラメント糸からなる織物の表面にポリエチレンテレフタレート系マルチフィラメント糸からなる複数のループ状係合素子が立ち上がっている面ファスナーにおいて、ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸を構成するフィラメントの横断面形状が、中心部から放射状に突出する3個以上の突出部を有し、各突出部は、付根部が細く、その先に丸く拡がる膨頭部を有していることを特徴とするポリエチレンテレフタレート系面ファスナー。
  2. ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が、4~12デシテックスのフィラメントが25~72本集束したマルチフィラメント糸である請求項1に記載のポリエチレンテレフタレート系面ファスナー。
  3. 突出部の数が4個であり、隣り合う突出部との突出方向の角度が直角である請求項1または2に記載のポリエチレンテレフタレート系面ファスナー。
  4. 突出部の付根部の細くなっている箇所の幅が、膨頭部の最も膨らんでいる箇所の幅の0.6~0.9倍である請求項1~3のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート系面ファスナー。
  5. 突出部の突出長さが、フィラメントの横断面における最小外接円の直径の0.25~0.40倍である請求項1~4のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート系面ファスナー。
  6. 隣り合う突出部の間に形成された凹部の深さが、フィラメントの横断面における最小外接円の直径の0.20~0.35倍である請求項1~5のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート系面ファスナー。
  7. ポリエチレンテレフタレート系マルチフィラメント糸を経糸とし、ポリエチレンテレフタレート系熱融着性マルチフィラメント糸を緯糸とする織物を基布とし、該経糸に平行にポリエチレンテレフタレート系マルチフィラメント糸がループ状係合素子用糸として同基布に織り込まれており、同基布の表面には、該ループ状係合素子用糸から形成され、同基布表面から立ち上がる複数のループ状係合素子が存在しており、該係合素子の根元が該熱融着性マルチフィラメント糸の熱融着成分の溶融固化物により該基布に固定されている請求項1~6のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート系面ファスナー。
  8. ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が、撚数20~200T/mの甘撚を有している請求項1~7のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート系面ファスナー。
  9. 織物の表面に、ループ状係合素子の他に、ポリエチレンテレフタレート系モノフィラメント糸からなる複数のフック状係合素子が並存している、或いは織物の裏面に、同モノフィラメント糸からなる複数のフック状係合素子が存在している請求項1~8のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート系面ファスナー。
  10. ポリエチレンテレフタレート系マルチフィラメント糸を経糸とし、ポリエチレンテレフタレート系熱融着性マルチフィラメント糸を緯糸とし、中心部から放射状に突出する3個以上の突出部を有し、各突出部は付根部が細く、その先に丸く拡がる膨頭部を有している横断面形状のポリエチレンテレフタレート系フィラメントからなるマルチフィラメント糸をループ状係合素子用糸とし、このループ状係合素子用糸を経糸に平行に織り込むとともに、同ループ状係合素子用糸を表面からループ状に複数立ち上がらせた織物を織り、そして、同織物を加熱して、同ループの根元を該熱融着性マルチフィラメント糸の熱融着成分の溶融固化物により該織物に固定することを特徴とするポリエチレンテレフタレート系面ファスナーの製造方法。
  11. ループ状係合素子用糸として、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステルを紡糸口金より溶融紡出し、紡出糸条を同ポリエステルのガラス転移点以下の温度に一旦冷却して、集束や巻き取ることなく、次いで加熱帯域内を走行させてガラス転移点を越える温度に加熱して延伸熱処理したのち3000m/分以上の引取速度で巻き取る方法により製造されたマルチフィラメント糸を用いる請求項10に記載のポリエチレンテレフタレート系面ファスナーの製造方法。
  12. ループ状係合素子を構成するマルチフィラメント糸が、4~12デシテックスのフィラメントが25~72本集束したマルチフィラメント糸である請求項10または12に記載のポリエチレンテレフタレート系面ファスナーの製造方法。
  13. 請求項1~9のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート系面ファスナーがポリエチレンテレフタレート系繊維からなる繊維製品に取り付けられているポリエチレンテレフタレート系繊維製品。
  14. 請求項13に記載のポリエチレンテレフタレート系繊維製品を取り付けたままで行う繊維製品のリサイクル方法。
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