JP4567781B2 - タッチパネル及びそれを利用したディスプレイ - Google Patents

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Description

本発明は、タッチパネル及びそれを利用したディスプレイに関し、特にカーボンナノチューブを利用したタッチパネル及びそれを利用したディスプレイに関する。
タッチパネルは、画面に指やペンなどで直接触れることで機械を操作する装置であり、LCDなど表示装置、PDAなど携帯装置、銀行のATMやPOSなど多くの装置で用いられている。タッチパネルに対して、タッチした位置の検出を電気的に行うものとして、抵抗膜方式や静電容量方式などがある。一方、電気を用いないものとして、超音波方式や赤外遮光方式、画像認識方式などがある。
静電容量方式は、指で触れることで表示パネルの表面電荷の変化を捕らえることによる位置検出方法である。現在の静電容量方式のタッチパネルは、ガラス基板と、前記ガラス基板に設置される透明な導電構造体と、前記透明な導電構造体の四隅に設置される金属電極と、を含む。前記四つの金属電極により、前記基板に等電位面が形成される。即ち、タッチパネル表面全体に低電圧の電界を形成し、タッチした指によりその部分の電界を放電して、前記金属電極に微弱な電流が発生する。前記金属電極の電流の比率を計算することで触れた位置を検出することができる。
一般に、前記ガラス基板はソーダ石灰ガラスからなる。前記透明な導電構造体は、ITO(インジウムスズ酸化物)又はATO(三酸化アンチモン)などの透明な材料からなる。前記金属電極は、それぞれ低抵抗の金属(例えば、銀であり)を印刷することにより形成される。さらに、前記透明な導電性層に封止膜を設置する。前記封止膜は、液体のガラスを硬化又は緻密化処理することにより形成される。
Kaili Jiang、Qunqing Li、Shoushan Fan、"Spinning continuous carbon nanotube yarns"、Nature、2002年、第419巻、p.801
現在主流の方式では、全面がITO(Indium Tin Oxide)と呼ばれる透明導電性薄膜で構成されるために、構造が単純となり、剥離や磨耗、断線などが生じにくいので、寿命が長く、透過率も高く改善された。しかし、ITO(Indium Tin Oxide)はスパッタリング法、イオンプレーティング、塗布法などの方法により成膜されるので、製造方法が複雑である。また、ITO薄膜は、機械的及び化学的性能が優れておらず、膜質の均一性が低いという欠点がある。また、ITO薄膜の光透過性が低いので、明るい環境で表示パネルに表示される画面が見えにくくなる。従って、現在のタッチパネルには、正確性や応答性が低く、光透過性が低いという課題がある。
前記課題を解決するために、正確性や応答性を向上させ、光透過性の高いタッチパネルを提供することが必要となる。
本発明のタッチパネルは、基板と、前記基板の一つの表面に設置された透明な導電構造体と、それぞれ前記透明な導電構造体に接続され、相互に所定の距離だけ離れて設置されている少なくとも二つの電極と、を含む。前記透明な導電構造体は、カーボンナノチューブ構造体を含む。前記カーボンナノチューブ構造体は、交叉して設置された複数のカーボンナノチューブワイヤを含む。同一の前記電極に、複数の異なる前記カーボンナノチューブワイヤの端部が接続されている。
単一の前記カーボンナノチューブワイヤの両方の端部は、それぞれ異なる前記電極に電気的に接続されている。
前記カーボンナノチューブ構造体において、前記複数のカーボンナノチューブワイヤが均一に配列されている。
前記カーボンナノチューブ構造体のカーボンナノチューブワイヤは0°〜90°(0°を含まず)の角度で交叉されている。
前記カーボンナノチューブワイヤの直径は0.5nm〜100μmである。
前記カーボンナノチューブワイヤは、端と端で接続された複数のカーボンナノチューブセグメントを含む。単一のカーボンナノチューブセグメントは、平行に配列された複数のカーボンナノチューブ。
隣接する前記カーボンナノチューブワイヤの間の距離は、5nm〜1mmである。
本発明のディスプレイは、タッチパネルと、前記タッチパネルに隣接して設置された表示素子と、を含む。前記タッチパネルは、基板と、前記基板の一つの表面に設置された透明な導電構造体と、それぞれ前記透明な導電構造体に接続され、相互に所定の距離だけ離れて設置されている少なくとも二つの電極と、を含む。前記透明な導電構造体は、カーボンナノチューブ構造体を含む。前記カーボンナノチューブ構造体は、交叉して設置された複数のカーボンナノチューブワイヤを含む。同一の前記電極に、複数の異なる前記カーボンナノチューブワイヤの端部が接続されている。
従来技術と比べると、本発明のタッチパネルは、次の優れた点を有する。第一に、カーボンナノチューブは良好な機械性能を有するので、カーボンナノチューブフィルムを利用するタッチパネルは、良好な機械的強度及び靱性を有する。従って、本発明は複数のカーボンナノチューブワイヤを利用することにより、前記タッチパネルの耐久性を高め、該タッチパネルを利用するディスプレイの使用寿命を延長することができる。第二に、カーボンナノチューブは良好な導電性を有するので、カーボンナノチューブワイヤを利用するタッチパネルは、均一な導電性及び高導電性を有する。従って、本発明は、前記カーボンナノチューブフィルムを利用することにより、前記タッチパネルのコントラスト及び精度を高めることができる。
図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1及び図2を参照すると、本実施形態のタッチパネル20は、基板22と、透明な導電構造体24と、保護層26と、二つの第一電極28と、二つの第二電極29と、を含む。ここで、前記基板22は、第一表面221及び該第一表面221に対向する第二表面222を含む。前記透明な導電構造体24は、前記基板22の第一表面221に設置されている。前記透明な導電構造体24は複数のカーボンナノチューブワイヤ240を含む。該複数のカーボンナノチューブワイヤ240において、一部のカーボンナノチューブワイヤ240は、その長手方向が方向L1に沿うように、方向L2に対して相互に平行に並列されている。もう一部のカーボンナノチューブワイヤ240は、その長手方向が方向L2に沿うように、方向L1に対して相互に平行に並列されている。前記L1方向は前記L2方向と異なるように設置されている(例えば、L1方向はL2方向に交叉している)。また、前記複数のカーボンナノチューブワイヤ240は相互に接触し、又は所定の距離だけで分離して配列されていることができる。本実施形態において、前記カーボンナノチューブワイヤ240は、それぞれ所定の距離だけで分離し、平行して配列されている。隣接する前記カーボンナノチューブワイヤ240の間の距離は、5nm〜1mmである。勿論、長手方向が前記方向L1に沿っている複数のカーボンナノチューブ、及び/又は長手方向が前記方向L2に沿っている複数のカーボンナノチューブにおいて、前記複数のカーボンナノチューブがそれぞれ平行にならないように設けられることができる。
第一方向に沿って配列された前記複数のカーボンナノチューブワイヤ240の端部は、前記第一電極28に電気的に接続されている。第二方向に沿って配列された前記複数のカーボンナノチューブワイヤ240の端部は、前記第二電極29に電気的に接触されている。このように設置すれば、前記透明な導電構造体24に等電位面を形成することができる。
前記基板22は透明な材料からなり、曲面型又は平板型に形成される。さらに、前記基板22は柔軟な薄膜であるか、又は、ガラス、石英、ダイヤモンドのような透明な基板である。本実施形態において、前記基板22はガラスからなる。前記電極28は金又は銀などの低抵抗の金属材料からなる。前記第一電極28及び第二電極29は、スパッタ、メッキ処理、化学蒸着などの方法により前記透明な導電構造体24の表面に堆積される。また、前記第一電極28及び第二電極29は銀ペーストを介して前記透明な導電構造体24に電気的に接続される。あるいは、前記第一電極28及び第二電極29を直接前記基板22の表面に設置することもできる。この場合、別に回路を設置し、この回路を介して前記第一電極28及び第二電極29を前記透明な導電構造体24に接続させる。勿論、上述の方法に限らず、前記第一電極28及び第二電極29と前記透明な導電構造体24を電気的接続させることができる方法は、全て本発明の保護範囲に含まれている。
さらに、前記タッチパネル20における接触領域の形状に対応して、前記透明な導電構造体24及び基板22の形状を設定することができる。例えば、前記透明な導電構造体24及び基板22を矩形又は三角形に形成させることができる。本実施形態において、前記タッチパネル20における接触領域は、矩形に形成されているので、前記透明な導電構造体24及び基板22は矩形に形成されている。
さらに、前記第一電極28及び第二電極29、前記透明な導電構造体24を保護するために、前記第一電極28及び第二電極29、前記透明な導電構造体24の前記基板22に隣接する面と反対側の表面を覆うように前記保護層26を設置することができる。前記保護層26は透明な材料、例えば、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリエステル又はアクリル酸などのいずれか一種からなる。所定の方法で前記保護層を加工することにより、該保護層26は防反射又は防眩性などの性能を有することができる。例えば、前記保護層26は、表面硬化処理によるプラスチック膜(例えば、PET)であることができる。本実施形態において、前記保護層26は二酸化ケイ素からなり、硬度が7H(Hは、ロックウェル硬さ試験において、基準荷重における圧子の侵入深さを示すもの)に達する。前記保護層26を導電性の銀ペーストで直接前記透明な導電構造体24に接着させることができる。
さらに、電磁妨害(Electromagnetic Interference,EMI)を防止するために、前記基板22の第二表面222に、遮蔽層25を設置することができる。該遮蔽層25はインジウムスズ酸化物(ITO)又はアンチモン含有酸化スズ(ATO)、CNTを含む物質からなる。本実施形態において、前記遮蔽層25は、カーボンナノチューブフィルムを含む。該カーボンナノチューブフィルムにおいて、カーボンナノチューブは配向して又は配向せず配列させることができる。前記カーボンナノチューブフィルムを電気的に接地させることにより、前記タッチパネル20を電磁妨害のない雰囲気において動作させることができる。
本実施形態において、前記透明な導電構造体24は複数の交叉したカーボンナノチューブワイヤ240を含む。単一の前記カーボンナノチューブワイヤ240は、端と端が分子間力で接続された複数のカーボンナノチューブを含む。さらに、図3〜図5を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブワイヤ240は、端と端が分子間力で接続された複数のカーボンナノチューブセグメント143を含む。単一の前記カーボンナノチューブセグメント143は、平行に並列して結合された複数のカーボンナノチューブ145を含む。前記カーボンナノチューブワイヤ240がねじれたカーボンナノチューブセグメントからなる場合、ねじれたカーボンナノチューブワイヤに形成されることができる。
単一の前記カーボンナノチューブワイヤ240の直径は0.5nm〜100μmである。前記カーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブである場合、単一のカーボンナノチューブの直径はそれぞれ0.5nm〜50nm、1nm〜50nm、1.5nm〜50nmの範囲に設定される。隣接する前記カーボンナノチューブワイヤ240は、同じ距離(5nm〜1mm)だけで分離して配列されている。
さらに、光透過を均一にさせるために、隣接するカーボンナノチューブワイヤの間に光補償膜(図示せず)を設置することができる。前記光補償膜は、前記透明な導電構造体24と同じ光学性能(例えば、屈折率及び透過率)を有する材料からなる。
前記透明な導電構造体24の製造方法は、カーボンナノチューブアレイを提供する第一ステップと、前記カーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブ予備成形体(カーボンナノチューブフィルム)を引き出す第二ステップと、前記カーボンナノチューブ予備成形体を有機溶剤で処理し、又は機械加工してカーボンナノチューブワイヤ240を形成する第三ステップと、複数の前記カーボンナノチューブワイヤ240を前記基板22に設置して、透明な導電構造体24を形成する第四ステップと、を含む。
前記第一段階では、超配列カーボンナノチューブアレイ(Superaligned array of carbon nanotubes,非特許文献1)であることが好ましい。本実施形態において、化学気相堆積(CVD)法により前記カーボンナノチューブアレイを成長させる。まず、基材を提供する。該基材としては、P型又はN型のシリコン基材、又は表面に酸化物が形成されたシリコン基材が利用される。本実施形態において、厚さが4インチのシリコン基材を提供する。次に、前記基材の表面に触媒層を蒸着させる。該触媒層は、Fe、Co、Ni又はそれらの合金である。次に、前記触媒層が蒸着された前記基材を、700〜900℃、空気の雰囲気において30〜90分間アニーリングする。最後に、前記基材を反応装置内に置いて、保護ガスを導入すると同時に前記基材を500〜700℃に加熱して、5〜30分間カーボンを含むガスを導入する。これにより、高さが200〜400μmの超配列カーボンナノチューブアレイが形成される。前記超配列カーボンナノチューブアレイは、相互に平行で基材に垂直に成長する複数のカーボンナノチューブからなる。前記方法により、前記超配列カーボンナノチューブアレイに無定形炭素又は触媒剤である金属粒子などの不純物が残らず、純粋なカーボンナノチューブアレイが得られる。
本実施形態において、前記カーボンを含むガスはアセチレンなどの炭化水素であり、保護ガスは窒素やアンモニアなどの不活性ガスである。勿論、前記カーボンナノチューブアレイは、アーク放電法又はレーザー蒸発法により得られることができる。
第二段階では、まず、ピンセットなどの工具を利用して複数のカーボンナノチューブの端部を持つ。本実施形態において、一定の幅を有するテープを利用して複数のカーボンナノチューブの端部を持つ。次に、所定の速度で前記複数のカーボンナノチューブを引き出し、複数のカーボンナノチューブセグメントからなる連続的なカーボンナノチューブ予備成形体(例えば、カーボンナノチューブフィルム)を形成する。
前記カーボンナノチューブを引き出すために利用された工具は、接着テープ、ペンチ、ピンセットなどのいずれか一種である。前記工具で前記カーボンナノチューブアレイに接触させると、複数のカーボンナノチューブが前記工具に固定される。この後、前記カーボンナノチューブが固定された前記工具を移動させて、前記複数のカーボンナノチューブを同時に前記カーボンナノチューブアレイから引き出すことができる。前記カーボンナノチューブを引き出す方向は、前記カーボンナノチューブアレイの成長方向に垂直に設けられている。
前記複数のカーボンナノチューブを引き出す工程において、前記複数のカーボンナノチューブがそれぞれ前記基材から脱離すると、分子間力で前記カーボンナノチューブセグメントが端と端で接合され、連続のカーボンナノチューブ予備成形体が形成される。図5を参照すると、単一のカーボンナノチューブセグメント143は、長さが同じ複数のカーボンナノチューブ145を含む。該複数のカーボンナノチューブ145は、相互に平行に並列し、分子間力で接合されるように配列されている。前記カーボンナノチューブ予備成形体は複数のカーボンナノチューブセグメントを含む。前記カーボンナノチューブ予備成形体のカーボンナノチューブは、前記カーボンナノチューブフィルムを引く方向に平行に並列されている。前記カーボンナノチューブ予備成形体は、均一な導電性及び均一な厚さを有する。このカーボンナノチューブ予備成形体の製造方法は、高効率で簡単であり、工業的に実用される。
前記カーボンナノチューブ予備成形体の幅は前記基材の幅により決定され、前記カーボンナノチューブフィルムの長さは基材の寸法に限定されず、必要に応じて製造されることができる。前記カーボンナノチューブ予備成形体の幅は0.01cm〜10cmに設けられ、厚さは0.5〜100μmに設けられる。前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブである。前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブである場合、直径が0.5nm〜50nmに設定され、前記カーボンナノチューブが二層カーボンナノチューブである場合、直径が1nm〜50nmに設定され、前記カーボンナノチューブが多層カーボンナノチューブである場合、直径が1.5nm〜50nmに設定される。
前記第三ステップにおいて、有機溶剤を利用して前記カーボンナノチューブ予備成形体を浸漬して処理することができる。前記カーボンナノチューブ予備成形体を前記有機溶剤で浸漬させて、前記有機溶剤を蒸発させた後、前記カーボンナノチューブ予備成形体が縮みんで、カーボンナノチューブワイヤ240に形成される。該カーボンナノチューブワイヤ240は前記カーボンナノチューブ予備成形体と比べて、比表面積及び直径が減少するので、強度及び靱性を高めることができる。前記有機溶剤は、メタノール、アルコール、アセトン又はこの二種の混合物である。前記カーボンナノチューブワイヤ240の直径は0.5nm〜100μmである。
前記第三ステップにおいて、前記カーボンナノチューブ予備成形体を機械加工(例えば、紡糸工程)して、ねじれたカーボンナノチューブワイヤ240を形成することもできる。詳しく説明すると、まず、前記カーボンナノチューブ予備成形体を紡糸装置に固定させる。次に、前記紡糸装置を動作させて前記カーボンナノチューブ予備成形体を回転させ、ねじれたカーボンナノチューブワイヤ240を形成する。
前記第四ステップにおいて、前記カーボンナノチューブワイヤ240の設置方法は次の二種がある。第一方法は、複数の前記カーボンナノチューブワイヤ240を分離させて、第一方向L1に沿ってそれぞれ平行に前記基板22の第一表面221に設置する第一サブステップと、他の複数の前記カーボンナノチューブワイヤ240を分離させて、第二方向L2に沿ってそれぞれ平行に前記基板22の第一表面221に設置する第二サブステップと、を含む。前記第一方向L1と前記第二方向L2とは、0°〜90°角度で交叉されている。第一方向に沿って配列した前記複数のカーボンナノチューブワイヤ240の端部は、前記第一電極28に電気的に接触されている。第二方向に沿って配列した前記複数のカーボンナノチューブワイヤ240の端部は、前記第二端部29に電気的に接触されている。このように設置すれば、前記透明な導電構造体24に等電位面を形成させることができる。この場合、隣接するカーボンナノチューブワイヤ240の間の距離を設定することにより、異なる光透過率を有する前記タッチパネル20を製造することができる。本実施形態において、前記距離は均一に設定され、5nm〜1mmにされている。
第二方法は、複数の前記カーボンナノチューブ240を交差させてネット状のカーボンナノチューブ構造体を形成するサブステップを含む。
図6に示すように、本実施形態は、前記タッチパネル20を利用するディスプレイ100を提供する。該ディスプレイ100は、前記タッチパネル20及び表示素子30を含む。支持体108を利用して、前記表示素子30を前記タッチパネル20から所定の距離だけ離隔させて、前記タッチパネル20の基板22の第二表面222に相対して設置している。従って、前記表示素子20及び前記表示素子30の間に、空間106が形成されている。さらに、前記表示素子30を、例えば、接着剤で前記タッチパネル20の基板22に組み合わせることができる。前記表示素子30としては、液晶表示装置、電界放出表示装置、プラズマ表示装置、電子発光ディスプレイ、真空蛍光表示装置又は陰極線管が利用される。
さらに、前記表示素子30が所定の距離だけ離隔されて前記タッチパネル20の基板22に対向して設置される場合、前記タッチパネル20の基板22に設置される遮蔽層25の、前記基板22とは反対側の表面に、硬化層104を形成することができる。該硬化層104は、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、ベンゾシクロブテン(BCB)、樹脂膜、アクリル樹脂などのいずれか一種からなる。前記硬化層104及び前記空間106を設けるので、前記表示素子30が強い力によって損傷することを防止することができる。該硬化層104を誘電層として利用することができる。なお、前記表示素子30及び前記タッチパネル20を直接組み合わせる場合、前記硬化層104を隙間なく前記表示素子20の表面に設置させることができる。
さらに、前記ディスプレイ100は、第一制御素子40と、中央処理装置50と、第二制御素子60と、を含む。前記第一制御素子40と、中央処理装置50と、第二制御素子60とは、それぞれ回路で接続されている。前記第一制御素子40は前記タッチパネル20の電極28に接続され、前記第二制御素子60は前記表示素子30に接続されている。前記中央処理装置50により前記第二制御素子60を制御して、前記第二制御素子60により前記ディスプレイ100の表示を制御することができる。
前記ディスプレイ100に例えば5Vの電圧を印加する場合、前記タッチパネル20の透明な導電構造体24に微弱な電流を流して、等電位面を形成する。使用者はディスプレイ100に表示された情報を読みながら、指70で前記ディスプレイ100の表面に設置された前記タッチパネル20を押す。この時、前記指70が触れる位置で、前記タッチパネル20の4隅に設置される電極28から流れる電流が前記指70から人体に流れて、電荷量が変化する。それぞれの前記電極28からの電流の比率を計算することにより、前記触れた位置を測定することができる。前記測定のデータを前記中央処理装置50に伝送する。前記中央処理装置50は前記測定のデータを接収して処理した後、前記第二制御素子60へ前記測定のデータを伝送する。これにより、前記ディスプレイ100における所定の場所に、必要な情報を表示させることができる。
本発明のタッチパネルは、次の優れた点を有する。第一に、カーボンナノチューブは良好な機械性能を有するので、カーボンナノチューブフィルムを利用するタッチパネルは、良好な機械的強度及び靱性を有する。従って、本発明は数枚のカーボンナノチューブフィルムを利用することにより、前記タッチパネルの耐久性を高め、該タッチパネルを利用するディスプレイの使用寿命を延長することができる。第二に、カーボンナノチューブは良好な導電性を有するので、カーボンナノチューブフィルムを利用するタッチパネルは、均一な導電性及び高導電性を有する。従って、本発明は、前記カーボンナノチューブフィルムを利用することにより、前記タッチパネルのコントラスト及び精度を高めることができる。
本発明の実施形態のタッチパネルの平面図である。 図1のII−II線に沿って、本発明の実施形態のタッチパネルの断面図である。 本発明の実施形態のタッチパネルに利用したカーボンナノチューブワイヤのSEM写真である。 本発明の実施形態のタッチパネルに利用した、ねじれたカーボンナノチューブワイヤのSEM写真である。 本発明の実施形態のカーボンナノチューブセグメントを示す図である。 本発明の実施形態のタッチパネルを利用したディスプレイを示す図である。
符号の説明
100 ディスプレイ
104 硬化層
106 空間
143 カーボンナノチューブセグメント
145 カーボンナノチューブ
20 タッチパネル
22 基板
221 第一表面
222 第二表面
24 透明な導電構造体
240 カーボンナノチューブワイヤ
25 遮蔽層
26 保護層
28 第一電極
29 第二電極
30 表示素子
40 第一制御素子
50 中央処理装置
60 第二制御素子

Claims (8)

  1. 基板と、前記基板の一つの表面に設置された透明な導電構造体と、それぞれ前記透明な導電構造体に接続され、相互に所定の距離だけ離れて設置されている少なくとも二つの電極と、を含み、
    前記透明な導電構造体が、カーボンナノチューブ構造体を含み、
    前記カーボンナノチューブ構造体が、交叉して設置された複数のカーボンナノチューブワイヤを含み、
    前記カーボンナノチューブワイヤがカーボンナノチューブのみから成り、
    同一の前記電極に、複数の異なる前記カーボンナノチューブワイヤの端部が接続されていることを特徴とする静電容量方式のタッチパネル。
  2. 単一の前記カーボンナノチューブワイヤの両方の端部が、それぞれ異なる前記電極に電気的に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の静電容量方式のタッチパネル。
  3. 前記カーボンナノチューブ構造体において、前記複数のカーボンナノチューブワイヤが均一に配列されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の静電容量方式のタッチパネル。
  4. 前記カーボンナノチューブ構造体のカーボンナノチューブワイヤが0°〜90°(0°を含まず)の角度で交叉されていることを特徴とする、請求項1に記載の静電容量方式のタッチパネル。
  5. 前記カーボンナノチューブワイヤの直径が0.5nm〜100μmであることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の静電容量方式のタッチパネル。
  6. 前記カーボンナノチューブワイヤが、端と端で接続された複数のカーボンナノチューブセグメントを含み、
    単一のカーボンナノチューブセグメントが、平行に配列された複数のカーボンナノチューブであることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の静電容量方式のタッチパネル。
  7. 隣接する前記カーボンナノチューブワイヤの間の距離は、5nm〜1mmであることを特徴とする、請求項1に記載の静電容量方式のタッチパネル。
  8. 静電容量方式のタッチパネルと、前記タッチパネルに隣接して設置された表示素子と、を含むディスプレイであって、
    前記タッチパネルが、
    基板と、前記基板の一つの表面に設置された透明な導電構造体と、それぞれ前記透明な導電構造体に接続され、相互に所定の距離だけ離れて設置されている少なくとも二つの電極と、を含み、
    前記透明な導電構造体が、カーボンナノチューブ構造体を含み、
    前記カーボンナノチューブ構造体が、交叉して設置された複数のカーボンナノチューブワイヤを含み、
    前記カーボンナノチューブワイヤがカーボンナノチューブのみから成り、
    同一の前記電極に、複数の異なる前記カーボンナノチューブワイヤの端部が接続されていることを特徴とするディスプレイ。
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