JP5050352B2 - 炭素材料薄膜の後処理方法 - Google Patents

炭素材料薄膜の後処理方法 Download PDF

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本発明は、炭素材料薄膜の後処理方法に関する。さらに詳しくは、抵抗値を低下せしめ、固体高分子型燃料電池用セパレータ等の基材表面に好適に適用される炭素材料薄膜の後処理方法に関する。
炭素材料は、電気伝導性、熱伝導性、耐食性、耐熱性、黒色着色性および薬品安定性など多くの面ですぐれた性能を有するため、様々な用途に使用されており、特に耐食性を要する帯電防止材や電磁波シールド材や、電気伝導性および耐食性を有することが必要とされる燃料電池セパレータあるいはリチウム二次電池の負極には、金属材料の使用が難しいため、黒鉛、カーボンブラックまたはカーボンファイバーなどの炭素材料が使用されている。
これらの用途では、樹脂またはゴムなどに導電性フィラーとして炭素材料を添加し、成形する方法や、炭素材料に樹脂またはゴムなどをバインダーとして添加して成形する方法などが一般的に用いられている。一方、対象物の表面のみに炭素材料を薄膜化する方法は、電気特性と強度特性の両特性を満足できることから、特に、表面の電気伝導性や放電性が重要とされる燃料電池セパレータあるいはリチウム二次電池の負極に用いられている。
特開平10−334927号公報
炭素材料を薄膜化する方法としては、蒸着法、CND法、スピンコート法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、静電塗布法、電着法などが挙げられるが、中でも複雑な形状のものにも膜厚を均一に製膜可能である電着法が有効である。この電着法は、水系電着液と非水系電着液の2種類に分類される。
水系の電着法としては、自動車ボディーの下塗り塗装に使用されているカチオン電着塗装が一般的である。これは、電着塗料中に被塗物を浸漬し、被塗物を陰極として対極との間に電流を流し、陰極に塗膜を析出させて製膜する方法であり、この際電着塗料に炭素材料を分散させておくと、炭素材料は電着塗料に付随して陰極側に移動し、被塗物に複合的に製膜されるというものである。この方法では、電着塗料が分散剤としての働きもするため電解液中の炭素材料の分散性が良く、さらには電着塗料の流動速度が大きいため電着量が多く、短時間で製膜できるといった長所があるものの、被塗物表面は電着塗料と炭素材料の複合膜となるため、被塗物表面の炭素密度が低くなるといった欠点がある。
日本接着学会誌 Vol.27、No.9、401頁(1991)
一方、非水系の電着法としては、水系の電着が不可能なアルミニウム材料に関するものが多いものの、炭素材料においてもアセトニトリルとトリエチルアミンなどの低分子量の塩基性化合物からなる溶媒に黒鉛を分散させ、この電着液に被塗物を陽極として浸漬し、対極との間に電流を流し、陽極に黒鉛を析出させ製膜する方法が提案されている。しかるに、本方法においては帯電した黒鉛が電場により移動し析出するため、被塗物表面の炭素密度が高くなるといった長所がある一方で、電着液への黒鉛の分散性が悪く、また黒鉛の泳動速度が遅いため電着量が少なく、製膜に多くの時間を要するといった欠点がある。
表面技術 Vol.53、No.10、685頁(2002)
また、カーボンナノチューブは、優れた電気伝導性と熱伝導性を有し、この特性を活かした様々な応用用途が期待されているが、通常はカーボンナノチューブ同士が絡み合った状態にあるため、薄膜形成が非常に困難であり、薄膜化が難しい材料である。一方で、カーボンナノチューブは高価な材料であるため、少量の使用により効果を発揮させることが求められているのが現状である。
かかる要請から、カーボンナノチューブの薄膜化方法として、電場を利用してカーボンナノチューブを製膜することにより行う方法、具体的には、ジメチルホルムアミド溶媒中にカーボンナノチューブを分散させ、この分散溶媒中にて電極に電圧をかけ、陽極側にカーボンナノチューブを吸着させるという方法が提案されている。しかるに、かかる方法ではカーボンナノチューブの分散量が少ないため、結果的に吸着量が少ないといった解決すべき課題が残されている。
特開2005−235425号公報
また、燃料電池用電極の拡散層(GDL)には、カーボンペーパー、カーボン不織布、カーボン織布などのカーボンシートよりなる多孔質炭素体が基材として使用されており、このような多孔質炭素体基材には、高い導電性と大きな比表面積とが求められている。特に、ガス拡散体としての使用に際しては、ガス拡散体片面側の電解質で発電した電気を、その反対側の面のセパレータに通電する必要があるため導電性にすぐれていることが求められており、ガス拡散体とセパレータの接触面積が大きい程、接触抵抗が小さくなるので好ましいとされる。なお、ガス拡散体では、内部の導電抵抗に比べ、表面の接触抵抗の方が問題になる場合が多い。
しかしながら、セパレータとの接触面積を大きくする手段として、ガス拡散体の嵩密度を高くすると、ガスの拡散抵抗が大きくなるので好ましくないため、ガス拡散体の密度を小さくし、表面の接触面積を小さくする手段として、ガス拡散体の表面に導電性の多孔質層を別に設けることが行われる。
カーボンナノチューブは、すぐれた導電性を有し、比表面積が非常に大きいため、高導電性ならびに大きな比表面積を有する多孔質炭素体材料として非常に有望視されている。しかるに、カーボンナノチューブは、凝集性が非常に強くかつ複雑に絡み合った状態にあり、さらに嵩密度が非常に低いため、単に溶媒中にこれを分散してガス拡散体上に担持させただけでは、カーボンナノチューブ層の均質性が得られず、十分なガス拡散体の抵抗低減効果は得られない。
また、樹脂に導電性フィラーを加えた場合、導電性を向上させるために導電性フィラー量を増加させると、樹脂としての特性が失われ、成形性や強度が著しく低下する。一方、導電性フィラー量を少なくすると、所望の電気特性が得られない。樹脂に導電性フィラーを加えて燃料電池用セパレータ等を成形する場合には、このような問題を解決するため、セパレータ内部を高電気抵抗層とし、表面を低電気抵抗層とする提案もみられるが、表面層の厚さをコントロールすることが難しく、抵抗むらを生じ易い。
特開2004−192855号公報
本発明の目的は、分散剤を添加した非水系電着液を用いた電着法によって製膜された炭素材料薄膜であって、その抵抗値を低下せしめ、固体高分子型燃料電池用セパレート等の基材表面に好適に適用される炭素材料薄膜の後処理方法を提供することにある。
かかる本発明の目的は、分散剤を添加した非水系電着液を用いた電着法により製膜された炭素材料薄膜を、不活性ガス雰囲気で200〜500℃に加熱処理する炭化水素薄膜の後処理によって達成される。
分散剤を添加した非水系電着液を用いた電着法により製膜された炭素材料薄膜としては、塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に炭素材料を分散させ、この溶媒中で被被覆材を陽極として電圧を印加し、陽極材表面上に炭素材料薄膜を形成せしめたものが好適に用いられる。
分散剤を添加した非水系電着液を用いた電着法により製膜された炭素材料薄膜、好ましくは塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に炭素材料を分散させ、この溶媒中で被被覆材を陽極として電圧を印加し、陽極材表面上に炭素材料薄膜を形成せしめたものを、不活性ガス雰囲気中で加熱処理することにより、薄膜中に残存していた分散剤が蒸発・揮散あるいは分解し、薄膜中の炭素材料、好ましくはカーボンナノチューブの濃度を高めるので、薄膜の抵抗値を有効に低下せしめることができる。
また、電着法によりカーボンナノチューブの薄膜を形成させた場合には、カーボンナノチューブの使用量が少なく、薄膜の厚さをコントロールすることが可能であり、このようなカーボンナノチューブ薄膜を例えば燃料電池セパレータの表面に形成させると、導電性にすぐれかつ抵抗値が低いばかりではなく、カーボンナノチューブの形状に起因する絡まりによって薄膜が保持されているため柔軟性があり、燃料電池スタック締結時に圧力むらが生じても、安定した抵抗値を維持することができる。
このようなカーボンナノチューブ薄膜の形成は、燃料電池用セパレータに限っていっても、焼成カーボンセパレータ、樹脂・黒鉛製セパレータ、金属セパレータ等のすべてに適用可能であり、またマスキングをすることで導電性の必要なリブ部のみの製膜も可能である。さらに、下記特許文献に示されるようなセパレータの粗さに制約されることなく、本発明方法を適用することができ、セパレータの表面状態を問わず、セパレータの製造コストを低減することができる。
特開2004−6432号公報
分散剤を添加した非水系電着液を用いた電着法により製膜された炭素材料薄膜は、好ましくは塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に炭素材料を分散させ、この溶媒中で被被覆材を陽極として電圧を印加し、陽極材表面上に炭素材料薄膜を形成せしめたものものであるので、この態様について説明することとする。
炭素材料としては、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、黒鉛、カーボンファイバー、フラーレンなどが挙げられるが、好ましくは、優れた電気伝導性と熱伝導性の観点からカーボンナノチューブが、電気特性および嵩密度の観点からカーボンブラックまたは黒鉛が用いられる。これらは、溶液分散するものであれば特に制限なく使用することができ、カーボンナノチューブとしては単層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブなどが、カーボンブラックとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどが、また黒鉛としては、人造黒鉛、天然黒鉛のいずれかが用いられる。
塩基性高分子型分散剤としては、分子量が数千〜数万であり、エステルを有する構造のものであれば特に制限なく使用することができ、脂肪酸エステルなど、好ましくはポリエステル酸アマイドアミン塩が用いられる。実際には、市販品、例えば楠本化成製品ディスパロンDA-703-50、DA-705、DA-725、DA-234等が用いられる。この他、ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩である同社製品ディスパロンDA-325等も用いられる。これらは、1〜20重量%、好ましくは3〜10重量%の割合で、炭化水素系溶媒中に添加されて用いられる。この使用割合がこれ以下では、本発明の目的が達成されず、一方これ以上の割合で用いられると、形成した薄膜中に塩基性高分子型分散剤が多量に付着することとなり、好ましくない。
塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素溶媒中に分散させた炭素材料、好ましくはカーボンナノチューブの平均粒子径(湿式でのレーザー散乱法による50%粒子径)は、100〜1000nm、好ましくは500〜800nmに設定されることが好ましい。このような平均粒子径への調整は、ボールミルなどを用いても行われるが、好ましくは超音波ホモジナイザを用いて行われる。超音波ホモジナイザの代りに、超音波洗浄器を用いると、分散液中のカーボンナノチューブ凝集塊の平均粒子径は1000nm以上となり、またポット型ボールミルを用いると、カーボンナノチューブの破断などがみられることもある。
炭化水素系溶媒としては、芳香族炭化水素溶媒などが挙げられるが、好ましくはキシレンまたはトルエンが用いられる。これらの炭化水素溶媒は、炭素材料に対して一般に約100〜1000倍量程度用いられる。
被被覆材陽極としては、導電性のものであれば特に制限なく、また導通のない基材でも無電解メッキを施したのもを使用することができ、例えば樹脂と黒鉛などからなる燃料電池用の電極のガス拡散体基材またはセパレータ基材、帯電防止基材、電磁波シールド基材、リチウム電池電極基材、電界放出ディスプレー基材、放熱基材などが用いられるが、好ましくはカーボンペーパー、カーボン不織布、カーボン織布などの多孔質炭素体であるカーボンシート基材が用いられる。
炭素材料薄膜の形成原理は、例えばカーボンナノチューブにあっては次の通りである。カーボンナノチューブはその製造時に用いた金属触媒の除去のため、加熱、酸処理等の精製が行われるが、この際カーボンナノチューブに存在する欠陥箇所が酸化され、カルボニル基、水酸基等の官能性基が発生し、カーボンナノチューブは水中でアニオン電荷を持つと考えられる。そこで、カーボンナノチューブを分散させた溶液に電場をかければ、カーボンナノチューブは陽極である燃料電池セパレータ基材に移動し付着(吸着)し、また付着したカーボンナノチューブは凝集のし易さから繋がったネットワークを形成することとなる。
そのため、炭素材料薄膜の形成は、炭素材料を塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中で、上記陽極に電圧を印加することにより陽極材上に付着(吸着)することにより行われる。ここで、印加される電圧は、1〜1000V、好ましくは5〜500Vであり、印加電圧がこれより低い場合には、炭素材料の付着量が少なくなってしまい、一方これより大きい場合には、炭素材料の付着膜が不均一となり、かつ電力効率が悪化するため好ましくない。また、印加時間は必要とする製膜量により異なるが、例えば1〜3000秒、好ましくは30〜1000秒あるいは周期的に印加することも可能である。このとき、炭素材料の沈降を防ぐべく、分散溶液を攪拌しながら製膜することも行われる。また、製膜時にマスキングを行うことで、導電性が必要な部分にのみ炭素材料を付着させることができる。
また、炭素材料薄膜の形成は、炭素材料を塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素溶媒中で、パルスファンクション発生器の如き交流電圧を制御する装置を用いて交流電場を適用し、上記陽極に電圧を印加して陽極材上に炭素材料を付着(吸着)させることによっても行われる。ここで、印加される電圧は、約1〜100V、好ましくは約3〜20V、特に好ましくは5V程度であり、周波数は約0.1〜1000Hz、好ましくは約1〜10Hzであり、印加時間は必要とする製膜量および電極間距離(一般に約3〜5mmに設定される)により異なるが、例えば10〜1000分、好ましくは20〜200分あるいは周期的に印加することも可能である。
表面に炭素材料薄膜が製膜された陽極材は、分散溶液中から取り出した後、表面に製膜された炭素材料以外を取除くように洗浄され、乾燥される。
以上の工程を繰り返し行うことで、陽極材表面上に製膜される炭素材料の膜厚を厚くしていくことができる。すなわち、上記工程の繰り返し回数を設定することによって、製膜される炭素材料の膜厚を所望の厚み、例えば約1〜50μm程度の厚みに制御することが可能となる。
このようにして製膜された炭素材料薄膜、好ましくはカーボンナノチューブ薄膜は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で約200〜500℃、好ましくは約230〜350℃で加熱処理される。この加熱処理により、薄膜中に残存していた塩基性高分子型分散剤等の分散剤が蒸発・揮散あるいは分解し、薄膜中の炭素材料、好ましくはカーボンナノチューブの濃度を高めるので、薄膜の抵抗値を有効に低下せしめる。
次に、実施例について本発明を説明する。
比較例1
(a)レゾール型フェノール樹脂(昭和高分子製品MCS-302)19重量%、人造黒鉛(日本黒鉛製品PAG-H100;平均粒径100μm)80重量%およびステアリン酸(内部離型剤)1重量%をヘンシェルミキサで予備混合し、予備混合した混合物を加圧ニーダを用いて100℃、10分間混練を行い、冷却後パワーミルで粉砕して成形材料を得た。この成形材料を用い、温度170℃、圧力50MPa、5分間の条件下で成形を行い、100×10×2.1mmのセパレータ材料成形品を得た。
(b)キシレン90mlに、ポリエステル酸アマイドアミン塩(楠本化成製品ディスパロンDA-703-50;50%キシレン溶液)10mlを加え、この溶液に気相成長法多層カーボンナノチューブ(日機装製品;繊維径10〜30nm、平均繊維長1〜100μm)500mgを添加し、超音波ホモジナイザ(BRANSON SONIFIER 450)を用いて、出力300Wで12時間の照射分散処理を行い、多層カーボンナノチューブ分散液を得た。湿式でのレーザー散乱による平均粒子径(50%粒子径)は、600nmであった。
(c)電極として上記セパレータ材料成形品を用い、PTFE製スペーサを用いて、電極間距離が2cmとなるように設置した。そこに200Vの電圧を15分間印加することで、陽極へのカーボンナノチューブ製膜処理を行った(製膜面積10cm2、厚さ2mm)。形成された薄膜のSEM写真は、図1に示される。この薄膜について、走査型電子顕微鏡観察を行ったところ、約30μmの厚さのカーボンナノチューブ吸着層が確認された。
(d)このカーボンナノチューブ薄膜層を剥離し、TGAによる分析を行ったところ、薄膜中に含まれるカーボンナノチューブの含有量は85重量%で、残りの15重量%は分散剤であった。製膜されたセパレータを表面積が1cm2になるように加工し、それを金メッキ電極で挟み、荷重を1MPaとして厚み方向の抵抗値を測定すると、12.0mΩ・cm2であった。なお、薄膜層の剥離は、刃物で界面を削ぎ落としたり、熱転写などの強制的な手段で行われる。
実施例1
比較例1の(c)工程で得られた製膜されたセパレータを、不活性ガス(N2ガス)雰囲気中250℃で10時間の焼成を行った。(d)工程の剥離カーボンナノチューブ薄膜層のTGA分析では、薄膜中に含まれるカーボンナノチューブの含有量は94重量%で、残りの6重量%は分散剤であった。同様に、厚み方向の抵抗値を測定すると、9.7mΩ・cm2であった。
実施例2
比較例1の(c)工程で得られた製膜されたセパレータを、不活性ガス(N2ガス)雰囲気中300℃で10時間の焼成を行った。(d)工程の剥離カーボンナノチューブ薄膜層のTGA分析では、薄膜中に含まれるカーボンナノチューブの含有量は96重量%で、残りの4重量%は分散剤であった。同様に、厚み方向の抵抗値を測定すると、9.2mΩ・cm2であった。
参考例
比較例1の(a)工程で得られたセパレータ材料成形品を金メッキ電極で挟み、荷重を1MPaとして厚み方向の抵抗値を測定すると、13.7mΩ・cm2であった。
比較例2
比較例1の(a)工程で得られたセパレータ材料成形品を、(b)工程で得られた多層カーボンナノチューブ分散液中に浸漬した後、室温下で1時間乾燥させてカーボンナノチューブ薄膜を形成させた。(d)工程と同じように、カーボンナノチューブ薄膜を剥離し、TGA分析を行うと、薄膜中に含まれるカーボンナノチューブの含有量は25重量%で、残りの75重量%は分散剤であった。同様に、厚み方向の抵抗値を測定すると、24.0mΩ・cm2であった。
以上の結果から、次のようなことがいえる。
(1)電着法によりカーボンナノチューブ薄膜を被覆したセパレータは、これを被覆しないセパレータよりも低い抵抗値が得られる(比較例1-参考例)。
(2)セパレータ上に被覆されたカーボンナノチューブ薄膜を、不活性ガス雰囲気中で焼成すると、さらに低い抵抗値が得られる(実施例1〜2-比較例1)。
(3)浸漬法によりカーボンナノチューブを被覆したセパレータは、薄膜中に含まれているカーボンナノチューブ量が少なく、被覆されないセパレータよりも高い抵抗値を示している(参考例-比較例2)。
本発明方法に係る炭素材料薄膜の後処理方法を用いて得られた炭素材料薄膜は、樹脂と黒鉛などからなる燃料電池用セパレータ、帯電防止材、電磁波シールド材、リチウム電池電極、電界放出ディスプレーなどに有効に用いられる。また、カーボンナノチューブにあっては熱伝導性にもすぐれているため、放熱材としても有効に使用される。
特に、樹脂と黒鉛からなるセパレータ基材にあっては、導電性フィラーに樹脂を加えて成形(賦型)されるが、表面側に樹脂が多く含まれるスキン層が形成され、導電性を有する黒鉛が表面に現れる箇所が点在するだけで少なくなってしまうため、燃料電池セパレータの表面で必要とされる導電性を十分に得ることができず、接触抵抗が大きくなることが問題となるが、本発明方法により得られる炭素材料薄膜をセパレーター表面に適用することにより、セパレーター表面に導電ネットワークが形成され、表面上の導電性を向上することができ、またその抵抗値を有効に低下せしめることができる。
電着法によりセパレータ材料成形品上に製膜されたカーボンナノチューブ薄膜のSEM写真である。

Claims (13)

  1. 分散剤を添加した非水系電着液を用いた電着法により製膜された炭素材料薄膜を、不活性ガス雰囲気中で200〜500℃に加熱処理することを特徴とする炭素材料薄膜の後処理方法。
  2. 分散剤を添加した非水系電着液を用いた電着法により製膜された炭素材料薄膜が、塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に炭素材料を分散させ、この溶媒中で被被覆材を陽極として電圧を印加し、陽極材表面上に炭素材料薄膜を形成せしめたものである請求項1記載の炭素材料薄膜の後処理方法。
  3. 炭素材料がカーボンナノチューブ、カーボンブラックまたは黒鉛である請求項2記載の炭素材料薄膜の後処理方法。
  4. 塩基性高分子型分散剤が、ポリエステル酸アマイドアミン塩である請求項2記載の炭素材料薄膜の後処理方法。
  5. 炭化水素系溶媒が芳香族炭化水素溶媒である請求項2記載の炭素材料薄膜の後処理方法。
  6. 被被覆材陽極として燃料電池用の電極ガス拡散体基材またはセパレータ基材、帯電防止基材、電磁波シールド基材、リチウム電池電極基材、電界放出ディスプレー基材あるいは放熱基材が用いられる請求項2記載の炭素材料薄膜の後処理方法。
  7. 被被覆材陽極としてカーボンシート基材が用いられる請求項2記載の炭素材料薄膜の後処理方法。
  8. カーボンシートがカーボンペーパー、カーボン不織布またはカーボン織布である請求項7記載の炭素材料薄膜の後処理方法。
  9. 性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に分散させた炭素材料が100〜1000nmの平均粒子径(湿式でのレーザー散乱法による50%粒子径)を有する請求項2記載の炭素材料薄膜の後処理方法。
  10. 炭素材料がカーボンナノチューブである請求項9記載の炭素材料薄膜の後処理方法。
  11. 炭素材料の平均粒子径を100〜1000nmに調整することが超音波ホモジナイザを用いて行われる請求項9または10記載の炭素材料薄膜の後処理方法。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の方法により後処理された炭素材料薄膜。
  13. 表面に請求項12記載の炭素材料薄膜を形成させた燃料電池用の電極ガス拡散体またはセパレータ、帯電防止材、電磁波シールド材、リチウム電池電極、電界放出ディスプレーあるいは放熱材。
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