JP5167664B2 - 高分子電解質膜−電極接合体の製造方法 - Google Patents

高分子電解質膜−電極接合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高分子電解質膜-電極接合体(MEA)の製造方法に関する。さらに詳しくは、燃料電池の電極触媒層などとして有効に用いられる炭素材料薄膜電極を形成させた高分子電解質膜-電極接合体の製造方法に関する。
燃料電池の電極触媒層は、燃料電池の反応の起る要の部分であり、炭素材料に保持した触媒、高分子電解質膜の溶液および結合剤から形成され、それを形成させる方法として、高分子電解質膜に電極触媒層を直接塗布する方法が知られている。より具体的には、電極触媒層を形成する触媒担持カーボンを固体高分子電解質膜と同質の高分子樹脂溶液中に分散させたペーストを用いて薄膜を形成し、水素イオンを選択的に透過する固体高分子電解質膜に密着された電極触媒層を形成させる方法が提案されている。この方法では、固体高分子電解質膜と同質の高分子樹脂溶液がペースト分散液調製に用いられ、また触媒担持カーボンをその表面の芳香族環に結合した塩基性官能基が高分子樹脂溶液において陽イオンに変遷した状態で分散させることが必要とされている。
特許第3736545公報
また、燃料電池用のセルは、高分子電解質膜の両側の面に燃料極と空気極とを熱圧縮して、膜・電極接合体(MEA)として一般に作製されている。実際には、電極触媒層をシート状に膜成形し、同時にこれを高分子電解質膜にホットプレスする方法も一般的に行われているが、燃料電池の触媒層には、高いガス供給・排出性、水素イオン伝導性、触媒の活性が必要となる。高いガス供給・排出性を得るため、触媒層を多孔質化する方法が提案されている。
特開2005−11582号公報 特開2005−108550号公報
これらの提案された方法は、従来の触媒担持カーボンとイオン導電性樹脂とを含む高分子電解質膜に塗布もしくは転写する方法と比べて、ガス供給・排出性にはすぐれているものの、電子伝導性については十分ではないという問題がみられる。
電子伝導性を高める多孔質化の方法として、カーボンナノチューブ等の気相成長法炭素繊維を触媒層に添加する方法も提案されているが、カーボンナノチューブは一般に分散性に乏しく、均一な触媒層の形成を困難なものとしている。
特開2003−115302号公報
本発明の目的は、高分子電解質膜-電極接合体の製造方法であって、工業的規模において実施可能な燃料電池用多孔質電極層(触媒担体)を形成せしめた高分子電解質膜-電極接合体(MEA)の製造方法を提供することにある。
かかる本発明の目的は、塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に炭素材料を分散させ、この溶媒中で高分子電解質膜を陽極として電圧を印加し、陽極材表面上に炭素材料薄膜を形成せしめ、
(1)得られた炭素材料薄膜形成高分子電解質膜を2枚の触媒層塗布剥離性シートで挟み込んでホットプレスし、触媒層を炭素材料薄膜側に転写させた後、剥離性シートを剥離する方法
または
(2)得られた炭素材料薄膜形成高分子電解質膜を2枚の触媒層塗布ガス拡散層電極材料で挟み込んでホットプレスする方法
によって、高分子電解質膜-電極接合体の製造方法を製造する方法によって達成される。
本発明方法においては、まず高分子電解質膜上への炭素材料薄膜の形成が行われ、被被覆材を陽極として電圧を印加し、陽極材の表面上に炭素材料を付着させるに際して、炭素材料を塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に分散させることにより、炭素材料の溶媒中における分散性を向上させて、吸着性が良好な、換言すれば吸着量を増加させた炭素材料薄膜の形成が実現可能となる。このように、塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒に炭素材料、特にカーボンナノチューブを分散させ、この分散液中に電場をかけることにより、高分子電解質表面にカーボンナノチューブを吸着させることができる。
また、本発明方法で行われる炭素材料薄膜形成方法によれば、高分子電解質膜にダメージを与えることなく触媒層を形成することができる。高分子電解質膜上に被覆されたカーボンナノチューブ等の炭素材料は導電性を有しており、またナノサイズの空間を有しているため、触媒層の担体として好適に使用し得る。さらに、高分子電解質膜を陽極として用いることができるので、工業的規模において連続生産が可能である。
このようにして、カーボンナノチューブ等を高分子電解質膜に電着させると、その形態から空隙を有するチューブのネットワークが形成される。電着法では、カーボンナノチューブを分散させた溶液を塗布する手段とは異なり、均一な膜厚を有する薄膜を形成することが可能であり、この均一な空隙に触媒層を形成させることにより、触媒層に必要とされる高いガス供給・排出性を得ることができる。
さらに、カーボンナノチューブ等の炭素材料は、高い導電性を有するため、カーボン粒子間における電子伝導の損失を低減することができ、高い電気伝導体が得られる。
本発明方法ではまた、高分子電解質膜上に炭素材料薄膜が形成されているため、触媒層の直接塗布法、あるいは転写法のいずれかの方法をとっても、ホットプレスによるMEAの形成が可能となる。形成されたMEAにおいては、カーボンナノチューブ等の炭素材料薄膜層の空隙が維持され、またホットプレスされることにより、多孔質触媒層として好適な構造、すなわちガス拡散性と導電性の両方にすぐれ、発電性能の向上が達成されたMEAが得られるようになる。
まず、塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に炭素材料を分散させ、この溶媒中で高分子電解質膜を陽極として電圧を印加し、陽極材表面上に炭素材料薄膜を形成せしめる方法について説明する。
炭素材料としては、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、黒鉛、カーボンファイバー、フラーレンなどが挙げられるが、好ましくは、優れた電気伝導性と熱伝導性の観点からカーボンナノチューブが、電気特性および嵩密度の観点からカーボンブラックまたは黒鉛が用いられる。これらは、溶液分散するものであれば特に制限なく使用することができ、カーボンナノチューブとしては単層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブなどが、カーボンブラックとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどが、また黒鉛としては、人造黒鉛、天然黒鉛のいずれかが用いられる。
塩基性高分子型分散剤としては、分子量が数千〜数万であり、エステルを有する構造のものであれば特に制限なく使用することができ、脂肪酸エステルなど、好ましくはポリエステル酸アマイドアミン塩が用いられる。実際には、市販品、例えば楠本化成製品ディスパロンDA-703-50、DA-705、DA-725、DA-234等が用いられる。この他、ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩である同社製品ディスパロンDA-325等も用いられる。これらは、1〜20重量%、好ましくは3〜10重量%の割合で、炭化水素系溶媒中に添加されて用いられる。この使用割合がこれ以下では、本発明の目的が達成されず、一方これ以上の割合で用いられると、形成した薄膜中に塩基性高分子型分散剤が多量に付着することとなり、好ましくない。
塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に分散させた炭素材料、好ましくはカーボンナノチューブの平均粒子径(湿式でのレーザー散乱法による50%粒子径)は、100〜1000nm、好ましくは500〜800nmに設定されることが好ましい。このような平均粒子径への調整は、ボールミルなどを用いても行われるが、好ましくは超音波ホモジナイザを用いて行われる。超音波ホモジナイザの代りに、超音波洗浄器を用いると、分散液中のカーボンナノチューブ凝集塊の平均粒子径は1000nm以上となり、またポット型ボールミルを用いると、カーボンナノチューブの破断などがみられることもある。
また、塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に分散させた炭素材料、特にカーボンナノチューブの平均粒子径を100〜1000nmの範囲に設定した場合には、上記カーボンシートを用いた場合と同様に、吸着量および吸着層中のカーボンナノチューブ重量割合をいずれも増加させることができる。このことは、吸着中に同時に吸着される塩基性高分子型分散剤の重量割合が減少し、その結果としてカーボンナノチューブの重量割合が増加することを意味し、カーボンナノチューブ吸着層の機能として求められる導電性が十分に得られ、電気抵抗を減少させるという効果を奏する。
炭化水素系溶媒としては、芳香族炭化水素溶媒などが挙げられるが、好ましくはキシレンまたはトルエンが用いられる。これらの炭化水素系溶媒は、炭素材料に対して一般に約100〜1000倍量程度用いられる。
被被覆材となる陽極としては、高分子電解質膜が用いられる。高分子電解質膜は、水素イオンに対するイオン交換基としてスルホン酸基(-SO3H)やカルボン酸基(-COOH)の如き酸性基を有し、水中で導電性を有する高分子膜であって、一般にはパーフルオロ系主鎖にスルホン酸基を置換したポリマーが用いられる。その膜厚は、約25〜500μm、好ましくは約50〜300μmのものが使用される。実際には、市販品であるデュポン社製品Nafion等が用いられる。また、薄膜の膜強度を補強するために、PTFE繊維やPTFE多孔質膜で補強したものなども用いられる。
炭素材料薄膜の形成は、炭素材料を塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中で、上記陽極に電圧を印加することにより陽極材上に付着(吸着)することにより行われる。ここで、印加される電圧は、1〜1000V、好ましくは5〜500Vであり、印加電圧がこれより低い場合には、炭素材料の付着量が少なくなってしまい、一方これより大きい場合には、炭素材料の付着膜が不均一となり、かつ電力効率が悪化するため好ましくない。また、印加時間は必要とする製膜量により異なるが、例えば1〜3000秒、好ましくは30〜1000秒あるいは周期的に印加することも可能である。このとき、炭素材料の沈降を防ぐべく、分散溶液を攪拌しながら製膜することも行われる。また、製膜時にマスキングを行うことで、導電性が必要な部分にのみ炭素材料を付着させることができる。
表面に炭素材料薄膜が製膜された陽極材は、分散溶液中から取り出した後、表面に製膜された炭素材料以外を取除くように洗浄され、乾燥される。
以上の工程を繰り返し行うことで、陽極材表面上に製膜される炭素材料の膜厚を厚くしていくことができる。すなわち、上記工程の繰り返し回数を設定することによって、製膜される炭素材料の膜厚を所望の厚み、例えば約1〜50μm程度の厚みに制御することが可能となる。
このようにして高分子電解質膜上に炭素材料薄膜を形成させたものについて、炭素材料薄膜中に触媒層を形成させるために、前記(1)〜(2)のホットプレス法が適用される。
触媒層の形成は、カーボン材料等に担持された白金触媒、白金-ルテニウム合金触媒等が一般に用いられ、白金触媒はアノード触媒として、また白金-ルテニウム合金触媒はカソード触媒として、それらを水、有機溶媒等に分散させた触媒ペーストとして塗布され、室温条件下で乾燥させることにより行われる。その触媒ペースト塗布量は、一般に乾燥重量として約0.1〜50mg/cm2程度である。
炭素材料薄膜中に触媒層を形成させた後、その両側に2枚のPTFEシート(厚さ約0.1〜0.5mm)を挟み込み、必要な加圧条件下(約0.1〜5MPa程度)に約100〜180℃でホットプレスし、その後PTFEシートを剥すことによりMEAを得ることができる。得られたMEAの両面それぞれに、ガス拡散電極、ガス流路溝を有するカーボン樹脂セパレータ、集電極およびエンドプレートを配し、ボルトによる締結を行うことにより、単セルを作製することができる。
前記(1)の方法では、得られた炭素材料薄膜形成高分子電解質膜を2枚の触媒層塗布剥離性シート、好ましくはPTFEシートで挟み込んでホットプレスし、触媒層を炭素材料薄膜側に転写することが行われる、剥離性シートへの触媒層の塗布は、前記方法の場合と同様に触媒ペースト塗布によって行われ、またホットプレスによる転写は、転写に必要な加圧条件下(約0.1〜5MPa程度)で約100〜180℃の温度で行われる。触媒層の転写および剥離性シートの剥離後の単セルの作製は、(1)の方法の場合と同様に行われる。
また、前記(2)の方法では、得られた炭素材料薄膜形成高分子電解質膜を2枚の触媒層塗布ガス拡散層電極材料で挟み込んで、必要な加圧条件下(約0.1〜5MPa程度)に約100〜180℃でホットプレスすることにより、高分子電解質膜-拡散電極接合体を得ることができる。触媒層の塗布は、前述の如く触媒ペーストを用いて行われ、ガス拡散層電極材料としては、導電性および電極に流入する水素(アノード極側)と酸素(カソード極側)との通気性を有する材料であれば特に限定されず、例えばカーボン繊維からなるカーボンペーパー、カーボンクロス、カーボン不織布等の多孔質体が好んで用いられる。この接合体には、ガス流路溝を有するカーボン樹脂セパレータ、集電極、エンドプレートを配し、ボルトによる締結を行って、単セルが作製される。
次に、実施例について本発明を説明する。
参考例
(1)キシレン90mlに、ポリエステル酸アマイドアミン塩の50%キシレン溶液(楠本化成製品ディスパロンDA-703-50)10mlを加え、この溶液に気相成長法多層カーボンナノチューブ(日機装製品;繊維径10〜30nm、繊維長1〜100μm)500mgを添加し、超音波ホモジナイザ(BRANSON製 SONIFIER450)による出力300Wでの照射を12時間行い、多層カーボンナノチューブ分散液を得た。この分散液中の多層カーボンナノチューブの湿式でのレーザー散乱による平均粒子径は600nmであった。
次に、陽極として高分子電解質膜(デュポン社製品Nafion 1135;膜厚89μm)、陰極としてSUS304を用い、ミニクランプを用いて電極間が2cmとなるように設置し、200Vの電圧を3分間印加することにより、陽極材への製膜処理(製膜面積25cm2)を行った。製膜後、高分子電解質膜を室温条件下で乾燥させた。作製したカーボンナノチューブ薄膜の走査型電子顕微鏡による観察を行った結果、吸着層の膜厚は約20μmで、均一なカーボンナノチューブ薄膜が形成されていることが確認された。
(2)白金触媒担持カーボン(田中貴金属製品TECIOE50E;白金含有量50重量%)2g、電解質材料としてのNafion 5重量%溶液(デュポン社製品52,708-4;水45重量%、有機溶媒50重量%)16gおよび純水4gを、ホモジナイザ(アズワン製AUTO CELL MASTER CM-200)を用いて1時間攪拌し、均一な触媒ペーストを得た。
(3)上記(1)で得られた高分子電解質膜のカーボンナノチューブ薄膜両面上に、上記(2)で得られた白金触媒ペーストを乾燥重量が1mg/cm2となる塗布量で塗布し、室温条件下で乾燥させた。乾燥させたものの両側に、2枚のPTFEシート(厚さ0.5mm、大きさ25cm2)を挟み込み、2MPaの加圧条件下に120℃でホットプレスした後、PTFEシートを剥すことにより、電解質膜-電極接合体(MEA)を得た。得られたMEAの両面それぞれに、ガス拡散電極(東レ製品TGP-H-060)、ガス流路溝を有するカーボン樹脂セパレータ、集電極およびエンドプレートを配し、ボルトによる締結を行い、単セルを作製した。
比較例1
参考例において、カーボンナノチューブ薄膜を形成させない高分子電解質膜(Nafion 1135)に直接触媒ペーストを塗布すると、高分子電解質膜が変形し、MEAの作製ができなかった。
実施例
PTFEシート(厚さ0.2mm、大きさ25cm2)に、参考例(2)で調製された触媒ペーストを乾燥重量が1mg/cm2となる塗布量で塗布し、室温条件下で乾燥させた。これの触媒ペースト塗布面側を、参考例(1)で得られた高分子電解質膜のカーボンナノチューブ薄膜側両面に配置し、2MPaの加圧条件下に120℃でホットプレスして転写した。ホットプレス後PTFEシートを剥し、得られたMEAについて参考例(3)と同様にして、単セルを作製した。
比較例2
実施例1において、カーボンナノチューブ薄膜を形成させていない高分子電解質膜について転写が行われた。
実施例
ガス拡散電極(TGP-H-060)を用い、それの片面側にPTFEディスパージョン(ダイキン製品POLYFLON D-1E)とアセチレンブラック(電化工業製品デンカブラック)とをPTFE:アセチレンブラック重量比が4:6になるように調整した溶液を塗布し、90℃で1時間乾燥させた後、360℃、1時間の加熱条件下で加熱処理を行い、撥水層を形成させた。
この撥水層上に、参考例(2)で調製された触媒ペーストを乾燥重量が1mg/cm2となる塗布量で塗布し、室温条件下で乾燥させた。このガス拡散電極を、参考例で得られた高分子電解質膜のカーボンナノチューブ薄膜両面上に配置し、2MPaの加圧条件下に120℃でホットプレスして、ガス拡散層を含む高分子電解質膜-電極接合体(MEA)を得た。これを用い、ガス流路溝を有するカーボン樹脂セパレータ、集電極、エンドプレートを配し、ボルトによる締結を行い、単セルを作製した。
比較例3
実施例2において、カーボンナノチューブ薄膜を形成させない高分子電解質膜を用い、電解質膜-電極接合体を得た。
比較例4
触媒担持カーボン(TECIOE50E)2g、Nafion 5重量%溶液16g、純水4gおよび気相成長法多層カーボンナノチューブ(前記日機装製品)0.5gを、ホモジナイザ(前記アズワン製)を用いて、1時間攪拌を行い、触媒ペーストを調製した。
このようにして調製された触媒ペーストを、PTFEシート(厚さ0.2mm、大きさ25cm2)に乾燥重量が1mg/cm2となる塗布量で塗布し、室温条件下で乾燥させたが、用いられた触媒ペースト自体にカーボンナノチューブの凝集塊が残っていたため、均一な塗布ができなかった。これを用いて、比較例2と同様の転写が行われた。
(発電評価)
アノード極に加湿した水素(露点70℃)を、またカソード極に加湿した酸素(露点70℃)をそれぞれ供給し、水素、酸素共大気圧条件下で、水素を300ml/分、酸素を200ml/分の供給速度で供給し、セル温度を75℃一定とし、電流密度0.2A/cm2における電圧を測定した。得られた結果は、次の表に示される。

電圧 (V)
参考例 0.78
比較例1 −
実施例 0.76
比較例2 0.70
実施例 0.78
比較例3 0.71
比較例4 0.73
以上の結果から、次のようなことがいえる。
(1)実施例1−比較例2から、触媒層中にカーボンナノチューブ薄膜を含む実施例1の方が高い電圧を示している。
(2)実施例1−比較例4から、均一なカーボンナノチューブ薄膜が形成できた実施例1の方が、分散が十分に行われなかった比較例4よりも高い電圧を示している。
(3)実施例2−比較例3から、ガス拡散層を含む電解質膜-電極接合体でも、カーボンナノチューブ薄膜を有する実施例2の方が高い電圧を示している。

Claims (9)

  1. 塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に炭素材料を分散させ、この溶媒中で高分子電解質膜を陽極として電圧を印加し、陽極材表面上に炭素材料薄膜を形成せしめ、得られた炭素材料薄膜形成高分子電解質膜を2枚の触媒層塗布剥離性シートで挟み込んでホットプレスし、触媒層を炭素材料薄膜側に転写させた後、剥離性シートを剥離することを特徴とする高分子電解質膜-電極接合体の製造方法。
  2. 剥離性シートとしてPTFEシートが用いられる請求項1記載の高分子電解質膜-電極接合体の製造方法。
  3. 塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に炭素材料を分散させ、この溶媒中で高分子電解質膜を陽極として電圧を印加し、陽極材表面上に炭素材料薄膜を形成せしめ、得られた炭素材料薄膜形成高分子電解質膜を2枚の触媒層塗布ガス拡散層電極材料で挟み込んでホットプレスすることを特徴とする高分子電解質膜-電極接合体の製造方法
  4. 炭素材料がカーボンナノチューブ、カーボンブラックまたは黒鉛である請求項1または3記載の高分子電解質膜-電極接合体の製造方法。
  5. 塩基性高分子型分散剤が、ポリエステル酸アマイドアミン塩である請求項1または3記載の高分子電解質膜-電極接合体の製造方法。
  6. 炭化水素系溶媒が芳香族炭化水素溶媒である請求項1または3記載の高分子電解質膜-電極接合体の製造方法。
  7. 塩基性高分子型分散剤を添加した炭化水素系溶媒中に分散させた炭素材料が100〜1000nmの平均粒子径(湿式でのレーザー散乱法による50%粒子径)を有する請求項1または3記載の高分子電解質膜-電極接合体の製造方法。
  8. 炭素材料がカーボンナノチューブである請求項7記載の高分子電解質膜-電極接合体の製造方法。
  9. 炭素材料の平均粒子径を100〜1000nmに調整することが超音波ホモジナイザを用いて行われる請求項7または8記載の高分子電解質膜-電極接合体の製造方法。
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