JP2006286478A - 膜電極接合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】初期の発電性能が高く、長期にわたって安定した出力特性を維持できる固体高分子型燃料電池用膜電極接合体の提供。
【解決手段】触媒層を有するカソード及びアノードと、カソードとアノードとの間に配置される高分子電解質膜とを備える固体高分子形燃料電池用膜電極接合体であって、高分子電解質膜の片方又は両方の表面の触媒層の外周と対峙する部分に、幅が0.1〜10mmの枠状の触媒微粒子分散層が、触媒層の外周が触媒微粒子分散層枠内に収まるように形成されていることを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
【選択図】図1
【解決手段】触媒層を有するカソード及びアノードと、カソードとアノードとの間に配置される高分子電解質膜とを備える固体高分子形燃料電池用膜電極接合体であって、高分子電解質膜の片方又は両方の表面の触媒層の外周と対峙する部分に、幅が0.1〜10mmの枠状の触媒微粒子分散層が、触媒層の外周が触媒微粒子分散層枠内に収まるように形成されていることを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体に関する。
燃料電池は、燃料となるガスの反応エネルギーを直接電気エネルギーに変換する電池であり、特に水素・酸素燃料電池は、その反応生成物が原理的に水のみであることから地球環境への影響が極めて少ないと考えられている。とりわけ、電解質として固体高分子膜を使用する固体高分子形燃料電池においては、近年、高いイオン導電性を有する高分子電解質膜が開発されており、100℃以下で作動し、高出力密度が得られるため、エネルギー問題や地球環境問題への社会的要請の高まりとともに、電気自動車用電源や小型コージェネレーションシステム等への電源として大きな期待が寄せられている。
固体高分子形燃料電池では、通常、固体高分子電解質としてプロトン伝導性のイオン交換膜が使用され、特にスルホン酸基等を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜が基本特性に優れていることが知られている。固体高分子形燃料電池では、イオン交換膜の両面に触媒層とさらにその外側にガス拡散層を配置し、燃料である水素を含むガス及び酸化剤となる酸素を含むガス(空気等)を、それぞれアノード及びカソードに供給することにより発電を行う。
固体高分子形燃料電池のカソードにおける酸素の還元反応は直接4電子還元を受ける反応ルートの他に過酸化水素(H2O2)を経由する反応ルートが想定されており、触媒層中で生成する過酸化水素又は過酸化物ラジカルによって、電解質膜の劣化を引き起こす可能性が懸念されている。また、アノードにはカソードから酸素分子が膜内を透過してくるため、アノードで水素分子と酸素分子との反応が生起しラジカルを生成することも考えられる。特に炭化水素樹脂膜を固体高分子電解質膜として使用する場合は、ラジカルに対する安定性に乏しく長期間に亘る運転においては大きな問題となっていた。例えば、固体高分子形燃料電池が初めて実用化された米国のジェミニ宇宙船用電源の場合、スチレン−ジビニルベンゼン重合体をスルホン化した膜が電解質膜として使用されたが、使用できる時間は極めて限られていた。このため、ラジカルに対する安定性に優れる重合体として、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体ナフィオン(登録商標)が開発された。このナフィオン膜は化学的に極めて安定であるほか、含水時には極めて高いプロトン伝導性が得られる。ナフィオン膜を用いた燃料電池は1969年にバイオサテライトに搭載され30日間以上成功裏に飛行した。その後もスペースシャトル用として開発は継続され、1978年には寿命は48,000時間を超えるに至った。
その後、種々のスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体が開発され、自動車用電源、家庭用コージェネレーション用システムなどの開発に用いられている。しかるに、これらの商業化を目指した用途においては、発電システムの低コスト化、高性能化が必須であり、薄膜化、触媒成分の低減、加湿システムの簡易化の他、製造プロセスの見直しなど多くの実用化開発が進められている。例えば、電極触媒には高価な白金が用いられるが、従来の宇宙用に開発されたものに比べると使用量は1桁以上低減されているものの、まだ充分ではなく、更なる低減が求められている。また、パーフルオロスルホン酸膜はそのモノマーの製造プロセスが多段であることもあって、現状では高価であり、同様に低価格・高性能膜の開発が望まれている。このような白金使用量低減、薄膜化、システムコスト低減に向けた開発の中で、宇宙用としては上記のように極めて長寿命・高信頼性が得られているパーフルオロスルホン酸膜を用いる燃料電池も、膜厚が薄く、加湿が不充分な場合や無負荷時には予想外に劣化が速くなる場合のあることが分かってきた(非特許文献1参照)。
劣化メカニズムの詳細は必ずしも明らかにはされていないが、発明者らは種々の試験体や過酷な条件で積極的に劣化させた多くの膜電極接合体を仔細に且つしらみつぶしに調査・観察した結果、電極周辺部近傍で劣化が顕著であることが多いことを見出した。それは、膜の両側に配置される触媒層の周辺部は必ずしもお互い対峙しておらず、周辺部においては膜の両側からクロスリークしてくるガス同士の触媒上での反応が充分には起こらないことにつながる。その結果、周辺部の水の生成は不充分になると考えられる。従って、両極の電極触媒層の周辺端を揃えることが有効と判断されるが、量産、事業化を図る上では製造上の誤差を見込んだ対策が必須である。近年高性能化等のために使用イオン交換膜の膜厚が薄くなっているが、これは膜強度に低下をもたらす。また、セル構造に起因すると思われるが、一般的には触媒層周辺部はその他の部分に対して電流分布が低く、カソードで生成する水の量は低減することになる。従って、触媒層周縁部からその外側の周辺部は乾燥気味になると考えられる。その結果、周辺部には機械的応力が発生しやすくなり、これが膜電極接合体の劣化の要因になっていると考えられる。
新エネルギー・産業技術総合開発機構主催 平成12年度固体高分子形燃料電池研究開発成果報告会要旨集、56頁16〜24行
自動車用、住宅用市場等の用途では、特に高い効率での運転が要求されるため、より高い電圧での運転が望まれると同時に長期に亘って安定した出力を得られることが望ましい。また、電解質膜の導電性を確保するために、電解質膜を加湿する必要があるが、燃料電池システム全体の効率の点から低加湿又は無加湿での運転が要求されることも多い。更に、低コスト化のためには使用材料の低減が必要であり、薄膜の使用、触媒量低減、有効利用率向上、高効率製造プロセスの開発が求められている。
そこで本発明は、車載用、住宅用市場等へ固体高分子形燃料電池を実用化するにあたって、充分に高いエネルギー効率での発電が可能であると同時に、長期間に亘って耐久性に優れた固体高分子型燃料電池用膜電極接合体及びその製造方法を提供することを目的とする。
膜電極接合体の特性劣化原因は触媒の劣化による電圧低下、膜の劣化によるクロスリークの増大、電圧低下、触媒層とガス拡散層からなる電極層の水詰まりによる電圧低下などが挙げられる。触媒の劣化、電極層の水詰まりは通常緩やかに進行するいわば老化現象として継続して使用することが可能であるが、膜劣化によるクロスリークの増大の場合、往々にして膜に孔が発生し、クロスリークの増大、クロスリークガスの燃焼、局部的温度上昇などによって、急速に電圧は低下するため、その膜電極接合体の使用継続は不可となる。本発明は高耐久性を得るために、特に触媒層周辺部に発生しやすい劣化を抑制した膜電極接合体を提供することを目的とする。
本発明は、触媒層を有するカソード及びアノードと、前記カソードと前記アノードとの間に配置される高分子電解質膜とを備える固体高分子形燃料電池用膜電極接合体であって、前記高分子電解質膜の片方又は両方の表面の前記触媒層の外周と対峙する部分に、幅が0.1〜10mmの枠状の触媒微粒子分散層が、前記触媒層の外周が前記触媒微粒子分散層枠内に収まるように形成されていることを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を提供する。
膜電極接合体は触媒層が形成されている部分の周囲に触媒層が形成されていない部分が存在し、その部分は反応による水が形成しにくいため、乾燥しやすくなる。また、アノード側とカソード側の触媒層の周辺部は必ずしも合致しておらず、反応が起こりにくい部分が存在する。そのため、触媒層周縁部から外側の領域は乾きやすく、運転時に引っ張り応力が発生しやすく、従って機械的応力のため膜電極接合体が劣化する原因となりうる。しかし、高分子電解質膜の表面の触媒層周辺部を中心に、触媒微粒子を分散させることにより、クロスリークしてくる水素と酸素が反応して水を形成するため、膜の劣化に対して有効に働くと考えられる。
通常、固体高分子形燃料電池の電極触媒には高性能を確保するため高価な白金が用いられており、その使用量低減が求められている。本触媒微粒子分散層に使用する触媒にも白金族元素やレニウムを使用することが可能であり、電解質膜全体に形成しても差し支えないが、クロスリークしてくるガスを効率的にトラップすべく、触媒微粒子分散層を増大させると、膜が脆くなる、プロトンや水の移動に悪影響が出てくる、膜内での発熱が増大し、除熱が困難になる、コストが上昇するなどの多くの問題が生じる。膜劣化の生じやすい触媒層周辺部に相当する膜の表層部のみに形成させることは電解質膜の大部分の機能に影響を与えることなく、少量の触媒量で効率的に膜電極接合体劣化を抑制できるため、本発明の膜電極接合体を組み込んだ燃料電池は、低コストを図ることができ且つ長期間発電しても性能劣化が少なくなると考えられる。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体は過酸化水素又は過酸化物ラジカルに対して優れた耐性を有するため、本発明の膜電極接合体を備える固体高分子型燃料電池は、耐久性に優れ、長期にわたって安定な発電が可能である。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の一態様の断面図を図1に示す。以下、図1に基づいて膜電極接合体を説明する。膜電極接合体7は、高分子電解質膜1と、この高分子電解質膜1の膜面に密着したアノード触媒層2及びカソード触媒層3と、これら各触媒層に密着したガス拡散層4、4’とにより構成される。アノード触媒層2及びカソード触媒層3の周囲には高分子電解質膜1を挟むようにそれぞれガスケット6が配置されている。膜電極接合体7の外側にはガス流路5aとなる溝が形成されたセパレータ5が配置される。アノード触媒層2には、セパレータの溝を介して、例えばメタノールや天然ガス等の燃料を改質して得られる水素ガスが供給され、カソード触媒層3には、酸素ガスが供給される。
高分子電解質膜1は、アノード触媒層2中で生成するプロトンを膜厚方向に沿ってカソード触媒層3へ選択的に透過させる役割を有する。また、高分子電解質膜1は、アノード触媒層2に供給される水素とカソード触媒層3に供給される酸素が混じり合わないようにするための隔膜としての機能も有する。
ガス拡散層4、4’は通常多孔性の導電性基材からなり、必ずしも備えられていなくてもよいが、触媒層へのガスの拡散を促進し、集電体の機能も有するので、通常は備えられていることが好ましい。なお、本明細書では、膜電極接合体7がガス拡散層4、4’を有する場合はガス拡散層4(4’)と触媒層2(3)とを合わせて電極という。
本発明では、高分子電解質膜1の片方又は両方の表面の触媒層2(3)の外周と対峙する部分に、幅が0.1〜10mmの枠状の触媒微粒子分散層8が、前記触媒層2(3)の外周が前記触媒微粒子分散層8の枠内に収まるように形成されている。図2は、触媒微粒子分散層が表面に形成された高分子電解質膜1の模式図を示す。触媒微粒子分散層8により、膜電極接合体7の主要部分に影響を与えることなく、極めて少ない触媒量でクロスリークする水素と酸素を結合させることにより、触媒層周辺部に水が形成され、その結果、燃料電池を長期間運転しても性能劣化が少なくなると考えられる。
本発明における触媒微粒子分散層8の幅は0.1〜10mmである。幅が小さすぎると触媒層2(3)周辺の直線性や印刷精度の点で塗布方法に制限が多くなるとともに、アノード触媒層2、カソード触媒層3のずれを極小にして配置するための技術が必要となる。また、幅が大きすぎると触媒使用量の増加を招くこととなる。好ましくは0.2〜5mmが適当である。
触媒粒子分散層8は、触媒層2(3)の外周が触媒粒子分散層8の枠内に収まるようにに形成されていればよく、触媒層2(3)の外周が触媒粒子分散層8の枠の中央に位置する必要はない。
触媒微粒子分散層8の厚さは、0.01〜10μm以下が望ましい。また、触媒量は0.02〜0.4mg/cm2が好適である。0.02mg/cm2より少ないと触媒微粒子層8の奏する効果が小さい。また、0.4mg/cm2より多くとも触媒微粒子層8の奏する効果の増大は実質的に認められない。
触媒微粒子分散層8は高分子電解質膜1のアノード触媒層2側の表面に形成しても、カソード触媒層3側の表面に形成してもよい。燃料電池の反応においては過酸化水素がアノード触媒層2側を中心に生成するため、触媒微粒子分散層8は高分子電解質膜1のアノード触媒層2側の表面に形成させるほうがカソード触媒層3側の表面に形成させるよりも効果的である。しかし、よりいっそう高い効果を得るには、アノード触媒層2及びカソード触媒層3の両側の表面に形成させることが好ましい。
触媒微粒子分散層8に適用する触媒としては白金族元素及びレニウムからなる群から選択される1種の元素からなる微粒子や、白金族元素及びレニウムからなる群から選択される1種以上の元素を含む合金又は金属間化合物からなる微粒子が好ましい。白金属の元素としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム等が特に好適である。上記合金の例としては、白金−パラジウム、白金−ルテニウム、白金−ロジウム、パラジウム−ロジウム等が挙げられる。金属間化合物の例としては、TiPt3、TiPt2等が挙げられる。
触媒微粒子分散層8においてはクロスリークしてくるガス同士の反応により水が形成されるが、さらに触媒微粒子分散層8は酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化モリブデン、酸化バナジウムからなる群から選択される1種以上の親水性酸化物を含むことが好ましい。これにより、高分子電解質膜1内の保湿性を向上でき、その結果膜電極接合体7の劣化をさらに抑制することが可能になる。これらの使用量は0.01〜0.4mg/cm2が好適である。0.01mg/cm2より少ないと触媒粒子分散層8に上記親水性酸化物を分散させて得られる効果が小さい。また、0.4mg/cm2より多くとも触媒粒子分散層8に上記親水性酸化物を分散させて得られる効果の増大は実質的に認められない。
また、上記のように触媒微粒子分散層8に親水性酸化物を分散するかわりに、触媒微粒子が、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化モリブデン、酸化バナジウムからなる群から選択される1種以上の親水性酸化物に担持されたものを使用することによっても生成水の捕捉効果を高めることが可能である。
触媒微粒子分散層8の形成方法としては以下の方法が挙げられる。
(1)高分子電解質膜1の触媒微粒子分散層8を形成させる部分のイオン交換基を白金族元素及びレニウムからなる群から選択される1種以上の元素を含む塩でイオン交換し、その後還元処理し、高分子電解質膜1の表面に白金族元素及びレニウムからなる群から選択される1種以上の元素からなる触媒微粒子を形成する方法(いわゆる化学めっき法)。
例えば、塩化白金酸と適量のアンモニア水との混合溶液や塩化パラジウムと適量のアンモニア水との混合溶液等を用いて、[Pt(NH3)4]2+、[Pd(NH3)4]2+等のアンミン錯体のカチオンでイオン交換することができる。また、ヒドラジンや水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤を用いて、還元処理することができる。
(2)高分子電解質を分散した溶液中で高分子電解質のイオン交換基を白金族元素及びレニウムからなる群から選択される1種以上の元素を含む塩でイオン交換し、その後還元処理し、白金族元素及びレニウムからなる群から選択される1種以上の元素からなる触媒微粒子を析出・分散させ、該溶液を高分子電解質膜1の表層に塗布する方法。塗布はスプレー法など特に限定されない。
高分子電解質としては、高分子電解質膜8を構成する樹脂と同一でも異なっていてもよく、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体が好ましく使用できる。
(3)触媒微粒子の分散液と高分子電解質の溶液を混合・分散し、この液を高分子電解質膜1の所定の部分に塗布する方法。
(1)高分子電解質膜1の触媒微粒子分散層8を形成させる部分のイオン交換基を白金族元素及びレニウムからなる群から選択される1種以上の元素を含む塩でイオン交換し、その後還元処理し、高分子電解質膜1の表面に白金族元素及びレニウムからなる群から選択される1種以上の元素からなる触媒微粒子を形成する方法(いわゆる化学めっき法)。
例えば、塩化白金酸と適量のアンモニア水との混合溶液や塩化パラジウムと適量のアンモニア水との混合溶液等を用いて、[Pt(NH3)4]2+、[Pd(NH3)4]2+等のアンミン錯体のカチオンでイオン交換することができる。また、ヒドラジンや水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤を用いて、還元処理することができる。
(2)高分子電解質を分散した溶液中で高分子電解質のイオン交換基を白金族元素及びレニウムからなる群から選択される1種以上の元素を含む塩でイオン交換し、その後還元処理し、白金族元素及びレニウムからなる群から選択される1種以上の元素からなる触媒微粒子を析出・分散させ、該溶液を高分子電解質膜1の表層に塗布する方法。塗布はスプレー法など特に限定されない。
高分子電解質としては、高分子電解質膜8を構成する樹脂と同一でも異なっていてもよく、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体が好ましく使用できる。
(3)触媒微粒子の分散液と高分子電解質の溶液を混合・分散し、この液を高分子電解質膜1の所定の部分に塗布する方法。
上記(2)又は(3)の方法においては、高分子電解質膜1に塗布する液に上記した酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化セリウムからなる群から選択される1種以上の親水性酸化物を含ませることができる。
触媒粒子分散層8の触媒分散量及び分散深さなど分散状態は、該分散層の膜表面の表面比抵抗を測定することで評価することが可能であり、表面比抵抗を10〜1000Ω/□の範囲に納めることで好適な効果が得られる。
本発明における高分子電解質膜1としては、陽イオン交換基を有する、炭化水素樹脂又は部分フッ素化炭化水素樹脂からなる膜が好ましい。陽イオン交換基としてはスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、スルホンイミド基等が挙げられる。スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体(エーテル結合性の酸素原子を含んでいてもよい。)からなる膜が、ラジカルに対する安定性に優れることから特に好ましい。
陽イオン交換基を有する炭化水素樹脂としては、従来から知られている様々なものが使用できる。陽イオン交換基を有する炭化水素樹脂は、例えば、アクリル酸・ジビニルベンゼン共重合体、メタクリル酸・ジビニルベンゼン共重合体、フェノールスルホン酸樹脂、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリイミド等の他に、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等の重合体に陽イオン交換基を導入したものが挙げられる。
また、陽イオン交換基を有する部分フッ素化炭化水素樹脂としては、上述の陽イオン交換基を有する炭化水素樹脂において、イオン交換基等の官能基以外の水素原子がフッ素原子に一部置換した構造の物質の他、ポリスチレンスルホン酸グラフト−ポリ(トリフルオロスチレン)、ポリスチレンスルホン酸グラフト−ポリ(エチレン・テトラフルオロエチレン)等のイオン交換樹脂、さらには、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、フッ化ビニリデン樹脂、トリフルオロ−クロロエチレン樹脂、ポリスチレングラフト−ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(トリフルオロスチレン)グラフト−ポリ(エチレン・テトラフルオロエチレン)、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体グラフト−ポリ(パーフルオロエチレン・プロペン)、ポリスチレングラフト−ポリ(パーフルオロエチレン・プロペン)等の樹脂に陽イオン交換基を導入したもの等が挙げられる。
また、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体としては、CF2=CF−(OCF2CFX)m−Op−(CF2)n−SO3Hで表されるパーフルオロ化合物(式中、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を示し、mは0〜3の整数、nは0〜12の整数、pは0又は1を示し、n=0の場合はp=0かつm=1〜3である。)に基づく重合単位と、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位とを含む共重合体であることが好ましい。
上記パーフルオロ化合物の好ましい例としては、以下のいずれかの式で表される化合物が挙げられる。ただし、下記式中、qは1〜8の整数、rは1〜8の整数、sは1〜8の整数、tは1〜5の整数を示す。
CF2=CFO(CF2)qSO2F
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)rSO2F
CF2=CF(CF2)sSO2F
CF2=CF(OCF2CF(CF3))tO(CF2)2SO2F。
CF2=CFO(CF2)qSO2F
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)rSO2F
CF2=CF(CF2)sSO2F
CF2=CF(OCF2CF(CF3))tO(CF2)2SO2F。
触媒層は通常カーボン担体に触媒金属を担持した担持触媒を含むことが多い。アノード触媒層2は、例えば、カーボン担体に白金とルテニウムの合金を担持した担持触媒を含むことが好ましく、また、カソード触媒層3は、カーボン担体に白金又は白金合金を担持した担持触媒を含むことが好ましい。
担持触媒において、触媒金属とカーボン担体とは質量比(触媒金属:カーボン担体)で2:8〜7:3であることが好ましく、特に4:6〜6:4であることが好ましい。この範囲であれば、触媒層の厚さを薄くすることが可能であり、ガスの拡散性を高め、優れた出力特性を得ることができる。担持触媒中の触媒金属の含有割合が少なすぎると、反応に必要な触媒金属の量が不足するおそれがあり、触媒金属の含有量が多すぎるとカーボン担体上で触媒金属粒子同士の凝集が起こりやすくなり、かえって性能が低下するおそれがある。
担持触媒に使用されるカーボン担体となるカーボン材料としては、細孔の発達したカーボンブラック、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等種々の炭素材料が好ましく使用できる。固体高分子形燃料電池では、通常カーボンブラックが使用されることが多く、該カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等が挙げられる。また、活性炭としては、種々の炭素原子を含む材料を炭化、賦活処理して得られる種々の活性炭が使用できる。
また、触媒層は通常電解質としてイオン交換樹脂を含む。イオン交換樹脂としては、前述の高分子電解質膜を構成する樹脂と同じ構成のものが使用でき、陽イオン交換基を有する、炭化水素樹脂又は含フッ素炭化水素樹脂が好ましく、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体(エーテル結合性の酸素原子を含んでいてもよい。)からなるものが、ラジカルに対する安定性に優れることから特に好ましい。
また、ガス拡散層4、4’は、通常カーボンペーパーやカーボンクロス、カーボンフェルト等の導電性の多孔質シートからなる。カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト上にフッ素樹脂で撥水処理を行った材料等も好ましく使用できる。
セパレータ5は、金属製、カーボン製のもののほか、黒鉛と樹脂を混合した材料からなるものもあり、各種導電性材料を幅広く使用できる。
セパレータ5は、金属製、カーボン製のもののほか、黒鉛と樹脂を混合した材料からなるものもあり、各種導電性材料を幅広く使用できる。
上述の触媒層は通常の手法に従い、例えば以下のようにして得られる。まず、カーボン担体に白金又は白金合金等の触媒金属を担持させた担持触媒とイオン交換樹脂の溶液を混合し均一な分散液を得て、例えば以下のいずれかの方法でガス拡散電極を形成して膜電極接合体を得る。
第1の方法は、触媒分散層8が形成された高分子電解質膜1の両面に上記分散液を塗布し乾燥後、両面を2枚のカーボンクロス又はカーボンペーパー等のガス拡散層4、4'で密着する方法である。第2の方法は、上記分散液を2枚の上記ガス拡散層4、4'上に塗布乾燥後、分散液が塗布された面が高分子電解質膜1と密着するように、高分子電解質膜1の両面から挟みこむ方法である。また、別途用意した基材に上記分散液を塗工して触媒層2及び3を作製し、転写等の方法により、高分子電解質膜1と接合させた後に基材をはく離し、上記ガス拡散層4、4'で挟み込む方法も使用できる。
以下、本発明を具体的に実施例及び比較例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[例1(実施例)]
白金がカーボン担体(比表面積800m2/g)に触媒全質量の50%含まれるように担持された触媒(エヌ・イーケムキャット社製、以下、触媒1という)2.0gを、蒸留水11.6gに添加し、よく撹拌する。これに、CF2=CF2/CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)2SO3H共重合体(イオン交換容量1.1ミリ当量/g乾燥樹脂、以下、共重合体Aという)をエタノールに分散させた固形分濃度10質量%の液8.0gと、蒸留水3.3gとを添加する。さらにホモジナイザーを使用して混合、分散して触媒層形成用塗工液aを調整する。
白金がカーボン担体(比表面積800m2/g)に触媒全質量の50%含まれるように担持された触媒(エヌ・イーケムキャット社製、以下、触媒1という)2.0gを、蒸留水11.6gに添加し、よく撹拌する。これに、CF2=CF2/CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)2SO3H共重合体(イオン交換容量1.1ミリ当量/g乾燥樹脂、以下、共重合体Aという)をエタノールに分散させた固形分濃度10質量%の液8.0gと、蒸留水3.3gとを添加する。さらにホモジナイザーを使用して混合、分散して触媒層形成用塗工液aを調整する。
この塗工液aを、ポリプロピレン製の基材フィルムの上にバーコータで塗工し、80℃の乾燥器内で30分間乾燥させることにより、単位面積あたりの白金の量が0.5mg/cm2の触媒層aを作製する。なお、触媒層a形成前の基材フィルムのみと触媒層a形成後の基材フィルムの質量を測定することにより、触媒層aに含まれる単位面積あたりの白金の量を算出することができる。
次に、高分子電解質膜として、約70mm角の、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる厚さ30μmのイオン交換膜(商品名:フレミオン、旭硝子社製、イオン交換容量1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)を使用し、膜の一方に以下の方法により中心線50mm、幅4mmの枠状に白金層を形成する。すなわち、まず、膜の片面の中央に1辺が48mmの正方形状のシールを施す。図3に示すような電極作用部分が1辺52cmの正方形である角状セル10を2個用い、フランジ部を合わせ、テフロン(登録商標)をパッキング材11として該膜1を挟み込んでめっきセルを組み立てる。電解液が触れる部分は52ミリの正方形である。該膜のシール材を施していない側の還元槽12には3.3%のアンモニア水溶液を入れ、該膜のシール材を施した側の吸着槽13には下記の吸着浴を入れ、25℃で2時間保持し吸着させる。次いで下記の還元浴を用いて25℃で16時間保持し、膜の表層に4mm幅の枠状に白金を析出させる。このようにして作成した触媒微粒子分散層の表面抵抗値は約100Ω/□である。
(吸着浴)
塩化白金酸:0.5g、アンモニア水:39ml、水:261ml、pH:約11(電解液300ml調製時)。
塩化白金酸:0.5g、アンモニア水:39ml、水:261ml、pH:約11(電解液300ml調製時)。
(還元浴)
水素化ホウ素ナトリウム:0.5g、アンモニア水:39ml、水:261ml、pH:約11。
水素化ホウ素ナトリウム:0.5g、アンモニア水:39ml、水:261ml、pH:約11。
このようにして作製した膜の両側に基材フィルム上に形成される触媒層aをそれぞれ配置し、ホットプレス法により転写してアノード触媒層及びカソード触媒層を形成し、電極面積が25cm2である膜触媒層接合体を作製する。
この膜触媒層接合体を、厚さ350μmのカーボンクロスからなるガス拡散層2枚の間に挟んで膜電極接合体を作製する。これを、発電用セルに組み込み、常圧にて、水素(利用率70%)/空気(利用率40%)を供給し、セル温度70℃において電流密度0.2A/cm2における固体高分子形燃料電池の評価を行う。アノード側は露点70℃、カソード側は露点50℃としてそれぞれ水素及び空気を加湿してセル内に供給し、運転初期のセル電圧を測定すると、表1に示す結果が得られる。さらに、運転開始後の経過時間とセル電圧との関係(耐久性評価)を測定すると、表1に示すとおりとなる。
[例2(実施例)]
共重合体Aをエタノールに分散させた固形分濃度9質量%の液100mlに、塩化白金酸をアンモニア水に添加して生成させたテトラアンミン白金塩を、共重合体A中の全スルホン酸基を置換するのに必要な量の3倍量を投入し、イオン置換した後、水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元して白金微粒子を析出させる。この液を、例1と同様の高分子電解質膜に対し、触媒層周縁に相当するラインを中心に、5mm幅でスプレーすることにより、白金量が0.1mg/cm2となるように塗布して、乾燥した。このようにして作成される触媒微粒子分散層の厚さは約2μmである。この膜を用いて実施例1と同様にして膜電極接合体を作製し、例1と同様にして、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。
共重合体Aをエタノールに分散させた固形分濃度9質量%の液100mlに、塩化白金酸をアンモニア水に添加して生成させたテトラアンミン白金塩を、共重合体A中の全スルホン酸基を置換するのに必要な量の3倍量を投入し、イオン置換した後、水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元して白金微粒子を析出させる。この液を、例1と同様の高分子電解質膜に対し、触媒層周縁に相当するラインを中心に、5mm幅でスプレーすることにより、白金量が0.1mg/cm2となるように塗布して、乾燥した。このようにして作成される触媒微粒子分散層の厚さは約2μmである。この膜を用いて実施例1と同様にして膜電極接合体を作製し、例1と同様にして、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。
[例3(実施例)]
塩化白金酸水溶液に水素化ホウ素ナトリウムを添加した後、白金を析出させ、純水で充分に洗浄して、高分散白金ブラックを得た。これを、共重合体Aをエタノールに分散させた固形分濃度9質量%の液100mlに投入し、充分に撹拌する。この液を例2と同様に塗布し、例1と同様にして膜電極接合体を作製し、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。枠状の触媒微粒子分散層の表面抵抗は約150Ω/□である。
塩化白金酸水溶液に水素化ホウ素ナトリウムを添加した後、白金を析出させ、純水で充分に洗浄して、高分散白金ブラックを得た。これを、共重合体Aをエタノールに分散させた固形分濃度9質量%の液100mlに投入し、充分に撹拌する。この液を例2と同様に塗布し、例1と同様にして膜電極接合体を作製し、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。枠状の触媒微粒子分散層の表面抵抗は約150Ω/□である。
[例4(実施例)]
触媒として白金ブラックの替わりにパラジウムブラックを用いる他は例3と同様にして膜電極接合体の作製、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。枠状の触媒微粒子分散層の表面抵抗は約200Ω/□である。
触媒として白金ブラックの替わりにパラジウムブラックを用いる他は例3と同様にして膜電極接合体の作製、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。枠状の触媒微粒子分散層の表面抵抗は約200Ω/□である。
[例5(実施例)]
触媒として白金ブラックの替わりにルテニウムブラックを用いる他は例3と同様にして、膜電極接合体の作製、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。枠状の触媒微粒子分散層の表面抵抗は約300Ω/□である。
触媒として白金ブラックの替わりにルテニウムブラックを用いる他は例3と同様にして、膜電極接合体の作製、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。枠状の触媒微粒子分散層の表面抵抗は約300Ω/□である。
[例6(実施例)]
触媒として白金ブラックの替わりにロジウムブラックを用いる他は例3と同様にして膜電極接合体の作製、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。枠状の触媒微粒子分散層の表面抵抗は約250Ω/□である。
触媒として白金ブラックの替わりにロジウムブラックを用いる他は例3と同様にして膜電極接合体の作製、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。枠状の触媒微粒子分散層の表面抵抗は約250Ω/□である。
[例7(実施例)]
触媒として、白金ブラックの替わりにレニウムブラックを用いる他は例3と同様にして膜電極接合体の作製、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。枠状の触媒微粒子分散層の表面抵抗は約300Ω/□である。
触媒として、白金ブラックの替わりにレニウムブラックを用いる他は例3と同様にして膜電極接合体の作製、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。枠状の触媒微粒子分散層の表面抵抗は約300Ω/□である。
[例8(実施例)]
共重合体Aをエタノールに分散させた固形分濃度9質量%の液100mlに白金ブラックを投入し、充分に撹拌する。更に粒径が170nmの酸化チタン粒子を1.0質量%分散させた水溶液を滴下し、充分に撹拌して触媒微粒子分散層塗工用液を調製する他は例3と同様にして膜電極接合体の作製を行う。チタニアの使用量は0.05mg/cm2である。例1と同様にして運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。枠状の触媒微粒子分散層の表面抵抗は約350Ω/□である。
共重合体Aをエタノールに分散させた固形分濃度9質量%の液100mlに白金ブラックを投入し、充分に撹拌する。更に粒径が170nmの酸化チタン粒子を1.0質量%分散させた水溶液を滴下し、充分に撹拌して触媒微粒子分散層塗工用液を調製する他は例3と同様にして膜電極接合体の作製を行う。チタニアの使用量は0.05mg/cm2である。例1と同様にして運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。枠状の触媒微粒子分散層の表面抵抗は約350Ω/□である。
[例9(実施例)]
白金触媒の替わりに平均粒径170nmの酸化チタン粒子に白金を30質量%担持した触媒を用いる他は例3と同様にして、膜電極接合体の作製、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。
枠状の触媒微粒子分散層の表面抵抗は約400Ω/□である。
白金触媒の替わりに平均粒径170nmの酸化チタン粒子に白金を30質量%担持した触媒を用いる他は例3と同様にして、膜電極接合体の作製、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。
枠状の触媒微粒子分散層の表面抵抗は約400Ω/□である。
[例10(実施例)]
酸化チタン粒子の替わりに平均粒径200nmの酸化ジルコニウム粒子を用いる他は例8と同様にして、膜電極接合体の作製、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。枠状の触媒微粒子分散層の表面抵抗は約450Ω/□である。
この膜触媒層接合体を用いて例1と同様に膜電極接合体を作製し、例1と同様にして、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。
酸化チタン粒子の替わりに平均粒径200nmの酸化ジルコニウム粒子を用いる他は例8と同様にして、膜電極接合体の作製、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。枠状の触媒微粒子分散層の表面抵抗は約450Ω/□である。
この膜触媒層接合体を用いて例1と同様に膜電極接合体を作製し、例1と同様にして、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。
[例11(比較例)]
触媒微粒子層を形成させない他は例1同様にして膜電極接合体を作製し、例1と同様にして、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。
触媒微粒子層を形成させない他は例1同様にして膜電極接合体を作製し、例1と同様にして、運転初期のセル電圧の測定及び耐久性評価を行うと表1に示す結果が得られる。
本発明によれば、触媒層周辺部の電解質膜表層に触媒微粒子層を形成させることにより、触媒層周縁部から外側の領域の乾燥がおこりにくくなるため、得られる膜電極接合体を組み込んだ燃料電池は、長期間発電しても性能劣化が少なくなり、長期間の発電を行っても安定した固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を提供できる。
1:高分子電解質膜
2:アノード触媒層
3:カソード触媒層
4、4’:ガス拡散層
5:セパレータ
5a:セパレータのガス供給溝
6:ガスケット
7:膜電極接合体
8:触媒微粒子層
9:シール
10:角状セル
11:パッキング材
12:還元槽
13:吸着槽
2:アノード触媒層
3:カソード触媒層
4、4’:ガス拡散層
5:セパレータ
5a:セパレータのガス供給溝
6:ガスケット
7:膜電極接合体
8:触媒微粒子層
9:シール
10:角状セル
11:パッキング材
12:還元槽
13:吸着槽
Claims (8)
- 触媒層を有するカソード及びアノードと、前記カソードと前記アノードとの間に配置される高分子電解質膜とを備える固体高分子形燃料電池用膜電極接合体であって、前記高分子電解質膜の片方又は両方の表面の前記触媒層の外周と対峙する部分に、幅が0.1〜10mmの枠状の触媒微粒子分散層が、前記触媒層の外周が前記触媒微粒子分散層枠内に収まるように形成されていることを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
- 前記触媒微粒子分散層の触媒微粒子が、白金族元素及びレニウムからなる群から選択される1種以上の元素からなる請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
- 前記触媒微粒子分散層の触媒微粒子が、白金族元素及びレニウムからなる群から選択される1種以上の元素を含む合金又は金属間化合物からなる請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
- 前記触媒微粒子分散層が、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化モリブデン、酸化バナジウムからなる群から選択される1種以上の親水性酸化物を含む請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
- 前記触媒微粒子分散層の触媒微粒子が、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化モリブデン、酸化バナジウムからなる群から選択される1種以上の親水性酸化物に担持されている請求項1〜4のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
- 前記触媒微粒子分散層の厚さが10μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
- 前記触媒微粒子分散層が前記高分子電解質膜のアノード側に配置される請求項1〜6のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
- 前記触媒微粒子分散層の表面比抵抗が10〜1000Ω/□である請求項1〜7のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008243399A (ja) * | 2007-03-26 | 2008-10-09 | Nok Corp | 高分子電解質膜−電極接合体の製造方法 |
JP2009226253A (ja) * | 2008-03-19 | 2009-10-08 | National Institute For Materials Science | 触媒 |
WO2020145287A1 (ja) * | 2019-01-08 | 2020-07-16 | Agc株式会社 | 触媒層、触媒層形成用液および膜電極接合体 |
-
2005
- 2005-04-01 JP JP2005106575A patent/JP2006286478A/ja active Pending
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