JP5153130B2 - 膜電極接合体 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子電解質形燃料電池に用いられる膜電極接合体に関する。
高分子電解質形燃料電池は、陽イオン(水素イオン)を選択的に輸送する水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜を用い、水素などの燃料ガスおよび空気などの酸化剤ガス(反応ガス)を、電極触媒(例えば白金など)を含む触媒層を有するガス拡散電極で電気化学的に反応させ、電気と熱を同時に発生させるものである。このような高分子電解質形燃料電池(スタック)の一般的な構成を図7に示す。
図7に示す燃料電池スタック200において、高分子電解質膜101の両面には、電極触媒(例えば白金金属)を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒層102A、102Bが密着して配置され、さらに触媒層102A、102Bの外面には、ガス拡散基材で構成された一対のガス拡散層103A、103Bが密着して配置されている。触媒層102A、102Bおよびガス拡散層103A、103Bが、ガス拡散電極(アノードまたはカソード)104A、104Bを構成する。また、高分子電解質膜101、触媒層102A、102B、およびガス拡散層103A、103Bが、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、MEA)105を構成する。
この膜電極接合体105を機械的に接合するとともに、隣接する膜電極接合体105同士を互いに電気的に直列に接続するために、導電性を有する板状のセパレータ106A、106Bが膜電極接合体105間に挿入される。セパレータ106A、106Bは、一方の面に、アノード側およびカソード側の触媒層102A、102Bに、それぞれ燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給するガス流路107A、107Bを有し、他方の面に、膜電極接合体105を冷却するための冷却流体(冷却水)流路108を有する。また、反応ガスが外部に漏れることを防ぐためにシール材109A、109Bが配置されている。
このようにして膜電極接合体105と一組のセパレータ106A、106Bとが単電池を構成し、単電池が複数個積層されて燃料電池スタック200が構成される。この燃料電池スタック200は、燃料ガスや酸化剤ガスがリークしないように、また燃料電池スタック200内の接触抵抗を減らすために、締結ボルト110によって所定の締結圧で積層方向に締結される。したがって、膜電極接合体105とセパレータ106A、106Bとは所定の圧力のもとで面接触している。
上記の高分子電解質膜101は一般的に30〜200μmと薄く、燃料電池スタック200の組み立て時の機械的ストレスや、運転時の含水率の変化や乾燥によって、ガス拡散電極104A、104B周辺部の高分子電解質膜101が破損しやすかった。また、ガス拡散電極104A、104Bと高分子電解質膜101を接合する際に、ガス拡散電極104A、104Bのうちのガス拡散層103A、103Bのエッジ部分によって、高分子電解質膜101を損傷することがあった。
このような問題を解決すべく、触媒層の面積をガス拡散層の面積より小さくしたり、触媒層と同一形状の窓枠(開口部)を有する補強膜を高分子電解質膜上に配置したりすることが提案されている(特許文献1)。また、膜電極接合体のハンドリングを向上させるために、ガス拡散層と触媒層とを接合させる必要があるが、その方法として例えばガス拡散層と触媒層とが接触する部分にパーフルオロスルホン酸イオン交換樹脂などの接着剤を介在させる方法も提案されている(特許文献2および3)。
特開平10-154521号公報 特開2002-343377号公報 特開2003-331852号公報
ここで、ガス拡散層上に触媒層を塗布して形成する場合は、触媒層の膜厚制御や均一性確保が困難であるため、触媒層形成用インク(ペースト)を印刷法やスプレー法によって高分子電解質膜上に塗布して膜触媒層接合体を形成する方法が好ましい。しかしながら、上記特許文献1の構成および製造方法では、ガス拡散層、補強膜および触媒層の接合性に乏しく、膜電極接合体からガス拡散層が剥離してしまい、製造時のハンドリング性が低下したり、ガス拡散層の位置ずれによって発電性能が低下したりするという問題があった。特にハンドリング性の低下は大量生産時に製造効率を著しく低下させる。
一方、特許文献2および3においては、ガス拡散層に接着剤を塗布した後、接着剤付きのガス拡散層と、膜触媒層接合体と、を一体化する方法が提案されている。しかしながら、ガス拡散層の全面、または周辺部に接着剤を塗布した場合、塗布後のガス拡散層の取り扱いが煩雑であり、ハンドリング性が低下してしまう。これを防ぐためにまず触媒層に接着剤を塗布した場合、接着剤に含まれる溶媒によって触媒層および高分子電解質膜が溶解してしまうおそれがあった。また、ガス拡散層は比較的多孔質であるため、ガス拡散層側に接着剤を塗布した場合にはしみ込みやすく、十分な接合性が得られにくかった。
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明の目的は、ガス拡散層、補強膜および触媒層の接合性に優れ、製造時のハンドリング性の低下がなく大量生産時の製造効率に優れ、ガス拡散層の位置ずれに起因する発電性能の低下が起こりにくい燃料電池用の膜電極接合体およびその製造方法、ならびに上記膜電極接合体を用いた燃料電池を提供することにある。
上記のような課題を解決すべく、本発明は、
水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜と、
高分子電解質膜の両側に配置された一対の触媒層と、
高分子電解質膜および一対の触媒層のうちの少なくとも一方の周辺部に配置された環状の補強部材と、
一対の触媒層の外側に配置されかつ補強部材の開口部よりも大きい一対のガス拡散層と、
補強部材の外側の面と、一対のガス拡散層のうちの少なくとも一方の内面と、が接触する部分の少なくとも一部に設けられた、接着剤を含む層と、
を具備すること、を特徴とする膜電極接合体を提供する。
ここで、環状の補強部材は、高分子電解質膜および一対の触媒層のうち、高分子電解質膜の周辺部にのみ配置され、かつ高分子電解質膜の厚さと同じ厚さを有していることが好ましい。又、一対の触媒層の何れか一方の触媒層の主面の面積が、他方の触媒層の主面の面積より大きいことが好ましい。
このような構成によれば、ガス拡散層と補強部材との剥離をより確実に抑制することができ、ガス拡散層、補強膜および触媒層の接合性を向上させることができ、製造時のハンドリング性の低下がなく大量生産時の製造効率に優れ、ガス拡散層の位置ずれに起因する発電性能の低下が起こりにくい燃料電池用の膜電極接合体を提供することができる。
ここで、「触媒層の周辺部」とは、当該触媒層の主面の法線方向から当該触媒層をみた場合に、当該触媒層の全周にわたる周辺部をいう。また、「周辺部に配置された環状の補強部材」は、(1)上記触媒層の全周に配置されていてもよく、また、(2)上記全周のうちの少なくとも一部(すなわち、全周にわたる周辺部のうちの、不連続に存在する一部の領域)に配置されていてもよい。換言すると、上記「環状の補強部材」は連続する環状でも不連続な環状でもよく、上記(1)の場合は連続する環状であり、上記(2)の場合は不連続な環状である。ただし、本発明の効果をより確実に得るという観点からは、上記触媒層の全周に配置されている連続する環状であるのが好ましい。
また、本発明は、
上記本発明の膜電極接合体を含む燃料電池を提供する。
このような構成によれば、ガス拡散層と補強部材との剥離をより確実に抑制することができ、ガス拡散層、補強膜および触媒層の接合性を向上させることができ、ガス拡散層の位置ずれに起因する発電性能の低下が起こりにくい燃料電池をより確実に提供することができる。
さらに、本発明は、
水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜の両側に一対の触媒層を設ける工程と、
高分子電解質膜および一対の触媒層の少なくとも一方の周辺部に環状の補強部材を設ける工程と、
補強部材の外側の面の少なくとも一部に接着剤を含む層を形成する工程と、
補強部材と一対のガス拡散層のうちの少なくとも一方との間に接着剤を含む層が位置するように、一対の触媒層の外側に補強部材の開口部よりも大きい一対のガス拡散層を設ける工程と、
を具備すること、を特徴とする膜電極接合体の製造方法を提供する。
ここで、環状の補強部材は、高分子電解質膜の厚さと同じ厚さを有していることが好ましい。又、補強部材を設ける工程では、補強部材は、高分子電解質膜および一対の触媒層のうち、高分子電解質膜の周辺部にのみ配置されることが好ましい。更に、触媒層を設ける工程では、一対の触媒層の何れか一方の触媒層の主面の面積を、他方の触媒層の主面の面積より大きくすることが好ましい。
このような構成によれば、ガス拡散層と補強部材との剥離をより確実に抑制することができ、ガス拡散層、補強膜および触媒層の接合性を向上させることができ、製造時のハンドリング性の低下がなく大量生産時の製造効率に優れ、ガス拡散層の位置ずれに起因する発電性能の低下が起こりにくい燃料電池用の膜電極接合体を、より確実に効率的に製造することができる。
本発明によれば、ガス拡散層、補強膜および触媒層の接合性に優れ、製造時のハンドリング性の低下がなく大量生産時の製造効率に優れ、ガス拡散層の位置ずれに起因する発電性能の低下が起こりにくい燃料電池用の膜電極接合体およびその製造方法、ならびに上記膜電極接合体を用いた燃料電池を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
図1は、本発明の高分子電解質形燃料電池(スタック)の一実施形態の構成を示す概略断面図である。また、図2は、図1に示す本実施形態の燃料電池スタックの要部を拡大した図である。すなわち、図2は、図1に示す本実施形態の燃料電池スタック100に搭載される単電池の基本構成である膜電極接合体を説明するための概略断面図である。
図1に示す燃料電池スタック100は、膜電極接合体5と、膜電極接合体5を挟む位置に配置された導電性を有する板状の略矩形のセパレータ6A、6Bと、を具備する単電池(図示せず)を複数個含む。単電池は、主として、陽イオン(水素イオン)伝導性を有する略矩形の高分子電解質膜1と、高分子電解質膜1の両面に密着して配置された略矩形の触媒層2A、2Bと、触媒層2A、2Bの外面に配置された一対の略矩形のガス拡散層3A、3Bと、を含む膜電極接合体(MEA)5、ならびに上記セパレータ6A、6Bから構成されている。
そして、図2に示すように、触媒層2A、2Bの周辺部には環状の補強部材91A、91Bが配置されており、補強部材91A、91Bの外側の面と、ガス拡散層3A、3Bのうちの少なくとも一方の内面と、が接触する部分の少なくとも一部に、接着剤を含む層92A、92Bが設けられている。そして、ガス拡散層3A、3Bの主面の面積は補強部材91A、91Bの開口部よりも大きく、ガス拡散層3A、3Bの主面の端部が補強部材91A、91Bの外側の面に接する構成を有している。すなわち、本実施形態においては、触媒層2A、2Bの主面の法線方向から当該触媒層2A、2Bをみた場合に、当該触媒層2A、2Bの全周にわたる周辺部に、連続する環状の補強部材91A、91Bが配置されている。
このような構成によれば、ガス拡散層3A、3Bと補強部材91A、91Bとをより確実に接合することができ、ガス拡散層3A、3Bと補強部材91A、91Bとの剥離をより確実に抑制することができる。すなわち、本実施形態の膜電極接合体5は、ガス拡散層3A、3Bと、補強部材91A、91Bと、触媒層2A、2Bと、の間の接合性に優れており、燃料電池(単電池およびスタック)の製造時に取り扱い易いため、特に燃料電池の大量生産時の製造効率に優れる。また、単電池およびスタック内においてガス拡散層3A、3Bの位置ずれが起こりにくく、位置ずれに起因する発電性能の低下をより確実に抑制された燃料電池を実現することができる。
以下各構成要素について説明する。
高分子電解質膜1としては、特に限定されるものではなく、通常の固体高分子形燃料電池に搭載される高分子電解質膜を使用することができる。例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質膜(例えば、米国Du Pont社製のNafion(商品名)、旭化成(株)製のAciplex(商品名)、ジャパンゴアテックス(株)製のGSIIなど)を使用することができる。
また、高分子電解質膜1を構成する高分子電解質としては、陽イオン交換基として、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、およびスルホンイミド基を有するものなどが好ましく挙げられる。水素イオン伝導性の観点から、スルホン酸基を有するものが特に好ましい。スルホン酸基を有する高分子電解質としては、イオン交換容量が0.5〜1.5meq/g乾燥樹脂であるものことが好ましい。高分子電解質のイオン交換容量が0.5meq/g乾燥樹脂未満であると、得られた触媒層の抵抗値が発電時に上昇するおそれがあるので好ましくなく、イオン交換容量が1.5meq/g乾燥樹脂超であると、得られた触媒層の含水率が増大し、膨潤し易くなり、細孔が閉塞するおそれがあるので好ましくない。イオン交換容量は0.8〜1.2meq/g乾燥樹脂が特に好ましい。
また、高分子電解質としては、CF2=CF−(OCF2CFX)m−Op−(CF2)n−SO3Hで表されるパーフルオロビニル化合物(mは0〜3の整数を示し、nは1〜12の整数を示し、pは0または1を示し、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を示す。)に基づく重合単位と、CF2=CF2で表されるテトラフルオロエチレンに基づく重合単位と、を含むパーフルオロカーボン共重合体であることが好ましい。なお、上記フルオロカーボン重合体は、例えばエーテル結合性の酸素原子などを含んでいてもよい。
上記パーフルオロビニル化合物の好ましい例としては、下記式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。ただし、下記式中、qは1〜8の整数、rは1〜8の整数、tは1〜3の整数を示す。
CF2=CFO(CF2q−SO3H ・・・(1)
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2r−SO3H ・・・(2)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))tO(CF22−SO3 ・・・(3)
また、高分子電解質膜1は、一種または複数種の高分子電解質で構成されていてもよいが、内部に補強体(充填材)を含んでいてもよい。ただし、高分子電解質膜1における上記補強体の配置状態(例えば疎密の程度や規則性)は特に限定されない。
このような補強体を構成する材料としては、特に制限されないが、例えばポリテトラフルオルエチレン、ポリフルオロアルコキシエチレンまたはポリフェニルスルフィドなどが挙げられる。上記補強体の形状も特に制限されないが、例えば、多孔体状の補強体、ならびにフィブリル状、繊維状および球状の補強体粒子などが挙げられる。
高分子電解質膜1の両面に密着して配置されている触媒層2A、2Bは、電極触媒(例えば白金金属)を担持したカーボン粉末を主成分とする。触媒層2A、2Bにおいては、上記高分子電解質が、触媒担持カーボン粒子表面に部分的に付着していてもよく、すなわち触媒担持カーボン粒子の少なくとも一部を被覆していてもよく、必ずしも触媒担持カーボン粒子全体を被覆していなくともよい。もちろん、上記高分子電解質が、触媒担持カーボン粒子表面の全体を被覆していてもよい。
カーボン粉末(導電性カーボン粒子)としては、導電性を有する細孔の発達したカーボン材料であるのが好ましく、例えばカーボンブラック、活性炭、カーボンファイバーおよびカーボンチューブなどを使用することができる。カーボンブラックとしては、例えばチャネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラックおよびアセチレンブラックなどが挙げられる。また、活性炭は、種々の炭素原子を含む材料を炭化処理および賦活処理することによって得ることができる。
カーボン粉末の比表面積が50〜1500m2/gであることが好ましい。比表面積50m2/g以上であると、電極触媒の担持率を向上させ易く、カソード触媒層12aおよびアノード触媒層12bの出力特性が低下するおそれがないことから好ましく、比表面積が1500m2/g以下であると、細孔が微細すぎずに高分子電解質による被覆がより容易となり、カソード触媒層12aおよびアノード触媒層12bの出力特性が低下するおそれがないことから好ましい。比表面積は200〜900m2/gが特に好ましい。
電極触媒としては、白金または白金合金を用いるのが好ましい。白金合金としては、白金以外の白金族の金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム)、鉄、チタン、金、銀、クロム、マンガン、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、レニウム、亜鉛およびスズからなる群より選択される1種以上の金属と、白金と、の合金であるのが好ましい。また、上記白金合金には、白金と上記金属との金属間化合物が含有されていてもよい。さらに、白金からなる電極触媒と白金合金からなる電極触媒を混合して得られる電極触媒混合物を用いてもよく、触媒層2A、2Bに同じ電極触媒を用いても異なる電極触媒を用いてもよい。
また、電極触媒の一次粒子径は、触媒層2A、2Bを高活性とするために、1〜20nmであることが好ましく、特に、反応活性を増大させるために表面積を大きく確保することが可能であるという観点から、2〜10nmであることが好ましい。
触媒担持カーボンの触媒担持率(触媒担持カーボンの全質量に対する、担持されている電極触媒の質量の割合)は、20〜80質量%であればよく、特に40〜60質量%であるのが望ましい。この範囲であれば、高い電池出力を得ることができる。上述のように触媒担持率が20質量%以上であると、十分な電池出力をより確実に得ることができ、80質量%以下であると、電極触媒の粒子を分散性よくカーボン粉末に担持させることができ、触媒有効面積をより増大させることができる。
触媒層2A、2Bに含有されて、上記触媒担持カーボンに付着させる水素イオン伝導性を有する高分子電解質としては、高分子電解質膜1を構成する高分子電解質を用いればよい。なお、触媒層2A、2Bおよび高分子電解質膜1を構成する高分子電解質は、同じ種類であっても、異なる種類であってもかまわない。例えば、米国Du Pont社製のNafion(商品名)、旭硝子(株)製のFlemion(商品名)、旭化成(株)製のAciplex(商品名)等の市販品であってもかまわない。
触媒層2A、2Bの外面に配置された一対のガス拡散層3A、3Bは導電性を有するガス拡散基材で構成されている。ガス拡散層3A、3Bの主面の面積は、触媒層2A、2Bの主面の面積よりも大きい。ガス拡散層3A、3Bとしては、ガス透過性を持たせるために、発達したストラクチャー構造を有するカーボン微粉末、造孔材、カーボンペーパー、カーボンフェルトまたはカーボンクロスなどを用いて作製された、多孔質構造を有する導電性多孔質基材を用いることができる。これら導電性多孔質機材は、黒鉛化処理が行われていてもよい。
また、排水性を持たせるために、フッ素樹脂を代表とする撥水性高分子などをガス拡散層3A、3Bの中に分散させてもよい。電子伝導性を持たせるために、カーボン繊維、金属繊維またはカーボン微粉末などの電子伝導性材料でガス拡散層3A、3Bを構成してもよい。さらに、ガス拡散層3A、3Bの触媒層2A、2Bと接する面には、撥水性高分子とカーボン粉末とで構成される撥水カーボン層を設けてもよい。なお、カソード側およびアノード側において同じガス拡散層を用いても異なるガス拡散層を用いてもよい。
補強部材91A、91Bは、触媒層2A、2Bの周辺部の全周を囲んで高分子電解質膜1を挟むように配置される。補強部材91A、91Bは、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの、通常のガスケットに用いられる樹脂などを用いることができる。
ここで、本実施形態においては、触媒層2A、2Bの厚さを1とした場合、補強部材91A、91Bの厚さは1.2以上3.0未満であるのが好ましい。3.0未満であれば、ガス拡散層3A、3Bと触媒層2A、2Bとの接触不良が起こりにくく、発電性能の低下をより確実に抑制することができる。また、1.2以上であれば、補強部材91A、91Bの補強効果がより確実に得られ、高分子電解質膜1の劣化をより確実に抑制することができる。触媒層2A、2Bの厚さは、例えば10〜20μmであるのが好ましく、補強部材91A、91Bの厚さは、例えば20〜40μmであるのが好ましい。
接着剤を含む層92A、92Bは、主として接着剤成分および溶媒で構成されており、最終的には溶媒は乾燥により飛ばされる。接着剤成分としては、本発明の膜電極接合体5を燃料電池の発電性能に影響を与えないような物質であればよく、膜電極接合体5に含まれる高分子電解質膜1に用いられる樹脂を好適に用いることができる。パーフルオロスルホン酸イオン交換樹脂が好ましい。パーフルオロスルホン酸イオン交換樹脂は高分子電解質膜に用いられる標準的な樹脂であり、本樹脂を使用することにより、万が一、樹脂が溶出した場合にも、膜電極接合体5に与える影響(具体的には不純物による発電性能の低下)を抑制することができる。溶媒については後述する。
上述のような触媒層2A、2Bおよびガス拡散層3A、3Bが、ガス拡散電極(アノードまたはカソード)4A、4Bを構成し、また、高分子電解質膜1、触媒層2A、2B、およびガス拡散層3A、3Bが、膜電極接合体5を構成している。そして、膜電極接合体5は、補強部材91A、91Bおよび接着剤を含む層92A、92Bが設けられている構成を有する。本実施形態においては、図2に示すように、補強部材91A、91Bの外側の面(図2においてXで示される部分)のうちの部分X1に接着剤を含む層92A、92Bが設けられている。本実施形態における部分X1の幅は、より確実に接合するという観点からは部分Xの幅と略同一であるのが好ましいが、部分X1の幅は部分Xの幅よりも小さくてもよい。
そして、図1に示すように、本実施形態における燃料電池の基本単位である単電池(図示せず)は、膜電極接合体5と、ガスケット9A、9Bと、一対のセパレータ6A、6Bとで構成される。ガスケット9A、9Bは、供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスの外部へのリーク防止や混合を防止するため、ガス拡散電極4A、4Bの周囲に高分子電解質膜1を挟んで配置される。ガスケット9A、9Bは、ガス拡散電極4A、4Bおよび高分子電解質膜1とあらかじめ一体化され、これらすべてを組み合わせたものを膜電極接合体5と呼ぶこともある。なお、ガスケット9A、9Bを構成する材料としては、上記補強部材91A、91Bに用いられるものを使用することができる。
膜電極接合体5の外側には、膜電極接合体5を機械的に固定するための一対のセパレータ6A、6Bが配置される。セパレータ6A、6Bの膜電極接合体5と接触する部分には、ガス拡散電極4A、4Bのうちのカソードに酸化剤ガスを供給し、アノードに燃料ガスを供給し、電極反応生成物、未反応の反応ガスを含むガスを反応場からカソードおよびアノード外部に運び去るためのガス流路7A、7Bが形成されている。ガス流路7A、7Bはセパレータ6A、6Bと別に設けることもできるが、図1においてはセパレータ6A、6Bの表面に溝を設けてガス流路7A、7Bが形成されている。また、セパレータ6A、6Bの膜電極接合体5と反対の側には、切削により溝を設けて冷却水流路8A、8Bが形成された構成を有する。
このように、一対のセパレータ6A、6Bで膜電極接合体5を固定し、一方のセパレータのガス流路に燃料ガスを供給し、他方のセパレータのガス流路に酸化剤ガスを供給することで、数十から数百mA/cm2の実用電流密度通電時において、一つの単電池で0.7〜0.8V程度の起電力を発生させることができる。ただし、通常、燃料電池を電源として使うときは、数ボルトから数百ボルトの電圧が必要とされるため、実際には、単電池を必要とする個数だけ直列に連結してスタック100として使用する。
ガス流路7A、7Bに反応ガスを供給するためには、反応ガスを供給する配管を、使用するセパレータ6A、6Bの枚数に対応する数に分岐し、それらの分岐先を直接セパレータ6A、6B上のガス流路7A、7Bにつなぎ込む部材であるマニホールドが必要となるが、本発明においては、外部マニホールドと内部マニホールドのいずれを採用することも可能である。
セパレータ6A、6Bは、樹脂を含浸した黒鉛板や金属板などで構成されており、膜電極接合体5を機械的に接合するとともに、隣接する膜電極接合体5同士を互いに電気的に直列に接続するために、膜電極接合体5間に挿入されている。また、セパレータ6A、6Bは、一方の面に、アノード側およびカソード側の触媒層2A、2Bに、それぞれ燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給するガス流路7A、7Bを有し、他方の面に、膜電極接合体5を冷却するための冷却流体(冷却水)流路8A、8Bを有する。さらに、反応ガスが外部に漏れることを防ぐためにシール材9A、9Bが配置されている。
図1に示すように、膜電極接合体5と一組のセパレータ6A、6Bとで構成される単電池が複数個積層されて、燃料電池スタック100が構成される。本発明の燃料電池は単電池1つで構成されていてもよく、また、図1に示すようにスタック(すなわち複数個の単電池)で構成されていてもよい。図1に示す本実施形態の燃料電池スタック100は、燃料ガスや酸化剤ガスがリークしないように、また電池積層体内の接触抵抗を減らすために、上記電池積層体を締結ボルト10によって所定の締結圧で積層方向に締結することにより構成されている。
つぎに、本実施形態の膜電極接合体5および燃料電池(単電池およびスタック)の製造方法について説明する。本実施形態の膜電極接合体5は以下の方法により製造することができる。
まず、水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜1の両側に一対の触媒層2A、2Bを設け、膜触媒層接合体(CCM)を得る。触媒層2A、2Bは、本発明における触媒層の構成を実現可能な成分組成に調製された複数の触媒層形成用インクを用いて形成することができる。触媒層形成用インクを調製するために用いる分散媒としては、高分子電解質を溶解可能または分散可能(高分子電解質の一部が溶解し、他の一部が溶解せずに分散している状態を含む)であるアルコールを含む液体を用いることが好ましい。
分散媒は、水、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコールおよびtert―ブチルアルコールのうちの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。これらの水およびアルコールは単独でも使用してもよく、2種以上混合してもよい。アルコールは、分子内にOH基を1つ有する直鎖のものが特に好ましく、エタノールが特に好ましい。このアルコールには、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル結合を有するものも含まれる。
また、触媒層形成用インクの組成は、触媒層2A、2Bの構成に応じて、適宜調整すればよいが、固形分濃度0.1〜20質量%であることが好ましい。固形分濃度が0.1質量%未満であると、触媒層形成用インクの噴霧または塗布により触媒層2A、2Bを作製するにあたり、何回も繰り返し噴霧または塗布しなければ所定の厚さの触媒層2A、2Bが得られず生産効率が悪くなる。また、固形分濃度が20質量%超であると、混合液の粘度が高くなり、得られる触媒層2A、2Bが不均一となるおそれがある。固形分濃度で1〜10質量%であることが特に好ましい。
触媒層形成用インク(触媒層2A形成用インクおよび触媒層2B形成用インク)は、従来公知の方法に基づいて調製することができる。具体的には、ホモジナイザ、ホモミキサ等の撹拌機を使用する方法、高速回転ジェット流方式を使用するなどの高速回転を使用する方法、高圧乳化装置などの高圧をかけて狭い部分から分散液を押出すことで分散液にせん断力を付与する方法などが挙げられる。
上記触媒層形成用インクを用いて触媒層2A、2Bを形成する際には、高分子電解質膜1に対して、直接形成する直接塗布法であっても間接的に形成する間接塗布方法のいずれを採用することも可能である。塗布法としては、スクリーン印刷法、ダイコート法、スプレー法およびインクジェット法などが挙げられる。間接塗布法としては、例えばポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタラート製の支持体上に、上記の方法で触媒層2A、2Bを形成した後、熱転写により、高分子電解質膜1上に接合する方法が挙げられる。なお、熱転写および接合の方法としては従来公知の方法を用いればよい。
つぎに、高分子電解質膜1上の一対の触媒層2A、2Bの周辺部にそれぞれ環状の補強部材91A、91Bを設ける。本実施形態における環状の補強部材91A、91Bは、図示しないが、略矩形の連続する環状構造を有しており、中央に触媒層2A、2Bが配置されるように開口部を有している。したがって、補強部材91A、91Bは、略矩形の触媒層2A、2Bの周辺部の全周を囲むように配置される。ただし、高分子電解質膜1に環状の補強部材91A、91Bを設けた後に、補強部材91A、91Bの開口部において高分子電解質膜1上に触媒層2A、2Bを形成してもよい。
つぎに、補強部材91A、91Bの外側の面の少なくとも一部に接着剤を含む層92A、92Bを形成する。より具体的には、主として接着剤成分と、接着剤成分を溶解可能または分散可能(接着剤成分の一部が溶解し、他の一部が溶解せずに分散している状態を含む)な溶媒と、を含む接着剤を、補強部材91A、91Bの外側の面の少なくとも一部(好ましくは全周にわたる枠状に)塗布することにより、接着剤を含む層92A、92Bを形成する。上記溶媒としては、例えばエチルアルコールなどのアルコール系、および蒸留水などの水溶液系のいずれも使用可能である。
例えば、接着剤成分としてパーフルオロスルホン酸イオン交換樹脂を用いる場合、接着剤における接着剤成分の濃度は、塗工方法にもよるが、2〜30質量%であるのが好ましい。2%以上であれば、補強部材91A、91Bとガス拡散層3A、3Bとの間に充分な接合強度を確保することができ、30%以下であれば、接着剤の粘性が高くなり過ぎず、より確実に接着剤を含む層92A、92Bを均一にすることができる。
なお、接着剤の塗布には、例えばコーター法およびスプレー法などの従来の方法から適宜選択すればよい。
最後に、上記接着剤を含む層92A、92Bが乾燥する前に、補強部材91A、91Bとガス拡散層3A、3Bとの間に接着剤を含む層92A、92Bが位置するように、触媒層2A、2Bの外側に補強部材91A、91Bの開口部よりも大きい一対のガス拡散層3A、3Bを設ける。ガス拡散層3A、3Bが上記のような撥水カーボン層を有する場合には、当該撥水カーボン層が触媒層2A、2B側に位置するように、ガス拡散層3A、3Bを配置する。
接着剤を補強部材91A、91Bに塗布した後、ガス拡散層3A、3Bを接合することにより、ハンドリングし易い膜触媒層接合体と、ハンドリングし易いガス拡散層3A、3Bと、を組み合わせてより容易に膜電極接合体5を作製することができる。また、比較的多孔質なガス拡散層3A、3Bに接着剤を塗布する場合に比べて、接着剤のしみ込みを抑制可能であるため、接合性の低下を防ぐことができる。
そして、高分子電解質膜1と、触媒層2A、2Bと、補強部材91A、91Bと、ガス拡散層3A、3Bと、圧着することにより(すなわち、上記CCMとガス拡散層3A、3Bとを圧着することにより)、膜電極接合体5を得る。圧着による接合は従来公知の方法で行なうことができ、例えば上記CCMとガス拡散層3A、3Bとをホットプレス機の熱板間にセットし、熱板によりプレスして行なうことができる。このとき、80〜120℃、3〜20kgf/cm2の圧力で接合するのが好ましい。このような方法によれば、補強部材91A、91Bが存在していても、上記CCMとガス拡散層3A、3Bとをより強固に結合した膜電極接合体5を容易に製造することができる。
ここで、図3は、本実施形態の燃料電池スタック100に搭載される単電池の基本構成である膜電極接合体5の変形例1を説明するための概略断面図である。本変形例における膜電極接合体5においては、触媒層2A1、2B1の厚さと補強部材91A1、91B1の厚さとが略同一であり、ガス拡散層3A、3Bの主面の面積が触媒層2A1、2B1の主面の面積よりも大きいことを特徴とする。このとき、触媒層2A1、2B1および補強部材91A1、91B1の厚さは、5〜50μmであるのが好ましい。5μm以上であれば、触媒層2A1、2B1および補強部材91A1、91B1の性能をより確実に発揮して発電性能の低下をより確実に抑制することができる。50μm以下であれば、触媒層2A1、2B1のガス拡散性がより確実に得られ、発電性能の低下をより確実に抑制することができる。特に図2に示す態様に比較して、ガス拡散層3A、3Bが反ってしまうため、補強部材91A1、91B1周辺で触媒層2A1、2B1との間に空間が生じ、フラッディングが起こりやすくなることをより確実に防止できると考えられます。
ここで、図4は、本実施形態の燃料電池スタック100に搭載される単電池の基本構成である膜電極接合体5の変形例2を説明するための概略断面図である。本変形例における膜電極接合体5においては、触媒層2A2、2B2の厚さと補強部材91A2、91B2の厚さとが略同一であり、ガス拡散層3A、3Bの主面の面積が触媒層2A2、2B2の主面の面積よりも大きく、かつ、触媒層2A2の主面の面積が触媒層2B2の主面の面積よりも大きいことを特徴とする。したがって、補強部材91A2の開口部の開口面積は、補強部材91B2の開口部の開口面積よりも大きい。特に触媒層2A2の大きさと触媒層2B2の大きさとが異なるため、高分子電解質膜1と触媒層2A2、2B2との界面における熱分布が界面全体として緩やかになる(界面の局所間の温度差が小さくなる)。そのため、熱ひずみによる高分子電解質膜1の劣化をより十分に防止できるようになる。
つぎに、図5は、本実施形態の燃料電池スタック100に搭載される単電池の基本構成である膜電極接合体5の変形例3を説明するための概略断面図である。本変形例における膜電極接合体5においては、高分子電解質膜1の周辺部に、高分子電解質膜1の厚さと同じ厚さを有する単一の環状の補強部材93が配置されており、ガス拡散層3A、3Bの主面の面積が高分子電解質膜1の主面の面積および触媒層2A3、2B3の主面の面積よりも大きいことを特徴とする。本変形例の膜電極接合体5を製造する際には、まず高分子電解質膜1上に一対の触媒層2A3、2B3を設けてから、高分子電解質膜1の周辺部に環状の補強部材93を設けてもよく、また、高分子電解質膜1の周辺部に環状の補強部材93を設けてから、高分子電解質膜1上に一対の触媒層2A3、2B3を設けてもよい。さらに、接着剤を含む層92A、92Bは、ガス拡散層3A、3Bを設ける前段階であればどの段階でも補強部材93上に設けてもよい。触媒層2A3、2B3は補強部材93に比べ薄くて柔らかいので、図2に示す態様に比べ、ガス拡散層3A、3Bの変形の度合いをより小さくできる。また、接着剤が触媒層2A3、2B3に誤って付着することをより確実に防止できる。
また、変形例3の場合、高分子電解質膜1と補強部材93とをそれぞれ別個に作製し、組み合わせてもよい。また、補強部材93のうち、触媒層2A3、2B3と接する部分を多孔質のシートで構成し、当該シート部分にパーフルオロスルホン酸イオン交換樹脂を含浸させることにより、選択的にイオン交換能を有する高分子電解質膜を形成してもよい。
また、図6は、本実施形態の燃料電池スタック100に搭載される単電池の基本構成である膜電極接合体5の変形例4を説明するための概略断面図である。本変形例における膜電極接合体5においては、高分子電解質膜1の周辺部に、高分子電解質膜1の厚さと同じ厚さを有する単一の環状の補強部材93が配置されており、ガス拡散層3A、3Bの主面の面積が高分子電解質膜1の主面の面積および触媒層2A3、2B3の主面の面積よりも大きく、かつ、触媒層2A3、2B3の主面の面積が高分子電解質膜1の主面の面積よりも大きく触媒層2A3、2B3の端部が補強部材93上に位置していることを特徴とする。ガス拡散層3A、3Bと高分子電解質膜1との接触部分が十分に低減されるので、高分子電解質膜1のガス拡散層3A、3Bによる破損をより確実に低減することができる。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、アノード側およびカソード側の両方に補強部材が存在する場合について説明したが、アノード側およびカソード側のいずれか一方において上記補強部材を用いても、本発明の効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、セパレータ6A、6Bに形成されるガス流路7A、7Bおよび冷却流体用流路8A、8Bについての詳細は説明していないが、従来公知の構造を採用することができ、例えばサーペンタイン型の流路とすればよい。
以下に、実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらにのみ限定されるものではない。
《実施例1〜3および比較例1〜4》
本実施例においては、図2に示す構造を有する膜電極接合体を作製した。まず、以下のように触媒層を高分子電解質膜上に形成した。市販の白金担持カーボン触媒(田中貴金属工業(株)製のTEC10E50E、TEC61E54)と、イオン伝導性ポリマー(米国Du Pont社製のNafionSE5112)と、エタノールと、水と、を混合し、得られた混合物を、高分子電解質膜(ジャパンゴアテックス社製のゴアセレクト膜(膜厚30μm、300mm×300mm))の両面に塗布し、一対の触媒層(200mm×200mm)を形成し、膜触媒層接合体を作製した。なお、高分子電解質膜には、あらかじめ、200mm×200mmの開口部を有する300mm×300mmの補強部材(PTFE樹脂製、厚さ40μm)を配置した。
つぎに、パーフルオロスルホン酸イオン交換樹脂の20質量%アルコール分散液(米国Du Pont社製のNafionSE5112)を、補強部材上に1.5mm幅で均一の厚さとなるように塗布し、高分子電解質からなる枠状の接着剤を含む層を形成した。
そして、市販のガス拡散層(ジャパンゴアテックス社製のCARBEL-CFP)を、203mm×203mmの寸法に切断し、接着剤を含む層を形成した補強部材を含む膜触媒層接合体に、ホットプレスにより圧着した。ホットプレスの接合圧力は10kg/cm2とし、接合温度は表1に示す値とした。
[評価]
接合後の膜電極接合体を、24時間、室温にて、窒素フローデシケーター内に保管し、ガス拡散層の剥がれがあるかどうかを判定した。四辺のうちの一辺も剥がれていない場合は「1」、四辺のうちの一辺でも剥がれていた場合は「2」とした。結果を表1に示した。
また、発電性能を、セル温度70℃、電流密度0.2A/cm2、アノードガスとして水素、カソードガスとして空気、アノード露点70℃、カソード露点70℃の条件で行い、無加圧時の発電電圧が0.75V以上の場合を「1」とし、0.75V未満の場合を「2」とした。結果を表1に示した。
Figure 0005153130
ホットプレス時の接合温度の検討を行った結果を示す表1から、温度が低すぎると、十分な接合強度が得られず、温度が高すぎると、高分子電解質膜の熱劣化を引き起こし、発電性能が低下することがわかる。すなわち、以上の結果から、接合温度は、80〜120℃が好ましいことがわかる。
《実施例4〜10および比較例5〜8》
ホットプレスの接合温度を100℃とし、接合圧力を表2に示す値とした以外は、実施例1と同様にして膜電極接合体を作製し、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表2に示す。
Figure 0005153130
ホットプレス時の接合圧力の検討を行った結果を示す表2から、圧力が低すぎると、十分な接合強度が得られず、圧力が高すぎると、高分子電解質膜の機械的劣化(クリープ)発生、ピンホールの発生により発電性能が低下することがわかる。以上の結果から、接合圧力は、3〜20kgf/cm2が好ましいことがわかる。
《実施例11〜23および比較例9〜10》
補強部材とガス拡散層との接触面積および接合強度の検討を行うべく、300mm×300mmの高分子電解質膜の両面に、200×200mmの触媒層を形成し、200mm×200mmの開口部を有する300mm×300mmの補強部材を配置して膜触媒層接合体を作製した。ただし、ガス拡散層の大きさを201mm×201mmから204mm×204mmまで、一辺の寸法が0.2mmずつ異なるものを用いた。また、ホットプレスの接合圧力は10kg/cm2とし、接合温度は100℃とした。その他は実施例1と同様にして膜電極接合体を作製し評価を行なった。ガス拡散層の四辺のうちの2辺以上がはがれた場合を「3」、一辺だけがはがれた場合を「2」、一辺もはがれなかった場合を「1」とした。ガス拡散層(GDL)の一辺の寸法(mm)および接合強度を表3および表4に示した。
Figure 0005153130
Figure 0005153130
《比較例11〜17》
補強部材に接着剤を含む層を形成せず、ホットプレス時の接合圧力は10kg/cm2とし、接合温度を表5に示す値にした以外は、実施例1と同様にして膜電極接合体を作製し評価を行なった。結果を表5に示した。
Figure 0005153130
表5から、120℃以下では全く接合せず、140℃以上では接合したが高分子電解質膜の熱劣化により発電性能が劣ることがわかる。
《比較例18〜25》
補強部材に接着剤を含む層を形成せず、ホットプレス時の接合温度を100℃として接合圧力を表6に示す値にした以外は、実施例1と同様にして膜電極接合体を作製し評価を行なった。結果を表6に示した。
Figure 0005153130
ホットプレス時の接合圧力の検討を行った結果を示す表6から、22kg/cm2以下では全く接合せず、25kg/cm2以上では接合したが高分子電解質膜の変形やピンホール発生などの損傷により、発電性能が劣ることがわかる。
本発明の膜電極接合体は、燃料電池(特に高分子電解質型燃料電池)用の膜電極接合体として有用である。また、本発明の膜電極接合体は、液体燃料電池および燐酸型燃料電池など各種燃料電池用としても有用である。また、本発明の膜電極接合体は、酸素、オゾン、水素などのガス発生機、ガス精製機、ならびに酸素センサおよびアルコールセンサなどの各種ガスセンサなどとしても適用が可能である。
、本発明の高分子電解質形燃料電池(スタック)の一実施形態の構成を示す概略断面図である。 図1に示す本実施形態の燃料電池スタックの要部を拡大した図、すなわち、図1に示す本実施形態の燃料電池スタック100に搭載される単電池の基本構成である膜電極接合体を説明するための概略断面図である。 本実施形態の燃料電池スタック100に搭載される単電池の基本構成である膜電極接合体5の変形例1を説明するための概略断面図である。 本実施形態の燃料電池スタック100に搭載される単電池の基本構成である膜電極接合体5の変形例2を説明するための概略断面図である。 本実施形態の燃料電池スタック100に搭載される単電池の基本構成である膜電極接合体5の変形例3を説明するための概略断面図である。 本実施形態の燃料電池スタック100に搭載される単電池の基本構成である膜電極接合体5の変形例4を説明するための概略断面図である。 従来の高分子電解質形燃料電池(スタック)の構成を示す概略断面図である。
符号の説明
1、101・・・高分子電解質膜、2A、2A1、2A2、2A3、2A4、102A、2B、2B1、2B2、2B3、2B4、102B・・・触媒層、3A、103A、3B、103B・・・ガス拡散層、4A、104A、4B、104B・・・ガス拡散電極、5、105・・・膜電極接合体、6A、106A、6B、106B・・・セパレータ、7A、107A、7B、107B・・・ガス流路、8、108・・・冷却水流路、9A、9B、109A、109B・・・シール材、10、110・・・ボルト、91A、91B、93・・・補強部材、92A、92B・・・接着剤を含む層。

Claims (7)

  1. 水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜と、
    前記高分子電解質膜の両側に配置された一対の触媒層と、
    前記高分子電解質膜および前記一対の触媒層のうち、前記高分子電解質膜の周辺部にのみ配置され、かつ前記高分子電解質膜の厚さと同じ厚さを有した環状の補強部材と、
    前記一対の触媒層の外側に配置されかつ前記補強部材の開口部よりも大きい一対のガス拡散層と、
    前記補強部材の外側の面と、前記一対のガス拡散層のうちの少なくとも一方の内面と、が接触する部分の少なくとも一部に設けられた、接着剤を含む層と、
    を具備する膜電極接合体。
  2. 前記一対の触媒層の各々の端部が、前記補強部材上に位置している、請求項1に記載の膜電極接合体。
  3. 水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜と、
    前記高分子電解質膜の両側に配置された一対の触媒層と、
    前記高分子電解質膜および前記一対の触媒層のうちの少なくとも一方の周辺部に配置された環状の補強部材と、
    前記一対の触媒層の外側に配置されかつ前記補強部材の開口部よりも大きい一対のガス拡散層と、
    前記補強部材の外側の面と、前記一対のガス拡散層のうちの少なくとも一方の内面と、が接触する部分の少なくとも一部に設けられた、接着剤を含む層と、
    を具備し、前記一対の触媒層の何れか一方の触媒層の主面の面積が、他方の触媒層の主面の面積より大きい、膜電極接合体。
  4. 前記接着剤が、パーフルオロスルホン酸イオン交換樹脂を含む請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の膜電極接合体。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の膜電極接合体を含む燃料電池。
  6. 水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜の両側に一対の触媒層を設ける工程と、
    前記高分子電解質膜および前記一対の触媒層のうち、前記高分子電解質膜の周辺部にのみ、前記高分子電解質膜の厚さと同じ厚さを有する環状の補強部材を設ける工程と、
    前記補強部材の外側の面の少なくとも一部に接着剤を含む層を形成する工程と、
    記一対の触媒層の外側に前記補強部材の開口部よりも大きい一対のガス拡散層を設ける工程であって、このとき、前記補強部材と、前記一対のガス拡散層のうちの少なくとも一方との間に、前記接着剤を含む層を位置させる工程と、
    を具備する膜電極接合体の製造方法。
  7. 前記高分子電解質膜と、前記一対の触媒層と、前記補強部材と、前記一対のガス拡散層とを、80〜120℃の温度および3〜20kgf/cm2の圧力で接合する工程を更に含む請求項に記載の膜電極接合体の製造方法。
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