JP4529345B2 - 固体高分子型燃料電池の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、固体高分子型燃料電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、電極反応による生成物が原理的に水であり、地球環境への悪影響がほとんど無いクリーンな発電システムである。特に、固体高分子型燃料電池は、低温で動作することから、自動車などの移動体用動力源として期待されている。従来、固体高分子型燃料電池は、プロトンイオン伝導性固体高分子膜により隔てられた二つの多孔性電極を含んで形成される。図3は燃料電池のセル構造の概略を示す断面説明図である。図3に示すように、燃料電池10は、電解質材料膜11と、この電解質材料膜11の両面に形成されたプロトン伝導性ポリマー層12と、カーボンファイバー紙及び白金などに代表される触媒層13と、この触媒層13の外側に形成されたカーボン層14と、カーボン層14の外側に形成された、ポーラスカーボン層15と、が一つとなり膜電極(MEA:Membrane Electrode Assembly)を形成し、複数のMEAをセパレータ16を介して積層することにより構成されている。また、各セパレータ16には、配置位置に応じてガス供給溝(水素供給溝16A及び酸素供給溝16Bが形成されている。これらのガス供給溝16A、16Bの一方に水素、他方に酸素を流すようになっている。このように水素と酸素を流すことにより、触媒層13、カーボン層14、ポーラスカーボン層15から構成されるアノード又はカソードへ燃料ガス及び酸化剤ガスを供給するようになっている。このようにガスを供給溝することにより、次式(1)、(2)に示す電気化学的反応が生じ、その進行に伴い電子が発生し、この電子を電極から外部回路に取り出すことにより、電気エネルギーが発生する。
【0003】
(1) カソード反応(酸素極):2H+2e+(1/2)O→H
(2) アノード反応(燃料極):H→2H+2e
従来、固体高分子型燃料電池用電極は、撥水性ポリマーを含浸させたカーボンクロスやカーボンペーパーなどの高いガス拡散性を有する電極支持体の上に、電極触媒を担持させたカーボン粉末、プロトン伝導性を有するポリマー及び撥水性を有するポリマーなどで構成されたシート上に触媒層を有するものであり、この触媒層側を電解質材料膜と対向させて、ホットプレスにより接合し、膜・電極接合体を作製している。
【0004】
一般に、プロトンが固体高分子電解質内を円滑に移動するためには、水を必要とするため、燃料は加湿して水とともにアノードへ供給される。カソードで生成された水や膜内を移動してきた過剰な水は、酸化剤とともに電極外部に放出される。触媒層内での高い触媒層利用率を得るために、Journal of Power Sources,22(1988)359〜375頁、特開平6−333574号公報に記載されるように、含水性のプロトン伝導性ポリマー溶液が塗布され、触媒層内に含有されている。しかしながら、上記方法による触媒層内へのプロトン導電性ポリマーの分散化は、触媒層表面から内部へのプロトン導電性ポリマー溶液の浸透性が触媒層内の構造や表面特性に大きく影響するため、必ずしも均一には行われず、その制御が難しい。そのため、触媒を被覆するプロトン伝導性ポリマーの厚みが厚くなりすぎたり、あるいは触媒層内の厚み方向でのプロトン導電性ポリマーの分布が不均一となり、電池性能として、触媒利用率の低下や、カソードで生成した水が触媒層内に滞留することに基づく濃度過電圧の上昇を引き起こす。
【0005】
その方策として、プロトン伝導性ポリマーを、予め電極触媒を担持させたカーボン粉末及び撥水性ポリマーとともに混合し、そのペースト、インクまたはその乾式混合物とした後、濾過転写法、ドクターブレード法、スプレー噴霧法などや、特開平8−130019号公報に記載されているようなスクリーン印刷法を用いて均一な触媒層に成膜する方法が提案されている。また、生成水の排水性を向上させる方法としては、ポリテトラフルオロエチレンのような撥水性ポリマーを添加することが知られている。この撥水性ポリマーは、340〜380℃程度で加熱溶融し、フィブリル化することにより、触媒層内で有効な撥水性のマトリックスを形成するものである。しかし、上記の方法では、マトリックス形成のための熱処理によって共存するプロトン伝導性ポリマーが熱分解するため、上記温度で加熱溶融してフィブリル化して用いることはできない。その結果、燃料電池の運転を長時間継続したり、高電流密度で運転を行った場合、カソードでは、触媒層への酸素供給が大きく阻害されやすくなり、濃度過電圧が増大して、出力電圧の大幅な低下が生じる。
【0006】
このため、特開平10−224923号公報や特開平11−288727号公報に開示される技術では、触媒層上に溶媒に溶解させたプロトン伝導性ポリマーを塗布してプロトン伝導性ポリマー層を形成させた後、固体高分子電解質膜と加熱加圧下で接合する方法が提出されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような固体高分子電解質膜と加熱加圧下で接合する方法では、触媒層上のカーボン粉末の凹凸及びその表面特性(例えば撥水性)により、触媒層表面に均一なプロトン伝導性ポリマー層の形成を行うことが困難となり、固体高分子電解質膜との加熱加圧した場合において、十分な三層界面の形成は行われず、優れた電池性能は得られない。図4は、固体高分子電解質膜17と、触媒層18とを加熱加圧下で接合した状態を示す模式図であり、触媒層18として、カーボン粒子19に微粒子の電極触媒20を担持させものの表面にプロトン導電性ポリマー21を塗布したものを、固体高分子電解質膜17に加熱加圧下で接合してもプロトン導電性ポリマー21が均一に分布(分散)しない状態を示している。このようにプロトン導電性ポリマー21が均一に分布しない理由は、カーボン粒子19が撥水性を有する場合が多く、プロトン導電性ポリマー21が浸透しにくくなるためである。したがって、図4に示すような構造では、固体高分子電解質膜17と触媒層18との間のプロトンの伝導性が悪くなる。また、このような方法で形成した場合、触媒層形成後とポリマー層形成後において、乾燥工程を有するため、製造上におけるプロセスの複雑化は否めない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、触媒利用率を向上させ、低電流密度から高電流密度領域まで、安定した高い電圧特性を有する固体高分子型燃料電池の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、固体高分子型燃料電池の製造方法であって、少なくとも電極触媒粒子及びプロトン伝導性ポリマーを含む触媒層が固体高分子電解質膜両面に配置された固体高分子型燃料電池の製造方法であって、前記固体高分子電解質膜表面に溶媒に溶解させたプロトン伝導性ポリマー層を窒素雰囲気下でスプレー噴霧法により形成する第1の工程と、形成したプロトン伝導性ポリマー層の乾燥前に当該プロトン伝導性ポリマー層の表面に触媒層を形成する第2の工程と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の固体高分子型燃料電池の製造方法であって、前記触媒層の形成後に、加熱及び加圧を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の固体高分子型燃料電池の製造方法であって、前記プロトン伝導性ポリマー層のプロトン伝導性を有する交換基の当量重量(EW)は、600以上1100未満であることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池の製造方法であって、前記プロトン伝導性ポリマー層は、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体であることを特徴とする。
【0015】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、触媒層から固体高分子電解質膜へのプロトン移動を容易にすることができるため、触媒利用率を向上させ、低電流密度から高電流密度領域まで、安定した高い電圧特性を有する固体高分子型燃料電池を製造することができる。固体高分子膜表面にプロトン伝導性ポリマー層を、窒素雰囲気下においてスプレー法を用いて形成することにより、ポリマー成分の分散性がよく形成できるため高いプロトン伝導性を実現することができる。また、スプレー法を用いるため、プロトン伝導性ポリマー層を容易に形成することができる。また、プロトン伝導性ポリマー層の乾燥前に触媒層を形成するため、固体高分子電解質膜とプロトン伝導性ポリマー層と触媒層との界面の接合状態を良好にすることができる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、プロトン伝導性ポリマー層上へ触媒層を形成した後、加熱・加圧を行うため、プロトン伝導性ポリマー層と触媒層との接合が密になり、触媒利用率を向上できる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、プロトン伝導性ポリマーはそのプロトン伝導性を有する交換基の当量重量(EW)がより低く、高いプロトン伝導性を有する。
このため、低電流密度領域から高電流密度領域まで、安定した高い電圧特性を有する固体高分子型燃料電池を実現できる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、プロトン伝導性ポリマー層を、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体で形成することにより、プロトン伝導性を高めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る固体高分子型燃料電池の製造方法の詳細を実施例に基づいて説明する。
【0022】
本発明は、少なくとも電極触媒粒子及びプロトン伝導性ポリマーを含む触媒層が固体高分子電解質膜両面に配置された固体高分子型燃料電池の製造方法であって、固体高分子電解質膜表面に溶媒に溶解させたプロトン伝導性ポリマー層を形成する第1の工程と、このプロトン伝導性ポリマー層の表面に触媒層を形成する第2の工程とを備えることを特徴とする。
【0023】
燃料電池の電気化学的反応においては、アノード側の触媒層で、燃料の酸化により生成したプロトンが、触媒層内に分散されたプロトン伝導性ポリマーを介して固体高分子電解質膜に到達する。そして、固体高分子電解質膜内をプロトンが通過してカソード側に移行する。その後、プロトンは、カソード側の触媒層内に分散されたプロトン伝導性ポリマーを通って、カソード側の触媒層に達し、酸素ガス及び外部回路を通ってきた電子と反応して水を生成する。触媒の利用率を向上させ、反応活性の高い触媒層とするためには、触媒層から固体高分子電解質膜へのプロトン移動を容易にすることが望ましい。本発明は、上記のような第1の工程と第2の工程とを備えることにより、固体高分子電解質膜上へのプロトン伝導性ポリマー層の形成が、プロトンの移動に効果的であり、高いプロトン伝導性を付与することができる。プロトン伝導性ポリマー層の触媒層側への形成は、触媒層上のカーボン粉末の凹凸及びその表面特性により、触媒層表面に均一に形成を行うことが難しく、十分な効果が得られないため、触媒層側よりも、表面物性の同じあるいは類似した固体高分子電解質膜側に形成することが電池性能上より好ましい。
【0024】
(実施例1)
以下、本発明に係る固体高分子型燃料電池の製造方法の実施例1を図1(a)〜(f)を用いて説明する。なお、図1(a)及び(b)は本発明の第1の工程、図1(c)及び(d)は本発明の第2の工程を示している。
【0025】
まず、図1(a)に示すように、固体高分子電解質膜としてのナフィオン膜(デュポン社製、Nafion112)1を用意する。
【0026】
次に、図1(b)に示すように、ナフィオン膜1の一方の表面(アノード側)に、プロトン伝導性を有する交換基の当量重量(EW)=1000のプロトンタイプパーフルオロスルホン酸ポリマー樹脂の5重量%溶液を窒素雰囲気下においてスプレー噴霧してプロトン伝導性ポリマー層2を形成する。なお、当量重量とは、イオン交換基1当量当たりのイオン交換膜の乾燥重量であり、「g/ew」の単位で表される。
【0027】
また、白金担持カーボン(田中貴金属製、10V30E:ValcanXc−72に白金を30wt%担持)と純水及び陽イオン交換樹脂(アルドリッチ社製、5重量%ナフィオン溶液)とを混合分散して、スラリー溶液を調製しておく。そして、プロトン伝導性ポリマー層2の形成後、連続して上記した調製済みのスラリー溶液をスプレー噴霧して、図1(c)に示すように、プロトン伝導性ポリマー層2の上に触媒層3を形成する。さらに、図1(d)に示すように、温度120〜200℃(特に150〜180℃)、圧力0.5〜10MPa(特に1.0〜6.0MPa)での条件で加熱・加圧することで、図1(e)に示すように、ナフィオン膜の上に厚み0.5μmのプロトン伝導性ポリマー層2の上に白金担持量0.35mg/cmのアノード側の触媒層3を得た。同様な方法において、上記したナフィオン膜の逆側に厚み0.5μmのプロトン伝導性ポリマー層(図示省略する)、白金担持量0.35mg/cmのカソード側の触媒層(図示省略する)を得た。
【0028】
プロトン伝導性ポリマー層2は、プロトンを伝導するポリマーであればよく、好ましくは、スルホン酸基を有するパーフルオロビニルエーテルに基づく重合単位とを含む共重合体からなるものが好ましい。上記したスルホン酸基又はカルボン酸基を有するパーフルオロビニルエーテルとしては、CF=CF(OCFCFX)−O−(CF−Mからなるものが好ましい。ここで、mは0〜3の正数、nは1〜12の整数、pは0又は1であり、XはF又はCFであり、Mはスルホン酸基、カルボン酸基、又はその前駆体基である。それらの好まし具体例としては、以下の化合物が挙げられる。下記の式中、q、r、sは1〜8の整数、tは1〜3の整数である。
【0029】
CF=CFO(CFSO
CF=CFOCFCF(CF)O(CFSO
CF=CF(OCFCF(CF))O(CFSO
なかでも、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体であることが好ましい。
【0030】
固体高分子電解質膜1上へのプロトン伝導性ポリマー層2の形成は、一般的に知られているスプレー法、スクリーン印刷法、ダイコート、ドクターブレード法、筆塗り法など各種の方法によっても形成できるが、固体高分子電解質上のプロトン伝導性ポリマー層は、窒素雰囲気下において、スプレー噴霧法を採用した場合において、ポリマー成分の分散性がよく、高いプロトン伝導性を示し、またその手法が簡便であることから、極めて好ましい。
【0031】
また、形成するプロトン伝導性ポリマー層2の厚みは、好ましくは、0.01〜30μm、特には、0.1〜5μmが適切である。0.01μm未満では、均一な成膜が難しく、十分な機能を得ることができない。30μm以上では抵抗が大きくなり、プロトン伝導性が低下するため、適していない。また、プロトン伝導性ポリマー層2は、特性の異なるポリマー層を配列させた多層構造とすることもできる。
【0032】
次に、触媒層3の形成であるが、本発明におけるアノード側及びカソード側の触媒層2は、触媒材料、プロトン伝導性ポリマー、カーボンブラックなどの伝導性材料から構成される。さらには、ポリテトラフルオロエチレンなどの撥水性材料や結着剤が含まれてもよい。電極触媒材料としては、水素の酸化反応及び酸素の還元反応に触媒作用を有するものであればよく、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスニウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウムなどの金属又はそれらの合金から選択できる。
【0033】
炭素材料としては、アセチレンブラックなどのカーボンブラックの他、活性炭、黒鉛、又は各種金属が適用できる。
【0034】
上記した触媒の粒径は、1〜30nmが好ましく、さらには、1.5〜10nmがより好ましい。1nm以下では、作製が容易ではなく、30nm以上では、触媒利用率が低下してしまい高い電池性能は得られない。これらの触媒粒子は、カーボンブラックなどの導電性材料に担持されてもよい。触媒の担持量は、触媒層において0.01〜5mg/cmであり、好ましくは、0.1〜1mg/cmである。なお、触媒の担持量が0.01mg/cm未満では、有効に触媒の性能が発揮できず、5mg/cm以上ではコスト増となることと性能的に量相当分の効果が見られなくなる。
【0035】
なお、電極支持体としてカーボンペーパーやカーボンクロスなどの電気伝導性多孔質織布・不織布をポリテトラフルオロエチレンなどの撥水性ポリマーによって、撥水化処理を施した後、その上に直接触媒層を形成することも可能である。
【0036】
本発明では、電極支持体として、カーボンペーパー(東レ製、TGP−H−60)4を用い、60重量%テトラフルオロエチレン分散液(ダイキン製)を希釈し、350℃で熱処理した後、カーボンペーパー4に対して25重量%含浸させた。そして、図1(f)に示すように、これら膜・電極接合体と触媒層支持体を温度120℃、圧力5MPaの条件でホットプレスして、燃料電池単セルで評価を行った。大気圧、セル温度70℃で、燃料として水素ガス、酸化剤に空気ガスを用い、いずれのガスともに70℃で加湿を行ってセルへ供給した。電流密度0.2A/cmのとき、0.77V、0.60Vがそれぞれ得られた。
【0037】
上記したように、プロトン伝導性ポリマー層2を窒素雰囲気下でスプレー法によりスプレー噴霧して形成したことにより、ポリマー成分を分散させることができ、高いプロトン伝導性を具備させることが可能となった。
【0038】
また、プロトン伝導性ポリマー層2の上に触媒3層を形成した後に、加熱・加圧を施したことにより、図2の模式図に示すように、カーボン粒子5の集合体の凹部の深部までプロトン伝導性ポリマー6が浸透し、カーボン粒子5の集合体の深部で三層界面が形成されるため、触媒利用率が向上しているものと考えられる。
【0039】
以下の実施例及び比較例も同じ単セル運転条件で試験を実施した。
【0040】
(実施例2)
実施例1におけるプロトン伝導性ポリマー層のプロトン伝導性を有する交換基の当量重量(EW)=910のプロトンタイプパーフルオロスルホン酸ポリマー樹脂の5重量%溶液として、他の条件は、実施例1に合わせて、燃料電池単セル評価を行った。0.2A/cm、1.0A/cmのとき、0.79V、0.63Vがそれぞれ得られた。
【0041】
(実施例3)
実施例1における加熱・加圧を大気雰囲気中100℃で乾燥させて、他の条件は実施例1に合わせて、燃料電池単セル評価を行った。0.2A/cm、1.0A/cmのとき、0.74V、0.55Vがそれぞれ得られた。
【0042】
(比較例1)
実施例1において、固体高分子電解質膜上にプロトンタイプパーフルオロスルホン酸ポリマー層を形成させることなく、膜・電極接合体を作製した。実施例1と同じ単セル運転条件で評価を行った。電流密度0.2A/cm、1.0A/cmのとき、0.65V、0.35Vがそれぞれ得られた。なお、この比較例1においては、固体高分子電解質膜上にプロトン伝導性ポリマー層を形成したもの比較して性能が劣るものであった。
【0043】
(比較例2)
実施例1において、固体高分子電解質膜上にプロトンタイプパーフルオロスルホン酸ポリマー層を形成し、大気雰囲気中100℃で乾燥した後、電極層を形成し、膜・電極接合体を作製した。実施例1と同じ単セル運転条件で評価を行った。電流密度0.2A/cm、1.0A/cmのとき、0.72V、0.50Vがそれぞれ得られた。この比較例2においては、乾燥前に、電極層を形成し、膜・電極接合体を作製したものよりも性能が劣っていた。
【0044】
以上、実施例1〜3及び比較例1、2について述べたが、プロトン伝導性ポリマーは、そのEWがより低く、高いプロトン伝導性を有することが望ましく、固体高分子電解質上のプロトン伝導性ポリマー層のEWは少なくとも600以上であればよい。また、EWが600未満では、親水性が大きくなり、生成水の円滑な移動ができなくなる。さらに、EWは、1100以下であることが好ましい。EWが1200以上では、プロトン伝導性が低く、触媒利用率の向上を期待できない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は、本発明に係る固体高分子型燃料電池の製造方法の各工程を示す工程説明図である。
【図2】本発明に係る実施例1で製造された固体高分子型燃料電池における固体高分子電解質膜上のプロトン導電性ポリマーとカーボン粒子と触媒との関係を示す模式図である。
【図3】従来の固体高分子型燃料電池の微細構造を示す模式図である。
【図4】燃料電池のセル構造を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 固体高分子電解質膜
2 プロトン伝導性ポリマー層
3 触媒層

Claims (4)

  1. 少なくとも電極触媒粒子及びプロトン伝導性ポリマーを含む触媒層が固体高分子電解質膜両面に配置された固体高分子型燃料電池の製造方法であって、
    前記固体高分子電解質膜表面に溶媒に溶解させたプロトン伝導性ポリマー層を窒素雰囲気下でスプレー噴霧法により形成する第1の工程と、
    形成したプロトン伝導性ポリマー層の乾燥前に当該プロトン伝導性ポリマー層の表面に触媒層を形成する第2の工程と、
    を備えることを特徴とする固体高分子型燃料電池の製造方法。
  2. 前記触媒層の形成後に、加熱及び加圧を行うことを特徴とする請求項1記載の固体高分子型燃料電池の製造方法。
  3. 前記プロトン伝導性ポリマー層のプロトン伝導性を有する交換基の当量重量(EW)は、600以上1100未満であることを特徴とする請求項1記載の固体高分子型燃料電池の製造方法。
  4. 前記プロトン伝導性ポリマー層は、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の固体高分子型燃料電池の製造方法。
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JP2000054176A (ja) * 1998-08-05 2000-02-22 Japan Storage Battery Co Ltd 電解質膜およびその製法とそれを用いた電気化学装置

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