JP2008071542A - 高分子電解質形燃料電池およびその製造方法 - Google Patents

高分子電解質形燃料電池およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な特性を確保しかつ十分な膜電極接合体の補強が可能な高分子電解質形燃料電池を提供する。
【解決手段】第1の触媒層、高分子電解質膜および第2の触媒層を含む膜触媒層接合体の周縁部において、高分子電解質膜の第1主面に枠状の第1補強膜を配置し、高分子電解質膜の外縁を第1触媒層の外縁および第2触媒層の外縁よりも外側に突出させ、第1補強膜の内縁を、第1触媒層と第1ガス拡散層との間に挿入させた構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、高分子電解質形燃料電池およびその製造方法に関する。
現在、高分子電解質形燃料電池を備える燃料電池発電システムの実用化に向けて様々な検討がなされている。例えば、高分子電解質形燃料電池は、電気自動車等の移動体用の発電システムや家庭用コジェネレーションシステムに用いることが検討されている。上記のような燃料電池発電システムを広く普及させるためには、高分子電解質形燃料電池を構成する部材の取り扱い性を向上させ、かつ低コスト化を実現することが重要な課題である。そして、このような課題を解決するため、高分子電解質形燃料電池に搭載される膜電極接合体のうちの、水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜の補強を意図して、当該高分子電解質膜に補強膜を配置する技術が提案されている。
例えば特許文献1〜3においては、ガスシール材と別に膜触媒層接合体の外周部に沿って補強膜を設置する方法が提案されている。まず、図5は、特許文献1における高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池の構成を示す概略断面図である。図5に示すように、高分子電解質膜101の両面に、高分子電解質膜101とほぼ同面積のアノード触媒層102aおよびカソード触媒層102cと、アノードガス拡散電極103aおよびカソードガス拡散電極103cと、がそれぞれ接合されて構成された膜電極接合体110と、膜電極接合体110の両面に配置されたアノードセパレータ105aおよびカソードセパレータ105cとを含む単電池において、膜電極接合体110の少なくとも片面に、ガスシール材106a、106cとは別に、中心部に開口を有する額縁状の補強膜104a、104cが接合されている。補強膜104a、104cの外縁は、膜電極接合体110の外周よりはみ出ており、補強膜104a、104cの内縁は膜電極接合体110の外周の内側に配置されている。
次に、図6は、特許文献2における高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池の構成を示す概略断面図である。図6に示すように、特許文献2記載の単電池は、高分子電解質膜201と、アノード203aおよびカソード203cの両電極と、補強膜204a、204cと、一対のガスシール部206a、206cと、一対の反応ガス供給板(セパレータ)205a、205cとを有し、アノード203aおよびカソード203cの両電極は、高分子電解質膜201主面の外縁部を残して、高分子電解質膜201主面の中央部に高分子電解質膜201を挟んで対向して配置され、補強膜204a、204は高分子電解質膜201の二つの主面のうちの少なくとも一方の主面の電極周縁部と上記外縁部を被覆し、一対のガスシール部206a、206cは高分子電解質膜201の外縁部に対向して配置されている。
さらに、図7は、特許文献3における高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池の構成を示す概略断面図である。図7に示すように、特許文献3記載の単電池においては、イオン交換膜(高分子電解質膜)301の面積が、アノード触媒層302aおよびカソード触媒層302cの面積ならびにアノードガス拡散層303aおよびカソードガス拡散層303cの面積(すなわち触媒層とガス拡散層とで構成されるガス拡散電極の面積)よりも大きく、イオン交換膜301のガス拡散電極と接合されていない周囲部分が上下のガスケット306a、306cで挟み込まれている。そして、アノードガス拡散層303aおよびカソードガス拡散層303cの周縁には、補助ガスケット309a、309cが設けられている。
特開2004-47230号公報 特許第3052536号明細書 特開平7-220742号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3において提案されている技術では、高分子電解質膜の十分な補強ができず未だ改善の余地があった。なかでも、特に特許文献1において提案されている技術では、膜触媒層接合体と補強膜とが重なる部分において、燃料ガスや酸化剤ガス等のガスが一方の電極から他方の電極へ流入(クロスオーバー)してしまうことを効果的に防止することができないという問題がある。クロスオーバーが起こると、電池電圧の低下を引き起こすだけではなく、触媒層中の触媒上において反応ガスとクロスオーバーガスとが反応(局所燃焼)し、高分子電解質膜が劣化するおそれがある。
また、特許文献2において提案されている技術においては、イオン交換膜を補強するという効果を十分なものにするため、イオン交換膜よりも硬い補強膜が用いられており、これにより上記補強膜の内縁がイオン交換膜に当たって当該イオン交換膜を損傷するおそれがある。
さらに、特許文献3において提案されている技術においては、膜電極接合体や単電池の組み立て時に生じる公差等に起因して補強膜と触媒層との間に少しでも隙間が形成されると、高分子電解質膜の一部が露出し、当該露出部分においてガス拡散層が高分子電解質膜に直接接触して当該高分子電解質膜に損傷を与えたり、燃料ガスや酸化剤ガス等のガスのクロスオーバーが起こり、上述のように、電池電圧の低下や高分子電解質膜の劣化を引き起こすおそれがある。
そこで、本発明は、以上の観点に鑑みてなされたものであり、十分な特性を確保しかつ十分な膜電極接合体の補強が可能な高分子電解質形燃料電池を提供することを目的とする。より具体的には、強度および取り扱い性に優れ、燃料ガスや酸化剤ガスのクロスオーバーをより確実に抑制することができ、電池電圧の低下や高分子電解質膜の損傷をより確実に低減することにより耐久性が十分に確保された、高分子電解質形燃料電池を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記のような高分子電解質形燃料電池を容易に得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、高分子電解質膜および上記高分子電解質膜の両面に設けられた一対の触媒層で構成される膜触媒層接合体と、上記膜触媒層接合体を挟む一対のガス拡散層と、を備える高分子電解質形燃料電池において、上記膜触媒層接合体の少なくとも一方の面の側には、中心部に窓を開けた枠状(額縁状)の補強膜を設け、上記高分子電解質膜の外縁を触媒層の外縁よりも外側に突出させ、上記補強膜の内縁を上記触媒層と上記ガス拡散層との間に挿入すること(即ち、上記補強膜の内側の周縁部を前記触媒層の外側の周縁部より内側に配置すること)が、極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記のような課題を解決すべく、本発明は、
水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜と、
高分子電解質膜の第1主面および第2主面にそれぞれ配置され、高分子電解質膜とともに膜触媒層接合体を構成する第1触媒層および第2触媒層と、
高分子電解質膜の第1主面に配置された枠状の第1補強膜と、
第1触媒層および第2触媒層上にそれぞれ配置された第1ガス拡散層および第2ガス拡散層と、を含み、
高分子電解質膜の外縁が第1触媒層の外縁および第2触媒層の外縁よりも外側に突出しており、
膜触媒層接合体において高分子電解質膜が突出して形成する周縁部に第1補強膜が配置されており、
第1補強膜の内縁が、第1触媒層と第1ガス拡散層との間に挿入されていること、を特徴とする高分子電解質形燃料電池を提供する。
このような構成によれば、取り扱い性および強度に優れ、かつ、一方の電極から他方の電極へのガスのクロスオーバーをより確実に抑制することができ、高分子電解質膜の劣化を抑制して耐久性を十分に確保した高分子電解質形燃料電池を実現することができる。
より具体的には、膜触媒層接合体の周縁部のうちの高分子電解質膜の第1主面に配置された枠状の第1補強膜によって、高分子電解質膜をより確実に補強することができる。また、高分子電解質膜の外縁が第1触媒層の外縁および第2触媒層の外縁よりも外側に突出していることから、ガスが高分子電解質膜を透過するクロスオーバーを上記第1補強膜によってより確実に抑制することができ、高分子電解質膜の劣化をより確実に抑制することができる。
さらに、上記のような構成によれば、電極の周縁部において、膜触媒層接合体の一部である高分子電解質膜と補強膜とが接合されるため、補強膜と膜触媒層接合体の接着強度を向上させることができ、触媒層が上記接合部分に重なって発電に寄与しない部分の面積を小さくし、発電に寄与しない触媒の割合を少なくすることができる。そして、補強膜を高分子電解質膜上に配置することによって、高分子電解質膜を接着剤として利用することができ、コンタミネーションになり得る接着剤を不要にすることができる。
また、第1補強膜の内縁が、第1触媒層と第1ガス拡散層との間に挿入されていることから、上記高分子電解質形燃料電池を作製する際に上記第1補強膜の位置合わせが容易となり、上記構造を有する高分子電解質形燃料電池をより容易かつ確実に作製することができる。また、高分子電解質膜上において第1触媒層と第1補強膜とが重なっていることにより、高分子電解質形燃料電池の作製時に高分子電解質膜が収縮したとしても、第1補強膜と第1触媒層との間に高分子電解質膜の露出部分が形成されず、イオン交換膜上で触媒層と補強膜とが重ならないように並置される上記特許文献3の場合のようなデメリットを回避することができる。即ち、上記露出部分が形成された場合と異なり、ガス拡散層が高分子電解質膜に直接接触して当該高分子電解質膜に損傷を与えることはなく、燃料ガスや酸化剤ガス等のガスのクロスオーバーをより確実に抑制することができ、電池電圧の低下や高分子電解質膜の劣化をより確実に抑制することができる。
また、本発明は、上記高分子電解質形燃料電池の製造方法をも提供する。即ち、本発明は、
水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜と;高分子電解質膜の第1主面および第2主面にそれぞれ配置された第1触媒層および第2触媒層と;高分子電解質膜の第1主面および第2主面にそれぞれ配置された枠状の第1補強膜および第2補強体のうちの少なくとも一方と;第1触媒層および第2触媒層上にそれぞれ配置された第1ガス拡散層および第2ガス拡散層と;を含み、高分子電解質膜の外縁が第1触媒層の外縁および第2触媒層の外縁よりも外側に突出しており、膜触媒層接合体において高分子電解質膜が突出して形成する周縁部に第1補強膜および第2補強膜のうちの少なくとも一方が配置されており、第1補強膜および第2補強膜のうちの少なくとも一方の内縁が、それぞれ第1触媒層と第1ガス拡散層との間および第2触媒層と第2ガス拡散層との間のうちの少なくとも一方に挿入されている、高分子電解質形燃料電池の製造方法であって、
水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜の第1主面および第2主面に、それぞれ第1触媒層および第2触媒層を配置し、高分子電解質膜の外縁が第1触媒層の外縁および第2触媒層の外縁よりも外側に突出している膜触媒層接合体を形成する第1工程と、
膜触媒層接合体の周縁部において高分子電解質膜の第1主面に枠状の第1補強膜を配置し、膜触媒層補強膜接合体を形成する第2工程と、
膜触媒層補強膜接合体の第1触媒層および第2触媒層上に、それぞれ第1ガス拡散層および第2ガス拡散層を配置し、膜電極接合体を形成する第3工程と、を含み、
第1補強膜の内縁が、第1触媒層と第1ガス拡散層との間に挿入されるようにすること、
を特徴とする高分子電解質形燃料電池の製造方法を提供する。
このような構成によれば、上記のような本発明の高分子電解質形燃料電池をより容易に得ることができる。また、第1補強膜の内縁が、第1触媒層と第1ガス拡散層との間に挿入されていることから、上記高分子電解質形燃料電池を作製する際に上記第1補強膜の位置合わせが容易となり、上記構造を有する高分子電解質形燃料電池をより容易かつ確実に作製することができる。
さらに、本発明は、
水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜と;高分子電解質膜の第1主面および第2主面にそれぞれ配置され、高分子電解質膜とともに膜触媒層接合体を構成する第1触媒層および第2触媒層と;高分子電解質膜の第1主面および第2主面にそれぞれ配置された枠状の第1補強膜および第2補強体のうちの少なくとも一方と;第1触媒層および第2触媒層上にそれぞれ配置された第1ガス拡散層および第2ガス拡散層と;を含み、高分子電解質膜の外縁が第1触媒層の外縁および第2触媒層の外縁よりも外側に突出しており、膜触媒層接合体において高分子電解質膜が突出して形成する周縁部に第1補強膜および第2補強膜のうちの少なくとも一方が配置されており、第1補強膜および第2補強膜のうちの少なくとも一方の内縁が、第1触媒層と第1ガス拡散層との間および第2触媒層と第2ガス拡散層との間のうちの少なくとも一方に挿入されている、高分子電解質形燃料電池の製造方法であって、
第1ガス拡散層の一方の面に枠状の第1補強膜を配置し、第1ガス拡散層補強膜接合体を形成する第1工程と、
第1ガス拡散層補強膜接合体のうちの第1ガス拡散層および第1補強膜の上に、第1触媒層を形成する第2工程と、を含むこと、
を特徴とする高分子電解質形燃料電池の製造方法を提供する。
このような構成によれば、高分子電解質膜よりも取り扱い性に優れるガス拡散層に補強膜を配置することから、高分子電解質膜に損傷を与えることなく、上記のような本発明の高分子電解質形燃料電池をより容易に得ることができる。また、第1補強膜の内縁が、第1触媒層と第1ガス拡散層との間に挿入されていることから、上記高分子電解質形燃料電池を作製する際に上記第1補強膜の位置合わせが容易となり、上記構造を有する高分子電解質形燃料電池をより容易かつ確実に作製することができる。
以上のように、本発明によれば、取り扱い性および強度に優れ、かつ、一方の電極から他方の電極へのガスのクロスオーバーをより確実に抑制することができ、高分子電解質膜の劣化を抑制して耐久性を十分に確保した高分子電解質形燃料電池を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
[第一実施形態]
図1は、本発明の高分子電解質形燃料電池の第一実施形態に搭載される単電池の構成を示す概略断面図である。まず、本実施形態の単電池の構成要素について説明する。
図1に示すように、本実施形態の単電池は、膜電極接合体10(MEA:Membrane-electrode assembly)、膜電極接合体10を挟む板状のアノードセパレータ5aおよびカソードセパレータ5cと、略矩形で枠状(額縁状)のガスケット6a、6cとを含む。
また、膜電極接合体10は、水素イオン(陽イオン)伝導性を有する略矩形の高分子電解質膜1と、略矩形の第1触媒層(アノード触媒層)2aおよび第2触媒層(カソード触媒層)2cと、を含む膜触媒層接合体(図示せず)、ならびに、略矩形の第1ガス拡散層(アノードガス拡散層)3aおよび第2ガス拡散層(カソードガス拡散層)3cを含む。アノード触媒層2aとアノードガス拡散層3aとがアノード(図示せず)を構成し、カソード触媒層2cとカソードガス拡散層3cとがカソード(図示せず)を構成する。
図1における第1補強膜4aおよび第2補強膜4cについては後述するが、本実施形態においては、高分子電解質膜1の主面の面積が、アノード触媒層2a、カソード触媒層2c、アノードガス拡散層3aおよびカソードガス拡散層3cの主面の面積よりも大きく、高分子電解質膜1の外縁がアノード触媒層2aの外縁およびカソード触媒層2cの外縁よりも外側(即ち、図1において、高分子電解質膜1の主面の中心からみて第1補強膜および第2補強膜が位置する側)に突出している。
そして、第1補強膜4aの内縁および第2補強膜4cの内縁が、それぞれアノード触媒層2aとアノードガス拡散層3aとの間およびカソード触媒層2cとカソードガス拡散層3cとの間に挿入されている。なお、アノード触媒層2a、カソード触媒層2c、アノードガス拡散層3aおよびカソードガス拡散層3cの主面の面積は略一致している。また、第1補強膜の外側の周縁部および第2補強膜の外側の周縁部は、高分子電解質膜1の外側の周縁部よりも外側に位置している。
本実施形態における高分子電解質膜1としては、特に限定されるものではなく、通常の高分子電解質形燃料電池に搭載される高分子電解質膜を使用することができる。例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質膜(例えば、米国DuPont社製のNafion(商品名)、旭化成(株)製のAciplex(商品名)、ジャパンゴアテックス(株)製のGSIIなど)を使用することができる。
また、高分子電解質膜1を構成する高分子電解質としては、陽イオン交換基として、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、およびスルホンイミド基を有するものなどが好ましく挙げられる。水素イオン伝導性の観点から、スルホン酸基を有するものが特に好ましい。スルホン酸基を有する高分子電解質としては、イオン交換容量が0.5〜1.5meq/g乾燥樹脂であるものことが好ましい。高分子電解質のイオン交換容量が0.5meq/g乾燥樹脂以上であると、得られた触媒層の抵抗値を発電時にも抑制することができ好ましく、イオン交換容量が1.5meq/g乾燥樹脂以下であると、得られた触媒層の含水率を適度に保つことができ、膨潤し過ぎずに細孔の形状を保持し易く好ましい。イオン交換容量は0.8〜1.2meq/g乾燥樹脂が特に好ましい。
また、高分子電解質としては、CF2=CF−(OCF2CFX)m−Op−(CF2)n−SO3Hで表されるパーフルオロビニル化合物(mは0〜3の整数を示し、nは1〜12の整数を示し、pは0または1を示し、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を示す。)に基づく重合単位と、CF2=CF2で表されるテトラフルオロエチレンに基づく重合単位と、を含むパーフルオロカーボン共重合体であることが好ましい。なお、上記フルオロカーボン重合体は、例えばエーテル結合性の酸素原子などを含んでいてもよい。
上記パーフルオロビニル化合物の好ましい例としては、下記式(1)〜(2)で表される化合物が挙げられる。ただし、下記式中、qは1〜8の整数、rは1〜8の整数、tは1〜3の整数を示す。
CF2=CFO(CF2q−SO3H ・・・(1)
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2r−SO3H ・・・(2)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))tO(CF22−SO3 ・・・(3)
また、高分子電解質膜は、一種または複数種の高分子電解質で構成されていてもよいが、内部に補強体(充填材)を含んでいてもよい。ただし、高分子電解質膜における上記補強体の配置状態(例えば疎密の程度や規則性)は特に限定されない。
このような補強体を構成する材料としては、特に制限されないが、例えばポリテトラフルオルエチレン、ポリフルオロアルコキシエチレンまたはポリフェニルスルフィドなどが挙げられる。上記補強体の形状も特に制限されないが、例えば、多孔体状の補強体、ならびにフィブリル状、繊維状および球状の補強体粒子などが挙げられる。
次に、高分子電解質膜1の第1主面および第2主面にそれぞれ設けられるアノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cは、電極触媒(例えば白金系の金属触媒)と、当該電極触媒を担持する導電性炭素粒子(カーボン粉末)と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質と、で構成される。
アノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cにおける担体である導電性炭素粒子としては、導電性を有する細孔の発達したカーボン材料を用いるのが好ましく、例えばカーボンブラック、活性炭、カーボンファイバーおよびカーボンチューブなどを使用することができる。カーボンブラックとしては、例えばチャネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラックおよびアセチレンブラックなどが挙げられる。また、活性炭は、種々の炭素原子を含む材料を炭化処理および賦活処理することによって得ることができる。
導電性炭素粒子の比表面積が50〜1500m2/gであることが好ましい。比表面積50m2/g以上であると、電極触媒の担持率を向上させ易く、アノード触媒層およびカソード触媒層の出力特性が低下するおそれがないことから好ましく、比表面積が1500m2/g以下であると、細孔が微細すぎずに高分子電解質による被覆がより容易となり、触媒層の出力特性が低下するおそれがないことから好ましい。比表面積は200〜900m2/gが特に好ましい。
アノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cにおける電極触媒としては、白金または白金合金を用いるのが好ましい。白金合金としては、白金以外の白金族の金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム)、鉄、チタン、金、銀、クロム、マンガン、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、レニウム、亜鉛およびスズからなる群より選択される1種以上の金属と、白金と、の合金であるのが好ましい。また、上記白金合金には、白金と上記金属との金属間化合物が含有されていてもよい。
さらに、白金からなる電極触媒と白金合金からなる電極触媒を混合して得られる電極触媒混合物を用いてもよく、アノード側とカソード側に同じ電極触媒を用いても異なる電極触媒を用いてもよい。
また、電極触媒の一次粒子径は、アノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cを高活性とするために、1〜20nmであることが好ましく、特に、反応活性を増大させるために表面積を大きく確保することが可能であるという観点から、2〜10nmであることが好ましい。
触媒担持粒子(即ち、電極触媒を担持する導電性炭素粒子)の触媒担持率(即ち、触媒担持粒子の全質量に対する、担持されている電極触媒の質量の割合)は、20〜80質量%であればよく、特に40〜60質量%であるのが望ましい。この範囲であれば、高い電池出力を得ることができる。上述のように触媒担持率が20質量%以上であると、十分な電池出力をより確実に得ることができ、80質量%以下であると、電極触媒の粒子を分散性よくカーボン粉末に担持させることができ、触媒有効面積をより増大させることができる。
アノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cに含有されて、上記触媒担持粒子に付着させる上記高分子電解質としては、高分子電解質膜1を構成する高分子電解質を用いればよい。アノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cならびに高分子電解質膜1を構成する高分子電解質は、同じ種類であっても、異なる種類であってもかまわない。例えば、米国DuPont社製のNafion(商品名)、旭硝子(株)製のFlemion(商品名)、旭化成(株)製のAciplex(商品名)等の市販品であってもかまわない。
上記高分子電解質は、触媒担持粒子を被覆し、3次元に水素イオン伝導経路を確保するために、アノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cを構成する触媒担持粒子の質量に比例した量で、アノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cに含まれているのが好ましい。具体的には、アノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cに含まれる高分子電解質の質量は、触媒担持粒子質量に対して0.2倍以上2.0倍以下であることが望ましい。この範囲であれば、高い電池出力を得ることができる。上述のように高分子電解質の質量が0.2倍以上であると、十分な水素イオン伝導性が確保でき、2.0倍以下であると、フラッディングの回避が可能であり、より高い電池出力を実現することができる。
なお、本実施形態のアノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cにおいては、上記高分子電解質が、触媒担持粒子表面に部分的に付着していればよく(即ち、触媒担持粒子の少なくとも一部を被覆していればよく)、必ずしも触媒担持粒子全体を被覆していなくてもよい。もちろん、上記高分子電解質が、触媒担持粒子表面の全体を被覆していてもよい。
本実施形態のアノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cの外側(即ち、図1における単電池において高分子電解質膜1からみてアノードセパレータ5aおよびカソードセパレータ5cが位置する側)に配置されるアノードガス拡散層3aおよびカソードガス拡散層3cとしては、当該分野において公知の種々のガス拡散層を用いることができる。
ガス拡散層を構成する基材としては、ガス透過性を持たせるために、発達したストラクチャー構造を有するカーボン微粉末、造孔材、カーボンペーパーまたはカーボンクロスなどを用いて作製された、導電性多孔質基材を用いることができる。
また、排水性を向上させるために、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)などのフッ素樹脂を代表とする撥水性材料(高分子)を上記基材の内部に分散させて、上記基材は撥水処理を施されていてもよい。さらに、電子伝導性を持たせるために、カーボン繊維、金属繊維またはカーボン微粉末などの電子伝導性材料で上記基材を構成してもよい。なお、カソード側およびアノード側において同じガス拡散層を用いても異なるガス拡散層を用いてもよい。
さらに、アノード触媒層2aとアノードガス拡散層3aとの間およびカソード触媒層2cとカソードガス拡散層3cとの間のうちの少なくとも一方には、図示しないが、撥水カーボン層が設けられていてもよい。上記撥水カーボン層は、例えば撥水性材料(高分子)と導電性炭素粒子とで構成される。撥水性材料としては上述したような種々のフッ素樹脂を用いることができ、導電性炭素粒子としては上述したものと同様のものを用いることができる。
本実施形態の高分子電解質形燃料電池の基本構成である単電池は、上述のような構成を有する膜電極接合体10と、ガスケット6a、6cと、アノードセパレータ5aおよびカソードセパレータ5cと、で構成される。
ガスケット6a、6cは、略矩形の枠状(額縁状)ないしは環状であり、単電池に供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスの外部へのリーク防止や混合を防止するため、それぞれアノードおよびカソード(特にアノードガス拡散層3aおよびカソードガス拡散層3c)の周囲に配置される。このようなガスケット6a、6cとしては、当該分野で公知のものを用いることができる。
そして、膜電極接合体10の外側には、膜電極接合体10を機械的に固定するための一対のアノードセパレータ5aおよびカソードセパレータ5cが配置されている。アノードセパレータ5aのうちの膜電極接合体10と接触する面には、アノードに反応ガスである燃料ガスを供給し、電極反応生成物、未反応の反応ガスを含むガスを反応場から外部に運び去るためのアノードガス流路7aが形成されており、カソードセパレータ5cのうちの膜電極接合体10と接触する面には、カソードに反応ガスである酸化剤ガスを供給し、電極反応生成物、未反応の反応ガスを含むガスを反応場から外部に運び去るためのカソードガス流路7cが形成されている。
アノードガス流路7aおよびカソードガス流路7cは、図示しないが、それぞれアノードセパレータ5aおよびカソードセパレータ5cの表面に常法により溝を設けることによって形成されている。特に制限されるものではないが、アノードガス流路7aおよびカソードガス流路7cは、例えば複数の直線状溝部と、隣接する直線状溝部を上流から下流へと連結する複数のターン状溝部と、で構成されたサーペンタイン形状を有する。
なお、図示しないが、アノードセパレータ5aおよびカソードセパレータ5cのうちの、膜電極接合体10とは反対側の面には、常法により冷却流体用流路が設けられていてもよい。
上記のように、一対のアノードセパレータ5aおよびカソードセパレータ5cで膜電極接合体10を固定し、アノードセパレータ5aのアノードガス流路7aに燃料ガスを供給し、カソードセパレータ7cのカソードガス流路7cに酸化剤ガスを供給することで、数十から数百mA/cm2の実用電流密度通電時において、一つの単電池で0.7〜0.8V程度の起電力を発生させることができる。図1には本発明の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を示しているが、本発明の高分子電解質形燃料電池を電源として使用する際には、単電池複数個を直列に接続して積層体を構成し、燃料電池スタック(図示せず)として使用することもできる。
なお、図示しないが、アノードガス流路7aに燃料ガスを供給し、カソードガス流路7cに酸化剤ガスを供給するためには、これらガスを供給する配管を直接アノードセパレータ5aのアノードガス流路7aまたはカソードセパレータ5cのカソードガス流路7cにつなぎ込むマニホールドが必要である。図1には図示していないが、本実施形態においては、外部マニホールドと内部マニホールドのいずれを採用することも可能である。
ここで、本実施形態における最大の特徴である、第1補強膜4aおよび第2補強膜4cについて説明する。
第1補強膜4aおよび第2補強膜4cは、略矩形の枠状(額縁状)であり、膜電極接合体10の周縁部のうちの高分子電解質膜1の第1主面に配置されており、第1補強膜4aの内縁および第2補強膜4cの内縁が、それぞれアノード触媒層2aとアノードガス拡散層3aとの間およびカソード触媒層2cとカソードガス拡散層3cとの間に挿入されている。また、第1補強膜4aの外側の周縁部および第2補強膜4cの外側の周縁部は、高分子電解質膜1の外側の周縁部よりも外側にまで延びており、図1におけるガスケット6aとガスケット6cとの間において第1補強膜4aとは折れ曲がって接触している。
上記第1補強膜4aおよび第2補強膜4cは、上記ガスケット6a、6cと同様の材料で構成することができる。
このような本実施形態によれば、膜触媒層接合体10の周縁部のうちの高分子電解質膜1の第1主面および第2主面にそれぞれ配置された第1補強膜4aおよび第2補強膜4cによって、高分子電解質膜1がより確実に補強され、高分子電解質膜1の外縁がアノード触媒層2aの外縁およびカソード触媒層2cの外縁よりも外側に突出しており、かつ第1補強膜4aおよび第2補強膜4cが高分子電解質膜1の外側の周縁部よりも外側で接して閉じているため、燃料ガスおよび酸化剤ガスが高分子電解質膜1を透過するクロスオーバーをより確実に抑制することができ、電池性能の低下および高分子電解質膜1の劣化をより確実に抑制することができる。
さらに、アノードおよびカソードの周縁部において、高分子電解質膜1と第1補強膜4aおよび第2補強膜4cとが接合されているため、第1補強膜4aおよび第2補強膜4cと膜触媒層接合体(図示せず)との接着強度を向上させることができ、アノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cが上記接合部分に重なって発電に寄与しない部分の面積を小さくし、発電に寄与しない触媒の割合を少なくすることができる。そして、第1補強膜4aおよび第2補強膜4cが高分子電解質膜1上に配置されていることから、高分子電解質膜1を接着剤として利用することができ、コンタミネーションになり得る接着剤を不要にすることができる。
また、第1補強膜4aの内縁が、アノード触媒層2aとアノードガス拡散層3aとの間に挿入され、第2補強膜4cの内縁が、カソード触媒層2cとカソードガス拡散層3cとの間に挿入されていることから、図1に示す単電池を作製する際に第1補強膜4aおよび第2補強膜4cの位置合わせが容易となり、上記構造を有する高分子電解質形燃料電池をより容易かつ確実に作製することができる。
また、高分子電解質膜1上において、アノード触媒層2aと第1補強膜4aとが重なり、カソード触媒層2cと第2補強膜4cとが重なっていることにより、上記単電池の作製時に高分子電解質膜1が収縮したとしても、第1補強膜4aとアノード触媒層2aとの間および第2補強膜4cとカソード触媒層2cとの間に高分子電解質膜1の露出部分が形成されない。即ち、かかる露出部分が形成された場合と異なり、アノードガス拡散層3aおよびカソードガス拡散層3cが高分子電解質膜1に直接接触して高分子電解質膜1に損傷を与えることはなく、燃料ガスや酸化剤ガス等のガスのクロスオーバーをより確実に抑制することができ、電池電圧の低下や高分子電解質膜1の劣化をより確実に抑制することができる。
すなわち、本実施形態によれば、取り扱い性および強度に優れ、かつ、一方の電極から他方の電極へのガスのクロスオーバーをより確実に抑制することができ、高分子電解質膜の劣化を抑制して耐久性を十分に確保した高分子電解質形燃料電池を実現することができる。
次に、上述のような構造を有する本実施形態の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池の好適な製造方法について説明する。
本実施形態の高分子電解質形燃料電池の好適な第1製造方法は、
水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜の第1主面および第2主面に、それぞれ第1触媒層および第2触媒層を配置し、高分子電解質膜の外縁が第1触媒層の外縁および第2触媒層の外縁よりも外側に突出している膜触媒層接合体を形成する第1工程と、
膜触媒層接合体の周縁部のうちの高分子電解質膜の第1主面に枠状の第1補強膜を配置し、膜触媒層補強膜接合体を形成する第2工程と、
膜触媒層補強膜接合体の第1触媒層および第2触媒層上に、それぞれ第1ガス拡散層および第2ガス拡散層を配置し、膜電極接合体を形成する第3工程と、を含み、
第1補強膜の内縁が、第1触媒層と第1ガス拡散層との間に挿入されるようにすること、
を特徴とする。
図2は、本実施形態の高分子電解質形燃料電池の第1製造方法の工程図である。
まず、第1工程においては、図2の(a)に示すように、高分子電解質膜1の第1主面および第2主面に、それぞれアノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cを配置し、高分子電解質膜1の外縁がアノード触媒層2aの外縁およびカソード触媒層2cの外縁よりも外側に突出している膜触媒層接合体を形成する。
アノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cは、アノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cの構成を実現可能な成分組成に調製された複数の触媒層形成用インクを用いて形成することができる。触媒層形成用インクを調製するために用いる分散媒としては、高分子電解質を溶解可能または分散可能(高分子電解質の一部が溶解し、他の一部が溶解せずに分散している状態を含む)であるアルコールを含む液体を用いることが好ましい。
分散媒は、水、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコールおよびtert―ブチルアルコールのうちの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。これらの水およびアルコールは単独でも使用してもよく、2種以上混合してもよい。アルコールは、分子内にOH基を1つ有する直鎖のものが特に好ましく、エタノールが特に好ましい。このアルコールには、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル結合を有するものも含まれる。
また、触媒層形成用インクの組成は、アノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cの構成に応じて、適宜調整すればよいが、固形分濃度0.1〜20質量%であることが好ましい。固形分濃度が0.1質量%以上であると、触媒層形成用インクの噴霧または塗布により触媒層を作製するにあたり、何回も繰り返し噴霧または塗布しなくても所定の厚さの触媒層が得られ生産効率が低くならない。また、固形分濃度が20質量%以下であると、混合液の粘度が高くなり過ぎず、得られる触媒層が不均一となるおそれがない。固形分濃度で1〜10質量%であることが特に好ましい。
触媒層形成用インクは、従来公知の方法に基づいて調製することができる。具体的には、ホモジナイザ、ホモミキサ等の撹拌機を使用する方法、高速回転ジェット流方式を使用するなどの高速回転を使用する方法、高圧乳化装置などの高圧をかけて狭い部分から分散液を押出すことで分散液にせん断力を付与する方法などが挙げられる。
上記触媒層形成用インクを用いてアノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cを形成する際には、高分子電解質膜1上に直接形成する直接塗布法であっても間接的に形成する間接塗布方法のいずれを採用することも可能である。塗布法としては、スクリーン印刷法、ダイコート法、スプレー法およびインクジェット法などが挙げられる。間接塗布法としては、例えばポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタラート製の支持体上に、上記の方法でアノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cを形成した後、熱転写により、高分子電解質膜1上に配置する方法等が挙げられる。
次に、第2工程において、膜触媒層接合体11の周縁部のうちの高分子電解質膜1の第1主面および第2主面に、図2の(b)に示すように、それぞれ第1補強膜4aおよび第2補強膜4cを配置し、膜触媒層補強膜接合体12を形成する。
このとき、第1補強膜4aの内縁および第2補強膜4cの内縁が、それぞれアノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cに重なる部分が形成されるように、第1補強膜4aおよび第2補強膜4cを膜触媒層接合体上に配置する。また、高分子電解質膜1の外側の周縁部よりも外側においては、第1補強膜4aおよび第2補強膜4cを、高分子電解質膜1側に折り曲げて接触させ、第1補強膜4aと第2補強膜4cとの間の空間を閉じる。
そして、第3工程において、膜触媒層補強膜接合体12のアノード触媒層2aおよびカソード触媒層2c上に、図2の(c)に示すように、それぞれアノードガス拡散層3aおよびカソードガス拡散層3cを配置し、膜電極接合体10を形成する。
アノードガス拡散層3aおよびカソードガス拡散層3cには、上述した従来公知の基材を用いることができるが、この工程の前に、必要に応じて、常法により上記基材に撥水処理を施したり、上記基材(即ち、アノードガス拡散層3aおよびカソードガス拡散層3c)のうちの少なくともアノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cと接触する面に、常法により撥水カーボン層を設けたりしてもよい。
以上のようにして作製した膜電極接合体10を、例えば図1に示す構造を有するアノードセパレータ5aおよびカソードセパレータ5cで挟持することにより、本実施形態の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を得ることができる。
単電池複数個を含むスタックからなる高分子電解質形燃料電池を得る場合には、上記単電池複数個を積層し、得られた積層体の両端部にそれぞれ集電板、絶縁板および端板を配置し、全体を締結すればよい。
すなわち、上記第1製造方法によれば、上記のような本発明の高分子電解質形燃料電池をより容易に得ることができる。また、第1補強膜および第2補強膜の内縁が、それぞれ第1触媒層と第1ガス拡散層との間および第2触媒層と第2ガス拡散層との間に挿入されていることから、上記高分子電解質形燃料電池を作製する際に上記第1補強膜および上記第2補強膜の位置合わせが容易となり、上記構造を有する高分子電解質形燃料電池をより容易かつ確実に作製することができる。
次に、本実施形態の高分子電解質形燃料電池の好適な第2製造方法は、
第1ガス拡散層の一方の面および第2ガス拡散層の一方の面にそれぞれ枠状の第1補強膜および第2補強膜を配置し、第1ガス拡散層補強膜接合体および第2ガス拡散層補強膜接合体を形成する第1工程と、
第1ガス拡散層補強膜接合体のうちの第1ガス拡散層および第1補強膜の上に、アノード触媒層を形成して、第1ガス拡散層補強膜触媒層接合体を得るとともに、第2ガス拡散層補強膜接合体のうちの第2ガス拡散層および第2補強膜の上に、カソード触媒層を形成して、第2ガス拡散層補強膜触媒層接合体を得る第2工程と、
上記第1ガス拡散層補強膜触媒層接合体と上記第2ガス拡散層補強膜触媒層接合体とを、アノード触媒層およびカソード触媒層が対向するように高分子電解質膜を介して、接合させて膜電極接合体を得る第3工程と、を含むこと、
を特徴とする。
図3は、本実施形態の高分子電解質形燃料電池の第2製造方法の工程図である。
まず、第1工程においては、図3の(a)に示すように、アノードガス拡散層3aの一方の面およびカソードガス拡散層3cの一方の面に、それぞれ第1補強膜4aおよび第2補強膜4cを配置し、第1ガス拡散層補強膜接合体13aおよび第2ガス拡散層補強膜接合体13cを形成する。
次に、第2工程においては、図2の(b)に示すように、第1ガス拡散層補強膜接合体13aのうちの第1ガス拡散層3aおよび第1補強膜4aの上に、アノード触媒層2aを形成して、第1ガス拡散層補強膜触媒層接合体14aを得るとともに、第2ガス拡散層補強膜接合体13cのうちの第2ガス拡散層3cおよび第2補強膜4cの上に、カソード触媒層2cを形成して、第2ガス拡散層補強膜触媒層接合体14cを得る。
このとき、アノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cは、上述したように触媒層形成用インクを調製し、得られた触媒層形成用インクを、第1ガス拡散層3aおよび第1補強膜4aの上ならびに第2ガス拡散層3cおよび第2補強膜4cの上に、塗布して形成する。
続く第3工程においては、図3の(c)に示すように、第1ガス拡散層補強膜触媒層接合体14aのうちのアノード触媒層2aおよび第1補強膜4aの上に、高分子電解質膜1を配置し、半膜電極接合体15aを得る。このとき、高分子電解質膜1を構成する高分子電解質を含む原料液をキャスト法等により塗布することにより、高分子電解質膜1を形成するのが好ましい。もちろん、上述したような種々の既に成型された高分子電解質膜を用いてもよい。なお、ここでは、第1ガス拡散層補強膜触媒層接合体14aのうちのアノード触媒層2aおよび第1補強膜4aの上に、高分子電解質膜1を配置するとしたが、第2ガス拡散層補強膜触媒層接合体14cのうちのカソード触媒層2cおよび第2補強膜4cの上に、高分子電解質膜1を配置してもよい。
ついで第4工程において、図3の(d)に示すように、半膜電極接合体15aと第2ガス拡散層補強膜触媒層接合体14cとを、アノード触媒層2aとカソード触媒層2cとが対向するように重ね合わせて接合し、第1補強膜4aおよび第2補強膜4cを互いの方向に折り曲げ、第1補強膜4aおよび第2補強膜4cの外側の周縁部を互いに接触させ、膜電極接合体10を得る。
以上のようにして作製した膜電極接合体10を、例えば図1に示す構造を有するアノードセパレータ5aおよびカソードセパレータ5cで挟持することにより、本実施形態の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を得ることができる。
単電池複数個を含むスタックからなる高分子電解質形燃料電池を得る場合には、上記単電池複数個を積層し、得られた積層体の両端部にそれぞれ集電板、絶縁板および端板を配置し、全体を締結すればよい。
すなわち、上記第2製造方法によれば、高分子電解質膜よりも取り扱い性に優れるガス拡散層に補強膜を配置することから、高分子電解質膜に損傷を与えることなく、上記のような本発明の高分子電解質形燃料電池をより容易に得ることができる。また、第1補強膜および第2補強膜の内縁が、それぞれ第1触媒層と第1ガス拡散層との間および第2触媒層と第2ガス拡散層との間に挿入されていることから、上記高分子電解質形燃料電池を作製する際に上記第1補強膜および上記第2補強膜の位置合わせが容易となり、上記構造を有する高分子電解質形燃料電池をより容易かつ確実に作製することができる。
[第二実施形態]
図4は、本発明の高分子電解質形燃料電池の第二実施形態について説明する。この第二実施形態の高分子電解質形燃料電池は、図1に示した第一実施形態の単電池を構成する膜電極接合体10のうちの高分子電解質膜、第1補強膜および第2補強膜を異なる構成に代えたものであり、高分子電解質膜、第1補強膜および第2補強膜以外の構成は第一実施形態と同様である。
以下、第二実施形態の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池のうちの、膜電極接合体10について説明する。図4は、第二実施形態の単電池の概略断面図である。
図4に示すように、本実施形態においては、高分子電解質膜41の外縁が、第1補強膜44aの外縁および第2補強膜44cの外縁と略一致しており、上記第一実施形態のように第1補強膜と第2補強膜とは接していない。
このような構成によっても、膜触媒層接合体10の周縁部のうちの高分子電解質膜41の第1主面および第2主面にそれぞれ配置された第1補強膜44aおよび第2補強膜44cによって、高分子電解質膜41がより確実に補強され、燃料ガスおよび酸化剤ガスが高分子電解質膜41を透過するクロスオーバーをより確実に抑制することができ、電池性能の低下および高分子電解質膜41の劣化をより確実に抑制することができる。
さらに、アノードおよびカソードの周縁部において、高分子電解質膜41と第1補強膜44aおよび第2補強膜44cとが接合されているため、第1補強膜44aおよび第2補強膜44cと膜触媒層接合体(図示せず)との接着強度を向上させることができ、アノード触媒層2aおよびカソード触媒層2cが上記接合部分に重なって発電に寄与しない部分の面積を小さくし、発電に寄与しない触媒の割合を少なくすることができる。そして、第1補強膜44aおよび第2補強膜44cが高分子電解質膜41上に配置されていることから、高分子電解質膜41を接着剤として利用することができ、コンタミネーションになり得る接着剤を不要にすることができる。
また、第1補強膜44aの内縁が、アノード触媒層2aとアノードガス拡散層3aとの間に挿入され、第2補強膜44cの内縁が、カソード触媒層2cとカソードガス拡散層3cとの間に挿入されていることから、図4に示す単電池を作製する際に第1補強膜44aおよび第2補強膜44cの位置合わせが容易となり、上記構造を有する高分子電解質形燃料電池をより容易かつ確実に作製することができる。
また、高分子電解質膜41上において、アノード触媒層2aと第1補強膜44aとが重なり、カソード触媒層2cと第2補強膜44cとが重なっていることにより、上記単電池の作製時に高分子電解質膜41が収縮したとしても、第1補強膜44aとアノード触媒層2aとの間および第2補強膜44cとカソード触媒層2cとの間に高分子電解質膜41の露出部分が形成されない。即ち、かかる露出部分が形成された場合と異なり、アノードガス拡散層3aおよびカソードガス拡散層3cが高分子電解質膜41に直接接触して高分子電解質膜1に損傷を与えることはなく、燃料ガスや酸化剤ガス等のガスのクロスオーバーをより確実に抑制することができ、電池電圧の低下や高分子電解質膜41の劣化をより確実に抑制することができる。
すなわち、本実施形態によれば、取り扱い性および強度に優れ、かつ、一方の電極から他方の電極へのガスのクロスオーバーをより確実に抑制することができ、高分子電解質膜の劣化を抑制して耐久性を十分に確保した高分子電解質形燃料電池を実現することができる。
なお、本実施形態の高分子電解質形燃料電池は、上記第一実施形態において説明したものと同様の方法によって作製することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるわけではなく、本発明の思想を逸脱せずその効果を損なわない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、アノード側およびカソード側の両方に補強膜が設けられる場合について説明したが、いずれか一方に補強膜を設けても本発明の効果を得ることができる。また、アノードセパレータおよびカソードセパレータにそれぞれ設けられるアノードガス流路およびカソードガス流路の形状等も特に限定されるものではなく、種々の形状等を採用することができる。
また、先に述べた、本発明の高分子電解質形燃料電池の好適な実施形態においては、1個の単電池のみからなる高分子電解質形燃料電池について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。単電池を複数積層したスタックの構成を有する高分子電解質形燃料電池も本発明の範囲に含まれる。
さらに上記実施形態においては、アノードセパレータおよびカソードセパレータに設けるべき冷却流体用流路を省略して説明したが、アノードセパレータおよびカソードセパレータの両方に冷却流体用流路を設けても、アノードセパレータおよびカソードセパレータのうちの少なくとも一方に冷却流体用流路を設けてもよい。特に、複数の単電池1を積層して得られるスタックを本発明の高分子電解質形燃料電池として用いる場合は、2〜3個の単電池毎に、1つの冷却流体用流路を設けてもよい。
本発明の高分子電解質形燃料電池は、電気自動車や家庭用コジェネレーションシステム等に好適に用いられる。
本発明の高分子電解質形燃料電池の第一実施形態に搭載される単電池の構成を示す概略断面図である。 本発明の高分子電解質形燃料電池の第一実施形態の第1製造方法の工程図である。 本発明の高分子電解質形燃料電池の第一実施形態の第2製造方法の工程図である。 本発明の高分子電解質形燃料電池の第二実施形態に搭載される単電池の構成を示す概略断面図である。 従来の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池の構成を示す概略断面図である。 従来の高分子電解質形燃料電池に搭載される別の単電池の構成を示す概略断面図である。 従来の高分子電解質形燃料電池に搭載されるさらに別の単電池の構成を示す概略断面図である。
符号の説明
1、41、101、201、301・・・高分子電解質膜、2a、102a、302a・・・アノード触媒層、2c、102c、302c・・・カソード触媒層、3a、103a、303a・・・アノードガス拡散層、3c、103c、303c・・・カソードガス拡散層、4a、44a、104a、204a・・・第1補強膜、4c、44c、104c、204c・・・第2補強膜、5a、105a、205a・・・アノードセパレータ、5c、105c、205c・・・カソードセパレータ、6a、6c、106a、106c、206a、206c、306a、306c・・・ガスケット、7a・・・アノードガス流路、7c・・・カソードガス流路、10、110、210、310・・・膜電極接合体、12・・・膜触媒層補強膜接合体、13a・・・第1ガス拡散層補強膜接合体、13c・・・第2ガス拡散層補強膜接合体、14a・・・第1ガス拡散層補強膜触媒層接合体、14c・・・第2ガス拡散層補強膜触媒層接合体、15a・・・半膜電極接合体、203a・・・アノード、203c・・・カソード、309a、309c・・・補助ガスケット。

Claims (11)

  1. 水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜と、
    前記高分子電解質膜の第1主面および第2主面にそれぞれ配置され、前記高分子電解質膜とともに膜触媒層接合体を構成する第1触媒層および第2触媒層と、
    前記高分子電解質膜の前記第1主面に配置された枠状の第1補強膜と、
    前記第1触媒層および前記第2触媒層上にそれぞれ配置された第1ガス拡散層および第2ガス拡散層と、を含み、
    前記高分子電解質膜の外縁が前記第1触媒層の外縁および前記第2触媒層の外縁よりも外側に突出しており、
    前記膜触媒層接合体において前記高分子電解質膜が突出して形成する周縁部に前記第1補強膜が配置されており、
    前記第1補強膜の内縁が、前記第1触媒層と前記第1ガス拡散層との間に挿入されていること、
    を特徴とする高分子電解質形燃料電池。
  2. 前記高分子電解質膜の前記第2主面に配置された枠状の第2補強膜を含み、
    前記膜触媒層接合体において前記高分子電解質膜が突出して形成する周縁部に前記第2補強膜が配置されており、
    前記第2補強膜の内縁が、前記第2触媒層と前記第2ガス拡散層との間に挿入されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池。
  3. 前記高分子電解質膜の外縁が前記第1補強膜の外縁と略一致していること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の高分子電解質形燃料電池。
  4. 前記高分子電解質膜の外縁が前記第2補強膜の外縁と略一致していること、
    を特徴とする請求項1〜3のうちのいずれかに記載の高分子電解質形燃料電池。
  5. 水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜と;前記高分子電解質膜の第1主面および第2主面にそれぞれ配置され、前記高分子電解質膜とともに膜触媒層接合体を構成する第1触媒層および第2触媒層と;前記高分子電解質膜の前記第1主面および前記第2主面にそれぞれ配置された枠状の第1補強膜および第2補強体のうちの少なくとも一方と;前記第1触媒層および前記第2触媒層上にそれぞれ配置された第1ガス拡散層および第2ガス拡散層と;を含み、前記高分子電解質膜の外縁が前記第1触媒層の外縁および前記第2触媒層の外縁よりも外側に突出しており、前記膜触媒層接合体において前記高分子電解質膜が突出して形成する周縁部に前記第1補強膜および前記第2補強膜のうちの少なくとも一方が配置されており、前記第1補強膜および前記第2補強膜のうちの少なくとも一方の内縁が、それぞれ前記第1触媒層と前記第1ガス拡散層との間および前記第2触媒層と前記第2ガス拡散層との間のうちの少なくとも一方に挿入されている、高分子電解質形燃料電池の製造方法であって、
    水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜の第1主面および第2主面に、それぞれ第1触媒層および第2触媒層を配置し、前記高分子電解質膜の外縁が前記第1触媒層の外縁および前記第2触媒層の外縁よりも外側に突出している膜触媒層接合体を形成する第1工程と、
    前記膜触媒層接合体の周縁部において前記高分子電解質膜の前記第1主面に枠状の第1補強膜を配置し、膜触媒層補強膜接合体を形成する第2工程と、
    前記膜触媒層補強膜接合体の前記第1触媒層および前記第2触媒層上に、それぞれ第1ガス拡散層および第2ガス拡散層を配置し、膜電極接合体を形成する第3工程と、を含み、
    前記第1補強膜の内縁が、前記第1触媒層と前記第1ガス拡散層との間に挿入されるようにすること、
    を特徴とする高分子電解質形燃料電池の製造方法。
  6. 前記第2工程において、前記膜触媒層接合体の周縁部のうちの前記高分子電解質膜の前記第2主面に枠状の第2補強膜を配置すること、
    を特徴とする請求項5に記載の高分子電解質形燃料電池の製造方法。
  7. 前記高分子電解質膜の外縁が前記第1補強膜の外縁と略一致していること、
    を特徴とする請求項5または6に記載の高分子電解質形燃料電池の製造方法。
  8. 前記高分子電解質膜の外縁が前記第2補強膜の外縁と略一致していること、
    を特徴とする請求項5〜7のうちのいずれかに記載の高分子電解質形燃料電池の製造方法。
  9. 水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜と;前記高分子電解質膜の第1主面および第2主面にそれぞれ配置され、前記高分子電解質膜とともに膜触媒層接合体を構成する第1触媒層および第2触媒層と;前記高分子電解質膜の前記第1主面および前記第2主面にそれぞれ配置された枠状の第1補強膜および第2補強体のうちの少なくとも一方と;前記第1触媒層および前記第2触媒層上にそれぞれ配置された第1ガス拡散層および第2ガス拡散層と;を含み、前記高分子電解質膜の外縁が前記第1触媒層の外縁および前記第2触媒層の外縁よりも外側に突出しており、前記膜触媒層接合体において前記高分子電解質膜が突出して形成する周縁部に前記第1補強膜および前記第2補強膜のうちの少なくとも一方が配置されており、前記第1補強膜および前記第2補強膜のうちの少なくとも一方の内縁が、それぞれ前記第1触媒層と前記第1ガス拡散層との間および前記第2触媒層と前記第2ガス拡散層との間のうちの少なくとも一方に挿入されている、高分子電解質形燃料電池の製造方法であって、
    第1ガス拡散層の一方の面に枠状の第1補強膜を配置し、第1ガス拡散層補強膜接合体を形成する第1工程と、
    前記第1ガス拡散層補強膜接合体のうちの前記第1ガス拡散層および前記第1補強膜の上に、第1触媒層を形成する第2工程と、を含むこと、
    を特徴とする高分子電解質形燃料電池の製造方法。
  10. 前記第1工程において、第2ガス拡散層の第2主面に前記第2補強膜を配置し、第2ガス拡散層補強膜接合体を形成し、
    前記第2工程の後に、第1ガス拡散層補強膜接合体と第2ガス拡散層補強膜接合体とを、前記高分子電解質膜を介して接合し、膜電極接合体を形成する第3工程を含むこと、
    を特徴とする請求項9に記載の高分子電解質形燃料電池の製造方法。
  11. 前記第3工程において、前記第1ガス拡散層補強膜接合体と前記第2ガス拡散層補強膜接合体との間に、前記高分子電解質膜の原料液をキャストして前記第1ガス拡散層補強膜接合体と前記第2ガス拡散層補強膜接合体とを接合すること、
    を特徴とする請求項10に記載の高分子電解質形燃料電池の製造方法。
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