JP2006216368A - 電解質膜・電極接合体及びその製造方法並びに燃料電池 - Google Patents

電解質膜・電極接合体及びその製造方法並びに燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】電極触媒の利用効率に優れる電解質膜・電極接合体及び該電解質膜・電極接合体の製造方法並びに該電解質膜・電極接合体を有する燃料電池を提供する。
【解決手段】イオン性高分子42及び非イオン性高分子を含有する高分子電解質膜41のイオン性高分子42上に電極が選択的に形成されている電解質膜・電極接合体の製造方法は、電極を形成する電極触媒43を含有する液体中に、高分子電解質膜41を浸漬し、膜厚方向に電界を印加することにより、電極触媒43をイオン性高分子42上に選択的に堆積させる工程を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電解質膜・電極接合体及びその製造方法並びに燃料電池に関する。
温暖化ガスに代表される環境問題の観点から、クリーンエネルギー源としての燃料電池が急ピッチで開発されている。特に、固体電解質型燃料電池は、低温で作動できることや小型で高い出力密度を有することから、研究開発が活発に進められている。その中で、電極の製造において、白金の使用量の低減がコストを低減するための課題となっている。
そこで、従来から燃料の電極への高い拡散性と、燃料と電極触媒と電解質の界面(三相界面)の形成は、燃料電池の安定稼動に不可欠な要素と考えられており、電極の形態として、電極基材と電解液層の間に電極触媒の粒度勾配を持たせたものが知られている(特許文献1参照)。粒子径の大きい電極触媒を電極基材側に配することにより、燃料の拡散性が向上し、粒子径の小さい電極触媒を電解液層側に配することにより、電極触媒と電解質との界面が増加して発電特性が向上する。また、電極触媒と電解質の界面を増加させる方法として、電極触媒を分散させた溶液中に電解質液を添加したものを、ガス拡散層に塗布する方法が知られている(特許文献2参照)。これらの電極は、三相界面の形成を改善しているが、電解質膜に均一に形成されている。このため、近年開発されている、強度に寄与する部材中に、導電性に寄与する部材が島状に存在するような電解質膜を用いる場合、導電性に寄与しない部分にまで電極を形成することになり、電極触媒の利用効率が不十分である。
特開平2−18862号公報 特開平8−264190号公報
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、電極触媒の利用効率に優れる電解質膜・電極接合体及び該電解質膜・電極接合体の製造方法並びに該電解質膜・電極接合体を有する燃料電池を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、少なくとも、イオン性高分子及び非イオン性高分子を含有する電解質膜と電極が接合されている電解質膜・電極接合体において、前記電極は、前記イオン性高分子上に選択的に形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、前記電極は、前記イオン性高分子上に選択的に形成されているので、電極触媒の利用効率に優れる電解質膜・電極接合体を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電解質膜・電極接合体において、前記電解質膜は、少なくとも、前記イオン性高分子及び前記非イオン性高分子を含有する材料に電界を印加することにより形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記電解質膜は、少なくとも、前記イオン性高分子及び前記非イオン性高分子を含有する材料に電界を印加することにより形成されているので、イオン伝導度が良好な電解質膜を得ることができる。
請求項3に記載の発明は、少なくとも、第一のイオン性高分子及び非イオン性高分子を含有する電解質膜と電極が接合されている電解質膜・電極接合体を製造する電解質膜・電極接合体の製造方法において、前記電極を形成する電極触媒を含有する液体中に、前記電解質膜を浸漬し、前記電解質膜の膜厚方向に電界を印加することにより、前記電極触媒を前記第一のイオン性高分子上に選択的に堆積させる工程を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、前記電極を形成する電極触媒を含有する液体中に、前記電解質膜を浸漬し、前記電解質膜の膜厚方向に電界を印加することにより、前記電極触媒を前記第一のイオン性高分子上に選択的に堆積させる工程を有するので、電極触媒の利用効率に優れる電解質膜・電極接合体の製造方法を提供することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の電解質膜・電極接合体の製造方法において、前記液体は、第二のイオン性高分子をさらに含有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、前記液体は、第二のイオン性高分子をさらに含有するので、電極触媒の分散性を向上させることができる。
請求項5に記載の発明は、電解質膜・電極接合体において、請求項3又は4に記載の電解質膜・電極接合体の製造方法を用いて製造されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、請求項3又は4に記載の電解質膜・電極接合体の製造方法を用いて製造されているので、電極触媒の利用効率に優れる電解質膜・電極接合体を提供することができる。
請求項6に記載の発明は、燃料電池において、請求項1、2及び5のいずれか一項に記載の電解質膜・電極接合体を有することを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1、2及び5のいずれか一項に記載の電解質膜・電極接合体を有するので、電極触媒の利用効率に優れる燃料電池を提供することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の燃料電池において、アルコールを含有する燃料を用いて発電することを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、アルコールを含有する燃料を用いて発電するので、堆積エネルギー密度に優れる燃料電池を得ることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の燃料電池において、前記アルコールは、エタノールであることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、前記アルコールは、エタノールであるので、安全性が高い燃料電池を得ることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の燃料電池において、ルテニウム、イリジウム、タングステン及びスズからなる群より選択される二種以上の金属並びに白金を含有するアノードを有することを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、ルテニウム、イリジウム、タングステン及びスズからなる群より選択される二種以上の金属並びに白金を含有するアノードを有するので、触媒被毒を抑制することができる。
本発明によれば、電極触媒の利用効率に優れる電解質膜・電極接合体及び該電解質膜・電極接合体の製造方法並びに該電解質膜・電極接合体を有する燃料電池を提供することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に説明する。
図1に、プロトン伝導型固体高分子電解質を使用した燃料電池の発電概念図を示す。基本的構成要素として、中心に電解質膜11が存在し、その両側にアノード12及びカソード13が配置された電解質膜・電極接合体(以下、MEAという)、セパレータ14を有している。プロトン伝導型の電解質膜11が使用される場合は、アノード12側にプロトン源となる燃料(水素、アルコール等)が供給され、アノード12の電極触媒により燃料からプロトンが発生する。この時、発生する電子は、外部回路に流れ出る。発生したプロトンは、電解質膜11中を伝搬し、カソード13に達する。カソード13に酸化剤(空気、酸素等)が供給されることにより、プロトンと酸素と外部回路を流れて来る電子とが反応し、水を生成する。以上が発電の概念で、燃料として、水素を用いた場合の反応式は、以下のようになる。
アノード反応:H→2H+2e
カソード反応:2H+1/2O+2e→H
全反応:H+1/2O→H
このような反応が進行するためには、MEAにおいて、燃料と電極触媒と電解質の界面(三相界面)が十分形成されている必要がある。燃料は、電極触媒の表面で活性化されることにより、アノードに電子を与え、生成したプロトン等のイオンは、電解質を拡散伝搬する。このためには、燃料と、燃料を活性化して電子を伝搬する電極触媒と、プロトンを伝搬する電解質の三相の界面が形成されている必要がある。実際には、電極触媒の表面に電解質が存在していても、水素は、透過することができるので、反応は進行するが、この場合も反応は、三相界面で行われている。さらに、メタノール、エタノール等の液体燃料の場合においても、電解質を浸透することができるので、同様に反応が進行する。このように、三相界面をより多く効果的に形成して良好な発電特性を得るためには、電極の構造が重要となる。
本発明において、電解質膜は、少なくとも、非イオン性高分子及びイオン性高分子を含有する材料に電界を印加することにより形成されていることが好ましい。これにより、イオン伝導度が良好な電解質膜を得ることができる。このとき、非イオン性高分子及びイオン性高分子を含有する材料は、少なくとも一方が溶融状態か、溶剤に溶解した状態であることが好ましい。
図2に、電解質膜を製造する際に使用する電界印加装置の一例を示す。イオン性高分子及び非イオン性高分子を含有する塗液21が塗布された基板22を電極23上に設置する。このとき、基板22は、予め電極23に設置されていてもよく、この場合には、塗液21は、電極23に設置された基板22に塗布される。次に、塗液21が固化する前に、電源25により、電極23及び電極24の間に所定の強度の電界を所定の方向に印加する。すなわち、塗液21に電界を印加する。塗液21が固化して電解質膜が形成された後、電界を除去し、電解質膜を基板22から剥離する。
基板22の材料としては、固化した電解質膜の剥離性が良好であり、塗液21に電界を印加する効率が高い樹脂材料が好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
塗液21に印加する電界の強度は、非イオン性高分子及びイオン性高分子の種類等に依存するため、適宜設定することが好ましい。また、電界は、固化した電解質膜よりも塗液21に作用しやすいため、電界は、固化する前に印加することが好ましい。
このようにして得られる電解質膜のイオン伝導性の向上は、電界の作用によって、イオン性高分子が、電解質膜中に電界の方向にイオンチャンネル(イオンの通り道)を形成すること及び電界分散効果によって、電解質膜中に非イオン性高分子及びイオン性高分子が、微視的に、より均一化して分布することに起因すると考えられる。
非イオン性高分子は、電解質膜の成膜性を向上させたり、電解質膜の機械的強度を向上させたり、イオン性高分子の会合を低減することにより、イオン性高分子からのイオンの解離能力を向上させたりするために使用される。
電解質膜の機械的強度及び化学的安定性を補うために混合する良好な成膜性を備えた非イオン性高分子としては、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体等が挙げられる。中でも、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体が好ましい。
非イオン性高分子は、二種類以上のモノマーを共重合させることによって得られる共重合体であることが好ましく、三種類以上のモノマーを共重合させることによって得られる共重合体がさらに好ましい。また、非イオン性高分子を構成する、異なる構成単位が、媒質に対して異なる相溶性を有するため、非イオン性高分子を構成する構成単位の種類が多い程、非イオン性高分子とイオン性高分子の相溶性、イオン性高分子中の非イオン性高分子の分散性、イオン性高分子の安定性を向上させることができる。
イオン性高分子としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリエステルホスホン酸、ポリ(アシッドホスホオキシエチルメタクリレート)、ポリ(アシッドホスホオキシ(クロロプロピル)メタクリレート)、ポリ(アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート)、ポリ(アシッドホスホオキシエチルアクリレート)、ポリ(アシッドホスホオキシ(ポリオキシエチレングリコール)メタクリレート)、ポリ(アシッドホスホ(ポリオキシプロピレングリコール)メタクリレート)等の炭化水素系樹脂、ポリフルオロアルキルスルホン酸、ポリフルオロアルキルカルボン酸等のフッ素系樹脂が挙げられる。イオン性高分子の化学的安定性の点では、フッ素系樹脂を用いることが好ましい。
図3に電解質膜の一例を示す。図3(a)に示すように、電解質膜は、非イオン性高分子31中にイオン性高分子32が存在すると共に、イオン性高分子32が膜厚方向に配向している。本発明においては、図3(b)に示すように、電極33は、イオン性高分子32上に選択的に形成されているが、イオン性高分子32の直径は、10〜50μm程度であり、ランダムに配置されているので、塗布の精密な制御が必要となる。なお、電極がイオン性高分子上に選択的に形成されているとは、イオン性高分子上に形成された電極の量が非イオン性高分子上に形成された電極の量より多いことを意味する。
電解質膜に電極を形成する方法としては、以下のような方法が挙げられる。電解質膜の表面のイオン性高分子の存在する領域を電子顕微鏡で走査してデータ化した後、静電潜像を転写体に形成する。次に、静電潜像上に電極を形成し、転写体から電解質膜にその電極を転写する。なお、電極の転写は、電解質膜の片面ずつでも両面同時であってもよい。
また、別の方法としては、電解質膜の表面のイオン性高分子の存在する領域をパターン化して、電極触媒の分散液をノズルから直接電解質膜上に吐出させることにより電極を形成する方法が挙げられる。いずれの場合も、電極を形成する対象である電解質膜の位置合わせの精度が重要となる。
さらに、別の方法としては、電気泳動を用いて電解質膜に電極を形成する方法が挙げられる。電気泳動は、液体中で帯電している粒子に直流電場を印加することにより、粒子の帯電している極性と逆極性の電場方向に粒子を移動させる技術である。図4に示すように、電解質膜41のイオン性高分子42は、膜厚方向に貫通していることから電位勾配が生じるため、電気泳動で移動する電極触媒43をイオン性高分子42上に選択的に堆積させることができる。なお、電極触媒をイオン性高分子上に選択的に堆積させるとは、イオン性高分子上に堆積される電極触媒の量が非イオン性高分子上に堆積される電極触媒の量より多くなるように堆積させることを意味する。
図5に示す電気泳動装置では、電極触媒を堆積させる電解質膜は、挟持部材51に狭持されている。その両側に電解液が配置されているが、セル52には、電極触媒の分散液53が充填されており、もう一方のセル54には電界を印加しても反応しない電解液55を充填しておく。なお、電極触媒の分散液は、高分子電解質を含有することが好ましい。次に、セル52及び54に、それぞれ電極56及び57を浸漬し、電源58により、電界を印加し、電極触媒の電解質膜への堆積を制御する。電極触媒の堆積量は、電極触媒や高分子電解質の濃度と電界の強度で調節することができる。さらに、必要量堆積させたところで、MEAを乾燥させ、ホットプレスを行うことにより定着させてもよい。
本発明に用いられる電極触媒の分散液は、電極触媒が沈降しないことが望ましい。このとき、電極触媒の表面にイオン性高分子を吸着させることで、アルコール中においても安定に分散させることができる。なお、イオン性高分子としては、前述したものと同様のものを用いることができる。また、電極触媒の分散液の形態は、貧溶媒中に分散させたコロイドであってもよい。さらに、分散媒として、グリセリン等の高粘度溶媒を用いてもよい。このような電極触媒の分散液を用いることで、電極触媒の濃度勾配が発生しにくくなり、電解質膜の表面に電極触媒をより均一に堆積させることができる。
本発明で用いられる電極触媒としては、白金、ルテニウム等の金属触媒がカーボンに担持されているものが好ましい。電気泳動においては、高分子電解質中で分散している粒子径の小さいカーボン程、移動が早いため、電解質膜に近い程、粒子径が小さいカーボンが堆積し、電解質膜から離れる程、粒子径が大きいカーボンが堆積する。つまり、電解質膜側では、粒子径の小さい電極触媒が多く堆積するため、電極触媒と電解質膜との界面を増加させることができ、一方、電極の表面では、粒子径の大きい電極触媒が多く堆積するため、燃料を拡散しやすくすることができる。

本発明の燃料電池は、本発明のMEAを有する。燃料は、燃料電池に合わせて適宜選択されるが、燃料電池の小型化を実現するためには、体積エネルギー密度及び重量エネルギー密度に優れる燃料を使用することが好ましい。特に、体積エネルギー密度に優れる燃料が好ましい。したがって、気体燃料は、体積エネルギー密度に劣るため好ましくなく、液体燃料、固体燃料が好ましい。
これは、例えば、水素、メタノール及びエタノールをアノードで1分子酸化させることにより発生する電子数がそれぞれ2個、6個及び12個であることから、水素、メタノール及びエタノール1molから発生する電荷は、それぞれ理論値として、96500×2C、96500×6C及び96500×12Cとなる。常温常圧における密度、分子量を考慮し、水素、メタノール及びエタノール1ccから発生する電荷量に換算すると、それぞれ約9C/cc、約14400C/cc及び約15200C/ccとなる。このことから、常温常圧における水素の体積エネルギー密度は、著しく低くなる。メタノール及びエタノールの酸化反応には、反応式
CHOH+HO→6H+6e+CO
OH+3HO→12H+12e+2CO
に示すように、水分子がそれぞれ1分子及び3分子必要であるが、このことを加味しても液体燃料が優れることは明らかである。
高圧状態の水素又は液体水素を使用することも可能であるが、容器を堅牢にする必要があり、容器込みのエネルギー密度を考慮すると、常温常圧で液体又は固体である燃料が優れている。
本発明の燃料電池には、水素吸蔵合金に蓄えた水素、ガソリン、炭化水素、アルコール等の固体燃料又は液体燃料が使用できるが、燃料電池の小型化が可能な点、体積エネルギー密度に優れる点より、アルコールを使用することが好ましい。中でも、炭素数が4以下であるアルコールを使用することが好ましく、安全性が高く、生合成が可能である点(環境面)からエタノールを使用することがさらに好ましい。
本発明の燃料電池のアノードに使用する電極触媒の好ましい形態について述べる。
燃料中に微量存在する一酸化炭素や、その他の微量な不純物により燃料電池の機能を損なう問題(触媒被毒)がある。一酸化炭素による触媒被毒の問題は、従来から検討されており、これを低減するために提案されている電極触媒に白金−ルテニウム合金触媒がある。しかしながら、溶液中のメタノールやエタノールの酸化における触媒化学反応の阻害要因は、一酸化炭素による被毒では説明できないことも多い。これは、メタノールやエタノールが多数の素反応を経て酸化されるためである。
本発明においては、メタノールの酸化には、白金と、ルテニウム又はイリジウムからなる電極触媒が好ましく、エタノールの酸化には、ルテニウム、イリジウム、タングステン及びスズからなる二種以上の金属並びに白金からなる電極触媒を使用することが好ましい。これらの電極触媒が好適な理由は定かではないが、メタノール、エタノールの複雑な反応素過程の進行促進に本触媒が寄与していると考えられる。
(実施例1)
負極用の電極触媒の分散液53として、白金担持カーボンと、ナフィオン溶液(Dupont社製)と、グリセリンを混合した分散液を調製した。正極用の電解液55には、過塩素酸水溶液を用意し、図5に示す電気泳動装置のセル52及び54にそれぞれ入れた。セルの中央に、電解質膜として、グラフト型フッ素樹脂に、ポリスチレンスルホン酸が膜厚方向に配向している膜を配置した。負極56及び正極57をそれぞれ電極触媒の分散液53及び電解液55に浸し、電源58により、電界を印加した。
電極触媒が堆積された膜を乾燥させた後、ホットプレスを行い、電解質膜に電極触媒を定着させることにより、MEAを作成した。電子顕微鏡でMEAの表面観察を行ったところ、電極は、イオン性高分子上に選択的に形成されていることが確認された。
(実施例2)
負極用の電極触媒の分散液53として、白金担持カーボンと、ナフィオン溶液と、エタノールを超音波分散させた分散液を調製した。正極用の電解液55には、過塩素酸水溶液を用意し、図5に示すセル52及び54にそれぞれ入れた。セルの中央に、電解質膜として、グラフト型フッ素樹脂に、ポリアクリル酸が膜厚方向に配向している膜を配置した。負極56及び正極57をそれぞれ電極触媒の分散液53及び電解液55に浸し、電源58により、電界を印加した。
電極触媒が堆積された膜を乾燥させた後、ホットプレスを行い、電解質膜に電極触媒を定着させることにより、MEAを作成した。電子顕微鏡でMEAの表面観察を行ったところ、電極は、イオン性高分子上に選択的に形成されていることが確認された。
(比較例1)
負極用の電極触媒の分散液53として、白金担持カーボンと、ナフィオン溶液と、エタノールを超音波混合した分散液を調製した。正極用の電解液55には、過塩素酸水溶液を用意し、図5に示すセル52及び54にそれぞれ入れた。セルの中央に、電解質膜として、Nafion膜(Dupont社製)配置した。負極56及び正極57をそれぞれ電極触媒の分散液53及び電解液55に浸し、電源58により、電界を印加した。
電極触媒が堆積された膜を乾燥させた後、ホットプレスを行い、電解質膜に電極触媒を定着させることにより、MEAを作成した。電子顕微鏡でMEAの表面観察を行ったところ、電極は、電解質膜上に均一に形成されていることが確認された。
燃料電池の発電概念を示す図である。 電界印加装置の一例を示す図である。 電解質膜の一例を示す図であり、(a)は、電極が形成される前の図、(b)は、電極が形成された後の図である。 電気泳動を用いて電解質膜に電極を形成する方法を示す図である。 電気泳動装置の一例を示す図である。
符号の説明
11 電解質膜
12 アノード
13 カソード
14 セパレータ
21 塗液
22 基板
23、24 電極
25 電源
31 非イオン性高分子
32 イオン性高分子
33 電極
41 電解質膜
42 イオン性高分子
43 電極触媒
51 挟持部材
52、54 セル
53 電極触媒の分散液
55 電解液
56 負極
57 正極
58 電源

Claims (9)

  1. 少なくとも、イオン性高分子及び非イオン性高分子を含有する電解質膜と電極が接合されている電解質膜・電極接合体において、
    前記電極は、前記イオン性高分子上に選択的に形成されていることを特徴とする電解質膜・電極接合体。
  2. 前記電解質膜は、少なくとも、前記イオン性高分子及び前記非イオン性高分子を含有する材料に電界を印加することにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電解質膜・電極接合体。
  3. 少なくとも、第一のイオン性高分子及び非イオン性高分子を含有する電解質膜と電極が接合されている電解質膜・電極接合体を製造する電解質膜・電極接合体の製造方法において、
    前記電極を形成する電極触媒を含有する液体中に、前記電解質膜を浸漬し、前記電解質膜の膜厚方向に電界を印加することにより、前記電極触媒を前記第一のイオン性高分子上に選択的に堆積させる工程を有することを特徴とする電解質膜・電極接合体の製造方法。
  4. 前記液体は、第二のイオン性高分子をさらに含有することを特徴とする請求項3に記載の電解質膜・電極接合体の製造方法。
  5. 請求項3又は4に記載の電解質膜・電極接合体の製造方法を用いて製造されていることを特徴とする電解質膜・電極接合体。
  6. 請求項1、2及び5のいずれか一項に記載の電解質膜・電極接合体を有することを特徴とする燃料電池。
  7. アルコールを含有する燃料を用いて発電することを特徴とする請求項6に記載の燃料電池。
  8. 前記アルコールは、エタノールであることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池。
  9. ルテニウム、イリジウム、タングステン及びスズからなる群より選択される二種以上の金属並びに白金を含有するアノードを有することを特徴とする請求項8に記載の燃料電池。
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