JP2007042600A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池内における液体燃料のクロスオーバを低減することができ、カソードでのメタノール酸化反応による電圧低下を抑制し、セル特性の向上を図ることができる燃料電池を提供する。
【解決手段】本発明のセル151は、電解質層171の両側にアノード121及びカソード131を配置し、前記アノード121に液体燃料を供給すると共に前記カソード131に酸化剤を供給するものであって、前記液体燃料と錯体を形成する燃料錯体形成物質125を含む。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明のセル151は、電解質層171の両側にアノード121及びカソード131を配置し、前記アノード121に液体燃料を供給すると共に前記カソード131に酸化剤を供給するものであって、前記液体燃料と錯体を形成する燃料錯体形成物質125を含む。
【選択図】 図2
Description
本発明は、液体燃料を直接燃料電池に供給し、電力を発生させる燃料電池に関するものである。
燃料電池は水素と酸素とから電気エネルギを発生させる装置であり、高い発電効率を得ることができる。燃料電池の主な特徴としては、従来の発電方式のように熱エネルギや運動エネルギの過程を経ない直接発電であるので、小規模でも高い発電効率が期待でき、窒素化合物等の排出が少なく、騒音や振動も小さいので環境性が良いなどが挙げられる。このように、燃料電池は燃料のもつ化学エネルギを有効に利用でき、環境にやさしい特性をもっているので、21世紀を担うエネルギ供給システムとして期待され、宇宙用から自動車用、携帯機器用まで、大規模発電から小規模発電まで、種々の用途に使用できる将来有望な新しい発電システムとして注目され、実用化に向けて技術開発が本格化している。
中でも、固体高分子形燃料電池は、他の種類の燃料電池に比べて、作動温度が低く、高い出力密度を持つ特徴が有り、特に近年、固体高分子形燃料電池の一形態として、ダイレクトメタノール燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell:DMFC)が注目を集めている。DMFCは、燃料であるメタノール水溶液を改質することなく直接アノードへ供給し、メタノール水溶液と酸素との電気化学反応により電力を得るものであり、この電気化学反応によりアノードからは二酸化炭素が、カソードからは生成水が、反応生成物として排出される。メタノール水溶液は水素に比べ、単位体積当たりのエネルギ密度が大きく、また、貯蔵に適しており、爆発などの危険性も低いため、自動車や携帯機器(携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA、MP3プレーヤ、デジタルカメラあるいは電子辞書(書籍))などの電源への利用が期待されている。
このDMFCでは、アノードに供給したメタノールが未反応のまま電解質膜を透過し、カソードに移動するクロスオーバと呼ばれる現象が生じる。このクロスオーバしたメタノールはカソード上で酸化されるため、セル電圧の低下を招き、電池の出力低下の原因となる。
そこで、この課題に対して、カソード側に水分を供給して電解質膜を十分に湿潤させることにより、アノードからカソードへの水の移動を減少させ、それに伴う液体燃料の透過を低減させる構造が提案されている(特許文献1参照)。しかし、カソードへ供給される酸化剤を加湿するための手段が必要となり、システムが複雑になるという問題がある。
特開2004−220844号公報
従来の燃料電池は、上記のように、アノードに供給したメタノール(液体燃料)が、未反応のまま電解質膜を透過してカソードにクロスオーバするため、セル電圧の低下を招き、電池の出力が低下するという問題があった。また、この問題を解決するために、特許文献1のような構成を採ると、システムが複雑になるという問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、燃料電池内における液体燃料のクロスオーバを低減することにより、カソードでのメタノール酸化反応によるセル電圧の低下を抑制し、セル特性の向上を図ることができる燃料電池を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明のセルは、電解質層の両側にアノード及びカソードが配置され、アノードに液体燃料を供給すると共にカソードに酸化剤が供給されるセルにおいて、液体燃料と錯体を形成する燃料錯体形成物質を含むことを特徴とする。ここで、錯体とは、中心イオンまたは中心原子に、別種のイオン、分子、多原子イオンが結合した集合体であり、燃料錯体形成物質とは、環状へミケタール、三フッ化ホウ素、など、セルに液体の状態で直接供給可能な燃料と結びつき、錯体を形成することができる物質をいう。また、アノードとは、燃料を酸化する電気化学反応が起こるアノード触媒層を備えた電極であり、また、カソードとは、酸化剤を還元する電気化学反応が起こるカソード触媒層を備えた電極のことをいう。本発明によれば、燃料錯体形成物質が液体燃料と錯体を形成するので、セル内における液体燃料のクロスオーバを低減することができ、カソードでのメタノール酸化反応による電圧低下を抑制し、セル特性の向上を図ることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のセルにおいて、電解質層のアノード側に設けられ、燃料錯体形成物質を含む燃料錯体形成層を備えることを特徴とする。請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、電解質層のアノード側に燃料錯体形成物質を含む燃料錯体形成層が設けられるので、アノードに供給された液体燃料が未反応のまま電解質層を透過してカソードに移動する、所謂、クロスオオーバを防ぐことができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のセルにおいて、燃料錯体形成層は、少なくとも、電解質層のアノード側であって、アノードが配置されない面に設けられることを特徴とする。請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加え、燃料錯体形成層は、少なくとも、電解質層のアノード側であって、アノードが配置されない面に設けられるので、アノード側に供給される液体燃料であって、アノードが形成されていない電解質層に直に接する液体燃料が、電解質層をクロスオーバすることを抑制することができる。
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載のセルにおいて、燃料錯体形成層が陽イオン交換体を含むことを特徴とする。請求項4の発明によれば、請求項2又は3記載の発明の効果に加え、燃料錯体形成層に含まれる陽イオン交換体が、燃料錯体形成物質間の結着性を高めると共に、燃料錯体形成層を介してアノードと電解質層との接着性を良好にすることができる。さらに、アノード反応により生成したプロトンを効率よく電解質層に伝導することが可能になる。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のセルにおいて、燃料錯体形成物質は、環状へミケタール又は三フッ化ホウ素であることを特徴とする。また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のセルにおいて、液体燃料は、メタノールを含むことを特徴とする。これによれば、アノードに供給されたメタノールがカソードへクロスオーバするのを効果的に防止することができると共に、メタノール燃料により高出力発電が可能になる。
請求項7記載の発明の燃料電池は、請求項1乃至6のいずれかに記載のセルを用いることを特徴とする。
その他にも、燃料錯体形成物質がアノード触媒層に含まれるような構成にすることにより、アノードに供給された液体燃料がアノード触媒層中に保持でき、液体燃料が電解質層を通ってカソードに移動することを防止できる。
また、前記アノード触媒層が、触媒粉末と陽イオン交換体とを含む第1触媒層と、触媒粉末と陽イオン交換体と燃料錯体形成物質とを含む第2触媒層と、が積層されて成り、第2触媒層が電解質層と接するように配置されるような構成とすることができる。これにより、アノードに供給された液体燃料が先ず第1触媒層に浸透し、第1触媒層でアノード反応が起こり、続いて、その反応に寄与しなかった液体燃料が第2触媒層に浸透し、第2触媒層ではアノード反応が起こると共に、余剰の液体燃料を保持することができるので、アノード触媒層の多くの領域においてアノード反応を阻害することなく、効率的に余剰の液体燃料が保持でき、液体燃料のカソードへの移動を防止することができる。
また、前記アノード触媒層を、触媒粉末と陽イオン交換体と燃料錯体形成物質とを含み、アノード触媒層の厚み方向に沿って、電解質層側により多くの燃料錯体形成物質が含まれるような構成にすることができる。これにより、アノード触媒層の多くの領域においてアノード反応を阻害することなく、効率的に余剰の液体燃料が保持でき、液体燃料のカソードへの移動を防止することができる。
また、燃料錯体形成物質が電解質層に含まれるような構成にすることにより、アノードに供給された液体燃料の中で、アノードでのアノード反応に寄与しない余剰の液体燃料を、電解質層を透過する際に電解質層中に保持でき、液体燃料がカソードに移動することを防止できる。特に、燃料錯体形成物質が電解質層の細孔(イオンクラスター)に含まれるように構成することにより、液体燃料が水に可溶な場合に、水の通路である電解質層のイオンクラスターが液体燃料の通路にもなることに対して、燃料錯体形成物質が電解質層のイオンクラスターに含まれるので、液体燃料をイオンクラスターに保持でき、液体燃料がカソードに移動することを防止できる。
また、電解質層と前記カソードとの界面に燃料錯体形成物質を含む燃料錯体形成層が配置されるような構成にすることにより、燃料錯体形成物質が電解質層とカソードとの界面に含まれるので、アノードに供給された液体燃料の中で、アノードでのアノード反応に寄与せずに電解質層を透過した余剰の液体燃料を、電解質層とカソードとの界面に保持でき、液体燃料がカソードに移動することを防止できる。そして、これに加えて、燃料錯体形成層が陽イオン交換体を含むような構成にすることにより、燃料錯体形成層に含まれる陽イオン交換体が、燃料錯体形成物質間の結着性を高めると共に、燃料錯体形成層を介して電解質層とカソードとの接着性を良好にすることができる。さらに、電解質層を通って伝導してきたプロトンを効率よくカソードに伝導することが可能になる。
本発明によれば、燃料電池内における液体燃料のクロスオーバを低減できるので、カソードでのメタノール酸化反応によるセル電圧の低下を抑制し、セル特性の向上を図ることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、液体燃料としてメタノールを使用した燃料電池の発電原理を模式的に示す図である。燃料電池11は、メタノールを図示しない燃料供給源から直接アノード(燃料極)21に供給し、空気中に含まれる酸素をカソード(空気極)31に供給することにより、電力を発生させる。アノード21に供給されたメタノールはアノード触媒により酸化され、アノード21ではアノード反応が生じる(化学式1)。
CH3OH+H2O→CO2+6H++6e− ・・・・(化学式1)
アノード21におけるアノード反応において生成された二酸化炭素は外部に排出される。また、アノード反応において生成されたプロトンは、電解質膜71を通ってカソード31へ移動し、カソード31に供給された酸素と酸化還元反応をし、水を生成する(化学式2)。
アノード21におけるアノード反応において生成された二酸化炭素は外部に排出される。また、アノード反応において生成されたプロトンは、電解質膜71を通ってカソード31へ移動し、カソード31に供給された酸素と酸化還元反応をし、水を生成する(化学式2)。
3/2O2+6H++6e−→3H2O ・・・・(化学式2)
これらの反応が生ずることで電力が発生する。尚、ここで発電される電力は、発電制御を司る制御手段として図示しない制御装置により制御されるものとする。
これらの反応が生ずることで電力が発生する。尚、ここで発電される電力は、発電制御を司る制御手段として図示しない制御装置により制御されるものとする。
本実施形態において、電解質膜71は、例えば、陽イオン交換体であるパーフルオロスルホン酸系高分子膜(例えば、米国デュポン社製Nafion117)により構成されており、電解質膜71の厚さは、例えば175μm程度であるものとする。また、電解質膜71は、アノード21及びカソード31よりも所定寸法分、即ち、燃料電池11自体の小型化を図る上で不都合を生じない程度、全周に渡って大きく形成されているものとする。
図2は、本発明の実施例1に係るセル151の断面図である。
アノード121は、図2にように、ガス拡散層122と、アノード触媒層123と、燃料錯体形成物質125が含有された燃料錯体形成層124と、が積層された構造となっている。アノード121のガス拡散層122は、撥水性材料としてのポリテトラフルオロエチレンの分散液と導電性材料としてのCabot社製VulcanXC−72とを混合してスラリーを作製し、導電性多孔質支持体として、撥水性及び強度の向上を図るため、FEP(四フッ化エチレンと六フッ化プロピレンの共重合体)を含浸したカーボンペーパ(例えば厚み200μm)に、前記スラリーをブレードナイフにて塗布・充填し、380℃に加熱し、焼成する。
アノード触媒層123は、触媒粉末としての白金−ルテニウム黒(触媒粒子)と陽イオン交換体としての米国デュポン社製Nafionの5wt%溶液とを混合して触媒層インクを作製し、当該触媒層インクを前記ガス拡散層122にスクリーン印刷法により塗布することにより形成される。尚、この場合において、触媒層インクは、触媒粉末と陽イオン交換体としてのNafionとの重量比を、触媒:Nafion=9:1となるように作製する。このアノード触媒層123の表面全体には、燃料錯体形成物質125として環状へミケタールを溶解させた溶液をスプレー法により塗布し、燃料錯体形成層124を形成する。これにより、アノード121が完成する。
一方、カソード131は、図2に示すように、ガス拡散層132と、カソード触媒層133とが積層された構造となっている。カソード131のガス拡散層132は、上述したアノード121のガス拡散層122と同様に、撥水性材料としてのポリテトラフルオロエチレンの分散液と導電性材料としてのCabot社製VulcanXC−72とを混合してスラリーを作製し、導電性多孔質支持体として、FEPを含浸したカーボンペーパに、前記スラリーをブレードナイフにて塗布・充填し、380℃に加熱し、焼成する。
カソード触媒層133は、触媒粉末としての白金黒と陽イオン交換体としての米国デュポン社製Nafionの5wt%溶液とを混合して触媒層インクを作製し、当該触媒層インクを前記ガス拡散層132にスクリーン印刷法により塗布することにより形成される。尚、この場合においても、触媒層インクは、触媒粉末と陽イオン交換体としてのNafionとの重量比を、触媒:Nafion=9:1となるように作製する。これにより、カソード131が完成する。
そして、セル151は、上述した如きアノード121及びカソード131にて電解質膜171を挟持した状態で、150℃程度でホットプレスにより密着成形することにより作製される。
本実施例における燃料電池スタック111の構成について図3を参照して説明する。図3は、燃料電池スタック111の構成を示す要部組立図である。セパレータ181、191は、緻密なカーボン板を加工した導電性を有する基板により構成されている。アノード側のセパレータ181には、複数本の溝によりアノードチャネル(燃料流路)1111が形成されていると共に、カソード側のセパレータ191には、同じく複数本の溝によりカソードチャネル(空気流路)1121が形成されている。
そして、前記電解質膜171の外周部と、前記セパレータ181、191の外周部との間に、シール材としてのガスケット1131、1141を介在させた後、前記セル151をセパレータ181、191で両側から挟み付けることでセルユニット161を構成する。更に、係るセルユニット161を複数積層し、その積層されたセルユニット161の両端を図示しないエンドプレートにて挟持し、所定の圧力で締め付けることで、燃料電池スタック111としている。
また、前記セパレータ181、191の角隅部には、メタノール(燃料)又は空気(酸化剤)の供給・排出用のマニホールドを構成する貫通孔1161、1171、1181、1191が形成されている。このうち貫通孔1171、1191はセパレータ181のアノードチャネル1111と連通し、貫通孔1161、1181はセパレータ191のカソードチャネル1121と連通している。
燃料電池スタック111は、セルユニット161の液体燃料供給用のマニホールドにメタノールが供給され、酸化剤供給用のマニホールドに空気が供給される。そして、液体燃料供給用のマニホールドに供給されたメタノールは、各アノードチャネル1111に分配され、アノード121に供給される。他方、酸化剤供給用のマニホールドに供給された空気は、各カソードチャネル1121からカソード131に供給される。そして、余剰のガスは、酸化剤ガス排出用のマニホールドから排出される。
アノード121に供給されたメタノールは、先ず、ガス拡散層122において略均等に拡散された後、アノード触媒層123に浸透する。ここで、メタノールがアノード触媒層123の触媒により酸化されるアノード反応(化学式1)を生じる。そして、アノード触媒層123に浸透したメタノールの中で、アノード反応に寄与しなかった、即ち、プロトンにならなかったメタノールは、メタノールのまま燃料錯体形成層124に浸透し、該燃料錯体形成層124に含有される燃料錯体形成物質125である環状へミケタールと錯体を形成する。これにより、メタノールは燃料錯体形成層124内に保持される。
また、図4に示すように、メタノール分子と比較して、燃料錯体形成物質125にメタノールが配位した構造のメタノール錯体分子は大きいため、電解質膜171の細孔部172を移動しにくい。これにより、メタノールがカソード側へ透過することを抑えることができる。
以上の構成により、本実施例によれば、アノード触媒層123の表面に燃料錯体形成層124が形成されるため、アノード反応に寄与しなかったメタノールを燃料錯体形成層124に保持することができ、電解質膜171を通してアノード121側からカソード131側へ、メタノールがクロスオーバすることを抑制でき、セル電圧の低下を防止することができる。
尚、本実施例では、多孔質支持体としてのカーボンペーパは、撥水性材料が含浸されたものを使用しているが、このとき、撥水性材料の添加量は、含浸後のカーボンペーパの重量に対し、5wt%乃至80wt%とするものとする。これにより、多孔質支持体であるカーボンペーパの導電性やストラクチャー内の空孔の閉塞を抑制することができると共に、酸化反応により生成された二酸化炭素の排出能力の向上を図ることができるようになる。
また、上記撥水性材料は、本実施例では、ポリテトラフルオロエチレンを用いているが、これ以外にもテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリフッ化ビニル、パーフルオロアルコキシ、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエーテルスルフォンなどのフッ素樹脂を用いても良いものとする。
また、本実施例では、導電性多孔質支持体として、カーボンペーパを使用しているが、これ以外にも、不織布状のカーボンファイバや、織布状のカーボンクロス、若しくは、白金メッシュ又は金を被覆した銅メッシュなどの金属メッシュを用いても良いものとする。
次に、他の実施例として、セル251について図5及び図6を参照して説明する。図5は本実施例に係るセル251の斜視図であり、図6は本実施例に係るセル251の断面図である。
本実施例では先ず、電解質膜271の一方の面全体に、環状へミケタールを溶解させた溶液をスプレー法により塗布し、燃料錯体形成層224を形成する。この電解質膜271の燃料錯体形成層224を形成した面に対し、複数個の個別の穴が開いた形状のマスキングを施す。そして、触媒粉末としての白金−ルテニウム黒(触媒粒子)を陽イオン交換体としての米国デュポン社製Nafionの5wt%溶液と混合し、触媒層インクを作製し、当該触媒層インクを電解質膜271の燃料錯体形成層224を形成した面に、マスクを介してスプレー法により塗布する。これにより、マスキングされていない領域にアノード触媒層223が形成され、電解質膜271の一方の同一面上に、複数個の個別のアノード触媒層223が平面的に並んだ状態となる。尚、この場合において、触媒層インクは、触媒粉末と陽イオン交換体としてのNafionとの重量比を、触媒:Nafion=9:1となるように作製したものとする。
そして、電解質膜271の他方の面に、電解質膜271を介してアノード触媒層223と対向するように、触媒層インクをスプレー塗布して、カソード触媒層233を形成する。この際、電解質膜を介してアノードと対向する領域に穴が開いた形状のマスキングを施す。これにより、セル251が形成される。ここで、触媒層インクは、触媒粉末としての白金黒と陽イオン交換体としての米国デュポン社製Nafionの5wt%溶液とを混合して、作製される。尚、この場合においても、触媒層インクは、触媒粉末と陽イオン交換体としてのNafionとの重量比を、触媒:Nafion=9:1となるように作製したものとする。
セル251は、図7に示すように、各アノード触媒層223の上面にアノード側ガス拡散層222を配置し、各カソード触媒層233の下面にカソード側ガス拡散層232を配置した構成であっても良いものとする。また、本実施例では、図6のように、電解質膜271全体に均一な厚みで燃料錯体形成層224を形成する構成について説明してたが、図8に示すように、電解質膜271の、アノード触媒層223と接合しない領域で且つメタノールに接触する領域に、他の部分より厚く燃料錯体形成層224を形成しても良いものとする。
次に、他の実施例として、セル351について図9を参照して説明する。図9は本実施例に係るセル351の断面図である。
図9に示すように、本実施例では、燃料錯体形成物質325である環状へミケタールの溶液に電解質膜371を浸漬させることにより、電解質膜371の細孔部372に環状へミケタールを含浸させる。
アノード321は、図9に示すように、ガス拡散層322と、カソード触媒層323とが積層された構造とされている。ガス拡散層322は、撥水性材料としてのポリテトラフルオロエチレンの分散液と、導電性材料としてのCabot社製VulcanXC−72を混合してスラリーを作製する。導電性多孔質支持体としてのカーボンペーパ(例えば厚み200μm)は、撥水性及び強度の向上を図るため、FEP(四フッ化エチレンと六フッ化プロピレンの共重合体)を含浸させる。FEPを含浸したカーボンペーパ内に前記スラリーをブレードナイフにて塗布・充填し、380℃に加熱し、焼成を行う。これにより、アノード321のガス拡散層322が作製される。そして、触媒粉末としての白金−ルテニウム黒(触媒粒子)を陽イオン交換体としての米国デュポン社製Nafionの5wt%溶液と混合し、触媒層インクを作製する。当該触媒層インクをガス拡散層322にスクリーン印刷法により塗布することにより、アノード触媒層323が形成される。これにより、アノード321が完成する。尚、この場合において、触媒層インクは、触媒粉末と陽イオン交換体としてのNafionとの重量比を、触媒:Nafion=9:1となるように作製したものとする。
カソード331は、図9に示すように、ガス拡散層332と、カソード触媒層333とが積層された構造とされている。ガス拡散層332は、上述したアノードのガス拡散層322と同様に撥水性材料としてのポリテトラフルオロエチレンの分散液と、導電性材料としてのCabot社製VulcanXC−72を混合してスラリーを作製する。導電性多孔質支持体としてのカーボンペーパは、アノードのガス拡散層322と同様にFEPを含浸させる。FEPを含浸したカーボンペーパ内に前記スラリーをブレードナイフにて塗布・充填し、380℃に加熱し、焼成を行う。これにより、カソード331のガス拡散層332が作製される。そして、触媒粉末としての白金黒を陽イオン交換体としての米国デュポン社製Nafionの5wt%溶液と混合し、触媒層インクを作製する。当該触媒層インクをガス拡散層332にスクリーン印刷法により塗布することにより、カソード触媒層333が形成される。これにより、カソード331が完成する。尚、この場合においても、触媒層インクは、触媒粉末と陽イオン交換体としてのNafionとの重量比を、触媒:Nafion=9:1となるように作製したものとする。
そして、セル351は、アノード321及びカソード331にて、燃料錯体形成物質325を含有する電解質膜371を挟持した状態で、150℃程度でホットプレスにより密着成形することにより作製される。
次に、他の実施例として、セル451について図10を参照して説明する。図10は本実施例に係るセル451の断面図である。
アノード421は、図10に示すように、ガス拡散層422と、アノード第1触媒層423と、アノード第2触媒層424とが積層された構造とされている。撥水性材料としてのポリテトラフルオロエチレンの分散液と、導電性材料としてのCabot社製VulcanXC−72を混合してスラリーを作製する。導電性多孔質支持体としてのカーボンペーパ(例えば厚み200μm)は、撥水性及び強度の向上を図るため、FEP(四フッ化エチレンと六フッ化プロピレンの共重合体)を含浸させる。FEPを含浸したカーボンペーパ内に前記スラリーをブレードナイフにて塗布・充填し、380℃に加熱し、焼成を行う。これにより、アノード421のガス拡散層422が作製される。そして、触媒粉末としての白金−ルテニウム黒(触媒粒子)を陽イオン交換体としての米国デュポン社製Nafionの5wt%溶液と混合し、触媒層インクAを作製する。また、この触媒層インクAと燃料錯体形成物質425としての環状へミケタールとを混合し、触媒層インクBを作製する。アノード421は、触媒層インクAをガス拡散層422にスクリーン印刷法により塗布することにより、アノード第1触媒層423を形成し、さらに、触媒層インクBをアノード第1触媒層423にスクリーン印刷法により塗布することにより、アノード第2触媒層424が形成される。尚、この場合において、触媒層インクは、触媒粉末と陽イオン交換体としてのNafionとの重量比を、触媒:Nafion=9:1となるように作製したものとする。
尚、アノード421が、上述の如き2層のアノード触媒層423、424を有する構造ではなく、アノード触媒層が白金黒粉末と陽イオン交換体と燃料錯体形成物質425とから構成され、燃料錯体形成物質425の含有量がアノード厚み方向に沿って電解質膜471側程多くなるような構成であって、電解質膜471に接触するように配置されている構成であっても良いものとする。
カソード431は、図10に示すように、ガス拡散層432と、カソード触媒層433とが積層された構造とされている。ガス拡散層432は、上述したアノードの拡散層422と同様に撥水性材料としてのポリテトラフルオロエチレンの分散液と、導電性材料としてのCabot社製VulcanXC−72を混合してスラリーを作製する。導電性多孔質支持体としてのカーボンペーパは、アノード拡散層422と同様にFEPを含浸させる。FEPを含浸したカーボンペーパ内に前記スラリーをブレードナイフにて塗布・充填し、380℃に加熱し、焼成を行う。これにより、カソード431のガス拡散層432が作製される。そして、触媒粉末としての白金黒を陽イオン交換体としての米国デュポン社製Nafionの5wt%溶液と混合し、触媒層インクを作製する。当該触媒層インクをガス拡散層432にスクリーン印刷法により塗布することにより、カソード触媒層433が形成される。これにより、カソード431が完成する。尚、この場合においても、触媒層インクは、触媒粉末と陽イオン交換体としてのNafionとの重量比を、触媒:Nafion=9:1となるように作製したものとする。
そして、セル451は、アノード421及びカソード431にて、電解質膜471を挟持した状態で、150℃程度でホットプレスにより密着成形することにより作製される。
燃料錯体形成物質としてN,N,N’,N’−テトラシクロヘキシルフマルアミドを用い、燃料錯体形成物質を付与した電解質膜のメタノール透過量を測定した。サンプル1は、N,N,N’,N’−テトラシクロヘキシルフマルアミド0.05gをジエチルエーテル10mLに溶解させた燃料錯体形成物質溶液とNafionの5wt%溶液とを、重量比で燃料錯体形成物質溶液:Nafion=1:1となるように混合し、電解質膜の一方の面に塗付して室温にて乾燥させた後、130℃、5MPaでホットプレスして作製した。また、サンプル2は、N,N,N’,N’−テトラシクロヘキシルフマルアミド0.05gをジエチルエーテル10mLに溶解させた燃料錯体形成物質溶液を電解質膜の一方の面に塗布して室温にて乾燥させて作製した。比較例としては、燃料錯体形成物質を付与していない電解質膜を用いた。
サンプル1およびサンプル2はそれぞれ18mg、17mgであり、比較例の電解質膜は12mgであった。サンプル1、サンプル2および比較例について、図11に示すような2室法を用いてメタノール透過量を測定した。ガラスセルAには2molのメタノールおよび0.1molのエタノールの混合水溶液を入れ、ガラスセルBには0.1molのエタノールの水溶液を入れる。サンプル1およびサンプル2については電解質膜の燃料錯体形成物質を付与した一方の面がガラスセルA側となるように配置して、電解質膜をガラスセルにて挟持し、ガラスセルAからガラスセルBへのメタノール透過量(ガラスセルBのメタノール濃度)をガスクロマトグラフィーにて測定した。メタノール透過量の測定結果を図12に示す。
図12より明らかなように、電解質膜のみの比較例に比べ、燃料錯体形成物質を付与したサンプルの方がメタノール透過を抑制する効果があり、特に、燃料錯体形成物質溶液とNafion溶液とを混合してホットプレスしたサンプル1は電解質膜に燃料錯体形成物質が固定され、メタノール透過に対する抑制効果を十分に発揮することが明らかになった。
<その他の事項>
本実施例1〜4では、電解質膜には、米国デュポン社製Nafion膜を使用しているが、これ以外にも、スルホン酸基、水酸基などを付与した含フッ素ポリマーや炭化水素系ポリマーや、ポリベンゾイミダゾールを始めとする塩基性官能基を有するポリマーやそれらの複合体を使用しても良いものとする。また、アノード触媒層に含有される陽イオン交換体としての米国デュポン社製Nafionは、アノード触媒層を構成する触媒の重量に対し、10wt%としているが、これ以外にもアノード触媒層を構成する触媒の重量に対し、1wt%乃至70wt%、好ましくは、5wt%乃至50wt%としても良いものとする。これによっても、 燃料電池の出力向上を図ることができるようになる。
本実施例1〜4では、電解質膜には、米国デュポン社製Nafion膜を使用しているが、これ以外にも、スルホン酸基、水酸基などを付与した含フッ素ポリマーや炭化水素系ポリマーや、ポリベンゾイミダゾールを始めとする塩基性官能基を有するポリマーやそれらの複合体を使用しても良いものとする。また、アノード触媒層に含有される陽イオン交換体としての米国デュポン社製Nafionは、アノード触媒層を構成する触媒の重量に対し、10wt%としているが、これ以外にもアノード触媒層を構成する触媒の重量に対し、1wt%乃至70wt%、好ましくは、5wt%乃至50wt%としても良いものとする。これによっても、 燃料電池の出力向上を図ることができるようになる。
そのほか、本実施形態では、アノード触媒層を構成する触媒粒子として白金−ルテニウム黒の二元系合金を用いたが、これ以外にも白金−モリブデン、白金−イリジウム、白金−スズ、白金−タングステン、白金−チタン、白金−ロジウムなどの二元系合金や、それらの元素を組み合わせた三元系以上の多元系合金を使用しても良いものとする。また、カーボンブラックを担持した触媒金属であっても良いものとする。また、カソード触媒層を構成する触媒を白金のみにより構成したが、これ以外にも白金とルテニウムの混合物を用いても良いものとする。但し、この場合における白金の含有量は、40%以上であるものとする。また、カソード触媒層を構成する触媒粒子として白金黒を用いているが、これ以外にもアノード触媒層を構成する触媒粒子を構成する合金の組み合わせやカーボンブラックに担持した触媒金属であっても良いものとする。
さらに、本実施形態では、液体燃料にメタノールを用いた場合の燃料錯体形成物質として、環状へミケタールを使用しているが、三フッ化ホウ素やN,N,N’,N’−テトラシクロヘキシルフマルアミドであっても良いものとする。しかし、三フッ化ホウ素は常温で気体であり、環状へミケタールやN,N,N’,N’−テトラシクロヘキシルフマルアミドに比べて取り扱いが難しいので、環状へミケタールやN,N,N’,N’−テトラシクロヘキシルフマルアミドを使用することが望ましい。また、燃料錯体形成層の形成方法として、スプレー法を採用しているが、これ以外にもスクリーン印刷法、ドクターブレード法、ダイコート法などにより形成しても良いものとする。尚、スプレー法により燃料錯体形成層を形成することから、容易に燃料錯体形成層の薄層を形成することができる。燃料錯体形成層は、燃料錯体形成物質を溶解した溶液をスプレー法で塗布することにより形成されているが、これに陽イオン交換体としての米国デュポン社製Nafionとを混合した混合液をスプレー法で塗布することで形成される、燃料錯体形成物質と陽イオン交換体との混合層であっても良いものとする。これにより、燃料錯体形成層を介してアノード触媒層と電解質膜との接着性が向上し、且つプロトン導電性が良くなるという効果を得ることができる。また、燃料錯体形成層が、アノード触媒層と電解質膜との界面に配置しているが、アノード側からクロスオーバしたメタノールのカソードでの酸化反応による電圧低下を防止すること、あるいは、クロスオーバしたメタノールのカソードでの燃焼反応を防止することを考慮すれば、燃料錯体形成層は、電解質膜とカソードとの界面に配置されても良いものとする。これによっても、クロスオーバしたメタノールが、カソードに移動することを防止することができる。
最後に、本実施形態では、液体燃料としてメタノールを用いて説明したが、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、トリメトキシメタン、エチレングリコール、蟻酸などの他の液体燃料を配位して錯体を形成する物質を用いれば、これらの液体燃料であっても同様の効果を発揮するものとする。また、本実施形態では、酸化剤ガスとして空気を挙げているが、酸素、過酸化水素水などであっても同様の効果を発揮するものとする。
本発明は、DMFCのような液体燃料を供給する燃料電池に限らず、燃料ガスまたは酸化剤ガスを配位して錯体を形成する物質を用いれば、燃料ガスまたは酸化剤ガスが電解質層をクロスオーバする燃料電池において利用可能である。
11 燃料電池
21、121、231、321、421 アノード
31、131、231、331、431 カソード
71、171、271、371、471 電解質膜(電解質層)
111 燃料電池スタック
122、222、322、422 ガス拡散層
123、223、323、423 アノード触媒層(アノード第1触媒層)
124、224、324、424 燃料錯体形成層(アノード第2触媒層)
125、225、325、425 燃料錯体形成物質
132、232、332、432 ガス拡散層
133、233、333、433 カソード触媒層
151、251、351、451 セル
161 セルユニット
172、372 細孔部
181、191 セパレータ
1111 アノードチャネル(燃料流路)
1121 カソードチャネル(空気流路)
1131、1141 ガスケット
1161、1171、1181、1191 マニホールド(貫通孔)
21、121、231、321、421 アノード
31、131、231、331、431 カソード
71、171、271、371、471 電解質膜(電解質層)
111 燃料電池スタック
122、222、322、422 ガス拡散層
123、223、323、423 アノード触媒層(アノード第1触媒層)
124、224、324、424 燃料錯体形成層(アノード第2触媒層)
125、225、325、425 燃料錯体形成物質
132、232、332、432 ガス拡散層
133、233、333、433 カソード触媒層
151、251、351、451 セル
161 セルユニット
172、372 細孔部
181、191 セパレータ
1111 アノードチャネル(燃料流路)
1121 カソードチャネル(空気流路)
1131、1141 ガスケット
1161、1171、1181、1191 マニホールド(貫通孔)
Claims (7)
- 電解質層の両側にアノード及びカソードが配置され、前記アノードに液体燃料が供給されると共に前記カソードに酸化剤が供給されるセルにおいて、
前記液体燃料を配位して錯体を形成する燃料錯体形成物質を含むことを特徴とするセル。 - 請求項1記載のセルにおいて、
前記電解質層の前記アノード側に設けられ、前記燃料錯体形成物質を含む燃料錯体形成層を備えることを特徴とするセル。 - 前記燃料錯体形成層は、
少なくとも、前記電解質層の前記アノード側であって、前記アノードが配置されない面に設けられることを特徴とする請求項2記載のセル。 - 前記燃料錯体形成層は、
陽イオン交換体を含むことを特徴とする請求項2又は3記載のセル。 - 前記燃料錯体形成物質は、
環状へミケタール又は三フッ化ホウ素であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のセル。 - 前記液体燃料は、
メタノールを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のセル。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載のセルを用いることを特徴とする燃料電池。
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