JP3608053B2 - 電池用触媒組成物、ガス拡散層及びこれらを備えた燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池用触媒組成物、ガス拡散層、これらを備えた燃料電池に関し、特に、高分子電解質型燃料電池における電極の触媒層を形成する上で有用な触媒組成物;電解質膜、触媒層及びガス拡散層からなる燃料電池用接合体;及びこれらを備えた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、化学エネルギーを直接、電気エネルギーに変換して取り出すことのできる高効率のクリーンな発電装置として注目を集めている。
【0003】
燃料電池には、使用する電解液の種類により、アルカリ型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体高分子型等の種々のタイプの燃料電池があり、より低温で稼働でき、扱い易く、かつ出力密度の高い固体高分子型燃料電池が電気自動車用の動力源として期待されている。
【0004】
例えば、固体高分子型燃料電池の一般的な単セルの断面構造を図1に示す。基本的な単セル構造は、中央に適度な水分を含むイオン交換膜4を挟んで、アノード触媒層3とカソード触媒層5からなる電極を有する構成である。アノード触媒層3及びカソード触媒層5はいずれも、酸化還元反応を促進する触媒、通常は白金又は白金合金の粉末を担持した導電性粉末をペースト状にしてシートに塗布したものが用いられている。
【0005】
アノード触媒層3及びカソード触媒層5の各々の外側には、反応時に発生する水及びガスを通過させるための導電性の多孔質アノードガス拡散シート2、多孔質カソードガス拡散シート6が設置され、最も外側にセパレータ板1にて反応ガス流路が設けられて単セルが構成される。この単セルを多層重ねて高出力の電池が構成される。
【0006】
燃料電池の反応を効率よく進行させるために、触媒層中の触媒相−燃料ガス相または酸化ガス相−電解質相の3相成分の接触効率が高いこと、すなわち3相界面が良好であることが必要である。しかし、触媒層は通常、白金触媒を担持した導電性カーボンとイオン交換樹脂から形成されており、反応によって生成する水などによって『ぬれ』が生じ、白金表面が水に覆われ酸素ガスまたは水素ガスとの接触が妨げられるため、触媒活性が『ぬれ』の面積の増大とともに低下する。
【0007】
特開平7−211324号公報には、撥水性の高いフッ素系結着剤(例えばポリテトラフルオロエチレン:以下「PTFE」と略す。)微粒子の添加を使用した電極が開示されている。PTFEの添加は『ぬれ』の防止を図ることはできるが、PTFEは電気伝導性がないため触媒層の電子の移動を妨げてしまう。
【0008】
また、従来の高分子電解質型燃料電池では薄膜化した電極2枚でイオン交換膜を挟み、これをホットプレスで結着して膜−電極接合体を製造している。この方法では球状の触媒担体、イオン交換樹脂、PTFEはホットプレスのため互いに強固に密着し、十分なガスの流路が得られない。
【0009】
一方で高分子電解質型燃料電池では電解質である高分子膜の乾燥状態が出力に大きく影響する。そのため、湿度調整を外部もしくは内部より行い、触媒に『ぬれ』を発生させないように、しかも高分子膜を乾燥させないように細かい水分コントロール(加湿コントロール)を行う必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、触媒層内の『ぬれ』を抑制し、電気抵抗を変化させないか、あるいは減少させる機能、及びガス流路を確保しガス透過性を向上させる機能を保有させ、発電特性を向上させ、簡便に加湿コントロールを行うことができる燃料電池用触媒組成物を提供することにある。本発明は、さらに前記の触媒組成物を含む有用な電極材を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、前記の触媒組成物を含む有用な電極材を備えた燃料電池を提供することを目的とする。
【0011】
また、燃料電池の反応を効率よく進行させるために、カソードから生成する水を除去することが重要となる。そのため、多孔質カソードガス拡散シートが電池の重要な部材となる。
【0012】
特開2001−6699号公報には、カーボン粉末とフッ素系樹脂を含有させたペーストをカーボンペーパーまたはカーボンクロスに塗布したガス拡散層が開示されている。このときにカーボン粉末は粒径0.01〜0.1μmの単一種のカーボンを使用している。しかし単一種粒子のみを有したガス拡散層は電池作製時に圧力をかけたときにガス拡散のために必要としている空隙が減少してしまう。
【0013】
特開平8−7897号公報には炭素粒子と絡み合った状態で炭素繊維を付着させてなるガス拡散層が記載されている。このガス拡散層はカーボンクロスやカーボンペーパー等の電極基材を不要としている。しかしながら電極基材なしに膜−電極複合体を作製することは困難である。また、炭素短繊維でできた基材の表面に炭素粒子と撥水性樹脂を塗布して、この上面に触媒層を形成させるため触媒層との接触面は炭素粒子、撥水性樹脂となり、ガス拡散のための空隙が減少してしまう。
【0014】
本発明の第2の目的は、ガス拡散層と触媒層との接触抵抗を変化させないか、あるいは減少させる機能、及び高電流密度領域でガス流路を確保しガス透過性を向上させる機能を保有させ、発電特性を向上させる、さらに加湿コントロールを簡便に行うことができる燃料電池用接合体、燃料電池を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、本発明の上記の目的は、触媒層及び/又はガス拡散層の触媒層との界面に繊維状炭素を添加すること、即ち、(1)電解質膜の両面に触媒層とガス拡散層とからなる電極を具備した燃料電池あるいはそれに用いる接合体において、(i)触媒層が触媒成分を担持した導電性粉粒体及び繊維状炭素を含むか、及び/又は、(ii)ガス拡散層が触媒層に接するガス拡散層表面の少なくとも一部に撥水性樹脂及び繊維状炭素を含む層を有することを特徴とする燃料電池によって達成されることを見出した。
【0016】
より具体的には、本発明の第1の側面によれば、加湿コントロールが容易で、かつ発電効率が向上した電池、及びその電極材と触媒組成物を提供する。すなわち、
(2)触媒成分が担持された導電性粉粒体と、繊維状炭素とを含む電池用触媒組成物、
(3)触媒成分が、燃料電池において酸化還元反応を促進する触媒であることを特徴とする上記(2)に記載の電池用触媒組成物、
(4)触媒成分が、白金または白金合金であることを特徴とする上記(2)または(3)に記載の電池用触媒組成物、
(5)導電性粉粒体が、導電性カーボンブラックまたは炭素質粉粒体であることを特徴とする上記(2)〜(4)に記載の電池用触媒組成物、
(6)導電性粉粒体が、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック及びケッチンブラックからなる群のうち少なくとも1つであることを特徴とする上記(2)〜(5)に記載の電池用触媒組成物、
(7)繊維状炭素が、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維及びカーボンナノチューブからなる群のうち少なくとも1つであることを特徴とする上記(2)〜(6)に記載の電池用触媒組成物、
(8)繊維状炭素が気相成長炭素繊維であることを特徴とする上記(2)〜(6)に記載の電池用触媒組成物、
(9)触媒成分が担持された導電性粉粒体及び繊維状炭素中に、繊維状炭素を0.1〜30質量%含むことを特徴とする上記(7)または(8)に記載の電池用触媒組成物、
(10)気相成長炭素繊維が、2300℃以上の温度で熱処理されたことを特徴とする上記(8)または(9)に記載の電池用触媒組成物、
(11)気相成長炭素繊維が、該繊維中にホウ素を0.01〜10質量%含むものであることを特徴とする上記(8)〜(10)に記載の電池用触媒組成物、
(12)繊維状炭素が、繊維径10〜300nmの範囲であることを特徴とする上記(7)〜(11)に記載の電池用触媒組成物、
(13)繊維状炭素が、繊維長100μm以下の範囲であることを特徴とする上記(7)〜(12)に記載の電池用触媒組成物、
(14)導電性基材に、上記(2)〜(13)のいずれかに記載の電池用触媒組成物を含む触媒層が形成されていることを特徴とする電極材、
(15)導電性機材が、多孔質導電性基材であることを特徴とする上記(14)に記載の電極材、及び
(16)高分子電解質膜と、上記高分子電解質膜を挟んで配置した触媒層を有する一対の電極からなる高分子電解質型燃料電池において、前記触媒層は導電性基材、及び触媒成分が担持された導電性粉粒体と繊維状炭素とを含む触媒層からなることを特徴とする高分子電解質型燃料電池。
【0017】
また、本発明の第2の側面によれば、接触抵抗を減少させる機能及びガス透過性、拡散性を向上させ、発電効率の高い燃料電池、及びその接合体を提供する。すなわち、
(17)電解質膜の両面に、触媒層とガス拡散層とからなる電極を具備した燃料電池の接合体であって、ガス拡散層が触媒層に接するガス拡散層表面の少なくとも一部に撥水性樹脂及び繊維状炭素を含む層を有する燃料電池の接合体、
(18)ガス拡散層が、触媒層に接するガス拡散層表面の少なくとも一部に、さらに導電性粉粒体を含んだ上記(17)に記載の燃料電池の接合体、
(19)ガス拡散層が、触媒層に接するガス拡散層表面の少なくとも一部に、さらに空隙を含んだ上記(17)または(18)に記載の燃料電池の接合体、
(20)空隙が、ガス拡散層断面での全空隙の断面積に対して、0.1〜50μmの気孔径を有する空隙の断面積を40%以上有する上記(19)に記載の燃料電池の接合体、
(21)導電性粉粒体が、導電性カーボンブラックまたは炭素粉粒体である上記(18)〜(20)に記載の燃料電池の接合体、
(22)撥水性樹脂、及び繊維状炭素を含む層の、繊維状炭素が気相成長炭素繊維であって、その気相成長炭素繊維含有量が層全体の1〜95質量%であることを特徴とする上記(17)〜(21)に記載の燃料電池の接合体、
(23)気相成長炭素繊維が、2000℃以上の温度で熱処理されて形成されたものである上記(22)に記載の燃料電池の接合体、
(24)気相成長炭素繊維が、該繊維中にホウ素を0.01〜10質量%含むものである上記(22)または(23)に記載の燃料電池の接合体、
(25)気相成長炭素繊維が、繊維径500nm以下の範囲内である上記(22)〜(24)に記載の燃料電池の接合体、
(26)気相成長炭素繊維が、繊維長100μm以下である上記(22)〜(25)に記載の燃料電池の接合体、
(27)撥水性樹脂が、フッ素系樹脂である上記(17)〜(26)に記載の燃料電池の接合体、
(28)導電性多孔質基材に導電性粉粒体、撥水性樹脂、及び繊維状炭素を含む組成物を塗布または含浸してガス拡散層を形成する工程、ガス拡散層上の該組成物を塗布または含浸した面に触媒を担持した炭素粒子を含む触媒層を形成することにより電極を形成する工程、該電極の触媒層を電解質膜の両面に接合する工程、を含む燃料電池の接合体の製造方法、
(29)上記(17)〜(27)に記載の燃料電池の接合体をセパレータで挟持してなる燃料電池セル、及び
(30)上記(29)に記載の燃料電池セルを、少なくとも2つ以上積層させた燃料電池。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0019】
本発明の第1の側面の電池用触媒組成物は、触媒成分が担持された導電性粉粒体、及び繊維状炭素を含む。
【0020】
用いられる触媒成分としては、燃料電池において酸化還元反応を促進する種々の触媒、例えばルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、これらの合金等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。通常、白金又は白金合金を用いる場合が多い。
【0021】
触媒成分の担体である導電性粉粒体としては、導電性があれば特にその種類については制限されないが、触媒を担持するのに十分な比表面積を有するものが好ましく、例えばカーボンブラックが好ましく用いられる。一次粒子径が1μm以下の微球状のカーボンブラックが特に好ましく、例えば触媒成分が白金の場合には、その担持量が10〜60質量%であることが好ましい。
【0022】
本発明の第1の側面においては、一次粒子径の平均値が1μm以下である市販のカーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックの種類としては製法上から、芳香族炭化水素油を不完全燃焼させて得られるオイルファーネスブラック、アセチレンを完全燃焼し熱分解して得られるアセチレンブラック、天然ガスを完全燃焼させて得られるサーマルブラック、天然ガスを不完全燃焼させて得られるチャンネルブラック等があるが、いずれをも使用することができる。
【0023】
本発明の第1の側面においては、特に、オイルファーネスブラック、アセチレンブラックを用いることが好ましい。この理由は、カーボンブラックの導電材としての性能を決定する1つの重要な因子として、ストラクチャーと呼ばれる一次粒子の連鎖構造(凝集構造)がある。カーボンブラックの構造は、一般的に微球状の一次粒子が集まり不規則な鎖状に枝分かれした凝集構造であるが、この一次粒子の個数が多く、つながりが枝分かれして複雑なもの(ハイストラクチャー状態)であるほど、導電性付与効果が高い。オイルファーネスブラック、アセチレンブラックは、このハイストラクチャー状態のものが得られ易いため好適である。
【0024】
本発明の第1の側面において繊維状炭素としては、PAN系と呼ばれるもの、あるいはピッチ系繊維状炭素、気相法による繊維状炭素、ナノチューブと称するナノメートルほどの径の繊維状炭素等、これらすべてが使用可能である。ただし、ピッチ系炭素繊維やPAN系炭素繊維は、繊維長が100μmより長く、そのままでは触媒との均一な混合がしにくい。したがって導電性の点も考慮すると、ナノチューブ、又は気相法による気相成長炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:以下「VGCF」と略すこともある。)を使用することが好ましく、特に、熱処理して電気伝導性を高めたVGCFが適度な弾性を持ち好適である。
【0025】
「VGCF」とは、炭化水素等のガスを金属系触媒の存在下で気相熱分解することによって製造されるものである。
【0026】
例えば、ベンゼン、トルエン等の有機化合物を原料とし、フェロセン、ニッケルセン等の有機遷移金属化合物を金属系触媒として用い、これらをキャリアーガスとともに高温の反応炉に導入し、VGCFを基板上に生成させる方法(特開昭60−27700号公報)、浮遊状態でVGCFを生成させる方法(特開昭60−54998号公報)、あるいはVGCFを反応炉壁に成長させる方法(特許2778434号)等が知られている。また、特公平3−64606号公報では、あらかじめアルミナ、炭素等の耐火性支持体に担持された金属含有粒子を炭素含有化合物と高温で接触させて、径が70nm以下のVGCFを得ている。
【0027】
これら上記の方法により製造されたVGCFは、いずれも本発明の第1の側面に使用することができる。
【0028】
本発明の第1の側面においてVGCFは、繊維径が300nm以下、繊維長が200μm以下のものが使用できるが、繊維径が10〜300nm、繊維長が100μm以下であるものが好適である。VGCFは、分枝状の構造をとるものが多いが、この場合の繊維長とは、分枝の分岐点から先端あるいは次の分岐点までの長さを繊維長とみなす。
【0029】
ここでVGCFの径として10nm以上が好ましいのは、10nm未満のものは工業的に量産が難しいため実用的でなく、また微細なことによるハンドリングの面倒さが増え、径が300nmを超えると電池用触媒の粒径、形状に対して繊維のからまりが十分でなく、添加による導電性の効果が得られ難い。
【0030】
繊維長が100μmより長いと電池用触媒との均一な混合が難しいため、触媒層の薄膜化を困難とし、有効な効果が得られない。
【0031】
本発明の第1の側面においてVGCFは、2300℃以上の温度で、好ましくは2500〜3500℃の温度で、非酸化性雰囲気(アルゴン、ヘリウム、窒素ガスなど)にて熱処理することが好ましい。熱処理する際に、ホウ素化合物を存在させるとさらに有利である。ホウ素化合物を共存させることにより、熱処理温度をホウ素化合物を添加しない場合と比べて数百℃低くすることができる。
【0032】
共存させるホウ素化合物としては、加熱によりホウ素を生成する物質であればよく、熱処理後、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%のホウ素含有量を得られるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、炭化ホウ素(B4C)、酸化ホウ素(B2O3)、ホウ酸、ホウ酸塩、窒化ホウ素、有機ホウ素化合物等の固体、液体、さらには気体でもよい。本発明においては、安定して入手することができること、作業性等の面から無機化合物であることが好ましく、特に炭化ホウ素が好ましい。
【0033】
なお、ホウ素化合物の熱処理前の添加量は、熱処理条件によりホウ素が揮散してしまう可能性があるので、目標含有量より多くしておく必要がある。ホウ素化合物の添加量は、用いるホウ素化合物の化学的特性、物理的特性に依存するために限定されないが、炭化ホウ素を使用した場合には、VGCFに対して0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%の範囲で添加することが好ましい。
【0034】
本発明の第1の側面において、VGCFにホウ素が含まれる状態とは、ホウ素が一部固溶して炭素繊維の表面、炭素シートの積層体の層間、中空部内等に存在したり、炭素原子とホウ素原子とが一部置換された状態であることを示す。
【0035】
VGCFを2300℃以上にて熱処理すると、導電性が良くなるばかりでなく、化学安定性、熱伝導性等の特性も向上するので、燃料電池用触媒と混合して使用された場合には、発電効率(単位体積当たりの発電量)が向上し、耐久性(初期の最高出力に対する1000時間以上の連続使用後の最高出力の割合)の向上も見られる。
【0036】
特に2500℃以上の温度で熱処理することにより結晶化度を上げたVGCFでは、これらの電池特性の向上が顕著である。そのため本発明の第1の側面では、黒鉛化結晶化度を上げる手段として、ホウ素を添加する手段を用いて結晶化度を向上させている。ホウ素化合物とVGCFの混合方法は、特に特殊な機械を使用することなく均一に混ざるように注意すればどのような方法でもよい。
【0037】
VGCFを熱処理するために用いられる炉は、アチソン炉、高周波炉、黒鉛発熱体を用いた炉等いかなる炉でも、所望の温度で処理できる炉であれば使用可能である。
【0038】
加熱時の非酸化性雰囲気は、アチソン炉では、被加熱物をカーボン粉に埋めることにより得られるが、他の炉の場合は、必要に応じてヘリウム、アルゴン等の不活性ガスで雰囲気を置換することで達成できる。
【0039】
また、熱処理時間は、被加熱物の全てが所定温度に達するような時間を適宜選択することができ、特に限定されるものではない。
【0040】
本発明の第1の側面の電池用触媒組成物は、主成分として、触媒成分を担持した導電性粉粒体と繊維状炭素とを混合することにより得られる。本発明の第1の側面においては、電池用触媒組成物の主成分中、繊維状炭素を0.1〜30質量%混合すること、すなわち、触媒成分を担持した導電性粉粒体を99.9〜70質量%と繊維状炭素を0.1〜30質量%混合することが好ましい。また、本発明の第1の側面においては、繊維状炭素を1〜25質量%混合することがさらに好ましく、特に2〜20質量%の範囲で混合することが好ましい。
【0041】
繊維状炭素の添加量が0.1質量%未満では添加効果が得られ難く、30質量%を超えると触媒成分、例えば白金などの比率が減ってしまうので、結果として電池特性が低下してしまう。
【0042】
これらを混合するには、例えば、スクリューフィーダー等の連続式混合機やミキシングロール等の回分式混合機を使用して均一に混合する。
【0043】
なお、本発明の第1の側面においては、本発明の効果を損なわない範囲内で、添加剤、撥水性樹脂等を添加することができる。
【0044】
繊維状炭素の濃度が上記範囲となるように調整した触媒組成物を用いて触媒層を形成する。
【0045】
すなわち、かかる触媒組成物及びイオン交換樹脂を溶解した溶液に溶剤を添加した混合液を、ボールミル、遊星攪拌ボールミル等で十分に攪拌してペースト状にする。このペースト状の混合液をカーボンシートまたはテフロンシート等の導電性基材上に塗布した後、溶剤が十分に蒸発する温度で乾燥させて触媒層を形成し、電極材とする。本発明の第1の側面において導電性基材は、多孔質導電性基材であることが好ましい。
【0046】
前記イオン交換樹脂としては、イオン交換基としてスルホン酸基やカルボン酸基等を有するパーフルオロカーボン樹脂等が好ましく用いられる。
【0047】
本発明の第1の側面では電極材の間にイオン交換膜を挟み、例えば図1に示すような構成の単セルを製造することができ、さらに燃料電池を製造することができる。ここで用いられるイオン交換膜としては、公知のイオン交換膜を用いることができる。
【0048】
本発明の第1の側面においては、上記したように球形状の触媒担持導電性粉粒体に繊維状炭素を混合するが、このようにすることにより、ガス拡散に好適な空隙を作り出すことができる。また、この空隙は、ホットプレス等によっても完全に潰されることがなく、繊維状炭素があるため空隙が維持された状態を保つことができるので、電池形成後もガス流通路を十分に確保することができる。
【0049】
以下、本発明の第2の側面について詳細に説明する。
【0050】
本発明の第2の側面は、撥水性樹脂及び繊維状炭素を含む層を有するガス拡散層、さらには導電性粉粒子体、撥水性樹脂、及び繊維状炭素を含む層を有するガス拡散層を有した燃料電池の接合体に関する。
【0051】
ガス拡散層に用いる導電性粉粒体としては、導電性のある炭素材であれば特にその種類については制限されないが、例えばカーボンブラックが好ましく用いられる。一次粒子径が1μm以下の微球状のカーボンブラックが特に好ましい。二次粒子径としては概ね15μm以下が好ましい。
【0052】
本発明の第2の側面においては、一次粒子径の平均値が1μm以下である市販のカーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックの種類としては製法上から、芳香族炭化水素油を不完全燃焼させて得られるオイルファーネスブラック、アセチレンを完全燃焼し熱分解して得られるアセチレンブラック、天然ガスを完全燃焼させて得られるサーマルブラック、天然ガスを不完全燃焼させて得られるチャンネルブラック等があるが、いずれをも使用することができる。
【0053】
本発明の第2の側面においては、特に、オイルファーネスブラック、アセチレンブラックを用いることが好ましい。この理由は、カーボンブラックの導電材としての性能を決定する1つの重要な因子として、ストラクチャーと呼ばれる一次粒子の連鎖構造(凝集構造)がある。カーボンブラックの構造は、一般的に微球状の一次粒子が集まり不規則な鎖状に枝分かれした凝集構造であるが、この一次粒子の個数が多く、つながりが枝分かれして複雑なもの(ハイストラクチャー状態)であるほど、導電性付与効果が高い。オイルファーネスブラック、アセチレンブラックは、このハイストラクチャー状態のものであるため好適である。
【0054】
本発明の第2の側面において繊維状炭素としては、基本的に本発明の第1の側面の触媒層に用いたものと同様のものを使用できるが、異なる点もあるので以下に重複する点もあるが説明する。
【0055】
繊維状炭素としてはPAN系と呼ばれるもの、あるいはピッチ系炭素繊維、気相法による炭素繊維、ナノチューブと称するナノメートルほどの径の炭素繊維等、これらすべてが使用可能である。ただし、ピッチ系炭素繊維やPAN系炭素繊維は、繊維長が長く、そのままでは触媒との均一な混合がしにくい。したがって導電性の点も考慮すると、ナノチューブ、又は気相法による気相成長炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:以下VGCFと略すこともある。)を使用することが好ましく、特に、熱処理して電気伝導性を高めたVGCFが適度な弾性を持ち好適である。
VGCFとは、炭化水素等のガスを金属系触媒の存在下で気相熱分解することによって製造されるものである。
【0056】
例えば、ベンゼン、トルエン等の有機化合物を原料とし、フェロセン、ニッケルセン等の有機遷移金属化合物を金属系触媒として用い、これらをキャリアーガスとともに高温の反応炉に導入し、VGCFを基板上に生成させる方法(特開昭60−27700号公報)、浮遊状態でVGCFを生成させる方法(特開昭60−54998号公報)、あるいはVGCFを反応炉壁に成長させる方法(特許2778434号)等が知られている。また、特公平3−64606号公報では、あらかじめアルミナ、炭素等の耐火性支持体に担持された金属含有粒子を炭素含有化合物と高温で接触させて、径が70nm以下のVGCFを得る方法がある。
【0057】
これら上記の方法により製造されたVGCFは、いずれも本発明に使用することができる。
【0058】
本発明の第2の側面においてVGCFは、繊維径が500nm以下、繊維長が100μm以下のものが使用できるが、繊維径が1〜300nm、繊維長が80μm以下、さらに繊維長が50μm以下であるものが好適である。VGCFは、分枝状の構造をとるものが多いが、この場合の繊維長とは、分枝の分岐点から先端あるいは次の分岐点までの長さを繊維長とみなす。
【0059】
ここで、繊維長が100μmより長い場合、導電性粉粒体の二次粒子径は概ね15μm以下であり、均一な混合が難しいため、ガス拡散層の薄膜化が困難となり、有効な効果が得られない。
【0060】
本発明の第2の側面においてVGCFは、2000℃以上の温度で、好ましくは2500〜3000℃の温度で、非酸化性雰囲気(アルゴン、ヘリウム、窒素ガスなど)にて熱処理することが好ましい。熱処理する際に、ホウ素化合物を存在させるとさらに有利である。ホウ素化合物を共存させることにより、熱処理温度をホウ素化合物を添加しない場合と比べて数百℃低くすることができる。
【0061】
共存させるホウ素化合物としては、加熱によりホウ素を生成する物質であればよく、熱処理後、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%のホウ素含有量を得られるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、炭化ホウ素(B4C)、酸化ホウ素(B2O3)、ホウ酸、ホウ酸塩、窒化ホウ素、有機ホウ素化合物等の固体、液体、さらには気体でもよい。本発明においては、安定して入手することができること、作業性等の面から無機化合物であることが好ましく、特に炭化ホウ素が好ましい。
【0062】
なお、ホウ素化合物の熱処理前の添加量は、熱処理条件によりホウ素が揮散してしまう可能性があるので、目標含有量より多くしておく必要がある。ホウ素化合物の添加量は、用いるホウ素化合物の化学的特性、物理的特性に依存するために限定されないが、炭化ホウ素を使用した場合には、VGCFに対して0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%の範囲で添加することが好ましい。
VGCFを2000℃以上にて熱処理すると、導電性が良くなるばかりでなく、化学安定性、熱伝導性等の特性も向上するので、燃料電池用触媒と混合して使用された場合には、発電効率(単位体積当たりの発電量)が向上し、耐久性(初期の最高出力に対する1000時間以上の連続使用後の最高出力の割合)の向上も見られる。
【0063】
特に2500℃以上の温度で熱処理することにより結晶化度を上げたVGCFでは、これらの電池特性の向上が顕著である。そのため本発明では、黒鉛化結晶化度を上げる手段として、ホウ素を添加する手段を用いて結晶化度を向上させている。ホウ素化合物とVGCFの混合方法は、特に特殊な機械を使用することなく均一に混ざるように注意すればどのような方法でもよい。
【0064】
VGCFを熱処理するために用いられる炉は、アチソン炉、高周波炉、黒鉛発熱体を用いた炉等いかなる炉でも、所望の温度で処理できる炉であれば使用可能である。
【0065】
加熱時の非酸化性雰囲気は、アチソン炉では、被加熱物をカーボン粉に埋めることにより得られるが、他の炉の場合は、必要に応じてヘリウム、アルゴン等の不活性ガスで雰囲気を置換することで達成できる。
【0066】
また、熱処理時間は、被加熱物の全てが所定温度に達するような時間を適宜選択することができ、特に限定されるものではない。
【0067】
撥水性樹脂としては、酸素側(カソード側)の触媒層において酸素とプロトンが反応して水を生じる、この余剰水の排水性がよく、ガスの拡散性を妨げないものであればよい。撥水性樹脂の表面張力としては水の表面張力(約72dyn/cm)より低いものが良く、例えば、フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンが使用できるが、中でもフッ素系樹脂が好ましい。フッ素系樹脂としてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などが挙げられる。
【0068】
導電性多孔質基材(ガス拡散シート)としては、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンシートなどを用いることができるが、特開2000−169253号公報に開示されているカーボンシートも用いることができる。
【0069】
導電性粉粒体、撥水性樹脂及び繊維状炭素を含む組成物とは、溶剤(有機溶媒、水、またはこれらの混合物)と、少なくとも、導電性粉粒体、撥水性樹脂及び繊維状炭素とを混合して調整したペースト(スラリー)が好ましく、導電性多孔質基材に刷毛塗り、スプレー塗布、スクリーン印刷などの塗布や含浸によって層状を形成することによって得られる。
【0070】
本発明の第2の側面のガス拡散層、触媒層を接合した電解質膜(イオン交換膜)を挟み、例えば図1に示すような構成の単セルを製造することができ、さらに燃料電池を製造することができる。ここで用いられるイオン交換膜としては、公知のイオン交換膜を用いることができ、例えば陽イオン交換樹脂膜であり、パーフルオロカーボンスルホン酸膜が一般的である。具体的にはデュポン社製商品名「ナフィオンTM」、旭硝子社製商品名「フレミオンTM」、旭化成社製商品名「アシプレックスTM」などを挙げることができる。
【0071】
本発明の第2の側面においては、上記したように繊維状炭素とバインダーとしても作用する撥水性樹脂によって、繊維状炭素が相互に絡み合うことでガス拡散に好適な空隙を作り出すことができる。また、導電性粉粒体である球形状の炭素粉粒体、繊維状炭素及び撥水性樹脂を混合することにより、ガス拡散により好適な空隙を作り出すことができる。
【0072】
これらの空隙は、ホットプレス等によっても完全に潰されることがなく、繊維状炭素同士または炭素粉粒体に絡み合うように繊維状炭素が接触する橋架け状態であるために得られた空隙が維持された状態を保つことができる。そのため、電池形成後もガス流通路を十分に確保することができる。
【0073】
繊維状炭素同士によってできる空隙は大きな空間を有するものが含まれるが、繊維状炭素と炭素粉粒体からできる空間は炭素粉粒体の径が繊維状炭素の長さより概ね小さいため大きな空間が減り、空隙(気孔)の分布がより狭くシャープになりガス拡散に有効な空隙がさらに増加すると考えられる。走査電子顕微鏡(SEM)でガス拡散層断面を観察すると0.1〜50μmの気孔径である空隙が全体の空隙に対して断面積で40%以上、好ましくは50%以上有するものは特に高電流密度領域においてガス拡散性の向上に有効である。
また、図6に示すように、燃料電池の内部抵抗には、大きくは電解液、電解質の影響を受ける電解質膜11での拡散抵抗成分と、触媒担持炭素粒子12を含む触媒層10、ガス拡散層9、導電性多孔質基材(ガス拡散シート)8、導電性粉粒体14、繊維状炭素13の間の接触抵抗や、導電性基材8、導電性粉粒体14、繊維状炭素13が持つそれ自体の抵抗などが含まれる電極の抵抗成分に分けられる。炭素粉粒体と繊維状炭素との橋架け効果により粒子間の接触抵抗が減少し、また、ガス拡散層9の表面に繊維状炭素13が露出しているため、その突出部分が触媒層に突き刺さりが起こり触媒層との接触がスムーズになり、その分の接触抵抗も減少している。
【0074】
【実施例】
以下に本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものではない。
【0075】
(実施例1)
白金を50質量%担持したアセチレンブラックとVGCF黒鉛化品(昭和電工社製、商品名:VGCFTM)とを混合して電池用触媒組成物を作製した。ただし、電池用触媒組成物の主成分中、VGCF黒鉛化品を5質量%混合した。また、昭和電工社製のVGCF黒鉛化品は、径が100nm、嵩密度が0.08g/cm3であり、SEM観察したところ、繊維長は100μm未満で、9割以上の本数で分枝構造形態を示していた。
【0076】
作製した電池用触媒組成物に5質量%のイオン交換樹脂溶解液(アルドリッチ社製、商品名:ナフィオンTM)を1gと、グリセリン5gとを添加してボールミルで十分に混合して混合溶液を作製した。この混合溶液を、テフロンシート上に塗布した後、乾燥させて、触媒層が形成された電極材(電極の材料)を作製した。
【0077】
次いで、作製した電極材を用いて燃料電池を作製した。すなわち、テフロンシートからはく離された触媒層が形成された電極材をイオン交換膜(デュポン社製、NafionTM 112(登録商標))にホットプレスして、膜・電極接合体を得た。得られた膜・電極接合体をガス拡散電極として空気極(カソード)のみに使用し、燃料極(アノード)として、白金を担持したカーボンのみを上記と同様に混合、塗布、プレスした電極を使用し、縦250mm×横250mm×厚み8mmの溝付きセパレータ板を使用して、図1に示すような単セルを作成した。
【0078】
作製した単セルに燃料ガスとして水素と酸化ガス(空気)を通じ、0.1M(メガ)Paの加圧下で運転し、電池特性を評価した。ただし、温度80℃、燃料極の水素加湿温度80℃、空気極の空気加湿温度70℃の条件下で電流密度と電圧の関係を調べ、電池特性を評価した。その結果を図2,3に示す。
【0079】
(実施例2)
実施例1における膜・電極接合体の作製において、VGCF黒鉛化品をPAN系炭素繊維(繊維径5μm、繊維長100μm)0.1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして電池用触媒組成物を作製し、電極および単セルを得た。得られた単セルの電池特性を評価した。結果を図2に示す。
【0080】
図2から、VGCFを5質量%添加した実施例1は、VGCFを添加しない比較例1に比べて電圧が約10%向上することが確認できた。また、各電流密度(mA/cm2)における内部抵抗(mΩ・cm2)を測定したところ、約20mΩ・cm2下がっていた。また、PAN系炭素繊維を添加した実施例2においても電圧の向上が確認できた。
【0081】
(実施例3)
触媒組成物においては、ホウ素を3質量%含有したVGCFを5質量%添加したものを使用し、実施例1と同様の膜・電極接合体を作製した。得られた単セルの電池特性を評価した。結果を図3に示す。
【0082】
ホウ素を3質量%含有VGCFを使用すると実施例1のVGCF添加系に比べ電圧の向上が見られた。また、その際に内部抵抗が約5mΩ・cm2下がっていることを確認した。
【0083】
(比較例1)
実施例1における電池用膜・電極接合体の作製において、VGCFを添加しない以外は実施例1と同様にして電池用触媒組成物を作製し、電極および単セルを得た。得られた単セルについて、実施例1と同様にして電池特性の評価を行った。その結果を図2,3に示す。
【0084】
(実施例4)
実施例1と同様にして作製した単セルを用いて、実施例1と同様に電池特性の評価を行った。ただし、空気極(カソード)の加湿温度を60℃、66℃、70℃と変化させて、それぞれについて電流密度と電圧の関係を調べた。その結果を図4に示す。
【0085】
(比較例2)
比較例1と同様にして作製した単セルを用いて、実施例1と同様に電池特性の評価を行った。ただし、空気極(カソード)の加湿温度を60℃、66℃、70℃と変化させて、それぞれについて電流密度と電圧の関係を調べた。その結果を図5に示す。
【0086】
図2から、VGCFを5質量%添加した実施例1は、VGCFを添加しない比較例1と比べて電圧が約10%向上することが確認できた。また、各電流密度(mA/cm2)における内部抵抗(mΩ・cm2)を測定したところ、約20mΩ・cm2下がっていた。
【0087】
図4及び図5で実施例4と比較例2を比較してみると、VGCFを5質量%添加した実施例4は、空気極の加湿温度を変化させても電圧変動をほとんど受けず、加湿コントロールが容易であるが、VGCFを添加しない比較例2では、空気極の加湿温度を60℃から70℃と10℃変化させると、大きな電圧低下が生じ、電圧変動が激しいことが分かった。
【0088】
(実施例5)
炭素粒子(昭和キャボット社製、商品名:バルカンXC−72、平均粒径30nm)、フッ素系樹脂PTFEとVGCF黒鉛化品(昭和電工社製、商品名:VGCFTM)を混合してガス拡散層用のスラリーを作製した。ただし、スラリーは、バルカンXC−72:VGCF黒鉛化品を2:8の質量比率で混合した。一方、フッ素系樹脂は40質量%混合した。また、VGCF黒鉛化品は、径が100nm、嵩密度が0.08g/cm3であり、SEM観察したところ、繊維長は100μm未満で、9割以上の本数で分枝構造形態を示していた。
【0089】
作製したスラリーはスプレーでカーボンクロス上に均一に塗布した後、乾燥させて、ガス拡散層が形成されたガス拡散シートを作製した。
【0090】
次いで、触媒として50質量%白金を担持したケッチェンブラックとイオン交換樹脂を混合したスラリーをイオン交換膜(デュポン社製、NafionTM 112(登録商標))にホットプレスして、膜・電極接合体を得た。得られた膜・電極接合体に先に作製したガス拡散シートを空気極(カソード)に使用し、燃焼極(アノード)にはカーボン層のない多孔質のガス拡散シートを使用した。作製した電極と、縦250mm×横250mm×厚み2mmの溝付きセパレータ板を使用して、図1に示すような単セルを作製した。
【0091】
作製した単セルに燃料ガスとして水素と酸化ガス(空気)を通じ、0.1M(メガ)Paの加圧下で運転し、電池特性を評価した。ただし、温度80℃、燃料極の水素加湿温度80℃、空気極の空気加湿温度70℃の条件下で電流密度と電圧の関係を調べ、電池特性を評価した。その結果を図7に示す。
【0092】
(実施例6)
フッ素系樹脂PTFEとVGCF黒鉛化品(昭和電工社製、商品名:VGCFTM)を混合してガス拡散層用のスラリーを作製した。フッ素樹脂は40質量%混合した。スラリーは実施例5と同様にしてガス拡散層を形成させ、電池特性評価を行った。その結果を図7に示す。
(比較例3)
実施例5における電池用触媒組成物の作製において、ガス拡散層が形成されたガス拡散シートの代わりにガス拡散層を有しないカーボンクロスを用いた以外は実施例5と同様にして電池用触媒組成物を作製し、電極および単セルを得た。得られた単セルについて、実施例5と同様にして電池特性の評価を行った。その結果を図7に示す。
【0093】
図7から、導電性炭素粒子とVGCF添加したガス拡散層を追加した実施例5は、VGCFを添加しない比較例3と比べて電圧が約10%向上することが確認できた。また、各電流密度(mA/cm2)における内部抵抗(mΩ・cm2)を測定したところ、約20mΩ・cm2下がっていた。さらに、VGCFのみで作製したガス拡散層を追加した実施例6でも比較例3に比べて電池特性が向上することが確認できた。
【0094】
(実施例7)
フッ素系樹脂PTFEとPAN系炭素繊維(繊維径5μm、繊維長100μm)を混合してガス拡散用スラリーを作製した。フッ素樹脂は40質量%混合した。スラリーは実施例5と同様にして、ガス拡散シート層を形成させ、電池特性を行った。結果を図8に示す。
【0095】
PAN系炭素繊維はVGCFをガス拡散層に使用したとき同様に発電特性を向上させるがVGCFよりも発電特性は劣ることが確認された。
【0096】
(実施例8)
実施例5と同様の作製方法を使い、ガス拡散層にはホウ素を3質量%含有したVGCFを用いて発電特性を検討した。結果を図9に示す。
【0097】
電気伝導性を向上させたホウ素含有VGCFを使用した結果、内部抵抗がVGCFをガス拡散層にしたときにくらべ約5mΩ・cm2低下し、発電特性が向上した。
【0098】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明の第1の側面によれば、触媒層内の『ぬれ』を抑制し、電気抵抗を変化させないか、あるいは減少させる機能、及びガス流路を確保しガス透過性を向上させる機能を保有させ、発電特性を向上させ、簡便に加湿コントロールを行うことができる電池用触媒組成物、電極材及び燃料電池を得ることができる。すなわち、触媒が担持された導電性粉粒体に繊維状炭素を添加した電池用触媒組成物を触媒層に使用した燃料電池は、発電効率を向上させることができ、加湿コントロールが容易である。特に、繊維状炭素がVGCFである電池用触媒組成物は好適である。VGCFは、電池用触媒組成物の主成分中、0.1〜30質量%混合されることが望ましく、また、VGCFが、ホウ素を0.01〜10質量%含み、2300℃以上の温度で黒鉛加熱処理されていると、導電性を更に向上させることができる。
【0099】
また本発明の第2の側面によれば、VGCFを有するガス拡散層は電気抵抗を変化させないか、あるいは減少させる機能、及びガス流路を確保しガス透過性を向上させる機能を付加させ、発電特性を向上させる燃料電池を得ることができる。特に、繊維状炭素がVGCFであるガス拡散層は好適である。VGCFは、ガス拡散層に、1〜95質量%混合されることが望ましく、また、VGCFが、ホウ素を0.01〜10質量%含み、2000℃以上の温度で黒鉛加熱処理されていると、導電性を更に向上させることができる。
【0100】
【図面の簡単な説明】
【図1】高分子型燃料電池の単セルの基本構成を模式的に示す断面図である。
【図2】実施例1,2及び比較例1における電流密度と電圧の関係を示すグラフである。
【図3】実施例1,3及び比較例1における電流密度と電圧の関係を示すグラフである。
【図4】実施例4における電流密度と電圧の関係を示すグラフである。
【図5】比較例2における電流密度と電圧の関係を示すグラフである。
【図6】ガス拡散シートの概念図である。
【図7】実施例5,6及び比較例3における電流密度と電圧の関係を示すグラフである。
【図8】実施例6,7及び比較例3における電流密度と電圧の関係を示すグラフである。
【図9】実施例5,8及び比較例3における電流密度と電圧の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 (溝付き)セパレータ板
2 多孔質アノードガス拡散シート
3 アノード触媒層
4 イオン交換膜
5 カソード触媒層
6 多孔質カソードガス拡散シート
7 接合体
8 ガス拡散シート(導電性多孔質基材)
9 ガス拡散層
10 触媒層
11 電解質膜(イオン交換膜)
12 触媒担持炭素粒子
13 繊維状炭素
14 導電性粉粒体
Claims (13)
- 電解質膜の両面に触媒層とガス拡散層とからなる電極を具備した燃料電池の接合体であって、触媒層が触媒成分を担持した導電性粉粒体、及び2300℃以上の温度で熱処理されて形成された、触媒成分が坦持されていない、繊維径10〜300nm繊維長100μm以下である気相成長炭素繊維を含む層であり、該導電性粉粒体及び該気相成長炭素繊維において、気相成長炭素繊維を0.1〜30質量%含むことを特徴とする燃料電池の接合体。
- 触媒成分が担持された導電性粉粒体、及び2300℃以上の温度で熱処理されて形成された、触媒成分が坦持されていない、繊維径10〜300nm繊維長100μm以下である気相成長炭素繊維を含み、該導電性粉粒体及び該気相成長炭素繊維において、気相成長炭素繊維を0.1〜30質量%含む電池用触媒組成物。
- 触媒成分が燃料電池において酸化還元反応を促進する触媒であることを特徴とする請求項2に記載の電池用触媒組成物。
- 触媒成分が、白金または白金合金であることを特徴とする請求項2または3に記載の電池用触媒組成物。
- 導電性粉粒体が、導電性カーボンブラックまたは炭素質粉粒体であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の電池用触媒組成物。
- 導電性粉粒体が、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック及びケッチンブラックからなる群のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の電池用触媒組成物。
- 気相成長炭素繊維が、該繊維中にホウ素を0.01〜10質量%含むものであることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の電池用触媒組成物。
- 導電性基材に、請求項2〜7のいずれか一項に記載の電池用触媒組成物を含む触媒層が形成されていることを特徴とする電極材。
- 導電性基材が、多孔質導電性基材であることを特徴とする請求項8に記載の電極材。
- 請求項8または9に記載の電極材を用いた燃料電池。
- 請求項1に記載の燃料電池の接合体をセパレータで挟持してなる燃料電池セル。
- 請求項11に記載の燃料電池セルを、少なくとも2つ以上積層させた燃料電池。
- 電解質膜が、高分子電解質膜であって、前記高分子電解質膜を挟んで配置した触媒層を有する一対の電極を具備した接合体からなる高分子電解質型燃料電池において、前記触媒層が導電性基材、触媒成分が担持された導電性粉粒体、及び2300℃以上の温度で熱処理されて形成された、触媒成分が坦持されていない、繊維径10〜300nm繊維長100μm以下である気相成長炭素繊維とを含み、該導電性粉粒体及び該気相成長炭素繊維において、気相成長炭素繊維を0.1〜30質量%含む触媒層からなることを特徴とする高分子電解質型燃料電池。
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