JP2003036862A - 固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法

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JP2003036862A JP2001222936A JP2001222936A JP2003036862A JP 2003036862 A JP2003036862 A JP 2003036862A JP 2001222936 A JP2001222936 A JP 2001222936A JP 2001222936 A JP2001222936 A JP 2001222936A JP 2003036862 A JP2003036862 A JP 2003036862A
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Yasuhiro Kunisa
康弘 国狭
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電極周辺の膜部分にしわが発生しない平坦な固
体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法の提
供。 【解決手段】金属製プレス板/弾性ゴム/離型剤シート
/電極/イオン交換膜/電極/離型剤シート/弾性ゴム
/金属製プレス板を順に積層してなる積層体に対し、1
20〜200℃でホットプレスを行った後、前記積層体
を冷却し、電極/イオン交換膜/電極からなる膜・電極
接合体の温度が100℃以下になった後、金属製プレス
板/弾性ゴム/離型剤シートからなる構成材を前記積層
体の両側から剥離して固体高分子型燃料電池用膜・電極
接合体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子型燃料
電池用膜・電極接合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水素・酸素燃料電池は、反応生成物が原
理的に水のみであり、地球環境への悪影響がほとんどな
い発電システムとして注目されている。特に、固体高分
子型燃料電池は、近年の研究の急速な進展により出力密
度が高くなりつつあり、実用化が大いに期待されてい
る。
【0003】従来より、固体高分子型燃料電池用膜・電
極接合体の製造方法として、イオン交換膜を電極で狭持
するホットプレス法が知られている。前記ホットプレス
法とは、例えば120〜200℃の温度に設定されたホ
ットプレス機を用いて電極/イオン交換膜/電極の順に
重ねた層を含む積層体をホットプレスし、膜・電極接合
体を得るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法の
場合、膜の収縮によるしわが発生し、平坦な膜・電極接
合体が得られない。このようなしわが発生した場合、膜
・電極接合体のセルへの組み込みが難しくなるだけでは
なく、複数のセルを積層して燃料電池スタックとする際
に水素ガス漏れを生じる原因ともなり得る。特に、膜・
電極接合体のサイズが大きい場合、なおさらしわの影響
が増すこととなる。
【0005】そこで本発明は、しわが発生せず平坦性の
高い、高性能な膜・電極接合体の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、触媒層を有す
る電極とイオン交換膜からなる固体高分子電解質とが接
合された固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造
方法であって、下記工程A〜Dを含むことを特徴とする
固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法を提
供する。 工程A:120〜200℃の温度に設定されたホットプ
レス機のプレス面上に、金属製プレス板/弾性ゴム/離
型剤シート/電極/イオン交換膜/電極/離型剤シート
/弾性ゴム/金属製プレス板を順に積層してなる積層体
を配置する工程。 工程B:前記積層体に対しホットプレスを行った後、前
記積層体を前記ホットプレス機から取り出す工程。 工程C:工程Bで得られた前記積層体を冷却し、電極/
イオン交換膜/電極からなる膜・電極接合体の温度を1
00℃以下にする工程。 工程D:金属製プレス板/弾性ゴム/離型剤シートから
なる構成材を前記積層体の両側から剥離させ、前記膜・
電極接合体を得る工程。
【0007】本発明では、ホットプレス後の工程Cにお
いて、電極/イオン交換膜/電極からなる膜・電極接合
体を金属製プレス板/弾性ゴム/離型剤シートからなる
構成材で両側から挟んだ状態のまま100℃以下まで冷
却しているので、膜は応力方向への変形を妨げられ、平
坦状態を保ったままガラス状態にされる。さらに、本発
明では冷却に際し、ホットプレス機より取り出した積層
体を5〜35℃の室温に保持された別のプレス機に組み
込み、ゲージ圧0.01〜1MPaで加圧した状態で冷
却させることが好ましい。この方法により膜の変形を防
ぎ、しわが発生せず平坦性の高い、高性能な膜・電極接
合体を効率よく製造することが可能となる。
【0008】ここで、従来より固体高分子型燃料電池に
使用されるスルホン酸基(−SOH)を有するパーフ
ルオロカーボン重合体(以下、スルホン酸型パーフルオ
ロカーボン重合体という)は基本的に、ガラス転移温度
(以下、Tという)以上になると収縮する傾向にあ
る。このような現象が起こるのは、低温では高分子の主
鎖のミクロブラウン運動(主鎖が重心を移動させずに揺
らぐ運動)は完全に凍結し、結晶化せずにそのまま凝固
したガラス状態となっているが、Tに達すると急にミ
クロブラウン運動を開始し、ゴム状態へと軟化し始める
ためである。さらに、通常、固体高分子型燃料電池に使
用されるような薄膜の場合、成形の際に延伸されること
が多いため、ゴム状態においては歪みを解消する方向に
力が働き、収縮傾向はさらに増大することになる。した
がって、従来のようにT以上の温度のまま膜・電極接
合体を応力を加えない状態とすると膜の収縮によるしわ
が多数発生することとなる。そのため、膜がガラス状態
で変形しない温度になるまで、目安としては膜のT
下の温度になるまで加圧状態を保って冷却することが重
要となる。
【0009】なお、膜のTは膜を構成する樹脂の種類
によって異なるが、上述のスルホン酸型パーフルオロカ
ーボン重合体からなるイオン交換膜の場合、通常T
70〜100℃程度なので、膜・電極接合体の冷却後の
温度が100℃以下、特には70℃以下となるまで加圧
状態を保つことが好ましい。100℃を超えた状態のま
ま加圧を中止すると、イオン交換膜がゴム状態のまま応
力を加えない状態となるため、膜にしわが発生しやす
く、また、プレス板から取り外す際に膜が変形しやす
い。
【0010】なお、ホットプレス後の冷却温度の下限は
特には限定されないが、その取扱い上、室温(5〜35
℃)までとすることが好ましい。なお、0℃以下では膜
に含まれる水分が凍結するため、金属製プレス板/弾性
ゴム/離型剤シートからなる構成材を剥離して膜・電極
接合体を取り出す際に膜が破断するおそれがあるため好
ましくない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、触媒層を有する電極と固体
高分子電解質であるイオン交換膜とが接合されている固
体高分子型燃料電池用膜・電極接合体をバッチ式のホッ
トプレスにより製造する方法について具体的に説明す
る。
【0012】まず、工程Aにおいて、120〜200℃
の温度に設定されたホットプレス機のプレス面上に、以
下の構成材を配置する。すなわち、金属製プレス板/弾
性ゴム/離型剤シート/電極/イオン交換膜/電極/離
型剤シート/弾性ゴム/金属製プレス板の順に配置し積
層体とする。
【0013】ここで、金属製プレス板は平坦なものを用
いる。材質はステンレス鋼や鉄などが好適に使用される
が、特には限定されない。また、表面の硬度を向上させ
るために、例えば表面をクロム等で処理したものでもよ
い。厚さはプレス板の剛性及び熱伝導性を考慮して5m
m〜2cm程度が好ましい。
【0014】また、弾性ゴムは金属製プレス板による膜
・電極接合体の傷を防ぐとともに、ホットプレス中、前
記各構成材に対して熱及び圧力を均等に伝えやすくする
ために配置する。したがって、特にシリコンゴム、ポリ
ブタジエンゴムなどからなることが好ましい。
【0015】また、本発明における離型剤シートは弾性
ゴムと電極との張り付きを防止する目的から用いるもの
であり、平坦性、耐熱性を有するシートであれば緻密で
あっても多孔質であってもよく、特に限定されない。例
えばポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEとい
う)フィルム、エチレン−テトラフルオロエチレン共重
合体(以下、ETFEという)フィルム、ポリエチレン
テレフタレート(以下、PETという)フィルム、ポリ
イミドフィルム、あるいはいわゆる上質PPC(Pla
ne Paper Copy)用紙のような一般的なコ
ピー用紙などが挙げられる。
【0016】また、本発明における電極は触媒層を有す
るが、触媒層は例えば白金、あるいは白金合金が担持さ
れたカーボン触媒とスルホン酸型パーフルオロカーボン
重合体とからなる。なお、触媒層の外側には導電性多孔
質からなるガス拡散層を配置し、触媒層全体にガスを拡
散させることが好ましい。ガス拡散層には、カーボンク
ロスやカーボンペーパー等の導電性多孔質シートが好ま
しく使用される。特に、それらの表面上にPTFEなど
の撥水剤とカーボンブラックの混合物とからなる撥水性
カーボン層が形成されていると、撥水性に優れ好まし
い。
【0017】なお、本明細書において、工程A〜Dにお
ける電極は、ガス拡散層上に触媒層が形成された一体化
電極、及びPTFE、PET、ETFEなどからなる基
材シート上に触媒層のみを形成したものの双方を含むも
のとする。前者の場合、膜と直接ホットプレスすること
で膜・電極接合体を得ることができる。後者の場合に
は、ホットプレス後、冷却完了後に膜から基材シートを
剥離して触媒層を膜に転写したものをそのまま膜・電極
接合体として使用することもできるが、好ましくはガス
拡散層を触媒層の外側に配置することにより膜・電極接
合体を得ることができる。
【0018】また、本発明におけるイオン交換膜として
は、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体からなる
膜が好適に使用される。
【0019】なお、膜の製造方法は特に限定されず、押
出し成形膜でもよいし、イオン交換樹脂を溶媒に溶解
し、溶液からキャスト法にて得られる膜でもよい。ま
た、補強材と複合化した補強膜でもよい。その場合、補
強材としてはポリエチレン、PTFE、テトラフルオロ
エチレン(以下、TFEという)/パーフルオロ(プロ
ピルビニルエーテル)共重合体、TFE/ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体などが挙げられる。これらの補強
材はフィブリル状で膜中に存在してもよいし、これらの
材料からなる織布、不織布又は多孔体に膜が保持されて
いてもよい。イオン交換膜の厚さは特に限定されない
が、20〜150μm程度が好ましい。
【0020】次に工程Bは、金属製プレス板/弾性ゴム
/離型剤シート/電極/イオン交換膜/電極/離型剤シ
ート/弾性ゴム/金属製プレス板の順に配置してなる積
層体に対しホットプレスを行った後、電極/イオン交換
膜/電極の順に構成される膜・電極接合体が金属製プレ
ス板/弾性ゴム/離型剤シートからなる構成材によって
両側から挟まれた状態のまま、前記積層体をホットプレ
ス機から取り出す。ホットプレス温度は膜の耐熱温度以
下でかつT以上の温度とすることが必要であることか
ら、120〜200℃の範囲としている。好ましくは1
40〜160℃である。120℃未満であると十分膜が
溶融しないため接合できず、また、200℃を超えると
膜の耐熱温度以上となることからいずれも好ましくな
い。また、ホットプレス圧力はゲージ圧1〜10MPa
が好ましい。低すぎると十分接合できず、高すぎると触
媒層の細孔が潰れたり膜に電極が食い込みすぎたりする
ためいずれも好ましくない。ホットプレス時間は特に限
定されないが、30秒から10分が好ましい。
【0021】次に工程Cは、前記膜・電極接合体が金属
製プレス板/弾性ゴム/離型剤シートからなる構成材に
よって両側から挟まれた状態のまま工程Bで得られた積
層体を冷却し、前記膜・電極接合体の温度を100℃以
下にする。冷却は前記膜・電極接合体の温度がT以下
になるまで行えば、膜の変形を防ぐことができる。上述
のとおり、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体か
らなる膜のTは通常、70〜100℃程度であるか
ら、膜・電極接合体の温度が100℃以下となるまで、
より好ましくは70℃以下まで冷却する。冷却時間は特
に限定されないが、自然放冷の場合10分〜3時間程度
が好ましい。なお、プレス板の放熱を大きくすればそれ
だけ冷却時間を短縮させることができる。
【0022】そして工程Dは、金属製プレス板/弾性ゴ
ム/離型剤シートからなる構成材を前記積層体の両側か
ら剥離させ、膜・電極接合体を得る。
【0023】ここで、工程Cにおける、膜・電極接合体
を金属製プレス板/弾性ゴム/離型剤シートからなる構
成材によって両側から挟んだまま冷却する工程において
は、ホットプレス直後の積層体を取り出し、5〜35℃
の室温に保持された別のプレス機に組み込み、加圧しな
がら急速冷却させる方法が好ましい。なぜなら、膜・電
極接合体はその冷却に際し、金属製プレス板によって両
側から加圧され、膜変形しないよう固定されているが、
その加圧が十分でない場合には膜の変形しようとする力
を抑えきれず、膜が変形し、膜・電極接合体周辺にしわ
が生じる場合があるためである。したがって、ホットプ
レス機から取り出した積層体を別のプレス機に移し、プ
レス機により加圧しながら冷却することで膜の変形を確
実に防ぎ、しわの少ない膜・電極接合体を得ることがで
きる。また、別のプレス機に積層体を組み込むことで効
率的な冷却が可能になり、生産効率も上がる。
【0024】なお、冷却時はゲージ圧0.01〜1MP
aで加圧することが好ましく、特にはゲージ圧0.1〜
0.6MPaでの加圧がより好ましい。ゲージ圧0.0
1MPa未満では加圧が弱すぎて、プレス面の平坦性が
十分でない場合、膜・電極接合体の十分な接着が不可能
な箇所が生じることがあり好ましくない。また、ゲージ
圧1MPaを超える加圧は膜の変形を防ぐ目的を果たす
上で必要ではない。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例(例1)及び比較例
(例2)により説明するが、本発明はこれらに限定され
ない。
【0026】[例1]ステンレス鋼製オートクレーブ
に、重合開始剤としてのジイソプロピルパーオキシカー
ボネートと、CF=CFOCFCF(CF)OC
CFSO Fとを仕込んだ。次に、液体窒素を用
いてオートクレーブ内を充分に脱気した後、TFEを導
入し、40℃にてバルク重合を開始した。重合中は、系
外からTFEを導入することによりオートクレーブ内の
圧力を一定に保持した。10時間後に未反応のTFEを
パージして重合を終了させ、得られたポリマー溶液をメ
タノールで凝集し、洗浄、乾燥させてTFE/CF
CFOCFCF(CF)OCFCFSOF共
重合体を得た。
【0027】その後、ジメチルスルホキシド30質量%
及びKOH15質量%を含む水溶液中でこの共重合体を
加水分解し、水洗した後、1モル/Lの塩酸中に浸漬す
ることでスルホン酸型パーフルオロカーボン重合体を得
た。なお、得られたスルホン酸型パーフルオロカーボン
重合体のイオン交換容量は1.1ミリ当量/g乾燥樹脂
であった。
【0028】次に、40質量%白金担持カーボン触媒と
上記スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体とをエタ
ノール/水の混合溶媒(質量比で1:1)に対して質量
比で7:3になるように加え、分散させることによっ
て、固形分濃度5質量%の触媒層形成用塗工液を調製し
た。
【0029】アノード、カソードともに、ガス拡散層と
しては、撥水性カーボンクロスの触媒層側の表面に撥水
剤とカーボン粉末とからなる撥水性カーボン層が形成さ
れたジャパンゴアテックス社製のカーベルCLをあらか
じめ160℃、ゲージ圧5MPaにおいて5分間ホット
プレスしてなるシートを用いた。そして、上記シートの
撥水性カーボン層側に、白金担持量が0.5mg/cm
となるように上記触媒分散液を1回塗布、乾燥させる
ことにより触媒層を形成し、電極を得た。これを2枚作
製し、それぞれ有効電極面積が250cmとなるよう
に切り出したものを、それぞれアノード、カソードとし
た。
【0030】イオン交換膜としてはスルホン酸型パーフ
ルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜(商品名:
フレミオンHR、旭硝子社製)を用い、さらにこの膜の
周辺部分に対して耐熱性のポリイミドフィルムを張り合
わせることにより、額縁状に補強を施したものを使用し
た。
【0031】膜・電極接合体の作製は、まず、ホットプ
レス機のプレス面上に、膜・電極接合体側の表面を研磨
したSUS316製プレス板、シリコンゴム、ポリイミ
ドフィルム、アノード(触媒層側の面を膜側に向けて配
置)、イオン交換膜、カソード(触媒層側の面を膜側に
向けて配置)、ポリイミドフィルム、シリコンゴム、S
US316製プレス板の順に構成材を配置し積層体とし
た。この積層体に対して160℃、ゲージ圧3MPaに
おいて4分間、ホットプレスを行った後、積層体を取り
出し、室温(20℃)に保持された別のプレス機に組み
込み、ゲージ圧0.1MPaで加圧しながら30分間冷
却した後、金属製プレス板/弾性ゴム/離型剤シートか
らなる構成材を積層体の両側から剥離して膜・電極接合
体を取り出した。取り出す際、膜・電極接合体の温度を
測定したところ、約40〜45℃であった。
【0032】同様の手順により膜・電極接合体を5サン
プル作製したが、何れのサンプルにおいても電極周辺部
のしわの発生はほとんどみられなかった。各サンプルを
一枚一枚、測定セルに設置し、両燃料ガスの入口圧
(1.0A/cm相当でゲージ圧0.15MPaの設
定)、水素/空気系、燃料利用率:水素/空気=70%
/40%、セル温度80℃にて行った。燃料ガスは1.
5A/cm相当の設定で供給した(空気=15.6L
/min、水素=3.7L/min。なお、気体の容積
は標準状態換算とする。以下同様)。その際、アノード
側からセル外への水素ガス漏れをポータブル式の可燃性
ガス検知器により調べたが、5つのサンプルのうち、い
ずれについても水素ガス漏れは認められなかった。
【0033】[例2(比較例)]膜・電極接合体の作製
工程において、ホットプレス後の積層体を冷却せず、ホ
ットプレス直後に積層体から金属製プレス板/弾性ゴム
/離型剤シートからなる構成材を積層体の両側から剥離
して膜・電極接合体を取り出した以外は、例1と同様の
手順を用いて膜・電極接合体を作製した。取り出した際
の膜・電極接合体の温度は約150℃であった。
【0034】例1と同様の手順により膜・電極接合体を
5サンプル作製したが、何れのサンプルにおいても電極
周辺部のフィルムにより補強した膜部分に幅2mmの凸
状の小しわが多数観察されたほか、電極周辺部には幅2
cm程度の周期で凹凸状のしわが生じていた。この膜・
電極接合体サンプルを例1と同様に測定セルに組み込
み、例1と同様に評価した。セル外への水素ガス漏れが
5つのサンプルのうち3つにおいて認められた。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、膜・電極接合体をホッ
トプレス法により形成するための工程において、ホット
プレス後に膜・電極接合体をプレス板で押さえ付けたま
ま、膜が軟化しない状態になるまで冷却することによ
り、膜本来が高温中に縮もうとする変形の動きを防ぐこ
とができる。その結果、電極周辺部において膜のしわが
発生するのを防ぎ、平坦な膜・電極接合体を歩留まり良
く製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒層を有する電極とイオン交換膜からな
    る固体高分子電解質とが接合された固体高分子型燃料電
    池用膜・電極接合体の製造方法であって、下記工程A〜
    Dを含むことを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜・
    電極接合体の製造方法。 工程A:120〜200℃の温度に設定されたホットプ
    レス機のプレス面上に、金属製プレス板/弾性ゴム/離
    型剤シート/電極/イオン交換膜/電極/離型剤シート
    /弾性ゴム/金属製プレス板を順に積層してなる積層体
    を配置する工程。 工程B:前記積層体に対しホットプレスを行った後、前
    記積層体を前記ホットプレス機から取り出す工程。 工程C:工程Bで得られた前記積層体を冷却し、電極/
    イオン交換膜/電極からなる膜・電極接合体の温度を1
    00℃以下にする工程。 工程D:金属製プレス板/弾性ゴム/離型剤シートから
    なる構成材を前記積層体の両側から剥離させ、膜・電極
    接合体を得る工程。
  2. 【請求項2】前記工程Cにおいて、5〜35℃に保持さ
    れた別のプレス機に工程Bで得られた前記積層体を組み
    込み、ゲージ圧0.01〜1MPaで加圧した状態で冷
    却する請求項1記載の固体高分子型燃料電池用膜・電極
    接合体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記イオン交換膜がスルホン酸基を有する
    パーフルオロカーボン重合体からなる請求項1又は2記
    載の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体の製造方
    法。
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