JP4908136B2 - カーボンナノチューブ含有組成物、複合体、およびそれらの製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブ含有組成物、複合体、およびそれらの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4908136B2
JP4908136B2 JP2006272514A JP2006272514A JP4908136B2 JP 4908136 B2 JP4908136 B2 JP 4908136B2 JP 2006272514 A JP2006272514 A JP 2006272514A JP 2006272514 A JP2006272514 A JP 2006272514A JP 4908136 B2 JP4908136 B2 JP 4908136B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
carbon nanotube
acrylate
containing composition
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006272514A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007182546A (ja
JP2007182546A5 (ja
Inventor
扶実乃 百瀬
隆司 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2006272514A priority Critical patent/JP4908136B2/ja
Publication of JP2007182546A publication Critical patent/JP2007182546A/ja
Publication of JP2007182546A5 publication Critical patent/JP2007182546A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4908136B2 publication Critical patent/JP4908136B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、カーボンナノチューブ含有組成物、複合体、およびそれらの製造方法に関する。
近年さまざまな産業分野において、ナノメートルサイズを有するいわゆるナノ物質を取り扱うナノテクノロジーが注目されている。ナノ物質を他の複数の材料とナノメーターレベルで複合化させることによって、従来にない新しい優れた機能を持った材料の開発が行われている。ナノ物質は、高度に分散させることによって、バルク状態とは異なる性質を示すため、複合体中に分散させておく技術は不可欠である。しかしながら、一般にナノ物質はその表面状態が不安定であるため、複合化の際に凝集し、ナノ物質特有の機能を発揮できないという問題がある。
ナノ物質の中でもカーボンナノチューブは、1991年に発見されて以来、その物性評価、機能解明が行われており、その応用に関する研究開発も盛んに実施されているが、樹脂や溶液と複合化する場合には、絡まった状態で製造されているカーボンナノチューブはさらに凝集し、本来の特性を発揮できないという問題がある。この為、カーボンナノチューブを物理的に処理したり、化学的に修飾したりして、溶媒や樹脂に均一に分散又は溶解する試みがなされている。例えば、単層カーボンナノチューブを強酸中で超音波処理することにより単層カーボンナノチューブを短く切断して分散する方法が提案されている(非特許文献1)。しかしながら、強酸中で処理を実施するため、操作が煩雑となり、工業的には適した方法ではなく、その分散化の効果も十分とはいえない。
このように切断された単層カーボンナノチューブは、その両末端が開いており、カルボン酸基等の含酸素官能基で終端されていることに着目し、カルボン酸基を酸塩化物にした後、アミン化合物と反応させ長鎖アルキル基を導入し、溶媒に可溶化することが提案されている(非特許文献2)。しかしながら、本方法では単層カーボンナノチューブに共有結合によって長鎖アルキル基を導入しているため、カーボンナノチューブのグラフェンシート構造の損傷やカーボンナノチューブ自体の特性に影響を与えるなどの問題点が残されている。
他の試みとしては、ピレン分子が強い相互作用によってカーボンナノチューブ表面上に吸着することを利用して、ピレン分子にアンモニウムイオンを含有する置換基を導入し、これを単層カーボンナノチューブとともに水中で超音波処理し、単層カーボンナノチューブに非共有結合的に吸着させることにより水溶性の単層カーボンナノチューブを製造する方法が報告されている(非特許文献3)。この方法によれば、非共有結合型の化学修飾のためグラフェンシートの損傷などは抑制されるが、非導電性のピレン化合物が存在するため、カーボンナノチューブの導電性能を低下させるという課題がある。
汎用の界面活性剤やポリマー系分散剤を使用して、カーボンナノチューブ自体の特性を損なうことなく、カーボンナノチューブを水、有機溶剤等の各種溶剤に分散化あるいは可溶化して分散液を得る方法が提案されている(特許文献1、特許文献2)。該分散液は溶液状態ではカーボンナノチューブが安定に分散しているとの記載があるが、該分散液から形成される塗膜や複合体中でのカーボンナノチューブの分散状態や導電性材料等への応用に関しては記載されていない。
また、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー、溶媒からなる組成物、及びそれから製造される複合体が提案されている(特許文献3)。該組成物及び複合体は導電性ポリマーを共存させることでカーボンナノチューブ自体の特性を損なうことなく、カーボンナノチューブを水、有機溶剤、含水有機溶媒等の溶媒に分散化あるいは可溶化し、長期保存安定性に優れると報告されている。導電性ポリマーが共存したカーボンナノチューブ組成物は、導電性、成膜性、成形性に優れ、簡便な方法で基材へ塗布、被覆可能であるが、使用する導電性ポリマー由来の着色によって、無色透明が要求される材料への応用は難しい。また、一般に導電性ポリマーは各種溶剤への溶解性が低いために、使用できる溶剤の制限が大きいという問題点があった。
また、ナノ物質、(メタ)アクリル系重合体、溶媒からなる組成物、及びそれから製造される複合体が提案されている(特許文献4)。該組成物及び複合体は(メタ)アクリル系重合体を共存させることでナノ物質自体の特性を損なうことなく、水、有機溶剤、含水有機溶媒等の溶媒に分散化あるいは可溶化し、長期保存安定性に優れると報告されている。(メタ)アクリル系重合体が共存したナノ物質組成物は、成膜性、成形性に優れ、簡便な方法で基材へ塗布、被覆可能であるが、分散性能を上げるためにはアミン化合物を併用するのが必要となり、使用できる溶剤が限定されてしまう課題がある。更に、スルホン酸基等を含有する化合物のため、重合性単量体中に添加して塗膜(硬化膜)として使用する場合には、膜成分との架橋点もなく、塗膜として耐水性、耐擦傷性が低下する課題があった。
さらに、イソシアネート化合物とポリヒドロキシ化合物との反応物であるウレタンアクリレート化合物を含有するバインダー樹脂とカーボンブラックやカーボンナノチューブ等の黒色系顔料からなるブラックマトリックス用感光性組成物が提案されている(特許文献5)。該ウレタンアクリレート化合物を含有する感光性組成物は薄膜で高遮光性を有するパターンを容易に形成でき、高感度、高硬化速度を有するためブラックマトリックスを低コストで製造することが出来ることが記載されているが、カーボンナノチューブの分散効果に関する記載はなく、黒色系顔料を分散させるために別途分散剤を添加している。また、ブラックマトリックスは黒色系顔料を含有する組成物から得られる塗膜によって遮光性を発現させることが必要であるため、該組成物を透明性が要求される用途に適応させる場合には、カーボンナノチューブの分散性のレベルは低く、十分な透明性のある塗膜は得られない。更に、カーボンナノチューブを分散させることで得られる導電性向上効果についても触れられていないという課題がある。
WO2002/016257号 特開2005−35810 WO2004/039893号 WO2006/028200号 特開2005−331938 R.E.Smalley等,Science,280,1253(1998) J.Chen等,Science,282,95(1998) Nakajima等,Chem.Lett.,638(2002)
本発明の目的は、カーボンナノチューブ自体の特性を損なうことなく、水、有機溶剤、含水有機溶剤等の各種溶剤及び/または重合性単量体に分散化あるいは可溶化することが可能であり、長期保存においてもカーボンナノチューブが分離、凝集せず、導電性、製膜性、成形性に優れ、簡便な方法で基材へ塗布、被覆可能で、しかもその塗膜または硬化膜が高い透明性を有し、耐水性、耐候性、基材への密着性、機械的強度、熱伝導性および硬度に優れているカーボンナノチューブ含有組成物、これらからなる塗膜または硬化膜を有する複合体、及びそれらの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み、鋭意研究をした結果、水酸基含有(メタ)アクリレート(b−1)と下記式一般式(1)及び/または下記一般式(2)で表されるイソシアネート化合物(b−2)との反応物であるウレタン化合物(b)がカーボンナノチューブを分散、可溶化できることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明は、
(1)カーボンナノチューブ(a)及び、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(b−1)と下記一般式(1)及び/または下記一般式(2)で表されるイソシアネート化合物(b−2)との反応物であるウレタン化合物(b)を含有し、前記カーボンナノチューブ(a)の含有量は、前記ウレタン化合物(b)100質量部に対して、0.0001〜20質量部である、カーボンナノチューブ含有組成物。
(式中、R4143はそれぞれ独立に炭素数1〜24のアルキレン、アリーレン、またはアラルキレン基から選ばれた2価の基を表す。)
(式中、R51は炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基から選ばれた基であり、mは0〜4の整数であり、mが2以上の時には同一であっても良いし、異なっていても良い。nは2〜6の整数であり、(m+n)は6以下の整数である。)
(2)さらに、重合性単量体(c−1)を含有し、前記重合性単量体(c−1)100質量部に対して、0.001〜99.9質量部のウレタン化合物(b)を含有する(1)記載のカーボンナノチューブ含有組成物。
(3)さらに、溶剤(c−2)、光重合開始剤(d−1)または熱重合開始剤(d−2)を含有し、前記ウレタン化合物(b)、重合性単量体(c−1)及び溶剤(c−2)の合計100質量部に対して、0.05〜10質量部の前記光重合開始剤(d−1)または熱重合開始剤(d−2)を含有する(2)記載のカーボンナノチューブ含有組成物。
(4)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(b−1)が、下記一般式(3)
(式中、R11は水素原子またはメチル基を示し、R12はエーテル結合を含んでもよい炭素数2〜24の炭化水素基であり、m及びnはそれぞれ1以上、且つ(m+n)がR12の炭素数以下である整数を表す。)
及び/または、下記一般式(4)
(式中、R21は水素原子またはメチル基を示し、R22は炭素数2〜24のアルキレン基、炭素数1〜24のアリーレン基、または炭素数1〜24のアラルキレン基を、nは1〜100の整数を示す。)
で表される化合物である(1)〜(3)何れか一項に記載のカーボンナノチューブ含有組成物。
(5)上記(1)〜(4)に記載のカーボンナノチューブ含有組成物を製造する際に、各原料を混合して得られた混合物に超音波を照射する工程を含むカーボンナノチューブ含有組成物の製造方法。
(6)基材の少なくとも一つの面上に、上記(1)〜(4)にカーボンナノチューブ含有組成物を塗工し、次いで常温で放置、加熱処理及び/または光照射を行って塗膜または硬化膜を形成する複合体の製造方法。
(7)型の内面に、上記(1)〜(4)に記載のカーボンナノチューブ含有組成物を塗布し、硬化させて硬化膜を形成した後、型内に重合性原料または溶融樹脂を流し込み、固化させて基材となし、該基材を前記硬化膜とともに型から剥離することを特徴とする複合体の製造方法。
(8)基材の少なくとも一つの面上に、上記(1)〜(4)に記載のカーボンナノチューブ含有組成物を塗工し、次いで常温で放置、加熱処理及び/または光照射を行って形成した塗膜または硬化膜を有する複合体。
(9)型の内面に、上記(1)〜(4)に記載のカーボンナノチューブ含有組成物を塗布し、硬化させて硬化膜を形成した後、型内に重合性原料または溶融樹脂を流し込み、固化させて基材となし、該基材を前記硬化膜とともに型から剥離して得られる複合体。
(10)全光線透過率が50%以上である、上記(8)または(9)記載の複合体。
(11)透明導電性フィルム、透明導電性シートまたは透明導電性成形体であることを特徴とする上記(8)または(9)記載の複合体。
に関する。
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物は、カーボンナノチューブ自体の特性を損なうことなく、カーボンナノチューブが有機溶剤、含水有機溶剤、水、重合性単量体に分散化あるいは可溶化することが可能であり、長期保存においても分離、凝集しない。また、本発明のカーボンナノチューブ含有組成物によれば、該組成物を基材に塗工することで、導電性が高く、着色が抑えられ、高い透明性を有しかつ基材への密着性のよい硬化膜を形成できる。しかもその塗膜は、高い透明性を有し、耐水性、耐候性及び硬度、耐擦傷性、機械的強度、熱伝導性に優れている。
以下、本発明について詳細に説明する。
<カーボンナノチューブ(a)>
カーボンナノチューブ(a)は、例えば、厚さ数原子層のグラファイト状炭素原子面を丸めた円筒、または該円筒が複数個入れ子構造になったものであり、外径がnmオーダーの極めて微小な物質である。
カーボンナノチューブ(a)としては、通常のカーボンナノチューブ、すなわち、単層カーボンナノチューブ、何層かが同心円状に重なった多層カーボンナノチューブ、これらがコイル状になったもの、カーボンナノチューブの片側が閉じた形をしたカーボンナノホーン、その頭部に穴があいたコップ型のナノカーボン物質、カーボンナノチューブ(a)の類縁体であるフラーレン、カーボンナノファイバー等が挙げられる。
カーボンナノチューブ(a)の製造方法としては、二酸化炭素の接触水素還元、アーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相成長法(CVD法)、気相成長法、一酸化炭素を高温高圧化で鉄触媒と共に反応させて気相で成長させるHiPco法等が挙げられる。各種機能を十分に発現させるために、これら製造方法によって得られたカーボンナノチューブ(a)として、好ましくは単層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブであり、更に洗浄法、遠心分離法、ろ過法、酸化法、クロマトグラフ法等の種々の精製法によって、より高純度化することが好ましい。
カーボンナノチューブ(a)は、ボールミル、振動ミル、サンドミル、ロールミル等のボール型混練装置等を用いて粉砕されていてもよく、化学的、物理的処理によって短く切断されていてもよい。
<ウレタン化合物(b)>
本発明におけるウレタン化合物(b)は水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(b−1)とイソシアネート化合物(b−2)との反応物であれば特に限定されない。また、ウレタン化合物(b)中には1個以上のウレタン結合が存在することができる。ウレタン結合がウレタン化合物(b)中に2個以上存在するとき、各ウレタン結合は同一でも異なっていても良い。このようなウレタン化合物(b)は、例えば、カチオン性、アニオン性、ノニオン性あるいは両性の化合物であることができ、また、その構造中にケイ素原子やフッ素原子を有するシリコーン系、あるいはフッ素系のウレタン結合を有する化合物であってもよい。
<水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(b−1)>
本発明に使用できる水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(b−1)はその分子中に水酸基及び(メタ)アクリレート基を含有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、前記一般式(1)及び/または、前記一般式(2)で表される化合物を好ましく例示することが出来る。
例えば、1つの(メタ)アクリレート基と1つの水酸基を持つ化合物としては、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸1−(ヒドロキシメチル)プロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシヘプシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸2−((6−ヒドロキシヘキサノイル)オキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸9−ヒドロキシ−10−メトキシデシル、(メタ)アクリル酸2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−メチル−3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−3ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル、デカエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリデカエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸17−ヒドロキシ−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカン1−イル、(メタ)アクリル酸20−ヒドロキシ−3,6,9,12,15、18−ヘキサオキサイコサン1−イル、(メタ)アクリル酸2‐メチル‐2‐(3‐ヒドロキシ‐2,2‐ジメチルプロポキシカルボニル)プロピル、(メタ)アクリル酸3‐[3‐(3‐ヒドロキシプロピル)‐3‐オキソプロポキシ]‐3‐オキソプロピル、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシ‐3‐アリルオキシプロピル、(メタ)アクリル酸1‐フェニル‐2‐ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4‐ヒドロキシフェニル、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシ3‐フェノキシプロピル、(メタ)アクリル酸2‐(4‐ヒドロキシフェニル)エチル、(メタ)アクリル酸2‐[(2‐ヒドロキシベンジル)オキシ]エチル、(メタ)アクリル酸2‐(4‐ヒドロキシフェノキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3‐ヒドロキシ‐4‐アセチルフェニル、(メタ)アクリル酸4‐(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3‐ヒドロキシ‐4‐ベンゾイルフェニル、(メタ)アクリル酸1‐(ヒドロキシメチル)トリデシル、(メタ)アクリル酸10‐ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシテトラデシル等を挙げることができる。
例えば、1つの(メタ)アクリレート基と2つ以上の水酸基を持つ化合物としては、(メタ)アクリル酸3,4‐ジヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2,2‐ビス(ヒドロキシメチル)ブチル、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシ‐1‐ヒドロキシメチルエチル、(メタ)アクリル酸1,1‐ビス(ヒドロキシメチル)エチル、(メタ)アクリル酸2,3‐ジヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3‐ジヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシ‐1‐ヒドロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸3‐ヒドロキシ‐2‐(ヒドロキシメチル)プロピル、(メタ)アクリル酸2,3‐ジヒドロキシ‐1‐メチルプロピル、(メタ)アクリル酸2,4‐ジヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2‐メチル‐3‐ヒドロキシ‐2‐(ヒドロキシメチル)プロピル、(メタ)アクリル酸2,3‐ジヒドロキシ‐2‐メチルプロピル、(メタ)アクリル酸3‐ヒドロキシ‐1‐(ヒドロキシメチル)プロピル、(メタ)アクリル酸9,10‐ジヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸2,3‐ジヒドロキシ‐2‐(ヒドロキシメチル)プロピル、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシ‐1,1‐ビス(ヒドロキシメチル)エチル、ペンタエリトリトールモノ(メタ)アクレート、(メタ)アクリル酸2,3,4‐トリヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸1‐(ヒドロキシメチル)‐2,3‐ジヒドロキシプロピル、等を挙げることが出来る。
例えば、2つ以上の(メタ)アクリレート基と1つ以上の水酸基を持つ化合物としては、ジ(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシトリメチレン、ジ(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシ‐2‐メチルトリメチレン、ビス(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシメチル‐2‐メチル‐1,3‐プロパンジイル、ジ(メタ)アクリル酸2‐エチル‐2‐(ヒドロキシメチル)トリメチレン、ジ(メタ)アクリル酸2‐(ヒドロキシメチル)‐1,3‐プロパンジイル、ビス(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシ‐1‐メチル‐1,3‐プロパンジイル、ビス(メタ)アクリル酸1‐(2‐ヒドロキシエチル)‐1,2‐エタンジイル、ビス(メタ)アクリル酸1‐ヒドロキシメチル‐1,2‐エタンジイル、ビス(メタ)アクリル酸1‐(1‐ヒドロキシエチル)‐1,2‐エタンジイル、ビス(メタ)アクリル酸1‐ヒドロキシメチル‐2‐メチル‐1,2‐エタンジイル、ビス(メタ)アクリル酸1‐(ヒドロキシメチル)‐1‐メチルエチレン、ビス(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシ‐1,4‐ブタンジイル、ビス(メタ)アクリル酸1‐(ヒドロキシメチル)‐1,3‐プロパンジイル、ビス(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシ‐1,6‐ヘキサンジイル、ビス(メタ)アクリル酸1‐(2‐ヒドロキシプロポキシメチル)エチレンビス[オキシ(1‐メチル‐2,1‐エタンジイル)]、ビス(メタ)アクリル酸2‐(2‐ヒドロキシプロポキシ)‐1,3‐プロパンジイルビス[オキシ(1‐メチル‐2,1‐エタンジイル)]、(メタ)アクリル酸8‐(2‐ヒドロキシプロポキシ)‐1,4,12‐トリメチル‐14‐オキソ‐3,6,10,13‐テトラオキサ‐15‐ヘキサデセン‐1‐イル、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシ3‐[(2‐メチル‐1‐オキソ‐2‐プロペニル)オキシ]プロピル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリラート、トリス(メタ)アクリル酸2‐(ヒドロキシメチル)プロパン‐1,2,3‐トリイル、ビス(メタ)アクリル酸2‐(アクリロイルオキシメチル)‐2‐ヒドロキシプロパン‐1,3‐ジイル、トリス(メタ)アクリル酸3‐(ヒドロキシメチル)プロパン‐1,2,3‐トリイル、トリス(メタ)アクリル酸3‐ヒドロキシブタン‐1,2,4‐トリイル、(メタ)アクリル酸3‐[2,2‐ビス[((メタ)アクリロイルオキシ)メチル]‐3‐ヒドロキシプロポキシ]‐2,2‐ビス[((メタ)アクリロイルオキシ)メチル]プロピルジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリラート、ビス(メタ)アクリル酸2‐[[[2‐(ヒドロキシメチル)‐2‐[((メタ)アクリロイルオキシ)メチル]‐3‐((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル]オキシ]メチル]‐2‐[((メタ)アクリロイルオキシ)メトキシ]プロパン‐1,3‐ジイル等を挙げることが出来る。
例えば、2つ以上の(メタ)アクリレート基と2つ以上の水酸基を持つ化合物としては、ビス(メタ)アクリル酸2,3‐ジヒドロキシブタン‐1,4‐ジイル、ビス(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシ‐2‐(ヒドロキシメチル)プロパン‐1,3‐ジイル、ジ(メタ)アクリル酸2,2‐ビス(ヒドロキシメチル)‐1,3‐プロパンジイル、ビス(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシ‐3‐(ヒドロキシメチル)プロパン‐1,3‐ジイル、ビス(メタ)アクリル酸1,1‐ビス(ヒドロキシメチル)エチレン、ビス(メタ)アクリル酸1‐(1,2‐ジヒドロキシエチル)エタン‐1,2‐ジイル、ビス(メタ)アクリル酸1,2‐ビス(ヒドロキシメチル)エチレン、ビス(メタ)アクリル酸1,6‐ヘキサンジイルビス(オキシ)ビス(2‐ヒドロキシ‐3,1‐プロパンジイル)、ビス(メタ)アクリル酸(2,11‐ジヒドロキシ‐4,9‐ジオキサドデカン)‐1,12‐ジイル、ビス(メタ)アクリル酸2,9‐ジヒドロキシ‐4,7‐ジオキサデカン‐1,10‐ジイル、ジ(メタ)アクリル酸3,3′‐(1,3‐フェニレンビスオキシ)ビス(2‐ヒドロキシプロピル)等を挙げることが出来る。
これらの化合物は、それぞれ単独で用いても良いし、2種類以上混合して用いても良い。
上記、水酸基含有(メタ)アクリレート(b−1)のうち、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、ジ(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシトリメチレン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリラート、(メタ)アクリル酸2‐(2‐ヒドロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸8‐ヒドロキシ‐3,6‐ジオキサオクタン‐1‐イル、(メタ)アクリル酸2‐[2‐[2‐(2‐ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]エチル、デカエチレングリコール(メタ)アクリラート、ウンデカエチレングリコール(メタ)アクリラート、ドデカエチレングリコール(メタ)アクリラート、トリデカエチレングリコール(メタ)アクリラート、(メタ)アクリル酸17‐ヒドロキシ‐3,6,9,12,15‐ペンタオキサヘプタデカン‐1‐イル、(メタ)アクリル酸20‐ヒドロキシ‐3,6,9,12,15,18‐ヘキサオキサイコサン‐1‐イルが特に好ましく用いられる。これらの化合物は、それぞれ単独で用いても良いし、2種類以上混合して用いても良い。
<イソシアネート化合物(b−2)>
本発明に使用できるイソシアネート化合物(b−2)はイソシアネート類、ジイソシアネート類、トリイソシアネート類、及び/またはポリイソシアネート類であれば特に限定されないが、好ましくはジイソシアネート化合物及び/またはトリイソシアネート化合物である。
前記イソシアネート類としては、例えば、イソシアン酸フェニル、イソシアン酸トリル、イソシアン酸ナフチル、イソシアン酸ビニル等が挙げられる。
前記ジイソシナネート類としては、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ω,ω′−ジイソシネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート類、キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート類、ベンゼン−1,3−ジイソシアネート、ベンゼン−1,4−ジイソシアネート等のベンゼンジイソシアナート類;トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,5−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、トルエン−3,5−ジイソシアネート等のトルエンジイソシアネート類;1,2−キシレン−3,5−ジイソシアネート、1,2−キシレン−3,6−ジイソシアネート、1,2−キシレン−4,6−ジイソシアネート、1,3−キシレン−2,4−ジイソシアネート、1,3−キシレン−2,5−ジイソシアネート、1,3−キシレン−2,6−ジイソシアネート、1,3−キシレン−4,6−ジイソシアネート、1,4−キシレン−2,5−ジイソシアネート、1,4−キシレン−2,6−ジイソシアネート等のキシレンジイソシアネート類等の芳香族ジイソシアネート類を挙げることができる。
また、前記トリイソシアネート類としては、例えば、ベンゼン−1,2,4−トリイソシアネート、ベンゼン−1,2,5−トリイソシアネート、ベンゼン−1,3,5−トリイソシアネート等のベンゼントリイソシアネート類;トルエン−2,3,5−トリイソシアネート、トルエン−2,3,6−トリイソシアネート、トルエン−2,4,5−トリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート、トルエン−3,4,6−トリイソシアネート、トルエン−3,5,6−トリイソシアネート等のトルエントリイソシアネート類、1,2−キシレン−3,4,6−トリイソシアネート、1,2−キシレン−3,5,6−トリイソシアネート、1,3−キシレン−2,4,5−トリイソシアネート、1,3−キシレン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3−キシレン−3,4,5−トリイソシアネート、1,4−キシレン−2,3,5−トリイソシアネート、1,4−キシレン−2,3,6−トリイソシアネート等のキシレントリイソシアネート類等の芳香族トリイソシアネート類、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4− イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の脂肪族、脂環族または含ヘテロ原子含有のトリイソシアネート類を挙げることができる。
前記ポリイソシアネート類としては、例えば、前記ジイソシアネート類、トリイソシアネート類の3量体、及びこれらのポリオール付加物等が挙げられる。
前記ジイソシアネート類、及び/またはトリイソシアネート類としては、前記一般式(1)及び/または前記一般式(2)を好ましい例として挙げる事ができる。
子中に2個のイソシアネート基を有する化合物としては
例えば、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記一般式(1)で表される分子中に3個のイソシアネート基を有する化合物としては、2個のイソシアネート基を有する化合物の3量体からなるものが好ましい。分子中に2個のイソシアネート基を有する化合物としては、前記の各種ジイソシアネート類を用いることができる。
前記一般式(2)で表される芳香族イソシアネート化合物としては、ベンゼン−1,3−ジイソシアネート、ベンゼン−1,4−ジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,5−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、トルエン−3,5−ジイソシアネート、1,2−キシレン−3,5−ジイソシアネート、1,2−キシレン−3,6−ジイソシアネート、1,2−キシレン−4,6−ジイソシアネート、1,3−キシレン−2,4−ジイソシアネート、1,3−キシレン−2,5−ジイソシアネート、1,3−キシレン−2,6−ジイソシアネート、1,3−キシレン−4,6−ジイソシアネート、1,4−キシレン−2,5−ジイソシアネート、1,4−キシレン−2,6−ジイソシアネート等を挙げることができる。
前記、イソシアネート化合物のうち、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート三量体、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,5−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、トルエン−3,5−ジイソシアネート、1,2−キシレン−3,5−ジイソシアネート、1,2−キシレン−3,6−ジイソシアネート、1,2−キシレン−4,6−ジイソシアネート、1,3−キシレン−2,4−ジイソシアネート、1,3−キシレン−2,5−ジイソシアネート、1,3−キシレン−2,6−ジイソシアネート、1,3−キシレン−4,6−ジイソシアネート、1,4−キシレン−2,5−ジイソシアネート、1,4−キシレン−2,6−ジイソシアネートを特に好ましく用いられる。これらの化合物は、それぞれ単独で用いても良いし、2種類以上混合して用いても良い。
前記ウレタン化合物(b)の中でも、前記一般式(3)及び前記一般式(4)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート(b−1)と、前記一般式(1)、一般式(2)で表されるイソシアネート化合物(b−2)、との反応物が特に好ましく用いられる。これらのウレタン化合物(b)は重合性単量体としても機能を有しており、本発明において、重合性単量体(c−1)中へカーボンナノチューブ(a)を分散させる場合には特に有効である。
前記、ウレタン化合物(b)は単独で用いても良いし、2種類以上併用することも出来る。また、その他のウレタン化合物(b)と併用しても良い。なお、本発明における「(メタ)アクリル」あるいは「(メタ)アクリロイル」とは、「メタクリル」と「アクリル」あるいは「メタアクリロイル」と「アクリロイル」との総称である。
<重合性単量体(c−1)>
重合性単量体(c−1)は、前記ウレタン化合物(b)を除いて、ウレタン化合物(b)を溶解し、該ウレタン化合物(b)の作用によってカーボンナノチューブ(a)を分散または溶解するものであればよい。
重合性単量体(c−1)としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、重合性基を2つ以上有する(メタ)アクリル系化合物、スチレン、メチルスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。これらのうち、硬化性樹脂組成物の硬化膜の透明性、耐衝撃性、耐擦傷性、易成形性の観点から、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、重合性基を2つ以上有する(メタ)アクリル系化合物が好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
重合性基を二つ以上有する(メタ)アクリル系化合物としては、(i)多価アルコール1モルに対し2モル以上の(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体を反応させて得られるエステル化物;(ii)多価アルコールと、多価カルボン酸またはその無水物と、(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られる1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する線状のエステル化物;(iii)ポリ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート;(iv)エポキシポリアクリレート等が挙げられる。
(i)のエステル化物としては、ポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(ii)のエステル化物において、多価カルボン酸またはその無水物/多価アルコール/(メタ)アクリル酸の好ましい組み合わせとしては、マロン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
(iii)ポリ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレートとしては、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジまたはトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
重合性単量体(c−1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<溶剤(c−2)>
溶剤(c−2)は、ウレタン化合物(b)が溶解し、カーボンナノチューブ(a)が分散または溶解するものであれば特に限定されない。例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、四塩化炭素、二塩化エチレン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶剤及び、含水有機溶剤が使用できる。これらの溶剤は単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。
<光重合開始剤(d−1)>
光重合開始剤(d−1)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等が挙げられる。光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<熱重合開始剤(d−2)>
熱重合開始剤(d−2)としては、アゾ化合物、有機過酸化物等の熱重合開始剤が挙げられる。
アゾ化合物としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}等が挙げられる。
有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等が挙げられる。
熱重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<高分子化合物(e)>
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物において、高分子化合物(e)を用いることにより塗膜の基材密着性、強度は更に向上する。本発明において使用できる高分子化合物(e)としては、本発明に用いるウレタン化合物(b)、重合性単量体(c−1)及び/または溶剤(c−2)に溶解または分散(エマルション形成)可能であり、ウレタン化合物(b)でなければ特に限定されるものではなく、具体的にはポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルコール類;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレートなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩などのポリ(メタ)アクリル酸類、ポリアクリルアマイド、ポリ(N−t−ブチルアクリルアマイド)などのポリアクリルアマイド類;ポリビニルピロリドン類、ポリスチレンスルホン酸及びそのソーダ塩類、セルロース、アルキド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、ユリア樹脂、ポリイミド樹脂、マレイン酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、スチレン樹脂、アクリル/スチレン共重合樹脂、酢酸ビニル/アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン/マレイン酸共重合樹脂、フッ素樹脂及びこれらの共重合体などが用いられる。また、これらの高分子化合物(e)は二種以上を任意の割合で混合したものであってもよい。
<界面活性剤(f)>
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物は、界面活性剤(f)を加えると更に可溶化あるいは分散化が促進するとともに、平坦性、塗布性及び導電性などが向上する。本発明で使用できる界面活性剤(f)は前記ウレタン化合物(b)でなければの特に限定されるものではない。具体例としては、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルカルボン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、ジアルキルスルホコハク酸、α−スルホン化脂肪酸、N−メチル−N−オレイルタウリン、石油スルホン酸、アルキル硫酸、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸、アルキルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物およびこれらの塩などのアニオン系界面活性剤;第一〜第三脂肪アミン、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルホリニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミドおよびその塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミドの尿素縮合物およびその塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミドの尿素縮合物の第四級アンモニウム塩などのカチオン系界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビスポリオキシエチレンアンモニウム硫酸エステルベタイン、2−アルキル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのベタイン類、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸塩などのアミノカルボン酸類などの両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、トリアルキルアミンオキサイドなどの非イオン系界面活性剤;およびフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノールなどのフッ素系界面活性剤が用いられる。ここで、アルキル基は炭素数1〜24が好ましく、炭素数3〜18がより好ましい。なお、界面活性剤は二種以上用いても何らさしつかえない。
<シランカップリング剤(g)>
本発明においては、更にシランカップリング剤(g)を併用することができる。シランカップリング剤(g)を併用したカーボンナノチューブ含有組成物から得られる塗膜の耐水性は著しく向上する。本発明で使用できるシランカップリング剤(g)としては、本発明に用いるウレタン化合物(b)、重合性単量体(c−1)、及び/または溶剤(c−2)に溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、下記一般式(6)で表されるシランカップリング剤が挙げられる。
(式(6)中、R61〜R63は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基、アミノ基、アセチル基、フェニル基、ハロゲン原子を表し、X61は、下記式(7)を表し、Y61は、水酸基、チオール基、アミノ基、エポキシ基、またはエポキシシクロヘキシル基を表す。)
(式(7)中、p、q、rは、それぞれ1〜6の整数を表す。)
エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、β−アミノエチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロポキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
チオール基を有するシランカップリング剤としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、β−メルカプトエチルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
水酸基を有するシランカップリング剤としては、β−ヒドロキシエトキシエチルトリエトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
エポキシシクロヘキシル基を有するシランカップリング剤としては、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
<コロイダルシリカ(h)>
本発明においては、更にコロイダルシリカ(h)を併用することができる。コロイダルシリカ(h)を併用したカーボンナノチューブ含有組成物から得られる塗膜は、表面硬度や耐候性が著しく向上する。本発明で使用できるコロイダルシリカ(h)は、特に限定されないが、水、有機溶媒または水と有機溶媒との混合溶媒に分散されているものが好ましく用いられる。有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、エチルイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のエチレングリコール類;プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のプロピレングリコール類等が好ましく用いられる。また、コロイダルシリカ(h)としては、粒子径が1nm〜300nmのものが好ましく用いられ、より好ましくは1nm〜150nm、更に好ましくは1nm〜50nmの範囲のものが用いられる。この粒子系の範囲でコロイダルシリカを使用すると塗膜は透明性を維持したまま、その表面硬度、耐候性は著しく向上する。
<カーボンナノチューブ含有組成物>
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物は、カーボンナノチューブ(a)とウレタン化合物(b)の必須構成成分に、それぞれ重合性単量体(c−1)及び/または溶剤(c−2)を含有することができる。更に、必要に応じて高分子化合物(e)、界面活性剤(f)、シランカップリング剤(g)、コロイダルシリカ(h)を含有することができる。
カーボンナノチューブ(a)の量は、カーボンナノチューブ含有組成物のカーボンナノチューブ(a)以外の構成成分(ウレタン化合物(b)、ウレタン化合物(b)と重合性単量体(c−1)、ウレタン化合物(b)と溶剤(c−2)、ウレタン化合物(b)と重合性単量体(c−1)と溶剤(c−2))の合計100質量部に対して、カーボンナノチューブ(a)が0.0001〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.001〜10質量部である。これらの組成範囲内で導電性、溶解性あるいは分散性が特に良好であり、また、これ以上増大しても性能に更に大きな向上はない。
ウレタン化合物(b)の量は、重合性単量体(c−1)及び/または溶剤(c−2)を併用する場合、重合性単量体(c−1)及び/または溶剤(c−2)100質量部に対してウレタン化合物(b)が0.001〜99.9質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜99.9質量部である。これらの範囲内で導電性、溶解性あるいは分散性が特に良好であり、また、これ以上増大しても性能に更に大きな向上はない。
重合性単量体(c−1)と溶剤(c−2)を併用する場合、重合性単量体(c−1)と溶剤(c−2)の量比は、重合性単量体(c−1)/溶剤(c−2)が100/0〜0/100であり、任意の比率で混合することができる。
光重合開始剤(d−1)は、ウレタン化合物(b)が重合性単量体の場合、及び/または重合性単量体(c−1)を使用する場合に用いられ、カーボンナノチューブ含有組成物のカーボンナノチューブ(a)以外の構成成分(ウレタン化合物(b)、ウレタン化合物(b)と重合性単量体(c−1)、ウレタン化合物(b)と溶剤(c−2)、ウレタン化合物(b)と重合性単量体(c−1)と溶剤(c−2))の合計100質量部に対して、0.05〜10質量部が好ましい。光重合開始剤(d−1)の量をこの範囲とすることにより、カーボンナノチューブ含有組成物は充分に硬化し、硬化膜の着色もなく、透明性の高い複合体が得られる。
熱重合性開始剤(d−2)は、ウレタン化合物(b)が重合性単量体の場合、及び/または重合性単量体(c−1)を使用する場合に用いられ、カーボンナノチューブ含有組成物のカーボンナノチューブ(a)以外の構成成分(ウレタン化合物(b)、ウレタン化合物(b)と重合性単量体(c−1)、ウレタン化合物(b)と溶剤(c−2)、ウレタン化合物(b)と重合性単量体(c−1)と溶剤(c−2))の合計100質量部に対して、0.05〜10質量部が好ましい。熱重合開始剤(d−2)の量をこの範囲とすることにより、カーボンナノチューブ含有組成物は十分に硬化し、硬化膜の着色もなく、透明性の高い複合体が得られる。
高分子化合物(e)の量は、カーボンナノチューブ含有組成物のカーボンナノチューブ(a)以外の構成成分(ウレタン化合物(b)、ウレタン化合物(b)と重合性単量体(c−1)、ウレタン化合物(b)と溶剤(c−2)、ウレタン化合物(b)と重合性単量体(c−1)と溶剤(c−2))の合計100質量部に対して、高分子化合物(e)が0.1〜400質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜300質量部である。高分子化合物(e)が0.1質量部以上であれば成膜性、成形性、強度がより向上し、一方、400質量部以下の時、ウレタン結合を有する化合物(b)やカーボンナノチューブ(a)の溶解性の低下が少なく、導電性が特に良好に維持される。
界面活性剤(f)の量は、カーボンナノチューブ含有組成物のカーボンナノチューブ(a)以外の構成成分(ウレタン化合物(b)、ウレタン化合物(b)と重合性単量体(c−1)、ウレタン化合物(b)と溶剤(c−2)、ウレタン化合物(b)と重合性単量体(c−1)と溶剤(c−2))の合計100質量部に対して、界面活性剤(f)が0.0001〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜5質量部であるこれらの範囲内でカーボンナノチューブ(a)の溶解性あるいは分散性、長期保存安定性が特に良好であり、また、これ以上増大しても性能に更に大きな向上はない。
シランカップリング剤(g)の量は、カーボンナノチューブ含有組成物のカーボンナノチューブ(a)以外の構成成分(ウレタン化合物(b)、ウレタン化合物(b)と重合性単量体(c−1)、ウレタン化合物(b)と溶剤(c−2)、ウレタン化合物(b)と重合性単量体(c−1)と溶剤(c−2))の合計100質量部に対して、シランカップリング剤(g)が0.001〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜15質量部である。これらの範囲内で塗膜の耐水性が特に良好であり、また、これ以上増大しても性能に更に大きな向上はない。
コロイダルシリカ(h)の量は、カーボンナノチューブ含有組成物のカーボンナノチューブ(a)以外の構成成分(ウレタン化合物(b)、ウレタン化合物(b)と重合性単量体(c−1)、ウレタン化合物(b)と溶剤(c−2)、ウレタン化合物(b)と重合性単量体(c−1)と溶剤(c−2))の合計100質量部に対して、コロイダルシリカ(h)が0.001〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜50質量部である。コロイダルシリカ(h)が0.001質量部以上であれば、耐水性、耐侯性及び硬度の向上幅が大きくなる。
更に本発明のカーボンナノチューブ含有組成物には、必要に応じて、可塑剤、分散剤、塗面調整剤、流動性調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保存安定剤、接着助剤、増粘剤などの公知の各種物質を添加して用いることができる。また、本発明のカーボンナノチューブ含有組成物には、その導電性を更に向上させるために導電性物質を含有させることができる。導電性物質としては、炭素繊維、導電性カーボンブラック、黒鉛等の炭素系物質、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物、銀、ニッケル、銅等の金属、フェニレンビニレン、ビニレン、チエニレン、ピロリレン、フェニレン、イミノフェニレン、イソチアナフテン、フリレン、カルバゾリレン等の繰り返し単位を含むπ共役系高分子、対称型または非対称型のインドール誘導体三量体などが挙げられる。これらの導電性物質の中でもπ共役系高分子、インドール誘導体三量体またはこれらのド−ピング物がより好ましく、更にスルホン酸基及び/またはカルボン酸基を有する水溶性のπ共役系高分子、インドール誘導体三量体またはこれらのドーピング物が特に好ましい。
<カーボンナノチューブ含有組成物の調製方法>
所定の構成成分を混合する際、超音波、ホモジナイザー、スパイラルミキサー、プラネタリーミキサー、ディスパーサー、ハイブリットミキサーなどの撹拌又は混練装置が用いられる。特に、カーボンナノチューブ(a)、ウレタン化合物(b)、または、カーボンナノチューブ(a)、ウレタン化合物(b)、重合性単量体(c−1)及び/または溶剤(c−2)、さらに他の成分を混合し、これに超音波を照射することが好ましく、この際、超音波照射とホモジナイザーを併用(超音波ホモジナイザー)して処理をすることが特に好ましい。超音波照射処理の条件は、特に限定されるものではないが、カーボンナノチューブ(a)をウレタン化合物(b)、重合性単量体(c−1)及び/または溶剤(c−2)中に均一に分散あるいは溶解させるだけの十分な超音波の強度と処理時間があればよい。例えば、超音波発振機における定格出力は、超音波発振機の単位底面積当たり0.1〜2.0ワット/cm2 が好ましく 、より好ましくは0.3〜1.5ワット/cm2 の範囲であり、発振周波数は、10〜200KHzが好ましく、より好ましくは20〜100KHzの範囲である。また、超音波照射処理の時間は、1分〜48時間が好ましく、より好ましくは5分から48時間である。この後、更にボールミル、振動ミル、サンドミル、ロールミルなどのボール型混練装置を用いて分散あるいは溶解を徹底化しても良い。
所定の構成成分を混合する際には、すべての成分を一括添加してもよいし、例えば使用する重合性単量体(c−1)または溶剤(c−2)のうち、その少量にウレタン化合物(b)を溶解させたものを用いて、濃厚なカーボンナノチューブ含有組成物を調製した後、所定の濃度に希釈して良い。また、重合性単量体(c−1)または溶剤(c−2)を2種類以上混合して用いる場合には、使用する重合性単量体(c−1)または溶剤(c−2)のうち1成分以上にウレタン化合物(b)を溶解させたものを用いて、濃厚なカーボンナノチューブ含有組成物を調製し、その後、その他の重合性単量体(c−1)成分または溶剤(c−2)成分で希釈しても良い。
また、超音波照射処理を行う際のカーボンナノチューブ含有組成物の温度は、分散性向上の点から、60℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましい。特にウレタン化合物(b)が重合性単量体の場合及び/または重合性単量体(c−1)を用いてカーボンナノチューブ含有組成物を調製する際には、重合防止の観点からも40℃以下がより好ましい。
<複合体>
本発明の複合体は、基材の表面に、本発明のカーボンナノチューブ含有組成物の塗膜または硬化膜を有するものである。
基材としては、合成樹脂のフィルム、シート、発泡体、多孔質膜、エラストマー、各種成形体;木材、紙材、セラミックス、繊維、不織布、炭素繊維、炭素繊維紙、ガラス板、ステンレス板等が挙げられる。
合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアラミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルニトリル、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリエーテルイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタンが挙げられる。合成樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
ウレタン化合物(b)及び/または重合性単量体(c−1)を用いて調製したカーボンナノチューブ含有組成物の硬化膜の厚さは、充分な導電性を実現するために、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。また、硬化膜の厚さは、充分な透明性を実現し、かつ硬化膜にクラックが発生したり、積層体の切断時に硬化膜が欠けたりする等の不具合を抑制するため、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。
溶剤(c−2)を用いて調製したカーボンナノチューブ含有組成物塗膜の厚さは、0.01〜100μmの範囲が好ましく、更に好ましくは0.1〜50μmの範囲である。この範囲の膜厚で塗膜は透明性を維持し、十分な導電性を有する。
本発明の複合体においては、必要に応じて塗膜または硬化膜の上に反射防止膜を設けてもよい。また、基材の一方の面に本発明の硬化性樹脂組成物の硬化膜を設け、他方の面に反射防止膜、拡散層、接着層等の他の機能性薄膜を設けてもよい。
本発明の複合体は、塗膜または硬化膜中にカーボンナノチューブ(a)が高度に分散または溶解しているため、透明性に優れる。このため、本発明の積層体の全光線透過率は、50%以上、好ましくは70%以上となり、透明導電性フィルム、透明導電性シート、透明導電性成形体として各種用途に適用可能である。
<複合体の製造方法>
基材の表面に、本発明のカーボンナノチューブ含有組成物の塗膜または硬化膜を形成する際には、一般の塗工に用いられる方法によって形成することができる。例えば、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等の塗布方法、エアスプレー、エアレススプレー等のスプレーコーティング等の噴霧方法、ディップ等の浸漬方法等が用いられる。
溶剤(c−2)を用いて調製したカーボンナノチューブ含有組成物を基材の表面に塗工した後は、常温で放置することもできるが、塗膜を加熱処理することもできる。残留する溶剤(c−2)の量をより低下することができ、導電性がさらに向上するため好ましい。加熱処理温度は、20℃以上、250℃以下が好ましく、特に40℃〜200℃の加熱が好ましい。250℃より高いとウレタン化合物(b)自体が分解する恐れがあり透明性、外観が悪化することがある。
ウレタン化合物(b)、及び/または重合性単量体(c−1)を用いて調製したカーボンナノチューブ含有組成物で複合体を製造する方法としては、(i)基材にカーボンナノチューブ含有組成物を塗布し、硬化させる方法;(ii)型の内面に、カーボンナノチューブ含有組成物を塗布し、硬化させて硬化膜を形成した後、型内に重合性原料または溶融樹脂を流し込み、固化させて基材を形成し、基材とともに硬化膜を型から剥離する方法;(iii)型と基材との間にカーボンナノチューブ含有組成物を流し込んで硬化させて硬化膜を形成した後、基材とともに硬化膜を型から剥離する方法等が挙げられる。
これらの方法のうち、(ii)の方法が、埃等の影響で外観が低下することもなく、表面状態の良好な硬化膜を得ることができるため、好ましい。
(ii)の方法で用いられる型としては、注型重合用の鋳型、成形用型等が挙げられる。鋳型が2枚の表面平滑な板状物からなる場合、表面平滑な板状積層体を得ることができる。この際、硬化膜を一方の鋳型に形成してもよく、両方の鋳型に形成してもよい。
基材の形成方法としては、重合性原料を注型重合用の鋳型に注入して重合させる、いわゆるキャスト重合法が好ましい。
キャスト重合法としては、例えば、重合性単量体(c−1)、光重合開始剤(d−1)を用いて調製したカーボンナノチューブ含有組成物をガラス板からなる注型重合用のガラス型の内面に塗布し、光硬化させた後、ガラス型内に重合性原料を流し込んで重合させる方法が挙げられる。ガラス型は、例えば、2枚のガラス板の間に、軟質ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等からなるガスケットを挟み込み、これらをクランプ等で固定することにより、組み立てられる。
連続的キャスト重合法としては、例えば、特公昭46−41602号公報に記載されている装置を用い、2枚のスチールベルトの間でメタクリル酸メチル等を重合する方法が挙げられる。この連続的キャスト重合法においては、例えば、スチールベルト表面に重合性単量体(c−1)及び光重合開始剤(d−1)または重合性単量体(c−1)及び熱重合開始剤(d−2)を用いて調製したカーボンナノチューブ含有組成物を塗布し、硬化させて硬化膜を形成する。また、スチールベルト表面にあらかじめ凹凸等の意匠を付与しておけば、表面に意匠性を有する複合体を製造できる。また、表面に凹凸を有し、かつカーボンナノチューブ含有組成物に溶解または膨潤しないフィルム等をスチールベルトに貼り付け、その凹凸面に重合性単量体(c−1)及び光重合開始剤(d−1)または重合性単量体(c−1)及び熱重合開始剤(d−2)を用いて調製したカーボンナノチューブ含有組成物を塗布し、硬化させてもよい。
重合性原料としては、硬化性樹脂組成物の硬化膜を有する積層体の透明性の観点から、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする単量体混合物、この単量体混合物の一部が重合した重合体と単量体混合物との混合物が好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリルジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
単量体混合物は、スチレン、メチルスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン等の他の重合性単量体を含有していてもよい。他の重合性単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
単量体混合物の一部が重合した重合体と単量体混合物との混合物における、単量体の重合率は35質量%以下が好ましい。
重合性原料に連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては、炭素数2〜20のアルキルメルカプタン、メルカプト酸、チオフェノール、それらの混合物等のメルカプタン系連鎖移動剤が好ましく、n−オクチルメルカプタンやn−ドデシルメルカプタン等のアルキル鎖の短いメルカプタンが特に好ましい。
重合性原料を加熱により重合させる場合、アゾ化合物、有機過酸化物、レドックス系重合開始剤等のラジカル重合開始剤を添加してもよい。アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)等が挙げられる。有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等が挙げられる。レドックス系重合開始剤としては、有機過酸化物とアミン類との組み合わせ等が挙げられる。
重合性原料を紫外線照射により重合させる場合、フェニルケトン系化合物、ベンゾフェノン系化合物等の光重合開始剤を添加してもよい。市販の光重合開始剤としては、「イルガキュア184」(日本チバガイギー(株)製)、「イルガキュア907」(日本チバガイギー(株)製)、「ダロキュア1173」(メルク・ジャパン(株)製)、「エザキュアKIP100F」(日本シーベルヘグナー(株)製)等が挙げられる。
また、重合性原料を紫外線照射により重合させる場合、光増感剤を添加してもよい。光増感剤としては、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロゲキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。また、400nm以下の波長域において増感作用を有する光増感剤を添加してもよい。
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物を型に塗布する方法としては、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等を用いた方法;エアスプレー、エアレススプレー等の噴霧方法;ディップ等の浸漬方法等が挙げられる。
以上説明した本発明のカーボンナノチューブ含有組成物は、カーボンナノチューブ(a)自体の特性を損なうことなく、カーボンナノチューブ(a)をウレタン化合物(b)、重合性単量体(c−1)、及び/または溶剤(c−2)中に分散または溶解させることができ、長期保存においてもカーボンナノチューブ(a)が分離凝集しない。この理由は明確に解明されていないが、本発明で用いたウレタン化合物(b)がカーボンナノチューブ(a)に吸着またはらせん状にラッピングすることにより、カーボンナノチューブ(a)がウレタン化合物(b)とともに重合性単量体(c−1)及び/または溶剤(c−2)に分散または溶解しているものと推測される。
また、本発明の積層体にあっては、カーボンナノチューブ(a)が高度に分散または溶解した状態を保持したまま硬化膜が形成されているため、外部刺激によるカーボンナノチューブ(a)の脱離等がなく、長期的に優れた導電性、透明性を維持できる。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものではない。なお、原料のカーボンナノチューブは、多層カーボンナノチューブ及び単層ナノチューブを使用した。(以下、それぞれ、MWNT、SWNTと略記することもある。)
(製造例1)
ウレタン化合物1:
ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体からなるトリイソシアネート1モルに対して、3モルのジメタクリル酸2−ヒドロキシトリメチレンを反応させてウレタン化合物1を得た。
参考製造例2)
ウレタン化合物2:
ヘキサメチレンジイソシアネート1モルに対して、2モルのジメタクリル酸2−ヒドロキシトリメチレンを反応してウレタン化合物2を得た。
(製造例3)
ウレタン化合物3:
トルエン2,4−ジイソシアネート1モルに対して、2モルのデカエチレングリコールメタクリラートを反応してウレタン化合物3を得た。
(調製例1)
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)85質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート6質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート9質量部を混合した重合性単量体(1)を調製した。
(比較製造例1:ウレタン化合物4)
ポリカプロラクトンジオール1モルに対して2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート2モルを反応させ、ウレタン化合物4を得た。
(比較製造例2:比較分散剤:(メタ)アクリル系重合体)
メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム/メタクリル酸カリウム/メタクリル酸メチル共重合体1:
メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム20g、メタクリル酸カリウム10g、メタクリル酸メチル170g、テトラフヒドロフラン350g、メタノール350g、脱イオン水100gを、内容積2000mlのコンデンサーを備えたセパラブルフラスコ中で窒素雰囲気下に攪拌した。重合開始剤として2,2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル1.5gを添加して60℃に昇温した。6時間攪拌を続けたところ、透明な重合体溶液が得られた。重合中、重合溶液は均一に保たれており、ポリマーの析出、沈降、重合溶液の白濁は観測されなかった。室温で冷却後、イソプロパノールで再沈処理を行い、白色粉体を回収し、真空乾燥機中40℃で乾燥し、(メタ)アクリル系重合体(1)を得た。
(比較製造例3:比較添加剤 アミン化合物)
ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド/ポリエチレングリコール(23)モノメタクリレートモノメチルエーテル 共重合体:
撹拌羽根付きガラス製フラスコに、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド188g、メタノール228gを投入し、撹拌しながらジメチル硫酸136g、メタノール41.3gの混合物を、内温が15℃以下となる様に滴下し、滴下終了後30分間撹拌を続けジメチル硫酸で4級化されたジメチルアミノプロピルメタクリルアミド318gを含む溶液593.3gを得た。
この溶液に2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.48g、n−オクチルメルカプタン2.48g、メタノール406g、ポリエチレングリコール(23)モノメタクリレートモノメチルエーテル(カッコ内はポリエチレングリコールユニットの数)485g、4−メタクリロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン16.5gを加え、60℃で窒素雰囲気下にて6時間重合させた後、50℃で3日真空乾燥し、アミン化合物を得た。
(実施例1)
カーボンナノチューブ含有組成物1:
上記調製例1の重合性単量体(1)100質量部に、上記製造例1のウレタン化合物1を45質量部、多層カーボンナノチューブ0.1質量部を室温にて混合して、氷冷下、超音波ホモジナイザー処理(SONIC社製 vibra cell 20kHz)を1時間実施した後、光重合開始剤としてベンゾインエチルエーテル1.5質量部を添加しカーボンナノチューブ含有組成物1を得た。
(実施例2)
カーボンナノチューブ含有組成物2:
実施例1で多層カーボンナノチューブの量を0.05質量部に変更する以外は実施例1と同様にして、カーボンナノチューブ含有組成物2を得た。
(実施例3)
カーボンナノチューブ含有組成物3:
実施例1の多層カーボンナノチューブを単層カーボンナノチューブ0.1質量部に変更する以外は実施例1と同様にして、カーボンナノチューブ含有組成物3を得た。
(実施例4)
カーボンナノチューブ含有組成物4:
実施例1でさらに溶剤としてメタノールを10質量部添加する以外は実施例1と同様にして、カーボンナノチューブ含有組成物4を得た。
参考例5)
カーボンナノチューブ含有組成物5:
上記調製例1の重合性単量体(1)100質量部に、上記参考製造例2のウレタン化合を45質量部、多層カーボンナノチューブ0.1質量部を室温にて混合して、氷冷下、超音波ホモジナイザー処理(SONIC社製 vibra cell 20kHz)を1時間実施した後、光重合開始剤としてベンゾインエチルエーテル1.5質量部を添加しカーボンナノチューブ含有組成物5を得た。
参考例6)
カーボンナノチューブ含有組成物6:
参考例5の多層カーボンナノチューブを単層カーボンナノチューブ0.1質量部に変更
する以外は参考例5と同様に調製し、カーボンナノチューブ含有組成物6を得た。
(実施例7)
カーボンナノチューブ含有組成物7:
上記調製例1の重合性単量体(1)100質量部に、上記製造例3のウレタン化合物3を45質量部、多層カーボンナノチューブ0.1質量部を室温にて混合して、氷冷下、超音波ホモジナイザー処理(SONIC社製 vibra cell 20kHz)を1時間実施した後、光重合開始剤としてベンゾインエチルエーテル1.5質量部を添加しカーボンナノチューブ含有組成物7を得た。
参考例8)
カーボンナノチューブ含有組成物8:
上記調製例1の重合性単量体(1)100質量部に、上記参考製造例2のウレタン化合物2を5質量部、多層カーボンナノチューブ0.1質量部を室温にて混合して、氷冷下、超音波ホモジナイザー処理(SONIC社製 vibra cell 20kHz)を1時間実施した後、光重合開始剤としてベンゾインエチルエーテル1.5質量部を添加しカーボンナノチューブ含有組成物8を得た。
以下の表1に実施例1から参考のカーボンナノチューブ含有組成物の組成を示す。
(比較例1)
カーボンナノチューブ含有組成物9:
上記調製例1の重合性単量体(1)100質量部に多層ボンナノチューブ0.1質量部を室温にて混合して、氷冷下、超音波ホモジナイザー処理(SONIC社製 vibra cell 20kHz)を1時間実施した後、光重合開始剤としてベンゾインエチルエーテル1.5質量部を添加しカーボンナノチューブ含有組成物9を得た
(比較例2)
カーボンナノチューブ含有組成物10:
比較例1の多層カーボンナノチューブを単層カーボンナノチューブ0.1質量部に変更する以外は、比較例1と同様に調製し、カーボンナノチューブ含有組成物10を得た。
(比較例3)
カーボンナノチューブ含有組成物11:
上記調整例1の重合性単量体(1)100質量部に、ウレタン化合物4を45質量部、多層カーボンナノチューブ0.1質量部を室温にて混合して、氷冷下、超音波ホモジナイザー処理(SONIC社製 Vibra cell 20kHz)を1時間実施した後、光重合開始剤としてベンゾインエチルエーテル1.5質量部を添加し、カーボンナノチューブ含有組成物11を得た。
(比較例4)
カーボンナノチューブ含有組成物12:
水100質量部に、ウレタン化合物としてカルバミド酸エチル(和光純薬製)10質量部を溶解させ、多層カーボンナノチューブ0.05質量部を室温にて混合して、氷冷下、超音波ホモジナイザー処理(SONIC社製 vibra cell 20kHz)を1時間実施し、カーボンナノチューブ含有組成物12を得た。
(比較例5)
カーボンナノチューブ含有組成物13:
トルエン100質量部に、ウレタン化合物としてN−メチル−N−フェニルウレタン(アルドリッチ製)10質量部を溶解させ、多層カーボンナノチューブ0.05質量部を室温にて混合して、氷冷下、超音波ホモジナイザー処理(SONIC社製 vibra cell 20kHz)を1時間実施し、カーボンナノチューブ含有組成物13を得た。
(比較例6)
カーボンナノチューブ含有組成物14:
上記比較製造例2の(メタ)アクリル系重合体(1)5質量部、多層カーボンナノチューブ0.05質量部を、上記調製例2の重合性単量体(1)100質量部に加え、室温にて混合し、超音波ホモジナイザー処理(SONIC社製 vibra cell 20kHz)を1時間実施した後、光重合開始剤としてベンゾインイソプロピルエーテル(商品名:セイクオールBIP、精工化学(株)製、以下BIPとも記載する。)1.5質量部を添加し、カーボンナノチューブ含有組成物14を得た。
(比較例7)
カーボンナノチューブ含有組成物15:
比較例に更に比較製造例のアミン化合物16質量部を添加する以外は比較例6と同様にサンプル調整し、カーボンナノチューブ含有組成物15を得た。
以下の表2に比較例1から比較例7のカーボンナノチューブ含有組成物の組成を示す。
(複合体の評価1)
すべての実施例と比較例4,5以外の比較例でのカーボンナノチューブ含有組成物にて実施:
前記組成物を、アクリル樹脂板(厚さ3mm)上に滴下し、その上に厚さ50μmのPETフィルム(帝人(株)製)を配置し、JIS硬度30°のゴムロームにてしごき、該組成物の厚さを15μmに設定した。その後、出力40Wの蛍光紫外線ランプ((株)東芝製、FL40BL)の下10cmの位置を、PETフィルム面を上にして、0.8m/分のスピードで通過させ、該組成物を前硬化させた後、PETフィルムを剥離した。ついで、出力30W/cmの高圧水銀灯の下20cmの位置を、塗膜を上にして0.8m/cmのスピードで通過させ、該組成物を硬化させることにより、表面に硬化膜を有する複合体を得た。得られた複合体は外観観察後、全光線透過率と表面抵抗値を測定した。
(複合体の評価2)
実施例1(カーボンナノチューブ含有組成物1)にて実施:
該組成物を、鏡面を有するステンレス板の鏡面側に滴下し、その上に厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(以下PETとも記載する)製の2軸延伸フィルム(帝人(株)製)を配置し、JIS硬度30°のゴムロームにてしごき、該組成物の厚さを30μmに設定した。その後、出力40Wの蛍光紫外線ランプ((株)東芝製、FL40BL)の下10cmの位置を、PETフィルム面を上にして、0.8m/分のスピードで通過させ、該組成物を前硬化させた後、PETフィルムを剥離した。ついで、出力30W/cmの高圧水銀灯の下20cmの位置を、塗膜を上にして、0.8m/cmのスピードで通過させ、該組成物を硬化させ、硬化膜を形成した。硬化膜が形成された2枚のステンレス板を、硬化膜が内側になるように対向させ、周囲を軟質塩化ビニル樹脂製のガスケットで封じ、注型重合用の型を作製した。この注型重合用の型に、重合率20質量部のメタクリル酸メチル部分重合体100質量部および2,2−アゾビス)(2,4−ジメチルバレロニトリル0.05質量部からなる重合性原料を注入し、対向するステンレス板の間隔を2mmに調整し、80℃水浴中で1時間、ついで130℃の空気炉で1時間重合した。冷却後ステンレス板から樹脂板を剥離することにより、表面に硬化膜を有する複合体を得た。得られた複合体は外観観察後、全光線透過率と表面抵抗値を測定した。
(複合体の評価3)
比較例4,5で実施:
該組成物をガラス基板にバーコーター法(バーコートNo.3使用)により塗布し、80℃で5分間乾燥させ、複合体を形成し、外観観察後、全光線透過率と表面抵抗値を測定した。
<評価方法>
(溶液状態の目視観察)
実施例及び比較例で得られたカーボンナノチューブ含有組成物の溶液状態を分散処理直後、及び1日静置後に目視で観察した。
○:溶液状態で目視上均一な組成物。
×:溶液状態で目視上不均一な組成物。
(溶液状態での近赤外吸収スペクトル測定による分散性評価)
単層カーボンナノチューブでは、分散することによって、特徴的な近赤外吸収スペクトルが観測されることが知られている。そこで、単層カーボンナノチューブを分散させて作製したカーボンナノチューブ含有組成物3、6、9について、近赤外吸収スペクトル測定を行った。
近赤外吸収スペクトル測定は、UV−3100(島津製作所製)で光路長1mmのセルを用い、調製したカーボンナノチューブ含有組成物を10倍に希釈して測定に用いた。
(表面抵抗値) :25℃、50%RHの条件下で表面抵抗値の測定を行った。測定には表面抵抗値が10Ω以上の場合は二探針法(電極間距離:20mm)を用い、表面抵抗値が10Ω以下の場合は四探針法(各電極間距離:5mm)を用いた。
(全光線透過率) :全光線透過率(%)は日本電色製HAZEMETER NDH2000により測定した。
(複合体の外観観察) : 目視に塗工により得られた複合体の製膜性、表面の均一性、色調を観察した。
(製膜性)
○:容易に均一な塗膜が製膜できた。
×:塗工しても塗膜が形成できなかった。
(均一性)
○:表面に凝集物が観察されない均一な複合体。
×:表面でカーボンナノチューブが凝集し不均一な複合体。
(耐擦傷性Δヘーズ) :#000のスチールウールを装着した直径1インチの円形パッドを試料表面上に置き、荷重1000g下で100回往復させた後、試料表面の擦傷した部分をエタノールで洗浄しヘーズ値を測定した。そして、擦傷後のヘーズ値と擦傷前のヘーズ値の差をΔヘーズ(%)を表示した。
以下の表3に実施例1から参考、及び比較例1から比較例7のカーボンナノチューブ物質含有組成物及び複合体の評価結果を示す。
(塗膜のレーザー顕微鏡観察による分散性評価)
塗膜中のCNT分散性評価として、共焦点レーザー顕微鏡を用いた観察を、カーボンナノチューブ含有組成物1(実施例1)から作成した複合体、及びカーボンナノチューブ含有組成物9(比較例1)から作成した複合体について実施した。共焦点レーザー顕微鏡(カールツァイス社製 LSM5 PASCAL)を用いて458nmのアルゴンレーザーで、塗膜最表層から基材界面まで、0.1μmピッチで画像を取得した。得られた各層の画像を合成し、拡張フォーカス像を作成して、各複合体中のCNT分散状態を比較した。結果を図2及び図3に示した。 図2及び図3の観察結果から、本発明から得られる複合体中ではウレタン化合物の作用によりCNTが良好に分散しており、そのため導電性と透過率を両立する複合体が得られていることが分かった。
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物は、塗布、スプレー、キャスト、ディップ等の簡便な塗工手法を用いることにより各種帯電防止剤、コンデンサー、電気二重層キャパシタ、電池、燃料電池及びその高分子電解質膜、電極層、触媒層、ガス拡散層、ガス拡散電極層、セパレーターなどの部材、EMIシールド、化学センサー、表示素子、非線形材料、防食剤、接着剤、繊維、紡糸用材料、帯電防止塗料、防食塗料、電着塗料、メッキプライマー、静電塗装用導電性プライマー、電気防食、電池の蓄電能力向上などの用途に適用可能である。また、本発明の複合体は、半導体、電器電子部品などの工業用包装材料、半導体製造のクリーンルームなどで使用される透明導電性樹脂板、オーバーヘッドプロジェクタ用フィルム、スライドフィルムなどの電子写真記録材料等の帯電防止フィルム、透明導電性フィルム、オーディオテープ、ビデオテープ、コンピュータ用テープ、フロッピィディスクなどの磁気記録用テープの帯電防止、電子デバイスのLSI配線、フィールド・エミッション・ディスプレイ(FED)の電子銃(源)及び電極、水素貯蔵剤、更に透明タッチパネル、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイの入力及び表示デバイス表面のディスプレイ保護板、前面板、帯電防止や透明電極、透明電極フィルム、有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する発光材料、バッファ材料、電子輸送材料、正孔輸送材料及び蛍光材料、熱転写シート、転写シート、熱転写受像シート、受像シートとして利用される。
単層カーボンナノチューブを用いて調製した、カーボンナノチューブ含有組成物の近赤外吸収スペクトルを示した。ウレタン化合物1を使用したカーボンナノチューブ含有組成物3(実施例3)及びウレタン化合物2を使用したカーボンナノチューブ含有組成物6(参考例6)では、その分散作用により単層カーボンナノチューブが1本1本分散することによって、近赤外領域(1300cm−1、800cm−1)に単層カーボンナノチューブ特有の吸収が観測されている。しかし、ウレタン化合物を含まないカーボンナノチューブ含有組成物9(比較例2)では、炭層カーボンナノチューブを分散させることができないため、単層カーボンナノチューブ特有の吸収が見られない。
カーボンナノチューブ含有組成物1(実施例1)から作成した複合体(実施例1−複合体1)を観察した画像を示した。分散したCNTが観測され、塗膜全体に広がっている様子が観測された。 カーボンナノチューブ含有組成物9(比較例1)から作成した複合体を観察した画像を示した。分散しなかったCNTの塊が一部観察され、分散が不十分である様子が観察された。

Claims (11)

  1. カーボンナノチューブ(a)及び、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(b−1)と下記一般式(1)及び/または下記一般式(2)で表されるイソシアネート化合物(b−2)との反応物であるウレタン化合物(b)を含有し、前記カーボンナノチューブ(a)の含有量は、前記ウレタン化合物(b)100質量部に対して、0.0001〜20質量部である、カーボンナノチューブ含有組成物。
    (式中、R4143はそれぞれ独立に炭素数1〜24のアルキレン、アリーレン、またはアラルキレン基から選ばれた2価の基を表す。)
    (式中、R51は炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基から選ばれた基であり、mは0〜4の整数であり、mが2以上の時には同一であっても良いし、異なっていても良い。nは2〜6の整数であり、(m+n)は6以下の整数である。)
  2. さらに、重合性単量体(c−1)を含有し、前記ウレタン化合物(b)の含有量は、前記重合性単量体(c−1)100質量部に対して、0.001〜99.9質量部である、請求項1に記載のカーボンナノチューブ含有組成物。
  3. さらに、溶剤(c−2)、光重合開始剤(d−1)または熱重合開始剤(d−2)を含有し、前記光重合開始剤(d−1)または熱重合開始剤(d−2)の含有量は、前記ウレタン化合物(b)、重合性単量体(c−1)及び溶剤(c−2)の合計100質量部に対して、0.05〜10質量部である、請求項2に記載のカーボンナノチューブ含有組成物。
  4. 水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(b−1)が、下記一般式(3)
    (式中、R11は水素原子またはメチル基を示し、R12はエーテル結合を含んでもよい炭素数2〜24の炭化水素基であり、m及びnはそれぞれ1以上、且つ(m+n)がR12の炭素数以下である整数を表す。)
    及び/または、下記一般式(4)
    (式中、R21は水素原子またはメチル基を示し、R22は炭素数2〜24のアルキレン基、炭素数1〜24のアリーレン基、または炭素数1〜24のアラルキレン基を、nは1100の整数を表す。)
    で表される化合物である請求項1〜3の何れか一項に記載のカーボンナノチューブ含有組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載のカーボンナノチューブ含有組成物を製造する際に、各原料を混合して得られた混合物に超音波を照射する工程を含むカーボンナノチューブ含有組成物の製造方法。
  6. 基材の少なくとも一つの面上に、請求項1〜4の何れか一項に記載のカーボンナノチューブ含有組成物を塗工し、次いで常温で放置、加熱処理及び/または光照射を行って塗膜または硬化膜を形成する複合体の製造方法。
  7. 型の内面に、請求項1〜4の何れか一項に記載のカーボンナノチューブ含有組成物を塗布し、硬化させて硬化膜を形成した後、型内に重合性原料または溶融樹脂を流し込み、固化させて基材となし、該基材を前記硬化膜とともに型から剥離することを特徴とする複合体の製造方法。
  8. 基材の少なくとも一つの面上に、請求項1〜4の何れか一項に記載のカーボンナノチューブ含有組成物を塗工し、次いで常温で放置、加熱処理及び/または光照射を行って形成した塗膜または硬化膜を有する複合体。
  9. 型の内面に、請求項1〜4の何れか一項に記載のカーボンナノチューブ含有組成物を塗布し、硬化させて硬化膜を形成した後、型内に重合性原料または溶融樹脂を流し込み、固化させて基材となし、該基材を前記硬化膜とともに型から剥離して得られる複合体。
  10. 全光線透過率が50%以上である、請求項8または請求項9記載の複合体。
  11. 透明導電性フィルム、透明導電性シートまたは透明導電性成形体であることを特徴とする請求項8または請求項9記載の複合体。
JP2006272514A 2005-12-06 2006-10-04 カーボンナノチューブ含有組成物、複合体、およびそれらの製造方法 Expired - Fee Related JP4908136B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006272514A JP4908136B2 (ja) 2005-12-06 2006-10-04 カーボンナノチューブ含有組成物、複合体、およびそれらの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005351481 2005-12-06
JP2005351481 2005-12-06
JP2006272514A JP4908136B2 (ja) 2005-12-06 2006-10-04 カーボンナノチューブ含有組成物、複合体、およびそれらの製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2007182546A JP2007182546A (ja) 2007-07-19
JP2007182546A5 JP2007182546A5 (ja) 2009-11-19
JP4908136B2 true JP4908136B2 (ja) 2012-04-04

Family

ID=38338900

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006272514A Expired - Fee Related JP4908136B2 (ja) 2005-12-06 2006-10-04 カーボンナノチューブ含有組成物、複合体、およびそれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4908136B2 (ja)

Families Citing this family (42)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5269353B2 (ja) * 2007-06-14 2013-08-21 三菱レイヨン株式会社 カーボンナノチューブ含有構造体及び複合体
WO2009041170A1 (ja) * 2007-09-28 2009-04-02 Toray Industries, Inc. 導電性フィルムおよびその製造方法
CN101470566B (zh) 2007-12-27 2011-06-08 清华大学 触摸式控制装置
CN101458593B (zh) 2007-12-12 2012-03-14 清华大学 触摸屏及显示装置
CN101458604B (zh) 2007-12-12 2012-03-28 清华大学 触摸屏及显示装置
CN101458594B (zh) 2007-12-12 2012-07-18 清华大学 触摸屏及显示装置
CN101419518B (zh) 2007-10-23 2012-06-20 清华大学 触摸屏
CN101458609B (zh) 2007-12-14 2011-11-09 清华大学 触摸屏及显示装置
CN101419519B (zh) 2007-10-23 2012-06-20 清华大学 触摸屏
CN101676832B (zh) * 2008-09-19 2012-03-28 清华大学 台式电脑
CN101458600B (zh) 2007-12-14 2011-11-30 清华大学 触摸屏及显示装置
CN101464763B (zh) 2007-12-21 2010-09-29 清华大学 触摸屏的制备方法
CN101655720B (zh) 2008-08-22 2012-07-18 清华大学 个人数字助理
CN101470559B (zh) 2007-12-27 2012-11-21 清华大学 触摸屏及显示装置
CN101470558B (zh) 2007-12-27 2012-11-21 清华大学 触摸屏及显示装置
CN101458608B (zh) 2007-12-14 2011-09-28 清华大学 触摸屏的制备方法
CN101458606B (zh) 2007-12-12 2012-06-20 清华大学 触摸屏、触摸屏的制备方法及使用该触摸屏的显示装置
CN101458597B (zh) 2007-12-14 2011-06-08 清华大学 触摸屏、触摸屏的制备方法及使用该触摸屏的显示装置
CN101458595B (zh) 2007-12-12 2011-06-08 清华大学 触摸屏及显示装置
CN101656769B (zh) 2008-08-22 2012-10-10 清华大学 移动电话
CN101458598B (zh) 2007-12-14 2011-06-08 清华大学 触摸屏及显示装置
CN101458602B (zh) 2007-12-12 2011-12-21 清华大学 触摸屏及显示装置
CN101458599B (zh) 2007-12-14 2011-06-08 清华大学 触摸屏、触摸屏的制备方法及使用该触摸屏的显示装置
CN101458975B (zh) 2007-12-12 2012-05-16 清华大学 电子元件
CN101458607B (zh) 2007-12-14 2010-12-29 清华大学 触摸屏及显示装置
CN101464757A (zh) 2007-12-21 2009-06-24 清华大学 触摸屏及显示装置
CN101458601B (zh) 2007-12-14 2012-03-14 清华大学 触摸屏及显示装置
CN101464765B (zh) 2007-12-21 2011-01-05 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 触摸屏及显示装置
CN101470565B (zh) 2007-12-27 2011-08-24 清华大学 触摸屏及显示装置
US8574393B2 (en) 2007-12-21 2013-11-05 Tsinghua University Method for making touch panel
CN101464764B (zh) 2007-12-21 2012-07-18 清华大学 触摸屏及显示装置
JP2009282865A (ja) * 2008-05-24 2009-12-03 Kuraray Co Ltd タッチパネル用透明電極基板、及びタッチパネル
US8237677B2 (en) 2008-07-04 2012-08-07 Tsinghua University Liquid crystal display screen
US8390580B2 (en) 2008-07-09 2013-03-05 Tsinghua University Touch panel, liquid crystal display screen using the same, and methods for making the touch panel and the liquid crystal display screen
JP5211979B2 (ja) * 2008-09-19 2013-06-12 東レ株式会社 偏光板保護用帯電防止フィルムおよびその製造方法
JP5293129B2 (ja) * 2008-12-05 2013-09-18 日本電気株式会社 カーボンナノチューブ薄膜
EP2228414A1 (en) * 2009-03-13 2010-09-15 Bayer MaterialScience AG UV-curable, wear resistant and antistatic coating filled with carbon nanotubes
CN101924816B (zh) 2009-06-12 2013-03-20 清华大学 柔性手机
JP2012062357A (ja) * 2010-09-14 2012-03-29 Daicel-Cytec Co Ltd 帯電防止性ハードコート組成物
JP7311945B2 (ja) * 2019-04-04 2023-07-20 関西ペイント株式会社 導電顔料ペースト
CN114773534B (zh) * 2022-03-24 2023-11-07 广东邦固化学科技有限公司 一种导电pua复合乳液及其制备方法
CN116314982B (zh) * 2023-05-16 2023-08-11 武汉氢能与燃料电池产业技术研究院有限公司 基于转印工艺的质子交换膜燃料电池ccm生产装置及方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2985210B2 (ja) * 1990-02-28 1999-11-29 三菱化学株式会社 親水性ポリウレタン
JP2004169028A (ja) * 2002-11-08 2004-06-17 Mitsubishi Chemicals Corp 放射線硬化性樹脂組成物及びその硬化物
JP2004252093A (ja) * 2003-02-19 2004-09-09 Asahi Kasei Chemicals Corp 液状感光性樹脂凸版印刷版の製造方法
JP2004264763A (ja) * 2003-03-04 2004-09-24 C I Kasei Co Ltd 導電性ベルト
JP2005024893A (ja) * 2003-07-02 2005-01-27 Hitachi Chem Co Ltd 感光性樹脂組成物及びその用途
JP4182215B2 (ja) * 2003-12-02 2008-11-19 独立行政法人産業技術総合研究所 カーボンナノチューブ分散極性有機溶媒及びその製造方法
JP2005240014A (ja) * 2004-01-30 2005-09-08 Mitsubishi Chemicals Corp 放射線硬化性樹脂組成物、放射線硬化性樹脂組成物の製造方法、硬化物、積層体及び光記録媒体
JP2006245261A (ja) * 2005-03-03 2006-09-14 Seiko Epson Corp 導電性材料用組成物、導電性材料、導電層、電子デバイスおよび電子機器
TWI386420B (zh) * 2005-12-06 2013-02-21 Mitsubishi Rayon Co 含碳奈米管組成物、複合體以及其製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007182546A (ja) 2007-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4908136B2 (ja) カーボンナノチューブ含有組成物、複合体、およびそれらの製造方法
KR101389656B1 (ko) 카본 나노튜브 함유 조성물, 복합체, 및 그것들의 제조방법
JP4824971B2 (ja) ナノ物質含有組成物、その製造方法及びそれを用いた複合体
US20080281014A1 (en) Nanosubstance-Containing Composition, Process for Producing the Same, and Composite Made With the Same
JP5001527B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、積層体、およびそれらの製造方法
JP5269353B2 (ja) カーボンナノチューブ含有構造体及び複合体
JP4807817B2 (ja) 導電性成形体の製造方法、及び導電性成形体
JP4947759B2 (ja) カーボンナノチューブ含有硬化性組成物、及びその硬化塗膜を有する複合体
JP2009040021A (ja) カーボンナノチューブ含有構造体、カーボンナノチューブ含有組成物及びカーボンナノチューブ含有構造体の製造方法
JP2009155570A (ja) カーボンナノチューブ含有組成物、これからなる塗膜を有する複合体およびその製造方法
JP2008037919A (ja) カーボンナノチューブ含有組成物とそれから得られる複合体
TW201100505A (en) UV-curable, wear resistant and antistatic coating filled with carbon nanotubes
JP6201164B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性ナノカーボン分散液、その製造方法及びそれを用いた活性エネルギー線硬化型コーティング剤
JP2008214587A (ja) カーボンナノチューブ含有組成物とそれから得られる複合体
WO1996021699A1 (fr) Composition d'enduit conducteur
JP2008056765A (ja) カーボンナノチューブ含有構造体及びその製造方法
JP2009286939A (ja) ナノ物質含有組成物、ナノ物質含有多孔質体、その製造方法、積層体およびその製造方法
JP2009155374A (ja) 硬化性組成物、複合体、転写シート及びそれらの製造方法
US11149132B2 (en) Composite for cellulose fiber dispersion and cellulose fiber composition
JP4761436B2 (ja) カーボンナノチューブ含有重合体、これからなる塗膜を有する複合体、およびそれらの製造方法
JP5134945B2 (ja) カーボンナノチューブ含有組成物および硬化物
JP2010116517A (ja) 熱線カット組成物、樹脂積層体および樹脂積層体の製造方法
KR20200014678A (ko) 고성능 대전방지성 광경화형 수지 조성물, 이를 이용한 무정전 판넬 및 이들의 제조방법
JP5016912B2 (ja) カーボンナノチューブ含有組成物、その製造方法、並びにそれから得られる塗膜、硬化膜または複合体
JP2011031591A (ja) ナノ物質含有成形体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091005

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111027

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120105

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120112

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4908136

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees