JP5134945B2 - カーボンナノチューブ含有組成物および硬化物 - Google Patents
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Description
例えば、単層カーボンナノチューブを強酸中で超音波処理することにより単層カーボンナノチューブを短く切断して分散する方法が提案されている(非特許文献1)。しかしながら、強酸中で処理を実施するため、操作が煩雑となり、工業的には適した方法ではなく、その分散化の効果も十分ではない。
本発明の硬化物は、本発明のカーボンナノチューブ含有組成物を熱硬化させたものであることを特徴とする。
また、本発明の硬化物は、導電性等に優れる。
カーボンナノチューブ(a)(以下、成分(a)と記す)は、例えば、厚さ数原子層のグラファイト状炭素原子面を丸めた円筒、または前記円筒が複数個入れ子構造になったものであり、外径がnmオーダーの極めて微小な物質である。
該製造方法によって得られた成分(a)としては、各種機能を十分に発現できる点から、単層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブが好ましい。
シアン酸エステル化合物またはそのオリゴマー(b)(以下、成分(b)と記す)は、下記式(1)に示すシアネート基を有する化合物またはそのオリゴマーである。
ジアミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等が挙げられる。
マレイミド化合物またはそのオリゴマー(c)(以下、成分(c)と記す)は、下記式(2)に示すマレイミド基を有する化合物またはそのオリゴマーである。
ジアミンとしては、上述の成分(b−4)の合成に用いるジアミンが挙げられる。
混合物(d1)(以下、成分(d1)と記す)とは、成分(b)と成分(c)との混合物であり、下記反応物(d2)(例えばビスマレイミドトリアジン樹脂)に含まれる未反応の原料も包含される。
成分(b−2)と成分(c−2)との反応物は、ビスマレイミドトリアジン樹脂と呼ばれる熱硬化性樹脂である。よって、ビスマレイミドトリアジン樹脂、およびそのプレポリマーも、成分(d2)に包含される。
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物は、さらに、溶媒(e)(以下、成分(e)と記す)を含有することが好ましい。
成分(e)としては、成分(b)、成分(c)、成分(d1)、または成分(d2)を溶解し、成分(a)を分散または溶解できるものが好ましい。
アルコール類:メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、シクロペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等、
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
エステル類:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等、
エーテル類:テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等、
ハロゲン化物:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、二塩化エチレン等、
アミド類:N−メチルピロドリン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等、
スルホキシド類:ジメチルスルホキシド等、
芳香族類ベンゼン、トルエン、キシレン等。
成分(e)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物が重合性単量体(f)(以下、成分(f)と記す)を含有することにより、硬化物の基材への密着性、強度がさらに向上する。
多官能(メタ)アクリレートとしては、下記の化合物が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他のビニルモノマーとしては、単官能(メタ)アクリレート類(メチル(メタ)アクリレート、ブチルメタクリレート等)、ビニルエステルモノマー類(酢酸ビニル、酪酸ビニル、アジピン酸ジビニル等)、ビニルエーテル類(エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等)、アクリルアミド類(アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド等)、N−ビニルアミド類(N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等)、スルホン酸基含有ビニルモノマー類(スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、これらの塩等)等が挙げられる。
重合開始剤としては、カーボンナノチューブ含有組成物の構成成分や用途に応じて、光重合開始剤または熱重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、tert−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、メチルベンゾイルホルメート、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン、2−(ジメチルアミノ)−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。
光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光増感剤としては、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノアセトフェノン等が挙げられる。
アゾ化合物としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}等が挙げられる。
有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等が挙げられる。
熱重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物が高分子化合物(g)(以下、成分(g)と記す)を含有することにより、硬化物の基材への密着性、強度がさらに向上する。
成分(g)は、2種以上を任意の割合で混合したものであってもよい。
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物としては、下記の組成物が挙げられる。
(I)成分(a)と、成分(d1)および/または成分(d2)とを含有する組成物。
(II)成分(a)と成分(b)とを含有する組成物。
(III)成分(a)と成分(c)とを含有する組成物。
成分(d2)を用いる場合、成分(d2)に含まれる成分(c)に由来する構成単位の割合は、成分(d2)に含まれる成分(b)に由来する構成単位100質量部に対して、0.1〜200質量部が好ましく、5〜100質量部がより好ましい。
成分(d1)および成分(d2)を用いる場合、成分(d1)に含まれる成分(c)および成分(d2)に含まれる成分(c)に由来する構成単位の合計は、成分(d1)に含まれる成分(b)および成分(d2)に含まれる成分(b)に由来する構成単位の合計100質量部に対して、0.1〜200質量部が好ましく、5〜100質量部がより好ましい。
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物は、そのままでも加熱により硬化するが、硬化を促進する目的で、公知の硬化触媒や硬化促進剤を配合してもよい。
硬化触媒や硬化促進剤としては、下記の化合物が挙げられる。
アゾ化合物:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等、
イミダゾール類:2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−メチルイミダゾール、1−グアナミノエチル−2−メチルイミダゾール等、該イミダゾール類のカルボン酸もしくはその酸無水類の付加体等、
第3級アミン類:N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルトルイジン、2−N−エチルアニリノエタノール、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、キノリン、N−メチルモルホリン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチルブタンジアミン、N−メチルピペリジン等、
フェノール類:フェノール、キシレノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール等、
有機金属塩:ナフテン酸鉛、ステアリン酸鉛、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、オレイン酸錫、ジブチル錫マレート、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸コバルト、アセチルアセトン鉄等、該有機金属塩を水酸基含有化合物(フェノール、ビスフェノール等)に溶解したもの、
無機金属塩:塩化錫、塩化亜鉛、塩化アルミニウム等、
有機錫化合物:ジオクチル錫オキサイド、その他のアルキル錫、アルキル錫オキサイド等、
酸無水物:無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ラウリル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水ピロメリット酸等。
硬化触媒や硬化促進剤の配合量は、硬化触媒および硬化促進剤を除くカーボンナノチューブ含有組成物100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、0.01〜2質量部がより好ましい。
本発明のカーボンナノチューブ含有組成物は、成分(a)と;成分(b)、成分(c)、成分(d1)、および/または成分(d2)と;必要に応じて、成分(e)、成分(f)、成分(g)、および/または他の成分とを混合することによって調製できる。調製の際には、成分(e)を用いることが好ましい。
混合の際には、成分(a)と、成分(a)以外の他の成分とを混合した後、これに超音波照射処理を施すことが好ましく、超音波照射処理とホモジナイザー処理とを併用した超音波ホモジナイザー処理を施すことが特に好ましい。
超音波発振機における定格出力は、超音波発振機の単位底面積当たり0.1〜100ワット/cm2が好ましく、0.3〜60ワット/cm2がより好ましい。発振周波数は、10〜200kHzが好ましく、20〜100kHzがより好ましい。
超音波照射処理を行う際のカーボンナノチューブ含有組成物の温度は、80℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましく、30℃以下が特に好ましい。成分(b)、成分(c)、成分(d1)、および/または成分(d2)と、成分(f)、熱重合開始剤、熱硬化型の高分子化合物(g)、硬化触媒、および/または硬化促進剤とを混合する際は、調製中の重合防止の点から、30℃以下が特に好ましい。
超音波照射処理の後、混練装置(ボールミル、振動ミル、サンドミル、ロールミル等)を用いて、さらに分散または溶解を徹底化することが好ましい。
成分(e)を用いる場合、すべての成分を混合した後、成分(e)を除去してもよく、一部の成分を混合した後、成分(e)を除去し、ついで残りの成分を混合してもよい。
本発明の硬化物は、本発明のカーボンナノチューブ含有組成物を熱硬化させたものである。
(i)基材にカーボンナノチューブ含有組成物を塗工し、ゲル化または予備硬化してフィルム化した後、未硬化または未完全硬化のフィルムを任意の形に成形し、熱を加えて完全硬化させる方法。
(ii)鋳型または基材の間にカーボンナノチューブ含有組成物を注入し、ゲル化または予備硬化してシート化した後、未硬化または未完全硬化のシートを任意の形に成形し、熱を加えて完全硬化させる方法。
(iii)基材にカーボンナノチューブ含有組成物を塗工し、熱を加えて完全硬化させ、フィルム化する方法。
(iv)鋳型または基材の間にカーボンナノチューブ含有組成物を注入し、熱を加えて完全硬化させ、シート化する方法(キャスト重合法)。
(v)鋳型の内面に、カーボンナノチューブ含有組成物を塗工する、またはカーボンナノチューブ含有組成物のフィルムを貼り付けし、硬化させて硬化膜を形成した後、鋳型に重合性原料または溶融樹脂を流し込み、固化させて基材を形成し、基材とともに硬化膜を鋳型から剥離する方法。
(vi)鋳型と基材との間にカーボンナノチューブ含有組成物を流し込む、またはカーボンナノチューブ含有組成物のフィルムを挟み込み、硬化させて硬化膜を形成した後、基材とともに硬化膜を鋳型から剥離する方法。
塗布法に用いる塗布手段としては、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等が挙げられる。
スプレーコート法に用いるスプレーとしては、エアスプレー、エアレススプレー等が挙げられる。
ガラス型は、例えば、2枚のガラス板の間に、ガスケットを挟み込み、これらをクランプ等で固定することにより、組み立てられる。
ガスケットの材料としては、軟質ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。
成分(e)を含んだままフィルム化した後、成分(e)を除去する場合、カーボンナノチューブ含有組成物を基材の表面に塗工した後、常温で放置してもよく、カーボンナノチューブ含有組成物を基材の表面に塗工した後、該組成物が硬化しない温度で加熱してもよい。
フィルム化またはシート化する前にエバポレーター等を用いて成分(e)を除去した場合、樹脂成分(成分(b)、成分(c)、成分(d1)、および/または成分(d2))に応じた温度を加えて樹脂成分を溶融化させ、フィルム化またはシート化してもよい。
ゲル化または予備硬化の場合、硬化温度は、硬化触媒や硬化促進剤を選択することで、100℃以下を適用できる。
完全硬化の場合、硬化温度は、通常、100〜300℃である。
硬化時間は、カーボンナノチューブ含有組成物の構成成分や比率、硬化触媒や硬化促進剤の有無等によって適宜選択する。
圧力は、通常、0.01〜50MPaの範囲で適宜選択する。
成分(b)、成分(c)、成分(d1)、および成分(d2)は、成分(a)に吸着またはらせん状にラッピングできる成分である。そのため、成分(a)が、成分(b)、成分(c)、成分(d1)、および/または成分(d2)とともに組成物中に分散化または溶解化している。
カーボンナノチューブとしては、CNT社(韓国)製、多層カーボンナノチューブ(以下、MWNTと記す)、またはCNI社(米国)製、単層カーボンナノチューブ(以下、SWNTと記す)を用いた。
超音波ホモジナイザー処理は、SONIC社製 vibra cellを用い、定格出力:30ワット/cm2、発振周波数:20kHzの条件で実施した
カーボンナノチューブ含有組成物1および硬化物1:
MWNTの0.5質量部、ビスマレイミドトリアジン樹脂のプレポリマー(三菱ガス化学社製、BT2170)の30質量部、メチルエチルケトンの70質量部を室温にて混合して、容器の外側から氷冷しながら、超音波ホモジナイザー処理を1時間施した。この溶液に、ビスマレイミドトリアジン樹脂のプレポリマー(三菱ガス化学社製、BT2160)の60質量部を混合して、80℃に加熱しながらロータリーエバポレーターでメチルエチルケトンを留去した後、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、JER828)の10質量部、ジクミルパーオキサイドの0.1部を混合してカーボンナノチューブ含有組成物1を得た。
カーボンナノチューブ含有組成物1を、ガスケットを付けた2枚のガラス板に挟み、オーブン中、180℃で2時間加熱した後、ガラス板より取り出すことにより、硬化物1を得た。
カーボンナノチューブ含有組成物2および硬化物2:
実施例1のMWNTの0.5質量部を、SWNTの0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、カーボンナノチューブ含有組成物2および硬化物2を得た。
カーボンナノチューブ含有組成物3および硬化物3:
MWNTの0.5質量部、アクリル樹脂(三菱レイヨン社製、BR−85)の40質量部、メチルメタクリレートの55質量部を室温にて混合して、容器の外側から氷冷しながら、超音波ホモジナイザー処理を1時間施した。この溶液に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの5質量部、と2,2’−アゾビスイソブチロニトリルの0.3質量部を混合してカーボンナノチューブ含有組成物3を得た。
カーボンナノチューブ含有組成物3を、ガスケットを付けた2枚のガラス板に挟み、オーブン中、90℃で2時間加熱した後、ガラス板より取り出すことにより、硬化物3を得た。
組成物を、スライドガラス上に滴下し、その上にカバーガラスを乗せて、液滴を薄膜化した。該サンプルを顕微鏡で5倍に拡大して観察し、カーボンナノチューブの分散性を調べた。均一に分散しているものを○、均一に分散していないものを×とした。結果を表1に示す。
硬化物の表面抵抗値を、三菱化学社製、ロレスターGP MCP−T600および三菱化学社製、ハイレスターUP MCP−HT450を用いて測定した。結果を表1に示す。
実施例1、2で得られた硬化物1、2は、表面抵抗値が低く、良好な導電性を示したが、比較例1で得られた硬化物3は、表面抵抗値が高く、導電性は不良であった。
また、本発明の硬化物は、工業用包装材料(半導体用、電器電子部品用等)、半導体製造のクリーンルーム等で用いる透明導電性樹脂板、電子写真記録材料(オーバーヘッドプロジェクタ用フィルム、スライドフィルム等)等の帯電防止フィルム、透明導電性フィルム、磁気記録媒体(オーディオテープ、ビデオテープ、コンピュータ用テープ、フロッピィディスク等)の帯電防止、電子デバイスのLSI配線、フィールド・エミッション・ディスプレイ(FED)の電子銃(源)および電極、水素貯蔵剤、入力および表示デバイス(透明タッチパネル、フラットパネルディスプレイ(エレクトロルミネッセンスディスプレイ、液晶ディスプレイ等))の表面(保護板、筐体、前面板等)の帯電防止および透明電極、透明電極フィルム、有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する材料(発光材料、バッファ材料、電子輸送材料、正孔輸送材料および蛍光材料)、熱転写シート、転写シート、熱転写受像シート、受像シート、スポーツ用品(ゴルフシャフト、テニスラケット等)、航空機材料(翼、胴体等)、自動車用部材等として利用される。
Claims (3)
- カーボンナノチューブ(a)と、
ビスマレイミドトリアジン樹脂と、
エポキシ樹脂と
を含有する、カーボンナノチューブ含有組成物。 - さらに、溶媒(e)を含有する、請求項1に記載のカーボンナノチューブ含有組成物。
- 請求項1または2記載のカーボンナノチューブ含有組成物を熱硬化させた硬化物。
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