JP7311945B2 - 導電顔料ペースト - Google Patents
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Description
しかしながら、これらの導電顔料ペーストや分散剤は、高顔料濃度での顔料分散性、貯蔵安定性のバランスがまだ十分でない場合があった。
項1.分散樹脂(A)、導電性顔料(B)及び有機溶媒(C)を含有する顔料分散ペーストであって、該分散樹脂(A)が、極性基を有する重合性不飽和モノマー(a1)、及び不飽和基を二つ以上有する重合性不飽和モノマー(a2)を含有する原料モノマーの共重合体であり、重量平均分子量が5,000以上であるアクリル樹脂(a)を含むことを特徴とする導電顔料ペースト。
項2.前記原料モノマーが、さらに炭素数が4以上のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(a3)を含有することを特徴とする、前記項1に記載の導電顔料ペースト。
項3.アクリル樹脂(a)の重量平均分子量が20,000~300,000である、前記項1または2に記載の導電顔料ペースト。
項4.顔料分散ペーストの固形分質量を基準として、分散樹脂(A)を0.01~20質量%含有することを特徴とする、前記項1~3のいずれか一項に記載の導電顔料ペースト。
項5.導電性顔料(B)に対するアクリル樹脂(a)の吸着量をX[μg/g]、導電性顔料(B)の比表面積をS[m2/g]、アクリル樹脂(a)の重量平均分子量をM×103としたとき、下記一般式(1)が成り立つことを特徴とする、前記項1~4のいずれか一項に記載の導電顔料ペースト。
1<X/(S×M)<100 ・・・(1)
項6.導電性顔料(B)の一次粒子のアスペクト比が1.3以上であることを特徴とする、前記項1~5のいずれか一項に記載の導電顔料ペースト。
項7.導電性顔料(B)が導電性カーボンである、前記項1~6のいずれか一項に記載の導電顔料ペースト。
項8.導電性顔料(B)がカーボンナノチューブであることを特徴とする、前記項1~7のいずれか一項に記載の導電顔料ペースト。
項9.有機溶媒(C)の溶解性パラメーター(SP値)が11.0(cal/cm3)1/2以下である、前記項1~8のいずれか一項に記載の導電顔料ペースト。
項10.メジアレスで分散することを特徴とする、前記項1~9のいずれか一項に記載の導電顔料ペーストの製造方法。
項11.高速せん断で分散することを特徴とする、前記項1~9のいずれか一項に記載の導電顔料ペーストの製造方法。
項12.前記項1~9のいずれか一項に記載の導電顔料ペーストを含有する塗工材。
項13.前記項12に記載の塗工材を塗布して得られる塗工膜。
本発明の導電顔料ペーストの構成成分として含有する分散樹脂(A)は、極性基を有する重合性不飽和モノマー(a1)、及び不飽和基を二つ以上有する重合性不飽和モノマー(a2)を含有する原料モノマーの共重合体であり、重量平均分子量が5,000以上であるアクリル樹脂(a)を含有する。
本発明で用いることができるアクリル樹脂(a)は、極性基を有する重合性不飽和モノマー(a1)、及び不飽和基を二つ以上有する重合性不飽和モノマー(a2)を含有する原料モノマーの共重合体であり、重量平均分子量が5,000以上である重合体である。上記アクリル樹脂(a)を含有する導電顔料ペーストは、分散性及び貯蔵安定性が良好となる。
(i)極性基は有機溶媒(C)中にあるよりも導電性顔料(B)の表面近傍にある方が安定であるため、導電性顔料(B)の表面に吸着する。
(ii)有機溶媒(C)中で、極性基部位をコアとしてアクリル樹脂(a)が粒子化し、反発層の働きをする。
極性基を有する重合性不飽和モノマー(a1)としては、極性基を有する重合性不飽和モノマーであれば特に制限なく用いることができる。具体的には、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2~8の2価アルコールとのモノエステル化物、(メタ)アクリル酸と炭素数2~8の2価アルコールとのモノエステル化物のε-カプロラクトン変性体、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロペンアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N-(1,1-ジメチル-3-ヒドロキシブチル)アクリルアミド、アリルアルコール、分子末端が水酸基であるポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β-カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリロニトリル、ジメチルアクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物等のウレタン結合を含まない含窒素重合性不飽和モノマー;イソシアネート基含有重合性不飽和モノマーと水酸基含有化合物との反応生成物又は水酸基含有重合性不飽和モノマーとイソシアネート基含有化合物との反応生成物等のウレタン結合を有する重合性不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-スルホエチル(メタ)アクリレート、アリルスルホン酸、4-スチレンスルホン酸等、これらスルホン酸のナトリウム塩及びアンモニウム塩等のスルホン酸基を有する重合性不飽和モノマー;2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート等のリン酸基を有する重合性不飽和モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等のフッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー;マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー;メトキシ(メタ)アクリレート、エトキシ(メタ)アクリレート、ブトキシ(メタ)アクリレート等のアルコキシ(メタ)アクリレート;等が挙げることができ、これらは一種を単独でまたは二種以上を併用して用いることができる。中でも、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基、4級塩基、アミド基、水酸基、ポリアルキレングリコール基、アルコキシ基からなる群より選ばれる少なくとも一種の極性基を有することが好ましい。
不飽和基を二つ以上有する重合性不飽和モノマー(a2)としては、不飽和基を二つ以上有する重合性不飽和モノマーであれば特に制限なく用いることができる。具体的には、例えば、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、ジビニルベンゼン、ジ(2-メタクリロイルオキシエチルアシッド)ホスフェート、トリ(2-メタクリロイルオキシエチルアシッド)ホスフェート等を挙げることができ、これらは一種を単独でまたは二種以上を併用して用いることができる。
また、互いに反応する官能基を有する重合性不飽和モノマーを2種以上配合して、アクリル樹脂(a)の共重合前、共重合時及び/又は共重合後に互いに反応せしめることで実質的に不飽和基を二つ以上有する重合性不飽和モノマー(a2)と同等のモノマーとして使用できる。官能基の組み合わせとしては、互いに反応する官能基の組み合わせであればいずれも好適に使用できるが、酸基とグリシジル基、アミノ基とグリシジル基、水酸基とイソシアネート基の組み合わせがより好ましい。具体的な重合性不飽和モノマーの組み合わせとしては、例えば、(メタ)アクリル酸とグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシアルキルアシッドホスフェートとグリシジル(メタ)アクリレート、(ジ)アルキルアミノエチル(メタ)アクリレートとグリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアネートなどが挙げられ、これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
炭素数が4以上のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(a3)としては、炭素数が4以上のアルキル基を有する重合性不飽和モノマーであれば、直鎖状、分岐状又は環状アルキル基等を特に制限なく用いることができる。
アクリル樹脂(a)としては、上記極性基を有する重合性不飽和モノマー(a1)、不飽和基を二つ以上有する重合性不飽和モノマー(a2)、及び炭素数が4以上のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(a3)以外の、その他の重合性不飽和モノマーに関しても好適に用いることができ、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート等の炭素数が3以下のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー;スチレン、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルアルキル(メタ)アクリレート、ビニルトルエン等の単環芳香族炭化水素を有する重合性不飽和モノマー;ビニルナフタレン、ナフチル(メタ)アクリレート、ナフチルアルキル(メタ)アクリレート、ビニルアントラセン、アントラセニル(メタ)アクリレート、アントラセニルアルキル(メタ)アクリレート、ビニルピレン、ピレニル(メタ)アクリレート、ピレニルアルキル(メタ)アクリレート、ビニルクリセン、ビニルナフタセン、ビニルペンタセン、及びこれらの誘導体などの多環芳香族炭化水素を有する重合性不飽和モノマー等が挙げられる。
重合開始剤を滴下しながら反応槽を加熱する追加触媒工程を設けてもよい。
本発明で用いることができるアクリル樹脂(a)は、導電性顔料(B)の表面に吸着して立体反発層を形成することで、顔料同士が凝集することを抑制する。より効率的に顔料の凝集を抑制し、分散性及び貯蔵性が高い導電顔料ペーストを得るためには、下記方法で測定される導電性顔料(B)に対するアクリル樹脂(a)の吸着量X[μg/g]が大きいことが好ましい。
導電顔料ペーストを遠心分離した後上澄み液を採取し、紫外可視吸収スペクトルを測定し、予め測定しておいた検量線から上澄み液に残存するアクリル樹脂の濃度を求め、下記計算式(2)にて算出する。
ma:導電顔料ペーストに含まれるアクリル樹脂(a)の質量[g]
mb:導電顔料ペーストに含まれる導電性顔料(B)の質量[g]
mc:導電顔料ペーストに含まれる有機溶媒(C)の質量[g]
L:上澄み液に残存するアクリル樹脂の濃度[質量%]
なお、導電顔料ペーストの粘度が高い等の理由で遠心分離にて上澄み液が採取できない場合には、導電顔料ペーストに有機溶媒(C)を適量添加してから遠心分離を行う。その場合、吸着量の算出において、上記計算式のmcに添加した有機溶媒(C)の質量も加えて計算を行う。
分散樹脂(A)は、アクリル樹脂(a)と共に必要に応じて従来既知の樹脂を含有することができ、具体的には、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、塩素系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブタジエンゴム、及びこれらの変性樹脂や複合樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせてアクリル樹脂(a)と共に含有することができる。
本発明の導電顔料ペーストで用いることができる導電性顔料(B)としては、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラック、バルカン、カーボンナノチューブ、グラフェン、黒鉛などの導電性カーボン;銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、銀、金などの金属元素を構成要素として含む金属粉末、金属繊維、金属化合物;導電性セラミックスなどを好適に用いることができ、中でも導電性カーボンが好ましく、カーボンナノチューブが特に好ましい。これらの顔料は1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
ここで、アスペクト比とは、三次元体の最短寸法に対する最長寸法の比のことである。アスペクト比の測定方法としては、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した顔料粒子の画像100個を任意に選び出し、画像解析により長短比を計算して平均した値である。
なお、上記導電性顔料(B)がカーボンナノチューブである場合、単層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブのいずれも好適に用いることができ、気相成長カーボンファイバー(VGCF)を用いることもできる。
ストラクチャー自体は電子顕微鏡で撮影した画像でも比較的容易に観察できるが、ストラクチャー指数はストラクチャーの度合いを定量化した数値である。ストラクチャー指数は一般的にDBP吸油量(ml/100g)を比表面積(m2/g)で割った値で定義することができる。ストラクチャー指数が1.5未満であると、ストラクチャーが発達していないために、十分な導電性が得ることができず、また、4.0を超えるとDBP吸油量に対して粒子径が大きいために導電経路が減少し、十分な導電性を示さなくなるか、又はペーストの粘度が高くなる恐れがある。
本発明の導電顔料ペーストにおいて、有機溶媒(C)は、従来既知の有機溶媒を特に限定されず用いることができる。
R1COOR2・・・(3)
(式中、R1は炭素数3以上の炭化水素基、R2は炭素数4以上の炭化水素基を示し、R1及びR2は同一であってもよい。)
上記式(3)において、炭素数3以上の炭化水素基としては、プロピル基、イソプロピル基等が、炭素数4以上の炭化水素基としてはブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基等のアリール基等が挙げられる。
本発明の導電顔料ペーストには、上記成分(A)、(B)、及び(C)以外の成分(その他の添加剤と示すこともある)を配合してもよい。その他の添加剤としては、例えば、中和剤、消泡剤、防腐剤、防錆剤、可塑剤、硬化剤、結着剤、顔料分散剤、前記導電性顔料(B)以外の顔料等を挙げることができる。
本発明の導電顔料ペーストは、分散樹脂(A)固形分の含有量として、通常20質量%以下、好ましくは0.01~10質量%、より好ましくは0.1~5質量%であることが、顔料分散時の粘度、顔料分散性、分散安定性及び生産効率などの面から好適である。
本発明の塗工材は、塗工膜形成用の塗工材であって、上記導電顔料ペーストに含まれる分散樹脂(A)、導電性顔料(B)、及び有機溶媒(C)を必須成分とするものであって、さらに必要に応じて、樹脂、顔料、溶媒、添加剤などを含有することができる。
本発明の塗工材を被塗物に塗布することで、塗工膜を形成することができる。本発明の塗工膜とは、液状の塗工材を被塗物に塗布して加熱乾燥した固形状の膜のことであり、被塗物から剥がして用いることもできる。
製造例1
攪拌加熱装置と冷却管を備えた反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテル40部を仕込み、窒素置換後、115℃に保った。この中に、以下に示すモノマー混合物を4時間かけて滴下した。
<モノマー混合物>
スチレン 19部
n-ブチルアクリレート 30部
ラウリルメタクリレート 40部
メタクリル酸 10部
1.6-ヘキサンジオールジアクリレート 1部
t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート 3部
滴下終了後から1時間経過後、この中に、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート0.5部をプロピレングリコールモノメチルエーテル10部に溶かした溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、これをさらに1時間115℃に保持したのち、減圧下(50mmHg以下)にてプロピレングリコールモノメチルエーテルを取り除いた。酢酸ブチルを加え、モレキュラーシーブスによって水分を除去し、固形分50%のアクリル樹脂(a-1)溶液を得た。アクリル樹脂(a-1)は、重量平均分子量80,000であった。
下記表1、表2及び表3の種類、配合量、及び製造方法とする以外は、製造例1と同じ組成及び製造方法でアクリル樹脂(a-2)~(a-18)溶液を製造した。
攪拌加熱装置と冷却管を備えた反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテル40部を仕込み、窒素置換後、115℃に保った。この中に、以下に示すモノマー混合物を4時間かけて滴下した。
<モノマー混合物>
スチレン 19部
n-ブチルアクリレート 30部
ラウリルメタクリレート 40部
2-メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート 10部
1.6-ヘキサンジオールジアクリレート 1部
t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート 3部
2-メチル-1-プロパノール(モノマー溶解用途) 20部
滴下終了後から1時間経過後、この中に、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート0.5部をプロピレングリコールモノメチルエーテル10部に溶かした溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、これをさらに1時間115℃に保持したのち、減圧下(50mmHg以下)にてプロピレングリコールモノメチルエーテル及び2-メチル-1-プロパノールを取り除いた。酢酸ブチルを加え、モレキュラーシーブスによって水分を除去し、固形分50%のアクリル樹脂(a-19)溶液を得た。アクリル樹脂(a-19)は、重量平均分子量75,000であった。
下記表3の種類、配合量、及び製造方法とする以外は、製造例19と同じ組成及び製造方法でアクリル樹脂(a-20)~(a-22)溶液を製造した。
攪拌加熱装置と冷却管を備えた反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテル40部を仕込み、窒素置換後、95℃に保った。この中に、以下に示すモノマー混合物を4時間かけて滴下した。
<モノマー混合物>
スチレン 19部
n-ブチルアクリレート 35部
ラウリルメタクリレート 40部
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸 5部
1.6-ヘキサンジオールジアクリレート 1部
アゾビスイソブチロニトリル 3部
水(モノマー溶解用途) 10部
滴下終了後から1時間経過後、この中に、アゾビスイソブチロニトリル0.5部を酢酸ブチル10部に溶かした溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、これをさらに1時間95℃に保持したのち、減圧下(50mmHg以下)にてプロピレングリコールモノメチルエーテル及び水を取り除いた。酢酸ブチルを加え、モレキュラーシーブスによって残存水分を除去し、固形分50%のアクリル樹脂(a-23)溶液を得た。アクリル樹脂(a-23)は、重量平均分子量81,000であった。
実施例1~34、比較例1~5
導電性顔料、溶媒、及び分散樹脂を、それぞれ下記表4~7に示す分量で混合、分散し、導電顔料ペースト(X-1)~(X-39)を作製した。作製した導電顔料ペーストについて、前述の方法で吸着量X[μg/g]を測定し、X/(S×M)を算出した。
α:超音波ホモジナイザーにて2分間分散、
β:フィルミックス(薄膜旋回型高速ミキサー)にて回転数10000rpmで3分間分散、
γ:ボールミルにて20分間分散。
(注2)導電性顔料
カーボン1:カーボンナノチューブ(平均繊維径150nm、平均繊維長6μm、アスペクト比約40、比表面積13m2/g)、
カーボン2:板状人工黒鉛粉末(平均粒子径3μm、アスペクト比約3、比表面積40m2/g)、
カーボン3:アセチレンブラック(平均粒子径48μm、アスペクト比約1.2、比表面積39m2/g)。
(注3)有機溶媒のSP値
酢酸ブチル:SP値8.5(cal/cm3)1/2、
酪酸ブチル:SP値8.1(cal/cm3)1/2、
N-メチルピロリドン:SP値11.3(cal/cm3)1/2。
上記表4~7に、後述する評価試験の結果(粘度、貯蔵性、導電性)を記載する。本発明においては、粘度、貯蔵性、及び導電性の全ての性能に優れていることが重要であり、いずれか1つに不合格「E」の評価がある場合は不合格(総合評価が「E」)である。
実施例及び比較例で得られた導電顔料ペーストを、20℃の恒温室で1日貯蔵した後、コーン&プレート型粘度計「Mars2」(商品名、HAAKE社製)を用い、シアーレート0.1sec-1で粘度を測定し、下記基準により評価した。評価としては、S、A、B、C、Dが合格で、Eが不合格である。
S:粘度が、0.5Pa・s未満である。
A:粘度が、0.5Pa・s以上、かつ1Pa・s未満である。
B:粘度が、1Pa・s以上、かつ5Pa・s未満である。
C:粘度が、5Pa・s以上、かつ10Pa・s未満である。
D:粘度が、10Pa・s以上、かつ20Pa・s未満である。
E:粘度が、20Pa・s以上である。
実施例及び比較例で得られた導電顔料ペーストを20℃の恒温室で1ヶ月貯蔵した後、コーン&プレート型粘度計「Mars2」(商品名、HAAKE社製)を用い、シアーレート0.1sec-1で粘度を測定し、下記基準により評価した。評価としては、S、A、B、C、Dが合格で、Eが不合格である。
S:粘度が、1Pa・s未満である。
A:粘度が、1Pa・s以上、かつ5Pa・s未満である。
B:粘度が、5Pa・s以上、かつ10Pa・s未満である。
C:粘度が、10Pa・s以上、かつ15Pa・s未満である。
D:粘度が、15Pa・s以上、かつ20Pa・s未満である。
E:粘度が、20Pa・s以上である。
実施例及び比較例で得られた導電顔料ペースト10部、各導電顔料ペースト作製時に使用した溶媒10.5部、KFポリマーW#7300(商品名、ポリフッ化ビニリデン、クレハ社製)1.8部を超音波ホモジナイザーで2分間混合し、塗工材を得た。
ガラス板(2mm×100mm×150mm)へ塗工材をドクターブレード法にて塗工して、130℃で30分加熱乾燥した。得られた厚さ10μmの塗工膜について、四探針プローブ(三菱化学製、PSP)を用いて、ソースメータ(ケースレー製、2400)により抵抗を測定した。評価としては、S、A、B、C、Dが合格で、Eが不合格である。
S:抵抗が、100Ω未満であり、導電性は非常に良好である。
A:抵抗が、100Ω以上、かつ135Ω未満であり、導電性は良好である。
B:抵抗が、135Ω以上、かつ170Ω未満であり、導電性はやや良好である。
C:抵抗が、170Ω以上、かつ205Ω未満であり、導電性は普通である。
D:抵抗が、205Ω以上、240かつΩ未満であり、導電性はやや劣る。
E:抵抗が、240Ω以上であり、導電性は非常に劣る。又は平滑性のある塗工膜が作成できなかった。
Claims (12)
- 分散樹脂(A)、導電性顔料(B)及び有機溶媒(C)を含有する顔料分散ペーストであって、該分散樹脂(A)が、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、ポリアルキレングリコール基、リン酸基、スルホン酸基からなる群より選ばれる少なくとも一種の極性基を有する重合性不飽和モノマー(a1)、及び不飽和基を二つ以上有する重合性不飽和モノマー(a2)を含有する原料モノマーの共重合体であり、重量平均分子量が18000~101000であるアクリル樹脂(a)を含むことを特徴とする導電顔料ペースト。
- 前記原料モノマーが、さらに炭素数が4以上のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(a3)を含有することを特徴とする、請求項1に記載の導電顔料ペースト。
- 顔料分散ペーストの固形分質量を基準として、分散樹脂(A)を0.01~20質量%含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の導電顔料ペースト。
- 導電性顔料(B)に対するアクリル樹脂(a)の吸着量をX[μg/g]、導電性顔料(B)の比表面積をS[m2/g]、アクリル樹脂(a)の重量平均分子量をM×103としたとき、下記一般式(1)が成り立つことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の導電顔料ペースト。
1<X/(S×M)<100 ・・・(1) - 導電性顔料(B)の一次粒子のアスペクト比が1.3以上であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の導電顔料ペースト。
- 導電性顔料(B)が導電性カーボンである、請求項1~5のいずれか一項に記載の導電顔料ペースト。
- 導電性顔料(B)がカーボンナノチューブであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の導電顔料ペースト。
- 有機溶媒(C)の溶解性パラメーター(SP値)が11.0(cal/cm3)1/2以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載の導電顔料ペースト。
- メジアレスで分散することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の導電顔料ペーストの製造方法。
- 高速せん断で分散することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の導電顔料ペーストの製造方法。
- 請求項1~8のいずれか一項に記載の導電顔料ペーストを含有する塗工材。
- 請求項11に記載の塗工材を塗布して得られる塗工膜。
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