JP6824743B2 - 顔料分散樹脂及び顔料分散ペースト - Google Patents

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Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2014年12月15日に出願された、日本国特許出願第2014−252648号明細書(その開示全体が参照により本明細書中に援用される)に基づく優先権を主張する。
本発明は、高顔料濃度においても、様々な顔料の分散に好適な顔料分散樹脂、該顔料分散樹脂を含有する顔料分散ペーストに関する。
従来、顔料を顔料分散樹脂、溶媒及び場合によっては分散助剤の混合物中に分散させたペースト状の顔料分散体が、塗料、着色フィルム、着色シート、印刷用インキ、化粧品、磁石改質材、LED封止材、各種ゴム製品、樹脂成形品などの分野で広く用いられている。
これらの分野では、発色性、鮮映性、導電性、仕上がり性、などの性能向上がますます要求されており、そのため、優れた顔料分散能力と、形成された顔料分散体中の顔料粒子を再凝集させないだけの優れた顔料分散安定性を有する顔料分散樹脂の開発がなされつつある。
顔料分散樹脂の設計にあたっては、顔料への濡れ性と顔料分散樹脂の溶媒中での分散安定性を両立させることが重要である。濡れ性に関しては、顔料分散樹脂が低粘度、低分子量であること、さらに顔料表面の疎水部と顔料分散樹脂の疎水部との相互作用があることが有利であるといわれ、分散安定化に関しては、顔料表面での立体反発層の形成や顔料分散樹脂の連続相への溶解性が良いことが有利であるといわれている。
また、顔料分散樹脂が塗膜やフィルムや印刷物などの最終製品そのものの性能に悪い影響を及ぼさないように、少量の顔料分散樹脂で上記の効果を発揮することも重要となっている。
例えば、特許文献1には、特定のカーボンブラックを顔料分散剤によって分散させ、該顔料分散剤が、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体および/またはスチレン−無水マレイン酸共重合体であることを特徴とする導電性高濃度カーボンブラック分散体を開示している。しかしながら、顔料分散ペーストを長期に貯蔵性する場合は、顔料の安定性が劣り、顔料が再凝集することがあった。
また、特許文献2には、アミンとジカルボン酸無水物基含有ポリマーとの反応生成物を顔料の分散添加剤として使用することが開示されている。しかしながら、顔料分散樹脂の極性が高いため、塗膜やフィルムなどの最終製品において、耐水性や耐候性などの性能が悪化する場合があった。
特開平11−158321号公報 特表2011−521019号公報
本発明の目的は、高顔料濃度においても、顔料の分散性に優れる顔料分散樹脂、及び安定性に優れる顔料分散ペーストを提供することである。
発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、多環芳香族炭化水素を有するモノマーを含有する顔料分散樹脂によって、上記課題の解決が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の顔料分散樹脂、及び顔料分散ペーストを提供するものである。
項1.多環芳香族炭化水素を有するモノマー(A)を1〜70質量%含む原料モノマーの共重合体であることを特徴とする顔料分散樹脂。
項2.多環芳香族炭化水素を有するモノマー(A)が、下記式(1)で表わされる多環芳香族炭化水素を有する重合性不飽和モノマー(A−1)であることを特徴とする前記項1に記載の顔料分散樹脂。
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Aは多環芳香族炭化水素基を示し、Wは存在しても存在しなくても良い。Wが存在する場合、Wは炭素原子、窒素原子及び/又は酸素原子の数が1〜20の有機基であり、Wが存在しない場合、WはAに直接結合する。)
項3.多環芳香族炭化水素を有する重合性不飽和モノマー(A−1)が、下記式(2)で表わされるナフチル基を有する重合性不飽和モノマー又はその誘導体(A−2)であることを特徴とする前記項2に記載の顔料分散樹脂。
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示し、Wは存在しても存在しなくても良い。Wが存在する場合、Wは炭素原子、窒素原子及び/又は酸素原子の数が1〜20の有機基であり、Wが存在しない場合、Wはナフチル基に直接結合する。)
項4.ナフチル基を有する重合性不飽和モノマー又はその誘導体(A−2)が、下記式(3)で表わされるナフチル(メタ)アクリレート又はその誘導体(A−3)であることを特徴とする前記項3に記載の顔料分散樹脂。
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アルコキシカルボニルオキシ基、ホスホリルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す。Wが存在する場合、Wは炭素原子、窒素原子及び/もしくは酸素原子の数が1〜20の有機基又は単結合である。)
項5.ナフチル(メタ)アクリレート又はその誘導体(A−3)が、下記式(4)で表わされる4−置換−1−ナフチル(メタ)アクリレート(A−4)又はその誘導体であることを特徴とする前記項4に記載の顔料分散樹脂。
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Zは水酸基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数1〜8のアルコキシカルボニルオキシ基、ホスホリルオキシ基を示す。)
項6.重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、スチレンを5〜65質量%含有することを特徴とする前記項2〜5のいずれか1項に記載の顔料分散樹脂。
項7.重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、さらに、ポリアルキレングリコールマクロモノマーを1〜30質量%含有することを特徴とする前記項2〜6のいずれか1項に記載の顔料分散樹脂。
項8.さらに、少なくとも1種の(メタ)アクリルアミド化合物を含有することを特徴とする前記項2〜7のいずれか1項に記載の顔料分散樹脂。
項9.前記項1〜8のいずれか1項に記載の顔料分散樹脂及び顔料を含有することを特徴とする顔料分散ペースト。
項10.前記項1〜8のいずれか1項に記載の顔料分散樹脂及び導電性顔料を含有することを特徴とする導電性顔料分散ペースト。
項11.多環芳香族炭化水素を有するモノマー(A)を1〜70質量%含む原料モノマーを共重合する工程を含む、顔料分散樹脂の製造方法。
項12.多環芳香族炭化水素を有するモノマー(A)が、下記式(1)で表わされる多環芳香族炭化水素を有する重合性不飽和モノマー(A−1)であることを特徴とする前記項11に記載の方法。
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Aは多環芳香族炭化水素基を示し、Wは存在しても存在しなくても良い。Wが存在する場合、Wは炭素原子、窒素原子及び/又は酸素原子の数が1〜20の有機基であり、Wが存在しない場合、WはAに直接結合する。)
項13.多環芳香族炭化水素を有する重合性不飽和モノマー(A−1)が、下記式(2)で表わされるナフチル基を有する重合性不飽和モノマー又はその誘導体(A−2)であることを特徴とする前記項12に記載の方法。
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示し、Wは存在しても存在しなくても良い。Wが存在する場合、Wは炭素原子、窒素原子及び/又は酸素原子の数が1〜20の有機基であり、Wが存在しない場合、Wはナフチル基に直接結合する。)
項14.ナフチル基を有する重合性不飽和モノマー又はその誘導体(A−2)が、下記式(3)で表わされるナフチル(メタ)アクリレート又はその誘導体(A−3)であることを特徴とする前記項13に記載の方法。
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アルコキシカルボニルオキシ基、ホスホリルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す。)
項15.ナフチル(メタ)アクリレート又はその誘導体(A−3)が、下記式(4)で表わされる4−置換−1−ナフチル(メタ)アクリレート(A−4)であることを特徴とする前記項14に記載の方法。
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Zは水酸基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数1〜8のアルコキシカルボニルオキシ基、ホスホリルオキシ基を示す。)
項16.重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、スチレンを5〜65質量%含有することを特徴とする前記項12〜15のいずれか1項に記載の方法。
項17.重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、さらに、ポリアルキレングリコールマクロモノマーを1〜30質量%含有することを特徴とする前記項12〜16のいずれか1項に記載の方法。
項18.さらに、少なくとも1種の(メタ)アクリルアミド化合物を含有することを特徴とする前記項12〜17のいずれか1項に記載の方法。
項19.前記項11〜18のいずれか1項に記載の方法により顔料分散樹脂を得る工程、及び
当該工程で得られた顔料分散樹脂と顔料とを混合する工程
を含む、顔料分散ペーストの製造方法。
項20.前記項11〜18のいずれか1項に記載の方法により顔料分散樹脂を得る工程、及び
当該工程で得られた顔料分散樹脂と導電性顔料とを混合する工程
を含む、導電性顔料分散ペーストの製造方法。
本発明の顔料分散樹脂により、高顔料濃度においても、顔料の分散性、安定性などに優れた顔料分散ペーストを得ることができる。
顔料分散樹脂
本発明の顔料分散樹脂は、固形分の総量を基準として、多環芳香族炭化水素を有するモノマー(A)を1〜70質量%、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%含有することを特徴とする。本明細書において、樹脂がその原料となるモノマーXを含有する、とは、相反する内容を別途明記しない限り、上記樹脂が、上記モノマーXを含む原料モノマーの(共)重合体であることを意味する。本明細書において、(共)重合体とは重合体又は共重合体を意味する。本発明の顔料分散樹脂は、多環芳香族炭化水素を有するモノマー(A)を1〜70質量%、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%含む原料モノマーの共重合体であることを特徴とする。
上記顔料分散樹脂の種類としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリケート樹脂、塩素系樹脂、フッ素系樹脂、及びこれらの複合樹脂などが挙げられるが、特にアクリル樹脂が好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味する。また、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及び/又はメタクリロイルを意味する。また、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドを意味する。また、本明細書において、「誘導体」とは、ある化合物に対し、官能基の導入、原子の置換、又はその他の化学反応により分子内の小部分(複数の部分でもよい)を変化させて得られる化合物を意味する。例えば、ナフタレンに、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基などの官能基を、1種又は2種以上(例えば、1種又は2種)導入した化合物はナフタレン誘導体である。かかる誘導体において導入する官能基の数は限定されず、1個又は2個以上の官能基を導入することができ、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個である。
多環芳香族炭化水素を有するモノマー(A)
本発明の顔料分散樹脂で用いることができる多環芳香族炭化水素を有するモノマー(A)の多環芳香族炭化水素としては、例えば、ナフタレン環、アントラセン環、トリフェニレン環、テトラフェン環、テトラセン環、クリセン環、ピレン環、ペンタセン環、ヘキサセン環、ヘプタセン環、コロネン環、ケクレン環等を有する炭化水素基及びその誘導体が挙げられる。
なかでも、上記多環芳香族炭化水素を有するモノマー(A)としては、下記式(1)で表わされる多環芳香族炭化水素を有する重合性不飽和モノマー(A−1)であることが好ましい。
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Aは多環芳香族炭化水素基を示し、Wは存在しても存在しなくても良い。Wが存在する場合、Wは炭素原子、窒素原子及び/又は酸素原子の数が1〜20の有機基であり、Wが存在しない場合、WはAに直接結合する。)
Wが存在しない場合とは、Wが単結合である場合と言い換えることもできる。従って、式(1)において、「Wは存在しても存在しなくても良い。Wが存在する場合、Wは炭素原子、窒素原子及び/又は酸素原子の数が1〜20の有機基であり、Wが存在しない場合、WはAに直接結合する。」とは、「Wは単結合であるか、又は炭素原子、窒素原子及び/もしくは酸素原子の数が1〜20の有機基である」と言い換えることができる。
尚、「重合性不飽和モノマー」は、ラジカル重合しうる重合性不飽和基を有するモノマーを意味し、該重合性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、アクリルアミド基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニルエーテル基などが挙げられる。
上記多環芳香族炭化水素を有する重合性不飽和モノマー(A−1)としては、具体的には、例えば、ビニルナフタレン、ナフチル(メタ)アクリレート、ナフチルアルキル(メタ)アクリレート、ビニルアントラセン、アントラセニル(メタ)アクリレート、アントラセニルアルキル(メタ)アクリレート、ビニルピレン、ピレニル(メタ)アクリレート、ピレニルアルキル(メタ)アクリレート、ビニルクリセン、ビニルナフタセン、ビニルペンタセン、及びこれらの誘導体などが挙げられる。また、グリシジル基やイソシアネート基などの反応性官能基を有する重合性不飽和基モノマーと、該反応性官能基と反応する官能基を有する多環芳香族炭化水素とを反応せしめたものも含まれる。互いに反応する官能基の組み合わせであればいずれも好適に使用できるが、カルボキシル基とグリシジル基、アミノ基とグリシジル基、水酸基とイソシアネート基の組み合わせがより好ましい。具体的には、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートと1−ナフチル酢酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートと1−ナフトール、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートと1−(2−ナフチル)エタノールの組み合わせなどが挙げられる。
これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
多環芳香族炭化水素を有する重合性不飽和モノマー(A−1)及び当該モノマーが有する多環芳香族炭化水素において、誘導体とは、例えば、多環芳香族部分に水酸基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数1〜8のアルコキシカルボニルオキシ基、ホスホリルオキシ基等の置換基が1〜3個(例えば、1個、2個、3個等)置換したものを意味する。
なかでも、多環芳香族炭化水素を有する重合性不飽和モノマー(A−1)としては、下記式(2)で表わされるナフチル基を有する重合性不飽和モノマー又はその誘導体(A−2)であることが好ましい。
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示し、Wは存在しても存在しなくても良い。Wが存在する場合、Wは炭素原子、窒素原子及び/又は酸素原子の数が1〜20の有機基であり、Wが存在しない場合、Wはナフチル基に直接結合する。)
上記ナフチル基を有する重合性不飽和モノマー又はその誘導体(A−2)としては、例えば、ビニルナフタレン、ナフチル(メタ)アクリレート、ナフチルアルキル(メタ)アクリレート、及びこれらの誘導体などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
なかでも、ナフチル(メタ)アクリレート又はその誘導体(A−2)が、下記式(3)で表わされるナフチル(メタ)アクリレート又はその誘導体(A−3)であることが好ましい。
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アルコキシカルボニルオキシ基、ホスホリルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す。)
上記ナフチル(メタ)アクリレート又はその誘導体(A−3)としては、例えば、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、及びこれらの誘導体などが挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
なかでも、ナフチル(メタ)アクリレート又はその誘導体(A−3)が、下記式(4)で表わされる4−置換−1−ナフチル(メタ)アクリレート(A−4)又はその誘導体であることが好ましい。
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Zは水酸基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数1〜8のアルコキシカルボニルオキシ基、ホスホリルオキシ基を示す。)
上記4−置換−1−ナフチル(メタ)アクリレート(A−4)又はその誘導体としては、例えば、下記式(5)で表される4−置換−1−ナフチル(メタ)アクリレート(A−5)が挙げられる。
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、X’は水酸基又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、Zは水酸基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数1〜8のアルコキシカルボニルオキシ基、ホスホリルオキシ基を示す。)。4−置換−1−ナフチル(メタ)アクリレート(A−5)においては、X’はナフチル基の2位に置換していることが好ましい。
また、より具体的には、多環芳香族炭化水素を有する重合性不飽和モノマー(A−1)としては、例えば、4−メチル−1−ナフチル(メタ)アクリレート、4−エチル−1−ナフチル(メタ)アクリレート、4−メトキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、4−エトキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−エトキシ−4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−4−エトキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、及び4−ホスホリルオキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、若しくはその誘導体などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
本発明の多環芳香族炭化水素を有する分散樹脂が、顔料の分散性及び安定性に効果がある理由としては、詳しい事は解っていないが、例えば、顔料が芳香環を有している場合、顔料と分散樹脂間のπ−π相互作用により安定化するためだと考えられる。尚、π−π相互作用とは、芳香環の間に働く分散力であり、2つの芳香環がコインを積み重ねたような配置で安定化する傾向があるため、スタッキング相互作用とも呼ばれる。
また、上記4−置換−1−ナフチル(メタ)アクリレート(A−4)の置換基が、顔料の分散性及び安定性に効果がある理由としては、詳しい事は解っていないが、例えば、置換基を有することによって芳香環の静電ポテンシャルが上昇し顔料との親和性を高めるためだと推測している。
多環芳香族炭化水素を有する重合性不飽和モノマー(A−1)以外の重合性不飽和モノマー
本発明の顔料分散樹脂は、多環芳香族炭化水素を有する重合性不飽和モノマー(A−1)と該(A−1)以外の重合性不飽和モノマーを共重合して得ることができる。多環芳香族炭化水素を有する重合性不飽和モノマー(A−1)以外の重合性不飽和モノマーとしては、通常、アクリル樹脂の合成で使用される重合性不飽和モノマーであれば特に制限なく用いることができ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート等の炭素数3以下のアルキル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等のアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレートなどのイソボルニル基を有する重合性不飽和化合物;アダマンチル(メタ)アクリレートなどのアダマンチル基を有する重合性不飽和化合物;ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の単環芳香環含有重合性不飽和モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物、該(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アリルアルコ−ル、分子末端が水酸基であるポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物等のウレタン結合を含まない含窒素重合性不飽和モノマー;イソシアネート基含有重合性不飽和モノマーと水酸基含有化合物との反応生成物又は水酸基含有重合性不飽和モノマーとイソシアネート基含有化合物との反応生成物等のウレタン結合を有する重合性不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、アリルスルホン酸、4−スチレンスルホン酸等、これらスルホン酸のナトリウム塩及びアンモニウム塩等のスルホン酸基を有する重合性不飽和モノマー;2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート等のリン酸基を有する重合性不飽和モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどのアルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等のフッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー;マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマーなどが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
なかでも、少なくとも1種のスチレンを含有していることが好ましく、重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、スチレンを5〜65質量%含有することがより好ましい。
さらに、樹脂の立体反発層を形成し顔料分散ペーストの安定性を確保する観点から、少なくとも1種のポリアルキレングリコールマクロモノマーを含有していることが好ましく、重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、ポリアルキレングリコールマクロモノマーを1〜30質量%含有することがより好ましい。
また、ポリアルキレングリコールマクロモノマーは、下記式(5)で示される非イオン性の重合性不飽和モノマーであり、そのようなモノマーの具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これらのうち、特に、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートが好適である。
CH2=C(R1)COO(Cn2nO)m−R2 ・・・式(5)
〔式中、R1は水素原子またはCH3を表し、R2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、mは4〜60、特に4〜55の整数であり、nは2〜3の整数であり、ここで、m個のオキシアルキレン単位(Cn2nO)は同じであっても又は互いに異なっていてもよい。〕
また、少なくとも1種の(メタ)アクリルアミド化合物を含有することが好ましい。上記(メタ)アクリルアミド化合物としては、それ自体既知のものを特に制限なく用いることができ、具体的には、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドブチルエーテル、N−メチロールメタクリルアミドブチルエーテル、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−シクロプロピルアクリルアミド、N−シクロプロピルメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシプロピルアクリルアミド、N−ヒドロキシブチルアクリルアミド、N−ヒドロキシペンチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N,N−ジヒドロキシメチルアクリルアミド、N,N−ジヒドロキシエチルアクリルアミド、N,N−ジヒドロキシプロピルアクリルアミド、N,N−ジヒドロキシブチルアクリルアミド、N,N−ジヒドロキシペンチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシプロピルメタクリルアミド、N−ヒドロキシブチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシペンチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシメチル−N−エチルメタクリルアミド、N−メチル−N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N,N−ジヒドロキシメチルメタクリルアミド、N,N−ジヒドロキシエチルメタクリルアミド、N,N−ジヒドロキシプロピルメタクリルアミド、N,N−ジヒドロキシブチルメタクリルアミド、N,N−ジヒドロキシペンチルメタクリルアミド、N,N−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド、及びN−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−メチル,N−エチルアクリルアミド、N−メチル,N−エチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドメチルエーテル、N−メチロールメタクリルアミドメチルエーテル、N−メチロールアクリルアミドエチルエーテル、N−メチロールメタクリルアミドエチルエーテル、N−メチロールアクリルアミドプロピルエーテル、N−メチロールメタクリルアミドプロピルエーテル、N−メチロールアクリルアミドブチルエーテル、N−メチロールメタクリルアミドブチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミドなどのアミノ基含有(メタ)アクリルアミド化合物、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(アクリエステルDMC、商品名、三菱レイヨン社製)などの第4級アンモニウム塩基含有アクリルアミド化合物、アクリロイルモルホリンなどを挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
なかでも、下記式(6)で表わされる(メタ)アクリルアミド化合物であることが好ましい。
CH2=C(−R1)−C(=O)−N(−R2)−R3 ・・・式(6)
上記式(6)中のR1は水素原子またはメチル基であり、R2及びR3は異なっていても同じでも良く、水素原子、水酸基を有する有機基及びアルキル基から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。さらにR2及びR3の両方又は片方が水酸基を有する有機基であることがより好ましく、具体的には、例えば、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル−N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド、及びN−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル)アクリルアミドから選ばれる少なくとも1種であることが特に好ましい。
上記(メタ)アクリルアミド化合物の含有量としては、重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、1〜30質量%含有することが好ましい。
顔料分散樹脂の合成
本発明の顔料分散樹脂は、ラジカル重合開始剤の存在下に、有機溶剤中で溶液重合する方法、または水性媒体中でエマルション重合する方法などの、それ自体既知のラジカル重合法によって得ることができる。
重合に用いられるラジカル重合開始剤としては、例えば、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−アミルパーオキサイド、ビス(tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化物系重合開始剤;2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、アゾクメン、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2´−アゾビスジメチルバレロニトリル、4,4´−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2−(t−ブチルアゾ)−2−シアノプロパン、2,2´−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2´−アゾビス(2−メチルプロパン)、ジメチル2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ系重合開始剤を挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
上記の重合又は希釈に使用される溶媒としては、特に制限はなく、水や有機溶剤、またはその混合物などを挙げることができる。有機溶剤としては、例えば、n−ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロブタンなどの炭化水素溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;n−ブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールなどのエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤;エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール等の等のアルコール系溶剤;エクアミド(商品名、出光興産株式会社製、アミド系溶剤)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤など、従来公知の溶剤を挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
有機溶剤中での溶液重合において重合開始剤、重合性不飽和モノマー成分、及び有機溶剤を混合し、攪拌しながら加熱する方法、反応熱による系の温度上昇を抑えるために有機溶剤を反応槽に仕込み、60℃〜200℃の温度で攪拌しながら必要に応じて窒素やアルゴンなどの不活性ガスを吹き込みながら、重合性不飽和モノマー成分と重合開始剤を所定の時間かけて混合滴下又は分離滴下する方法などが用いられる。
重合は、一般に1〜10時間程度行うことができる。各段階の重合の後に必要に応じて重合開始剤を滴下しながら反応槽を加熱する追加触媒工程を設けてもよい。
上記の通り得られる本発明の顔料分散樹脂は、重量平均分子量が好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは3,000〜50,000の範囲内であることが好適である。
尚、本明細書において、数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。具体的には、ゲルパーミュエーションクロマトグラフとして、「HLC8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」及び「TSKgel G−2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の4本を使用し、移動相テトラヒドロフラン、測定温度40℃、流速1mL/min及び検出器RIの条件下で測定することができる。
顔料分散ペースト
本発明の顔料分散ペーストは、上記顔料分散樹脂、顔料、顔料誘導体、溶媒、及び必要に応じて、その他の添加剤などを含有するものである。
本発明において、上記顔料分散樹脂によって分散される顔料としては、従来公知のものを制限なく使用することができ、例えば、チタン白、亜鉛華などの白色顔料;シアニンブルー、インダスレンブルーなどの青色顔料;シアニングリーン、緑青などの緑色顔料;アゾ系やキナクリドン系などの有機赤色顔料、ベンガラなどの赤色顔料;ベンツイミダゾロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系及びキノフタロン系などの有機黄色顔料、チタンイエロー、黄鉛などの黄色顔料;カーボン、松煙などの黒色顔料;アルミニウム粉、銅粉、ニッケル粉、酸化チタン被覆マイカ粉、酸化鉄被覆マイカ粉及び光輝性グラファイトなどの光輝性顔料などが挙げられる。なかでも、芳香族炭化水素を有する顔料が好ましい。
また、本発明の顔料分散樹脂は、顔料を微細かつ均一に分散し、顔料分散ペーストを長期に渡って安定化できるため、特に厳しい性能が要求される導電性顔料の分散に好適である。
芳香族炭化水素を有する導電性顔料としては、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラック、バルカン、カーボンナノチューブ、グラフェン、気相成長カーボンファイバー(VGCF)、黒鉛などが挙げられる。
溶媒に関しては、前述した顔料分散樹脂の重合又は希釈に使用される溶媒を好適に用いることができる。
その他の添加剤としては、中和剤、顔料分散剤、結着剤、消泡剤、防腐剤、防錆剤、可塑剤などを挙げることができる。顔料分散剤及び/又は結着剤としては、例えば、上記顔料分散樹脂以外のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリケート樹脂、塩素系樹脂、フッ素系樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、及びこれらの複合樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
顔料分散ペースト中の顔料分散樹脂固形分の含有量は、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下であることが、顔料分散時の粘度、顔料分散性、分散安定性及び生産効率などの面から好適である。特に導電性顔料分散ペーストの場合は、塗膜の導電性の観点から、導電性顔料分散ペースト固形分中の顔料分散樹脂固形分の含有量は、通常、20質量%以下、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは1.0〜10質量%であることが好適である。
顔料分散ペーストは、以上に述べた各成分を、例えば、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、ペブルミル、LMZミル、DCPパールミル、遊星ボールミル、ホモジナイザー、二軸混練機、薄膜旋回型高速ミキサーなどの従来公知の分散機を用いて均一に混合、分散させることにより調製することができる。
以下、製造例、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。各例中の「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
ナフチル基含有モノマーの製造
製造例1 ナフチル基含有モノマーの製造
攪拌加熱装置と冷却管を備えた反応容器に、酢酸ブチル373部、1−ナフチル酢酸202部、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.1部、及びテトラブチルアンモニウムブロマイド0.3部を仕込んだ後、撹拌しながら120℃に昇温した。次いで乾燥空気を溶液中に吹き込みながら、グリシジルメタクリレート154部を1時間かけて滴下し、120℃で2時間反応を進め、ナフチル基含有モノマー溶液1を得た。
製造例2 ナフチル基含有モノマーの製造
攪拌加熱装置と冷却管を備えた反応容器に、酢酸ブチル208部、1−ナフトール100部、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.1部を仕込んだ後、撹拌しながら60℃に昇温した。次いで乾燥空気を溶液中に吹き込みながら、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート107.6部を1時間かけて滴下し、60℃で2時間反応を進め、ナフチル基含有モノマー溶液2を得た。
顔料分散樹脂の製造
実施例1 顔料分散樹脂の製造
攪拌加熱装置と冷却管を備えた反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテル300部を仕込み、窒素置換後、110℃に保った。この中に、以下に示すモノマー混合物を3時間かけて滴下した。
9−アントラセニルメチルメタクリレート 300部
スチレン 200部
n−ブチルメタクリレート 300部
2−エチルヘキシルアクリレート 100部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 100部
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル) 40部
滴下終了後から1時間経過後、この中に2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)5部をプロピレングリコールモノメチルエーテル100部に溶かした溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、これをさらに1時間110℃に保持したのち、メチルイソブチルケトンで調整し、固形分70%の顔料分散樹脂X−1溶液を得た。顔料分散樹脂X−1は、重量平均分子量10,000であった。
実施例2〜33及び比較例1〜6 顔料分散樹脂の製造
実施例1のモノマー組成を下記表1の種類及び配合量とする以外は、実施例1と同じ組成及び製造方法で顔料分散樹脂X−2〜X−39溶液を製造した。
尚、表中のMPEG2000MAに関しては他のモノマーと混ざらないため、モノマー混合物とは別に並行して滴下した。
(注1)MPEG2000MA:商品名、エボニックデグサジャパン社製、メトキシリエチレングリコールモノメタクリレート、数平均分子量約2000。
尚、表中の配合量は有効成分の値である。従って、表中の成分として、溶剤等の添加剤を含む製品等を用いた場合、表中の配合量は、それらの添加剤を除いた、表中の成分の配合量を意味する。
顔料分散ペーストの製造
実施例34 導電性顔料分散ペーストの製造
実施例1で得た顔料分散用樹脂X−1溶液を8.6部(固形分6部)、デンカブラックHS−100(商品名、電気化学工業社製、カーボンブラック)99部、ケッチェンブラックECP300(商品名、ライオン株式会社製、ケッチェンブラック)1部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルを580部加え、ボールミルにて5時間分散し、導電性顔料分散ペーストY−1を得た。
実施例35〜59及び比較例7〜9 導電性顔料分散ペーストの製造
下記表2で示される以外は実施例34と同様にして、導電性顔料分散ペーストY−2〜Y−26及びY−35〜37、を得た。
実施例60 導電性顔料分散ペーストの製造
実施例26で得た顔料分散用樹脂X−26溶液を8.6部(固形分6部)、デンカブラックHS−100(商品名、電気化学工業社製、カーボンブラック)99部、ケッチェンブラックECP300(商品名、ライオン株式会社製、ケッチェンブラック)1部及び脱イオン水を580部加え、ボールミルにて5時間分散し、導電性顔料分散ペーストY−27を得た。
実施例61〜67及び比較例10〜12 導電性顔料分散ペーストの製造
下記表2で示される以外は実施例60と同様にして、導電性顔料分散ペーストY−28〜Y−34及びY−38〜40を得た。
また、下記表2に、後述する評価試験の結果(分散性、導電性)を記載する。
本発明においては、分散性及び導電性の両方の性能に優れていることが重要であり、どちらか片方に「D(非常に劣る)」の評価がある場合、その顔料分散ペーストは不合格である。
(注2)黒鉛:粒子径が50〜600μmの天然黒鉛粒子
尚、表中の配合量は固形分の値である。
実施例68 着色顔料分散ペーストの製造
攪拌混合容器に、実施例31で得た顔料分散樹脂X−31溶液143部(固形分100部)、「Raven5000UIII」(商品名、コロンビアンカーボン社製、カーボンブラック顔料)60部及び脱イオン水800部を入れ、均一に混合した。次いで、得られた混合液を容量225ccの広口ガラス瓶中に入れ、分散メジアとして直径約0.5mmφのジルコニアビーズを加えて密閉し、ペイントシェーカーにて5時間分散して着色顔料分散ペーストY−41を得た。
実施例69〜72、比較例13〜17 着色顔料分散ペーストの製造
下記表3で示される以外は実施例68と同様にして、着色顔料分散ペーストY−42〜Y−50を得た。あわせて後述する評価試験の結果(発色性)も記載する。
(注3)シアニンブルー5206:商品名、大日精化工業社製、有機系青色顔料。
(注4)RT355D:商品名、BASF社製、有機系赤色顔料。
尚、表中の配合量は固形分の値である。
評価試験
<分散性>
得られた顔料分散ペーストをJISK−5600−2−5の分散度試験に準じ、ツブゲージを用いて下記基準により分散性を評価した。
A:顔料が10μm未満で分散されている。分散性は非常に良好である。
B:顔料が10μm以上、かつ15μm未満で分散されている。分散性は良好である。
C:顔料が15μm以上で分散されているが、目視で凝集物は確認できない。分散性はやや劣る。
D:目視で凝集物が確認される。分散性は非常に劣る。
<導電性>
ポリプロピレン板(10cm×15cm×3mm)の上にアルミ箔テープ(住友3M社製、No.425)を3cm間隔で平行に2本貼り付けた。次いで、得られた導電性顔料分散ペーストをアルミ箔テープの間に長さ5cm、乾燥膜厚15μmになるようにアプリケーターで塗装し、室温で2分間放置してから、80℃で10分間加熱乾燥した。(幅3cm×長さ5cm×膜厚15μmの乾燥塗膜を作成した。)
アルミ箔テープ間に塗装した乾燥塗膜の抵抗率を「ディジタルマルチメーター MODEL73401」(商品名、横河メータ&インスツルメンツ社製)を用いて20℃の雰囲気で測定し、下記基準により導電性を評価した。
S:抵抗率が、0.005Ωm未満であり、導電性は最も良好である。
A:抵抗率が、0.005Ωm以上、かつ0.0065Ωm未満であり、導電性は非常に良好である。
B:抵抗率が、0.0065Ωm以上、かつ0.008Ωm未満であり、導電性は良好である。
C:抵抗率が、0.008Ωm以上、かつ0.01Ωm未満であり、導電性はやや劣る。
D:抵抗率が、0.01Ωm以上であり、導電性は非常に劣る。
<発色性>
得られた着色顔料分散ペーストを透明なPETフィルム上に乾燥膜厚25μmとなるよう塗布し、140℃で30分間焼付けることによって得た塗膜を「MA−68II」(商品名、X−Rite社製、多角度分光測色計)を使用し、塗膜について、測定対象面に垂直な軸に対し45°の角度から標準の光D65を照射し、反射した光のうち測定対象面に垂直な方向の光(正反射光に対して45°の角度で受光した光)についてL*値(L*45)を測定した。黒色以外の顔料ではL*45の値で発色性を評価した。
黒色顔料ではL*45値に加えて、25°、75°の角度から標準の光D65を照射したときのL*値(それぞれL*25、L*75)を測定し、3つの値の和で評価した。
値が低いほど発色性が良好であり、本発明においては、黒色顔料の場合は0.3以下、青色顔料の場合は1.5以下、赤色顔料の場合は7以下が合格である。

Claims (7)

  1. 下記式(3')で表わされる、ナフチル(メタ)アクリレート化合物(A−3')を1〜70質量%含む重合性不飽和モノマーの共重合体である顔料分散樹脂及び顔料を含有する顔料分散ペーストであって、該顔料分散樹脂を固形分で0.1〜15質量%含む顔料分散ペースト:
    (式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、ホスホリルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す。ただし、X及びYは共に水素原子であってはならない。ナフタレン環はさらに官能基を有してもよい。ナフタレン環がさらに官能基を有する場合、当該官能基は水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、ホスホリルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す。当該官能基が複数存在する場合、当該複数の官能基は同一でも異なってもよい)。
  2. 前記顔料が導電性顔料を含有することを特徴とする請求項1に記載の顔料分散ペースト。
  3. ナフチル(メタ)アクリレート化合物(A−3')においてナフタレン環がさらに官能基を有する場合、当該官能基が水酸基である、請求項1又は2に記載の顔料分散ペースト。
  4. ナフチル(メタ)アクリレート化合物(A−3')が、下記式(4)で表わされる4−置換−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物(A−4)であることを特徴とする請求項1に記載の顔料分散ペースト。
    (式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Zは水酸基を示す。ナフタレン環はさらに官能基を有してもよい。ナフタレン環がさらに官能基を有する場合、当該官能基は、水酸基を示す。)
  5. 重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、スチレンを5〜65質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の顔料分散ペースト。
  6. 重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、さらに、ポリアルキレングリコールマクロモノマーを1〜30質量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の顔料分散ペースト。
  7. 重合性不飽和モノマー成分として、さらに、少なくとも1種の(メタ)アクリルアミド化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の顔料分散ペースト。
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