JP2024021860A - アルミナ粉末、樹脂組成物、およびアルミナ粉末の製造方法 - Google Patents

アルミナ粉末、樹脂組成物、およびアルミナ粉末の製造方法 Download PDF

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祥太 榊
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Abstract

【課題】熱伝導性が高く、薄膜状の熱伝導性部材を実現できるアルミナ粉末と、該アルミナ粉末を含み、熱伝導性が高く、薄膜状の熱伝導性部材を実現できる樹脂組成物と、前記アルミナ粉末の製造方法を提供する。【解決手段】円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子を有するアルミナ粉末であって、個数基準の累積粒度分布の微粒側から累積10%の粒径D10が0.15μm未満であり、前記D10と、個数基準の累積粒度分布の微粒側から累積100%の粒径D100と、個数基準の累積粒度分布の微粒側から累積50%の粒径D50とが、式(1):4.0≦(D100-D10)/D50≦20を満たし、倍率10,000倍で少なくとも5視野観察したときに、円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子数Naと、円相当径が0.3μm以上のアルミナ粒子数Nbとの粒子比率(Na/Nb)の変動係数CV(Na/Nb)が0.3以下である、アルミナ粉末。【選択図】図6

Description

本開示は、アルミナ粉末、樹脂組成物、およびアルミナ粉末の製造方法に関する。
電子部品に通電することにより発生する熱は、電子部品の性能に悪影響を及ぼしやすいことから速やかに放熱されることが望まれる。よって、放熱のための熱伝導性部材を構成する材料には、高い熱伝導性を示すことが望まれる。上記熱伝導性部材の一つとして、樹脂と無機粒子とを含む熱伝導性樹脂組成物があり、無機粒子としてアルミナ粒子が利用される。
上記アルミナ粒子として、例えば特許文献1に示された、バイヤー法による水酸化アルミニウムの焼成により得られるアルミナ粒子であって、BET比表面積が5~9m/g、粒度分布におけるD10=0.1~0.2μm、D50=0.3~0.5μm、D90=0.7~2μmで、かつ1μm以下が80質量%以上であって、Mg含有量、Na含有量、Si含有量、およびCa含有量を規定した易焼結性アルミナ粒子が挙げられる。
特開2005-206460号公報
近年、放熱のための熱伝導性部材として、膜厚の薄いシート状熱伝導性部材、例えば十数ミクロンレベル、更には数ミクロンレベルの膜厚の熱伝導性部材が求められている。更に熱伝導性部材には、より高い熱伝導性を示すことも求められている。また、高熱伝導性を実現するには、樹脂中にアルミナ粒子を高濃度かつ均一に分散させる必要がある。
しかしながら、上記特許文献1に示されたアルミナ粒子を多量に樹脂に配合すると、アルミナ粒子が凝集しやすく、樹脂組成物中に粗粒が生じやすい。その結果、高熱伝導性を達成することが難しく、また熱伝導性部材の薄膜化も難しい。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、熱伝導性が高く、かつ薄膜状の熱伝導性部材を実現できるアルミナ粉末と、該アルミナ粉末を含み、熱伝導性が高く、かつ薄膜状の熱伝導性部材を実現できる樹脂組成物と、前記アルミナ粉末の製造方法を提供することにある。
本発明の態様1は、
円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子を有するアルミナ粉末であって、
個数基準の累積粒度分布の微粒側から累積10%の粒径D10が0.15μm未満であり、
前記D10と、個数基準の累積粒度分布の微粒側から累積100%の粒径D100と、個数基準の累積粒度分布の微粒側から累積50%の粒径D50とが、下記式(1)を満たし、
倍率10,000倍で少なくとも5視野観察したときに、円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子数Naと円相当径が0.3μm以上のアルミナ粒子数Nbの粒子比率(Na/Nb)の変動係数であるCV(Na/Nb)が0.3以下である、アルミナ粉末である。
4.0≦(D100-D10)/D50≦20 ・・・(1)
本発明の態様2は、
前記円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子は、平均円形度が0.82以上である、態様1に記載のアルミナ粉末である。
本発明の態様3は、
前記円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子は、αアルミナ粒子である、態様1または2に記載のアルミナ粉末である。
本発明の態様4は、
態様1~3のいずれかに記載のアルミナ粉末と樹脂を含む、樹脂組成物である。
本発明の態様5は、
前記アルミナ粉末と樹脂の質量割合が85:15~95:5の範囲である態様4に記載の樹脂組成物である。
本発明の態様6は、
円相当径が0.3μm未満のアルミナ原料粒子と、円相当径が0.3μm以上のアルミナ原料粒子を含む配合原料を準備する原料準備工程と、
前記配合原料を、回転速度が10000rpm以上である高速ミキサーを用いて混合する混合工程とを有する、アルミナ粉末の製造方法である。
本開示によれば、熱伝導性が高く、薄膜状の熱伝導性部材を実現できるアルミナ粉末と、該アルミナ粉末を含み、熱伝導性が高く、薄膜状の熱伝導性部材を実現できる樹脂組成物と、前記アルミナ粉末の製造方法を提供できる。
図1は、実施例で使用したアルミナ原料粒子2のSEM写真である。 図2は、実施例で使用したアルミナ原料粒子5のSEM写真である。 図3は、実施例で使用したアルミナ原料粒子2とアルミナ原料粒子5の粒度分布を示す図である。 図4は、実施例で行った。二値化処理の一例について示す。 図5は、実施例1の断面サンプルのSEM画像である。 図6は、実施例1の断面サンプルの別のSEM画像である。 図7は、比較例1の断面サンプルのSEM画像である。 図8は、比較例1の断面サンプルの別のSEM画像である。 図9は、比較例3の断面サンプルのSEM画像である。
本発明者らは、熱伝導性が高く、薄膜状の熱伝導性部材を実現できるアルミナ粉末と、該アルミナ粉末を含み、熱伝導性が高く、薄膜状の熱伝導性部材を実現できる樹脂組成物、更には上記アルミナ粉末の製造方法を実現すべく、鋭意研究を重ねた。その結果、上記アルミナ粉末として、円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子を有し、個数基準の累積粒度分布の微粒側から、累積10%の粒径をD10、累積50%の粒径をD50、累積100%の粒径をD100としたときに、D10の範囲を規定するとともに、D10、D50およびD100が所定の式を満たし、更に所定の条件で観察したときに、アルミナ粒子の分散状態を示すパラメータである、円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子数Naと円相当径が0.3μm以上のアルミナ粒子数Nbの粒子比率(Na/Nb)の変動係数であるCV(Na/Nb)が、一定以下であればよいことを見出した。
以下、本実施形態に係るアルミナ粉末、該アルミナ粉末を含む樹脂組成物、およびアルミナ粉末の製造方法について順に詳述する。
〔アルミナ粉末〕
(円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子を含有)
本実施形態に係るアルミナ粉末は、円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子(以下「アルミナ小粒子」ということがある)を含有する。本実施形態に係るアルミナ粉末は、アルミナ小粒子を含み、かつ後述する規定の粒度分布を満たす範囲内で、円相当径が0.3μm以上のアルミナ粒子(以下「アルミナ大粒子」ということがある)も含みうる。アルミナ小粒子は、円相当径の下限が例えば0.01μmでありうる。またアルミナ大粒子は円相当径の上限が3μm以下でありうる。
(個数基準の累積粒度分布の微粒側から累積10%の粒径D10)
本実施形態に係るアルミナ粉末は、個数基準の累積粒度分布の微粒側から累積10%の粒径D10(以下単に「D10」と記載することがある)が0.15μm未満である。アルミナ粉末に、アルミナ小粒子として微粒である粒径が0.15μm未満のアルミナ微粒子が含まれることによって、アルミナ大粒子間に形成される隙間に上記アルミナ微粒子が存在し、高充填を容易に実現でき、熱伝導性を高めることができる。また、比較的大きなアルミナ粒子の表面に、上記アルミナ微粒子が存在することによって、樹脂組成物を製造する際に、樹脂中でのアルミナ粉末の流動性も高められる。上記D10は、好ましくは0.10μm以下である。なお、樹脂組成物混合時の流動性の観点から、上記D10の下限値は0.01μm程度でありうる。
(スパン値:(D100-D10)/D50)
本実施形態に係るアルミナ粉末は、前記D10と、個数基準の累積粒度分布の微粒側から累積100%の粒径D100と、個数基準の累積粒度分布の微粒側から累積50%の粒径D50とが、下記式(1)を満たす。以下では、下記式(1)における(D100-D10)/D50を「スパン値」ということがある。
4.0≦(D100-D10)/D50≦20 ・・・(1)
上記スパン値は、粒度分布の広がりを示す指標である。上記スパン値が4.0を下回ると、アルミナ小粒子の粒径とアルミナ大粒子の粒径との差が小さくなる。その結果、アルミナ小粒子の粒径が、アルミナ大粒子の粒径に近い場合には、上述した比較的大きなアルミナ粒子間に形成される隙間へのアルミナ微粒子の充填が難しくなる。一方、アルミナ大粒子の粒径が、アルミナ小粒子の粒径に近い場合には、アルミナ粉末の大部分が粒径の比較的小さい粒子で占められ、結果として、優れた熱伝導性と良好な流動性を確保することが困難となる。上記スパン値は、好ましくは4.1以上、より好ましくは4.3以上、更に好ましくは5.3以上である。
一方、上記スパン値が20を超えると、比較的大きなアルミナ粒子の粒径(D50)が5μm以上となることが想定される。この場合、アルミナ大粒子の粒度分布を考慮すると、膜厚の薄い薄膜状の熱伝導性部材の実現が難しくなり、例えば膜厚が10μm以下の薄膜状の熱伝導性部材の実現できない。上記スパン値は、好ましくは15以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは6.3以下、最も好ましくは6.0以下である。
(円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子数Naと、円相当径が0.3μm以上のアルミナ粒子数Nbとの粒子比率(Na/Nb)の変動係数であるCV(Na/Nb))
本実施形態に係るアルミナ粉末は、倍率10,000倍で少なくとも5視野観察したときに、円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子数Naと、円相当径が0.3μm以上のアルミナ粒子数Nbとの粒子比率(Na/Nb)の変動係数であるCV(Na/Nb)が0.3以下を満たす。
本実施形態に係るアルミナ粉末は、多量のアルミナ粉末を樹脂と混合および混練した場合でも、アルミナ粉末の分散性が高く凝集粒の発生が抑制された樹脂組成物が得られる。その結果、熱伝導性が高くなり、薄膜状の熱伝導性部材を実現できる。本実施形態に係るアルミナ粉末が、従来品と異なり、樹脂組成物において良好に分散することを示すため、本実施形態では、アルミナ粉末の分散性の評価指標として、円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子数Naと、円相当径が0.3μm以上のアルミナ粒子数Nbとの粒子比率(Na/Nb)の変動係数であるCV(Na/Nb)を用いる。
また、上記変動係数CV(Na/Nb)は、倍率10,000倍で少なくとも5視野観察して求められる。変動係数CV(Na/Nb)の評価は、走査型電子顕微鏡を用いて行えばよい。
上記変動係数CV(Na/Nb)を満たすアルミナ粉末を得るための方法として、従来の方法でアルミナ原料粒子を混合するのではなく、後述するアルミナ粉末の製造方法に示す通り、回転速度が10000rpm以上である高速ミキサーを用いて混合することが重要である。
前記変動係数CV(Na/Nb)は、好ましくは0.25以下であり、より好ましくは0.20以下である。前記変動係数CV(Na/Nb)は、小さければ小さいほど好ましい。
(円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子の平均円形度)
本実施形態に係るアルミナ粉末は、円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子の平均円形度が0.82以上であることが好ましい。好ましくはアルミナ小粒子の円形度が高いことによって、樹脂と混合および混練時に、流動性をより高めることができる。アルミナ小粒子の平均円形度は、より好ましくは0.85以上であり、アルミナ小粒子の平均円形度は高いほど好ましいが、0.95以下であれば同等の流動性を確保できる。
(円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子の結晶構造)
本実施形態に係るアルミナ粉末は、円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子がαアルミナ粒子であることが好ましい。なお、αアルミナ粒子であることは、例えば、アルミナ粉末を粉末X線回折法により測定し、得られた回折スペクトルから、2θ=25.6°の位置に現れるα相(012面)のピーク高さと、2θ=46°の位置に現れるγ相等の他の相のピーク高さを比較するか、または樹脂組成物を用いて評価する場合、収束イオンビーム(FIB)を使用して厚さ0.1μm程度の薄片をFIB作成し、円相当径が0.3μm未満の粒子について、電子線回折により確認することができる。
一方、円相当径が0.3μm以上のアルミナ粒子の結晶構造は限定されない。例えば、αアルミナ、θアルミナ、γアルミナ、δアルミナのうちの1以上であることが挙げられる。熱伝導性を高める観点からは、円相当径が0.3μm以上のアルミナ粒子もαアルミナ粒子であることが好ましい。
〔アルミナ粉末の製造方法〕
本実施形態に係るアルミナ粉末の製造方法は、
円相当径が0.3μm未満のアルミナ原料粒子と、円相当径が0.3μm以上のアルミナ原料粒子を含む配合原料を準備する原料準備工程と、
前記配合原料を、回転速度が10000rpm以上である高速ミキサーを用いて混合する混合工程とを有する。
(原料準備工程)
円相当径が0.3μm未満のアルミナ原料粒子と、円相当径が0.3μm以上のアルミナ原料粒子を含む配合原料を準備するが、これらのアルミナ原料粒子の製造方法は特に限定されない。例えば、市販品を用いることができる。または、従来知られている方法で製造することができる。
円相当径が0.3μm未満のアルミナ原料粒子の平均円形度は0.82以上であることが好ましい。円相当径が0.3μm未満のアルミナ原料粒子の平均円形度は、より好ましくは0.85以上であり、高いほど好ましいが、0.95以下であっても良い。円相当径が0.3μm以上のアルミナ原料粒子の平均円形度は特に限定されない。
前記円相当径が0.3μm未満のアルミナ原料粒子は、αアルミナ原料粒子であることが好ましい。円相当径が0.3μm以上のアルミナ原料粒子は、例えば、αアルミナ、θアルミナ、γアルミナ、δアルミナのうちの1以上で構成されるアルミナ原料粒子が挙げられる。熱伝導性の高いアルミナ粉末を得る観点からは、円相当径が0.3μm以上のアルミナ原料粒子もαアルミナ原料粒子であることが好ましい。
D10および所定の範囲のスパン値が上述した範囲内にある本実施形態のアルミナ粉末を得るには、円相当径が0.3μm未満のアルミナ原料粒子と、円相当径が0.3μm以上のアルミナ原料粒子の配合割合(質量割合)を、例えば40:60~10:90で配合することが好ましい。
前記配合原料には、混合時の流動性等の向上を目的として、シランカップリング剤、分散剤等を含んでいてもよい。
(混合工程)
上記変動係数CV(Na/Nb)を満たすアルミナ粉末を得るには、円相当径が0.3μm未満のアルミナ原料粒子と、円相当径が0.3μm以上のアルミナ原料粒子を含む配合原料を準備するだけでなく、これらのアルミナ原料粒子の混合方法が重要である。本実施形態に係るアルミナ粉末の製造方法では、上記粒径の異なる粒子を混合する手段として、回転速度が10000rpm以上である高速ミキサーを用いることにより、凝集体の形成が十分抑制され、上記変動係数CV(Na/Nb)を満たすアルミナ粉末を得ることができる。その結果、該アルミナ粉末を樹脂と混合し混練することで、アルミナ粉末の凝集部分が十分抑制され、高充填でありながら分散性良くアルミナ粉末を含む樹脂組成物を得ることができる。
前記回転速度が10000rpm以上である高速ミキサーとは、10000rpm以上の高速回転で粉体を混合する装置であり、例えばバッチ式ミルやロータースピードミルが挙げられる。従来、粉末の混合に使用されてきた、一般的な混合装置、例えばエアーブレンダー、ロッキングブレンダー、ヘンシェルミキサー(いずれも回転速度は470~5400rpm)、遊星撹拌混合装置(回転速度は2000rpm以下)では、円相当径が0.3μm未満のアルミナ小粒子の凝集粒を解砕することが困難であり、樹脂組成物を作製した際に凝集粒が存在する。その結果、薄膜状の樹脂組成物、例えば膜厚が5μm以下のごく薄い樹脂組成物の作製は難しい。また、高速ミキサーを用いることで、円相当径が0.3μm未満のアルミナ小粒子の凝集粒を解砕し、円相当径が0.3μm以上のアルミナ原料粒子の一次粒子表面に分散できる。また、円相当径が0.3μm以上のアルミナ原料粒子の再凝集を防ぎ、その結果、変動係数CV(Na/Nb)を満たすアルミナ粉末が得られる。
〔樹脂組成物〕
本実施形態に係る樹脂組成物は、本実施形態に係るアルミナ粉末と、樹脂とを含む。本実施形態に係るアルミナ粉末を、例えば熱伝導性樹脂組成物用フィラーとして使用することにより、熱伝導性の高い樹脂組成物(コンポジット)を得ることができる。
樹脂組成物の熱伝導性を確保するため、樹脂組成物に含まれる本実施形態に係るアルミナ粉末の割合(配合比率)は、40体積%以上であることが好ましく、より好ましくは50体積%以上である。一方、樹脂特有のしなやかさを確保する観点からは、前記アルミナ粉末の割合は、90体積%以下であることが好ましく、より好ましくは85体積%以下である。本実施形態に係る樹脂組成物は、好ましくは、アルミナ粉末が高充填されて、より高い熱伝導性を発揮しうる。アルミナ粉末が高充填された樹脂組成物の好ましい態様として、前記アルミナ粉末と樹脂の質量割合が85:15~95:5の範囲であることが挙げられる。
樹脂組成物に使用する樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂の中から選択することができる。なお、樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリフェニレン-エーテル共重合体(PPE)樹脂、変性PPE樹脂、脂肪族ポリアミド類、芳香族ポリアミド類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル等のポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリケトン、液晶ポリマー、シリコーン樹脂、アイオノマー等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、スチレン-ブタジエンブロック共重合体又はその水添化物、スチレン-イソプレンブロック共重合体又はその水添化物、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、架橋ゴム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられる。架橋ゴムの具体例としては、天然ゴム、アクリルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレン-プロピレン共重合ゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、及びシリコーンゴムが挙げられる。
加工性や特性の観点から、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。
さらに、これらの樹脂組成物には、必要に応じて、発明の効果を損なわない範囲で可塑剤、硬化促進剤、カップリング剤、充填剤、顔料、難燃剤、酸化防止剤、界面活性剤、相溶化剤、耐候剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、レベリング剤、離型剤などの公知の添加剤を単独または二種以上を適宜配合しても良い。
樹脂組成物の製造方法について説明する。本実施形態に係るアルミナ粉末と樹脂を混合することにより樹脂組成物を得ることができる。例えば、樹脂が液状の場合(例えば液状エポキシ樹脂など)は、液状樹脂とアルミナ粉末と硬化剤とを混合した後、熱または紫外線などで硬化させることにより樹脂組成物を得ることができる。硬化剤や混合方法、硬化方法は公知のものおよび方法を用いることができる。一方、樹脂が固体状の場合(例えばポリオレフィン樹脂やアクリル樹脂など)は、アルミナ粉末と樹脂を混合した後に、溶融混練などの公知の方法により混練することで、目的とする樹脂組成物を得ることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物の態様には、アルミナ粉末と樹脂を含む原料を配合した配合物、アルミナ粉末と樹脂を含む原料を混合した混合物、該混合物を成形した成形物、混合物または成形物を例えば硬化処理して得られる成型体(硬化物)が含まれる。
本実施形態に係る樹脂組成物の一形態として、薄膜状の樹脂組成物が挙げられ、更にその一例として、膜厚が例えば10μm以下、更には5μm以下の、薄膜状の樹脂組成物が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前述および後述する趣旨に合致し得る範囲で、適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
〔アルミナ原料粒子の準備〕
アルミナ原料粒子として、下記に記載のアルミナ原料粒子1~5を準備した。なお、各原料粒子の結晶相は、X線回折法により結晶構造を解析して求めた。
(アルミナ原料粒子1)商品名:AA-07(住友化学株式会社製)、粒径(D50):0.9μm、結晶相:αアルミナ
(アルミナ原料粒子2)開発品1(住友化学株式会社製)、粒径(D50):0.15μm、結晶相:αアルミナ
(アルミナ原料粒子3)開発品2(住友化学株式会社製)、粒径(D50):0.10μm、結晶相:αアルミナ
(アルミナ原料粒子4)商品名:ASFP-20(デンカ株式会社製)、粒径(D50):0.3μm、結晶相:θアルミナとδアルミナ
(アルミナ原料粒子5)商品名:AKP-53(住友化学株式会社製)、粒径(D50):0.17μm、結晶相:αアルミナ
なお、前記アルミナ原料粒子2(開発品1)は次の様にして製造した。まず種晶(αアルミナ)スラリーの調製を行った。具体的に、アルミナ粒子(種晶の原料)を水に分散させた後、ボールミルで湿式粉砕を行って湿式粉砕物を得た。その後、該湿式粉砕物を、回転数4000rpm、30分間の条件で遠心処理し、沈殿物を除去して種晶が分散した種晶スラリーを得た。次いで、前記種晶スラリーとアルミニウムイソプロポキシドを高速で混合して加水分解し、水酸化アルミニウムスラリーを得た。得られた水酸化アルミニウムスラリーを150℃で乾燥し、水酸化アルミニウム粒子を得た。次いで、水酸化アルミニウム粒子を965℃にてガス炉で焼成し、アルミナ原料粒子2を得た。また、前記アルミナ原料粒子3(開発品2)は、前記アルミナ原料粒子2(開発品1)の製造方法において、上記アルミニウムイソプロポキシドと種晶スラリーとの配合比を変更することで得た。
本実施例で使用したアルミナ原料粒子2とアルミナ原料粒子5のSEM写真を図1と図2にそれぞれ示す。また、これらの粒度分布を図3に示す。
〔アルミナ粉末の準備〕
アルミナ原料粒子1~5とシランカップリング剤(商品名:OFS-6040)を用い、表1に示す通り、実施例1~3、比較例1~3でそれぞれの配合量となるように配合して配合原料を得た。そして、表1に示す通り、該配合原料を、高速ミキサー混合または遊星撹拌混合してアルミナ粉末を得た。高速ミキサー混合では、バッチ式ミル(IKA社製A10、回転数20000rpm)を用いて30秒間混合し、アルミナ粉末として混合粉末を得た。また、遊星撹拌混合では、自転・公転ミキサー(ARV-310、回転数2000rpm)を用いて30秒間混合し、アルミナ粉末として混合粉末を得た。
得られたアルミナ粉末を用い、下記の通り、アルミナ粉末の粒度分布測定等を行った。
〔アルミナ粉末の粒度分布測定〕
(粒度分布測定用樹脂組成物の作製)
まず粒度分布測定用樹脂組成物として、表1に示すアルミナ粉末と、エポキシ樹脂とを混合・混錬して成型体を得た。エポキシ樹脂は、樹脂1(53型エポキシ主剤(株式会社三啓製))と、樹脂2(53型エポキシ硬化剤(株式会社三啓製))とを2:1の比率(質量比率)で混合したものを用いた。各アルミナ粉末とエポキシ樹脂を、粉末充填率が85質量%になるように計量し、株式会社シンキー製の自転・公転ミキサー(ARV-310)を用いて混合および混錬し、室温で24時間硬化させて成型体(硬化物)を得た。
(粒度分布測定)
得られた成型体に対し、クロスセクションポリッシャ(登録商標、日本電子株式会社製SM-09010)を用い、イオンビームによる断面の研磨加工として加速電圧6.0kVで12時間の加工を行い、断面サンプルを得た。
得られた断面サンプルを、カーボンテープ上に固定し、走査型電子顕微鏡(SEM、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、品番:S-4800)を用いて、SEM画像を、所定の加速電圧で20,000倍のSEM画像を取得した。そして取得したSEM画像を用い、画像解析ソフト(ImageJ)を用いて自動二値化処理し、粒子を抽出した画像を取得した。二値化処理の一例を図4に示す。図4では、図4AのSEM画像を二値化処理することで、図4Bに示す二値化処理した画像が得られることを示す。なお、解析範囲からはみ出す粒子は解析対象から除外した。抽出された粒子について、粒子分離処理(上記画像解析ソフト「ImageJ」の場合は「Watershed処理」)を実施し、各粒子の面積から円相当径を算出した。そして、個数基準の累積粒度分布の微粒側から累積10%の粒径D10と、個数基準の累積粒度分布の微粒側から累積100%の粒径D100と、個数基準の累積粒度分布の微粒側から累積50%の粒径D50とを算出した。更にこれらの算出値を用い、下記式(1a)から、各例のスパン値を算出した。その結果を表2に示す。
スパン値=(D100-D10)/D50・・・(1a)
〔円相当径が0.3μm未満の粒子の平均円形度の測定〕
上記粒度分布測定において、円相当径が0.3μm未満の粒子の面積、周囲長をそれぞれ算出した。そして、下記式(2)により円相当径が0.3μm未満の各粒子の円形度を算出した。該算出結果から、円相当径が0.3μm未満の粒子の平均円形度を求めた。その結果を表2に示す。
粒子1粒の円形度=4×π×面積/(周囲長)・・・(2)
〔円相当径が0.3μm未満の粒子数と、円相当径が0.3μm以上の粒子数の粒子比率(Na/Nb)の変動係数CV(Na/Nb)の測定〕
円相当径が0.3μm未満の粒子数Naと、円相当径が0.3μm以上の粒子数Nbの粒子比率(Na/Nb)の変動係数CV(Na/Nb)は、以下の方法で求めた。
上記断面サンプルを用いて、SEMで10,000倍の画像を5視野において取得し(倍率10,000倍)、前記粒度分布測定の場合と同様に、画像解析ソフト(ImageJ)を用いて、自動二値化処理により粒子を抽出した画像を取得した。なお、解析範囲からはみ出すような粒子については除外した。抽出された粒子について、粒子分離処理(上記画像解析ソフト「ImageJ」の場合は「Watershed処理」)を実施し、各粒子の面積から円相当径を算出し、0.3μm未満の粒子数Naと0.3μm以上の粒子数Nbを測定した。5視野のNa/Nbを測定し、Na/Nbの平均値、標準偏差、変動係数CVを求めた。各視野のNa/Nbを求めて、複数視野のNa/Nbの平均値と標準偏差を求めた。そして粒子比率(Na/Nb)の標準偏差を、粒子比率(Na/Nb)の平均値で除して、粒子比率(Na/Nb)の変動係数CV(Na/Nb)を求めた。その結果を表2に示す。
なお本実施例では、便宜上、得られたアルミナ粉末を少量の樹脂と混合した状態で変動係数CV(Na/Nb)を評価しているが、その評価結果は、上記樹脂が存在しない状態と同様の分散状態を示すと考えられる。つまり、上記測定結果は、アルミナ粉末の分散状態を示しているといえる。
〔10μm以上の粗粒の有無〕
上記断面サンプルにおいて、SEMで1,000倍の画像を5視野において取得し、該画像にて短径が10μm以上の粗粒の有無を確認した。その結果を表2に示す。
なお、断面サンプルのSEM画像の一例として、実施例1の断面サンプルのSEM画像を図5と図6に示す。また、アルミナ原料粒子は実施例1と同じであるが混合方法の異なる比較例1の断面サンプルのSEM画像を、図7と図8に示す。更に、比較例3の断面サンプルのSEM画像を図9に示す。これらの写真において、黒い部分は樹脂を示す。図7と図8の白破線で囲んだ部分は、凝集粒が生じている領域であることを示す。また図9では、アルミナ粉末として、アルミナ原料粒子1のみを使用しており、アルミナ大粒子の隙間が充填されていない。それに対して、本実施形態のアルミナ粉末に該当する実施例1のアルミナ粉末のSEM写真(図5、図6)では、アルミナ原料粒子1由来のアルミナ大粒子の隙間が、アルミナ原料粒子2由来のアルミナ小粒子で充填されている。この様な形態が実現することで、熱伝導パスが増えて熱伝導性が高まり、放熱性に優れたフィラーとして使用することができる。
〔樹脂組成物における粘度の測定〕
(粘度測定用樹脂組成物の作製)
各例のアルミナ粉末と樹脂1(53型エポキシ主剤、株式会社三啓製)を用意した。そして、各例のアルミナ粉末を10gと、樹脂1を2.5gとをそれぞれ計量し、株式会社シンキー製の自転・公転ミキサー(ARV-310)を用いて混合および混錬し、粘度測定用樹脂組成物を作製した。
(粘度測定用樹脂組成物の粘度の測定)
得られた粘度測定用樹脂組成物を用い、動的粘弾性測定装置(ユービーエム社製「Rheosol-G3000」)を使用して、粘度を測定した。直径40mmのパラレルプレートを使用し、ギャップ1mm、せん断速度5s-1、25℃の条件で測定した。
〔樹脂組成物の熱伝導率の測定〕
(熱伝導率測定用樹脂組成物の作製)
各例のアルミナ粉末と、樹脂として、樹脂1(53型エポキシ主剤、株式会社三啓製)と樹脂2(53型エポキシ硬化剤、株式会社三啓製)を用意した。樹脂1と樹脂2を2:1の比率(質量比率)となるように混合し、エポキシ樹脂を得た。各アルミナ粉末9gと、エポキシ樹脂1gとをカップに計量し、株式会社シンキー製の自転・公転ミキサー(ARV-310)を用いて混合および混錬し、熱伝導率測定用樹脂組成物を得た。
(熱伝導率測定用樹脂組成物の熱伝導率の測定)
得られた熱伝導率測定用樹脂組成物を、直径20mmの金型に2g入れ、30MPaの圧力を加えて成型し、室温で24時間置いて樹脂を硬化させた。次いで、硬化した成型体を10mm角×厚さ2mmのサイズに加工し、表面研磨して試験片を得た。この試験片の厚み方向の熱伝導率を、キセノンフラッシュアナライザー(NETZSCH社製、LFA467)を用い、レーザーフラッシュ法で測定した。測定は、大気雰囲気下、25℃の条件下で行った。そして、熱伝導率が2.0以上であるものを高熱伝導性であると評価し、熱伝導率が2.0未満であるものを低熱伝導性であると評価した。その結果を表3に示す。
Figure 2024021860000002
Figure 2024021860000003
Figure 2024021860000004
表1~3の結果から次のことがわかる。実施例1~3は、アルミナ粉末の形状が本実施形態で規定する範囲内にあるため、熱伝導性が高く、かつ10μm以上の粗粒が存在せず、薄膜状の熱伝導性部材を実現できる。それに対して、比較例1は、変動係数CVが高く、10μm以上の粗粒が存在しており、粘度が測定できないほど高く、熱伝導率も低かった。更に10μm以上の粗粒が存在するため、薄膜状の熱伝導性部材を実現できないものとなった。比較例2は、変動係数CVが高く、10μm以上の粗粒が存在しており、薄膜状の熱伝導性部材を実現できないものとなった。比較例3は、D10とスパン値が規定の範囲を外れており、粘度が測定できないほど高く、熱伝導率も低かった。

Claims (6)

  1. 円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子を有するアルミナ粉末であって、
    個数基準の累積粒度分布の微粒側から累積10%の粒径D10が0.15μm未満であり、
    前記D10と、個数基準の累積粒度分布の微粒側から累積100%の粒径D100と、個数基準の累積粒度分布の微粒側から累積50%の粒径D50とが、下記式(1)を満たし、
    倍率10,000倍で少なくとも5視野観察したときに、円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子数Naと円相当径が0.3μm以上のアルミナ粒子数Nbの粒子比率(Na/Nb)の変動係数であるCV(Na/Nb)が0.3以下である、アルミナ粉末。
    4.0≦(D100-D10)/D50≦20 ・・・(1)
  2. 前記円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子は、平均円形度が0.82以上である、請求項1に記載のアルミナ粉末。
  3. 前記円相当径が0.3μm未満のアルミナ粒子は、αアルミナ粒子である、請求項2に記載のアルミナ粉末。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載のアルミナ粉末と樹脂を含む、樹脂組成物。
  5. 前記アルミナ粉末と樹脂の質量割合が85:15~95:5の範囲である請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 円相当径が0.3μm未満のアルミナ原料粒子と、円相当径が0.3μm以上のアルミナ原料粒子を含む配合原料を準備する原料準備工程と、
    前記配合原料を、回転速度が10000rpm以上である高速ミキサーを用いて混合する混合工程とを有する、アルミナ粉末の製造方法。
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