JP7438443B1 - 窒化ホウ素凝集粒子、シート部材および窒化ホウ素凝集粒子の製造方法 - Google Patents

窒化ホウ素凝集粒子、シート部材および窒化ホウ素凝集粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】強度に優れ、シート部材にフィラーとして高充填可能な窒化ホウ素凝集粒子を提供する。【解決手段】本発明の窒化ホウ素凝集粒子は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が凝集した窒化ホウ素凝集粒子であって、前記一次粒子の002面の結晶子径が200Å以上300Å以下であり、万能試験機を使用し、10000Nまでの荷重を加える荷重変位測定において、鱗片状の非凝集窒化ホウ素粒子の荷重変異測定の結果で位置補正することにより得られた凝集破壊の荷重値が標準サンプルの同試験での荷重値に対し2倍以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、窒化ホウ素凝集粒子、シート部材および窒化ホウ素凝集粒子の製造方法に関する。
近年、半導体デバイス等における通信の高周波化に伴い、絶縁部材への低誘電特性のニーズが高まっている。六方晶窒化ホウ素(以下、h-BNともいう)は、熱伝導性、電気特性、化学的安定性等に優れるため、放熱部材のフィラーとしての使用が検討されている。しかしながら、h-BNの結晶構造は、層状六方晶構造であり面内の熱伝導率は高いが、層間の熱伝導率は低い。一般的なh-BN粒子はこの結晶構造に起因する鱗片状の粒子形状であるため面内方向の熱伝導率は高いものの、厚み方向の熱伝導率が極端に低く、鱗片状のh-BN粒子をフィラーとして使用すると、放熱部材であるシート部材の樹脂成形工程で配向が発生し、厚み方向の熱伝導率が低下するという問題を有していた。
上記問題を解決するものとして、鱗片状のh-BN粒子を球状に凝集させた窒化ホウ素凝集粒子として、結晶子径(002面)が450Å以上、体積基準の平均粒子径が2~20μm、比表面積が10m/g以上のものが提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
また、結晶子径(002面)が320Å以上、体積基準の平均粒子径が25μm以上、比表面積が8m/g以下のものも提案されている(例えば、特許文献3~7参照)。
さらに、鱗片状のh-BN粒子の非球状凝集体を含む窒化ホウ素粉末として、結晶子径が300Å以上500Å以下、50%体積累積粒径が20μm以上50μm以下、比表面積が10m/g未満(例えば、特許文献7参照)、結晶子径が260Å以上1000Å以下、比表面積が5m/g未満(例えば、特許文献8参照)、結晶子径が250Å以上375Å以下、50%体積累積粒径が30μm以上200μm以下、比表面積が0.1m/g以上5m/g未満(例えば、特許文献7参照)のものが提案されている。
特許第5679083号公報 特許第5915509号公報 特許第6447202号公報 特許第6493226号公報 特許第6773153号公報 特許第6794613号公報 特許第7207384号公報 特許第6678999号公報 特許第6822836号公報 特許第7096921号公報
特許文献1~7では、結晶子径が320Å以上の窒化ホウ素凝集粒子が熱伝導性の観点から好ましいとされているが、結晶子径が大きくなると一次粒子径も大きくなり、シート部材として使用する樹脂との混練性が悪くなる。また、一次粒子の接点も少なくなるため、強度が低下し、シート部材を調製する際の樹脂組成物の流動性が低下したり、フィラーの高充填が困難となる。
また、特許文献8~10の窒化ホウ素凝集粒子は、非球状であるため、シート部材を調製する際の樹脂組成物の流動性が低下するおそれがある。
本発明は、強度に優れ、シート部材にフィラーとして高充填可能な窒化ホウ素凝集粒子を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が凝集した窒化ホウ素凝集粒子であって、前記一次粒子の002面の結晶子径が200Å以上300Å以下であり万能試験機を使用し、10000Nまでの荷重を加える荷重変位測定において、鱗片状の非凝集窒化ホウ素粒子の荷重変異測定の結果で位置補正することにより得られた凝集破壊の荷重値が標準サンプルの同試験での荷重値に対し2倍以上である。
また、本発明に係るシート部材は、上記の窒化ホウ素凝集粒子と、樹脂と、を含む。
また、本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子の製造方法は、上記の窒化ホウ素凝集粒子の製造方法であって、窒化ホウ素粒子と、水と、分散剤と、有機バインダーとを混合し、スラリーを調製するスラリー調製工程と、調整したスラリーを用いて造粒する造粒工程と、造粒した粒子を脱脂する脱脂工程と、脱脂した造粒粒子を非酸化性ガス雰囲気下で焼成する焼成工程と、焼成した粒子を解砕し、分級する分級工程と、を含み、スラリー中の分散剤と有機バインダーに由来する炭素含有物質の割合が、5質量%以上10質量%以下であり、前記焼成工程は、1600℃~1660℃の温度まで300℃/時~600℃/時で昇温して5分~20分焼成する第1焼成工程と、第1焼成温度から1800℃~2200℃の温度まで70℃/時~120℃/時で昇温して3時間~6時間焼成する第2焼成工程とを含む。
本発明によれば、強度に優れ、シート部材にフィラーとして高充填可能な窒化ホウ素凝集粒子を提供することができる。
図1は、本実施の形態にかかる窒化ホウ素凝集粒子の002面の結晶子径と強度の関係を示す図である。 図2は、本実施の形態にかかる窒化ホウ素凝集粒子(実施例1)の電子顕微鏡写真((A)500倍、(B)1000倍、(C)2000倍、(D)5000倍)である。
以下、本実施の形態にかかる窒化ホウ素凝集粒子、シート部材および窒化ホウ素凝集粒子の製造方法について説明する。
<窒化ホウ素凝集粒子>
本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が凝集した窒化ホウ素凝集粒子であって、一次粒子の002面の結晶子径が200Å以上300Å以下であり、万能試験機を使用し、10000Nまでの荷重を加える荷重変位測定において、鱗片状の非凝集窒化ホウ素粒子の荷重変異測定の結果で位置補正することにより得られた凝集破壊の荷重値が標準サンプルの同試験での荷重値に対し2倍以上の窒化ホウ素凝集粒子である。以下、本発明の窒化ホウ素凝集粒子について説明する。
本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が球状に凝集した窒化ホウ素凝集粒子であって、前記一次粒子の002面の結晶子径が200Å以上300Å以下である。図1は、本実施の形態にかかる窒化ホウ素凝集粒子の002面の結晶子径と強度の関係を示す図である。窒化ホウ素凝集粒子は、焼結温度、保持時間等の製造条件を変えて得たものであり、窒化ホウ素凝集粒子の強度は、002面の結晶子径が200Å近辺で最も高くなることが確認された。本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子は、002面の結晶子径が200Å以上300Å以下であるため、強度が高く、熱伝導性にも優れる。なお、窒化ホウ素凝集粒子の結晶子径は窒化ホウ素凝集粒子の粉末のXRD回折により下記の方法で測定したものである。
結晶子径は、リガク(株)「Ultima IV」を用いて、回折線を測定し、2θ=26.6°のピーク(002面)の半値幅から以下のScherrerの式を用いて求めた。
D = Kλ/βcosθ
D:結晶子径(Å)
K:Scherrer定数(0.9とした)
λ:X線の波長(Å)
β:回折線の半値幅(rad)
θ:ブラッグ角(rad)
なお、βの値として下記式にて補正されたものを用いた。
β=(β -βi0.5
β:窒化ホウ素凝集粒子の測定ピークから得られた半値幅(実測値)
βi:標準試料Siの測定から得た装置由来の半値幅
本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子は、万能試験機を使用した10000Nまでの荷重を加える荷重変位測定において、鱗片状の非凝集窒化ホウ素粒子の荷重変異測定の結果で位置補正することにより得られた凝集破壊の荷重値が標準サンプルの同試験での荷重値に対し2倍以上の窒化ホウ素凝集粒子である。本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子は、上記の方法による破壊強度が2倍以上であるため、シート部材にフィラーとして高充填された場合でも、破壊されることなく、高い熱伝導率を保持することができる。
窒化ホウ素凝集粒子の破壊強度は、以下のようにして測定した。窒化ホウ素凝集粒子100mgを内径7.2mmの金型に投入し、良く均したのち、径7.2mmの金属の押し棒で粉末を圧縮する。粉末の圧縮には東洋精機(株)の万能試験機「VE20D」を用い、10000Nまでの荷重変位測定を実施する。先に鱗片状窒化ホウ素であるSP-2(デンカ(株)製、BN含有量97%、D50:4μm、比表面積:34m/g)を測定しておき、調製した窒化ホウ素粒子の測定データとSP-2の測定データを10000Nの荷重の点で重ね合わせる(窒化ホウ素凝集粒子のデータの変位をオフセットする)。変位0の点では鱗片状で非凝集粒子のSP-2の荷重は0Nになるが(変位0の時点で凝集が破壊されているとみなせる)、窒化ホウ素凝集粒子では凝集の破壊によって、一定の荷重が生じる。調製した各窒化ホウ素凝集粒子の荷重をモメンティブ社の窒化ホウ素凝集粒子であるPTX60の荷重で除した(PTX60を標準サンプルとし、PTX60の粒子強度の数値を1とした)数値を粒子の破壊強度とした。
本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子は、メジアン径が50μm以上100μm以下のものが好ましい。メジアン径を50μm以上とすることによりシート部材に配合した際の熱伝導率を向上することができる。また、100μm以下とすることで、厚さが薄いシート部材にフィラーとして配合した際に、フィラーの浮き出しを防止することができる。また、窒化ホウ素凝集粒子の最大粒子径は、150μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。
本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子は、BET比表面積が、9m/g以上30m/g以下のものが好ましい。一般に窒化ホウ素をフィラーとして使用する場合、比表面積が小さいほうが樹脂との混練性が良くなり、充填率を向上することができるが、本発明の窒化ホウ素凝集粒子は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が凝集、すなわち鱗片状の六方晶窒化ホウ素の層面(平面)と他の鱗片状の六方晶窒化ホウ素の端面とが結合した立体的な会合構造により球状に凝集した構造を有するため、BET比表面積を9m/g以上とすることにより一次粒子同士の接点が増加し、凝集粒子の強度を向上することができる。また、シート部材に配合した際、窒化ホウ素凝集粒子と樹脂との接触面積も増加し、フィラーと樹脂の脱離を抑制することができる。またBET比表面積を30m/g以下とすることにより、樹脂への混練が容易となる。
<窒化ホウ素凝集粒子の製造方法
本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子の製造方法は、窒化ホウ素粒子と、水と、分散剤と、有機バインダーとを混合し、スラリーを調製するスラリー調製工程と、調整したスラリーを用いて造粒する造粒工程と、造粒した粒子を脱脂する脱脂工程と、脱脂した造粒粒子を非酸化性ガス雰囲気下で焼成する焼成工程と、焼成した粒子を解砕し、分級する分級工程と、を含む。まず、窒化ホウ素凝集粒子の製造方法に使用する材料について説明する。
本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子の製造方法において使用する窒化ホウ素粒子は、特に限定されるものではないが、強度に優れる窒化ホウ素凝集粒子を得る観点から、酸素含有量が10質量%以下のものを工程に使用することができる。窒化ホウ素凝集粒子の酸素含有量は、5質量%以下がさらに好ましい。
本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子の製造方法において使用する水は、純水が好ましい。水は、窒化ホウ素凝集粒子の製造に影響を与えない範囲で、有機溶媒を含んだものであってもよい。窒化ホウ素凝集粒子の結晶成長抑制の観点では、有機溶媒を含んだものであることが好ましい。
本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子の製造方法において使用する分散剤は、スラリー中での窒化ホウ素粒子の分散性を高め、窒化ホウ素粒子を均一に分散させるものであればよい。使用できる分散剤としては、ポリカルボン酸系分散剤、アクリル系分散剤、ウレタン系分散剤等を例示することができる。ポリカルボン酸系分散剤、例えば、カルボン酸ポリマーのアルキロールアミン塩、ポリカルボン酸系共重合体が好ましい。カルボン酸ポリマーのアルキロールアミン塩としては、例えば、BYK-Chemie社のDISPERBYK-2010等を使用することができる。ポリカルボン酸系共重合体としては、例えば、ハイケム社のセランダー分散剤S等を使用することができる。
本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子の製造方法において使用する有機バインダーは、窒化ホウ素粒子を強固に結びつけ、造粒粒子の形状を安定化するものであればよい。有機バインダーとしては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリフッ化ビニリデン、ボリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、グリセロール等を使用することができる。ポリビニルアルコールを好適に使用可能であり、例えば、(株)中京油脂のセルナWF-804等を使用することができる。
本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子の製造方法において、スラリー中の炭素含有物質、すなわち分散剤と有機バインダーの合計割合が、5質量%以上10質量%以下である。窒化ホウ素は、スラリー中の酸化ホウ素などの酸化物の存在により結晶成長が促進されるが、スラリー中の分散剤と有機バインダーに含まれる炭素により酸化物を減少し、結晶成長を抑制することができる。スラリー中の分散剤と有機バインダーの合計割合を5質量%以上10質量%以下とすることにより、窒化ホウ素凝集粒子の結晶子径を200Å以上300Å以下に制御することが容易となる。
本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子の製造方法において、スラリーは、窒化ホウ素粒子と、水と、分散剤と、有機バインダーとを、それぞれ、窒化ホウ素粒子を30質量%以上60質量%以下、水を30質量%以上60質量%以下、分散剤を5質量%以上10質量%以下、有機バインダーを1質量%以上4質量%以下の割合で含むことが好ましい。スラリー中の各成分の割合を上記範囲とすることで、強度に優れる窒化ホウ素凝集粒子を製造することができる。また、スラリー中の固形分濃度は、35質量%以上50質量%以下であることが好ましく、全固形分に対する分散剤と有機バインダーに由来する炭素含有物質の割合は、10質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
続いて、窒化ホウ素凝集粒子の製造方法の各工程について説明する。
スラリー調製工程は、材料である窒化ホウ素粒子と、水と、分散剤と、有機バインダーとを計量し、混合する。混合は、ボールミル、ビーズミル、プラネタリーミキサー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等の一般的な混合機を用いて行うことができるが、ボールミルを使用することが好ましい。窒化ホウ素粒子を均一に分散させる観点から、液体の材料を混合した後、固体状の材料を数回に分けて添加、撹拌を繰り返すことが好ましい。
造粒工程は、スプレードライ法、転動法、流動層法、撹拌法などの造粒方法により行うことができる。スプレードライ法により造粒を行うことが好ましい。大きな窒化ホウ素凝集粒子を得るためには、回転式ディスクを備えたものが好ましい。スプレードライ装置等により液滴とされたスラリー粒子は、150℃~200℃で乾燥される。
脱脂工程は、造粒した粒子から分散剤および有機バインダー成分等の有機成分を除去する。脱脂工程は、窒素ガス雰囲気下、または大気フローで行うことができる。窒素ガス雰囲気下で脱脂工程を行うことにより、造粒粒子からの炭素の脱離を低減させることができ、残留する炭素により窒化ホウ素凝集粒子の結晶成長を抑制することができる。脱脂処理は、400℃~600℃まで10℃/時間~40℃/時間で昇温したのち、3時間~6時間加熱すればよいが、温度を変えて2段階で脱脂処理を行うことが好ましい。2段階で脱脂処理を行う場合、第1脱脂工程は、400℃まで8℃/時間~15℃/時間で昇温し、1.5時間~2.5時間加熱し、第2脱脂工程は、600℃まで20℃/時間~40℃/時間で昇温し、2.5時間~3.5時間加熱すればよい。加熱処理後、室温まで冷却する。冷却は自然冷却が好ましい。
焼成工程は、脱脂した造粒粒子を非酸化性ガス雰囲気下で1800℃以上2200℃以下の温度で3時間~7時間程度加熱する。非酸化性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等が例示される。焼成工程は、温度を変えて2段階で行うことが好ましい。2段階で焼成処理を行う場合、第1焼成工程は、1600℃~1660℃まで300℃/時間~600℃/時間で昇温し、5分~20分加熱し、第2焼成工程は、1800℃~2200℃まで70℃/時間~120℃/時間で昇温し、3時間~6時間加熱すればよい。昇温速度を大きくし焼成工程を短くすることで結晶子成長を抑制することができる。
焼成工程は、容器内に脱脂した造粒粒子を入れて行うこともできる。容器内に造粒粒子を入れて焼成する場合、容器の容量に対する造粒粒子の量が小さいほど結晶成長を抑制することができる。容器内部の高さに対する容器内部に投入した造粒粒子の高さは、5%以上40%以下とすることが好ましい。造粒粒子の投入量を容器高さの40%以下とすることで、窒化ホウ素粒子の結晶子成長を抑制することができる。また、結晶子成長の観点からは下限は限定されるものではないが、生産性の観点から5%以上とすることが好ましい。容器内部の高さに対する容器内部に投入した造粒粒子の高さは、10%以上35%以下がさらに好ましい。容器材質はカーボン、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化ホウ素などを適宜用いることができる。
加熱処理後、室温まで冷却する。冷却は、2段階で冷却することが好ましい。2段階で冷却する場合、第1冷却工程は、1200℃~1400℃まで250℃/時間~350℃/時間で降温し、第2冷却工程は、室温まで自然冷却すればよい。
分級工程は、焼成した窒化ホウ素凝集粒子を解砕し、分級する。解砕は、乳鉢等を使用して行うほか、ジョークラッシャーやロールクラッシャー等を使用して行うことができる。解砕後、振動篩等によって窒化ホウ素凝集粒子を分級する。あるいは、マスコロイダーによって解砕、分級をおこなってもよい。好ましくは、ジョークラッシャーにより解砕後、マスコロイダーで窒化ホウ素凝集粒子の粒径分布を調整し、振動篩によって分級する。
<シート部材>
本発明に係るシート部材は、上記した窒化ホウ素凝集粒子と樹脂を含む。シート部材に用いる樹脂としては、特に制限はなく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂に加え、各種ゴム、熱可塑性エラストマー等を含むものであってもよい。樹脂としては、耐熱性、寸法安定性等の観点から、熱硬化性樹脂が好適に使用できる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等を例示することができる。
一般に、窒化ホウ素の表面には水酸基が共有結合しているため、エポキシ樹脂のような極性樹脂への練りこみは良好であるが、極性の低いシリコーン樹脂等には練りこみにくい。シリコーン樹脂等の低極性または無極性樹脂に窒化ホウ素凝集粒子を高濃度で配合する場合、樹脂組成物の粘度が高くなり、混練の際、強度が低い窒化ホウ素凝集粒子は破壊され、熱伝導率が低くなるという問題を有していた。本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子は強度に優れるため、シリコーン樹脂などの低極性樹脂を使用したシート部材作製時の高負荷な練り込みにおいても、破壊されることなく熱伝導性を保持でき、好適に使用することができる。
シリコーン樹脂としては、官能基としてアルケニル基を有し、架橋剤により架橋された付加反応型シリコーン樹脂を好適に使用することができる。シリコーン樹脂は、取り扱い性等を考慮して、2種以上を混合して使用してもよい。例えば、硬化後ゲル状をなすシリコーン樹脂と、硬化後ゴム状をなすシリコーン樹脂とを併用することができる。硬化後ゲル状となすシリコーン樹脂としては、例えば、モメンティブ社「TSE3062」が例示され、硬化後ゴム状となるシリコーン樹脂としては、例えば、モメンティブ社製「TSE3033」を例示することができる。
本発明に係るシート部材は、窒化ホウ素凝集粒子と樹脂に加え、メジアン径が、窒化ホウ素凝集粒子の1/200~1/2である無機フィラーを含むものであってもよい。無機フィラーとしては、窒化ホウ素、アルミナ、シリカ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素および酸化マグネシウムなどが例示され、無機フィラーは2種以上、またはメジアン径の異なる同種を複数併用してもよい。本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子とメジアン径の異なる無機フィラーを併用することにより、フィラーの高充填が可能となり、高い熱伝導性を得ることができる。
本発明に係るシート部材は、窒化ホウ素凝集粒子を20質量%以上60質量%以下、樹脂を20質量%以上60質量%以下、無機フィラーを20質量%以上60質量%以下の割合で含む物が好ましい。上記の含有割合とすることにより、熱伝導性および成形性に優れるシート部材を得ることができる。
シート部材の調製は、従来既知の方法を用いることができる。シート部材は、まず、材料を混合して樹脂組成物とし、その後樹脂組成物をシート等の形状に成形する。樹脂として熱硬化性樹脂を使用する場合は、成形後加熱して硬化すればよい。樹脂組成物は、液状の樹脂材料または加熱により溶融した樹脂材料に窒化ホウ素凝集粒子等のフィラーを加えて、自公転式撹拌機、プラネタリーミキサー、ニーダー、単軸または二軸混練機等の混練装置を用いて調整することができる。窒化ホウ素凝集粒子を均一に分散させる観点から、液状の樹脂にフィラーを数回に分けて添加、撹拌を繰り返すことが好ましい。樹脂組成物調製後、
射出成形、押出成形、射出圧縮成形、圧縮成形法等により、シート部材に成形することができる。
シート部材の厚みは、50μm以上10mm以下、より好ましくは100μm以上2mm以下、さらに好ましくは100μm以上1mm以下、特に好ましくは100μm以上500μm以下である。シート部材を使用する電子部品等の軽薄化および熱伝導性の観点から、シート部材の厚さは、100μm以上200μm以下であることが好ましい。
本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子は、マイクロプロセッサやパワートランジスタ等の発熱部材からの放熱を目的とするシート部材のフィラーとして好適に使用することができる。本発明に係る窒化ホウ素凝集粒子は強度に優れるため、シリコーン樹脂等の窒化ホウ素と馴染みにくい低極性樹脂に対しても高充填可能であり、高い伝熱効果を奏する。
以下に本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<評価方法>
・メジアン径
Malvern Panalytical社製「MASTERSIZER 3000」を用い、調製した窒化ホウ素凝集粒子の乾式粒度分布測定を実施し、メジアン径を算出した。
・BET比表面積
Micrometrics社製「TriStar II 3020」を用い、窒素ガス吸着によって測定を実施した。
・SEM観察
日本電子(株)の卓上電子顕微鏡「JCM-6000」を用いた。
・結晶子径評価(粉末XRD回折)
リガク(株)「Ultima IV」を用いて、回折線を測定し、2θ=26.6°のピーク(002面)の半値幅から以下のScherrerの式を用いて求めた。
D = Kλ/βcosθ
D:結晶子径(Å)
K:Scherrer定数(0.9とした)
λ:X線の波長(Å)
β:回折線の半値幅(rad)
θ:ブラッグ角(rad)
なお、βの値として下記式にて補正されたものを用いた。
β=(β -βi0.5
β:窒化ホウ素凝集粒子の測定ピークから得られた半値幅(実測値)
βi:標準試料Siの測定から得た装置由来の半値幅
・粒子強度評価
窒化ホウ素凝集粒子100mgを内径7.2mmの金型に投入し、良く均したのち、径7.2mmの金属の押し棒で粉末を圧縮する。粉末の圧縮には東洋精機(株)の万能試験機「VE20D」を用い、10000Nまでの荷重変位測定を実施する。先に鱗片状窒化ホウ素であるSP-2(デンカ(株)製、BN含有量97%、D50:4μm、比表面積:34m/g)を測定しておき、調製した窒化ホウ素粒子の測定データとSP-2の測定データを10000Nの荷重の点で重ね合わせる(窒化ホウ素凝集粒子のデータの変位をオフセットする)。変位0の点ではSP-2の荷重は0Nになるが、窒化ホウ素凝集粒子では凝集の破壊によって、一定の荷重が生じる。調製した各窒化ホウ素凝集粒子の荷重を市販の窒化ホウ素凝集粒子であるPTX60の荷重で除した(PTX60の数値を1とした)数値を粒子強度とした。
・シートの熱伝導率
シートの測定サンプルの上下面に同じ面積かつ熱電対を差し込む穴が開いているアルミニウム製のブロックを貼りつけ、ブロックで挟まれたサンプルの下面に空冷式のヒートシンクを配し、上面に同じ面積の抵抗加熱式ヒーターを配する。抵抗加熱式ヒーターの上から一定荷重をかけ、ヒーターから一定熱量Qを発生させる。一定時間が経過すると上下熱電対の温度差が一定値△Tになり、熱量Qとサンプルの面積Sからアルミブロックと界面の熱抵抗(Rc)、サンプルの熱抵抗(Rs)を合わせたものRt(Rc+Rs)を算出する。サンプルの厚みを変えて測定を行うことで厚みによって増加する熱抵抗を測定することができ、これは材料の熱伝導率に依存するため、ここからシートの熱伝導率λを得ることができる。本実施例では厚み0.6、0.8、1.0、1.2、1.4mのシートを作製し、熱伝導率を測定した。
Rt=△T・S/Q
λ=d/Rs=d/(Rt-Rc)
Rt:全体の熱抵抗(K・m/W)
△T:温度差(K)
Q:熱量(W)
S:面積(m
λ:熱伝導率(W/m・K)
d:サンプル厚み(m)
Rs:サンプルの熱抵抗(K・m/W)
Rc:アルミブロックとサンプル界面の熱抵抗(K・m/W)
<使用した材料>
窒化ホウ素粉末・・・・日新リフラテック(株)「ABN」
分散剤・・・・・・・・BYK-Chemie社「DISPERBYK-2010」
またはハイケム社「セランダー分散剤S」
バインダー・・・・・・中京油脂(株)「セルナWF-804」
アルミナフィラー・・・日鉄ケミカル&マテリアル(株)「AX3-15」(メジアン径:4.5±0.6μm)
カーボン・・・・・・・三菱ケミカル(株)「三菱カーボンブラック#30」
マトリクス樹脂・・・・モメンティブ社シリコーン樹脂「TSE3033」
モメンティブ社シリコーン樹脂「TSE3062」
(実施例1)
原料となる窒化ホウ素粉末600g、イオン交換水900g、分散剤のDISPERBYK-2010を90gおよびバインダー30gを混合し、さらにボールミルを使用してスラリーを調製した。ボールミルはポットがナイロンからなり、内径250mm、ポットの容積が17L、ボールとして、Φ25(1.5kg)とΦ12(1kg)の鉄心入りナイロンボールを使用し、回転数50rpmで2時間混合した。
調整したスラリーを(株)プリスの「TR160 ターニング式スプレードライヤー」を使用して窒化ホウ素を造粒した。スプレードライヤーのアトマイザーディスクの回転数を18,000rpm、スラリーの送液量を3kg/時間、乾燥時間を180℃で造粒を行った。
造粒した窒化ホウ素粒子について、3段階で脱脂を行った。まず、室温から400℃まで、11.2℃/時間で昇温し、400℃で2時間保持後、400℃から600℃まで31.1℃/時間で昇温し、600℃で3時間保持した後、室温まで自然冷却した。脱脂工程の雰囲気は窒素ガス下で行った。
脱脂工程後、4段階で窒化ホウ素粒子の焼成を窒素ガス雰囲気下で行った。まず、室温から1650℃まで、511.6℃/時間で昇温し、1650℃で10分保持後、1650℃から1910℃まで90.2℃/時間で昇温し、1910℃で5時間保持した後、1910℃から1300℃まで310.2℃/時間で降温した後、室温まで自然冷却した。なお、焼成は、窒化ホウ素器内にサンプルの高さが容器高さの30%となる状態で行った。
加熱処理後の窒化ホウ素粒子をメノウ乳鉢で解砕し、目開き500μmで篩分けをおこなった。篩上の窒化ホウ素粒子は、全量が篩を通るまで解砕、分級を繰り返した。得られた窒化ホウ素凝集粒子について、上記した方法により、メジアン径、BET比表面積、結晶子径および粒子強度を測定し、SEM観察を行った。
また得られた窒化ホウ素凝集粒子と、アルミナフィラー、およびシリコーン樹脂により、シート部材を成形した。
まず、シリコーン樹脂TSE3033(A)1g、TSE3033(B)1g、TSE3062(A)3g、TSE3062(B)3gを、自公転式撹拌機((株)写真化学、SK-300TVS)により、真空下で60秒、550rpmで公転させながら、182rpmで自転させて撹拌した。
その後、シリコーン樹脂に窒化ホウ素凝集粒子、アルミナフィラーを加えて、大気圧下で60秒、1420rpmで公転させながら、781rpmで自転させて撹拌して樹脂組成物を調製した。窒化ホウ素凝集粒子、アルミナフィラーの添加は組成物の状態を確認しながら複数回に分けて行い、合計の添加量が窒化ホウ素凝集粒子7.19g、アルミナフィラー7.83gとなるようにし、添加する度、上記の条件で撹拌を行った。
金属製の可動ステージと金属製の回転ロールを任意のギャップに配置することのできる延伸機に、調製した樹脂組成物を離型フィルムに挟み、ギャップを2.5mmとし、ステージとロールの間を通した後、樹脂組成物の片面の離型フィルムを剥がし、当該面を上にした状態で真空デシケータに静置し、ロータリーポンプで真空引きを行って脱泡した(大気圧を基準とした相対圧力-0.1Pa以下で30分以上保持)。
延伸機のギャップを目的のシート厚み(厚み:0.6、0.8、1.0、1.2、1.4mm)に設定し、真空引き後、再度離型フィルムを貼付した樹脂組成物をステージに静置し、ロールとステージの間を通して、目的の厚さのシート部材を成形した。
成形したシート部材は、強制対流型乾燥機により135℃、24時間加熱し、硬化させた。
得られたシート部材について上記の方法により熱伝導率を算出した。
(実施例2)
分散剤をセランダー分散剤Sとし、脱脂工程を大気フロー下で行うとともに、窒化ホウ素器内にサンプルを容器高さの23.2%の高さまで投入した状態で、焼成を行った以外は、実施例1と同様にして窒化ホウ素凝集粒子を調製し、得られた窒化ホウ素凝集粒子を使用してシート部材を成形した。
(実施例3)
分散剤の分量を72gとし、脱脂工程を大気フロー下で行うとともに、窒化ホウ素器内にサンプルを容器高さの15.1%の高さまで投入した状態で、焼成を行った以外は、実施例1と同様にして窒化ホウ素凝集粒子を調製し、得られた窒化ホウ素凝集粒子を使用してシート部材を成形した。
(実施例4)
バインダーを使用せず、脱脂工程を大気フロー下で行うとともに、窒化ホウ素器内にサンプルを容器高さの7.5%の高さまで投入した状態で、焼成を行った以外は、実施例1と同様にして窒化ホウ素凝集粒子を調製し、得られた窒化ホウ素凝集粒子を使用してシート部材を成形した。
(比較例1)
モメンティブ社製PTX60を使用して、実施例1と同様にしてシート部材を成形した。
(比較例2)
分散剤の使用量を72g、バインダーの使用量を18gとし、脱脂工程を大気フロー下で行うとともに、窒化ホウ素器内にサンプルを容器高さの70.0%の高さまで投入した状態で、16時間焼成を行った以外は、実施例1と同様にして窒化ホウ素凝集粒子を調製し、得られた窒化ホウ素凝集粒子を使用してシート部材を成形した。
(比較例3)
バインダーの使用量を18gとし、窒化ホウ素器内にサンプルを容器高さの18.0%の高さまで投入した状態で、1855℃(昇温速度、降温速度は実施例1と同様)で8時間焼成を行った以外は、実施例1と同様にして窒化ホウ素凝集粒子を調製し、得られた窒化ホウ素凝集粒子を使用してシート部材を成形した。
(比較例4)
分散剤の使用量を72gとし、窒化ホウ素器内にサンプルを容器高さの14.0%の高さまで投入した状態で、16時間焼成を行った以外は、実施例1と同様にして窒化ホウ素凝集粒子を調製し、得られた窒化ホウ素凝集粒子を使用してシート部材を成形した。
(比較例5)
分散剤の使用量を72gとし、スラリーにカーボンを1.8g加えるとともに窒化ホウ素器内にサンプルを容器高さの14.0%の高さまで投入した状態で、16時間焼成を行った以外は、実施例1と同様にして窒化ホウ素凝集粒子を調製し、得られた窒化ホウ素凝集粒子を使用してシート部材を成形した。
Figure 0007438443000001
表1に示すように、結晶子径が200Å以上300Å以下の実施例1~4の窒化ホウ素凝集粒子は、破壊強度、熱伝導率が高いことが確認された。

Claims (13)

  1. 六方晶窒化ホウ素の一次粒子が凝集した窒化ホウ素凝集粒子であって、
    前記一次粒子の002面の結晶子径が200Å以上300Å以下であり、
    万能試験機を使用し、10000Nまでの荷重を加える荷重変位測定において、鱗片状の非凝集窒化ホウ素粒子の荷重変異測定の結果で位置補正することにより得られた凝集破壊の荷重値が標準サンプルの同試験での荷重値に対し2倍以上である、窒化ホウ素凝集粒子。
  2. メジアン径が50μm以上100μm以下であり、
    BET比表面積が、9m/g以上30m/g以下である請求項1に記載の窒化ホウ素凝集粒子。
  3. 請求項1または2に記載の窒化ホウ素凝集粒子と、樹脂と、を含むシート部材。
  4. メジアン径が、窒化ホウ素凝集粒子の1/50~1/5である無機フィラーを含む請求項3に記載のシート部材。
  5. 窒化ホウ素凝集粒子と、樹脂と、無機フィラーを、窒化ホウ素凝集粒子を20質量%以上60質量%以下、樹脂を20質量%以上60質量%以下、無機フィラーを20質量%以上60質量%以下の割合で含む請求項4に記載のシート部材。
  6. 無機フィラーは、窒化ホウ素、アルミナ、シリカ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素および酸化マグネシウムから選択される請求項4に記載のシート部材。
  7. 樹脂は、熱硬化性樹脂である請求項3に記載のシート部材。
  8. 樹脂は、シリコーン樹脂である請求項7に記載のシート部材。
  9. 請求項1または2に記載の窒化ホウ素凝集粒子の製造方法であって、
    窒化ホウ素粒子と、水と、分散剤と、有機バインダーとを混合し、スラリーを調製するスラリー調製工程と、
    調整したスラリーを用いて造粒する造粒工程と、
    造粒した粒子を脱脂する脱脂工程と、
    脱脂した造粒粒子を非酸化性ガス雰囲気下で焼成する焼成工程と、
    焼成した粒子を解砕し、分級する分級工程と、を含み、
    スラリー中の分散剤と有機バインダーに由来する炭素含有物質の割合が、5質量%以上10質量%以下であり、
    前記焼成工程は、
    1600℃~1660℃の温度まで300℃/時~600℃/時で昇温して5分~20分焼成する第1焼成工程と、
    第1焼成温度から1800℃~2200℃の温度まで70℃/時~120℃/時で昇温して3時間~6時間焼成する第2焼成工程と、を含む窒化ホウ素凝集粒子の製造方法。
  10. 前記スラリー調製工程で使用する窒化ホウ素粒子の酸素含有量が10質量%以下である、請求項9に記載の窒化ホウ素凝集粒子の製造方法。
  11. 前記脱脂工程は、窒素ガス雰囲気下でおこなう請求項9に記載の窒化ホウ素凝集粒子の製造方法。
  12. 前記脱脂工程は、容器内に造粒した粒子を容器高さの5%以上40%以下の高さまで投入した状態で行う請求項9に記載の窒化ホウ素凝集粒子の製造方法。
  13. スラリー中の固形分濃度は、35質量%以上50質量%以下であり、全固形分に対する分散剤と有機バインダーに由来する炭素含有物質の割合は、10質量%以上20質量%以下である請求項9に記載の窒化ホウ素凝集粒子の製造方法。
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