JP2024002776A - シート、プリント基板用基材及びシートの製造方法 - Google Patents

シート、プリント基板用基材及びシートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱的安定性(低熱膨張性)に優れ、且つ伸び特性に優れたシートを提供する。
【解決手段】
下記成分(A)~(B)を含むシートであって、前記シートの破断伸び率が150%超である、シート。
(A)フッ素樹脂
(B)前記シートの所定厚さに対して、20%以下の平均粒子径を有する充填材
【選択図】図4

Description

本発明は、シート、プリント基板用基材及びシートの製造方法に関する。
フッ素樹脂は優れた耐熱性、電気絶縁性、非粘着性、耐候性を備えた合成樹脂であり、シート状に成形してフッ素樹脂シートとしたものが、化学材料、電気電子部品、半導体、自動車等の産業分野において広く利用されている。
これらの使用用途との関係で、フッ素樹脂シートの電気的特性、熱的特性等の各種特性は十分でないことがあるため、これらの特性の改善を目的として、フッ素樹脂と充填剤とを混合して用いることが行われている(特許文献1~4)。
フッ素樹脂等の合成樹脂の応用例として、例えば非粘着性で離型性に優れる特性を生かした、離型シートとしての利用が知られているが、一般に汎用されているフッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと称する))は、熱膨張率が比較的大きいため、離型シートとして用いると熱的安定性に劣り、加熱時等において離型対象物との寸法差が生じる等の問題が生じることがある。このため、PTFE等のフッ素樹脂製シートの熱膨張を抑制することを目的として、シートに充填材(フィラー)を配合することが行われている。例えば特許文献2には、PTFE樹脂とセラミック粉とを所定の方法で混合したPTFE組成物を用いることで、成形後に得られるシートの熱膨張係数が低減することが示されている。
一方、フッ素樹脂に充填材を配合したフッ素樹脂シートでは、該シートの膜厚が小さいと貫通孔(ピンホール)が生じ易く、シートとしての伸び特性が低下し易い傾向がある。
国際公開第2019/031071号 特表2022-510017号公報 特許第2557248号公報 特開平10-17838号公報
上記した問題を解決するために、本発明者らは、フッ素樹脂シートに配合する充填材として、より粒径が小さいものを用いることで、貫通孔(ピンホール)の発生や伸び特性の低下を抑制することを試みたが、これらの問題点を解決するには至らなかった。
本発明の目的は、熱的安定性(低熱膨張性)に優れ、且つ伸び特性に優れたシートを提供することである。
本発明によれば、以下のシート等が提供される。
1.下記成分(A)~(B)を含むシートであって、前記シートの破断伸び率が150%超である、シート。
(A)フッ素樹脂
(B)前記シートの所定厚さに対して、20%以下の平均粒子径を有する充填材
2.前記シートの所定厚さが、25~300μmである、1に記載のシート。
3.前記充填材の平均粒子径が、0.1~10μmである、1又は2に記載のシート。
4.前記充填材の配合割合が、20~50体積%である、1~3のいずれかに記載のシート。
5.前記フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又は変性PTFEである、1~4のいずれかに記載のシート。
6.前記充填材が、アルミナ、酸化チタン、シリカ、硫酸バリウム、炭化珪素、窒化ホウ素、窒化珪素、ガラスファイバー、ガラスビーズ、及びマイカからなる群から選択される一以上である、1~5のいずれかに記載のシート。
7.前記シートの熱膨張率が100ppm/℃未満である、1~6のいずれかに記載のシート。
8.前記シートに存在する直径50μm以上の貫通孔の数が、該シートの表面積100cm当たり25個以下である、1~7のいずれかに記載のシート。
9.1~8のいずれかに記載のシートを含むプリント基板用基材。
10.下記成分(A’)~(B)を混合して原料組成物を調製する工程と、
前記原料組成物を円筒形に成形した成形体を形成する工程と、
前記成形体を焼成する工程と、
前記焼成された成形体の表面をスカイブ加工してシート状に形成する工程と、を含む、シートの製造方法。
(A’)前記シートの所定厚さに対して、50%以下の平均粒子径であるフッ素樹脂
(B)前記シートの所定厚さに対して、20%以下の平均粒子径を有する充填材
11.前記シートの所定厚さが、25~300μmである、10に記載のシートの製造方法。
12.前記フッ素樹脂粒子の平均粒子径が、0.1~10μmである、10又は11に記載のシートの製造方法。
13.前記充填材の平均粒子径が、0.1~10μmである、10~12のいずれかに記載のシートの製造方法。
14.前記充填材の配合割合が、20~50体積%である、10~13のいずれかに記載のシートの製造方法。
15.前記原料組成物を調製する工程が、前記(A’)前記シートの所定厚さに対して、50%以下の平均粒子径であるフッ素樹脂及び前記(B)前記シートの所定厚さに対して、20%以下の平均粒子径を有する充填材とを溶媒中に分散させた原料含有溶液から前記溶媒を除去することを含む、10~14のいずれかに記載のシートの製造方法。
16.前記原料組成物を調製する工程が、前記(A’)前記シートの所定厚さに対して、50%以下の平均粒子径であるフッ素樹脂と前記(B)前記シートの所定厚さに対して、20%以下の平均粒子径を有する充填材とを乾式混合する工程である、10~14のいずれかに記載のシートの製造方法。
17.10~16のいずれかに記載の製造方法により得られた、シート。
本発明によれば、熱的安定性(低熱膨張性)に優れ、且つ伸び特性に優れたシートが提供できる。
従来のシートの製造方法における原料組成物の調製方法を説明する概略図である。 本発明のシートの製造方法における原料組成物の調製方法を説明する概略図である。 焼成した成形体(ビレット)の長手方向外周表面を切削してシート状にするスカイブ工程を示す図である。 実施例2のシートの元素マッピング分析の結果を示す図である。 比較例1のシートの元素マッピング分析の結果を示す図である。
以下、本発明に係るシート及びシートの製造方法について説明する。本明細書において、「x~y」は「x以上、y以下」の数値範囲を表すものとする。一の技術的事項に関して、「x以上」等の下限値が複数存在する場合、又は「y以下」等の上限値が複数存在する場合、当該上限値及び下限値から任意に選択して組み合わせることができるものとする。
[シート]
本発明の一態様に係るシートは、下記成分(A)~(B)を含むシートであって、前記シートの破断伸び率が150%超である。
(A)フッ素樹脂
(B)前記シートの所定厚さに対して、20%以下の平均粒子径を有する充填材
シートとは、厚みに関わらず、平面をなす一面とその裏面である他面を有しており、帯状、平板状等の形状で構成されることができ、例えば、フィルム、テープを含む。
本発明者らは、フッ素樹脂を含むシートに充填材を配合すると、該シートの熱膨張率が低く抑えられる一方、目的とするシートの厚さに近い粒子径を有する粗大粒子が原料組成物中に存在すると、該原料組成物からなる成形体をスカイブ加工して100μm程度の薄いシート状にしたときに、該シートに貫通孔(ピンホール)が発生し、該貫通孔が原因で破断し易くなり、伸び特性が低下することを見出した。
また、本発明者らは、以下の点を見出した。即ち、シートの製造原料組成物中の充填材51の粒径と、原料のフッ素樹脂の粒子50の粒径とに大きな差があると(図1(a)参照)、該充填材51の配合量の増大に伴い、原料組成物中で、小粒径の充填材51が大粒径のフッ素樹脂の粒子50の隙間に侵入して充填材51がフッ素樹脂の粒子50の間で凝集し、目的とするシートの厚さに近い大きさまで増大した粒子径を有する充填材51の凝集体が生じ易くなる(図1(b)参照)。この凝集体を含む原料組成物を焼成すると、フッ素樹脂の粒子50は溶融して一体のマトリックスとなるが、充填材51の凝集体はそのまま残る。その結果、焼成された成形体をスカイブ加工して、100μm程度の薄いシート状に成形すると、成形体中に充填材51の凝集体が存在することによって、シートに貫通孔(ピンホール)が発生することを見出した。
なお、スカイブ加工とは、図3に示すように、樹脂粉末の圧縮成形体を焼成したビレット10を回転させながら、ビレット10の表面に切削刃20を当てて薄く連続的にシート30を削り出す方法をいう。
本態様のシートは、充填材を含有することにより、熱膨張率が低く抑えられており、熱的安定性に優れる。また、本態様のシートは、破断伸び率が150%超であることにより、優れた伸び特性を有する。これにより、本態様のシートは、高い熱的安定性(低熱膨張性)を有し、かつ高い伸び特性を有する。
本態様のシートは、原料として上記所定の粒子径を有する充填材51と、充填材51の粒子径と同程度まで小粒径化したフッ素樹脂の粒子50’とを混合し、フッ素樹脂の粒子50’と充填材51とを均一に分散させた原料組成物(図2(b)参照)を用いることで得ることができる。フッ素樹脂の粒子50’と充填材51とが原料組成物中で均一に分散していることで、充填材の配合量を増大させた場合でも、フッ素樹脂の粒子50’の隙間に充填材51が侵入して凝集体が生成する現象(図1の(b)の状態)を抑制できる。凝集体の発生が抑えられることで、該原料組成物を焼成した成形体をスカイブ加工して得られる薄いシートにおいて、貫通孔(ピンホール)の発生が抑制される。このため、スカイブ加工して得られるシートが、高い熱的安定性(低熱膨張性)を有し、かつ高い伸び特性を有する。
フッ素樹脂の粒子50’を、充填材51の粒子径と同程度まで小粒径化する方法は、シートの製造方法で詳述する。
(フッ素樹脂)
フッ素樹脂としては、一般に用いられているものを特に限定なく使用できるが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましい。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、テトラフルオロエチレンの単独重合体である。
また、フッ素樹脂としては、変性ポリテトラフルオロエチレン(変性PTFE)を用いてもよい。変性ポリテトラフルオロエチレン(変性PTFE)は、パーフルオロアルキルビニルエーテルで変性されたポリテトラフルオロエチレンである。
上記パーフルオロアルキルビニルエーテルとしては、下記式(1)で表されるパーフルオロアルキルビニルエーテルが挙げられる。
CF=CF-OR (1)
(式(1)中、Rは炭素数1~10(好ましくは炭素数1~5)のパーフルオロアルキル基、又は下記式(2)で表されるパーフルオロ有機基である。)
Figure 2024002776000002
(式(2)中、nは1~4の整数である。)
式(1)の炭素数1~10のパーフルオロアルキル基としては、例えばパーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられ、好ましくはパーフルオロプロピル基である。
シート中に含まれるフッ素樹脂の含有量は、50体積%以上、60体積%以上、又は70体積%以上であってもよく、80体積%以下、70体積%以下、又は60体積%以下であってもよい。
フッ素樹脂の含有量が下限値以上であれば、シートとして良好な強度が得られる。
また、フッ素樹脂の含有量が上限値以下であれば、シート中に含まれる充填材により熱膨張率が低く抑えられ、優れた熱的安定性が得られる。
(充填材)
本態様のシートは充填材を含む。当該充填材としては、アルミナ、酸化チタン、シリカ、硫酸バリウム、炭化珪素、窒化ホウ素、窒化珪素、ガラスファイバー、ガラスビーズ、マイカが挙げられる。
充填材としては、シートに高い熱的安定性(低熱膨張性)を付与する観点から、シリカ、窒化ホウ素、アルミナを好適に用いることができる。これら充填材は、1種又は2種以上を使用できる。
シート中に含まれる充填材の含有量は、20体積%以上であることが好ましく、25質量%以上であってもよく、30質量%以上であってもよい。
また、シート中に含まれる充填材の含有量は、50体積%以下であることが好ましく、48質量%以下であってもよく、45質量%以下であってもよく、40質量%以下であってもよく、30質量%以下であってもよい。
シート中における充填材の含有量が下限値以上であれば、シートの熱膨張率が例えば100ppm/℃以下と小さい値に抑えられ、熱的安定性に優れる。
また、シート中における充填材の含有量が上限値以下であれば、シートとしての強度を十分に保つことができ、良好なハンドリング性が得られる。
充填材の平均粒子径はシートの所定の厚さに対して20%以下である。充填材粒子の平均粒子径が上記範囲であれば、ピンホールの発生を抑制するのに寄与できる。充填材の平均粒子径は、シートの所定の厚さに対して18%以下、15%以下、12%以下、10%以下、8%以下、又は5%以下であってもよい。シートの膜厚の具体的な厚さについては後述する。
充填材の平均粒子径は、所望のシートの厚さに対して適宜選択すればよいが、例えば、0.1μm以上であることが好ましく、0.2μm以上、0.3μm以上、0.5μm以上、又は1μm以上であってもよい。また、充填材の平均粒子径は、10μm以下であることが好ましく、9μm以下、8μm以下、5μm以下、又は3μm以下であってもよい。充填材の平均粒子径は、0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。
充填剤の平均粒子径が上記範囲であることにより、充填材粒子同士の凝集を抑制でき、粗大粒子の割合を低減できるため、シートにおける貫通孔(ピンホール)の発生を抑制でき、優れた伸び特性が得られる。
本明細書において、シートに含まれる充填材の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテク製、「SU8220」)を用いて加速電圧5kV、1000倍の倍率で、横100μm×縦100μmの範囲でシートの表面を観察した走査型電子顕微鏡画像において、任意に選択した100個の充填材粒子の各々の粒子径(直径又は最長径)を測定し、その算術平均値を、シートに含まれる充填材の平均粒子径とする。
(任意成分)
一実施形態において、シートはさらに、任意成分を含んでもよい。任意成分としては、特に限定されないが、例えば難燃剤、難燃助剤、顔料、酸化防止剤、反射付与剤、隠蔽剤、滑剤、加工安定剤、可塑剤、発泡剤等が挙げられる。
この場合、シート中の任意成分の合計含有量としては、20質量%以下、10質量%以下、又は5質量%以下であってもよい。
一実施形態において、シートは、例えば、85質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、98質量%以上、99質量%以上、99.5質量%以上、99.9質量%以上、又は100質量%が、
ポリテトラフルオロエチレン又は変性ポリテトラフルオロエチレン;
及びアルミナ、酸化チタン、シリカ、ガラスファイバー、ガラスビーズ及びマイカから選択される1種類以上の充填材からなってもよい。
(シート特性)
本発明の一態様に係るシートは、所定の厚さを有するが、厚さが25~300μmの範囲であることが好ましい。当該厚さのフッ素樹脂及び充填材を主成分とするシートを製造可能な方法としては、スカイブ加工が挙げられる。スカイブ加工及び本発明の一態様に係るシートの製造方法の詳細については後述する。
フッ素樹脂及び充填材を主成分とする単体のシートの製造方法として、塗布法、押出成形、圧延等が知られている。しかしながら、例えば塗布法でシートを製造する場合、シートの厚さは一般に25μmが限界であり、それよりシート厚さを大きくしようとすると、重ね塗りが必要となり工程が煩雑となる。
また、押出成形又は圧延による方法でシートを製造する場合、得られるシートの厚さは通常、1mmレベルの厚いものであり、25~300μmの厚さのシートを押出成形又は圧延による方法で得ることは困難である。
シートの厚さは、25μm以上であることが好ましく、30μm以上、50μm以上、70μm以上、又は100μm以上であってもよい。また、シートの厚さは、300μm以下であることが好ましく、200μm以下、150μm以下、又は100μm以下であってもよい。
シートの厚さが25μm以上であることで、シートとしての強度を十分に保つことができ、良好なハンドリング性が得られる。
また、シートの厚さが300μm以下であることで、十分な可撓性が得られる。
なお、本明細書において「シートの厚さ」とは、シート中の任意の10点の位置で測定した厚さの平均値を意味する。
一実施形態において、シートの破断伸び率は150%超であり、152%以上であってもよく、200%以上であってもよく、300%以上であってもよく、350%以上であってもよく、380%以上であってもよい。
破断伸び率は、実施例に記載の方法により測定する。
一実施形態において、シートの熱膨張率は100ppm/℃未満であってもよく、40ppm/℃以上90ppm/℃以下であってもよく、50ppm/℃以上80ppm/℃以下であってもよく、60ppm/℃以上70ppm/℃以下であってもよい。
熱膨張率は、実施例に記載の方法により測定する。
一実施形態において、シートに存在する直径50μm以上の貫通孔(ピンホール)の数は、シートの表面積100cm当たり25個以下が好ましく、20個以下がより好ましく、さらに15個以下、10個以下、5個以下がさらに好ましく、望ましくは0個である。
貫通孔(ピンホール)の数は、実施例に記載の方法により測定する。
[プリント基板用基材]
本発明の一態様に係るプリント基板用基材は、上記本発明の一態様に係るシートを含む。
フッ素樹脂は耐熱性、絶縁性に優れるため、例えば耐熱絶縁テープ等の耐熱材料やプリント基板材料としての応用も期待されている。しかしながら、スカイブ加工により製造した従来のフッ素樹脂シートは、加熱等により熱収縮し易く、寸法安定性が悪いため、例えば他の材料との接合等の加工処理を行いにくいという問題があった。
これに対し本発明の一態様に係るシートは、フッ素樹脂マトリックス中に充填材粒子が均一分散されていることで、熱収縮が抑制され、寸法安定性も向上しており、従来のフッ素樹脂シートに比べて、他の材料との接合等の加工処理が容易であるという利点を有する。
本発明の一態様のシートを用いたプリント基板用基材の例としては、該シート上に銅箔等の金属箔を積層したものが挙げられる。
[シートの製造方法]
本発明の一態様に係るシートの製造方法は、下記(1)~(4)の工程を含む:
(1)下記成分(A’)~(B)
(A’)前記シートの所定厚さに対して、50%以下の平均粒子径であるフッ素樹脂
(B)前記シートの所定厚さに対して、20%以下の平均粒子径を有する充填材
を混合して原料組成物を調製する工程
(2)原料組成物を円筒形に成形した成形体を形成する工程
(3)成形体を焼成する工程
(4)焼成された成形体の表面を切削してシート状に形成するスカイブ加工処理を行う工程
(工程(1)原料組成物の調製)
成分(A’)のフッ素樹脂としては、前述したシートの項目で説明した成分(A)のフッ素樹脂を用いることができる。
原料として用いるフッ素樹脂は粒子形状を有し、その平均粒子径は前記シートの所定厚さに対して50%以下であり、所望のシート厚さに応じて適宜選択すればよい。フッ素樹脂粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1~10μmである。
上記した平均粒子径の範囲にあるフッ素樹脂粒子を用いることで、充填材粒子とフッ素樹脂粒子とが均一に分散した原料組成物が得られる。
フッ素樹脂粒子の平均粒子径は、0.1μm以上であってもよく、0.2μm以上、1μm以上、又は5μm以上であってもよい。
また、フッ素樹脂粒子の平均粒子径は、10μm以下であってもよく、5μm以下であってもよい。
フッ素樹脂粒子の平均粒子径を前記シートの所定厚さに対して50%以下、好ましくは0.1~10μmの範囲内とする方法としては、例えば、フッ素樹脂粒子が溶媒に分散された、市販のフッ素樹脂粒子ディスパージョン(一般に、平均粒子径が0.1~0.5μmの範囲)を用いる方法、市販の粉体形状のフッ素樹脂粒子(一般に、平均粒子径が200~600μmの範囲)を粉砕して上記平均粒子径とする方法等が挙げられる。上記2つの方法によって得られたフッ素樹脂粒子を用いる工程の詳細は後述する。
本明細書において、原料組成物の調整に用いるフッ素樹脂粒子の平均粒子径は、粒度分布測定装置(スペクトリス株式会社製、「MS―3000」)を用いて、測定風圧1Barの条件で測定することができる。
成分(B)の充填材としては、前述したシートの項目で説明した充填材を用いることができる。
充填材は粒子形状を有し、その平均粒子径の好適な範囲及びその理由は、前述したシートの項目で説明した、充填材粒子の平均粒子径の好適な範囲及びその理由と同様である。
原料組成物の調製に用いる充填材粒子の平均粒子径は、フッ素樹脂粒子の平均粒子径と同様の方法により測定することができる。
成分(A’)と成分(B)とを混合して原料組成物を得る方法の一実施形態として、成分(A’)及び成分(B)を溶媒中に分散させた原料含有溶液から、溶媒を除去した後、得られた混合粉末を羽根つき撹拌機等により攪拌混合する方法が挙げられる。
原料含有溶液としては、例えば乳化重合等により溶媒中で生成させたフッ素樹脂(例えばPTFE)の粒子が、該溶媒中に分散した分散液中に、成分(B)を添加した後、撹拌機等により攪拌混合したものが挙げられる。
この場合、分散媒中に分散するフッ素樹脂の粒子が、成分(A’)(平均粒子径が前記シートの所定厚さに対して、50%以下であるフッ素樹脂粒子)に相当する。
なお、原料含有溶液としては、上記したものには限定されず、例えば、乳化重合等により生成したフッ素樹脂粒子(成分(A’))を、重合に使用した溶媒から分離した後、別の溶媒に分散させた分散液中に、成分(B)を添加したものであってもよい。
分散液に用いる溶媒としては、特に限定されないが、例えばメチルエチルケトン、水等が挙げられる。
分散液に配合する成分(B)の量は、原料含有溶液から得られる原料組成物中に含まれる成分(A’)の含有量及び成分(B)の含有量が、それぞれ、所望の割合となるように配合する。原料組成物中に含まれる成分(A’)の含有量の好適な範囲は、前述したシートの項目で説明した、成分(A)の含有量の好適な範囲と同様である。また、原料組成物中に含まれる成分(B)の含有量の好適な範囲は、前述したシートの項目で説明した、成分(B)の含有量の好適な範囲と同様である。
成分(B)を添加した分散液の攪拌速度は、特に限定されないが、例えば100~800rpmであってもよく、200~600rpmであってもよい。
成分(B)を添加した分散液の攪拌時間は、特に限定されないが、例えば1~20分間であってもよく、2~18分間であってもよい。
原料含有溶液から、溶媒を除去する方法としては、特に限定されないが、例えば、原料含有溶液に含まれる成分(A’)及び成分(B)を共沈等により沈殿させて原料含有溶液から分離した後、乾燥炉等で乾燥して、沈殿物に含まれる溶媒成分を揮発除去することにより行うことができる。
沈殿物を乾燥炉等で乾燥させる場合、乾燥温度は、例えば60~400℃であってもよく、80~300℃であってもよい。
乾燥後に得られた、成分(A’)と成分(B)の混合粉末を、羽根つき撹拌機等により攪拌混合する際の攪拌速度は、特に限定されないが、例えば1000~6000rpmであってもよく、2000~5000rpmであってもよい。
また、乾燥後に得られた混合粉末の攪拌時間は、特に限定されないが、例えば1~15分間であってもよく、2~10分間であってもよい。
成分(A’)(前記シートの所定厚さに対して、50%以下の平均粒子径を有するフッ素樹脂粒子)と成分(B)(前記シートの所定厚さに対して、20%以下の平均粒子径を有する充填材粒子)とを混合して原料組成物を得る方法の一実施形態としては、例えば、成分(A’)と成分(B)とを乾式混合する方法等を用いてもよい。
成分(A’)と成分(B)とを混合する方法としては、例えば、フッ素樹脂の一次粒子が凝集してなる二次粒子を解砕して、平均粒子径が0.1~10μmであるフッ素樹脂(成分(A’))を得た後、成分(A’)と成分(B)とを羽根つき撹拌機等により攪拌混合する方法が挙げられる。
フッ素樹脂の二次粒子の粒子径は特に限定されないが、例えば100~800μmであってもよく、130~700μmであってもよく、150~600μmであってもよい。
二次粒子を解砕する方法としては、特に限定されないが、例えば混合粉砕機、気流粉砕機、凍結粉砕機等の粉砕機を用いる方法が挙げられる。
成分(A’)と成分(B)は、原料組成物中に含まれる成分(A’)の含有量及び成分(B)の含有量が、それぞれ、所望の割合となるように配合する。原料組成物中に含まれる成分(A’)の含有量の好適な範囲は、前述したシートの項目で説明した、成分(A)の含有量の好適な範囲と同様である。また、原料組成物中に含まれる成分(B)の含有量の好適な範囲は、前述したシートの項目で説明した、成分(B)の含有量の好適な範囲と同様である。
乾式混合における成分(A’)と成分(B)との攪拌速度は、特に限定されないが、例えば1000~6000rpmであってもよく、2000~5000rpmであってもよい。
乾式混合における成分(A’)と成分(B)との攪拌時間は、特に限定されないが、例えば1~15分間であってもよく、2~10分間であってもよい。
なお、原料組成物には、成分(A’)及び成分(B)以外に、任意成分を配合してもよい。任意成分としては、前述したシートの項目で説明した任意成分を用いることができる。
任意成分の配合量の好適な範囲は、前述したシートの項目で説明した、任意成分の含有量の好適な範囲と同様の範囲とすることができる。
(工程(2)成形体の形成)
上記原料組成物を円筒形に成形して成形体を形成する。成形体を形成する方法としては、例えば、上記原料組成物を金型に充填し、圧縮成形して円筒形の圧縮成形体を形成する方法が挙げられる。
面圧は、10~100MPaであってもよく、20~60MPaであってもよく、30~50MPaであってもよい。
成分(A’)と成分(B)とを混合した原料組成物を圧縮成形することで、フッ素樹脂の粒子と充填材とが均一に分散した圧縮成形体が得られる(図2(b)参照)。
(工程(3)成形体の焼成)
得られた圧縮成形体を焼成し、ビレットを得る。焼成温度は100~400℃であってもよく、350~370℃であってもよく、360~370℃であってもよい。
得られるビレットは、原料粉末の焼成物が集積してなる成形体として得られる。
成形体を焼成することにより、成形体中の個々のフッ素樹脂粒子は溶融して一体となったマトリックス中に充填材粒子が均一に分散した状態になる。
成分(A’)と成分(B)とを混合した原料組成物の圧縮成形体を焼成することで、充填材の凝集体が生成するのを抑制でき、粗大粒子の少ない、良好なビレットが得られる。
後述するスカイブ加工の実施し易さの点から、ビレット(成形体)の形状は、好ましくは円筒状である。ビレット(成形体)が円筒体である場合、当該円筒体の直径は、例えば100~500mmであってもよく、150~500mmであってもよい。
(工程(4)スカイブ加工によるシート形成)
次に、焼成した成形体であるビレットの表面を切削してシート状にするスカイブ加工処理を行う。
図3に示すように、ビレット(成形体)が円筒体である場合、焼成した円筒体の長手方向外周表面に切削刃を当てて切削してシート状にする。
成分(A’)と成分(B)とを混合した原料組成物を用いて得られたビレットは、前述したように、充填材粒子が凝集した粗大粒子の少ない良好なビレットであるため、該ビレットをスカイブ加工することで、貫通孔(ピンホール)の発生が抑制され、伸び特性に優れたシートが得られる。
ビレット(成形体)が円筒体である場合、焼成した円筒体の長手方向外周表面を切削してシート状にする工程を実施する前に、焼成した円筒体の外周表面、内周表面及び端面表面をそれぞれ表面外側から3mmまでの厚みを除去してもよい。
焼成した円筒体の長手方向外周表面を切削してシート状にするスカイブ加工工程は図3に示す装置を用いて実施できる。切削して得られるシートの厚さは、シートの使用目的に即して適宜選択すればよいが、例えば、25μm以上であり、30μm以上、50μm以上、70μm以上、又は100μm以上であってもよい。また、切削して得られるシートの厚さは、例えば、300μm以下であり、200μm以下、150μm以下、又は100μm以下であってもよい。
図3において、焼成したビレット(円筒体)10を回転させ、切削刃(バイト)20で切削してシート30とする。
前述した工程(1)~(3)の工程を経て得られたビレットをスカイブ加工することで、25~300μmのシートが得られる。
以上説明した本態様のシートは、例えば、耐熱絶縁テープ等の耐熱材料、プリント基板用基材、プリント基板、離型シート、として好適に用いられる。
(原料組成物の調製)
製造例1
PTFEディスパージョン(PTFE粒子が溶媒中に分散した分散液)、及び充填材としての球状シリカ(平均粒子径1μm)を、PTFEディスパージョンに含まれるPTFE粒子と球状シリカとの体積比がPTFE粒子:球状シリカ=6:4の割合となるように混合し、撹拌機を用いて、回転速度300~500rpmで5~15分間攪拌混合して、原料含有溶液を得た。
原料含有溶液を撹拌機で攪拌しながら、さらに該原料含有溶液にエタノールを添加して、PTFE粒子及び球状シリカを共沈させた。共沈物を100℃~200℃の乾燥炉で乾燥して、溶媒を揮発除去することにより、乾燥粉末を得た。
得られた乾燥粉末を、回転羽根つき撹拌機を用いて回転速度3000~4000rpmで0.5~1分間混合して、PTFE粉末(平均粒子径:0.25μm)と球状シリカ(平均粒子径:1μm)とを含有する原料組成物1を得た。
製造例2
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末(平均粒子径400μm)を解砕し、平均粒子径5μmのPTFE粉末を得た。
上記で得られた平均粒子径5μmのPTFE粉末、及び充填材としての球状シリカ(平均粒子径3μm)とを、体積比でPTFE粉末:球状シリカ=6:4の割合で混合し、回転羽根つき撹拌機を用いて回転速度3000~4000rpmで3~7分間混合して、PTFE粉末(平均粒子径:5μm)と球状シリカ(平均粒子径:3μm)とを含有する原料組成物2を得た。
製造例3
PTFE粉末(平均粒子径400μm)、及び充填材(フィラー)としての球状シリカ(平均粒子径1μm)とを、体積比でPTFE粉末:球状シリカ=6:4の割合で混合し、回転羽根つき撹拌機を用いて回転速度3000~4000rpmで3~7分間混合して、PTFE粉末(平均粒子径:400μm)と球状シリカ(平均粒子径:1μm)とを含有する原料組成物3を得た。
実施例1
<ビレットの作製>
600gの原料組成物1を円筒形状金型に充填して、上部からプレス圧力30MPaで3分間圧縮成形し、円筒状の予備成形体(外径67mm×内径33mm)を得た。得られた予備成形体を焼成炉に投入して365℃で6時間焼成した。
<スカイブ加工>
得られた円筒状焼成体(外径67mm×内径33mm)を図3に示す装置で切削速度8m/min、狙い厚さ100μmでスカイブ加工し、100μm厚のシートを製造した。
実施例2
原料組成物1に代えて、原料組成物2を用いた他は、実施例1と同様にしてシートを作製した。
比較例1
原料組成物1に代えて、原料組成物3を用いた他は、実施例1と同様にしてシートを作製した。
参考例1
充填材を含んでいないPTFEシート(「TOMBONo9001」、ニチアス株式会社社製)を準備した。
[評価方法]
(充填材の分散状態)
実施例2及び比較例1で得られたシートの任意の表面領域について、エネルギー分散型X線分析装置(堀場製作所社製、「E-Max N」)を用いて、加速電圧15kVで元素マッピング分析を実施した。
実施例2及び比較例1のシートの元素マッピング分析の結果をそれぞれ図4及び図5に示す。
図4に示す元素マッピング分析の結果から、実施例2で得られたシートは、PTFE樹脂(灰色部分)中に、球状シリカSi(黒色部分)が均一に分散していることが確認できた。
一方、図5に示す元素マッピング分析の結果から、比較例1で得られたシートは、PTFE樹脂(灰色部分)中に、球状シリカSi(黒色部分)が凝集した凝集体Si(黒色部分)が存在しており、スカイブ加工時に貫通孔(ピンホール)(破線によって囲った部分)が生じたことが確認できた。
(貫通孔(ピンホール)の数)
実施例1~2、比較例1で得られたシートの任意の位置(例えば、長尺シートの長手方向の端を除く途中位置で短手方向の中心部や、シート中央部)から、表面積100cmの貫通孔(ピンホール)計数用試料を採取し、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製、「VHX-5000」)を用いて拡大観察し、50μm以上の最長径を有する貫通孔(ピンホール)の数をカウントした。結果を表1に示す。
(破断伸び率)
実施例1~2、比較例1で得られたシートから、測定部位の幅:10mm、チャック間距離(評点間距離)L0:22.25mmとなるように破断伸び率測定用の試料を採取し、引張試験機(株式会社島津製作所製、「Ez-LX」)を用いて、23℃、50%RHnの環境下、破断まで引張速度200mm/minでシートを引張り、破断時の標点間の距離L1(mm)から、下記式(3)により破断伸び率を算出した。結果を表1に示す。
破断伸び率=(L1-L0)/L0×100% …(3)
(熱膨張率)
原料組成物1~3を、それぞれ縦5mm×横5mmの金型に充填し、成形面圧(プレス圧力)30MPaで1分間圧縮成形し、一辺5mmの立方体形状の成形体を得た。この成形体を360度で6時間焼成し、得られた焼成体(熱膨張率測定用試験体)について、熱機械測定装置(TMA)(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製、「Q400」)を用いて熱膨張率を測定した。熱膨張率の測定は、追従荷重を0.05N、測定温度を室温から200℃までとし、昇温速度5℃/minで昇温して行った。熱膨張率は、室温から200℃まで行った測定における、50~150℃の範囲の熱膨張量から算出した。
Figure 2024002776000003
本発明のシートは、耐熱絶縁テープ等の耐熱材料、プリント基板用基材、プリント基板、離型シートとして好適に使用されるが、これに限定されるものではない。
10 ビレット
20 切削刃
30 シート
50、50’ フッ素樹脂の粒子
51 充填材の粒子

Claims (17)

  1. 下記成分(A)~(B)を含むシートであって、
    前記シートの破断伸び率が150%超である、シート。
    (A)フッ素樹脂
    (B)前記シートの所定厚さに対して、20%以下の平均粒子径を有する充填材
  2. 前記シートの所定厚さが、25~300μmである、請求項1に記載のシート。
  3. 前記充填材の平均粒子径が、0.1~10μmである、請求項1又は2に記載のシート。
  4. 前記充填材の配合割合が、20~50体積%である、請求項1~3のいずれかに記載のシート。
  5. 前記フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又は変性PTFEである、請求項1~4のいずれかに記載のシート。
  6. 前記充填材が、アルミナ、酸化チタン、シリカ、硫酸バリウム、炭化珪素、窒化ホウ素、窒化珪素、ガラスファイバー、ガラスビーズ、及びマイカからなる群から選択される一以上である、請求項1~5のいずれかに記載のシート。
  7. 前記シートの熱膨張率が100ppm/℃未満である、請求項1~6のいずれかに記載のシート。
  8. 前記シートに存在する直径50μm以上の貫通孔の数が、該シートの表面積100cm当たり25個以下である、請求項1~7のいずれかに記載のシート。
  9. 請求項1~8のいずれかに記載のシートを含むプリント基板用基材。
  10. 下記成分(A’)~(B)を混合して原料組成物を調製する工程と、
    前記原料組成物を円筒形に成形した成形体を形成する工程と、
    前記成形体を焼成する工程と、
    前記焼成された成形体の表面をスカイブ加工してシート状に形成する工程と、を含む、シートの製造方法。
    (A’)前記シートの所定厚さに対して、50%以下の平均粒子径であるフッ素樹脂
    (B)前記シートの所定厚さに対して、20%以下の平均粒子径を有する充填材
  11. 前記シートの所定厚さが、25~300μmである、請求項10に記載のシートの製造方法。
  12. 前記フッ素樹脂粒子の平均粒子径が、0.1~10μmである、請求項10又は11に記載のシートの製造方法。
  13. 前記充填材の平均粒子径が、0.1~10μmである、請求項10~12のいずれかに記載のシートの製造方法。
  14. 前記充填材の配合割合が、20~50体積%である、請求項10~13のいずれかに記載のシートの製造方法。
  15. 前記原料組成物を調製する工程が、前記(A’)前記シートの所定厚さに対して、50%以下の平均粒子径であるフッ素樹脂及び前記(B)前記シートの所定厚さに対して、20%以下の平均粒子径を有する充填材とを溶媒中に分散させた原料含有溶液から前記溶媒を除去することを含む、請求項10~14のいずれかに記載のシートの製造方法。
  16. 前記原料組成物を調製する工程が、前記(A’)前記シートの所定厚さに対して、50%以下の平均粒子径であるフッ素樹脂と前記(B)前記シートの所定厚さに対して、20%以下の平均粒子径を有する充填材とを乾式混合する工程である、請求項10~14のいずれかに記載のシートの製造方法。
  17. 請求項10~16のいずれかに記載の製造方法により得られた、シート。
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