JP2022098733A - テトラフルオロエチレン系ポリマーの組成物、該組成物を含む液状組成物、およびシート - Google Patents

テトラフルオロエチレン系ポリマーの組成物、該組成物を含む液状組成物、およびシート Download PDF

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Abstract

【課題】テトラフルオロエチレン系ポリマーとの親和性が改良されたフィラー含有組成物、および該組成物から得られるテトラフルオロエチレン系ポリマーが本来有する物性を損なうことなく誘電率または熱伝導率が改良されたシートの提供。【解決手段】テトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダー、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコン酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウムおよび酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種のセラミックスフィラー、および六方晶系フィラーを含む組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、テトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーと特定のセラミックスフィラーおよび六方晶系フィラーを含む組成物および該組成物を含む液状組成物に関する。また本発明は、テトラフルオロエチレン系ポリマーと特定のセラミックスフィラーおよび六方晶系フィラーを含むシートに関する。
近年、高度情報化社会の到来に伴い、通信手段の革新が著しい。例えば、携帯電話等の移動体通信機器においては、情報伝達はより高速化、高周波化の傾向にある。このような高速化、高周波化に対応するため、通信機器のプリント基板に用いる材料には高誘電、高熱伝導かつ、低誘電正接である材料が求められている。テトラフルオロエチレン系ポリマーは、低誘電正接であり、電気絶縁性、撥水撥油性、耐薬品性、耐熱性等の物性にも優れることから、かかる材料として注目を集めている。
特許文献1には、テトラフルオロエチレン系ポリマーに高誘電性繊維を添加し、誘電率を改良したプリント基板材料が、特許文献2には、テトラフルオロエチレン系ポリマーに高誘電性フィラーを添加し、誘電率を改良したプリント基板材料が、それぞれ提案がされている。
また特許文献3には、複数種のテトラフルオロエチレン系ポリマーに無機粒子を添加したプリント基板材料が記載されている。
特開2002-75457号公報 国際公開2020/184438号 特開2020-50860号公報
しかしながらテトラフルオロエチレン系ポリマーはフィラー等の他の成分との親和性が低いため、テトラフルオロエチレン系ポリマーと無機フィラーとを含む組成物は、成形性や分散安定性が充分では無かった。その結果、かかる組成物から形成される成形物は、テトラフルオロエチレン系ポリマーと無機フィラーそれぞれの物性が充分に発現しない場合があり、特に、誘電率、熱伝導性、誘電正接の改良効果は充分とはいえなかった。
本発明者らは、セラミックスフィラーに着目し、他のフィラーと併用することでテトラフルオロエチレン系ポリマーとの親和性を改良することを試み、その結果、セラミックスフィラーおよび六方晶系フィラーとを併用することでテトラフルオロエチレン系ポリマーとの親和性が改良されることを見出した。また、セラミックスフィラーおよび六方晶系フィラーを併用した組成物から得られる成形物はテトラフルオロエチレン系ポリマー、セラミックスフィラー、六方晶系フィラーのそれぞれが本来有する物性を損なうことなく誘電率または熱伝導率が改良されることを見出した。
本発明の目的は、かかる組成物および成形物の提供である。
本発明は、下記の態様を有する。
[1]
テトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダー、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコン酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウムおよび酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種のセラミックスフィラー、および六方晶系フィラーを含む組成物。
[2]
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、主鎖炭素数1×10個あたり、10個以上5000個以下のカルボニル基含有基を有するポリマーである前記[1]に記載の組成物。
[3]
前記セラミックスフィラーと前記六方晶系フィラーの合計量が20質量%以上である前記[1]または[2]に記載の組成物。
[4]
前記セラミックスフィラーの質量比が前記六方晶系フィラーの質量を1として0.16以上である前記[1]から[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]
前記セラミックスフィラーがチタン酸バリウムおよび、チタン酸バリウムの質量を1としてチタン酸バリウムに対する質量比が0から1未満の酸化チタンである前記[1]から[4]に記載の組成物。
[6]
前記セラミックスフィラーが酸化チタンおよび、酸化チタンの質量を1として酸化チタンに対する質量比が0から1以下のチタン酸バリウムである前記[1]から[4]のいずれかに記載の組成物。
[7]
前記六方晶系フィラーが、板状または鱗片状の窒化ホウ素フィラーである前記[1]から[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]
前記[1]から[7]のいずれか1項に記載の組成物が液状分散媒を含有する液状組成物。
[9]
前記液状分散媒が、アミド、ケトンおよびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である前記 [8]に記載の液状組成物。
[10]
さらにノニオン性の界面活性剤を含む前記[8]または[9]に記載の液状組成物。
[11]
粘度が10から10000mPa・sである前記[8]から[10]のいずれかに記載の液状組成。
[12]
テトラフルオロエチレン系ポリマー、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコン酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウムおよび酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種のセラミックスフィラー、および六方晶系フィラーを含み、誘電率が4以上かつ誘電正接が0.01以下である厚さ25μm以上のシート。
[13]
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、主鎖炭素数1×10個あたり、10個以上5000個以下のカルボニル基含有基を有するポリマーである前記[12]に記載のシート。
[14]
前記セラミックスフィラーと前記六方晶系フィラーの合計量が20質量%以上であり、かつ、前記セラミックスフィラーの質量比が前記六方晶系フィラーの質量を1として0.16以上である前記[13]に記載のシート。
本発明によれば、テトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダー、特定のセラミックスフィラーおよび六方晶系フィラーを含有し、熱伝導性および電気特性に優れた成形物を形成でき、成形性にも優れた組成物が提供される。また、該組成物と液状分散媒とを有する分散安定性に優れた液状組成物が提供される。
さらに本発明によれば、テトラフルオロエチレン系ポリマー、特定のセラミックスフィラーおよび六方晶系フィラーを含み各種物性に優れたシートが提供される。
以下の用語は、以下の意味を有する。
「テトラフルオロエチレン系ポリマー」とは、テトラフルオロエチレンに基づく単位を含有するポリマーであり、単に「Fポリマー」とも記す。
「ポリマーのガラス転移点(Tg)」は、動的粘弾性測定(DMA)法でポリマーを分析して測定される値である。
「ポリマーの溶融温度(融点)」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度である。
「パウダーまたはフィラーのD50」は、対象物の平均粒子径であり、レーザー回折・散乱法によって求められる対象物の体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によってパウダーの粒度分布を測定し、対象物の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の径である。
「パウダーまたはフィラーのD90」は、対象物の累積体積粒径であり、「D50」と同様にして求められる対象物の体積基準累積90%径である。
「液状組成物の粘度」は、B型粘度計を用いて、室温下(25℃)で回転数が30rpmの条件下で液状組成物について測定される値である。測定を3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
「液状組成物のチキソ比」とは、液状組成物を回転数が30rpmの条件で測定して求められる粘度ηを回転数が60rpmの条件で測定して求められる粘度ηで除して算出される値(η/η)である。
「モノマーに基づく単位」とは、モノマーの重合により形成された前記モノマーに基づく原子団を意味する。単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって前記単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。以下、モノマーaに基づく単位を、単に「モノマーa単位」とも記す。
「液状組成物の分散層率」とは、18mLの液状組成物を内容積30mLのスクリュー管に入れ、25℃にて14日静置した際、静置前後の、スクリュー管中の液状組成物全体の高さと分散層の高さとから、以下の式により算出される値である。なお、静置後に分散層が確認されず、状態に変化がない場合には、液状組成物全体の高さに変化がないとして、分散層率は100%とする。分散層率が大きいほど分散安定性に優れる。
分散層率(%)=(分散層の高さ)/(液状組成物全体の高さ)×100
本発明の組成物(以下、「本組成物」とも記す。)は、Fポリマーのパウダー(以下、「本パウダー」とも記す。)、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコン酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウムおよび酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種のセラミックスフィラー、および六方晶系フィラーを含む。
また本発明の液状組成物(以下、「本液状組成物」とも記す。)は前記本組成物と液状分散媒とを含む。
Fポリマーは剛直性に富むポリマーであり、表面エネルギーが低く、そのパウダー同士は凝集しやすいうえ、無機物との親和性に劣る。したがって加工性と分散安定性に優れた組成物および液状組成物を得ることは困難であった。しかしながら本組成物および本液状組成物は、分散安定性とハンドリング性とに優れており、Fポリマーと2種のフィラーとの物性を高度に具備した成形品を形成しやすい。その理由は必ずしも明確ではないが、以下の様に考えられる。
一般にFポリマーと無機物との親和性は低く、Fポリマーとの組成物とした時、無機物はその状態が不安定であり、凝集および沈降しやすい傾向にある。無機物が、高度な焼結体であるセラミックスフィラーであれば、かかる傾向は、さらに顕著になるとも考えられた。しかしながら本組成物に含まれる六方晶系のフィラーがカードハウス構造を形成することにより、セラミックスフィラーの分散性を向上させていると考えられる。その結果、かかる組成物または液状組成物から得られる成形物は、成形物中でパス構造も形成しやすくなり、高誘電率、低誘電正接となるだけでなく、熱伝導性も向上したと考えられる。
本発明で用いるFポリマーは、熱溶融性であってもよく非熱溶融性であってもよいが、熱溶融性であるのが好ましい。なお熱溶融性とは荷重49Nの条件下、ポリマーの溶融温度よりも20℃以上高い温度において、溶融流れ速度が0.1から1000g/10分となる温度が存在する溶融流動性のポリマーを意味する。
Fポリマーが熱溶融性の場合、その溶融温度は、260から320℃が好ましく、285から320℃がより好ましい。
Fポリマーのガラス転移点は、75から125℃が好ましく、80から100℃がより好ましい。
Fポリマーが熱溶融性の場合、その溶融粘度は、380℃において1×10から1×10Pa・sが好ましく、1×10から1×10Pa・sがより好ましい。
Fポリマーのフッ素含有量は、70から76質量%であるのが好ましく、74から76質量%であるのがより好ましい。かかるフッ素含有量が高いFポリマーは、Fポリマーの電気物性等の物性に優れる反面、極性が低いため、無機物との親和性も低い。しかしながら本組成物および本液状組成物では特定のセラミックスフィラーと六方晶系フィラーとを併用するため、Fポリマーの物性が損なわれず、分散性に優れた組成物および液状組成物が得られる。
Fポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン、TFE単位とエチレンに基づく単位を含むポリマー、TFE単位とプロピレンに基づく単位とを含むポリマー、TFE単位とペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)(以下、「PAVE」とも記す。)に基づく単位(以下、「PAVE単位」とも記す。)を含むポリマー(以下、「PFA」とも記す。)、TFE単位とフルオロアルキルエチレンに基づく単位とを含むポリマー、TFE単位とクロロトリフルオロエチレンに基づく単位とを含むポリマーまたはTFE単位とヘキサフルオロプロピレンに基づく単位を含むポリマー(以下、FEP」とも記す)が好ましく、PFAまたはFEPがより好ましく、PFAがさらに好ましい。これらのポリマーには、さらに他のコモノマーに基づく単位が含まれていてもよい。
PAVEとしては、CF=CFOCF、CF=CFOCFCFまたはCF=CFOCFCFCF(以下、「PPVE」とも記す。)が好ましく、PPVEがより好ましい。
Fポリマーは、極性官能基を有するのが好ましい。
極性官能基としては、水酸基含有基、カルボニル基含有基およびホスホノ基含有基が好ましく、本パウダーの分散性等の物性が高まりやすい観点から、水酸基含有基およびカルボニル基含有基がより好ましく、カルボニル基含有基がさらに好ましい。
水酸基含有基としては、アルコール性水酸基含有基が好ましく、-CFCHOH、-C(CFOHおよび1,2-グリコール基(-CH(OH)CHOH)がより好ましい。
カルボニル基含有基としては、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、イソシアネート基、カルバメート基(-OC(O)NH)、酸無水物残基(-C(O)OC(O)-)、イミド残基(-C(O)NHC(O)-等)およびカーボネート基(-OC(O)O-)が好ましく、酸無水物残基がより好ましい。
Fポリマーがカルボニル基含有基を有する場合、Fポリマーにおけるカルボニル基含有基の数は、主鎖炭素数1×10個あたり、10から5000個が好ましく、50から4000個がより好ましく、100から2000個がさらに好ましい。この場合、Fポリマーが窒化アルミニウムのウィスカーと相互作用しやすく、本組成物が加工性や分散安定性に優れやすい。なお、Fポリマーにおけるカルボニル基含有基の数は、ポリマーの組成又は国際公開第2020/145133号に記載の方法によって定量できる。
Fポリマーとしては、溶融温度が260から320℃であり、PAVE単位を含み、全単位に対してPAVE単位を1から5モル%含むポリマーが好ましく、PAVE単位を含み、極性官能基を有するポリマー(1)、または、PAVE単位を含み、全単位に対してPAVE単位を2から5モル%含み、極性官能基を有さないポリマー(2)がより好ましく、ポリマー(1)がさらに好ましい。これらのポリマーを含有する本組成物は、成形物に加工した時、成形物中に微小球晶を形成するため、得られる成形物の特性が向上しやすい。
ポリマー(1)が有する極性官能基は、ポリマーが含有する単位に含まれていてもよく、ポリマー主鎖の末端基に含まれていてもよい。後者のポリマーとしては、重合開始剤、連鎖移動剤等に由来する末端基として極性官能基を有するポリマーや、プラズマ処理、電離線処理や放射線処理によって調製された、極性官能基を有するポリマーが挙げられる。
Fポリマーがポリマー(1)であれば、本パウダーにおいて、ポリマー(1)と特定のセラミックスフィラーまたは六方晶系フィラーとの親和性が高く、本組成物の加工性や分散安定性に優れやすい。
ポリマー(1)は、全単位に対して、TFE単位を93から98.99モル%、PAVE単位を1から5モル%および極性官能基を有するモノマーに基づく単位を0.01から2モル%、それぞれ含有するのが好ましい。
また、極性官能基を有するモノマーとしては、無水イタコン酸、無水シトラコン酸および5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(以下、「NAH」とも記す。)が好ましい。
ポリマー(1)の具体例としては、国際公開第2018/16644号に記載されるポリマーが挙げられる。
ポリマー(2)は、TFE単位およびPAVE単位のみからなり、全単位に対して、TFE単位を95から98モル%、PAVE単位を2から5モル%含有するのが好ましい。
ポリマー(2)におけるPAVE単位の含有量は、全単位に対して、2.1モル%以上が好ましく、2.2モル%以上がより好ましい。
なお、ポリマー(2)が極性官能基を有さないとは、ポリマー主鎖を構成する炭素原子数の1×10個あたりに対して、ポリマーが有する極性官能基の数が、500個未満であることを意味する。上記極性官能基の数は、100個以下が好ましく、50個未満がより好ましい。上記極性官能基の数の下限は、通常、0個である。
ポリマー(2)は、ポリマー鎖の末端基として極性官能基を生じない重合開始剤や連鎖移動剤等を使用して製造してもよく、重合開始剤に由来する極性官能基をポリマー鎖の末端基に有するポリマー等の極性官能基を有するポリマーをフッ素化処理して製造してもよい。
フッ素化処理の方法としては、フッ素ガスを使用する方法(特開2019-194314号公報等を参照)が挙げられる。
本パウダーは、Fポリマーを含有するパウダーであり、パウダー中のFポリマーの量は、80質量%以上であるのが好ましく、100質量%であるのがより好ましい。
本パウダーのD50は、20μm以下であるのが好ましく、8μm以下であるのがより好ましく、5μm以下であるのがさらに好ましい。本パウダーのD50は、0.1μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましく、1μm以上であるのがさらに好ましい。また、本パウダーのD90は、10μm以下であるのが好ましく、5μm以下であるのがより好ましい。本パウダーのD50およびD90が、かかる範囲にあれば、その表面積が大きくなり、本パウダーの分散性が一層改良されやすい。
本パウダーは、Fポリマーと異なる他の樹脂または無機物を含有してもよい。
他の樹脂の例としては、芳香族ポリマーが挙げられる。芳香族ポリマーは、芳香族ポリイミド、芳香族マレイミド、スチレンエラストマーのような芳香族エラストマー、芳香族ポリアミック酸が挙げられる。
無機物の例としては、酸化物、窒化物、金属単体、合金およびカーボンが好ましく、酸化ケイ素(シリカ)、酸化ベリリウム、酸化セリウム、アルミナ、ソーダアルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物、窒化ホウ素およびステアナイトまたはメタ珪酸マグネシウムが挙げられ、シリカおよび窒化ホウ素が好ましく、シリカがさらに好ましい。
他の樹脂または無機物を含む本パウダーは、Fポリマーをコアとし、上記成分をシェルに有するコアシェル構造を有するか、Fポリマーをシェルとし、上記成分をコアに有するコアシェル構造を有するのが好ましい。かかる本パウダーは、例えば、Fポリマーのパウダーと、上記成分のパウダーとを衝突または凝集等により合着させて得られる。
本組成物に含まれるセラミックスフィラーは、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコン酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウムおよび酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むフィラーである。
セラミックスフィラーは原料となる無機物を加熱処理により焼成したものであり、フィラーの中でも表面の酸化被膜や水酸基等が焼成により低減されている。
つまり、本組成物に含まれるセラミックスフィラーは、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコン酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウムおよび酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の原料となる無機物を焼成して得られるセラミックスフィラーであるのが好ましい。
セラミックスフィラーとしては、結晶構造がペロブスカイト型であるセラミックスフィラーが好ましい。かかるセラミックスフィラーとしては、チタン酸バリウムのフィラー、チタン酸ジルコン酸鉛のフィラー、酸化チタンのフィラーが挙げられる。
セラミックスフィラーの結晶化度は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。結晶化度は、100%以下である。かかる場合、セラミックスフィラーは高誘電性に優れるだけでなく、本組成物の分散性も向上しやすい。
セラミックスフィラーのD50は0.01から50μmが好ましい。また形状は球形が好ましく、略真球状であるのがより好ましい。この場合、長径に対する短径の比は、0.5以上が好ましく、0.8以上がより好ましい。前記比は、1未満が好ましい。
前記セラミックスフィラーのなかでも、本組成物から得られる成形物の電気特性および熱伝導性の観点からチタン酸バリウムのフィラーまたは酸化チタンのフィラーが好ましい。チタン酸バリウムのフィラーと酸化チタンのフィラーは、それぞれ単独で使用してもよく、混合して併用してもよい。チタン酸バリウムフィラーと酸化チタンフィラーを混合する場合の混合比率は、両者の合計質量を100%として、チタン酸バリウムフィラーが50質量%超、または酸化チタンフィラーが50質量%以上のいずれかが好ましい。例えばチタン酸バリウムフィラーおよび、チタン酸バリウムフィラーの質量を1としてチタン酸バリウムフィラーに対する質量比が0から1未満の酸化チタンフィラーの混合物、または酸化チタンフィラーおよび、酸化チタンフィラーの質量を1として酸化チタンフィラーに対する質量比が0から1以下のチタン酸バリウムフィラーの混合物が好ましい。
本組成物に含まれる六方晶系フィラーは結晶構造が六方晶系に分類されるフィラーであり、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、窒化ホウ素、酸化ケイ素等で六方晶系の結晶形のフィラーが挙げられる。これら六方晶系のなかでも、本組成物から形成される成形物の誘電正接を低下させる観点から窒化ホウ素が好まく、板状または鱗片状の窒化ホウ素が好ましい。
前記セラミックスフィラーと前記六方晶系の合計量は本組成物中、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。上記合計量は本組成物中、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
またセラミックスフィラーと六方晶系フィラーの質量比は六方晶系の質量を1として、セラニックスフィラーが0.16以上であるのが好ましく、0.5以上であるのがより好ましく、1以上であるのがさらに好ましい。上記質量比は100以下であるのが好ましい。
六方晶系フィラーの形状は粒状であるのが好ましく、球状、針状(繊維状)、および板(柱)状であるのがより好ましい。六方晶系フィラーの具体的な形状としては、球状、鱗片状、層状、葉片状、杏仁状、柱状、鶏冠状、等軸状、葉状、雲母状、ブロック状、平板状、楔状、ロゼット状、網目状、角柱状が挙げられ、本組成物中でカードハウス構造を形成してセラミックスフィラーの分散性を向上させやすい観点から、球状および鱗片状が好ましい。また、かかる形状の六方晶系フィラーを用いれば、本組成物中での六方晶系フィラーの分布の均一性が向上して、その機能を高めやすい。
前記セラミックスフィラーおよび前記六方晶系フィラー(以下、両者を合わせて「本フィラー」とも記す。)はその表面が表面処理剤で表面処理されているのが好ましい。表面処理によりFポリマーとの親和性と本組成物から形成される成形物の誘電正接がより改良される。本フィラーの表面は酸化や加水分解によって電気特性が低下することがあるため、その表面を表面処理することで電気特性の低下を抑制することができる。
表面処理剤としては、多価アルコール(トリメチロールエタン、ペンタエリストール、プロピレングリコール等)、飽和脂肪酸(ステアリン酸、ラウリン酸等)、飽和脂肪酸エステル、アルカノールアミン、アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン等)、パラフィンワックス、シランカップリング剤、シリコーン、ポリシロキサンが挙げられる。これら表面処理剤は1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
シランカップリング剤としては、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン及び3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランが好ましい。
本フィラーを前記表面処理剤で処理する方法は、例えば、表面処理剤を適切な溶媒に溶解し、そこへセラミックスフィラー、六方晶系フィラー、またはこれらの混合物を添加し、一定時間撹拌した後、表面処理されたこれらを取り出し、乾燥する方法が挙げられる。
前記セラミックスフィラーおよび前記六方晶系フィラーは表面に酸化被膜を有していてもよい。この場合、これらフィラーの表面が加水分解され難く、本組成物から形成される成形物が電気特性に優れやすい。
前記本組成物はさらに前記本フィラーとは異なる無機フィラーまたは他の樹脂を含有してもよい。
無機フィラーとしては、金属、金属酸化物、本フィラーとは異なるセラミックスのフィラーが好ましく、具体的には、金、銀、銅、白金、ニッケル、パラジウム、酸化鉛、酸化鉄、酸化錫、酸化マグネシウム、五酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジウム、酸化セリウム、酸化ニオブ、窒化ケイ素、グラファイト、カーボンブラック、フラーレン、水酸化アルミニウム、炭化ケイ素、ダイヤモンドのフィラーが挙げられ、酸化鉛、酸化鉄、酸化錫、酸化マグネシウム、五酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジウム、酸化セリウム、酸化ニオブ、または窒化アルミニウムのフィラーが好ましく、窒化アルミニウムのフィラーがより好ましい。
無機フィラーは、1種類の無機フィラーを単独で用いてもよく、2種以上の無機フィラーを併用してもよい。
前記無機フィラーを用いる場合、その表面は、シランカップリング剤で表面処理されているのが好ましい。シランカップリング剤としては前記と同様なものが例示できる。
他の樹脂としては、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、ウレタン樹脂、エラストマー、ポリイミド、ポリアミック酸、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、液晶ポリエステル、Fポリマー以外のフルオロポリマーが挙げられる。
他の樹脂の好適な態様としては、芳香族ポリマーのワニスが挙げられる。芳香族ポリマーは、芳香族ポリイミドまたは芳香族ポリアミック酸が好ましく、熱可塑性芳香族ポリイミドがより好ましい。
本液状組成物は、前記本組成物と液状分散媒を含有した液状状態にあるスラリー状またはゾル状の組成物である。なお液状とは25℃で粘度が10mPa・s以下の化合物であり、以下も同じである。
液状分散媒は、本組成物を分散または溶解する機能を有する液体であり、25℃で不活性な液体化合物である。液状分散媒は、水であってもよく、非水系液状分散媒であってもよい。液状分散媒としては、本液状組成物中の本組成物の分散安定性を高める観点から、アミド、ケトンおよびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の液体化合物が好ましく、水、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンおよびシクロペンタノンがより好ましい。
液状分散媒は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。この場合、異種の液状分散媒は相溶するのが好ましい。
液状分散媒の沸点は、125から250℃が好ましい。この範囲において、本液状組成物から液状分散媒を除去する際に、本パウダーが、高度に流動して緻密にパッキングし、その結果、本液状組成物から、緻密な成形物が形成されやすい。
本液状組成物における液状分散媒の含有量は、40から80質量%が好ましく、50から70質量%がより好ましい。
本液状組成物中の固形分は、上記本パウダーと本フィラーとを含有する。なお、本液状組成物の固形分とは、本液状組成物から形成される成形物において固形成分を形成する物質の総量を意味する。本液状組成物の全質量を100%として、固形分濃度は20質量%以上が好ましく、30質量%がより好ましい。また本液状組成物の分散性の観点から、固形分濃度は70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。固形分には本パウダーと本フィラー以外の成分を含んでもよく、固形分中の本パウダーと本フィラーとの合計量は、固形分の全質量を100質量%として、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。前記合計量は、100質量%以下が好ましい。
前記本液状組成物は分散安定性とハンドリング性とを向上させる観点からノニオン性界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤の親水部位は、オキシアルキレン基またはアルコール性水酸基を有するのが好ましい。
オキシアルキレン基は、1種から構成されていてもよく、2種以上から構成されていてもよい。後者の場合、種類の違うオキシアルキレン基は、ランダム状に配置されていてもよく、ブロック状に配置されていてもよい。オキシアルキレン基は、オキシエチレン基が好ましい。
界面活性剤の疎水部位は、アセチレン基、ポリシロキサン基、ペルフルオロアルキル基またはペルフルオロアルケニル基を有するのが好ましい。換言すれば、界面活性剤は、アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤が好ましく、シリコーン系界面活性剤がより好ましい。
かかる界面活性剤の具体例としては、「フタージェント」シリーズ(株式会社ネオス社製 フタージェントは登録商標)、「サーフロン」シリーズ(AGCセイミケミカル社製 サーフロンは登録商標)、「メガファック」シリーズ(DIC株式会社製 メガファックは登録商標)、「ユニダイン」シリーズ(ダイキン工業株式会社製 ユニダインは登録商標)、「BYK-347」、「BYK-349」、「BYK-378」、「BYK-3450」、「BYK-3451」、「BYK-3455」、「BYK-3456」(ビックケミー・ジャパン株式会社社製)、「KF-6011」、「KF-6043」(信越化学工業株式会社製)が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、エーテル型、エステル型、ソルビタンエスエル型、ソルビタンエステル・エチレンオキシド付加型、ジエステル型、モノグリセライド型、モノグリセライド・エチレンオキシド付加型、トリグリセライド・エチレンオキシド付加型、ソルビットエステル・エチレンオキシド付加型、ポリグリセリンアルキルエステル型、ポリエーテルアミン型、アルカノールアミド型、アルカノールアミド・エチレンオキシド付加型、アミンオキシド型、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール・ブロックエーテル型(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックポリマー型) 、エチレンジアミンベース型、フェノール型界面活性剤等を挙げることができ、エーテル型界面活性剤が好ましい。これらのノニオン性界面活性剤は、セラミックスフィラーとの親和性が高く、本組成物の分散性を向上させやすい。
エーテル型のノニオン性界面活性剤としてはポリオキシアルキレンアルキルエーテルまたはポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルが挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル、ポリオキシエチレンエイコシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、やし油還元アルコールエチレンオキサイド付加物、牛脂還元アルコールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン-ドデシルエーテル、ポリオキシプロピレンドデシルエーテル等が挙げられる。中でも、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシプロピレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン-ドデシルエーテル、等が好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルの具体例としては、ポリオキシエチレンヘキシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヘプチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンテトラデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクタデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンエイコシルフェニルエーテル等が挙げられる。
界面活性剤を含有する場合、前記本液状組成物中の含有量は、1から15質量%が好ましい。この場合、成分間の親和性が増し、本液状組成物の分散安定性がより向上しやすい。
本液状組成物の粘度は、10mPa・s以上が好ましく、100mPa・s以上がより好ましい。本組成物の粘度は、10000mPa・s以下が好ましく、1000mPa・s以下がより好ましい。この場合、本液状組成物は塗工性に優れるため、任意の厚さを有する後述するシートを形成しやすい。
本液状組成物のチキソ比は、1以上が好ましい。本液状組成物のチキソ比は、3以下が好ましく、2以下がより好ましい。この場合、本液状組成物は塗工性に優れるだけでなく、その均質性にも優れるため、より緻密なFポリマーの焼成層を形成しやすい。
本液状組成物の分散層率は60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。分散層率の上限は100%である。本法で得られる分散液は、上述のとおり、分散性と分散安定性に優れやすい。
本液状組成物から得られる成形物の成分分布の均一性の低下や空隙の抑制の観点から、本液状組成物中の泡沫体積比率は、10%未満が好ましく、5%未満がより好ましい。泡沫体積比率は、0%以上が好ましい。
なお、泡沫体積比率は、標準大気圧かつ20℃における分散液の体積(V)と、それを0.003MPaまで減圧した際の泡を合わせた体積(V)とを測定し、以下の算出式で求められる値である。
泡沫体積比率[%]=100×(V-V)/Vである。
本組成物は、上記成分以外にも、チキソ性付与剤、粘度調節剤、消泡剤、シランカップリング剤、脱水剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、難燃剤、各種フィラー等の他の成分をさらに含有してもよい。
本組成物は前記本パウダーと前記セラミクッスフィラーおよび前記六方晶系フィラーと、必要に応じて前記無機フィラーと他の樹脂等を混合することで得られる。
本組成物は、粉状であってもよく、ペレットであってもよい。また、本組成物は、前記Fポリマーと前記セラミクッスフィラーおよび前記六方晶系フィラーと、必要に応じて前記無機フィラーまたは他の樹脂や他の成分を溶融混練して得られる混練物であってもよい。
本組成物を溶融成形すれば、前記Fポリマーと前記セラミクッスフィラーおよび前記六方晶系フィラーを含む、シート等の成形物が得られる。溶融成形としては、押出成形または射出成形が挙げられ、押出成形が好ましい。押出成形は単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等を用いて行うことができる。
溶融混練は前記押出機内で行い、そのまま取り出すことなく押出成形を行ってシートとしてもよいし、予め溶融混練して本組成物とし、別途押出成形してもよい。
本組成物が前記液状分散媒を含有する本液状組成物の場合、本パウダー、前記セラミックスフィラー、前記六方晶系フィラーおよび液状分散媒を混合して本液状組成物が得られる。本液状組成物は、本パウダー、前記セラミックスフィラー、前記六方晶系フィラーと液状分散媒を一括で混合して得てもよいし、別々に順次混合してもよいし、これらのマスターバッチを予め作成し、それと残りの成分を混合してもよい。混合の順は特に制限はなく、また混合の方法も一括混合でも複数回に分割して混合してもよい。
本発明のシートは、テトラフルオロエチレン系ポリマー、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコン酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウムおよび酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の前記セラミックスフィラー、および前記六方晶系フィラーを含み、誘電率が4以上かつ誘電正接が0.01以下である厚さ25μm以上のシート(以下、「本シート」とも記す。)である。
本シートは、本組成物を溶融混練し、得られた組成物を押出成形して得てもよい。
溶融混練および押出成形の方法は上述の本組成物の溶融混練の方法と同様の方法が挙げられる。
また本シートは、例えば後述する方法で、前記本液状組成物を基材に接触させ、乾燥、焼成を経て積層体とし、得られた積層体から基材を除去して得てもよい。除去の方法としては、剥離またはエッチングが挙げられる。
前記押出成形または焼成の段階でFポリマーの焼成物が形成され、かかる焼成物を有する本シートが好ましく、焼成物からなるFポリマーの層(以下、「F層」とも記す。)を有する本シートがより好ましい。
本シートの厚さは25μ以上であり、30μm以上が好ましく、40μm以上が好ましい。本シートの厚さは200μm以下が好ましい。
本シートの厚さは前記押出し条件や後述する塗布条件を適宜、設定することで所望の厚さとすることができる。
本シートの誘電率は、4以上であり、8以上が好ましい。誘電率の上限は、50である。
本シートの誘電正接は0.01以下であり、0.005以下が好ましい。誘電正接の下限は、0.0001である。
前記Fポリマー、前記セラミックスフィラー、または前記六方晶系フィラーから適宜、好適なFポリマー、セラミックスフィラー、または六方晶系フィラーを選定し、前記好適な範囲の量とすることで、本シートの熱伝導率や誘電正接を所望の範囲とすることができる。
本シートは前記セラミックスフィラーおよび前記六方晶系フィラーを併用することで、得られるシート中で両者がパス構造を形成しやすく、さらに熱伝導性も向上する。本シートの熱伝導率は1.0W/m・K以上が好ましく、3.0W/m・K以上がより好ましい。誘電正接の上限は、10W/m・Kである。
本シートを基材に積層すれば積層体を形成できる。積層体の製造方法としては、前記押出機として共押出機を用い、基材の原料とともに本組成物を押出成形する方法、前記基材上に本組成物を押出成形する方法、本組成物の押出成形物と前記基材とを熱圧着する方法等が挙げられる。
基材の材質としては、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、それらの合金等の金属箔等の金属基板、ポリイミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリアリルスルホン、ポリアミド、ポリエーテルアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリルエーテルケトン、ポリアミドイミド、液晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミド等の樹脂フィルム、繊維強化樹脂基板の前駆体であるプリプレグが挙げられる。基材の形状としては、平面状、曲面状、凹凸状が挙げられ、さらに、箔状、板状、膜状、繊維状のいずれであってもよい。積層体の具体例としては、金属箔と、その金属箔の少なくとも一方の表面に本シートを有する金属張積層体、ポリイミドフィルムと、そのポリイミドフィルムの両方の表面に本シートを有する多層フィルムが挙げられる。これらの積層体は、電気特性等の諸物性に優れており、プリント基板材料等として好適である。具体的には、かかる積層体は、フレキシブルプリント基板やリジッドプリント基板の製造に使用できる。
また本液状組成物を基材の表面に接触させ、加熱すれば、本シートと基材とを含む積層体が得られる。積層体の好適な態様としては、金属箔とその少なくとも一方の表面に形成された本シートとを有する金属張積層体、樹脂フィルムとその少なくとも一方の表面に形成された本シートとを有する多層フィルムが挙げられる。基材の材質は前記と同じである。
上記積層体の製造においては、基材の表面の少なくとも片面に本シートが形成されればよく、基材の片面のみに本シートが形成されてもよく、基材の両面に本シートが形成されてもよい。基材の表面は、シランカップリング剤等により表面処理されていてもよい。本液状組成物の接触に際しては、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、グラビアオフセット法、ナイフコート法、キスコート法、バーコート法、ダイコート法、ファウンテンメイヤーバー法、スロットダイコート法等の塗布方法を使用できる。
本シートを有する積層体は、加熱により前記本液状分散媒を除去した後に、さらに加熱によりFポリマーを焼成して形成するのが好ましい。分散媒の除去の温度は、できるだけ低温が好ましく、分散媒の沸点より50℃から150℃低い温度が好ましい。例えば沸点が約200℃のN-メチル-2-ピロリドンを用いた場合、150℃以下、好ましくは100から120℃で加熱することが好ましい。分散媒を除去する工程で空気を吹き付けるのが好ましい。
本シートは、前記のとおりFポリマーの焼成物を含むのが好ましい。したがって、分散媒を除去後、基材をFポリマーが焼成する温度領域に加熱して形成するのが好ましく、例えば300から400℃の範囲でポリマーを焼成するのが好ましい。
本シートを含む積層体は、上述のとおり本液状組成物を記載に接触させ、乾燥、焼成の工程を経て形成できる。これら工程は1回でも2回以上でもよい。例えば、前記本液状組成物を塗布し、加熱により液状分散媒を除去し膜を形成する。形成した膜の上にさらに前記本液状組成物を塗布して加熱により上記液状分散媒を除去し、さらに加熱によりポリマーを焼成して形成してもよい。平滑性に優れた厚い膜を得やすい観点から、液状分散媒の塗布、乾燥、焼成の工程を2回行うのが好ましい。
積層体の場合、本シートと基材との剥離強度は、10N/cm以上が好ましく、15N/cm以上がより好ましい。上記剥離強度は、100N/cm以下が好ましい。本液状組成物を用いれば、本シートにおけるFポリマーの物性を損なわずに、かかる積層体を容易に形成できる。
本シートの空隙率は、5%以下が好ましく、4%以下がより好ましい。空隙率は、0.01%以上が好ましく、0.1%以上がより好ましい。なお、空隙率は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察される成形物の断面におけるSEM写真から、画像処理にて本シートの空隙部分を判定し、空隙部分が占める面積を本シートの面積で除した割合(%)である。空隙部分が占める面積は空隙部分を円形と近似して求められる。
本シートと他の基材との積層体の構成としては、金属基板/本シート/他の基材層/本シート/金属基板、金属基板層/他の基材層/本シート/他の基材層/金属基板層等が挙げられる。それぞれの層には、さらに、ガラスクロスやフィラーが含まれていてもよい。
本発明の組成物は、成形性や分散安定性に優れ、Fポリマー、セラミックスフィラーおよび六方晶系フィラーの物性を具備した、フィルム、プリプレグ等の含浸物または積層体等の成形品の製造に使用できる。本発明の組成物からは、アンテナ部品、プリント基板、航空機用部品、自動車用部品、スポーツ用具、食品工業用品、塗料、化粧品等の材料として有用である。プリント基板においては、電子部品が高密度に実装されたプリント基板の温度上昇を防ぐため、従来のガラスエポキシ板に替わる新たなプリント基板材料としても使用できる。
具体的には、航空機用電線等の電線被覆材、電気絶縁性テープ、石油掘削用絶縁テープ、プリント基板用材料、精密濾過膜、限外濾過膜、逆浸透膜、イオン交換膜、透析膜または気体分離膜等の分離膜、リチウム二次電池用または燃料電池用等の電極バインダー、コピーロール、家具、自動車ダッシュボート、家電製品等のカバー、例えば荷重軸受、すべり軸、バルブ、ベアリング、ブッシュ、シール、スラストワッシャ、ウェアリング、ピストン、スライドスイッチ、歯車、カム、ベルトコンベアまたは食品搬送用ベルト等の摺動部材、ウェアパッド、ウェアストリップ、チューブランプ、試験ソケット、ウェハーガイド、遠心ポンプの摩耗部品、炭化水素・薬品および水供給ポンプ、工具であるシャベル、やすり、きり、のこぎり等、ボイラー、ホッパー、パイプ、オーブン、焼き型、シュート、ダイス、便器、コンテナ被覆材、自動車向けの放熱基板、パワーデバイス、トランジスタ、サイリスタ、整流器、トランス、パワーMOS FET、CPU、放熱フィン、放熱板やガラス容器内外へのコーティング材として有用である。ガラス容器としては、バイアル瓶、注射筒またはシリンジ、針付シリンジおよびカートリッジタイプシリンジ、アンプルが挙げられる。また、パソコンやディスプレイの筐体、電子デバイス材料、自動車の内外装等、低酸素下で加熱処理する加工機や真空オーブン、プラズマ処理装置などのシール材や、スパッタや各種ドライエッチング装置等の処理ユニット内の放熱部品としても有用である。
また、さらに導電性フィラーを含む本発明の組成物は、導電性が要求される用途、例えば、プリンテッド・エレクトロニクスの分野においても好適に使用できる。具体的には、プリント回路板、センサー電極、ディスプレイ、バックプレーン、RFID(無線周波数識別)、太陽光発電、照明、使い捨て電子機器、自動車ヒータ、電磁波(EMI)シールド、メンブレンスイッチ等における通電素子の製造において使用できる。
上述のとおり本パウダーと本フィラーとを含む本組成物、さらに液状分散媒を含む本液状組成物は分散安定性に優れ、得られるシートは電気特性および熱伝導性に優れる。
以上、本組成物、本液状組成物、前記本シートを説明したが、本発明は、上述した実施形態の構成に限定されない。
例えば、本組成物、本液状組成物、および前記本シートは実施形態の構成において、他の任意の構成を追加してもよいし、同様の機能を発揮する任意の構成と置換されていてよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.各成分および各部材の準備
[パウダー]
パウダー1:TFE単位、NAH単位及びPPVE単位を、この順に97.9モル%、0.1モル%、2.0モル%含み、カルボニル基含有基を主鎖炭素数1×10個あたり1000個有するポリマー(溶融温度:300℃)からなるパウダー(D50:2.1μm)
[フィラー]
フィラー1:チタン酸バリウムのセラミックスフィラー(D50:0.4μm)
フィラー2:六方晶系窒化ホウ素の板状フィラー(D50:7.0μm)
[液状分散媒]
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
[界面活性剤]
界面活性剤1:ノニオン性のポリオキシアルキレンラウリルエーテル(ADEKA社製「LB-1520」)
2.分散液の製造例
[例1]
ジルコニアボールの入ったポットに、パウダー1、フィラー1、フィラー2、界面活性剤1およびNMPを投入し、ポットを転がして、パウダー1(25質量部)、フィラー1(10質量部)、フィラー2(15質量部)、界面活性剤1(4質量部)およびNMP(46質量部)を含む粘度400mPa・sの分散液1を得た。
分散液1は、25℃にて長期間保管しても、凝集物が視認されず、分散性に優れていた。
3.積層体の製造例
厚さ18μmの長尺の銅箔の表面に、バーコーターを用いて分散液1を塗布して、ウェット膜を形成した。次いで、このウェット膜が形成された金属箔を、120℃にて5分間、乾燥炉に通し、加熱により乾燥させて、ドライ膜を得た。その後、窒素ガス雰囲気のオーブン中で、ドライ膜を380℃にて3分間、加熱した。これにより、金属箔と、その表面にパウダー1の溶融焼成物、フィラー1およびフィラー2を含む、成形物として厚さ50μmのポリマー層とを有する積層体1を製造した。
積層体1の銅箔を塩化第二鉄水溶液でエッチングにより除去して単独のFポリマー層を作製しシートとした。得られたシートをSPDR(スプリットポスト誘電体共振)法にて誘電率と測定周波数10GHzで誘電正接を測定した結果、誘電率は8以上であり、誘電正接は0.01以下であった。さらに、前記Fポリマー層の面内方向における熱伝導率を測定した結果、熱伝導率は1W/m・K以上であり、前記Fポリマー層は高誘電率および低誘電正接の電気特性と熱伝導性とに優れることを確認した。
上記結果から明らかなように、本組成物および本液状組成物は分散安定性に優れる。また本組成物および本液状組成物から得られるシートはテトラフルオロエチレン系ポリマーが本来有する物性が低下することなく、電気特性および熱伝導性に優れる。

Claims (14)

  1. テトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダー、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコン酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウムおよび酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種のセラミックスフィラー、および六方晶系フィラーを含む組成物。
  2. 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、主鎖炭素数1×10個あたり、10個以上5000個以下のカルボニル基含有基を有するポリマーである請求項1に記載の組成物。
  3. 前記セラミックスフィラーと前記六方晶系フィラーの合計量が20質量%以上である請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記セラミックスフィラーの質量比が前記六方晶系フィラーの質量を1として0.16以上である請求項1から3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記セラミックスフィラーがチタン酸バリウムおよび、チタン酸バリウムの質量を1としてチタン酸バリウムに対する質量比が0から1未満の酸化チタンである請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記セラミックスフィラーが酸化チタンおよび、酸化チタンの質量を1として酸化チタンに対する質量比が0から1以下のチタン酸バリウムである請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記六方晶系フィラーが、板状または鱗片状の窒化ホウ素フィラーである、請求項1から6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の組成物が液状分散媒を含有する液状組成物。
  9. 前記液状分散媒が、アミド、ケトンおよびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項8に記載の液状組成物。
  10. さらにノニオン性の界面活性剤を含む請求項8または9に記載の液状組成物。
  11. 粘度が10から10000mPa・sである請求項8から10のいずれか1項に記載の液状組成物。
  12. テトラフルオロエチレン系ポリマー、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコン酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウムおよび酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種のセラミックスフィラー、および六方晶系フィラーを含み、誘電率が4以上かつ誘電正接が0.01以下である厚さ25μm以上のシート。
  13. 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、主鎖炭素数1×10個あたり、10個以上5000個以下のカルボニル基含有基を有するポリマーである請求項12に記載のシート。
  14. 前記セラミックスフィラーと前記六方晶系フィラーの合計量が20質量%以上であり、かつ、前記セラミックスフィラーの質量比が前記六方晶系フィラーの質量を1として0.16以上である請求項13に記載のシート。
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