JP2021109825A - 熱伝導性フィラー、及びそれを含有する熱伝導性組成物 - Google Patents

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Sachiko Suzuki
祥子 鈴木
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偉明 南山
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Yoshiki Hashizume
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Abstract

【課題】高い熱伝導率を有する熱伝導性フィラー及びその組成物を提供する。【解決手段】窒化アルミニウム粒子を80質量%以上含むフィラーであって、体積基準で、(A)粒子径1.2μm以下の粒子の量が2〜10質量%、(B)粒子径20μm以下の粒子の量が20〜50質量%、(C)粒子径80μm以下の粒子の量が60〜90質量%、の範囲にあり、粒子径50μm以上の粒子は、主として非球状である熱伝導性フィラーを用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、優れた熱伝導性を有する複合材料を得ることが可能な熱伝導性フィラー及びそれを含有する組成物に関する。
近年、電子機器の小型化、高集積化に伴い、実装部品の発熱問題が非常に重要な課題となっている。接着や封止材などに使用される樹脂は熱伝導率が低いため、樹脂に熱伝導の良好なフィラーを配合した樹脂組成物が使用される。特に、絶縁性が求められる用途では、酸化アルミニウム等のセラミック系の熱伝導性フィラーが用いられているが、そのような熱伝導性フィラーを配合した樹脂組成物の熱伝導率は1〜3W/(m・K)程度に留まる。これに対し、近年では、熱伝導率のより高い物質として窒化アルミニウムが注目されている。窒化アルミニウムには異方性がなく、単結晶の熱伝導率が285W/(m・K)と非常に高い特徴を持つ。
また、フィラー材料を含む樹脂組成物の熱伝導率は、フィラー材料そのものの熱伝導率には及ばないため、形状や粒子径の異なるフィラーを組み合わせることによってフィラー同士の接触や充填量を向上させて、熱伝導率の向上が試みられている。例えば、特許文献1には、平均粒子径10〜100μmの窒化アルミニウムと平均粒子径0.1〜5μmの破砕状アルミナを含む熱伝導性シリコーン組成物が開示されている。また、特許文献2には、平均アスペクト比2〜40、平均粒子径2〜60μmの六方晶窒化ホウ素粉末に、平均粒子径10〜100μmの窒化アルミニウム粉末と平均粒子径0.1〜3μmの窒化アルミニウム粉末とを混合した熱伝導性フィラー組成物が開示されている。
特開2017−210518号公報 WO2017/126608号公報
しかし、特許文献1や2記載の方法は、評価の方法に加圧成形を用いているため用途が限定され、加圧が困難な使用方法では十分な熱伝導率が得られない恐れがある。
本発明は、これらの問題を解決しつつ、高い熱伝導率を有する熱伝導性フィラー及びその組成物を提供することを目的とする。
上記の状況を鑑みて鋭意検討した結果、粒子径の異なる窒化アルミニウム粒子を混合した窒化アルミニウム系熱伝導性フィラー及びそれを用いた組成物が課題を解決することを見出した。すなわち、本発明の要旨は、下記の[1]〜[3]に存する。
[1]窒化アルミニウム粒子を80質量%以上含むフィラーであって、体積基準で、(A)粒子径1.2μm以下の粒子の量が2〜10質量%、(B)粒子径20μm以下の粒子の量が20〜50質量%、(C)粒子径80μm以下の粒子の量が60〜90質量%、の範囲にあり、粒子径50μm以上の粒子は、主として非球状である熱伝導性フィラー。
[2]前記の粒子径50μm以上の粒子であって、画像解析法により測定された長径と短径との比(短径/長径)が0.9以上である粒子の含有割合が、10.0体積%以下である[1]に記載の熱伝導性フィラー。
[3]ゴム、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上
の高分子化合物と、[1]又は[2]に記載の熱伝導性フィラーとを含有し、前記高分子化合物に対し、前記熱伝導性フィラーの量が50体積%以上1500体積%以下であることを特徴とする熱伝導性組成物。
本発明の熱伝導性フィラーを用いることにより、これを用いた熱伝導性組成物は、7W/(m・K)以上の高い熱伝導率を発現することができ、高い熱伝導率を発現し得る放熱材料が実現され、例えば、電子部品放熱用の基板等として好適に使用することができる。
(a)フィラー(TFZ−S80P)の短径/長径の体積分布、(b)当該フィラーの形状を示す図、(c)当該フィラーの電子顕微鏡写真、を示す。 (a)造粒フィラーの短径/長径の体積分布、(b)当該フィラーの形状を示す図、(c)当該フィラーの電子顕微鏡写真、を示す。 (a):実施例1、(b):実施例2、(c):実施例3、(d):実施例4、(e):実施例5における粒度分布のチャートを示す。 (a):比較例1、(b):比較例2、(c):比較例3、(d):比較例4における粒度分布のチャートを示す。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明は、粒子径の異なる窒化アルミニウム粒子を混合した熱伝導性フィラー、及びそれを用いた熱伝導性組成物に係る発明である。
[熱伝導性フィラー]
本発明の熱伝導性フィラーは、窒化アルミニウム粒子を80質量%以上含むフィラーである。窒化アルミニウムは、異方性がなく、単結晶の熱伝導率が285W/(m・K)と非常に高く、これを用いた前記の熱伝導性フィラーや熱伝導性組成物は、高い熱伝導率を発揮することができる。
前記熱伝導性フィラー中の窒化アルミニウム粒子の含有量は、85質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。80質量%より少ないと、得られる熱伝導性フィラーや熱伝導性組成物が十分な熱伝導率を得られない傾向が生じる。
前記熱伝導性フィラー中に含まれる窒化アルミニウム以外のフィラーとしては、アルミナ、シリカ、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化チタン、ジルコニア等を用いることができる。
前記熱伝導性フィラーは、次に示す3種類の粒子径の粒子を少なくとも含有する混合粒子である。
(A)粒子径1.2μm以下の粒子を、熱伝導性フィラーを構成する全粒子に対し、2質量%以上10質量%以下含有する。
(B)粒子径20μm以下の粒子を、熱伝導性フィラーを構成する全粒子に対し、20質量%以上50質量%以下含有する。
(C)粒子径80μm以下の粒子を、熱伝導性フィラーを構成する全粒子に対し、60質量%以上90質量%以下含有する。
なお、これらの粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定することができる。
この3種類の粒子径のフィラーを所定割合ずつ含有するので、より大きな粒子径を有するフィラー同士の隙間に、それより小さな粒子径を有するフィラーをはめ込むことが可能
となり、緻密に充填することができ、フィラー粒子間の隙間を少なくすることができる。これにより、フィラー粒子同士の接触面積が増大し、界面抵抗が減少するので、高い熱伝導率を発現させる。
また、粒子径1.2μm以下の粒子のより好ましい累積分布量は、2質量%以上8質量%以下であり、粒子径20μm以下の粒子のより好ましい累積分布量は、30質量%以上40質量%以下であり、粒子径80μm以下の粒子のより好ましい累積分布量は、75質量%以上85質量%以下である。
このような、粒度分布を持つ熱伝導性フィラーは、例えば、粒子径の異なる3種の原料粒子を混合することで得ることができる。混合される最も粒子径の小さい第1の原料粒子としては、平均粒子径が0.5μm以上3μm以下のセラミック粉を用いることができる。第1の原料粒子としてはセラミック粉であれば特に限定はされないが、熱伝導率の高さから窒化アルミニウム粉であることが好ましい。
中間の粒子径を持つ第2の原料粒子としては、平均粒子径が10μm以上30μm以下の窒化アルミニウム粉を好適に用いることができる。そして、最も平均粒子径の大きい第3の原料粒子としては、平均粒子径が50μm以上100μm以下の窒化アルミニウム粉を好適に用いることができる。
前記の第1の原料粒子、第2の原料粒子、第3の原料粒子のそれぞれの使用量は、全体として、前記の(A)〜(C)に示す3種類の粒子径のフィラーの含有割合を満たす条件下において、次の範囲とすることが好ましい。
まず、第1の原料粒子の量としては、熱伝導性フィラー全量に対して、5質量%以上20質量%以下が好ましく、8質量%以上15質量%以下がより好ましい。
次に、第2の原料粒子の量としては、熱伝導性フィラー全量に対して、30質量%以上70質量%以下が好ましく、35質量%以上60質量%以下がより好ましい。
そして、第3の原料粒子の量としては、熱伝導性フィラー全量に対して、30質量%以上70質量%以下が好ましく、30質量%以上50質量%以下がより好ましい。
これらの条件をみたすことにより、高い熱伝導率を発現させることのできる熱伝導性フィラーの粒子混合物を得ることができる。
これらの原料粒子を混合する方法としては、均一に混ぜられれば特に限定されず、公知の方法で撹拌できる。
[熱伝導性フィラーの形状]
前記熱伝導性フィラーを構成する各フィラー粒子は、粒子同士の接触面積を増大させることにより界面抵抗を減少させることができ、高い熱伝導率を発現することができる。この観点から、前記熱伝導性フィラーを構成する各フィラー粒子、特に、レーザー回折・散乱法により測定された粒子径が50μm以上の粒子が、主として非球状であることがよい。粒子径が50μm以上の粒子が主として非球状であるとすることにより、粒子同士の接触面積をより増大させることができる。
このような非球状の粒子を得る方法としては、例として、粉砕法をあげることができる。
前記の「非球状」とは、球状でないこと、すなわち、突起部、凹部、平坦部を有する形状をいう。このような形状を有することにより、隣接する粒子同士の接触部位を増やすことができる。
ところで、この非球状の目安として、各粒子の外径のうち、最長の径(長径)と最短の径(短径)との比(短径/長径)が0.9未満であることをあげることができる。この比は、0.85以下が好ましい。0.9以上だと、形状がほぼ真球状になるので、粒子同士の接触部位の増大につながらない。
なお、この比が0.9未満のものとして、楕円体も含まれる。これは、楕円の長軸又は短軸の回転体であるが、長軸方向に突起を有するとみることができるからである。
なお、このフィラー粒子の形状のための長径や短径等の粒子径の測定は、画像解析法により測定することができる。
また、粒子径が50μm以上の粒子のうち、非球状の粒子(前記の比の条件(短径/長径が0.9未満)を満たす粒子)が占める割合は、90.0体積%より多いことがよい。すなわち、粒子径が50μm以上の粒子のうち、球状の粒子(短径/長径が0.9以上)が占める割合は、10.0体積%以下であることがよい。非球状の粒子が90.0体積%以下含有する(球状の粒子が10.0体積%を越えて含有する)と、粒子同士の接触面積の低下の傾向が増大するので、好ましくない。
なお、非球状の粒子が占める割合は、90体積%以上が好ましく、95体積%以上がより好ましい。
ところで、上記の「主として」とは、非球状の粒子の含有割合(体積%)が、この条件を満たすことを意味する。
また、この非球状粒子の占有割合(体積%)の基準となる粒子径の上限は、特に限定されないが、あまり大きすぎる粒子は、混合しても分離しやすく、取扱いにくくなる場合があるので、100μmくらいで十分である。
[熱伝導性組成物]
本発明に係る熱伝導性組成物は、前記の熱伝導性フィラーと、高分子化合物とを含有する。この高分子化合物としては、ゴム等の熱可塑性樹脂、及び熱硬化性樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の高分子化合物をあげることができる。
前記ゴムの具体例としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム等をあげることができる。
また、前記ゴム以外の熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリイミド、フッ素樹脂、ABS(アクリル−ベンゼン−スルホン酸)樹脂等をあげることができる。
さらに、前記熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂等をあげることができる。
この熱伝導性組成物中の前記熱伝導性フィラーの含有量は、前記高分子化合物に対し、50体積%以上が好ましく、100体積%以上がより好ましい。50体積%以下だと、十分な熱伝導性が得られないおそれがある。また、前記熱伝導性フィラーの含有量の上限は、1500体積%であることが好ましく、600体積%であればより好ましい。1500体積%を超えると、成形が困難となる傾向がある。
本発明の熱伝導性組成物の作製方法としては、前記の熱伝導性フィラーと高分子化合物を均一に練り合わせることができれば、三本ロールミルなどの公知の方法を用いることができる。また、熱伝導性組成物を作製する際、前記の第1〜第3の原料粒子を予め混合した熱伝導性フィラーを高分子化合物と練り合わせてもよいが、高分子化合物を練りながら各原料粒子を順次加えていってもよい。このとき、粒子径の小さく分散しにくい第1の原料粒子から順に加えていくと、分散が良好となり好ましい。
この方法で作成された熱伝導性組成物は、その熱伝導率が常圧での成形でも7W/(m・K)以上となり、高熱伝導性を有する複合材料として、小型化・高集積化された電子機器の実装部品に利用することができる。
以下にこの発明について、実施例を用いて説明する。まず、この実施例で用いた試験例及び原材料を下記に示す。
(試験例)
[粒子径測定]
(粒度分布測定(レーザー回折・散乱法による測定))
各実施例及び比較例の熱伝導性フィラーの粒度分布を、レーザー回折式粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル(株)製:MT3300EXII)を用いて、水に分散させて粒度分布の測定を行った。
(粒子形状測定)
・(画像解析法による測定)
測定対象の原料粒子10000〜30000個を、マイクロトラック・ベル(株)製:マイクロトラックPartAn SIAを用いて、測定した。平均粒子径(D50)が50μm以上の粒子について、その形状、最も長い径(長径)、及び最も短い径(短径)を測定し、その短径/長径が0.9未満の粒子の体積割合を算出した。体積割合は、当該測定装置において、各粒子の投影面積と同面積の円の回転体である球の体積を基に算出される。
・(電子顕微鏡による撮影)
測定対象の原料粒子について、電子顕微鏡(日本電子(株)製:JSM−7200F)を用いて、倍率:200倍で、撮影した。
[タップ密度]
各実施例及び比較例の熱伝導性フィラーのタップ密度をJIS R 1628の規格に則り測定した。
[粘度]
作製した各サンプルの粘度を、コーンプレート型粘度計(BROOKFIELD製:DV2T)を用い、回転数2.5rpmで測定した。
[熱伝導率]
粘度測定に用いた各サンプルを直径25mm、厚み5mmの円盤状のシリコン型に注型し、成型し、150℃で60分間処理して、熱伝導測定用サンプルとした。得られた各熱伝導測定用サンプルについて、熱伝導率測定装置(C−THERM社製:TCi)を用いて、非定常法にて、熱伝導率を測定した。
(原材料)
[破砕フィラー]
・窒化アルミニウムフィラー(破砕品)…東洋アルミニウム(株)製:TFZ−S80P(平均粒子径D50:80μm、タップ密度:1.70g/cm)(以下、「S80P」
と称する。)、粒子径50μm以上100μm以下の粒子のうち、短径/長径が0.9未満(すなわち、形状は非球状)の含有割合:97.3体積%。
なお、この粒子の短径/長径の体積分布を図1(a)に、粒径50μm以上90μm以下の粒子の形状の一部を図1(b)に示す。また、この粒子を、電子顕微鏡を用いて撮影した。その写真を図1(c)に示す。
・窒化アルミニウムフィラー(破砕品)…東洋アルミニウム(株)製:TFZ−S60P(平均粒子径D50:60μm、タップ密度:1.69g/cm)(以下、「S60P」
と称する。)、粒子径50μm以上100μm以下の粒子のうち、短径/長径が0.9未満(すなわち、形状は非球状)の含有割合:97.1体積%。
・窒化アルミニウムフィラー(破砕品)…東洋アルミニウム(株)製:TFZ−S20P(平均粒子径D50:20μm、タップ密度:1.62g/cm)(以下、「S20P」
と称する。)。
・窒化アルミニウムフィラー(破砕品)…東洋アルミニウム(株)製:TFZ−S100P(平均粒子径D50:100μm、タップ密度:1.70g/cm)(以下、「S100P」と称する。)。
・窒化アルミニウムフィラー(破砕品)…東洋アルミニウム(株)製:TFZ−N15P(平均粒子径D50:15μm、タップ密度:1.61g/cm)(以下、「N15P」
と称する。)。
・窒化アルミニウムフィラー(破砕品)…東洋アルミニウム(株)製:TFZ−N01P(平均粒子径D50:1μm、タップ密度:1.11g/cm)(以下、「N01P」と
称する。)。
[造粒フィラー]
窒化アルミニウム造粒フィラーを製造した。
窒化アルミニウム粉末(東洋アルミニウム(株)製:JC)99重量部に、イットリア(富士フィルム和光純薬(株)製:酸化イットリウム)1重量部、及びイソプロピルアルコール (安藤パラケミー(株)製)40重量部、モビタール((株)クラレ製)1.5重量部、ユニルーブ(日油(株)製)1重量部、を加えて混錬し、スプレードライヤーを用
いて造粒し、400℃、3時間、脱脂した後、1850℃、3時間、焼結した。
得られたフィラーを分別し、平均粒子径D50:80μmのフィラー(以下、「造粒(
80)」と称する。)を得た。
得られた造粒(80)の粒子径50μm以上100μm以下の粒子のうち、短径/長径が0.9未満(すなわち、形状は非球状)の含有割合は、28体積%であった。
なお、この粒子の短径/長径の体積分布を図2(a)に、粒径50μm以上90μm以下の粒子の形状の一部を図2(b)に示す。また、この粒子を、電子顕微鏡を用いて撮影した。その写真を図2(c)に示す。
[その他のフィラー]
・アルミナフィラー…日本軽金属(株)製:LS210B(平均粒子径D50:2μm、タップ密度:1.60g/cm)(以下、「LS210B」と称する。)。
[樹脂]
・エポキシ樹脂…三菱ケミカル(株)製:jER825(密度:1.16g/cm)(以
下、単に「樹脂」と称する。)。
(実施例1)
[熱伝導性フィラーの作製]
S80P 5質量部、S20P 4質量部及びN01P 1質量部を、撹拌機(装置名吉川化工(株)製:振動式攪拌機VPA−02)で5分間均一に混合し、熱伝導性フィラーとした。得られた熱伝導性フィラーにおいて、粒子径50μm以上100μm以下の粒子全量を100体積%としたとき、これに含まれる短径/長径0.9未満(すなわち、形状は非球状)の粒子の含有割合は96体積%であった。
得られた熱伝導性フィラーについて、前記のレーザー回折・散乱法で粒度分布を測定し、各粒子径における体積基準累積割合を求めた。測定の結果、粒子径1.2μm以下の粒子の累積含有量が3.0質量%、20μm以下の粒子の累積含有量が25.2質量%、80μm以下の粒子の累積含有量が80.2質量%であった。当該粒度分布のチャートを図3(a)に示す。また、前記の方法でタップ密度を測定した。その結果を表1に示す。
なお、図3(a)において、縦軸は体積基準累積粒子量(全体を100質量部としたときの質量部)を、横軸はレーザー回折・散乱法により測定された粒子径を示す(図3(b)〜(e)、図4(a)〜(d)においても同様。)。また、グラフ中の3本の太い縦線は、粒子径が1.2μm(正確には1.26μm)、20μm(正確には20.17μm)、80μm(正確には80.7μm)における、本願発明で示す体積基準累積粒子量の範囲を示す。図3(b)〜(e)、図4(a)〜(d)においても同様である。
[熱伝導性組成物の作製]
得られた熱伝導性フィラー47gと、樹脂9.2gとを混合した後、三本ロールミル(アイメックス(株)製:BR−150V)を用いて均等に混ぜ合わせて、フィラー量が樹脂に対して150体積%の熱伝導性組成物を作製した。また、熱伝導性フィラーを58.25gとした以外は同様にして185体積%のサンプルを作製した。さらに同様に熱伝導性フィラーを73gとして、233体積%のサンプルを作製した。さらにまた、同様に熱伝導性フィラーを94gとして、300体積%のサンプルを作製した。これを用いて、前記の方法にしたがって、粘度及び熱伝導率を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例2、3、5、比較例1、2、4]
表1に示す原料フィラーを実施例1と同様に混合して、各熱伝導性フィラーを得た。各粒子径における体積基準累積含有量を表1に示す。また、それぞれの熱伝導性フィラーの粒度分布チャートを図3(b)、(c)、(e)、図4(a)、(b)、(d)に示す。
また、実施例1に記載の方法と同様にして、熱伝導性組成物を作製した。これを用いて、前記の方法にしたがって、粘度及び熱伝導率を測定した。その結果を表1に示す。
なお、比較例1の233体積%、比較例2の185体積%、比較例4の233体積%については、粘度の測定ができなかった。また、比較例2の233体積%については、作成することができなかった。
[実施例4、比較例3]
実施例1に記載の方法と同様にして、熱伝導性フィラーを47.8gとした以外は同様にして150体積%のサンプルを、熱伝導性フィラーを59.12gとした以外は同様にして185体積%のサンプルを、熱伝導性フィラーを74.4gとした以外は同様にして233体積%のサンプルを、作製した。これを用いて、前記の方法にしたがって、粘度及び熱伝導率を測定した。その結果を表1に示す。また、それぞれの熱伝導性フィラーの粒度分布チャートを図3(d)、図4(c)に示す。
なお、比較例3の233体積%については、粘度の測定ができなかった。
Figure 2021109825
以上の結果から、本発明の熱伝導性フィラーは、粘度の上昇を抑えつつ、常圧での成形でも、樹脂やゴム中での充填率を上げることができ、かつ、7W/(m・K)以上の高い熱伝導率を実現できることが分かった。また、同一の充填率でも、より高い熱伝導を得られることが分かった。

Claims (3)

  1. 窒化アルミニウム粒子を80質量%以上含むフィラーであって、
    体積基準で、
    (A)粒子径1.2μm以下の粒子の量が2〜10質量%、
    (B)粒子径20μm以下の粒子の量が20〜50質量%、
    (C)粒子径80μm以下の粒子の量が60〜90質量%、
    の範囲にあり、
    粒子径50μm以上の粒子は、主として非球状である熱伝導性フィラー。
  2. 前記の粒子径50μm以上の粒子であって、画像解析法により測定された長径と短径との比(短径/長径)が0.9以上である粒子の含有割合が、10.0体積%以下である請求項1に記載の熱伝導性フィラー。
  3. ゴム、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の高分子化合物と、請求項1又は2に記載の熱伝導性フィラーとを含有し、
    前記高分子化合物に対し、前記熱伝導性フィラーの量が50体積%以上1500体積%以下であることを特徴とする熱伝導性組成物。
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